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特許7602647原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置
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  • 特許-原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置 図1
  • 特許-原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置 図2
  • 特許-原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/06 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G21F9/06 501
G21F9/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023536855
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2022003096
(87)【国際公開番号】W WO2022220404
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0048956
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512089461
【氏名又は名称】韓国水力原子力株式会社
【氏名又は名称原語表記】KOREA HYDRO & NUCLEAR POWER CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、 チョロン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ハクス
(72)【発明者】
【氏名】キム、 チョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ、 サンホ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、 ウンヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ジウン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、 カヒ
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-325177(JP,A)
【文献】特開平07-287095(JP,A)
【文献】特開平04-278444(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0179178(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置であって、
高さ方向に設けたバー形状体であってUV光を照射するUV照射部と、前記UV照射部の高さ方向に設けて前記UV照射部が内部に収容されて有機廃液が前記UV光に照射されるように経由させる経由部とを含み、
前記経由部が、前記UV照射部の底部側に設けて前記有機廃液が投入される投入部分と、前記UV照射部の頂部側に設けて前記有機廃液が排出される排出部分と、前記投入部分と前記排出部分の間に位置して前記UV照射部が位置する中間部分とを含み、
前記中間部分の内周面上に高さ方向に沿って多数の扁状の隔壁部分が備えられ、
前記隔壁部分の離隔状態が、前記投入部分側から前記排出部分側に向かうほど徐々に狭くなるように配列されている、原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置。
【請求項2】
前記UV照射部は、互いに隣り合うように多数備えられ、
前記隔壁部分は、前記中間部分の内周面上に投入された有機廃液を前記中間部分で停滞させて前記有機廃液が前記UV光に露出する時間を延長させる、請求項1に記載の原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置。
【請求項3】
前記経由部と循環動作するバッファタンクをさらに含み、
前記バッファタンクは、前記UV光が照射された前記有機廃液が投入されて前記投入された有機廃液を前記経由部に投入して前記経由部上で前記有機廃液が前記UV光に露出する頻度を増加させる、請求項1に記載の原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置。
【請求項4】
前記経由部上の前記有機廃液の全有機炭素の分析値を取得するための分析部をさらに含み、
前記循環動作は、前記分析値が予め設定された値に到達するまで繰り返される、請求項3に記載の原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置。
【請求項5】
前記分析部は、前記投入部分側と前記排出部分側にそれぞれ設けられて分析を行う、請求項4に記載の原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の系統除染後に発生した廃液は、廃液分解処理装置であるUV反応槽に流入する。
フィルタを経た有機廃液は、UV反応槽を通過するようになり、通過後のCO2ガス除去のためにバッファタンクに移動する。
この時、UV反応槽の前段/後段でサンプリングをしてTOC分析を行う。
