(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241211BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20241211BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20241211BHJP
H02M 7/06 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
B25F5/00 G
H02M3/00 X
H02M7/06 Z
(21)【出願番号】P 2023100023
(22)【出願日】2023-06-19
(62)【分割の表示】P 2021546661の分割
【原出願日】2020-09-15
【審査請求日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】P 2019168545
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】318001706
【氏名又は名称】京セラインダストリアルツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 文昭
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-240120(JP,A)
【文献】特開2016-093133(JP,A)
【文献】特表2007-511380(JP,A)
【文献】特開2010-012585(JP,A)
【文献】特開2006-000937(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0083529(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
B25F 5/00
H02M 3/00
H02M 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置と、
電動工具本体と、
前記電源装置と前記電動工具本体とを接続する接続ケーブルと
を備え、
前記電動工具本体は、
ブラシレスDCモータと、
入力電圧を降圧する降圧回路と、
前記ブラシレスDCモータ及び前記降圧回路を収容する第1ハウジングと
を有し、
前記電源装置は、
前記ブラシレスDCモータを駆動するインバータと、
前記インバータに電源を供給し、前記降圧回路に前記入力電圧を供給する電源部と、
前記インバータ及び前記電源部を収容する第2ハウジングと
を有し、
前記接続ケーブルは、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの少なくとも一方に対して着脱可能である、電動工具。
【請求項2】
請求項1に記載の
電動工具であって、
前記降圧回路は、DC―DCコンバータである、
電動工具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の
電動工具であって、
前記電源部は、交流電圧を、前記入力電圧としての直流電圧に変換して出力するAC-DCコンバータを備える、
電動工具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の
電動工具であって、
前記電動工具本体は、前記ブラシレスDCモータの回転位置を検出するセンサを備え、
前記降圧回路は、前記センサの電源を生成する、電動工具。
【請求項5】
請求項4に記載の電動工具であって、
前記電動工具本体はマイクロコンピュータを備え、
前記降圧回路は、前記マイクロコンピュータの電源を生成する、電動工具。
【請求項6】
請求項
1から請求項5のいずれか一つに記載の電動工具であって、
前記降圧回路は、前記接続ケーブルを通じて前記電動工具本体に供給される前記入力電圧を降圧する、電動工具。
【請求項7】
請求項6に記載の電動工具であって、
前記電動工具本体は、前記接続ケーブルから前記降圧回路まで延びる信号線を備える、電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動工具に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
