(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】センサグループからの受信エコー信号における干渉の識別
(51)【国際特許分類】
G01S 7/526 20060101AFI20241211BHJP
【FI】
G01S7/526 M
(21)【出願番号】P 2023548334
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2022053053
(87)【国際公開番号】W WO2022171641
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】102021103058.7
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、フランソワ、バリアント
(72)【発明者】
【氏名】アント、ジョイズ、イエスアディマイ、ミヒャエル
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-023108(JP,A)
【文献】特開2006-349581(JP,A)
【文献】国際公開第2019/192919(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0277297(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-7/64
G01S 13/00-17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御ユニット(14)と、少なくとも1つのグループ(18、20)に配置された複数のセンサ(16)と、を有するセンサ装置(12)を動作させるための方法であって、前記センサ(16)は
、前記制御ユニット(14)を介して共通の電源に接続され、
前記センサ(16)を使用してセンサ信号を放出するステップであって、各グループ(18、20)の前記センサ(16)は、それらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出するステップと、
前記センサ信号の反射に基づくエコー信号を受信するステップと、
受信エコー信号を前記センサ(16)から前記制御ユニット(14)に送信するステップと、
対応するグループ(18、20)からの前記受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づいて前記少なくとも1つのグループ(18、20)からの前記受信エコー信号における干渉(38)を識別するステップと、
を備え
、
前記干渉(38)は、リップル電流からの干渉効果によるものである、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記センサ(16)がそれらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出する、前記センサ(16)を使用したセンサ信号の放出は、前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記センサ(16)を使用して少なくとも2つの異なるセンサ信号を放出するステップを含み、
前記センサ信号の反射に基づくエコー信号の受信は、前記少なくとも2つの異なるセンサ信号の反射に基づく少なくとも2つの異なるエコー信号を受信するステップを含み、
前記少なくとも1つのグループ(18、20)からの前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、少なくとも2つの異なる受信エコー信号の比較に基づく、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記センサ(16)を使用した少なくとも2つの異なるセンサ信号の放出は、前記少なくとも1つのグループ(18、20)の異なるセンサ(16)を使用して前記少なくとも2つの異なるセンサ信号を放出するステップを含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つの異なるセンサ信号の反射に基づく少なくとも2つの異なるエコー信号の受信は、前記少なくとも1つのグループ(18、20)のセンサ(16)のうちの少なくとも1つを使用して前記少なくとも2つの異なるエコー信号を受信するステップを含む、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
グループ(18、20)の前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、前記少なくとも1つのグループ(18、20)の2つの異なるセンサ(16
)からの少なくとも2つの受信エコー信号の比較に基づく、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記受信エコー信
号における識別された干渉(38)をマスキングするステップを含む、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記センサ装置(12)の前記複数のセンサ(16)は、少なくとも2つのグループ(18、20)に配置され、各グループ(18、20)の前記センサ(16)は、それらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出し、前記少なくとも2つのグループ(18、20)の前記グループ送信フェーズは、時間的にオフセットされ、
前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、他のグループ(18、20)の前記グループ送信フェーズの時間的オフセットを考慮して、前記対応するグループ(18、20)からの前記受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく、
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記対応するグループ(18、20)の前記センサ信号を放出するための2つのサイクル間の前記少なくとも2つのグループ(18、20)の前記グループ送信フェーズ間の時間的オフセットを修正するステップを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対応するグループ(18、20)からの前記受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる修正された前記時間的オフセットを伴う前記受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各グループ(18、20)の前記センサ(16)のそれぞれのグループ送信フェーズにおける当該センサ(16)を用いたセンサ信号の放出は、少なくとも2つのサブグループにおける各グループ(18、20)の前記センサ(16)からの前記センサ信号を、前記少なくとも2つのサブグループのセンサ信号の放出の間の時間間隔を伴って放出するステップを含み、
前記対応するグループ(18、20)からの前記受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、前記時間間隔を伴う少なくとも2つの前記受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを含む、
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記対応するグループ(18、20)からの前記受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる前記時間間隔を伴う少なくとも2つの前記受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つのサブグループの前記センサ信号の放出の間の時間間隔を伴う前記少なくとも2つのサブグループにおける各グループ(18、20)の前記センサ(16)からの前記センサ信号の放出は、前記対応するグループ(18、20)の前記センサ信号を放出するための2つのサイクル間の前記時間間隔を変更するステップを含み、
前記対応するグループ(18、20)からの前記受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく前記少なくとも1つのグループ(18、20)の前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる修正された前記時間間隔を伴う前記受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記センサ信号の反射に基づくエコー信号を受信するステップは、前記受信エコー信号を伴うエンベロープ(34、36)を受信するステップを含み、
