IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Tokyo Otaku Modeの特許一覧

特許7602837配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法
<>
  • 特許-配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法 図1
  • 特許-配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法 図2
  • 特許-配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法 図3
  • 特許-配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法 図4
  • 特許-配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0834 20230101AFI20241212BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q10/0834
G06Q10/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024080271
(22)【出願日】2024-05-16
【審査請求日】2024-05-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520453076
【氏名又は名称】株式会社Tokyo Otaku Mode
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂入 広和
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203954(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155716(WO,A1)
【文献】特開2006-018442(JP,A)
【文献】特開2017-151985(JP,A)
【文献】特開2002-312441(JP,A)
【文献】特開2002-211750(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0165629(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送コストを最適化する配送方法最適化システムであって、
前記配送方法最適化システムは、データベース、取得部、及び特定部を備え、
前記データベースは、商品の配送にかかる配送コスト、並びに配送する商品の商品荷姿サイズ、及び配送先に対応する1又は複数の前記配送コストに係る指標を含む配送指標を配送方法毎に含む配送方法情報と、前記配送指標の数値に基づいて配送方法が分類された1又は複数の配送グループと、を格納し、
前記取得部は、荷主の出荷に関する情報であって、前記配送指標に対する希望配送条件を含む出荷情報を取得し、
前記特定部は、前記配送指標に対する前記希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記配送方法の相対評価値を算出し、
前記配送方法を分類する為の分類評価値、及び前記相対評価値に基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する
配送方法最適化システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記配送指標に対する第1希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記配送方法の第1相対評価値を算出し、
前記配送指標に対する第2希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記第1相対評価値を算出した前記配送方法の前記配送方法の第2相対評価値を算出し、
前記相対評価値として、前記第1相対評価値及び前記第2相対評価値を用いて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する
請求項に記載の配送方法最適化システム。
【請求項3】
前記配送方法最適化システムは、分類部を更に備え、
前記分類部は、前記配送指標の数値に基づいて、前記分類評価値を算出し、
前記特定部は、前記第1希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価として、複数の配送方法における前記第1希望配送条件に基づく前記配送指標の相対的な大小関係を用いて、前記第1相対評価値を算出し、
前記第2希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価として、複数の配送方法における前記第2希望配送条件に基づく前記配送指標の相対的な大小関係を用いて、前記第2相対評価値を算出する
請求項に記載の配送方法最適化システム。
【請求項4】
前記出荷情報は、注文管理番号毎に、前記商品荷姿サイズ、前記配送先、及び前記希望配送条件を含み、
前記特定部は、取得された前記出荷情報において、同一の配送先、商品荷姿サイズ、及び希望配送条件の組み合わせを含む複数の注文管理番号について、ある注文管理番号における前記配送先、前記商品荷姿サイズ、及び前記希望配送条件に基づいて特定した最適な配送方法を他の注文管理番号における最適な配送方法として特定する
請求項に記載の配送方法最適化システム。
【請求項5】
前記配送方法最適化システムは、更新部を更に備え、
前記配送方法情報は、配送先毎の配送可否を示す配送可否フラグを含み、
前記更新部は、収集対象から取得された配送に関する情報を参照して、前記データベースに格納され更新対象となる前記配送方法情報それぞれの前記配送可否フラグを特定する
請求項1に記載の配送方法最適化システム。
【請求項6】
前記配送方法最適化システムは、更新部を更に備え、
前記データベースは、前記希望配送条件及び前記配送指標毎に、前記配送方法が属する1又は複数の配送グループが設定され、配送方法を分類する為の分類評価値及び配送方法が対応付いた提案マスタを格納し、
