(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】工作機械、工作機械の制御方法、および工作機械の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20241211BHJP
B23Q 11/10 20060101ALI20241211BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20241211BHJP
B04C 5/14 20060101ALI20241211BHJP
B04C 11/00 20060101ALI20241211BHJP
B04C 5/185 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
B23Q11/00 U
B23Q11/10 E
B23Q17/00 A
B04C5/14
B04C11/00
B04C5/185
(21)【出願番号】P 2023222461
(22)【出願日】2023-12-28
【審査請求日】2024-07-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【氏名又は名称】北原 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【氏名又は名称】藤原 賢司
(72)【発明者】
【氏名】船越 元気
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-143722(JP,A)
【文献】特開2013-209170(JP,A)
【文献】特開2023-100348(JP,A)
【文献】特開昭64-051114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00
B23Q 11/10
B23Q 17/00
B24B 55/03
B04C 5/14
B04C 11/00
B04C 5/185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械であって、
前記ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、
前記第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタと、
前記工作機械を制御するための制御部とを備え、
前記サイクロンフィルタは、
前記清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、
前記汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、
前記第2流出管を流れる前記汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、
前記第2流出管を流れる前記汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含み、
前記制御部は、前記流量センサによって検出される前記流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行する、工作機械。
【請求項2】
前記工作機械は、さらに、前記第2流出管から流れ出る前記汚れたクーラントを溜めるための第2貯留部を備え、
前記第2流出管の流出口は、前記第2貯留部に溜められる前記汚れたクーラントに浸かるように配管されている、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記工作機械は、さらに、前記第2貯留部に溜められている前記汚れたクーラントからスラッジを回収するための回収機構を備える、請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記第2貯留部の底面は、水平面に対して傾いている、請求項2または3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記絞り機構は、テーパー管路を含み、
前記テーパー管路は、前記汚れたクーラントが流れる方向に沿って内径が短くなるように構成されている、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項6】
前記絞り機構は、複数の前記テーパー管路を含み、
複数の前記テーパー管路の各々は、鉛直方向に沿って同軸上に並べて繋げられている、請求項5に記載の工作機械。
【請求項7】
前記予め定められた異常対処処理は、前記スラッジが前記絞り機構に詰まっていることを報知するための報知処理を含む、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項8】
前記流量センサは、前記汚れたクーラントが前記第2流出管を流れる方向において前記絞り機構よりも下流側に設けられている、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項9】
クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械の制御方法であって、
前記工作機械は、
前記ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、
前記第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタとを備え、
前記サイクロンフィルタは、
前記清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、
前記汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、
