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特許7602676サーバ装置、サービス提供方法、ならびに、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】サーバ装置、サービス提供方法、ならびに、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241211BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20241211BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
G06Q30/0241 446
G06Q30/0251
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024020939
(22)【出願日】2024-02-15
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭吾
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-051310(JP,A)
【文献】特開2023-015803(JP,A)
【文献】特開2014-194640(JP,A)
【文献】特開2012-248073(JP,A)
【文献】特開2016-191978(JP,A)
【文献】特開2012-059132(JP,A)
【文献】特開2020-024496(JP,A)
【文献】特開2005-107827(JP,A)
【文献】特開2005-078326(JP,A)
【文献】岡本 ゆかり,スマホ&タブレットを使い倒す! 便利アプリ活用法,日経PC21 第20巻 第12号 ,日本,日経BP社,2015年09月24日,第20巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からサインイン可能なサービスにおいて、位置情報に応じたコンテンツを提供するサーバ装置であって、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部によりサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成部と、
前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成部によって生成された前記コンテンツに付加する付加部と、
前記生成部によって生成された前記コンテンツ、又は、前記付加部によって前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示部と、を備え、
前記取得部は、所定の位置情報群の中からランダムに選択した位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得する、
とを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
ユーザ端末からサインイン可能なサービスにおいて、位置情報に応じたコンテンツを提供するサーバ装置であって、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部によりサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成部と、
前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成部によって生成された前記コンテンツに付加する付加部と、
前記生成部によって生成された前記コンテンツ、又は、前記付加部によって前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示部と、
前記ユーザ端末から指定された指定地域を受け付ける受付部と、
直近の所定期間内において前記受付部がそれぞれ受け付けた各指定地域についての頻度を集計する集計部と、を備え、
前記取得部は、前記集計部による集計結果に基づいて何れかの指定地域を選定し、選定した当該指定地域を示す位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得する、
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
ユーザ端末からサインイン可能なサービスにおいて、位置情報に応じたコンテンツを提供するサーバ装置が実行するサービス提供方法であって、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにてサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別ステップにてサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成ステップと、
前記判別ステップにてサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成ステップにて生成された前記コンテンツに付加する付加ステップと、
前記生成ステップにて生成された前記コンテンツ、又は、前記付加ステップにて前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示ステップと、を備え、
前記取得ステップでは、所定の位置情報群の中からランダムに選択した位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得する、
とを特徴とするサービス提供方法。
【請求項4】
ユーザ端末からサインイン可能なサービスにおいて、位置情報に応じたコンテンツを提供するサーバ装置が実行するサービス提供方法であって、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにてサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別ステップにてサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成ステップと、
前記判別ステップにてサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成ステップにて生成された前記コンテンツに付加する付加ステップと、
前記生成ステップにて生成された前記コンテンツ、又は、前記付加ステップにて前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示ステップと、
