(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】折畳装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/06 20060101AFI20241212BHJP
B65H 45/12 20060101ALI20241212BHJP
B41J 13/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65H5/06 F
B65H45/12
B41J13/02
(21)【出願番号】P 2021113808
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2024-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】萬 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】大岩 英紀
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4650448(US,A)
【文献】特開2006-150735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
B65H 45/12
B41J 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを挟持し搬送する
一対のローラが設けられた搬送部と、
搬送部により搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、
前記折畳部には、シートを搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持されたシートの保持片の対向位置へシートの折畳片を近接させる近接部とが設けられ、
搬送部には、前記折畳部でシートが折畳まれるとき、
折畳片の移動経路に存在するローラを搬送路から退避させる退避部が設けられ
、前記一対のローラは、前記シートの搬送路を介して対向配置される折畳装置。
【請求項2】
シートを挟持し搬送するローラが設けられた搬送部と、
搬送部により搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、
前記折畳部には、シートを搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持されたシートの保持片の対向位置へシートの折畳片を近接させる近接部とが設けられ、
搬送部には、前記折畳部でシートが折畳まれるとき、前記ローラを搬送路から退避させる退避部が設けられ、
前記退避部は、ローラを回転自在に軸支する軸支部を搬送路の外方へ向けて移動する移動部を備え、前記移動部は、前記軸支部を、揺動軸を軸心に揺動する揺動部を備えた折畳装置。
【請求項3】
前記揺動軸は、搬送方向に沿って延在する請求項2に記載の折畳装置。
【請求項4】
シートを挟持し搬送するローラが設けられた搬送部と、
搬送部により搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、
前記折畳部には、シートを搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持されたシートの保持片の対向位置へシートの折畳片を近接させる近接部とが設けられ、
搬送部には、前記折畳部でシートが折畳まれるとき、前記ローラを搬送路から退避させる退避部が設けられ,
前記退避部は、ローラの回転軸が搬送部の搬送方向に直交する幅方向に沿った搬送位置から、前記回転軸が前記幅方向に交差する方向となる退避位置へ前記ローラを移動する折畳装置。
【請求項5】
前記退避位置では、前記回転軸が上下方向に沿う請求項
4に記載の折畳装置。
【請求項6】
近接部は、シートに形成された折目を回転中心として折畳片を保持片に向けて回転する回転部を備えた請求項1
乃至請求項5のいずれか一項に記載の折畳装置。
【請求項7】
折畳部は、シートに設けられた搬送部の搬送方向に沿った縦折目または搬送方向に直交する幅方向に沿った横折目でシートを折り畳む請求項1
乃至請求項4のいずれか一項に記載の折畳装置。
【請求項8】
前記退避部は、ローラを回転自在に軸支する軸支部を搬送路の外方へ向けて移動する移動部を備えた請求項1
、請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の折畳装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送されてきたシートを折り畳む折畳装置が知られている。下記特許文献1には、折り畳まれるシートの折位置のずれを抑制可能な折畳装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、折ローラによってシートを搬送しながら折り畳む。この場合、折ローラは常にシートを挟持搬送したままで継続的に折畳処理することができ、作業効率がよい。このような折ローラを用いて折畳むことができるのは、コピー用紙や、手紙等シートの厚さが比較的薄い場合である。一方、シートが所定値より厚い場合、例えば、酒類の瓶を収容する箱を製造するための段ボールや、名刺の収容箱、カタログやチラシ等を挟んで収納できるポケット付きホルダ用の厚紙等を、折ローラを用いて折畳処理することは困難である。
