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特許7602685情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20241211BHJP
【FI】
G06Q10/087
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024086392
(22)【出願日】2024-05-28
【審査請求日】2024-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩尾 直哉
(72)【発明者】
【氏名】福田 晃大
(72)【発明者】
【氏名】野口 智明
(72)【発明者】
【氏名】土田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】古川 友香
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-272697(JP,A)
【文献】特開2019-133582(JP,A)
【文献】特開平03-250366(JP,A)
【文献】特開2016-012241(JP,A)
【文献】特開2004-192654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報として、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報、および、所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報それぞれと、前記店舗のうち集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを前記対象店舗ごとに特定する特定部と、
前記対象店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記対象店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示部と、
を備え
前記特定部は、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定している場合には、当該出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンを特定し、
前記特定部は、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定していない場合には、前記所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合し、照合による照合結果に基づいて、前記所定の地域のうち前記対象店舗が属する所属地域に出荷日のパターンが設定されている場合には、当該出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定し、
前記提示部は、前記対象店舗について特定された前記出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、集約出荷を行うか否かが前記店舗ごとに設定されたマスタ情報を参照し、前記店舗のうち集約出荷を行うよう設定されている店舗を前記対象店舗として判別する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、集約出荷を行うか否かが前記店舗の属する所定のグループ単位で設定された情報を参照し、前記所定のグループのうち集約出荷を行うよう設定されているグループに属する所属店舗が前記店舗の中に存在する場合には、前記所属店舗を、集約出荷を行うよう設定されている店舗である前記対象店舗として制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した前記照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定している場合には、当該出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定し、
前記提示部は、前記対象店舗が設定した希望の出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記提示部は、前記対象店舗が属する所属地域に設定される出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定された場合には、前記対象店舗が属する所属地域に設定される出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が属する所属地域に出荷日のパターンが設定されていない場合には、前記対象店舗に対して集約出荷を行わない設定をしている店舗である対象外店舗として制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提示部は、前記納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗が、集約出荷を解除する特例設定を行った場合には、前記対象店舗から受け付けられた前記発注リクエストに対応する商品の在庫状況に基づいて、前記商品を最短で納入可能な最短納入可能日を特定し、
前記提示部は、前記特例設定を行った前記対象店舗に対して前記最短納入可能日を提示する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報として、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報、および、所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報それぞれと、前記店舗のうち集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを前記対象店舗ごとに特定する特定工程と、
前記対象店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記対象店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示工程と、
を含み、
前記特定工程は、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定している場合には、当該出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンを特定し、
前記特定工程は、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定していない場合には、前記所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合し、照合による照合結果に基づいて、前記所定の地域のうち前記対象店舗が属する所属地域に出荷日のパターンが設定されている場合には、当該出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定し、
前記提示工程は、前記対象店舗について特定された前記出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
報処理方法。
【請求項10】
商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報として、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報、および、所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報それぞれと、前記店舗のうち集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを前記対象店舗ごとに特定する特定手順と、
前記対象店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記対象店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示手順と、
をコンピュータに実行させ
前記特定手順は、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定している場合には、当該出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンを特定し、
前記特定手順は、店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定していない場合には、前記所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報と前記対象店舗の情報とを照合し、照合による照合結果に基づいて、前記所定の地域のうち前記対象店舗が属する所属地域に出荷日のパターンが設定されている場合には、当該出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定し、
前記提示手順は、前記対象店舗について特定された前記出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の受注データと、各種マスタ情報とに基づいて、倉庫からの最短出荷予定日を特定し、特定した最短出荷予定日を顧客に通知するという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-133582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、商品を仕入れる際の物流を効率化させつつ商品仕入先の利便性を高めることができるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術には、商品が集約して出荷されるよう操作できたり、集約された商品の納入日を仕入先が知ることができたりするような構成が含まれておらず、商品を仕入れる際の物流を効率化させつつ商品仕入先の利便性を高めるという点で改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明では、商品を仕入れる際の物流を効率化させつつ商品仕入先の利便性を高めることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一形態の情報処理装置は、商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを特定する特定部と、店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示部と、を備える。
【0008】
