特許 7602689 低圧リチウム電池

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-12-10

(45)【発行日】2024-12-18

(54)【発明の名称】低圧リチウム電池

(51)【国際特許分類】

   H01M 10/0587 20100101AFI20241211BHJP

   H01M 10/052 20100101ALI20241211BHJP

   H01M 50/152 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/184 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/193 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/107 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/119 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/588 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/591 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/559 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/533 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/56 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/545 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/566 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 50/593 20210101ALI20241211BHJP

   H01M 10/0566 20100101ALI20241211BHJP

【ＦＩ】

H01M10/0587

H01M10/052

H01M50/152

H01M50/184 D

H01M50/193

H01M50/107

H01M50/119

H01M50/588

H01M50/591 101

H01M50/559

H01M50/533

H01M50/56

H01M50/545

H01M50/566

H01M50/593

H01M10/0566

【請求項の数】 7

(21)【出願番号】P 2024106791

(22)【出願日】2024-07-02

【審査請求日】2024-07-02

(31)【優先権主張番号】202410147169.3

(32)【優先日】2024-02-02

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】522251375

【氏名又は名称】深▲セン▼市華美興泰科技股▲フン▼有限公司

【氏名又は名称原語表記】Ｈａｍｅｄａｔａ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏ．， Ｌｉｍｉｔｅｄ

【住所又は居所原語表記】１－３Ｆ ＆ ６－８Ｆ ＢＬＤＧ＃Ａ， Ｃｈａｎｇｆａｎｇ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｐａｒｋ， ＮＯ．２ Ｇｕｉｈｕａ ５ｔｈ Ｒｏａｄ， Ｐｉｎｇｓｈａｎ Ｄｉｓｔｒｉｃｔ， Ｓｈｅｎｚｈｅｎ ５１８１１８， Ｇｕａｎｇｄｏｎｇ， Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】110001139

【氏名又は名称】ＳＫ弁理士法人

(74)【代理人】

【識別番号】100130328

【弁理士】

【氏名又は名称】奥野 彰彦

(74)【代理人】

【識別番号】100130672

【弁理士】

【氏名又は名称】伊藤 寛之

(72)【発明者】

【氏名】楊 昌軍

(72)【発明者】

【氏名】肖 朋▲飛▼

(72)【発明者】

【氏名】▲趙▼ 建

(72)【発明者】

【氏名】周 ▲偉▼

(72)【発明者】

【氏名】侯 ▲強▼

【審査官】窪田 陸人

(56)【参考文献】

【文献】中国特許出願公開第１０７９６８１６１（ＣＮ，Ａ）

【文献】特開２００４－２６５７２２（ＪＰ，Ａ）

【文献】国際公開第２０２３／０８５０３０（ＷＯ，Ａ１）

【文献】中国特許出願公開第１１２２０１８３９（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１１７０１３２０４（ＣＮ，Ａ）

【文献】中国特許出願公開第１１０２８９４４２（ＣＮ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｈ０１Ｍ １０／０５－１０／０５８７

Ｈ０１Ｍ ５０／１０－５０／１９８

Ｈ０１Ｍ ５０／５０－５０／５９８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

回路モジュール（１）、プラスチック中枠（２）、巻回セルモジュール（３）、金属ケース（４）及び絶縁外被（５）を含み、前記回路モジュール（１）、プラスチック中枠（２）及び巻回セルモジュール（３）は上から下へ順に金属ケース（４）内に設置され、前記絶縁外被（５）は金属ケース（４）の外を包み、前記回路モジュール（１）はＰＣＢ板（１１）、外導電キャップ（１２）及び内導電キャップ（１３）を含み、前記ＰＣＢ板（１１）の正面に正極銅リング（１１１）及び負極銅リング（１１２）が設けられ、前記正極銅リング（１１１）は外導電キャップ（１２）に電気的に接続され、前記負極銅リング（１１２）は金属ケース（４）に電気的に接続され、前記ＰＣＢ板（１１）の背面に高圧入力銅リング（１１３）が設けられ、前記高圧入力銅リング（１１３）は内導電キャップ（１３）に電気的に接続され、前記巻回セルモジュール（３）の正極タブ（３１）は内導電キャップ（１３）に電気的に接続され、負極タブ（３２）は金属ケース（４）に電気的に接続され、前記外導電キャップ（１２）及び内導電キャップ（１３）はいずれも表面実装によりＰＣＢ板（１１）に溶接され、前記ＰＣＢ板（１１）における電子素子は外導電キャップ（１２）及び内導電キャップ（１３）内に集中的に配置されることを特徴とする低圧リチウム電池。

