(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】作業機械および作業機械の制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/20 C
(21)【出願番号】P 2021550568
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034853
(87)【国際公開番号】W WO2021070577
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2019187840
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】小林 優樹
(72)【発明者】
【氏名】久保田 啓介
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-225727(JP,A)
【文献】特開平01-318621(JP,A)
【文献】特開平05-222745(JP,A)
【文献】特開2018-021426(JP,A)
【文献】国際公開第2018/131063(WO,A1)
【文献】特開2019-108721(JP,A)
【文献】特開平06-280282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部材と、
前記操作部材を動かす駆動部と、
作業機械の走行装置または作業機のアクチュエータを動作させる制御信号を出力するコントローラと、
前記操作部材の位置を検出する位置検出部と、を備え、
前記コントローラは、前記アクチュエータの動作に対応した動きを前記操作部材に与える駆動信号を前記駆動部に出力し、前記駆動信号に基づいて前記操作部材を動かす作業機械であって、
前記コントローラは、前記位置検出部で検出される前記操作部材の位置に基づいて、前記操作部材の動きが前記アクチュエータの動作に対応した動きと異なっているか否か判定する判定部を有し、
前記コントローラは、オペレータによって動作される前記操作部材の動きが前記アクチュエータの動作に対応した動きと異なる場合、オペレータによって動作される前記操作部材の動きに基づいて前記制御信号を出力する、
作業機械。
【請求項2】
前記アクチュエータの動作を記憶する記憶部を更に備え、
前記記憶部に記憶されている前記アクチュエータの動作は、ティーチングプレイバックによって作成される、
請求項
1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記コントローラは、
作業対象の地形情報を取得する地形情報取得部と、
前記地形情報に基づいて前記アクチュエータの動作を演算する演算部と、
を有する、
請求項
1に記載の作業機械。
【請求項4】
前記コントローラは、前記作業機械の前記走行装置または前記作業機の前記アクチュエータに所定動作をさせる制御信号を出力し、
前記操作部材の動きが前記アクチュエータの前記所定動作に対応した動きに復帰した場合、前記アクチュエータが前記所定動作を行うように前記制御信号を出力する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項5】
アクチュエータを動作させる制御信号を出力する第1出力ステップと、
前記アクチュエータの動作に対応した動きを操作部材に与える駆動信号を、前記操作部材を駆動する駆動部に出力する第2出力ステップと、
前記操作部材の位置を検出する位置検出ステップと、
前記位置検出ステップで検出される前記操作部材の位置に基づいて、オペレータによって動作される前記操作部材の動きが前記アクチュエータの動作に対応した動きと異なるか否かを判定する判定ステップと、
異なると判定した場合、オペレータによって動作される前記操作部材の動きに基づいて前記制御信号を出力する第3出力ステップと、
を備えた、作業機械の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械および作業機械の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械の一例である油圧ショベルには、走行装置を前進または後進させる走行レバーと、旋回体を旋回し作業機を操作するための2つの作業機操作レバーが設けられており、複数の操作レバーが設けられている場合が多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、一連の単調な作業を繰り返す場合に自動運転を行う油圧ショベルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、建設現場では単調な作業だけに限らないため、オペレータによる手動作業も必要であるが、初心者のオペレータに操作を教えることが難しかった。
本発明は、操作レバーの操作をオペレータに確認させ易い作業機械および作業機械の制御方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
【0006】
開示の作業機械は、操作部材と、駆動部と、コントローラと、を備える。駆動部は、操作部材を動かす。コントローラは、作業機械の走行装置または作業機のアクチュエータを動作させる制御信号を出力する。コントローラは、アクチュエータの動作に対応した動きを操作部材に与える駆動信号を駆動部に出力し、駆動信号に基づいて操作部材を動かす。コントローラは、オペレータによって動作される操作部材の動きがアクチュエータの動作に対応した動きと異なる場合、オペレータによって動作される操作部材の動きに基づいて制御信号を出力する。
【0007】
