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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】サードレールパドルシステム
(51)【国際特許分類】
   B60L 5/39 20060101AFI20241212BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B60L5/39
B60M7/00 Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022044285
(22)【出願日】2022-03-18
(65)【公開番号】P2022179335
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】63/190,998
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/506,916
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522111138
【氏名又は名称】トランステック オブ サウスカロライナ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】マクマハン,トレイビス
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ノックス2世,スティーブン ジェー.
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-135894(JP,A)
【文献】米国特許第03740498(US,A)
【文献】中国特許出願公開第111409464(CN,A)
【文献】特開平01-194802(JP,A)
【文献】実開昭50-117505(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第03305578(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-58/40
B60M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両に取り付けるように構成されている支持アセンブリと、
前記支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部であって、移動範囲を画定する、ピボット接続部と、
アームユニットおよびパドルを有するパドルアセンブリであって、前記パドルが、前記アームユニットの第1の端部に取り付けられ、前記パドルアセンブリが、前記アームユニットの第2の端部によって前記ピボット接続部に取り付けられ、前記支持アセンブリが前記車両に取り付けられている間、および前記車両が経路に沿って走行している間、前記パドルの底面が、サードレールの上面に接触し、かつ前記支持アセンブリに対して垂直方向に枢動するように構成されている、パドルアセンブリと、
前記ピボット接続部、前記パドルアセンブリ、または前記支持アセンブリのうちの1つに、動作可能に取り付けられたストップ要素であって、前記移動範囲を制限し、かつ前記パドルアセンブリが前記移動範囲の底部まで下向きに移動することを防止するように構成されている、ストップ要素と、を備え、
前記ピボット接続部が、前記パドルアセンブリの移動のために、前記パドルアセンブリの前記アームユニットが取り付けられた可撓性ねじれ要素を含み、前記可撓性ねじれ要素が、前記パドルアセンブリに側方の力が印加されたときに前記パドルアセンブリが横方向に移動し、前記力が取り除かれたことに応答して中心位置に跳ね返るように、ねじり屈曲するように構成されており
前記パドルアセンブリは、前記パドルのみが前記アームユニットから取り外されるように、前記パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断するように構成されている剪断要素を含む、
システム。
【請求項2】
前記パドルアセンブリが、前記サードレールに接触するように、かつ前記サードレールから前記車両へ電流を伝導するように構成されているサードレールパドルアセンブリである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パドルアセンブリが、前記車両によって走行される前記経路の一部分から氷を削り取るように構成されているアイススクレーパである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
システムであって、
車両に取り付けるように構成されている支持アセンブリと、
前記支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部であって、サードレールパドルアセンブリが前記支持アセンブリに対して横方向および垂直方向の両方に枢動するための垂直ピボットアセンブリおよび横方向ピボットアセンブリを含む、ピボット接続部と、
アームユニットおよび前記アームユニットの第1の端部に取り付けられたパドルを有する前記サードレールパドルアセンブリと、を備え、
