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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】キャップ化RNAの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07H 21/02 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
C07H21/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022503335
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2021006360
(87)【国際公開番号】W WO2021172204
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2020032889
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 洋
(72)【発明者】
【氏名】木村 康明
(72)【発明者】
【氏名】阿部 奈保子
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/053297(WO,A1)
【文献】STEPINSKI,J. et al.,Catalytic efficiency of divalent metal salts in dinucleoside 5',5'-triphosphate bond formation,Collection Symposium Series,2002年,Vol.5,pp.154-158,DOI 10.1135/css200205154
【文献】SAWAI,H. et al.,Synthesis and Reactions of Nucleoside 5'-Diphosphate Imidazolide. A Nonenzymatic Capping Agent for 5,Journal of Organic Chemistry,1999年,Vol.64, No.16,p.5836-5840,DOI 10.1021/jo990286u
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
5’末端がキャップ修飾されたRNAであるキャップ化RNAの製造方法であって、
下記式()で示される活性化キャップ化合物と、5’末端がモノリン酸化されたモノリン酸RNAとを、イミダゾール化合物と、金属塩と、溶媒の存在下で反応させることを特徴とするキャップ化RNAの製造方法。
【化1】
【請求項2】
前記金属塩がカルシウム塩であることを特徴とする請求項1に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【請求項3】
反応温度が30~60℃の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【請求項4】
反応時間が1~25時間の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【請求項5】
前記溶媒が0~20重量%の範囲内の水を含む有機溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【請求項6】
前記活性化キャップ化合物の濃度が5~30mMの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【請求項7】
前記イミダゾール化合物が1-メチルイミダゾールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【請求項8】
前記イミダゾール化合物が2-ニトロイミダゾールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップ化RNAの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5’末端にキャップ構造を有するキャップ化RNAの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真核生物のmRNAなどでは、5’末端に三リン酸結合を介して7-メチルグアニル酸が5’-5’結合した5’キャップ構造が知られている。キャップ構造は、mRNAの翻訳を促進することが知られており、タンパク質発現系などで目的タンパク質を効率的に合成するためにmRNAにキャップ構造を効率的に導入することが求められている。
【0003】
mRNAの合成には、酵素による転写法とアミダイト法による化学合成法があるが、後者はmRNA医薬において必須とされる化学修飾(mRNAの安定性・翻訳能向上に寄与)を自在に導入できる点で大いに優位性がある。一方、化学合成したmRNAに対して、キャップ構造を容易に導入できる手法は存在しない。唯一、化学合成において5’末端をジリン酸化した後、酵素的にキャップを導入する手法が知られている(例えば、非特許文献1)。図16は、この従来のキャップ導入方法を示す概念図である。この方法では、CAP化酵素による転写合成又は化学合成によりジリン酸化したRNAを用意し、これにさらにCAP化酵素によって5’末端にキャップ構造を導入している。