前記ユーザ端末から指定された指定地域を受け付ける受付ステップと、
直近の所定期間内において前記受付ステップにてそれぞれ受け付けた各指定地域についての頻度を集計する集計ステップと、を備え、
前記取得ステップでは、前記集計ステップによる集計結果に基づいて何れかの指定地域を選定し、選定した当該指定地域を示す位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得する、
ことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項5】
ユーザ端末からサインイン可能なサービスにおいて、位置情報に応じたコンテンツを提供するコンピュータを、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別部、
前記判別部によりサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得部、
前記取得部が取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成部、
前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成部によって生成された前記コンテンツに付加する付加部、
前記生成部によって生成された前記コンテンツ、又は、前記付加部によって前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示部、として機能させ、
前記取得部は、所定の位置情報群の中からランダムに選択した位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
ユーザ端末からサインイン可能なサービスにおいて、位置情報に応じたコンテンツを提供するコンピュータを、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別部、
前記判別部によりサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得部、
前記取得部が取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成部、
前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成部によって生成された前記コンテンツに付加する付加部、
前記生成部によって生成された前記コンテンツ、又は、前記付加部によって前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示部、
前記ユーザ端末から指定された指定地域を受け付ける受付部、
直近の所定期間内において前記受付部がそれぞれ受け付けた各指定地域についての頻度を集計する集計部、として機能させ、
前記取得部は、前記集計部による集計結果に基づいて何れかの指定地域を選定し、選定した当該指定地域を示す位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、サービス提供方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの現在位置に応じて精選したコンテンツを、ユーザ端末に提供できる各種のサービスが普及している。
例えば、実店舗の特売商品等を知らせるデジタルチラシ(電子チラシ)を提供するサービスであれば、ユーザ端末の現在位置を示す位置情報を、そのユーザ端末、若しくは、通信インフラ(一例として、移動体通信の基地局)から取得する。そして、その位置情報に基づいて近隣の店舗を特定し、特定した店舗のデジタルチラシをユーザ端末に提供している。
【0003】
このようなサービスの一例として、特許文献1には、ユーザ端末の現在位置に近い複数店舗の各デジタルチラシについて、商品の価格を比較可能な態様で提供できる情報処理システムの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-18266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の情報処理システムも含めて、ユーザ(ユーザ端末)の位置情報を活用するサービスを利用するためには、個人情報保護の観点から、ユーザが利用規約に同意することが必要となっている。
例えば、専用アプリ(アプリケーション)を通じてサービスを提供する場合では、その専用アプリからユーザ登録を行う際に、サービスを提供するにあたってユーザ端末の位置情報を取得する旨の利用規約が提示される。この利用規約にユーザが同意することによって、ユーザ登録が完了し、専用アプリからサインインできたユーザがそのサービスを利用できるようになる。
【0006】
ユーザの中には、このようなユーザ登録を行う前に、専用アプリを試しに使って、実際のサービスがどのような感じなのかを体験したいと望むユーザも多かった。
しかしながら、上述したように、現状ではユーザ登録後でなければ(サインインしなければ)、専用アプリを使ったサービスが体験できないことになっている。
【0007】
そのため、専用アプリをユーザ端末にインストールしたものの、それだけではサービスが体験できないことが分かると、ユーザ登録を行うことなく、その専用アプリを削除してしまうユーザも多く、サービスの更なる普及を妨げていた。
【0008】
このような実情から、ユーザ登録前であっても(サインインしていなくとも)、利用規約に反することなく、サービスが体験できるようにして、ユーザ登録を促すことのできる技術が求められていた。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、ユーザ登録前であっても、利用規約に反することなく、ユーザがサービスを体験することのできるサーバ装置、サービス提供方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係るサーバ装置は、
ユーザ端末からサインイン可能なサービスを提供するサーバ装置であって、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別部と、
前記判別部によりサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成部と、
前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成部によって生成された前記コンテンツに付加する付加部と、