前記センサ(16)から前記制御ユニット(14)への前記受信エコー信号の送信は、前記受信エコー信号を伴う前記エンベロープ(34、36)を送信するステップを含み、
前記少なくとも1つのグループ(18、20)からの前記受信エコー信号における干渉(38)の識別は、各場合において少なくとも2つのエンベロープ(34、36)と前記対応するグループ(18、20)から受信された前記エコー信号との比較に基づく、
ことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
車両(10)用のセンサ装置(12)であって、
制御ユニット(14)と、
少なくとも1つのグループ(18、20)に配置された複数のセンサ(16)と
を有し、
前記センサ(16)は
、前記制御ユニット(14)を介して共通の電源に接続され、
前記センサ装置(12)は、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法に従って動作するように設計されている、
ことを特徴とする、車両(10)用のセンサ装置(12)。
【請求項15】
請求項
14に記載のセンサ装置(12)を有する、車両(10)用の運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御ユニットと、少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサとを有するセンサ装置を動作させるための方法であって、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続される、方法に関する。
【0002】
本発明はまた、制御ユニットと、少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサとを有するセンサ装置を動作させるための方法であって、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続される、方法に関する。
【0003】
本発明はまた、車両用のセンサ装置であって、制御ユニットと、少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサとを有し、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続され、センサ装置は、上記の方法を使用して動作するように設計される、車両用のセンサ装置に関する。
【0004】
本発明はさらに、車両用のセンサ装置であって、制御ユニットと、少なくとも2つのサブグループに配置された複数のセンサとを有し、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続される、車両用のセンサ装置に関する。
【0005】
本発明はまた、上述のセンサ装置を有する、車両用の運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0006】
現在の車両には、車両の周囲の環境を監視するためのセンサがますます設置されている。以下、周囲センサとも呼ばれるこれらのセンサは、例えば、車両に属する様々な運転支援システムによって使用され得る環境情報を提供する。運転支援システムは、運転者支援システムのタイプに応じて、関連車両の運転者を支援したり、または自律運転を実施するための機能を提供したりしてもよい。
【0007】
センサユニットでは、センサは、共通の電源に接続されることが多い。この目的のために、例えば、センサは、周囲センサに電力を供給するだけでなく、車両に危険をもたらす環境内の物体を検出し、対応する警告を生成するために、センサからセンサ情報を受信および評価する供給ラインを介して制御ユニットに接続される。センサ情報は、センサによって放出されたセンサ信号の反射として受信されたエコー信号を含むことができる。例えば、エコー信号は、それぞれのセンサによって検出された環境内の物体からの最初のエコーの時間を含む。エコーは、センサの受信振幅が限界値を上回っていることを特徴とする。エコー信号は、受信エコーの時間に加えて、受信エコーの持続時間および/または受信エコーの受信振幅を含み得る。エコー信号はまた、それぞれのセンサによって検出された環境内の物体からの複数のエコーを含むことができる。受信エコーに関連して、上述した記述が適用される。エコーが受信されない時間、例えば、受信振幅が限界値を下回る場合、信号は生成されない。加えて、センサは、エコー信号を含むエンベロープを生成し、それらを制御ユニットに送信することができる。エンベロープは、受信振幅の時間的プロファイルを含み、したがって、それぞれのセンサの受信振幅が限界値を下回る、すなわち、定義上エコーが受信されない間隔についての振幅値も含む。例えば、近くの物体からの反射は、分散のために、より遠くにある他の同様の物体からの反射よりも大きな振幅で受信されるため、限界値は時間的プロファイルを有することが可能である。
【0008】
センサの共通の供給部によって、センサの簡単な配線配置を実装することができる。特に、制御ユニットを介してセンサの共通の供給部を提供することによって、制御ユニットからセンサへのデータ接続に従って配線を実装することができ、これもまた必要とされる。したがって、供給ラインをデータラインに平行に、したがって好ましくは同時に敷設することができ、あるいは供給ラインとデータラインの両方として使用される1つのワイヤのみを敷設することができる。
【0009】
言及されるセンサは、例えば、超音波センサまたはレーダセンサなどであってもよい。これらのセンサは、センサ信号を放出し、それらに基づいてエコー信号を受信し、そこから車両の環境内の物体をエコーとして識別することができる。したがって、超音波センサは、超音波パルスを放出し、車両の環境内の物体から放出された超音波パルスの超音波エコーを受信する。現代の車両では、第1のセンサグループが車両の前部に沿って配置され、第2のセンサグループが車両の後部に沿って配置されることが一般的である。各グループは、現在、4~6つの個々のセンサを備える。したがって、これらのセンサは、狭い空間的関係で配置され、かつ車両の環境の隣接部分を検出する。また、車両の長辺に沿って超音波センサを配置することもますます一般的になってきており、これらのセンサは、前述の理由により、独立したグループとして制御ユニットに接続することもできる。
【0010】
超音波パルスを放出するために、超音波センサは特に大量のエネルギーを必要とするため、超音波パルスを実質的に同時に放出するには大量の電力を提供する必要がある。したがって、必要な電力を低減するために、異なるグループのセンサは、他のグループに対する時間的オフセットを伴ってグループでそれらのセンサ信号を放出する。超音波パルスの放出後、超音波センサは、車両の環境内の物体から放出されたセンサ信号の反射に基づいてエコー信号を受信する。エコー信号内のエコーとして物体におけるセンサ信号の反射を検出することができるようにするために、超音波パルスの放出後の持続時間が長くなるにつれて受信エコー信号の振幅が急激に減少するため、受信エコー信号の電気信号増幅が必要とされる。
【0011】
超音波センサの供給部における干渉により、エコー信号の受信エラーが発生する可能性がある。これらのエラーは、車両の環境内の物体の不正確な検出、すなわち、存在しない物体の誤検出につながる可能性があり、例えば、緊急ブレーキシステムを誤って作動させる可能性がある。干渉は、外部の影響、または例えば制御ユニット内の供給自体によって引き起こされ得る。特に、例えば、各グループのセンサを使用してセンサ信号を放出する場合のように、制御ユニットに高い電力レベルを提供することが要求される場合、供給電圧として提供されるDC電圧に交流電圧成分が重畳された、いわゆるリップル電流が発生し得る。
【0012】
電流センサは、古いセンサと比較して、特にセンサ信号を共に形成する複数の個々の信号パルスの形態で長期間にわたってセンサ信号を放出するため、電流センサまたは運転支援システムによって電源の問題が悪化する場合がある。これは、センサに必要な電力をより長い期間供給しなければならないことを意味する。加えて、パルスは、供給部におけるより大きなAC成分をもたらす。供給部への干渉を回避するために、原則として、様々な回路ベースの解決策、例えばコンデンサまたはリップルフィルタを使用することができる。しかし、これらは多大な労力および対応するコストを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、上述の従来技術に基づいて、本発明の目的は、干渉のない環境の簡単で費用効果の高い検出を可能にする、複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法ならびに対応するセンサ装置を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、本発明によれば、独立請求項の特徴によって達成される。本発明の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0015】