【0004】
また、CAP化の他の方法として、固相合成かつモノリン酸の活性化で、グアニンのメチル化を酵素で行う方法も知られている(例えば、非特許文献2参照)。本文献の方法によれば、RNAの5’末端のモノリン酸基にイミダゾール基を導入し、これにGDP(グアニンジリン酸)などのジリン酸基を反応させることで、RNAの5’末端にCAP構造を導入している。
【0005】
さらに、別の方法も知られている(例えば、非特許文献3参照)。この方法も固相合成によりRNAの5’末端のトリリン酸基にイミダゾール基を導入し、これにGMP(グアニンリン酸)などのモノリン酸基を反応させることで、RNAの5’末端にCAP構造を導入している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】“Synthesis and biological activity of artificial mRNA prepared with novel phosphorylating reagents” Seigo Nagata, Tomohiro Hamasaki, Koichi Uetake, Hirofumi Masuda, Kazuchika Takagaki, Natsuhisa Oka, Takeshi Wada, Tadaaki Ohgi, Junichi Yano, Nucleic Acids Research, 2010, 38, 7845
【文献】“Practical Synthesis of Cap-4 RNA, Josef Leiter, et.al, ChemBioChem 2020
【文献】“Chemical Synthesis of U1 snRNA Derivatives”、Akihiro Ohkubo et.al, Organic Letter2013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来の方法では、ジリン酸化の効率が安定しない点や、キャップ化酵素を用いているため定量的に合成することが難しい点などから、工業的応用には適さない。このため、比較的簡易な操作でRNAの5’末端に化学的にキャップを導入する手法が求められていた。
【0008】
本発明の目的は、簡易な操作でRNAに化学的にキャップ構造を導入することが可能なキャップ化RNAの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、キャップ構造のジリン酸体をイミダゾールで活性化した活性化キャップ化合物を使用し、これを所定の条件下でモノリン酸RNAと反応させることで、RNAの5’末端に化学的にキャップ構造を導入できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、5’末端がキャップ修飾されたRNAであるキャップ化RNAの製造方法であって、下記式(1)で示される活性化キャップ化合物と、5’末端がモノリン酸化されたモノリン酸RNAとを反応させることを特徴とするキャップ化RNAの製造方法である。
【化1】
(ここで、Lは脱離基を示す。)
【0011】
この場合において、前記活性化キャップ化合物が下記式(2)で示される化合物であることが好ましい。
【化2】
【0012】
また、前記活性化キャップ化合物と、前記モノリン酸RNAとを、ヘテロ芳香族化合物と、金属塩と、溶媒の存在下で反応させることが好ましい。
【0013】
この場合において、前記金属塩がカルシウム塩であることが好ましい。
【0014】
さらにこの場合、反応温度が30~60℃の範囲内であることが好ましい。
【0015】
さらにこの場合、反応時間が1~25時間の範囲内であることが好ましい。
【0016】
さらにこの場合、前記溶媒が0~20重量%の範囲内の水を含む有機溶媒であることが好ましい。
【0017】
さらにこの場合、前記活性化キャップ化合物の濃度が5~30mMの範囲内であることが好ましい。
【0018】
さらにこの場合、前記ヘテロ芳香族化合物が2-ニトロイミダゾール及び/又は1-メチルイミダゾールであることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡易な操作でRNAに化学的にキャップ構造を導入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のキャップ化RNAの製造方法の概略を示す図である。
図2】実施例における実験例1の結果を示す図である。
図3】実施例における実験例2の結果を示す図である。
図4】実施例における実験例3の結果を示す図である。
図5】実施例における実験例4の結果を示す図である。
図6】実施例における実験例5の結果を示す図である。
図7】実施例における実験例6の結果を示す図である。
図8】実施例における実験例7の結果を示す図である。
図9】実施例における実験例8の結果を示す図である。
図10】実施例における実験例9の結果を示す図である。
図11】実施例における実験例10の結果を示す図である。
図12】実施例における実験例11の結果を示す図である。
図13】実施例における実験例12の結果を示す図である。
図14】実施例における実験例13の結果を示す図である。
図15】実施例における実験例14の結果を示す図である。
図16】従来の酵素によるキャップRNAの製造方法の概略を示す図である。
図17】実施例における実験例15の結果を示す図である。
