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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241211BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20241211BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20241211BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02H7/00 L
B60L3/00 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022058566
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023149802
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】井上 太壱
(72)【発明者】
【氏名】榊原 尚也
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-102566(JP,A)
【文献】特開2000-270561(JP,A)
【文献】特開2006-177339(JP,A)
【文献】国際公開第2013/073034(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02H7/00
H02H7/10-7/20
H01H9/54-9/56
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両における電力供給システムであって、
前記電動車両の外部の電源、又は、前記電動車両の外部の負荷が接続される充給電口と、
電力を蓄電するバッテリと、
前記充給電口と前記バッテリとの間に設けられ、前記電源の電力を前記バッテリに供給する充電回路と、
前記充給電口と前記バッテリとの間に設けられ、前記バッテリの電力を前記負荷に供給する給電回路と、
前記給電回路の動作状態を取得する動作状態取得部と、
前記給電回路と前記充給電口との間に設けられ、前記給電回路と前記充給電口との間を導通する導通状態と、前記給電回路と前記充給電口との間を遮断する遮断状態とを切り換えるコンタクタと、
前記コンタクタの溶着検知を行い、前記コンタクタが溶着しているか否かを判定する溶着検知部と、
前記コンタクタが溶着していると判定された場合、前記バッテリの充電、及び、前記負荷への給電を禁止する充給電禁止制御部と、
を有し、
前記給電回路の動作が給電中に停止した場合、前記停止してから前記給電回路の保護に要する所定時間経過後に、前記溶着検知部は、前記コンタクタの溶着検知を行う、電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記給電回路の動作が給電中に停止してから、前記所定時間後に前記給電回路が復帰しない場合、前記充給電禁止制御部は、前記バッテリの充電、及び、前記負荷への給電を禁止する、電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する二次電池を搭載する車両における充給電に関する研究開発が行われている。
【0003】
下記特許文献1には、充給電を行う電動車両が開示されている。当該電動車両では、外部の負荷に接続される充給電口と二次電池との間に設けられたコンタクタの溶着の検知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-193082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された技術では、給電中に給電回路が停止した場合、コンタクタの溶着を検知することができない課題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、電動車両における電力供給システムであって、当該電力供給システムは、前記電動車両の外部の電源、又は、前記電動車両の外部の負荷が接続される充給電口と、電力を蓄電するバッテリと、前記充給電口と前記バッテリとの間に設けられ、前記電源の電力を前記バッテリに供給する充電回路と、前記充給電口と前記バッテリとの間に設けられ、前記バッテリの電力を前記負荷に供給する給電回路と、前記給電回路の動作状態を取得する動作状態取得部と、前記給電回路と前記充給電口との間に設けられ、前記給電回路と前記充給電口との間を導通する導通状態と、前記給電回路と前記充給電口との間を遮断する遮断状態とを切り換えるコンタクタと