開示の作業機械の制御方法は、第1出力ステップと、第2出力ステップと、判定ステップと、第3出力ステップと、を備える。第1出力ステップは、アクチュエータを動作させる制御信号を出力する。第2出力ステップは、アクチュエータの動作に対応した動きを操作部材に与える駆動信号を、操作部材を駆動する駆動部に出力する。判定ステップは、オペレータによって動作される操作部材の動きがアクチュエータの動作に対応した動きと異なるか否かを判定する。第3出力ステップは、異なると判定した場合、オペレータによって動作される操作部材の動きに基づいて制御信号を出力する。
(発明の効果)
【0008】
本開示によれば、操作レバーの操作をオペレータに確認させ易い作業機械および作業機械の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示にかかる実施の形態1の油圧ショベルの斜視図。
【
図2】
図1の油圧ショベルのキャブの内部を示す斜視図。
【
図3】
図2の走行レバーユニットを示す外観斜視図。
【
図5】
図3の左作業機操作レバーユニットの外観構成を示す斜視図。
【
図6】
図4の左作業機操作レバーユニットの内部構成を模式的に示す斜視図。
【
図8】
図1の油圧ショベルの制御システムを示すブロック図。
【
図9】
図1の油圧ショベルの制御方法を示すフロー図。
【
図10】本開示にかかる実施の形態2の油圧ショベルの制御システムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(実施の形態1)
<構成>
(油圧ショベル1の構成の概要)
図1は、本実施の形態の油圧ショベル1の構成を示す模式図である。
【0012】
油圧ショベル1は、車両本体2と、作業機3と、を備える。車両本体2は、
図1に示すように走行体4と旋回体5とを有している。走行体4は、一対の走行装置4a、4bを有する。各走行装置4a、4bは、履帯4c、4dを有しており、エンジンからの駆動力によって走行モータ4ae、4beが回転して履帯4c、4dが駆動されることによって油圧ショベル1が走行する。
図1には、走行モータ4beのみ示す。
【0013】
旋回体5は、走行体4上に載置されている。旋回体5は、図示しない旋回装置によって上下方向に沿った軸を中心として走行体4に対して旋回可能に設けられている。
【0014】
旋回体5の前部左側位置には運転室としてのキャブ6が設けられている。旋回体5は、図示しないエンジンや油圧ポンプなどを収容する。尚、本実施の形態において断りなき場合、前後左右はキャブ6内の運転席を基準として説明する。運転席が正面に正対する方向を前方向Fとし、前方向に対向する方向を後方向Bとする。運転席が正面に正対したときの側方方向の右側、左側をそれぞれ右方向R、左方向Lとする。
【0015】
キャブ6は、作業機3の反対側に配置された左側面にドア6aを有している。
【0016】
作業機3は、ブーム7、アーム8、掘削バケット9を有し、旋回体5の前部中央位置に取り付けられている。詳しくは、作業機3は、キャブ6の右側に配置されている。ブーム7の基端部は、旋回体5に回動可能に連結されている。また、ブーム7の先端部はアーム8の基端部に回動可能に連結されている。アーム8の先端部は、掘削バケット9に回動可能に連結されている。掘削バケット9は、その開口が車両本体2の方向(後方)を向くことができるようにアーム8に取り付けられている。掘削バケット9が、このような向きに取り付けられた油圧ショベルは、バックホウと呼ばれている。また、ブーム7、アーム8および掘削バケット9のそれぞれに対応するように油圧シリンダ10~12(ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12)が配置されている。これらの油圧シリンダ10~12(作業機のアクチュエータの一例)が駆動されることによって作業機3が駆動される。これにより、掘削等の作業が行われる。
【0017】
また、車両本体2には、後述する
図8に示すように制御システム30が設けられている。制御システム30は、作業機3、旋回体5、走行装置4a、4bおよび後述する駆動部17、44の制御を行う。
【0018】
(キャブ6)
図2は、キャブ6の内部を示す斜視図である。
【0019】
キャブ6内には、運転席13、走行レバーユニット14、左作業機操作レバーユニット15、および右作業機操作レバーユニット16が設けられている。
【0020】
走行レバーユニット14は、運転席13の前側に配置されている。走行レバーユニット14の走行レバー140(操作レバーの一例)を前に押すことによって車両本体2が前進し、走行レバー140を手前に引くことによって車両本体2が後進する。なお、旋回体の向きによっては前進と後進が逆になる。
【0021】
左作業機操作レバーユニット15は、運転席13の左側に配置されたコンソールボックス61に設けられている。左作業機操作レバーユニット15の左作業機操作レバー150(操作レバーの一例)は、前後左右の4方向に傾斜可能である。
【0022】
左作業機操作レバー150を前方に傾斜することによってアーム8が押し出され、後方に傾斜することによってアーム8が引き込まれる。また、左作業機操作レバー150を運転席13側に傾斜することによって旋回体5が右旋回し、運転席13と反対側に傾斜させることによって旋回体が左旋回する。なお、左作業機操作レバー150が前後左右の中立位置に配置された状態では、旋回体5とアーム8がとまったままその位置で保持される。
【0023】
右作業機操作レバーユニット16は、運転席13の右側に配置されたコンソールボックス62に設けられている。右作業機操作レバーユニット16の右作業機操作レバー160(操作レバーの一例)は、前後左右の4方向に傾斜可能である。
右作業機操作レバー160を前方に傾斜することによってブーム7が下げられ、後方に傾斜することによってブーム7が上げられる。右作業機操作レバー160を運転席13と反対側に傾斜することによって掘削バケット9がダンプ操作し、運転席13側に傾斜することによって掘削バケット9が掘削操作する。なお、右作業機操作レバー160が前後左右の中立位置に配置された状態では、ブーム7と掘削バケット9は動かず、その位置で保持される。