電源装置及び電動工具が開示される。一の実施の形態では、電源装置は、ブラシレスDCモータと、入力電圧を降圧する降圧回路とを備える電動工具本体に接続される電源装置である。電源装置は、ブラシレスDCモータを駆動するインバータと、インバータに電源を供給し、降圧回路に入力電圧を供給する電源部とを備える。
【0005】
また、一の実施の形態では、電動工具は、上記の電源装置と、電源装置が接続される電動工具本体とを備える。電動工具本体は、ブラシレスDCモータの回転位置を検出するセンサを備える。降圧回路は、センサの電源を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は電動工具1の構成例を模式的に示す図である。
図1に示されるように、電動工具1は、電動工具本体2と、電源装置3と、接続ケーブル4と、接続ケーブル5とを備える。
図1に示される電動工具1は、例えば、手持ちのディスクグラインダである。電動工具1は、ディスクグラインダ以外の手持ちの電動工具であってもよい。例えば、電動工具1は、インパクトドライバであってもよいし、ドライバドリルであってもよいし、丸鋸であってもよいし、レシプロソーであってもよいし、ポリッシャーであってもよい。以後、電動工具本体2を単に本体2と呼ぶことがある。
【0009】
本体2は、複数の部品を収容し、ユーザによって把持されるハウジング20を備える。ハウジング20には、ブラシレスDCモータ21、センサ基板22、冷却ファン23及びコネクタ24等が収容されている。
【0010】
また本体2は、ブラシレスDCモータ21によって駆動される駆動部を備える。駆動部には、例えば、ハウジング20内に収容されたギア部と、ハウジング20から露出する円板状の砥石25とが含まれる。ギア部は、ブラシレスDCモータ21の回転を、その回転速度を低減して砥石25に伝達する。ブラシレスDCモータ21は、ギア部を介して砥石25を回転させることが可能である。電動工具1は、砥石25を回転させることによって、研削、切断及び研磨等を行うことが可能である。ブラシレスDCモータ21は電源装置3によって駆動される。
【0011】
センサ基板22は、ブラシレスDCモータ21の回転位置を検出することが可能である。より具体的には、センサ基板22は、ブラシレスDCモータ21が備えるロータの回転位置を検出することが可能である。冷却ファン23は、ブラシレスDCモータ21の回転軸210に接続されている。冷却ファン23は、回転軸210が回転することによって回転する。冷却ファン23が回転すると、ハウジング20の後方に設けられた吸気口から空気がハウジング20内に取り入れられる。吸気口から取り入れられた空気は、ハウジング20内のブラシレスDCモータ21等を冷却して、その後、ハウジング20の前方に設けられた排気口からハウジング20外に排出される。コネクタ24は部分的にハウジング20から露出しており、コネクタ24には接続ケーブル4が接続される。コネクタ24は、接続ケーブル4が接続される接続箇所であると言える。以後、ブラシレスDCモータ21を単にモータ21と呼ぶことがある。
【0012】
電源装置3は、本体2とは別体の装置であって、複数の部品を収容するハウジング30を備える。ハウジング30には、回路基板31、コネクタ37及びコネクタ38が収容されている。
【0013】
回路基板31は、基板32と、当該基板32上に搭載された電源部33、制御回路34及びインバータ35とを備える。電源部33は、インバータ35に電源を供給することが可能である。電源部33は、例えば、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、生成した直流電圧をインバータ35に供給する。電源部33は電源回路とも言える。インバータ35は、本体2が備えるモータ21を駆動することが可能である。制御回路34はインバータ35を制御することが可能である。
【0014】
コネクタ37は部分的にハウジング30から露出している。コネクタ37には接続ケーブル4が接続される。コネクタ37は、接続ケーブル4が接続される接続箇所であると言える。接続ケーブル4は、電源装置3のハウジング30から、本体2のハウジング20まで延びている。接続ケーブル4の長さは、例えば数十cm~数mである。接続ケーブル4の長さはこの限りではない。
【0015】
コネクタ38は部分的にハウジング30から露出している。コネクタ38には接続ケーブル5が接続される。コネクタ38は、接続ケーブル5が接続される接続箇所であると言える。
