(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】判定方法、判定装置及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2024051984
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-03-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593197271
【氏名又は名称】株式会社ジンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100181788
【氏名又は名称】角田 実華
(72)【発明者】
【氏名】比留間 茂晴
(72)【発明者】
【氏名】森山 和広
(72)【発明者】
【氏名】才村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】塩見 泰彦
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特許第6889507(JP,B1)
【文献】特開2013-219523(JP,A)
【文献】特開2017-212730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調査対象となる
携帯電話の電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する送信ステップと、
前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定ステップと、
を有
し、
前記判定ステップにおいて、前記応答情報に加えてさらに、前記送信情報を送信してから前記応答情報が受信されるまでに要した時間にも基づいて判定し、
前記判定ステップにおいて、前記時間が所定の時間よりも長い場合に前記電話番号について有効な電話番号であると判定し、前記時間が所定の時間よりも短い場合に前記電話番号について無効な電話番号であると判定する、判定方法。
【請求項2】
調査対象となる
携帯電話の電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する通信制御部と、
前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定部と、
を備え
、
前記判定部は、前記応答情報に加えてさらに、前記送信情報を送信してから前記応答情報が受信されるまでに要した時間にも基づいて判定し、
前記判定部は、前記時間が所定の時間よりも長い場合に前記電話番号について有効な電話番号であると判定し、前記時間が所定の時間よりも短い場合に前記電話番号について無効な電話番号であると判定する、判定装置。
【請求項3】
調査対象となる
携帯電話の電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する通信制御部と、
前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定部と、を備え
、
前記判定部は、前記応答情報に加えてさらに、前記送信情報を送信してから前記応答情報が受信されるまでに要した時間にも基づいて判定し、
前記判定部は、前記時間が所定の時間よりも長い場合に前記電話番号について有効な電話番号であると判定し、前記時間が所定の時間よりも短い場合に前記電話番号について無効な電話番号であると判定する判定装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定方法、判定装置及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電話番号が割り当てられた通話回線の有効性を判定する技術が利用されている。例えば、特許文献1に開示された技術では、まず通信回線事業者のSIPサーバーに対してINVITE電文を送信する。このとき、INVITE電文におけるSDP記述中のコーデック指定項目には非正規の属性名が記述される。そして、SIPサーバーから送信されてくる応答電文に基づいて、調査対象IP電話番号が加入契約のある有効な電話番号であるか否か判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通信回線事業者における網の構成の変化に伴って、従来行われてきた方法では正しく判定することができなくなってしまう場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来行われている手法とは異なる手法にて、調査対象電話番号が加入契約のある有効な電話番号であるか否か判定することを可能にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、調査対象となる電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する送信ステップと、前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定ステップと、を有する判定方法である。
【0006】
本発明の一態様は、上記の判定方法であって、前記判定ステップにおいて、さらに前記送信情報を送信してから前記応答情報が受信されるまでに要した時間に基づいて判定する。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定方法であって、前記判定ステップにおいて、前記時間が所定の時間よりも長い場合に前記電話番号について有効な電話番号であると判定し、前記時間が所定の時間よりも短い場合に前記電話番号について無効な電話番号であると判定する。
