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  • 特許-パック卵生産システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】パック卵生産システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 23/02 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B65B23/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022044770
(22)【出願日】2022-03-19
(65)【公開番号】P2023138201
(43)【公開日】2023-10-02
【審査請求日】2024-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-143585(JP,A)
【文献】特開2020-128227(JP,A)
【文献】実開平5-56840(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0082238(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 23/02
B65G 43/00
B65G 47/52
B65G 47/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に卵が収容されたパック卵を生産するために用いられる複数のパック関連装置と、
前記複数のパック関連装置が一連に並べられた複数のコンベヤを含む容器搬送装置と、
前記容器搬送装置に含まれる特定のコンベヤの上流側と下流側とで容器の搬送の流れが異なるように変更する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記複数のパック関連装置のうち一のパック関連装置に異常が発生した場合に、当該パック関連装置に対応する特定のコンベヤよりも下流側のコンベヤを駆動し続ける、パック卵生産システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記一のパック関連装置に異常が発生した場合に、前記特定のコンベヤよりも上流側のコンベヤを停止させ、または、前記特定のコンベヤよりも上流側に設けられた滞留部に容器を移動させる、請求項1記載のパック卵生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に卵が収容されたパック卵を生産するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パック卵を生産するシステムの一例として、特許文献1に記載のものが知られている。このシステムは、2つの生産ラインを備える。1つ目の生産ラインは、搬送装置に沿って、卵殻に小型ラベルを貼り付ける卵ラベル貼付部と、容器の封緘をするためのシール部とを備える。2つ目の生産ラインは、搬送装置に沿って、容器をテープ材でシールするテープシール部と、容器の外側に外ラベルを貼り付ける外ラベル貼付部を備える。
【0003】
近年、パック卵は多品種少量生産が進んでおり、パック卵を生産するために用いられる装置は、1つの生産ラインに並べられる種類が増えてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-97989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つの生産ラインに並べられる複数の装置のうち一の装置に異常が発生した場合には、その生産ライン全体が停止する。そのため、搬送装置に沿って並べられるパック卵の生産に関連する装置の数が増えるほど生産ライン全体での異常発生回数が増加してしまい、パック卵の生産効率が悪化していた。
【0006】
本発明は、パック卵生産システムの搬送装置に沿って並べられるパック関連装置の数が増えることでパック卵生産システム全体の異常発生回数が増加しても生産効率の悪化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパック卵生産システムは、容器内に卵が収容されたパック卵を生産するために用いられる複数のパック関連装置と、前記複数のパック関連装置が一連に並べられた複数のコンベヤを含む容器搬送装置と、前記容器搬送装置に含まれる特定のコンベヤの上流側と下流側とで容器の搬送の流れが異なるように変更する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記複数のパック関連装置のうち一のパック関連装置に異常が発生した場合に、当該パック関連装置に対応する特定のコンベヤよりも下流側のコンベヤを駆動し続ける。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パック卵生産システムの搬送装置に沿って並べられるパック関連装置の数が増えることでパック卵生産システム全体の異常発生回数が増加しても、パック卵の生産効率の悪化を抑制できる。
【0009】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るパック卵生産システムを示す概略平面図である。
図2】同実施形態に係るコンベヤ制御の一例を示す図である。
図3】本発明の第2実施形態に係るパック卵生産システムの要部を示す概略平面図である。
図4】同実施形態に係るパック卵生産システムの要部を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るパック卵生産システムを示す概略平面図である。本実施形態に係るパック卵生産システムは、供給搬送装置1と、制御装置(図示せず)と、計量部2と、分配搬送装置3と、異常卵検査部4と、放出部5と、容器搬送装置6と、パック関連装置(8,9,11,12,13,14)とを備える。
【0013】