本発明に係る一形態の情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを特定する特定工程と、店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示工程と、を含む。
【0009】
本発明に係る一形態の情報処理プログラムは、商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを特定する特定手順と、店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示手順と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品を仕入れる際の物流を効率化させつつ商品仕入先の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、物流問題に対する対応策を説明する図である。
図2図2は、集約サービスを受けるに適したサービス利用者を説明する図である。
図3図3は、集約サービスで提供される機能の概要を説明する図である。
図4図4は、集約サービスで提供される機能の概要を説明する図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理の概要を説明する図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図8図8は、集約出荷の依頼に係る情報処理の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、店舗階層マスタの一例を示す図である。
図10図10は、出荷日パターンの選択に係る情報処理の手順を示すフローチャート(1)である。
図11図11は、出荷日パターン候補マスタの一例を示す図である。
図12図12は、店舗別出荷日パターンマスタの一例を示す図である。
図13図13は、出荷日パターンの選択に係る情報処理の手順を示すフローチャート(2)である。
図14図14は、地域別パターンマスタの一例を示す図である。
図15図15は、店舗別地域マスタの一例を示す図である。
図16A図16Aは、出荷日パターンの特定に係る情報処理の手順を示すフローチャート(1)である。
図16B図16Bは、出荷日パターンの特定に係る情報処理の手順を示すフローチャート(2)である。
図17図17は、出荷日パターンの特定手法の一例を示す図(1)である。
図18図18は、出荷日パターンの特定手法の一例を示す図(2)である。
図19図19は、納入可能日から納入希望日を選択可能なUIの一例を示す図である。
図20図20は、特例設定に係る情報処理の手順を示すフローチャートである。
図21図21は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
以下に説明される1または複数の実施形態(実施例、変形例、適用例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0014】
また、以下の実施形態において、「集約出荷を依頼する」との表現は、「集約出荷を行う」という表現を含み得るものとする。例えば、「集約出荷を依頼するか否か」といった表現は、「集約出荷を行うか否か」と言い換えることができる。
【0015】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
近年、物流の業界では、ドライバーの人手不足、小口配送による運送効率の悪さといった様々な問題が生じている。そこで、図1を用いて、「物流問題への対策」、「配送費削減」を実現するための対応策について説明する。図1は、物流問題に対する対応策を説明する図である。図1では、商品を仕入れて販売する業務を行う店舗(仕入先)の例を用いる。
【0016】
まず、「配送頻度」の観点から説明する。例えば、店舗は、取扱商品(「商品」と略す)の在庫が少なくなると発注して倉庫に出荷依頼をかける場合がある。図1上段に示すように、現状は毎日発注され、発注された商品が個別に出荷処理され、翌日には倉庫から個別に出荷されていた。このような方法では、出荷頻度が多くなる(すなわち配送頻度が多くなる)ため配送コストが高くなってしまう。
【0017】
そこで、出荷タイミングを制限することが考えられる。具体的には、図1下段に示すように、出荷する日を毎日ではなく1週間のうちの特定の曜日(例えば、火/木の2日、あるいは、水/金の2日)に固定することが考えられる。係る手法であれば、出荷頻度を減らす(すなわち配送頻度を減らす)ことができるため、配送コストの削減を期待できる。
【0018】
次に、「出荷箱の集約」の観点から説明する。例えば、図1上段に示すように、現状、店舗は、各商品の伝票を用いて倉庫に出荷依頼をかけているが、このような方法では、各伝票に対応する商品が個別に梱包されて出荷されることになる。例えば、発注したい商品が3品ある場合には、店舗は3つの伝票を作成し、各伝票を用いて倉庫に出荷依頼をかけるため、結果として、3商品が個別に梱包された3つの出荷箱が倉庫から出荷されることになる。梱包作業や出荷箱の積み込みは人手で行われるため、商品を個別に処理しなければならない現状の方法では効率が悪いし、出荷箱が増えることで配送コストも増加してしまう。
【0019】
そこで、図1下段に示すように、商品ごとの複数の伝票を集約することで1つの伝票にまとめてしまうことが考えられる。係る手法であれば、例えば、発注したい商品が3品あったとしても、3品分の1つの伝票を用いることができるため、3品を1つの出荷箱にまとめて梱包して出荷するという集約出荷を実現することができるようになる。また、集約出荷によれば、人手不足への対応、配送の効率化、配送コストの削減を期待できる。
【0020】
ここで、「配送頻度」の観点から説明した対応策(出荷頻度の抑制)と、「出荷箱の集約」の観点から説明した対応策(集約出荷)とを掛け合わせれば、物流問題の解消に大きく貢献できる可能性がある。しかしながら、店舗側の事情を鑑みると、出荷頻度が抑制された集約出荷が適さず、特定の商品のみの高頻度な出荷(例えば、毎日の出荷)が必要となるケースもある。例えば、災害発生により特定の商品の需要が高まった際や、特定の商品が新発売された際には、固定の曜日を待たずして、特定の商品を即出荷をして欲しいというニーズが店舗側に発生する場合がある。
【0021】
そこで、本発明の発明者は、図1で説明した集約集荷の仕組みを取り入れることで効率的な物流を確保しつつ、店舗側の利便性も実現できるアイデアを考案するに至った。係るアイデアを本発明の提案技術として以下で詳細に説明する。以下では、本発明の提案技術の一実施形態について説明する。
【0022】
〔2.発明のスコープ〕
実施形態の説明に先立って、本発明で実現されるサービス(以下、「集約サービス」と表記する場合がある)を利用することのできるサービス利用者について説明する。図2は、集約サービスを受けるに適したサービス利用者を説明する図である。
【0023】
ここでいう集約サービスとは、同一利用者によって注文された複数の商品を集約した状態で(例えば、1つの出荷箱に詰め込んだ状態で)、1週間のうちの特定の曜日に倉庫から出荷させるという依頼等を行うことのできるサービスである。このような集約サービスの恩恵を受けることができるのは、毎日の個別発注に応じて最短期日での個別配送を要求していた商品販売事業者すなわち店舗であると考えられる。よって、本発明に係る集約サービスを利用するサービス利用者は、店舗(ショップ)であるものとする。
【0024】
店舗に来店して商品を購入したり、オンラインショップで商品を購入することで倉庫から出荷された商品を受け取ったりする個人顧客の場合、在庫が少なくなると発注して倉庫に出荷依頼をかけるという概念が無く、集約サービスの恩恵が薄いと考えられる。よって、本発明では、個人顧客は対象外とする。
【0025】
また、店舗の具体例についても説明する。集約サービスを利用することのできる店舗の種別、販売形態、規模等は限定されないが、本実施形態では、店舗はキャリアショップ(携帯電話ショップ)であるものとして説明する。キャリアショップは、キャリアと呼ばれる通信事業者の携帯端末を直接仕入れて販売する直営ショップや、販売の取り次ぎを行う代理店(取次店)によって構成される。代理店は、通信事業者と最も関わりの深い1次代理店、1次代理店から携帯端末を仕入れて販売する2次代理店、2次代理店から携帯端末を仕入れて販売する3次代理店等のように階層構造を形成している場合がある。そこで、本実施形態では、「店舗SH」という文言は、このような階層構造に含まれるいずれかの代理店(すなわちn次代理店)を指し示すものとする。
【0026】
一方で、本発明に係る提案技術は、直営ショップや、携帯端末を取り扱う家電量販店等にも適用可能である。また、本発明に係る提案技術は、在庫が少なくなると発注して倉庫に出荷依頼をかけるという作業が発生し得る事業者であれば、如何なる事業者にも適用可能である。
【0027】
〔3.提案技術が有する機能〕
図3および図4は、集約サービスで提供される機能の概要を説明する図である。係る機能によって、集約出荷における店舗の利便性が向上される。
【0028】
まず、図3について説明する。図3(a)に示すように、集約サービスには、店舗単位で集約出荷を依頼するか否かを設定できる機能が含まれる。図3(a)には、店舗SHの一例として、店舗SH1とSH2とが示される。例えば、店舗SH1の店舗担当者Tは、集約出荷を依頼したいとする。係る場合、店舗担当者Tは、店舗SH1の店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、その画面で集約出荷「ON」に設定すればよい。
【0029】
また、店舗SH2の店舗担当者Tは、集約出荷させない未集約(個別出荷)を依頼したいとする。係る場合、店舗担当者Tは、店舗SHの店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、その画面で集約出荷「OFF」に設定すればよい。
【0030】
図3(b)について説明する。例えば、通信事業者Mは、複数のキャリアブランド(例えば、一方はメインブランドで他方はサブブランド)を展開している場合があり、自社の配下にある店舗SHをこのブランドでグループ分けすることができる。具体的には、各店舗SHの取扱商品に応じて、各店舗SHをメインブランドの商品に対応するグループG1、または、サブブランドの商品に対応するグループG2のいずれかにグループ分けすることができる。このようなグループ分けに応じて、図3(b)に示すように、集約サービスには、グループ単位で集約出荷を依頼するか否かを設定できる機能が含まれる。
【0031】
