(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】締付装置及び締付方法
(51)【国際特許分類】
B25B 23/14 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B25B23/14 630M
B25B23/14 620C
B25B23/14 610B
B25B23/14 640B
(21)【出願番号】P 2020186952
(22)【出願日】2020-11-10
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000201467
【氏名又は名称】TONE株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 達夫
(72)【発明者】
【氏名】藤本 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 博紀
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-256566(JP,A)
【文献】特開2020-066068(JP,A)
【文献】特開昭60-056871(JP,A)
【文献】特開2016-022566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B13/00-23/18
B25F1/00-5/02
B23P19/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが装着可能なソケットを回転させるモーターを具えた締付装置であって、
前記ワークの締付トルクを所定時間毎に取得するトルク測定手段と、
前記トルク測定手段により取得された複数の締付トルクの差分を順次算出する差分算出手段と、
前記差分算出手段にて順次算出された前記差分を監視し、前記差分が所定条件を満たすと判断すると、前記モーターの停止指令を発する差分監視手段と、
前記差分監視手段の前記停止指令を受けて、前記モーターを停止させるモーター制御手段と、
を含んでおり、
前記所定条件は、前記モーターが駆動している状態で、前記差分が所定の閾値範囲内となる状態が所定
の時間続くことであり、前記所定
の時間とは、正常な締付けの際に前記モーターが駆動している状態で算出される前記差分が前記所定の閾値範囲に留まる時間よりも長く、前記ワークが破断するまでの時間よりも短い時間である、
締付装置。
【請求項2】
前記差分算出手段は、取得された締付トルクの移動平均値を差分として算出する、
請求項
1に記載の締付装置。
【請求項3】
ワークが装着可能なソケットを回転させるモーターを具えた締付装置による締付方法であって、
前記ワークの締付トルクを所定時間毎に取得するトルク取得ステップ、
前記締付トルクについて、取得された複数の締付トルクの差分を順次算出する差分算出ステップ、
順次算出された前記差分が所定条件を満たすと判断すると、
前記ワークの締付けを停止する停止ステップと、
を含んでおり、
前記所定条件は、前記モーターが駆動している状態で、前記差分が所定の閾値範囲内となる状態が所定
の時間続くことであり、前記所定
の時間とは、正常な締付けの際に前記モーターが駆動している状態で算出される前記差分が前記所定の閾値範囲に留まる時間よりも長く、前記ワークが破断するまでの時間よりも短い時間である、
締付方法。
【請求項4】
前記差分算出ステップは、取得された締付トルクの移動平均値を差分として算出する、
請求項
3に記載の締付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトやネジなどのワークの締付装置及び締付方法に関するものであり、より具体的には、ワークのねじ切れを防止できる締付装置及び締付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動トルクレンチのような動力式の締付装置により、ボルトやナット、ネジなどのワーク(締付部材)の締付けが行なわれている。これら締付装置の締付方法として、トルク法や角度法が知られている。
【0003】
トルク法では、締付装置にトルク測定手段を具え、締付トルクが予め設定された制御トルクに到達するとモーターを停止して締付けを完了する(たとえば、特許文献1参照)。また、角度法では、締付装置にエンコーダー等の角度検出手段をさらに具え、締付開始後スナグ点まではトルク法により締付けを行ない、その後は予め設定された制御回転角度だけモーターを回転させて締付けを完了する(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特公昭60-14675号公報
【文献】特公昭61-5857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したトルク法、角度法の何れの締付方法であっても、ワーク自体にトルク係数値低下等の異常があると、所定の制御トルクや制御回転角度に到達する前に軸力が上昇してワークがねじ切れ(破断)してしまうことがある。
【0006】