前記生成部によって生成された前記コンテンツ、又は、前記付加部によって前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示部と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係るサーバ装置において、
前記取得部は、所定の位置情報群の中からランダムに選択した位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得するようにしてもよい。
【0012】
また、上記観点に係るサーバ装置は、
前記ユーザ端末から指定された指定地域を受け付ける受付部を更に備え、
前記取得部は、前記受付部が受け付けた前記指定地域に対応した位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得するようにしてもよい。
【0013】
また、上記観点に係るサーバ装置は、
直近の所定期間内において前記受付部がそれぞれ受け付けた各指定地域についての頻度を集計する集計部を更に備え、
前記取得部は、前記集計部による集計結果に基づいて何れかの指定地域を選定し、選定した当該指定地域を示す位置情報を、前記ダミーの位置情報として取得するようにしてもよい。
【0014】
本発明の第2の観点に係るサービス提供方法は、
ユーザ端末からサインイン可能なサービスを提供するサーバ装置が実行するサービス提供方法であって、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにてサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別ステップにてサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成ステップと、
前記判別ステップにてサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成ステップにて生成された前記コンテンツに付加する付加ステップと、
前記生成ステップにて生成された前記コンテンツ、又は、前記付加ステップにて前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
ユーザ端末からサインイン可能なサービスを提供するコンピュータを、
前記ユーザ端末が前記サービスにサインイン済であるか否かを判別する判別部、
前記判別部によりサインイン済であると判別された場合に、前記ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に、前記ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する取得部、
前記取得部が取得した前記正規の位置情報、又は、前記ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツを生成する生成部、
前記判別部によりサインイン済でないと判別された場合に限り、前記ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報を、前記生成部によって生成された前記コンテンツに付加する付加部、
前記生成部によって生成された前記コンテンツ、又は、前記付加部によって前記告知情報が付加された前記コンテンツを、前記ユーザ端末に提示する提示部、
として機能させることを特徴とする。
【0016】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。
更に、上記プログラムを記録する情報記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体であり、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザ登録前であっても、利用規約に反することなく、ユーザがサービスを体験することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る情報提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係るサーバ装置等が実現される典型的な情報処理装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係るサーバ装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】チラシ管理情報の一例を示す模式図である。
図5】セッション管理情報の一例を示す模式図である。
図6】チラシ画面の一例を示す模式図である。
図7】告知情報を付加されたチラシ画面の一例を示す模式図である。
図8】実施形態1に係るデジタルチラシ配布処理を説明するためのフローチャートである。
図9】実施形態2に係るサーバ装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10】選択画面の一例を示す模式図である。
図11】施形態1に係るデジタルチラシ配布処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態では、位置情報に応じて提供するコンテンツの一例として、デジタルチラシ(電子チラシ)を一例として説明するが、このようなデジタルチラシに限られず、地域ニュース、地域トピック、地域ソングといった他のコンテンツを位置情報に応じて提供する場合にも適用可能である。また、本発明の実施形態では、コンテンツをユーザ端末に提示させるために、専用アプリ(アプリケーション)を用いる場合を一例として説明するが、このような専用アプリを用いる代わりに、ブラウザのような汎用アプリを用いる場合にも適用可能である。
つまり、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0020】
(全体構成)
本発明の実施形態に係る情報提供システム100は、位置情報に応じたコンテンツ(一例として、デジタルチラシ)をユーザに提供するサービスを実現するためのシステムであり、図1に示すように、サーバ装置200と、ユーザ端末300とを含んで構成される。
なお、サーバ装置200と、ユーザ端末300とは、インターネット900を介して通信可能に接続されている。また、図1では、ユーザ端末300を数台だけ示しているが、発明の理解を容易にするためであり、実際には、ユーザ数に応じて、膨大な数のユーザ端末300が含まれているものとする。
【0021】
