(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】送電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20241212BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20241212BHJP
H02J 50/30 20160101ALI20241212BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/20
H02J50/30
(21)【出願番号】P 2021020343
(22)【出願日】2021-02-12
(62)【分割の表示】P 2020137915の分割
【原出願日】2020-08-18
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】519416853
【氏名又は名称】株式会社Space Power Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高林 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】岸本 篤始
(72)【発明者】
【氏名】古川 実
(72)【発明者】
【氏名】森田 卓司
(72)【発明者】
【氏名】武田 祐司
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/006482(WO,A1)
【文献】特開2006-340541(JP,A)
【文献】特開2017-070158(JP,A)
【文献】特開2019-126198(JP,A)
【文献】特開2017-046422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/20
H02J 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送電を行う送電部を制御する制御部を具備し、前記制御部は、
第1の電力を設定した第1の送電ビームを前記送電部に放射させる手段と、
受電装置における前記第1の送電ビームの受信結果に関するフィードバック情報を取得する手段と、
前記受電装置における受電能力を特定する手段と、
前記受電能力および前記受信結果を参照して、前記受電装置を対象とする無線給電において使用可能であって、かつ前記第1の電力より大きい第2の電力を決定する手段と
を具備し、
前記受電能力は、前記受電装置の入力電力範囲の最大値
および最小値を含み、
前記
第2の電力を最大化したとしても前記最小値を下回る場合に、前記受電装置
への給電が不可能であることを前記受電装置またはユーザに通知する手段を更に具備する、
送電装置。
【請求項2】
無線送電を行う送電部を制御する制御部を具備し、前記制御部は、
第1の電力を設定した第1の送電ビームを前記送電部に放射させる手段と、
受電装置における前記第1の送電ビームの受信結果に関するフィードバック情報を取得する手段と、
前記受電装置における受電能力を特定する手段と、
前記受電能力および前記受信結果を参照して、前記受電装置を対象とする無線給電において使用可能であって、かつ前記第1の電力より大きい第2の電力を決定する手段と
を具備し、
前記受電能力を特定する手段は、少なくとも前記受電装置の入力電力範囲の最小値および最大値を特定し、
前記受電能力を特定する手段は、前記受電装置、または前記受電装置を被覆するカバーに付与されたコードを
カメラによって読み取ることで取得された情報を参照して前記受電能力を特定し、
前記第2の電力を決定する手段は、前記送電部が前記第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に前記受電装置における受信電力が前記入力電力範囲に収まるように前記第2の電力を決定する、
送電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送電装置、受電装置、送電制御方法、送電制御プログラム、受電制御方法、および受電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線給電の分野では、高効率な電力伝送を実現することが求められる。
【0003】
特許文献1には、モバイルデバイスを充電するために供給されるRF信号を最大化するために、当該モバイルデバイスによる後方散乱信号を用いてRF送信機アレイの個々の送信要素の位相を変化させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019/0214855号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
理論上、受電装置に伝送する電力を増やすほど、受電装置の充電を早期に完了させることができると考えられる。しかしながら、現実の受電装置の受電能力には限界がある。例えば、受電装置の受電能力を超過する電力を受けた場合に、当該受電装置に性能低下、劣化、破損、などの種々の悪影響が生じる可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、送電ビームに設定される電力が受電装置の受電能力を超えないように制御しつつ、高効率な電力伝送を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る送電装置は、無線送電を行う送電部を制御する制御部を具備し、制御部は、第1の電力を設定した第1の送電ビームを送電部に放射させる手段と、受電装置における第1の送電ビームの受信結果と受電装置の受電能力とに関するフィードバック情報を参照して、受電装置を対象とする無線給電において使用可能な第2の電力を決定する手段とを具備し、第1の電力は、第2の電力よりも弱い。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、送電ビームに設定される電力が受電装置の受電能力を超えないように制御しつつ、高効率な電力伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の無線給電システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】送電装置の構成を例示するブロック図である。
【
図3】
図2の送電部に対応する送電面を例示する図である。
【
図4】受電装置の構成を例示するブロック図である。
【
図5】
図4の受電部に対応する受電面を例示する図である。
【
図6】
図4の受電部の備える受電モジュールの回路構成を例示する図である。
【
図7】
図6の受電モジュールの受信電力と、当該受電モジュールによって検出される参照電圧との関係を例示するグラフである。
【
図8】本実施形態の受電クラスデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態の無線給電処理の全体フローを示す図である。
【
図13】変形例1の無線給電処理の全体フローを示す図である。
【
図14】変形例2の無線給電処理の全体フローを示す図である。
【
図15】検波機能を備えない受電モジュールの回路構成を例示する図である。
【
図16】入力電力に対する効率をプロットしたグラフである。
【
図18】変形例4の送電制御処理を例示するフローチャートである。
【
図19】
図18のステップS210の詳細を例示するフローチャートである。
【
図20】送電装置が受電装置から受信する情報の構造を例示する図である。
【
図21】
図18のステップS220の詳細を例示するフローチャートである。
【
図24】変形例5の送電制御処理を例示するフローチャートである。
【
図25】受電面の姿勢が変化した場合の送電ビームに対する制御の説明図である。
【
図26】変形例6の受電部データベースのデータ構造を例示する図である。
【
図27】単眼カメラを用いた距離の測定技法の説明図である。
【
図28】単眼カメラを用いた距離の測定技法の説明図である。
【
図29】受電部が複数の受電モジュールを備える場合の電力比率の決定法の説明図である。
【
図30】受電部が複数の受電モジュールを備える場合の電力比率の決定法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)無線給電システムの構成
無線給電システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の無線給電システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、無線給電システム1は、送電装置10と、受電装置30とを備える。
【0013】
送電装置10、および受電装置30は、互いに無線通信が可能である。無線通信の方式は任意であるが、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、特定小電力無線通信、または無線LAN(Local Area Network)である。
【0014】
送電装置10は、受電装置30からの給電要求に応答して、当該受電装置30を対象とする無線給電を行う。
具体的には、送電装置10および受電装置30は、給電用電力(「第2の電力」の一例)を設定した送電ビーム(「第2の送電ビーム」の一例)の放射(つまり、本格的な無線給電)を開始する前に、以下のように動作する。
送電装置10は、給電用電力よりも弱い(つまり、電力レベルが低い)電力(「第1の電力」の一例)を設定した送電ビーム(以下、「テストビーム」と称する)(「第1の送電ビーム」の一例)を受電装置30に向けて放射する。
受電装置30は、当該受電装置30自身の受電能力と、テストビームの受信結果とに関するフィードバック情報を、送電装置10へ送信する。
送電装置10は、フィードバック情報を参照して、給電用電力(つまり、受電装置30を対象とする無線給電において使用可能な電力)を決定する。
【0015】
受電装置30は、図示しないバッテリを備える。受電装置30は、送電装置10に対して給電要求を送信し、送電装置10から放射される送電ビームのエネルギーを用いてバッテリを充電する。
受電装置30は、バッテリ駆動可能な任意の電子機器である。一例として、受電装置30は、モバイルコンピュータ(例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータ)、倉庫内のピッキング作業に用いられる表示器、またはドローンである。
【0016】
なお、