図18】実施例における実験例16の結果を示す図である。
図19】実施例における実験例17の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のキャップ化RNAの製造方法について説明する。本発明のキャップ化RNAの製造方法は、mRNAなどのRNA分子において、5’末端にキャップを導入するための方法、すなわち、5’末端がキャップ修飾されたRNAであるキャップ化RNAを製造するための方法である。図1は、本発明のキャップ化RNAの製造方法の概略を示している。
【0022】
本発明の方法では、まず、下記式(1)で示される活性化キャップ化合物と、5’末端がモノリン酸化されたモノリン酸RNAと、を用意する。
【化3】
(ここで、Lは脱離基を示す。)
【0023】
ここで、上記式(1)で示される活性化キャップ化合物としては、下記式(2)で示される化合物であることが好ましい。下記式(2)の活性化キャップ化合物は、キャップ構造のジリン酸体を脱離基Lのイミダゾールで活性化した化合物であり、7-メチルグアニル酸のジリン酸体にイミダゾールが結合した化合物である。
【化4】
【0024】
式(1)の脱離基Lとしては、上記のイミダゾール基のほかに、ピラゾール類、オキサゾール類、チアゾール類、ピリジン類、ピリミジン類、ピラジン類、トリアジン類などのヘテロ芳香環化合物などを挙げることができる。
【0025】
式(2)の活性化キャップ化合物は、グアノシンのジリン酸化、続くイミダゾールとの脱水縮合の方法で合成することができる。具体的には、後述する実施例に記載したスキームで合成することができる。その概要は、まずグアノシンのリボースの5’位をリン酸化してグアノシン一リン酸(グアノシン-5’-リン酸)を合成し、次にイミダゾールを反応させてリン酸基にイミダゾールを結合させる。続いて、リン酸トリエタノールアミンなどを反応させてグアノシン二リン酸を合成し、更にヨードメタンなどを反応させて塩基の7位をメチル化する。最後に、イミダゾールを反応させてリン酸基にイミダゾールを結合させる。
【0026】
5’末端がモノリン酸化されたモノリン酸RNAは、上記の活性化キャップ化合物が結合する標的化合物である。5’モノリン酸RNAは、5’トリリン酸RNAをRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)を使用して5’トリリン酸RNAからピロリン酸を除去する方法や、化学的固相合成法などで合成することができる。モノリン酸RNAのカウンター塩としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキル酢酸塩、酢酸ナトリウム塩などを挙げることができる。特に、リン酸のカウンターカチオンを有機塩にすることで、反応性を向上することが可能である。
【0027】
次に、この活性化キャップ化合物とモノリン酸RNAとを、ヘテロ芳香族化合物と、カルシウム塩及び亜鉛塩、マグネシウム塩、ニッケル塩及び銅塩からなる群より選択される少なくとも1種類の金属塩と、溶媒の存在下で反応させる。
【0028】
ヘテロ芳香族化合物としては、イミダゾール基を有するイミダゾール化合物が好ましい。イミダゾール化合物としては、イミダゾールの窒素にアルキル基が結合したN―アルキルイミダゾールを挙げることができ、特にアルキル基として炭素数1~5の化合物を挙げることができる。N―アルキルイミダゾールとしては、例えば、1-メチルイミダゾール、1-エチルイミダゾール、1-プロピルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、1-メチル-1H-イミダゾール-2-カルボン酸塩、1-メチルイミダゾール-4-カルボン酸塩、5-クロロ-1-メチル-4-ニトロイミダゾール、2-ヒドロキシメチルー1-メチルイミダゾールなどを挙げることができる。これらN―アルキルイミダゾールのうち、キャップ導入活性の高さの点から、1-メチルイミダゾールが好ましい。また、イミダゾール化合物としては、N―アルキルイミダゾール以外のイミダゾール類を挙げることができ、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、2-ニトロイミダゾールなどを挙げることができる。これらのイミダゾール化合物のうち、キャップ導入活性の高さの点から、2-ニトロイミダゾールが特に好ましい。
【0029】
金属塩としては、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、銅塩からなる群より選択され、これらの混合物(例えば、カルシウム塩と亜鉛塩)であってもよい。カルシウム塩としては、塩化カルシウム(CaCl)、水酸化カルシウム(Ca(OH))などを挙げることができる。亜鉛塩としては、塩化亜鉛(ZnCl)などを挙げることができる。これらのうち、キャップ導入活性の高さの点から、CaClが特に好ましい。
【0030】
溶媒としては、水、有機溶媒を挙げることができる。有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、エタノールなどを挙げることができる。これらのうち、有機塩等の溶解性の高さの点から、ジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましい。有機溶媒を主溶媒とすることで、副反応であるキャップ化試薬の加水分解を抑制でき、高効率なキャップ化反応が可能となる。溶媒としては、キャップ導入活性の高さの点から、0~20重量%の範囲内の水を含む有機溶媒であることが好ましく、1~10重量%の範囲内の水を含む有機溶媒であることがより好ましい。