有機廃液の分解を向上させるためには、廃液分解処理装置のUV反応槽に接触回数または接触時間を増加させることが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、有機廃液が反応槽内に垂直または水平に通過するにつれて接触時間が短く、総廃液分解時間が増加する問題があり、これを解決するための原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することにある。
【0004】
また、UVランプの接触時間を増加させて廃液分解時間を短縮して廃液分解性能を向上させることができる原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することにある。
【0005】
また、バッファ(buffer)タンクとUV反応装置の間の循環工程により90%以上分解された廃液が系統内に流入することによって、系統の有機廃液が希釈されて濃度が低くなり、これにより、廃液分解工程時間を短縮させる原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することにある。
【0006】
また、接触時間と接触回数を増加させて既存の有機酸分解工程の限界を補完して分解率を向上させることができる原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための本発明の一態様に係る原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置は、バー(bar)形状体であってUV光を照射するUV照射部と、充填された有機廃液が前記UV光に照射されるようにする経由部を含み、前記経由部は、前記有機廃液が投入される投入部分と、前記有機廃液が排出される排出部分と、前記投入部分と前記排出部分の間に位置して前記UV照射部の外周面の高さ方向にコイル状に設けた中間部分とを含む。
【0008】
また、少なくとも前記中間部分の長さ値は、前記UV照射部の長さ値より大きい値を有して前記中間部分を経由する前記有機廃液が前記UV光に露出する時間を延長させることができる。
【0009】
前記課題を達成するための本発明の他の態様に係るUV反応装置は、バー(bar)形状体であってUV光を照射するUV照射部と、前記UV照射部が内部に収容されて有機廃液が前記UV光に照射されるように経由させる経由部とを含み、前記経由部は、前記有機廃液が投入される投入部分と、前記有機廃液が排出される排出部分と、前記投入部分と前記排出部分の間に位置して前記UV照射部が位置する中間部分とを含む。
【0010】
また、前記UV照射部は、互いに隣り合うように多数備えられ、前記中間部分の内周面上に多数の扁状の隔壁部分1231が備えられ、前記隔壁部分1231は、前記中間部分の内周面上に投入された有機廃液が前記中間部分で停滞するようにして、前記有機廃液が前記UV光に露出する時間を延長させることができる。
【0011】
また、前記経由部と循環動作するバッファタンクを含み、前記バッファタンクは、前記UV光が照射された有機廃液が投入され、この投入された有機廃液を前記経由部に投入して再び前記経由部上で前記有機廃液が前記UV光に露出する頻度を増加させることができる。
【0012】
また、前記経由部上の前記有機廃液の全有機炭素(TOC,Total Organic Carbon)の分析値を取得するための分析部をさらに含み、前記循環動作は、前記分析値が予め設定された値に到達するまで繰り返させることができる。
【0013】
また、第1流路と、前記第1流路で連結されて前記フィルタ部に有機廃液を供給するための第2流路と、前記第2流路を通じて供給される有機廃液をフィルタリングし、このフィルタリングされた有機廃液を前記経由部に供給するためのフィルタ部と、前記フィルタ部から有機廃液を前記経由部に供給するための第3流路と、前記経由部から前記バッファタンクに有機廃液を供給するための第4流路と、前記バッファタンクから前記経由部に有機廃液を供給するための第5流路と、前記バッファタンクから有機廃液を前記第1流路に供給するための第6流路と、前記バッファタンクから前記経由部に供給される前記有機廃液をポンピングするためのポンプとをさらに含む。
【発明の効果】
【0014】
前記のような本発明のUV反応装置によれば、次のような効果が一つあるいはそれ以上ある。
【0015】
本発明によれば、有機廃液が反応槽内に垂直または水平に通過するにつれて接触時間が短く、総廃液分解時間が増加する問題があり、これを解決するための原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することができる。
【0016】
また、UVランプの接触時間を増加させて廃液分解時間を短縮して廃液分解性能を向上させ得る原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することができる。
【0017】
また、バッファ(buffer)タンクとUV反応装置の間の循環工程により90%以上分解された廃液が系統内に流入することによって系統の有機廃液が希釈されて濃度が低くなり、これにより、廃液分解工程時間を短縮させる原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することができる。
【0018】
また、接触時間と接触回数を増加させて既存の有機酸分解工程の限界を補完して分解率を向上させることができる原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態によるUV反応装置を示す図である。
【0020】
図2図1による構成を示す図である。
【0021】
図3図1による構成の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の特徴、並びに、これらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。
しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は、請求項の範疇によってのみ定義される。