図1には、送電装置10、および受電装置30の数は1台であるが、送電装置10、および受電装置30の数は1台に限られない。
複数台の受電装置30が存在する場合に、受電装置30は、自らを識別する情報を給電要求に含めてもよい。これにより、送電装置10は、無線給電の対象となる受電装置30(対象受電装置)を識別することができる。
複数台の送電装置10が存在する場合に、これらのうちの複数台が協同して無線給電を行ってもよいし、1台が無線給電を行ってもよい。無線給電を行う送電装置10は、対象受電装置によって指定されてもよいし、対象受電装置から給電要求を受信した1台以上の送電装置10によって決定されてもよい。
【0017】
(1-1)送電装置の構成
送電装置10の構成について説明する。
図2は、送電装置の構成を例示するブロック図である。
図3は、
図2の送電部に対応する送電面を例示する図である。
【0018】
図2に示すように、送電装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、送電部15とを備える。送電装置10は、入力デバイス16および出力デバイス17の少なくとも1つと接続可能である。
【0019】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0020】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理(例えば送電制御処理)を実行するアプリケーションのプログラム
【0021】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0022】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、送電装置10の機能(特に、送電部15を制御する機能)を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータ、または制御部の一例である。
【0023】
入出力インタフェース13は、送電装置10に接続される入力デバイス16から信号(例えば、ユーザの指示、センシングデータ、またはそれらの組み合わせ)を取得し、かつ、送電装置10に接続される出力デバイス17に信号を出力するように構成される。
【0024】
入力デバイス16は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチスクリーン、センサ(例えば、光学センサ)又は、それらの組合せである。
【0025】
光学センサは、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・カメラ
・Lidar
・ToF(Time Of Flight)カメラ
【0026】
出力デバイス17は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、警報装置、又は、それらの組合せである。警報装置は、送電装置10から警報出力指示を受信すると、周囲の人間が知覚可能な警報を出力する。一例として、警報は、人間の視覚または聴覚に限られず、触覚、嗅覚、または味覚を刺激することで、当該作業者に警報の存在それ自体、および警報の内容の少なくとも1つを知覚させる。警報装置は、例えば、光源、ランプ、表示器、プロジェクタ、物理的状態を電動制御可能な機械(例えば、人間の通行を阻害するための電動ゲート)、発煙装置、スピーカ、振動装置、ミスト発生装置、匂い発生装置、味覚刺激装置(例えば、装着者の舌に味覚刺激液を供給可能なマウスピース型のデバイス)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0027】
通信インタフェース14は、送電装置10と外部装置(例えば受電装置30)との間の通信を制御するように構成される。
一例として、通信インタフェース14は、Bluetooth、ZigBee、特定小電力無線通信、または無線LANの少なくとも1つの方式をサポートする無線通信モジュールである。
【0028】
送電部15は、プロセッサ12からの制御信号に応じて、給電用電磁波を送電ビームとして放射する(つまり、無線送電を行う)ように構成される。給電用電磁波は、例えば、マイクロ波、または光波(レーザ光、またはLED光)である。以下の説明では、給電用電磁波は、マイクロ波であることとする。
【0029】
具体的には、送電部15は、信号源と、信号処理回路と、アンテナ(「ビーム放射素子」の一例)とを備える。
信号源は、例えば、給電用電磁波を発生する発振器である。
信号処理回路は、信号源によって発生された給電用電磁波に対して、例えば、位相調整、振幅調整、およびフィルタリングの少なくとも1つを含む信号処理を行う。信号処理回路は、振幅調整(電力増幅)のための増幅器を備え得る。
アンテナは、信号処理回路から出力された給電用電磁波を送電ビームとして空間に放射する。アンテナの周囲には、警報装置としてのランプが取り付けられてもよい。一例として、ランプを点灯させることで、周囲の人間に無線送電が実行中であることを知覚させることができる。
【0030】
図3に示すように、送電部15は、複数のアンテナ151を備える。アンテナ151は、
図3のような面状のアンテナであってもよいし、線状のアンテナであってもよい。また、アンテナ151は、
図3のようなアレイ状に配置されてもよいし、異なる態様で配置されてもよい。
【0031】
複数のアンテナ151は、送電面を形成する。送電面は、送電部15のうち送電ビームの放射を担当する部分に相当する。送電面は、送電部15の構成(例えば、アンテナ151のサイズ、形状、配置、および数)に依存する。一例として、
図3のように、送電部15の備える全てのアンテナ151を包含する矩形の送電面TSが定められてよい。
【0032】
(1-2)受電装置の構成
受電装置30の構成について説明する。
図4は、受電装置の構成を例示するブロック図である。
図5は、
図4の受電部に対応する受電面を例示する図である。
図6は、
図4の受電部の備える受電モジュールの回路構成を例示する図である。
図7は、
図6の受電モジュールの受信電力と、当該受電モジュールによって検出される参照電圧との関係を例示するグラフである。
【0033】
図4に示すように、受電装置30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34と、受電部35とを備える。受電装置30は、入力デバイス36および出力デバイス37の少なくとも1つと接続可能である。
【0034】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0035】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0036】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0037】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、受電装置30の機能(特に、受電部35を制御する機能)を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータ、または制御部の一例である。
【0038】
入出力インタフェース33は、受電装置30に接続される入力デバイス36から信号(例えば、ユーザの指示、センシングデータ、またはそれらの組み合わせ)を取得するように構成される。また、入出力インタフェース33は、受電装置30に接続される出力デバイスに信号を出力するように構成される。
【0039】
入力デバイス36は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチスクリーン、センサ(例えば、姿勢センサ)又は、それらの組合せである。
【0040】
姿勢センサは、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・加速度センサ
・角速度センサ
・磁気センサ
【0041】
出力デバイス37は、例えば、ディスプレイである。
【0042】
通信インタフェース34は受電装置30と外部装置(例えば送電装置10)の間の通信を制御するように構成される。一例として、通信インタフェース34は、センシングデータを外部装置へ送信する。
一例として、通信インタフェース34は、Bluetooth、ZigBee、特定小電力無線通信、または無線LANの少なくとも1つの方式をサポートする無線通信モジュールである。
【0043】
受電部35は、送電部15によって空間に放射された送電ビームを受信して電力を得るように構成される。
【0044】
具体的には、受電部35は、アンテナと、電力変換器とを備える。
アンテナは、空間を伝搬する給電用電磁波(送電ビーム)を受信する。
電力変換器は、アンテナによって受信された給電用電磁波を(直流)電力へと変換する。
給電用電磁波がマイクロ波である場合に、アンテナおよび電力変換器は、レクテナ(「受電モジュール」の一例)であってもよい。給電用電磁波が光波である場合に、アンテナおよび電力変換器は、光電変換器(「受電モジュール」の一例)であってもよい。
【0045】
図5に示すように、受電部35は、複数のアンテナ351を備える。アンテナ351は、
図5のような面状アンテナであってもよいし、線状のアンテナであってもよい。また、アンテナ351は、
図5のようなアレイ状に配置されてもよいし、異なる態様で配置されてもよい。
【0046】
複数のアンテナ351は、受電面(開口面と呼ぶこともできる)を形成する。受電面は、受電部35のうち送電ビームの受信を担当する部分に相当する。受電面は、受電部35の構成(例えば、アンテナ351のサイズ、形状、配置、および数)に依存する。一例として、
図5のように、受電部35の備える全てのアンテナ351を包含する矩形の受電面RSが定められてよい。受電面は、受電部35の電波特性に基づく有効開口面であってもよい。
【0047】
図6に示すように、受電部35に含まれる受電モジュールは、アンテナ351と、ダイオードDと、キャパシタCと、スイッチSWと、抵抗器Rとを備える。
【0048】
ダイオードDは、アノードが接地され、カソードがアンテナ351、キャパシタの第1端子、およびスイッチSWの入力端子に接続される。キャパシタCは、第1端子がアンテナ351、ダイオードDのカソード、およびスイッチSWの入力端子に接続され、第2端子が接地される。ダイオードDおよびキャパシタCは、送電ビームを受信したアンテナ351から出力される交流電流を直流電流へと変換(つまり、整流)する。
【0049】
