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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】問診システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20241212BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20241212BHJP
【FI】
G16H50/20
G16H20/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023067435
(22)【出願日】2023-04-17
(62)【分割の表示】P 2018185845の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2023080373
(43)【公開日】2023-06-08
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520472871
【氏名又は名称】株式会社エイプリル・データ・デザインズ
(73)【特許権者】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前野 哲博
(72)【発明者】
【氏名】福田 哲夫
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-028799(JP,A)
【文献】特開2012-113629(JP,A)
【文献】特開2007-102743(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061170(WO,A1)
【文献】特開平11-353185(JP,A)
【文献】特開2009-116775(JP,A)
【文献】特開2002-041655(JP,A)
【文献】特開2000-312667(JP,A)
【文献】特開2013-073253(JP,A)
【文献】特開2013-172768(JP,A)
【文献】特開2004-310693(JP,A)
【文献】特開2004-287736(JP,A)
【文献】特開2003-186995(JP,A)
【文献】特開平10-143578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0293988(US,A1)
【文献】国際公開第2017/183085(WO,A1)
【文献】特開2016-139221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の症候の各々に関する複数の質問の各々に関し、当該質問を示す質問データと、当該質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データと、当該質問データが示す質問以外の質問に対するユーザの回答に基づき当該質問データが示す質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データと、当該質問がデフォルトで必要とされる場合は必要であることを示し当該質問がデフォルトで不要とされる場合は不要であることを示す要否データとを格納し、前記複数の回答選択肢データの各々に関し、当該回答選択肢データが示す選択肢の回答の内容を示す回答内容データを格納するデータベースであって、前記要否条件データを格納するフィールドを含む前記複数の質問の各々に応じたレコードを格納するテーブルを含むデータベースを記憶する記憶手段と、
ユーザにより入力された症候を示す症候データを取得する取得手段と、
前記データベースに格納されている質問データのうち、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を表示装置に表示させる表示指示手段と
を備え、
前記取得手段は、前記表示装置に表示された回答の選択肢の中からユーザにより選択された回答を示す回答データを順次取得し、
前記記憶手段は、前記取得手段により順次取得される回答データを順次記憶し、
前記表示指示手段は、前記記憶手段に新たな回答データが記憶されると、前記データベースに格納されている要否条件データが示す条件と前記記憶手段に記憶されている回答データが示す回答に基づき、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問のうちユーザにより回答されていない質問の各々の要否を判定し、前記データベースに格納している要否データを前記判定の結果を示す要否データで更新し、前記データベースから要否データが必要であることを示す質問に関する質問データと回答選択肢データとを抽出し、抽出した質問データが示す質問と抽出した回答選択肢データが示す当該質問に応じた回答の選択肢を前記表示装置に表示させ、
前記記憶手段に記憶されている複数の回答データの各々に関し、当該回答データに応じた回答内容データを外部の装置に出力する出力手段を備える
問診システム。
【請求項2】
前記データベースは、格納している複数の質問データの各々に関し当該質問データが示す質問に関する解説を示す質問解説データを格納し、
前記表示指示手段は、前記表示装置に表示させている質問を示す質問データに応じた質問解説データが示す解説を前記表示装置に表示させる
請求項1に記載の問診システム。
【請求項3】
前記データベースは、回答データが示す回答に基づき疾病に対する処置の緊急度を判定するための条件を示す緊急度判定条件データを1以上、格納し、
前記表示指示手段は、前記データベースに格納されている緊急度判定条件データが示す条件と前記記憶手段に記憶されている回答データが示す回答に基づき判定される疾病に対する処置の緊急度を前記表示装置に表示させる
請求項1又は2に記載の問診システム。
【請求項4】
前記データベースは、格納している1以上の緊急度判定条件データの各々に関し当該緊急度判定条件データが示す条件により判定される緊急度に関する解説を示す緊急度解説データを格納し、
前記表示指示手段は、前記表示装置に表示させている緊急度の判定に用いられた緊急度判定条件データに応じた緊急度解説データが示す解説を前記表示装置に表示させる
請求項に記載の問診システム。
【請求項5】
