(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】ジャケット構造体システム、ギャングウェイ架渡し方法、及び、トランジションピースシステム
(51)【国際特許分類】
E02D 27/32 20060101AFI20241211BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20241211BHJP
E02D 27/42 20060101ALI20241211BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20241211BHJP
【FI】
E02D27/32 A
E02D27/52 Z
E02D27/42 A
F03D13/25
(21)【出願番号】P 2023088957
(22)【出願日】2023-05-30
【審査請求日】2023-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行日 2022年(令和4年)11月24日 刊行物 日鉄エンジニアリング株式会社が発行した刊行物 「Aspire」Vol.01 開催日 2023年(令和5年)3月15日 展示会名 WIND EXPO春2023 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 三樹雄
(72)【発明者】
【氏名】越智 直哉
(72)【発明者】
【氏名】松尾 憲司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博之
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-046721(JP,A)
【文献】特表2020-536783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/32
E02D 27/52
E02D 27/42
F03D 13/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上の作業エリアであるヤードに配置され、洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
前記ヤードに配置され、洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、
作業員が昇降可能な作業櫓と、
を備え、
前記第1ジャケット構造体は、
作業員が前記作業櫓を昇ることでアクセス可能な第1外部作業床を有し、
前記第2ジャケット構造体は、
作業員が前記作業櫓を昇ることでアクセス可能な第2外部作業床を有し、
前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡される、
ジャケット構造体システム。
【請求項2】
洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、
を備え、
前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有し、
前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で、クレーンにより架渡される、
ジャケット構造体システム。
【請求項3】
前記第1外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵を含み、
前記第2外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵を含み、
前記ギャングウェイの一端は、前記第1外部作業床から前記第1柵が取り外される又は開かれることで生じる第1スペースに接続され、
前記ギャングウェイの他端は、前記第2外部作業床から前記第2柵が取り外される又は開かれることで生じる第2スペースに接続される、
請求項1に記載のジャケット構造体システム。
【請求項4】
洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、
を備え、
前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有し、
前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡され、
前記第1外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵を含み、
前記第2外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵を含み、
前記ギャングウェイの一端は、前記第1外部作業床から前記第1柵が取り外される又は開かれることで生じる第1スペースに接続され、
前記ギャングウェイの他端は、前記第2外部作業床から前記第2柵が取り外される又は開かれることで生じる第2スペースに接続され、
平面視において、前記第1柵と前記第2柵とは、対向する、
ジャケット構造体システム。
【請求項5】
前記一端は、前記第1ジャケット構造体の一部であって前記第1スペースに対応する一部に第1連結部材で固定され、
前記他端は、前記第2ジャケット構造体の一部であって前記第2スペースに対応する一部に第2連結部材で固定される、
請求項
3に記載のジャケット構造体システム。
【請求項6】
洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、
を備え、
前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有し、
前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡され、
前記第1ジャケット構造体は、第1センターパイプを更に有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2センターパイプを更に有し、
前記ギャングウェイは、前記第1センターパイプの管軸と前記第2センターパイプの管軸とを含む平面の一方の側に配置される、
ジャケット構造体システム。
【請求項7】
洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、
を備え、
前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有し、
前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡され、
前記第1ジャケット構造体は、第1センターパイプを更に有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2センターパイプを更に有し、
前記ギャングウェイの一端は、前記第1センターパイプの管軸と前記第2センターパイプの管軸とを含む平面の一方の側に配置され、
前記ギャングウェイの他端は、前記平面の他方の側に配置される、
ジャケット構造体システム。
【請求項8】
前記第1センターパイプと、前記第1外部作業床の前記一方の側の端部と、の長さは、
前記第1センターパイプと、前記第1外部作業床の端部であって前記平面の他方の側の端部と、の長さより、長く、
前記第2センターパイプと、前記第2外部作業床の前記一方の側の端部と、の長さは、前記第2センターパイプと、前記第2外部作業床の前記他方の側の端部と、の長さより、長い、
請求項
6に記載のジャケット構造体システム。
【請求項9】
前記第1ジャケット構造体は、第1センターパイプを更に有し、
前記第2ジャケット構造体は、第2センターパイプを更に有し、
前記第1外部作業床には、前記第1センターパイプが挿入される穴又は切り欠きが設けられ、
前記第2外部作業床には、前記第2センターパイプが挿入される穴又は切り欠きが設けられる、
請求項1~
5のいずれか1項に記載のジャケット構造体システム。
【請求項10】
前記第1外部作業床は、前記第1ジャケット構造体において本設され、
前記第2外部作業床は、前記第2ジャケット構造体において本設される、
請求項1~
8のいずれか1項に記載のジャケット構造体システム。
【請求項11】
同一のウインドファーム又は海域に設けられ且つ洋上風車をそれぞれ支持可能な複数のジャケット構造体と、
第1ギャングウェイと、
第2ギャングウェイと、
を備え、
前記複数のジャケット構造体は、第1グループに属する2以上のジャケット構造体と、第2グループに属する2以上のジャケット構造体と、を含み、
前記第1グループに属する2以上のジャケット構造体のそれぞれは、第1外部作業床を有し、
前記第2グループに属する2以上のジャケット構造体のそれぞれは、第2外部作業床を有し、
前記第1グループに属する2以上のジャケット構造体の間で、前記第1外部作業床の地盤からの高さである第1高さは、共通し、
前記第2グループに属する2以上のジャケット構造体の間で、前記第2外部作業床の地盤からの高さである第2高さは、共通し、
前記第1高さと前記第2高さとは、異なり、
前記第1ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床同士を移動可能となるように、前記第1グループに属する2以上のジャケット構造体それぞれの前記第1外部作業床の間で架渡され、
前記第2ギャングウェイは、作業員が前記第2外部作業床同士を移動可能となるように、前記第2グループに属する2以上のジャケット構造体それぞれの前記第2外部作業床の間で架渡される、
ジャケット構造体システム。
【請求項12】
地上の作業エリアであるヤードに配置され、洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
前記ヤードに配置され、洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
ギャングウェイと、
作業員が昇降可能な作業櫓と、
を備え
、
前記第1ジャケット構造体は、作業員が前記作業櫓を昇ることでアクセス可能な第1外部作業床を有し、
前記第2ジャケット構造体は、作業員が前記作業櫓を昇ることでアクセス可能な第2外部作業床を有するジャケット構造体システムのギャングウェイ架渡し方法であって、
第1下部ジャケット構造体の上方に
前記第1外部作業床を配置して前記第1ジャケット構造体を組み立てる第1組立ステップと、
第2下部ジャケット構造体の上方に
前記第2外部作業床を配置して前記第2ジャケット構造体を組み立てる第2組立ステップと、
前記第1組立ステップ及び前記第2組立ステップに応じ、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で前記ギャングウェイを架渡す架渡しステップと、
を含むギャングウェイ架渡し方法。
【請求項13】
洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、
洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、
ギャングウェイと、
を備えるジャケット構造体システムのギャングウェイ架渡し方法であって、
第1下部ジャケット構造体の上方に第1外部作業床を配置して前記第1ジャケット構造体を組み立てる第1組立ステップと、
第2下部ジャケット構造体の上方に第2外部作業床を配置して前記第2ジャケット構造体を組み立てる第2組立ステップと、
前記第1組立ステップ及び前記第2組立ステップに応じ、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で前記ギャングウェイを、クレーンにより架渡す架渡しステップと、
を含むギャングウェイ架渡し方法。
【請求項14】
前記第1組立ステップは、前記第1ジャケット構造体が有する第1センターパイプを前記第1外部作業床に設けられる穴又は切り欠きに挿入する第1パイプ挿入ステップを含み、
前記第2組立ステップは、前記第2ジャケット構造体が有する第2センターパイプを前記第2外部作業床に設けられる穴又は切り欠きに挿入する第2パイプ挿入ステップを含む、
請求項
12又は13に記載のギャングウェイ架渡し方法。
【請求項15】
前記第1下部ジャケット構造体に第1トランジションピースを配置する第1トランジションピース配置工程と、
前記第2下部ジャケット構造体に第2トランジションピースを配置する第2トランジションピース配置工程と、
を更に含み、
前記第1組立ステップは、前記第1トランジションピース配置工程の後に実行され、
