IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京小米移動軟件有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図1
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図2
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図3
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図4
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図5
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図6
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図7
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図8
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図9
  • 特許-データ伝送方法及び装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】データ伝送方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/02 20090101AFI20241211BHJP
   H04W 12/106 20210101ALI20241211BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20241211BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20241211BHJP
【FI】
H04W28/02
H04W12/106
H04W80/02
H04W28/14
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023542522
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2021071612
(87)【国際公開番号】W WO2022151106
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シャウウェイ
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-532528(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03609106(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0178128(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0374237(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0090156(US,A1)
【文献】CMCC,Introducing Transmission Mode for PDCP Operation[online],3GPP TSG RAN WG2 #98 R2-1705784,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_98/Docs/R2-1705784.zip>,2017年05月19日
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification (Release 16)[online],3GPP TS 36.323 V16.3.0,Internet <URL:https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.323/36323-g30.zip>,2021年01月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 28/02
H04W 12/106
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットデータ集約プロトコルPDCPエンティティに適用されるデータ伝送方法であって、
前記PDCPエンティティは、非確認モード(UM)の無線リンク制御(RLC)エンティティに関連付けられ、前記方法は、
前記PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するステップと、
前記ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するステップとを含み、
前記ターゲット動作モードが第1の動作モードであることに応答して、新たに設定されたPDCP設定情報を使用する前に、第1の接続から受信された第1のデータパケットを番号順に前記上位層プロトコルエンティティに送信するステップと、
前記新たに設定されたPDCP設定情報を使用した後、第2の接続から受信された第2のデータパケットを番号順に前記上位層プロトコルエンティティに送信するステップとをさらに含む
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
前記ターゲット動作モードが第2の動作モードであることに応答して、前記第1のデータパケットを番号順に前記上位層プロトコルエンティティに送信した後、リオーダリングウィンドウの関連変数を初期化するステップと、
初期化された前記リオーダリングウィンドウに基づいて、前記新たに設定されたPDCP設定情報を使用して前記第2のデータパケットを処理するステップとをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項3】
前記ターゲット動作モードが第3の動作モードであることに応答して、第1のデータパケットと第2のデータパケットをそれぞれのPDCP設定情報に基づいて全体的にリオーダリングし、番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するステップをさらに含み、
前記第1のデータパケットは、第1の接続から受信されたデータパケットであり、前記第1のデータパケットは、第1のPDCP設定情報に対応し、前記第1のPDCP設定情報は、以前に設定されたPDCP設定情報であり、
前記第2のデータパケットは、第2の接続から受信されたデータパケットであり、前記第2のデータパケットは、第2のPDCP設定情報に対応し、前記第2のPDCP設定情報は、新たに設定されたPDCP設定情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項4】
リオーダリングのためのタイマーを停止するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項5】
前記第1のデータパケットは、
前記PDCPエンティティにキャッシュされたPDUデータパケット、
新たに設定されたPDCP設定情報を使用する前に、前記PDCPエンティティが、前記第1の接続から受信されたPDUデータパケット、および、
下位プロトコルエンティティの再構築中に前記PDCPエンティティに渡されるPDUデータパケットのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項6】
第1のPDCP設定情報に基づいて、前記第1のデータパケットを、前記上位層プロトコルエンティティに送信する前に処理するステップと、
第2のPDCP設定情報に基づいて、前記第2のデータパケットを、前記上位層プロトコルエンティティに送信する前に処理するステップであって、前記第2のPDCP設定情報は、前記新たに設定されたPDCP設定情報であるステップとをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項7】
前記第1のPDCP設定情報と前記第2のPDCP設定情報はそれぞれ、少なくとも暗号化アルゴリズムと暗号化鍵とを含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項8】
前記第1のPDCP設定情報と前記第2のPDCP設定情報は、
ヘッダー解凍/圧縮設定、
完全性保護アルゴリズム、および完全性保護鍵のうちの少なくとも1つをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項9】
前記ヘッダー解凍/圧縮設定は、
ロバストヘッド圧縮(ROHC)解凍/圧縮設定、および、
イーサネットヘッダ圧縮(EHC)解凍/圧縮設定のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項10】
前記第2のPDCP設定情報は、前記第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮設定コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示するための指示情報をさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項11】
前記処理は復号化処理とリオーダリングとを含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項12】
前記処理は、ヘッダー解凍/圧縮処理および完全性検証処理のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送方法。
【請求項13】
前記第1のデータパケットが復号化されたデータパケットであることに応答して、前記第1のデータパケットに対して復号化処理を実行しないステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送方法。
【請求項14】
前記PDCP設定情報にヘッダー解凍/圧縮設定が設定されたことに応答して、前記処理は前記ヘッダー解凍/圧縮処理を含むステップと、
前記PDCP設定情報に完全性保護アルゴリズムと完全性保護鍵とが設定されたことに応答して、前記処理は完全性検証処理を含むステップとをさらに含む
ことを特徴とする請求項12に記載のデータ伝送方法。
【請求項15】
前記第1のデータパケットがリオーダリングウィンドウで空きのデータパケット番号を生成したしたことに応答して、空きの前記データパケット番号に対応する前記データパケットの受信を待つ必要はないステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項16】
相手のPDCPエンティティが前記新たに設定されたPDCP設定情報を使用して前記第2のデータパケットに番号を付けたことに応答して、受信された前記第2のデータパケットの番号は、前記第1のデータパケットの番号と連続した番号であるステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のデータ伝送方法。
【請求項17】
前記上位層プロトコルエンティティに渡された前記第1のデータパケットのデータパケット番号情報を、前記相手のPDCPエンティティにフィードバックするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載のデータ伝送方法。
【請求項18】
前記PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するステップは、
PDCPエンティティを再構築する必要があることに応答して、前記PDCPエンティティに関連付けられた各無線リンク制御(RLC)エンティティによって使用される動作モードを決定するステップと、