スイッチSWは、1個の入力端子と、2個の出力端子とを備える。スイッチSWの入力端子は、アンテナ351、ダイオードDのカソード、およびキャパシタCの第1端子に接続される。スイッチSWの第1の出力端子は、ノードN0に接続される。スイッチSWの第2の出力端子は、ノードN1、および抵抗器Rの一端に接続される。
【0050】
スイッチSWは、図示されない制御信号に応答して、入力端子と第1の出力端子または第2の出力端子のいずれかとの間を短絡する。
具体的には、無線給電時(つまり、給電用電力を設定された送電ビームが放射されている時)には、スイッチSWは、入力端子と第1の出力端子との間を短絡する(第1のスイッチ状態)。これにより、ダイオードDおよびキャパシタCによって得られた直流電流は、ノードN0を介して図示されないバッテリへと導かれる。ノードN0とバッテリとの間には、任意の回路構成が存在してもよいし、しなくてもよい。
また、検波時には、スイッチSWは、入力端子と第2の出力端子との間を短絡する(第2のスイッチ状態)。これにより、ダイオードDおよびキャパシタCによって得られた直流電流は、抵抗器Rへと導かれる。
【0051】
抵抗器Rは、一端がノードN1、およびスイッチSWの第2の出力端子に接続され、他端がノードN2(グランド)に接続される。抵抗器Rには、スイッチSWが第2のスイッチ状態にある時に当該スイッチSWを介して直流電流が流れる。これにより、抵抗器Rの両端(つまり、ノードN1およびノードN2)の間に、参照電圧Vrefが生じる。
図7に示すように、参照電圧Vrefは、受電モジュールの受信電力Prfに依存する。故に、検出した参照電圧Vrefに対応する受信電力Prfを特定することで、受信電力Prfの推定値を導出することができる。
【0052】
受電装置30は、図示されないバッテリを備える。バッテリは、受電装置30の各部に電力を供給する。バッテリは、受電部35の得た電力によって充電される。
【0053】
(2)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置11、および記憶装置31の少なくとも1つに記憶される。
【0054】
(2-1)受電クラスデータベース
本実施形態の受電クラスデータベースについて説明する。
図8は、本実施形態の受電クラスデータベースのデータ構造を示す図である。受電クラスデータベースは、記憶装置11、および記憶装置31の少なくとも1つに記憶される。
【0055】
図8に示すように、受電クラスデータベースは、「クラス」フィールドと、「入力電力範囲」フィールドと、「出力電力範囲」フィールドと、「周波数」フィールドと、「アンテナ構成」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
受電クラスデータベースには、受電クラス情報(「受電能力に関する情報」の一例)が格納される。受電クラス情報は、受電クラスに関する情報である。受電クラスは、種々の受電装置の受電部が備え得る受電能力を類型化した概念である。
【0056】
受電能力は、例えば以下の少なくとも1つを含む。
・受電面のサイズ
・受電面の形状
・受電部35の受電可能な電力範囲
・受電部35の受信可能なの周波数
・受電部35の受信可能な偏波の種類
【0057】
「クラス」フィールドには、クラス情報が格納される。クラス情報は、クラスを識別する情報である。
受電装置30の記憶装置31には、当該受電装置30の備える受電部35の受電能力の属する受電クラスを示すクラス情報が格納される。
【0058】
「入力電力範囲」フィールドには、入力電力範囲情報が格納される。入力電力範囲情報は、入力電力範囲を定義する情報(例えば、最小値および最大値)である。入力電力範囲は、例えば受電部35の備える受電モジュールの推奨入力電力範囲である。入力電力範囲は、受電モジュールの効率特性(例えば、入力電力と効率との対応関係)を参照して定めることができる。この場合に、入力電力範囲は、受電モジュールが安全かつ効率的に動作可能な受信電力の範囲を意味する。
【0059】
「出力電力範囲」フィールドには、出力電力範囲情報が格納される。出力電力範囲情報は、出力電力範囲を定義する情報(例えば、最小値および最大値)である。出力電力範囲は、入力電力範囲内の受信電圧が与えられた時の受電モジュールの出力電力の範囲である。
【0060】
「周波数」フィールドには、周波数情報が格納される。周波数情報は、受電部35が受信可能な給電用電磁波の周波数に関する情報である。
【0061】
「アンテナ構成」フィールドには、アンテナ構成情報が格納される。アンテナ構成情報は、受電部35に備えられるアンテナ351の構成に関する情報である。
【0062】
一例として、「アンテナ構成」フィールドには、「間隔」フィールド、「素子数」フィールド、および「配置」フィールドが含まれる。
【0063】
「間隔」フィールドには、アンテナ間隔情報が格納される。アンテナ間隔情報は、受電部35に備えられる隣接するアンテナ351同士の間隔に関する情報である。
【0064】
「素子数」フィールドには、アンテナ素子数情報が格納される。アンテナ素子数情報は、受電部35に備えられるアンテナ351の数に関する情報である。
【0065】
「配置」フィールドには、アンテナ配置情報が格納される。アンテナ配置情報は、受電部35に備えられる複数のアンテナ351の全体配置に関する情報である。
【0066】
(2-2)受信電力データベース
本実施形態の受信電力データベースについて説明する。受信電力データベースは、記憶装置11、および記憶装置31の少なくとも1つに記憶される。
【0067】
前述のように、受電装置30の備える受電モジュールにおいて、参照電圧Vrefと受信電力Prfとの間には対応関係が存在する。参照電圧Vrefに対応する受信電力Prfを特定するために、かかる対応関係を記述した受信電力データベース(不図示)が利用可能である。参照電圧Vrefの値をキーとして、受信電力データベースを検索することで、対応する受信電力Prfの値を特定することができる。
【0068】
(3)無線給電処理
本実施形態の無線給電処理について説明する。
図9は、本実施形態の無線給電処理の全体フローを示す図である。
図10は、給電用電力の決定に関する説明図である。
図11は、給電用電力の決定に関する説明図である。
図12は、給電用電力の決定に関する説明図である。
【0069】
図9に示すように、送電装置10は、テストビームの放射(S110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、送電部15にテストビームを受電装置30に向けて放射させる。
前述のように、テストビームに設定される電力は、給電用電力に比べて弱い。これにより、受電装置30におけるテストビームの受信電力が抑制されるので、受信電力が当該受電装置30の受電能力(例えば、入力電力範囲の最大値)を超過することによる不具合を回避することができる。
一例として、プロセッサ12は、設定可能な電力範囲の最小値(例えば、図示されない電力増幅器の利得を0[dB]に設定した場合の電力)をテストビームに設定してもよい。さらに、プロセッサ12は、給電条件(例えば、受電装置30の位置、もしくは姿勢、または障害物の有無)に応じて、テストビームに設定する電力を可変としてもよい。
【0070】
ステップS110の後に、受電装置30は、参照電圧の検出(S130)を実行する。
具体的には、受電部35の備える受電モジュール(
図6)は、ステップS110において放射されたテストビームを受信する。テストビームの受信時に、受電モジュールのスイッチSWは、第2のスイッチ状態に設定されている。故に、受電モジュールのノードN1とノードN2との間には参照電圧Vrefが発生する。プロセッサ32は、発生した参照電圧Vrefの値を読み取る。
【0071】
ステップS130の後に、受電装置30は、フィードバック情報の送信(S131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、受電部35におけるテストビームの受信結果と受電部35の受電能力とに関するフィードバック情報を、通信インタフェース34を介して送電装置10へ送信する。
一例として、プロセッサ32は、ステップS130において検出した参照電圧Vrefを示す情報(「受信結果に関する情報」の一例)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信する。
受電装置30が複数の受電モジュールを備える場合に、参照電圧は受電モジュール毎に検出される。プロセッサ32は、複数の受電モジュールによる全検出値を示す情報を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよいし、一部の検出値を示す情報(例えば、最大値のみ、または最小値および最大値のみ)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよい。
【0072】
ステップS131において、プロセッサ32は、さらに、受電装置30の受電能力に関する情報(例えば、クラス情報、または入力電力範囲情報)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよい。
なお、受電装置30は、ステップS131とは異なるタイミングで、受電能力に関する情報を送電装置10へ送信することも可能である。一例として、受電装置30は、
図9の無線給電処理の開始前に、受電能力に関する情報を送電装置10へ送信してもよい。この場合に、受電能力に関する情報は、給電要求に含められ得る。
【0073】
ステップS131の後に、送電装置10は推定受信電力の導出(S111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS131において送信されたフィードバック情報を参照して、ステップS130において検出された参照電圧の値を特定する。プロセッサ12は、受信電力データベースを参照して、この参照電圧の値に対応する受信電力の値を特定する。これにより、プロセッサ12は、参照電圧に対応する推定受信電力(つまり、Prfの推定値)を導出する。
なお、ステップS131において送信されたフィードバック情報が複数の受電モジュールにおける参照電圧を示す情報を含む場合に、プロセッサ12は、参照電圧の全部について推定受信電力を個別に導出してもよいし、参照電圧の一部(例えば、最大値のみ、または最小値および最大値のみ)について推定受信電力を個別に導出してもよい。
【0074】
ステップS111の後に、送電装置10は、給電用電力の決定(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS111において導出した推定受信電力と、受電装置30の受電能力に関する情報とを参照して、給電用電力を決定する。