前記更新部は、収集対象から取得された配送に関する情報に基づいて、更新対象となる前記配送方法情報を特定し、該配送方法情報に基づいて、前記提案マスタを更新し、
前記特定部は、前記希望配送条件、及び出荷される商品の商品荷姿サイズに加えて、前記提案マスタに基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する
請求項に記載の配送方法最適化システム。
【請求項7】
配送コストを最適化する配送方法最適化プログラムであって、
前記配送方法最適化プログラムは、コンピュータを、データベース、取得部、及び特定部として機能させ、
前記データベースは、商品の配送にかかる配送コスト、並びに配送する商品の商品荷姿サイズ、及び配送先に対応する1又は複数の前記配送コストに係る指標を含む配送指標を配送方法毎に含む配送方法情報と、前記配送指標の数値に基づいて配送方法が分類された1又は複数の配送グループと、を格納し、
前記取得部は、荷主の出荷に関する情報であって、前記配送指標に対する希望配送条件を含む出荷情報を取得し、
前記特定部は、前記配送指標に対する前記希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記配送方法の相対評価値を算出し、
前記配送方法を分類する為の分類評価値、及び前記相対評価値に基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する前記配送コストを最適化する配送方法を特定する
配送方法最適化プログラム。
【請求項8】
配送コストを最適化する配送方法最適化方法であって、
コンピュータが、
商品の配送にかかる配送コスト、並びに配送する商品の商品荷姿サイズ、及び配送先に対応する1又は複数の前記配送コストに係る指標を含む配送指標を配送方法毎に含む配送方法情報と、前記配送指標の数値に基づいて配送方法が分類された1又は複数の配送グループと、を格納する処理と、
荷主の出荷する商品に関する情報であって、前記配送指標に対する希望配送条件を含む出荷情報を取得する処理と、
前記配送指標に対する前記希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記配送方法の相対評価値を算出し、
前記配送方法を分類する為の分類評価値、及び前記相対評価値に基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する処理と、
を実行する配送方法最適化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送方法最適化システム、配送方法最適化プログラム及び、配送方法最適化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の物流環境を取り巻く状況は、物流クライシスと呼ばれるような非常に不安定な状況にある。BtoCの爆発的な増加に伴う慢性的なドライバー・荷役作業人材の不足に加え、脱炭素やウクライナ情勢に伴う原油価格高騰は輸送コストに直接的に響き、運輸業界の事業者にとっては非常に大きな打撃となっている。このような運輸業界における問題を解決するシステムの一例が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1には、配送計画センタ102の配送計画サーバ112が、配送要求に含まれる地理的識別子が、取得した配送業者情報の配送業者が配送可能な1つ又は複数の地理的識別子に含まれているか否かを判定し(第1の判定)、配送要求に含まれる配送希望時期が、取得した配送業者の車両のスケジュールに含まれるか否かを判定し(第2の判定)、配送要求に含まれる荷物属性が配送業者情報に含まれる配送業者が配送可能な荷物属性に含まれているか否かを判定し(第3の判定)、配送要求に含まれる付帯サービスが配送業者情報の配送業者が実行可能な付帯サービスに含まれているか否かを判定(第4の判定)、第1の判定乃至第4の判定のそれぞれが肯定的である配送業者を、荷物を配送する候補として選択することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-201457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において提案される技術には、配送要求に含まれる情報に対して配送業者が対応可能か否かに応じて配送業者を選択することができるが、荷主が配送業者に求める配送コストを考慮して配送業者を選択することができなかった。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、配送コストを最適化した配送方法を提案する新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
配送コストを最適化する配送方法最適化システムであって、
前記配送方法最適化システムは、データベース、取得部、及び特定部を備え、
前記データベースは、商品の配送にかかる配送コストを含む配送方法情報を格納し、
前記取得部は、荷主の出荷に関する出荷情報を取得し、
前記特定部は、前記出荷情報、及び前記配送方法情報に基づいて、配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【0008】
このような構成とすることで、ユーザは、配送コストを含む配送方法情報、及び荷主の出荷情報を用いて、配送コストが最適となる配送方法を決めることができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、
前記配送方法情報は、配送する商品の商品荷姿サイズ、及び配送先に対応する1又は複数の配送指標を配送方法毎に含み、
前記出荷情報は、前記配送指標に対する希望配送条件を含み、
前記特定部は、前記希望配送条件、出荷される商品の商品荷姿サイズ、及び前記配送指標に基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【0010】