前記RLCエンティティによって使用される動作モードおよび前記PDCPエンティティのデータ状態フィードバック指示のうちの少なくとも1つに基づいて、前記PDCPエンティティの前記ターゲット動作モードを決定するステップとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
【請求項19】
前記RLCエンティティによって使用される動作モードおよび前記PDCPエンティティのデータ状態フィードバック指示のうちの少なくとも1つに基づいて、前記PDCPエンティティの前記ターゲット動作モードを決定するステップは、
前記PDCPエンティティがUMのRLCエンティティのみに関連付けられていることに応答して、前記ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第2の動作モードであると決定されるステップ、又は、
前記PDCPエンティティに関連付けられた複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティが確認モードAMを使用したことに応答して、前記ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第3の動作モードであると決定されるステップ、又は、
前記PDCPエンティティがデータ受信状態をフィードバックする必要があることに応答して、前記ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第3の動作モードであると決定されるステップ、又は、
前記PDCPエンティティに関連付けられた複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティがマルチキャスト方式でデータを受信し、少なくとも1つのRLCエンティティがユニキャスト方式でデータを受信したことに応答して、前記ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第3の動作モードであると決定されるステップを含む、
ことを特徴とする請求項18に記載のデータ伝送方法。
【請求項20】
前記PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するステップは、
前記ターゲット動作モードの識別情報が搬送される指示情報を受信するステップと、
前記指示情報に基づいて、前記ターゲット動作モードを決定するステップとを含む、
ことを特徴とする請求項19に記載のデータ伝送方法。
【請求項21】
PDCPエンティティに適用されるデータ伝送装置であって、
前記PDCPエンティティは、UMのRLCエンティティに関連付けられ、前記装置は、
前記PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するように構成されるモード決定モジュールと
前記ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するように構成される送信モジュールとを含み、
前記送信モジュールがさらに、
前記ターゲット動作モードが第1の動作モードであることに応答して、新たに設定されたPDCP設定情報を使用する前に、第1の接続から受信された第1のデータパケットを番号順に前記上位層プロトコルエンティティに送信し、
前記新たに設定されたPDCP設定情報を使用した後、第2の接続から受信された第2のデータパケットを番号順に前記上位層プロトコルエンティティに送信する、
ことを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項22】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続するメモリとを含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~20のいずれかに記載のデータ伝送方法を実行できるように、前記命令は前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、
ことを特徴とする通信機器。
【請求項23】
コンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されると、請求項1~20のいずれかに記載のデータ伝送方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動通信分野に関し、特にデータ伝送方法及び装置を指す。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアブロードキャストマルチキャスト方式サービス(Multimedia Broadcast and Multicast Service、MBMS)又はブロードキャストマルチキャスト方式サービス(Multicast Broadcast Service、MBS)特定のMRB無線ベアラを介して送信することができる。MBSサービスは、通常のMBSベアラと分離MBSベアラを含むことができる。ここで、通常のMBSベアラは、1つのパケットデータ集約プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)エンティティが1つの無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)エンティティを関連付けることを含む。分離MBSベアラは、1つのPDCPが2つのRLCエンティティ関連付けることを含む。
【0003】
RLCエンティティは、ネットワーク側の設定によって、以下の3つの動作モード(working mode)のいずれかを使用することができ、
透明モード(Transparent Mode、TM):メディアアクセス制御層(Media Access Control Address 、MAC)層から受信されたデータを直接PDCPエンティティにトランスペアレント伝送する。
非確認モード(Unacknowledged Mode、UM):MAC層から受信されたデータグループデータパケットはPDCPエンティティに伝送されるが、RLCエンティティは、RLCデータパケットの受信が成功したか否かを相手のRLCエンティティにフィードバックすることをサポートしていない。
確認モード(Acknowledged Mode、AM):MAC層から受信されたデータグループデータパケットがPDCPエンティティに伝送され、RLCエンティティが、RLCデータパケットの受信が成功したか否かを相手のRLCエンティティにフィードバックすることをサポートする場合、RLCエンティティは、フィードバックメッセージに基づいて、受信していないデータパケットを再送することができる。
【0004】
関連技術では、UMを使用したRLCエンティティを関連付けたPDCPエンティティは、切り替え中に受信されたデータパケットを直接上位層プロトコルエンティティに渡すことが多い。
【発明の概要】
【0005】
本願によって提供されるデータ伝送方法、装置、通信機器および記憶媒体は、関連技術におけるPDCPエンティティが受信されたデータパケットを直接上位層プロトコルエンティティに渡すことが多いという問題を解決するために使用される。
【0006】
本願の第1の態様の実施例は、PDCPエンティティに適用されるデータ伝送方法を提供し、前記PDCPエンティティは、UMのRLCエンティティに関連付けられ、前記方法は、前記PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するステップと、前記ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するステップとを含む。
【0007】
本願の第2の態様の実施例は、PDCPエンティティに適用されるデータ伝送装置を提供し、前記PDCPエンティティは、UMのRLCエンティティに関連付けられ、前記装置は、前記PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するように構成されるモード決定モジュールと、前記ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するように構成される送信モジュールとを含む。
【0008】
本願の第3の態様の実施例は、通信機器を提供し、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続するメモリとを含み、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが本願の第1の態様の実施例に記載のデータ伝送方法、又は本願の第2の態様の実施例に記載のデータ伝送方法を実行できるように、前記命令は前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される、
【0009】
本願の第4の態様の実施例は、コンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ記憶媒体を提供し、本願の第1の態様の実施例に記載のデータ伝送方法、又は本願の第2の態様の実施例に記載のデータ伝送方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の上記および/または追加的な態様および利点は、添付図面と関連して以下の実施例の説明から明らかになり、理解しやすい。
図1】本願の実施例によって提供されるデータ伝送方法の模式図である。
図2】本願の実施例によって提供される別のデータ伝送方法の模式図である。
図3】本願の実施例によって提供されるリオーダリングウィンドウの模式図である。
図4】本願の実施例によって提供される別のデータ伝送方法の模式図である。
図5】本願の実施例によって提供される別のデータ伝送方法の模式図である。
図6】本願の実施例によって提供される別のデータ伝送方法の模式図である。
図7】本願の実施例によって提供される別のデータ伝送方法の模式図である。
図8】本願の実施例によって提供されるデータ伝送装置の模式図である。
図9】本願の実施例によって提供される別のデータ伝送装置の模式図である。
図10】本願の実施例によって提供される通信機器の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の実施例について以下に詳細に説明する。それらの実施例の一例は図面に示されている。ここで、最初から最後まで同一または類似の符号は、同一または類似の要素、あるいは同一または類似の機能を有する要素を示す。以下に添付の図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本願を説明するためのものであり、本願の制限と理解されてはならない。
【0012】
図1は、本願の実施例によって提供されるデータ伝送方法の概略フローチャートである。当該データ伝送方法の実行主体は、PDCPエンティティであり、且つ、UMのRLCエンティティに関連付けられる。選択的に、PDCPエンティティに関連付けられた1つ又は複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティがUMとして設定される。ここで、PDCPエンティティは、UE又はネットワークデバイス内のPDCPエンティティであってもよい。UE内のPDCPエンティティとネットワークデバイス内のPDCPエンティティは、ピアのPDCPエンティティである。
【0013】
図1に示すように、当該データ伝送方法は、以下のステップS101―S102を含む。
【0014】
S101、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定する。
【0015】