サーバ装置200は、例えば、サーバ用のコンピュータであり、サインインしたユーザ端末300の位置情報を取得し、そのユーザ端末300の近隣にある店舗のデジタルチラシをユーザ端末300に提供する。なお、サーバ装置200は、後述するように、サインインしていないユーザ端末300からは、ユーザ端末300の位置情報を取得せずに、ダミーの位置を示す位置情報を取得し、そのダミーの位置の近隣にある店舗のデジタルチラシをユーザ端末300に提供する。
【0022】
ユーザ端末300は、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を備えたスマートフォン等であり、デジタルチラシのサービスを利用しようとするユーザに使用される。なお、後述するように、移動体通信の基地局等からユーザ端末300の位置情報が得られる場合には、ユーザ端末300は、GPS機能を備えていないタブレット端末、ノートPC(Personal Computer)等であってもよい。
ユーザ端末300には、デジタルチラシを閲覧するための専用アプリがインストールされている。なお、ユーザ端末300を使用するユーザの中には、利用規約に同意してユーザ登録を済ませたユーザと、ユーザ登録を行っていない(利用規約に同意していない)ユーザとが混在しているものとする。
そのため、ユーザ登録を済ませたユーザであれは、専用アプリをユーザ端末300にて起動させ、サインインした後にサービスを利用することになる。一方、ユーザ登録を行っていないユーザであれは、専用アプリをユーザ端末300にて起動させ、サインインせずにサービスを利用することになる。
【0023】
(情報処理装置の概要構成)
本実施形態に係るサーバ装置200等が実現される典型的な情報処理装置400について説明する。
【0024】
情報処理装置400は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、NIC(Network Interface Card)404と、画像処理部405と、音声処理部406と、補助記憶部407と、インターフェース408と、操作ユニット409と、表示ユニット410と、測位ユニット411と、を備える。
【0025】
CPU 401は、情報処理装置400全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0026】
ROM 402には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、補助記憶部407に記憶されたプログラムをRAM 403に読み出してCPU 401による当該プログラムの実行が開始される。
【0027】
RAM 403は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、補助記憶部407から読み出されたプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0028】
NIC 404は、情報処理装置400をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE-T/100BASE-T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等から構成される。
【0029】
画像処理部405は、補助記憶部407等から読み出された画像データをCPU 401や画像処理部405が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部405が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、インターフェース408等を介して表示ユニット410に出力される。つまり、画像処理部405は、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で必要となる画像を生成し、その画像を表示ユニット410に表示させる。
【0030】
音声処理部406は、補助記憶部407等から読み出された音声データを音声信号に変換し、インターフェース408を介して外部のスピーカに出力する。つまり、音声処理部406は、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で発生させるべき音声を生成し、その音声をスピーカから出力させる。
【0031】
補助記憶部407は、ハードディスク等であり、情報処理装置400全体の動作制御に必要な各種のプログラムや各種のデータを記憶する。例えば、補助記憶部407には、本実施形態に係るサーバ装置200を実現するためのプログラムが記憶される。そして、CPU 401の制御によって、補助記憶部407は、記憶されたプログラムやデータを適宜読み出し、これらをRAM 403等に一時的に記憶させる。
【0032】
インターフェース408には、操作ユニット409、及び、表示ユニット410が接続される。なお、インターフェース408は、この他に接続された外部機器との間で必要な情報を送受信してもよい。
【0033】
操作ユニット409は、情報処理装置400を利用する作業者等の操作入力を受け付ける。
【0034】
表示ユニット410は、画像処理部405により出力された画像データに応じた画像を描画し、情報処理装置400を利用する作業者等に提示する。
【0035】
測位ユニット411は、例えば、複数のGPS衛星から送られるGPS信号を受信し、所定のタイミング毎に、情報処理装置400の現在位置を測位する。
なお、このようなGPS信号を用いる代わりに、測位ユニット411は、複数の基地局からの電波強度(受信強度等)を用いて、情報処理装置400の現在位置を測位してもよい。
【0036】
この他に、情報処理装置400は、補助記憶部407の代わりに、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のドライブユニットを備えるようにしてもよい。この場合、情報処理装置400は、ドライブユニットに装着されるDVD-ROM等からプログラムやデータを読み出して、上記と同様に動作する。
【0037】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係るサーバ装置200の機能構成等について、図3図7を参照して説明する。このサーバ装置200は、上記の情報処理装置400により実現される。例えば、情報処理装置400に電源が投入されると、サーバ装置200として機能させるプログラムが実行され、本実施形態1に係るサーバ装置200が実現される。