【0005】
シートが所定値より厚い場合、シートを搬送路上に保持し、シートの折り畳みたい部分を搬送路上に保持されたシートの対向位置へ向けて移動することによって、シートを折り畳む方法が考えられる。しかし、シートの折り畳みたい部分を、搬送路上に保持された部分に近接させる際、該シート自体が搬送ローラによって挟持されていると、適正に折り畳むことが困難となる危険性がある。
【0006】
本発明の目的は、シートを搬送路上に保持しつつ折畳むとき、シートを搬送するローラによって、折畳みの動作が阻害されることがなく、適正に折畳処理可能な折畳装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の折畳装置は、シートを挟持し搬送する一対のローラが設けられた搬送部と、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、前記折畳部には、シートを搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持されたシートの保持片の対向位置へシートの折畳片を近接させる近接部とが設けられ、搬送部には、前記折畳部でシートが折畳まれるとき、折畳片の移動経路に存在する前記ローラを搬送路から退避させる退避部が設けられ、前記一対のローラは、前記シートの搬送路を介して対向配置される。
【0008】
また、前記構成において、近接部は、シートに形成された折目を回転中心として折畳片を保持片に向けて回転する回転部を備えた。
【0009】
そして、前記各構成において、折畳部は、シートに設けられた搬送部の搬送方向に沿った縦折目または搬送方向に直交する幅方向に沿った横折目でシートを折り畳む。
【0010】
更に、前記各構成において、前記退避部は、ローラを回転自在に軸支する軸支部を搬送路の外方へ向けて移動する移動部を備えた。
【0011】
更に、前記各構成において、前記移動部は、前記軸支部を、揺動軸を軸心に揺動する揺動部を備えた。
【0012】
更に、前記各構成において、前記揺動軸は、搬送方向に沿って延在する。
【0013】
更に、前記各構成において、前記退避部は、ローラの回転軸が搬送部の搬送方向に直交する幅方向に沿った搬送位置から、前記回転軸が前記幅方向に交差する方向となる退避位置へ前記ローラを移動する。
【0014】
更に、前記各構成において、前記退避位置では、前記回転軸が上下方向に沿う。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シートを挟持し搬送する一対のローラが設けられた搬送部と、搬送部により搬送されるシートを折り畳む折畳部とを備え、前記折畳部には、シートを搬送路上に保持する保持部と、前記保持部によって保持されたシートの保持片の対向位置へシートの折畳片を近接させる近接部とが設けられ、搬送部には、前記折畳部でシートが折畳まれるとき、折畳片の移動経路に存在する前記ローラを搬送路から退避させる退避部が設けられ、前記一対のローラは、前記シートの搬送路を介して対向配置されるので、折畳片を保持部に保持された保持片に適正に近接させることができる。
【0016】
また、近接部は、シートに形成された折目を回転中心として折畳片を保持片に向けて回転する回転部を備えた場合は、シートを容易に折り畳むことができる。
【0017】
そして、折畳部は、シートに設けられた搬送部の搬送方向に沿った縦折目または搬送方向に直交する幅方向に沿った横折目でシートを折り畳む場合は、シートをより容易に折り畳むことができる。
【0018】
更に、前記退避部は、ローラを回転自在に軸支する軸支部を搬送路の外方へ向けて移動する移動部を備えた場合は、ローラを容易に搬送路の外方へ移動させることができる。
【0019】
更に、前記移動部は、前記軸支部を、揺動軸を軸心に揺動する揺動部を備えた場合は、ローラを軸支部に軸支させたまま容易に搬送路から移動させることができる。
【0020】
更に、前記揺動軸は、搬送方向に沿って延在する場合は、揺動軸を軸心に軸支部を揺動することでローラを搬送路から離間する方向へ移動することができる。
【0021】
更に、前記退避部は、ローラの回転軸が搬送部の搬送方向に直交する幅方向に沿った搬送位置から、前記回転軸が前記幅方向に交差する方向となる退避位置へ前記ローラを移動する場合は、保持部で保持片を保持しつつ折畳片を保持片へ近接させる際、搬送位置において幅方向に延在するローラを容易に退避位置へ移動することができる。
【0022】
更に、前記退避位置では、前記回転軸が上下方向に沿う場合は、ローラをより容易に退避させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる折畳装置の模式縦断面図である。
【
図3】前記折畳装置のローラ及び支持ユニットの斜視図である。
【
図4】前記ローラ及び前記支持ユニットの平面図である。
【
図5】前記ローラ及び前記支持ユニットの前面図である。
【
図6】前記ローラ及び前記支持ユニットの縦断面図である。
【
図7】前記ローラ及び前記支持ユニットの使用態様図である。
【
図8】前記折畳装置で処理されるシートの平面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態にかかる支持ユニットの縦断面図である。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態にかかる処理装置1の概略構成を示す縦断面図、