【請求項2】

前記金属ケース（４）の上部に転動溝（４１）が内向きに設けられ、前記転動溝（４１）は、巻回セルモジュール（３）が金属ケース（４）内で移動できないように、前記巻回セルモジュール（３）を制限するために用いられ、さらにプラスチック中枠（２）を支持するために用いられることを特徴とする請求項１に記載の低圧リチウム電池。

【請求項3】

前記金属ケース（４）にスピニング辺（４２）が内向きに設けられ、プラスチック中枠（２）を押さえるために用いられ、前記スピニング辺（４２）の上方に正負極隔離シート（６）がさらに貼り付けられ、前記正負極隔離シート（６）の一部の上面はさらに絶縁外被（５）に包まれることを特徴とする請求項２に記載の低圧リチウム電池。

【請求項4】

前記プラスチック中枠（２）の内壁にフランジ辺（２１）が設けられ、ＰＣＢ板（１１）を支持するために用いられることを特徴とする請求項２に記載の低圧リチウム電池。

【請求項5】

前記内導電キャップ（１３）とプラスチック中枠（２）との間にポッティング接着剤（７）がさらに設けられ、シールを形成して、電解液を隔離することを特徴とする請求項４に記載の低圧リチウム電池。

【請求項6】

前記回路モジュール（１）は弾性リング（１４）をさらに含み、前記弾性リング（１４）はベースリング（１４１）及びベースリング（１４１）の周辺に均一に設置された反り片（１４２）を含み、前記ベースリング（１４１）の背面は表面実装により負極銅リング（１１２）に溶接され、前記反り片（１４２）は金属ケース（４）のスピニング辺（４２）に弾性的に圧着されることを特徴とする請求項３に記載の低圧リチウム電池。

【請求項7】

前記巻回セルモジュール（３）は巻回セル（３３）、上隔離シート（３４）及び下隔離シート（３５）を含み、前記正極タブ（３１）は上隔離シート（３４）の中心孔から貫通し、端部が内導電キャップ（１３）の下面に溶接され、負極タブ（３２）は巻回セル（３３）の側面から底面に回り、端部が金属ケース（４）の底壁に溶接されることを特徴とする請求項１に記載の低圧リチウム電池。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本願はリチウム電池技術の分野に関し、特に低圧リチウム電池に関する。

【背景技術】

【0002】

公開番号がＣＮ２０３７８７４８０Ｕで、名称が「可変電圧の円筒形電池装置」である中国特許出願において、電圧降下回路基板によりリチウム電池の高電圧（３．０～４．２Ｖ）を１．５Ｖの低電圧に変換する低圧リチウム電池が開示され、それにより一般的なアルカリ電池及びニッケル水素電池を置き換え、５号電池、７号電池などのサイズに従って作製されると、リモコン、電動玩具、電動歯ブラシ、シェーバー、ワイヤレスマイク、ドアベルなど、各種の機器に広く用いることができる。リチウムセルはメモリ効果がなく、エネルギー密度が大きく、耐用年数が長いという利点を有し、電圧降下後の汎用性が大幅に向上する。しかし当該出願にて提供される構造は合理的ではなく、電気的性能の安定性が高くなく、概念的な革新に過ぎず、産業化しにくい。

【0003】

公開番号がＣＮ２０４９６６６１１Ｕで、名称が「１．５Ｖの定電圧リチウムイオン電池」である中国特許出願において、１．５Ｖの低電圧を定常的に出力することができ、同じポートによる充放電機能を実現することができる降圧回路が開示されるが、具体的な組立構造が詳細に開示されず、同様に産業化しにくい。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