【0031】
反応液中の活性化キャップ化合物の濃度は、5~30mMの範囲内であることが好ましい。反応液中のヘテロ芳香族化合物の濃度は、0.5~20mMの範囲内であることが好ましく、5~15mMであることがより好ましく、10mMであることが特に好ましい。反応液中の金属塩の濃度は、0.5~10mMの範囲内であることが好ましい。反応条件は適宜設定することができるが、例えば、反応温度は30~60℃の範囲内であり、35~40℃の範囲内であることが好ましく、37℃であることが特に好ましい。また、反応時間は1~25時間の範囲内であり、5~15時間の範囲内であることが好ましく、9時間であることが特に好ましい。これらの条件の範囲内では、キャップ導入活性が高く、効率的にキャップ構造をmRNAに導入することができる。
【実施例
【0032】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。また、以下の実施例において「%」表示は特に規定しない限り質量基準(質量パ-セント)である。
【0033】
以下のスキームに基づいて活性化キャップ化合物(化合物13)を合成した。図中のパーセンテージは収率である。
【化5】
【0034】
(1)化合物9の合成
グアノシン(748mg、2.64mmol、1.0eq.)をリン酸トリメチル(7.0mL)に懸濁させた。-10℃で撹拌しながら塩化ホスホニル(743μL、7.92mmol、3.0eq.)を滴下し、-10℃で20時間攪拌した。1M TBAE Bufferを加え、反応をクエンチした。溶液を濃縮したのち、DEAE-sephadaxにより精製した。フラクションを回収、濃縮し、白色固体(TEA塩)を得た。
【0035】
(2)化合物10の合成
化合物9(1.63g、4.48mmol、1.0eq.TEA salt)、イミダゾール(3.67g、53.9mmol、12eq.)、2,2’-ジチオジピリジン(3.30g、14.9mmol、3.3eq.)を脱水DMSO(10mL)に溶かした後、TEA(1.90mL、13.5mmol、3.0eq)、PhP(3.74g、14.2mmol、3.2eq)を加えて、室温で18時間攪拌した。dry acetone(80mL)に溶かした過塩素酸ナトリウム(2.04g、16.6mmol、3.7eq.)を加え、4℃で静置した。析出した固体を吸引ろ過、dry, cold acetoneにより洗浄した。得られた固体を真空下で乾固させ、白色粉末(Na塩)を得た。
【0036】
(3)化合物11の合成
化合物10(500mg、1.21mmol、1.0eq.)を脱水DMSO(8.0mL)に懸濁させた。室温で撹拌しながら塩化亜鉛(849mg、6.23mmol、5.1eq.)、トリエチルアミンリン酸塩(1.0g、5.02mmol、4.1eq.、脱水DMSO aq.)を加え、室温で16時間攪拌した。1M TBAE Bufferを加え、反応をクエンチした。生じた沈殿を吸引ろ過により取り除き、溶液を濃縮した。DEAE-sephadaxにより精製した。フラクションを回収、濃縮し、白色固体(TEA塩)を得た。
【0037】
(4)化合物12の合成
化合物11(100mg、0.226mmol、1.0eq.TEA salt)を脱水DMSO(3.0mL)に溶かした。よう化メチル(90μL、1.42mmol、6.3eq.)を室温で加え、18時間攪拌した。1M TBAE Bufferを加え、反応をクエンチした。ジエチルエーテルと分液し、水槽を回収、濃縮した。DEAE-sephadaxにより精製した。フラクションを回収、濃縮し、白色固体(TEA塩)を得た。
【0038】
(5)化合物13の合成
化合物12(20mg、43.7μmol、1.0eq.TEA salt)、イミダゾール(46.6mg、0.685mmol、15eq.)、2,2’-ジチオジピリジン(61.3mg、0.685mmol、6.0eq.)を脱水DMSO(400μL)に溶かした後、TEA(18.0μL、0.129mmol、3.0eq)、PhP(57.7mg、0.220mmol、5.0eq)を加えて、室温で4.0時間攪拌した。dry acetone(3.6mL)に溶かした過塩素酸ナトリウム(68.2mg、0.606mmol、14eq.)を加え、4℃で静置した。析出した固体を吸引ろ過、dry, cold acetoneにより洗浄した。得られた固体を真空下で乾固させ、白色粉末(Na塩)を得た。
【0039】
生成条件は以下のとおりである。
・Column:
DEAE Sephadax
・Eluent:
A)MQ
B)1.5M TEAB Buffer+10%ACN
・Gradient:
0-10min B conc. 0%
10-210min B conc. 0-100%
210-240min B conc. 100%
240min- B conc. 0%
・Flow rate:
5ml/min
・Detection:
260nm
【0040】
1.実験例1(実施例1):温度条件検討
室温、37℃(実施例1-1)、55℃(実施例1-2)で検討した。
(1)実験項