【0016】
接続ケーブル4の一方の端部には、本体2のコネクタ24に接続されるコネクタ41が設けられている。接続ケーブル4の他方の端部には、電源装置3のコネクタ37に接続されるコネクタ42が設けられている。接続ケーブル5の一方の端部には、電源装置3のコネクタ38に接続されるコネクタ51が設けられている。接続ケーブル5の他方の端部には、商用電源からの交流電圧を供給するコンセントに接続されるコネクタ52が設けられている。コネクタ52は電源プラグと呼ばれることがある。
【0017】
本例では、接続ケーブル4の一方の端部は本体2に着脱可能である。具体的には、接続ケーブル4のコネクタ41は、本体2のコネクタ24に対して着脱可能である。また、接続ケーブル4の他方の端部は電源装置3に対して着脱可能である。具体的には、接続ケーブル4のコネクタ42は、ハウジング30内のコネクタ37に対して着脱可能である。
【0018】
また、本例では、接続ケーブル5の一方の端部は電源装置3に対して着脱可能である。具体的には、接続ケーブル5のコネクタ51は、ハウジング30内のコネクタ38に対して着脱可能である。また、接続ケーブル5のコネクタ52はコンセントに対して着脱可能である。電動工具1は、電源装置3と接続ケーブル4及び5とを備えるケーブル付き電源装置300を備えていると言える。
【0019】
図2は、電動工具1の回路構成の一例を主に示す図である。
図2に示されるように、接続ケーブル5のコネクタ52には、商用電源からの単相の交流電圧が供給される。交流電圧は、接続ケーブル5を通じて、電源装置3のコネクタ38に供給される。接続ケーブル5は2本の信号線50aを有している。コネクタ38には、例えば、実効値100Vの交流電圧が供給される。
【0020】
コネクタ38に供給された交流電圧は電源部33に供給される。電源部33はAC-DCコンバータ330を備える。AC-DCコンバータ330は、交流電圧を直流電圧に変換して出力する。AC-DCコンバータ330は、例えば整流回路で構成されており、ダイオード及びコンデンサを有する。AC-DCコンバータ330は、例えば140V程度の直流電圧を出力する。AC-DCコンバータ330が出力する直流電圧は制御回路34に供給される。また、AC-DCコンバータ330が出力する直流電圧は、インバータ35に電源として供給される。
【0021】
インバータ35は、例えば6個のスイッチング素子350を備える。スイッチング素子350は例えばFET(Field effect transistor)である。スイッチング素子350はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよいし、他の素子であってもよい。インバータ35では、直列接続された2個のスイッチング素子350から成るスイッチング回路が3個並列に接続されている。各スイッチング回路において、2個のスイッチング素子の接続点の電圧が駆動信号351としてモータ21に供給される。
【0022】
インバータ35で生成される3個の駆動信号351は、電源装置3のコネクタ37、接続ケーブル4及び本体2のコネクタ24を通じて、モータ21に供給される。接続ケーブル4は、3個の駆動信号351を電源装置3から本体2にそれぞれ伝達する3本の信号線40aを備える。モータ21は、例えば三相モータであって、U相コイル21a、V相コイル21b及びW相コイル21cを備える。3個の駆動信号351は、U相コイル21a、V相コイル21b及びW相コイル21cにそれぞれ供給される。
【0023】
本体2が備えるセンサ基板22は、例えば、3個のセンサ220を備える。各センサ220は、モータ21の回転位置を検出する。3個のセンサ220は、例えば、モータ21の回転方向に沿って120度間隔で配置されている。各センサ220の出力信号(言い換えれば位置検出信号)230はコネクタ24に供給される。コネクタ24に供給される3個の出力信号230は、接続ケーブル4及び電源装置3のコネクタ37を通じて制御回路34に供給される。接続ケーブル4は、3個のセンサ220の出力信号230を本体2から電源装置3にそれぞれ伝達する3本の信号線40dを備えている。以後、センサ220の出力信号230をセンサ信号230と呼ぶことがある。
【0024】