【0008】
本発明の一態様は、調査対象となる電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する通信制御部と、前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定部と、を備える判定装置である。
【0009】
本発明の一態様は、調査対象となる電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する通信制御部と、前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定部と、を備える判定装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、従来行われている手法とは異なる手法にて、調査対象電話番号が加入契約のある有効な電話番号であるか否か判定することを可能にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の判定装置50の接続例を示す概略ブロック図である。
【
図2】判定装置50の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図3】判定装置50の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【
図4】判定装置50と第一IP網10の装置との間の通信の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図5】判定装置50と第一IP網10の装置との間の通信の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【
図6】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【
図7】第二実施形態における判定装置50の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【
図8】第二実施形態における判定装置50と第一IP網10の装置との間の通信の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第一実施形態]
本発明の判定装置の第一実施形態について説明する。
図1は、本発明の判定装置50の接続例を示す概略ブロック図である。判定装置50は、調査対象となる電話番号(調査対象電話番号)が、加入契約のある有効な電話番号であるか否か判定する装置である。判定装置50は、第一IP網10に接続され、第一IP網10において加入契約のある有効な電話番号が割り当てられている。以下の説明では、一例として調査対象電話番号が本来は第一IP網10において用いられる電話番号である場合を具体例に説明する。言い換えれば、日本国の総務省によって複数の通信回線事業者に対してそれぞれ重複しない電話番号帯が各通信回線事業者において利用可能な電話番号として割り当てられている場合に、第一IP網10の通信回線事業者に対して割り当てられている電話番号が調査対象電話番号である場合を例に説明する。なお、固定電話番号ポータビリティ等の仕組みにより、総務省によって第一IP網10の通信回線事業者に対して割り当てられた電話番号であっても、その電話番号が他の通信回線事業者の網(第二IP網30)の管理下におかれて有効となる状況は生じうる。また、上述した調査対象電話番号が第一IP網10において用いられる電話番号である具体例は一例に過ぎず、PSTN網20や第二IP網30において用いられるべき電話番号が調査対象電話番号として用いられてもよい。
【0013】
第一IP網10は、加入者に対してIP電話サービスを提供するネットワークである。第一IP網10は、アクセス回線に光回線が使用されていてもよい。第一IP網10は、例えばIMS(IP Multimedia. Subsystem)を用いて構成されてもよい。第一IP網10は、第一ゲートウェイ12を介してPSTN網(Public Switched Telephone Network)20に接続される。PSTN網20は、特定の主体(例えばNTT(登録商標)グループの企業)によって管理される網であってISDN専用端末又はアナログ加入者線用端末が繋がる固定回線電話網(公衆交換電話網)である。第一ゲートウェイ12は、例えば変換装置(Media Gateway:MG)を用いて構成されてもよい。第一IP網10は、第二ゲートウェイ13を介して第二IP網30にも接続される。第二IP網30は、加入者に対してIP電話サービスを提供するネットワークである。第一IP網10及びPSTN網20は、それぞれ同一の通信回線事業者によって運営されてもよいし、異なる通信回線事業者(通信キャリア)によって運営されてもよい。第二IP網30は、第一IP網10とは異なる通信回線事業者によって運営されるネットワークである。第二ゲートウェイ13は、例えば中継装置(Gateway Router:GWR)を用いて構成されてもよい。より具体的には、第一IP網10と第二IP網30とは、第二ゲートウェイ13及びIP-POIを介して接続されてもよい。
【0014】