前記データベースに格納されている複数の質問データの各々は、複数の言語の各々に関し当該質問データが示す質問を当該言語で表現したテキストを示す言語別質問データを含み、
前記データベースに格納されている複数の回答選択肢データの各々は、前記複数の言語の各々に関し当該回答選択肢データが示す回答の選択肢を当該言語で表現したテキストを示す言語別回答選択肢データを含み、
前記取得手段は、前記複数の言語の中からユーザにより選択された言語を示す言語データを取得し、
前記表示指示手段は、質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を前記表示装置に表示させるとき、当該質問データに含まれる複数の言語別質問データのうち前記言語データが示す言語に応じた言語別質問データが示すテキストと、当該複数の回答選択肢データの各々に含まれる複数の言語別回答選択肢データのうち前記言語データが示す言語に応じた言語別回答選択肢データが示すテキストを前記表示装置に表示させる
請求項1乃至のいずれか1項に記載の問診システム。
【請求項6】
前記取得手段は、ユーザにより指定された医療機関に関する条件を示す医療機関条件データを取得し、
前記取得手段は、前記医療機関条件データが示す条件を満たす医療機関の各々に関し当該医療機関において診療の予約が可能な時間帯を示す予約可能時間帯データを取得し、
前記表示指示手段は、前記予約可能時間帯データが示す各医療機関の予約が可能な時間帯を前記表示装置に表示させ、
前記取得手段は、前記表示装置に表示された各医療機関の予約が可能な時間帯の中からユーザにより選択された医療機関の予約が可能な時間帯を示す予約データを取得し、
前記予約データが示す医療機関に対し前記予約データが示す時間帯に診療の予約が行われたことを当該医療機関に通知する通知手段を備える
請求項1乃至のいずれか1項に記載の問診システム。
【請求項7】
前記出力手段は、医療機関が管理する電子カルテを記憶している装置に対し、当該医療機関で診療を受ける患者に関する回答内容データを出力する
請求項1乃至のいずれか1項に記載の問診システム。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の症候の各々に関する複数の質問の各々に関し、当該質問を示す質問データと、当該質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データと、当該質問データが示す質問以外の質問に対するユーザの回答に基づき当該質問データが示す質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データと、当該質問がデフォルトで必要とされる場合は必要であることを示し当該質問がデフォルトで不要とされる場合は不要であることを示す要否データとを格納し、前記複数の回答選択肢データの各々に関し、当該回答選択肢データが示す選択肢の回答の内容を示す回答内容データを格納するデータベースであって、前記要否条件データを格納するフィールドを含む前記複数の質問の各々に応じたレコードを格納するテーブルを含むデータベースを記憶する処理と、
ユーザにより入力された症候を示す症候データを取得する処理と、
前記データベースに格納されている質問データのうち、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を表示装置に表示させる処理と、
前記表示装置に表示された回答の選択肢の中からユーザにより選択された回答を示す回答データを順次取得する処理と、
順次取得される回答データを順次記憶する処理と、
前記記憶する処理において新たな回答データが記憶されると、前記データベースに格納されている要否条件データが示す条件と記憶している回答データが示す回答に基づき、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問のうちユーザにより回答されていない質問の各々の要否を判定し、前記データベースに格納している要否データを前記判定の結果を示す要否データで更新し、前記データベースから要否データが必要であることを示す質問に関する質問データと回答選択肢データとを抽出し、抽出した質問データが示す質問と抽出した回答選択肢データが示す当該質問に応じた回答の選択肢を前記表示装置に表示させる処理と、
記憶している複数の回答データの各々に関し、当該回答データに応じた回答内容データを外部の装置に出力する処理と
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の症候の各々に関する複数の質問の各々に関し、当該質問を示す質問データと、当該質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データと、当該質問データが示す質問以外の質問に対するユーザの回答に基づき当該質問データが示す質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データと、当該質問がデフォルトで必要とされる場合は必要であることを示し当該質問がデフォルトで不要とされる場合は不要であることを示す要否データとを格納し、前記複数の回答選択肢データの各々に関し、当該回答選択肢データが示す選択肢の回答の内容を示す回答内容データを格納するデータベースであって、前記要否条件データを格納するフィールドを含む前記複数の質問の各々に応じたレコードを格納するテーブルを含むデータベースを記憶する処理と、
ユーザにより入力された症候を示す症候データを取得する処理と、
前記データベースに格納されている質問データのうち、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を表示装置に表示させる処理と、
前記表示装置に表示された回答の選択肢の中からユーザにより選択された回答を示す回答データを順次取得する処理と、
順次取得される回答データを順次記憶する処理と、
前記記憶する処理において新たな回答データが記憶されると、前記データベースに格納されている要否条件データが示す条件と記憶している回答データが示す回答に基づき、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問のうちユーザにより回答されていない質問の各々の要否を判定し、前記データベースに格納している要否データを前記判定の結果を示す要否データで更新し、前記データベースから要否データが必要であることを示す質問に関する質問データと回答選択肢データとを抽出し、抽出した質問データが示す質問と抽出した回答選択肢データが示す当該質問に応じた回答の選択肢を前記表示装置に表示させる処理と、