従来の低圧リチウム電池の産業化の技術的問題を解決するために、本発明は低圧リチウム電池を提供する。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本願にて提供される技術的解決手段は以下のとおりである。低圧リチウム電池は、回路モジュール、プラスチック中枠、巻回セルモジュール、金属ケース及び絶縁外被を含み、前記回路モジュール、プラスチック中枠及び巻回セルモジュールは上から下へ順に金属ケース内に設置され、前記絶縁外被は金属ケースの外を包み、前記回路モジュールはＰＣＢ板、外導電キャップ及び内導電キャップを含み、前記ＰＣＢ板の正面に正極銅リングと負極銅リングが設けられ、前記正極銅リングは外導電キャップに電気的に接続され、前記負極銅リングは金属ケースに電気的に接続され、前記ＰＣＢ板の背面に高圧入力銅リングが設けられ、前記高圧入力銅リングは内導電キャップに電気的に接続され、前記巻回セルモジュールの正極タブは内導電キャップに電気的に接続され、負極タブは金属ケースに電気的に接続される。

【0006】

本願の回路モジュールにおけるＰＣＢ板に同様に降圧回路、定電圧回路、充電回路、過放電保護回路など、必要な回路が設置され、外導電キャップを電池正極とし、金属ケースを電池負極とし、低電圧を安定的に出力することができ、同じポートによる充放電機能を実現し、しかも外導電キャップ及び内導電キャップが設置され、ＰＣＢ板に正極銅リング、負極銅リング及び高圧入力銅リングを設置することにより、巻回セルモジュールとＰＣＢ板との回路接続、及び低電圧出力素子とＰＣＢ板との回路接続を実現し、いかなる導電ケーブルも使用せず、電気性能の安定性がより高く、リチウム電池の内部接続構造が簡略化され、問題が発生しにくく、より安全であり、産業化、大規模な生産ができる。

【0007】

好ましくは、前記金属ケースの上部に転動溝が内向きに設けられ、巻回セルモジュールを金属ケース内で移動するように制限するために用いられ、さらにプラスチック中枠を支持するために用いられる。

【0008】

好ましくは、前記金属ケースにスピニング辺が内向きに設けられ、プラスチック中枠を押さえるために用いられ、前記スピニング辺の上方に正負極隔離シートがさらに貼り付けられ、前記正負極隔離シートの一部の上面はさらに絶縁外被に包まれる。

【0009】

好ましくは、前記プラスチック中枠の内壁にフランジ辺が設けられ、ＰＣＢ板を支持するために用いられる。

【0010】

好ましくは、前記内導電キャップとプラスチック中枠との間にポッティング接着剤がさらに設けられ、シールを形成して、電解液を隔離する。

【0011】

好ましくは、前記回路モジュールは弾性リングをさらに含み、前記弾性リングはベースリング及びベースリングの周辺に均一に設置された反り片を含み、前記ベースリングの背面は表面実装により負極銅リングに溶接され、前記反り片は金属ケースのスピニング辺に弾性的に圧着される。

【0012】

好ましくは、前記外導電キャップ及び内導電キャップはいずれも表面実装によりＰＣＢ板に溶接される。

【0013】

好ましくは、前記ＰＣＢ板における電子素子は外導電キャップ及び内導電キャップ内に集中的に配置される。

【0014】

好ましくは、前記巻回セルモジュールは巻回セル、上隔離シート及び下隔離シートを含み、前記正極タブは上隔離シートの中心孔から貫通し、端部が内導電キャップの下面に溶接され、負極タブは巻回セルの側面から底面まで回り、端部が金属ケースの底壁に溶接される。