【0075】
一例として、プロセッサ12は、受電能力に関する情報を参照して、受電装置30の入力電力範囲の最大値Pmaxおよび最小値Pminを特定する。プロセッサ12は、推定受信電力(Pest)に対する最大値Pmax、および最小値Pminの電力比率(Pmax/Pest、およびPmin/Pest)をそれぞれ算出する。
プロセッサ12は、この電力比率の範囲(Pmax/Pest~Pmin/Pest)と、設定可能な利得範囲(Gmax~Gmin)とを比較する。ここでの利得は、テストビームに設定した電力に対する給電用電力の電力比率を表す。つまり、テストビーム放射時の電力増幅器の利得を0[dB]とするならば、利得範囲は当該電力増幅器のダイナミックレンジに相当する。Gmaxは、利得の最大値を表す。Gminは、利得の最小値を表す。すなわち、テストビームに設定した電力をPtとすれば、給電用電力の最小値はGmin×Ptであり、給電用電力の最大値はGmax×Ptである。
【0076】
図10に示すように、電力比率の範囲(Pmax/Pest~Pmin/Pest)と、利得範囲(Gmax~Gmin)との間に重複する範囲(以下、「給電推奨範囲」と称する)が存在する場合、つまりPmax/Pest≧Gmax≧Pmin/Pest、またはPmax/Pest≧Gmin≧Pmin/Pestが成立する場合には、プロセッサ12は、当該給電推奨範囲の中から1つの利得(Gopt)を決定する。これにより、給電用電力はGоpt×Ptとして決定される。送電部15がかかる給電用電力を設定した送電ビームを放射した場合に受電装置30における受信電力は、当該受電装置30の入力電力範囲に収まると予想されるので、高効率な電力伝送が可能である。特に、受電装置30における受信電力は、当該受電装置30の入力電力範囲の最大値を超過しないと予想されるので、受電装置30を安全に動作させることができる。
一例として、Gоptは、給電推奨範囲の中で最大の利得に定められてもよいし、当該利得に所定の比率(例えば0.9)を乗じた利得に定められてもよい。
【0077】
ステップS112の後に、プロセッサ12は、以下の少なくとも1つの処理を行ってもよい。
・受電装置30への給電が可能であることを受電装置30またはユーザに報告する。
・受電装置30からの給電開始要求を待ち受ける。
・ステップS112において決定した給電用電力を設定した送電ビームを受電装置30に向けて放射する(つまり、給電を開始する)。
・受電装置30への給電効率が高いことをユーザ、または受電装置30に通知する。
【0078】
他方、送電装置10と受電装置30との間の距離、または他の要因により、給電推奨範囲が存在しないこともあり得る。この場合に、送電装置10は、以下に例示するエラー処理を行ってよい。
【0079】
図11に示すように、Gmin>Pmax/Pestが成立する場合には、給電用電力を最小化したとしても入力電力範囲の最大値Pmaxを上回るので、受電装置30に対して安全かつ高効率な送電を行うことが困難である。
そこで、プロセッサ12は、以下の少なくとも1つの処理を行ってもよい。
・受電装置30を送電装置10から遠ざけるようにユーザ、受電装置30、または受電装置30の可動機構に促す通知を行う。
・受電装置30への給電が不可能であることを受電装置30またはユーザに報告する。
・受電装置30の受電面を送電装置10の送電面と平行にならないようにユーザ、受電装置30、または受電装置30の可動機構(例えばロボットアーム)に促す通知を行う。
・送電ビームがより広範囲に分散するように整形する。
【0080】
図12に示すように、Pmin/Pest>Gmaxが成立する場合には、給電用電力を最大化したとしても入力電力範囲の最小値Pminを下回るので、受電装置30に対して高効率な送電を行うことが困難である。
そこで、プロセッサ12は、以下のいずれかの処理を行ってもよい。
・受電装置30を送電装置10に近づけるようにユーザ、受電装置30、または受電装置30の可動機構に促す通知を行う。
・給電可能エリアに関する情報、例えばマップ画像を受電装置30のディスプレイに表示させる。
・受電装置30への給電が不可能であることを受電装置30またはユーザに報告する。
・受電装置30の受電面を送電装置10の送電面と平行にするようにユーザ、受電装置30、または受電装置30の可動機構に促す通知を行う。
・受電装置30への給電効率が低いことをユーザ、または受電装置30に通知する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る送電装置は、給電用電力に比べて微弱な電力を設定したテストビームを放射し、受電装置における当該テストビームの受信結果と当該受電装置の受電能力とに関するフィードバック情報を受信する。そして、送電装置は、フィードバック情報を参照して、給電用電力を決定する。故に、この送電装置によれば、無線給電の開始後に送電ビームに設定される電力が受電装置の受電能力を超えないように制御しつつ、高効率な電力伝送を実現することができる。
【0082】
(4)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0083】
(4-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、受電装置30が受電部35の推定受信電力を導出し、当該推定受信電力に関する情報を含むフィードバック情報を送信する例である。
【0084】
変形例1の無線給電処理について説明する。
図13は、変形例1の無線給電処理の全体フローを示す図である。
【0085】
図13に示すように、送電装置10は、
図9と同様に、テストビームの放射(S110)を実行する。
【0086】
ステップS110の後に、受電装置30は、
図9と同様に、参照電圧の検出(S130)を実行する。
【0087】
ステップS130の後に、受電装置30は、推定受信電力の導出(S132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、受信電力データベースを参照して、ステップS130において検出された参照電圧を参照して、ステップS130において検出された参照電圧の値に対応する受信電力の値を特定する。これにより、プロセッサ32は、参照電圧に対応する推定受信電力を導出する。
なお、受電装置30が複数の受電モジュールを備える場合に、参照電圧は受電モジュール毎に検出される。プロセッサ32は、参照電圧の全部について推定受信電力を個別に導出してもよいし、参照電圧の一部(例えば、最大値のみ、または最小値および最大値のみ)について推定受信電力を個別に導出してもよい。
【0088】
ステップS132の後に、受電装置30は、フィードバック情報の送信(S131a)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、受電部35におけるテストビームの受信結果と受電部35の受電能力とに関するフィードバック情報を、通信インタフェース34を介して送電装置10へ送信する。
一例として、プロセッサ32は、ステップS132において導出した推定受信電力を示す情報(「受信結果に関する情報」の一例)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信する。
ステップS132において複数の受電モジュールについて個別に推定受信電力を導出している場合に、プロセッサ32は、これら受電モジュールの全ての推定受信電力を示す情報を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよいし、これら受電モジュールの一部の推定受信電力を示す情報(例えば、最大値のみ、または最小値および最大値のみ)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよい。
【0089】
ステップS131aにおいて、プロセッサ32は、さらに、受電装置30の受電能力に関する情報(例えば、クラス情報、または入力電力範囲情報)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよい。
なお、受電装置30は、ステップS131aとは異なるタイミングで、受電能力に関する情報を送電装置10へ送信することも可能である。一例として、受電装置30は、
図13の無線給電処理の開始前に、受電能力に関する情報を送電装置10へ送信してもよい。この場合に、受電能力に関する情報は、給電要求に含められ得る。
【0090】
ステップS131aの後に、送電装置10は、給電用電力の決定(S112a)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS131aにおいて送信されたフィードバック情報を参照して、ステップS132において導出された推定受信電力の値を特定する。そして、プロセッサ12は、推定受信電力と、受電装置30の受電能力に関する情報とを参照して、給電用電力を決定する。ステップS112aに関する他の内容は、本実施形態においてステップS112に関して説明済みである(
図9~
図12参照)。
【0091】
以上説明したように、変形例1に係る送電装置は、給電用電力に比べて微弱な電力を設定したテストビームを放射し、受電装置における当該テストビームの受信結果と当該受電装置の受電能力とに関するフィードバック情報を受信する。そして、送電装置は、フィードバック情報を参照して、給電用電力を決定する。故に、この送電装置によれば、無線給電の開始後に送電ビームに設定される電力が受電装置の受電能力を超えないように制御しつつ、高効率な電力伝送を実現することができる。
【0092】
(4-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、受電装置30が前述の電力比率の範囲(Pmax/Pest~Pmin/Pest)を算出し、当該電力比率に関する情報を含むフィードバック情報を送信する例である。
【0093】
変形例2の無線給電処理について説明する。
図14は、変形例2の無線給電処理の全体フローを示す図である。
【0094】
図14に示すように、送電装置10は、
図9と同様に、テストビームの放射(S110)を実行する。
【0095】
ステップS110の後に、受電装置30は、
図9と同様に、参照電圧の検出(S130)を実行する。
【0096】
ステップS130の後に、受電装置30は、
図13と同様に、推定受信電力の導出(S132)を実行する。
【0097】