このような構成とすることで、ユーザは、配送方法における配送指標、及び出荷情報における配送指標の希望配送条件を用いて、自身の希望に沿った配送コストを最適化する配送方法を決定することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、
前記特定部は、前記配送指標に対する第1希望配送条件に基づいて、配送方法の第1評価値を算出し、
前記配送指標に対する第2希望配送条件に基づいて、前記第1評価値を算出した前記配送方法の第2評価値を算出し、
前記第1評価値及び前記第2評価値に基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【0012】
本発明の好ましい形態では、
前記データベースは、前記配送方法が属する1又は複数の配送グループが設定された提案マスタを更に格納し、
前記特定部は、前記配送指標に対する第1希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記配送方法の第1相対評価値を算出し、
前記配送指標に対する第2希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価を用いて、前記第1相対評価値を算出した前記配送方法の第2相対評価値を算出し、
前記配送方法を分類する為の分類評価値、前記第1相対評価値、及び前記第2相対評価値に基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【0013】
このような構成とすることで、配送指標に対する第1希望配送条件に基づく評価値と、配送指標に対する第2希望配送条件に基づく評価値を用いて、配送コストを最適化する配送方法を特定することができ、ユーザは、より自身の配送指標に対する希望配送条件に沿った配送方法を決定することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、
前記配送方法最適化システムは、分類部を更に備え、
前記分類部は、前記配送指標の数値に基づいて、前記分類評価値を算出し、
前記特定部は、前記第1希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価として、複数の配送方法における前記第1希望配送条件に基づく前記配送指標の相対的な大小関係を用いて、前記第1相対評価値を算出し、
前記第2希望配送条件に基づく前記配送指標の相対評価として、複数の配送方法における前記第2希望配送条件に基づく前記配送指標の相対的な大小関係を用いて、前記第2相対評価値を算出する。
【0015】
このような構成とすることで、配送指標の数値に基づいて分類評価値を算出した後に、更にユーザの希望に沿った条件で相対評価値を算出することで、管理者及びユーザの希望に沿った配送方法を特定することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、
前記出荷情報は、注文管理番号毎に、前記商品荷姿サイズ、前記配送先、及び前記希望配送条件を含み、
前記特定部は、取得された前記出荷情報において、同一の配送先、商品荷姿サイズ、及び希望配送条件の組み合わせを含む複数の注文管理番号について、ある注文管理番号における前記配送先、前記商品荷姿サイズ、及び前記希望配送条件に基づいて特定した最適な配送方法を他の注文管理番号における最適な配送方法として特定する。
【0017】
このような構成とすることで、1の出荷情報に含まれる複数の注文管理番号について、同一の内容を含む注文管理番号がある場合には、ある注文管理番号において特定した最適な配送方法を他の注文管理番号における最適な配送方法として特定することができる。これにより、最適な配送方法を特定する為の処理負荷を軽減させることができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、
前記配送方法最適化システムは、更新部を更に備え、
前記配送方法情報は、配送先毎の配送可否を示す配送可否フラグを含み、
前記更新部は、収集対象から取得された配送に関する情報を参照して、前記データベースに格納され更新対象となる前記配送方法情報それぞれの前記配送可否フラグを特定する。
【0019】
このような構成とすることで、収集対象から取得された情報を反映して、配送先に対して配送が可能か否かを示す情報を更新することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、
前記配送方法最適化システムは、更新部を更に備え、
前記データベースは、前記希望配送条件及び前記配送指標毎に、前記配送方法が属する1又は複数の配送グループが設定され、配送方法を分類する為の分類評価値及び配送方法が対応付いた提案マスタを格納し、
前記更新部は、収集対象から取得された配送に関する情報に基づいて、更新対象となる前記配送方法情報を特定し、該配送方法情報に基づいて、前記提案マスタを更新し、
前記特定部は、前記希望配送条件、及び出荷される商品の商品荷姿サイズに加えて、前記提案マスタに基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【0021】
このような構成とすることで、収取対象から取得された情報を反映して、提案マスタを更新し、更新した提案マスタを用いて最適な配送方法を特定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、配送コストを最適化した配送方法を提案する新規な技術を提供する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明における一実施形態に係るシステム構成図である。
図2】本発明における一実施形態に係るハードウェア構成図である。
図3】本発明における一実施形態に係る機能ブロック図である。
図4】本発明における最適な配送方法の特定に係る処理フローチャートの一例である。
図5】本発明における最適な配送方法の特定に係る詳細な処理フローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0025】
例えば、本実施形態では配送方法最適化システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができ、これにより配送方法最適化装置、配送方法最適化システムを構成することができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0026】
