(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20241211BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20241211BHJP
A61N 1/26 20060101ALI20241211BHJP
【FI】
A61H7/00 322B
A61H7/00 322J
A61H23/02 330
A61H23/02 352
A61N1/26
(21)【出願番号】P 2023577119
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(86)【国際出願番号】 KR2022010598
(87)【国際公開番号】W WO2023003347
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0096846
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0098055
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0098101
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523465861
【氏名又は名称】ケアメディ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CAREMEDI CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソクウォン
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-041383(JP,A)
【文献】特開2012-29810(JP,A)
【文献】特開2013-220275(JP,A)
【文献】特開2001-293020(JP,A)
【文献】特開2005-237722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 15/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床置きの板材形状のベース板及び該ベース板の上部に前後摺動移動可能に備えられるものであって、
身体の大腿部が収容される上面が解放された上肢ホルダー及び該上肢ホルダーの一側に間隔をおいて配置され、相対変位を有するものであり、ふくらはぎが収容される上面が解放された下肢ホルダーからなる本体と、
前記上、下肢ホルダーの各内部に備えられ、大腿部とふくらはぎをそれぞれ包み込むものであって、第1空気ポンプから空気圧を受けて膨張する上、下肢エアセル及び該上、下肢エアセルにそれぞれ管路で連結され、選択的に空気を排気させる第1ソレノイドバルブ及び上記各上、下肢エアセルの外面に備えられ、身体の形状に応じて流動して密着接触するものであって、内部には液状、ゲル、又は粒状態の流動物質が30~90%充填された上、下肢密着パッドからなるカフと、前記上、下肢ホルダーの間に配置され、両端がそれぞれ上、下肢ホルダーに連結されたものであって、管路で連結された第2空気ポンプから空気圧の供給を受けて膨張し、上、下肢ホルダーを互いに離隔して変位させる伸縮エアセル及び前記伸縮エアセルに管路で連結され、選択的に空気を排気する第2ソレノイドバルブ及び前記上、下肢ホルダーの間に配置され、互いに近接して弾性力が作用する復帰ばねからなるストレッチモジュールと、
前記上、下肢ホルダーの間に備えられたものであって、垂直する方向に弾性支持力が作用する昇降ばね及び該昇降ばねの上部に備えられたものであって、内部には流動物質が充填された膝窩密着パッド及び該膝窩密着パッドの上面の一側に備えられ、身体の膝窩部位に接触して振動、電気、叩く刺激のいずれかを加える刺激発生部及び該刺激発生部の一側に備えられたものであって、皮膚に接触した際、これを感知する静電式タッチセンサからなる膝窩刺激モジュールと、
前記第1、2ソレノイドバルブの管路上に設けられ、前記上、下肢エアセル及び伸縮エアセルの内部空気圧を測定する第1、2空気圧センサ及び前記静電式タッチセンサと第1、2空気圧センサに回路連結され、感知情報の印加を受けて、前記第1、2空気圧ポンプと、第1、2ソレノイドバルブに動作を制御するための信号を印加するコントローラと、からなることをその特徴とする、
膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置。
【請求項2】
前記刺激発生部は、振動刺激を加える振動モータ、低周波電気刺激を加える低周波電極、又は反復打撃による叩く刺激を加えるソレノイドアクチュエータのいずれか1つ又は1つ以上から構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記静電式タッチセンサから感知信号の印加を受け、上、下肢エアセルを膨張させ、使用者の大腿部とふくらはぎが拘束固定されるようにする制御要素であって、
前記第1ソレノイドバルブに制御信号を印加し、上、下肢エアセルに空気が充填されるようにし、前記第1空気圧センサを介して感知された空気圧力値が既設定値に到達するまで供給されるように制御する固定制御部と、前記固定制御部による上、下肢エアセルの膨張が完了すると、前記第2空気ポンプに制御信号を印加し、伸縮エアセルを膨張させ、上、下肢ホルダーを互いに離隔されるようにし、牽引力が作用するようにする制御要素であって、前記第2空気ポンプに制御信号を印加し、伸縮エアセルに空気が充填されるようにし、前記第2空気圧センサを介して感知された空気圧力値が既設定値に到達するまで供給制御する牽引制御部と、前記牽引制御部による牽引動作が完了すると、前記刺激発生部に電源を印加し、膝窩部位に対して刺激が作用するように制御する膝窩刺激制御部と、を含んで構成されたことを特徴とする、
請求項1に記載の膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置。
【請求項4】
前記コントローラは、時間を測定するタイマーを備え、前記第2空気圧センサに連結され、前記伸縮エアセルに対する空気供給が完了すると、前記伸縮エアセル内の空気を50~90%排気させ、前記上、下肢ホルダーが互いに近接して離隔されるように前記第2ソレノイドバルブに制御信号を印加し、次いで前記伸縮エアセルに空気を既設定値に達するまで再注入し、前記上、下肢ホルダーが互いに離隔する方向に変位されるように前記第2空気ポンプに制御信号を印加し、前記伸縮エアセルの膨張と収縮を予め設定された回数だけ反復動作するように制御する反復牽引制御部を含んで構成されたことを特徴とする、
請求項2に記載の膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置。