前記第2流出管を流れる前記汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、
前記第2流出管を流れる前記汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含み、
前記制御方法は、
前記流量センサから前記流量を取得するステップと、
前記取得するステップで取得された前記流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行するステップとを備える、制御方法。
【請求項10】
クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムであって、
前記工作機械は、
前記ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、
前記第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタとを備え、
前記サイクロンフィルタは、
前記清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、
前記汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、
前記第2流出管を流れる前記汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、
前記第2流出管を流れる前記汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含み、
前記制御プログラムは、前記工作機械に、
前記流量センサから前記流量を取得するステップと、
前記取得するステップで取得された前記流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行するステップとを実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械、工作機械の制御方法、および工作機械の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-040186号公報(特許文献1)は、工作機械に用いられるクーラント供給装置を開示している。当該クーラント供給装置は、「クリーン槽のクーラントを工作機械へ供給する供給ポンプと、工作機械からダーティ槽へクーラントを戻す回収路と、ダーティ槽からクリーン槽へクーラントを送る連結路上に配設されかつ、スラッジを含有するダーティ液と、スラッジを含有しないクリーン液とに分離すると共に、クリーン液をクリーン槽に接続される出口を通じて排出するサイクロンフィルタと、フィルタにおけるダーティ液の出口に接続されかつ、スラッジを堆積させる容器と、容器内におけるスラッジの堆積量を検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいて制御を行うコントローラと」を備えている(段落[0008]参照)。
【0003】
上記クーラント供給装置は、スラッジを堆積させる容器をカメラに撮影させて得られた画像を用いて、当該容器内のスラッジの堆積量を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クーラントおよびスラッジは、容器内において懸濁しているため、容器内のスラッジの高さをカメラで検出することは現実的には難しい。したがって、スラッジに関する異常を検出するための新たな技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例では、クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械が提供される。上記工作機械は、上記ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、上記第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタと、上記工作機械を制御するための制御部とを備える。上記サイクロンフィルタは、上記清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、上記汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、上記第2流出管を流れる上記汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、上記第2流出管を流れる上記汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含む。上記制御部は、上記流量センサによって検出される上記流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行する。
【0007】
本開示の一例では、上記工作機械は、さらに、上記第2流出管から流れ出る上記汚れたクーラントを溜めるための第2貯留部を備える。上記第2流出管の流出口は、上記第2貯留部に溜められる上記汚れたクーラントに浸かるように配管されている。
【0008】
本開示の一例では、上記工作機械は、さらに、上記第2貯留部に溜められている上記汚れたクーラントからスラッジを回収するための回収機構を備える。
【0009】
本開示の一例では、上記第2貯留部の底面は、水平面に対して傾いている。
【0010】
本開示の一例では、上記絞り機構は、テーパー管路を含む。上記テーパー管路は、上記汚れたクーラントが流れる方向に沿って内径が短くなるように構成されている。
【0011】
本開示の一例では、上記絞り機構は、複数の上記テーパー管路を含む。複数の上記テーパー管路の各々は、鉛直方向に沿って同軸上に並べて繋げられている。
【0012】
本開示の一例では、上記予め定められた異常対処処理は、上記スラッジが上記絞り機構に詰まっていることを報知するための報知処理を含む。