第二IP網30は、複数設けられていてもよい。この場合、複数ある第二IP網30はそれぞれ異なる通信回線事業者によって運営されてもよいし、同一の通信回線事業者によって運営されてもよい。例えば、通信回線事業者Aによって運営される第二IP網30と、通信回線事業者Bによって運営される第二IP網30と、通信回線事業者Bによって運営される第二IP網30と、がそれぞれ第二ゲートウェイ13に接続されていてもよい。言い換えると、第一IP網10と異なる通信回線事業者によって運営されており第一IP網10に接続されている通話可能なIP網はいずれも第二IP網30に含まれても良い。
【0015】
第一IP網10、PSTN網20及び第二IP網30には、それぞれのネットワークに加入契約しているユーザーの通話装置40(40_1~40_3)が接続されている。各ユーザーの通話装置40には、そのユーザーが加入契約した際に通信回線事業者から割り当てられた電話番号が付与されている。その電話番号を用いることによって、電話番号が割り当てられているユーザーは、加入契約したアクセス回線を経由してネットワークに接続することが可能となる。また、その電話番号に対して他の通話装置40から発呼することにより、電話番号が付与されているユーザーの通話装置40と通話することが可能となる。
【0016】
第一IP網10には、音声通信制御装置11、第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13が設けられている。音声通信制御装置11は、通信可能な情報処理装置を用いて構成される。音声通信制御装置11は、少なくとも音声通話を通話装置40間で実現するための通信制御処理を行う。音声通信制御装置11は、音声通話のプロトコル(例えばSIP:Session Initiation Protocol)に応じた処理を行うSIPサーバーを用いて構成されてもよい。以下の説明では、音声通信制御装置11がSIPサーバーとして構成される場合を例に説明する。第一ゲートウェイ12は、第一IP網10とPSTN網20との間の通信を中継する通信可能な情報処理装置である。上述したように、第一ゲートウェイ12は例えば変換装置(MG)を用いて構成されてもよい。第二ゲートウェイ13は、第一IP網10と第二IP網30との間の通信を中継する通信可能な情報処理装置である。上述したように、第二ゲートウェイ13は例えば中継装置(GWR)を用いて構成されてもよい。
【0017】
判定装置50は、第一IP網10に接続され、調査対象電話番号に対して発呼することによって調査対象電話番号の契約状態を判定する装置である。具体的には、判定装置50は、第一IP網10に対し調査対象電話番号に対する発呼信号を送信し、その応答信号を第一IP網10から受信し、受信された応答信号に基づいて契約状態を判定する。判定装置50は、例えばGW装置、光終端装置(ONU)、光回線終端装置(OLT)等の装置を介して第一IP網10に接続されてもよい。
図2は、判定装置50の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。判定装置50は、例えばパーソナルコンピューター、タブレット、専用機器などの情報機器を用いて構成される。判定装置50は、通信部51、入力部52、出力部53、記憶部54及び制御部55を備える。
【0018】
通信部51は、通信機器である。通信部51は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部51は、制御部55の制御に応じて通信経路を介して他の装置とデータ通信する。通信部51は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。通信部51は、他の機器とデータ通信可能に接続するための通信インターフェースであってもよい。例えば、通信部51は、自機器に対して接続された記憶装置(ハードディスク装置や半導体記憶装置)や、記録媒体からデータを読み取る装置(CD-ROMドライブやDVDドライブ等)からデータを取得してもよいし、これらにデータ(例えば判定結果)を出力してもよい。
【0019】
入力部52は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部52は、ユーザーの指示を判定装置50に入力する際にユーザーによって操作される。入力部52は、入力装置を判定装置50に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部52は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を判定装置50に入力する。入力部52は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部52はユーザーの発話によって生じた音響信号を取得し、ユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を判定装置50に入力する。音声認識処理は制御部55によって実行されてもよい。入力部52は、ユーザーの指示を判定装置50に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。入力部52は、例えば判定装置50に対して調査対象電話番号を入力する際に使用されてもよい。
【0020】