前記第2組立ステップは、前記第2トランジションピース配置工程の後に実行される、
請求項
12又は13に記載のギャングウェイ架渡し方法。
【請求項16】
地上の作業エリアであるヤードに配置され、洋上風車を支持可能
な第1トランジションピースと、
前記ヤードに配置され、洋上風車を支持可能
な第2トランジションピースと、
作業員が昇降可能な作業櫓と、
前記第1トランジションピースに設けられ
、作業員が前記作業櫓を昇ることでアクセス可能な第1外部作業床と、
前記第2トランジションピースに設けられ
、作業員が前記作業櫓を昇ることでアクセス可能な第2外部作業床と、
作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡されるギャングウェイと、
を備えるトランジションピースシステム。
【請求項17】
洋上風車を支持可能であり且つ第1海洋構造物に設けられる第1トランジションピースと、
洋上風車を支持可能であり且つ第2海洋構造物に設けられる第2トランジションピースと、
前記第1トランジションピースに設けられる第1外部作業床と、
前記第2トランジションピースに設けられる第2外部作業床と、
作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で、クレーンにより架渡されるギャングウェイと、
を備えるトランジションピースシステム。
【請求項18】
前記第1外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵を含み、
前記第2外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵を含み、
前記ギャングウェイの一端は、前記第1外部作業床から前記第1柵が取り外される又は開かれることで生じる第1スペースに接続され、
前記ギャングウェイの他端は、前記第2外部作業床から前記第2柵が取り外される又は開かれることで生じる第2スペースに接続される、
請求項
16又は17に記載のトランジションピースシステム。
【請求項19】
平面視において、前記第1柵と前記第2柵とは、対向する、
請求項
18に記載のトランジションピースシステム。
【請求項20】
前記一端は、前記第1トランジションピース又は前記第1外部作業床の一部であって前記第1スペースに対応する一部に第1連結部材で固定され、
前記他端は、前記第2トランジションピース又は前記第2外部作業床の一部であって前記第2スペースに対応する一部に第2連結部材で固定される、
請求項
18に記載のトランジションピースシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジャケット構造体システム、ギャングウェイ架渡し方法、及び、トランジションピースシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洋上風力発電設備において利用され、ジャケット式の基礎構造を有する支持装置を組み立てるための治具が開示されている。特許文献2には、ジャケット構造体に設けられるトランジションピースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-46721号公報
【文献】特許第7253657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、作業の効率化に有用なジャケット構造体システム、ギャングウェイ架渡し方法、及び、トランジションピースシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、を備え、前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有し、前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有し、前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡される、ジャケット構造体システム。
【0006】
[2]前記第1外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵を含み、前記第2外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵を含み、前記ギャングウェイの一端は、前記第1外部作業床から前記第1柵が取り外される又は開かれることで生じる第1スペースに接続され、前記ギャングウェイの他端は、前記第2外部作業床から前記第2柵が取り外される又は開かれることで生じる第2スペースに接続される、上記[1]に記載のジャケット構造体システム。
【0007】
[3]平面視において、前記第1柵と前記第2柵とは、対向する、上記[2]に記載のジャケット構造体システム。
【0008】
[4]前記一端は、前記第1ジャケット構造体の一部であって前記第1スペースに対応する一部に第1連結部材で固定され、前記他端は、前記第2ジャケット構造体の一部であって前記第2スペースに対応する一部に第2連結部材で固定される、上記[2]又は[3]に記載のジャケット構造体システム。
【0009】
[5]前記第1ジャケット構造体は、第1センターパイプを更に有し、前記第2ジャケット構造体は、第2センターパイプを更に有し、前記ギャングウェイは、前記第1センターパイプの管軸と前記第2センターパイプの管軸とを含む平面の一方の側に配置される、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のジャケット構造体システム。
【0010】
[6]前記第1ジャケット構造体は、第1センターパイプを更に有し、前記第2ジャケット構造体は、第2センターパイプを更に有し、前記ギャングウェイの一端は、前記第1センターパイプの管軸と前記第2センターパイプの管軸とを含む平面の一方の側に配置され、前記ギャングウェイの他端は、前記平面の他方の側に配置される、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のジャケット構造体システム。
【0011】
[7]前記第1センターパイプと、前記第1外部作業床の前記一方の側の端部と、の長さは、前記第1センターパイプと、前記第1外部作業床の端部であって前記平面の他方の側の端部と、の長さより、長く、前記第2センターパイプと、前記第2外部作業床の前記一方の側の端部と、の長さは、前記第2センターパイプと、前記第2外部作業床の前記他方の側の端部と、の長さより、長い、上記[5]に記載のジャケット構造体システム。
【0012】
[8]前記第1ジャケット構造体は、第1センターパイプを更に有し、前記第2ジャケット構造体は、第2センターパイプを更に有し、前記第1外部作業床には、前記第1センターパイプが挿入される穴又は切り欠きが設けられ、前記第2外部作業床には、前記第2センターパイプが挿入される穴又は切り欠きが設けられる、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のジャケット構造体システム。
【0013】
[9]前記第1外部作業床は、前記第1ジャケット構造体において本設され、前記第2外部作業床は、前記第2ジャケット構造体において本設される、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載のジャケット構造体システム。
【0014】
[10]洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、第1ギャングウェイと、第2ギャングウェイと、作業櫓と、を備え、前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有し、前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有し、前記第1ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記作業櫓とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記作業櫓との間で架渡され、前記第2ギャングウェイは、作業員が前記第2外部作業床と前記作業櫓とを移動可能となるように、前記第2外部作業床と前記作業櫓との間で架渡される、ジャケット構造体システム。
【0015】
[11]同一のウインドファーム又は海域に設けられ且つ洋上風車をそれぞれ支持可能な複数のジャケット構造体と、第1ギャングウェイと、第2ギャングウェイと、を備え、前記複数のジャケット構造体は、第1グループに属する2以上のジャケット構造体と、第2グループに属する2以上のジャケット構造体と、を含み、前記第1グループに属する2以上のジャケット構造体のそれぞれは、第1外部作業床を有し、前記第2グループに属する2以上のジャケット構造体のそれぞれは、第2外部作業床を有し、前記第1グループに属する2以上のジャケット構造体の間で、前記第1外部作業床の地盤からの高さである第1高さは、共通し、前記第2グループに属する2以上のジャケット構造体の間で、前記第2外部作業床の地盤からの高さである第2高さは、共通し、前記第1高さと前記第2高さとは、異なり、前記第1ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床同士を移動可能となるように、前記第1グループに属する2以上のジャケット構造体それぞれの前記第1外部作業床の間で架渡され、前記第2ギャングウェイは、作業員が前記第2外部作業床同士を移動可能となるように、前記第2グループに属する2以上のジャケット構造体それぞれの前記第2外部作業床の間で架渡される、ジャケット構造体システム。
【0016】
[12]洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、ギャングウェイと、を備えるジャケット構造体システムのギャングウェイ架渡し方法であって、第1下部ジャケット構造体の上方に第1外部作業床を配置して前記第1ジャケット構造体を組み立てる第1組立ステップと、第2下部ジャケット構造体の上方に第2外部作業床を配置して前記第2ジャケット構造体を組み立てる第2組立ステップと、前記第1組立ステップ及び前記第2組立ステップに応じ、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で前記ギャングウェイを架渡す架渡しステップと、を含むギャングウェイ架渡し方法。
【0017】
[13]前記第1組立ステップは、前記第1ジャケット構造体が有する第1センターパイプを前記第1外部作業床に設けられる穴又は切り欠きに挿入する第1パイプ挿入ステップを含み、前記第2組立ステップは、前記第2ジャケット構造体が有する第2センターパイプを前記第2外部作業床に設けられる穴又は切り欠きに挿入する第2パイプ挿入ステップを含む、上記[12]に記載のギャングウェイ架渡し方法。
【0018】
[14]前記第1下部ジャケット構造体に第1トランジションピースを配置する第1トランジションピース配置工程と、前記第2下部ジャケット構造体に第2トランジションピースを配置する第2トランジションピース配置工程と、を更に含み、前記第1組立ステップは、前記第1トランジションピース配置工程の後に実行され、前記第2組立ステップは、前記第2トランジションピース配置工程の後に実行される、上記[12]又は[13]に記載のギャングウェイ架渡し方法。
【0019】
[15]洋上風車を支持可能であり且つ第1海洋構造物に設けられる第1トランジションピースと、洋上風車を支持可能であり且つ第2海洋構造物に設けられる第2トランジションピースと、前記第1トランジションピースに設けられる第1外部作業床と、前記第2トランジションピースに設けられる第2外部作業床と、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡されるギャングウェイと、を備えるトランジションピースシステム。
【0020】
[16]前記第1外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵を含み、前記第2外部作業床は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵を含み、前記ギャングウェイの一端は、前記第1外部作業床から前記第1柵が取り外される又は開かれることで生じる第1スペースに接続され、前記ギャングウェイの他端は、前記第2外部作業床から前記第2柵が取り外される又は開かれることで生じる第2スペースに接続される、上記[15]に記載のトランジションピースシステム。