【0013】
本開示の他の例では、クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械の制御方法が提供される。上記工作機械は、上記ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、上記第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタとを備える。上記サイクロンフィルタは、上記清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、上記汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、上記第2流出管を流れる上記汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、上記第2流出管を流れる上記汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含む。上記制御方法は、上記流量センサから上記流量を取得するステップと、上記取得するステップで取得された上記流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行するステップとを備える。
【0014】
本開示の他の例では、クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムが提供される。上記工作機械は、上記ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、上記第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタとを備える。上記サイクロンフィルタは、上記清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、上記汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、上記第2流出管を流れる上記汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、上記第2流出管を流れる上記汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含む。上記制御プログラムは、上記工作機械に、上記流量センサから上記流量を取得するステップと、上記取得するステップで取得された上記流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行するステップとを実行させる。
【0015】
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】スラッジの自動回収ユニットを説明するための図である。
【
図4】工作機械内の加工エリアの様子を概略的に示す図である。
【
図5】清浄クーラントの吐出先の他の例を説明するための図である。
【
図7】工作機械における駆動機構の構成例を示す図である。
【
図8】制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】操作盤のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図10】サイクロンフィルタの異常を監視する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】変形例に従う工作機械におけるクーラント機構を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0018】
<A.工作機械100の外観>
まず、
図1を参照して、実施の形態に従う工作機械100について説明する。
図1は、工作機械100の外観を示す図である。
【0019】
本明細書でいう「工作機械」とは、ワークを加工する機能を備えた種々の装置を包含する概念である。工作機械100は、横形のマシニングセンタであってもよいし、立形のマシニングセンタであってもよい。あるいは、工作機械100は、旋盤であってもよいし、その他の切削機械、研削機械、複合加工機、5軸加工機などであってもよい。また、工作機械100は、除去加工のみを行うものに限られず、除去加工に加えて付加加工を行うものであってもよい。
【0020】
工作機械100は、たとえば、カバー体130と、操作盤200とを含む。カバー体130は、スプラッシュガードとも呼ばれ、工作機械100の外観を成すとともに、ワークの加工エリアを区画形成している。
【0021】
操作盤200は、汎用のコンピュータであり、加工に関する各種情報を表示するためのディスプレイ206を有する。ディスプレイ206は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他の表示機器である。また、ディスプレイ206は、タッチパネルを備え、工作機械100に対する各種操作をタッチ操作で受け付ける。
【0022】
工作機械100は、機内の加工エリアにクーラントを吐出しながらワークを加工する。加工に用いられたクーラントは、スラッジを含有している。スラッジとは、ワークの加工により生じる微細な切粉である。工作機械100は、加工に用いられたクーラントからスラッジを分離し、スラッジを除去したクーラントをワークの加工に再利用する。
【0023】
<B.スラッジの分離機構>
次に、
図2を参照して、スラッジの分離機構について説明する。
図2は、スラッジを分離機構の一例を示す図である。
【0024】
図2に示されるように、工作機械100は、加工エリアARと、貯留部SU1と、サイクロンフィルタ30と、制御部50とを含む。
【0025】
ワークの加工に用いられたクーラントは、加工エリアARから排出され、流路RAを通じて貯留部SU1に溜められる。貯留部SU1に溜められているクーラントは、スラッジを含有している。