出力部53は、情報をユーザーが認知可能な形で出力する。出力部53は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。出力部53は、画像表示装置を判定装置50に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部53は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部53は、スピーカー等の音響を出力する装置であってもよい。出力部53は、スピーカーやヘッドホン等の音響出力装置を判定装置50に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、出力部53は、音響データを再生するための音響信号を生成し、自身に接続されている音響出力装置に音響信号を出力する。なお、出力部53は、入力部52と一体のタッチパネルとして構成されてもよい。出力部53は、例えば特定の調査対象電話番号の判定結果を出力する際に使用されてもよい。
【0021】
記憶部54は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部54は、制御部55によって使用されるデータを記憶する。記憶部54は、制御部55が処理を行う際に必要となるデータを記憶する。記憶部54は、例えば判定結果記憶部541として機能する。
【0022】
判定結果記憶部541は、制御部55における各調査対象電話番号の判定結果を示す情報を記憶する。判定結果記憶部541は、例えば各調査対象電話番号について以下の4つの状態のいずれであるかを示す判定結果を記憶する。
・第一IP網10における加入契約がある状態
・PSTN網20における加入契約がある状態
・第二IP網30における加入契約がある状態
・どの通信網においても加入契約がない状態
【0023】
制御部55は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリー(主記憶装置)とを用いて構成される。制御部55は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、通信制御部551及び判定部552として機能する。なお、制御部55の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0024】
制御部55は、例えば自装置(判定装置50)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。制御部55は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0025】
通信制御部551は、少なくとも第一IP網10の装置と音声通話のプロトコルで通信する。本実施形態では、通信制御部551は、少なくとも第一IP網10内の通信装置(例えば音声通信制御装置11、第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13等)とSIPの通信プロトコルに従って通信することが可能に構成される。通信制御部551は、調査対象電話番号に対して発呼することを示す情報である送信情報(発呼信号)を送信する。例えば、送信情報の送信は発呼処理として実現されてもよい。ただし、通信制御部551は、音声通信制御装置11(SIPサーバー)や第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13等の通信装置からエラーのメッセージを含む応答情報が送信されるような送信情報を送信する。具体的にどの装置によってエラーのメッセージを含む応答情報が生成されて送信されるかは問わない。少なくとも、送信情報に対する応答としてエラーのメッセージを含む応答情報がいずれかの装置によって生成されて送信されればよい。
【0026】
このような送信情報は、例えば通常の通話を行うことができないような設定がなされた情報として定義されてもよい。通常の通話を行うことができないような設定とは、例えば音声の送受信を行わないような設定であってもよいし、音声を受信するが送信しないような設定であってもよいし、音声を送信するが受信しないような設定であってもよい。また、通常の通話を行うことができないような設定とは、パラメーターや引数として本来の規定や規約では使用することが認められていない文字や値が設定されることであってもよい。通信制御部551は、例えば音声通信制御装置11や第一ゲートウェイ12や第二ゲートウェイ13に送信される信号のうちINVITE信号において、上述したように通常の通話を行うことができないような設定がなされたINVITE信号を生成して送信情報として送信してもよい。通信制御部551が調査対象電話番号の調査のために行う送信処理には複数の態様がある。
【0027】
まず、第一送信態様について説明する。第一送信態様では、調査対象電話番号が少なくとも第一IP網10において有効な電話番号であるか否かが判定される。第一送信態様では、通信制御部551は、第一送信情報を送信する。第一送信情報は、例えば以下のように設定されてもよい。
・AVPF(拡張RTPプロファイル)を指定する
・recvonly属性を指定する
・音声コーデックにPCMU-WBを指定する
このうち、例えばAVPFの指定のみが行われてもよい。
【0028】
より具体的には、SDPが以下のように記述されてもよい。
v=0
o=- 1701059395 1701059396 IN IP4 192.168.47.119
s=-
c=IN IP4 192.168.47.119
t=0 0
m=audio 5004 RTP/AVPF 0
a=rtpmap:0 PCMU-WB/16000
a=recvonly
【0029】