記憶している複数の回答データの各々に関し、当該回答データに応じた回答内容データを外部の装置に出力する処理と
を実行させるためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能な状態で持続的に記録している不揮発性の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報を処理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療従事者(医師、薬剤師等)が患者の病状を正しく診断するためには、患者又はその家族等から、診断の材料となる病歴等の情報を聴き取る必要がある。その聞き取りの作業は問診と呼ばれるが、医療従事者が問診において必要な情報を漏れなく聴き取ることは容易ではない。
【0003】
そこで、問診を支援する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、症候入力ステップ、症状入力ステップ、問診項目ステップ、問診結果表示ステップを順次設け、症候入力ステップと症状入力ステップの間に「症候に関する診断のポイントの説明」ステップを設け、症状入力ステップと問診項目ステップの間に「問診項目に関する説明」ステップを設けたことを特徴とする学習機能付問診システムが記載されている。特許文献1に記載の学習機能付問診システムによれば、医療従事者が患者への問診時に必要な情報を必要な時に学習することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-158754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの医療機関(病院、薬局等)において、問診は定型の問診票に列挙されている質問に対し患者等が回答を行う形で行われている。そのような定型の問診票に従う問診においては、先行する質問に対する回答の内容に応じて、後続の質問が変化することはない。従って、病状に応じて本来必要な質問が漏れてしまう、という問題がある。
【0006】
上記の背景に鑑み、本発明は、問診において必要な質問が漏れなく行われるようにするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の症候の各々に関する複数の質問の各々に関し、当該質問を示す質問データと、当該質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データと、当該質問データが示す質問以外の質問に対するユーザの回答に基づき当該質問データが示す質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データを格納し、前記複数の回答選択肢データの各々に関し当該回答選択肢データが示す選択肢の回答の内容を示す回答内容データを格納するデータベースを記憶する記憶手段と、ユーザにより入力された症候を示す症候データを取得する取得手段と、前記データベースに格納されている質問データのうち、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を表示装置に表示させる表示指示手段とを備え、前記取得手段は、前記表示装置に表示された回答の選択肢の中からユーザにより選択された回答を示す回答データを順次取得し、前記記憶手段は、前記取得手段により順次取得される回答データを順次記憶し、前記表示指示手段は、前記記憶手段に新たな回答データが記憶されると、前記データベースに格納されている要否条件データが示す条件と前記記憶手段に記憶されている回答データが示す回答に基づき、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問のうちユーザにより回答されていない質問の各々の要否を判定し、必要と判定した質問を抽出し、抽出した質問と当該質問に応じた回答の選択肢を前記表示装置に表示させ、前記記憶手段に記憶されている複数の回答データの各々に関し、当該回答データに応じた回答内容データを外部の装置に出力する出力手段を備える問診システムを第1の態様として提供する。
【0008】
上記の第1の態様に係る問診システムによれば、データベース内に適切なデータが格納されていれば、問診において必要な質問が漏れなく行われる。
【0009】
上記の第1の態様に係る問診システムにおいて、前記データベースは、格納している複数の質問データの各々に関し当該質問データが示す質問に関する解説を示す質問解説データを格納し、前記表示指示手段は、前記表示装置に表示させている質問を示す質問データに応じた質問解説データが示す解説を前記表示装置に表示させる、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
【0010】
上記の第2の態様に係る問診システムによれば、例えば医療従事者は、質問の意義や効果的な質問の仕方等の情報を得ることができる。
【0011】
上記の第1又は第2の態様に係る問診システムにおいて、前記データベースは、回答データが示す回答に基づき疾病に対する処置の緊急度を判定するための条件を示す緊急度判定条件データを1以上、格納し、前記表示指示手段は、前記データベースに格納されている緊急度判定条件データが示す条件と前記記憶手段に記憶されている回答データが示す回答に基づき判定される疾病に対する処置の緊急度を前記表示装置に表示させる、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0012】
上記の第3の態様に係る問診システムによれば、例えば患者は、診療を受けるために医療機関に行くべきか否かを判断することができる。
【0013】
上記の第1乃至第3のいずれかの態様に係る問診システムにおいて、前記データベースは、格納している1以上の緊急度判定条件データの各々に関し当該緊急度判定条件データが示す条件により判定される緊急度に関する解説を示す緊急度解説データを格納し、前記表示指示手段は、前記表示装置に表示させている緊急度の判定に用いられた緊急度判定条件データに応じた緊急度解説データが示す解説を前記表示装置に表示させる、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
