(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】勤務管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241212BHJP
G06Q 10/109 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/109
(21)【出願番号】P 2024132132
(22)【出願日】2024-08-08
【審査請求日】2024-08-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511146118
【氏名又は名称】株式会社スカイダイニング
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【氏名又は名称】今井 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100135530
【氏名又は名称】河野 智代
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏明
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-187831(JP,A)
【文献】特開2000-322661(JP,A)
【文献】特開2003-271794(JP,A)
【文献】特開2023-132879(JP,A)
【文献】特許第7391344(JP,B1)
【文献】特開2002-203085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部と、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部と、
前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い時間帯である第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部と、
を備える、勤務管理システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記第1の時間帯と、前記第2の時間帯とを異なる表示態様で表示させる、請求項1に記載の勤務管理システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記差分が前記警告閾値以上で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数以下の時間帯である第3の時間帯と、前記第1の時間帯と、前記第2の時間帯と、をそれぞれ識別可能に前記表示部に表示させる、請求項
1に記載の勤務管理システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、各単位時間における前記実人時売上高を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の勤務管理システム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分を、前記単位時間毎に前記表示部に表示させる、請求項1に記載の勤務管理システム。
【請求項6】
前記予測売上高に基づいて、前記予定従業員数を決定する従業員数決定部をさらに備える、請求項1に記載の勤務管理システム。
【請求項7】
前記従業員数決定部は、前記予測売上高に基づいて、前記予測人時売上高が予め設定された売上基準範囲内の値になるように、前記予定従業員数を決定する、請求項6に記載の勤務管理システム。
【請求項8】
単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部と、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部と、
前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い場合に、警告を出力する警告部と、
を備える勤務管理システム。
【請求項9】
単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部と、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部と、
前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部と、
を備える勤務管理システム。
【請求項10】
単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部と、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部と、
前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い場合に、警告を出力する警告部と、
を備える勤務管理システム。
【請求項11】
コンピュータを、
単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部、及び
前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部、及び
前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い場合に、警告を行う警告部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部、及び
前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部、