明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指すものとする。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態によるUV反応装置を示す図である。
図2は、図1による構成を示す図である。
【0024】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による原子力発電所の系統除染による廃液処理のためのUV反応装置は、UV反応槽110およびバッファ(buffer)タンク120を含む。
ここで、UV反応槽110は、UV照射部111、経由部112、この経由部112は、投入部分1121、排出部分1122および中間部分1123とを含む。
【0025】
ここで、前記UV照射部111は、バー形状体であってUV光を照射することができる。
前記経由部112は、前記UV照射部111上に設けられる。
前記経由部112は、充填された有機廃液がUV光に照射されるようにするためのものである。
【0026】
前記経由部112の投入部分1121には、前記有機廃液が投入される。
前記経由部112の排出部分1122には、前記有機廃液が排出される。
【0027】
前記経由部112の中間部分1123は、投入部分1121と排出部分1122の間に位置する。
前記中間部分1123は、前記UV照射部111の外周面の高さ方向にコイル状に設けられる。
【0028】
ここで、前記中間部分1123は、長さ値が少なくとも前記UV照射部111の長さ値より大きい値を有するようにすることができる。
これにより、中間部分1123を経由する有機廃液がUV光に露出する時間が延長されるようにすることができる。
【0029】
さらに、前記隔壁部分1231は、投入部分1121から排出部分1122に行くほど配列の幅が狭くなるように設計し、これは、投入部分1121で流量流入時の圧力を考慮するためである。
【0030】
図3は、図1による構成の他の実施形態を示す図である。
以下では、前述した一実施形態に基づいて説明するが、技術的特徴がある部分を中心に説明する。
【0031】
図1および図3を参照すると、本発明の他の実施形態によるUV反応装置は、前記実施形態と同様に、UV照射部111、経由部112、バッファタンク120を含む。
前記経由部112は、投入部分1121、排出部分1122、中間部分1123、第1流路P1、第2流路P2、第3流路P3、第4流路P4、第5流路P5、第6流路P6とを含む。
【0032】
ここで、前記経由部112は、UV照射部111を内部に収容することができる。
前記経由部112は、有機廃液がUV光に照射されるように経由させるためのものである。
【0033】
前記経由部112の中間部分1123は、投入部分1121と排出部分1122の間に位置することができる。
前記中間部分1123には、UV照射部111が位置することができる。
【0034】
なお、前記UV照射部111は、互いに隣り合うように多数備えられる。
前記中間部分1123は、内周面上に多数の扁状の隔壁部分1231が設けられる。
【0035】
前記隔壁部分1231は、中間部分1123の内周面上に投入された有機廃液が中間部分1123で停滞するようにすることができる。
したがって、前記有機廃液は、UV光に露出する時間が延長されることができる。
【0036】
ここで、前述した通り、前記隔壁部分1231は、この隔壁部分1231の離隔状態が前記投入部分1121側から前記排出部分側1122に向かうほど徐々に狭くなるように配列される。
これは、投入部分1121で流量流入時の圧力を考慮するためである。
【0037】
前記バッファタンク120は、前記経由部112と循環動作することができる。
このような前記バッファタンク120は、UV光が照射された有機廃液が投入される。
【0038】
前記バッファタンク120は、投入された有機廃液を経由部112に投入してこの経由部112上で有機廃液がUV光に露出する頻度を増加させることができる。
【0039】
前記分析部115は、経由部112上の有機廃液の全有機炭素の分析値を取得するようにすることができる。
ここで、前記循環動作は、前記分析値が予め設定された値に到達するまで繰り返される。
【0040】
この時、分析部115による全有機炭素の分析は、UV反応槽110、UV照射部111、経由部112などの前段と後段に設けられてそれぞれ分析を行う。
具体的には、分析部115は、投入部分側1121と排出部分側1122にそれぞれ設けられて分析を行うことができる。
【0041】
前記第1流路P1は、第2流路P2を介してフィルタ部130に連通され、バッファタンク120と連通される。
【0042】
前記フィルタ部130は、第1流路P1から供給される有機廃液をフィルタリングすることができる。
さらに、前記フィルタ部130は、フィルタリングされた有機廃液を経由部112に供給することができる。
前記第3流路P3は、フィルタ部130から有機廃液を経由部112に供給することができる。
【0043】
前記第4流路P4は、経由部112とバッファタンク120に有機廃液を供給することができる。
前記第5流路P5は、バッファタンク120から経由部112に有機廃液を供給することができる。
前記第6流路P6は、バッファタンク120から有機廃液を第1流路P1に供給することができる。
【0044】
前記ポンプPMは、バッファタンク120から経由部112に供給される有機廃液をポンピングするためのものである。
【0045】
以上と添付する図面を参照して、本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。
したがって、上記一実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3