制御回路34は、例えば、マイクロコンピュータ341及びDC-DCコンバータ340を備える。DC-DCコンバータ340は、AC-DCコンバータ330から供給される直流電圧を降圧して出力する。DC-DCコンバータ340は降圧回路であると言える。DC-DCコンバータ340は、マイクロコンピュータ341の電源を生成する。また、DC-DCコンバータ340は、センサ基板22のセンサ220の電源を生成する。DC-DCコンバータ340で生成されたセンサ220の電源は、コネクタ37、接続ケーブル4及びコネクタ24を通じて、各センサ220を供給される。接続ケーブル4は、センサ220用のプラス電源を電源装置3から本体2へ伝達する信号線40bと、センサ220用のマイナス電源を電源装置3から本体2へ伝達する信号線40cとを備える。本例では、接続ケーブル4は8本の信号線を備える。
【0025】
マイクロコンピュータ341は、センサ基板22からの3個のセンサ信号230に基づいてインバータ35を制御することによって、モータ21の回転を制御する。具体的には、マイクロコンピュータ341は、3個のセンサ信号230に基づいて、インバータ35の各スイッチング素子350の制御端子の電圧を制御して、各スイッチング素子350のオン/オフ状態を制御する。これにより、インバータ35から、モータ21のU相コイル21a、V相コイル21b及びW相コイル21cのそれぞれに対して適切な駆動信号351が供給されてモータ21の回転が制御される。マイクロコンピュータ341は、6個の制御信号342を生成し、生成した6個の制御信号342を、6個のスイッチング素子350の制御端子にそれぞれ供給する。なお、制御回路34は、その機能の実現にソフトウェアが必要なマイクロコンピュータ341の替わりに、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路を備えてもよい。
【0026】
以上のように、本例に係る電動工具1では、本体2とは別に、インバータ35、制御回路34及び電源部33を備える電源装置3が設けられている。これにより、電源装置3を、複数の本体2の間で共用することができる。例えば、複数のディスクグラインダの本体2の間で電源装置3を共用することができる。また、複数種類の電動工具1の本体2の間で電源装置3を共用することができる。例えば、ディスクグラインダ、インパクトドライバ、ドリルドライバ、丸鋸、レシプロソー及びポリッシャーの本体2の間で共用することができる。この場合、電源装置3は、ディスクグラインダ、インパクトドライバ、ドリルドライバ、丸鋸、レシプロソー及びポリッシャーの本体2のそれぞれに対して接続することが可能である。よって、電動工具1ごとに、インバータ35、制御回路34及び電源部33を個別に設ける必要がなくなることから、電動工具1のコストダウンを図ることができる。
【0027】
また、本体2とは別に、インバータ35、制御回路34及び電源部33が設けられていることから、本体2のサイズを小さくすることができる。あるいは、本体2を軽量化することができる。よって、ユーザは、本体2を持って作業し易くなる。
【0028】
図3は、インバータ35、制御回路34及び電源部33を有する本体2を備える電動工具100の構成例を模式的に示す図である。
図3の例では、本体2のハウジング20に回路基板31が収容されている。また、ハウジング20にはコネクタ24が設けられておらず、接続ケーブル5の2本の信号線50aが基板32に直接接続されている。
図3の電動工具100と
図1の電動工具1とを比較すると、電動工具100よりも電動工具1の方が、ユーザによって把持されるハウジング20の長さが短くなっている。また、電動工具1の本体2は、電動工具100の本体2よりも軽量化される。
【0029】
本例のように、接続ケーブル5が電源装置3に対して着脱可能である場合には、接続ケーブル5を簡単に交換することが可能となる。また、長さの異なる複数種類の接続ケーブル5を用意することによって、接続ケーブル5の長さを簡単に変更することができる。また、接続ケーブル5を電源装置3から外した状態で電動工具1をケースに収納することができることから、ユーザは電動工具1を運びやすくなる。
【0030】
また、本例のように、接続ケーブル4が本体2及び電源装置3に対して着脱可能である場合には、接続ケーブル4を簡単に交換することができる。また、長さの異なる複数種類の接続ケーブル4を用意することによって、接続ケーブル4の長さを簡単に変更することができる。また、接続ケーブル4を本体2及び電源装置3から外した状態で電動工具1をケースに収納することができることから、ユーザは電動工具1を運びやすくなる。