前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部、及び
前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上
で、かつ前記実従業員数が前記予定従業員数よりも多い場合に、警告を出力する警告部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勤務管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等においては、勤務シフトにより従業員の勤務が管理されている。特許文献1には、勤務シフトを自動で作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予想以上に店舗が混雑したような場合には、従業員が勤務シフトにおいて想定された時間よりも長い時間勤務した、より多くの従業員が勤務した、というように、勤務シフトと実際の勤務状況が異なる場合がある。また、店舗が混雑していないにも関わらず、勤務シフトにおいて想定された人数以上の従業員による不要な勤務が行われ、必要以上の人件費が掛かっているような場合もある。このように、不要な勤務により無駄な人件費が掛かる場合があるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、無駄な勤務の有無を容易に確認することのできる勤務管理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の勤務管理システムは、単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部と、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部と、前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上の第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0007】
本発明の他の形態は、勤務管理システムであって、単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部と、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部と、前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上の場合に、警告を出力する警告部と、を備える。
【0008】
本発明の他の形態は、勤務管理システムであって、単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部と、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部と、前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上の第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【0009】
本発明の他の形態は、勤務管理システムであって、単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部と、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部と、前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上の場合に、警告を出力する警告部と、を備える。
【0010】
本発明の他の形態は、プログラムであって、コンピュータを、単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部、及び前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上の第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部、として機能させるためのプログラムである。
【0011】
本発明の他の形態は、プログラムであって、コンピュータを、単位時間毎の予測売上高と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部、及び前記実人時売上高が前記予測人時売上高よりも小さく、前記予測人時売上高と前記実人時売上高の差分が警告閾値以上の場合に、警告を行う警告部、として機能させるためのプログラムである。
【0012】
本発明の他の形態は、プログラムであって、コンピュータを、単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部、及び前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上の第1の時間帯と、前記第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部、として機能させるためのプログラムである。
【0013】
本発明の他の形態は、コンピュータを、単位時間毎の予測利益と、前記単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時利益を算出する予測人時利益算出部、前記単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時利益を算出する実人時利益算出部、及び前記実人時利益が前記予測人時利益よりも小さく、前記予測人時利益と前記実人時利益の差分が警告閾値以上の場合に、警告を出力する警告部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の勤務管理システム及びプログラムによれば、無駄な勤務の有無を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】第1の勤務管理処理を示すフローチャートである。