グループ単位で集約出荷を依頼するか否かを設定する権限は、通信事業者Mが有してよい。例えば、通信事業者Mは、グループG1単位でグループG1に属する店舗SHの全てをまとめて集約出荷を依頼するように制御したいとする。係る場合、通信事業者Mは、事業者端末20を用いて所定の画面にアクセスし、その画面でグループG1を指定した状態で集約出荷「ON」に設定すればよい。なお、店舗SHは、通信事業者Mによる集約出荷「ON」に合意できない場合には、集約出荷「OFF」に設定し直すという最終設定を行うこともできる。
【0032】
また、通信事業者Mは、グループG2単位でグループG2に属する店舗SHの全てをまとめて集約出荷させない未集約(個別出荷)を依頼するように制御したいとする。係る場合、通信事業者Mは、事業者端末20を用いて所定の画面にアクセスし、その画面でグループG2を指定した状態で集約出荷「OFF」に設定すればよい。なお、店舗SHは、通信事業者Mによる集約出荷「OFF」に合意できない場合には、集約出荷「ON」に設定し直すという最終設定を行うこともできる。
【0033】
また、集約出荷を依頼するか否かという店舗SHごとの設定情報や、集約出荷を依頼するか否かというグループごとの設定情報は、マスタ情報として管理される。この結果、例えば、集約出荷を依頼しない設定をしている店舗SHが存在したとしても、その店舗SHが属するグループに対しては集約出荷を依頼する設定が行われていれば、その店舗SHは集約出荷を依頼したものとして制御する構成が採用されてもよい。一方で、集約出荷を依頼する設定がなされているグループに属する店舗SH(所属店舗)が存在する場合には、その店舗SHは集約出荷を依頼したものとして制御する構成が採用されてもよい。
【0034】
次に、図4について説明する。図4(a)に示すように、集約サービスには、店舗単位で出荷日のパターン(出荷日パターン)を設定できる機能が含まれる。ここでいう出荷日パターンとは、集約出荷を実行させるか否かが曜日ごとにまとめられた情報である。
【0035】
図4(a)には、店舗SHの一例として、店舗SH1とSH2とが示される。例えば、店舗SH1の店舗担当者Tは、火/木の2日に集約出荷を実行させたいとする。係る場合、店舗担当者Tは、店舗SH1の店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、出荷日パターンの候補のうち、火/木が集約出荷の実行日として定められたものを希望の出荷日パターンとして選択すればよい。また、店舗SH2の店舗担当者Tは、水/金の2日に集約出荷を実行させたいとする。係る場合、店舗担当者Tは、店舗SH2の店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、出荷日パターンの候補のうち、水/金が集約出荷の実行日として定められたものを希望の出荷日パターンとして選択すればよい。係る機能は、店舗単位での集約出荷を実現する機能といえる。
【0036】
また、図4(a)に示すように、集約サービスには、店舗SHが出荷日パターンを設定するのではなく、地域単位(例えば、都道府県単位)で設定された出荷日パターンに委任できる機能も含まれる。例えば、店舗SH1の店舗担当者Tは、自店舗が北海道地域に属していることから北海道地域に向けた配送に自店舗の商品も含めさせるとともに、火/木の2日に集約出荷を実行させたいとする。係る場合、店舗担当者Tは、店舗SH1の店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、北海道地域を示す地域コードを選択すればよい。また、店舗SH2の店舗担当者Tは、自店舗が神奈川地域に属していることから神奈川地域に向けた配送に自店舗の商品も含めさせるとともに、水/金の2日に集約出荷を実行させたいとする。係る場合、店舗担当者Tは、店舗SH2の店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、神奈川地域を示す地域コードを選択すればよい。係る機能は、地域単位での集約出荷を実現する機能といえる。
【0037】
なお、地域コードは、店舗SH側が選択するのではなく、店舗SHの所在地に基づき自動で設定されてよく、この結果、店舗SHの情報と地域コードとが対応付けられたマスタ情報が用意されてもよい。係るマスタを参照することで、例えば、希望の出荷日パターンを選択していない店舗SHについては、その店舗SHに対応する地域コードに基づいて、その店舗SHが属する地域に対して定められた出荷日パターンを用いることができるようになる。
【0038】
図4(b)について説明する。集約サービスには、注文された商品の納入可能日から納入希望日を選択可能なUIを提供する機能が含まれる。係るUIは、例えば、カレンダーの日付曜日のうち、ハイライト表示された納入可能日の中から納入希望日を選択可能に制御された画面であってよい。例えば、店舗SHの店舗担当者Tは、1月15日,1月20日、1月25日という納入可能日のうち、1月15日と1月25日に納入を希望する場合には、カレンダー上からこれらの日付を選択すればよい。このように、納入可能日の中から納入希望日が選択されるため、納入可能日は納入候補日ともいえる。
【0039】
図4(c)について説明する。集約サービスには、集約出荷を依頼した店舗SHに対して、集約出荷を一時解除し一時的に通常出荷とする特例設定を可能とする機能が含まれる。例えば、店舗SH1の店舗担当者Tは、欠品の恐れが発生し、集約出荷が実行される日を待たずして欠品商品を即出荷して欲しい場合には、店舗SH1の店舗端末10を用いて所定の画面にアクセスし、特例「ON」に設定すればよい。なお、通常出荷とは、対象の商品を集約に含めず最短の期日で届くよう個別配送させるための出荷形態である。
【0040】
〔4.システム構成〕
図5は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図5には、実施形態に係る情報処理システムの一例として、ある通信事業者Mの配下にある店舗SHとして、n次の階層構造で形成される代理店と、直営店とを含むシステムが示される。実施形態に係る情報処理(すなわち、本発明の提案技術)は、情報処理システム1において実現される。図5に示すように、情報処理システム1には、店舗端末10と、事業者端末20と、倉庫端末30と、情報処理装置100とが含まれてよい。
【0041】
店舗端末10は、店舗SHの店舗担当者Tによって利用される情報処理端末の一例である。図5には、店舗SHの一例として、1次代理店SH1、1次代理店SH1の下位の2次代理店SH21および2次代理店SH22、2次代理店SH21の下位の3次代理店SH31および3次代理店SH32、2次代理店SH22の下位の3次代理店SH33および3次代理店SH34等が示され、また、各代理店の店舗担当者Tは、自店舗SHの店舗端末10を操作できる様子が示される。
【0042】
また、図5には、店舗SHの一例として、直営店SH10、直営店SH11、直営店SH12等が示され、また、各直営店の店舗担当者Tは、自店舗SHの店舗端末10を操作できる様子が示される。
【0043】
店舗端末10は、スマートフォンや、ウェアラブルデバイスや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等であってよい。店舗端末10には、情報処理装置100にアクセスするための所定のアプリケーションが導入されてよい。所定のアプリケーションは、本発明の提案技術に合わせて用意される専用のアプリケーションであってもよいし、ブラウザのような汎用的なアプリケーションであってもよい。
【0044】
事業者端末20は、通信事業者Mによって利用される情報処理端末の一例である。事業者端末20は、スマートフォンや、ウェアラブルデバイスや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等であってよい。事業者端末20には、情報処理装置100にアクセスするための所定のアプリケーションが導入されてよい。所定のアプリケーションは、本発明の提案技術に合わせて用意される専用のアプリケーションであってもよいし、ブラウザのような汎用的なアプリケーションであってもよい。
【0045】
倉庫端末30は、商品の出荷元となる倉庫Wの作業員等によって利用される情報処理端末の一例である。倉庫端末30は、スマートフォンや、ウェアラブルデバイスや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等であってよい。倉庫端末30には、情報処理装置100にアクセスするための所定のアプリケーションが導入されてよい。所定のアプリケーションは、本発明の提案技術に合わせて用意される専用のアプリケーションであってもよいし、ブラウザのような汎用的なアプリケーションであってもよい。倉庫端末30は、在庫データ等を情報処理装置100に送信することができる。
【0046】
情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理を行う中心的な装置であり、クラウドサーバ装置として実装されてよい。また、後述するが、情報処理システム1には、OMS(受注管理システム)と倉庫管理システム(WMS)とがさらに含まれる。
【0047】
〔5.提案技術の概要〕
図6では、情報処理システム1のより具体的な一例を用いて、実施形態に係る情報処理の概要を説明する。図6に示すように、情報処理システム1には、OMSとWMSとが含まれ、集約サービスを提供する集約システムに相当する情報処理装置100は、互いに連携関係にあるOMSとWMSとの間に実装されてよい。図6に示すように、OMSおよびWMSは、店舗SHと倉庫Wとの間に入って、店舗SHの発注に応じて倉庫Wに出荷指示を出す通信事業者Mによって利用される場合がある。
【0048】
OMSは、「受注管理」、「在庫管理」、「出荷管理」、「書類管理」、「商品管理」、「売上管理」等を実現可能なように構成される。
【0049】
WMSは、「在庫管理」、「配置管理」、「帳票管理」、「棚卸管理」、「入庫管理」、「出庫管理」等を実現可能なように構成される。WMSは、各倉庫Wの在庫情報が管理されるデータベースと連携されており、そこから在庫情報を取得することができる。図6には、倉庫W1、倉庫W2、倉庫W3等が示され、WMSは、これら各倉庫Wの在庫情報を取得することができる。
【0050】
ここからは、店舗SH1に納入可能日が提供される際の情報処理を説明する。例えば、情報処理装置100は、集約出荷の依頼(集約出荷「ON」の設定)を店舗SH1から受け付けると、集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、出荷日パターン(例えば、火/木)を特定する。集約出荷に関するマスタ情報については後述する。また、情報処理装置100は、出荷日パターンに基づいて、集約出荷の対象となる対象商品を納入できる納入可能日を店舗SH1に提示する。
【0051】
例えば、店舗SH1の店舗担当者Tが、商品を注文するための商品ごとの発注リクエストを送信したとすると、発注リクエストの情報はOMSで管理される。この結果、通信事業者Mは、事業者端末20でOMSにアクセスすることで、発注リクエストに応じた商品の受注や在庫を確認することができる。例えば、通信事業者Mは、どの倉庫Wからいつ出荷し、いつ納入できるかといった情報を注文商品ごとに確認することができる。