【0031】
上記の例では、一つの基板32に対して、電源部33、制御回路34及びインバータ35が搭載されているが、電源部33、制御回路34及びインバータ35の少なくとも2つは互いに異なる基板に搭載されてもよい。
【0032】
また、上記の例では、インバータ35は、電源装置3に設けられているが、本体2に設けられてもよい。
図4は、インバータ35を有する本体2を備える電動工具1の構成例を示す図である。
図5は、インバータ35を有する本体2を備える電動工具1の回路構成の一例を主に示す図である。
図4に示されるINVはインバータを意味する。インバータ35を有する本体2を備える電動工具1を特に電動工具1Aと呼ぶことがある。
【0033】
図5に示されるように、電動工具1Aでは、AC-DCコンバータ330が生成する直流電圧はコネクタ37に供給される。また、制御回路34が生成する6個の制御信号342はコネクタ37に供給される。
【0034】
電動工具1Aが備える接続ケーブル4は13本の信号線を備える。具体的には、接続ケーブル4は、上述の信号線40b及び40cと、上述の3本の信号線40dと、信号線40e及び40fと、6本の信号線40gとを備える。
【0035】
信号線40eは、AC-DCコンバータ330で生成される直流電圧のプラス電位を、電源装置3から本体2に伝達する。信号線40eで伝達されるプラス電位は、本体2のコネクタ24を通じてインバータ35にプラス電源として供給される。信号線40fは、AC-DCコンバータ330で生成される直流電圧の接地電位を電源装置3から本体2に伝達する。信号線40fで伝達される接地電位は、コネクタ24を通じて、インバータ35にマイナス電源として供給される。6本の信号線40gは、制御回路34で生成される6個の制御信号342をそれぞれ電源装置3から本体2に伝達する。信号線40gで伝達される制御信号はコネクタ24を通じてインバータ35のスイッチング素子350の制御端子に供給される。スイッチング素子350のオン/オフ状態は制御信号によって制御される。
【0036】
図3の電動工具100と
図4の電動工具1Aとを比較すると、電動工具100よりも電動工具1Aの方が、ユーザによって把持されるハウジング20の長さが短くなっている。また、電動工具1Aの本体2は、電動工具100の本体2よりも軽量化される。よって、ユーザは電動工具1Aの本体2を手にもって作業し易くなる。
【0037】
制御回路34は、電源装置3ではなく、本体2に設けられてもよい。
図6は、制御回路34を有する本体2を備える電動工具1の構成例を示す図である。
図7は、制御回路34を有する本体2を備える電動工具1の回路構成の一例を主に示す図である。以後、制御回路34を有する本体2を備える電動工具1を電動工具1Bと呼ぶことがある。
【0038】
図7に示されるように、電動工具1Bが備える接続ケーブル4は11本の信号線を備える。具体的には、接続ケーブル4は、上述の3本の信号線40aと、上述の信号線40e及び40fと、6本の信号線40hとを備える。信号線40e及び40fで伝達される直流電圧(言い換えれば、プラス電位及び接地電位)は、コネクタ24を通じて制御回路34のDC-DCコンバータ340に供給される。コネクタ24には、制御回路34が出力する6個の制御信号342が供給される。6本の信号線40hは、コネクタ24に供給される6個の制御信号342を本体2から電源装置3にそれぞれ伝達する。
【0039】
図3の電動工具100と
図6の電動工具1Bとを比較すると、電動工具100よりも電動工具1Bの方が、ユーザによって把持されるハウジング20の長さが短くなっている。また、電動工具1Bの本体2は、電動工具100の本体2よりも軽量化される。よって、ユーザは電動工具1Bの本体2を手にもって作業し易くなる。
【0040】
電動工具1,1A,1Bを比較すると、接続ケーブル4の信号線の本数は、電動工具1が一番少なく、次に電動工具1Bが少なく、そして電動工具1Aが一番多くなっている。よって、電動工具1,1A,1Bが備える接続ケーブル4のち、電動工具1が備える接続ケーブル4が最も断線可能性が低くなる。
【0041】
上記の例では、ケーブル付き電源装置300の接続ケーブル5は、電源装置3に対して着脱可能であったが、電源装置3に対して着脱不能に固定されてもよい。この場合、電源装置3及び接続ケーブル5にコネクタ38及び51をそれぞれ設けずに、接続ケーブル5の2本の信号線50aを基板32に直接接続してもよい。