したがって、本発明によれば、制御ユニットと、少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサとを有するセンサ装置を動作させるための方法であって、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続され、センサを使用してセンサ信号を放出するステップであって、各グループのセンサは、それらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出するステップと、センサ信号の反射に基づくエコー信号を受信するステップと、受信エコー信号をセンサから制御ユニットに送信するステップと、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づいて少なくとも1つのグループからの受信エコー信号における干渉を識別するステップとを備える、方法が特定される。
【0016】
本発明によれば、制御ユニットと、少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサとを有するセンサ装置を動作させるための方法であって、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続され、センサを使用してセンサ信号を放出するステップであって、各グループのセンサは、それらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出し、少なくとも2つのグループのグループ送信フェーズは、時間的にオフセットされているステップと、センサ信号の反射に基づくエコー信号を受信するステップと、受信エコー信号をセンサから制御ユニットに送信するステップと、グループ送信フェーズの時間的オフセット、および少なくとも1つの他のグループのグループ送信フェーズの持続時間に基づいて各グループの受信エコー信号における干渉を識別するステップとを備える、方法もまた提供される。
【0017】
本発明によれば、車両用のセンサ装置であって、制御ユニットと、少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサとを有し、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続され、センサ装置は、上記の方法を使用して動作するように設計される、車両用のセンサ装置もまた特定される。
【0018】
本発明によれば、車両用のセンサ装置であって、制御ユニットと、少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサとを有し、センサは、特に制御ユニットを介して共通の電源に接続され、センサ装置は、上記の方法に従って動作するように設計される、車両用のセンサ装置がさらに特定される。
【0019】
本発明によれば、上述のセンサ装置のうちの1つを有する、車両用の運転支援システムもまた特定される。
【0020】
したがって、本発明の基本的な考え方は、共通の供給部における障害から生じる受信エコー信号の干渉の事例を識別し、それによって適切にそれらに対処することができるようにすることである。特に、例えば、少なくとも1つのグループのセンサを使用してセンサ信号を放出する場合のように、例えば制御ユニットを介して、電源が高い電力レベルで動作することが要求される場合、供給電圧として提供されるDC電圧に交流電圧成分が重畳された、いわゆるリップル電流が発生し得る。リップル電流によって引き起こされるそのような干渉を確実に識別することができれば、エコー信号におけるこのような干渉を排除または無視することができるので、制御ユニットは不正確に物体を検出しない。したがって、受信エコー信号の改善された信号処理によって干渉を費用効果的に克服することができ、その結果、車両の環境内の物体の信頼できる検出がもたらされ、特に、車両の環境内の物体の検出におけるフォールスポジティブが回避される。例えば制御ユニットにおける共通の供給部の提供の一部として、コンデンサまたはリップルフィルタなどの回路ベースの解決策によるこのような干渉の回避または排除を達成することができ、これにより干渉の費用効果の高い対処が可能になる。また、センサを使用して、センサ信号は、特にそれぞれのセンサ信号を共に形成する複数の個々の信号パルスの形態で、以前の実装と比較してより長い期間にわたって送信することができ、これは、センサがより多くの電力を必要とするか、または制御ユニットを介して電力供給を増加させる必要なしに、より長い期間にわたって同じ電力を必要とすることを意味する。より長い期間にわたって発生すると予想され得る干渉を識別し、そして克服することができ、それにより車両の環境内の物体の検出を大きな制限なしに実行することが可能である。センサ装置を動作させるための方法に応じて、干渉は、単一のセンサグループに対して、すなわち、さらなるセンサグループの動作の知識なしに個々に識別することができる。あるいは、干渉は、異なるグループ送信フェーズによって定義されるように、複数のセンサグループの協調動作によって識別される。
【0021】
各グループの受信エコー信号における干渉は、異なる方法で識別することができ、これは、放出されたセンサ信号ならびに受信エコー信号に基づくことができる。したがって、どちらの場合も、干渉を識別または防止するために、障害の原因、すなわち、供給部に直接対処する必要はなく、後者には多大な労力を伴う。
【0022】
したがって、干渉は、一方では、1つのグループ内の受信エコー信号の複数の事例を比較することによって識別することができる。これは、通常、対応するグループ内のすべてのセンサの共通の供給部に関係する共通の供給部における障害が、エコー信号の受信における干渉効果により対応するグループ内のすべてのセンサに影響を及ぼす、同時に得られたエコー信号に適用される。複数のグループ内のセンサの配置を有するセンサ装置の設計に応じて、いくつかのグループの共通の供給部における供給障害の影響もまた、異なるグループのセンサの動作および供給のタイプに応じて原則として生じ得る。特に、他のグループのセンサを使用するセンサ信号の放出は、別のグループまたは他のグループのセンサの供給部と干渉する可能性があり、それにより干渉は、対応するグループの受信エコー信号に現れる。干渉効果は、例えば予測できない外部干渉信号および/またはランダムに発生する可能性がある外部干渉信号による外部影響によるセンサの供給部と、例えば制御ユニットにおけるセンサの供給部の動作からの干渉の両方で識別することができる。少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉は、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づいて根本的に異なる方法で識別することができる。詳細は既に上述されており、以下にも与えられる。例えば、干渉は、エコー信号における同時エコー、ならびに/またはエコー信号における過剰な振幅および/もしくは同様のタイプのエコーを有するエコーに基づいて検出することができる。
【0023】
一方、干渉の識別は、少なくとも1つの他のグループのグループ送信フェーズに基づいて、干渉としてこのグループ送信フェーズの対応する時間ウィンドウを識別することによって実行することができる。この場合、受信エコー信号のさらなる調査または比較は必要なく、わずかな労力で干渉を識別することができる。少なくとも1つの他のグループのグループ送信フェーズの時間的オフセットおよび持続時間に基づいて干渉を識別することにより、別のグループのグループ送信フェーズ中にエコー信号を受信するグループのセンサからのエコー信号を、このグループ送信フェーズ中の干渉として識別することができる。結果として、車両の環境内の物体の実際のエコーは、常に検出および処理することができるとは限らない。しかし、この時間ウィンドウ内でも有効なエコー信号を提供することができるようにするために、以下に説明する様々な手段が可能である。この場合、対応するグループ内の干渉効果は、通常、含まれるすべてのセンサについて発生するが、これは、これらのセンサが同時にエコー信号を受信し、共通の電源を有するためである。同様に、エコー信号の受信における干渉によって引き起こされる共通の供給部における干渉効果は、グループ送信フェーズの時間的オフセットおよびグループ送信フェーズの持続時間に基づいて一緒に識別される対応するグループ内のすべてのセンサに影響を及ぼす。この場合のグループ送信フェーズは、干渉を制御ユニット内で容易に直接識別することができるように制御ユニットによって制御される。例えば、時間的オフセットは、異なるグループのそれぞれのグループ送信フェーズの開始に関連する。個々のグループ送信フェーズ間の時間的オフセットは、例えば異なるグループ間で異なり得る。時間的オフセットは、異なるグループのグループ送信フェーズが重複しないように選択することができる。この場合、グループ送信フェーズは、各々が対になった不連続な時間間隔である。個々のグループ送信フェーズの持続時間は、異なるグループごとに異なり得る。異なるグループのグループ送信フェーズの持続時間は、原則として、異なるサイクルでも異なり得る。この方法は、好ましくは異なるグループについて繰り返される。これはまた、他のグループのセンサによる活動、特に、センサ信号の送信に基づいてセンサグループの各々に対して干渉をもたらし得る。時間的オフセットは、複数のセンサグループの共同供給に基づいて干渉が発生し始めることができる時点を指定し、対応するグループ送信フェーズの持続時間と共に、時間間隔が干渉として定義される。