次に、第二送信態様について説明する。第二送信態様では、調査対象電話番号が少なくともPSTN網20において有効な電話番号であるか否かが判定される。第二送信態様では、通信制御部551は、第二送信情報を送信する。第二送信情報は、音声通信制御装置11ではエラーの応答情報を返されることなく通過して、少なくとも第一ゲートウェイ12又は第二ゲートウェイ13まで到達する。第二送信情報に対する応答情報は、音声通信制御装置11以外の装置によって生成される。言い換えると、第一ゲートウェイ12、第二ゲートウェイ13又はその先の通信装置(例えば第一IP網10内で第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13よりも他網に近い装置や、PSTN網20の装置や第二IP網30の装置)によって生成されてもよい。第二送信情報は、例えば以下のように設定されてもよい。
・IPv6を指定する
・音声コーデックにPCMU-WBを指定する
上記2つの設定は、いずれか一方のみが行われてもよいが、2つとも行われることが望ましい。
【0030】
より具体的には、SDPが以下のように記述されてもよい。
v=0
o=- 1703127281 1703127282 IN IP6 2408:210:102:2f00:20c:29ff:feab:5
s=-
c=IN IP6 2408:210:102:2f00:20c:29ff:feab:5
t=0 0
m=audio 5004 RTP/AVP 0
a=rtpmap:0 PCMU-WB/16000
a=sendrecv
【0031】
通信制御部551は、第一送信情報を送信すると、音声通信制御装置11から第一送信情報に対する応答として送信される応答情報を受信する。通信制御部551は、第二送信情報を送信すると、第一ゲートウェイ12又は第二ゲートウェイ13から第二送信情報に対する応答情報を受信する。
【0032】
判定部552は、通信制御部551によって受信された応答情報に基づいて、その応答情報が得られた際に送信された送信情報における調査対象電話番号について判定処理を実行する。判定処理は、調査対象電話番号が加入契約のある有効な電話番号であるか否かを判定する処理である。判定処理は、どの通信網における加入契約が有効になっているかについて判定してもよい。
【0033】
判定部552は、第一送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第一情報が含まれる場合には、調査対象電話番号が第一IP網10において加入契約のある有効な電話番号であると判定する。判定部552は、第一送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第二情報が含まれる場合には、調査対象電話番号が第一IP網10において加入契約の無い無効な電話番号(第一IP網10の管理下にあって且つ無効な電話番号)であると判定する。判定部552は、第一送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第三情報が含まれる場合には、調査対象電話番号が第一IP網10において加入契約は無いが、他の通信網の管理下にある電話番号であると判定する。以下、第一情報~第三情報の具体例について示す。
【0034】
第一情報:488(warningコード:302以外):第一IP網10有効
第二情報:404:無効
第三情報:488(warningコード:302):他の通信網の管理下
【0035】
上述したように、本実施形態の説明では、調査対象電話番号として第一IP網10において用いられる電話番号が適用されている。そのため、調査対象電話番号への送信情報の応答情報として404の応答(第二情報)が得られた場合には、第一IP網10でも他の通信網でも有効では無い電話番号であると判定できる。
【0036】
判定部552は、第一送信情報に対する応答情報において第三情報が得られた場合には、通信制御部551に対して第二送信情報を送信することを指示する。判定部552は、第二送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第四情報が含まれる場合には、調査対象電話番号がPSTN網20において加入契約のある有効な電話番号であると判定する。判定部552は、第二送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第五情報が含まれる場合には、調査対象電話番号がPSTN網20において加入契約の無い無効な電話番号であると判定する。判定部552は、第二送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第六情報が含まれる場合には、調査対象電話番号が第一IP網10及びPSTN網20において加入契約は無いが、他の通信網(すなわち第二IP網30)の管理下にある電話番号であると判定する。判定部552は、第一送信情報に対する応答情報において“他の通信網管理下”と判定し、第二送信情報に対する応答情報においても“他の通信網管理下”と判定した場合には、その調査対象電話番号を第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号(例えばナンバーポータビリティの契約を行った電話番号)であると判定する。以下、第四情報~第六情報の具体例について示す。
【0037】
第四情報:500:PSTN網20有効
第五情報:404:無効
第六情報:488:他の通信網の管理下
【0038】