【請求項5】
前記本体の一側には、使用者の体温を感知する体温感知センサが備えられ、この体温感知センサで測定された体温は、コントローラに印加されるように回路連結された構成を特徴とする、
請求項1に記載の膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置。
【請求項6】
前記本体の一側には、使用者の血圧を感知する血圧感知センサが備えられ、この血圧感知センサで測定された血圧は、コントローラに印加されるように回路連結された構成を特徴とする、
請求項1に記載の膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置に関するものであって、人体の大腿部、ふくらはぎ、及び膝関節周辺部位に対する牽引力によるストレッチ効果を付与すると同時に、膝窩部位に対する温熱作用とともに振動刺激、低周波刺激、又は叩き刺激などを加え、成長期の青少年の膝関節に連携した筋肉、靭帯、及び成長板を刺激する。
【0002】
併せて、膝関節周辺の筋肉を弛緩させて、成長に役立つようにし、特に大腿部とふくらはぎの形に合わせ広い面積で密着した状態で、牽引力が作用するにした膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
最近、運動不足と、座って生活する時間が増加するにつれて成長期の子供や青少年の場合においても筋骨格系の異常発育や成長遅延などの問題が深刻に浮かび上がっている。これを予防するための最善の方法として、適切な運動とストレッチを通じて関節や筋骨格系周囲の筋肉を補強させ、自己治癒力によって治療することである。
【0004】
なお、成長板は、長管骨(腕や脚などの骨)の長さの成長が行われる部分であって、骨の両端に位置し、骨と骨の間に軟骨組織が挟まれた形になっている。胎児のときは、長管骨がいずれも軟骨からなっており、成長とともに軟骨の真ん中の部分が骨に置き換わりながら骨化が両端に徐々に広がっていくが、この部分を一次骨化中心と呼ぶ。
【0005】
このように成長板に位置する軟骨細胞が活発な細胞分裂をすると同時に、骨の中央と両端から軟骨が骨に徐々に置き換わってその間に残った軟骨部分が成長板となり、その後、思春期が過ぎると成長板も全部骨に置き換わって長さの成長が終わる。
【0006】
このような成長板に位置する軟骨細胞の細胞分裂に影響を及ぼす因子には、遺伝的素因、栄養分、ホルモン、運動、機械的刺激などがあり、その中でも特に後天的影響因子による成長の程度が70%以上左右されることが分かった。したがって、胎児が青年期へと成長するにつれて、十分な栄養の供給、適度な運動、及び機械的な刺激を提供することが重要である。
【0007】
そのため、伸長成長に深く関わっている脚の骨の成長板を刺激するための多様な運動方法とストレッチ効果を与えることができる指圧、マッサージを受ける方法が提案されている。
【0008】
しかし、従来の運動方法は、規則的な運動量と時間を要するため、学業に追われる子供や青少年の場合、実行が難しいという欠点がある。指圧マッサージの場合は、治療を受ける本人が自分で施術するのは大抵は不可能であり、他人に助けてもらうのは不便であるばかりでなく、人の力に依存して実施されることから、その効果が一定でない問題点があった。
【0009】
このような問題点を改善すべく、従来は本人自ら指圧、マッサージができるような多様な形態の指圧、マッサージ機が開発されて使用されていた。また、駆動源を用いて指圧球を振動させる振動マッサージ機と、空気の圧力を利用した空気圧マッサージ機が主流をなしていた。
【0010】
従来技術による振動マッサージ機は、振動モータやソレノイドのような駆動源を用いて指圧球を振動させる方式であって、このような振動方式の指圧器は、ほとんどは身体の一部分を反復的に打撃(叩く)する方式であるため、指圧効果が低いだけでなく、打撃による二次痛を引き起こす欠点があった。
【0011】
また、指圧球の振動が身体にしっかり伝達されるようにするためには、指圧球を身体部位に一定の力で押し付けなければならないところ、使用において使い勝手が悪いだけでなく、力が入るため持続的な使用が難しい問題があった。
【0012】
その反面、前記空気圧マッサージ機は、ポンプで生成された圧縮空気を使用者の身体の一部を包み込むように構成されたカフに反復的に空気圧が作用する方式であって、大抵は身体の腕、脚、又は腰などの身体部分を包むようになっているカフに空気を注入し、排出させることによって、身体の一部に反復的な圧力が加わるような構成となっているため、人体の一部を局部加圧すること以外は、ストレッチによる効果が期待できない問題点があった。
【0013】
従来技術として、大韓民国登録特許第10-1950148号に開示された「成長発育を促進する成長板の刺激マッサージ提供装置」が提案されことがあるが、その構造が複雑でかさばるため、設置スペースと使用スペースに制約があるという短所があった。
【0014】
特に、上部エアセル、中部エアセル、及び下肢エアセルからなる脚マッサージ部は、単純にふくらはぎに対してマッサージを行うものであって、伸長成長のための膝関節周辺に対する効果的なストレッチ効果は期待できない短所があった。
【0015】
他の従来技術として、大韓民国登録特許公報第10-2178061号を通じて「成長期青少年の成長板の刺激とストレッチが可能なマッサージ装置」が提案されたことがあるが、利用者が着席した状態で使用する必要があることから、構造が複雑でかさばるため、設置スペースの制約が伴うだけでなく、経済的な製造が困難で価格が高価な短所があった。
【0016】
特に、使用者の脚を包み込むエアセルは、単純にエアを供給して膨張するポーチ形態で提供されるため、人体の屈曲形状に対応して密接に密着されない。そのため、局所的に過度に高圧力が加わることで痛みを引き起こしたり、危うく傷害を招くだけでなく、単純にエアセルの膨張と収縮作用による刺激と、センシング手段によって脚の長さを測定し、下部脚モジュールを延長させる構造であるため、膝関節周辺に分布した成長板に対して効果的な刺激を与えることが困難な問題点があった。
【0017】
一例として、人体の脚は、大腿部から足首に向かうにつれて徐々に細くなり、ふくらはぎの部分は筋肉によって部分的に凸状になっているが、従来技術によるエアセルは、脚を挿入する一字状のチューブ形態で提供されるか、脚の一部を載せられるように「U」字状の形態で提供される構造であるため、最終的には人体の脚の形状に沿って密接に密着されないことにより、エアセルの膨張時に大腿部やふくらはぎの上側部分には比較的高い膨張圧力が作用し、それぞれ下側部分には、低い圧力が作用することになり、正常なマッサージ機能の実現が困難であった。
【0018】