【0024】
エコー信号の受信における干渉は、典型的には、内部信号処理における障害、すなわち、それぞれのセンサへのエコー信号の物理的結合から、場合によってはそれぞれのエコー信号のエンベロープの生成までの障害に関連する。放出されたセンサ信号およびそれらに基づくエコー信号の分散のため、エコー信号としてセンサ信号の反射を確実に検出し、その中に含まれる物体におけるエコーを認識するために、物理的に結合されたエコー信号の信号処理、特に信号増幅を実施することがしばしば必要である。遠方の物体でのセンサ信号の反射からエコー信号を検出するために、受信エコー信号のますます高い電気信号増幅、特に信号利得が必要とされ、これはセンサ信号の放出後の持続時間、すなわち、それぞれのセンサからの物体の距離と共に増加する。したがって、干渉を識別することによって、センサは、それぞれのセンサからより長い距離で物体を確実に検出することもできる。これは、例えば、対応する運転支援システムによる不正確な緊急ブレーキ動作を回避することができることを意味する。
【0025】
センサ装置は、典型的には、車両の運転支援システムの一部であるか、またはこのシステムに車両の環境内の物体に関する環境情報を提供するために運転支援システムに接続される。運転支援システムは、原則として、1つまたは複数の支援機能を有する任意の運転支援システムとすることができる。このような運転支援システムは、例えば、車両の運転時に車両の人間の運転者を支援する運転者支援システムとして、例えば、緊急ブレーキシステム、適応走行制御システム、駐車支援システムなどとして知られている。しかし、そのような運転支援システムは、例えば、車両の自律運転または半自律運転に使用される機能を提供することもできる。
【0026】
制御ユニットは、センサからエコー信号を受信して処理する本質的に任意の計算ユニットである。車両および運転支援システムの分野において、このような制御ユニットは、例えば、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)として知られている。原則として、他の構成要素も制御ユニットに接続することができる。これらの追加の構成要素がセンサの共通の供給部に接続され、それらによって供給が行われる場合、これは、これらのさらなる構成要素が共通の供給部を介して供給が行われることに起因して、さらなる潜在的な干渉源をもたらす。本明細書に記載の原理は、それに応じて適用することができる。
【0027】
センサ装置は、複数のセンサを備え、各センサは、好ましくは各グループに対して同様に設計される。例えば、センサは、センサ信号として対応する超音波信号またはレーダ信号を放出し、超音波エコーまたはレーダエコーとしてこれらのセンサ信号のエコー信号を受信する超音波センサまたはレーダセンサとすることができる。現代の車両では、例えば、第1のセンサグループが車両の前部に沿って配置され、第2のセンサグループが車両の後部に沿って配置されることが一般的である。例えば、各グループは、4~6つの個々のセンサを備える。加えて、センサグループはまた、車両の長辺に沿って配置することもできる。センサは、例えば供給ラインの形態で共通の供給部に並列に接続される。あるいは、グループのセンサは、デイジーチェーンの方式で接続することができ、特に、制御ユニットに接続することができる。
【0028】
例えば、供給ラインは、データラインのうちの1つに平行に敷設され、したがって同時に敷設されてもよく、それにより両方のラインが一緒に配線される。あるいは、供給ラインとデータラインの両方として使用される1つのラインのみが敷設されてもよく、すなわち、センサおよび制御ユニットは共通のラインを介して通信し、制御ユニットは共通のラインを介してセンサに供給を行う。供給ラインは、通常の方式で2つの電位、典型的には供給電圧および接地を備え、これらは1つまたは複数の個々の電気ケーブルを介して提供される。このような様々なバスシステムが知られており、供給ラインおよびデータラインの一体的な構成が、例えばDSI3またはUSV11で実施される。
【0029】
共通の供給部は、電気エネルギーをすべての接続されたセンサに提供する。制御ユニットによって動力供給が行われる場合、電力が制御ユニットによって供給される。例えば、制御ユニットは、供給ラインを介してすべてのグループに対して電気エネルギーを提供する内部または外部供給回路を有する。車両では、典型的には12ボルトの車載車両電圧から所望の供給電圧、特に電圧上昇(ブースト)への電圧変換を実行することが可能である。
【0030】
センサ信号は、グループのそれぞれのグループ送信フェーズにおいてグループごとに放出され、グループ送信フェーズにおいて、これらのセンサは、典型的には、密接な時間的関係で、特に同時にそれらのセンサ信号を放出し、そして同時にまたは密接な時間的関係で同様にエコー信号を受信する。エコー信号は、車両の環境内の物体におけるセンサ信号の反射に基づいているので、物体までの距離は、センサ信号の放出と物体におけるセンサ信号のエコーの受信との間の時間差から決定することができる。したがって、エコー信号は、受信エコーの時間的定義と、エコーに属する物体の距離の定義の両方を指定する。
【0031】
典型的には、すべてのグループのセンサがそれらのセンサ信号を放出し、エコー信号を受信し、それらを制御ユニットに送信する繰り返しサイクルが形成される。したがって、センサは、繰り返しセンサ信号を放出してエコー信号を受信することができる。センサ信号が各グループ内で同時にまたはほぼ同時に放出されると、高いサイクル繰り返し率を達成し、車両環境の連続的かつほぼ即時の記録を確実にすることができる。
【0032】
受信エコー信号は、特にそれぞれのサイクル内で、一緒にセンサから制御ユニットに送信され、例えば、個々のセンサから制御ユニットへのエコー信号の時間遅延送信は、サイクル内で実行することができる。原則として、受信エコー信号は、サイクルを短く保つために、各場合においてセンサ信号の放出に続くサイクルでセンサから制御ユニットに送信されることが可能である。同様に、前のサイクルからのエコー信号が対応するセンサから制御ユニットに送信されている間に、現在のサイクルからのエコー信号を受信することができる。原則として、1つのサイクルからのエコー信号は、次の続くサイクル以降にも制御ユニットに送信することができる。
【0033】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、少なくとも1つのグループのセンサがそれらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出する、センサを使用したセンサ信号の放出は、少なくとも1つのグループのセンサから少なくとも2つの異なるセンサ信号を放出するステップを備え、センサ信号の反射に基づくエコー信号の受信は、少なくとも2つの異なるセンサ信号の反射に基づく少なくとも2つの異なるエコー信号を受信するステップを備え、少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、少なくとも2つの異なる受信エコー信号の比較に基づく。異なるセンサ信号は、本質的に同一のセンサによって放出されるが、特にセンサ信号の周波数に関して少なくとも1つの異なる特徴を有する。例えば、超音波センサが使用される場合、異なる超音波周波数を有するセンサ信号を使用することができる。1つのタイプのセンサ信号のみを各それぞれのグループのセンサによって放出することができ、またはそれぞれのグループのセンサの少なくともいくつかは、規則的またはランダムなシーケンスで異なるセンサ信号を放出する。例えば、現在の超音波センサは、約45kHz~60kHzの範囲の異なる周波数で動作することができる。特に、リップル電流からの干渉効果は、対応するエコー信号の受信に不均一な影響を及ぼすことが多い。したがって、干渉は、例えば、エコー信号の1つの周波数に対してのみ発生するという事実から識別することができる。したがって、干渉は、少なくとも2つの異なるエコー信号内の異なるエコーに本質的に基づいて識別される。これは、特に、異なるエコー信号を受信したセンサの空間的近接性に基づいて、異なるセンサ信号の各々について同じエコーが実物体から予想される場合に当てはまる。複数の異なるエコー信号を考慮した場合であっても、対応する差分を識別して干渉を検出することが可能である。これは、レーダセンサについても同様である。