、前記コンタクタの溶着検知を行い、前記コンタクタが溶着しているか否かを判定する溶着検知部と、前記コンタクタが溶着していると判定された場合、前記バッテリの充電、及び、前記負荷への給電を禁止する充給電禁止制御部と、を有し、前記バッテリから前記負荷への給電が終了した場合、前記溶着検知部は、前記コンタクタの溶着検知を行い、前記給電回路の動作が停止した場合、前記溶着検知部は、前記給電回路の動作が停止してから所定時間経過後に、前記コンタクタの溶着検知を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、給電中に給電回路が停止した場合であっても、コンタクタの溶着を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、電力供給システムの回路図である。
図2図2は、制御装置のブロック図である。
図3図3は、制御装置において実行される給電制御の処理を示すフローチャートである。
図4図4は、制御装置において実行される給電制御の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態の電力供給システム10の回路図である。電力供給システム10は、電動車両に搭載される。電動車両の充給電口12に、外部の電源接続される。電源から供給される電力によりバッテリ14が充電される。電動車両の充給電口12に、外部の負荷接続される。バッテリ14から供給される電力により負荷が動作する。バッテリ14は、二次電池であり、具体的にはリチウムイオンバッテリである。バッテリ14は、電動車両の駆動モータの電源としても使用される。
【0011】
充給電口12とバッテリ14との間に、オンボードチャージャ16(以下、OBC16と記載する)が設けられる。OBC16は、インバータ、トランス等を有する。OBC16は、電源から供給された交流電力を直流電力に変換するとともに昇圧して、バッテリ14に出力する。OBC16は、本発明の充電回路に相当する。
【0012】
OBC16と並列に、オンボードパワーサプライ18(以下、OBPS18と記載する)が設けられる。OBPS18は、インバータ、Xコンデンサ、平滑コンデンサ等を有する。OBPS18は、バッテリ14から供給された直流電力を交流電力に変換するとともに降圧して、充給電口12に出力する。OBPS18は、本発明の給電回路に相当する。
【0013】
OBとバッテリ14との間、及び、OBPS18とバッテリ14との間に、バッテリコンタクタ20が設けられる。バッテリコンタクタ20は、電流が流れる導通状態と、電流の流れを遮断する遮断状態とを切り換える。バッテリコンタクタ20は、正極線に設けられたコンタクタ20aと、負極線に設けられたコンタクタ20bとを有する。
【0014】
OBPS18と充給電口12との間に、給電コンタクタ22が設けられる。給電コンタクタ22は、電流が流れる導通状態と、電流の流れを遮断する遮断状態とを切り換える。給電コンタクタ22は、電圧線に設けられたコンタクタ22aと、中性線に設けられたコンタクタ22bとを有する。給電コンタクタ22は、本発明のコンタクタに相当する。
【0015】
OBC16は外部の電源からバッテリ14に充電される場合に使用され、OBPS18はバッテリ14から外部の負荷に給電される場合に使用される。バッテリ14の充電時において、200V~240V程度の電圧の電力がOBC16に入力される。一方、バッテリ14からの電時において、OBPS18から100V~120V程度の電力が出力される。
【0016】
充電時に、OBPS18に外部の電源からの電力が入力された場合、耐電圧以上の電圧がOBPS18のXコンデンサに印加されるおそれがある。また、充電時に、OBPS18に外部の電源からの電力が入力された場合、OBPS18の平滑コンデンサに突入電流が流入し、耐電流以上の電流がインバータのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を流れるおそれがある。
【0017】
そのため、電力供給システム10は、充電時には、給電コンタクタ22によりOBPS18と充給電口12との間を遮断する。
【0018】
電力供給システム10は、制御装置24を有する。図2は、制御装置24のブロック図である。制御装置24は、動作状態取得部26、給電回路制御部28、溶着検知部30及び充給電禁止制御部32を有する。
【0019】
動作状態取得部26、給電回路制御部28、溶着検知部30及び充給電禁止制御部32は、例えば処理回路によって実現される。処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成される。また、処理回路が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されるようにしてもよい。