本願の実施例では、PDCPエンティティのために複数の動作モードを設定するには、プロトコルの協定又は指示情報の設定によって、複数の動作モードから、PDCPエンティティのために、ターゲット動作モードを決定することができる。
【0016】
実行可能な実現形態として、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定することは、プロトコル協定によって決定され得、選択的に、PDCPエンティティを再構築する必要があることに応答して、PDCPエンティティに関連付けられた各無線リンク制御(RLC)エンティティによって使用される動作モードを決定し、RLCエンティティによって使用される動作モードに基づいて、当該PDCPエンティティによって使用されるターゲット動作モードを決定する。
【0017】
実行可能な実現形態として、各動作モードに1つの識別情報を設定しもよく、ひいては指示情報を設定しもよく、ここで、指示情報には、選択すべきターゲット動作モードの識別情報が設定される。PDCPエンティティは、当該指示情報に基づいて、使用するターゲット動作モードを決定する。
【0018】
S102、ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0019】
PDCPエンティティの動作モードは、以下の動作モードの一つであってもよい。
【0020】
動作モードAは、PDCPエンティティに記憶される古いプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、PDU)データパケットを直接渡すモードである。いくつかの実施形態では、動作モードAは、第1の動作モードと第2の動作モードとを含むことができる。選択的に、第1の動作モードを動作モード1-1と表記し、第2の動作モードを動作モード1-2と表記し、ここでは一例であり、本願の制限条件とすることはできない。
【0021】
選択的に、動作モード1-1は、新しいデータパケットを受信する前に、PDCPエンティティが、記憶されるすべての古いデータパケットをリオーダリングした後、例えば小さい番号順にリオーダリングしてから、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡すことができる。さらに、PDCPエンティティは引き続き新しいデータパケットを受信し、新しいデータパケットをリオーダリングした後、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0022】
選択的に、動作モード1-2は、新しいデータパケットを受信する前に、PDCPエンティティが、記憶されるすべての古いデータパケットをリオーダリングした後、例えば小さい番号順にリオーダリングしてから、上位層プロトコルエンティティに順番に渡し、リオーダリングウィンドウの関連変数を初期化することができる。さらに、PDCPエンティティは引き続き新しいデータパケットを受信し、新しいデータパケットをリオーダリングした後、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0023】
なお、動作モード1-1は、動作モード1-2に対してリオーダリングウィンドウを初期化していないため、データパケット番号を使用してデータを送信し続けることができ、データの送信遅延を減らすことができる。
【0024】
動作モードBは、PDCPエンティティに記憶される古いデータパケットを、新しいデータパケットが受信された後に、全体的にリオーダリングして渡すモードである。選択的に、新しいデータパケットを受信する前に、PDCPエンティティはまず、記憶されるすべての古いデータパケットを処理する。さらに、PDCPエンティティは新しいデータパケットを受信して処理する。PDCPエンティティは、処理された古いデータパケットと処理された新データをまとめて全体的にリオーダリングして、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。本願の実施例では、動作モードBを第3の動作モードと呼ぶことができる。
【0025】
実行可能な実現形態として、リオーダリングのためのタイマーを停止することができる。いくつかの実施形態では、リオーダリングのためにリオーダリングタイマー(t-Reordering)を予め設定し、リオーダリングを開始した時にカウントを行い、リオーダリングタイミング値に達したに応答して、リオーダリングのためのタイマーを停止する。例えば、受信された番号の大きいデータパケットを上位層プロトコルエンティティに渡す前に、番号の小さいデータパケットが受信されていない場合、当該リオーダリングタイマーのタイミング時間内に番号の小さいデータパケットが到着するのを待つ。リオーダリングがタイムアウトしたことに応答して、番号の小さいデータパケットを待たずに、番号の大きいデータパケットを直接上位層プロトコルエンティティに渡し、リオーダリングタイマーを停止する。つまり、リオーダリングタイマーのタイミング時間が経過したとき、PDCPエンティティが、より小さい番号の未受信データパケットを待たずに、既存の受信した、ソートされたデータパケットを直接上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0026】
PDCPエンティティは、リオーダリングウィンドウ (reordering Window_)メカニズムを使用し、データパケットのデータパケット番号(COUNT)に基づいてリオーダリングを行う。PDCPエンティティは、リオーダリングが可能なPDCP COUNTの番号数の最大値は、PDCPシリアル番号(Serial Number 、SN)の最大数の半分であり、つまり、リオーダリングウィンドウのサイズWindow_Size = 2[pdcp-SN-Size DL]-1、 「pdcp-SN-SizeDL」は、PDCP SNのbit数である。
【0027】
本願の実施例では、異なるサービスシーンに基づいてPDCPエンティティに異なる動作モードを設定できるため、PDCPエンティティのデータ伝送の柔軟性を向上させる。さらに、各動作モードはリオーダリングすることができる。動作モードAは、データパケットをアプリケーションサービスに迅速に渡すことができ、遅延が減少する。動作モードBは、受信に失敗した新しいデータパケットを待つ機能をサポートし、データパケットの紛失を減らすことができる。
【0028】
以下、PDCPエンティティに設定されるターゲット動作モードが動作モードAの動作モード1-1、即ち第1の動作モードであることを例として、PDCPエンティティのデータ送信プロセスを説明する。図2は本願の実施例で提供される別のデータ伝送方法の概略フローチャートである。当該データ伝送方法の実行主体はPDCPエンティティであり、且つUMを使用したRLCエンティティに関連付けられる。
【0029】
S201、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定する。
【0030】
ステップS201については、本願の各実施例のいずれかの実現可能な方式を使用することができるため、ここで説明を省略する。
【0031】
S202、ターゲット動作モードが第1の動作モードであることに応答して、新たに設定されたPDCP設定情報を使用する前に、第1の接続から受信された第1のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0032】
なお、新たに設定されたPDCP設定情報と以前に設定されたPDCP設定情報とを区分するために、本願の実施例では、以前に設定されたPDCP設定情報を第1のPDCP設定情報と呼び、新たに設定されたPDCP設定情報を第2のPDCP設定情報と呼ぶ。つまり、第1のPDCP設定情報は、第2のPDCP設定情報をPDCPエンティティが使用する前に使用したPDCP設定情報である。
【0033】
例えば、ネットワーク側は、PDCPエンティティが動作モード1-1を使用するように設定指示することで、当該設定指示を受信する前に、当該PDCPエンティティが使用した古い設定を第1のPDCP設定情報とする。ネットワーク側は、PDCPエンティティが動作モード1-1を使用するように設定指示する同時に又は後に、選択的に、ネットワーク側は当該PDCPエンティティの新しい設定を指示し、当該PDCPエンティティによって使用される新しい設定は第2のPDCP設定情報である。
【0034】
以下の実施例では、いずれも第1のPDCP設定情報と第2のPDCP設定情報を使用して、本願によって提供されるデータ伝送方法を説明する。
【0035】
第2のPDCP設定情報を使用する前に、第1のPDCP設定情報に基づいて、第1の接続から受信された第1のデータパケットを、上位層プロトコルエンティティに送信する前に処理し、処理された第1のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0036】
例えば、第1の接続は、切り替え過程におけるソース接続であってもよく、当該第1のデータパケットは、ソース接続に関連付けられるRLCエンティティがPDCPエンティティに渡すデータパケットであってもよい。
【0037】
本願の実施例では、PDCPエンティティが第2のPDCP設定情報を使用する前に受信したデータパケットは、第1のデータパケットと呼ばれ、当該第1のデータパケットは、PDCPエンティティに記憶された古いデータである。
【0038】
選択的に、第1のデータパケットは、
PDCPエンティティにキャッシュされるPDUデータパケット、
第2のPDCP設定情報を使用する前に、第1の接続から受信されたPDUデータパケット、および
第2のPDCP設定情報を使用する前に、下位プロトコルエンティティの再構築中にPDCPエンティティに渡されるPDUデータパケットのうちの少なくとも1つを含み、
例えば、PDCPエンティティは、UE側のエンティティであり、受信されたPDUデータパケットは、UEが切り替え過程でソースセルから受信したPDUデータパケットであってもよく、
例えば、RLCエンティティの再構築過程において、RLCエンティティに記憶されるデータパケットをPDCPエンティティに渡す。
【0039】
第1のPDCP設定情報と第2のPDCP設定情報に対して、選択的に、PDCP設定情報は少なくとも暗号化アルゴリズムと暗号化鍵とを含む。
【0040】
選択的に、PDCP設定情報はさらに、
ヘッダー解凍/圧縮設定であって、ヘッダー解凍/圧縮設定はロバストヘッド圧縮(Robust Header Compression、ROHC)設定、イーサネットヘッダ圧縮(Ethernet Header Compression、EHC)設定のうちの少なくとも1つを含み、選択的に、ROHC設定はROH解凍/圧縮設定を含み、EHC設定はEHC解凍/圧縮設定を含むヘッダー解凍/圧縮設定、
完全性保護アルゴリズム、および完全性保護鍵のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
選択的に、第2のPDCP設定情報は、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮設定コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示するための指示情報をさらに含む。
【0042】
例えば、ROHC設定が設定された場合、第2のPDCP設定情報は、第1のPDCP設定情報によって設定されたROHC圧縮コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示することもでき、実装では、第2のPDCP設定情報は、drb-ContinueROHC指示情報を搬送することができ、当該drb-ContinueROHC指示情報によって、第1のPDCP設定情報によって設定されたROHC圧縮コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示することができる。
【0043】