供給搬送装置1は、鶏舎で産卵された卵を流れ方向T1へ6列で搬送するコンベヤであり、供給搬送装置1は鶏卵を等間隔かつ、長軸を水平にした状態で搬送する。供給搬送装置1の上流側には鶏舎で産卵された鶏卵に対して、洗浄・乾燥・ヒビの有無の検査・卵殻の汚れの検査をそれぞれ行う装置(図示せず)が設けられており、卵ごとの検査データは、分配搬送装置3での分配に利用される制御データとして制御装置に入力される。
【0014】
制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、内部メモリ、入出力インターフェース、AD(analogue-to-digital)変換部などの専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータによって構成される。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUおよびその周辺機器が協働することによって、制御装置としての機能が発揮される。
【0015】
計量部2は、供給搬送装置1の下流端に設けられている。供給搬送装置1の下流端では、分配搬送装置3への卵の乗り移りが行われ、乗り移りの直前に計量部2において卵ごとの計量が行われる。計量の結果得られた計量データは、分配搬送装置3での卵の分配に利用される制御データとして制御装置に入力される。
【0016】
分配搬送装置3は、制御装置から出力される信号に基づいて卵を分配する装置であり、供給搬送装置1から乗り移った卵を流れ方向T2へ搬送する。分配搬送装置3には異常卵検査部4が設けられている。異常卵検査部4は卵に光を照射し、内部を透過した光から卵内部の異常を検査する装置であり、検査の結果得られた卵ごとの検査データは、分配搬送装置3での分配に利用される制御データとして制御装置に入力される。
【0017】
分配搬送装置3は、卵を分配放出する複数の放出部5を備える。図1では省略されているが流れ方向T2の下流側に所定の間隔で複数の放出部5が設けられている。卵は、制御装置から出力される信号に基づいて各放出部5から放出される。各放出部5から放出された卵は、下方に設けられた容器搬送装置6上の容器Pに収容される。
【0018】
容器搬送装置6は、容器供給部7から供給される容器Pを流れ方向T3へ搬送する複数のコンベヤ(a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m)で構成されており、容器搬送装置6には複数のパック関連装置(8,9,11,12,13,14)が一連に並べられている。
【0019】
パック関連装置は、容器内に卵が収容されたパック卵を生産するために用いられる装置であり、複数のパック関連装置が容器搬送装置6に沿って一連に並べられる。パック関連装置は、たとえば、パック卵検査装置8、第1ラベル付与装置9、ラベル検査装置11、封緘装置12、第2ラベル付与装置13、外観検査装置14などが挙げられる。
【0020】
容器搬送装置6に含まれるコンベヤaは、卵が収容される前の容器Pを放出部5の直下へ搬送して停止する。コンベヤaは、放出部5から放出された卵を収容した容器P1を下流側へ搬送し、容器P1はコンベヤbに乗り移る。コンベヤbにはパック卵検査装置8が設けられている。コンベヤbは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0021】
パック卵検査装置8は、蓋が閉じられる前の容器P1を検査する装置であり、たとえば、卵殻が割れて液漏れが生じていないか、容器P1内への異物混入やいわゆる卵抜け(卵が収容されるべき数の卵が収容されていない状態)がないかなどを検査する。検査の結果得られた容器P1ごとの検査データは、制御装置に入力される。パック卵検査装置8は、容器P1に収容された卵に光を照射する光照射部と、光が照射された卵を撮像する撮像部を有する。
【0022】
また、パック卵検査装置8は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は光照射部の異常や、撮像部の異常を検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0023】
パック卵検査装置8によって検査が行われた容器P1は、コンベヤbによって下流側へ搬送され、容器P1はコンベヤcに乗り移る。コンベヤcは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0024】
コンベヤcは制御装置から出力される信号によって容器P1を自動で振り分けるように構成されており、制御装置はパック卵検査装置8から入力された検査データに基づいて、問題が検出されなかった容器P1を流れ方向T4の下流側へ搬送する。一方、パック卵検査装置8によって問題が検出されたものは不良容器Pxとして流れ方向T5へ搬送する。流れ方向T5の下流側には不良容器集積部10が設けられている。
【0025】
コンベヤcによって流れ方向T4の下流側へ搬送された容器P1はコンベヤdに乗り移る。コンベヤdには第1ラベル付与装置9が設けられている。コンベヤdは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0026】
第1ラベル付与装置9は、蓋が閉じられる前の容器P1の内部にラベルを付与する装置であり、本実施形態に係る第1ラベル付与装置9は、容器P1の内部に付与するラベルとして豆シールを容器P1に収容された卵に付与する。
【0027】
また、第1ラベル付与装置9は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は豆シールの台紙詰まりや、豆シールを使い果たして貼り付けるべき豆シールがなくなったことを異常として検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0028】
第1ラベル付与装置9によってラベルが付与された容器P2は、コンベヤdによって下流側へ搬送され、容器P2はコンベヤeに乗り移る。コンベヤeにはパック関連装置が設けられておらず、容器P2はコンベヤeによって流れ方向T4の下流側へ搬送される。コンベヤeは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0029】