そればかりでなく、上部脚モジュールと下部脚モジュールが位置する各身体部位に対して均一な密着圧力が作用しないことによって、使用上の不便と痛みによる不満を招く問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために見出されたものであり、本発明の目的は、空気圧を用いて膝関節周辺部に対してマッサージ作用し、同時に膝を基準にして大腿部とふくらはぎを互いに離隔する方向に牽引させて、ストレッチによる筋肉と靭帯を弛緩させる。
【0020】
同時に、膝の後側に位置する膝窩部位に対して、振動モータを用いた局所的な振動刺激、低周波マッサージ機を用いた局所的な電気刺激、又はソレノイドアクチュエータを用いた反復打撃による叩き刺激のいずれか1つ又は2つ以上の刺激を加えることによって、使用者の膝関節周辺の筋肉と成長点に対して、効果的な刺激と弛緩を誘導し、成長に役立つ成長板の刺激運動装置を提供することにある。
【0021】
また、本発明は、使用者が上、下肢ホルダーに脚を載せることにより、使用者の大腿部とふくらはぎを拘束支持する上、下肢エアセルが膨張し、この上、下肢エアセルの内側に備えられた流動物質が満たされた上、下肢密着パッドは、身体に接触しながら身体の屈曲面に沿って適切に変形し、安定した密着状態が維持できる膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置又は膝部位の疾患を改善させることができる運動装置を提供することにある。
【0022】
また、本発明は、構造を簡素化し、スペースや使用場所を問わずいつでも使用することができるようにし、使用上の利便性と製品に対する消費者の満足度を高めることができる膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記した目的を実現するための本発明の好ましい実施例による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置は、床置きの板材形状のベース板及び該ベース板の上部に前後摺動移動可能に備えられるものであって、身体の大腿部が収容される上面が解放された上肢ホルダー及び該上肢ホルダーの一側に間隔をおいて配置され、相対変位を有するものであり、ふくらはぎが収容される上面が解放された下肢ホルダーからなる本体と、前記上、下肢ホルダーの各内部に備えられ、大腿部とふくらはぎをそれぞれ包み込むものであって、第1空気ポンプから空気圧を受けて膨張する上、下肢エアセル及び該上、下肢エアセルにそれぞれ管路で連結され、選択的に空気を排気させる第1ソレノイドバルブ及び上記各上、下肢エアセルの外面に備えられ、身体の形状に応じて流動して密着接触するものであって、内部には液状、ゲル、又は粒状態の流動物質が30~90%充填された上、下肢密着パッドからなるカフと、前記上、下肢ホルダーの間に配置され、両端がそれぞれ上、下肢ホルダーに連結されたものであって、管路で連結された第2空気ポンプから空気圧の供給を受けて膨張し、上、下肢ホルダーを互いに離隔して変位させる伸縮エアセル及び前記伸縮エアセルに管路で連結され、選択的に空気を排気する第2ソレノイドバルブ及び前記上、下肢ホルダーの間に配置され、互いに近接して弾性力が作用する復帰ばねからなるストレッチモジュールと、前記上、下肢ホルダーの間に備えられたものであって、垂直する方向に弾性支持力が作用する昇降ばね及び該昇降ばねの上部に備えられたものであって、内部には流動物質が充填された膝窩密着パッド及び該膝窩密着パッドの上面の一側に備えられ、身体の膝窩部位に接触して振動、電気、叩く刺激のいずれかを加える刺激発生部及び該刺激発生部の一側に備えられたものであって、皮膚に接触した際、これを感知する静電式タッチセンサからなる膝窩刺激モジュールと、前記第1、2ソレノイドバルブの管路上に設けられ、前記上、下肢エアセル及び伸縮エアセルの内部空気圧を測定する第1、2空気圧センサ及び前記静電式タッチセンサと第1、2空気圧センサに回路連結され、感知情報の印加を受けて、前記第1、2空気圧ポンプと、第1、2ソレノイドバルブに動作を制御するための信号を印加するコントローラと、からなることをその特徴とする。
【0024】
本発明の好ましい一特徴として、前記刺激発生部が、振動刺激を加える振動モータ、低周波電気刺激を加える低周波電極、又は反復打撃による叩く刺激を加えるソレノイドアクチュエータのいずれか1つ又は1つ以上から構成されたことにある。
【0025】
本発明の好ましい他の特徴として、前記コントローラが、前記静電式タッチセンサから感知信号の印加を受け、上、下肢エアセルを膨張させ、使用者の大腿部とふくらはぎが拘束固定されるようにする制御要素であって、前記第1ソレノイドバルブに制御信号を印加し、上、下肢エアセルに空気が充填されるようにし、前記第1空気圧センサを介して感知された空気圧力値が既設定値に到達するまで供給されるように制御する固定制御部と、前記固定制御部による上、下肢エアセルの膨張が完了すると、前記第2空気ポンプに制御信号を印加し、伸縮エアセルを膨張させ、上、下肢ホルダーを互いに離隔されるようにし、牽引力が作用するようにする制御要素であって、前記第2空気ポンプに制御信号を印加し、伸縮エアセルに空気が充填されるようにし、前記第2空気圧センサを介して感知された空気圧力値が既設定値に到達するまで供給制御する牽引制御部と、前記牽引制御部による牽引動作が完了すると、前記刺激発生部に電源を印加し、膝窩部位に対して刺激が作用するように制御する膝窩刺激制御部と、を含んで構成されたことにある。
【0026】
本発明のさらに好ましいまた他の特徴として、前記コントローラが、時間を測定するタイマーを備え、前記第2空気圧センサに連結され、前記伸縮エアセルに対する空気供給が完了すると、前記伸縮エアセル内の空気を50~90%排気させ、前記上、下肢ホルダーが互いに近接して離隔されるように前記第2ソレノイドバルブに制御信号を印加し、次いで前記伸縮エアセルに空気を既設定値に達するまで再注入し、前記上、下肢ホルダーが互いに離隔する方向に変位されるように前記第2空気ポンプに制御信号を印加し、前記伸縮エアセルの膨張と収縮を予め設定された回数だけ反復動作するように制御する反復牽引制御部から構成されたことにある。
【0027】
本発明の好ましいまた他の特徴として、前記本体の一側には、使用者の体温を感知する体温感知センサが備えられ、この体温感知センサで測定された体温は、コントローラに印加されるように回路連結される構成としたことにある。
【0028】
本発明の好ましいまた他の特徴として、前記本体の一側には、使用者の血圧を感知する血圧感知センサが備えられ、この血圧感知センサで測定された血圧は、コントローラに印加されるように回路連結される構成としたことにある。
【発明の効果】
【0029】