前記アームユニットの第2の端部が、前記支持アセンブリが前記車両に取り付けられたとき、かつ前記車両が経路に沿って走行している間、前記サードレールパドルアセンブリが前記支持アセンブリに対して枢動し、前記パドルがサードレールの上面に接触し、前記サードレールに対して上下に移動するために、前記ピボット接続部に取り付けられ
前記横方向ピボットアセンブリが、上面視において、前記垂直ピボットアセンブリの枢動軸に重ならない、該枢動軸から距離をおいた位置に、配置される、システム。
【請求項5】
前記サードレールパドルアセンブリが、前記パドルのうちの一方が前記アームユニットから取り外されるか、または前記アームユニットが前記ピボット接続部から取り外されるように、前記パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断するように構成されている剪断要素を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記サードレールパドルアセンブリは、前記パドルが前記アームユニットから取り外されるように、前記パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断するように構成されている、または、前記アームユニットが前記ピボット接続部から取り外されるように、前記パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断するように構成されている、剪断要素を含み、
前記剪断要素が剪断するときに取り外される前記パドルまたは前記アームユニットのうちの1つを、前記ピボット接続部または前記支持アセンブリのうちの1つに接続するテザーをさらに含む、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ピボット接続部が、前記サードレールパドルアセンブリの上下移動範囲を画定する、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ピボット接続部、前記サードレールパドルアセンブリ、または前記支持アセンブリのうちの1つは、前記サードレールパドルアセンブリの前記上下移動範囲を制限し、前記サードレールパドルアセンブリが前記上下移動範囲の底部まで下向きに移動することを防止する、ストップ要素を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記サードレールパドルアセンブリが、サードレールに接触するように、かつ前記サードレールから前記車両へ電流を伝導するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記サードレールパドルアセンブリが、サードレールから氷を削り取るように構成されているアイススクレーパである、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
システムであって、
車両に取り付けるように構成されている支持アセンブリと、
前記支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、
サードレールパドルアセンブリが前記支持アセンブリに対して垂直に枢動するために、前記ピボット接続部に取り付けられたサードレールパドルアセンブリであって、該サードレールパドルアセンブリがパドルおよびアームを有し、前記パドルが、前記アームの第1の端部に取り付けられ、前記サードレールパドルアセンブリが、前記アームの第2の端部によって前記ピボット接続部に取り付けられ、かつ、前記車両が経路に沿って走行している間、前記ピボット接続部に対して垂直方向に移動するように構成されている、サードレールパドルアセンブリと、を備え、
前記サードレールパドルアセンブリが、前記アームに取り付けられた横方向ピボットジョイントを含み、前記パドルが前記横方向ピボットジョイントに取り付けられ、前記横方向ピボットジョイントが弾性要素を含み、前記パドルが、前記横方向ピボットジョイントの周りで前記アームに対して横方向に移動するように構成されており、前記横方向ピボットジョイント内に含まれる前記弾性要素が、前記パドルを前記横方向ピボットジョイントの周りの前記パドルの横方向の移動範囲の中心に付勢
前記横方向ピボットジョイントが、上面視において、前記ピボット接続部の枢動軸に重ならない、該枢動軸から距離をおいた位置に、配置される、システム。
【請求項12】
前記弾性要素が、決められた程度の力を超えて力が前記パドルの側面に対して印加されたときにのみ、前記パドルの前記横方向の移動を許容にするように、非線型である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記パドルが、アイススクレーパを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記支持アセンブリが、前記支持アセンブリが前記車両に取り付けられときに、前記支持アセンブリを前記車両から電気的に絶縁するための電気アイソレータを含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第63/190,998号(2021年5月20日に出願)の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の主題の実施形態は、サードレールから電力を受容するか、または別様でサードレールと相互作用する車両に関する。