【0034】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、少なくとも1つのグループのセンサを用いた少なくとも2つの異なるセンサ信号の放出は、少なくとも1つのグループの異なるセンサを用いて少なくとも2つの異なるセンサ信号を放出するステップを備える。例えば、供給ラインに沿ったそれらの配置に従って、それぞれのグループの超音波センサから異なるセンサ信号を交互に放出することができる。これにより、エコー信号を異なるセンサ信号に割り当てることができる場合、異なるエコー信号に基づいて環境を確実に監視することが可能になる。異なるセンサ信号によるエコー信号の相互干渉は、低減される。
【0035】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、少なくとも2つの異なるセンサ信号の反射に基づく少なくとも2つの異なるエコー信号の受信は、少なくとも1つのグループのセンサのうちの少なくとも1つを用いて少なくとも2つの異なるエコー信号を受信するステップを備える。異なるタイプのエコー信号が1つのセンサで受信されると、対応するセンサの場所に対して異なるセンサ記録を行うことができる。これは、エコー信号が干渉であるかどうか、またはそれに含まれるエコーが実物体に属するかどうかを決定する信頼できる方法を提供する。異なるセンサ信号の放出は、典型的には、複数のセンサにより、特に隣接するセンサにより、特に供給ラインに沿って達成される。異なるエコー信号が1つのセンサで受信される場合、特に、1つのタイプのエコー信号のみについて発生するエコーは、実物体がそれぞれのセンサの場所に対して異なるセンサ信号の各々について対応するエコーを生成するはずであるため、干渉として識別することができる。
【0036】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、グループの受信エコー信号における干渉は、少なくとも1つのグループの2つの異なるセンサ、特に、異なる配置を有する2つのセンサからの少なくとも2つの受信エコー信号の比較に基づいて識別される。グループの共通の供給部における干渉は、同様にグループ内のすべてのセンサに影響を及ぼすため、偽エコーによって引き起こされる供給部における干渉がグループ内のすべてのセンサにおいて顕著である。偽エコーは、時間および振幅に関して非常に類似しているか、または同一でさえある。したがって、干渉は、すべてのセンサの受信エコー信号で検出することができ、原則として、受信エコー信号の部分的な検査のみで干渉を検出するのに十分であり得る。好ましくは、センサの異なる配置は、対応するセンサグループの最初と最後の配置に関連するものであり、すなわち、最も離れているセンサは干渉を識別するために検査されるが、これは、これらのセンサでは実物体からの同時エコーの確率が特に低いためである。したがって、干渉を特に確実に識別することが可能である。
【0037】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、方法は、少なくとも1つのグループの受信エコー信号、特に少なくとも1つのグループのすべての受信エコー信号において識別された干渉をマスキングするステップを備える。干渉のマスキングにより、車両の環境内の物体の検出におけるフォールスポジティブを確実に回避することが可能になる。対応するグループ内のすべてのセンサから受信されたエコー信号における干渉をマスキングするために、受信されたエコー信号の一部においてのみ干渉が識別されれば十分である。干渉のマスキングは、同期して、すなわち、同じサイクルで制御ユニットに送信されるエコー信号に直接影響を及ぼす。エコー信号の受信、および制御ユニットへの受信エコー信号の送信は、異なるサイクルで行うことができる。
【0038】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法のさらなる有利な実施形態では、少なくとも1つのグループの受信エコー信号において識別された干渉のマスキングは、グループのさらなるエコー信号を受信するときに識別された干渉をマスキングするステップを備える。さらなるエコー信号は、後の時間に、例えばその後のサイクルでセンサから制御ユニットに送信される。したがって、さらなるエコー信号は、後の時間に受信されるエコー信号に関連する。周期的な干渉信号の場合、マスキングは、現在受信されているエコー信号以外の信号、すなわち、将来のサイクルにも適用することができる。「さらなるエコー信号を受信するとき」という表現は、現在受信されているエコー信号における干渉が最初に識別されないが、以前に識別された干渉に基づいてグループのその後に受信されるエコー信号にもマスキングが適用されることを意味する。マスキングは、好ましくは、制御ユニット内で実行され、マスキングは、エコー信号の受信直後に、またはエコー信号の処理中の後の時間に行うことができる。
【0039】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、センサ装置の複数のセンサは、少なくとも2つのグループに配置され、各グループのセンサは、それらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出し、少なくとも2つのグループのグループ送信フェーズは、時間的にオフセットされ、少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、他のグループのグループ送信フェーズの時間的オフセットを考慮して、対応するグループからの少なくとも2つの受信エコー信号の比較に基づく。例えば、時間的オフセットは、異なるグループのそれぞれのグループ送信フェーズの開始に関連する。個々のグループ送信フェーズ間の時間的オフセットは、例えば異なるグループに対して異なり得る。原則として、時間的オフセットは、異なるサイクルでも異なり得る。時間的オフセットは、異なるグループのグループ送信フェーズが重複しないように選択することができる。この場合、グループ送信フェーズは、各々が対になった不連続な時間間隔である。個々のグループ送信フェーズの持続時間は、異なるグループごとに異なり得る。異なるグループのグループ送信フェーズの持続時間は、原則として、異なるサイクルでも異なり得る。この方法は、好ましくは異なるグループについて繰り返し実行される。これはまた、他のグループのセンサによる活動、特に、センサ信号の送信に基づいてセンサグループの各々に対して干渉をもたらし得る。受信エコー信号における干渉もまた、センサグループの各々について識別することができる。したがって、時間的オフセットが既知である場合、受信エコー信号における干渉効果を具体的に検索してそれらを識別することが可能である。よって、時間的オフセットは、複数のセンサグループの共通の供給部に基づいて干渉が発生し得る時間を示す。好ましくは、対応するグループ送信フェーズの既知の持続時間と共に、これらの干渉効果が発生し得る時間間隔が定義される。信号パルスを放出するために、センサは、典型的には、特に大量のエネルギーを必要とし、対応するグループのグループ送信フェーズにおける信号パルスの放出は、短時間で提供される大量の電力を必要とする。これは、他のグループのグループ送信フェーズ中、それぞれのグループの受信エコー信号における干渉の増加につながる可能性がある。信号パルスが放出された後、センサはエコー信号を受信し、これにより通常、必要な提供される電力が少なくて済み、干渉が発生する可能性を低減する。
【0040】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、方法は、2つのサイクル間で少なくとも2つのグループのグループ送信フェーズ間の時間的オフセットを変化させ、対応するグループのセンサ信号を放出するステップを備える。少なくとも2つのグループのグループ送信フェーズ間の時間的オフセットを変更すると、干渉効果が発生し得る時間ウィンドウもシフトする。結果として、例えば、受信エコー信号における干渉をマスキングするとき、1つの領域をマスキングすることができ、その後のエンベロープにおいて、別の領域をマスキングすることができる。したがって、時間的オフセットにおける適切な変化が与えられると、受信された2つの時間的にオフセットされたエコー信号に基づいて環境を完全に捕捉することができる。よって、受信エコー信号における特定の領域の永続的なマスキングは、時間オフセットに従ってマスキングを変化させることによって回避することができる。特に、車両の環境におけるダイナミクスが低い場合、すなわち、車両の環境における車両に対する物体の移動が遅い場合には、周期的に発生する干渉信号の場合であっても、マスキングにかかわらずセンサにより環境を非常に確実かつ完全に捕捉することが可能である。