本発明は、荷主(ユーザ)から出荷を依頼された商品の配送方法を最適化するシステムに関する。本発明では、ユーザが希望する配送条件に基づいて、各配送方法の評価値が算出される。そして、該配送条件に基づく評価値が最も高い配送方法が、ユーザにとって最適な配送方法として提案される。本発明における配送方法は、国内又は国外を配送対象とする配送業者、及び各配送業者の輸送方法(陸便、航空便、又は船便)を含む。
【0027】
<1.システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、配送方法最適化システム0は、配送方法最適化装置1、ユーザ端末装置3、及び管理者端末装置4を備え、これらがネットワークNWを介して通信可能に構成される。なお、配送方法最適化システム0は、配送方法最適化装置1のみで構成されていてもよく、ユーザ端末装置3及び管理者端末装置4のみで構成されていてもよい。また、配送方法最適化システム0は、後述する処理について、配送方法最適化装置1と、ユーザ端末装置3及び管理者端末装置4との間で適宜分担すればよく、後述する処理分担に限定されるものではない。
【0028】
配送方法最適化装置1として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、ネットワークNW又は別のネットワークにより情報の送受信が可能になされた複数のコンピュータにより構成されてもよい。また、ユーザ端末装置3、及び管理者端末装置4として、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。
【0029】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0030】
<1.1.ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、配送方法最適化装置1は、処理部101、記憶部102、及び通信部103を備える。
【0031】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、本発明に係る配送方法最適化プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、配送方法最適化装置1の動作処理全体を制御する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS及び旅行情報共有プログラムなどを記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに接続する為の通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
【0032】
図2(b)に示すように端末装置90(ユーザ端末装置3、及び管理者端末装置4)は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904、及び出力部905を有する。
【0033】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPUなどのプロセッサを有し、OSやその他のアプリケーションを実行することで、端末装置90の動作処理全体を制御する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS等を記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに接続する為の通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、キーボードやタッチパネルなどの入力処理が可能な入力デバイスを有する。
出力部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイスを有する。
【0034】
<1.2.配送方法最適化装置1の機能構成>
図3は、配送方法最適化装置1の機能ブロック図である。図3に示すように、配送方法最適化装置1は、取得部11、エラー検出部12、特定部13、分類部14、更新部15、表示処理部16、及びデータベース2を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102に記憶されている)による情報処理がハードウェア(処理部101)によって具体的に実現されたものである。
【0035】
なお、本実施形態では、ユーザ端末装置3(クライアント)の要求に応じて配送方法最適化装置1(サーバ)が行った処理結果をクライアントが受け取る、いわゆるウェブアプリケーションである。一方、クライアント端末において配送方法最適化プログラムを起動させる、いわゆるスタンドアロン型であってもよい。この場合、ユーザ端末装置3は、配送方法最適化装置1が備える各機能構成(部)の一部又は全部を備えてもよい。例えば、ユーザ端末装置3が、取得部11、エラー検出部12、特定部13、分類部14、更新部15、及び表示処理部16等を備え、配送方法最適化装置1は、後述の配送方法情報等を記録管理するクラウドストレージであってもよい。
【0036】
<1.3.データベース2>
データベース2は、配送方法情報、配送先参照情報、及び提案マスタを格納する。
【0037】
<1.3.1.配送方法情報>
配送方法情報は、配送方法毎の配送に関する情報である。配送方法情報は、配送方法情報を一意に特定する為の配送ID、配送方法名、配送業者名、及び配送詳細情報を含む。配送詳細情報としては、配送先及び輸送方法の組み合わせ毎に、配送指標、及び配送制限が設定されている。
配送指標は、出荷を依頼する配送方法を特定する為の情報であって、配送にかかるコストの指標、及び配送行為の内容の指標を含む。配送に係るコストの指標としては、例えば、配送する商品の商品荷姿サイズ、及び配送先に対応する配送時間、配送費用、並びに配送環境負荷等を含み;配送行為の内容の指標としては、例えば、配送品質等を含む。ここで、各配送方法の配送費用としては、配送先及び商品荷姿サイズの組み合わせ毎の運賃(配送費用マスタ)が設定されている。