【0003】
技術の考察
サードレール(電気レールまたは導体レールとしても知られる)は、いくつかの輸送システムで使用され、電気で走行する車両に電力を提供する。サードレールは、区画された、または既知の車両の経路に沿って(例えば、レールトラックのセットに沿って)延在し、設定された距離だけ経路に対して間隔を置かれる。サードレールは、その長さに沿って金属または他の導電性表面を含み、これには、公共事業体または他の場外供給源から電圧が印加される。サードレールから電力を受けるように指定された車両には、サードレールから車両に電力を伝達するために、集電体が装備されており、集電体は、サードレールと電気的に接触し、車両が経路に沿って走行するときにサードレールに沿って摺動または追跡するように車両上に位置決めされたデバイスである。
【0004】
サードレールは、屋外に位置し得、それによって、氷または雪などの気象条件にさらされ得る。このように、いくつかの車両には、サードレールに沿って追跡するという点で、集電体の一般的な機能を機械的に模倣し得るサードレールアイススクレーパが設けられているが、これは電気的に絶縁されており、車両に電力を伝達しない。代わりに、アイススクレーパは、例えば、スクレーパブレードを用いて、車両が経路に沿って走行するときにサードレールから氷を除去するように構成されている。これにより、サードレールと、電力伝達のためにサードレールに沿って続いて追跡する車両集電体との間の電気的接触の程度が向上する。
【0005】
所与の輸送ネットワークでは、サードレールとその関連する経路との間の間隔は、経路の長さに沿って、垂直方向および横方向の両方で変化し得る。例えば、サードレールおよび/または経路は、(摩耗、温度収縮、経路表面の侵食または沈降などに起因して)起伏し、経路に沿った経路表面とサードレールとの間の不均一な垂直距離をもたらし得る。また、経路の異なる区間またはブロックは、異なる横方向の間隔を有するサードレールを有し得、または、曲がった支持体などのメンテナンスの問題で横方向の間隔が変化する場合がある。集電体とアイススクレーパの両方は、サードレールの上面を走行することによって機能するように意図されている。しかしながら、間隔の顕著な垂直方向のばらつきは、集電体またはアイススクレーパが適切に追跡することができなくなる可能性があり、横方向のばらつきは、集電体またはアイススクレーパがサードレールに衝撃を与え、損傷を受けるか、または車両から完全に分離する可能性がある。
【0006】
したがって、既存のシステムとは異なる車両のサードレールインターフェースデバイスまたはシステム(例えば、集電体またはアイススクレーパ)を提供することが望ましい場合がある。
簡単な説明
【0007】
1つ以上の実施形態では、システム(例えば、サードレールパドルシステム)は、車両に取り付けられ得る支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられ、上下移動範囲を画定するピボット接続部と、アームユニットおよびパドルを有するサードレールパドルアセンブリと、を含む。パドルアセンブリは、支持アセンブリが車両に取り付けられたときに、パドルがサードレールに接触し、サードレールに対して上下に移動するために、ピボット接続部に取り付けられる。ピボット接続部、パドルアセンブリ、または支持アセンブリのうちの1つは、上下移動範囲を制限し、パドルアセンブリが移動範囲の底部まで下向きに移動することを防止するストップ要素を含む。
【0008】
別の実施形態では、システムは、車両に取り付けるように構成されている支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、アームユニットおよびアームユニットの第1の端部に取り付けられたパドルを有するサードレールパドルアセンブリと、を含む。アームユニットの第2の端部は、支持アセンブリが車両に取り付けられたときに、パドルアセンブリが支持アセンブリに対して枢動し、パドルがサードレールに接触し、サードレールに対して上下に移動するために、ピボット接続部に取り付けられる。パドルアセンブリは、パドルがアームユニットから取り外されるか、またはアームユニット(それによって、パドルアセンブリ全体)がピボット接続部から取り外されるように、決められた力がパドルの側面に印加されたときに、剪断するように構成されている剪断要素を含む。
【0009】
別の実施形態では、システムは、車両に取り付けるように構成されている支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、アームユニットおよびパドルを有するサードレールパドルアセンブリと、を含む。パドルアセンブリは、ピボット接続部に取り付けられている。ピボット接続部は、パドルアセンブリが支持アセンブリに対して横方向および垂直方向の両方に枢動するための垂直ピボットアセンブリおよび横方向ピボットアセンブリを含む。横方向ピボットアセンブリは、横方向ピボットアセンブリおよびパドルアセンブリを、パドルアセンブリの横方向の枢動の範囲の中心に向かって付勢する弾性要素を含む。
【0010】