EHC設定が設定された場合、第2のPDCP設定情報は、第1のPDCP設定情報によって設定されたEHC圧縮コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示することもでき、実装では、第2のPDCP設定情報は、drb-ContinueEHC指示情報を搬送することができ、当該drb-ContinueEHC指示情報によって、第1のPDCP設定情報によって設定されたEHC圧縮コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示することができる。
【0044】
選択的に、第2のPDCP設定情報がヘッダー解凍/圧縮を設定しており、且つ第1のPDCP設定情報によって設定されたヘッダー解凍/圧縮コンテキストが引き続き使用可能であることを指示していない。PDCPエンティティは、第2のデータパケットに対して、第2のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮を使用してヘッダー圧縮を解凍する。例えば、ROHCに対して、「drb-ContinueROHC」が指示されていない場合、又は、EHCに対して、「drb-ContinueEHC」が指示されていない場合、即ち、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮コンテキストが引き続き使用可能であることが指示されていない場合、PDCPエンティティは、第2のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮設定を適用する場合、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮設定は使用できなくなる。
【0045】
選択的に、第2のPDCP設定情報がヘッダー解凍/圧縮を設定しており、且つ第1のPDCP設定情報によって設定されたヘッダー解凍/圧縮コンテキストが引き続き使用可能であることを指示し、PDCPエンティティは、第2のデータパケットに対して、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮を使用してヘッダー圧縮を解凍する。例えば、ROHCに対して、「drb-ContinueROHC」が指示されている場合、又は、EHCに対して、「drb-ContinueEHC」が指示されている場合、即ち、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮コンテキストが引き続き使用可能であることが指示されている場合、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮設定を使用して、第2のデータパケットをヘッダー解凍/圧縮する。
【0046】
本願の例において、第1のデータパケットに対する処理は少なくとも復号化処理とリオーダリングとを含む。
【0047】
第2のPDCP設定情報を使用する前に、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報に基づいて、受信された第1のデータパケットを番号順にリオーダリングする。いくつかの実施形態では、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報に基づいて第1のデータパケットを復号化して処理し、復号化処理された第1のデータパケットを番号順にリオーダリングする。
【0048】
選択的に、第1のデータパケットに対する処理はヘッダー解凍/圧縮処理および完全性検証処理のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0049】
なお、第1のPDCP設定情報にヘッダー解凍/圧縮設定が設定されていることに応答して、第1のデータパケットに対する処理はヘッダー解凍/圧縮処理を含むことができる。ここで、当該解ヘッダー圧縮は、データパケットの番号順に解凍することができる。例えば、番号の小さい順に解凍することができる。
【0050】
第1のPDCP設定情報に完全性保護アルゴリズムと完全性保護鍵とが設定されていることに応答して、第1のデータパケットに対する処理は完全性検証処理を含むことができる。
【0051】
実行可能な実現形態として、第1のデータパケットが処理されたデータパケットであることに応答して、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報を使用して第1のデータパケットに対して上記の処理過程、例えば、復号化処理、ヘッダー解凍/圧縮処理及び/又は完全性検証処理を行わなくなる。つまり、PDCPエンティティによって使用されるターゲット動作モードが決定される前に、PDCPエンティティは、第1のデータパケットについて第1のPDCP設定情報を使用して上記の処理を行った場合、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報を使用して処理を行わない。例えば、PDCPエンティティは通常、第1のデータパケットを受信した直後、第1のPDCP設定情報を使用して、第1のデータパケットを復号化して処理し、データパケット番号順にリオーダリングしてから復号化することはない。本願の実施例では、動作モードの指示を受けたとき、第1のデータパケットが復号化されたデータパケットである場合、当該PDCPエンティティは、記憶される第1のデータパケットに対して復号化過程を実行しない。
【0052】
さらに、PDCPエンティティは、処理された第1のデータパケットを、データパケット番号の順にリオーダリングする。例えば、データパケット番号の小さい順にリオーダリングをすることができる。
【0053】
PDCPエンティティは、リオーダリングウィンドウメカニズムを使用してデータパケットをリオーダリングする。図3はリオーダリングウィンドウの模式図である。図3に示すように、リオーダリングウィンドウの下境界の変数は「RX_DELIV」であり、当該「RX_DELIV」は、上位層プロトコルエンティティに渡されていない最初のPDUデータパケットのデータパケット番号を識別する。PDCPエンティティは、上位層プロトコルエンティティに渡されたPDUデータパケットのデータパケット番号に基づいて、リオーダリングウィンドウの下境界の変数「RX_DELIV」を更新する。PDUデータパケットの受信を待つ場合、PDCPエンティティは、リオーダリングタイマーを起動し、当該リオーダリングがタイムアウトすると、PDCPエンティティは「受信待ちのPDUデータパケットの番号」を無視し、リオーダリングウィンドウの下境界を更新する。PDCPエンティティがリオーダリングウィンドウ以外のデータパケットを受信した場合、PDCPエンティティは当該データパケットを破棄する。「RX_REORD」変数は、リオーダリングタイマーを起動するデータパケット番号を表記する。ここで、「RX_NEXT」は次に受信するPDUデータパケットのデータパケット番号を示す。図3に示すように、PDCPエンティティの「RX_DELIV」と「RX_NEXT」の初期値は「0」である。番号「1」のPDUデータパケットを受信した場合、番号「0」のPDUデータパケットは受信していないことを示す。PDCPエンティティは「RX_NEXT」を「2」に更新し、リオーダリングタイマーを起動したことに応答して、「RX_REORD」を「2」に設定する。番号「2」のPDUデータパケットを受信した場合、「RX_NEXT」を「3」に更新する。
【0054】
本願の実施例では、PDCPエンティティが動作モード1-1を使用する場合、番号順に渡された第1のデータパケットを直接渡し、後のデータパケットの受信を待つ必要はない。
【0055】
PDCPエンティティが第1のデータパケットをリオーダリングする場合、リオーダリングウィンドウに空きのデータパケット番号が発生し、本願の実施例では、PDCPは、空き番号に対応するデータパケットの受信を待つことなく、第1のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに渡すことができる。例えば、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報を使用して、PDUデータパケット-1/3を処理した後、上位層プロトコルエンティティに渡す。リオーダリングウィンドウが初期化されていないため、PDCPエンティティは以前の番号を継承し続け、PDUデータパケット-0/2/4を受信し、且つPDUデータパケット-1/3は、リオーダリングウィンドウに空きが生じる。PDCPエンティティは、空き番号に対応するPDUデータパケット-1/3の受信を無視することができる。例えば、リオーダリングタイマーを起動しなくてもよい。
【0056】
S203、第2のPDCP設定情報を使用した後、第2の接続から受信された第2のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0057】
いくつかの実施形態では、PDCPエンティティは第2のPDCP設定情報に基づいて、第2の接続から受信された第2のデータパケットを処理し、処理された第2のデータパケットをデータパケット番号に従ってリオーダリングする。例えば、第2の接続は、切り替えのターゲット接続であってもよい。当該第2のデータパケットは、ターゲット接続に関連付けられるRLCエンティティがPDCPエンティティに渡すデータパケットである。
【0058】
本願の例において、第2のデータパケットに対する処理は少なくとも、復号化処理とリオーダリングとを含む。
【0059】
選択的に、第2のデータパケットに対する処理は、ヘッダー解凍/圧縮処理および完全性検証処理のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0060】
なお、第2のPDCP設定情報にヘッダー解凍/圧縮設定が設定されていることに応答して、第2のデータパケットに対する処理は、ヘッダー解凍/圧縮処理を含むことができる。
【0061】
第2のPDCP設定情報に完全性保護アルゴリズムと完全性保護鍵とが設定されていることに応答して、第2のデータパケットに対する処理は、完全性検証処理を含むことができる。
【0062】
さらに、PDCPエンティティは処理された第2のデータパケットを、データパケットの番号順にリオーダリングする。例えば、データパケットの番号の小さい順にリオーダリングをすることができる。
【0063】
本願の実施例では、PDCPエンティティはリオーダリングウィンドウの関連変数を初期化していないため、相手のPDCPエンティティは、第2のPDCP設定情報を使用して新しいデータパケットである第2のデータパケットに番号を付ける場合、第2のパケットデータパケットの番号は第1のデータパケットの番号に続く番号になる。それに応じて、PDCPエンティティが受信した第2のデータパケットの番号は、第1のデータパケットの番号と連続した番号であり、第1のデータパケットの番号に続く番号である。例えば、PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報を用いてPDUデータパケット-1/3を処理して上位層プロトコルエンティティに渡した後、動作モード1?1がリオーダリングウィンドウを初期化しないため、当該PDCPエンティティの相手のPDCPエンティティに対する送信データの番号は4から始まり、相手のPDCPエンティティはPDUデータパケット-4/5をPDCPエンティティに送信する。
【0064】
さらに、PDCPエンティティは、リオーダリングされた番号順に、第2のデータパケットを上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0065】