ステップS132の後に、受電装置30は、電力比率の算出(S133)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、受電能力に関する情報を参照して、受電装置30の入力電力範囲の最大値Pmaxおよび最小値Pminを特定する。プロセッサ32は、ステップS132において導出した推定受信電力(Pest)に対する最大値Pmax、および最小値Pminの電力比率(Pmax/Pest、およびPmin/Pest)をそれぞれ算出する。
ステップS132において、プロセッサ32が複数の受電モジュールについて推定受信電力を個別に導出している場合に、プロセッサ32は、これら推定受信電力の全てについて電力比率を個別に導出してもよい。
ステップS132において複数の受電モジュールについて個別に推定受信電力を導出している場合に、プロセッサ32は、これら受電モジュールの全ての推定受信電力について電力比率を算出してもよいし、これら受電モジュールの一部の推定受信電力(例えば、最大値のみ、または最小値および最大値のみ)について電力比率を算出してもよい。
【0098】
ステップS133の後に、受電装置30は、フィードバック情報の送信(S131b)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、受電部35におけるテストビームの受信結果と受電部35の受電能力とに関するフィードバック情報を、通信インタフェース34を介して送電装置10へ送信する。
一例として、プロセッサ32は、ステップS133において導出した電力比率を示す情報を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信する。
ステップS133において複数の受電モジュールについて個別に電力比率を算出している場合に、プロセッサ32は、これら受電モジュールの全ての電力比率を示す情報を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよいし、これら受電モジュールの一部の電力比率を示す情報(例えば、最大値のみ、または最小値および最大値のみ)を含むフィードバック情報を送電装置10へ送信してもよい。
【0099】
ステップS131bの後に、送電装置10は、給電用電力の決定(S112b)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS131bにおいて送信されたフィードバック情報を参照して、ステップS133において導出された電力比率の値を特定する。そして、プロセッサ12は、電力比率を参照して、給電用電力を決定する。ステップS112bに関する他の内容は、本実施形態においてステップS112に関して説明済みである(
図9~
図12参照)。
【0100】
以上説明したように、変形例2に係る送電装置は、給電用電力に比べて微弱な電力を設定したテストビームを放射し、受電装置における当該テストビームの受信結果と当該受電装置の受電能力とに関するフィードバック情報を受信する。そして、送電装置は、フィードバック情報を参照して、給電用電力を決定する。故に、この送電装置によれば、無線給電の開始後に送電ビームに設定される電力が受電装置の受電能力を超えないように制御しつつ、高効率な電力伝送を実現することができる。
【0101】
(4-3)変形例3
変形例3は、受電部35が複数の受電モジュールを含む場合に、一部の受電モジュールが検波機能を実現するための回路構成(つまり、参照電圧を検出する回路構成)を備えていない例である。
図15は、検波機能を備えない受電モジュールの回路構成を例示する図である。
【0102】
図15に示すように、受電部35に含まれる受電モジュールは、アンテナ351と、ダイオードDと、キャパシタCとを備える。
【0103】
ダイオードDは、アノードが接地され、カソードがアンテナ351、キャパシタの第1端子、およびノードN0に接続される。キャパシタCは、第1端子がアンテナ351、ダイオードDのカソード、およびノードN0に接続され、第2端子が接地される。ダイオードDおよびキャパシタCは、送電ビームを受信したアンテナ351から出力される交流電流を直流電流へと変換(つまり、整流)する。ダイオードDおよびキャパシタCによって得られた直流電流は、ノードN0を介して図示されないバッテリへと導かれる。ノードN0とバッテリとの間には、任意の回路構成が存在してもよいし、しなくてもよい。
【0104】
受電部35の備える複数の受電モジュールのうち任意の一部が
図15のような受電モジュールに置き換えられてよい。ただし、以下に説明するように、特定の位置における受信電力を監視するために、当該特定の位置付近に配置された受電モジュールは、検波機能を実現するための回路構成を備えていることが好ましい。
【0105】
例えば、送電ビームは、受信面の中心付近で最も電力レベルが高くなるように整形され得る。この場合に、受電面の中心付近に配置されたアンテナ351を含む受電モジュールは、受信電力が受電能力を超える可能性が他の受電モジュールに比べて高い。故に、かかる受電モジュールは、検波機能を実現するための回路構成を備えていることが好ましい。
【0106】
また、送電ビームは、受電装置30の位置において受電面のエッジ(つまり、辺、または頂点)にフィットするように整形され得る。この場合に、受電面のエッジ付近に配置されたアンテナ351を含む受電モジュールにおける受信電力は、送電ビームが理想的な形状に成形されていないこと(例えば、回転ずれ、またはサイズ過少)を検出するために利用可能である。故に、かかる受電モジュールは、検波機能を実現するための回路構成を備えていることが好ましい。
【0107】
以上説明したように、変形例3に係る受電装置によれば、一部の受電モジュールの構成を本実施形態、または変形例1~2の受電装置に比べて簡略化しつつ、これらの受電装置と同様の効果を得ることができる。
【0108】
(4-4)変形例4
変形例4は、送電装置10が、テストビームの放射(S110)の前に、受電部の静的情報および動的情報を参照して、送電ビームを整形する例である。つまり、変形例4によれば、送電装置10は、整形したテストビームを放射する。
【0109】
(4-4-1)実施形態の概要
変形例4の概要について説明する。
図17は、変形例4の概要の説明図である。
【0110】
変形例4の送電装置10は、受電装置30の備える受電部35に対応する受電面の位置および姿勢に加えて、当該受電面のサイズおよび形状を特定する。そして、送電装置10は、送電ビームが、受電面の位置において、受電面の姿勢、サイズ、および形状に適合するスポットに集束するように当該送電ビームを整形して放射する。一例として、送電装置10は、複数のアンテナ151に異なる位相および異なる振幅でRFビームを放射させる。
【0111】
要するに、
図17に示すように、送電装置10は、送電ビームPTBを、受電面RSに集めることにより、受電面RSよりも外側への電磁波の漏洩を防ぐ。したがって、受電装置30の周囲に電磁波が漏洩することによる生体やデバイスへの悪影響を抑制することができる。また、送電ビームPTBは、受電面RSの例えば全域に到達するので、受電部35の備える複数のアンテナ351の総合的な受電性能を引き出すことができる。つまり、単位時間あたりに受信可能な電力量を高め、高効率な電力伝送を実現できる。
【0112】
(4-4-2)送電制御処理
変形例4の送電制御処理について説明する。
図18は、変形例4の送電制御処理を例示するフローチャートである。
図19は、
図18のステップS210の詳細を例示するフローチャートである。
図20は、送電装置が受電装置から受信する情報の構造を例示する図である。
図21は、
図18のステップS220の詳細を例示するフローチャートである。
図22は、理想的なビーム形状を例示する図である。
図23は、理想的なビーム形状を例示する図である。
【0113】
図18の送電制御処理は、例えば、通信インタフェース14によって受電装置30から受信した給電要求をプロセッサ12が取得することに応答して開始する。
【0114】
図18に示すように、送電装置10は、受電面に関する静的情報の特定(S210)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、受電面に関する静的情報を特定する。
【0115】
受電面に関する静的情報は、受電面の属性または状態のうち無線給電の開始から終了までの間に変化する可能性がないと想定される情報である。一例として、静的情報は、受電面のサイズ、および受電面の形状である。
【0116】
受電面のサイズは、受電面の実サイズを表す。例えば、受電面のサイズは、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・受電面を規定する輪郭線の一部または全部の長さ(例えば、受電面の辺の長さ、または受電面の全長)
・受電面を規定する輪郭線上の2点間の長さ(例えば、受電面の対角線の長さ、受電面の半径、受電面の長軸の長さ、または受電面の短軸の長さ)
・受電面を規定する輪郭線によって囲まれる面積
【0117】
受電面の形状は、受電面の幾何形状を表す。受電面の形状は、例えば、任意の曲線の組み合わせ(例えば、円、または楕円)、任意の直線の組み合わせ(例えば多角形)、または任意の曲線および直線の組み合わせ(例えば扇形)である。
【0118】
一例として、受電面に関する静的情報の特定(S210)は、
図19に沿って行われる。
【0119】
図19に示すように、送電装置10は、サイズの特定(S211)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、受電装置30から受信した情報を参照して、受電面のサイズを特定する。
【0120】
一例として、送電装置10の通信インタフェース14は、
図20に示す構造を備える情報を受電装置30から受信する。この情報の一部または全部が、例えば受電装置30が送電装置10へ送信する給電要求に含まれていてもよい。
図20に示すように、受電装置30から受信した情報は、受電部IDに加えて、サイズ情報、形状情報、および姿勢情報を含むことができる。
受電部IDは、送信元となる受電装置30の備える受電部35を識別する情報である。受電部IDは、例えば、受電装置30の記憶装置31に保存されている。
サイズ情報は、受電部IDによって識別される受電部35に対応する受電面のサイズに関する情報である。サイズ情報は、例えば、受電装置30の記憶装置31に保存されている。
形状情報は、受電部IDによって識別される受電部35に対応する受電面の形状に関する情報である。形状情報は、例えば、受電装置30の記憶装置31に保存されている。