【0021】
[17]平面視において、前記第1柵と前記第2柵とは、対向する、上記[16]に記載のトランジションピースシステム。
【0022】
[18]前記一端は、前記第1トランジションピース又は前記第1外部作業床の一部であって前記第1スペースに対応する一部に第1連結部材で固定され、前記他端は、前記第2トランジションピース又は前記第2外部作業床の一部であって前記第2スペースに対応する一部に第2連結部材で固定される、上記[16]又は[17]に記載のトランジションピースシステム。
【0023】
[19]洋上風車を支持可能であり且つ第1海洋構造物に設けられる第1トランジションピースであって第1外部作業床が設置される第1トランジションピースと、洋上風車を支持可能であり且つ第2海洋構造物に設けられる第2トランジションピースであって第2外部作業床が設置される第2トランジションピースと、前記第1外部作業床が設置される前記第1トランジションピースと前記第2外部作業床が設置される前記第2トランジションピースとを作業員が移動可能となるように、前記第1トランジションピースと前記第2トランジションピースとに架渡されるギャングウェイと、を備えるトランジションピースシステム。
【0024】
[20]洋上風車を支持可能であり且つ第1海洋構造物に設けられる第1トランジションピースであって第1外部作業床が設置される第1トランジションピースと、洋上風車を支持可能であり且つ第2海洋構造物に設けられる第2トランジションピースであって第2外部作業床が設置される第2トランジションピースと、前記第1外部作業床が設置される第1トランジションピースと前記第2外部作業床とを作業員が移動可能となるように、前記第1トランジションピースと前記第2外部作業床との間で架渡されるギャングウェイと、を備えるトランジションピースシステム。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、作業の効率化に有用なジャケット構造体システム、ギャングウェイ架渡し方法、及び、トランジションピースシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、ジャケット構造体システムの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、ジャケット構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3(a)は、外部作業床の一例を模式的に示す平面図である。
図3(b)は、外部作業床の一例を模式的に示す側面図である。
【
図4】
図4は、ギャングウェイが架渡された状態の一例を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、ギャングウェイの架渡しのための一連の作業ステップの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、作業ステップの様子を例示する模式図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、作業ステップの様子を例示する模式図である。
【
図8】
図8は、ギャングウェイが架渡された状態の一例を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、ギャングウェイが架渡された状態の一例を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図10は、ジャケット構造体システムの一例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、ジャケット構造体システムの一例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、ギャングウェイが架渡された状態の一例を模式的に示す平面図である。
【
図13】
図13は、トランジションピースシステムの一例を示す模式図である。
【
図14】
図14は、海洋構造物の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図15】
図15(a)及び
図15(b)は、トランジションピースシステムの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
[ジャケット構造体システム]
図1には、一実施形態に係るジャケット構造体システムが模式的に示されている。
図2には、ジャケット構造体システムが備えるジャケット構造体の一例が模式的に示されている。
図1に示されるジャケット構造体システム1は、2以上のジャケット構造体によって構成されるシステムである。ジャケット構造体システム1は、例えば、ヤードと称される地上の作業エリアに配置されている。ジャケット構造体システム1は、2以上のジャケット構造体10と、作業櫓4と、ギャングウェイ5と、ギャングウェイ6と、を備える。
【0029】
(ジャケット構造体)
2以上のジャケット構造体10のそれぞれは、洋上風車200を支持可能なジャケット式の構造体である(
図2も参照)。ジャケット構造体10は、ジャケット式の基礎構造を有する。2以上のジャケット構造体10のそれぞれは、洋上風力発電設備において洋上風車200を支持する構造体、又は、その構造体の中間品である。ジャケット構造体システム1は、2以上のジャケット構造体10として、2つのジャケット構造体10を備えてもよい。以下、2つのジャケット構造体10のうちの一方を「ジャケット構造体10A」と称し、他方を「ジャケット構造体10B」と称する。
【0030】
ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bは、互いに同様に構成されている。ジャケット構造体10Aの上端の地盤G(地面)からの高さと、ジャケット構造体10Bの上端の地盤G(地面)からの高さとは、略一致していてもよい。ジャケット構造体10Aとジャケット構造体10Bとは、互いに離れて配置されている。ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bのそれぞれは、例えば、下部ジャケット構造体20と、トランジションピース30と、外部作業床40と、を有する。
【0031】
下部ジャケット構造体20は、トランジションピース30及び外部作業床40を支持する構造体である。トランジションピース30に洋上風車200が接続されるので、下部ジャケット構造体20は、洋上風車200を支持可能なジャケット式の構造体である。下部ジャケット構造体20は、少なくとも3つのレグ22を有する。
図1及び
図2では、4つのレグ22を有する下部ジャケット構造体20が例示されているが、一部のレグ22が他の部材に隠れている。4つのレグ22それぞれは、支持対象の部材である洋上風車200を支持するための支柱である。各レグ22は、鋼管であってもよい。4つのレグ22は、地盤Gに立てられている。4つのレグ22は、後述する管軸Axまわりの周方向において等間隔に配置されており、4つのレグ22のそれぞれは、上方に向かうにつれて管軸Axに近づくように傾いている。
【0032】
4つのレグ22のそれぞれの上端部には、トランジションピース30が接続される。地盤G上に位置するジャケット構造体10において、レグ22の下端部は、設置用の部材が接続されてもよく、その設置用の部材を介して各レグ22が地盤Gに立てられてもよい。ジャケット構造体10が海底に設置される際に、4つのレグ22のそれぞれの下端部には接続部材が接続されてもよく、その接続部材を介して杭が接続されてもよい。
【0033】
下部ジャケット構造体20は、1段以上のブレース24を有する。1段以上のブレース24は、下部ジャケット構造体20(又は、ジャケット構造体10)を補強するための部材である。1段以上のブレース24は、管軸Axまわりの周方向において互いに隣り合うレグ22同士を連結する。ブレース24は、例えば、X字状に構成された筋交いである。ブレース24は、鋼管、又は鋼製の柱体であってもよい。下部ジャケット構造体20は、上下方向に並ぶ2段以上のブレース24を有してもよい。なお、
図1等においては、上下方向が「方向Z」で表されており、下部ジャケット構造体20が2段のブレース24を有する場合が例示されている。
【0034】
トランジションピース30は、ジャケット構造体10が海底に設置される際に、洋上風車200が搭載される部材である。トランジションピース30は、下部ジャケット構造体20の上端部に接続される。トランジションピース30は、センターパイプ32と、少なくとも3つの接続部34と、を有する。
【0035】
平面視において、センターパイプ32は、トランジションピース30の中央に位置する。ジャケット構造体10が海底に設置される際に、センターパイプ32には、例えば、洋上風車200のタワー部分の下端部が接続される。センターパイプ32の少なくとも一部は、筒状に形成されてもよい。トランジションピース30は、センターパイプ32の管軸Axが上下方向に沿うように、下部ジャケット構造体20に設けられる。管軸Axは、センターパイプ32を水平に切断した際のセンターパイプ32の中心を通る仮想的なライン(軸線)である。
【0036】
トランジションピース30は、レグ22の本数と同じ数の接続部34を有する。トランジションピース30は、例えば、4つの接続部34を有する。4つの接続部34は、管軸Axまわりの周方向において等間隔に配置されてもよい。4つの接続部34のそれぞれには、対応するレグ22の上端部が接続される。接続部34は、レグ22と同程度の内径を有するパイプであってもよい。センターパイプ32と4つの接続部34のそれぞれとは、例えば、上記特許文献2に示されるように、上下に並ぶ上フランジ及び下フランジによって接続されてもよい。
【0037】
外部作業床40は、作業員がジャケット構造体10の上端部において種々の作業を行うための作業用の床(デッキ)である。外部作業床40は、例えば、ジャケット構造体10において本設される。外部作業床40が本設されるとは、仮設と異なり、外部作業床40が設けられた後に、ジャケット構造体10が解体等されるまで、外部作業床40が取り外されないことを意味する。すなわち、外部作業床40はジャケット構造体10において常設される。この場合、ジャケット構造体10が海底に設置された後においても、そのジャケット構造体10には、外部作業床40が残っている。一例では、ジャケット構造体10を介して洋上風車200が洋上に設置された後において、洋上風車200を含む発電装置のメンテナンスのために、外部作業床40が用いられる。
【0038】
ジャケット構造体10は、
図2に示されるように、作業用クレーン56と、ボートランディング部58と、を備えてもよい。作業用クレーン56は、外部作業床40に設けられている。作業用クレーン56は、例えば、外部作業床40に常設されている。一例では、ジャケット構造体10を介して洋上風車200が洋上に設置された後に、作業用クレーン56は、船から運ばれた荷物を外部作業床40まで吊り上げる。ジャケット構造体10を介して洋上風車200が洋上に設置された後に、ボートランディング部58は、船に乗って移動してきた作業員が、外部作業床40に移動するための通路を形成する。
【0039】
図3(a)は、外部作業床40の一例を模式的に示す平面図であり、
図3(b)は、外部作業床40の一例を模式的に示す側面図である。外部作業床40は、床部分42と、柵44と、を有する。床部分42は、作業員が作業可能となる床を形成する部分である。床部分42の上面は水平であってもよい。床部分42は、FRP(Fiber Reinforced Plastics)製又は鋼製であってもよく、作業員が、その上面を歩行できる程度の小さい目を有するメッシュ状に形成されてもよい。床部分42には、上述の作業用クレーン56が設置されている。
【0040】
柵44は、床部分42の上面の周縁部(例えば、周縁部の全体)に設けられており、床部分42からの作業員の落下を防ぐための部材である。上記周縁部は、床部分42の上面の周縁とその近傍部分を意味する。柵44は、固定柵44aと、可動柵44bと、を有する。固定柵44aは、床部分42の上面の周縁部に固定された柵であり、床部分42に対する固定柵44aの相対位置は変化しない。固定柵44aは、例えば、上記周縁部の大部分に設けられている。
【0041】