ターゲット動作モード設定を動作モード1-1として説明すると、新しいデータパケットを受信する前に又は第2の設定情報を使用する前に、PDCPエンティティは、記憶される第1のデータパケットを第1のPDCP設定情報に基づいて処理し、処理後にデータパケット番号の順に、例えば、小さい順にリオーダリングして、順番に上位層プロトコルエンティティに渡す。例えば、第1のPDCP設定情報には、PDCPエンティティの暗号化設定-1とヘッダー圧縮設定-1が設定されている。PDCPエンティティのリオーダリングウィンドウには、PDCPデータパケット-2とPDCPデータパケット-4とが記憶されており、これらのデータパケットは、PDCPエンティティが受信した第1のデータパケットである。PDCPデータパケット-2/4が暗号化設定-1で復号化されているが、ヘッダー圧縮が解凍されていない場合、ヘッダー圧縮設定-1でPDCPデータパケット-2/4を解凍し、データパケット番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す必要がある。つまり、PDCPエンティティは、PDCPデータパケット-1、PDCPデータパケット3の受信を待つことなく、PDCPデータパケット-1/2/3/4を順番に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0066】
いくつかの実施例では、本願の実施例の上記の方法は、
上位層プロトコルエンティティに渡された第1のデータパケットのデータパケット番号情報を、相手のPDCPエンティティにフィードバックするステップS204をさらに含むことができ、
ここで、番号情報は、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの最も大きい番号、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの最も大きい番号に1を加えること、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの最も大きい番号から1を引くこと、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの最も小さい番号、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの最も小さい番号に1を加えること、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの最も小さい番号から1を引くこと、および、
第1のPDCP設定情報によって処理され、上位層プロトコルエンティティに渡される第1のデータパケットの総データ量の少なくとも1つを含む。
【0067】
本願の実施例では、PDCPエンティティの再構築指示に応答して、ターゲット動作モードが動作モード1-1であるように設定される。当該場合、PDCPエンティティは、暗号化設定-2とヘッダー圧縮設定-2とが設定されている第2のPDCP設定情報を取得することができる。PDCPエンティティは、第2のPDCP設定情報に基づいて新らしいデータパケット、即ち第2のデータパケットを受信して、第2のデータパケットを処理する。つまり、PDCPエンティティは、暗号化設定-2でPDCPデータパケット-2/4を復号化し、ヘッダー圧縮設定-2で解凍した後、データパケット番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0068】
本願の実施例では、PDCPエンティティのターゲット動作モードを動作モード1-1に設定する場合、動作モード1-1に基づいてデータ伝送を行い、欠落したデータパケットを待つ必要がないため、より迅速にアプリケーションサービスにデータパケットを渡すことができ、遅延を減らすことができる。さらに、動作モード1-1はリオーダリングウィンドウを初期化していないため、データパケット番号を使用してデータを送信し続けることができ、データの送信遅延を減らすことができる。
【0069】
以下、PDCPエンティティに設定されるターゲット動作モードが動作モードAの動作モード1-2、即ち第2の動作モードであることを例として、PDCPエンティティのデータ送信プロセスを説明する。図4は本願の実施例で提供される別のデータ伝送方法の概略フローチャートである。当該データ伝送方法の実行主体はPDCPエンティティであり、且つUMを使用したRLCエンティティに関連付けられる。
【0070】
S401、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定する。
【0071】
S402、ターゲット動作モードが第2の動作モードであることに応答して、第2のPDCP設定情報を使用する前に、第1の接続から受信された第1のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0072】
ステップS401~S402については、本願の各実施例のいずれかの実現可能な方式を使用することができるため、ここで説明を省略する。
【0073】
S403、リオーダリングウィンドウの関連変数を初期化する。
【0074】
図3を引き続き参照して、本願の実施例では、リオーダリングウィンドウの関連変数を初期値に設定するステップは、
「次に受信するデータパケットを表記するための変数」を初期値に設定するステップであって、例えば、「RX_NEXT」を初期値「0」に設定するステップと、
「リオーダリングウィンドウの下境界を表記するための変数」を初期値に設定するステップであって、例えば、「RX_DELIV」を初期値「0」に設定するステップとの少なくとも1つを含む。
【0075】
S404、初期化されたリオーダリングウィンドウに基づいて、第2のPDCP設定情報を使用して第2の接続から受信された第2のデータパケットを処理する。
【0076】
リオーダリングウィンドウを初期化すると、リオーダリングウィンドウの関連変数は、初期値からカウントされる。さらに、本願の例では、第2のデータパケットに対する処理は少なくとも復号化処理とリオーダリングとを含む。選択的に、第2のデータパケットに対する処理は、ヘッダー解凍/圧縮処理および完全性検証処理のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0077】
なお、第2のPDCP設定情報にヘッダー解凍/圧縮設タイミングが設定されている場合、第2のデータパケットに対する処理は、ヘッダー解凍/圧縮処理を含むことができる。第2のPDCP設定情報に完全性保護アルゴリズムと完全性保護鍵とが設定されている場合、第2のデータパケットに対する処理は、完全性検証処理を含むことができる。
【0078】
PDCPエンティティは、第1のPDCP設定情報を使用してPDUデータパケット-1/3を処理して、上位層プロトコルエンティティに渡した後、動作モード1-2はリオーダリングウィンドウを初期化するため、相手のPDCPエンティティは未送信のPDUデータパケット-2/4の番号を再番号付け、即ち初期番号0から送信し、ひいてはリオーダリングウィンドウには、動作モード1-1のように番号1/3の空き番号が生成されない。
【0079】
S405、第2のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0080】
さらに、PDCPエンティティは、処理された第2のデータパケットをデータパケットの番号順にリオーダリングして、第2のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。例えば、データパケットの番号の小さい順にリオーダリングをすることができる。
【0081】
第1のPDCP設定情報と第2のPDCP設定情報の説明については、上記実施例における関連内容の記載を参照することができるため、ここでは説明を省略する。
【0082】
第1のPDCP設定情報に基づいて第1のデータパケットを処理する過程、及び第2のPDCP設定情報に基づいて第2のデータパケットを処理する過程については、上記実施例における関連内容の記載を参照することができるため、ここでは説明を省略する。
【0083】
本願の実施例では、PDCPエンティティのターゲット動作モードを動作モード1-2に設定する場合、動作モード1-2に基づいてデータ伝送を行い、リオーダリングウィンドウを初期化しているため、空き番号が生成されなく、欠落したデータパケットを待つ必要がなくなり、並べ替えの遅延が減り、より迅速にデータパケットをアプリケーションサービスに渡すことができる。
【0084】
以下、PDCPエンティティに設定されるターゲット動作モードが動作モードB、即ち第3の動作モードであることを例として、PDCPエンティティのデータ送信プロセスを説明する。図5は本願の実施例で提供される別のデータ伝送方法の概略フローチャートである。当該データ伝送方法の実行主体はPDCPエンティティであり、且つUMのRLCエンティティに関連付けられる。
【0085】
S501、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定する。
【0086】
ステップS501については、本願の各実施例のいずれかの実現可能な方式を使用することができるため、ここで説明を省略する。
【0087】
S502、ターゲット動作モードが第3の動作モードであることに応答して、第1のデータパケットと第2のデータパケットをそれぞれのPDCP設定情報に基づいて全体的にリオーダリングし、番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0088】
なお、第1のデータパケットは、第1の接続から受信されたデータパケットであり、第1のデータパケットは、第1のPDCP設定情報に対応し、第1のPDCP設定情報は、以前に設定されたPDCP設定情報である。選択的に、第1の接続は、切り替え過程におけるソース接続であってもよく、第1のデータパケットは、ソース接続に関連付けられるRLCエンティティがPDCPエンティティに送信するデータパケットであってもよい。
【0089】
第2のデータパケットは、第2の接続から受信されたデータパケットであり、第2のデータパケットは、第2のPDCP設定情報に対応し、第2のPDCP設定情報は、新たに設定されたPDCP設定情報である。選択的に、第2の接続は、切り替え過程におけるターゲット接続であってもよく、第2のデータパケットは、ターゲット接続に関連付けられるRLCエンティティがPDCPエンティティに送信するデータパケットであってもよい。
【0090】
PDCPエンティティは第2のPDCP設定情報を使用する前に、第1のPDCP設定情報を使用して第1のデータパケットを処理し、ここで、当該処理過程は少なくともは復号化処理を含むことができ、第1のPDCP設定情報を使用して第1のデータパケットを復号化して処理する過程は、上記実施例における関連内容の記載を参照することができるため、説明を省略する。
【0091】
PDCPエンティティは、第2のPDCP設定情報を使用して第2のデータパケットを処理し、ここで、当該処理過程は少なくとも復号化処理を含むことができ、第2のPDCP設定情報を使用して第2のデータパケットを復号化して処理する過程は、上記実施例における関連内容の記載を参照することができるため、説明を省略する。
【0092】
さらに、PDCPエンティティは、処理された第1のデータパケットと第2のデータパケットをまとめてリオーダリングして、リオーダリング後にすべてのデータパケットを番号順に、上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0093】