姿勢情報は、受電部IDによって識別される受電部35に対応する受電面の姿勢に関する情報である。一例として、姿勢情報は、受電装置30のプロセッサ32によって、姿勢センサ(入力デバイス36の一例)のセンシング結果に応じて生成される。他の例として、姿勢情報は、到来信号に対する受電アンテナ素子間の受信位相差を利用して生成することもできる。
【0121】
プロセッサ12は、受電装置30から受信した情報から受電面のサイズに関する情報を抽出する。プロセッサ12は、抽出した情報を参照することで、受電面のサイズを特定する。
【0122】
図19に示すように、送電装置10は、形状の特定(S212)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、受電装置30から受信した情報を参照して、受電面の形状を特定する。
一例として、プロセッサ12は、受電装置30から受信した情報(
図20)から受電面の形状に関する情報を抽出する。プロセッサ12は、抽出した情報を参照することで、受電面の形状を特定する。
ステップS212は、
図19のようにステップS211の後に実行されてもよいし、ステップS211の前、またはステップS211と同時に実行されてもよい。
【0123】
図18に示すように、送電装置10は、受電面に関する動的情報の特定(S220)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、受電面に関する動的情報を特定する。
ステップS220は、
図19のようにステップS210の後に実行されてもよいし、ステップS210の前、またはステップS210と同時に実行されてもよい。
【0124】
受電面に関する動的情報は、受電面の属性または状態のうち無線給電の開始から終了までの間に変化する可能性があると想定される情報である。一例として、動的情報は、受電面の位置、および受電面の姿勢である。無線給電の開始から終了までの間に、受電装置30が移動または回転すれば、受電面の位置、および受電面の姿勢のうち少なくとも一方は変化する。
【0125】
受電面の位置は、送電面に対する受電面の相対位置を表す。例えば、受電面の位置は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・受電面を規定する輪郭線上の1以上の基準点(例えば、頂点)の座標
・受電面の内部にある1以上の基準点(例えば、中心点、および重心の少なくとも1つ)の座標
【0126】
受電面の姿勢は、基準面(例えば、水平面、または送電面)に対する受電面の相対的な向きを表す。一例として、受電面の姿勢は、基準面に対する受電面の傾き(例えば、受電面のロール角、ピッチ角、およびヨー角の少なくとも1つ)である。
【0127】
一例として、受電面に関する動的情報の特定(S220)は、
図21に沿って行われる。
【0128】
図21に示すように、送電装置10は、位置の特定(S221)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、受電面の位置を特定する。受電面の位置は、種々の技法により特定可能である。プロセッサ12は、好ましくは無線送電を行うことなく受電面の位置を特定する。これにより、受電面の位置を特定するために送電ビームを放射する必要がないので、受電面の位置の特定時に周囲の生体やデバイスへの悪影響は生じない。
変形例4では、プロセッサ12は、光学センサ(入力デバイス16の一例)のセンシング結果を参照して、受電面の位置を特定する。
【0129】
一例として、プロセッサ12は、カメラによって撮影された受電装置30の画像を参照し、当該カメラから対象部位までの距離を計測する。そして、プロセッサ12は、計測した距離と、既知のパラメータ(例えば、カメラと送電面との位置関係、カメラの撮影条件(例えば、画角、およびアングル)、および対象部位と受電面(例えば受電面の中心点)との位置関係)とに基づいて、受電面の位置を特定できる。なお、プロセッサ12は、測距センサ(例えば、超音波センサ、Lidarなど)の測定結果を参照して、受電面の位置を特定してもよい。
【0130】
対象部位は、受電装置30の外側から観察可能な特徴部である。対象部位は、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・受電装置30、または受電装置30を被覆するカバーのうち目印(例えば、二次元バーコード、特定の凹凸、特定の模様、特定の色彩、および特定の形状の少なくとも1つ)が付与された部位
・アンテナ351の少なくとも1つの頂点、隅、辺、または全体
・受電部35の頂点、隅、辺、または全体
【0131】
図21に示すように、送電装置10は、姿勢の特定(S222)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、受電装置30から受信した情報を参照して、受電面の姿勢を特定する。
一例として、プロセッサ12は、受電装置30から受信した情報(
図20)から受電面の姿勢に関する情報を抽出する。プロセッサ12は、抽出した情報を参照することで、受電面の姿勢を特定する。
ステップS222は、
図21のようにステップS221の後に実行されてもよいし、ステップS221の前、またはステップS221と同時に実行されてもよい。
【0132】
ステップS210およびステップS220の後に、送電装置10は、制御パラメータの生成(S230)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS210において特定した受電面の静的情報と、ステップS220において特定した受電面の動的情報とを参照して、ビーム形成に関する制御パラメータ(例えば、ビーム励振条件)を生成する。
一例として、プロセッサ12は、送電部15から放射される送電ビームが受電面の位置において受電面のサイズ、受電面の形状、および受電面の姿勢に適合するスポットに集束するように制御パラメータを生成する。
これにより、送電ビームは、受電面の略全域に亘って集中するので、受電部35の備えるアンテナ351の大部分の受電性能を引き出すことができる(つまり、高効率な無線電力伝送を実現できる)と同時に、受電部35の周囲への電磁波の漏洩を抑制できる。
【0133】
第1の例の制御パラメータは、
図22に示すように受電面のエッジ(つまり、辺、または頂点)の少なくとも一部で送電ビームの強度が最大値の半分(つまり半値)となるように定められる。これにより、アンテナ351間の受信電力のばらつきを抑えつつ、効率的に電力伝送を行うことができる。
【0134】
第2の例の制御パラメータは、
図23に示すように受電面のエッジの少なくとも一部で送電ビームの強度がヌル(つまり零値)となるように定められる。これにより、電力伝送の効率を一層高めることができる。
【0135】
ステップS230の後に、送電装置10は、無線送電(S240)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS230において生成した制御パラメータに従って、送電部15に送電ビームを放射させる。
ステップS240において、送電装置10、および受電装置30は、
図9、
図13、または
図14の無線給電処理を行う。
【0136】
ステップS240の後に、送電装置10は、送電終了判定(S250)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、送電が終了したか否かを判定する。プロセッサ12は、例えば以下の条件の少なくとも1つが成立する場合に、送電が終了したと判定してもよい。
・受電装置30のバッテリの容量が閾値(例えば満充電)に到達した(例えば、受電装置30から受信する情報を参照する)
・受電装置30を検知できなくなった(例えば、受電装置30との無線接続が切断した)
・受電装置30から送電終了要求を受信した
・受電装置30の振動を検知した(受電装置30は、当該受電装置30に備えられた振動センサによって当該受電装置30の振動が検知された時に、振動検知信号を送信し得る)
・送電装置10に接続された人感センサが人を検知した
・送電終了信号を受信した(例えば、図示されないリモートコントローラから)
・無線送電の開始から所定時間経過した
【0137】
ステップS250において送電が終了したと判定した場合に、送電装置10は送電制御処理を終了する。
【0138】
ステップS250において送電が終了していないと判定した場合に、送電装置10は、無線送電(S240)、および送電終了判定(S250)を再び実行する。
【0139】
以上説明したように、変形例4の送電装置は、受電装置の備える受電部に対応する受電面の位置および姿勢に加えて、当該受電面のサイズおよび形状を特定する。そして、送電装置は、送電ビームが、受電面の位置において、受電面の姿勢、サイズ、および形状に適合するスポットに集束するように当該送電ビームを整形して放射する。これにより、送電装置は、送電ビームを、受電面に集め、受電面よりも外側への電磁波の漏洩を防ぐ。したがって、受電装置の周囲に電磁波が漏洩することによる生体やデバイスへの悪影響を抑制することができる。また、送電ビームは、受電面の例えば全域に到達するので、受電部の備える複数のアンテナの総合的な受電性能を引き出すことができる。つまり、単位時間あたりに受信可能な電力量を高め、高効率な電力伝送を実現できる。
【0140】
(4-5-1)変形例5
変形例5について説明する。変形例5は、変形例4において、受電面に関する動的情報の変化に応答して、制御パラメータを更新する例である。
【0141】
変形例5の送電制御処理について説明する。
図24は、変形例5の送電制御処理を例示するフローチャートである。
図25は、受電面の姿勢が変化した場合の送電ビームに対する制御の説明図である。
【0142】
図24に示すように、送電装置10は、
図18と同様に、受電面に関する静的情報の特定(S210)、受電面に関する動的情報の特定(S220)、制御パラメータの生成(S230)、無線送電(S240)、および送電終了判定(S250)を実行する。
【0143】
ステップS250において送電が終了したと判定した場合に、送電装置10は、
図18と同様に、送電制御処理を終了する。
【0144】
ステップS250において送電が終了していないと判定した場合に、送電装置10は、
図18とは異なり、受電面に関する動的情報の特定(S220)、制御パラメータの生成(S230)、無線送電(S240)、および送電終了判定(S250)を再び実行する。
これにより、受電面に関する動的情報の変化に応答して、制御パラメータを更新することが可能となる。例えば、回転により受電面の姿勢が変化した場合には、送電ビームPTBの回転角度を変更することで、
図25に示すように、受電面の姿勢の変化をトラッキングすることができる。