RNA、活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。anh. DMSOを加え、室温(r.t.)、37℃又は55℃、over nightでインキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図2に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
r.t.と37℃では、反応の進行は確認されなかった。55℃においては、低効率ではあるが反応の進行が確認された。モノリン酸活性化体の場合では、55℃において反応効率が20%程度改善したことがわかった。
【0041】
2.実験例2(実施例2):MClの検討
ルイス酸として、NiCl(参考例2-1)、ZnCl(参考例2-2)、CaCl、(実施例2-1)、MgCl(実施例2-2)、CuCl、(参考例2-3)、FeCl(参考例2-4)の計6つの金属塩を検討した。
(1)実験項
RNA、活性化キャップ化合物、MClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。anh. DMSOを加え、55℃、17時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図3に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
CaCl(実施例2-1)、MgCl(実施例2-2)で反応効率が改善されたことがわかった。
【0042】
3.実験例3(実施例3):1-メチルイミダゾールの添加、反応時間検討
ZnCl、CaClについて、1-メチルイミダゾールを添加して反応を検討した。
(1)実験項
RNA、活性化キャップ化合物、MClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、 anh. DMSOを加え、55℃、17時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図4に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を、(d)は収率のグラフを示している。
(2)結果
塩の種類を問わず1-メチルイミダゾールを添加することで全体として収率が向上したことがわかった。
【0043】
4.実験例4(実施例4):1-メチルイミダゾールの濃度検討
1-メチルイミダゾールの添加により反応効率が改善したため、その濃度条件を検討した。
(1)実験項
RNA、活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、anh.DMSO(無水ジメチルスルホキシド)をそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図5に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
濃度変化は反応効率には影響しないことがわかった。
【0044】
5.実験例5(実施例5):核酸の濃度検討
反応効率に核酸濃度が影響するかを調べた。
(1)実験項
RNA、活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、anh.DMSOをそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図6に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
核酸濃度は反応効率にあまり影響しないことがわかった。
【0045】
6.実験例6(実施例6):水存在下での検討
水存在下での反応効率を調べた。
(1)実験項(レーン1(実施例6-1)、レーン2(実施例6-2))
RNA、活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、各溶媒(anh.DMSO/MQ(超純水)=1/1 or anh.DMSO)をそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。
(2)実験項(レーン3(実施例6-3))
活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、anh.DMSO、RNAをそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図7に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(3)結果
レーン2をポジティブコントロールとし、他レーンを比較すると、50%MQの条件(レーン1)では反応効率が大きく減少しているが、約10%MQの条件(レーン3)では少し反応効率が向上していることがわかった。
【0046】
7.実験例7(実施例7):CaClの濃度検討
反応効率に塩濃度が影響するかを調べた。
(1)実験項
活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、anh.DMSO、RNAをそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図8に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
反応を高効率に進める上では、ある程度の塩濃度が必要ではあるが、高濃度の場合では、効率が落ちることがわかった。