別の実施形態では、システムは、車両に取り付けるように構成されている支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、パドルアセンブリが、支持アセンブリに対して垂直に枢動するために、ピボット接続部に取り付けられたサードレールパドルアセンブリと、を含む。パドルアセンブリは、ピボット接続部に取り付けられたアームと、アームに取り付けられた横方向ピボットジョイントと、横方向ピボットジョイントに取り付けられたパドルと、を含む。パドルは、横方向ピボットジョイントの周りでアームに対して横方向に移動するように構成されている。ピボットジョイントは、パドルを、ピボットジョイントの周りのパドルの横方向の移動範囲の中心に付勢する弾性要素を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことから理解され得る。
【0012】
図1】サードレールパドルシステムの第1の実施形態の概略図である。
図2図1の実施形態の別の側面図である。
図3】サードレールパドルシステムの別の実施形態の概略図である。
図4】サードレールパドルシステムの別の実施形態の概略図である。
図5】サードレールパドルシステムの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載の主題の実施形態は、サードレールパドルシステムに関する。これらのパドルシステムは、指定された機能のためにサードレールに沿ってパドルを走らせるために車両に取り付け可能なデバイスまたはアセンブリを指す。例えば、パドルは、集電体またはスクレーパであり得る。
【0014】
図1および2を参照すると、一実施形態では、システム20は、車両24に取り付けられ得る支持アセンブリ22と、支持アセンブリに取り付けられ、上下(垂直)移動範囲「R」を画定するピボット接続部26と、アームユニット30およびパドル32を有するサードレールパドルアセンブリ28と、を含む。パドルは、略平坦な本体を含み得る。例解された実施形態では、金属製であり、パドル形状である。パドルアセンブリは、支持アセンブリが車両に動作可能に取り付けられるときに、パドルがサードレール34に接触し、サードレールに対して上下に移動するために、ピボット接続部に取り付けられる。ピボット接続部、パドルアセンブリ、または支持アセンブリのうちの1つは、上下移動範囲(「R2」)を制限し、パドルアセンブリが移動範囲の底部(「R3」)まで下向きに移動することを防止するストップ要素36(例えば、ストップボルト)を含む。これにより、サードレールの間隔にばらつきがある場合、ストップ要素がパドルをサードレールより下に移動する可能性が低い、または移動しないことを確実にし得る。
【0015】
別の実施形態では、ピボット接続部は、可撓性ねじれ要素38をさらに含む。パドルアセンブリのアームユニットは、パドルアセンブリの上下移動のためにねじれ要素に取り付けられている。ねじれ要素は、パドルアセンブリに側方の力「F」が印加されたときにパドルアセンブリが横方向に移動し、力が取り除かれたときに中心位置に跳ね返るように、ねじり屈曲し得る。例えば、ねじれ要素は、比較的硬いポリマーシャフト、または比較的堅く、細長い、螺旋状の延長ばねを含み得、その周りでパドルアセンブリは垂直に枢動するが、これは、パドルアセンブリのいくつかの横方向の移動を許容にするためのある程度の柔軟性または屈曲性を含む。
【0016】
別の実施形態では、図3を参照すると、システム40は、車両44に取り付けるように構成されている支持アセンブリ42と、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部46と、アームユニット50およびアームユニットの第1の端部に取り付けられたパドル52を有するサードレールパドルアセンブリ48と、を含む。アームユニットの第2の端部は、支持アセンブリが車両に取り付けられたときに、パドルアセンブリが支持アセンブリに対して枢動し、パドルがサードレール54に接触し、サードレールに対して上下に移動するために、パドルアセンブリのピボット接続部に取り付けられる。パドルアセンブリは、パドルのうちの一方がアームユニットから取り外されるか、またはアームユニットがピボット接続部から取り外されるように、決められた力「F」がパドルの側面に印加されたときに、剪断するように構成されている剪断要素56(例えば、剪断ボルトまたは剪断ピン)を含む。したがって、一態様によれば、側方の力によってパドルアセンブリ全体、ピボット接続部、および支持アセンブリの全部または一部が車両から剥がれる可能性がある代わりに、剪断要素によってパドルまたはパドルアセンブリだけが離れやすくなり、結果として車両への損傷が全体的に小さくなり得る。
【0017】
図3のシステムは、パドルまたはアームユニット(剪断要素が剪断するときに取り外される方)をピボット接続部または支持アセンブリのいずれかに接続するテザー58を含み得る。したがって、パドルがアームユニットから離れるとき、またはパドルアセンブリ全体がピボット接続部から離れるとき、それは経路表面(例えば、レールトラック)に落ちず、代わりにテザー上の車両によって運ばれる。
【0018】