【0014】
上記の第4の態様に係る問診システムによれば、例えば医療従事者は、患者の疾病を診断するにあたり優先的に検討すべき点を知ることができる。
【0015】
上記の第1乃至第4のいずれかの態様に係る問診システムにおいて、前記データベースに格納されている複数の質問データの各々は、複数の言語の各々に関し当該質問データが示す質問を当該言語で表現したテキストを示す言語別質問データを含み、前記データベースに格納されている複数の回答選択肢データの各々は、前記複数の言語の各々に関し当該回答選択肢データが示す回答の選択肢を当該言語で表現したテキストを示す言語別回答選択肢データを含み、前記取得手段は、前記複数の言語の中からユーザにより選択された言語を示す言語データを取得し、前記表示指示手段は、質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を前記表示装置に表示させるとき、当該質問データに含まれる複数の言語別質問データのうち前記言語データが示す言語に応じた言語別質問データが示すテキストと、当該複数の回答選択肢データの各々に含まれる複数の言語別回答選択肢データのうち前記言語データが示す言語に応じた言語別回答選択肢データが示すテキストを前記表示装置に表示させる、という構成が第5の態様として採用されてもよい。
【0016】
上記の第5の態様に係る問診システムによれば、質問と回答の選択肢に関してのみ複数の言語に応じたテキストを準備することで、患者と医療従事者が異なる言語を使用する場合であっても、問診を行うことができる。
【0017】
上記の第1乃至第5のいずれかの態様に係る問診システムにおいて、前記取得手段は、ユーザにより指定された医療機関に関する条件を示す医療機関条件データを取得し、前記取得手段は、前記医療機関条件データが示す条件を満たす医療機関の各々に関し当該医療機関において診療の予約が可能な時間帯を示す予約可能時間帯データを取得し、前記表示指示手段は、前記予約可能時間帯データが示す各医療機関の予約が可能な時間帯を前記表示装置に表示させ、前記取得手段は、前記表示装置に表示された各医療機関の予約が可能な時間帯の中からユーザにより選択された医療機関の予約が可能な時間帯を示す予約データを取得し、前記予約データが示す医療機関に対し前記予約データが示す時間帯に診療の予約が行われたことを当該医療機関に通知する通知手段を備える、という構成が第6の態様として採用されてもよい。
【0018】
上記の第6の態様に係る問診システムによれば、患者は診療を受けるために医療機関に行きたい場合、希望する条件の医療機関で希望する時間帯に診療を受けるための予約を容易に行うことができる。
【0019】
上記の第1乃至第6のいずれかの態様に係る問診システムにおいて、前記出力手段は、医療機関が管理する電子カルテを記憶している装置に対し、当該医療機関で診療を受ける患者に関する回答内容データを出力する、という構成が第7の態様として採用されてもよい。
【0020】
上記の第7の態様に係る問診システムによれば、医療機関は来院する患者の問診の結果を閲覧することができる。
【0021】
また、本発明は、コンピュータに、複数の症候の各々に関する複数の質問の各々に関し、当該質問を示す質問データと、当該質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データと、当該質問データが示す質問以外の質問に対するユーザの回答に基づき当該質問データが示す質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データを格納し、前記複数の回答選択肢データの各々に関し当該回答選択肢データが示す選択肢の回答の内容を示す回答内容データを格納するデータベースを記憶する処理と、ユーザにより入力された症候を示す症候データを取得する処理と、前記データベースに格納されている質問データのうち、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を表示装置に表示させる処理と、前記表示装置に表示された回答の選択肢の中からユーザにより選択された回答を示す回答データを順次取得する処理と、順次取得される回答データを順次記憶する処理と、前記記憶する処理において新たな回答データが記憶されると、前記データベースに格納されている要否条件データが示す条件と記憶している回答データが示す回答に基づき、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問のうちユーザにより回答されていない質問の各々の要否を判定し、必要と判定した質問を抽出し、抽出した質問と当該質問に応じた回答の選択肢を前記表示装置に表示させる処理と、記憶している複数の回答データの各々に関し、当該回答データに応じた回答内容データを外部の装置に出力する処理とを実行させるためのプログラムを第8の態様として提供する。
【0022】
また、本発明は、コンピュータに、複数の症候の各々に関する複数の質問の各々に関し、当該質問を示す質問データと、当該質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データと、当該質問データが示す質問以外の質問に対するユーザの回答に基づき当該質問データが示す質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データを格納し、前記複数の回答選択肢データの各々に関し当該回答選択肢データが示す選択肢の回答の内容を示す回答内容データを格納するデータベースを記憶する処理と、ユーザにより入力された症候を示す症候データを取得する処理と、前記データベースに格納されている質問データのうち、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問と当該質問データに応じた複数の回答選択肢データが示す回答の選択肢を表示装置に表示させる処理と、前記表示装置に表示された回答の選択肢の中からユーザにより選択された回答を示す回答データを順次取得する処理と、順次取得される回答データを順次記憶する処理と、前記記憶する処理において新たな回答データが記憶されると、前記データベースに格納されている要否条件データが示す条件と記憶している回答データが示す回答に基づき、前記症候データが示す症候に応じた質問データが示す質問のうちユーザにより回答されていない質問の各々の要否を判定し、必要と判定した質問を抽出し、抽出した質問と当該質問に応じた回答の選択肢を前記表示装置に表示させる処理と、記憶している複数の回答データの各々に関し、当該回答データに応じた回答内容データを外部の装置に出力する処理とを実行させるためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能な状態で持続的に記録している不揮発性の記録媒体を第9の態様として提供する。