【0047】
8.実験例8(実施例8):活性化キャップ化合物の濃度検討
活性化キャップ化合物の濃度が反応効率に影響するかを調べた。
(1)実験項
活性化キャップ化合物、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、anh.DMSO、RNAをそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図9に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
濃度が上がるにつれて、反応効率が向上しており、最もよいもの(20mM)で84%の収率を得た。
【0048】
9.実験例9(実施例9):最後に入れる試薬の検討
「6.実験例6(実施例6):水存在下での検討」の条件の下で、最後に加える試薬の違いによる反応効率を検討した。それぞれlane1:5’-PO RNA、lane2:活性化キャップ化合物、lane3:CaClを最後に加えている。
(1)実験項
(lane1)活性化キャップ化合物、CaCl、(lane2)RNA、CaCl、(lane3)RNA、活性化キャップ化合物をそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール、 anh. DMSO、(lane1)RNA、(lane2)活性化キャップ化合物、(lane3)CaClをそれぞれ必要量加え、55℃、3時間インキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図10に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
どの試薬を最後に加えても反応効率には大きな影響はなかった。
【0049】
10.実験例10(実施例10):反応時間の検討
反応開始から1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、20時間ごとに反応液をサンプリングし、反応時間による収率の変化を調べた。反応条件は、55℃でインキュベートした。1-メチルイミダゾール(+)の場合では、反応時間が1時間でほとんど反応が進行していたため、更に短い時間間隔(10、20、30、40、50、60、90、120分)で反応液をサンプリングし、反応効率の差を調べた。
(1)実験項
RNA、CaClをそれぞれ必要量混合した。この溶液を遠心エバポレーターにより乾固させた。1-メチルイミダゾール(+のみ)、anh.DMSO、活性化キャップ化合物をそれぞれ必要量加え、55℃でインキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図11に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
反応は、2~3時間でおおよそ完了しており、over nightで反応させることで僅かに収率が向上した。1-メチルイミダゾール(-)の場合では、反応速度に大きな差が生まれた。
【0050】
11.実験例11(実施例11):水溶液中での反応検討
「3.実験例3(実施例3):1-メチルイミダゾールの添加、反応時間検討
」の検討で、活性化剤の添加を必要とせず高収率を得たCaCl、MgClについて、水溶液中での反応を検討した。溶媒として、MQ及び10mM HEPES Buffer(pH=7.4)を用いた。反応条件は55℃、overnightでインキュベートした。
(1)実験項
終濃度が図12(a)の表のようになるように、RNA、活性化キャップ化合物、MCl、solventを混合した。55℃、overnightでインキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図12に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を示している。
(2)結果
溶媒としてMQを用いた場合には、高効率で反応が進行することが確認された。ただ、バンド強度が低くなっていることから、RNAの加水分解も同様に進行した可能性がある。
【0051】
12.実験例12(実施例12):塩濃度の検討(Mg)
MQ溶媒中でMgCl濃度の影響を検討した。濃度は5、10、20、30mMの4点で検討した。反応条件は、55℃、overnightでインキュベートした。
(1)実験項
終濃度が図13(a)の表のようになるように、RNA、活性化キャップ化合物、CaCl、MQを必要量混合した。55℃、overnightでインキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図13に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を、(d)は収率のグラフを示している。
(2)結果
MgCl濃度は反応効率に大きな影響は与えなかった。
【0052】
13.実験例13(実施例13):塩濃度の検討(Ca)
MQ溶媒中でCaCl濃度の影響を検討した。濃度は5、10、20、30、45、60、90mMの7点で検討した。反応条件は、55℃、overnightでインキュベートした。
(1)実験項