【0052】
このように、OMSとWMSとが連携することで管理される注文商品ごとの情報と、店舗SH1に対して特定された出荷日パターンとに基づいて、情報処理装置100は、注文商品(集約出荷の対象となる対象商品)を集約出荷した場合に、店舗SH1に納入できる納入可能日を推定する。そして、情報処理装置100は、倉庫W1、倉庫W2、倉庫W3等のうち、注文商品を集約出荷できる出荷先倉庫Wと、納入可能日とを店舗SH1に提示する。例えば、情報処理装置100は、納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で提示してよい。
【0053】
このような状態において、店舗SH1が納入希望日を選択することで商品の注文を確定させたとする。係る場合、情報処理装置100は、納入希望日の情報を通信事業者Mに通知する。例えば、情報処理装置100は、OMSを介して納入希望日の情報を通信事業者Mに通知する。
【0054】
通信事業者Mは、納入希望日の情報を確認すると、出荷先倉庫Wに対して集約出荷の指示を出す。集約集荷の指示は、WMSを介して、事業者端末20から倉庫端末30へと送信されてよい。
【0055】
〔6.情報処理装置の構成〕
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図7に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0056】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。例えば、通信部110は、店舗端末10、事業者端末20、倉庫端末30との間で情報の送受信を行う。
【0057】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、例えば、実施形態に係る情報処理に関するデータやプログラムを記憶してよい。
【0058】
また、図7に示すように、記憶部120は、店舗階層マスタ121と、出荷日パターン候補マスタ122と、店舗別出荷日パターンマスタ123と、地域別パターンマスタ124と、店舗別地域マスタ125とを有する。図7では不図示であるが、記憶部120には、商品の注文に応じて商品情報を記憶するデータベースをさらに有してよい。
【0059】
(制御部130)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0060】
図7に示すように、制御部130は、受付部131と、依頼制御部132と、判定部133と、特定部134と、推定部135と、提示部136と、出荷制御部137とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0061】
(受付部131)
受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの店舗SHごとの設定を受け付ける。また、受付部131は、集約出荷を依頼した店舗SHである対象店舗SHnから、出荷日パターンを特定するための設定を受け付ける。
【0062】
例えば、受付部131は、出荷日パターン候補マスタ122に基づいて、出荷日パターンの候補の中から希望の出荷日パターンを選択する設定を対象店舗SHnから受け付ける。そして、受付部131は、対象店舗SHnごとに当該対象店舗SHnが選択した希望の出荷日パターンを紐付けた情報を、マスタ情報のうちの店舗別出荷日パターンマスタ123として登録する。
【0063】
なお、受付部131は、その他の情報も受け付けてよい。例えば、受付部131は、商品を注文するための発注リクエストを店舗SHから受け付けてよい。
【0064】
(依頼制御部132)
依頼制御部132は、集約出荷を依頼するか否かの設定を店舗SHが属する所定のグループ単位でまとめて制御する。例えば、依頼制御部132は、店舗SHを統括する所定の事業者(例えば、通信事業者M)からの指示に応じて、集約出荷を依頼するか否かの設定を店舗SHが属する所定のグループ単位でまとめて制御する。また、受付部131は、制御の内容に応じて、集約出荷を依頼するか否かの店舗SHごとの最終設定を受け付けてよい。
【0065】
(判定部133)
判定部133は、実施形態に係る情報処理において判定処理を行う。例えば、判定部133は、店舗別出荷日パターンマスタ123に基づいて、希望の出荷日パターンを選択する設定を対象店舗SHnが行っているか否かを判定するという選択判定を行う。
【0066】
(特定部134)
特定部134は、商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、集約出荷が実行される日のパターンである出荷日パターンを特定する。例えば、特定部134は、選択判定の結果に基づいて、対象店舗SHnに対応する出荷日パターンを対象店舗SHnごとに特定する。例えば、特定部134は、希望の出荷日パターンを選択する設定を行った出荷日設定済店舗SHnxが対象店舗SHnの中に存在する場合には、出荷日設定済店舗SHnxが選択した希望の出荷日のパターンを出荷日設定済店舗SHnxに対応する出荷日パターンとして特定する。
【0067】
特定部134は、希望の出荷日パターンを選択してない出荷日未設定店舗SHnyが存在する場合には、所定の地域のうち出荷日未設定店舗SHnyが属する所属地域と、地域別パターンマスタ124とに基づいて、出荷日未設定店舗SHnyに対応する出荷日パターンを特定する。例えば、判定部133は、出荷日未設定店舗SHnyごとに、当該出荷日未設定店舗SHnyが属する所属地域が地域別パターンマスタ124に登録されているか否かを判定するという登録判定を行う。そして、特定部134は、登録判定の結果と、地域別パターンマスタ124とに基づいて、出荷日未設定店舗SHnyに対応する出荷日パターンを特定する。
【0068】
ここで、特定部134は、地域別パターンマスタ124に所属地域が登録されている地域登録対象店舗SHnyz1が出荷日未設定店舗SHnyの中に存在する場合には、地域登録対象店舗SHnyz1が属する所属地域と、地域別パターンマスタ124に登録される出荷日パターンとに基づいて、地域登録対象店舗SHnyz1に対応する出荷日パターンを特定する。一方、特定部134は、地域別パターンマスタ124に所属地域が登録されていない地域非登録店舗SHnyz2が出荷日未設定店舗SHnyの中に存在する場合には、地域非登録店舗SHnyz2に対応する出荷日パターンを特定せず、集約出荷を依頼した店舗SHから除外する。つまり、特定部134は、地域非登録店舗SHnyz2を集約出荷の対象外とする。
【0069】
(推定部135)
推定部135は、特定部134が特定した出荷日パターンに基づいて、この出荷日パターンを特定された対象店舗SHnに商品を納入可能な納入可能日を推定する。
【0070】
例えば、受付部131が、出荷日パターンを特定された対象店舗SHnから商品を注文するための発注リクエストを受け付けたとする。係る場合、推定部135は、発注リクエストした対象店舗SHnに対応する出荷日パターンと、OMSおよびWMSの間で管理される注文商品の情報(例えば、倉庫Wごとに在庫情報)とに基づいて、発注リクエストごとの注文商品(集約出荷の対象となる対象商品)を集約出荷した場合に、対象店舗SHnに納入できる納入可能日を推定する。
【0071】
(提示部136)
提示部136は、出荷日パターンに基づいて、集約出荷の対象となる対象商品を納入できる納入可能日を、対象商品を取り扱う店舗SHに提示する。具体的には、提示部136は、推定部135が推定した納入可能日を対象店舗SHnに提示する。例えば、提示部136は、納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で対象店舗SHnに提示してよい。例えば、提示部136は、注文商品を集約出荷できる出荷先倉庫Wと、納入可能日とを対象店舗SHnに提示してよい。なお、推定部135は、OMSおよびWMSで管理される情報に基づいて、出荷先倉庫Wも推定することができる。
【0072】
なお、受付部131は、集約出荷を依頼した対象店舗SHnから集約出荷を解除する設定を特例設定(集約出荷を一時解除し一時的に通常出荷とする特例設定)として受け付けてよい。係る場合、推定部135は、特例設定を行った対象店舗SHnから受け付けられた発注リクエストに対応する注文商品ごとに、注文商品を最短で納入可能な最短納入可能日を推定する。
【0073】
(出荷制御部137)
出荷制御部137は、納入可能日の中から納入希望日を選択する設定が対象店舗SHnから受け付けられたことで商品の注文が確定された場合には、納入希望日の情報を出荷先倉庫Wに通知することで、集約出荷の準備に入るよう出荷先倉庫Wに指示する。なお、集約集荷の指示は、WMSを介して、事業者端末20から倉庫端末30へと送信される構成が採用されてもよい。
【0074】
〔7.処理手順〕
図7で説明した各処理部とマスタ情報について、具体的な処理手順の中でより詳細に説明する。以下では、情報処理装置100の動作例を示すフローチャートや、マスタ情報の内容を示す図面を用いる。また、以下の説明において、店舗SHは、携帯端末の販売形態としての階層構造に含まれる代理店(取次店)であるものとする。
【0075】
(7-1.集約出荷の依頼)
図8は、集約出荷の依頼に係る情報処理の手順を示すフローチャートである。まず、受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの設定(集約/未集約の設定)を店舗SHが属する所定のグループ(例えば、キャリアブランドの種別に対応するグループ)単位でまとめて制御する処理が依頼制御部132によって実行されたか否かを判定する(ステップS801)。
【0076】
受付部131は、集約/未集約の設定を所定のグループ単位でまとめて制御する処理が行われていない状態では(ステップS801;No)、集約出荷を依頼するか否かの設定を店舗SHから受け付けたか否かを判定する(ステップS802)。なお、情報処理装置100は、集約出荷を依頼するか否かというグループごとの設定情報をマスタ情報(不図示)として有していてよい。
【0077】
受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの設定を店舗SHから受け付けていない間は(ステップS802;No)、集約出荷を依頼するか否かの設定を店舗SHから受け付けるまで待機する。一方、受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの設定を店舗SHから受け付けた場合には(ステップS802;Yes)、集約出荷を依頼するか否かが設定された設定内容を店舗階層マスタ121に登録する(ステップS805)。
【0078】