配送制限は、配送方法に対して設定される制限に関する情報であって、配送対象地域、大きさ制限、重量制限、関税取扱、及び配送可否フラグ等を含む。
【0038】
なお、配送指標は配送に係る任意の指標を含み、これらに限定されるものではない。また、配送に係るコストの指標のうち環境負荷、配送行為の内容の指標のうち配送品質、及び配送制限のうち配送可否フラグは、配送業者毎に紐づけられてもよい。
【0039】
<1.3.2.配送先参照情報>
配送先参照情報は、ユーザから取得される出荷情報に含まれる配送先を参照する為の情報である。配送先参照情報は、配送先名、及び配送先コードを含む。
【0040】
<1.3.3.商品参照情報>
商品参照情報は、ユーザから取得された出荷情報に含まれる商品を参照する為の情報である。商品参照情報としては、商品を一意に特定する商品ID、商品名、商品属性、及び商品サイズが格納される。商品属性としては、商品の分類、HSコード、ブランド名、商品サイトのURL、商品が梱包可能か否かを示す梱包有無、及び原産国等が設定される。商品サイズとしては、商品の重量、容積重量、及び大きさ(縦、奥行き、及び高さ)が設定される。
【0041】
<1.3.4.提案マスタ>
提案マスタは、ユーザが配送方法に希望する条件毎に配送方法を分類したグループのマスタ情報である。提案マスタは、ユーザが配送方法に希望する条件(以下、希望配送条件と呼ぶ)毎に、配送方法情報に含まれる各配送方法が属する1又は複数のグループ(以下、配送方法グループと呼ぶ)が設定される。本実施形態において希望配送条件は、配送指標、及び配送指標をどの程度優先するかを示す指標優先度合いの組み合わせによって設定される。希望配送条件としては具体的に、「費用重視」(配送指標が「配送費用」、且つ指標優先度合いが「重視」);「時間重視」(配送指標が「配送時間」、且つ指標優先度合いが「重視」);「費用最優先」(配送指標が「配送費用」、且つ指標優先度合いが「最優先」);「時間最優先」(配送指標が「配送時間」、且つ指標優先度合いが「最優先」)が設定される。なお、本実施形態において指標優先度合いは、「重視」及び「最優先」の2種類が設定されるが、種類の数はこの限りではない。
【0042】
<1.4.取得部11>
取得部11は、少なくともユーザの出荷に関する出荷情報を取得する。取得部11は、出荷を依頼する商品の商品ID、関税関連情報、出荷数量、及び配送先を含む出荷情報、並びに配送方法特定情報を取得し、出荷情報の商品ID及び商品参照情報に基づいて商品サイズを取得する。配送方法特定情報は、配送方法を特定する為の情報であって、配送指標に対する希望配送条件、又は配送方法を含む。関税関連情報は、関税支払方法、及び商品販売金額等が設定される。希望配送条件としては、配送に対して希望する条件毎に配送指標及び指標優先度合いが設定される。なお、本実施形態において取得部11は、商品IDを含む出荷情報を取得するが、商品サイズを含む出荷情報を取得してもよい。
【0043】
<1.5.エラー検出部12>
エラー検出部12は、出荷情報のエラーを検出する。エラー検出部12は、出荷情報に含まれる情報が所定の条件を満たさない場合に、エラーを検出する。
【0044】
<1.6.特定部13>
特定部13は、出荷情報、及び配送方法情報に基づいて、配送コストを最適化する配送方法を特定する。特定部13は、出荷される商品の商品荷姿サイズ、出荷情報の配送指標に対する希望配送条件、提案マスタ、及び複数の配送方法情報に基づいて、配送方法毎に配送方法を順位づける1又は複数の評価値を算出し、評価値に基づいて配送コストを最適化する配送方法の候補を特定する。
【0045】
本実施形態において特定部13は、出荷情報、及び商品参照情報に基づいて、出荷される商品の商品荷姿サイズを特定し、該商品荷姿サイズ、希望配送条件、及び複数の配送方法情報に基づいて、評価値を算出する。ここで具体的に、特定部13は、取得部11が取得した出荷情報、及び商品参照情報の梱包有無に基づいて、出荷される商品の商品荷姿サイズを特定する。より具体的には、出荷される商品について、商品参照情報の梱包有無が梱包可能を示す場合、特定部13は、商品の出荷数量、及び商品サイズに基づいて商品荷姿サイズを特定する。一方、商品参照情報の梱包有無が梱包不可能を示す場合、特定部13は、商品の商品サイズを商品荷姿サイズとして特定する。評価値の詳細については、後述する。ここで、商品荷姿サイズとしては、商品サイズに出荷数量を乗じた商品の重量、容積重量、及び大きさ(縦、奥行き、及び高さ)が設定される。
【0046】
分類部14は、配送方法情報に基づいて、提案マスタを作成する。分類部14は、希望配送条件及び配送指標毎に、配送方法の配送指標の数値に基づいて、1又は複数の配送方法が属する1又は複数の配送グループを作成し、提案マスタを作成する。本実施形態において分類部14は、配送指標のうち配送時間に基づいて、配送方法を分類する為の分類評価値を配送方法毎に算出し、分類評価値及び配送方法を対応付け、1又は複数の配送グループを含む提案マスタを作成する。
【0047】
具体的には、希望配送条件毎に、1又は複数の所定の配送時間幅が設定されており、分類部14は、該所定の配送時間幅、及び配送方法の配送時間に基づいて、配送方法毎の分類評価値を算出する。そして分類部14は、分類評価値及び配送方法を対応付けた配送グループを希望配送条件及び配送指標毎に作成し、提案マスタを作成する。なお、分類部14は、分類評価値を算出することなく、該所定の配送時間幅、及び配送方法の配送時間に基づいて、配送グループを作成してもよい。
【0048】
ここで、希望配送条件毎の所定の配送時間幅としては、例えば、希望配送条件が「時間最優先」の場合には、3~4日以内、7日以内、21日以内、及び22日以内等が設定される。なお、所定の配送時間幅としては、収集対象から配送に関する情報を取得した本システムの管理者が任意に設定することができる。
【0049】
なお、希望配送条件は、この他、「環境重視」、「環境最優先」、「品質重視」、及び「品質最優先」等を含んでいてもよい。例えば希望配送条件が「環境重視」を含む場合、分類部14は、配送指標として配送時間に加えて、CO2排出量に基づいて、提案マスタを作成してもよい。具体的には、希望配送条件毎に、1又は複数の所定のCO2排出量幅が設定されており、分類部14は、所定のCO2排出量幅、所定の配送時間幅、並びに配送方法のCO2排出量及び配送時間に基づいて、配送方法ごとの分類評価値を算出する。