なお、ユーザ端末300も同様に、情報処理装置400によって実現されるが、こちらについては説明を省略し、実施形態1において最も特徴的なサーバ装置200について、以下説明する。
【0038】
(実施形態1に係るサーバ装置の機能構成)
図3は、実施形態1に係るサーバ装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図示するように、サーバ装置200は、受信部210と、送信部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0039】
受信部210は、ユーザ端末300から送られる種々の情報を受信する。
例えば、受信部210は、ユーザ端末300から送られる、チラシ画面(デジタルチラシを閲覧するための画面)を要求する要求情報を受信する。
【0040】
なお、上述したNIC 404等が、このような受信部210として機能しうる。
【0041】
送信部220は、制御部240に制御され、ユーザ端末300に対して、必要な情報を送信する。
例えば、送信部220は、制御部240(後述する提示部245)に制御され、チラシ画面をユーザ端末300へ送信する。
【0042】
なお、上述したNIC 404等が、このような送信部220として機能しうる。
【0043】
記憶部230は、デジタルチラシをユーザ端末300に提供するための種々の情報を記憶する。例えば、記憶部230は、チラシ管理情報231、及び、セッション管理情報232を記憶する。
【0044】
まず、チラシ管理情報231は、位置情報(後述する正規の位置情報、又は、ダミーの位置情報)に応じて配布するデジタルチラシを管理するための情報である。具体的に、チラシ管理情報231には、図4に示すように、チラシID231a、配布期間231b、配布先231c、及び、店舗ID231dを含んでいる。
【0045】
チラシID231aは、デジタルチラシを識別するための識別情報である。なお、デジタルチラシを構成するデータは、このチラシID231aに対応付けられて、記憶部230に記憶されているものとする。
【0046】
配布期間231bは、デジタルチラシの配布を行う期間(開始日、及び、終了日)を規定する情報である。なお、配布期間231bは、開始時刻、及び、終了時刻も含めて規定されていてもよい。
【0047】
配布先231cは、デジタルチラシを配布する対象地域を規定する情報である。なお、なお、このように地域を規定する代わりに、配布先231cは、緯度・経度で規定される範囲(一例として、矩形範囲や円形範囲)であってもよい。
【0048】
店舗ID231dは、デジタルチラシの配布を依頼する店舗を識別するための識別情報である。なお、このような店舗についての情報も、この店舗ID231dに対応付けられて、記憶部230に記憶されているものとする。
【0049】
次に、セッション管理情報232は、ユーザ端末300とサーバ装置200との一連の通信を管理するための情報である。具体的に、セッション管理情報232には、図5に示すように、セッションID232a、ユーザID232b、認証状態232c、正規の位置232d、及び、ダミーの位置232eを含んでいる。
【0050】
セッションID232aは、ユーザ端末300とサーバ装置200との間のセッションを識別するための識別情報である。なお、セッションID232aは、ユーザ端末300とサーバ装置200との間のセッションが確立した際に採番される。
【0051】
ユーザID232bは、ユーザ登録を行ったユーザを識別するための識別情報である。なお、ユーザ登録を行っていないユーザに対してはIDが付与されていないため、ユーザID232bは、空欄となっている。また、ユーザ登録を行ったユーザであっても、サインインしていない状態では、ユーザID232bが空欄となっている。
また、ユーザ登録を行ったユーザについての情報は、このユーザID232bに対応付けられて、記憶部230に記憶されているものとする。
【0052】
認証状態232cは、ユーザがサインインしているかどうかを示す情報である。例えば、ユーザ登録を行ったユーザ端末300から入力されるIDとパスワードとによってユーザが認証されると、認証状態232cが「サインイン」となる。
【0053】
正規の位置232dは、ユーザ端末300の現在位置を示す位置情報である。この正規の位置232dは、例えば、制御部240(後述する取得部242)によってユーザ端末300から取得された位置情報が、セットされる。
【0054】
ダミーの位置232eは、実際のユーザ端末300の現在位置とは異なる(無関係な)位置情報である。このダミーの位置232eは、例えば、制御部240(後述する取得部242)によって所定の位置情報群からランダムに取得された位置情報が、セットされる。
【0055】
この他にも、記憶部230は、デジタルチラシを構成するデータ(画像、テキスト等)を記憶する。
また、記憶部230は、後述するダミーの位置を選択するために用いられる位置情報群(一例として、各地域に対応する標準的な位置情報の集まり)も記憶する。
更に、記憶部230は、後述するダミーの位置であるかどうかを判別するためのダミー位置フラグも記憶する。
【0056】
なお、上述した補助記憶部407等が、このような記憶部230として機能しうる。
【0057】
図3に戻って、制御部240は、サーバ装置200全体を制御する。この制御部240は、例えば、判別部241、取得部242、生成部243、付加部244、及び、提示部245を含んでいる。
【0058】
判別部241は、ユーザ端末300が、デジタルチラシを配布するサービスにサインイン済であるか否かを判別する。
例えば、判別部241は、上述した図5に示すセッション管理情報232を参照し、ユーザ端末300とのセッション(セッションID232aに対応するもの)において、認証状態232cに「サインイン」がセットされている場合に、ユーザ端末300がサインイン済であると判別し、「サインイン」がセットされていない場合(空欄等の場合)に、ユーザ端末300がサインイン済でないと判別する。
なお、図5に示すセッション管理情報232において、認証状態232cが管理されていない場合に、判別部241は、ユーザID232bが空欄でないかどうかに応じて、ユーザ端末300がサインイン済であるか否かを判別するようにしてもよい。
【0059】
取得部242は、ユーザ端末300についての位置情報を取得する。
例えば、上記の判別部241によりユーザ端末300がサインイン済であると判別された場合に、取得部242は、ユーザ端末300の現在位置を示す位置情報(正規の位置情報)をユーザ端末300から取得する。なお、取得部242は、ユーザ端末300からではなく、移動体通信の基地局等からユーザ端末300の位置情報を取得するようにしてもよい。