本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置は、使用者の大腿部とふくらはぎに対して流動物質が充填された上、下肢密着パッドが身体の屈曲面に沿って適切に移動しながら安定した密着状態が維持されるようになり、このような状態で、上、下肢ホルダーが互いに離隔する方向に移動する又は近接する方向に移動される動作を通じて膝関節に対するストレッチ効果を付与し、併せて膝の後側の膝窩部位に柔軟でかつ密着接触されるように配置された振動モータを用いた振動刺激、低周波電極を用いた電気刺激、又はソレノイドアクチュエータを用いた反復打撃による叩く刺激の少なくともいずれかからなる刺激発生部とともに遠赤外線LEDを用いた温熱作用による筋肉の弛緩と温熱効果を付与することができるため、成長期の子供や青少年の成長に役立つ利点がある。
【0030】
特に、本発明は、人体の屈曲に密接に流動変形する密着パッドを含む構成により、それぞれ異なる大きさや屈曲面を有する大腿部とふくらはぎに対しても均一で安定した密着状態を維持することができるため、使用上の満足度を高めることができる有用な効果が期待される。
【0031】
つまり、身体の大腿部やふくらはぎは、屈曲面を形成し、上部から下部に向かいながら脚の太さが全体的に減少する形態を有しているが、エアセルは膨張時にこのような脚(大腿部、ふくらはぎ)の形態に合わせて膨張するものではないので、結果的に身体の一部分に局所的な加圧力が作用し、このような状態で牽引力が作用する場合、使用者に極度の痛みや不快感を誘発されるが、本発明はエアセルの外側にゲル、液体、又は粒状の流動物質が満たされたシリコーンポーチからなる密着パッドを構成したものであるため、この密着パッドが身体に接触する過程で、内部の流動物質が身体の屈曲面に沿って移動することによって、結果的に身体の屈曲面に対応する形状を備えると同時に密着状態を維持するため、牽引動作時に局部の痛みや不快感を誘発しないのである。
【0032】
また、振動モータとの密着程度を安定的に提供することができることによって、正確な位置での振動刺激が可能であり、全体的な構造が簡素でコンパクト化が可能であることによって、移動が自由で、使用者が望む場所に備えられ、いつでも使用できるため、使用上の利便性が良好で製品に対する消費者の満足度を高めることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図2】
図1に示す膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置の構成を説明するための分解斜視図である。
【
図3】本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置の動作を説明するために概略的に示す平面図である。
【
図4】本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置の動作を説明するために概略的に示す平面図である。
【
図5】本発明の使用状態を説明するための図である。
【
図6】本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置の構成を説明するためのブロック図である。
【
図7】本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置におけるコントローラの制御構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施例に対する構成及び作用を詳細に説明する。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不要に不明瞭にする公知の機能、及び構成の具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にしないために省略する。
【0035】
本発明の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者にとって本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張する場合がある。
【0036】
図1は、本発明の実施例を説明するための斜視図である。
【0037】
図には、外体を形成するものであって、床置きのベース板11及びこのベース板11の上部に間隔をおいて前後摺動移動可能に備えられたものであって、上面が解放され、上側に身体の大腿部とふとももをそれぞれ収容するように提供される上肢ホルダー13及び下肢ホルダー15からなる本体10と、前記本体10を構成する上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の内側にそれぞれ設けられ、使用者の大腿部とふくらはぎを空気圧で拘束固定させるカフ30と、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の間に備えられ、互いに対応する方向に離隔又は近接移動させることによって、大腿部とふくらはぎを互いに反対方向に引っ張る牽引作用を行うストレッチモジュール50と、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15との間に設けられ、使用者の身体部分のうち膝の後側の膝窩部位に対する物理的な刺激や電気的な刺激を加える膝窩刺激モジュール70からなる膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置が示されている。
【0038】
図2は、
図1の構成を説明するための分解斜視図である。
【0039】
図には、外体を形成するものであって、上面に長手方向に複数のレール溝(符号なし)が形成されたベース板11と、このベース板11の上部に備えられ、前記レール溝(符号なし)に沿って前後摺動移動可能に備えられるものであって、使用者の大腿部を収容するように上面と前、後面が開放された形状を有する上肢ホルダー13及び該上肢ホルダー13の一側に相対変位を有するものであり、使用者のふくらはぎ部分を収容するように上面と前、後面が解放された形状を有する下肢ホルダー15からなる本体10が示されている。
【0040】
また、上肢ホルダー13と下肢ホルダー15には、それぞれ使用者の大腿部とふくらはぎ部分に対して、拘束固定力を作用させるためのカフ30が備えられ、前記上肢ホルダー13には前記上肢エアセル33と上肢密着パッド37が構成され、前記下肢ホルダー15には下肢エアセル35と下肢密着パッド39が構成され、前記上、下肢エアセル33、35は、第1空気ポンプ(図示しない)と第1ソレイドバルブ(図示しない)にそれぞれ管で連結され、空気圧を供給又は供給された空気が排気されるように構成され、前記上、下肢密着パッド37、39は内部に液体、粒、ゲルなどの流動性物質が30~90%充填されたシリコーンやウレタンのような柔軟で弾性を有するポーチ形態の部材で提供される構成が示されている。