【0024】
(走行レバーユニット14)
図3は、走行レバーユニット14の斜視図である。
図4は、
図3のBB´間の矢示断面図である。
【0025】
走行レバーユニット14は、走行レバー140と、連結部41と、軸部42と、ポテンショメータ43と、駆動部44と、走行ペダル45と、を有する。
【0026】
走行レバー140は、キャブ6のフロア6fから上方に延びている。走行レバー140の上端には、操作の際にオペレータによって把持される把持部141が設けられている。連結部41は、走行レバー140の下部と軸部42の間を連結する。連結部41は、走行レバー140と軸部42のそれぞれに固定されている。軸部42は、左右方向に沿って配置されている。
【0027】
ポテンショメータ43は、軸部42の一端に設けられている。走行レバー140を前後方向に傾斜させると、走行レバー140に固定されている連結部41も前後方向に移動し、連結部41とともに軸部42も回転する。ポテンショメータ43によって軸部42の位置を検出することによって、走行レバー140の操作位置を検出することができる。
【0028】
駆動部44は、軸部42の他端と連結されている電動モータ44aを有する。電動モータ44aの出力軸44bが軸部42と連結されており、軸部42を回転駆動することができる。軸部42を回転駆動することによって、走行レバー140を前後方向に傾斜移動させることができる。
【0029】
走行ペダル45は、連結部41の上側に配置されており、
図3に示すように、前端45aを下方に移動するように踏み込むことによって、走行レバー140も前方に移動し、油圧ショベル1を前進させることができる。また、後端45bを下方に移動するように踏み込むことによって、走行レバー140も後方に移動し、油圧ショベル1を後進させることができる。
【0030】
(左作業機操作レバーユニット15および右作業機操作レバーユニット16)
左作業機操作レバーユニット15と右作業機操作レバーユニット16は、同様の構成であるため、左作業機操作レバーユニット15を例に挙げて説明する。
【0031】
図5は、左作業機操作レバーユニット15の外観構成を模式的に示す斜視図である。
図6は、左作業機操作レバーユニット15の内部構成を模式的に示す斜視図である。
図7は、
図5のAA´間の矢示断面図である。
【0032】
左作業機操作レバーユニット15は、
図6に示すように、第1支持フレーム21と、第2支持フレーム22と、第3支持フレーム23と、駆動部17と、を備える。
【0033】
(第1支持フレーム21)
第1支持フレーム21は、コンソールボックス61のフレームに固定され、第2支持フレーム22および第3支持フレーム23を介して左作業機操作レバー150を前後左右に傾斜可能に支持する。
【0034】
例えば、第1支持フレーム21は、
図5に示すように、箱状であり、上面21aと、一対の側面21bと、一対の側面21cと、一対の載置面21dと、一対の載置面21eと、を有する。
【0035】
上面21aには、平面視において四角形状の貫通孔21hが形成されている。
【0036】
一対の側面21bは、上面21aの前端と後端の各々から下方に向かうように設けられている。一対の側面21bは、前後方向において対向するように配置されている。一対の側面21bには、それぞれに貫通孔21fが形成されている。一方の貫通孔21fのみ図示されている。
【0037】
一対の側面21cは、上面21aの左端と右端の各々から下方に向かうように設けられている。一対の側面21cは、左右方向において対向するように配置されている。一対の側面21cには、それぞれに貫通孔21gが形成されている。一方の貫通孔21gのみ図示されている。
【0038】
上面21a、一対の側面21bおよび一対の側面21cによって箱形状が形成されている。
【0039】
一対の載置面21dは、一対の側面21bのそれぞれの下端から側面21bに対して垂直であって外側に向かって延びるように設けられている。
【0040】
一対の載置面21eは、一対の側面21cのそれぞれの下端から側面21cに対して垂直であって外側に向かって延びるように設けられている。
【0041】
(第2支持フレーム22)
図6では、第1支持フレーム21を二点鎖線で示し、その内側の構成を実線で示す。
【0042】
第2支持フレーム22は、左作業機操作レバー150の前後方向への傾斜に合わせて傾斜する。第2支持フレーム22は、左作業機操作レバー150の左右方向の傾斜に対して回動せず、左作業機操作レバー150の左右方向への傾斜を支持する。
【0043】
第2支持フレーム22は、第1支持フレーム21の内側に第1支持フレーム21に対して回動可能に配置されている。第2支持フレーム22は、
図7に示すように、前後方向に沿って視て逆U字形状に形成されている。
【0044】
第2支持フレーム22は、上面22aと、一対の側面22bと、軸22cと、を有する。一対の側面22bは、上面22aの左右の端から下方に向かうように設けられている。上面22aには、左右方向に沿って形成された貫通孔22dが設けられている。また、貫通孔22dの前後方向の幅は、概ね左作業機操作レバー150の径と同じ長さに設定されている。貫通孔22dに沿って左右方向に左作業機操作レバー150が傾斜する。
【0045】
軸22cは、一対の側面22bの各々に、外側に向かって突出するように左右方向に沿って設けられている。左側の側面22bの軸22cは、左側の側面22bから左方向に向かって設けられており、右側の側面22bの軸22cは、右側の側面22bから右方向に向かって設けられている。一対の軸22cは、一対の側面21cの各々に形成された貫通孔21g(
図5参照)に回転可能に挿入されている。
【0046】
(第3支持フレーム23)