【発明の効果】

【0015】

以上説明したように、本願は以下の少なくとも１つの有益な技術的効果を有する。
１．本願の回路モジュールにおけるＰＣＢ板に同様に降圧回路、定電圧回路、充電回路、過放電保護回路など、必要な回路が設置され、外導電キャップを電池正極とし、金属ケースを電池負極とし、低電圧を安定的に出力することができ、同じポートによる充放電機能を実現することができる。
２．本願は外導電キャップ及び内導電キャップを設置し、ＰＣＢ板に正極銅リング、負極銅リング及び高圧入力銅リングを設置し、いかなる導電ケーブルも使用せず、電気性能の安定性がより高い。
３．本願はリチウム電池の内部接続構造を簡略化し、問題が発生しにくく、より安全であり、産業化、大規模な生産ができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】本願の実施例に記載の低圧リチウム電池の斜視図である。

【図2】本願の実施例に記載の低圧リチウム電池の半断面構造概略図である。

【図3】図２のＡ部の拡大図である。

【図4】図２のＢ部の拡大図である。

【図5】本願の実施例に記載のＰＣＢ板の正面斜視図である。

【図6】本願の実施例に記載のＰＣＢ板の背面斜視図である。

【図7】本願の実施例に記載の巻回セルモジュールの斜視図である。

【図8】本願の実施例に記載の回路モジュールの組立動作の概略図である。

【図9】本願の実施例に記載の回路モジュール及びプラスチック中枠の組立動作の概略図である。

【図10】本願の実施例に記載の回路モジュール及びプラスチック中枠を組立てた後の正面斜視図である。

【図11】本願の実施例に記載の回路モジュール及びプラスチック中枠を組立てた後の背面斜視図である。

【図12】本願の実施例に記載の回路モジュールとプラスチック中枠との間に接着剤が塗布された後の概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、図１～１２を参照して本願をさらに詳細に説明する。

【0018】

図１から図４を参照し、本願の実施例は低圧リチウム電池を開示し、前記低圧リチウム電池は回路モジュール１、プラスチック中枠２、巻回セルモジュール３、金属ケース４及び絶縁外被５を含み、前記回路モジュール１、プラスチック中枠２及び巻回セルモジュール３は上から下へ順に金属ケース４内に設置され、前記絶縁外被５は金属ケース４の外を包む。前記回路モジュール１はＰＣＢ板１１、外導電キャップ１２及び内導電キャップ１３を含む。前記ＰＣＢ板１１の正面に正極銅リング１１１及び負極銅リング１１２が設けられ、前記正極銅リング１１１は外導電キャップ１２に電気的に接続され、前記負極銅リング１１２は金属ケース４に電気的に接続される。前記ＰＣＢ板１１の背面に高圧入力銅リング１１３が設けられ、前記高圧入力銅リング１１３は内導電キャップ１３に電気的に接続される。前記巻回セルモジュール３の正極タブ３１は内導電キャップ１３に電気的に接続され、負極タブ３２は金属ケース４に電気的に接続される。

【0019】

本実施例において、巻回セルモジュール３は市場でよく見られている三元系巻回セルモジュール又はリン酸鉄巻回セルモジュールを選択することができ、当然ながら他のタイプの巻回セルモジュールを選択してもよく、電圧範囲は３．０～４．２Ｖの間であり、ＰＣＢ板１１の電圧降下により、好ましくは１．５Ｖを出力し、実際の必要に応じて、例えば１．２Ｖ、２．０Ｖなど、他の電圧値を出力してもよい。ＰＣＢ板１１における各種の機能回路は既に従来技術であり、本願はこれについて実質的な改善を行わないため、ここでは説明を省略する。本願の絶縁外被５はＰＶＣ材料が好ましく、熱収縮の特徴を有し、熱風を吹き付けることにより金属ケース４をしっかりと包むことができる。本願のＰＣＢ板１１は正面に正極銅リング１１１及び負極銅リング１１２が設けられ、背面に高圧入力銅リング１１３が設けられることを特徴とし、正極銅リング１１１を低圧出力正極とし、高圧入力銅リング１１３を高圧入力正極とし、負極銅リング１１２を共通負極とし、この３つの銅リングを介して外部の導電部材に電気的に接続され、高圧入力及び低圧出力の機能を実現し、いかなる導電ケーブルを配置する必要もない。