【0041】
また、前記ベース板11の両側には、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15を互いに離隔する方向に押し出したり、又は近接する方向に復帰させることができるように配置される伸縮エアセル53、該伸縮エアセル53に空気を供給するための第2空気ポンプ51、及び前記伸縮エアセル53に充填された空気を排気させるための第2ソレイドバルブ52、並びに前記伸縮エアセル53の空気が排気させるとき、位置復帰するように、弾性支持力が作用する復帰ばね55からなるストレッチモジュール50が構成され、このようなストレッチモジュール50は、前記カフ30によって使用者の身体部位である大腿部とふくらはぎが完全に拘束固定された後に動作する構成が示されている。
【0042】
また、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15との間には、前記ベース板11の上部に固定設置されるものであって、使用者の膝窩部位に対する振動刺激、電気刺激、又は叩く刺激を加えるための膝窩刺激モジュール70が構成され、このときの前記膝窩刺激モジュール70は、垂直方向に弾性支持力が作用する昇降ばね71と、該昇降ばね71の上部に備えられ、内部にゲル、液体、又は粒状の流動性物質が充填された膝窩密着パッド73が構成され、前記膝窩密着パッド73の上部面には1つ又は複数の刺激発生部75と、身体との接触可否を感知するタッチセンサ77が備えられる構成が示されている。
【0043】
ここで、前記刺激発生部75は、使用者の膝窩部位に刺激を加える要素であって、本発明では、電源の供給を受けて振動を発生させる振動刺激用モータを使用する、電源の供給を受けて電気刺激を発生させる低周波電極を使用する、又は電源の供給を受けて膝窩部位に物理的な反復打撃による叩く刺激を加えるソレノイドアクチュエータを使用することができる。
【0044】
図3は、上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が近接移動した初期状態を示すものであり、
図4は上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が互いに離隔する方向に開いた状態、すなわち牽引状態を示すものである。
【0045】
図には外体を形成するものであって、図面を基準にして上下方向に摺動移動可能に備えられる上肢ホルダー13と下肢ホルダー15からなる本体10と、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の内側にそれぞれ備えられ、使用者の身体部位である大腿部とふくらはぎをそれぞれ拘束固定させるための上肢エアセル33と下肢エアセル35を備えたカフ30と、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の間に配置され、これらを互いに押し出して、相互反対方向に摺動移動させる、又は原位置に復帰させるための伸縮エアセル53と復帰ばね55からなるストレッチモジュール50、並びに使用者の膝の後側の部位である膝窩部位に対する振動刺激、電気刺激、又は叩く刺激を加えるための刺激発生部75とタッチセンサ77を備えた膝窩刺激モジュール70からなる膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置が示されている。
【0046】
ここで、前記刺激発生部75は、使用者の膝窩部位に対する刺激を加える要素であれば、公知の多様な技術が適用され得る。
【0047】
本発明では、好ましい実施例として、電源の供給を受けて振動を発生させることによって、振動刺激を加える振動刺激発生用モータ、電源の供給を受けて非常に低い電流で筋肉を刺激し、筋肉の収縮と緩和をスムーズに誘導する電気刺激を加える低周波電極、又は電源の供給を受けてコイルを中心に駆動するプランジャーを用いて反復的な打撃作用をして、膝窩部位に対する叩く作用をするソレノイドアクチュエータのいずれか1つ又は1つ以上を使用することができる。
【0048】
図5は、本発明の使用状態を説明するための図である。
【0049】
図には、使用者の大腿部とふくらはぎ部位に対する均一な密着を行うためのものであって、第1空気ポンプ31から空気の供給を受けて膨張する上、下肢エアセル33、35と、該上、下肢エアセル33、35の一側面に一体に備えられたものであり、内部にゲル、液体、粒などからなる流動性物質が30~90%充填されたシリコーンやウレタン素材からなるポーチやバッグなどからなる上、下肢密着パッド37、39からなるカフ30が示されている。
【0050】
このような本発明は、前記上、下肢密着パッド37、39の内部に充填された流動性物質により図示するように、身体の大腿部やふくらはぎの屈曲面形状に沿って、上、下肢密着パッド37、39が変形形態されるため、結果的に前記上、下肢エアセル33、35の膨張圧力は、前記上、下肢密着パッド37、39によって身体の接触部位全体に均一で安定した密着状態をなす。
【0051】
図6は、本発明の構成を説明するためのブロック図であり、
図7は、本発明におけるコントローラの制御構成を説明するためのブロック図である。
【0052】
図には、第1ソレイドバルブ32と第2ソレイドバルブ52の管路上に設けられ、前記上、下肢エアセル33、35と伸縮エアセル53の内部空気圧を測定する第1空気圧センサ91と第2空気圧センサ92、並びに第1空気圧センサ91と第2空気圧センサ92に回路連結され、感知情報の印加を受け、前記第1空気ポンプ31と第2空気ポンプ51、並びに第1ソレイドバルブ32と第2ソレイドバルブ52に動作制御するための信号を印加するコントローラ90の制御構成が示されている。
【0053】
本発明におけるコントローラ90は、タッチセンサ77の感知信号を基準として、上、下肢エアセル33、35に空気を供給制御するための固定制御部95と、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の間隔を広げるようにして、使用者の大腿部とふくらはぎを互いに反対方向に引っ張る牽引力が作用するようにして、ストレッチ効果を発生させるストレッチモジュール50を制御する牽引制御部96と、使用者の身体中の膝の後側の膝窩部位に対する振動刺激や電気刺激を加えるように、振動モータ、低周波電極、又はソレノイドアクチュエータに制御信号を印加する膝窩刺激制御部97と、前記伸縮エアセル53に対して空気注入と排気を反復し、ストレッチとマッサージ作用を付与する牽引制御部96からなる構成が示されている。
【0054】
上述した図面を参照して、本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置の構成を説明する。
【0055】