【
図3】予測売上高、予定従業員数及び予測人時売上高を示す図である。
【
図4】第2の勤務管理処理を示すフローチャートである。
【
図5】実売上高、実従業員数及び実人時売上高を示す図である。
【
図10】第9の変形例に係る勤務管理者装置の構成図である。
【
図11】第10の変形例に係る勤務管理者装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る店舗システム1の全体図である。店舗システム1は、レストランなどの飲食に係る商品を提供する店舗における、従業員の勤務等を管理するシステムである。店舗システム1の管理対象は、1つの店舗でもよく、複数の店舗でもよい。
【0018】
店舗システム1は、勤務管理者装置10と、注文端末装置20と、会計装置30と、管理者装置40と、を備えている。勤務管理者装置10、注文端末装置20、会計装置30及び管理者装置40は、無線LAN(Local Area Network)などのネットワークNを介して接続されている。勤務管理者装置10は、例えば据置型の汎用コンピュータやクラウド型のサーバ等により構成され、飲食店等の店舗における、従業員の勤務等の管理を行う。
【0019】
注文端末装置20は、例えばハンディターミナルやスマートフォン、タブレット端末などのスマートデバイスである。注文端末装置20は、接客者などのユーザが携帯し、利用客からの注文の入力等に利用される。入力された情報は、会計装置30に送信される。なお、
図1に示す例では、一つの注文端末装置20が示されているものの、注文端末装置20は複数あってもよい。会計装置30は、注文された商品についての会計処理を行う。管理者装置40は、店舗システム1の管理者等が利用する情報処理装置である。本実施形態においては、管理者装置40は、管理者の操作に応じて、勤務管理者装置10に勤務シフトを要求し、勤務シフトを受信すると、これを表示部41に表示させる。
【0020】
勤務管理者装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等、プロセッサが処理を実行するためのメモリとを含み、各種の処理を実行する。制御部11は、記憶部12やROMなどに格納された種々のプログラムを実行する。本実施形態の制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより、勤務等の管理を行う。
【0021】
勤務管理者装置10の制御部11は、機能部として、予測売上高取得部111と、勤務シフト作成部112、予測人時売上高算出部113、実人時売上高算出部114、差分算出部115及び表示処理部116を備える。なお、予測売上高取得部111、勤務シフト作成部112、予測人時売上高算出部113、実人時売上高算出部114、差分算出部115及び表示処理部116の機能は、プロセッサが記憶部12等に格納されるプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現される。すなわち、上記各機能部が実行するものとして記載する処理は、制御部11が実行する処理である。
【0022】
予測売上高取得部111は、各日の単位時間毎の予測売上高を取得する。ここで、単位時間は、予め定められた所定時間であり、例えば、1時間や30分など、1日よりも短い単位であるものとする。飲食店等においては、売り上げは曜日や時間帯に応じて変動するため、このように、単位時間毎の予測売上高が取得される。勤務シフト作成部112は、予測売上高に基づいて、勤務シフトを作成する。勤務シフトには、各日時において勤務すべき従業員の人数と、勤務する従業員の識別情報とが含まれる。ここで、従業員の識別情報は、従業員の氏名等である。ここで、従業員は、パートやアルバイト、正社員等を含む。
【0023】
予測人時売上高算出部113は、予測人時売上高を算出する。実人時売上高算出部114は、実人時売上高を算出する。予測人時売上高は、予測売上高と、勤務シフトに示される従業員の人数とにより定まる単位時間当たりかつ従業員1人当たりの売上高である。また、実人時売上高は、実際の売上高(以下、実売上高と称する)と、実際に勤務した従業員の人数(以下、実従業員数と称する)と、により定まる単位時間当たり、かつ従業員1人当たりの実際の売上高である。飲食店等においては、売り上げに加えて人件費も変動する。そこで、利益の指標として、人時売上高が算出される。差分算出部115は、実人時売上高と予測人時売上高の差分である人時売上高差分を算出する。本実施形態においては、差分算出部115は、実人時売上高から予測人時売上高を減じた値を人時売上高差分として得る。
【0024】
表示処理部116は、人時売上高差分を管理者装置40の表示部41に表示させる。具体的には、表示処理部116は、人時売上高差分を管理者装置40に送信する。そして、管理者装置40は、人時売上高差分を受信し、これを表示部41に表示する。なお、勤務管理者装置10の各機能部における詳細な処理については、
図2等を参照しつつ後述する。
【0025】
図2は、勤務管理者装置10による第1の勤務管理処理を示すフローチャートである。ここでは、1週間を処理対象とする。ただし、処理対象となる期間は、これに限定されず、例えば、1日、1か月などであってもよい。第1の勤務管理処理において、勤務管理者装置10の予測売上高取得部111は、当該処理対象の期間(1週間)における、単位時間毎の予測売上高を取得する(ステップS100)。ここでは、単位時間は1時間とする。予測売上高取得部111は、処理対象の期間内の各日における、16時の予測売上高、17時の予測売上高、というように、1時間毎の予測売上高を取得する。単位時間毎の予測売上高は、管理者装置40を介して管理者から入力されるものとし、予測売上高取得部111は、通信部13を介して管理者装置40から予測売上高を取得する。