第3支持フレーム23は、左作業機操作レバー150の左右方向への傾斜に合わせて回動する。第3支持フレーム23は、左作業機操作レバー150の前後方向の傾斜に対しては回動せず、左作業機操作レバー150の回動を支持する。
【0047】
第3支持フレーム23は、第1支持フレーム21の内側に第1支持フレーム21に対して回動可能に配置されている。第3支持フレーム23は、第2支持フレーム22の内側に配置されている。
【0048】
第3支持フレーム23は、
図6に示すように、枠部23aと、軸23bとを有する。枠部23aは、平面視において前後方向に長く形成された四角形状である。枠部23aは、平面視において左作業機操作レバー150を囲っている。枠部23aの前後方向に沿って左作業機操作レバー150が傾斜する。枠部23aは、一対の側面23cと、一対の側面23dを有する。一対の側面23cは、前後方向において対向して配置されている。一対の側面23dは、左右方向において対向して配置されている。側面23dは、平面視において側面23cよりも長く形成されている。一対の側面23dの各々には、
図5に示すように貫通孔23eが形成されている。
【0049】
軸23bは、
図6に示すように、一対の側面23dの各々に、外側に向かって突出するように前後方向に沿って設けられている。前側の側面23cに設けられた軸23bは、前側の側面23cから前方向に向かって設けられており、後側の側面23cに設けられた軸23bは、後側の側面23cから後方向に向かって設けられている。一対の軸23bは、一対の側面21bの各々に形成された貫通孔21f(
図5参照)に回転可能に挿入されている。
【0050】
左作業機操作レバー150は、
図5に示すように、その根元部分に左右のそれぞれの方向に突出した軸150aを有する。軸150aは、一対の側面23dの各々の貫通孔23eに回転可能に挿入されている。軸150aと上述した第2支持フレーム22の一対の軸22cは、同軸上に配置されている(軸C2参照)。第3支持フレーム23の一対の軸23bは同軸上に配置されている(軸C1参照)。
【0051】
これによって、例えば、左作業機操作レバー150を前後方向に傾斜させると、左作業機操作レバー150は第3支持フレーム23に対して軸150aを中心に回転する。この際、第3支持フレーム23の枠部23aが前後方向に長く形成されているため、左作業機操作レバー150は枠部23aと干渉することなく前後方向に傾斜できる。
【0052】
一方、第2支持フレーム22は左作業機操作レバー150が貫通孔22dの縁に当接するため左作業機操作レバー150の前後方向への回転とともに軸22cを中心に回動する。軸150aと上述した第2支持フレーム22の一対の軸22cが同軸C2上に配置されているため、左作業機操作レバー150は、軸C2を中心に前後方向に傾斜することになる。
【0053】
また、左作業機操作レバー150を左右方向に傾斜させると、左作業機操作レバー150は第3支持フレーム23とともに軸23bを中心に回転する。左作業機操作レバー150を左右方向に傾斜させた際には、左作業機操作レバー150は第2支持フレーム22の貫通孔22dに沿って移動するため、左作業機操作レバー150は第2支持フレーム22の上面22aに干渉することなく左右方向に傾斜できる。第3支持フレーム23の一対の軸23bは同軸C1上に配置されているため、左作業機操作レバー150は、軸C1を中心に左右方向に傾斜することになる。
【0054】
(駆動部17)
駆動部17は、後述する記憶部32に記憶されているレバー動作に合わせて左作業機操作レバー150を駆動する。
【0055】
駆動部17は、第1モータ24と、第2モータ25と、を有している。
【0056】
(第1モータ24)
第1モータ24は、電動モータであり、第3支持フレーム23の一対の軸23bのうち一方の軸23bに接続されている。第1モータ24は載置面21dに固定されている。
【0057】
第1モータ24は、軸23bに力を与えることによって左作業機操作レバー150を左右方向に傾斜させることができる。
【0058】
(第2モータ25)
第2モータ25は、電動モータであり、第2支持フレーム22の一対の軸22cのうち一方の軸22cに接続されている。第2モータ25は載置面21eに固定されている。
【0059】
第2モータ25は、軸22cに力を与えることによって左作業機操作レバー150を前後方向に傾斜させることができる。
【0060】
(第1ポテンショメータ18)
第1ポテンショメータ18は、
図5に示すように、第3支持フレーム23の一対の軸23bに接続されている。第1ポテンショメータ18は第1支持フレーム21の載置面21dに固定されている。
【0061】
第1ポテンショメータ18は、軸23bの回転位置を検出することによって左作業機操作レバー150の左右方向における傾斜位置を検出する。この傾斜位置に基づいて指令信号が送信され旋回体5が旋回する。
【0062】
(第2ポテンショメータ19)
第2ポテンショメータ19は、第2支持フレーム22の一対の軸22cに接続されている。第2ポテンショメータ19は第1支持フレーム21の載置面21eに固定されている。
【0063】
第2ポテンショメータ19は、軸22cの回転位置を検出することによって左作業機操作レバー150の前後方向における傾斜位置を検出する。この傾斜位置に基づいて指令信号が送信されアーム8が押し出され、又は引き込まれる。
【0064】
(制御システム30)
図8は、制御システム30の構成を示すブロック図である。
図8では、第1ポテンショメータ18と第2ポテンショメータ19を兼ねて図示する。第1モータ24と第2モータ25を兼ねて図示する。
【0065】
制御システム30は、制御部31と、記憶部32と、IMU33と、ストロークセンサ34、35、36と、走行速度センサ37と、旋回角度センサ38と、を有する。