図2は前記処理装置の平面図である。処理装置1は、第1機構101及び第2機構102を備える。第1機構101には、供給部16、斜行補正部4、縦クリース部5、横クリース部6が設置される。第2機構102には、折畳部7、糊塗布部3、押圧部8、及び排出部17が設置される。
【0025】
また、処理装置1は、装置全体の作動を制御する制御部9を装置本体10内に備えている。供給部16から排紙部17へは、シートSを挟持し搬送する複数のローラ19を備えた搬送部2によって搬送路20が形成されている。
【0026】
供給部16は、供給トレイ94、吸引搬送部95を備える。供給トレイ94は、シートSが載置される。供給トレイ94は図示しない昇降部により昇降される。吸引搬送部95は、吸引箱96及び搬送ベルト97を備える。吸引箱96は
図2に示す送風機98に接続される。送風機98の駆動により吸引箱96に負圧が発生し、供給トレイ94上の最上位のシートSが搬送ベルト97の下面に吸着される。
【0027】
斜行補正部4は、ガイド41、斜行ベルト42を備える。ガイド41は、シートSの側端が接触される。斜行ベルト42の走行によって、シートSは、ガイド41に向けて搬送され、一方の側端縁がガイド41に接触しつつ下流側へ搬送される。
【0028】
縦クリース部5は、シートSに搬送方向Fに沿った折目Cを形成する。縦クリース部5は上部材51、下部材52、離間部53及び横移動部54を備える。上部材51は、搬送路20の上方に設置される。上部材51は円盤状に形成され、周面に凹溝が形成される。下部材52は上部材51の対向位置で、搬送路20の下方に設置される。下部材52は、上部材51と略同じ半径の円盤状に形成され、周面に凹溝に係合する凸部が形成される。離間部53は上部材51を下部材52から離間させる。横移動部54は、上部材51及び下部材52を一体で搬送方向Fに直交する幅方向Wに移動する。
【0029】
横クリース部6はシートSに幅方向Wに沿った折目Cを形成する。横クリース部6は、凹部材61、凸部材62及び昇降部63を備える。凹部材61は搬送路20の上方に設置され、昇降部63によって昇降される。凸部材62は凹部材61に対向し、搬送路20の下方に設置される。
【0030】
折畳部7は搬送部2により搬送されるシートSを折り畳む。折畳部7は、シートSに設けられた搬送部2の搬送方向に沿った縦折目Cfまたは搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った横折目CWでシートSを折り畳む(
図3参照)。
【0031】
折畳部7には、保持部71及び近接部72が設けられる。保持部71は、シートSを搬送路20上に保持する。近接部72は、保持部71によって保持されたシートSの保持片の対向位置へシートSの折畳片を近接させる。近接部72は、回転部73を備える。回転部73は、シートSに形成された折目Cを回転中心として折畳片を保持片に向けて回転する。折畳部7には、第1―4折畳部11-14が含まれる。
【0032】
第1折畳部11は、4つの折畳部7のうち最も上流側に設置される。第1折畳部11は、シートSの後端部分に設けられた後糊代Eを搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って形成された後折目C2で折り畳む(
図3参照)。第1折畳部11は、第1近接部46、第1保持部47を備える。
【0033】
第1近接部46は、第1回転部材45及び第1回転部48を備える。第1回転部48は第1回転軸49を軸心とし、第1回転部材45を下流側の第1保持部47に向けて回転される。これより、第1回転部48は、シートSに形成された後折目C2を回転中心として折畳片である後糊代Eを、保持片である本体Bに向けて回転する。
【0034】
第2折畳部12は、第1折畳部11の下流側に設置される。第2折畳部12は、シートSの前端部分を幅方向Wに沿って折り畳む。第2折畳部12は第2近接部56、第2保持部57を備える。第2近接部72は、第2回転部材55及び第2回転部58を備える。第2回転部58は、上流側の第2保持部57に向けて第2回転軸59を軸心に第2回転部材55を回転される。これより、第2回転部58は、シートSに形成された前横折目C1を回転中心として折畳片としての前糊代Dを保持片としての本体Bに向けて回転する。
【0035】
第3折畳部13は、第2折畳部12の下流側であって、2つの糊塗布部3の間に設置される。第3折畳部13は、シートSに設けられた搬送部2の搬送方向Fに沿った縦折目CfでシートSを折り畳む。第3折畳部13は、第3近接部66、第3保持部67及び図示しない移動部を備える。第3近接部66は、第3回転部68を備える。
図2に示すように、第3回転部68と、第3保持部67とは、幅方向Wに並設される。第3回転部68は第3回転軸69を軸心とし、第3回転部材65を幅方向Wに隣接して設けられた第3保持部67に向けて回転される。移動部は、折目Cの位置に合わせ、折目第3近接部66及び第3保持部67を一体で幅方向Wに移動する。これより搬送方向Fに沿った折目Cを回転中心に、折畳片が、保持片へ向けて回転され、折り畳まれる。
【0036】
第4折畳部14は、4の下流側に設置される。第4折畳部14は、シートSの搬送方向F中央に設けられた幅方向Wに沿った中央折目C5でシートSを折り畳む。第4折畳部14は第4近接部76、第4保持部77を備える。第4近接部76は、第4回転部78を備える。第4回転部78は、上流側の第4保持部77に向けて第4回転軸79を軸心に第4回転部材75を回転させる。