【0026】
また、他の例としては、勤務管理者装置10の記憶部12に、過去の売り上げが格納されており、予測売上高取得部111は、過去の売上高から予測売上高を決定してもよい。例えば、予測売上高取得部111は、処理対象の日の1週間前の日の各時間の売上高を、処理対象の日の対応する各時間における予測売上高として決定してもよい。
【0027】
次に、勤務シフト作成部112は、処理対象の期間における、勤務シフトを作成する(ステップS102)。具体的には、まず、各単位時間における予測売上高に基づいて、勤務させるべき従業員の人数(以下、予定従業員数と称する)を決定する。このように、勤務シフト作成部112は、予定従業員数を決定する。すなわち、勤務シフト作成部112は、予測売上高に基づいて、予定従業員数を決定する従業員数決定部の一例である。
【0028】
次に、勤務シフト作成部112は、決定された予定従業員数に従い、各時間帯に対して、勤務予定の従業員を割り当てる。なお、従業員の割り当ては、従業員からの希望に従い、管理者による管理者装置40の操作に応じて行われるものとする。また、他の例としては、従業員が所持する携帯端末(不図示)などの従業員装置において、各従業員により勤務希望の時間帯が入力されるものとし、当該入力に応じて従業員の割り当てが行われてもよい。以上で、従業員の人数の決定、従業員の割り当てが完了することで、勤務シフトが完成する。
【0029】
なお、他の例としては、予測人時売上高の基準範囲である売上基準範囲が予め設定されているものとしてもよい。この場合、勤務シフト作成部112は、予測人時売上高が売上基準範囲に含まれるように、各単位時間における予定従業員数を決定するものとする。これにより、所望の予測人時売上高になるような従業員数の割り当てが自動的に行われる。
【0030】
次に、予測人時売上高算出部113は、勤務シフトに示される各単位時間における予定従業員数と、対応する各単位時間における予測売上高と、に基づいて、単位時間毎の、予測人時売上高を算出する(ステップS104)。例えば、単位時間における予測売上高がx、単位時間における予定従業員数がyの場合、x/yが単位時間における予測人時売上高となる。なお、第1の勤務管理処理において得られた、予測売上高、予定従業員数及び予測人時売上高は、勤務シフトと共に、記憶部12に格納される。
【0031】
図3(a)は、予測売上高の棒グラフを示すである。横軸は時刻、縦軸は予測売上高を示す。
図3(b)は、予定従業員数の棒グラフを示す図である。横軸は時刻、縦軸は予定従業員数を示す。
図3(c)は、予測人時売上高の棒グラフを示す図である。横軸は時刻、縦軸は予測人時売上高を示す。
図3(a)に示す予測売上高と、
図3(b)に示す予定従業員数と、に基づいて、
図3(c)に示す予測人時売上高が算出される。
【0032】
次に、勤務管理者装置10による第2の勤務管理処理について説明する。
図4は、第2の勤務管理処理を示すフローチャートである。第2の勤務管理処理は、第1の勤務管理処理における処理対象の期間が経過した後で、経過した期間内の期間を処理対象として実行される。本処理は、例えば管理者装置40から実行要求を受信した場合に実行されるものとする。この場合、実行要求と共に処理対象が指定されるものとする。
【0033】
まず、実人時売上高算出部114は、経過した所定期間を処理対象とし、通信部13を介して会計装置30から、処理対象の所定期間内の単位時間毎の実売上高を取得する(S200)。ここで、所定期間は、第1の勤務管理処理における処理対象の期間と等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0034】
次に、実人時売上高算出部114は、処理対象の期間において単位時間毎の実従業員数を取得する(S202)。ここで、実従業員数とは、実際に勤務した従業員の数である。実従業員数は、例えば、管理者による管理者装置40の操作に応じて入力されるものとする。そして、実人時売上高算出部114は、通信部13を介して管理者装置40から実従業員数を取得する。次に、実人時売上高算出部114は、実売上高と、実従業員数と、に基づいて、処理対象の期間内における単位時間毎の実人時売上高を算出する(S204)。
【0035】
図5(a)は、実売上高の棒グラフを示すである。横軸は時刻、縦軸は実売上高を示す。
図5(b)は、実従業員数の棒グラフを示す図である。横軸は時刻、縦軸は実従業員数を示す。
図5(c)は、実人時売上高の棒グラフを示す図である。横軸は時刻、縦軸は実人時売上高を示す。
図5(a)に示す実売上高と、
図5(b)に示す実従業員数と、に基づいて、
図5(c)に示す実人時売上高が算出される。
【0036】
実売上高は、予測売上高とは異なり得る。また、実従業員数も、例えば、従業員の急な休みや、忙しいことに起因した残業等に応じて、予定従業員数と異なり得る。これらに起因して、実人時売上高も、予測人時売上高と異なり得る。
【0037】
次に、差分算出部115は、実人時売上高と予測人時売上高の差分である人時売上高差分を算出する(S206)。次に、表示処理部116は、人時売上高差分を管理者装置40の表示部41に表示させる(S208)。具体的には、表示処理部116は、通信部13を介して管理者装置40に対して、人時売上高差分を送信する。
【0038】
図6は、管理者装置40の表示部41に表示される、人時売上高差分の表示画面400を示す図である。表示画面400においては、人時売上高差分を示す棒グラフが表示されている。人時売上高差分のグラフの横軸は時刻、縦軸は人時売上高差分を示している。
【0039】