【0066】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリを含む。制御部31は、記憶部32に記憶されているプログラムを読み出してメインメモリに展開し、プログラムに従って所定の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介して制御システム30に配信されてもよい。
【0067】
記憶部32は、自動運転のための油圧ショベル1の所定動作を時系列で記憶している。油圧ショベル1の所定動作とは、作業機3の動作、旋回体5の旋回動作、および走行装置4a、4bの走行動作の少なくとも1つを含む。本実施の形態では、記憶部32は、制御部31とは別に設けられているが、制御部31内に設けられていてもよい。
【0068】
また、記憶部32は、油圧ショベル1の所定動作に加えて油圧ショベル1の所定動作を実行するような左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160、および走行レバー140のレバー動作を時系列で記憶している。このレバー動作は、油圧ショベル1の所定動作に対応する動きともいえる。
【0069】
記憶部32に記憶されている所定動作およびレバー動作は、例えば、ティーチングプレイバックによってオペレータによって作成することができる。ティーチングプレイバックとは、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140をオペレータが操作することによって、その操作手順を記憶部32が記憶することである。
【0070】
制御部31は、レバー駆動部51と、車体駆動部52と、判定部53と、を備える。
【0071】
レバー駆動部51は、記憶部32に記憶されているレバー動作を実行するように左作業機操作レバーユニット15、右作業機操作レバーユニット16および走行レバーユニット14の制御を行う。レバー駆動部51は、記憶部32に記憶されている所定のレバー動作を実行するように左作業機操作レバーユニット15、右作業機操作レバーユニット16および走行レバーユニット14の各々に駆動信号s1、s2、s3を送信する。
【0072】
左作業機操作レバーユニット15は、駆動信号s1に基づいて第1モータ24および第2モータ25を駆動して左作業機操作レバー150を駆動する。右作業機操作レバーユニット16は、駆動信号s2に基づいて第1モータ24および第2モータ25を駆動して右作業機操作レバー160を駆動する。走行レバーユニット14は、駆動信号s3に基づいて第1モータ24及び第2モータ25を駆動して走行レバー140を駆動する。
【0073】
車体駆動部52は、記憶部32に記憶されている所定動作を実行するように作業機3、旋回体5または走行装置4a、4bを制御する。車体駆動部52は、記憶部32に記憶されている所定動作を実行するように作業機3に制御信号s7を送信し、旋回体5に制御信号s8を送信し、走行装置4a、4bに制御信号s9を送信する。一例としては、制御信号s7を受信したEPC弁が駆動され油圧シリンダ10~12に作動油の供給が行われて作業機3が動作する。また、制御信号s8を受信すると、旋回モータ5aが駆動し旋回体5を旋回させる。制御信号s9を受信すると、走行装置4a、4bの各々に設けられた走行モータ4ae、4beが履帯4c、4dを駆動し、走行体4が前進または後進する。なお、油圧シリンダ10~12は、作業機のアクチュエータの一例である。走行モータ4ae、4beは、走行装置のアクチュエータの一例である。旋回モータ5aは、旋回体のアクチュエータの一例である。
【0074】
IMU(Inertial Measurement Unit)33は、3軸のジャイロと3方向の加速度計を有しており、3次元の角速度と加速度を検出することができる。ストロークセンサ34は、ブームシリンダ10のストロークを検出する。ストロークセンサ35は、アームシリンダ11のストロークを検出する。ストロークセンサ36は、バケットシリンダ12のストロークを検出する。ストロークセンサ34~36によって、作業機3の姿勢を検出することができる。
【0075】
走行速度センサ37は、走行装置4a、4bによる走行速度を検出する。旋回角度センサ38は、旋回体5の旋回角度を検出する。
判定部53は、所定動作の自動運転の際におけるオペレータの操作介入を判定する。判定部53は、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の動作が記憶部32に記憶されているレバー動作に一致しているか否かを判定する。
【0076】
左作業機操作レバーユニット15は、第1ポテンショメータ18および第2ポテンショメータ19で検出した左作業機操作レバー150の位置信号s4を制御部31に送信している。右作業機操作レバーユニット16は、第1ポテンショメータ18および第2ポテンショメータ19で検出した右作業機操作レバー160の位置信号s5を制御部31に送信している。走行レバーユニット14は、ポテンショメータ43で検出した走行レバー140または走行ペダル45の位置信号s6を制御部31に送信している。
【0077】
判定部53は、位置信号s4~s6に基づいて、オペレータが左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140のいずれかを操作することで記憶部32に記憶されている所定のレバー動作から異なった動作になったか否かを判定する。なお、第1モータ24、第2モータ25または電動モータ44aは、記憶部32に記憶されているレバー動作を行うように駆動しているため、操作に介入するためにはオペレータはモータの駆動力に逆らって操作する必要がある。
【0078】