可動柵44bは、取り外し可能な柵、又は、開閉可能な柵である。可動柵44bが、取り外されることで、又は、開かれることで、床部分42と、床部分42の外との間を、柵44を越えずに作業員が移動可能となる。ジャケット構造体10を介して洋上風車200が洋上に設置された後においては、可動柵44bは、床部分42に取り付けられた状態、又は、閉じられた状態に維持されてもよい。可動柵44bは、取り外し等された際に、柵44の空いたスペースを作業員が通過可能な程度の横幅を有する。
【0042】
外部作業床40には、トランジションピース30におけるセンターパイプ32が挿入される穴46が設けられてもよい。穴46は、外部作業床40の床部分42を、上下方向において貫通している。外部作業床40には、穴46に代えて、センターパイプ32が挿入される切り欠きが設けられてもよい。
【0043】
外部作業床40の穴46等にセンターパイプ32が挿入された状態で、外部作業床40が、トランジションピース30に接続される。外部作業床40には、床部分42とトランジションピース30のセンターパイプ32の周りの部分の上面との間に介在し、床部分42を支持する部材が含まれてもよい。外部作業床40の穴46等にセンターパイプ32が挿入された状態において、センターパイプ32の一部は、床部分42よりも上方に突出する(
図1又は
図2参照)。
【0044】
図1に示される作業櫓4は、作業員が昇降可能な櫓である。作業櫓4は、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bとは離れた位置において、地盤Gに設置されている。作業櫓4は、その全体が上下方向に延びるように形成されており、作業櫓4の上端の地盤Gからの高さは、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bそれぞれの外部作業床40の地盤Gからの高さよりも高くてもよい。
【0045】
ギャングウェイ5は、地盤Gよりも上方において作業員が移動するための通路を形成する部材である。ギャングウェイ5は、その全体が一方向に延びるように形成されてもよい。ギャングウェイ5は、作業櫓4と、1つのジャケット構造体10(例えば、ジャケット構造体10B)とに架渡される。ギャングウェイ5は、例えば、作業員が作業櫓4とジャケット構造体10Bの外部作業床40とを移動可能となるように、作業櫓4と、ジャケット構造体10Bの外部作業床40とに架渡される。ある1つの構造体と、他の1つの構造体とを移動可能とは、一方の構造体から他方の構造体まで移動することが可能であり、且つ、他方の構造体から一方の構造体まで移動することが可能であることを意味する。
【0046】
ギャングウェイ5の一端が作業櫓4に接続されてもよく、ギャングウェイ5の他端がジャケット構造体10Bの外部作業床40に接続されてもよい。ギャングウェイ5の一端は連結部材を介して作業櫓4のいずれかの箇所に固定されてもよい。ギャングウェイ5の他端は、ジャケット構造体10Bの外部作業床40のいずれかの箇所、又はジャケット構造体10Bにおける外部作業床40の周囲のいずれかの箇所に連結部材を介して固定されてもよい。
【0047】
ギャングウェイ6は、ギャングウェイ5と同様に、地盤Gよりも上方において作業員が移動するための通路を形成する部材である。ギャングウェイ6は、その全体が一方向に延びるように形成されてもよい。ギャングウェイ6は、ジャケット構造体10A(第1ジャケット構造体)と、ジャケット構造体10B(第2ジャケット構造体)とに架渡される。ギャングウェイ6は、作業員がジャケット構造体10Aの外部作業床40(第1外部作業床)とジャケット構造体10Bの外部作業床40(第2外部作業床)とを移動可能となるように、ジャケット構造体10Aの外部作業床40とジャケット構造体10Bの外部作業床40との間で架渡される。
【0048】
ジャケット構造体10Aの外部作業床40とジャケット構造体10Bの外部作業床40との間で架渡されることは、一方の外部作業床40と他方の外部作業床40とに架渡されることに限定されない。一対の外部作業床40の間で架渡されることには、一方の外部作業床40の近傍の箇所と、他方の外部作業床40の近傍の箇所とに架渡されること、及び、一方の外部作業床40と、他方の外部作業床40の近傍の箇所とに架渡されることも含む。ギャングウェイ6が架渡される上記近傍の箇所とは、例えば、トランジションピース30の上フランジである。ギャングウェイ6が架渡される上記近傍の箇所は、トランジションピース30の上フランジのうち、外部作業床40が設置されるスペースであってもよい。
【0049】
図4は、ギャングウェイ6が、一方の外部作業床40と、他方の外部作業床40とに架渡された状態を模式的に例示する平面図である。ここで、ジャケット構造体10Aのセンターパイプ32(第1センターパイプ)の管軸Axと、ジャケット構造体10Bのセンターパイプ32(第2センターパイプ)の管軸Axとを最短距離で結ぶ仮想ラインが延びる方向を「方向D1」とする。方向D1は、水平な一方向である。また、方向D1及び上下方向に直交する水平な一方向を「方向D2」とする。方向D1に沿って、ジャケット構造体10Aとジャケット構造体10Bとは並んでいる。
【0050】
図4においては、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bそれぞれにおける柵44の可動柵44bは、取り外されているか、又は開かれている。ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bそれぞれの外部作業床40は、取り外される前の、又は閉じられた状態の可動柵44b同士が、平面視において互いに対向するように、設置されている。例えば、平面視において、ジャケット構造体10Aの可動柵44b(第1柵)と、ジャケット構造体10Bの可動柵44b(第2柵)とは、方向D1において互いに対向する。方向D1において可動柵44b同士が対向する場合、方向D2において、一方の可動柵44bの少なくとも一部の位置が、他方の可動柵44bの少なくとも一部と重なっている。
【0051】
ギャングウェイ6の一端6aは、ジャケット構造体10Aの外部作業床40(床部分42)から可動柵44bが取り外される又は開かれることで生じるスペースSA(第1スペース)に接続される。スペースSAは、ジャケット構造体10Aの床部分42の上面の一部であって、取り外される前又は閉じられた可動柵44bが位置する箇所を囲むスペースである。
【0052】
上記一端6aは、ジャケット構造体10Aの一部であってスペースSAに対応する一部に連結部材52(第1連結部材)で固定されてもよい。スペースSAに対応する一部は、少なくとも、スペースSA自体と、ジャケット構造体10AのうちのスペースSAの近傍に位置する箇所とを含む。連結部材52は、上記一端6aをジャケット構造体10Aに固定できれば、どのような部材であってもよいが、例えば、連結用の縄を含む。連結部材52は、一端6aの下に配置され、ジャケット構造体10Aとの間に介在される嵩上げ部材を含んでもよく、連結部材52に含まれる連結用の縄等が、嵩上げ部材と一緒に一端6aを固定してもよい。
【0053】
ギャングウェイ6の他端6bは、ジャケット構造体10Bの外部作業床40(床部分42)から可動柵44bが取り外される又は開かれることで生じるスペースSB(第2スペース)に接続される。スペースSBは、ジャケット構造体10Bの床部分42の上面の一部であって、取り外される前又は閉じられた可動柵44bが位置する箇所を囲むスペースである。
【0054】
上記他端6bは、ジャケット構造体10Bの一部であってスペースSBに対応する一部に連結部材52(第2連結部材)で固定されてもよい。スペースSBに対応する一部は、少なくとも、スペースSB自体と、ジャケット構造体10BのうちのスペースSBの近傍に位置する箇所とを含む。他端6bをジャケット構造体10Bに固定するための連結部材52は、一端6aをジャケット構造体10Aに固定するための連結部材52と同じ種類の部材であってもよい。
【0055】
ギャングウェイ6は、ジャケット構造体10Aのセンターパイプ32の管軸Axと、ジャケット構造体10Bのセンターパイプ32の管軸Axとを含む平面IPの一方の側に配置されてもよい。平面IPは、上下方向である方向Zと、方向D1とに延びる仮想的な平面である。ここで、平面IPを境界として区画された2つの領域のうちの一方を「領域R1」とし、他方を「領域R2」とする。領域R1と領域R2との境界(境界面)が、平面IPである。領域R1が、平面IPの一方の側であり、領域R2が、平面IPの他方の側である。ギャングウェイ6が平面IPの一方の側に配置された状態では、ギャングウェイ6の全体が領域R1に位置しており、ギャングウェイ6のいずれの箇所も領域R2に位置していない。
【0056】
平面視において、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bそれぞれの外部作業床40の形状は、平面IP(管軸Ax同士を結ぶ直線)に関して、非対称であってもよい。トランジションピース30に設けられた状態の外部作業床40における長さLA1、長さLA2、長さLB1、及び長さLB2を下記のように定義する。
・長さLA1:ジャケット構造体10Aのセンターパイプ32と、ジャケット構造体10Aの外部作業床40における上記一方の側の端部との長さ
・長さLA2:ジャケット構造体10Aのセンターパイプ32と、ジャケット構造体10Aの外部作業床40における上記他方の側の端部との長さ
・長さLB1:ジャケット構造体10Bのセンターパイプ32と、ジャケット構造体10Bの外部作業床40における上記一方の側の端部との長さ
・長さLB2:ジャケット構造体10Bのセンターパイプ32と、ジャケット構造体10Bの外部作業床40における上記他方の側の端部との長さ
【0057】
ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bのそれぞれにおいて、外部作業床40における上記一方の側の端部は、外部作業床40のうちの、領域R1に位置し、方向D2での距離がセンターパイプ32(管軸Ax)から最も遠い端の部分である。ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bのそれぞれにおいて、外部作業床40の平面IPの上記他方の側の端部は、外部作業床40のうちの、領域R2に位置し、方向D2での距離がセンターパイプ32(管軸Ax)から最も遠い端の部分である。センターパイプ32と、外部作業床40の上記一方の側又は上記他方の側の端部との長さは、これらの間の方向D2での最短距離で定義される。
【0058】
ジャケット構造体10Aの外部作業床40に着目した場合、長さLA1は、長さLA2より長くてもよい。ジャケット構造体10Bの外部作業床40に着目した場合、長さLB1は、長さLB2より長くてもよい。ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bのそれぞれに関して、平面視において、外部作業床40のうちの領域R1に位置する部分の面積は、外部作業床40のうちの領域R2に位置する部分の面積よりも大きくてもよい。
【0059】
[ギャングウェイ架渡し方法]
続いて、ギャングウェイ架渡し方法の一例として、ジャケット構造体システム1において実行される一連の作業ステップについて説明する。この一連の作業ステップは、少なくとも、第1組立ステップと、第2組立ステップと、架渡しステップと、を含む。
【0060】
第1組立ステップは、下部ジャケット構造体20(第1下部ジャケット構造体)の上方に外部作業床40を配置してジャケット構造体10Aを組み立てるステップである。第1組立ステップは、ジャケット構造体10Aが有するセンターパイプ32を外部作業床40に設けられる穴46又は切り欠きに挿入する第1パイプ挿入ステップを含んでもよい。上記一連の作業ステップは、ジャケット構造体10Aを構成する下部ジャケット構造体20にトランジションピース30を配置する第1トランジションピース配置工程を更に含んでもよい。第1組立ステップは、第1トランジションピース配置工程の後に実行されてもよい。この場合、第1パイプ挿入ステップは、下部ジャケット構造体20にトランジションピース30が配置された状態で実行される。
【0061】
第2組立ステップは、下部ジャケット構造体20(第2下部ジャケット構造体)の上方に外部作業床40を配置してジャケット構造体10Bを組み立てるステップである。第2組立ステップは、ジャケット構造体10Bが有するセンターパイプ32を外部作業床40に設けられる穴46又は切り欠きに挿入する第2パイプ挿入ステップを含んでもよい。上記一連の作業ステップは、ジャケット構造体10Bを構成する下部ジャケット構造体20にトランジションピース30を配置する第2トランジションピース配置工程を更に含んでもよい。第2組立ステップは、第2トランジションピース配置工程の後に実行されてもよい。この場合、第2パイプ挿入ステップは、下部ジャケット構造体20にトランジションピース30が配置された状態で実行される。