【0020】

図３を参照し、前記回路モジュール１は弾性リング１４をさらに含み、前記弾性リング１４はベースリング１４１及びベースリング１４１の周辺に均一に設置された反り片１４２を含み、前記ベースリング１４１の背面は表面実装により負極銅リング１１２に溶接され、前記反り片１４２は金属ケース４のスピニング辺４２に弾性的に圧着され、弾性的圧着は金属ケース４とＰＣＢ板１１における負極銅リング１１２との圧着が緊密ではなく、又は負極銅リング１１２が圧壊される状況の発生を回避することができる。

【0021】

図３を参照し、前記外導電キャップ１２及び内導電キャップ１３はいずれも表面実装によりＰＣＢ板１１に溶接される。１つ目は接続強度が高く、固定が確実であり、２つ目は接続部の断面積が大きく、抵抗が小さく、導電性能が高い。前記ＰＣＢ板１１における電子素子は外導電キャップ１２及び内導電キャップ１３内に集中的に配置されることが好ましく、１つ目は電子素子の配置が合理的であり、外導電キャップ１２及び内導電キャップ１３の内部空間を十分に利用し、２つ目は外導電キャップ１２及び内導電キャップ１３の強度が高く、保護作用を果たすことができ、電子素子は外部と接触せず、破損せず、３つ目はシール効果を果たし、水や塵埃の侵入を防止し、ＰＣＢ板１１の耐用年数を引き延ばす。本願の内導電キャップ１３内における電子素子はスリーインワン降圧チップであり、従来技術に属し、集積度が高く、体積が小さいという利点を有し、ＰＣＢ板１１の設計がより容易であり、外導電キャップ１２内における電子素子は、インダクタ、コンデンサ、抵抗器などの素子である。また、外導電キャップ１２が露出し、外部と接触する必要があり、衝撃を受けやすく、より高い強度の固定接続方式を採用する必要があり、そのため、特に外導電キャップ１２にフランジ辺が設置され、フランジ辺は所定の幅を有し、外導電キャップ１２の肉厚の数倍であり、そのため正極銅リング１１１との接触面積が大きく、固定が強固で、衝撃に耐える。内導電キャップ１３は露出せず、外部からの衝撃を受けず、強度に対する要求がやや低いため、フランジを設置する必要がない。

【0022】

図７を参照し、前記巻回セルモジュール３は巻回セル３３、上隔離シート３４及び下隔離シート３５を含み、前記正極タブ３１は上隔離シート３４の中心孔から貫通し、端部が内導電キャップ１３の下面に溶接され、負極タブ３２は巻回コア３３の側面から底面に回り、端部が金属ケース４の底壁に溶接される。

【0023】

回路の具体的な接続原理は以下のとおりである。巻回セルモジュール３の正極タブ３１は内部導電キャップ１３、高圧入力銅リング１１３を介してＰＣＢ板１１に接続され、巻回セルモジュール３の負極タブ３２は金属ケース４、弾性リング１４、負極銅リング１１２を介してＰＣＢ板１１に接続され、ＰＣＢ板１１における回路降圧処理を経た後、正極銅リング１１１、外部導電キャップ１２からリチウム電池の正極が出力され、負極銅リング１１２、弾性リング１４、金属ケース４からリチウム電池の負極が出力される。

【0024】

図３を参照し、前記金属ケース４の上部に転動溝４１が内向きに設けられ、巻回セルモジュール３を金属ケース４内で移動するように制限するために用いられ、さらにプラスチック中枠２を支持するために用いられる。前記金属ケース４にスピニング辺４２が内向きに設けられ、プラスチック中枠２を押さえるために用いられ、前記スピニング辺４２の上方に正負極隔離シート６がさらに貼り付けられ、正負極隔離シート６は塵埃などの異物が弾性リング１４と外導電キャップ１２との間に入ることを遮断することができ、両者の短絡を回避し、前記正負極隔離シート６の一部の上面はさらに絶縁外被５に包まれ、正負極隔離シート６に対してさらなる固定作用を果たす。