終濃度が図14(a)の表のようになるように、RNA、活性化キャップ化合物、CaCl、MQを必要量混合した。55℃、overnightでインキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図14に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率を、(d)は収率のグラフを示している。
(2)結果
CaCl濃度は反応効率に大きく影響した。塩濃度が高くなると収率は高くなり、30mMで最大となった。過剰な塩濃度は加水分解を促進し、反応効率の低下につながった。
【0053】
14.実験例14(実施例14):反応時間の検討
MQ溶媒条件下で反応時間の検討を行った。反応開始から1.0、2.0、3.0、15、40、70時間ごとに反応液をサンプリングし、反応時間による収率の変化を検討した。反応条件は、55℃でインキュベートした。
(1)実験項
終濃度が図15(a)の表のようになるように、RNA、活性化キャップ化合物、CaCl、MQを必要量混合した。55℃でインキュベートした。アミコン(3K)により脱塩し、反応をクエンチした。反応効率はゲル電気泳動により分析した。その結果を図15に示す。この図の(a)は反応溶液中の各成分の濃度を、(b)は電気泳動の結果を、(c)は収率のグラフを示している。
(2)結果
時間経過とともに反応効率は向上したが、加水分解も大幅に促進されRNA量の減少につながっている。
【0054】
15.実験例15(実施例14):添加剤(ヘテロ芳香族化合物)のスクリーニング
添加剤であるヘテロ芳香族化合物について、種々のイミダゾール誘導体を使用してCAP化反応を行った。評価したイミダゾール誘導体は、以下のとおりである。
【化4】
【0055】
(1)実験項
実験の概要は図17(a)に示すとおりである。
[イオン交換]
20%(v/w)テトラエチルアンモニウムクロリド溶液を通し平衡化及びMQで洗浄した陽イオン交換樹脂カラム(Dowex 50Wx8)に、イソプロパノール沈殿で得られたRNAの溶液をロードし、MQで溶出した。A260吸光度を持つフラクションを回収し、テトラエチルアンモニウムクロリドに塩交換したRNA溶液を得た。
[cap化反応]
エッペンドルフチューブに、イオン交換したRNA溶液(とCaCl溶液)を添加し、凍結乾燥機で水の除去を行った。mGpp-Im(活性化キャップ化合物)と、イミダゾール誘導体のDMSO溶液及び濃度調整のためのDMSOを添加した。最終濃度は、RNA 10μM、CaCl 10mM、mGpp-Im 10mM、イミダゾール誘導体 50mMとした。
反応溶液を55度で3時間インキュベートし、反応溶液の一部を2xloading buffer(80%ホルムアミド、10mM EDTA in MQ)と混和し、ゲル電気泳動で解析した(10% acrylamide、7.5M urea)。電気泳動の結果を図17(c)に示す。
(2)結果
この結果から、2-ニトロイミダゾール(化合物F)が、CaCl有り(+)で収率が最も高かった(収率=98%)。したがって、添加剤としては、2-ニトロイミダゾールが最適であることがわかった。
【0056】
16.実験例16(実施例15):添加剤濃度、温度、反応時間のスクリーニング
添加剤として2-ニトロイミダゾールを使用し、種々の濃度、反応温度、反応時間でCAP化反応を行った。反応条件は図18(b)に示したとおりである。
(1)実験項
実験の概要は図18(a)に示すとおりである。
[cap化反応]
エッペンドルフチューブに、イオン交換したRNA溶液とCaCl溶液を添加し、凍結乾燥機で水の除去を行った。m7Gpp-Imと、イミダゾール誘導体のDMSO溶液及び濃度調整のためのDMSOを添加した。
最終濃度は、RNA 10μM、CaCl 10mM、mGpp-Im 10mM、イミダゾール誘導体 0~50mMとした。
反応溶液を各温度(37 or 55 ℃)で3-23時間インキュベートし、反応溶液の一部を2xloading bufferと混和し、ゲル電気泳動で解析した(10% acrylamide、7.5M urea)。電気泳動の結果を図18(c)に示す。
(2)結果
この結果から、lane5の条件(濃度10mM、反応温度37℃、反応時間9時間)が最適であることがわかった。
【0057】
17.実験例17(実施例16):RNAのカウンター塩の効果の評価
RNAのカウンター塩について、種々の塩を使用してCAP化反応を行った。評価した塩は、図19(b)にK440’A等として示している。
(1)実験項
実験の概要は図19(a)に示すとおりである。カウンター塩として、テトラエチルアンモニウム塩(NEtCl)、酢酸ナトリウム塩(NaOAc)を使用した。
[cap化反応]
エッペンドルフチューブに、RNA溶液とCaCl溶液を添加し、凍結乾燥機で水の除去を行った。mGpp-Imと、イミダゾール誘導体のDMSO溶液及び濃度調整のためのDMSOを添加した。
最終濃度は、RNA 10μM、CaCl 10mM、mGpp-Im 10mM、2-ニトロイミダゾール 10mMとした。
反応溶液を37℃で9時間インキュベートし、反応溶液の一部を2xloading bufferと混和し、ゲル電気泳動で解析した(10% acrylamide、7.5M urea)。電気泳動の結果を図19(c)に示す。
(2)結果
この結果から、テトラエチルアンモニウム塩、酢酸ナトリウム塩のどちらでも反応性は変わらないことがわかった。
図1
図2
図3
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