【0062】
架渡しステップは、第1組立ステップ及び第2組立ステップに応じ、ジャケット構造体10Aの外部作業床40と、ジャケット構造体10Bの外部作業床40との間で、ギャングウェイ6を架渡すステップである。架渡しステップでは、例えば、ジャケット構造体10Aの外部作業床40とジャケット構造体10Bの外部作業床40とにギャングウェイ6が架渡される。上記一連の作業ステップは、組立て後のジャケット構造体10A、及び、組立て後のジャケット構造体10Bのいずれか一方と、作業櫓4との間にギャングウェイ5を架渡すステップを更に含んでもよい。
【0063】
図5は、ジャケット構造体システム1において実行される一連の作業ステップの具体例を示すフローチャートである。
図5に示される一連の作業ステップは、ヤードに作業櫓4が予め設置されている状態で開始される。
【0064】
最初に、ステップS11が実行される。ステップS11では、例えば、作業員が、ジャケット構造体10Aを構成する下部ジャケット構造体20を組み立てる。
図6(a)には、組み立てられた状態の下部ジャケット構造体20が例示されている。一例では、作業員は、上記特許文献1に記載された組立用の治具を用いて、下部ジャケット構造体20を組み立てる。ステップS11の実行後の時点において、最も上段に位置するブレース24の上端部と、レグ22との間が接合されていなくてもよい。
【0065】
次に、ステップS12が実行される。ステップS12では、例えば、作業員が、ステップS11で組立てられた下部ジャケット構造体20の上端部に、トランジションピース30を配置する。
図6(b)には、トランジションピース30が配置された状態が例示されている。一例では、作業員は、クレーン等によりトランジションピース30を吊り上げて、下部ジャケット構造体20の各レグ22の上端部がトランジションピース30の対応する接続部34に挿入されるように、トランジションピース30を配置する。
【0066】
次に、ステップS13が実行される。ステップS13では、例えば、作業員が、ステップS12で配置されたトランジションピース30の上に、外部作業床40を配置する。
図7(a)には、外部作業床40が配置された状態が例示されている。一例では、作業員は、クレーン等により外部作業床40を吊り上げて、トランジションピース30のセンターパイプ32が外部作業床40の穴46に挿入されるように、外部作業床40を配置する。
【0067】
ステップS11~S13の一連のステップと並行して、又は、異なるタイミングで、ステップS21、ステップS22、及びステップS23が順に実行される。ステップS21~S23は、作業対象がジャケット構造体10Bを構成する下部ジャケット構造体20、トランジションピース30、及び外部作業床40である点を除き、ステップS11~S13とそれぞれ同様に実行される。
【0068】
ステップS11~S13の一連のステップの実行により、ジャケット構造体10Aが組み立てられ、ステップS21~S23の一連のステップの実行により、ジャケット構造体10Bが組み立てられる。ステップS13及びステップS23の双方が実行された時点において、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bのそれぞれにおける柵44の可動柵44bが取り外された状態(取り付けられる前の状態)であってもよく、開かれた状態であってもよい。また、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bそれぞれのセンターパイプ32の管軸Axを含む上記平面IPの一方の側に、上記スペースSAと、上記スペースSBとが配置されてもよい。
【0069】
ステップS13及びステップS23の双方を実行した後に、ステップS34が実行される。ステップS34では、例えば、作業員が、作業櫓4とジャケット構造体10Bとにギャングウェイ5を架渡す。一例では、作業員は、クレーン等を利用してギャングウェイ5を吊り上げて、ギャングウェイ5の一端を作業櫓4に配置し、ギャングウェイ5の他端をジャケット構造体10Bの外部作業床40に配置する。そして、作業員は、ギャングウェイ5の一端を連結部材で作業櫓4に固定し、ギャングウェイ5の他端を連結部材でジャケット構造体10Bに固定してもよい。これにより、作業員が、作業櫓4とジャケット構造体10Bの外部作業床40とを移動可能となる。
【0070】
次に、ステップS35が実行される。ステップS35では、例えば、作業員が、ジャケット構造体10Aとジャケット構造体10Bとにギャングウェイ6を架渡す。一例では、作業員は、クレーン等を利用してギャングウェイ6を吊り上げて、ギャングウェイ6の一端6aをジャケット構造体10Aの外部作業床40における上記スペースSAに配置し、ギャングウェイ6の他端6bをジャケット構造体10Bの外部作業床40における上記スペースSBに配置する。そして、作業員は、ジャケット構造体10AのうちのスペースSAに対応する箇所にギャングウェイ6の一端6aを連結部材52で固定し、ジャケット構造体10BのうちのスペースSBに対応する箇所にギャングウェイ6の他端6bを連結部材52で固定してもよい。
【0071】
ジャケット構造体10Aとジャケット構造体10Bとの間にギャングウェイ6が架渡されることで、作業員が、ジャケット構造体10Aの外部作業床40と、ジャケット構造体10Bの外部作業床40とを移動可能となる。ジャケット構造体システム1においては、作業員は、作業櫓4を昇ることで、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bの双方の外部作業床40にアクセスすることが可能である。また、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bの一方の外部作業床40等での作業後に、地盤Gに降りることなく、ギャングウェイ6を介して、他方の外部作業床40へ移動できる。
【0072】
次に、ステップS16が実行される。ステップS16では、例えば、作業員が、
図7(b)に示されるように、ジャケット構造体10Aにおいて、足場60をトランジションピース30に設置する。足場60は、トランジションピース30と下部ジャケット構造体20の各レグ22との接合作業(例えば、溶接作業)を行うための仮設設備であり、トランジションピース30に固定されている。足場60は、鋼製のパイプ及び鋼製の板材等で構成されてもよく、作業員が昇降するための階段を含んでもよい。足場60は、最も上段に位置するブレース24の上端部とレグ22との接合作業が可能な位置まで作業員が移動できるように設置(仮設)されてもよい。
【0073】
次に、ステップS17が実行される。ステップS17では、例えば、作業員が、ジャケット構造体10Aにおいて外部作業床40の本設を行う。一例では、作業員が、ジャケット構造体10Aの外部作業床40、又はトランジションピース30において、外部作業床40とトランジションピース30との溶接作業を行う。作業員は、溶接作業に代えて、固定(本設)用の部材を用いて、外部作業床40をトランジションピース30に対して固定してもよい。ステップS17の実行により、ジャケット構造体10において外部作業床40が常設された状態となる。ステップS17では、作業員は、外部作業床40の本設に加えて、各レグ22の上端部とトランジションピース30との溶接作業、及び、最上段のブレース24の上端部とレグ22との溶接作業を行ってもよい。
【0074】
ステップS16及びステップS17と並行して、又は、異なるタイミングで、ステップS26及びステップS27が実行される。ステップS26及びステップS27は、作業対象がジャケット構造体10Bを構成する下部ジャケット構造体20、トランジションピース30、及び外部作業床40である点を除き、ステップS16及びステップS17とそれぞれ同様に実行される。
【0075】
[変形例]
図5に例示した一連の作業ステップは、一例であり、適宜変更可能であり。
図5に示される一連の作業ステップにおいて、1つのステップと、他のステップとが並行して実行されてもよく、異なる順序で実行されてもよく、他のステップが追加で実行されてもよい。
【0076】
上述の例では、トランジションピース30を下部ジャケット構造体20の上に配置した後に、外部作業床40をトランジションピース30の上に配置したが、地盤G上において、トランジションピース30と外部作業床40とが互いに組み付けられてもよい。そして、作業員は、トランジションピース30が組み付けられた外部作業床40を、下部ジャケット構造体20の上に配置してもよい。以上のように、第1組立ステップ及び第2組立ステップにおける下部ジャケット構造体20の上方に外部作業床40を配置することには、トランジションピース30に組み付けられた状態で、下部ジャケット構造体20の上にトランジションピース30と共に外部作業床40を配置する場合も含まれる。
【0077】
2つのジャケット構造体10の配置によっては、平面IPの一方の側に位置する領域R1にギャングウェイ6の全体を配置できない場合もある。
図8に示されるように、ギャングウェイ6の一端6aが、平面IPの一方の側(領域R1)に配置され、ギャングウェイ6の他端6bが、平面IPの他方の側(領域R2)に配置されてもよい。
図8に示される例においては、ギャングウェイ6が、平面IPのいずれかの箇所と重なった状態で平面IPと交差して配置されている。方向D2において、ジャケット構造体10Aにおける可動柵44b(スペースSA)の位置と、ジャケット構造体10Bにおける可動柵44b(スペースSB)の位置とが、互いに異なっていてもよい。
【0078】
ジャケット構造体10Aにおいては、センターパイプ32と外部作業床40の上記一方の側の端部との長さが、センターパイプ32と外部作業床40の上記他方の側の端部との長さよりも長い。一方、ジャケット構造体10Bにおいては、センターパイプ32と外部作業床40の上記一方の側の端部との長さが、センターパイプ32と外部作業床40の上記他方の側の端部との長さよりも短い。
【0079】
上述したように、ギャングウェイ6の一端6aは、ジャケット構造体10Aの外部作業床40の一部に代えて、その外部作業床40の近傍に接続されてもよく、ギャングウェイ6の他端6bは、ジャケット構造体10Bの外部作業床40の一部に代えて、その外部作業床40の近傍に接続されてもよい。
図9には、ギャングウェイ6の両端それぞれが、対応する外部作業床40の近傍に配置される場合が例示されている。
【0080】
図9に示されるように、ギャングウェイ6の一端6aは、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30のうちのセンターパイプ32を除く部分(例えば、トランジションピース30の上フランジ)の上に接続されてもよい。ギャングウェイ6の他端6bは、ジャケット構造体10Bのトランジションピース30のうちのセンターパイプ32を除く部分(例えば、トランジションピース30の上フランジ)の上に接続されてもよい。ギャングウェイ6の両端それぞれは、例えば、作業員が、ギャングウェイ6と外部作業床40とを他の部材を介することなく移動できる程度に、対応する外部作業床40に近接して配置されている。なお、
図9に示される例とは異なり、ギャングウェイ6の両端の一方が外部作業床40に接続され、ギャングウェイ6の両端の他方が外部作業床40の近傍に接続されてもよい。
【0081】
図10には、ジャケット構造体システムの別の例が示されている。
図10に示されるジャケット構造体システム81は、ギャングウェイ5及びギャングウェイ6に代えて、ギャングウェイ5A及びギャングウェイ5Bを備える点において、
図1に示されるジャケット構造体システム1と相違する。
【0082】
ギャングウェイ5A(第1ギャングウェイ)は、作業員が、ジャケット構造体10Aの外部作業床40(第1外部作業床)と作業櫓4とを移動可能となるように、その外部作業床40と作業櫓4との間で架渡される。ギャングウェイ5Aの一端は、ジャケット構造体10Aの外部作業床40に接続されてもよく、又は、ジャケット構造体10Aのうちの外部作業床40の近傍の箇所に接続されてもよい。ギャングウェイ5Aの他端は、作業櫓4に接続される。ギャングウェイ5Aの一端が、ジャケット構造体10Aの外部作業床40の近傍箇所(例えば、トランジションピース30の上フランジ)に接続される場合は、