例えば、第1のPDCP設定情報は、PDCPエンティティに暗号化設定-1とヘッダー圧縮設定-1とを設定する。PDCPエンティティ-1のリオーダリングウィンドウには第1のデータパケット-2/4が記憶され、これらのデータパケットは、暗号化設定-1によって復号化されたが、ヘッダー圧縮が解凍されず、当該PDCPエンティティは、PDCPの第2のデータパケット-1/3の受信を待ってから、データパケット-1/2/3/4をまとめてリオーダリングして、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す必要がある。さらに、PDCPに設定されているターゲット動作モードが動作モードBであり、且つ第2のPDCP設定情報を提供し、ここで、第2のPDCP設定情報は、PDCPエンティティに暗号化設定-2とヘッダー圧縮設定-2とを設定する。PDCPエンティティは、第1のデータパケット-2/4を、ヘッダー圧縮設定-1で解凍してPDCPエンティティに記憶する。PDCPエンティティは、第2のPDCP設定情報に設定された暗号化設定-2とヘッダー圧縮設定-2とを適用し、受信された第2のデータパケット-1/3を、暗号化設定-2で復号化し、ヘッダー圧縮設定-2で解凍し、PDCPエンティティは、すべてのデータパケット-1/2/3/4を番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0094】
本願の実施例では、PDCPエンティティのターゲット動作モードを動作モードBに設定する場合、動作モードBに基づいてデータ伝送を行い、動作モードBは、受信に失敗したデータパケットを待つ機能をサポートし、データパケットの紛失を低減する。
【0095】
図6は本願の実施例で提供される別のデータ伝送方法の概略フローチャートである。当該データ伝送方法の実行主体はPDCPエンティティであり、且つ、UMのRLCエンティティに関連付けられる。
【0096】
S601、PDCPエンティティを再構築する必要があることに応答して、PDCPエンティティに関連付けられたRLCエンティティによって使用される動作モードを決定する。
【0097】
本願の実施例では、プロトコル協定によって、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定することができる。PDCPエンティティに関連付けられた各RLCエンティティによって使用される動作モードは、PDCPエンティティによって使用される動作モードに影響を与えることが多いため、プロトコル協定では、RLCエンティティによって使用される動作モードに基づいて、PDCPエンティティのターゲット動作モードを協定することができる。
【0098】
PDCPエンティティを再構築するための指示が受信されてもよく、再構築の指示が受信されると、PDCPエンティティに関連付けられたRLCエンティティによって使用される動作モードを決定するとトリガされる。RLCエンティティによって使用される動作モードは、AM、UMと透明モード、マルチキャスト方式方式によるデータ受信、ユニキャスト方式方式によるデータ受信のうちの1つの動作モードを含むことができる
【0099】
選択的に、PDCPエンティティがデータ受信状態をフィードバックするか否かは、PDCPエンティティの動作モードにも影響することが多い。
【0100】
S602、RLCエンティティによって使用される動作モードとPDCPエンティティのデータ状態フィードバック指示のうちの少なくとも1つに基づいて、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定する。
【0101】
PDCPエンティティがUMのRLCエンティティのみに関連付けられていることに応答して、PDCPエンティティのターゲット動作モードを動作モードA、即ち第1の動作モードと第2の動作モードの1つ、即ち動作モード1-1と動作モード1-2に決定する。例えば、PDCPエンティティは、1つ又は複数のUMに関連付けられているRLCエンティティである。当該PDCPエンティティの再構築が指示されたとき、PDCPエンティティは動作モードAを使用することができる。
【0102】
PDCPエンティティに関連付けられた複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティが確認モードAMを使用したことに応答して、PDCPエンティティのターゲット動作モードを第1の動作モード又は第3の動作モード、即ち動作モードAの動作モード1-1又は動作モードBに決定する。例えば、PDCPエンティティは2つのRLCエンティティに関連付けられ、RLCエンティティ-1はUMとして設定され、RLCエンティティ-2はAMとして設定される。当該PDCPエンティティの再構築が指示されたとき、当該PDCPエンティティは動作モードBを使用する。
【0103】
PDCPエンティティがデータ受信状態をフィードバックする必要があることに応答して、PDCPエンティティのターゲット動作モードを第1の動作モード又は第3の動作モード、即ち動作モードAの動作モード1-1又は動作モードBに決定する。例えば、PDCPエンティティは2つのRLCエンティティに関連付けられ、RLCエンティティ-1とRLCエンティティ-2はいずれもUMとして設定されるが、当該PDCPエンティティはRLCエンティティ?2を通じて、PDCPエンティティのデータ受信の状態を相手のPDCPエンティティに送信する必要があり、すなわち状態報告(Status Report)を相手のPDCPエンティティに送信する必要がある。当該PDCPエンティティの再構築が指示されたとき、当該PDCPエンティティは動作モードBを使用する。
【0104】
PDCPエンティティに関連付けられた複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティがマルチキャスト方式でデータを受信し、少なくとも1つのRLCエンティティはユニキャスト方式でデータを受信したことに応答して、PDCPエンティティのターゲット動作モードを第1の動作モード又は第3の動作モード、即ち動作モードAの動作モード1-1又は動作モードBに決定する。例えば、PDCPエンティティは2つのRLCエンティティに関連付けられ、RLCはポイントツーマルチポイント(Point To Multipoint、PTM)方式でデータを受信するように構成され、RLCエンティティ-2はPTP(ポイント・ツー・ポイント)方式でデータを受信するように構成される。PDCPエンティティの再構築が指示されたとき、当該PDCPエンティティは動作モードBを使用する。
【0105】
動作モード1-1、動作モード1-2、及び動作モードBの具体的な説明については、上記実施例における関連内容の記載を参照することができるため、ここでは説明を省略する。
【0106】
S603、ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0107】
ステップS603については、本願の各実施例のいずれかの実現可能な方式を使用することができるため、ここで説明を省略する。
【0108】
本願の実施例では、異なるサービスシーンに基づいてPDCPエンティティに異なる動作モードを設定できるため、PDCPエンティティのデータ伝送の柔軟性が向上する。さらに各動作モードはリオーダリングすることができる。動作モードAは、データパケットをアプリケーションサービスに迅速に渡すことができ、遅延が減少する。動作モードBは、受信に失敗した新しいデータパケットを待つ機能をサポートし、データパケットの紛失を低減することができる。
【0109】
図7は本願の実施例で提供される別のデータ伝送方法の概略フローチャートである。当該データ伝送方法の実行主体はPDCPエンティティであり、且つは、UMのRLCエンティティに関連付けられる。
【0110】
S701、指示情報を受信し、ここで、指示情報はターゲット動作モードの識別情報を搬送する。
【0111】
本願の実施例では、各動作モードに1つの識別情報を設定しもよく、ひいては指示情報を設定しもよく、ここで、指示情報には、選択すべきターゲット動作モードの識別情報が設定される。PDCPエンティティは指示情報を取得することができ、ひいてはターゲット動作モードの識別情報を抽出することができる。
【0112】
S702、指示情報に基づいて、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定する。
【0113】
例えば、第1の動作モードである動作モード1-1の識別情報はA-1であり、第2の動作モードである動作モード1-2の識別情報はA-2であり、第3の動作モードである動作モードBの識別情報はBであってもよい。例えば、reestablishPDCPに運ばれるA-1に基づいて、PDCPエンティティによって使用されるターゲット動作モードが動作モード1-1であることを指示すことができ、また、例えば、reestablishPDCPに運ばれるA-2に基づいて、PDCPエンティティによって使用されるターゲット動作モードが動作モード1-2であることを指示すことができ、また、例えば、reestablishPDCPに運ばれるBに基づいて、PDCPエンティティによって使用されるターゲット動作モードが動作モードBであることを指示すことができる。
【0114】
S703、ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0115】
ステップS603については、本願の各実施例のいずれかの実現可能な方式を使用することができるため、ここで説明を省略する。
【0116】
本願の実施例では、異なるサービスシーンに基づいてPDCPエンティティに異なる動作モードを設定できるため、PDCPエンティティのデータ伝送の柔軟性を向上させる。さらに、各動作モードはリオーダリングすることができる。動作モードAは、データパケットをアプリケーションサービスに迅速に渡すことができ、遅延が減少する。動作モードBは、受信に失敗した新しいデータパケットを待つ機能をサポートし、データパケットの紛失を減らすことができる。
【0117】
上記のいくつかの実施例によって提供されるデータ伝送方法に対応して、本願は、データ伝送装置をさらに提供し、本願の実施例によって提供されるデータ伝送装置は上記の図1図7の実施例によって提供されるデータ伝送方法に対応するため、データ伝送方法の実施形態が、本実施例によって提供されるデータ伝送装置にも適用されるが、本実施例では詳細な説明は省略する。
【0118】
図8は本願の実施例によって提供されるデータ伝送装置の概略構成図である。当該データ伝送装置はPDCPエンティティに適用され、PDCPエンティティは、UMのRLCエンティティに関連付けられ、選択的に、PDCPエンティティに関連付けられた1つ又は複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティがUMとして設定される。ここで、PDCPエンティティはUE又はネットワークデバイス内のPDCPエンティティであってもよい。UE内のPDCPエンティティとネットワークデバイス内のPDCPエンティティは、ピアのPDCPエンティティである。
【0119】
図8に示すように、当該データ伝送装置800は、モード決定モジュール81と送信モジュール82とを含む。
ここで、モード決定モジュール81は、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するように構成され、
送信モジュール82は、ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するように構成される。
【0120】
本願の実施例では、PDCPエンティティのために複数の動作モードを設定するには、プロトコルの協定又は指示情報の設定によって、複数の動作モードから、PDCPエンティティのために、ターゲット動作モードを決定することができる。
【0121】
PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定することは、プロトコル協定によって決定され得、選択的に、PDCPエンティティを再構築する必要があることに応答して、PDCPエンティティに関連付けられた各無線リンク制御(RLC)エンティティによって使用される動作モードを決定し、RLCエンティティによって使用される動作モードに基づいて、当該PDCPエンティティによって使用されるターゲット動作モードを決定する。