本発明は、大きく外体を形成するものであって、各種構成品と電装品が装着される空間を提供するものであり、使用者の身体中における大腿部tとふくらはぎcをそれぞれ収容するように、前、後面と上面が開放された形状を有する上、下肢ホルダー13、15を備えた本体10と、前記本体10に設けられるものであって、使用者の身体部位中における太ももと呼ばれる大腿部tと、ふくらはぎcに対して空気圧を用いて一時的に拘束固定させるカフ30と、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15間の間隔を空気圧と、復帰ばね55を用いて調節するストレッチモジュール50と、並びに前記使用者の身体部位中における膝の後側の膝窩部位に対して振動刺激や電気刺激を加える膝窩刺激モジュール70を最後に動作を制御するための制御要素であるコントローラ90から構成される。
【0056】
本体10は、床置き板材形状を有するベース板11と、このベース板11の上部に備えられ、前後方向に摺動移動可能に組み立てられる上肢ホルダー13と下肢ホルダー15から構成される。
【0057】
前記ベース板11は、合成樹脂材を射出成形した板材形状に提供されるものであって、下面には滑り止めのための摩擦材からなる滑り止めパッドや突起が備えられる構成であり、上部には長手方向に後述する上、下肢ホルダー13、15を前後方向に案内するためのレール溝(符号なし)が複数形成された構成である。
【0058】
前記上肢ホルダー13は、ベース板11の上部に着座し、レール溝に嵌合され、摺動移動可能なように対応するレール突起(符号なし)が形成された構成であり、使用者の身体部位中における大腿部tを収容できるように上面と前、後面が解放された形状で備えられる。
【0059】
前記下肢ホルダー15は、前記上肢ホルダー13の一側に間隔をおいて配置されるのと同様に、前記ベース板11のレール溝に摺動嵌合され、前後方向に変位可能に備えられ、使用者の身体部位中におけるふくらはぎcを収容できるように上面と前、後面が解放された形状に備えられる。
【0060】
このように、上、下肢ホルダー13、15は、後述するストレッチモジュール50によって互いに近接移動する又は逆方向に離隔して移動することによって、使用者の大腿部tとふくらはぎcに対する牽引力が作用する。
【0061】
カフ30は、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の各内部に備えられ、大腿部tとふくらはぎcをそれぞれ空気圧を用いて密着加圧し、拘束固定する要素であって、前記上肢ホルダー13の内側には上肢エアセル33と上肢密着パッド37とが備えられ、前記下肢ホルダー15の内側には下肢エアセル35と下肢密着パッド39が備えられる。
【0062】
前記上肢エアセル33は、第1空気ポンプ31と管路で連結され、空気圧の供給を受けて膨張する一種のエアバッグであって、前記上肢ホルダー13の内側面に接合固定されることができ、空気圧を供給する際、身体の大腿部tの後側と両側を包む形で膨張する。
【0063】
このような上肢エアセル33は、第1ソレイドバルブ32と管路で連結され、充填された空気圧を外部に排気させるように構成され、このときの前記第1ソレイドバルブ32は、後述するコントローラ90から制御信号の印加を受けて動作する構成であり、公知の技術によって実施されるものであるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
前記上肢密着パッド37は、前記上肢エアセル33の内側面に一体に備えられる密封された柔軟性と弾性を有するポーチ状の部材であり、内部には液状、ゲル、又は粒状態の流動物質が30~90%充填される。
【0065】
このような上肢密着パッド37は、外力が加わると内部の流動物質が容易に移動し、形態変位が起こりやすく、使用者の大腿部tが収容された状態で、前記上肢エアセル33の膨張時に前記大腿部tの屈曲面に沿って内部の流動物質が流動し、密着接触できるように変形される。
【0066】
すなわち、前記上肢エアセル33は、合成樹脂生地からなる管状で提供されることによって、空気圧によって膨張時、身体の屈曲面に応じて均一な加圧力を発生させることができない欠点がある。
【0067】
一例として、身体における大腿部は、膝のすぐ上部からお尻側に向かって厚みがだんだんと厚くなるが、通常のエアセルの場合、空気圧によって膨張が行われると、比較的膝のすぐ上部に比べて厚みが厚いお尻側に近い部分に、相対的により高い空気圧が作用することによって、局所の痛みと不快感を招き、このことは牽引作用の際、大腿部t全体に対して均一な密着状態での拘束固定が行われなくなる。
【0068】
したがって、本発明は、このような弊害を解消するために、前記上肢エアセル33の内側に上肢密着パッド37を備えており、このような上肢密着パッド37は内部の流動物質による形態の変形が自在である。
【0069】
よって、
図5に示すように、身体の屈曲部分を補償することができるものである。
【0070】
前記下肢エアセル35は、前記上肢エアセル33と同様に、第1空気ポンプ31及び第1ソレイドバルブ32と管路で連結され、空気圧の供給を受けて膨張したり、内部の空気を外部に排気するように構成され、前記下肢ホルダー15の内側面に接合固定され、空気圧の供給時に身体のふくらはぎcの後側と両側を包む形態で膨張する。
【0071】
前記下肢密着パッド39は、前記下肢エアセル35の内側面に一体に備えられた密封された袋状で提供され、好ましくはシリコーンやウレタンからなるポーチを用いることができる。
【0072】
このような下肢エアセル35は、内部に液状、ゲル、又は粒状態の流動物質が30~90%充填され、このような流動物質によって外力に対して容易に形態変形が起こるようになる。
【0073】
すなわち、身体の足首部位からふくらはぎに向かって厚みがだんだん厚くなるが、前記下肢エアセル35に空気圧が供給されると、前記下肢密着パッド39は、前記ふくらはぎ全体に均一に密着されながら、内部の流動物質が身体の屈曲面に沿って移動し、結果的に
図5に示すように、屈曲部分を補償して全体的に均一な密着接触をなす。
【0074】
ストレッチモジュール50は、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の間に配置され、互いに離隔する方向に押し出す又は近接して位置復帰させる要素であり、大きく伸縮エアセル53と復帰ばね55から構成される。
【0075】
前記伸縮エアセル53は、使用者の大腿部tとふくらはぎcを載せる空間と位置に干渉しない位置に複数設けられる構成であり、管路で連結された第2空気ポンプ51から空気圧の供給を受けて膨張し、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が互いに離隔するように摺動移動させる牽引要素である。