図9に示される例と同様に、ギャングウェイ5Aの一端が接続されてもよい。ギャングウェイ5Aが架渡される上記近傍箇所は、トランジションピース30の上フランジのうち、外部作業床40が設置されるスペースであってもよい。
【0083】
ギャングウェイ5B(第2ギャングウェイ)は、作業員が、ジャケット構造体10Bの外部作業床40(第2外部作業床)と作業櫓4とを移動可能となるように、その外部作業床40と作業櫓4との間で架渡される。ギャングウェイ5Bの一端は、ジャケット構造体10Bの外部作業床40に接続されてもよく、又は、ジャケット構造体10Bのうちの外部作業床40の近傍の箇所に接続されてもよい。ギャングウェイ5Bの他端は、作業櫓4に接続される。ギャングウェイ5Bの一端が、ジャケット構造体10Bの外部作業床40の近傍箇所(例えば、トランジションピース30の上フランジ)に接続される場合は、
図9に示される例と同様に、ギャングウェイ5Bの一端が接続されてもよい。ギャングウェイ5Bが架渡される上記近傍箇所は、トランジションピース30の上フランジのうち、外部作業床40が設置されるスペースであってもよい。
【0084】
図10に示されるように、ジャケット構造体システム81において、ジャケット構造体10Aの外部作業床40の地盤Gからの高さは、ジャケット構造体10Bの外部作業床40の地盤Gからの高さと異なっていてもよい。
図10に示される例とは異なり、ジャケット構造体システム81において、ジャケット構造体10Aの外部作業床40の地盤Gからの高さが、ジャケット構造体10Bの外部作業床40の地盤Gからの高さと同じであってもよい。
【0085】
ジャケット構造体システム81において、ギャングウェイ5A及びギャングウェイ5Bが架渡されることで、作業員は、1つの作業櫓4を利用して、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bそれぞれの外部作業床40にアクセスできる。また、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bの一方の外部作業床40等での作業後に、地盤Gに降りることなく、作業櫓4、ギャングウェイ5A、及びギャングウェイ5Bを介して、他方の外部作業床40へ移動できる。
【0086】
上述の例では、ギャングウェイ6が一方向に延びるように形成されているが、ギャングウェイ6において作業員が昇降可能な階段が設けられてもよい。このような階段が設けられたギャングウェイ6は、ジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bの間で、地盤Gからの高さが異なる場合(例えば、外部作業床40同士の間で、地盤Gからの高さが異なる場合)に好適である。ギャングウェイ5,5A,5Bにおいても、作業員が昇降可能な階段が設けられてもよい。
【0087】
図11には、ジャケット構造体システムの別の例が示されている。
図11に示されるジャケット構造体システム91は、2以上のジャケット構造体10A、及び、2以上のジャケット構造体10Bを備える。2以上のジャケット構造体10A、及び、2以上のジャケット構造体10Bは、同一のウインドファーム又は海域に設けられる。例えば、2以上のジャケット構造体10A、及び、2以上のジャケット構造体10Bは、同一のウインドファーム、又は同一の海域に設置される1つの洋上風力発電設備に含まる複数の洋上風車200の基礎部分として利用される。
図11には、ウインドファーム等に運搬される前であり、ヤードに配置されている状態のジャケット構造体10A及びジャケット構造体10Bが模式的に示されている。
図11では、紙面のスペースの都合上、上下の2段に分けて図が描かれているが、上段部分の右端は、下段部分の左端に繋がっている。
【0088】
2以上のジャケット構造体10Aの間では、外部作業床40の地盤Gからの高さ(以下、「高さH1」と称する。)は共通している。2以上のジャケット構造体10Bの間では、外部作業床40の地盤Gからの高さ(以下、「高さH2」と称する。)は共通している。外部作業床40の地盤Gからの高さに応じてグループ分けすると、ジャケット構造体システム1は、グループGp1(第1グループ)に属する2以上のジャケット構造体10Aと、グループGp2(第2グループ)に属する2以上のジャケット構造体10Bと、を備える。高さH1(第1高さ)と高さH2(第2高さ)とは異なっている。高さH2は、高さH1よりも高くてもよい。外部作業床40の地盤Gからの高さは、外部作業床40の床部分42の上面の上下方向における高さ位置によって定義されてもよい。
【0089】
図12は、ヤードにおける所定のエリアGAに配置されたジャケット構造体システム91の模式的な平面図である。
図12において、各ジャケット構造体の下部ジャケット構造体20の部分は省略されている。ジャケット構造体システム91は、1以上のギャングウェイ6Aと、1以上のギャングウェイ6Bと、を備える。ギャングウェイ6A及びギャングウェイ6Bのそれぞれは、ギャングウェイ6と同様の機能及び役割を有し、ジャケット構造体への設置方法もギャングウェイ6と同様である。
【0090】
1以上のギャングウェイ6Aは、作業員が、ジャケット構造体10Aの外部作業床40(第1外部作業床)同士を移動可能となるように、2以上のジャケット構造体10Aそれぞれの外部作業床40の間で架渡される。1以上のギャングウェイ6Aの1つに着目した場合、そのギャングウェイ6Aは、1つのジャケット構造体10Aの外部作業床40と、他の1つのジャケット構造体10Aの外部作業床40とに架渡されてもよい。あるいは、ギャングウェイ6Aは、
図9に示される例と同様に、1つのジャケット構造体10Aの外部作業床40の近傍箇所(例えば、トランジションピース30の上フランジ)と、他の1つのジャケット構造体10Aの外部作業床40の近傍箇所(例えば、トランジションピース30の上フランジ)とに架渡されてもよい。これに代え、ギャングウェイ6Aの一端が、1つのジャケット構造体10Aの外部作業床40に接続され、ギャングウェイ6Aの他端が、他の1つのジャケット構造体10Aの外部作業床40の近傍箇所に接続されてもよい。ギャングウェイ6Aの両端の少なくとも一方が、外部作業床40の近傍箇所に接続される場合において、ギャングウェイ6Aが架渡される上記近傍箇所は、トランジションピース30の上フランジのうち、外部作業床40が設置されるスペースであってもよい。1つのギャングウェイ6Aと他の1つのギャングウェイ6Aとの間で、少なくとも一方の端部の接続箇所が異なっていてもよい。
【0091】
1以上のギャングウェイ6Bは、作業員が、ジャケット構造体10Bの外部作業床40(第2外部作業床)同士を移動可能となるように、2以上のジャケット構造体10Bの外部作業床40の間で架渡される。1以上のギャングウェイ6Bの1つに着目した場合、そのギャングウェイ6Bは、1つのジャケット構造体10Bの外部作業床40と、他の1つのジャケット構造体10Bの外部作業床40とに架渡されてもよい。あるいは、ギャングウェイ6Bの両端が、
図9に示される例と同様に、1つのジャケット構造体10Bの外部作業床40の近傍箇所(例えば、トランジションピース30の上フランジ)と、他の1つのジャケット構造体10Bの外部作業床40の近傍箇所(例えば、トランジションピース30の上フランジ)とに架渡されてもよい。ギャングウェイ6Bの一端が、1つのジャケット構造体10Bの外部作業床40に接続され、ギャングウェイ6Bの他端が、他の1つのジャケット構造体10Bの外部作業床40の近傍箇所に接続されてもよい。ギャングウェイ6Bの両端の少なくとも一方が、外部作業床40の近傍箇所に接続される場合において、ギャングウェイ6Bが架渡される上記近傍箇所は、トランジションピース30の上フランジのうち、外部作業床40が設置されるスペースであってもよい。1つのギャングウェイ6Bと他の1つのギャングウェイ6Bとの間で、少なくとも一方の端部の接続箇所が異なっていてもよい。
【0092】
ジャケット構造体システム91では、各ジャケット構造体10A(1つ1つのジャケット構造体10A)に着目した場合、当該ジャケット構造体10Aと、他の少なくとも1つのジャケット構造体10Aとの間にギャングウェイ6Aが架渡される。ジャケット構造体システム91では、各ジャケット構造体10Bに着目した場合、当該ジャケット構造体10Bと、他の少なくとも1つのジャケット構造体10Bとの間にギャングウェイ6Bが架渡される。以上のように、2以上のジャケット構造体それぞれの外部作業床40の間でギャングウェイが架渡されるとは、各ジャケット構造体に着目した場合に、当該ジャケット構造体と、他の全てのジャケット構造体との間でギャングウェイが架渡されるとは限らない。
【0093】
図11及び
図12に示される例においては、ジャケット構造体システム91は、2以上のジャケット構造体10Aとして、ジャケット構造体10A1と、ジャケット構造体10A2と、ジャケット構造体10A3と、を有する。ジャケット構造体システム91は、2以上のジャケット構造体10Bとして、ジャケット構造体10B1と、ジャケット構造体10B2と、を有する。ジャケット構造体システム91は、2つのギャングウェイ6Aと、ギャングウェイ6Bとを有する。
【0094】
図12に示されるように、1つのギャングウェイ6Aが、ジャケット構造体10A1の外部作業床40と、ジャケット構造体10A2との間に架渡され、他の1つのギャングウェイ6Aが、ジャケット構造体10A2とジャケット構造体10A3との間に架渡される。ジャケット構造体10A1とジャケット構造体10A3との間には、ギャングウェイが架渡されてなくてもよい。ギャングウェイ6Bは、ジャケット構造体10B1の外部作業床40と、ジャケット構造体10B2の外部作業床40との間に架渡される。
【0095】
図13には、一実施形態に係るトランジションピースシステムが示されている。
図14には、トランジションピースシステムが備えるトランジションピースが設けられる海洋構造物の一例が模式的に示されている。
図13に示されるトランジションピースシステム100は、2以上のトランジションピースによって構成されるシステムである。トランジションピースシステム100は、例えば、2以上のトランジションピースとして、トランジションピース130Aと、トランジションピース130Bと、を備える。トランジションピースシステム100は、トランジションピース130A及びトランジションピース130Bに加えて、2つの外部作業床40と、作業櫓4と、ギャングウェイ5と、ギャングウェイ6と、を備える。
【0096】
トランジションピース130A及びトランジションピース130Bのそれぞれは、洋上風車200を支持可能である。トランジションピース130A及びトランジションピース130Bのそれぞれは、トランジションピース30と同様に、洋上風車200の一部が接続されるセンターパイプ32を有する。トランジションピース130Aは、海洋構造物110(第1海洋構造物)の上に設けられ、トランジションピース130Bは、海洋構造物110(第2海洋構造物)の上に設けられる。海洋構造物110は、例えば、モノパイル式の基礎構造体である(
図14も参照)。
【0097】
トランジションピース130A(第1トランジションピース)には、外部作業床40(第1外部作業床)が設けられ、トランジションピース130B(第2トランジションピース)には、外部作業床40(第2外部作業床)が設けられる。言い換えると、トランジションピース130Aには外部作業床40が設置され、トランジションピース130Bには外部作業床40が設置される。
図2に示されるジャケット構造体10A,10Bと同様に、外部作業床40には作業用クレーン56が設けられ、海洋構造物110にはボートランディング部58が設けられる。ギャングウェイ5は、作業櫓4と、トランジションピース130A及びトランジションピース130Bのいずれか一方(例えば、トランジションピース130B)に設けられた外部作業床40との間に架渡される。
【0098】
ギャングウェイ6は、作業員が、トランジションピース130Aに設けられた外部作業床40と、トランジションピース130Bに設けられた外部作業床40とを移動可能となるように、トランジションピース130Aに設けられた外部作業床40と、トランジションピース130Bに設けられた外部作業床40との間に架渡される。ギャングウェイ5及びギャングウェイ6の架渡し方法の詳細については、外部作業床40がトランジションピース30に代えて、トランジションピース130A又はトランジションピース130Bに設けられる点を除き、ジャケット構造体システム1での各種の架渡し方法と同様である。トランジションピースシステム100においても、一対の外部作業床40(一対の可動柵44b)、及び、ギャングウェイ6が、