【0042】
また、ケーブル付き電源装置300では、接続ケーブル4が電源装置3に対して着脱不能に固定されてもよい。この場合、電源装置3及び接続ケーブル4にコネクタ37及び42をそれぞれ設けずに、接続ケーブル4の各信号線を基板32に直接接続してもよい。
【0043】
また、ケーブル付き電源装置300では、接続ケーブル4が本体2に対して着脱不能に固定されてもよい。この場合、本体2及び接続ケーブル4にコネクタ24及び41をそれぞれ設けずに、接続ケーブル4の各信号線を本体2のハウジング20内に引き込んでもよい。
【0044】
また、インバータ35は発熱し易いことから、インバータ35を備える電源装置3には、インバータ35を冷却する冷却ファンを設けてもよい。なお、本体2がインバータ35を備える場合には、本体2の冷却ファン23によってインバータ35を冷却することができる。
【0045】
上記の例では、本体2はセンサ基板22を備えているが、センサ基板22を備えていなくてもよい。この場合、制御回路34は、例えば、モータ21に流れる電流を検出し、その検出結果に基づいてモータ21の回転位置を求めてもよい。また、制御回路34は、例えば、モータ21で発生する誘起電圧を検出し、その検出結果に基づいてモータ21の回転位置を求めてもよい。本体2がセンサ基板22を備えていない場合、接続ケーブル4の構成を、センサ220用の電源を電源装置3から本体2へ伝達するための信号線40b及び40cとセンサ220の出力信号230を本体2から電源装置3に伝達する3本の信号線40dとを備えない構成とすることができる。この結果、必要な信号線の数が少なくなるため、電動工具1のコストダウンを図ることができる。
【0046】
また、上記の例では、本体2と電源装置3とを接続ケーブル4で接続しているが、電源装置3は本体2に対して直接着脱可能であってもよい。
図8は、電源装置3が本体2に対して着脱可能な電動工具1の構成例を示す図である。
図8ではハウジング20及び30内の一部の構成の記載を省略している。
【0047】
図8の例では、電源装置3のハウジング30が本体2のハウジング20に対して着脱可能となっている。ハウジング30内には、コネクタ37の替わりに、複数の接続端子から成る接続端子群39が設けられている。接続端子群39の各接続端子はハウジング30から露出している。ハウジング20内には、コネクタ24の替わりに、複数の接続端子から成る接続端子群27が設けられている。接続端子群27の各接続端子はハウジング20から露出している。ハウジング30がハウジング20に装着された状態では、接続端子群39の複数の接続端子は、接続端子群27の複数の接続端子とそれぞれ接触する。電源部33、制御回路34及びインバータ35を電源装置3が備える電動工具1において、ハウジング30がハウジング20に装着された状態では、上述の
図2と同様に、制御回路34がセンサ基板22と電気的に接続され、インバータ35がモータ21と電気的に接続される。また、電動工具1Aにおいて、ハウジング30がハウジング20に装着された状態では、
図5と同様に、電源装置3の制御回路34は、本体2のインバータ35及びセンサ基板22と電気的に接続され、電源装置3のAC-DCコンバータ330から出力される直流電圧は、本体2のインバータ35に供給される。また、電動工具1Bにおいて、ハウジング30がハウジング20に装着された状態では、
図7と同様に、電源装置3のインバータ35は本体2のモータ21及び制御回路34に電気的に接続され、電源装置3のAC-DCコンバータ330から出力される直流電圧は、本体2の制御回路34に供給される。
【0048】
このように、電源装置3のハウジング30が本体2のハウジング20に対して着脱可能となっている場合であっても、電源装置3を、複数の本体2の間で共用することができることから、電動工具1のコストダウンを図ることができる。
【0049】
上記の例では、電源装置3の電源部33は、AC-DCコンバータ330を備えているが、AC-DCコンバータ330の替わりにバッテリを備えてもよい。
図9は、電源部33がバッテリ335を備える電動工具1の構成例を示す図である。