【0023】
上記の第8の態様に係るプログラム又は第9の態様に係る記録媒体によれば、コンピュータによって上記の第1の態様に係る問診システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態に係る問診システムの構成を示した図である。
図2】一実施形態に係る問診テーブルのデータ構成を示した図である。
図3】一実施形態に係る緊急度テーブルのデータ構成を示した図である。
図4】一実施形態に係るユーザテーブルのデータ構成を示した図である。
図5】一実施形態に係る病院テーブルのデータ構成を示した図である。
図6】一実施形態に係る回答テーブルのデータ構成を示した図である。
図7】一実施形態に係る予約テーブルのデータ構成を示した図である。
図8】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図9】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図10】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図11】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図12】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図13】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図14】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図15】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図16】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図17】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図18】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
図19】一実施形態に係る端末装置に表示される画面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態に係る問診システム1を説明する。問診システム1は患者に対する問診を支援するシステムである。図1は、問診システム1の構成を示した図である。問診システム1は、問診システム1を運営する事業者により管理されるサーバ装置11と、患者により使用される端末装置12と、医療機関により管理されるサーバ装置13と、医療機関の従事者により使用される端末装置14を備える。
【0026】
図1において、サーバ装置11は1つの装置として示されているが、サーバ装置11が連係動作する複数の装置群により構成されてもよい。図1において、端末装置12は1つのみ示されているが、実際には、端末装置12の数は問診システム1を利用する患者の数に応じて変化する。図1において、サーバ装置13は1つのみ示されているが、実際には、サーバ装置13の数は問診システム1を利用する医療機関の数に応じて変化する。図1において、端末装置14は1つのみ示されているが、実際には、端末装置14の数は問診システム1を利用する医療機関の従事者の数に応じて変化する。
【0027】
端末装置12はサーバ装置11との間でデータ通信を行う。サーバ装置13はサーバ装置11との間でデータ通信を行う。端末装置14は、サーバ装置11及びサーバ装置13との間でデータ通信を行う。
【0028】
本実施形態において、サーバ装置11、端末装置12、サーバ装置13及び端末装置14は、コンピュータが本実施形態に係るプログラムを実行することにより実現される。サーバ装置11とサーバ装置13を実現するためのコンピュータは、メモリと、メモリに記憶されているプログラムに従いデータ処理を行うプロセッサと、外部の装置との間でデータ通信を行う通信インタフェースを備える。
【0029】
端末装置12と端末装置14を実現するためのコンピュータは、メモリと、メモリに記憶されているプログラムに従いデータ処理を行うプロセッサと、外部の装置との間でデータ通信を行う通信インタフェースと、ユーザに各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置と、キーボード等のユーザの操作を受け付ける操作装置を備える。ただし、端末装置12と端末装置14を実現するためのコンピュータは、表示装置及び操作装置を備える代わりに、表示装置及び操作装置とデータの入出力を行う入出力インタフェースを備え、それらの装置が入出力インタフェースを介してコンピュータに接続されていてもよい。
【0030】
サーバ装置11のメモリ(記憶手段の一例)には、問診データベースと、ユーザテーブルと、病院テーブルが記憶されている。また、サーバ装置11のメモリには、患者が問診に対する回答を行う毎に、当該問診に対する回答の結果を格納する回答テーブルが記憶される。
【0031】
問診データベースは、症候毎の問診テーブルと緊急度テーブルを含んでいる。図2は、問診テーブルのデータ構成を示した図である。問診テーブルは、複数の症候の各々に関し準備されており、対応する症候に応じた複数の質問の各々に応じたレコードを、質問されるべき順番で格納している。問診テーブルのレコードは、フィールドとして[質問ID]、[要否条件]、[要否フラグ]、[質問]、[回答選択肢]、[質問解説]、[回答内容]を含んでいる。[質問]及び[回答選択肢]には、複数の言語の各々に応じたサブフィールド[日本語]、[英語]等が含まれている。
【0032】