【0037】
糊塗布部3は、第1,2糊塗布部31,32が含まれる。第1糊塗布部31は第2折畳部12と第3折畳部13の間に設置される。第1糊塗布部31は、シートSに幅方向Wに沿って糊を塗布する。第1糊塗布部31は、第1ノズル81、第1糊供給部(図示省略)、第1糊移動部82を備える。第1ノズル81は第1糊供給部からの糊GをシートSに向けて噴射し、シートSに糊Gを塗布する。第1糊供給部は第1ノズル81へ糊Gを供給する。第1糊移動部82は、第1ノズル81を幅方向Wへ移動する。
【0038】
第2糊塗布部32は第3折畳部13と第4折畳部14の間に設置される。第2糊塗布部32は、シートSに幅方向Wに沿って糊を塗布する。第2糊塗布部32は、第2ノズル91、第2糊供給部(図示省略)、第2糊移動部92を備える。第2ノズル91は第2糊供給部からの糊GをシートSに向けて噴射し、シートSに糊Gを塗布する。第2糊供給部は第2ノズル91へ糊Gを供給する。第2糊移動部92は、第2ノズル91を幅方向Wへ移動する。
【0039】
押圧部8は、シートSの折目Cを押圧する。押圧部8は、上下一対の押圧部材85、86及び昇降部87を備える。一対の押圧部材85、86は搬送路20を介し上下に対向配置される。昇降部86は、搬送路20の上方に設置された押圧部材85を対向する他方の押圧部材86に向けて昇降する。
【0040】
排出部17は、加工処理されたシートSが載置される。排出部17は、排出トレイ99を備える。
【0041】
制御部9は、操作パネル(図示省略)に接続したCPUを有している。操作パネルは、シートSの加工処理情報を設定する設定部として機能する。設定部は、シートSの種類や厚さ、硬さ等を使用者が手動で入力し、設定可能に構成される。また設定部は、使用者が番号等を入力や選択することで、シートSの種類や厚さ、硬さなどをシートSの処理内容とともに記憶部から呼び出し、設定することも可能である。また、操作パネルは、各種情報を表示する表示部としても機能する。
【0042】
搬送部2は、シートSを挟持し、供給部16から排紙部17へ向けて搬送するようになっている。複数のローラ19のうち、搬送路20の下方にある下ローラ27は、搬送駆動部(図示省略)が連結される。第3折畳部13に設置された下ローラ273を除く他のすべての下ローラ27の幅方向Wの長さは、シートSが搬送される搬送路20の幅方向Wの長さより長く設定される。第3折畳部13に設置された下ローラ273は、搬送路20の幅方向W長さより短く、半分程度の長さとなっている。
【0043】
搬送路20の上方に設置されるローラ28は、対向する下ローラ27の回転によって従動回転される。第1機構101のすべての搬送路20の上側のローラ28及び第2機構102の最下流に配置された搬送路20の上側のローラ288は、幅方向Wの長さが、シートSが搬送される搬送路20の幅方向Wの長さより長く形成される。これらのローラ28は、対向する下ローラ27とほぼ同じ幅方向Wの長さを有する。
【0044】
これに対し、第2機構102の押圧部8より上流側で搬送路20の上方に設置されたローラ281-287は、搬送路20の幅方向Wの長さより短い範囲に設置される。
図2では、第2機構102の押圧部8より上流側の上側のローラ281―287が搬送路20の
図2における左側の位置に、幅方向Wの半分程度の長さで設置される場合を示す。
【0045】
図3は、第2機構102の最も上流側の搬送路20の上側のローラ281及び該ローラ281の支持ユニット18の斜視図である。
図4はローラ281及び支持ユニット18の平面図である。
図5は、ローラ281及び支持ユニット18の前面図から見た図である。
図6は、ローラ281及び支持ユニット18の縦断面図である。
【0046】
第2機構102の最上流に位置するローラ281は、幅方向Wに複数個に分割されている。支持ユニット18は、軸支部37及び退避部39を備える。軸支部37は、分割された複数のローラ281をいずれも回転自在に軸支する。軸支部37は、底部が開放した横長直方体状に形成され、内部にローラ281を収容する。これらのローラ281は、軸支部37に軸支されたままで退避部39によって搬送路20から退避可能に構成される。退避部39は、折畳部7でシートSが折畳まれるとき、ローラ26を搬送路20から退避させる。
【0047】
退避部39は、ローラ281の回転軸34が搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った搬送位置から、回転軸34が幅方向Wに交差する方向となる退避位置へローラ28を移動する。本実施形態では、
図7に示すように、退避位置で、回転軸34が上下方向に沿う場合を示す。
【0048】
退避部39は、移動部30を備える。移動部30は、ローラ281を回転自在に軸支する軸支部37を搬送路20の外方へ向けて移動する。移動部30は、揺動部40を備える。揺動部40は、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動する。揺動軸38は、搬送方向Fに沿って延在する。揺動部40は、駆動部33、支持台43、回転体35、リンク36、検出部44を備える。検出部44は、遮光板441及び光学式のセンサー442を備える。
【0049】