【0026】
サイクロンフィルタ30は、貯留部SU1から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するための機構である。清浄なクーラントにおけるスラッジの含有量は、汚れたクーラントにおけるスラッジの含有量よりも少ない。典型的には、清浄なクーラントには、スラッジが含まれていない。当該含有量は、たとえば、単位体積当たりに含まれるスラッジの重量で表される。
【0027】
より具体的には、サイクロンフィルタ30には、流入管R0と、流出管R1(第1流出管)と、流出管R2(第2流出管)とが接続されている。
【0028】
流入管R0の一端は、貯留部SU1に接続されている。一方で、流入管R0の他端は、サイクロンフィルタ30の流入口に接続されている。また、流入管R0上には、ポンプP1が設けられている。ポンプP1は、貯留部SU1内のクーラントを流入管R0に圧送し、サイクロンフィルタ30の流入口に当該クーラントを送る。
【0029】
サイクロンフィルタ30に送られたクーラントは、サイクロンフィルタ30の内部で螺旋状に流れる。この過程で、重いスラッジは、クーラントの一部とともに重力方向に落ちていき、サイクロンフィルタ30の下側の流出口から排出される。これにより、スラッジを多く含む汚れたクーラントが流出管R2に排出される。
【0030】
また、サイクロンフィルタ30には、絞り機構40が設けられている。絞り機構40は、流出管R2内を流れる汚れたクーラントの流量を制限するための機構である。絞り機構40が抵抗となり、クーラントは、サイクロンフィルタ30の内部で螺旋状に流れている過程で重力方向とは反対側に上昇する。その結果、スラッジを含まない清浄なクーラントが流出管R2に排出される。
【0031】
また、流出管R1上には、ポンプP2が設けられている。ポンプP2は、サイクロンフィルタ30から清浄クーラントを圧送する。これにより、清浄クーラントは、流出管R1内に圧送される。
【0032】
<C.詰まり検出機能>
次に、引き続き
図2を参照して、スラッジの詰まりを検出するための機能について説明する。
【0033】
サイクロンフィルタ30が使用され続けると、スラッジは、絞り機構40に溜まっていく。その結果、スラッジが絞り機構40において詰まる可能性がある。このような詰まりを検出するために、流出管R2には流量センサ45が設けられている。
【0034】
流量センサ45は、流出管R2を流れる汚れたクーラントの流量を検出するためのセンサである。好ましくは、流量センサ45は、クーラントの流れる方向において絞り機構40よりも下流側に配置される。
【0035】
流量センサ45の種類は、任意である。一例として、流量センサ45には、流出管R2内を流れるクーラントに接触することなく流出管R2の外側からクーラントの流量を検出することが可能な非接触式のセンサが採用される。非接触式の流量センサ45としては、たとえば、超音波式の流量センサ、および電磁式の流量センサなどが挙げられる。流量センサ45による流量の検出結果は、制御部50に出力される。
【0036】
制御部50は、工作機械100を制御するための装置である。制御部50の装置構成は、任意である。制御部50は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。一例として、制御部50は、PLC(Programmable Logic Controller)と、CNC(Computer Numerical Control)との少なくとも1つを含む。
【0037】
絞り機構40に溜まるスラッジの量が増加するのに伴って、流出管R2を流れるクーラントの流量が減少していく。この点に着目して、制御部50は、流量センサ45によって検出される流量に基づいて、スラッジの詰まりが発生しているか否かを判断する。
【0038】
より具体的には、制御部50は、流量センサ45によって検出される流量が所定量以上である場合、スラッジの詰まりが発生していない正常状態と判断する。一方で、制御部50は、流量センサ45によって検出される流量が所定量を下回った場合には、スラッジの詰まりが発生している異常状態と判断する。これにより、制御部50は、スラッジの詰まりに関する異常を検出することができる。
【0039】
制御部50は、スラッジの詰まりが発生していると判断した場合、予め定められた異常対処処理を実行する。異常対処処理の一例として、制御部50は、スラッジが絞り機構40に詰まっていることを報知するための報知処理を実行する。これにより、ユーザは、絞り機構40においてスラッジの詰まりが発生していることを把握できる。
【0040】
スラッジの詰まりは、任意の態様で報知され得る。一例として、制御部50は、上述の操作盤200のディスプレイ206に警告を出力する。他の例として、制御部50は、流量センサ45に設けられているディスプレイ(図示しない)に警告を出力する。他の例として、制御部50は、流量センサ45に設けられているインジケータ(図示しない)を点灯させる。他の例として、制御部50は、工作機械100に設けられているスピーカ(図示しない)から音声で警告を出力する。
【0041】
異常対処処理の他の例として、制御部50は、クーラントの吐出機構を停止する処理を実行する。これにより、制御部50は、スラッジを含有するクーラントが流出管R1に流れることを防止することができる。
【0042】
<D.スラッジの回収機構>
次に、
図3を参照して、スラッジの自動回収機構について説明する。
図3は、スラッジの自動回収ユニット60を説明するための図である。
【0043】
一例として、自動回収ユニット60は、貯留部62と、回収機構64と、回収容器66とを有する。
【0044】
貯留部62(第2貯留部)は、サイクロンフィルタ30の流出管R2から排出される汚れたクーラントを溜めるためのタンクである。
図3の例では、汚れたクーラントCLが貯留部62に溜まっている。