【0122】
実行可能な実現形態として、各動作モードに1つの識別情報を設定しもよく、ひいては指示情報を設定しもよく、ここで、指示情報には、選択すべきターゲット動作モードの識別情報が設定される。PDCPエンティティは、当該指示情報に基づいて、使用するターゲット動作モードを決定する。
【0123】
PDCPエンティティの動作モードは、以下の動作モードの一つであってもよい。
【0124】
動作モードA、PDCPエンティティに記憶される古いプロトコルデータユニット(Protocol Data Unit、PDU)データパケットを直接渡すモードである。いくつかの実施形態では、動作モードAは、第1の動作モードと第2の動作モードとを含むことができる。選択的に、第1の動作モードを動作モード1-1と表記し、第2の動作モードを動作モード1-2と表記し、ここでは一例であり、本願の制限条件とすることはできない。
【0125】
選択的に、動作モード1-1は、新しいデータパケットを受信する前に、PDCPエンティティが、記憶されるすべての古いデータパケットをリオーダリングした後、例えば小さい番号順にリオーダリングしてから、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡すことができる。さらに、PDCPエンティティは引き続き新しいデータパケットを受信し、新しいデータパケットをリオーダリングした後、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0126】
選択的に、動作モード1-2は、新しいデータパケットを受信する前に、PDCPエンティティが、記憶されるすべての古いデータパケットをリオーダリングした後、例えば小さい番号順にリオーダリングしてから、上位層プロトコルエンティティに順番に渡し、リオーダリングウィンドウの関連変数を初期化することができる。さらに、PDCPエンティティは引き続き新しいデータパケットを受信し、新しいデータパケットをリオーダリングした後、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0127】
なお、動作モード1-1は、動作モード1-2に対してリオーダリングウィンドウを初期化していないため、データパケット番号を使用してデータを送信し続けることができ、データの送信遅延を減らすことができる。
【0128】
動作モードBは、PDCPエンティティに記憶される古いデータパケットを、新しいデータパケットが受信された後に、全体的にリオーダリングして渡すモードである。選択的に、新しいデータパケットを受信する前に、PDCPエンティティはまず、記憶されるすべての古いデータパケットを処理する。さらに、PDCPエンティティは新しいデータパケットを受信して処理する。PDCPエンティティは、処理された古いデータパケットと処理された新データをまとめて全体的にリオーダリングして、番号順に上位層プロトコルエンティティに渡す。本願の実施例では、動作モードBを第3の動作モードと呼ぶことができる。
【0129】
実行可能な実現形態として、リオーダリングのためのタイマーを停止することができる。いくつかの実施形態では、リオーダリングのためにリオーダリングタイマー(t-Reordering)を予め設定し、リオーダリングを開始した時にカウントを行い、リオーダリングタイミング値に達したに応答して、リオーダリングのためのタイマーを停止する。例えば、受信された番号の大きいデータパケットを上位層プロトコルエンティティに渡す前に、番号の小さいデータパケットが受信されていない場合、当該リオーダリングタイマーのタイミング時間内に番号の小さいデータパケットが到着するのを待つ。リオーダリングがタイムアウトしたことに応答して、番号の小さいデータパケットを待たずに、番号の大きいデータパケットを直接上位層プロトコルエンティティに渡し、リオーダリングタイマーを停止する。つまり、リオーダリングタイマーのタイミング時間が経過したとき、PDCPエンティティが、より小さい番号の未受信データパケットを待たずに、既存の受信した、ソートされたデータパケットを直接上位層プロトコルエンティティに渡す。
【0130】
PDCPエンティティは、リオーダリングウィンドウ (reordering Window_)メカニズムを使用し、データパケットのデータパケット番号(COUNT)に基づいてリオーダリングを行う。PDCPエンティティは、リオーダリングが可能なPDCP COUNTの番号数の最大値は、PDCPシリアル番号(Serial Number 、SN)の最大数の半分であり、つまり、リオーダリングウィンドウのサイズWindow_Size = 2[pdcp-SN-Size DL]-1、 「pdcp-SN-SizeDL」はPDCP SNのbit数である。
【0131】
本願の実施例では、異なるサービスシーンに基づいてPDCPエンティティに異なる動作モードを設定できるため、PDCPエンティティのデータ伝送の柔軟性を向上させる。さらに、各動作モードはリオーダリングすることができる。動作モードAは、データパケットをアプリケーションサービスに迅速に渡すことができ、遅延が減少する。動作モードBは、受信に失敗した新しいデータパケットを待つ機能をサポートし、データパケットの紛失を減らすことができる。
【0132】
図9は、本願の実施例によって提供されるデータ伝送装置の概略構成図である。当該データ伝送装置はPDCPエンティティに適用され、PDCPエンティティは、UMのRLCエンティティに関連付けられ、選択的に、PDCPエンティティに関連付けられた1つ又は複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティがUMとして設定される。ここで、PDCPエンティティはUE又はネットワークデバイス内のPDCPエンティティであってもよい。UE内のPDCPエンティティとネットワークデバイス内のPDCPエンティティは、ピアのPDCPエンティティである。
【0133】
図9に示すように、当該データ伝送装置900はモード決定モジュール91と送信モジュール92とを含み、
ここで、モード決定モジュール91は、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するように構成され、
送信モジュール92は、ターゲット動作モードに基づいて、データパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するように構成される。
【0134】
選択的に、送信モジュール92は、第1の送信ユニット921と第2の送信ユニット922とを含み、
第1の送信ユニット921は、ターゲット動作モードが第1の動作モードであることに応答して、新たに設定されたPDCP設定情報を使用する前に、第1の接続から受信された第1のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するように構成され、
第2の送信ユニット922は、新たに設定されたPDCP設定情報でありを使用した後、第2の接続から受信された第2のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信する。
【0135】
選択的に、送信モジュール92は、初期化ユニット923をさらに含み、
初期化ユニット913は、ターゲット動作モードが第2の動作モードであることに応答して、第1のデータパケットを番号順に上位層プロトコルエンティティに送信した後、リオーダリングウィンドウの関連変数を初期化するように構成される。
第2の送信ユニット922は、初期化されたリオーダリングウィンドウに基づいて、新たに設定されたPDCP設定情報を使用して第2のデータパケットを処理するように構成される。
【0136】
選択的に、送信モジュール92は、ターゲット動作モードが第3の動作モードであることに応答して、第1のデータパケットと第2のデータパケットをそれぞれのPDCP設定情報に基づいて全体的にリオーダリングし、番号順に上位層プロトコルエンティティに送信するさらにように構成され、
ここで、第1のデータパケットは、第1の接続から受信されたデータパケットであり、第1のデータパケットは、第1のPDCP設定情報に対応し、第1のPDCP設定情報は、以前に設定されたPDCP設定情報であり、
第2のデータパケットは、第2の接続から受信されたデータパケットであり、第2のデータパケットは、第2のPDCP設定情報に対応し、第2のPDCP設定情報は、新たに設定されたPDCP設定情報である。
【0137】
選択的に、図9に示すように、データ伝送装置は、タイミング停止モジュール93をさらに含み、
タイミング停止モジュール93は、リオーダリングのためのタイマーを停止するように構成される。
【0138】
選択的に、第1のデータパケットは、
PDCPエンティティにキャッシュされたPDUデータパケット、
新たに設定されたPDCP設定情報を使用する前に、PDCPエンティティは第1の接続から受信されたPDUデータパケット、および、
下位プロトコルエンティティの再構築中にPDCPエンティティに渡されるPDUデータパケットのうちの少なくとも1つを含む。
【0139】
選択的に、図9に示すように、データ伝送装置は、処理モジュール94をさらに含み、
処理モジュール94は、第1のPDCP設定情報に基づいて、第1のデータパケットを、上位層プロトコルエンティティに送信する前に処理し、第2のPDCP設定情報に基づいて、第2のデータパケットを、上位層プロトコルエンティティに送信する前に処理し、ここで、第2のPDCP設定情報は、新たに設定されたPDCP設定情報であるように構成される。
【0140】
選択的に、第1の設定情報と第2のPDCP設定情報はそれぞれ、少なくとも暗号化アルゴリズムと暗号化鍵とを含む。
【0141】
選択的に、第1の設定情報と第2のPDCP設定情報は、
ヘッダー解凍/圧縮設定、
完全性保護アルゴリズム、および、完全性保護鍵のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0142】
選択的に、ヘッダー解凍/圧縮設定は、
ロバストヘッド圧縮(ROHC)解凍/圧縮設定、および、
イーサネットヘッダ圧縮(EHC)解凍/圧縮設定のうちの少なくとも1つを含む。
【0143】
選択的に、第2のPDCP設定情報は、第1のPDCP設定情報に設定されたヘッダー解凍/圧縮設定コンテキストが引き続き使用されるか否かを指示するための指示情報をさらに含む。
【0144】
選択的に、前記処理は復号化処理とリオーダリングとを含む。
【0145】
選択的に、前記処理は、ヘッダー解凍/圧縮処理および完全性検証処理のうちの少なくとも1つを含む。
【0146】
選択的に、処理モジュール94はさらに、第1のデータパケットが復号化されたデータパケットであることに応答して、第1のデータパケットに対して復号化処理を実行しないように構成される。
【0147】
選択的に、処理モジュール94はさらに、PDCP設定情報にヘッダー解凍/圧縮設定が設定されていることに応答して、解凍/圧縮処理を行い、PDCP設定情報に完全性保護アルゴリズムと完全性保護鍵とが設定されていることに応答して、完全性検証処理を行うように構成される。
【0148】
選択的に、第1の送信ユニット921はさらに、第1のデータパケットがリオーダリングウィンドウで空きのデータパケット番号を生成したしたことに応答して、空きのデータパケット番号に対応する前記データパケットの受信を待つ必要はないように構成される。
【0149】
選択的に、第2の送信ユニット922は、相手のPDCPエンティティが新たに設定されたPDCP設定情報を使用して第2のデータパケットに番号を付けたことに応答して、受信された第2のデータパケットの番号は、第1のデータパケットの番号と連続した番号であるように構成される。
【0150】
選択的に、第1の送信ユニット921は、上位層プロトコルエンティティに渡された第1のデータパケットのデータパケット番号情報を、相手のPDCPエンティティにフィードバックするように構成される。