さらに、表示処理部116は、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ予測人時売上高と実人時売上高の差分である人時売上高が警告閾値以上の時間帯における棒を、他の時間帯における棒と異なる色で表示させる。例えば、
図6に示すように、21時と22時の時間帯において、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ予測人時売上高と実人時売上高の差分が警告閾値以上であるとする。さらに、他の時間帯(16時から20時)においては、実人時売上高が予測人時売上高よりも大きいとする。この場合には、21時と22時は、第1の時間帯に分類され、これらの時間帯に対応する棒は、斜線のハッチングで表示される。また、第1の時間帯以外の時間帯、すなわち16時から20時は、第2の時間帯に分類され、これらの時間帯に対応する棒は、ハッチングのない白色で表示される。なお、警告閾値は予め設定された値である。本実施形態においては、警告閾値はマイナスの値であるものとするが、警告閾値は任意に設定可能である。例えば、警告閾値はゼロであってもよく、プラスの値であってもよい。
【0040】
なお、本実施形態においては、第1の時間帯と第2の時間帯をハッチングの有無により区別して表示したが、両時間帯が識別可能に、異なる表示態様で表示されればよく、そのための表示態様は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、両時間帯の棒が異なる色で表示されてもよい。また、他の例としては、第1の時間帯の棒の枠が、第2の時間帯の棒の枠に比べて太線で表示されてもよい。
【0041】
このように、各時間帯が異なる表示態様で表示されることにより、管理者は、21時と22時において、従業者が過多であった、すなわち、売り上げに見合わない勤務が行われていたことを把握することができる。
【0042】
飲食店等においては、忙しい時間帯においては、予定されていない従業員が勤務にあたる場合がある。一方で、忙しくないにもかかわらず、勤務シフトにおいて想定された人数以上の従業員による無駄な勤務が行われている場合もある。しかしながら、従来は、このような無駄な勤務を特定するのは難しかった。これに対し、本実施形態の勤務管理者装置10においては、無駄な勤務が行われていた可能性のある時間帯を自動的に抽出し、他の時間帯と識別可能に表示することができる。したがって、本実施形態の勤務管理者装置10によれば、管理者は、無駄な勤務の有無を容易に確認することができる。ひいては、人件費を削減することができる。
【0043】
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えばある変形例を他の変形例に適用するなど、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、勤務管理者装置10を構成する複数の機能部が異なる装置に分散した勤務管理システムとして実現されてもよい。また、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
【0044】
第1の変形例としては、
図2を参照しつつ説明した、第1の勤務管理処理における予測人時売上高算出処理(ステップS104)は、第2の勤務管理処理における人時売上高差分算出処理(S206)よりも前に実行されればよく、その実行タイミングは、実施形態に限定されるものではない。
【0045】
第2の変形例としては、第2の勤務管理処理において処理対象とされる期間は、実施形態に限定されるものではない。また、第2の勤務管理処理の実行タイミングは、実施形態に限定されるものではない。例えば、第2の勤務管理処理は、第1の勤務管理処理における処理対象の1週間の営業終了後に、当該1週間を処理対象として実行されてもよい。また、他の例としては、第2の勤務管理処理は、1週間の営業終了後に、当該1週間のうち所定の日が管理者により指定された場合に、指定された日を処理対象として、第2の勤務管理処理を実行してもよい。
【0046】
第3の変形例としては、第1の時間帯は、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、差分が警告閾値以上となる時間帯のうち、さらに実従業員数が予定従業員数よりも多い時間帯に限定されてもよい。
【0047】
実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ差分が警告閾値以上となる場合としては、実従業員数が実売上高に対して多すぎる場合の他、実売上高が予測売上高に比べて少なかった場合が想定される。これらを区別して示すことで、管理者は、勤務シフトにおいて把握していた勤務予定以上の人数での勤務が行われたことを容易に把握することができる。
【0048】
第4の変形例としては、表示処理部116は、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ人時売上高差分が警告閾値以上となる時間帯のうち、実従業員数が予定従業員数以下の時間帯を第3の時間帯に分類してもよい。そして、表示処理部116は、第1の時間帯、第2の時間帯及び第3の時間帯をそれぞれ識別可能に表示部41に表示させる。
【0049】
例えば、
図3(b)、
図5(b)に示すように、20時においては、実従業員数が、予定従業員数よりも多かったことに起因して、実人時売上高が予測人時売上高に比べて少なくなっている。一方で、21時においては、実従業員数は、予定従業員数と等しいものの、実売上高が予測売上高よりも少なかったことに起因して、実人時売上高が予測人時売上高に比べて少なくなっている。したがって、表示処理部116は、21時を第3の時間帯に分類する。
【0050】
図7は、本変形例に係る表示画面410の一例を示す図である。