【0050】
<1.7.更新部15>
更新部15は、データベース2に格納され更新対象となる配送方法情報を更新する。更新部15は、収集対象から取得された配送に関する情報を参照して、データベース2に格納される配送方法情報を更新する。具体的に更新部15は、収集対象から取得された配送に関する地域イベント情報を参照して、データベース2に格納され更新対象となる配送方法情報それぞれの配送可否フラグを更新する。本実施形態における収集対象は、配送に関する情報を含む媒体であって、ウェブサイト等のインターネット媒体や、配送業者からの広告等のプロモーション媒体や、配送業者の営業担当からの案内等を含む。
【0051】
なお、本実施形態において更新部15は、収集対象から取得された配送に関する情報を参照した管理者から更新に係る入力を受け付けることで、更新対象となる配送方法情報を特定し更新する。一方、更新部15が、ウェブサイトより収集された情報を参照して更新対象を特定し、配送方法情報を自動的に更新してもよい。
【0052】
<1.8.表示処理部16>
表示処理部16は、配送コストを最適化する配送方法の候補を表示処理し、表示処理結果をユーザ端末装置3に対して表示させる。なお、本実施形態において表示処理は、表示処理部16が表示に必要な情報を生成する処理を実行し、生成した情報を端末装置90に送信することで、端末装置90が該生成された情報を表示する処理を指す。一方、表示処理は、表示処理部16が表示に必要な情報を生成する処理命令を端末装置90に送信することで、端末装置90が表示に必要な情報を生成し、該生成した情報を表示する処理であってもよい。
【0053】
<2.配送方法最適化処理>
図4~5を参照して、本発明の配送方法最適化システム0による配送方法最適化方法について説明する。図4は、ユーザから出荷情報を受け付けて、ユーザが希望する配送条件に基づいて配送方法が特定され、出荷依頼が承認されるまでの処理フローチャートである。
【0054】
<2.1.出荷情報の取得>
ステップS1(以下、「ステップSXX」は、単に「SXX」とする)において、取得部11は、出荷情報を取得する。本実施形態において取得部11は、ユーザ端末装置3から、出荷情報として、注文管理番号、配送方法特定情報、商品ID、配送希望日、商品のJANコード、出荷個数、配送先の郵便番号、配送先コード、配送先の住所、配送先の氏名、電話番号、メールアドレス、及び関税関連情報を取得し、出荷情報の商品ID及び商品参照情報に基づいて商品サイズ、及び梱包有無を取得する。具体的に取得部11は、商品サイズとして、商品の大きさ、重量、及び容積重量を取得する。また取得部11は、配送方法特定情報として、希望配送条件又は配送方法を取得する。また、取得部11は、関税関連情報として、関税支払情報及び商品販売金額を取得する。
【0055】
なお、本実施形態において取得部11は、CSVファイルに入力された出荷情報のアップロードを受け付けて、出荷情報を取得してもよく、ウェブフォームにおいて出荷情報の入力を受け付けて、出荷情報を取得してもよい。
【0056】
<2.2.エラーの検出>
S2において、エラー検出部12は、出荷情報に基づいてエラーを検出処理する。本実施形態においては、出荷情報に対して所定の条件が設定されており、エラー検出部12は、該所定の条件、及びS1において取得された出荷情報に基づいて、エラーを検出処理する。具体的には例えば、エラー検出部12は、検出処理として、出荷情報に欠損がないか否かを判定する。
【0057】
そして、エラー検出部12が出荷情報にエラーを検出した場合(S3においてYES)には、S1に進み、入力データを修正した出荷情報の入力を待つ。一方、エラー検出部12が出荷情報にエラーを検出しない場合(S3においてNO)には、S4に進む。
【0058】
<2.3.配送方法の特定>
S4において特定部13は、S1において取得された出荷情報の配送方法特定情報に配送方法が含まれるか否かを判定する。そして、配送方法特定情報に配送方法が含まれる場合(S4でYES)には、S6に進む。一方、配送方法特定情報に配送方法が含まれない場合(S4でNO)には、S5に進み、特定部13は、最適な配送方法を特定する。最適な配送方法の特定に係る処理については後述する。
【0059】
<2.4.エラーの検出>
S6において、エラー検出部12は、特定された配送方法に基づいて出荷情報のエラーを検出処理する。本実施形態においてエラー検出部12は、特定された配送方法の配送指標及び配送制限と、出荷情報の配送先及び希望配送条件が対応しているか否かを判定する。
【0060】
エラー検出部12が出荷情報にエラーを検出した場合(S7においてYES)には、S1に進み、入力データを修正した出荷情報の入力を待つ。一方、エラー検出部12が出荷情報にエラーを検出しない場合(S7においてNO)には、S8に進む。
【0061】
<2.5.出荷処理>
S8において表示処理部16は、S1において取得された出荷情報、及びS5において特定された配送方法を並べて表示処理し、ユーザ端末装置3に対して表示させる。そして、S9において、図示しない承認受付部が、出荷情報及び配送方法の組み合わせに問題がないか否かの承認/棄却に係る入力を受け付ける。
【0062】
<3.配送方法最適化処理の詳細>
以下、図5を参照して、図4のS5における最適な配送方法の特定に係る具体的な処理について説明する。本実施形態においては、複数の配送方法を順位づける評価値が、ユーザから入力された1の希望配送条件に基づいて算出され、該評価値に基づいて配送方法候補のリストがユーザに表示される。また、ユーザが入力した希望配送条件に基づいて配送方法候補が絞り込めない場合には、複数の希望配送条件に基づいて別の評価値が算出され、複数の評価値に基づいて配送方法候補リストがユーザに表示される。
【0063】
図5は、希望配送条件が2つの場合(各希望配送条件に基づいて算出される評価値をそれぞれ第1評価値及び第2評価値とする)について、図4のS1において取得された出荷情報に含まれる配送方法特定情報の配送指標に対する希望配送条件、商品ID、及び商品数量、商品参照情報、並びに複数の配送方法情報に基づいて、最適な配送方法を特定するまでの処理フローチャートである。なお、以下の説明では、出荷情報の1の注文管理番号における最適な配送方法の特定に係る処理について説明する。また、以下の説明では、ステップを分けて処理を記載するが、各ステップの処理は同時に実行される。