また、提示部136は、集約/未集約の設定を所定のグループ単位でまとめて制御する処理が行われた状態では(ステップS801;Yes)、制御内容を店舗SHに提示する(ステップS803)。図3(b)の例を用いると、提示部136は、グループG1に属する各店舗SHに対して、集約出荷を依頼する設定(集約出荷「ON」の設定)が通信事業者Mによって行われたため、集約出荷の依頼に合意するか否かの最終設定を行うよう通知してよい。また、提示部136は、グループG2に属する各店舗SHに対して、集約出荷を依頼しない設定(集約出荷「OFF」の設定)が通信事業者Mによって行われたため、集約出荷の依頼しないこと(すなわち未集約)に合意するか否かの最終設定を行うよう通知してよい。
【0079】
このため、受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの最終設定を店舗SHから受け付けたか否かを判定する(ステップS804)。
【0080】
受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの最終設定を店舗SHから受け付けていない間は(ステップS804;No)、集約出荷を依頼するか否かの最終設定を店舗SHから受け付けるまで待機する。一方、受付部131は、集約出荷を依頼するか否かの最終設定を店舗SHから受け付けた場合には(ステップS804;Yes)、集約出荷を依頼するか否かが設定された設定内容を店舗階層マスタ121に登録する(ステップS805)。
【0081】
ここで、図9に、店舗階層マスタ121の一例を示す。図9の例では、店舗階層マスタ121は、「店舗コード」、「店舗名」、「上位階層店舗コード」、「階層番号」、「集約出荷フラグ」といった項目を有する。
【0082】
「店舗コード」は、店舗SHを識別する情報である。「店舗名」は、店舗SHの名称を示す。「上位階層店舗コード」は、階層構造において店舗SHに対して直接の上位階層の店舗SHを識別する情報である。「階層番号」は、階層構造での店舗SHの階層数を示す。
【0083】
「集約出荷フラグ」は、店舗SHが集約出荷を依頼する設定、集約出荷を依頼しない設定のいずれを行ったかを示す情報である。例えば、図9には、店舗コード「SH×2」、店舗名「SH2」、上位階層店舗コード「SH×1」、階層番号「2」、集約出荷フラグ「ON」が対応付けられる例が示される。係る例は、2次代理店の店舗SH2は、集約出荷を依頼する設定(集約出荷「ON」の設定)を行ったことを示す。
【0084】
なお、「店舗コード」、「店舗名」、「上位階層店舗コード」、「階層番号」の組合せは、階層構造を示す情報であり、階層構造を示す情報は、代理店階層詳細登録画面(不図示)を用いて登録することができる。例えば、所定の階層(n次階層)に新規参入したい場合、その店舗SHは、代理店階層詳細登録画面を用いて、「店舗コード」、「店舗名」、「上位階層店舗コード」、「階層番号」を新規登録することができる。
【0085】
代理店階層詳細登録画面に表示される情報は、情報処理装置100によって制御されてよい。例えば、情報処理装置100は、店舗階層マスタ121を参照し、新規登録する店舗SHよりも上位階層が存在しない場合(例えば、新規登録する店舗SHが1次代理店SH1である場合)は、代理店階層詳細登録画面において、現状は集約出荷「OFF」に設定されていることを表示させてよい。このような状態において、店舗SHは、代理店階層詳細登録画面にて集約出荷「ON」に切り替えることもできる。切り替えに応じて、集約出荷フラグの情報は更新される。
【0086】
一方、情報処理装置100は、店舗階層マスタ121を参照し、新規登録する店舗SHよりも上位階層が存在する場合は、代理店階層詳細登録画面において、直接の上位階層の店舗SHによる集約出荷の設定内容を表示させてよい。
【0087】
例えば、情報処理装置100は、新規登録する店舗SHが2次代理店SH2である場合には、店舗階層マスタ121を参照し、2次代理店SH2より上位階層の1次代理店SH1が集約出荷「ON」または集約出荷「OFF」のいずれに設定しているかを判別する。情報処理装置100は、1次代理店SH1が集約出荷ONに設定している場合には、代理店階層詳細登録画面において、現状は集約出荷「ON」に設定されていることを表示させてよい。このような状態において、2次代理店SH2は、代理店階層詳細登録画面にて集約出荷「OFF」に切り替えることもできる。一方、情報処理装置100は、1次代理店SH1が集約出荷OFFに設定している場合には、代理店階層詳細登録画面において、現状は集約出荷「OFF」に設定されていることを表示させてよい。このような状態において、2次代理店SH2は、代理店階層詳細登録画面にて集約出荷「ON」に切り替えることもできる。切り替えに応じて、集約出荷フラグの情報は更新される。
【0088】
また、情報処理装置100は、店舗階層マスタ121を参照し、登録されている店舗SHのうち、集約出荷を依頼した対象店舗と、集約出荷を依頼していない対象外店舗とを判別することができる。
【0089】
なお、依頼制御部132は、店舗階層マスタ121を参照し、集約出荷を依頼しない未集約とする設定を行っている対象外店舗が店舗SHの中に存在する場合には、次に、集約出荷を依頼するか否かというグループごとの設定情報(マスタ情報)を参照する。そして、依頼制御部132は、対象外店舗の属するグループに対して集約出荷を依頼する設定が行われていれば、対象外店舗は集約出荷を依頼したものとして制御してよい。また、この結果、特定部134は、対象外店舗に対して、集約出荷を依頼した対象店舗SHnと認識し、後述する手法で出荷日パターンを特定してよい。
【0090】
他の例として、依頼制御部132は、集約出荷を依頼するか否かというグループごとの設定情報(マスタ情報)を参照し、集約出荷を行うよう設定されているグループに属する所属店舗が店舗SHの中に存在する場合には、所属店舗は集約出荷を依頼したものとして制御してよい。また、この結果、特定部134は、所属店舗に対して、集約出荷を依頼した対象店舗SHnと認識し、後述する手法で出荷日パターンを特定してよい。
【0091】
(7-2.出荷日パターンの選択(店舗が選択))
図10は、出荷日パターンの選択に係る情報処理の手順を示すフローチャート(1)である。図10では、集約出荷を依頼した店舗SHである対象店舗SHnに対して個別に出荷日パターンを選択させる場合の情報処理手順が示される。
【0092】
まず、提示部136は、出荷日パターン候補マスタ122を参照し、出荷日パターン候補マスタ122に基づく情報を対象店舗SHnに提示する(ステップS1001)。
【0093】
ここで、図11に、出荷日パターン候補マスタ122の一例を示す。出荷日パターン候補マスタ122は、例えば、通信事業者Mによって予めに生成されたものであってよい。「出荷日パターン」とは、集約出荷を実行させるか否かが曜日ごとにまとめられた情報であり、「出荷日パターン」それぞれは、「出荷日パターンID」によって区別される。また、「出荷日パターン」は、集約出荷を実行させる曜日には「TRUE」が対応付けられ、集約出荷を実行せいない曜日には「FALSE」が対応付けることで定義される。
【0094】
図11には、出荷日パターンID「PT1」で識別される「出荷日パターン」(出荷日パターンPT1)は、月曜「FALSE」、火曜「TRUE」、水曜「FALSE」、木曜「TRUE」、金曜「FALSE」、土曜「FALSE」、日曜「FALSE」という組合せで定義される例が示される。
【0095】
また、図11の例では、出荷日パターンPT1、出荷日パターンPT2、出荷日パターンPT3、出荷日パターンPT4、デフォルトパターンのいずれかから希望の出荷日パターンが選択されるため、これら5つの出荷日パターンは出荷日パターンの候補といえる。
【0096】
図10に戻り、提示部136は、ステップS1001では、出荷日パターン候補マスタ122に基づく情報として、出荷日パターン候補マスタ122を可視化したリストを提示してよい。この結果、受付部131は、出荷日パターンの候補の中から希望の出荷日パターンを識別する出荷日パターンIDを対象店舗SHnに選択させてよい。
【0097】
そして、受付部131は、出荷日パターン候補の中から希望の出荷日パターンを選択(希望の出荷日パターンを識別する出荷日パターンIDを選択)する設定を対象店舗SHnから受け付けたか否かを判定する(ステップS1002)。
【0098】
受付部131は、出荷日パターン候補の中から希望の出荷日パターンを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けていない間は(ステップS1002;No)、出荷日パターン候補の中から希望の出荷日パターンを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けるまで待機する。
【0099】
一方、受付部131は、出荷日パターン候補の中から希望の出荷日パターンを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けた場合には(ステップS1002;Yes)、希望の出荷日パターンを選択した対象店舗SHnの店舗コードと、その選択された出荷日パターンとを紐付けた情報を、店舗別出荷日パターンマスタ123として登録する(ステップS1003)。
【0100】
ここで、図12に、店舗別出荷日パターンマスタ123の一例を示す。図12の例では、店舗別出荷日パターンマスタ123は、「店舗コード」、「店舗名」、「出荷日パターンID」といった項目を有する。「店舗コード」は、対象店舗SHnのうち、出荷日パターン候補の中から希望の出荷日パターンを選択した対象店舗SHnを識別する情報である。「店舗名」は、出荷日パターン候補の中から希望の出荷日パターンを選択した対象店舗SHnの名称を示す。「出荷日パターンID」は、選択された希望の出荷日パターンを識別する情報である。
【0101】
図12には、店舗コード「SH×4」、店舗名「SH4」、出荷日パターンID「PT1」が対応付けられる例が示される。係る例は、対象店舗SHnのうちの店舗SH4が、出荷日パターンPT1、出荷日パターンPT2、出荷日パターンPT3、出荷日パターンPT4、デフォルトパターンという5つの出荷日パターンの候補の中から、出荷日パターンPT1を希望の出荷日パターンとして選択する設定を行った例を示す。また、図12の例は、対象店舗SHnのうちの店舗SH4および店舗SH5が、希望の出荷日パターンを選択する設定を行った例を示す。
【0102】
(7-3.出荷日パターンの選択(地域単位で設定された出荷日パターンに委任))
図13は、出荷日パターンの選択に係る情報処理の手順を示すフローチャート(2)である。店舗SHは、希望の出荷日パターンを選択するのではなく、地域単位(例えば、都道府県単位)で予め設定されている出荷日パターンに委任することもできる。図13には、地域単位で予め選択されている出荷日パターンに委任する場合の情報処理手順が示される。