図3は、判定装置50の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。まず、通信制御部551は、調査対象電話番号に関して第一送信情報を送信する(ステップS101)。その後、通信制御部551は、応答情報を受信する(ステップS102)。判定部552は、第一送信情報に対する応答情報について判定処理を実行する(ステップS103)。応答情報が第三情報ではない場合には(ステップS104-NO)、判定部552は判定結果を調査対象電話番号と対応付けて判定結果記憶部541に記録する(ステップS105)。
【0039】
一方、応答情報が第三情報である場合、すなわち他の通信網の管理下にあると判定した場合には(ステップS104-NO)、判定部552は通信制御部551に対して第二送信情報を送信することを指示する。この場合、通信制御部551は、第二送信情報を送信する(ステップS106)。その後、通信制御部551は、応答情報を受信する(ステップS107)。判定部552は、第二送信情報に対する応答情報について判定処理を実行する(ステップS108)。
【0040】
応答情報が第六情報ではない場合には(ステップS109-NO)、判定部552は判定結果を調査対象電話番号と対応付けて判定結果記憶部541に記録する(ステップS110)。一方、応答情報が第六情報である場合、すなわち他の通信網の管理下にあると判定した場合には(ステップS109-NO)、判定部552はその調査対象電話番号を第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号であると判定する(ステップS111)。そして、判定部552は判定結果を調査対象電話番号と対応付けて判定結果記憶部541に記録する(ステップS112)。
【0041】
図4は、判定装置50と第一IP網10の装置との間の通信の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図4は、調査対象電話番号が第一IP網10において有効な電話番号である場合の処理を示している。判定装置50の通信制御部551は、第一IP網10に第一送信情報を送信する(ステップS201)。第一IP網10から第一送信情報に対する応答情報が判定装置50に送信される(ステップS202)。判定装置50の通信制御部551は、第一IP網10から応答情報を受信する(ステップS203)。判定装置50の判定部552は、受信された応答情報に対して判定処理を実行する(ステップS204)。
図4の場合、上述したように調査対象電話番号が第一IP網10において有効な電話番号である。そのため、第二送信情報の送信は行うことなく、第一送信情報に対する応答情報の判定結果を判定結果記憶部541に記録して処理は終了する(ステップS205)。ただし、第二送信情報の送信を行うことを排除するわけではなく、第二送信情報が送信されてもよい。
【0042】
図5は、判定装置50と第一IP網10の装置との間の通信の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。
図5は、調査対象電話番号が第二IP網30において有効な電話番号である場合の処理を示している。ステップS201~S204までの処理は
図4と同様であるため説明を省略する。
図5の場合、上述したように調査対象電話番号が第二IP網30において有効な電話番号である。そのため、ステップS204の処理の結果として判定部552は第二送信情報の送信を行うと判定する。
【0043】
この判定結果に応じて、通信制御部551は、第一IP網10に第二送信情報を送信する(ステップS301)。音声通信制御装置11は、第二送信情報を受信すると、第二送信情報を第一IP網10内の後段の通信装置に中継する。そのため、第一IP網10内の第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13は、第一送信情報を受信することはできなくても、第二送信情報を受信することができる。このようにして、第一IP網10内の音声通信制御装置11以外の通信装置や他網(PSTN網20や第二IP網30)の装置から、第二送信情報に対する応答情報を判定装置50に送信される(ステップS302)。判定装置50の通信制御部551は、応答情報を受信する(ステップS303)。判定装置50の判定部552は、受信された応答情報に対して判定処理を実行する(ステップS304)。
図5の場合、上述したように調査対象電話番号が第二IP網30において有効な電話番号である。判定部552は、第二送信情報に対する応答情報の判定結果を判定結果記憶部541に記録して処理は終了する(ステップS305)。
【0044】
図6は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば判定装置50に適用されてもよい。この場合、例えば通信部51は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部54は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部55は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0045】
このように構成された判定装置50は、調査対象電話番号について、第一IP網10において加入契約のある有効な電話番号であるか否かを判定することができる。さらに、判定装置50は、アクセス回線にメタル回線が使用されているPSTN網20において加入契約のある有効な電話番号であるか否かを判定することができる。さらに、判定装置50は、第一IP網10とは異なる事業者によって運営される第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号であるか否かを判定することができる。