<3.1.評価リストの作成>
S51において特定部13は、希望配送条件と、出荷情報、及び商品参照情報に基づく商品荷姿サイズと、複数の配送方法情報と、に基づいて評価値として第1相対評価値を算出し、配送グループ毎に分類評価値及び第1相対評価値に基づいて評価リストを作成する。本実施形態において特定部13は、配送方法情報の配送費用マスタ、並びに出荷される商品の商品荷姿サイズ、及び重量/容積重量に基づく配送方法毎の配送費用と、配送方法情報の配送時間と、S1において取得された希望配送条件の配送指標及び指標優先度合いと、に基づいて、配送方法毎の第1相対評価値を算出する。そして、特定部13は、配送方法、並びに分類評価値及び第1相対評価値に基づく評価値(以下、第1評価値と呼ぶ)を対応付けた評価リストを作成する。なお、以下では、S1において取得された希望配送条件を第1希望配送条件と呼ぶ。
【0064】
具体的には、希望配送条件が「費用最優先」、「費用重視」又は「時間重視」の場合に、特定部13は、配送方法毎の配送費用の相対的な大小関係によって第1相対評価値を配送方法毎に算出する。例えば、特定部13は、配送費用が安い配送方法順に高い第1相対評価値を算出する。また、希望配送条件が「スピード最優先」の場合に、特定部13は、配送方法毎の配送時間の相対的な大小関係によって第1相対評価値を配送方法毎に算出する。例えば、特定部13は、配送時間が早い配送方法順に高い第1相対評価値を算出する。
【0065】
<3.2.最適な配送方法の特定>
S52において特定部13は、S51において作成した評価リストに基づいて、配送方法候補のうち、第1評価値が同値のものがあるか否かを判定する。本実施形態において特定部13は、配送方法候補のうち、第1評価値が同率一位であるものがあるか否かを判定する。
【0066】
第1評価値が同率一位である配送方法候補がない場合(S52においてNO)には、S54に進み、表示処理部16は、第1評価値が最も大きい配送方法候補を強調した配送方法候補リストを表示処理する。一方、第1評価値が同率一位である配送方法候補がある場合(S52においてYES)には、S53に進む。
【0067】
<3.3.第2評価値の算出>
S53において特定部13は、第1希望配送条件と異なる希望配送条件、商品荷姿サイズ、及び複数の配送方法情報に基づいて、評価値として配送方法の第2評価値を算出する。本実施形態において特定部13は、S51において用いた第1希望配送条件と異なる希望配送条件(以下、第2希望配送条件と呼ぶ)の配送指標、商品荷姿サイズ、及び複数の配送方法情報を用いて、第2評価値を算出する。
【0068】
具体的に、特定部13は、第2希望配送条件、商品荷姿サイズ、及び複数の配送方法情報に基づいて、配送方法の第2希望配送条件の配送指標の相対的な大小関係によって第2相対評価値を算出する。そして特定部13は、分類評価値、第1相対評価値、及び第2相対評価値に基づいて、第2評価値を算出する。例えば、第1希望配送条件の配送指標が「配送費用」を含む出荷情報が取得された場合、第2希望配送条件の配送指標は「配送時間」である。この場合、特定部13は、第1評価値を算出した配送方法の配送時間の相対的な大小関係によって第2相対評価値を算出する。例えば、特定部13は、配送時間が早い配送方法順に高い第2相対評価値を算出する。なお、本実施形態において特定部13は、全ての配送方法に対して第2評価値を算出するが、第1評価値が同値である配送方法に対して第2評価値を算出してもよい。
【0069】
<3.4.配送方法候補の抽出>
S54において特定部13は、出荷情報、及び配送制限に基づいて、配送方法を抽出する。本実施形態において特定部13は、全ての配送方法のうち、出荷情報の配送先、関税関連情報、商品荷姿サイズ、及び配送方法情報の配送制限に基づいて、配送方法候補を抽出する。
【0070】
そして、S55において表示処理部16は、S54において抽出された配送方法のうち、第2評価値が最も大きい配送方法を強調した配送方法候補リストを表示処理して、ユーザ端末装置3に対して表示させる。本実施形態において表示処理部16は、S51~54において特定された各配送方法の配送時間、配送費用、第1評価値、及び第2評価値を表示処理する。
【0071】
S56において特定部13は、最適な配送方法を特定する。本実施形態において特定部13は、表示された配送方法候補リストのうち配送方法の指定をユーザから受け付けて、指定された配送方法を最適な配送方法として特定する。
【0072】
以上、1の注文管理番号についてS51~56の処理が実行され、最適な配送方法が決定される。一方、出荷情報に複数の注文管理番号が含まれる場合には、各注文管理番号について順にS51~54の処理が実行され、各注文管理番号の最適な配送方法がS55において表示され、S56において個別又は一括で配送方法の指定に係る入力をユーザから受け付けることで出荷情報に含まれる全ての注文管理番号の配送方法が特定される。そして、S1~9の処理によって、荷主であるユーザは、自身が優先する配送指標(配送費用、配送時間、配送環境負荷、及び配送品質等)を基に、最適な配送方法を決定することができる。
【0073】
このように、配送方法の配送時間に基づいて算出される分類評価値と、ユーザが希望する配送指標の相対的な大小関係により算出される第1相対評価値及び第2相対評価値と、に基づいて、配送方法をスコアリングすることで、配送コストが最適化された配送方法を提案することができる。特に、分類評価値は、本システムの管理者が配送指標に対して設定する閾値に基づいて配送方法を順位付けるものであり、第1相対評価値は、ユーザである荷主が優先する配送指標に基づいて配送方法を順位付けるものであって、本システムの管理者及び荷主の両者の希望が反映された配送コストが最適な配送方法が提案される。これにより、どのような配送方法が存在しているかを把握していない荷主であっても、自身が希望する配送方法を適切、且つ容易に特定することができる。
【0074】