判定部53によって、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140に所定のレバー動作とは異なる操作が行われたことが判定されると、車体駆動部52は、位置信号s4~s6に基づいて異なる動作に応じた制御信号s7´、s8´、s9´を生成し、作業機3、旋回体5、または走行装置4a、4bに送信する。制御信号s7´に基づいて作業機3が動作し、制御信号s8´に基づいて旋回体5が動作し、制御信号s9´に基づいて走行装置4a、4bが動作する。車体駆動部52は、所定動作を行っているときのレバーの操作位置に対して、異なる操作位置の差分の分多くまたは少なく動作するように制御信号s7´、s8´、s9´を作成する。
【0079】
これにより、所定動作を行う自動運転中にオペレータが割り込んでレバーの操作を行った場合であっても、オペレータのレバー操作に対応した動作を行うことができ、自動運転中にスムーズに割り込み操作を行うことができる。
【0080】
また、判定部53が、位置信号s4~s6に基づいて、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の動作が、記憶部32に記憶されているレバー動作と一致したと判定した場合には、車体駆動部52は記憶部32に記憶されている所定動作を実行するように制御信号s7、s8、s9を生成して送信する。ここで、第1モータ24、第2モータ25または電動モータ44aは、記憶部32に記憶されているレバー動作を行うように駆動しているため、操作介入していたオペレータがレバーから手を離した場合には左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140が元のレバー動作の位置に復帰する。この復帰が、位置信号s4~s6に基づいて、判定部53によって判定される。
【0081】
これにより、所定動作を行う自動運転中にオペレータが割り込んで操作を行った場合、オペレータの操作に対応した動作を行うことができ、スムーズに割り込み操作を行うことができる。
【0082】
また、オペレータが左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140に手を添えておけば、自動運転より大きく(足し算)または小さく(引き算)操作する必要になったとき自動運転にスムーズに介入することができる。
【0083】
また、判定部53が、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の位置が所定動作をおこなうためのレバー動作の位置に一致していると判定した場合は、再度自動運転に戻ることができる。
【0084】
<動作>
以下に、本開示にかかる実施の形態の油圧ショベル1の動作について説明する。
【0085】
図9は、本開示にかかる実施の形態の油圧ショベル1の動作を説明するためのフロー図である。
【0086】
はじめに、ステップS10において、記憶部32に記憶されている所定動作が行われる自動運転が実施されるように油圧ショベル1が動作される。具体的には、車体駆動部52は、記憶部32に記憶されている所定動作を実行するようにIMU33および各種センサ34~38の検出値をフィードバックしながら、作業機3の油圧シリンダ10~12に制御信号s7を送信し、旋回体5の旋回モータ5aに制御信号s8を送信し、走行装置4a、4bの走行モータ4ae、4beに制御信号s9を送信する。
次に、ステップS11において、油圧ショベル1の動作に対応した動作を行うようにレバー動作が実施される。具体的には、レバー駆動部51が、記憶部32に記憶されているレバー動作を実行するように左作業機操作レバーユニット15に駆動信号s1を送信し、右作業機操作レバーユニット16に駆動信号s2を送信し、走行レバーユニット14に駆動信号s3を送信する。記憶部32に記憶されているレバー動作とは、記憶部32に記憶されている作業機3、旋回体5、および走行装置4a、4bの動作を実行するような動きのことであり、記憶部32に記憶されている作業機3、旋回体5、および走行装置4a、4bの動作に対応する動きである。
【0087】
次に、ステップS12において、制御部31が、記憶部32に記憶されている所定動作の時系列が終了したか否かを判定する。そして、終了していない場合には、ステップS13において制御部31は左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160、および走行レバー140の位置信号s4~s6を取得する。
【0088】
次に、ステップS14において、制御部31の判定部53が、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160、および走行レバー140の動きが、記憶部32に記憶されている所定動作と異なっているか否か判定する。
【0089】
次に、レバーの動作が所定動作と異なっていると判定された場合には、ステップS15において、車体駆動部52は、異なったレバーの動作で油圧ショベルを動作させる。
【0090】
ステップS15の次に制御はステップS12に進み、ステップS12において制御部31が、記憶部32に記憶されている所定動作の時系列が終了したか否かを判定し、終了していない場合には、ステップS13、S14が行われる。
【0091】
そして、ステップS14において、レバーの動作が所定動作と異なっていないと判定された場合(元のレバー動作の位置に復帰した場合)には、制御はステップS11に進み、記憶部32に記憶されている所定動作が行われる自動運転が実施され、所定動作を実行するようなレバー動作が実施される。
【0092】
一方、ステップS12において、所定動作が終了したと判定された場合には、制御部31は制御を終了する。
【0093】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2の油圧ショベルについて以下に説明する。実施の形態2の油圧ショベル1は、ティーチングではなく、作業対象となる地形情報を取得して動作を演算により作成する。