また、上記の判別部241によりユーザ端末300がサインイン済でない(サインインしていない)と判別された場合に、取得部242は、ダミーの位置情報を取得する。例えば、記憶部230に記憶される位置情報群(一例として、各地域に対応する標準的な位置情報の集まり)からランダムに選択した位置情報を、ダミーの位置情報として取得する。
【0060】
生成部243は、上記の取得部242が取得した位置情報(正規の位置情報、又は、ダミーの位置情報)に基づいて、チラシ画面を生成する。
例えば、生成部243は、取得部242が取得した位置情報に対応する地域を特定すると、上述した図4に示すチラシ管理情報231を参照し、特定した地域が配布先231cに含まれており、かつ、本日が配布期間231bに該当するチラシデータを記憶部230から読み出して、チラシ画面を生成する。
具体的に、生成部243は、図6に示すようなチラシ画面TG1を生成する。このチラシ画面TG1では、近傍の店舗がアイコンIC1~IC3にて示されており、また、おすすめ商品が商品情報SJにて示されている。なお、図6における商品情報SJは、アイコンIC2の店舗(○○電気)におけるおすすめ商品を示しているが、アイコンIC1又はアイコンIC2がタッチ操作されると、タッチ操作された方の店舗におけるおすすめ商品に切り替わるようになっている。
【0061】
図3に戻って、付加部244は、上述した判別部241によりサインイン済でないと判別された場合に限り、ダミーの位置に基づいている旨を告知する告知情報を、上記の生成部243によって生成されたチラシ画面に付加する。
具体的に、付加部244は、図7に示すようなチラシ画面TG2に、告知情報KJを付加する。なお、図7に示す告知情報KJは一例であり、他の文章にて、ダミーの位置に基づいている旨を告知するものであってもよい。また、付加部244は、チラシ画面TG2の彩度や明度を変更することで、ダミーの位置に基づいている旨を告知するようにしてもよい。
【0062】
図3に戻って、提示部245は、上述した生成部243によって生成されたチラシ画面、又は、上記の付加部244によって告知情報が付加されたチラシ画面を、ユーザ端末300に提示する。
つまり、正規の位置情報に基づいてチラシ画面が生成された場合に、提示部245は、図6に示すようなチラシ画面TG1を、ユーザ端末300に提示する。逆に、ダミーの位置情報に基づいてチラシ画面が生成された場合に、提示部245は、図7に示すような、告知情報KJが付加されたチラシ画面TG2を、ユーザ端末300に提示する。
【0063】
なお、上述したCPU 401等が、このような構成からなる制御部240として機能しうる。
【0064】
(実施形態1に係るサーバ装置の動作)
以下、このような構成の実施形態1に係るサーバ装置200の動作について図8を参照して説明する。図8は、サーバ装置200が実行するデジタルチラシ配布処理の流れを示すフローチャートである。このデジタルチラシ配布処理は、例えば、ユーザ端末300からのアクセスに応答して開始される。
【0065】
まず、サーバ装置200は、ユーザ端末300からチラシ画面の要求があったか否かを判別する(ステップS11)。
つまり、制御部240は、専用アプリを実行させたユーザ端末300から、チラシ画面の要求があったか否かを判別する。
サーバ装置200は、ユーザ端末300からチラシ画面の要求がなかったと判別すると(ステップS11;No)、そのままチラシ画面の要求があるまで待機する。
【0066】
一方、ユーザ端末300からチラシ画面の要求があったと判別した場合(ステップS11;Yes)に、サーバ装置200は、サインイン済であるか否かを判別する(ステップS12)。
例えば、制御部240(判別部241)は、図5に示すセッション管理情報232を参照し、ユーザ端末300とのセッションにおいて、認証状態232cに「サインイン」がセットされている場合に、サインイン済であると判別し、「サインイン」がセットされていない場合に、サインイン済でないと判別する。
【0067】
サーバ装置200は、ユーザ端末300がサインイン済であると判別すると(ステップS12;Yes)、ダミー位置フラグをOFFにする(ステップS13)。つまり、サインイン済であるため(利用規約に同意し、ユーザ登録を行っているため)、制御部240は、ダミー位置フラグをリセットし、ダミーの位置情報を使用しない(正規の位置情報を使用する)状態とする。
【0068】
サーバ装置200は、ユーザ端末300から位置情報を取得する(ステップS14)。
すなわち、制御部240(取得部242)は、ユーザ端末300の現在位置を示す位置情報(正規の位置情報)をユーザ端末300から取得する。なお、制御部240は、ユーザ端末300からではなく、移動体通信の基地局等からユーザ端末300の位置情報を取得するようにしてもよい。
【0069】
また、上述したステップS12にて、ユーザ端末300がサインイン済でないと判別した場合(ステップS12;No)に、サーバ装置200は、ダミー位置フラグをONにする(ステップS15)。つまり、サインインしていないため(利用規約に同意しておらず、ユーザ登録を済ませていないと考えられるため)、制御部240は、ダミー位置フラグをセットし、ダミーの位置情報を使用する状態とする。
【0070】
サーバ装置200は、ランダムに選んだ位置情報を取得する(ステップS16)。
すなわち、制御部240(取得部242)は、記憶部230に記憶される位置情報群からランダムに選択した位置情報を、ダミーの位置情報として取得する。
【0071】
サーバ装置200は、位置情報に対応する地域を特定する(ステップS17)。
すなわち、制御部240は、上述したステップS14、又は、ステップS16にて取得した位置情報(正規の位置情報、又は、ダミーの位置情報)が、どの地域に該当するのかを特定する。
【0072】
サーバ装置200は、配布期間と配布先とが合致するチラシデータを記憶部230から収集し、チラシ画面を生成する(ステップS18)。
例えば、制御部240(生成部243)は、図4に示すチラシ管理情報231を参照し、上記のステップS17にて特定した地域が配布先231cに含まれており、かつ、本日が配布期間231bに該当するチラシデータを記憶部230から読み出して、チラシ画面を生成する。
具体的に、制御部240は、図6に示すようなチラシ画面TG1を生成する。
【0073】
サーバ装置200は、ダミー位置フラグがONであるか否かを判別する(ステップS19)。
つまり、制御部240は、ダミーの位置情報を使用している状態であるかどうかを判別する。
【0074】