なお、本実施形態において特定部13は、分類評価値及び第1相対評価値に基づいて第1評価値を算出するが、第1相対評価値のみに基づいて第1評価値を算出してもよい。また、特定部13は、分類評価値、第1相対評価値、及び第2相対評価値に基づいて、第2評価値を算出するが、分類評価値及び第2相対評価値に基づいて、第1相対評価値及び第2相対評価値に基づいて、若しくは第2相対評価値のみに基づいて、第2評価値を算出してもよい。
【0075】
なお、本実施形態において特定部13は、ユーザから配送方法候補から配送方法が指定されることで最適な配送方法を特定するが、第1評価値(第1評価値が同率一位のものがある場合は第2評価値)が最も大きいものを最適な配送方法として特定してもよい。
【0076】
また、本実施形態においては、評価値が希望配送条件に基づいて算出されることで、表示処理部16は、評価値の高い順に配送方法を表示処理する。一方、特定部13によって評価値が算出されず、表示処理部16は、配送指標の数値の相対的な大小関係に基づいて、配送方法を表示処理してもよい。
【0077】
また、本実施形態では、第1評価値及び第2評価値を用いて、第1評価値(第1評価値が同率一位のものがある場合は第2評価値)が最も大きい配送方法を強調した配送方法候補リストが表示された。一方、第1評価値(第1評価値が同率一位のものがある場合は第2評価値)が最も大きい配送方法が複数ある場合には、異なる希望配送条件を更に用いた評価値に基づいて、最適な配送方法が特定されてもよい。具体的に特定部13は、第1評価値(第1評価値が同率一位のものがある場合は第2評価値)が最も大きい配送方法が複数ある場合には、第1希望配送条件と異なる第n希望配送条件の配送指標の相対的な大小関係を用いて第n評価値を算出し、第n評価値が最も大きい配送方法が1つになるまで繰り返すことで、最適な配送方法を特定してもよい(nは2以上の整数)。なお、第1評価値が同率一位である場合には、第2~n+1評価値の合計を評価値として、最適な配送方法を特定してもよい。また、第2~n+1評価値の順に重みづけがされており、評価値及び重みの各乗算値の合計を評価値として、最適な配送方法を特定してもよい。この場合ユーザは、配送指標に対する希望配送条件の優先順位を設定し、特定部13は、該優先順位に基づいて希望配送条件の配送指標の相対的な大小関係を用いて、第n評価値を算出してもよい。
【0078】
また、本実施形態においては、各注文管理番号について、都度S51~56の処理が実行され、ユーザの指定により最適な配送方法が特定されることで、出荷情報に含まれる全ての注文管理番号に対して最適な配送方法を特定する。本発明の好ましい形態では、データベース2に配送先、商品荷姿サイズ、及び希望配送条件の組み合わせ、並びに最適な配送方法を対応付けた配送履歴情報が格納されており、特定部13は、1の注文管理番号について、配送先及び商品荷姿サイズの組み合わせ、並びに配送履歴情報に基づいて、最適な配送方法を特定してもよい。
【0079】
より好ましい形態では、特定部13は、配送方法情報が更新部15によって更新されるまで、配送先及び商品荷姿サイズの組み合わせ、並びに配送履歴情報に基づいて、最適な配送方法を特定してもよい。具体的には、本実施形態において更新部15は、収集対象から取得された配送に関する情報を参照して、前記データベースに格納され更新対象となる前記配送方法情報それぞれの配送可否フラグを特定して更新する。そして、特定部13は、配送履歴情報のうち、配送可否フラグが更新されていない配送履歴情報と、出荷情報に含まれる商品荷姿サイズ、配送先、及び希望配送条件とに基づいて、最適な配送方法を特定する。
【0080】
また本発明の好ましい形態では、ユーザから取得された1の出荷情報において、ある注文管理番号において特定した最適な配送方法を、他の注文管理番号における最適な配送方法に適用することができる。具体的に特定部13は、1の出荷情報における、同じ配送先、商品荷姿サイズ、及び希望配送条件の組み合わせを含む複数の注文管理番号について、1の注文管理番号に対して特定した最適な配送方法を他の注文管理番号における最適な配送方法として特定する。
【0081】
本発明の好ましい形態では、収集対象において公開される複数の配送に関する情報に対応して、提案マスタを更新し、更新した提案マスタを用いて配送コストを最適化する配送方法を特定することができる。本実施形態において更新部15は、収集対象のウェブサイト等より配送に関する情報を取得し、更新対象となる配送方法情報を特定し、該配送方法情報に基づいて提案マスタを更新する。具体的に更新部15は、ウェブサイト等より取得した配送に関する情報を取得し、管理者端末装置4から更新に係る入力を受け付けることで更新対象となる配送方法情報を特定し、更新した配送方法情報の配送時間、及び希望配送条件毎の配送時間幅に基づいてデータベース2に格納される提案マスタを更新する。そして、特定部13は、更新した提案マスタ、出荷情報に含まれる希望配送条件、及び出荷される商品の商品荷姿サイズに基づいて、前記配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【符号の説明】
【0082】
0 :配送方法最適化システム
1 :配送方法最適化装置
2 :データベース
3 :ユーザ端末装置
10 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
90 :端末装置
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
11 :取得部
12 :エラー検出部
13 :特定部
14 :分類部
15 :更新部
16 :表示処理部
【要約】
【課題】
本発明は、配送コストを最適化した配送方法を提案する新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【解決手段】
本発明は、上記の課題を解決する為に、配送コストを最適化する配送方法最適化システムであって、前記配送方法最適化システムは、データベース、取得部、及び特定部を備え、前記データベースは、商品の配送にかかるコストに関する配送コスト情報を格納し、取得部は、荷主の出荷に関する出荷情報を取得し、前記特定部は、前記出荷情報、及び前記配送コスト情報に基づいて、配送コストを最適化する配送方法を特定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5