【0041】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる修正された時間的オフセットを伴う受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを備える。これは、干渉を識別するために、2つ以上のサイクルから受信されたエコー信号が検査されることを意味する。対応するグループ送信フェーズに関して本質的に静的である受信エコー信号における物体のエコーの繰り返しは、干渉を示すことができる。これは、特に車両の環境における高いダイナミクス、すなわち、車両の環境における車両に対する物体の急速な移動の場合、繰り返されるエコーが干渉信号として確実に識別され得ることを意味する。
【0042】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、各グループのセンサのそれぞれのグループ送信フェーズにおける当該センサを使用したセンサ信号の放出は、少なくとも2つのサブグループにおける各グループのセンサからのセンサ信号を、少なくとも2つのサブグループのセンサ信号の放出の間の時間間隔を伴って放出するステップを備え、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、時間間隔を伴う少なくとも2つの受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを備える。センサ信号は、通常、対応するグループ送信フェーズが可能な限り短くなるように、短い時間間隔で少なくとも2つのサブグループのセンサによって放出される。好ましくは、時間間隔は、センサ信号の放出の持続時間の大きさのオーダーである。例えば、時間間隔は、数ミリ秒、例えば3ミリ秒以上とすることができ、例示的なセンサ信号は、約2.5ミリ秒の持続時間を有する。一方、少なくとも2つのサブグループの使用は、対応するセンサグループについての最大必要電力を低減することができ、それによってリップル電流の発生のリスクを低減することが可能である。一方、時間間隔を伴って少なくとも2つのサブグループにおいてセンサ信号が放出されると、結果として生じる干渉信号は受信エコー信号における特徴的なエコーを示し、これは、干渉としてそれらを識別するために容易かつ確実に検出することができる。時間間隔は、例えば、サブグループのセンサ信号の送信の開始に関連する。少なくとも2つのサブグループのセンサのセンサ信号の放出は、原則として時間的に重複する可能性がある。しかし、対応するグループのセンサとのセンサ信号の重複放出による電力ピークを回避するために、重複がないことが好ましい。好ましくは、内側および外側センサは各々、サブグループ、すなわち、通常は対応して車両にも位置決めされる供給ラインの最初と最後におけるセンサを形成する。
【0043】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる時間的オフセットを伴う少なくとも2つの受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを備える。時間間隔を伴って少なくとも2つのサブグループにおいてセンサ信号を放出することによって、受信エコー信号における物体の繰り返しの特徴的なエコーは、特に確実に識別することができる繰り返される干渉を示すことができる。干渉の識別は、受信エコー信号における特徴的なエコーによって容易になる。
【0044】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、少なくとも2つのサブグループのセンサ信号の放出の間の時間間隔を伴う少なくとも2つのサブグループにおける各グループのセンサからのセンサ信号の放出は、それらのそれぞれのグループ送信フェーズで放出するために2つのサイクル間の時間間隔を修正するステップを備え、対応するグループのセンサ信号を放出するステップを備え、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる修正された時間間隔を伴う受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを備える。時間間隔を変化させることによって、干渉信号は、干渉がまた時間間隔の変化と共に変化するので、少なくとも2つのサイクルにわたって特に確実に識別され得る。一方、実物体は、時間間隔が変化しても受信エコー信号におけるそのエコーの形状を変化させないため、干渉を確実に識別することが可能である。したがって、干渉は、第1にその形状によって、第2に時間間隔の変化に対応する変化によって認識することができる。
【0045】
少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、センサ信号の反射に基づくエコー信号の受信は、受信エコー信号を伴うエンベロープを受信するステップを備え、センサから制御ユニットへの受信エコー信号の送信は、受信エコー信号を伴うエンベロープを送信するステップを備え、少なくとも1つのグループの受信エコー信号における干渉の識別は、少なくとも2つのエンベロープと対応するグループのそれぞれ受信されたエコー信号の比較に基づく。したがって、受信エコー信号は、それらのエンベロープを備えてセンサから制御ユニットに送信される。エンベロープ曲線は、例えば、センサ信号の放出から開始して、または指定された時間間隔の後に生成される。エンベロープの終わりは、センサ信号の反射を受信するための受信時間の終わりからもたらされる。エンベロープ曲線は、エンベロープを共に定義する複数の個々の点を有する連続的なまたは離散的なエンベロープとすることができる。受信エコー信号を含むエンベロープの送信については、受信エコー信号の送信に関する上記の記述が準用される。
【0046】
少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、方法は、2つのサイクル間で少なくとも2つのグループのグループ送信フェーズ間の時間的オフセットを変化させ、少なくとも2つのグループのセンサ信号を放出するステップを備える。少なくとも2つのグループのグループ送信フェーズ間の時間的オフセットを変化させると、干渉効果も時間的に修正されて発生する。結果として、例えば、受信エコー信号における干渉をマスキングするとき、1つの領域をマスキングすることができ、その後のエンベロープにおいて、別の領域をマスキングすることができる。したがって、時間的オフセットにおける適切な変化が与えられると、受信された2つの時間的にオフセットされたエコー信号に基づいて環境を完全に捕捉することができる。よって、受信エコー信号における特定の領域の永続的なマスキングは、時間オフセットに従ってマスキングを変化させることによって回避することができる。特に、車両の環境におけるダイナミクスが低い場合、すなわち、車両の環境における車両に対する物体の移動が遅い場合には、周期的に発生する干渉信号の場合であっても、マスキングにかかわらずセンサにより環境を非常に確実かつ完全に捕捉することが可能である。
【0047】
少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、グループ送信フェーズの時間的オフセット、および他のグループのグループ送信フェーズの持続時間に基づく、各グループの受信エコー信号における干渉の識別は、対応するグループの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づいて各グループの受信エコー信号における干渉を識別するステップを備える。これは、グループ送信フェーズの時間的オフセットおよび持続時間が、干渉信号が対応するグループの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づいて識別される時間ウィンドウまたは時間間隔を指定することを意味する。これにより、最初に時間ウィンドウによって干渉の発生を制限し、次いで対象の方式でこの時間ウィンドウにおける干渉を識別することによって、干渉信号の正確な識別が可能になる。この時間ウィンドウの外側の領域は干渉について検査される必要がなく、これはまた、方法を非常に効率的に実施することを可能にする。エコー信号に関しては、少なくとも1つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法に関する上記の記述が参照される。
【0048】
少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、対応するグループからの受信エコー信号のうちの少なくとも2つの比較に基づく各グループの受信エコー信号における干渉の識別は、少なくとも2つのサイクルにわたる修正された時間的オフセットを伴う各グループの受信エコー信号におけるエコーを識別するステップを備える。これは、干渉を識別するために、2つ以上のサイクルから受信されたエコー信号が検査されることを意味する。対応するグループ送信フェーズに関して本質的に静的である受信エコー信号における物体のエコーの繰り返しは、干渉を示すことができる。これは、特に車両の環境における高いダイナミクス、すなわち、車両の環境における車両に対する物体の急速な移動の場合、繰り返されるエコー、すなわち、本質的に静的なエコーが干渉信号として確実に識別され得ることを意味する。