【0094】
<構成>
図10は、実施の形態2の制御システム130の構成を示すブロック図である。実施の形態2の制御システム130は、制御部131と、記憶部32と、IMU33と、ストロークセンサ34、35、36と、走行速度センサ37と、旋回角度センサ38と、3次元計測部39と、を有する。また、制御部131は、実施の形態1の制御部31と比較して演算部54を更に有している。
【0095】
3次元計測部39は、作業対象の位置または形状を計測する。3次元計測部39は、レーザ計測装置の一種であるレーザレーダ39aと、ステレオカメラ39bと、を有する。レーザレーダ39aは、作業対象にレーザを照射し、作業対象で散乱したレーザ光を受光し、受光データを制御部131に送信する。制御部131の演算部54は、受光データに基づいて作業対象の3次元形状および作業対象との相対位置を計測する。
【0096】
ステレオカメラ39bは、2つのカメラを有する。2つのカメラによって撮影された画像データは、制御部131に送信される。制御部131の演算部54は、各々のカメラで撮影された画像データに基づいてステレオ処理を実施して、作業対象の3次元形状および作業対称との相対位置を計測する。なお、レーザレーダ39aとステレオカメラ39bはどちらか一方であってもよい。
【0097】
演算部54は、IMU33、各種センサ34~38の検出値、および3次元計測部39から得られる3次元形状および作業対象との相対位置から油圧ショベル1の動作を演算する。演算された動作は、記憶部32に記憶される。そして、記憶部32に記憶された所定動作を実行するように作業機3、旋回体5および走行装置4aが制御され、所定動作を行うようなレバー動作を実行するように左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140が動かされる。
【0098】
<特徴>
(1)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)は、左作業機操作レバー150(操作部材の一例)、右作業機操作レバー160(操作部材の一例)および走行レバー140(操作部材の一例)と、駆動部17、44と、制御部31、131(コントローラの一例)と、を備える。駆動部17、44は、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140を動かす。制御部31、131は、油圧シリンダ10~12(アクチュエータの一例)、旋回体5の旋回モータ5a(アクチュエータの一例)、および走行装置4a、4bの走行モータ4ae、4be(アクチュエータの一例)に制御信号s7、s8、s9を出力する。制御部31、131は、油圧シリンダ10~12、旋回モータ5a、および走行モータ4ae、4beの動作に対応した動きを、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140に与える駆動信号s1、s2、s3を駆動部17、44に出力する。
【0099】
これにより、油圧ショベル1を動かす際の左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140の動きをオペレータが視認することができるため、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140の動きが確認し易くなる。
【0100】
(2)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、左作業機操作レバー150および右作業機操作レバー160は、作業機3を操作するレバーであり、制御部31、131は、所定動作に基づいて作業機3の油圧シリンダ10~12(アクチュエータの一例)に制御信号s7を出力する。
【0101】
このように作業機3に制御信号s7を出力することによって、所定動作の通りに作業機3を動作することができる。
【0102】
(3)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、走行レバー140は、油圧ショベル1の走行装置4a、4bを操作するレバーである。制御部31、131は、走行レバー140の動きに基づいて走行装置4a、4bの走行モータ4ae、4be(アクチュエータの一例)に制御信号s9を出力する。
【0103】
このように走行装置4a、4bに制御信号s9を出力することによって、記憶部32に記憶されている所定動作の通りに走行装置4a、4bを動作することができる。
【0104】
(4)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、制御部31、131は、オペレータによって左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140が動作されて左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の動きが、油圧シリンダ10~12、旋回体5の旋回モータ5a、走行装置4a、4bの動作に対応した動きと異なった場合、異なった左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の動きに基づいて制御信号s7´、s8´、s9´を出力する。
【0105】
これにより、所定動作を油圧ショベル1が行うように左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140が自動で駆動されている自動運転のときに、オペレータが左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140を操作することによって容易に自動運転に割り込むことができる。
【0106】