駆動部33及び回転体35及び揺動軸38は、装置本体10に固定された支持台43によって支持される。回転体35は、駆動部33の駆動により回転される。回転体35の円盤面にリンク36の一端部がピン64により連結されている。リンク36の他端部は軸支部37の揺動軸38と
図5において最も左側に位置するローラ281aとの間に、ピン65により連結されている。
【0050】
また、回転体35の回転軸35aには遮光板441が固定されている。遮光板441は、回転体35の下方に設置されたセンサー442によって検出され、ローラ281が退避位置と、搬送位置とのいずれに位置するのかを検出する。
【0051】
シートSの搬送時、ローラ281は搬送位置に位置する。シートSを折り畳むとき、ローラ281は退避位置へ移動する。退避位置への移動の際、駆動部33が駆動され、回転体35が
図6において反時計回りに所定量回転される。回転体35の回転によってリンク36は同図において左方へ移動し、軸支部37のピン65によるリンク36への連結部を同図における左方へ移動させる。これより軸支部37は揺動軸38を軸心に揺動する。
【0052】
図7に示すように、軸支部37はローラ281を軸支しつつ水平姿勢から上下方向に沿った姿勢へ移動する。ローラ281の設置方向が略90度変更される。ローラ281の搬送位置から退避位置への移動によって搬送路20が開放される。
【0053】
第2機構102の押圧部8より上流側の他の搬送路20の上側のローラ282-287も、
図5-8に示す第2機構102の最上流に設置されたローラ281及びその支持ユニット18と略同様の構成を有する。押圧部8の上流側に隣接して設置された3つの搬送路20の下側のローラ275-277にそれぞれ対向する搬送路20の上側のローラ285-287は、1つの退避部39によって一体で搬送位置から、退避位置へ移動される。
【0054】
次に、処理装置1の動作について説明する。
図8は、本実施形態に係る処理装置1で加工処理されるシートSの平面図である。シートSは抜型によって予め所定形状に切り抜かれている。シートSは、折り畳まれる際、折畳部7の保持部71によって搬送路20に保持される保持片と、保持片の対向位置へ折り畳まれる折畳片とを備える。保持片は、本体Bにより構成される。折畳片は、前糊代D、後糊代E、前折畳片H、後折畳片Iにより構成される。そして、シートSが中央折目Cで半分に折り畳まれるとき、本体Bの上流側部分Brが保持片を構成し、本体Bの下流側部分Bfが折畳片を構成する。
【0055】
シートSには、搬送部2の搬送方向Fに沿った縦折目Cfまたは搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った横折目CWが設けられる。
図8に示すシートSは、縦折目Cfが前縦折目C3、後縦折目C4を備える。横折目CWが前横折目C1、後横折目C2を備える。
【0056】
前糊代D及び後糊代Eには、糊Gが塗布される。前糊代D、後糊代E、前折畳片H、後折畳片Iは、それぞれ前横折目C1、後横折目C2、前縦折目C3、後縦折目C4でそれぞれ本体Bに向けて折り畳まれる。更に、シートSは、本体Bが中央折目C5で半分に折り畳まれることで、同図(b)に示す加工処理物Jが形成される。
【0057】
処理装置1によってシートSを加工処理する際は、
図8(a)シートSが供給トレイ94に載置される。
図9は、シートSが順次折り畳まれる際の各工程を示す。吸引搬送部95によって供給トレイ94上の最上位のシートSが下流側の斜行補正部4へ供給される。
【0058】
斜行補正部4で、シートSは、斜行ベルト42の走行によって、
図8で右側に示す側縁Kを、ガイド41に沿わせつつ搬送され、斜行が修正される。シートSが縦クリース部5に至ると、
図9(b)において、二点鎖線で示すように、搬送方向Fに沿って前縦折目C3及び後縦折目C4が形成される。
【0059】
その後、シートSは横クリース部6へ搬送される。シートSの前横折目C1が凹部材61及び凸部材62の間に位置するタイミングで、制御部9は搬送部2によるシートSの搬送を停止する。そして、制御部9は、昇降部63を駆動し、凹部材61、シートSを介して凸部材62に係合し、前横折目C1を形成する。後横折目C2についても、前横折目C1と同様に形成される。これより、
図9(c)に示す前横折目C1及び後横折目C2が形成される、
【0060】
その後、シートSの先頭部分は、第1折畳部11を通過し、第2折畳部12に至る。前横折目C1が第2折畳部12の第2回転軸59の上方に至ると、制御部9はシートSの搬送を停止する。
【0061】
図10は、前横折目C1でシートSを折り畳むために、制御部9が搬送部2の搬送を停止した状態を示す平面図である。同図では、シートSがローラ19に挟持されている。前横折目C1は、第2折畳部12の第2回転軸59の上方に位置している。第2折畳部12の上流側に隣接して設置されているローラ282及び下流側に隣接して設置されているローラ283は、それぞれシートSの本体B及び前糊代Dをそれぞれ挟持している。同図において矢印で示すように、前横折目C1で前糊代Dを上
流側の本体Bに向けて折り返し、前糊代Dを一点鎖線で示す位置に移動させようとしても、ローラ282,283はいずれも前糊代Dの移動経路上に存在しており、このままでは前糊代Dを本体Bに向けて折り畳むことはできない。
【0062】
そこで、制御部9は、第2折畳部12の上流及び下流に隣接して設置されたローラ282、283を退避部39によって搬送路20から退避させる。制御部9は、第2、3退避部22,23の駆動部33をそれぞれ駆動する。これより退避部39の回転体35を所定量回転させる。リンク36が軸支部37に作用し、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動させる。