【0145】
以上説明したように、変形例5の送電装置によれば、受電面の位置、および姿勢の少なくとも1つが変化したとしても、送電ビームを適応的に整形することができる。つまり、受電装置の動き(移動、または回転)に対してロバストに、電磁波の漏洩を抑制しつつ高効率な無線電力伝送を実現できる。
【0146】
(4-2)変形例6
変形例6について説明する。変形例6は、変形例4または変形例5において、受電面に関する静的情報が予め送電装置10の記憶装置11に記憶されている例である。
【0147】
変形例6では、プロセッサ12は、
図18または
図24のステップS210において、記憶装置11に保存された受電部データベースを参照することで、受電面に関する静的情報を特定する。
【0148】
図26は、変形例6の受電部データベースのデータ構造を例示する図である。受電部データベースは、記憶装置11に保存される。
【0149】
図26に示すように、受電部データベースは、「受電部ID」フィールドと、「形状」フィールドと、「サイズ」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
受電部データベースには、各受電部35に対応する受電面に関する静的情報が登録される。
【0150】
「受電部ID」フィールドには、前述の受電部IDが格納される。
【0151】
「形状」フィールドには、前述の形状情報が格納される。
【0152】
「サイズ」フィールドには、前述のサイズ情報が格納される。
【0153】
例えば、送電装置10が受電部35に対して初めて無線送電を行う時、または受電部35を給電対象の1つとして送電装置10に登録する時に、プロセッサ12が受電装置30から受信した情報を参照して当該受電部35に対応する受電面に関する静的情報を受電部データベースに登録してもよいし、人間が当該受電部35に対応する受電面に関する静的情報を受電部データベースに手動で登録してもよい。
【0154】
なお、形状情報、およびサイズ情報の少なくとも1つは、受電部IDの代わりに、機種情報に関連付けられてもよい。機種情報は、受電装置30、および受電部35の少なくとも1つの機種に関する情報である。
【0155】
以上説明したように、変形例6の送電装置によれば、受電面に関する静的情報が予め送電装置10の記憶装置11に記憶されている。故に、無線送電の度に、受電装置30から受電面に関する静的情報を受信せずとも、受電面に関する静的な情報を特定し、送電ビームを整形することができる。つまり、受電装置30からの情報の受信が困難または不可能な状況であっても、電磁波の漏洩を抑制しつつ高効率な無線電力伝送を実現できる。
【0156】
(5)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、送電装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、受電装置30と接続されてもよい。
【0157】
実施形態では、受電装置が給電要求を送電装置へ送信する例を示した。しかしながら、無線送信装置は、給電要求を受信せずとも、いずれかの受電装置への無線給電を行ってもよい。一例として、無線送信装置は、所定のスケジュールに従って無線給電を行ってもよいし、受電装置からバッテリ容量情報を収集して無線給電の要否を判定してもよい。
【0158】
実施形態では、受電能力に関する情報として、受電クラス情報を用いた。しかしながら、受電能力に関する情報は、任意に定めることができる。一例として、受電能力に関する情報は、受電部35の入力電力に対する効率に関する情報であってもよい。
図16は、入力電力に対する効率をプロットしたグラフである。例えば、効率に関して、最大値からの落ち込みが所定値、または所定比率以内となる入力電力範囲の最小値をPminと定め、最大値をPmaxと定めてもよい。
【0159】
実施形態では、推定受信電力(Pest)に対する最大値Pmax、および最小値Pminの電力比率(Pmax/Pest、およびPmin/Pest)をそれぞれ算出する例を示した。しかしながら、受電部35が複数の受電モジュールを備える場合には、受電モジュール間で電力密度のばらつきが生じる。
故に、
図29に示すように、プロセッサ12は、第1の推定受信電力(Pest1)に対する最大値Pmaxの比率(Pmax/Pest1)と、第2の推定受信電力(Pest1)に対する最小値Pminの比率(Pmin/Pest2)とを算出するようにしてもよい。第1の推定受信電力は、複数の受電モジュールに亘る推定受信電力の最大値である。第2の推定受信電力は、複数の受電モジュールに亘る推定受信電力の最小値である。
図29において、比率(Pmax/Pest1)は、全てのモジュールを安全に動作させることのできる電力比率の上限値を表し、比率(Pmin/Pest2)は、全てのモジュールを効率的に動作させることのできる電力比率の下限値を表す。
ただし、
図30に示すように、プロセッサ12は、Pmax/Pest1>Pmin/Pest2が成立しない場合に、第2の推定受信電力をより大きな値に変更してもよい。具体的には、プロセッサ12は、複数の受電モジュールの推定受信電力のうち、Pmax/Pest1>Pmin/Pest2を成立させることのできるものの中の最小値をPest2とする。
図30の例では、モジュール1の受信電力Pe1が最小であるが、当該モジュール1を効率的に動作させようとすると、モジュール2を安全に動作させることができない。故に、モジュール1の推定受信電力Pe1を第2の推定受信電力の候補から除外する。そして、プロセッサ12は、残ったモジュールの中で推定受信電力が最小であるモジュール3の推定受信電力Pe3を第2の推定受信電力として選択する。この場合に、Pmax/Pest1>Pmin/Pest2が成立する。
図30において、比率(Pmax/Pest1)は、全てのモジュールを安全に動作させることのできる電力比率の上限値を表し、比率(Pmin/Pest2)は、モジュール2,3を効率的に動作させることのできる電力比率の下限値を表す。このように、Pmax/Pest1>Pmin/Pest2が成立しない場合であっても、第2の推定受信電力を変更することで、全モジュールの安全動作を担保させつつ、より多くのモジュールを効率的に動作させることのできる電力範囲を見つけることができる。
【0160】
受電装置30は、テストビーム、または給電用電力を設定した送電ビームの受信時に、受電部35の備える複数の受電モジュールの各々において出力電圧が生じているかを検知するようにしてもよい。さらに、受電装置30は、出力電圧が生じていないモジュールを検知した場合に、送電終了要求を送信するなどして送電を停止させてもよい。また、送電を停止する前、または後に、送電の停止をユーザに通知してもよい。これにより、受電モジュールの一部が故障している受電装置30にビームが照射されることによる不具合を防止できる。
【0161】
実施形態では、電力比率の範囲(Pmax/Pest~Pmin/Pest)と、利得範囲(Gmax~Gmin)との間に重複する範囲(以下、「給電推奨範囲」と称する)が存在する場合には、プロセッサ12は、当該給電推奨範囲の中から1つの利得(Gopt)を決定する、と説明した。しかしながら、プロセッサ12は、電力比率Pmin/Pestを考慮しなくてもよい。
具体的には、プロセッサ12は、Pmax/Pest≧Gmax≧Gminが成立する場合には、利得範囲(Gmax~Gmin)から1つの利得(Gopt)を決定する。また、プロセッサ12は、Gmax≧Pmax/Pest≧Gminが成立する場合には、利得範囲(Pmax/Pest~Gmin)から1つの利得(Gopt)を決定する。
送電部15がかかる給電用電力を設定した送電ビームを放射した場合に受電装置30における受信電力は、当該受電装置30の入力電力範囲の最大値を超過しないと予想されるので、受電装置30を安全に動作させることができる。
【0162】
実施形態では、送電装置は1個の送電部を備える例を説明した。しかしながら、送電装置は、個別に制御可能な複数の送電部を備えていてもよい。さらに、送電部と送電装置における他の構成要素(例えば、制御部)とは、互いに通信可能な別個の装置として構成されてもよい。つまり、送電装置は、送電部を備えなくてもよい。この場合に、送電送電部は、送電装置からの制御パラメータを受信するための通信インタフェースと、送電装置からの制御パラメータに従って送電部を駆動するためのプロセッサ(例えばマイコン)とを備える装置に組み込まれ得る。
同様に、受電部と受電装置における他の構成要素(例えば、制御部)とは、互いに通信可能な別個の装置として構成されてもよい。つまり、受電装置は、受電部を備えていなくてもよい。
【0163】
実施形態では、ビーム放射素子の一例としてアンテナを挙げた。しかしながら、給電用電磁波として光波を用いる場合には、ビーム放射素子は、例えば、レーザ素子、LEDチップなどの発光素子であってもよい。
【0164】
実施形態では、受電装置30が受電装置30の受電能力に関する情報(例えば、クラス情報、または入力電力範囲情報)を送電装置10に送信する例を示した。しかしながら、受電装置30が受電能力に関する情報を送信することなく、送電装置10が受電装置30の受電能力に関する情報を特定することもできる。例えば、プロセッサ12は、受電装置30、または受電装置30を被覆するカバーに付与されたコード(例えば2次元バーコード)を読み取ることで、当該コードに格納された、受電能力に関する情報を読み取ってもよい。
【0165】
変形例4~6に関して、受電面の静的情報(例えば、サイズ、および形状の少なくとも1つ)は、先に説明した技法とは異なる技法によっても特定可能である。
例えば、プロセッサ12は、受電装置30、または受電装置30を被覆するカバーに付与されたコード(例えば2次元バーコード)を読み取ることで、当該コードに格納された、受電面のサイズに関する情報を読み取ってもよい。
【0166】
変形例4~6では、カメラによって撮影された受電装置30の画像を参照し、当該カメラから対象部位までの距離を計測する例を示した。カメラは、ステレオカメラであってもよいし、単眼カメラであってもよい。単眼カメラを用いることで、ステレオカメラを用いる場合に比べて、送電装置10を小型かつ低コストに実現できる。以下、単眼カメラによって撮影された受電装置30の画像を参照し、当該単眼カメラから対象部位までの距離を計測する技法の一例を説明する。
単眼カメラは、
図27に示すように、対象部位OPを含む被写体を撮影する。プロセッサ12は、