【0045】
好ましくは、流出管R2の流出口は、貯留部62に溜められる汚れたクーラントCLに浸かるように配管されている。すなわち、流出管R2の流出口は、クーラントCLの液面よりも下側になるように配置される。流出管R2の流出口がクーラントCLに常に浸かっていることにより、空気が流出管R2の内部に逆流することが無くなる。これにより、流量センサ45は、流出管R2を流れるクーラントの流量を正確に検出することができる。 回収機構64は、貯留部62に溜められているクーラントCLからスラッジSL1を回収するための搬送機構である。回収機構64は、たとえば、コンベアなどで構成される。回収機構64は、貯留部62内で沈殿しているスラッジSL1を搬送し、当該スラッジSL1を回収容器66に排出する。このように、回収機構64は、クーラントCLからスラッジSL1を分離することができ、クーラントを含まないスラッジSL2を回収容器66に集めることができる。
【0046】
好ましくは、貯留部62の底面は、水平面に対して傾いている。異なる言い方をすれば、貯留部62の底面は、水平面と平行ではない。これにより、スラッジSL1は、貯留部62の底部に集まり、回収機構64がスラッジSL1を回収しやすくなる。
【0047】
回収機構64は、傾いた底面に沿って配置される。このとき、回収機構64は、その一部が貯留部62内のクーラントCLに浸かり、その残りがクーラントCLに浸からないように貯留部62内に配置される。これにより、回収機構64は、スラッジSL1を回収するだけでなく、クーラントCLの液面上に浮遊している油分も回収することができる。
【0048】
また、貯留部62には、流出管R3が接続されている。貯留部62に溜められているクーラントCLは、たとえば、流出管R3を通じて、上述の貯留部SU1に戻される(
図2参照)。これにより、クーラントCLが再利用される。
【0049】
<E.加工エリアARのクーラント機構>
次に、
図4を参照して、上述の
図2に示される加工エリアARにおけるクーラント機構の一例について説明する。
図4は、工作機械100内の加工エリアARの様子を概略的に示す図である。
【0050】
加工エリアARには、たとえば、主軸132と、チップコンベア150とが設けられている。
【0051】
主軸132は、ハウジングの内部に設けられ、当該ハウジングによって回転可能に支持されている。主軸132には、被加工物であるワークを加工するための工具Tが装着される。主軸132は、その軸方向を中心として工具Tを回転させながら工具Tをワークに接触することでワークを加工する。
【0052】
主軸132の内部には、クーラントの吐出機構である連通路L1が形成されている。連通路L1は、主軸132の軸方向に沿って主軸132の内部を貫通している。連通路L1の一端は、上述の流出管R1(
図2参照)に接続されている。
【0053】
主軸132には、様々な種類の工具が装着され得る。
図4の例では、貫通路L2が形成された工具Tが主軸132に装着されている。貫通路L2は、工具Tと主軸132との接続面から工具Tの先端に延在しており、主軸132の軸方向に沿って工具Tを貫通している。なお、工具T内に形成される貫通路L2の開口は、工具Tの基端面または先端面に形成されるものに限られず、たとえば工具Tの側面部に開口するものであってもよい。
【0054】
上述のサイクロンフィルタ30から送られてくる清浄クーラントは、流出管R1、連通路L1および貫通路L2の順に流れ、工具Tの先端から加工対象のワークに吐出される。これにより、ワークの加工により生じた切り屑がチップコンベア150に排出される。
【0055】
チップコンベア150は、カバー体152と、濾過機構154と、タンク156とを有する。濾過機構154は、切り屑などの異物をクーラントから捕獲可能に構成されている。濾過機構154を通過したクーラントは、チップコンベア150のカバー体152内からタンク156に排出される。
【0056】
タンク156には、ポンプP0が設けられている。ポンプP0は、濾過機構154を通過してタンク156に溜まっているクーラントを汲み上げ、当該クーラントを流路RAに圧送する。当該クーラントは、流路RAを通じて、上述の貯留部SU1(
図2参照)に送られる。
【0057】
なお、上述では、工具Tの刃先からクーラントが吐出されるセンタースルー仕様が主軸132の吐出機構として採用されている例について説明を行ったが、主軸132に採用されるクーラントの吐出機構は、これに限定されない。一例として、主軸132に採用されるクーラントの吐出機構は、主軸132の端面からクーラントを吐出するサイドスルー仕様であってもよい。
【0058】
また、サイクロンフィルタ30からの清浄クーラントの吐出先は、主軸132に限定されない。
図5は、清浄クーラントの吐出先の他の例を説明するための図である。
図5には、清浄クーラントの吐出先として、吐出機構134,136が示されている。
【0059】
吐出機構134は、流出管R1から圧送される清浄クーラントを加工エリアAR全体に向けて吐出するための機構である。吐出機構134が加工エリアARにクーラントを吐出することで、加工エリアAR内にあるワークの切り屑がチップコンベア150に排出される。
【0060】
吐出機構136は、流出管R1から圧送される清浄クーラントをベッドBD上に向けて吐出する。吐出機構136がベッドBD上にクーラントを吐出することで、ベッドBD上に溜まっている切り屑がチップコンベア150に排出される。
【0061】
<F.絞り機構40>
次に、
図6を参照して、上述の
図2に示される絞り機構40の一例について説明する。
図6は、絞り機構40の断面を表わす図である。
【0062】
絞り機構40には、流出管R2内におけるクーラントの流量を制限するための任意の機構が採用され得る。
図6の例では、汚れたクーラントが流れる方向に沿って内径が短くなるテーパー管路44が絞り機構40に採用されている。
【0063】