コンベヤeによって流れ方向T4の下流側へ搬送された容器P2は、コンベヤfに乗り移る。コンベヤfにはラベル検査装置11が設けられている。コンベヤfは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0030】
ラベル検査装置11は、第1ラベル付与装置9によって付与されたラベルを検査する装置であり、容器P2内のラベルである豆シールに光を照射する光照射部と、光が照射された豆シールを撮像する撮像部を有する。本実施の形態に係るラベル検査装置11は、豆シールが卵に貼り付けられていないことを検出し、検出した際の信号が制御装置に入力される。制御装置はラベル検査装置11から入力された信号に基づいて、容器搬送装置6全体の駆動を停止させる。
【0031】
また、パック卵検査装置8は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は光照射部の異常や、撮像部の異常を検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0032】
ラベル検査装置11によって検査が行われた容器P2は、コンベヤfによって下流側へ搬送され、容器P2はコンベヤgに乗り移る。コンベヤgにはパック関連装置が設けられておらず、容器P2はコンベヤgによって流れ方向T4の下流側へ搬送される。コンベヤgは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0033】
コンベヤgによって移動方向4の下流側に搬送された容器P2は、コンベヤhに乗り移る。コンベヤhには封緘装置12が設けられている。コンベヤhは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0034】
封緘装置12は、容器P2の蓋が閉じられた後に、容器本体に形成されているフランジと、蓋体に形成されているフランジとを粘着テープによって封緘する。
【0035】
また、封緘装置12は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は粘着テープの詰まりや、粘着テープを使い果たしたことを異常として検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0036】
封緘装置12によって封緘された容器P3は、コンベヤhによって下流側へ搬送され、容器P3はコンベヤiに乗り移る。コンベヤiにはパック関連装置が設けられておらず、容器P3はコンベヤiによって流れ方向T4の下流側へ搬送される。コンベヤiは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0037】
コンベヤiによって流れ方向T4の下流側へ搬送された容器P3は、コンベヤjに乗り移る。コンベヤjには第2ラベル付与装置13が設けられている。コンベヤjは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0038】
第2ラベル付与装置13は、封緘された後の容器P3の外部にラベルを付与する装置であり、第2ラベル付与装置13は、ラベルとして商品名などが記載された上貼りラベルを容器P3の蓋に付与する。
【0039】
また、第2ラベル付与装置13は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は上貼りラベルの台紙詰まりや、上貼りラベルを使い果たして貼り付けるべき上貼りラベルがなくなったことを異常として検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0040】
第2ラベル付与装置13によってラベルが付与された容器P4は、コンベヤjによって下流側へ搬送され、容器P4はコンベヤkに乗り移る。
【0041】
コンベヤkにはパック関連装置が設けられておらず、容器P4はコンベヤkによって流れ方向T4の下流側へ搬送される。コンベヤkは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0042】
コンベヤkによって流れ方向T4の下流側へ搬送された容器P4は、コンベヤlに乗り移る。コンベヤlには外観検査装置14が設けられている。コンベヤlは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0043】
外観検査装置14は、容器P4の外観を検査する装置であり、容器P4に光を照射する光照射部と、光が照射された容器P4を撮像する撮像部を有する。本実施形態に係る外観検査装置14は、封緘装置12が貼り付けた粘着テープおよび第2ラベル付与装置13が付与した上貼りラベルの貼り付け不良や印字不良を検出し、検出した際の信号が制御装置に入力される。制御装置は外観検査装置14から入力された信号に基づいて、容器搬送装置6全体の駆動を停止させる。
【0044】
また、外観検査装置14は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は光照射部の異常や、撮像部の異常を検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0045】
外観検査装置14によって検査が行われた容器P4は、コンベヤlによって下流側へ搬送され、容器P4はコンベヤmに乗り移る。コンベヤmにはパック関連装置が設けられておらず、容器P4はコンベヤmによって流れ方向T4の下流側へ搬送される。コンベヤmは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。コンベヤmによって下流側へ搬送された容器P4は、人手またはロボットによって段ボール箱などに積み込まれる。
【0046】
次に、本発明の第1実施形態に係るパック卵生産システムの各パック関連装置(8,9,11,12,13,14)に異常が発生したときの動作について説明する。
【0047】