【0103】
まず、提示部136は、地域別パターンマスタ124を参照し、地域別パターンマスタ124に対応する情報を対象店舗SHnに提示する(ステップS1301)。
【0104】
ここで、図14に、地域別パターンマスタ124の一例を示す。図14の例では、地域別パターンマスタ124は、「地域」、「地域コード」、「出荷日パターンID」といった項目を有する。図14の例では、「地域」は、都道府県を示すが、都道府県以外の地域であってもよい。例えば、「地域」は、「北海道」、「東北」、「北関東」、「関東」、「北陸」、「東海」、「近畿」等のようにより広い地域であってもよい。
【0105】
「地域コード」は、「地域」を識別する情報である。「出荷日パターンID」は、出荷日パターン候補マスタ122(図11)の「出荷日パターンID」に相当し、例えば、対応する「地域」の代表者によって出荷日パターン候補マスタ122の中から予め選択されたものであってよい。例えば、図14には、地域「東京都」、地域コード「13」、出荷日パターンID「PT1」が対応付けられる例が示される。係る例は、地域コード「13」で識別される「東京都」(東京都の代表者)は、例えば、東京都の所在する店舗SHに向けた集約出荷は、出荷日パターンPT1(火/木に固定)とすることを登録している例を示す。なお、地域別パターンマスタ124の登録は、各地域の代表者ではなく、通信事業者Mによって行われてもよい。
【0106】
図13に戻り、提示部136は、ステップS1301では、地域別パターンマスタ124に対応する情報として、「地域」と「地域コード」の組合せを可視化したリストを提示してよい。この結果、受付部131は、リストの中から地域コードを選択させることで、どの地域が設定した出荷日パターンに任せるかという設定を受け付けてよい。
【0107】
そして、受付部131は、地域コードのいずれかを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けたか否かを判定する(ステップS1302)。
【0108】
受付部131は、地域コードのいずれかを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けていない間は(ステップS1302;No)、地域コードのいずれかを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けるまで待機する。
【0109】
一方、受付部131は、地域コードのいずれかを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けた場合には(ステップS1302;Yes)、地域コードを選択した対象店舗SHnの店舗コードと、その選択された地域コードとを紐付けた情報を、店舗別地域マスタ125として登録する(ステップS1303)。
【0110】
ここで、図15に、店舗別地域マスタ125の一例を示す。図15の例では、店舗別地域マスタ125は、「店舗コード」、「店舗名」、「地域コード」といった項目を有する。「店舗コード」は、対象店舗SHnのうち、地域コードのいずれかを選択した対象店舗SHnを識別する情報である。「店舗名」は、地域コードのいずれかを選択した対象店舗SHnの名称を示す。「地域コード」は、選択された地域コードを識別する情報である。
【0111】
図15には、店舗コード「SH×1」、店舗名「SH1」、地域コード「13」が対応付けられる例が示される。係る例は、対象店舗SHnのうちの店舗SH1が、地域コード「13」を選択することで、東京地域に向けた集約出荷に自店舗の商品も含めさせるよう設定した例を示す。
【0112】
なお、受付部131が、店舗単位での集約出荷を実現する機能に応じて、希望の出荷日パターンを選択する設定を対象店舗SHnから受け付ける場合と、地域単位での集約出荷を実現する機能に応じて地域コードを選択する設定を対象店舗SHnから受け付ける場合とを分けて説明した。
【0113】
しかしながら、提示部136は、出荷日パターン候補マスタ122に基づく情報と、地域別パターンマスタ124に対応する情報との双方を対象店舗SHnに提示し、受付部131は、希望の出荷日パターン、または、所定の地域のうち、少なくともいずれか一方を選択する設定を対象店舗SHnから受け付けてよい。係る構成によれば、店舗SHは、希望の出荷日パターンと地域コードとの双方を選択することもできるし、希望の出荷日パターンまたは地域コードのいずれか一方だけを選択することもできる。例えば、図12図15の例とを見ると、店舗SH4およびSH5は、希望の出荷日パターンを選択するとともに地域コードも選択している。ただし、このように希望の出荷日パターンと地域コードとの双方が選択された場合、希望の出荷日パターンの方を優先した処理が実行される。
【0114】
なお、図13では、地域コードのいずれかを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けることで、その情報を店舗別地域マスタ125に登録する処理について説明した。しかしながら、地域コードのいずれかを選択する設定を対象店舗SHnから受け付けるという処理は、必ずしも実行される必要は無い。例えば、情報処理装置100は、対象店舗SHnの店舗コードと、対象店舗SHが属する所属地域を示す地域コードとを紐付けることで、この紐付け情報を、店舗別地域マスタ125として登録してもよい。なお、以下で説明する情報処理の手順は、このように対象店舗SHnと地域コードとの紐付けが情報処理装置100側で動的に行われているパターンに対応する手順とする。
【0115】
(7-4.選択内容に基づく出荷日パターンの特定)
図16Aは、出荷日パターンの特定に係る情報処理の手順を示すフローチャート(1)である。図16(A)には、希望の出荷日パターンを選択するか否かに基づいて、最終的な出荷日パターンが特定される場合の情報処理手順が示される。
【0116】
まず、判定部133は、集約出荷機能自体がONに設定されているか否かを判定する(ステップS1601)。集約出荷機能とは、集約出荷を許可するか否かという大元の情報を制御する機能であり、集約出荷機能自体をON/OFFに切り替える権限は、例えば、通信事業者Mが有してよい。例えば、店舗SHが集約出荷を依頼していたとしても、集約出荷機能自体がOFFに設定されていれば、集約出荷は実行されない。
【0117】
このため、判定部133は、集約出荷機能自体がONに設定されていない場合、すなわち集約出荷機能自体がOFFに設定されている場合には(ステップS1601;No)、店舗階層マスタ121に登録されている店舗SHの全てを集約出荷の対象外と定める(ステップS1602)。そして、出荷制御部137は、集約出荷の対象外と定められた店舗SHの出荷モードを通常出荷モードに設定する(ステップS1603)。
【0118】
判定部133は、集約出荷機能自体がONに設定されている場合には(ステップS1601;Yes)、店舗階層マスタ121を参照し、店舗階層マスタ121に登録されている店舗SHのうち、集約出荷を依頼した対象店舗SHnと、集約出荷を依頼していない店舗SHとを判別し(ステップS1604)、次の処理Aに移行する。
【0119】
図16Bは、出荷日パターンの特定に係る情報処理の手順を示すフローチャート(2)である。
【0120】
判定部133は、集約出荷を依頼した対象店舗SHnと、集約出荷を依頼していない店舗SHとを判別した結果に基づいて、対象店舗SHnが存在するか否かを判定する(ステップS1605)。
【0121】
判定部133は、対象店舗SHnが存在しない場合には(ステップS1605;No)、集約出荷を依頼していない店舗SHを集約出荷の対象外と定める(ステップS1606)。そして、出荷制御部137は、集約出荷の対象外と定められた店舗SHの出荷モードを通常出荷モードに設定する(ステップS1701)。なお、上述したように、依頼制御部132は、集約出荷を依頼していない店舗SHが属するグループに対しては集約出荷を依頼する設定が行われていれば、集約出荷を依頼していない店舗SH(言い換えれば、未集約とする設定を行っている店舗SH)に対して、集約出荷を依頼したものとして制御してよい。また、特定部134は、このように制御された対象店舗SHnに対して出荷日パターンを特定する処理を行うべく、ステップS1607へと移行してよい。
【0122】
他の例として、依頼制御部132は、集約出荷を依頼するか否かというグループごとの設定情報(マスタ情報)を参照し、集約出荷を行うよう設定されているグループに属する所属店舗が店舗SHの中に存在する場合には、所属店舗は集約出荷を依頼したものとして制御してよい。また、特定部134は、このように制御された対象店舗SHnに対して出荷日パターンを特定する処理を行うべく、ステップS1607へと移行してよい。
【0123】
判定部133は、対象店舗SHnが存在する場合には(ステップS1605;Yes)、店舗別出荷日パターンマスタ123を参照し、対象店舗SHごとに希望の出荷日パターンを選択しているか否かを判定する(ステップS1607)。
【0124】
特定部134は、対象店舗SHnが希望の出荷日パターンを選択している場合には(ステップS1607;Yes)、その対象店舗SHを希望の出荷日パターンを選択する設定を行った出荷日設定済店舗SHnxとして抽出する(ステップS1608)。
【0125】
そして、特定部134は、出荷日設定済店舗SHnxが選択した希望の出荷日パターンを、納入可能日推定に用いられる対象の出荷日パターンとして特定する(ステップS1609)。また、出荷制御部137は、出荷日パターンを特定された出荷日設定済店舗SHnxの出荷モードを集約出荷モードに設定する(ステップS1702)。
【0126】
ここで、図11に示す出荷日パターン候補マスタ122の例と、図12に示す店舗別出荷日パターンマスタ123の例とを用いて、ステップS1607~S1609の具体例を説明する。図17は、出荷日パターンの特定手法の一例を示す図(1)である。
【0127】
判定部133は、ステップS1607では、店舗別出荷日パターンマスタ123を参照することで、対象店舗SHnのうち、出荷日パターンIDが登録されている店舗SH4および店舗SH5が希望の出荷日パターンを選択する設定を行ったと判定することができる。具体的には、店舗SH4は出荷日パターンPT1を選択する設定を行い、店舗SH5は出荷日パターンPT2を選択する設定を行っている。
【0128】
よって、特定部134は、ステップS1608では、出荷日設定済店舗SHnxとして、店舗SH4および店舗SH5を抽出する。
【0129】
このような状態において、特定部134は、ステップS1609では、出荷日パターンIDをキーとして、店舗別出荷日パターンマスタ123と、出荷日パターン候補マスタ122とを紐付け可能か否かに応じて、店舗SH4および店舗SH5それぞれに対応する出荷日パターンを特定する。
【0130】