フィールド[質問ID]には、質問を識別する識別子(Identifier)を示すデータが格納されている。フィールド[要否条件]には、他のレコードに応じた質問に対する患者の回答に基づき、そのレコードに応じた質問の要否を判定するための条件を示す要否条件データが格納されている。要否条件データが示す条件とは、例えば、「質問ID○○に応じた質問に対する回答が○○であれば、質問が必要」といった条件である。
【0033】
フィールド[要否フラグ]には、そのレコードに応じた質問の要否を示すフラグが格納されている。デフォルトで必要とされる質問に関しては、フィールド[要否フラグ]に、例えば必要であることを示す「1」が予め格納されている。また、デフォルトで不要とされる質問に関しては、フィールド[要否フラグ]に、例えば不要であることを示す「0」が予め格納されている。
【0034】
フィールド[質問]には、質問を示す質問データが格納されている。フィールド[質問]に含まれる複数の言語の各々に応じたサブフィールドには、対応する言語で質問を表現したテキストを示す言語別質問データが格納されている。
【0035】
フィールド[回答選択肢]には、同じレコードのフィールド[質問]に格納されている質問データが示す質問に対する複数の回答の選択肢を示す回答選択肢データが格納されている。フィールド[回答選択肢]に含まれる複数の言語の各々に応じたサブフィールドには、対応する言語で回答の選択肢を表現したテキストを示す言語別回答選択肢データが格納されている。
【0036】
フィールド[質問解説]には、同じレコードのフィールド[質問]に格納されている質問データが示す質問に関する解説を示す質問解説データが格納されている。質問に関する解説とは、例えば、質問の意義や効果的な質問の仕方の説明である。
【0037】
フィールド[回答内容]には、同じレコードのフィールド[回答選択肢]に格納されている回答の選択肢の各々に関し、その選択肢の回答の内容を医療従事者に対し理解され易い表現(例えば、専門用語を用いた表現であり、質問とそれに対する回答を一文とした表現)で示すデータが格納されている。
【0038】
図3は、緊急度テーブルのデータ構成を示した図である。緊急度テーブルは、質問に対する患者の回答に基づき患者の疾病に対する処置の緊急度を判定するための条件の各々に応じたレコードを格納している。
【0039】
緊急度テーブルのレコードは、フィールドとして[緊急度判定条件]、[緊急度]、[緊急度解説]を含んでいる。フィールド[緊急度判定条件]には、質問に対する患者の回答に基づき患者の疾病に対する処置の緊急度を判定するための条件を示す緊急度判定条件データが格納されている。緊急度判定条件データが示す条件とは、例えば、「質問ID○○に応じた質問に対する回答が○○であり、かつ、質問ID○○に応じた質問に対する回答が○○である」といった条件である。
【0040】
フィールド[緊急度]には、同じレコードのフィールド[緊急度判定条件]に格納されている緊急度判定条件データが示す条件が満たされた場合の、患者の疾病に対する処置の緊急度を示すデータが格納されている。本実施形態において、緊急度は、例として、「高」、「中」、「低」の3段階のいずれかを示すものとする。
【0041】
フィールド[緊急度解説]には、同じレコードのフィールド[緊急度判定条件]に格納されている緊急度判定条件データが示す条件により判定される緊急度に関する解説を示す緊急度解説データが格納されている。緊急度に関する解説とは、例えば、緊急度が高い(例えば、「高」又は「中」)と判定される場合に、緊急度が高いと判定される理由等である。
【0042】
図4は、ユーザテーブルのデータ構成を示した図である。ユーザテーブルは、問診システム1の利用者(患者となり得る一般の利用者)の各々に応じたレコードを格納している。ユーザテーブルのレコードは、フィールドとして[ユーザID]、[パスワード]、[ユーザ名]、[生年月日]、[性別]、[健康保険証情報]、[住所]、[電話番号]、[位置]を含んでいる。
【0043】
ユーザテーブルの各フィールドには、フィールドの名称に応じたデータが格納されている。なお、フィールド[位置]に格納されているデータは、ユーザの住所(自宅)に応じた緯度経度を示すデータである。
【0044】
図5は、病院テーブルのデータ構成を示した図である。病院テーブルは、問診システム1を利用している医療機関(以下、便宜的に「病院」という)の各々に応じたレコードを格納している。病院テーブルのレコードは、フィールドとして[病院ID]、[パスワード]、[病院名]、[診療科]、[住所]、[電話番号]、[位置]、[予約テーブルURL]、[カルテデータベースURL]を含んでいる。
【0045】
病院テーブルの各フィールドには、フィールドの名称に応じたデータが格納されている。なお、フィールド[位置]に格納されているデータは、病院の住所に応じた緯度経度を示すデータである。また、フィールド[予約テーブルURL]に格納されているデータは、サーバ装置13に格納されている予約テーブル(後述)のURL(Uniform Resource Locator)を示すデータである。また、フィールド[カルテデータベースURL]に格納されているデータは、サーバ装置13に格納されているカルテデータベース(後述)のURL(Uniform Resource Locator)を示すデータである。
【0046】
図6は、回答テーブルのデータ構成を示した図である。回答テーブルは問診が行われる毎に生成されるテーブルであり、問診に回答した患者のユーザIDと、問診が行われた時刻(例えば、問診の開始時刻)を示すデータに対応付けてサーバ装置11のメモリに記憶されている。
【0047】
回答テーブルは、患者が回答した質問の各々に応じたレコードを格納している。回答テーブルのレコードは、フィールドとして[質問ID]、[回答]を含んでいる。
【0048】
フィールド[質問ID]には、患者が回答した質問を識別する識別子を示すデータが格納される。フィールド[回答]には、患者が質問に対し複数の選択肢の中から選択した回答を示すデータが格納される。
【0049】
サーバ装置13のメモリには、予約テーブルと、カルテデータベースが記憶されている。図7は、予約テーブルのデータ構成を示した図である。予約テーブルは病院の営業日の各々に応じて生成されるテーブルであり、営業日の日付を示すデータに対応付けてサーバ装置13のメモリに記憶されている。
【0050】