絞り機構40に設けられるテーパー管路44の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
図6の例では、3つのテーパー管路44A~44Cが絞り機構40の内部に設けられている。以下では、テーパー管路44A~44Cを特に区別しない場合には、テーパー管路44とも称する。
【0064】
スラッジは、テーパー管路44には留まりにくい。そのため、絞り機構40においてスラッジの詰まりが発生しにくくなる。また、テーパー管路が絞り機構40に採用されることで、流出管R2における流路抵抗を上がることもできる。
【0065】
テーパー管路44A~44Cの各々は、鉛直方向に沿って同軸上に並べて繋げられている。複数のテーパー管路44A~44Cが絞り機構40に採用されることで、流出管R2における流路抵抗がより上がる。
【0066】
なお、上述では、絞り機構40に採用される機構としてテーパー管路44を例に挙げたが、絞り機構40に採用される機構は、これに限定されない。一例として、ボールバルブが絞り機構40に採用されてもよい。
【0067】
<G.駆動機構>
次に、
図7を参照して、工作機械100における各種の駆動機構について説明する。
図7は、工作機械100における駆動機構の構成例を示す図である。
【0068】
図7に示されるように、工作機械100は、駆動機構に係る構成として、制御部50と、モータドライバ111A~111Eと、モータM0~M3と、上述のポンプP0~P2と、上述の回収機構64と、上述のチップコンベア150とを含む。
【0069】
上述のように、ポンプP0は、流路RA(
図2および
図4参照)にクーラントを圧送するための装置である。ポンプP0には、モータM0が接続されている。モータM0は、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0070】
モータM0は、モータドライバ111Aによって駆動される。モータドライバ111Aは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Aは、制御部50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータM0に出力する。これにより、モータM0の回転数が変化し、上述の流路RAに圧送されるクーラントの流量が制御される。
【0071】
上述のように、ポンプP1は、流入管R0(
図4参照)にクーラントを圧送するための装置である。ポンプP1には、モータM1が接続されている。モータM1は、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0072】
モータM1は、モータドライバ111Bによって駆動される。モータドライバ111Bは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Bは、制御部50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータM1に出力する。これにより、モータM1の回転数が変化し、上述の流入管R0に圧送されるクーラントの流量が制御される。
【0073】
上述のように、ポンプP2は、流出管R1(
図2および
図4参照)にクーラントを圧送するための装置である。ポンプP2には、モータM2が接続されている。モータM2は、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0074】
モータM2は、モータドライバ111Cによって駆動される。モータドライバ111Cは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Cは、制御部50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータM2に出力する。これにより、モータM2の回転数が変化し、上述の流出管R1に圧送されるクーラントの流量が制御される。
【0075】
上述の回収機構64(
図3参照)には、モータM3が接続されている。モータM3は、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0076】
モータM3は、モータドライバ111Dによって駆動される。モータドライバ111Dは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Dは、制御部50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータM3に出力する。これにより、モータM3の回転数が変化し、回収機構64におけるコンベアの回転速度が制御される。
【0077】
上述のチップコンベア150(
図4参照)には、モータM4が接続されている。モータM4は、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0078】
モータM4は、モータドライバ111Eによって駆動される。モータドライバ111Eは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Eは、制御部50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータM4に出力する。これにより、モータM4の回転数が変化し、チップコンベア150におけるコンベアの回転速度が制御される。
【0079】
<H.制御部50のハードウェア構成>
次に、
図8を参照して、上述の
図2に示される制御部50のハードウェア構成について説明する。
図8は、制御部50のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0080】