図2に示すように、制御装置は、各パック関連装置(8,9,11,12,13,14)に設けられている検出部が一のパック関連装置の異常を検出すると、当該パック関連装置に対応する特定のコンベヤよりも下流側のコンベヤを駆動し続け、上流側のコンベヤの駆動を停止させて、容器Pの搬送の流れを変更する。
【0048】
たとえば、パック卵検査装置8が有する検出部が装置の異常を検出した場合は、パック卵検査装置8が設けられているコンベヤbを特定のコンベヤとして下流側のコンベヤ(c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m)を駆動し続け、コンベヤbおよび上流側のコンベヤaの駆動を停止させる。また、他のパック関連装置も同様に特定のコンベヤが決められている。なお、特定のコンベヤは上記説明に限られるものではない。たとえば、各パック関連装置が設けられているコンベヤの一つ下流側のコンベヤを特定のコンベヤとしてもよいし、複数のパック関連装置が同じコンベヤを特定のコンベヤとしてもよい。
【0049】
また、本実施形態に係る第1ラベル付与装置9は、ラベルとして豆シールを容器P1に収容された卵に付与しているが、インパックラベルと呼ばれる短冊状のラベルを容器P1の内部に投入する構成としてもよい。この場合、第1ラベル付与装置9が有する検出部は、インパックラベルの紙詰まりや、インパックラベルを使い果たして投入すべきインパックラベルがなくなったことを異常として検出する。
【0050】
(第2実施形態)
図3,4は、本発明の第2の実施形態に係るパック卵生産システムの要部を示す概略平面図である。なお、本実施形態に係るパック卵生産システムに関する説明は、第1の実施形態に係るパック卵生産システムの説明と同一またはこれに対応する部分は詳細な説明を省略する。
【0051】
本実施形態に係る容器搬送装置は、容器Pを流れ方向T4へ搬送する複数のコンベヤ(g,h,i2,j,k,l,m)で構成されており、容器搬送装置には複数のパック関連装置(12,13,14)が一連に並べられている。
【0052】
封緘装置12によって封緘された容器P3は、コンベヤhによって下流側へ搬送され、容器P3はコンベヤi2に乗り移る。コンベヤi2には、容器P3を流れ方向T6に移動させる第1移動装置15が設けられており、第1移動装置15の反対側には中継板16を介してコンベヤnが設けられている。コンベヤnは容器P3を容器搬送装置6から一時的に退避させるための滞留部18であり、容器P3を流れ方向T7へ搬送する態様と、流れ方向T8へ搬送する態様を切り替え可能に構成されている。また、コンベヤnには、容器P3を流れ方向T9に移動させる第2移動装置17が設けられている。
【0053】
容器P3はコンベヤi2によって流れ方向T4の下流側へ搬送される。コンベヤi2は制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0054】
コンベヤi2によって流れ方向T4の下流側へ搬送された容器P3は、コンベヤjに乗り移る。コンベヤjには第2ラベル付与装置13が設けられている。コンベヤjは制御装置から出力される信号に基づいて駆動が制御される。
【0055】
第2ラベル付与装置13は、ラベルとして商品名などが記載された上貼りラベルを容器P3の蓋に付与する。また、第2ラベル付与装置13は、装置の異常を検出する検出部を有する。検出部は上貼りラベルの台紙詰まりや、上貼りラベルを使い果たして貼り付けるべき上貼りラベルがなくなったことを異常として検出し、異常検出信号は制御装置に入力される。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態に係るパック卵生産システムの第2ラベル付与装置13に異常が発生したときの動作について説明する。
【0057】
制御装置は、第2ラベル付与装置13に設けられている検出部が異常を検出すると、第2ラベル付与装置13に対応するコンベヤjの駆動を停止させ、コンベヤjよりも下流側のコンベヤを駆動し続ける。そして、上流側のコンベヤi2に設けられている第1移動装置15を作動させて、容器P3を流れ方向T6に移動させることで、容器Pの搬送の流れを変更する。
【0058】
第1移動装置15によって流れ方向T6に移動した容器P3はコンベヤnに載り移り、コンベヤnによって流れ方向T7へ搬送されて滞留部18に集められる。その後、第2ラベル付与装置13の異常が解消してコンベヤjの駆動が再開されたときは、滞留部18に集められた容器P3をコンベヤnによって流れ方向T8へ搬送し、第2移動装置17を作動させて、容器P3を流れ方向T9へ移動させる。
【0059】
第2移動装置17によって流れ方向T9へ移動した容器P3はコンベヤi2に載り移り、コンベヤi2によって流れ方向T4の下流側へ搬送されてコンベヤjに乗り移る。
【0060】
本実施の形態では、第2ラベル付与装置13に異常が発生した場合に、第2ラベル付与装置13に対応する特定のコンベヤjよりも上流側に滞留部18を設けているが、これに限られるものではなく、他のパック関連装置に対応する特定のコンベヤよりも上流側に滞留部18を設けてもよいし、各パック関連装置ごとに対応する特定のコンベヤよりも上流側に、それぞれ滞留部18を設けてもよい。また、滞留部18への容器Pの移動させる際にはパラレルリンクロボットなどの装置によって容器搬送装置6から容器Pを持ち上げてから移動させてもよいし、本発明の第1実施形態で示したコンベヤcの構成と同様の構成を用いて容器Pを振り分けてもよい。
【0061】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、パック卵の生産に利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 供給搬送装置
2 計量部
3 分配搬送装置
4 異常卵検査部
5 放出部
6 容器搬送装置
7 容器供給部
8 パック卵検査装置
9 第1ラベル付与装置
10 不良容器集積部
11 ラベル検査装置
12 封緘装置
13 第2ラベル付与装置
14 外観検査装置
15 第1移動装置
16 中継板
17 第2移動装置
18 滞留部
P 容器
T 流れ方向
図1
図2
図3
図4