予約テーブルは、診療の予約を受け付ける時間枠に応じたレコードを格納している。予約テーブルのレコードは、フィールドとして[時間枠]、[ユーザ名]、[健康保険証情報]、[電話番号]を含んでいる。予約テーブルの各フィールドには、フィールドの名称に応じたデータが格納される。なお、予約がまだされていない時間枠のレコードに関しては、フィールド[ユーザ名]、[健康保険証情報]、[電話番号]にデータが格納されていない。
【0051】
カルテデータベースは、病院が使用している電子カルテのデータを格納しているデータベースである。
【0052】
以下に、患者が問診システム1を利用して問診に回答する場合の問診システム1の動作を説明する。
【0053】
患者であるユーザは、例えば、サーバ装置11で実行されているWebブラウザに問診システム1のログインページのURLを入力し、表示されるログインページでユーザID、パスワード、使用する言語を入力して、サーバ装置11が提供する問診サイトのWebページを開く。図8は、端末装置12のディスプレイに表示される問診サイトのトップ画面である。なお、問診サイトのWebページにおいて、質問と回答の選択肢はログインページで患者が入力した言語で表示される。
【0054】
患者は、図8の画面で自分の症候を1つ以上選択し、「問診開始」ボタンをクリック等する。その操作に応じて、端末装置12からサーバ装置11に、患者が選択した症候を示す症候データが送信される。
【0055】
サーバ装置11は、端末装置12から症候データを受信すると、患者のユーザIDとその時点の時刻を示すデータに対応付けて、新しい空の回答テーブル(図6)を生成し、メモリに記憶する。また、サーバ装置11は、問診データベースに格納されている複数の問診テーブル(図2)のうち、受信した症候データが示す症候に応じた問診テーブルの複製を、作業用の問診テーブル(以下、単に「問診テーブル」という)として生成し、メモリに記憶する。
【0056】
続いて、サーバ装置11は、問診テーブルのフィールド[要否フラグ]に格納されているデータが、質問が必要であることを示すレコードを抽出し、抽出したレコードが示す質問と回答の選択肢の表示を指示するデータを端末装置12に送信する。端末装置12は、サーバ装置11から受信するデータに従い、問診画面を表示する。図9は、問診画面の例である。なお、問診画面には、質問が1つずつ表示されてもよいし、複数の質問が同時に表示されてもよい。
【0057】
患者が問診画面において、1つの質問に関し複数の回答の選択肢の中から該当するものを選択する操作を行うと、端末装置12は選択された回答を示す回答データをサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、回答データを受信すると、受信した回答データを、その回答データに応じた質問の質問IDに対応付けて、回答テーブルに格納する。
【0058】
続いて、サーバ装置11は、端末装置12から受信した症候データが示す症候に応じた問診テーブルに格納されている要否条件データが示す条件と、その時点で回答テーブルに格納されている回答データが示す回答に基づき、問診テーブルに含まれる質問データが示す質問のうち、患者により回答されていない質問の要否を判定し、その結果を示すデータでフィールド[要否フラグ]に格納されているデータを更新する。
【0059】
サーバ装置11は、上記のように更新を行った問診テーブルから、フィールド[要否フラグ]に格納されているデータが、質問が必要であることを示すレコードを抽出し、抽出したレコードが示す質問と回答の選択肢の表示を指示するデータを端末装置12に送信する。端末装置12は、サーバ装置11から受信するデータに従い、新たな問診画面を表示する。図10は、端末装置12のディスプレイに新たに表示される問診画面の例である。
【0060】
その後、患者が問診画面において回答を選択する毎に、回答データが端末装置12からサーバ装置11に送信され、サーバ装置11から端末装置12に新たな問診画面の表示を指示するデータが送信され、端末装置12のディスプレイに新たな問診画面が表示される。この一連の処理は、サーバ装置11において、問診テーブルから未回答で回答が必要な質問に関するレコードが抽出されなくなるまで繰り返される。
【0061】
図11は、図10の問診画面において、例えば、「脈打つような痛み(拍動性)」が選択された場合に、新たに表示される問診画面である。また、図12は、図10の問診画面において、例えば、「ズキズキした痛み」が選択された場合に、新たに表示される問診画面である。このように、先行する問診画面において患者が選択した回答に応じて、後続の問診画面において表示される質問が変化する。その結果、患者に対し、症状等に応じて必要な質問は漏れなく行われ、不必要な質問は行われない。
【0062】
問診画面において全ての質問に対する回答が行われ、問診テーブルから未回答で回答が必要な質問に関するレコードが抽出されなくなった場合、サーバ装置11は緊急度テーブル(図3)に格納されている緊急度判定条件データが示す条件と、回答テーブルに格納されている回答データが示す回答に基づき、疾病に対する処置の緊急度を判定する。続いて、サーバ装置11は、判定した緊急度を表示するとともに、患者に病院の予約を促す表示を指示するデータを端末装置12に送信する。
【0063】
端末装置12は、サーバ装置11から受信したデータに従い、図13に示す病院予約画面を表示する。図13の例では、問診の結果を踏まえ、疾病に対する処置の緊急度(判定された緊急度が複数ある場合、それらのうちの最も高いもの)は「中」であり、その緊急度に応じた「明日まで待って良くならなければ病院に行って下さい。」というアドバイスが表示されている。なお、緊急度が「高」の場合は、病院予約画面において、例えば、「すぐに病院で受診して下さい。」といったアドバイスが表示される。また、緊急度が「低」の場合は、病院予約画面において、例えば、「一週間待って良くならなければ病院へ行って下さい。」といったアドバイスが表示される。
【0064】
患者が、病院予約画面において、受診したい診療科、病院の所在する地域、診察日、時間帯を選択し、「検索実行」ボタンをクリック等すると、選択された診療科及び地域を示す医療機関条件データと、選択された診察日及び時間帯を示す時間帯条件データが端末装置12からサーバ装置11に送信される。
【0065】
サーバ装置11は、医療機関条件データと時間帯条件データを受信すると、医療機関条件データが示す条件(診療科、地域)を満たす病院のレコードを病院テーブル(図5)から抽出する。その際、サーバ装置13は、患者の自宅の位置をユーザテーブル(図4)から読み出し、自宅から病院までの距離の算出に用いる。