図9では、ハウジング20内のすべての構成の記載を省略し、ハウジング30内の一部の構成の記載を省略している。電源部33がバッテリ335を備える場合には接続ケーブル5は不要となる。バッテリ335は、電動工具1とは別体の充電器によって充電可能とされてもよい。この場合、電源装置3のハウジング30内にはバッテリ335を充電するための充電端子がハウジング30から露出するように設けられる。そして、充電器からの充電電圧が充電端子に供給され、バッテリ335が充電される。バッテリ335から出力される直流電圧は、AC-DCコンバータ330が生成する直流電圧の替わりに、インバータ35及び制御回路34のDC-DCコンバータ340に供給される。
【0050】
このように、電源部33がバッテリ335を備える場合であっても、電源装置3を、複数の本体2の間で共用することができることから、電動工具1のコストダウンを図ることができる。また、本体2の小型化あるいは軽量化が可能となる。
【0051】
なお、
図9の例では、本体2と電源装置3が接続ケーブル4で接続されているが、
図10に示されるように、ハウジング30がハウジング20に対して着脱可能である電動工具1の電源部33がバッテリ335を備えてもよい。
図10ではハウジング20及び30内の一部の構成の記載を省略している。
【0052】
また、本体2にコネクタ24及び接続端子群27を設け、電源装置3にコネクタ37及び接続端子群39を設けて、本体2と電源装置3を接続ケーブル4で接続することが可能であるとともに、電源装置3のハウジング30を本体2のハウジング20に着脱可能にしてもよい。
図11及び12はこの場合の電動工具1の構成例を示す図である。
図11には、本体2と電源装置3が接続ケーブル4で接続された電動工具1が示されている。
図12には、電源装置3のハウジング30が本体2のハウジング20に対して装着された電動工具1が示されている。
図11及び12では、ハウジング20及び30内の一部の構成の記載を省略している。
図11及び12には、接続ケーブル5を備えない電動工具1が示されているが、接続ケーブル5を備える電動工具1において、本体2にコネクタ24及び接続端子群27を設け、電源装置3にコネクタ37及び接続端子群39を設けて、本体2と電源装置3を接続ケーブル4で接続することが可能であるとともに、ハウジング30をハウジング20に着脱可能にしてもよい。
【0053】
また、電源装置3の電源部33は昇圧回路を備えてもよい。
図13は、AC-DCコンバータ330及び昇圧回路336を備える電源部33の構成例を主に示す図である。
図13の例では、昇圧回路336は、AC-DCコンバータ330から出力される直流電圧を昇圧して出力する。昇圧回路336は、AC-DCコンバータ330から出力される直流電圧を例えば数倍に昇圧する。昇圧回路336から出力される直流電圧は、インバータ35及び制御回路34のDC-DCコンバータ340に供給される。
【0054】
図14は、AC-DCコンバータ330及び昇圧回路336を備える電源部33の他の構成例を主に示す図である。
図14の例では、昇圧回路336は、コネクタ52に供給される交流電圧を昇圧して出力する。そして、昇圧回路336から出力される交流電圧はAC-DCコンバータ330で直流電圧に変換される。AC-DCコンバータ330で生成される直流電圧は、インバータ35及び制御回路34のDC-DCコンバータ340に供給される。
【0055】
このように、電源部33が昇圧回路336を備えることによって、インバータ35に高い電圧を供給することができる。これにより、モータ21に対して高い電圧を供給することできる。よって、インバータ35及びモータ21に流れる電流を低減することができる。その結果、インバータ35及びモータ21の発熱を抑制することができる。
【0056】
なお、電源部33は、
図15に示されるように、バッテリ335と昇圧回路336とを備えてもよい。この場合、昇圧回路336は、バッテリ335の出力電圧を昇圧して出力する。昇圧回路336から出力される直流電圧は、インバータ35及び制御回路34のDC-DCコンバータ340に供給される。
【0057】
以上のように、電動工具は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0058】
1,1A,1B 電動工具
2 電動工具本体
3 電源装置
4 接続ケーブル
20 ハウジング
21 ブラシレスDCモータ
30 ハウジング
33 電源部
34 制御回路
35 インバータ
220 センサ
300 ケーブル付き電源装置
330 AC-DCコンバータ
335 バッテリ
338 昇圧回路