【0020】
なお、処理回路が、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成されるようにしてもよい。この場合、不図示の記憶部に記憶されているプログラムがプロセッサによって実行されることによって処理回路が実現される。
【0021】
動作状態取得部26は、OBPS18のインバータ駆動信号を取得する。駆動信号のデューティ比が小さくなるほど、OBPS18から出力される電力が大きくなる。
【0022】
次の(1)~(4)の場合、駆動信号のデューティ比が100%となり、OBPS18は停止する。
【0023】
(1)OBPS18の出力側の電圧が低電圧である場合
(2)OBPS18の出力側の電圧が過電圧である場合
(3)OBPS18が高温である場合
(4)OBPS18が故障した場合
【0024】
OBPS18の出力側とは、OBPS18が充給電口12に接続される側を示す。OBPS18の出力側の電圧が低電圧となる要因は、外部の負荷における過負荷、外部の負荷における短絡等である。OBPS18の出力側の電圧が過電圧となる要因は、外部の負荷からのサージ電圧の印加等である。OBPS18が高温となる要因は、高温環境下におけるOBPS18の連続動作等である。OBPS18の故障の要因は、OBPS18のインバータにおけるセンサの異常、OBPS18に接続される交流配線の短絡等である。
【0025】
上記の(1)~(3)の場合、OBPS18は所定時間経過後に復帰する。復帰後は、OBPS18のインバータにおける駆動信号のデューティ比は100%未満となる。上記の(4)の場合、OBPS18は、復帰せず、駆動信号のデューティ比は100%を維持する。上記(4)の場合、ユーザに対して車両をディーラ等に持ち込み修理することを促す報知が行われるようにしてもよい。
【0026】
給電スイッチ34がオンに操作された場合、外部の負荷への給電が開始される。給電スイッチ34がオフに操作された場合、外部の負荷への給電が終了する。給電スイッチ34は、電動車両のユーザにより操作される。
【0027】
給電回路制御部28は、給電スイッチ34の信号に基づき、OBPS18及び給電コンタクタ22を制御する。
【0028】
溶着検知部30は、給電コンタクタ22の溶着検知を行う。給電スイッチ34がオフに操作され給電が終了した場合に、溶着検知部30は溶着検知を行う。溶着検知部30は、給電中にOBPS18が停止した場合、OBPS18が停止してから所定時間経過後に溶着検知を行う。
【0029】
溶着検知を行う場合、溶着検知部30は、給電回路制御部28を介して、OBPS18を制御して、OBPS18から電力を出力する。また、溶着検知部30は、給電回路制御部28を介して、給電コンタクタ22を制御して、コンタクタ22a及びコンタクタ22bの一方のみをオンにする。この状態において、OBC16に設けられた電圧センサ36が検出した電圧の大きさ所定値以上である場合、溶着検知部30は、給電コンタクタ22が溶着していると判定する。溶着検知部30は、給電コンタクタ22を制御して、コンタクタ22a及びコンタクタ22bの他方のみをオンにする。この状態において、OBC16に設けられた電圧センサ36が検出した電圧の大きさ所定値以上である場合、溶着検知部30は、給電コンタクタ22が溶着していると判定する。
【0030】
充給電禁止制御部32は、次の場合、外部の電源からバッテリ14への充電、及び、バッテリ14から外部の負荷への給電を禁止する。次の場合とは、溶着検知部30が給電コンタクタ22が溶着していると判定した場合、又は、OBPS18が停止してから所定時間経過後も復帰しない場合である。この場合、充給電禁止制御部32は、OBC16及びOBPS18を停止させる。また、充給電禁止制御部32は、バッテリコンタクタ20及び給電コンタクタ22を遮断状態にさせる。
【0031】
図3及び図4は、制御装置24において実行される給電制御の処理を示すフローチャートである。給電制御は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0032】
ステップS1において、給電回路制御部28は、充給電禁止フラグが「0」であるか「1」であるかを判定する。充給電禁止フラグが「0」である場合、ステップS2へ移行する。充給電禁止フラグが「1」である場合、給電制御を終了する。
【0033】
ステップS2において、給電回路制御部28は、給電停止フラグが「0」であるか「1」であるかを判定する。給電停止フラグが「0」である場合、ステップS3へ移行する。給止フラグが「1」である場合、ステップS13へ移行する。
【0034】