【0151】
選択的に、モード決定モジュール91は、第1の決定ユニット911と第2の決定ユニット912とを含み、
第1の決定ユニット911は、PDCPエンティティを再構築する必要があることに応答して、PDCPエンティティに関連付けられた各無線リンク制御(RLC)エンティティによって使用される動作モードを決定するように構成される。
第2の決定ユニット912は、RLCエンティティによって使用される動作モードとPDCPエンティティのデータ状態フィードバック指示のうちの少なくとも1つに基づいて、PDCPエンティティのターゲット動作モードを決定するように構成される。
【0152】
選択的に、第2の決定ユニット912は、
PDCPエンティティがUMのRLCエンティティのみに関連付けられていることに応答して、ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第2の動作モードであると決定され、又は、
PDCPエンティティに関連付けられた複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティが確認モードAMを使用したことに応答して、ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第3の動作モードであると決定され、又は、
PDCPエンティティがデータ受信状態をフィードバックする必要があることに応答して、ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第3の動作モードであると決定され、又は、
PDCPエンティティに関連付けられた複数のRLCエンティティのうち少なくとも1つのRLCエンティティがマルチキャスト方式でデータを受信し、少なくとも1つのRLCエンティティはユニキャスト方式でデータを受信したことに応答して、ターゲット動作モードが第1の動作モード又は第3の動作モードであると決定されるさらにように構成される。
【0153】
選択的に、モード決定モジュール91はさらに、指示情報を受信し、ここで、指示情報はターゲット動作モードの識別情報を搬送し、かつ、指示情報に基づいてターゲット動作モードを決定するように構成される。
【0154】
本願の実施例では、異なるサービスシーンに基づいてPDCPエンティティに異なる動作モードを設定できるため、PDCPエンティティのデータ伝送の柔軟性を向上させる。さらに、各動作モードはリオーダリングすることができる。動作モードAは、データパケットをアプリケーションサービスに迅速に渡すことができ、遅延が減少する。動作モードBは、受信に失敗した新しいデータパケットを待つ機能をサポートし、データパケットの紛失を減らすことができる。
【0155】
本願の実施例によれば、本願は通信機器と読み取り可能な記憶媒体とをさらに提供する。
【0156】
図10に示すように、当該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ110と、メモリ1200と、高速インターフェースと低速インターフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインターフェースと、を含む。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、外部入力/出力装置(インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリに記憶されている命令を含む、電子機器内に実行される命令を処理することができる。他の実施形態では、必要であれば、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリと複数のメモリとともに使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各電子機器は、部分的な必要な操作(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供することができる。図10では、1つのプロセッサ1100を例とする。
【0157】
メモリ1200は、本出願により提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。ここで、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサに本出願によって提供されるデータ伝送方法を実行させるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令が記憶されている。本出願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータに本出願によって提供されるデータ伝送方法を実行させるためのコンピュータ命令が記憶されている。
【0158】
メモリ1200は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本出願の実施例におけるデータ伝送方法に対応するプログラム命令/モジュールのような非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶することに用いられる。プロセッサ1100は、メモリ1200に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、サーバーの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記方法の実施例におけるデータ伝送方法を実現する。
【0159】
メモリ1200は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを含むことができ、ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶領域は、測位通信機器の使用によって生成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ1200は、高速ランダム存取メモリを含むことができ、非一時的なメモリをさらに含むことができ、例えば、少なくとも1つのディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ1200は、プロセッサ501に対して遠隔に設置されたメモリを選択的に含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して3次元再構築方法の電子機器に接続することができる。上記ネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0160】
通信機器は、入力装置1300と出力装置1400とをさらに含むことができる。プロセッサ1100、メモリ1200、入力装置1300、及び出力装置1400は、バス又は他の方式を介して接続することができ、図10では、バスによる接続を例とする。
【0161】
入力装置1300は、入力されたデジタル又は文字情報を受信することができ、及び測位通信機器のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置1400は、ディスプレイデバイス、補助照明デバイス(例えば、LED)、及び触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを含むことができる。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、タッチスクリーンであってもよい。
【0162】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は以下を含んでも良い。1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施されることを含むことができ、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈することができ、当該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0163】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含んでもよく、高度プロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することを含むことができる。本明細書に使用されるように、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0164】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明されているシステム及び技術をコンピュータ上で実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供するために用いられることもでき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形式(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0165】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバー)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションする)、又は当該バックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせとを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットとを含む。
【0166】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般的に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバとの関係が生成される。
【0167】
上記の実施例の方法を実装するために搬送されるステップの全部または一部は、実行時に方法の実施形態のステップの1つまたはそれらの組合せを含むコンピュータ可読記憶媒体に格納され得るプログラムによって関連するハードウェアの完了を命令することができることを当業者は理解するであろう。
【0168】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されていてもよいし、各ユニットが単独で物理的に存在していてもよいし、2つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されていてもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形式で実現してもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現してもよい。統合されたモジュールがソフトウェア機能モジュールとして実装され、独立した製品として販売または使用される場合は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。
【0169】
上述した記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどであってもよい。
【0170】
上記は本発明の好適な実施形態にすぎず、本技術分野の一般技術者にとっては、本発明の原理を逸脱することなく、いくつかの改良及び仕上げを行うこともでき、これらの改良及び仕上げも本発明の保護範囲と見なすべきであることを指摘すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10