【0063】
搬送位置において、軸支部37が幅方向Wに延在し、回転軸34が水平方向にあったローラ282、283は、
図7に示すように回転軸34を上下方向に沿う向きとなるよう引き上げられる。
【0064】
ローラ283,282は搬送位置で前糊代D及び本体Bをそれぞれ挟持した状態から、搬送路20の側方の退避位置へ移動する。これより、
図11に示すように、シートSは、搬送路20上で、ローラ282,293に挟持された状態から解放される。シートSの下面は搬送路20の下側のローラ27及び第2保持部57に支持されている一方、第2折畳部12の周辺においてシートSの上面はむき出しの状態となる。
【0065】
制御部9は、第2回転部58を駆動し、第2回転軸59を軸心に第2近接部56を揺動させ、第2保持部57に近接させる。前糊代Dは、搬送路20の上で前横折目C1を回転中心として回転され、円弧を描いて上流側へ向けて折り返され本体Bの対向位置へ移動される。ローラ282,283がいずれも退避位置に移動しているので、前糊代Dが搬送路20の上で折り畳まれる際の前糊代Dの移動経路にローラ282,283が存在することで、折畳動作が妨げられるといったことがない。
【0066】
シートSは、前横折目C1で折り畳まれることで、前糊代Dが本体B上に重ねられ、
図9(d)に示す状態となる。前糊代Dを折り畳んだ後、制御部9は第2回転部58を駆動し、第2近接部56をもとの位置に戻す。また、駆動部33を駆動し、ローラ282,283を退避位置から搬送位置へ移動させる。そして、制御部9は、搬送部2を駆動する。シートSは前横折目C1を先頭に、下流側へ搬送される。
【0067】
前横折目C1は、第1糊塗布部31及び第3折畳部13を通過する。前糊代Dが第2糊塗布部32に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。制御部9は第2糊塗布部32の第2ノズル91から糊Gを噴射し、折り返された前糊代Dの上面に糊Gを塗布する。
【0068】
更に、制御部9は、前糊代Dへ糊塗布した位置のままで、シートSを移動させることなく、前縦折目C3で前折畳片Hを本体Bへ向けて折り返す。このとき、制御部9は、まず、第3折畳部13に設置された搬送路20の上側のローラ284を搬送位置から退避位置へ移動する。これより、前折畳片Hを本体Bに向けて折り畳むときに、ローラ284が本体B上に位置することで、折畳動作を妨げるといったことが生じない。
【0069】
制御部9は、第3回転部68を駆動する。第3近接部66は第3回転軸69を軸心に揺動され、第3保持部67の対向位置に至る。
【0070】
図9(f)に示すように、シートSは、前縦折目C3で折り畳まれる。前折畳片Hは本体Bの上方に重ねられる。このとき、シートSの先頭部分には、本体Bの上に前糊代Dがすでに折り畳まれ、対向しており、更に前糊代Dの上面に糊Gが塗布されているので、前糊代Dの上面と前折畳片Hの前端部分下面が接着される。
【0071】
その後、制御部9は、第3折畳部13に設置されたローラ284を退避させる退避部39を駆動する。ローラ284は退避位置から搬送位置へ移動される。ローラ284は搬送路20の下側のローラ274との間で、本体B及び前折畳片Hを挟持する。制御部9が搬送部2を駆動すると、ローラ284とこれに対向するローラ274とによってシートSは下流側へ搬送される。
【0072】
その後、シートSの後部の後横折目C2が、第1折畳部11の第2回転軸49設置位置に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。第1折畳部11の上流側に隣接するローラ281と、下流側に隣接するローラ282を各々の退避部39を駆動することで、搬送位置から退避位置へ移動する。これより、ローラ281、282が挟持していたシートSは解放される。
【0073】
そして、制御部9は第1回転部48を駆動する。シートSは後横折目C2で折り畳まれ、後糊代Eが本体Bの上方に位置される。これより、シートSは
図9(g)に示す状態となる。
【0074】
制御部9は、退避部39によってローラ281、282を搬送位置へ戻す。そして、制御部9は、搬送部2を駆動する。後糊代Eが第1糊塗布部31に至ると、制御部9は、搬送部2を停止する。制御部9が、第1ノズル81から糊Gを噴射すると、
図9(h)に示すように、後糊代Eの上面に糊Gが塗布される。
【0075】
更に、制御部9は、後糊代Eへ糊塗布した位置のままで、シートSを移動させることなく、後縦折目C4で後折畳片Iを本体Bへ向けて折り返す。このとき、制御部9は第3折畳部13に設置されたローラ284を退避させる退避部39を駆動する。ローラ284は搬送位置から退避位置へ移動させる。
【0076】
そして、制御部9は、第3回転部68を駆動し、第3近接部66を第3回転軸69を軸心に揺動し、第3保持部67の対向位置に位置させる。これにより、シートSは、後縦折目C4で折り畳まれる。本体Bと後折畳片Iの間に位置する後糊代E上面の糊Gにより、後糊代Eと後折畳片Iの後端部分が接着される。
【0077】
制御部9は退避部39によってローラ284を搬送位置へ戻す。そして、制御部9は、搬送部2を駆動する。中央折目C5が第4折畳部14に至ると、搬送部2を停止する。制御部9は、第4折畳部14の下流側に隣接する3つのローラ285―287を退避部39によって一体で搬送位置から退避位置へ移動する。