【0076】
このような伸縮エアセル53は、内部の充填空気を外部に排気させることができるように第2ソレイドバルブ52と管路で連結される構成であり、このときの前記第2ソレイドバルブ52は、後述するコントローラ90から制御信号の印加を受けてバルブ開閉動作を行い、これは公知の技術によって実施されても差し支えないので、詳細な説明は、省略する。
【0077】
前記復帰ばね55は、前記伸縮エアセル53と位置干渉しない位置に設けられ、前記伸縮エアセル53が膨張した状態で、第2ソレイドバルブ52によって内部の空気圧が排気されるとき、弾性収縮力を作用させることによって前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が近接移動可能にする要素である。
【0078】
このような復帰ばね55は、弾性収縮力を提供する特徴を有すれば、公知の多様な技術が適用され得、本発明では、好ましい実施例としてコイルばねの形態を提案した。
【0079】
膝窩刺激モジュール70は、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の間の空間に備えられたものであって、使用者が上肢ホルダー13と下肢ホルダー15に脚を載せたとき、膝窩が位置決めされる前記ベース板11の上部に配置され、垂直方向に弾性支持力が作用する昇降ばね71、この昇降ばね71の上部に備えられる膝窩密着パッド73、この膝窩密着パッド73の上部に提供される振動発生部75、及びタッチセンサ77から構成される。
【0080】
前記昇降ばね71は、図示するように、下部は、前記ベース板11に固定され、上部は垂直する上方向に備えられたものであって、このような昇降ばね71は、使用者が本体10に脚を載せたとき、膝窩部位に刺激発生部75により提供される振動モータ、低周波電極、又はソレノイドアクチュエータのいずれか1つとタッチセンサ77が接触されるように弾性支持する役割をする。
【0081】
前記膝窩密着パッド73は、前記昇降ばね71の上部に拡張された体積を有し、かつ内部には粒状、液状、ゲル等の流動性物質が充填されたものであって、外皮はシリコーンやウレタン等の柔軟で弾性のある素材が使用される。
【0082】
このような膝窩密着パッド73の内部には、外部から電源を供給され、発熱するヒータやLEDなどの温熱要素が備えられることも可能であろう。
【0083】
前記刺激発生部75は、使用者の膝の後側の部位である膝窩部位に対する刺激を加えるためのものであり、本発明では、振動モータ、低周波電極、ソレノイドアクチュエータのいずれか1つ又は1つ以上を組み合わせて使用することができる。
【0084】
一方、刺激発生部75よりに提供され得る要素中、前記振動モータは、外部から電源を供給され、物理的な振動刺激を加える要素であり、後述するコントローラ90から制御信号の印加を受け、動作するように構成される。
【0085】
このような振動モータは、前記膝窩密着パッド73の上面一側に1つ又は複数備えられ、身体の膝窩部位に接触するように構成され、公知の技術によって実施されても差し支えないので、詳細な説明は省略する。
【0086】
また、低周波電極は、外部から電源の供給を受け、電気刺激を印加する要素であって、後述するコントローラ90から制御信号の印加を受けて、動作するように構成される。
【0087】
このような低周波電極は、前記膝窩密着パッド73の上面の一側に1つ又は複数備えられ、身体の膝窩部位に接触するように構成され、公知の技術によって実施されても差し支えないので、詳細な説明は省略する。
【0088】
また、前記ソレノイドアクチュエータは、軸対称構造で提供され、電流が印加されるコイルを中心に駆動するプランジャー及びこのプランジャーの外側を取り囲むケース、そしてコイル内のコアからなり、前記プランジャーとコアの間の空隙で発生する磁力によってプランジャーが出没するものであり、このプランジャーの先端に備えられた打撃体が、膝窩部位に対して物理的な叩き刺激を加えるように構成されており、後述するコントローラ90から制御信号の印加を受けて、動作するように構成される。
【0089】
このようなソレノイドアクチュエータは、前記密着パッド73の上面の一側に1つ又は複数備えられ、プランジャーロッドの縁端部が身体の膝窩部位に接触するように打撃指圧球を形成するように構成され、これは公知の技術によって実施されても差し支えないので、詳細な説明は省略する。
【0090】
前記タッチセンサ77は、人体の皮膚に接触した際、これを感知する静電式センサにより提供され、前記刺激発生部75を構成する振動モータや、低周波電極、ソレノイドアクチュエータと位置干渉しないように前記膝窩密着パッド73の上面の一側に提供される。
【0091】
このようなタッチセンサ77は、感知信号を後述するコントローラ90に印加するように回路連結される構成であり、公知の技術によって実施されても差し支えないので、詳細な説明は省略する。
【0092】
コントローラ90は、前記第1ソレイドバルブ32と第2ソレイドバルブ52の管路上に設けられ、前記上肢エアセル33と下肢エアセル35、伸縮エアセル53の内部空気圧を測定するための第1空気圧センサ91、第2空気圧センサ92、及び時間を測定するタイマー93に連結され、前記第1空気ポンプ31と第2空気ポンプ51、そして第1ソレイドバルブ32と第2ソレイドバルブ52、そして振動モータ、低周波電極、又はソレノイドアクチュエータのいずれか1つ又は1つ以上からなる刺激発生部75に動作制御するための信号を印加する制御要素である。
【0093】
このようなコントローラ90は、大きく固定制御部95、牽引制御部96、膝窩刺激制御部97、及び反復牽引制御部98から構成される。
【0094】
前記固定制御部95は、前記静電式タッチセンサ77から感知信号を印加され、前記上肢エアセル33と下肢エアセル35を膨張させ、上肢密着パッド37と下肢密着パッド39に接触する使用者の大腿部tとふくらはぎcが拘束固定されるようにする要素である。
【0095】
すなわち、前記固定制御部95は、前記静電式タッチセンサ77から使用者の身体接触が感知されると、前記第1ソレイドバルブ32に制御信号を印加し、空気圧を生成し、前記上肢エアセル33と下肢エアセル35に供給させる。
【0096】
また、前記固定制御部95は、前記上肢エアセル33と下肢エアセル35の内部空気圧を測定する第1空気圧センサ91に回路連結され、リアルタイムで圧力値を提供され、前記上肢エアセル33と下肢エアセル35内の空気圧が既設定値に達するまで前記第1空気ポンプ31を駆動制御する。
【0097】
このような構成の固定制御部95は、使用者が前記本体10に脚を載せ、膝の後側である膝窩部位をタッチセンサ77に接触させると、前記上肢エアセル33と下肢エアセル35を膨張させ、使用者の大腿部tとふくらはぎcに対して拘束固定を行うものである。