【0066】
続いて、サーバ装置11は、病院テーブルから抽出したレコードに格納されているデータが示す予約テーブルURLに従い、それらの病院の予約テーブル(図7)を、診療の予約が可能な時間帯を示す予約可能時間帯データとして、各病院に応じたサーバ装置13から取得する。続いて、サーバ装置11は、サーバ装置13から取得した予約テーブルから、時間帯条件データが示す条件(診察日、時間帯)を満たす予約が可能な時間枠に応じたレコードを抽出し、それらのレコードに格納されている時間枠データが示す時間枠を、病院名、病院の住所が含まれる地域、患者の自宅から病院までの距離と共に、例えば距離の昇順で示すリストを生成し、そのリストを示すデータを端末装置12に送信する。
【0067】
端末装置12は、サーバ装置11から受信したデータを用いて、病院予約画面に予約可能な時間枠のリストを表示する。なお、図13は、リストが表示された状態の病院予約画面を示している。患者が、リストに含まれる予約が可能な病院の時間枠の中からいずれかを選択し、「予約実行」ボタンをクリック等すると、端末装置12は患者が選択した病院の病院名と時間枠を示す予約データをサーバ装置11に送信する。
【0068】
サーバ装置11は、予約データを受信すると、ユーザテーブル(図4)から患者に応じたレコードを検索し、検索したレコードに格納されているユーザ名、健康保険証情報、電話番号を示すデータを予約データに追加した通知データを生成する。続いて、サーバ装置11は、予約データが示す病院名に応じたレコードを病院テーブル(図5)から検索し、検索したレコードに格納されているデータが示す予約テーブルURLに従い、患者が病院予約画面で選択した病院に応じたサーバ装置13に通知データを送信する。サーバ装置13は、サーバ装置11から受信した通知データに従い、予約テーブル(図7)を更新する。その結果、病院の予約が完了する。
【0069】
以上が、患者が問診を受ける際の問診システム1の動作である。
【0070】
その後、患者が予約した時間帯に予約した病院へ行くと、その病院の医療従事者は、端末装置14を用いてサーバ装置13に記憶されている予約テーブル(図7)に格納されているデータを閲覧し、病院へ来た患者の予約を確認する。図14は、端末装置14に表示される予約確認画面である。医療従事者は、予約をした患者が来院すると、リストのその患者の行の「来院」欄をクリック等する。この操作に応じて、端末装置14は、サーバ装置11に、例えば、この患者のユーザ名と電話番号を示すデータを、この患者の問診の結果を示す回答内容データを要求する回答内容要求データとして送信する。
【0071】
サーバ装置11は、受信した回答内容要求データが示す患者の回答テーブル(図6)をメモリから読み出し、読み出した回答テーブルに含まれるレコードの各々に関し、そのレコードに格納されているデータが示す質問と回答の組み合わせに応じた回答内容を示す回答内容データを、問診テーブル(図2)から検索する。
【0072】
サーバ装置11は、回答内容要求データの送信元の端末装置14の病院名に応じたレコードを病院テーブル(図5)から検索し、検索したレコードに格納されているデータが示すカルテデータベースURLに従い、サーバ装置13に対し、上記のように検索した回答内容データを送信する。これにより、患者が訪れた病院の電子カルテを閲覧するシステムにおいて、患者の問診の結果が閲覧可能となる。
【0073】
図15は、病院の電子カルタを閲覧するシステムにおいて、医師等に対し表示される回答内容の例である。なお、図15に示される回答内容のうち、下線が付されている部分は、緊急度が「中」又は「高」と判定された回答に関する部分である。
【0074】
上述した問診システム1の動作は、患者が端末装置12を用いて問診を行う場合の動作であるが、患者が訪れた病院において、医療従事者が患者に対し問診を行う際にも、問診システム1は利用可能である。医療従事者は、端末装置14を用いてサーバ装置11にアクセスし、端末装置14に表示される問診画面を見ながら、患者に対し質問を行い、その回答を入力する作業を行うことで、適切な問診を行うことができる。
【0075】
医療従事者が端末装置14を用いて問診システム1にログインする際には、病院IDとパスワードを用いる。これにより、サーバ装置11はユーザが患者であるか医療従事者であるかを判別することができる。
【0076】
医療従事者に対し端末装置14が表示する問診画面には、図16に示すように、「解説」ボタンが表示される。医療従事者が「解説」ボタンをクリック等すると、図17に示されるように、質問に関する解説が表示される。この解説は、問診テーブル(図2)に格納されている質問解説データが示す解説である。この解説により、医療従事者は質問の意義や効果的な質問の仕方等を知ることができる。
【0077】
また、問診が完了した際、端末装置14には病院予約画面(図13)に代えて、図18に示す回答の一覧が表示される。この一覧において、緊急度が「高」又は「中」と判定された項目には、「解説」ボタンが表示される。医療従事者がこの「解説」ボタンをクリック等すると、図19に示されるように、緊急度に関する解説が表示される。この解説は、緊急度テーブル(図3)に格納されている緊急度解説データが示す解説である。この解説により、医療従事者は診断において優先的に検討すべき点等を知ることができる。
【0078】
[変形例]
上述の実施形態は様々に変形され得る。以下に、それらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
【0079】
(1)サーバ装置13の機能を、サーバ装置11が備えてもよい。
【0080】
(2)サーバ装置11、端末装置12、サーバ装置13、端末装置14を実現するためにコンピュータが実行するプログラムは、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよいし、それらのプログラムを持続的に記憶する不揮発性の記録媒体からコンピュータに読み取られてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…問診システム、11…サーバ装置、12…端末装置、13…サーバ装置、14…端末装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18
図19