【0078】
制御部9は、第4近接部76を揺動して、第4保持部77に保持された保持片としての本体Bの上流側部分Brに、本体Bの下流側部分Bfを近接させ、シートSを中央折目C5で折り畳む。その後、制御部9は、第4回転部78を駆動し、第4回転部材75を搬送路20の元の位置へ戻す。制御部9は、退避部39によって、退避位置に位置するローラ285-287を一体で搬送位置へ戻す。折り畳まれたシートSは、中央折目C5を先頭に搬送部2により搬送される。
【0079】
シートSの先頭部分が押圧部8に至ると、制御部9は搬送部2を停止する。制御部9は、昇降部87を駆動し、搬送路20の上側の押圧部材85を下側の押圧部材86に向けて下降する。中央折目C5は、一対の押圧部材85,86によって押圧され、しっかりと折り畳まれる。
【0080】
制御部2は搬送部2の駆動を再開し、シートSの後端部分が押圧部8に至った時点で搬送を停止する。制御部2は、一対の押圧部材85,86によって上下に重ねられた前横折目C1、後横折目Cを押圧する。前横折目C1及び後横折目C2はよりしっかりと折り畳まれるとともに、塗布された糊Gにより前糊代Dと前折畳片H、後糊代Eと後折片Iとが強固に接着される。加工処理により得られた加工処理物Jは、排出トレイ99上に排出される。
【0081】
以上より、本第1の実施形態に係る折畳装置1は、シートSを挟持し搬送するローラ19を備えた搬送部2と、搬送部2により搬送されるシートSを折り畳む折畳部7とを備え、折畳部7には、シートSを搬送路20上に保持する保持部71と、保持部72によって保持されたシートSの保持片の対向位置へシートSの折畳片を近接させる近接部73とが設けられ、搬送部2には、折畳部7でシートSが折畳まれるとき、ローラSを搬送路20から退避させる退避部39が設けられたので、保持部72でシートSの保持片を保持しつつ、折畳片を保持片の対向位置へ近接させ、シートSを折畳む際に、シートSを挟持搬送するローラ19を、退避部39によって搬送路20から退避させることができる。シートSはローラ19の挟持から解放されるので、折畳片を保持片に適正に近接させることができる。折畳片の保持片に至る移動経路からローラ19を取り除くことで、容易に折畳片を保持片に近接させることができる。
【0082】
また、近接部72は、シートSに形成された折目Cを回転中心として折畳片を保持片に向けて回転する回転部73を備えたので、搬送路20の保持部71に位置する保持片にむけて、折畳片を回転部73によって回転することができ、シートSを容易に折り畳むことができる。
【0083】
そして、折畳部7は、シートSに設けられた搬送部2の搬送方向に沿った縦折目Cfまたは搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った横折目CwでシートSを折り畳むので、縦折目Cfまたは横折目Cwにおいて、シートSを容易に折り畳むことができる。
【0084】
更に、退避部39は、ローラ19を回転自在に軸支する軸支部37を搬送路20の外方へ向けて移動する移動部30を備えたので、移動部30にローラ19を容易に搬送路20の外方へ移動させることができる。
【0085】
更に、移動部30は、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動するので、ローラ19を軸支部37に軸支させたまま容易に搬送路20から移動させることができる。
【0086】
更に、揺動軸38は、搬送方向Fに沿って延在するので、揺動軸38を軸心に軸支部37を揺動することでローラ19を搬送路20から離間する方向へ移動することができる。
【0087】
更に、退避部39は、ローラ19の回転軸34が搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った搬送位置から、回転軸34が幅方向Wに交差する方向となる退避位置へ前記ローラ19を移動するので、保持部71で保持片を保持しつつ折畳片を保持片へ近接させる際、搬送位置において幅方向Wに延在するローラ19を容易に退避位置へ移動することができる。
【0088】
更に、退避位置では、回転軸34が上下方向に沿うので、ローラ19に挟持搬送されていた折畳片を、容易に開放することができる。ローラ19の回転軸34を上下方向に沿わせることで、ローラ19を上下方向に沿って延在させ、折畳片が保持片へ近接する際に搬送路20の上方を通過する移動経路を取る場合に、移動経路の外方へローラ19を容易に退避させることができる。
【0089】
(第2の実施形態)
図12は本発明の第2の実施形態に係る退避部39aの縦断面図を示す。上記第1の実施形態では、退避部39が回転体35を備えた。本第2の実施形態では、これに替えて、螺子部50を備える。螺子部50は雄螺子部88と、雌螺子部89を備える。雄螺子部88は、駆動部33aの駆動により回転される。雌螺子部89は、雄螺子部88に螺合する。雌螺子89は雄螺子部88の回転により、支持台43aに設けられた長孔87に案内されつつ幅方向Wに沿って移動する。雌螺子部89はリンク36aの一端にピン64aにより連結されている。
【0090】
第2の実施形態に係る退避部39aによってローラ19aを退避位置へ移動する際は、制御部9aが駆動部33aを駆動する。駆動部33aの駆動により雄螺子部88が回転し、雌螺子部89を