別の実施形態では、(概略的な側面図である)図4を参照すると、システム60は、車両64に取り付けるように構成されている支持アセンブリ62、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部66、ならびにアームユニット70およびパドル72を有するサードレールパドルアセンブリ68を含む。パドルアセンブリは、ピボット接続部に取り付けられている。ピボット接続部は、パドルアセンブリが支持アセンブリに対して横方向および垂直方向の両方に枢動するための垂直ピボットアセンブリ74および横方向ピボットアセンブリ76を含む(図4の観点から、横方向の枢動は、ピボット76の周りであり、垂直方向の枢動は、概して要素74によって指し示されるシャフトの周りのアームユニットおよびパドルのものである)。横方向ピボットアセンブリは、横方向ピボットアセンブリおよびパドルアセンブリを、パドルアセンブリの横方向の枢動の範囲の中心に向かって付勢する弾性要素78(例えば、ばね)などの付勢要素を含む。動作中、パドルは、垂直ピボットアセンブリにより、サードレールに沿って自由に追跡し、上下に移動し得る。パドルが破片またはサードレール自体に当たって(例えば、サードレールの間隔がある間隔から異なる間隔に移行する接合部にぶつかるなど、サードレールの間隔のばらつきによる)パドルの側面に力が印加された場合、パドルアセンブリは横方向に自由に枢動し、力がなくなると跳ね返る。
【0019】
別の実施形態では、図5を参照すると、システム80は、車両84に取り付けられ得る支持アセンブリ82と、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部86と、パドルアセンブリが、支持アセンブリに対して垂直に枢動するために、ピボット接続部に取り付けられたサードレールパドルアセンブリ88と、を含む。パドルアセンブリは、ピボット接続部に取り付けられたアーム90と、アームに取り付けられた横方向ピボットジョイント92と、横方向ピボットジョイントに取り付けられたパドル94と、を含む。動作中、パドルは、横方向ピボットジョイントの周りでアームに対して横方向に移動し得る。ピボットジョイントは、パドルを、ピボットジョイントの周りのパドルの横方向の移動範囲の中心に向かって付勢する弾性要素96を含む。動作は、横方向のピボットポイントがピボット接続部ではなく、パドルアセンブリにあることを除いて、図4のシステムのものに類似し得る。好適な弾性要素は、可撓性ゴム片、ばね、複合材料などを含み得る。
【0020】
図4または図5の実施形態のいずれかにおいて、一態様によれば、弾性要素は、決められた、または指定された程度の力を超えてパドルの側面に対して力が印加されたときにのみパドルの横方向の移動を許容にするように、非線型であってよい。すなわち、決められた程度の力を下回る力が印加されると弾性要素は抵抗するが、決められた、または指定された程度の力を超える力が印加されると、弾性要素の抵抗に部分的に打ち勝って横方向の移動が許容される。力が取り除かれると、弾性要素によって、パドルは中心位置に戻される。
【0021】
本明細書の実施形態のいずれにおいても、パドルは、スクレーパであり得る。好適なスクレーパは、スクレーピングブレードを有するプレートであり得る。好適なブレードは、金属、セラミック、または構造強化樹脂から形成され得る。一実施形態では、スクレーパは、アイススクレーパである。アイススクレーパは、サードレールに接触するその下側に取り付けられた氷除去機能を含み得る。他のスクレーパは、リーフスクレーパ、昆虫スクレーパ、および泥または破片スクレーパを含み得る。スクレーパは、ブラシ、デフレクタなどを含み得る。一実施形態では、スクレーパは、火花を捕捉および消火するための特徴を含む。
【0022】
さらに、支持アセンブリは、支持アセンブリが車両に取り付けられたときに、支持アセンブリを車両から電気的に絶縁するための電気アイソレータを含み得る。これは、サードレールから車両に伝達される電力を低減または阻止し得る。スクレーパに関しては、少なくともアイススクレーパは一般的に動力伝達を目的としておらず、車両の損傷につながる可能性がある。
【0023】
一実施形態では、車両は、サードレールメンテナンス車両、ハイレール検査車両、スイッチャなど、サードレールから牽引力を全く受容せず、代わりにバッテリバンクおよび/または燃料エンジンによって動力を供給される。
【0024】
一実施例では、システムは、車両に取り付けられ得る支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、を含む。ピボット接続部は、移動範囲を画定し得る。システムはまた、アームユニットおよびパドルを有するパドルアセンブリを含む。パドルアセンブリは、支持アセンブリが車両に取り付けられている間、パドルが表面に接触し、サードレールに対して移動するために、ピボット接続部に取り付けられ得る。ピボット接続部、パドルアセンブリ、または支持アセンブリのうちの1つは、移動範囲を制限し、パドルアセンブリが移動範囲の底部まで下向きに移動することを防止するストップ要素を含み得る。
【0025】
パドルアセンブリは、サードレールに接触し、サードレールから車両へ電流を伝導し得るサードレールパドルアセンブリであり得る。パドルアセンブリは、車両によって走行される経路の一部分から氷を削り取り得るスクレーパであり得る。
【0026】
ピボット接続部は、パドルアセンブリの移動のために、パドルアセンブリのアームユニットが取り付けられた可撓性ねじれ要素を含み得る。ねじれ要素は、パドルアセンブリに側方の力が印加されたときに横方向に移動し、力が取り除かれたときに中心位置に跳ね返るようにねじり屈曲し得る。