サーバ装置200は、ダミー位置フラグがONでない(OFFである)と判別する(ステップS19;No)と、後述するステップS21に処理を進める。
【0075】
一方、ダミー位置フラグがONであると判別した場合(ステップS19;Yes)に、サーバ装置200は、チラシ画面に告知情報を付加する(ステップS20)。
すなわち、制御部240(付加部244)は、ダミーの位置に基づいている旨を告知する告知情報を、上記のステップS18にて生成されたチラシ画面に付加する。
具体的に、制御部240は、図7に示すようなチラシ画面TG2に、告知情報KJを付加する。なお、図7に示す告知情報KJは一例であり、他の文章にて、ダミーの位置に基づいている旨を告知するものであってもよい。また、制御部240は、チラシ画面TG2の彩度や明度を変更することで、ダミーの位置に基づいている旨を告知するようにしてもよい。
【0076】
サーバ装置200は、チラシ画面にユーザ端末300に提示する(ステップS21)。
すなわち、制御部240(提示部245)は、上述したステップS18にて生成されたままのチラシ画面、又は、上記のステップS20にて告知情報が付加されたチラシ画面を、ユーザ端末300に提示する。
つまり、正規の位置情報に基づいてチラシ画面が生成された場合に、制御部240は、図6に示すようなチラシ画面TG1を、ユーザ端末300に提示する。逆に、ダミーの位置情報に基づいてチラシ画面が生成された場合に、制御部240は、図7に示すような、告知情報KJが付加されたチラシ画面TG2を、ユーザ端末300に提示する。
【0077】
このようなデジタルチラシ配布処理によって、ユーザ登録を行う前のユーザであっても専用アプリを試しに使って、実際のデジタルチラシのサービスがどのような感じなのかを体験することが可能となる。その際、ユーザ(ユーザ端末)の位置情報を使用しないため、利用規約に反することなく、サービスを提供可能となっている。
これにより、サービスを体験して納得したユーザが、ユーザ登録を行うことも期待できる。
【0078】
この結果、ユーザ登録前であっても、利用規約に反することなく、ユーザがサービスを体験することができる。
【0079】
(実施形態2)
上述した実施形態1では、ユーザがサインインしていない場合に、所定の位置情報群からサーバ装置200側がランダムに選ぶ場合について説明したが、サインインしていないユーザが、自由に地域(ダミーの位置)を選べるようにしてもよい。
以下、サインインしていないユーザが任意に地域を指定することを特徴とした実施形態2について説明する。
【0080】
(実施形態2に係るサーバ装置の機能構成)
図9は、実施形態2に係るサーバ装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。図示するように、サーバ装置200は、受信部210と、送信部220と、記憶部230と、制御部250とを備える。
なお、受信部210、送信部220、及び、記憶部230は、上述した図3に示すサーバ装置200と同じ構成である。
【0081】
制御部250は、例えば、判別部241、受付部251、取得部252、生成部243、付加部244、及び、提示部253を含んでいる。
なお、判別部241、生成部243、及び、付加部244は、上述した図3に示す制御部240と同じ構成である。
【0082】
受付部251は、ユーザ端末300から任意に選択された地域を受け付ける。
例えば、判別部241によりサインイン済でないと判別された場合に、提示部253がユーザ端末300に選択画面を提示するようにし、受付部251は、その選択画面にて選択された地域を受け付ける。
具体的に、提示部253は、図10に示すような選択画面SGを、ユーザ端末300に選択画面を提示する。この選択画面SGでは、例えば、市や区がアイコンIC4~IC6にて示されており、また、市や区内を構成する各地域が地域情報TJにて示されている。なお、図10における地域情報TJは、アイコンIC5の市や区(××市)を構成する7つの地域(地域A~地域F)を示しているが、アイコンIC4又はアイコンIC6がタッチ操作されると、タッチ操作された方の市や区を構成する地域に切り替わるようになっている。
そして、地域情報TJにおける何れかの地域の選択ボタンBTがタッチ操作されると、受付部251は、ユーザ端末300から選択された地域として受け付ける。
【0083】
図9に戻って、取得部252は、判別部241によりユーザ端末300がサインイン済であると判別された場合に、図3の取得部242と同様に、ユーザ端末300の現在位置を示す位置情報(正規の位置情報)をユーザ端末300から取得する。なお、取得部252は、ユーザ端末300からではなく、移動体通信の基地局等からユーザ端末300の位置情報を取得するようにしてもよい。
また、取得部252は、判別部241によりユーザ端末300がサインイン済でないと判別された場合に、上記の受付部251が受け付けた地域に対応する標準的な位置情報を取得する。
【0084】
提示部253は、上述したように、判別部241によりサインイン済でないと判別された場合に、図10に示すような選択画面SGを、ユーザ端末300に選択画面を提示する。
これに加えて、提示部253は、図3の提示部245と同様に、生成部243によって生成されたチラシ画面、又は、付加部244によって告知情報が付加されたチラシ画面を、ユーザ端末300に提示する。
【0085】
なお、上述したCPU 401等が、このような構成からなる制御部250として機能しうる。
【0086】
(実施形態2に係るサーバ装置の動作)
以下、このような構成の実施形態2に係るサーバ装置200の動作について図11を参照して説明する。図11は、サーバ装置200が実行するデジタルチラシ配布処理の流れを示すフローチャートである。なお、図11のデジタルチラシ配布処理は、上述した図8に示すデジタルチラシ配布処理からステップS16を削除する代わりに、ステップS31~S33を追加したものとなっている。そのため、以下の説明において、図8のデジタルチラシ配布処理と内容が同じ処理については、簡単に記述する。
【0087】
まず、サーバ装置200は、ユーザ端末300からチラシ画面の要求があったか否かを判別し(ステップS11)、チラシ画面の要求がなかったと判別すると(ステップS11;No)、そのままチラシ画面の要求があるまで待機する。
【0088】
一方、ユーザ端末300からチラシ画面の要求があったと判別した場合(ステップS11;Yes)に、サーバ装置200は、サインイン済であるか否かを判別する(ステップS12)。
【0089】