本発明の目的は、締付トルクの変位を監視し、ワークのねじ切れを防止しつつ締付けを行なうことのできる締付装置及び締付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の締付け装置は、
ワークが装着可能なソケットを回転させるモーターを具えた締付装置であって、
前記ワークの締付トルクを所定時間毎に取得するトルク測定手段と、
前記トルク測定手段により取得された複数の締付トルクの差分を順次算出する差分算出手段と、
前記差分算出手段にて順次算出された前記差分を監視し、前記差分が所定条件を満たすと判断すると、前記モーターの停止指令を発する差分監視手段と、
前記差分監視手段の前記停止指令を受けて、前記モーターを停止させるモーター制御手段と、
を含んでいる。
【0008】
また、本発明の締付装置は、
ワークが装着可能なソケットを回転させるモーターを具えた締付装置であって、
前記ワークの締付トルクを取得するトルク測定手段と、
前記ワークの回転角度を取得する角度測定手段を具え、
前記トルク測定手段は、取得された前記締付トルクが所定のスナグ点に到達した後、前記角度測定手段により得られた所定角度毎に前記締付トルクを取得するものであって、
前記角度測定手段にて取得された所定角度毎に、前記トルク測定手段により取得された複数の締付トルクの差分を順次算出する差分算出手段と、
前度差分算出手段にて順次算出された前記差分を監視し、前記差分が所定条件を満たすと判断すると、前記モーターの停止指令を発する差分監視手段と、
前記差分監視手段の前記停止指令を受けて、前記モーターを停止させるモーター制御手段と、
を含んでいる。
【0009】
前記差分算出手段は、取得された締付トルクの移動平均値を差分として算出する構成とすることができる。
【0010】
前記差分監視手段の前記所定条件は、前記差分が所定時間の間、所定閾値内であることとすることができる。
【0011】
本発明の締付方法は、
ワークの締付トルクを所定時間毎に取得するトルク取得ステップ、
前記締付トルクについて、取得された複数の締付トルクの差分を順次算出する差分算出ステップ、
順次算出された前記差分が所定条件を満たすと判断すると、ワークの締付けを停止する停止ステップと、
を含んでいる。
【0012】
また、本発明の締付方法は、
ワークの締付トルクを取得するトルク取得ステップ、
前記締付トルクが所定のスナグ点に到達すると、前記ワークの回転角度を所定時間毎に取得する角度取得ステップ、
前記角度取得ステップにて得られた所定角度毎に前記締付トルクを取得し、取得された複数の前記締付トルクの差分を順次算出する差分算出ステップ、
順次算出された前記差分が所定条件を満たすと判断すると、締付けを停止する停止ステップと、
を含んでいる。
【0013】
前記差分算出ステップは、取得された締付トルクの移動平均値を差分として算出する構成とすることができる。
【0014】
前記停止ステップの前記所定条件は、前記差分が所定時間の間、所定閾値内であることとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の締付装置、締付装置によれば、ワークの締付中に、締付トルクの差分を所定時間又はワークの所定回転角度毎に算出し、当該差分が、制御トルク又は制御回転角度に到達する前に、所定時間、所定閾値内に留まると、締付けを停止する。これにより、ワークにトルク係数値低下などの異常がある場合に、さらにワークに締付トルクが作用し、軸力が上昇してワークがねじ切れしてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の締付装置とそのブロック図である。
【
図3】
図3は、締付トルクとその差分の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る締付装置10及びその締付方法について、図面を参照しながら説明を行なう。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る締付装置10のブロック図、また、
図2は、制御フローチャートである。
【0019】
締付装置10は、ケーシング11の先端にボルトやネジなどが装着されるソケット20が配備された電動工具である。締付装置10は、ケーシング11内にソケット20を回転させるモーター12を具え、ソケット20は、モーター12と減速機構(図示せず)を介して連繋された回転軸に着脱可能とした構成を例示できる。たとえば、減速機構は、遊星歯車機構とし、回転軸は互いに逆方向に回転可能な内軸と外軸からなる2軸の駆動軸とすることができる。この場合、内軸にソケット20が装着され、外軸には反力受け21を取り付けた構成とするトルク取得ステップことができる。もちろん、1軸式の締付装置にも本発明は適用可能である。
【0020】
締付装置10のモーター12は、制御装置40を介して商用電源やバッテリーなどの電源に接続される。モーター12は、正転、逆転を切り替える正逆切替スイッチ14と、トリガースイッチの如きオンオフスイッチ13の操作によって駆動する。なお、スイッチ13,14は構成を図示するのみとしている。
【0021】