図12において左方へ移動させる。リンク36aは左方に移動され、ローラ19aは揺動軸38aを軸心に揺動される。シートSの搬送位置において水平姿勢で幅方向Wに沿っていたローラ19aの回転軸34aは、二点鎖線で示すように、退避位置では、上下方向に沿うようになる。
【0091】
本第2の実施形態では、螺子部50を備えるので、駆動部33aの駆動量からローラ19aの搬送位置から退避位置への移動量を精密に位置制御することができる。また、ローラ19aを退避させるために、雌螺子部89を幅方向Wに移動させるとき、ギア比を大きくすることができ、小さい駆動力でも雌螺子部89を移動可能である。よって、小型で安価なモータを用いることができ、コスト削減になる。
【0092】
尚、本発明は、上述した第1,2の実施形態に限定されない。上記実施形態では、近接部72は、シートSに形成された折目Cを回転中心として折畳片を保持片に向けて回転する回転部を備えたが、これに替えて、折目以外の他の箇所を回転中心として、保持片に折畳片を近接させてもよく、折畳片は回転移動でなく、保持片に平行に必要な量移動し、折り畳んでもよい。
【0093】
また、折畳部7は、シートSに設けられた搬送部2の搬送方向に沿った縦折目または搬送方向に直交する幅方向に沿った横折目でシートを折り畳んだが、折目は搬送方向に対し斜めであってもよい。また、退避部39は、ローラ19を回転自在に軸支する軸支部37を搬送路20の外方へ向けて移動する移動部30を備えたが、ローラ自体を移動させてもよく、搬送路20の上方又は下方であって、折畳動作を阻害しない位置にローラを退避させてもよい。
【0094】
また、移動部30は、軸支部37を、揺動軸38を軸心に揺動する揺動部40を備えたが、軸支部37を上下方向に移動してもよく、昇降してもよく、平行移動してもよく、斜めに移動してもよい。また、揺動軸38は、搬送方向Fに沿って延在したが、軸支部37を搬送方向に対し前方または後方へ三次元で移動することで、揺動軸38が搬送方向Fに対し斜めに形成されてもよい。また、退避部39は、ローラ19の回転軸34が搬送部2の搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿った搬送位置から、回転軸34が幅方向Wに交差する方向となる退避位置へローラ19を移動したが、搬送方向に平行な退避位置へローラを移動してもよい。
【0095】
また、退避位置では、回転軸34が上下方向に沿う場合を示したが、退避位置でローラの回転軸が搬送方向に沿った搬送路の外方へ退避させてもよい。また、退避部39によって退避可能なローラ281-287は、幅方向Wに3つに分割された場合を示したが、2つまたは4つ以上に分割されもよく、分割されていなくてもよい。また、ローラ281-287の幅方向Wの長さは搬送路20の幅方向Wの長さの半分程度である場合を示したが、半分より短くてもよく、それより長くてもよく、搬送路の長さより長くてもよい。
【0096】
また、退避部39は、搬送路20の片側のみに設けたが、ローラが幅方向で分割され、それぞれ個別に軸支されている場合、退避部を搬送路の左右両側に設け、ローラを搬送路の左右両側に退避させてもよい。
【0097】
また、折畳装置1は、第1,2糊塗布部81,82を備えたが、糊塗布部はなくてもよく、3個以上の糊塗布部を備えてもよい。第1、2糊塗布部81,82で、前糊代D及び後糊代Eへそれぞれ糊塗布した位置のままで、搬送することなく、前縦折目C3,後縦折目C4で前折畳片H,後折畳片Iをそれぞれ折り畳んだが、糊塗布部と折畳部が離れた場所に設置されている場合には、糊塗布後シートの折目が所定の折畳部に至るまで、該シートを搬送し、折目が適正な折畳部に至った時点で、シートの搬送を停止し、折畳処理してもよい。
【0098】
また、折畳装置1は、折目を形成する縦クリース部5及び横クリース部6を備えたが、折目形成済みのシートを折り畳み処理する場合、折目を形成する機構を備えなくてもよい。また、折畳装置1は、第1―4折畳部11―14を備えたが、少なくとも1つの折畳部を備えればよく、2または3個の折畳部を備えてもよく、5個以上の折畳部を備えてもよい。
【0099】
また、折畳装置1で折畳処理されるシートの形状は、
図8に示すものに限定されず、折目に沿って折り畳むことが可能なシートであればよく、名刺を収容箱を形成するシートや、瓶、容器、洋酒等を収容するための容器を形成するシート、クリスマスカードや会員証、クーポン券等の各種折り畳み用紙を形成するためのシートであってもよい。
【0100】
また、各種加工処理情報は、操作パネルより使用者が手動設定したが、読取部によりバーコードや二次元コード等を読み取ることで自動的に入力してもよく、パソコンなど外部の情報処理装置と通信を行って設定してもよい。また、予め操作パネルからの手動入力によって、シートの折畳パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
【0101】
また、折畳を行う折畳部7の上流側及び下流側に隣接するローラ281-287を退避部39によって退避させたが、全てのローラ281―287を一度に退避位置へ移してもよい。
【符号の説明】
【0102】
C 折目、Cf 縦折目、Cw 横折目、S シート、F 搬送方向、W 幅方向、1 折畳装置、2 搬送部、7 折畳部、9 制御部、19,281-287 ローラ、20 搬送路、34 回転軸、37 軸支部、38 揺動軸、39 退避部、40 揺動部、71 保持部、72 近接部、73 回転部。