【0098】
前記牽引制御部96は、前記固定制御部95により上肢エアセル33と下肢エアセル35の膨張が完了すると、前記第2空気ポンプ51に制御信号を印加し、前記伸縮エアセル53に空気圧が供給されるようにする。
【0099】
このとき、前記伸縮エアセル53の内部空気圧は、前記第2空気圧センサ92によりリアルタイムで測定されるので、本発明の牽引制御部96は、前記第2空気圧センサ92を介して測定された空気圧値が既設定値に達するまで比較処理し、前記第2空気ポンプ51を駆動制御する。
【0100】
このような構成の牽引制御部96は、複数の伸縮エアセル53を膨張させることにより、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が互いに離れる方向に移動変位するようにし、結果的に使用者の大腿部tとふくらはぎcがそれぞれ反対方向に引っ張られるようにすることで、牽引力によるストレッチ作用を付与するようになる。
【0101】
前記膝窩刺激制御部97は、前記牽引制御部96による牽引動作が完了すると、前記刺激発生部75に電源を印加し、膝窩部位に対する刺激が行われるようにする制御要素であり、本発明では、牽引制御部96による動作が完了した後に動作する構成を例示しているが、これに限らず、上記固定制御部95の動作が終了した後に振動モータを動作させる構成も可能である。
【0102】
すなわち、膝窩刺激制御部97は、刺激発生部75が振動モータである場合を例に挙げると、振動モータに電源を印加して、膝窩部位に対して物理的な振動刺激を行うようにする制御信号を出力する要素である。
【0103】
また、前記刺激発生部75が低周波電極の場合を説明すると、低周波電極に電源を印加し、膝窩部位に対して電気刺激が行われるようにする制御信号を出力する。
【0104】
また、前記刺激発生部75がソレノイドアクチュエータである場合を説明すると、前記膝窩刺激制御部97は、ソレノイドアクチュエータに電源を印加して、膝窩部位に対してプランジャーとロッドを反復出没させる動作を通じて叩く刺激が実行されるようにする制御信号を出力する。
【0105】
前記反復牽引制御部98は、前記第2空気圧センサ92に連結され、前記伸縮エアセル53に対して空気充填が完了すると、前記伸縮エアセル53内の空気を50~90%排気させるように、前記第2ソレイドバルブ52に制御信号を印加して、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が互いに近接する方向に移動されるようにした後、一定時間経過後、再び前記伸縮エアセル53内に既設定値に達するまで空気を再注入して、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15が互いに離隔する方向に再び離れるようにする動作が繰り返されるようにし、ストレッチ効果を高めるための制御要素である。
【0106】
すなわち、反復牽引制御部98は、前記タイマー93に連結され、設定時間の間、前記伸縮エアセル53に空気を注入する又は排気させるように、前記第2空気ポンプ51と第2ソレイド弁52に制御信号を印加する。
【0107】
一方、本発明は、使用者のふくらはぎや大腿部部位の温度を感知する体温感知センサをさらに備えることができ、このような体温感知センサは、使用者の体温を一定時間間隔をおいて測定し、急激な体温変化が発生した場合、機器の動作を停止させるよう第1、2ソレノイドバルブ32、52を開放させ、上肢エアセル33と下肢エアセル35内の空気を排気させるとともに、膝窩刺激電極モジュール70の駆動を停止させるようコントローラ90にプログラムされ制御され得る。
【0108】
また、体温感知センサ以外にも血圧測定センサ(図示しない)を構成することができ、このような血圧測定センサも同様に上記体温感知センサと同様に使用者の血圧を一定時間の間隔で測定し、急激な血圧変化が発生した場合、機器の動作を停止させ、警告音出力とLEDランプなどを点灯させて、使用上の安定性を保証するように構成することも可能である。
【0109】
上記のように構成された本発明による膝関節部位に対するストレッチと刺激作用による成長を助ける運動装置は、使用者が自分の脚を前記本体10上に位置決めさせ、大腿部t部位は上肢ホルダー13に入れられるようにし、ふくらはぎc部位は、下肢ホルダー15に入れられるようにした状態で、自分の膝窩部位が膝窩刺激モジュール70に接触できるように位置させる。
【0110】
次いで、脚を下に下げると、膝窩部位に膝窩刺激モジュール70を構成するタッチセンサ77に接触し、これを感知するようになる。
【0111】
次いで、前記タッチセンサ77に回路連結されたコントローラ90は、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15の内側に設けられた上肢エアセル33と下肢エアセル35に空気を供給し、大腿部tとふくらはぎcを拘束固定させる。
【0112】
このように使用者の大腿部tとふくらはぎcに対する拘束固定が完了すると、前記コントローラ90は、前記ストレッチモジュール50に制御信号を印加し、伸縮エアセル53に空気圧が供給されるようにし、前記上肢ホルダー13と下肢ホルダー15をそれぞれ互いに反対方向に移動させることによって、結果的に使用者の身体の膝を基準にして、大腿部tとふくらはぎc部位を互いに反対方向に引っ張ってストレッチによる刺激を与えるようになる。
【0113】
また、前記ストレッチ作用とともにコントローラ90は、膝窩刺激モジュール70に制御信号を印加し、刺激発生部75(振動モータ、低周波電極、ソレノイドアクチュエータ)を駆動することによって、膝関節の膝窩部位に対して振動刺激や電気刺激とともに温熱を作用させることで、膝関節をはじめとする周辺の筋肉と成長板に対して複合的かつ適切な刺激を与えることができるようになる。
【0114】
特に、本発明は、タッチセンサ77の感知後、動作が駆動されるため、安全な使用が可能であり、前記上肢密着パッド37と下肢密着パッド39によって屈曲した大腿部tとふくらはぎcに対して均一な密着固定を維持させることができる。
【符号の説明】
【0115】
10:本体
11:ベース板
13:上肢ホルダー
15:下肢ホルダー
30:カフ
31:第1空気ポンプ
32:第1ソレイドバルブ
33:上肢エアセル
35:下肢エアセル
50:ストレッチモジュール
51:第2空気ポンプ
52:第2ソレイドバルブ
53:伸縮エアセル
55:復帰ばね
70:膝窩刺激モジュール
71:昇降ばね
73:膝窩密着パッド
75:刺激発生部
77:タッチセンサ
90:コントローラ
91:第1空気圧センサ
92:第2空気圧センサ
93:タイマー
95:固定制御部
96:牽引制御部
97:膝窩刺激制御部
98:反復牽引制御部
c:ふくらはぎ
k:膝窩(膝)
t:大腿部