図4、
図8、又は
図9に示される例のように配置されてもよい。
【0099】
トランジションピースシステム100において、ギャングウェイ6は、外部作業床40が設置されるトランジションピース130Aと外部作業床40が設置されるトランジションピース130Bとを作業員が移動可能となるように、トランジションピース130Aとトランジションピース130Bとに架渡されてもよい。
図15(a)には、ギャングウェイ6の一端がトランジションピース130Aに接続され、ギャングウェイ6の他端がトランジションピース130Bに接続されるように、ギャングウェイ6が設置された様子が例示されている。ギャングウェイ6の両端それぞれは、トランジションピース130A又はトランジションピース130Bの上フランジ(例えば、上フランジのうちの外部作業床40が設置されるスペース)に接続されてもよい。このトランジションピースシステム100では、トランジションピース130A及びトランジションピース130Bの両方又は一方に外部作業床40が設置される前にギャングウェイ6が架渡されてもよい。この場合において、そのギャングウェイ6が架渡された状態で外部作業床40が設置されてもよく、そのギャングウェイ6が撤去された後に、外部作業床40が設置されてもよい。なお、トランジションピース130A及びトランジションピース130Bへの外部作業床40の設置後にギャングウェイ6が架渡されてもよい。
【0100】
トランジションピースシステム100において、ギャングウェイ6は、外部作業床40が設置されるトランジションピース130Aと、トランジションピース130Bに既に設置された外部作業床40(以下、「設置後の外部作業床40B」という。)とを作業員が移動可能となるように、トランジションピース130Aと設置後の外部作業床40B(第2外部作業床)との間で架渡されてもよい。
図15(b)に示されるように、ギャングウェイ6の一端がトランジションピース130A(例えば、トランジションピース130Aの上フランジ)に接続され、ギャングウェイ6の他端が、設置後の外部作業床40Bに接続されてもよい。あるいは、ギャングウェイ6の一端がトランジションピース130Aに接続され、ギャングウェイ6の他端が、設置後の外部作業床40Bの近傍箇所(例えば、トランジションピース130Bの上フランジ)に接続されてもよい。
【0101】
ギャングウェイ6の上記一端は、トランジションピース130Aの上フランジのうちの外部作業床40が設置されるスペースに接続されてもよい。ギャングウェイ6の上記他端は、トランジションピース130Bの上フランジのうちの外部作業床40が設置されるスペースに接続されてもよい。このトランジションピースシステム100では、トランジションピース130Aへの外部作業床40の設置前にギャングウェイ6が架渡されてもよい。この場合において、そのギャングウェイ6が架渡された状態でトランジションピース130Aに外部作業床40が設置されてもよく、そのギャングウェイ6が撤去された後に、トランジションピース130Aに外部作業床40が設置されてもよい。なお、トランジションピース130Aへの外部作業床40の設置後にギャングウェイ6が架渡されてもよい。
【0102】
図1等に示されるジャケット構造体システム1においても、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30及び外部作業床40、ジャケット構造体10Bのトランジションピース30及び外部作業床40、並びに、ギャングウェイ6によって、トランジションピースシステムが構成されてもよい。そして、ジャケット構造体10Aの下部ジャケット構造体20が海洋構造物(第1海洋構造物)として機能し、ジャケット構造体10Bの下部ジャケット構造体20が海洋構造物(第2海洋構造物)として機能する。
【0103】
図1等に示されるジャケット構造体システム1において、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30、ジャケット構造体10Bのトランジションピース30、及び、ギャングウェイ6によって、トランジションピースシステムが構成されてもよい。この場合において、ギャングウェイ6が、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30と、ジャケット構造体10Bのトランジションピース30とを作業員が移動可能となるように、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30とジャケット構造体10Bのトランジションピース30とに架渡されてもよい。あるいは、ギャングウェイ6が、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30と、ジャケット構造体10Bのトランジションピース30に既に設置された外部作業床40とを作業員が移動可能となるように、ジャケット構造体10Aのトランジションピース30とジャケット構造体10Bにおいて設置後の外部作業床40との間で架渡されてもよい。
【0104】
以上に説明した種々の例のうちの1つの例に、他の例で説明した事項の少なくとも一部が組み合わされてもよい。
【0105】
[本開示のまとめ]
以上に説明したジャケット構造体システム(1)は、洋上風車(200)を支持可能な第1ジャケット構造体(10A)と、洋上風車(200)を支持可能な第2ジャケット構造体(10B)と、第1ジャケット構造体(10A)と第2ジャケット構造体(10B)とに架渡されるギャングウェイ(6)と、を備える。第1ジャケット構造体(10A)は、第1外部作業床(40)を有する。第2ジャケット構造体(10A)は、第2外部作業床を有する。ギャングウェイ(6)は、作業員が第1外部作業床(40)と第2外部作業床(40)とを移動可能となるように、第1外部作業床(40)と第2外部作業床(40)との間で架渡される。
【0106】
このジャケット構造体システム(1)では、ギャングウェイ(6)を利用して、第1外部作業床(40)から第2外部作業床(40)へ、及び、第2外部作業床(40)から第1外部作業床(40)へ作業員が移動することができる。そのため、1つの昇降用の手段(例えば、作業櫓)を利用して、一方の外部作業床へ移動可能であれば、別の昇降用の手段を利用して昇降することなく、他方の外部作業床へ移動することができる。従って、ジャケット構造体システム(1)は、作業の効率化に有用である。
【0107】
第1外部作業床(40)は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵(44b)を含んでもよい。第2外部作業床(40)は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵(44b)を含んでもよい。ギャングウェイ(6)の一端(6a)は、第1外部作業床(40)から第1柵(44b)が取り外される又は開かれることで生じる第1スペース(SA)に接続されてもよい。ギャングウェイ(6)の他端(6b)は、第2外部作業床(40)から第2柵(44b)が取り外される又は開かれることで生じる第2スペース(SB)に接続されてもよい。作業員の安全のためには、外部作業床(40)に柵を設ける必要がある。上記構成では、取り外し又は開閉可能な柵により、ギャングウェイ(6)を架渡すためのスペースを容易に形成でき、そのスペースには柵がないので、安定してギャングウェイ(6)を設置できる。従って、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)に容易、且つ、より確実にギャングウェイ(6)を架渡すことができる。
【0108】
平面視において、第1柵(44b)と第2柵(44b)とは、対向してもよい。この場合、取り外し又は開閉可能な第1柵(44b)及び第2柵(44b)それぞれによって生じるスペース同士の間の距離が短くなる傾向がある。従って、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)により容易にギャングウェイ(6)を架渡すことができる。
【0109】
上記一端(6a)は、第1ジャケット構造体(10A)の一部であって第1スペース(SA)に対応する一部に第1連結部材(52)で固定されてもよい。上記他端(6b)は、第2ジャケット構造体(10B)の一部であって第2スペース(SB)に対応する一部に第2連結部材(52)で固定されてもよい。この場合、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)のそれぞれに対して、より確実にギャングウェイ(8)を連結することができる。
【0110】
第1ジャケット構造体(10A)は、第1センターパイプ(32)を更に有してもよい。第2ジャケット構造体(10B)は、第2センターパイプ(32)を更に有してもよい。ギャングウェイ(6)は、第1センターパイプ(32)の管軸(Ax)と第2センターパイプ(32)の管軸(Ax)とを含む平面(IP)の一方の側に配置されてもよい。この場合、平面視において非対称な形状を有する外部作業床(40)同士の間にギャングウェイ(6)を設置することが容易である。
【0111】
第1ジャケット構造体(10A)は、第1センターパイプ(32)を更に有してもよい。第2ジャケット構造体(10B)は、第2センターパイプ(32)を更に有してもよい。ギャングウェイ(6)の一端(6a)は、第1センターパイプ(32)の管軸(Ax)と第2センターパイプ(32)の管軸(Ax)とを含む平面(IP)の一方の側に配置されてもよい。ギャングウェイ(6)の他端は、平面(IP)の他方の側に配置されてもよい。この場合、平面視において非対称な形状を有する外部作業床(40)同士の向きが互いに異なっていても、ギャングウェイ(6)を設置できる。
【0112】
第1センターパイプ(32)と、第1外部作業床(40)の上記一方の側の端部と、の長さ(LA1)は、第1センターパイプ(32)と、第1外部作業床(40)の端部であって上記平面(IP)の他方の側の端部と、の長さ(LA2)より、長くてもよい。第2センターパイプ(32)と、第2外部作業床(40)の上記一方の側の端部と、の長さ(LB1)は、第2センターパイプ(32)と、第2外部作業床(40)の上記他方の側の端部と、の長さ(LB2)より、長くてもよい。この構成では、上記一方の側において、一対の外部作業床(40)それぞれの面積が大きい傾向がある。そのため、外部作業床(40)に作業用クレーン(56)を設置する場合において、外部作業床(40)のうちの作業用クレーン(56)を設置する側の領域にギャングウェイ(6)を架渡しするのが容易である。
【0113】
第1ジャケット構造体(10A)は、第1センターパイプ(32)を更に有してもよい。第2ジャケット構造体(10B)は、第2センターパイプ(32)を更に有してもよい。第1外部作業床(40)には、第1センターパイプ(32)が挿入される穴(46)又は切り欠きが設けられてもよい。第2外部作業床(40)には、第2センターパイプ(32)が挿入される穴(46)又は切り欠きが設けられてもよい。この場合、ジャケット構造体(10A,10B)において、外部作業床(40)を設置するのが容易である。
【0114】
第1外部作業床(40)は、第1ジャケット構造体(10A)において本設されてもよい。第2外部作業床(40)は、第2ジャケット構造体(10B)において本設されてもよい。この場合、ジャケット構造体(10A,10B)において、より確実に外部作業床を設けることができる。また、ジャケット構造体(10A,10B)が海に設置された後であっても、作業員が外部作業床(40)を利用して作業を行うことができる。
【0115】
以上に説明したジャケット構造体システム(81)は、洋上風車(200)を支持可能な第1ジャケット構造体(10A)と、洋上風車(200)を支持可能な第2ジャケット構造体(10B)と、第1ギャングウェイ(5A)と、第2ギャングウェイ(5B)と、作業櫓(4)と、を備える。第1ジャケット構造体(10A)は、第1外部作業床(40)を有する。第2ジャケット構造体(10B)は、第2外部作業床(40)を有する。第1ギャングウェイ(5A)は、作業員が第1外部作業床(40)と作業櫓(4)とを移動可能となるように、第1外部作業床(40)と作業櫓(4)との間で架渡される。第2ギャングウェイ(5B)は、作業員が第2外部作業床(40)と作業櫓(4)とを移動可能となるように、第2外部作業床(40)と作業櫓(4)との間で架渡される。
【0116】