ステップS3において、給電回路制御部28は、給電スイッチ34の信号がオフからオンに切り換わったか否かを判定する。給電スイッチ34の信号がオフからオンに切り換わった場合、ステップS4へ移行する。給電スイッチ34がの信号がオフからオンに切り換わっていない場合、ステップS5へ移行する。前回の周期において給電制御が実行されたときに給電スイッチ34の信号がオフである場合であって、今回の周期における給電制御の実行時に給電スイッチ34の信号がオンである場合、給電スイッチ34の信号がオフからオンに切り換わったと判定できる。
【0035】
ステップS4において、給電回路制御部28は、OBPS18及び給電コンタクタ22に出力指令を出力する。その後、給電制御を終了する。出力指令に基づき、給電コンタクタ22は導通状態となる。出力指令に基づき、OBPS18が動作する。
【0036】
ステップS5において、給電回路制御部28は、給電スイッチ34の信号がオンからオフに切り換わったか否かを判定する。給電スイッチ34の信号がオンからオフに切り換わった場合、ステップS9へ移行する。給電スイッチ34の信号がオンからオフに切り換わっていない場合、ステップS6へ移行する。前回の周期において給電制御が実行されたときに給電スイッチ34の信号がオンである場合であって、今回の周期における給電制御の実行時に給電スイッチ34の信号がオフである場合、給電スイッチ34の信号がオンからオフに切り換わったと判定できる。
【0037】
ステップS6において、給電回路制御部28は、給電スイッチ34の信号がオンであるかオフであるかを判定する。給電スイッチ34の信号がオンである場合、ステップS7へ移行する。給電スイッチ34の信号がオフである場合、給電制御を終了する。
【0038】
ステップS7において、給電回路制御部28は、OBPS18におけるインバータの駆動信号のデューティ比が100%であるか100%未満であるかを判定する。デューティ比が100%である場合、ステップS8へ移行する。デューティ比が100%未満である場合、給電制御を終了する。給電スイッチ34の信号がオンである場合、各周期における給電制御において、給電回路制御部28はOBPS18の動作を監視する。インバータの駆動信号のデューティ比が100%である場合、給電回路制御部28は、OBPS18は停止していると判定する。インバータの駆動信号のデューティ比が100%未満である場合、給電回路制御部28は、OBPS18は動作していると判定できる。
【0039】
ステップS8において、給電回路制御部28は給電停止フラグを「1」に設定する。その後、給電制御を終了する。給電停止フラグが「1」であることは、OBPS18が停止中であることを示す。
【0040】
給電スイッチ34が操作されて、信号がオンからオフに切り換わった場合、ステップS9において、溶着検知部30は、給電コンタクタ22に対する溶着検知を行う。その後、ステップS10へ移行する。
【0041】
ステップS10において、溶着検知部30は、給電コンタクタ22が溶着しているか否かを判定する。給電コンタクタ22が溶着している場合、ステップS11へ移行する。給電コンタクタ22が溶着していない場合、ステップS12へ移行する。
【0042】
ステップS11において、充給電禁止制御部32は、充給電禁止フラグを「1」に設定する。その後、ステップS12へ移行する。例えば、電動車両がディーラ等に持ち込まれ、電力供給システム10の修理が行われた場合、充給電禁止フラグが「0」に設定される。
【0043】
ステップS12において、充給電禁止制御部32は、充給電禁止指令を出力する。その後、給電制御を終了する。充給電禁止指令に基づき、バッテリコンタクタ20及び給電コンタクタ22は遮断状態に制御される。充給電禁止指令に基づき、OBC16及びOBPS18は停止する。
【0044】
OBPS18が停止している場合、ステップS13において、給電回路制御部28は、経過時間を計算する。経過時間とは、OBPS18が停止してからステップS13の処理が行われるまでの時間を示す。給電回路制御部28は、ステップS13の処理が行われる度に、前回の周期において計算された経過時間に給電制御の1周期の時間を加えることにより、経過時間を計算できる。
【0045】
ステップS14において、給電回路制御部28は、経過時間が所定時間以上であるか所定時間未満であるかを判定する。経過時間が所定時間以上である場合、ステップS15へ移行する。経過時間が所定時間未満である場合、給電制御を終了する。
【0046】
OBPS18が停止してから所定時間以上経過した場合、ステップS15において、溶着検知部30は、給電コンタクタ22に対する溶着検知を行う。その後、ステップS16へ移行する。
【0047】