制御部50は、制御回路101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、補助記憶装置120とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス109に接続される。
【0081】
制御回路101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0082】
制御回路101は、制御プログラム122などの各種プログラムを実行することで制御部50の動作を制御する。制御プログラム122は、本明細書で記載されている各種処理を実現するためのプログラムである。制御回路101は、制御プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置120またはROM102からRAM103に制御プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0083】
通信インターフェイス104は、フィールドネットワークを用いて外部機器と定周期通信を行なうためのインターフェイスである。当該外部機器は、たとえば、上述の流量センサ45と、上述のモータドライバ111A~111Eとを含む。フィールドネットワークとしては、たとえば、EtherCAT(登録商標)、EtherNet/IP(登録商標)、CC-Link(登録商標)、またはCompoNet(登録商標)などが採用される。
【0084】
補助記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置120は、制御プログラム122などを格納する。なお、制御プログラム122の格納場所は、補助記憶装置120に限定されず、制御回路101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリ)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0085】
また、制御プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う各種処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で制御部50が構成されてもよい。
【0086】
<I.操作盤200のハードウェア構成>
次に、
図9を参照して、
図1に示される操作盤200のハードウェア構成について説明する。
図9は、操作盤200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0087】
操作盤200は、制御回路201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、表示インターフェイス205と、入力インターフェイス207と、補助記憶装置220とを含む。これらのコンポーネントは、バス209に接続される。
【0088】
制御回路201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0089】
制御回路201は、制御プログラム222やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで操作盤200の動作を制御する。制御回路201は、制御プログラム222の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置220またはROM202からRAM203に制御プログラム222を読み出す。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム222の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0090】
通信インターフェイス204には、LANやアンテナなどが接続される。操作盤200は、通信インターフェイス204を介してネットワークに接続される。これにより、操作盤200は、ネットワークに接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、上述の制御部50やサーバー(図示しない)などを含む。
【0091】
表示インターフェイス205には、ディスプレイ206が接続される。表示インターフェイス205は、制御回路201などからの指令に従って、ディスプレイ206に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ206は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。なお、ディスプレイ206は、操作盤200と一体的に構成されてもよいし、操作盤200とは別に構成されてもよい。
【0092】
入力インターフェイス207には、入力デバイス208が接続される。入力デバイス208は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの操作を受け付けることが可能なその他の装置である。なお、入力デバイス208は、操作盤200と一体的に構成されてもよいし、操作盤200とは別に構成されてもよい。
【0093】
補助記憶装置220は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置220は、制御プログラム222などを格納する。制御プログラム222の格納場所は、補助記憶装置220に限定されず、制御回路201の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM202、RAM203、または外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0094】
<J.フローチャート>
次に、
図10を参照して、サイクロンフィルタ30の異常を監視する処理について説明する。
図10は、サイクロンフィルタ30の異常を監視する処理の流れを示すフローチャートである。