このジャケット構造体システム(81)では、ギャングウェイ(5A,5B)を利用し、作業櫓(4)を経由して、第1外部作業床(40)から第2外部作業床(40)へ、及び、第2外部作業床(40)から第1外部作業床(40)へ作業員が移動することができる。そのため、1つの昇降用の手段である作業櫓(4)を利用することで、別の昇降用の手段を利用して昇降することなく、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)の両方に移動することができる。従って、ジャケット構造体システム(81)は、作業の効率化に有用である。
【0117】
以上に説明したジャケット構造体システム(91)は、同一のウインドファーム又は海域に設けられ且つ洋上風車(200)をそれぞれ支持可能な複数のジャケット構造体(10A,10B)と、第1ギャングウェイ(6A)と、第2ギャングウェイ(6B)と、を備える。複数のジャケット構造体(10A,10B)は、第1グループ(Gp1)に属する2以上のジャケット構造体(10A)と、第2グループ(Gp2)に属する2以上のジャケット構造体(10B)と、を含む。第1グループ(Gp1)に属する2以上のジャケット構造体(10A)のそれぞれは、第1外部作業床(40)を有する。第2グループ(Gp2)に属する2以上のジャケット構造体(10B)のそれぞれは、第2外部作業床(40)を有する。第1グループ(Gp1)に属する2以上のジャケット構造体(10A)の間で、第1外部作業床(40)の地盤(G)からの高さである第1高さ(H1)は、共通する。第2グループ(Gp2)に属する2以上のジャケット構造体(10B)の間で、第2外部作業床(40)の地盤(G)からの高さである第2高さ(H2)は、共通する。第1高さ(H1)と第2高さ(H2)とは、異なる。第1ギャングウェイ(6A)は、作業員が第1外部作業床(40)同士を移動可能となるように、第1グループ(Gp1)に属する2以上のジャケット構造体(10A)それぞれの第1外部作業床(40)の間で架渡される。第2ギャングウェイ(6B)は、作業員が第2外部作業床(40)同士を移動可能となるように、第2グループ(Gp2)に属する2以上のジャケット構造体(10B)それぞれの第2外部作業床(40)の間で架渡される。
【0118】
このジャケット構造体システム(91)では、第1グループ(Gp1)及び第2グループ(Gp2)のそれぞれにおいて、ギャングウェイ(6A,6B)を利用して、1つの外部作業床(40)から他の外部作業床(40)へ作業員が移動することができる。そのため、1つの昇降用の手段(例えば、作業櫓)を利用して、1つの外部作業床へ移動可能であれば、別の昇降用の手段を利用して昇降することなく、他の外部作業床へ移動することができる。従って、ジャケット構造体システム(91)は、作業の効率化に有用である。また、外部作業床(40)の地盤(G)からの高さが共通するジャケット構造体同士で1つのグループが形成されるので、ギャングウェイ(6A,6B)を水平に配置でき、作業員がより安全に、1つの外部作業床(40)から他の外部作業床(40)へ移動できる。
【0119】
以上に説明したギャングウェイ架渡し方法は、洋上風車(200)を支持可能な第1ジャケット構造体(10A)と、洋上風車(200)を支持可能な第2ジャケット構造体(10B)と、ギャングウェイ(6)と、を備えるジャケット構造体システム(1)のギャングウェイ架渡し方法である。このギャングウェイ架渡し方法は、第1下部ジャケット構造体(20)の上方に第1外部作業床(40)を配置して第1ジャケット構造体(10A)を組み立てる第1組立ステップと、第2下部ジャケット構造体(20)の上方に第2外部作業床(40)を配置して第2ジャケット構造体(10B)を組み立てる第2組立ステップと、第1組立ステップ及び第2組立ステップに応じ、作業員が第1外部作業床(40)と第2外部作業床(40)とを移動可能となるように、第1外部作業床(40)と第2外部作業床(40)との間でギャングウェイ(6)を架渡す架渡しステップと、を含む。このギャングウェイ架渡し方法は、上述したジャケット構造体システム(1)と同様に、作業の効率化に有用である。
【0120】
第1組立ステップは、第1ジャケット構造体(10A)が有する第1センターパイプ(32)を第1外部作業床(40)に設けられる穴(46)又は切り欠きに挿入する第1パイプ挿入ステップを含んでもよい。第2組立ステップは、第2ジャケット構造体(10B)が有する第2センターパイプ(32)を第2外部作業床(40)に設けられる穴(46)又は切り欠きに挿入する第2パイプ挿入ステップを含んでもよい。この場合、センターパイプ(32)と干渉することなく、外部作業床(40)をジャケット構造体(10A,10B)において配置することができる。
【0121】
上記ギャングウェイ架渡し方法は、第1下部ジャケット構造体(20)に第1トランジションピース(30)を配置する第1トランジションピース配置工程と、第2下部ジャケット構造体(20)に第2トランジションピース(30)を配置する第2トランジションピース配置工程と、を更に含んでもよい。第1組立ステップは、第1トランジションピース配置工程の後に実行されてもよい。第2組立ステップは、第2トランジションピース配置工程の後に実行されてもよい。この場合、下部ジャケット構造体(20)の上方に、トランジションピース(30)と、外部作業床(40)とが個別に配置される。そのため、外部作業床(40)をトランジションピース(30)の上に、より確実に配置することができる。
【0122】
以上に説明したトランジションピースシステム(100)は、洋上風車(200)を支持可能であり且つ第1海洋構造物(110)に設けられる第1トランジションピース(130A)と、洋上風車(200)を支持可能であり且つ第2海洋構造物(110)に設けられる第2トランジションピース(130B)と、第1トランジションピース(130A)に設けられる第1外部作業床(40)と、第2トランジションピース(130B)に設けられる第2外部作業床(40)と、作業員が第1外部作業床(40)と第2外部作業床(40)とを移動可能となるように、第1外部作業床(40)と第2外部作業床(40)との間で架渡されるギャングウェイ(6)と、を備える。
【0123】
このトランジションピースシステム(100)では、ギャングウェイ(6)を利用して、第1外部作業床(40)から第2外部作業床(40)へ、及び、第2外部作業床(40)から第1外部作業床(40)へ作業員が移動することができる。そのため、1つの昇降用の手段(例えば、作業櫓)を利用して、一方の外部作業床へ移動可能であれば、別の昇降用の手段を利用して昇降することなく、他方の外部作業床へ移動することができる。従って、トランジションピースシステム(100)は、作業の効率化に有用である。
【0124】
第1外部作業床(40)は、取り外し可能又は開閉可能な第1柵(44b)を含んでもよい。第2外部作業床(40)は、取り外し可能又は開閉可能な第2柵(44b)を含んでもよい。ギャングウェイ(6)の一端(6a)は、第1外部作業床(40)から第1柵(44b)が取り外される又は開かれることで生じる第1スペース(SA)に接続されてもよい。ギャングウェイ(6)の他端(6b)は、第2外部作業床(40)から第2柵(44b)が取り外される又は開かれることで生じる第2スペース(SB)に接続されてもよい。この場合、上述したジャケット構造体システム(1)と同様に、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)に容易、且つ、より確実にギャングウェイ(6)を架渡すことができる。
【0125】
平面視において、第1柵(44b)と第2柵(44b)とは、対向してもよい。この場合、上述したジャケット構造体システム(1)と同様に、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)により容易にギャングウェイ(6)を架渡すことができる。
【0126】
上記一端(6a)は、第1トランジションピース(30)又は第1外部作業床(40)の一部であって第1スペース(SA)に対応する一部に第1連結部材(52)で固定されてもよい。上記他端(6b)は、第2トランジションピース(30)又は第2外部作業床(40)の一部であって第2スペース(SB)に対応する一部に第2連結部材(52)で固定されてもよい。この場合、第1外部作業床(40)及び第2外部作業床(40)のそれぞれに対して、より確実にギャングウェイ(6)を連結することができる。
【0127】
以上に説明したトランジションピースシステム(100)は、洋上風車(200)を支持可能であり且つ第1海洋構造物(110)に設けられる第1トランジションピース(130A)であって第1外部作業床(40)が設置される第1トランジションピース(130A)と、洋上風車(200)を支持可能であり且つ第2海洋構造物(110)に設けられる第2トランジションピース(130B)であって第2外部作業床(40)が設置される第2トランジションピース(130B)と、第1外部作業床(40)が設置される第1トランジションピース(130A)と第2外部作業床(40)が設置される第2トランジションピース(130B)とを作業員が移動可能となるように、第1トランジションピース(130A)と第2トランジションピース(130B)とに架渡されるギャングウェイ(6)と、を備える。
【0128】
このトランジションピースシステム(100)では、ギャングウェイ(6)を利用して、第1トランジションピース(130A)から第2トランジションピース(130B)へ、及び、第2トランジションピース(130B)から第1トランジションピース(130A)へ作業員が移動することができる。そのため、1つの昇降用の手段(例えば、作業櫓)を利用して、一方のトランジションピースへ移動可能であれば、別の昇降用の手段を利用して昇降することなく、他方のトランジションピースへ移動することができる。従って、トランジションピースシステム(100)は、作業の効率化に有用である。
【0129】
以上に説明したトランジションピースシステム(100)は、洋上風車(200)を支持可能であり且つ第1海洋構造物(110)に設けられる第1トランジションピース(130A)であって第1外部作業床(40)が設置される第1トランジションピース(130A)と、洋上風車(200)を支持可能であり且つ第2海洋構造物(110)に設けられる第2トランジションピース(130B)であって第2外部作業床(40,40B)が設置される第2トランジションピース(130B)と、第1外部作業床(40)が設置される第1トランジションピース(130B)と第2外部作業床(40,40B)とを作業員が移動可能となるように、第1トランジションピース(130A)と第2外部作業床(40,40B)との間で架渡されるギャングウェイ(6)と、を備える。
【0130】
このトランジションピースシステム(100)では、ギャングウェイ(6)を利用して、第1トランジションピース(130A)から第2外部作業床(40,40B)へ、及び、第2外部作業床(40,40B)から第1トランジションピース(130A)へ作業員が移動することができる。そのため、1つの昇降用の手段(例えば、作業櫓)を利用して、第1トランジションピース(130A)及び第2外部作業床(40,40B)の一方へ移動可能であれば、別の昇降用の手段を利用して昇降することなく、第1トランジションピース(130A)及び第2外部作業床(40,40B)の他方へ移動することができる。従って、トランジションピースシステム(100)は、作業の効率化に有用である。
【符号の説明】
【0131】
1,81,91…ジャケット構造体システム、5,5A,5B,6,6A,6B…ギャングウェイ、6a…一端、6b…他端、10,10A,10B…ジャケット構造体、G…地盤、H1,H2…高さ、20…下部ジャケット構造体、30…トランジションピース、32…センターパイプ、Ax…管軸、IP…平面、40…外部作業床、44b…可動柵、SA,SB…スペース、100…トランジションピースシステム、110…海洋構造物、130A,130B…トランジションピース、200…洋上風車。
【要約】
【課題】作業の効率化を図る。
【解決手段】ジャケット構造体システムは、洋上風車を支持可能な第1ジャケット構造体と、洋上風車を支持可能な第2ジャケット構造体と、前記第1ジャケット構造体と前記第2ジャケット構造体とに架渡されるギャングウェイと、を備える。前記第1ジャケット構造体は、第1外部作業床を有する。前記第2ジャケット構造体は、第2外部作業床を有する。前記ギャングウェイは、作業員が前記第1外部作業床と前記第2外部作業床とを移動可能となるように、前記第1外部作業床と前記第2外部作業床との間で架渡される。
【選択図】
図1