【0025】

本願は巻回セル３３を金属ケース４内に直接入れ、従来技術におけるソフトパックリチウムセル又はハードパックリチウムセルに比べて包みケースが一層少なく、コストがより低い。転動溝４１を設置することにより、巻回セルモジュール３に対するシールを実現し、電解液が漏れにくく、上端のスピニング辺４２はさらにプラスチック中枠２を押さえてシールし、一体化のシールを実現する。

【0026】

図３を参照し、前記プラスチック中枠２の内壁にフランジ辺２１が設けられ、ＰＣＢ板１１を支持するために用いられる。前記内導電キャップ１３とプラスチック中枠２との間にポッティング接着剤７がさらに設けられ、シールを形成して、電解液を隔離し、電解液がＰＣＢ板１１と接触して、腐食を引き起こし、ＰＣＢ板１１があまりにも早く失効することを防止する。ポッティング接着剤７の厚さ及び断面形状を制御することにより、ポッティング接着剤７に特定の強度を備えさせることができ、巻回セルモジュール３の内部に内部故障が発生した場合、温度が上昇し、気圧が増大し、所定の閾値に達すると、ポッティング接着剤７を突き破って圧力を解放することができ、リチウム電池の過圧力による爆発を回避する。

【0027】

絶縁外被５は、ＰＶＣ材が好ましく、熱収縮により金属ケース４を包む。

【0028】

本願の実施原理は以下のとおりである。本願の回路モジュール１におけるＰＣＢ板１１に同様に降圧回路、定電圧回路、充電回路、過放電保護回路など、必要な回路が設置され、外導電キャップ１２を電池正極とし、金属ケース４を電池負極とし、低電圧を安定的に出力することができ、同じポートによる充放電機能を実現し、しかも外導電キャップ１２及び内導電キャップ１３が設置され、ＰＣＢ板１１に正極銅リング１１１、負極銅リング１１２及び高圧入力銅リング１１３を設置することにより、巻回セルモジュール３とＰＣＢ板１１との回路接続、及び低電圧出力素子とＰＣＢ板１１との回路接続を実現し、いかなる導電ケーブルも使用せず、電気的性能の安定性がより高く、リチウム電池の内部接続構造が簡略化され、問題が発生しにくく、より安全であり、本願に記載の製造方法は工程が合理的で、良品率が高く、産業化、大規模な生産ができる。

【0029】

以上は、いずれも本願の好適な実施例であり、これに基づいて本願の保護範囲を制限するものではなく、したがって、本願の構造、形状、原理に基づく等価変化は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。

【符号の説明】

【0030】

１...回路モジュール、１１...ＰＣＢ板、１１１...正極銅リング、１１２...負極銅リング、１１３...高圧入力銅リング、１２...外導電キャップ、１３...内導電キャップ、１４...弾性リング、１４１...ベースリング、１４２...反り片、２...プラスチック中枠、２１...フランジ辺、３...巻回セルモジュール、３１...正極タブ、３２...負極タブ、３３...巻回セル、３４...上隔離シート、３５...下隔離シート、４...金属ケース、４１...転動溝、４２...スピニング辺、５...絶縁外被、６...正負極隔離シート、７...ポッティング接着剤、１００...スピニングカッター。

【要約】      （修正有）

【課題】導電ケーブルを使用せず、電気性能の安定性がより高く、リチウム電池の内部接続構造が簡略化され、より安全であり、産業化ができる低圧リチウム電池を提供する。
【解決手段】本願は低圧リチウム電池に関し、前記低圧リチウム電池は回路モジュール、プラスチック中枠、巻回セルモジュール、金属ケース及び絶縁外被を含み、回路モジュールはＰＣＢ板１１、外導電キャップ及び内導電キャップを含み、ＰＣＢ板の正面に正極銅リング１１１及び負極銅リング１１２が設けられ、正極銅リングは外導電キャップに電気的に接続され、負極銅リングは金属ケースに電気的に接続され、ＰＣＢ板の背面に高圧入力銅リングが設けられ、高圧入力銅リングは内導電キャップに電気的に接続され、巻回セルモジュールの正極タブは内導電キャップに電気的に接続され、負極タブは金属ケースに電気的に接続される。
【選択図】図５

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】