また、締付装置10には、ワークに作用する締付トルクを検出する。たとえば、トルク検出は、内軸又は外軸に配備された歪ゲージなどのトルクセンサー30と、当該トルクセンサー30の電流、電圧、抵抗等の変化として検出するトルク測定手段31により行なうことができる。トルク測定手段31は、上記した制御装置40内に配備することができる。なお、トルク測定手段31は、制御装置40内の電気系統、たとえばモーター12に供給される電流の変化等から締付トルクを検出する構成であってもよい。
【0022】
制御装置40は、ケーシング11内の適所に配置される。
図1では、制御装置40は、本発明の制御に必要な主要構成のみを示している。制御装置40は、CPUやメモリー等から構成される制御部41を有し、メモリーに記憶された種々のプログラムを実行することで、締付装置10を制御する。なお、
図1では、これらの連繋によって実現される代表的な機能を機能ブロックとして図示しているが、これら機能ブロックはハードウエアのみ、ソフトウエアのみ或いは、これらの組合せによっても実現可能である。
【0023】
たとえば、制御装置40は、モーター12のモーター制御手段42を有し、スイッチ13によるモーター12の駆動や停止、或いは、所定条件によるモーター12の停止等を制御する。その一例として、締付装置10の制御では、フローチャート
図2に示すように、スイッチ13の操作(ステップS1)によってモーター12を駆動して締付けを開始する(ステップS2)。そして、トルクセンサー30又はトルク測定手段31により締付トルクを測定し(ステップS3:トルク取得ステップ)、予め設定された制御トルクに達するまでモーター12の駆動を続け、締付トルクが制御トルクに達すると(ステップS3のYES)、モーター制御手段42は、モーター12の駆動を停止する(ステップS4)。
【0024】
本発明の締付装置10及び締付方法では、上記一般的な制御に加え、トルクセンサー30又はトルク測定手段31により検出されたワークの締付トルクを参照し、得られた締付トルクの差分を監視して、ワークの締付けが正常に行なわれているか、或いは、ワークにトルク係数値低下等の異常があった場合に、ワークがねじ切れる前に締付けを停止する(ステップS3~S11)。
【0025】
上記機能を実現するための具体的実施形態として、トルク測定手段31は、所定時間毎、たとえば、10msec毎に測定される締付トルクを測定する(ステップS3:トルク取得ステップ)。測定された締付トルクは、制御部41のメモリーに記録することができ、各ワークの締付トルクデータとしても利用できる。
【0026】
得られた締付トルクは、差分算出手段43が取得する(ステップS5)。差分算出手段43は、トルク測定手段31から順次締付トルクを受信、或いは、メモリーに記憶された締付トルクを順次取得する。そして、差分算出手段43は、得られた複数の締付トルクから、その差分を適宜算出する(ステップS5:差分算出ステップ)。たとえば、差分算出手段43は、時系列的に隣り合う締付トルクの差分や、所定時間或いは所定区間離れた締付トルクどうしの差分、または、所定時間或いは所定区間に含まれる締付トルクの移動平均値を算出する。算出された差分は、次に示す差分監視手段44に送信、或いは、メモリーに記憶される。
【0027】
たとえば、差分算出手段43により行なわれる所定区間の移動平均値を差分の算出式を下記数1に示す。数1中、たとえば区間Mは10とすることができる。
【0028】
【0029】
そして、差分算出手段43にて算出された差分を差分監視手段44が取得する(ステップS6)。差分監視手段44は、得られた複数の差分が、所定条件を満たすか否か判断し、所定条件を満たす場合には(以下で説明するステップS6のYES~ステップS9のYES)、締付けに異常があるものと判断して、モーター制御手段42にモーター12の停止指令を送信する(ステップS10:停止ステップ)。
【0030】
差分監視手段44にて、差分が所定条件を満たさないと判断された場合には(ステップS6の
NO)、正常な締付けであり、締付トルクは順次上昇していくから、モーター制御手段42は、締付トルクが制御トルクに達するまでモーター12の駆動を続ける(ステップS3のYES、ステップS4)。正常な締付けの際のワークの締付トルクとその差分を
図3中、「発明例(正常):締付トルク」、「発明例(正常):差分」に示す。なお、
図3の詳細については後述する。
【0031】
上記所定条件として、たとえば、差分算出手段43にて算出された差分が、所定時間(たとえば3秒)の間、所定閾値内(たとえば±3Nm)にあることとすることができる。具体的には、差分算出手段43は、監視タイマーを具え、算出された差分が所定閾値内となると(ステップS6のYES)、監視タイマーを起動、或いは、既に監視タイマーが起動済みの場合にはカウントアップし(ステップS7)、所定閾値内の状態が、所定時間(たとえば3秒)継続すると、締付けに異常があると判断する(ステップS9のYES)。異常の原因は、たとえばワークのトルク係数値低下等が挙げられる。そして、この場合、差分監視手段44は、モーター制御手段42にモーター12の停止指令を送信し(ステップS10:停止ステップ)、モーター12を異常停止させる。異常な締付けの際のワークの締付トルクとその差分を