【0046】
[第二実施形態]
次に、本発明の判定装置の第二実施形態について説明する。判定装置の第二実施形態では、判定装置の第一実施形態に比べて主に制御部55の動作が異なり、他の構成は上述した第一実施形態と変わらない。以下、第二実施形態が第一実施形態と異なる点と関連する構成についてのみ説明する。
【0047】
第二実施形態では、通信制御部551は少なくとも第一IP網10内の通信装置(例えば音声通信制御装置11、第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13等)とSIPの通信プロトコルに従って通信することが可能に構成される。第二実施形態では、調査対象電話番号として携帯電話の電話番号が用いられてもよい。通信制御部551は、調査対象電話番号に対して発呼することを示す情報である送信情報(発呼信号)を送信する。例えば、送信情報の送信は発呼処理として実現されてもよい。ただし、通信制御部551は、第一IP網10内の通信装置からエラーのメッセージを含む応答情報が送信されるような送信情報を送信する。具体的にどの装置によってエラーのメッセージを含む応答情報が生成されて送信されるかは問わない。少なくとも、送信情報に対する応答としてエラーのメッセージを含む応答情報がいずれかの装置によって生成されて送信されればよい。
【0048】
このような送信情報は、例えば通常の通話を行うことができないような設定がなされた情報として定義されてもよい。通常の通話を行うことができないような設定とは、例えば音声の送受信を行わないような設定であってもよいし、音声を受信するが送信しないような設定であってもよいし、音声を送信するが受信しないような設定であってもよい。また、通常の通話を行うことができないような設定とは、パラメーターや引数として本来の規定や規約では使用することが認められていない文字や値が設定されることであってもよい。通信制御部551は、例えば第一ゲートウェイ12や第二ゲートウェイ13に送信される信号のうちINVITE信号において、上述したように通常の通話を行うことができないような設定がなされたINVITE信号を生成して送信情報として送信してもよい。通信制御部551が調査対象電話番号の調査のために行う送信処理には複数の態様がある。第一送信態様及び第二送信態様については、第一実施形態において説明した通りである。
【0049】
ここでは第三送信態様について説明する。第二実施形態における通信制御部551は、第三送信態様では第三送信情報を送信する。第三送信情報は、音声通信制御装置11ではエラーの応答情報を返されることなく通過して、少なくとも第一ゲートウェイ12又は第二ゲートウェイ13まで到達する。第三送信情報に対する応答情報は、音声通信制御装置11以外の装置によって生成される。言い換えると、第一ゲートウェイ12、第二ゲートウェイ13又はその先の通信装置(例えば第一IP網10内で第一ゲートウェイ12及び第二ゲートウェイ13よりも他網に近い装置や、第二IP網30の装置)によって生成されてもよい。第三送信情報は、例えば以下のように設定されてもよい。
・ペイロードタイプに96(UEMCLIP)、9(PCMU)を指定する
【0050】
より具体的には、SDPが以下のように記述されてもよい。
v=0
o=- 1707179816 1707179817 IN IP4 192.168.1.103
s=-
c=IN IP4 192.168.1.103
t=0 0
m=audio 5004 RTP/AVP 96 0
a=rtpmap:96 UEMCLIP/8000/1
a=rtpmap:0 PCMU/8000
a=sendrecv
【0051】
通信制御部551は、第三送信情報を送信すると、第二ゲートウェイ13から第三送信情報に対する応答情報を受信する。
【0052】
判定部552は、通信制御部551によって受信された応答情報に基づいて、その応答情報が得られた際に送信された送信情報における調査対象電話番号について判定処理を実行する。判定処理は、調査対象電話番号が加入契約のある有効な電話番号であるか否かを判定する処理である。判定処理は、どの通信網における加入契約が有効になっているかについて判定してもよい。
【0053】
判定部552は、第三送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第七情報が含まれる場合には、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号であると判定する。判定部552は、第三送信情報に対する応答情報において、所定の内容を示す第八情報が含まれる場合には、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約の無い無効な電話番号であると判定する。以下、第七情報~第八情報の具体例について示す。
【0054】
第七情報:180、200:第二IP網30有効
第八情報:404、403(携帯のみ):第二IP網30無効
【0055】
なお、上述のとおり調査対象電話番号が携帯電話の電話番号である場合と、調査対象電話番号が固定電話の電話番号である場合と、で異なる内容が第八情報として用いられてもよい。例えば、調査対象電話番号が固定電話の電話番号である場合には第八情報として“404”のエラーコードが用いられ、調査対象電話番号が携帯電話の電話番号である場合には第八情報として“403”のエラーコードが用いられてもよい。
【0056】