図28に示すように、単眼カメラによって撮影された画像に対して画像処理を行うことで対象部位OPに対応する領域を抽出する。プロセッサ12は、対象部位OPに対応する領域の画素数を計数する。ここで、対象部位OPに対応する領域の画素数は、単眼カメラから対象部位OPまでの距離に依存する。仮に、距離=Lである時の画素数をS1、距離=Xである時の画素数をS2とすると、X=L×√(S1/S2)が成り立つ。基準距離Lおよび基準画素数S1を定数として予め求めておくことで、プロセッサ12は、XをS2の関数として導出できる。一例として、L=100[cm]、かつS1=600×400[pixel]であって、S2=300×200[pixel]として計数された場合に、上式よりX=200[cm]である。
基準距離Lおよび基準画素数S1は、受電面の静的情報に含められてよい。つまり、基準距離Lおよび基準画素数S1は、受電装置30、または受電装置30を被覆するカバーに付与されたコード(例えば2次元バーコード)に格納された情報を読み取ることにより特定されてもよいし、受電装置30がかかる情報を送電装置10へ送信してもよい。
【0167】
受電面の位置は、先に説明した技法とは異なる技法によっても特定可能である。
第1の例として、受電装置30が、例えば光学センサ(入力デバイス36の一例)のセンシング結果を参照して受電面に対する送電面の位置を特定し、特定した位置に関する情報を送電装置10へ送信してもよい。送電装置10は、受電装置30によって特定された位置を、送電面の位置が原点となるように変換することで、送電面に対する受電面の相対位置を特定可能である。
第2の例として、受電装置30は、送電面に対する受電面の相対位置が所定値となるように設置されている支持体によって固定されてもよい。これにより、プロセッサ12は、送電面に対する受電面の相対位置を計測するまでもなく、受電面の位置を所定値として特定可能である。所定値は、無線給電の開始前に記憶装置11に保存され得る。
第3の例として、送電装置10は、送電面の絶対座標(例えば、緯度、経度、および高度)を例えばGPS(Global Positioning System)を利用して計測する。同様に、受電装置30は、受電面の絶対座標を例えばGPSを利用して計測し、計測した絶対座標に関する情報を送電装置10へ送信する。送電装置10は、受電面の絶対座標から送電面の絶対座標を減算することにより、送電面に対する受電面の相対位置を特定可能である。
【0168】
受電面の姿勢は、先に説明した技法とは異なる技法によっても特定可能である。
具体的には、プロセッサ12は、光学センサのセンシング結果を参照して、受電面の姿勢を特定してもよい。一例として、プロセッサ12は、カメラによって撮影された受電装置30の画像に対して画像処理(例えば、受電面の頂点の抽出、および抽出された頂点と受電面の形状とのマッチング)を行うことで、受電面の姿勢を特定し得る。
第2の例として、受電装置30は、送電面に対する受電面の姿勢が所定値となるように設置されている支持体によって固定されてもよい。これにより、プロセッサ12は、送電面に対する受電面の姿勢を計測するまでもなく、受電面の姿勢を所定値として特定可能である。所定値は、無線給電の開始前に記憶装置11に保存され得る。
【0169】
変形例4~6では、受電面の位置、サイズ、形状、および姿勢を参照して、制御パラメータを生成する例を示した。しかしながら、形状、および姿勢の少なくとも1つを参照することなく、制御パラメータが生成されてもよい。
第1の例として、プロセッサ12は、送電部15から放射される送電ビームが受電面の位置において受電面のサイズに適合するスポットに集束するように制御パラメータを生成してもよい。
第2の例として、プロセッサ12は、送電部15から放射される送電ビームが受電面の位置において、受電面のサイズ、および受電面の形状に適合するスポットに集束するように前記制御パラメータを生成してもよい。
第3の例として、プロセッサ12は、送電部15から放射される送電ビームが受電面の位置において、受電面のサイズ、および受電面の姿勢に適合するスポットに集束するように前記制御パラメータを生成してもよい。
【0170】
変形例4~6では、ステップS240の後に、送電終了判定(S250)を実行する例を示した。しかしながら、ステップS250はこれ以外のタイミングで実行されてよい。例えば、プロセッサ12は、所定の割り込みイベントの発生時に、ステップS250を即座に実行して送電が終了したと判定してもよい。割り込みイベントは、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・受電装置30のバッテリの容量が閾値に到達した
・受電装置30を検知できなくなった
・受電装置30から送電終了要求を受信した
・受電装置30の振動を検知した(受電装置30は、当該受電装置30に備えられた振動センサによって当該受電装置30の振動が検知された時に、振動検知信号を送信し得る)
・送電装置10に接続された人感センサが人を検知した
・送電終了信号を受信した
・無線送電の開始から所定時間経過した
【0171】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【0172】
(6)付記
実施形態および変形例で説明した事項を、以下に付記する。
【0173】
(付記1)
無線送電を行う送電部(15)を制御する制御部(12)を具備し、制御部は、
第1の電力を設定した第1の送電ビームを送電部に放射させる手段(S110)と、
受電装置(30)における第1の送電ビームの受信結果と受電装置の受電能力とに関するフィードバック情報を参照して、受電装置を対象とする無線給電において使用可能な第2の電力を決定する手段(S112)と
を具備し、
第1の電力は、第2の電力よりも弱い、
送電装置(10)。
【0174】
(付記2)
フィードバック情報は、受信結果に関する情報と、受電装置の受電能力に関する情報とを含み、
第2の電力を決定する手段は、受信結果に関する情報と受電能力に関する情報とを参照して、第2の電力を決定する、
付記1に記載の送電装置。
【0175】
(付記3)
受電能力は、入力電力範囲の最大値を含み、
第2の電力を決定する手段は、送電部が第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に受電装置における受信電力が最大値を超えないように第2の電力を決定する、
付記2に記載の送電装置。
【0176】
(付記4)
受電能力は、入力電力範囲の最小値をさらに含み、
第2の電力を決定する手段は、送電部が第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に受電装置における受信電力が入力電力範囲に収まるように第2の電力を決定する、
付記3に記載の送電装置。
【0177】
(付記5)
受信結果に関する情報は、受電装置において検出された参照電圧に関する情報を含み、
制御部は、参照電圧に関する情報を参照して、受電装置における推定受信電力を導出する手段をさらに具備し、
第2の電力を決定する手段は、推定受信電力と受電能力に関する情報とを参照して、第2の電力を決定する、
付記2に記載の送電装置。
【0178】
(付記6)
受電能力は、入力電力範囲の最大値を含み、
第2の電力を決定する手段は、送電部が第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に受電装置における受信電力が最大値を超えないように第2の電力を決定する、
付記5に記載の送電装置。
【0179】
(付記7)
受電能力は、入力電力範囲の最小値をさらに含み、
第2の電力を決定する手段は、送電部が第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に受電装置における受信電力が入力電力範囲に収まるように第2の電力を決定する、
付記6に記載の送電装置。
【0180】
(付記8)
受信結果に関する情報は、受電装置における第1の送電ビームの受信電力に関する情報を含み、
制御部は、受信電力に関する情報と受電能力に関する情報とを参照して、第2の電力を決定する、
付記2に記載の送電装置。
【0181】
(付記9)
受電能力に関する情報は、入力電力範囲の最大値を含み、
第2の電力を決定する手段は、送電部が第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に受電装置における受信電力が最大値を超えないように第2の電力を決定する、
付記8に記載の送電装置。
【0182】
(付記10)
受電能力に関する情報は、入力電力範囲の最小値をさらに含み、
第2の電力を決定する手段は、送電部が第2の電力を設定した第2の送電ビームを放射した場合に受電装置における受信電力が入力電力範囲に収まるように第2の電力を決定する、
付記9に記載の送電装置。
【0183】
(付記11)
フィードバック情報は、受信結果と受電能力とを参照して算出される電力比率に関する情報を含み、
第2の電力を決定する手段は、電力比率に関する情報を参照して第2の電力を決定する、
付記1に記載の送電装置。
【0184】
(付記12)
送電装置(10)から放射される送電ビームを受信する受電部(35)を制御する制御部(32)を具備し、制御部は、
受電部の受電能力に関する情報を送電装置(10)へ送信する手段(S131,S131a)と、
送電装置から放射された第1の送電ビームの受電部における受信結果に関する情報を送電装置へ送信する手段(S131,S131a)と、
を具備し、
受電能力に関する情報、および受信結果に関する情報の送信後に、受電部が第1の送電ビームよりも電力レベルの高い第2の送電ビームを送電装置から受信する、
受電装置(30)。
【0185】
(付記13)
送電装置(10)から放射される送電ビームを受信する受電部(35)を制御する制御部(32)を具備し、制御部は、
送電装置から放射された第1の送電ビームの受電部における受信結果と、受電部の受電能力に関する情報とを参照して電力比率を決定する手段(S133)と、
電力比率に関する情報を送電装置へ送信する手段(S131b)と、
を具備し、
電力比率に関する情報の送信後に、受電部が第1の送電ビームよりも電力レベルの高い第2の送電ビームを送電装置から受信する、
受電装置(30)。
【符号の説明】
【0186】
1 :無線給電システム
10 :送電装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :送電部
16 :入力デバイス
17 :出力デバイス
30 :受電装置
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
35 :受電部
36 :入力デバイス
37 :出力デバイス
151 :アンテナ
351 :アンテナ