図3中、「発明例(異常):締付トルク」、「発明例(異常):差分」に示す。詳細は、後述する。
【0032】
なお、差分算出手段43のモーター12の停止指令によりモーター12を異常停止させた場合には(ステップS10)、ワークは制御トルクで締付けが完了していないから、制御装置40は、作業者に異常停止であることを通知等することが望ましい。たとえば、異常停止の場合、再度スイッチ13を操作してもモーター12を駆動できず、リセット操作、たとえば、商業電源の切断や所定のスイッチ操作等を必須とすることが望ましい(ステップS11)。
【0033】
上記のように、締付トルクを監視し、その差分を監視することで、早期に締付異常を検出できる。そして、異常と判断されると、即座にモーター12を異常停止させることによりワークのねじ切れを防止でき、ワーク外し等の対策を早期に行なうことができる。
【0034】
本発明の締付装置10及び締付方法により、実際にワークの締付けを行なった。実施例では、本発明の締付装置10により正常にワークの締付けが行なわれた発明例(正常)と、ワークの締付け異常のあった発明例(異常)、また、比較のため、締付け異常のあるワークに対し、差分を算出せずに締付けを続けた比較例(異常)を対象とした。
【0035】
それぞれ、発明例(正常)、発明例(異常)、比較例(異常)に対して測定された締付トルクの実測値と、その差分を測定、算出し、これらを縦軸、横軸を時間(秒)とするグラフ(
図3)として可視化した。
【0036】
図3を参照すると、発明例(正常)は、締付け開始後、約2.3秒で締付トルクが制御トルク(800Nm±10%)に到達し、締付けが完了している。このとき、締付トルクの差分は、締付け完了の直前に所定の閾値(±3Nm)に入るが、監視タイマーによる所定時間カウント(3秒)の経過の前に約0.3秒で締付けが完了していることがわかる。
【0037】
発明例(異常)は、締付け開始後、緩やかに締付けが進行し、締付トルク自体は、約1.8秒でその差分が閾値内(±3Nm)となり、図示のとおり、ねじ切れの監視タイマーが作動したことがわかる。そして、その後も差分はやや減少しながら閾値内に留まり、3秒経過後、所定時間経過によりモーター12が停止(異常停止)したことがわかる。これにより、ねじ切れする前にワークの締付けを停止できる。また、ねじ切れ前にモーター12が停止するから、ワーク外し等の対策を早期に行なうことができる。
【0038】
一方、比較例(異常)は、締付け開始後、緩やかに締付けが進行し、約3~5秒で締付トルクの上昇が止まり、そのまま約5秒間(実測:約10秒まで)締付けが継続した後、ワークがねじ切れ(破断)したことがわかる。ワークがねじ切れてからその異常を検出した場合、検出までに時間が掛かるだけでなく、ワークの除去作業に手間が掛かり、作業効率は大幅に低下する。
【0039】
なお、上記では、締付トルクの差分を所定時間毎に検出することでワークのねじ切れ前にモーター12を停止させるようにしているが、スナグ点到達後のワーク、回転軸又はモーターなどの回転角度を取得し、その回転角度毎の締付トルクの差分を監視することで、ワークの異常を検知するようにしてもよい。
【0040】
この場合、トルク測定手段31は、スナグ点を検出可能な機構とし、トルク測定手段31に加えて、ワークなどの回転角度を角度センサー等の角度測定手段で検出する(角度取得ステップ)。そして、トルク測定手段31によりスナグ点が検出された後、角度測定手段から検出された所定角度毎に、トルク測定手段31は締付トルクを取得し、得られた締付トルクを差分算出手段43で取得して締付トルクの差分を順次算出し(差分算出ステップ)、その差分を差分監視手段44で監視すればよい。回転角度が所定の制御回転角度に到達する前に、差分監視手段44にて監視された締付トルクの差分が所定条件、たとえば、所定時間の間、所定閾値内を満たした場合には、ワークの締付け異常と判断し、モーター12を異常停止させればよい。
【0041】
この場合、締付トルク、ワークの回転角度及び所定角度毎の締付トルクの差分は、
図3に示したグラフにおいて、横軸を角度としたT-θ曲線として表わすことができる。横軸が時間であると、モーター12の回転角度がトルクの傾きの外乱となり、回転速度は、モーター12の印加電圧や締付トルクのレベルにより影響を受ける。しかしながら、ワークの回転角度は、これらに影響を受けないため、ワークの回転角度に対する締付トルクの差分を算出して監視することで、時間に対する締付トルクの差分監視に比べて、格段にねじ切れ防止の精度を向上させることができる。
【0042】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0043】
たとえば、締付装置10の構成は上記実施形態に限定されるものではない。また、上記した締付トルクの数値や時間は一例であり、種々変更が可能であることは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 締付け装置
12 モーター
20 ソケット
30 トルクセンサー
31 トルク測定手段
40 制御装置
42 モーター制御手段
43 差分算出手段
44 差分監視手段