【0049】
少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、方法は、少なくとも2つのグループの受信エコー信号、特に少なくとも2つのグループのすべての受信エコー信号において識別された干渉をマスキングするステップを備える。干渉のマスキングにより、車両の環境内の物体の検出におけるフォールスポジティブを確実に回避することが可能になる。干渉のマスキングは、同期して、すなわち、同じサイクルで制御ユニットに送信されるエコー信号に直接影響を及ぼす。エコー信号の受信、および制御ユニットへの受信エコー信号の送信は、異なるサイクルで行うことができる。加えて、少なくとも1つのグループの受信エコー信号において識別された干渉のマスキングは、グループのさらなるエコー信号を受信するときに識別された干渉をマスキングするステップを備えることができる。さらなるエコー信号は、後の時間に、例えばその後のサイクルでセンサから制御ユニットに送信される。したがって、さらなるエコー信号は、後の時間に受信されるエコー信号に関連する。周期的な干渉信号の場合、マスキングは、現在受信されているエコー信号以外の信号、すなわち、将来のサイクルにも適用することができる。「さらなるエコー信号を受信するとき」という表現は、現在受信されているエコー信号の各々における干渉が最初に識別されないが、以前に識別された干渉に基づいてグループのその後に受信されるエコー信号にもマスキングが適用されることを意味する。マスキングは、好ましくは、制御ユニット内で実行され、マスキングは、エコー信号の受信直後に、またはエコー信号の処理中の後の時間に行うことができる。
【0050】
少なくとも2つのグループに配置された複数のセンサを有するセンサ装置を動作させるための方法の有利な実施形態では、センサ信号の反射に基づくエコー信号の受信は、受信エコー信号を伴うエンベロープを受信するステップを備え、センサから制御ユニットへの受信エコー信号の送信は、受信エコー信号を伴うエンベロープを送信するステップを備える。したがって、受信エコー信号は、それらのエンベロープと共に全体としてセンサから制御ユニットに送信される。エンベロープ曲線は、例えば、センサ信号の放出から開始して、または指定された時間間隔の後に生成される。エンベロープの終わりは、センサ信号の反射を受信するための受信時間の終わりからもたらされる。エンベロープ曲線は、エンベロープを共同で定義する複数の個々の点を有する連続的なまたは離散的なエンベロープとすることができる。受信エコー信号を含むエンベロープの送信については、受信エコー信号の送信に関する上記の記述が準用される。
【0051】
本発明は、好ましい実施形態に基づいて添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。示された特徴は各々、個々におよび組み合わせて本発明の態様を表すことができる。異なる例示的な実施形態の特徴は、1つの例示的な実施形態から別の例示的な実施形態に移すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】第1の好ましい実施形態によるセンサ装置を有する運転支援システムを備えた車両の概略図である。
【
図2】供給ラインを介して互いに接続された制御ユニットおよびセンサグループを有する
図1のセンサ装置の一部の概略図である。
【
図3】干渉がない、センサ装置のセンサのうちの1つから供給ラインを介して制御ユニットに送信されるエコー信号のエンベロープ曲線の例示的な図である。
【
図4】干渉がある、センサ装置のセンサのうちの1つから供給ラインを介して制御ユニットに送信されるエコー信号のエンベロープ曲線の例示的な図である。
【
図5】第1の実施形態のセンサ装置を動作させるための第1の実施形態の方法のフローチャートである。
【
図6】第1または第2の実施形態のセンサ装置を動作させるための第3の実施形態の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、第1の好ましい実施形態による運転支援システムを有する車両10を示す。
【0054】
運転支援システムは、原則として、1つまたは複数の支援機能を有する任意の運転支援システムとすることができる。運転支援システムは、車両10の運転時に車両10の人間の運転者を支援する運転者支援システムとして、例えば、緊急ブレーキシステム、適応走行制御システム、駐車支援システムなどとして設計することができる。代替的または追加的に、運転支援システムは、車両10の自律運転または半自律運転に使用される機能を提供してもよい。
【0055】
運転支援システムは、センサ装置12を有する。センサ装置12は、制御ユニット14と、複数のセンサ16とを備える。制御ユニット14は、任意の計算ユニットである。車両10および運転支援システムの分野において、このような制御ユニット14は、例えば、ECU(電子制御ユニット)として知られている。
【0056】
複数のセンサ16は、車両10上で2つのグループ18、20に配置される。この例示的な実施形態では、センサ16は、超音波センサ16として構成される。ここでのすべてのセンサ16は、同様に設計される。センサ16を有する第1のグループ18は車両10の前部に沿って配置され、センサ16を有する第2のグループ20は車両10の後部に沿って配置される。2つのグループ18、20の各々は、一例として5つの個々のセンサ16と共に
図1に示されている。センサ16は、車両10の環境22内の物体を検出することによって、車両10の環境22の監視を実施する。
【0057】
2つのグループ18、20の各々のセンサ16は、各場合において2つの個々のワイヤ26、28によって形成される供給ライン24に並列に接続される。センサ16を有する2つのグループ18、20の各々は、別々の供給ライン24を介して制御ユニット14に接続される。両方のグループ18、20のセンサ16は、対応する供給ライン24を介して制御ユニット14から共通の電力供給を受け取る。
【0058】
供給ライン24は、ここではデータライン30として同時に使用され、すなわち、センサ16および制御ユニット14は、供給ライン24を介して通信する。このような様々なバスシステムが知られており、供給ライン24およびデータライン30の一体的な構成が、例えばDSI3またはUSV11で実施される。センサ装置12の抜粋が、供給ライン24およびデータライン30と共に
図2に詳細に示されている。データライン30を有する供給ライン24の代替の実施形態もまた、可能である。
【0059】
制御ユニット14は、車両10のバッテリ32に接続され、バッテリ32から、対応する供給ライン24を介して2つのグループ18、20のセンサ16に供給するための電気エネルギーを受け取る。
【0060】
第1の実施形態のセンサ装置12を動作させるための
図5に示す方法が、以下に説明される。記載された方法で指定されたステップの順序は、当業者には明らかなように、部分的に修正することができ、またはステップの一部は任意選択である。
【0061】
方法は、センサ16を使用してセンサ信号を放出するステップを伴うステップS100から始まる。超音波センサ16は、センサ信号として超音波パルスまたは超音波パルスシーケンスを放出する。各グループ18、20の超音波センサ16は、共通のグループ送信フェーズで同時にそれらのセンサ信号を放出する。このプロセスでは、各グループ18、20の超音波センサ16によって2つの異なるセンサ信号、すなわち、約45kHz~60kHzの超音波信号に対する周波数範囲において高い超音波周波数を有する超音波信号および低い超音波周波数を有する超音波信号が放出される。
【0062】
それぞれのグループ18、20の超音波センサ16は、供給ライン24に沿ったそれらの配置に従って交互に2つの異なるセンサ信号を放出する。
【0063】
ステップS110は、センサ信号の反射に基づくエコー信号の受信に関する。エコー信号は、ステップS100で放出されたセンサ信号の反射に基づいて受信される。したがって、2つの異なるセンサ信号の反射に基づく2つの異なるエコー信号が、グループ18、20の各々の超音波センサ16によって受信される。超音波センサ16の各々は、放出された超音波信号の両方の超音波周波数についてのエコー信号を同時に受信し、すなわち、各超音波センサ16は、2つの周波数チャネルで受信する。
【0064】
この場合、超音波センサ16は、受信エコー信号を伴うエンベロープ34、36を受信する。対応するエンベロープ34、36の例を、
図3および
図4に示す。
【0065】