具体的には、特定部134は、出荷日パターンID「PT1」をキーとして、店舗別出荷日パターンマスタ123と、出荷日パターン候補マスタ122とを紐付け可能であるため、店舗SH4が商品を注文した場合に注文商品の集約出荷が実行される日が「火曜と木曜」というパターンであることを特定する。
【0131】
また、特定部134は、出荷日パターンID「PT2」をキーとして、店舗別出荷日パターンマスタ123と、出荷日パターン候補マスタ122とを紐付け可能であるため、店舗SH5が商品を注文した場合に注文商品の集約出荷が実行される日が「火曜と木曜」というパターンであることを特定する。
【0132】
図16に戻り、判定部133は、対象店舗SHnが希望の出荷日パターンを選択していない場合には(ステップS1607;No)、希望の出荷日パターンを選択していない対象店舗SHnすなわち出荷日未設定店舗SHnyごとに、出荷日未設定店舗SHnyが属する所属地域を示す地域コードを店舗別地域マスタ125から抽出する(ステップS1610)。
【0133】
そして、判定部133は、出荷日未設定店舗SHnyが属する所属地域を示す地域コードが、地域別パターンマスタ124に登録されているか否かを判定する(ステップS1611)。
【0134】
特定部134は、出荷日未設定店舗SHnyが属する所属地域を示す地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されている場合には(ステップS1611;Yes)、その出荷日未設定店舗SHnyを地域コードが登録される地域登録対象店舗SHnyz1として抽出する(ステップS1612)。
【0135】
そして、特定部134は、登録されている地域コードに対応付けられる出荷日パターンを、納入可能日推定に用いられる対象の出荷日パターンとして特定する(ステップS1613)。また、出荷制御部137は、出荷日パターンを特定された地域登録対象店舗SHnyz1の出荷モードを集約出荷モードに設定する(ステップS1702)。
【0136】
ここで、図11に示す出荷日パターン候補マスタ122の例と、図14に示す地域別パターンマスタ124の例と、図15に示す店舗別地域マスタ125の例とを用いて、ステップS1610~S1613の具体例を説明する。図18は、出荷日パターンの特定手法の一例を示す図(2)である。
【0137】
まず、前提として、図12に示す店舗別出荷日パターンマスタ123の例によれば、出荷日パターンIDが登録されていない店舗SH1、SH2およびSH3が、希望の出荷日パターンを選択していない対象店舗SHnである。
【0138】
このような状態において、判定部133は、ステップS1610では、店舗別地域マスタ125を参照することで、店舗SH1、店舗SH2および店舗SH3それぞれが属する所属地域を示す地域コードを抽出することができる。具体的には、店舗SH1については地域コード「13」を抽出し、店舗SH2については地域コード「14」を抽出し、店舗SH3については地域コード「15」を抽出する。
【0139】
よって、判定部133は、ステップS1611では、地域コードをキーとして、店舗別地域マスタ125と、地域別パターンマスタ124とを紐付け可能か否かに応じて、店舗SH1、店舗SH2および店舗SH3それぞれが属する所属地域を示す地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されているか否かを判定する。
【0140】
具体的には、判定部133は、地域コード「13」をキーとして、店舗別地域マスタ125と、地域別パターンマスタ124とを紐付け可能であるため、店舗SH1の所属地域を示す地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されていると判定する。
【0141】
また、判定部133は、地域コード「14」をキーとして、店舗別地域マスタ125と、地域別パターンマスタ124とを紐付け可能であるため、店舗SH2の所属地域を示す地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されていると判定する。
【0142】
よって、特定部134は、ステップS1612では、地域登録対象店舗SHnyz1として、店舗SH1および店舗SH2を抽出する。係る例は、店舗SH1および店舗SH2は、希望の出荷日パターンを選択しないことにより、自店舗が所属する地域単位での集約出荷の出荷日パターンに委任している状態を示す。
【0143】
したがって、特定部134は、ステップS1613では、出荷日パターンIDをキーとして、地域別パターンマスタ124と、出荷日パターン候補マスタ122とを紐付け可能か否かに応じて、店舗SH1および店舗SH2それぞれに対応する出荷日パターンを特定する。
【0144】
具体的には、特定部134は、地域コード「13」に対応付けられる出荷日パターンID「PT1」をキーとして、地域別パターンマスタ124と、出荷日パターン候補マスタ122とを紐付け可能であるため、店舗SH1が商品を注文した場合に注文商品の集約出荷が実行される日が「火曜と木曜」というパターンであることを特定する。
【0145】
また、特定部134は、地域コード「14」に対応付けられる出荷日パターンID「PT2」をキーとして、地域別パターンマスタ124と、出荷日パターン候補マスタ122とを紐付け可能であるため、店舗SH2が商品を注文した場合に注文商品の集約出荷が実行される日が「水曜と木曜」というパターンであることを特定する。
【0146】
図16に戻り、特定部134は、出荷日未設定店舗SHnyが選択した地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されていない場合には(ステップS1611;No)、その出荷日未設定店舗SHnyを地域コードが登録されていない地域非登録店舗SHnyz2として抽出する(ステップS1614)。
【0147】
そして、特定部134は、地域非登録店舗SHnyz2を集約出荷の対象外と定める(ステップS1615)。そして、出荷制御部137は、集約出荷の対象外と定められた地域非登録店舗SHnyz2の出荷モードを通常出荷モードに設定する(ステップS1701)。
【0148】
ここで、図18を用いて、ステップS1614~S1615の具体例を説明する。前述の通り、判定部133は、ステップS1611では、地域コードをキーとして、店舗SH1、店舗SH2および店舗SH3それぞれが属する所属地域を示す地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されているか否かを判定していた。そして、店舗SH1の所属地域を示す地域コード、店舗SH2の所属地域を示す地域コードについては地域別パターンマスタ124に登録されていることから、特定部134は、地域登録対象店舗SHnyz1として、店舗SH1および店舗SH2を抽出していた。
【0149】
一方で、判定部133は、図18に示すように、地域コード「15」をキーとして、店舗別地域マスタ125と、地域別パターンマスタ124とを紐付け不可能であるため、店舗SH3が属する所属地域を示す地域コードが地域別パターンマスタ124に登録されていないと判定する。
【0150】
よって、特定部134は、ステップS1614では、地域非登録店舗SHnyz2として、店舗SH5を抽出する。したがって、特定部134は、ステップS1615では、店舗SH5を集約出荷の対象外と定める。
【0151】
ここから、通常出荷モードと集約出荷モードについて説明する。通常出荷モードでは、受付部131は、商品を注文するための商品ごとの発注リクエストを、集約出荷の対象外と定められた対象外店舗SHから受け付けたか否かを判定している。推定部135は、発注リクエストが受け付けられた場合には、OMSとWMSとが連携することで管理される注文商品ごとの情報に基づいて、どの倉庫Wからいつ出荷し、いつ納入できるかを商品ごとに計算する。例えば、推定部135は、どの倉庫Wからいつ出荷させれば、注文商品を最短で納入可能であるか最短納入可能日を推定する。そして、提示部136は、注文商品ごとの最短納入可能日を対象外店舗SHに提示する。出荷制御部137は、対象外店舗SHが最短納入可能日に同意し注文を確定した場合には、最短納入可能日の情報を出荷先倉庫Wに通知することで、集約出荷の準備に入るよう出荷先倉庫Wに指示する。
【0152】
集約出荷モードでは、受付部131は、商品を注文するための商品ごとの発注リクエストを、集約出荷の対象店舗SHnから受け付けたか否かを判定している。推定部135は、発注リクエストが受け付けられた場合には、OMSとWMSとが連携することで管理される注文商品ごとの情報と、対象店舗SHnに対して特定された出荷日パターンとに基づいて、出荷日パターンに含まれる出荷日に集約出荷した場合に、対象店舗SHnに注文商品を納入できる納入可能日と、出荷先倉庫Wとを推定する。そして、提示部136は、納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で提示する。出荷制御部137は、対象店舗SHnが納入希望日を選択し注文を確定した場合には、納入希望日の情報を出荷先倉庫Wに通知することで、集約出荷の準備に入るよう出荷先倉庫Wに指示する。
【0153】
図19に、納入可能日から納入希望日を選択可能なUIの一例を示す。提示部136は、納入可能日から納入希望日を選択可能なUIとして、図19に示すような画面Gを提示することができる。画面Gには、ハイライト表示された納入可能日の中から納入希望日を選択可能に制御されたカレンダー機能CLが設けられる。図19の例によれば、例えば、対象店舗SHnは、1月15日、1月20日、1月25日という納入可能日のうち、1月15日と1月25日に納入を希望する場合には、カレンダー機能CLを用いて、これらの日付を選択すればよい。
【0154】
また、画面Gには、ボタンBT1が設けられる。ボタンBT1は、納入希望日が選択された場合にアクティブ化される。このような状態において、ボタンBT1が押下された場合には、受付部131は、集約出荷の対象となる対象商品の注文を確定させる指示を受け付ける。
【0155】
また、画面Gには、集約出荷モードを解除し通常出荷モードに移行させるという特例設定を依頼するためのボタンBT2が設けられる。すなわち、ボタンBT2は、集約出荷モードと通常出荷モードとを切り替える機能を有し、例えば、集約出荷モード時には「OFF」に設定されている。対象店舗SHnは、例えば、災害発生により特定の商品の需要が高まった際や、特定の商品が新発売された際には、納品希望日よりも前の即出荷して特例で許可して欲しいと考える場合がある。係る場合には、対象店舗SHnは、ボタンBT2を押下し通常出荷モード「ON」にすればよい。
【0156】
(7-5.特例設定)
ボタンBT2が押下され、通常出荷モード「ON」により特例設定された場合の情報処理について図20を用いて説明する。図20は、特例設定に係る情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0157】