【0027】
パドルアセンブリは、パドルがアームユニットから取り外されるように、パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断し得る剪断要素を含み得る。パドルアセンブリは、アームユニットがピボット接続部から取り外されるように、パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断し得る剪断要素を含み得る。
【0028】
ピボット接続部は、パドルアセンブリが支持アセンブリに対して横方向および垂直方向の両方に枢動するための垂直ピボットアセンブリおよび横方向ピボットアセンブリを含み得る。横方向ピボットアセンブリは、横方向ピボットアセンブリおよびパドルアセンブリを、パドルアセンブリの横方向の枢動の範囲の中心に向かって付勢する弾性要素を含み得る
【0029】
一例では、システムは、車両に取り付けられ得る支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、アームユニットおよびアームユニットの第1の端部に取り付けられたパドルを有するサードレールパドルアセンブリと、を含む。アームユニットの第2の端部は、支持アセンブリが車両に取り付けられたときに、パドルアセンブリが支持アセンブリに対して枢動し、パドルがサードレールに接触し、サードレールに対して上下に移動するために、ピボット接続部に取り付けられ得る。
【0030】
パドルアセンブリは、パドルがアームユニットから取り外されるか、またはアームユニットがピボット接続部から取り外されるように、パドルの側面に決められた力が印加されると、剪断し得る剪断要素を含み得る。システムはまた、剪断要素が剪断する際に取り外されるパドルまたはアームユニットのうちの1つを、ピボット接続部または支持アセンブリのうちの1つに接続するテザーを含み得る。
【0031】
ピボット接続部は、パドルアセンブリの上下移動範囲を画定し得る。ピボット接続部、パドルアセンブリ、または支持アセンブリのうちの1つは、パドルアセンブリの移動範囲を制限し、パドルアセンブリが移動範囲の底部まで下向きに移動することを防止するストップ要素を含み得る。
【0032】
パドルアセンブリは、サードレールに接触し、サードレールから車両へ電流を伝導し得るサードレールパドルアセンブリであり得る。パドルアセンブリは、サードレールから氷を削り取るアイススクレーパであり得る。
【0033】
一例では、システムは、車両に取り付けられ得る支持アセンブリと、支持アセンブリに取り付けられたピボット接続部と、パドルアセンブリが、支持アセンブリに対して垂直に枢動するために、ピボット接続部に取り付けられたサードレールパドルアセンブリと、を含む。パドルアセンブリは、ピボット接続部に取り付けられたアームと、アームに取り付けられた横方向ピボットジョイントと、横方向ピボットジョイントに取り付けられたパドルと、を含み得る。パドルは、横方向ピボットジョイントの周りでアームに対して横方向に移動し得る。ピボットジョイントは、パドルを、ピボットジョイントの周りのパドルの横方向の移動範囲の中心に付勢する弾性要素を含み得る。
【0034】
弾性要素は、決められた程度の力を超えて力がパドルの側面に対して印加されたときにのみ、パドルの横方向の移動を許容にするように、非線型であってよい。パドルは、アイススクレーパを含み得る。支持アセンブリは、支持アセンブリが車両に取り付けられたときに、支持アセンブリを車両から電気的に絶縁するための電気アイソレータを含み得る。
【0035】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数形の参照を含む。「任意選択の」または「任意選択で」は、続いて記載される事象または状況が生じ得るか、または生じ得ず、その記載が、その事象が生じる場合と生じない場合とを含み得ることを意味する。本明細書および特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用される近似言語は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく、許容範囲で変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「実質的に」、および「およそ」などの用語または複数の用語によって修飾される値は、指定された正確な値に限定され得ない。少なくともいくつかの場合では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、文脈または言語が他に示さない限り、範囲制限は、組み合わせおよび/または入れ替えられ得、かかる範囲は特定され、そこに含まれるすべての下位範囲を含み得る。
【0036】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の態様を含む実施形態を開示し、かつ当業者が、任意のデバイスまたはシステムの製造および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む実施形態を実践することを可能にする。本発明の態様は、以下の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4
図5