サーバ装置200は、ユーザ端末300がサインイン済であると判別すると(ステップS12;Yes)、ダミー位置フラグをOFFにし(ステップS13)、ユーザ端末300から位置情報を取得する(ステップS14)。
【0090】
一方、ユーザ端末300がサインイン済でないと判別した場合(ステップS12;No)に、サーバ装置200は、地域を選択させる選択画面をユーザ端末300に提示する(ステップS31)。
例えば、制御部250(提示部253)は、図10に示すような選択画面SGを、ユーザ端末300に選択画面を提示する。
【0091】
サーバ装置200は、選択画面にて選択があったか否かを判別する(ステップS32)。サーバ装置200は、選択がなかったと判別すると(ステップS32;No)、そのまま選択がなされるまで待機する。
【0092】
一方、選択があったと判別した場合(ステップS32;Yes)に、サーバ装置200は、ダミー位置フラグをONにする(ステップS15)。
【0093】
サーバ装置200は、選択された地域に対応する位置情報を取得する(ステップS33)。例えば、制御部250(取得部252)は、上記のステップS32にて選択された地域に対応する標準的な位置情報を取得する。
【0094】
サーバ装置200は、位置情報に対応する地域を特定し(ステップS17)、配布期間と配布先とが合致するチラシデータを記憶部230から収集し、チラシ画面を生成する(ステップS18)。
【0095】
サーバ装置200は、ダミー位置フラグがONであるか否かを判別し(ステップS19)、ダミー位置フラグがONでないと判別する(ステップS19;No)と、ステップS21に処理を進める。
【0096】
一方、ダミー位置フラグがONであると判別した場合(ステップS19;Yes)に、サーバ装置200は、チラシ画面に告知情報を付加する(ステップS20)。
【0097】
そして、サーバ装置200は、チラシ画面にユーザ端末300に提示する(ステップS21)。
【0098】
このようなデジタルチラシ配布処理によって、ユーザ登録を行う前のユーザであっても専用アプリを試しに使って、実際のデジタルチラシのサービスがどのような感じなのかを体験することが可能となる。その際、ユーザがしてした地域に対応する位置情報を使用するため、利用規約に反することなく、サービスを提供可能となっている。
これにより、サービスを体験して納得したユーザが、ユーザ登録を行うことも期待できる。
【0099】
この結果、ユーザ登録前であっても、利用規約に反することなく、ユーザがサービスを体験することができる。
【0100】
なお、上述した図11のデジタルチラシ配布処理において、ステップS33で地域に対応する位置情報を取得した後に、ステップS17で位置情報に対応する地域を特定しているため、いささか冗長な処理と言える。
そのため、ステップS33を削除し、ステップS15からステップS18に進む(ステップS17をスキップする)ようにしてもよい。
【0101】
(他の実施形態)
上記の実施形態2では、ユーザ端末300から受け付けた地域をそのユーザのダミーの位置としてだけに用いる場合について説明したが、他のユーザのダミーの位置として活用できるようにしてもよい。
例えば、記憶部230にユーザ端末300から受け付けた地域を順次蓄積して記憶するようにする。そして、制御部250に集計部を更に追加して、受け付けた地域の集計を行わせる。
より詳細に、集計部は、直近の所定期間内において受付部251がそれぞれ受け付けた各地域についての頻度を集計する。
そして、取得部252は、集計部による集計結果に基づいて何れかの地域を選定する。例えば、取得部252は、所定期間内において最も多く受け付けた市域を選定する。最終的に取得部252は、選定した地域を示す位置情報を、ダミーの位置情報として取得する。
【0102】
この場合、複数のユーザ端末300から受け付けた地域かある程度まで集まると、人気の高い地域が明らかとなるため、ユーザが地域を指定しなくとも、人気の高い地域をダミーの位置としてサービスを提供することができる。
【0103】
上記の実施形態1,2では、位置情報に応じて提供するコンテンツの一例として、デジタルチラシを一例として説明したが、このようなデジタルチラシに限られず、地域ニュース、地域トピック、地域ソングといった他のコンテンツを位置情報に応じて提供する場合にも適用可能である。
【0104】
また、上記の実施形態1,2では、デジタルチラシをユーザ端末に提示させるために、専用アプリを用いる場合を一例として説明したが、このような専用アプリを用いる代わりに、ブラウザのような汎用アプリを用いる場合にも適用可能である。
【0105】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザ登録前であっても、利用規約に反することなく、ユーザがサービスを体験することのできるサーバ装置、サービス提供方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0106】
100 情報提供システム
200 サーバ装置
210 受信部
220 送信部
230 記憶部
231 チラシ管理情報
232 セッション管理情報
240,250 制御部
241 判別部
242,252 取得部
243 生成部
244 付加部
245,253 提示部
251 受付部
300 ユーザ端末
400 情報処理装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 NIC
405 画像処理部
406 音声処理部
407 補助記憶部
408 インターフェース
409 操作ユニット
410 表示ユニット
411 測位ユニット
900 インターネット
【要約】
【課題】ユーザ登録前であっても、利用規約に反することなく、ユーザがサービスを体験することのできるサーバ装置等を提供する。
【解決手段】判別部241は、ユーザ端末がサービスにサインイン済であるか否かを判別する。取得部242は、サインイン済であると判別された場合に、ユーザ端末の位置を示す正規の位置情報を取得し、サインイン済でないと判別された場合に、ユーザ端末の位置とは無関係なダミーの位置情報を取得する。生成部243は、正規の位置情報、又は、ダミーの位置情報に基づいて、コンテンツ(一例として、デジタルチラシ)を生成する。付加部244は、サインイン済でないと判別された場合に限り、ダミーの位置情報に基づいている旨を告知する告知情報をンテンツに付加する。提示部245は、生成部243によって生成されたコンテンツ、又は、付加部244によって告知情報が付加されたコンテンツを、ユーザ端末に提示する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11