(5)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)は、第1ポテンショメータ18、第2ポテンショメータ19およびポテンショメータ43(位置検出部の一例)を備える。第1ポテンショメータ18および第2ポテンショメータ19は左作業機操作レバー150の位置を検出する。第1ポテンショメータ18および第2ポテンショメータ19は右作業機操作レバー160の位置を検出する。ポテンショメータ43は、走行レバー140の位置を検出する。制御部31、131は、判定部53を有する。判定部53は、第1ポテンショメータ18、第2ポテンショメータ19およびポテンショメータ43で検出される左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の位置に基づいて、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の動きが、作業機3の油圧シリンダ10~12、旋回体5の旋回モータ5a、および走行装置4a、4bの走行モータ4ae、4beの動作に対応した動きと異なっているか否かを判定する。
【0107】
これにより、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140の位置に基づいて、自動運転に対してオペレータの割り込みが発生したか否かを判定することができる。
【0108】
(6)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)は、記憶部32を備える。記憶部32は、油圧シリンダ10~12、旋回モータ5a、走行モータ4ae、4beの動作を記憶する。記憶部32に記憶されている油圧シリンダ10~12、旋回モータ5a、走行モータ4ae、4beの動作は、ティーチングプレイバックによって作成される。
【0109】
例えば熟練オペレータの作業をティーチングして記憶部32に記憶することによって、熟練オペレータによる操作レバーの操作を確認することができる。
【0110】
(7)
実施の形態の油圧ショベル1(作業機械の一例)では、制御部131は、3次元計測部39(地形情報取得部の一例)と、演算部54と、を有する。3次元計測部39は、地形情報を取得する。演算部54は、地形情報に基づいて、油圧シリンダ10~12(アクチュエータの一例)、旋回体5の旋回モータ5a(アクチュエータの一例)、および走行装置4a、4bの走行モータ4ae、4be(アクチュエータの一例)の動作を演算する。
【0111】
これにより、建設現場において自動で動作を作成し、その動作に基づいて左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160または走行レバー140ーを駆動することができる。
【0112】
(8)
開示の油圧ショベル1(作業機械の一例)の製造方法は、ステップS10(第1出力ステップの一例)とステップS11(第2出力ステップの一例)を備える。ステップS10は、作業機3の油圧シリンダ10~12(アクチュエータの一例)、旋回体5の旋回モータ5a(アクチュエータの一例)、および走行装置4a、4bの走行モータ4ae、4be(アクチュエータの一例)を動作させる制御信号s7、s8、s9を出力する。ステップS11は、油圧シリンダ10~12、旋回モータ5a、および走行モータ4ae、4beの動作に対応した動きを左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140に与える駆動信号s1、s2、s3を、左作業機操作レバー150(操作部材の一例)、右作業機操作レバー160(操作部材の一例)および走行レバー140(操作部材の一例)を駆動する駆動部17、44に出力する。
【0113】
これにより、油圧ショベル1を動かす際の左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140の動きをオペレータが視認することができるため、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140の動きが確認し易くなる。
【0114】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0115】
(A)
上記実施の形態では、左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140を駆動させているが、いずれか1つでもよいし、左作業機操作レバー150および右作業機操作レバー160のみ駆動させてもよい。
【0116】
(B)
上記実施の形態では、判定部53はポテンショメータのみによってオペレータによる左作業機操作レバー150、右作業機操作レバー160および走行レバー140の操作を検出していたが、これに限らなくても良い。例えば、レバーに圧力センサなどをさらに備えオペレータの把持を検出したうえでポテンショメータによる検出位置が異なっていた場合に、オペレータによって異なる操作が行われたことを検出してもよい。
【0117】
(C)
上記実施の形態では、所定動作はティーチングまたは地形情報からの演算により得られたが、これに限らなくても良く、予め作成された動作がインターネットを経由して記憶部32に記憶されてもよい。
【0118】
(D)
上記実施の形態では、作業機械の一例として油圧ショベルを用いて説明したが、油圧ショベルに限らなくてもよく、ホイールローダ等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の作業機械および作業機械の制御方法によれば、操作レバーの操作をオペレータに確認させ易い効果を発揮し、油圧ショベル等として有用である。
【符号の説明】
【0120】
1 :油圧ショベル
17 :駆動部
31 :制御部
32 :記憶部
140 :走行レバー
150 :左作業機操作レバー
160 :右作業機操作レバー