ステップS16において、給電回路制御部28は、OBPS18におけるインバータの駆動信号のデューティ比が100%であるか100%未満であるかを判定する。デューティ比が100%である場合、ステップS20へ移行する。デューティ比が100%未満である場合、ステップS17へ移行する。
【0048】
ステップS17において、給電回路制御部28は、給電停止フラグを「0」に設定する。その後、ステップS18へ移行する。
【0049】
ステップS18において、溶着検知部30は、給電コンタクタ22が溶着しているか否かを判定する。給電コンタクタ22が溶着している場合、ステップS20へ移行する。給電コンタクタ22が溶着していない場合、ステップS19へ移行する。
【0050】
ステップS19において、給電回路制御部28は、OBPS18及び給電コンタクタ22に出力指令を出力する。その後、給電制御を終了する。出力指令に基づき、給電コンタクタ22は導通状態となる。出力指令に基づき、OBPS18が動作する。
【0051】
ステップS20において、充給電禁止制御部32は、充給電禁止フラグを「1」に設定する。その後、ステップS21へ移行する。
【0052】
ステップS21において、給電回路制御部28は、出力停止指令を出力する。その後、給電制御を終了する。出力停止指令に基づき、給電コンタクタ22は遮断状態に制御される。出力停止指令に基づき、OBPS18が停止する。
【0053】
[作用効果]
前述の(1)~(4)の場合、OBPS18の保護のため、OBPS18は停止する。OBPS18の停止中は、給電コンタクタ22の溶着検知を行うことはできない。しかし、前述の(1)~(3)の場合、OBPS18は所定時間経過後に復帰する。
【0054】
そこで、本実施形態の電力供給システム10では、溶着検知部30は、OBPS18が停止してから所定時間後に溶着検知を行う。これにより、OBPS18が停止した後であっても、給電コンタクタ22の溶着検知を行うことができる。そして、延いてはエネルギーの効率化にも寄与する。
【0055】
また、本実施形態の電力供給システム10では、OBPS18の動作が停止してから所定時間経過してもOBPS18が復帰しない場合、充給電禁止制御部32は、外部の電源からバッテリ14への充電、及び、バッテリ14から外部の負荷への給電を禁止する。OBPS18が復帰しない場合、OBPS18の故障と判定し、充給電禁止制御部32は、外部の電源からのバッテリ14への充電、及び、バッテリ14から外部の負荷への給電を禁止できる。
【0056】
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
【0057】
〔実施形態から得られる発明〕
上記実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0058】
電動車両における電力供給システム(10)であって、当該電力供給システムは、前記電動車両の外部の電源、又は、前記電動車両の外部の負荷が接続される充給電口(12)と、電力を蓄電するバッテリ(14)と、前記充給電口と前記バッテリとの間に設けられ、前記電源の電力を前記バッテリに供給する充電回路(16)と、前記充給電口と前記バッテリとの間に設けられ、前記バッテリの電力を前記負荷に供給する給電回路(18)と、前記給電回路の動作状態を取得する動作状態取得部(26)と、前記給電回路と前記充給電口との間に設けられ、前記給電回路と前記充給電口との間を導通する導通状態と、前記給電回路と前記充給電口との間を遮断する遮断状態とを切り換えるコンタクタ(22)と、前記コンタクタの溶着検知を行い、前記コンタクタが溶着しているか否かを判定する溶着検知部(30)と、前記コンタクタが溶着していると判定された場合、前記バッテリの充電、及び、前記負荷への給電を禁止する充給電禁止制御部(32)と、を有し、前記バッテリから前記負荷への給電が終了した場合、前記溶着検知部は、前記コンタクタの溶着検知を行い、前記給電回路の動作が停止した場合、前記溶着検知部は、前記給電回路の動作が停止してから所定時間経過後に、前記コンタクタの溶着検知を行う。これにより、給電回路が停止した後であっても、コンタクタの溶着検知を行うことができる。
【0059】
上記の電力供給システムにおいて、前記給電回路の動作が停止してから所定時間後に前記給電回路が復帰しない場合、前記充給電禁止制御部は、前記バッテリの充電、及び、前記負荷への給電を禁止してもよい。これにより、給電回路が復帰しない場合、給電回路の故障と判定し、充給電を禁止できる。
【符号の説明】
【0060】
10…電力供給システム 12…充給電口
14…バッテリ 16…OBC(充電回路)
18…OBPS(給電回路) 22…給電コンタクタ(コンタクタ)
26…動作状態取得部 30…溶着検知部
32…充給電禁止制御部
図1
図2
図3
図4