また、判定部552は、応答情報のみではなく、第三送信情報を送信してから応答情報が受信されるまでに要した時間の長さにも基づいて、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号であるか否か判定してもよい。例えば、その時間が所定の長さ(例えば1秒)よりも長い場合には、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号であると判定してもよい。例えば、その時間が所定の長さ(例えば1秒)よりも短い場合には、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約の無い無効な電話番号であると判定してもよい。このような判定は、例えば調査対象電話番号が携帯電話の番号である場合に用いられてもよい。このような処理では、所定の長さを経過した時点で発呼を切る(例えばCANCELを送信する)という処理を通信制御部551が行ってもよい。このように構成されることによって、調査対象電話番号に応じた通話装置40に対して着信してしまうことを防止できる。
【0057】
判定部552は、上述したように時間の長さと、受信された応答情報の内容(上記第七情報であるか第八情報であるか)と、の両方に基づいて判定する。例えば、受信された応答情報の内容が第七情報であって且つ時間が所定の長さ(例えば1秒)よりも長い場合には、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約のある有効な電話番号であると判定してもよい。例えば、受信された応答情報の内容が第八情報であって且つ時間が所定の長さ(例えば1秒)よりも短い場合には、調査対象電話番号が第二IP網30において加入契約の無い無効な電話番号であると判定してもよい。
【0058】
図7は、第二実施形態における判定装置50の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。まず、通信制御部551は、調査対象電話番号に関して第一IP網10に第三送信情報を送信する(ステップS401)。その後、通信制御部551は、第一IP網10から応答情報を受信する(ステップS402)。判定部552は、第三送信情報に対する応答情報について判定処理を実行する(ステップS403)。判定部552は、判定結果を調査対象電話番号と対応付けて判定結果記憶部541に記録する(ステップS404)。
【0059】
図8は、第二実施形態における判定装置50と第一IP網10の装置との間の通信の流れの具体例を示すシーケンスチャートである。判定装置50の通信制御部551は、第一IP網10に対して第三送信情報を送信する(ステップS501)。第一IP網10から第三送信情報に対する応答情報が判定装置50に送信される(ステップS502)。判定装置50の通信制御部551は、第一IP網10から応答情報を受信する(ステップS503)。判定装置50の判定部552は、受信された応答情報に対して判定処理を実行する(ステップS504)。判定部552は、第三送信情報に対する応答情報の判定結果を判定結果記憶部541に記録して処理は終了する(ステップS505)。
【0060】
(変形例)
判定装置50は、複数の情報処理装置を用いて実装されてもよい。例えば、クラウド等の装置を用いて判定装置50が実装されてもよい。例えば、判定装置50において、記憶部54と制御部55とがそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、判定装置50の記憶部54が複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0061】
第一送信態様と第二送信態様の処理の順序については以下のように行われてもよい。例えば、判定結果記憶部541において過去の判定結果の履歴が記録されており、前回の判定において第一IP網10における加入契約がある状態と判定された調査対象電話番号については、第一送信態様を先に実行して第二送信態様をその後に実行するように構成されてもよい。一方で、前回の判定において第一IP網10における加入契約がある状態以外の判定結果であった調査対象電話番号については、第二送信態様を先に実行して第一送信態様をその後に実行するように構成されてもよい。このように構成されることによって、送信情報の送信回数(発呼数)を少なく抑えることが可能となる。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10…第一IP網, 11…音声通信制御装置, 12…第一ゲートウェイ, 13…第二ゲートウェイ, 20…PSTN網, 30…第二IP網, 40…通話装置, 50…判定装置, 51…通信部, 52…入力部, 53…出力部, 54…記憶部, 541…判定結果記憶部, 55…制御部, 551…通信制御部, 552…判定部
【要約】
【課題】調査対象電話番号が加入契約のある有効な電話番号であるか否か判定することを可能にすること。
【解決手段】調査対象となる電話番号に対して発呼することを示す送信情報であって、アクセス回線として光回線が用いられた第一IP網又は前記第一IP網に接続され前記第一IP網とは異なる通信回線事業者によって運営される第二IP網からエラーのメッセージを含む応答情報が応答される送信情報を前記第一IP網に送信する送信ステップと、前記第一IP網から受ける応答情報に基づいて、前記電話番号が前記第二IP網において加入契約をすることで有効となっている電話番号であるか、前記第二IP網において加入契約がなされておらず無効となっている電話番号であるか、について判定する判定ステップと、を有する判定方法。
【選択図】
図1