図7に示すように、第1の時間帯の棒は、右上がりの斜線のハッチングで表示され、第2の時間帯の棒は、ハッチングのない白色で表示される。さらに、第3の時間帯の棒は、右下がりのハッチングで表示される。これにより、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ人時売上高差分が警告閾値以上となる時間帯を、実従業員数が予定従業員数以下の時間帯と、実従業員数が予定従業員数よりも多い時間帯と、に区別して示すことができる。したがって、管理者は、これらの時間帯を区別して把握することができる。
【0051】
第5の変形例としては、表示処理部116は、人時売上高差分を表示するのにかえて、各時間帯を示す帯を示し、当該帯において、第1の時間帯と第2の時間帯、さらには第3の時間帯を識別可能に表示してもよい。
図8は、本変形例に係る表示画面420の一例を示す図である。
図8に示すように、表示画面420には、16時から22時を示す帯が示され、第1の時間帯、第2の時間帯及び第3の時間帯に対応する領域がそれぞれ異なる表示態様で表示される。このように、第1の時間帯、第2の時間帯、さらには第3の時間帯がユーザにとって識別可能に表示されればよく、そのための具体的な表示態様は実施形態に限定されるものではない。また、他の例としては、横軸を時間、縦軸を差分とする折れ線グラフを示してもよい。この場合も、グラフの値から第1の時間帯と第2の時間帯が識別可能に表示される。
【0052】
第6の変形例としては、表示処理部116は、さらに実人時売上高が予測人時売上高よりも大きく、かつ人時売上高差分が警告閾値以上の時間帯を第4の時間帯とし、第4の時間帯を、第1の時間帯、第2の時間帯と異なる表示態様で表示してもよい。さらに、第3の時間帯とも異なる表示態様で表示してもよい。
図9は、本変形例に係る表示画面430の一例を示す図である。
図9に示すように、17時は第4の時間帯に分類され、第4の時間帯の棒は、ドットのハッチングで表示される。
【0053】
第7の変形例としては、表示処理部116は、人時売上高差分に変えて、実人時売上高を表示部41に表示させてもよい。この場合、実人時売上高の値と、各時間帯の表示態様と、を確認することで、管理者は、無駄な勤務の有無を確認することができる。
【0054】
第8の変形例としては、表示処理部116は、勤務管理者装置10に表示部が設けられている場合には、勤務管理者装置10の表示部に人時売上高差分を表示させてもよい。
【0055】
図10は、第9の変形例に係る勤務管理者装置10の構成を示す図である。本変形例においては、勤務管理者装置10の制御部11は、表示処理部116に変えて、警告部117を備える。警告部117は、処理対象の期間内のある単位時間において、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ人時売上高差分が警告閾値以上の場合に、警告を行う。具体的には、警告部117は、単位時間を指定し、当該単位時間において、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ人時売上高差分が警告閾値以上である旨を管理者に伝えるための情報を管理者装置40に送信する。当該情報は、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、かつ人時売上高差分が警告閾値以上である旨を表示部41に表示するテキスト情報であってもよく、または、その旨を示すアイコン等であってもよい。また、他の例としては、管理者装置40がスピーカを備える場合には、当該情報は音声出力されてもよい。
【0056】
図11は、第10の変形例に係る勤務管理者装置10の構成を示す図である。本例の勤務管理者装置10においては、制御部11は、実施形態に係る勤務管理者装置10の制御部11の機能構成に加えて、予測人時利益算出部141と、実人時利益算出部142と、を備えている。予測人時利益算出部141は、予測人時売上高に基づいて予測人時利益を算出する。実人時利益算出部142は、実人時売上高に基づいて実人時利益を算出する。この場合、差分算出部143は、実人時利益と予測人時利益の差分を算出する。そして、表示処理部116は、差分に応じて、第1の時間帯と第2の時間帯とに分類し、これらを識別可能に表示させる。
【0057】
また、第10の変形例を第9の変形例に適用し、警告部117は、実人時利益と予測人時利益の差分が警告閾値以上の場合に警告を行ってもよい。
【0058】
さらに、本発明は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムで実現される方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 店舗システム
10 勤務管理者装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 注文端末装置
30 会計装置
40 管理者装置
41 表示部
111 予測売上高取得部
112 勤務シフト作成部
113 予測人時売上高算出部
114 実人時売上高算出部
115 差分算出部
116 表示処理部
【要約】
【課題】無駄な勤務の有無を容易に確認する勤務管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】単位時間毎の予測売上高と、単位時間毎の勤務予定の予定従業員数と、に基づいて、予測人時売上高を算出する予測人時売上高算出部と、単位時間に実際に売り上げた実売上高と、実際に勤務した実従業員数と、に基づいて、実人時売上高を算出する実人時売上高算出部と、実人時売上高が予測人時売上高よりも小さく、実人時売上高と予測人時売上高の差分が警告閾値以上の第1の時間帯と、第1の時間帯以外の第2の時間帯とを、識別可能に表示部に表示させる表示処理部と、を備える。
【選択図】
図1