受付部131は、対象店舗SHnから特例設定(ボタンBT2をON)を受け付けたか否かを判定する(ステップS2001)。受付部131は、対象店舗SHnから特例設定を受け付けてない(ボタンBT2をOFF)間は(ステップS2001;No)、対象店舗SHnから特例設定を受け付けるまで待機する。
【0158】
推定部135は、対象店舗SHnから特例設定を受け付けられた場合には(ステップS2001;Yes)、特例設定を行った対象店舗SHnが注文した各注文商品の商品情報を取得する(ステップS2002)。
【0159】
そして、推定部135は、どの倉庫Wからいつ出荷し、いつ納入できるかを注文商品ごとに計算する(ステップS2003)。例えば、推定部135は、どの倉庫からいつ出荷させれば、注文商品を最短で納入可能であるか最短納入可能日を推定する。
【0160】
提示部136は、特例設定を行った対象店舗SHnに対して、注文商品ごとの計算結果を提示する(ステップS2004)。具体的には、提示部136は、注文商品ごとの最短納入可能日を対象外店舗SHに提示する。なお、提示部136は、最短納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で提示してよい。例えば、提示部136は、最短納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で提示する場合も図19の例に倣った画面Gを提示してよい。係る例では、画面Gには、ハイライト表示された最短納入可能日の中から納入希望日を選択可能に制御されたカレンダー機能CLが設けられる。
【0161】
出荷制御部137は、特例設定を行った対象店舗SHnが最短納入可能日に同意し注文を確定した場合には、最短納入可能日の情報を出荷先倉庫Wに通知することで、集約出荷の準備に入るよう出荷先倉庫Wに指示する(ステップS2005)。
【0162】
〔8.その他の実施形態〕
情報処理装置100は、上記実施形態とは異なる形態で実装されてよい。ここからは、情報処理装置100に実装可能なその他の実施形態を説明する。
【0163】
上記実施形態では、推定部135は、出荷日パターンに基づいて、納入可能日を推定する例を示した。しかしながら、出荷日パターンから納入可能日を推定する必要は無く、例えば、特定部134は、出荷日パターンが示す曜日そのものを納入可能日として特定し、これを提示部136により提示させてもよい。
【0164】
また、上記実施形態では、情報処理装置100は、任意のタイミングで出荷日パターンを特定しておき、商品の発注リクエストを受け付けた場合には、発注リクエスト元の店舗に対して特定済の出荷日パターンに基づいて、納入可能日を提示する例を示した。しかしながら、情報処理装置100は、商品の発注リクエストを受け付けた場合に、発注リクエスト元の店舗に対応する出荷日パターンを特定し、特定した出荷日パターンに基づいて、納入可能日を提示してもよい。
【0165】
〔9.ハードウェア構成〕
実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、図21に示すような構成のコンピュータ1000によって実現されてよい。図21は、実施形態に係る情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェース(I/F)1500、入出力インターフェース(I/F)1600、及びメディアインターフーイス(I/F)1700を有する。
【0166】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0167】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェース1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0168】
CPU1100は、入出力インターフェース1600を介して、ディスプレイ等の出力装置、及び、キーボード等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェース1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェース1600を介して出力装置へ出力する。
【0169】
メディアインターフェース1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェース1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0170】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0171】
〔10.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0172】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0173】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0174】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0175】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを特定する特定部と、
店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、前記店舗に対応する前記出荷日のパターンに基づいて、前記商品を集約出荷した際に前記店舗に前記商品を納入できる納入可能日を前記店舗に提示する提示部と、
を備える情報処理装置。
(2)
前記特定部は、集約出荷を行うか否かが前記店舗ごとに設定されたマスタ情報を参照し、前記店舗のうち集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗が存在する場合には、前記対象店舗に対応する前記マスタ情報に基づいて、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンを特定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記特定部は、集約出荷を行うか否かが前記店舗の属する所定のグループ単位で設定された情報を参照し、前記所定のグループのうち集約出荷を行うよう設定されているグループに属する所属店舗が前記店舗の中に存在する場合には、前記所属店舗を、集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗として制御することで、前記対象店舗に対応する前記マスタ情報に基づいて、前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンを特定する、
前記(1)または前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記特定部は、前記店舗ごとに当該店舗が希望する出荷日のパターンが定義されたマスタ情報、および、所定の地域ごとに出荷日のパターンが定義されたマスタ情報それぞれと、前記対象店舗の情報とを照合した照合結果に基づいて、前記出荷日のパターンを特定する、
前記(2)または前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記特定部は、前記照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定している場合には、当該出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定し、
前記提示部は、前記対象店舗が設定した希望の出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記特定部は、前記照合結果に基づいて、前記所定の地域のうち前記対象店舗が属する所属地域に対応する出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定し、
前記提示部は、前記対象店舗が属する所属地域に対応する出荷日のパターンに基づいて、前記対象店舗に対して前記納入可能日を提示する、
前記(4)に記載の情報処理装置。
(7)
前記特定部は、前記照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定していない場合には、前記対象店舗が属する所属地域に対応する出荷日のパターンを前記対象店舗に対応する前記出荷日のパターンとして特定する、
前記(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記特定部は、前記照合結果に基づいて、前記対象店舗が希望の出荷日パターンを設定せず、かつ、前記対象店舗が属する所属地域に出荷日のパターンが設定されていない場合には、前記対象店舗に対して集約出荷を行わない設定をしている店舗である対象外店舗として制御する、
前記(4)に記載の情報処理装置。
(9)
前記提示部は、前記納入可能日の中から納入希望日を選択可能な状態で提示する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(10)
前記特定部は、集約出荷を行うよう設定されている店舗である対象店舗が、集約出荷を解除する特例設定を行った場合には、前記対象店舗から受け付けられた前記発注リクエストに対応する商品の在庫状況に基づいて、前記商品を最短で納入可能な最短納入可能日を特定し、
前記提示部は、前記特例設定を行った前記対象店舗に対して前記最短納入可能日を提示する、
前記(2)または前記(3)に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0176】
1 情報処理システム
10 店舗端末
20 事業者端末
30 倉庫端末
100 情報処理装置
121 店舗階層マスタ
122 出荷日パターン候補マスタ
123 店舗別出荷日パターンマスタ
124 地域別パターンマスタ
125 店舗別地域マスタ
130 制御部
131 受付部
132 依頼制御部
133 判定部
134 特定部
135 推定部
136 提示部
137 出荷制御部
【要約】
【課題】商品を仕入れる際の物流を効率化させつつ商品仕入先の利便性を高めること。
【解決手段】情報処理装置は、特定部と、提示部とを備える。特定部は、商品を集約して出荷させる集約出荷に関するマスタ情報に基づいて、集約出荷が実行される日である出荷日のパターンを特定する。提示部は、店舗から商品の発注リクエストを受け付けた場合に、店舗に対応する出荷日のパターンに基づいて、商品を集約出荷した際に店舗に商品を納入できる納入可能日を店舗に提示する。
【選択図】図7
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