センサ信号の反射は、車両10の環境22内の物体で発生するため、制御ユニット14では、物体までの距離は、センサ信号の放出とエコー信号の受信との間の時間差から決定することができる。
【0066】
ステップS120は、センサ16から制御ユニット14への受信エコー信号を伴うエンベロープ34、36の送信に関する。この例示的な実施形態における各エンベロープ34、36は、例として、センサ信号の放出からセンサ信号の反射を受信するための受信時間の終了までの完全な期間を備える。エンベロープ34、36は、エンベロープ34、36を共に定義する複数の個々の点を有する連続的なまたは離散的なエンベロープ34、36とすることができる。エンベロープ34、36は、センサ16から受信されたエコー信号を伴って一緒に制御ユニット14に送信され、個々のセンサ16からのエンベロープ34、36の送信は、時間シフトされる。加えて、エンベロープ34、36は、各場合においてセンサ信号の放出に続くサイクルでセンサ16から制御ユニット14に送信される。
【0067】
ステップS130は、対応するグループ18、20からの受信エコー信号のエンベロープ34、36の比較に基づいて各グループ18、20の受信エコー信号のエンベロープ34、36における干渉38を識別するステップに関する。
【0068】
最初に、干渉38は、各場合において同じ周波数チャネルについてのグループ18、20の複数のセンサ16のエンベロープ34、36の比較に基づいてグループ18、20の受信エコー信号のエンベロープ34、36において識別される。
図3から分かるように、図示のエンベロープ34は、干渉38を有さない。
図3のエンベロープ34は、車両10の環境22内の物体の複数のエコー40を含む。
【0069】
対照的に、
図4のエンベロープ36は、
図3にも示されているエコー40に加えて、同じ周波数チャネルについてのすべてのセンサ16のエンベロープ34、36に同様の方式で現れる干渉信号38を示しており、これは、検査されたエンベロープ34、36における干渉38が、対応する周波数チャネルについての時間または距離および振幅に関して同様または同一であることを意味する。したがって、干渉38がすべてのセンサ16に対して同じ周波数チャネルについて見ることができる場合、干渉38はこのように検出される。
【0070】
加えて、干渉38は、2つの異なるエコー信号に基づいて超音波センサ16の各々についてそれぞれの2つのエンベロープ34、36を比較することによって識別され、すなわち、2つの受信周波数チャネルのエンベロープ34、36がセンサ16の各々について互いに比較される。干渉38は、例えば、干渉38のタイプに応じて、周波数チャネルの一方のみで見ることができ、すなわち、周波数チャネルのエンベロープ34、36は、
図3に示すように、検出可能な干渉38がなく、他の周波数チャネルのエンベロープ34、36は、
図4に示すように、検出可能な干渉38を示す。干渉38は、一方の周波数チャネルが干渉38を示し、他方の周波数チャネルが干渉を示さないという事実によって識別される。
【0071】
ステップS140は、グループ18、20の各々の受信エコー信号のすべてのエンベロープ34、36において識別された干渉38をマスキングするステップを伴う。結果として、干渉38はエンベロープ34、36においてマスキングされ、その結果、車両10の環境22内で物体のフォールスポジティブ検出は発生しない。干渉38のタイプに応じて、マスキングは、一方の周波数チャネルのみまたは両方の周波数チャネルのエンベロープ34、36に影響を及ぼし得る。
【0072】
この例示的な実施形態では、方法はサイクルで繰り返し実行され、センサ16についてのサイクルは、ステップS100~S120を備える。一般的な形態における反復方法はまた、ステップS130およびS140を備える。
【0073】
以下の本文は、第1の実施形態のセンサ装置12および方法に基づく第2の実施形態を説明する。したがって、2つの実施形態の間の違いについて説明する。詳細に説明されていない第2の実施形態の特徴は、疑問がある場合、第1の実施形態の特徴に対応する。
【0074】
第2の実施形態の方法は、第2の実施形態のセンサ装置12を用いて実行され、第2の実施形態のセンサ装置12は、第1の実施形態のセンサ装置12と同じ構造を有する。
【0075】
第1の実施形態の方法とは対照的に、ステップS100は、センサ16を使用してセンサ信号を放出するステップを備え、各グループ18、20のセンサ16は、それらのそれぞれのグループ送信フェーズでそれらのセンサ信号を放出し、2つのグループ18、20のグループ送信フェーズは、時間的にオフセットされる。時間的オフセットは、異なるグループ18、20のグループ送信フェーズが重複しないように選択される。この場合、グループ送信フェーズは、不連続な時間間隔である。
【0076】
第1の実施形態の方法とは対照的に、ステップS130は、グループ送信フェーズの時間的オフセットを考慮して、それぞれのグループ18、20の受信エコー信号のエンベロープ34、36における干渉38の識別を備える。既知の時間的オフセットと、同様に知られている対応するグループ送信フェーズの持続時間に基づいて、干渉信号38、すなわち、それぞれの他のグループ18、20のエコー信号の放出によって引き起こされる干渉信号が供給部において発生し得る時間間隔が得られる。したがって、グループ18、20の受信エコー信号のエンベロープ34、36における干渉38の識別は、正確にこれらの時間範囲に対して行われる。その結果は、これらの干渉信号38が発生し得る時間間隔である。この時間間隔において、制御ユニット14は、センサ信号の送信中にエンベロープ34、36における供給に基づいて干渉信号38を具体的に検索してそれらを容易に識別する。
【0077】
この例示的な実施形態でも、方法はサイクルで繰り返し実行され、センサ16についてのサイクルは、ステップS100~S120を備える。2つのグループ18、20のサイクルは、時間的オフセットによって互いに対してオフセットされる。
【0078】
以下の本文は、第1の実施形態のセンサ装置12を動作させるための第3の実施形態による
図6に示す方法を説明する。記載された方法で指定されたステップの順序は、当業者には明らかなように、部分的に修正することができ、またはステップの一部は任意選択である。原則として、方法は、第2の実施形態のセンサ装置12を使用して同様に実行することもできる。
【0079】
第3の実施形態の方法は、第1の実施形態の方法に部分的に対応する。したがって、2つの実施形態の間の違いについて説明する。詳細に説明されていない第3の実施形態の特徴は、疑問がある場合、第1の実施形態の特徴に対応する。
【0080】
方法は、センサ16を使用してセンサ信号を放出するステップを伴うステップS200から始まる。ステップS200は、本質的に、第1の実施形態の方法のステップS100に対応する。
【0081】
ステップS210は、センサ信号の反射に基づくエコー信号の受信に関する。ステップS210は、第1の実施形態の方法のステップS110に対応する。
【0082】
ステップS220は、センサ16から制御ユニット14への受信エコー信号を伴うエンベロープ34、36の送信に関する。ステップS220は、第1の実施形態の方法のステップS120に対応する。
【0083】
ステップS230は、グループ送信フェーズの時間的オフセット、および少なくとも1つの他のグループ18、20のグループ送信フェーズの持続時間に基づいて各グループ18、20の受信されたエンベロープ34、36における干渉38を識別するステップに関する。第1のグループ18のグループ送信フェーズは、第2のグループ20のセンサ16のエンベロープ34、36における干渉として識別され、第2のグループ20のグループ送信フェーズは、第1のグループ18のセンサ16のエンベロープ34、36における干渉として識別される。干渉は、対応するグループ18、20のすべてのセンサ16について識別される。
【0084】
ステップS240は、グループ18、20の各々の受信エコー信号のすべてのエンベロープ34、36において識別された干渉38をマスキングするステップを伴う。ステップS240は、第1の実施形態の方法のステップS140に対応する。
【0085】
ステップS250は、2つのグループ18、20のセンサ信号を放出するための2つのサイクル間の2つのグループ18、20のグループ送信フェーズ間の時間的オフセットを修正するステップに関する。
【0086】
第3の実施形態の方法は、ここではサイクルで繰り返し実行され、センサ16についてのサイクルは、ステップS200~S220を備える。一般的な形態における反復方法は、ステップS230~S250をさらに備える。
【符号の説明】
【0087】
10 車両
12 センサ装置
14 制御ユニット
16 センサ、超音波センサ
18 第1のグループ
20 第2のグループ
22 環境
24 供給ライン
26 ワイヤ
28 ワイヤ
30 データライン
32 バッテリ
34 干渉なしのエンベロープ、チャネル1
36 干渉ありのエンベロープ、チャネル2
38 干渉
40 エコー