【0095】
図10に示される処理は、工作機械100の制御部50が上述の制御プログラム122を実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、CNC、回路素子、またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0096】
典型的には、
図10に示される処理は、クーラントが工作機械100内で利用される工程(たとえば、加工工程など)で実行される。
【0097】
より具体的には、ステップS110において、制御部50は、上述の流量センサ45によって検出されるクーラント流量を取得する。当該クーラント流量は、サイクロンフィルタ30(
図2参照)の下側から排出される汚れたクーラントの流量を表わす。
【0098】
ステップS120において、制御部50は、ステップS110で取得したクーラント流量が所定量を下回ったか否かを判断する。当該所定量は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって任意に設定されてもよい。制御部50は、当該クーラント流量が所定量を下回ったと判断した場合(ステップS120においてYES)、サイクロンフィルタ30内においてスラッジの詰まりが発生していると判断し、制御をステップS122に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、制御部50は、サイクロンフィルタ30内においてスラッジの詰まりが発生していないと判断し、制御をステップS110に戻す。
【0099】
ステップS122において、制御部50は、予め定められた異常対処処理を実行する。異常対処処理の一例として、制御部50は、スラッジがサイクロンフィルタ30に詰まっていることを報知するための報知処理を実行する。これにより、ユーザは、サイクロンフィルタ30においてスラッジの詰まりが発生していることを把握できる。
【0100】
<K.変形例>
次に、
図11を参照して、変形例に従う工作機械100Aについて説明する。
図11は、工作機械100Aにおけるクーラント機構を概略的に示す図である。
【0101】
上述の
図2および
図4の例では、タンク156に溜められたクーラントがポンプP0によって貯留部SU1に送られ、貯留部SU1に溜められたクーラントがポンプP1によってサイクロンフィルタ30に送られていた。すなわち、タンク156に溜められたクーラントが貯留部SU1を介して間接的にサイクロンフィルタ30に送られていた。これに対して、本変形例に従う工作機械100Aにおいては、タンク156に溜められたクーラントがポンプP0によってサイクロンフィルタ30に直接的に送られる。
【0102】
また、上述の
図2および
図4の例では、サイクロンフィルタ30から排出される清浄クーラントはポンプP2によって直接的に加工エリアARに送られていた。これに対して、本変形例に従う工作機械100Aにおいては、サイクロンフィルタ30から排出される清浄クーラントは、貯蔵部SU2に一旦溜められる。そして、貯蔵部SU2に溜められたクーラントはポンプP2によって加工エリアARに送られる。このように、本変形例においては、サイクロンフィルタ30から排出される清浄クーラントは、貯蔵部SU2を介して間接的に加工エリアARに送られる。
【0103】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
30 サイクロンフィルタ、40 絞り機構、44 テーパー管路、44A テーパー管路、44B テーパー管路、44C テーパー管路、45 流量センサ、50 制御部、60 自動回収ユニット、62 貯留部、64 回収機構、66 回収容器、100 工作機械、100A 工作機械、101 制御回路、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、109 内部バス、111A モータドライバ、111B モータドライバ、111C モータドライバ、111D モータドライバ、111E モータドライバ、120 補助記憶装置、122 制御プログラム、130 カバー体、132 主軸、134 吐出機構、136 吐出機構、150 チップコンベア、152 カバー体、154 濾過機構、156 タンク、200 操作盤、201 制御回路、202 ROM、203 RAM、204 通信インターフェイス、205 表示インターフェイス、206 ディスプレイ、207 入力インターフェイス、208 入力デバイス、209 バス、220 補助記憶装置、222 制御プログラム、AR 加工エリア、BD ベッド、CL クーラント、L1 連通路、L2 貫通路、M0 モータ、M1 モータ、M2 モータ、M3 モータ、M4 モータ、P0 ポンプ、P1 ポンプ、P2 ポンプ、R0 流入管、R1 流出管、R2 流出管、R3 流出管、RA 流路、SL1 スラッジ、SL2 スラッジ、SU1 貯留部、SU2 貯蔵部、T 工具。
【要約】
【課題】スラッジに関する異常を検出するための新たな技術を提供する。
【解決手段】クーラントを吐出しながらワークを加工することが可能な工作機械は、ワークの加工により生じるスラッジを含有しているクーラントを溜めるための第1貯留部と、第1貯留部から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離するためのサイクロンフィルタと、工作機械を制御するための制御部とを備える。サイクロンフィルタは、清浄なクーラントを流出させるための第1流出管と、汚れたクーラントを流出させるための第2流出管と、第2流出管を流れる汚れたクーラントの流量を制限するための絞り機構と、第2流出管を流れる汚れたクーラントの流量を検出するための流量センサとを含む。制御部は、流量センサによって検出される流量が所定量を下回ったことに基づいて、予め定められた異常対処処理を実行する。
【選択図】
図2