(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】洗浄モジュールを有する飲料分配装置及びこの装置を洗浄する方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/07 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
B67D1/07
(21)【出願番号】P 2019561261
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(86)【国際出願番号】 NL2018050308
(87)【国際公開番号】W WO2018208157
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-06
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】デシング,ヤコブス ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】スタンダール,コーエン
(72)【発明者】
【氏名】ディース,ヘンドリック ヨハン
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】関口 哲生
【審判官】米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202010010509(DE,U1)
【文献】特開2004-91050(JP,A)
【文献】特開2008-94499(JP,A)
【文献】特開2005-312959(JP,A)
【文献】特表2006-512642(JP,A)
【文献】国際公開第2016/198442(WO,A1)
【文献】特開平7-89594(JP,A)
【文献】特開2012-239913(JP,A)
【文献】特表2010-533623(JP,A)
【文献】実開昭57-55084(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D1/00-1/16
A47J31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温飲料分配装置(1)を洗浄するための方法であって、前記装置は、少なくとも1つの水入口(11)と、前記水入口の下流に位置する高温飲料調製モジュール(2)と、前記高温飲料調製モジュールの下流の飲料出口(26)とを備え、
前記方法は、
-前記高温飲料調製モジュールの少なくとも一部及び前記飲料出口を第1のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすぐ第1のすすぎ工程(S1)と、
-前記高温飲料調製モジュールの少なくとも一部及び前記飲料出口を処理流体で処理する処理工程(S2)であって、前記処理流体は、前記第1のすすぎ流体温度よりも高い温度を有する、処理工程(S2)と、
-前記高温飲料調製モジュールの少なくとも一部及び前記飲料出口を第2のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすぐ第2のすすぎ工程(S3)と、
を含み、
前記第1のすすぎ工程(S1)及び前記第2のすすぎ工程(S3)の少なくとも一方が、低温水を用いて実施され、
前記処理流体は前記飲料出口を出て、回収され、必要な温度に維持され、そして再利用される、前記方法。
【請求項2】
前記第1のすすぎ工程(S1)及び前記第2のすすぎ工程(S3)の双方が、低温水を用いて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理流体は、活性成分を備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理流体の温度は、少なくとも50℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも前記飲料出口(26)は、前記すすぎ工程(S1、S3)及び前記処理工程(S2)によって洗浄される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記高温飲料調製モジュール(2)は、温水供給部(20)の内に水ヒータを含み、前記方法は、前記水ヒータのスケール除去処理工程と、引き続く前記水ヒータをすすぐ工程とを含む水ヒータスケール除去プロセスを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記すすぎ流体は前記飲料出口を出て、回収され、再利用される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記処理流体及び/又は前記すすぎ流体の伝導率を測定することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記処理流体及び/又は前記すすぎ流体の伝導率を測定して得られた前記伝導率の測定値は、前記処理流体及び/又は前記すすぎ流体の中の活性成分のレベルを評価するために使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記すすぎ流体又は前記処理流体の流量は、前記すすぎ流体又は前記処理流体の2つの位置でそれぞれ測定された温度間の差から決定され、1つの位置は前記水ヒータの直下流であり、第2の位置は前記水ヒータの直上流である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記すすぎ流体の流れ及び/又は前記処理流体の流れにガスがパルス状で添加される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
高温飲料分配装置であって、少なくとも1つの水入口(11)と、前記水入口の下流に位置する高温飲料調製モジュール(2)と、前記高温飲料調製モジュールの下流に位置する、前記装置の第1の動作モードにおいて調製された飲料を容器に供給するための飲料出口(26)とを備える、高温飲料分配装置であって、
洗浄モジュール(30)を更に含み、前記洗浄モジュール(30)は、前記装置の第2の動作モードにおいて、続いて、第1のすすぎ工程(S1)と、処理工程(S2)と、第2のすすぎ工程(S3)とを実施し、ここで、前記洗浄モジュール(30)はすすぎ流体/処理流体リザーバ(302)を備えており、
-前記第1のすすぎ工程(S1)は、前記高温飲料調製モジュールの少なくとも一部及び前記飲料出口を第1のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすぐことを含み、
-前記処理工程(S2)は、前記高温飲料調製モジュールの少なくとも一部及び前記飲料出口を処理流体で処理することを含み、前記処理流体は、前記第1のすすぎ流体温度よりも高い温度を有し、
-前記第2のすすぎ工程(S3)は、前記高温飲料調製モジュールの少なくとも一部及び前記飲料出口を第2のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすぐことを含み、
前記高温飲料分配装置は、前記飲料出口(26)に対して下流に配置された流体捕捉要素(518)を更に含み、前記高温飲料分配装置は、前記飲料出口を出る
処理流体を捕捉するように、及び
この処理流体を前記すすぎ流体/処理流体リザーバ(302)の方に方向転換するように、前記流体捕捉要素(518)と前記飲料出口(26)とを選択的に結合するように構成されている、
および、前記飲料出口(26)は、少なくとも1つの出口開口部(261、262)と、前記すすぎ流体/処理流体リザーバ(302)の入口の方に向かって排出管に結合された少なくとも1つの戻り開口部(263)とを備え、前記流体捕捉要素(518)は、前記飲料出口(26)と結合されているとき、前記捕捉された
処理流体を、前記戻り開口部(263)を通して戻し、前記排出管に流す、
ことを特徴とする、高温飲料分配装置。
【請求項13】
前記高温飲料調製モジュール(2)は、温水を供給するための温水供給部(20)と、1つ以上の原材料を供給するための原材料供給部(22)と、供給された前記温水と供給された前記1つ以上の原材料とから飲料を調製し、調製された前記飲料を容器(R)に供給するために前記飲料出口(26)に送る混合部(24)とを含む、請求項12に記載の高温飲料分配装置(1)。
【請求項14】
前記高温飲料分配装置(1)は、ポンプ(507)及びヒータ(504)のうちの少なくとも一方を有する流体輸送経路(500)を備え、前記高温飲料分配装置は、その第1の動作モードにおいて、高温飲料の成分としての原材料を、前記流体輸送経路を通して前記飲料出口(26)に供給し、前記高温飲料分配装置は、その第2の動作モードにおいて、前記流体輸送経路(500)を通してすすぎ流体又は処理流体の流れを誘導する、請求項12に記載の高温飲料分配装置(1)。
【請求項15】
前記流体輸送経路(500)は、伝導率センサ(307)、流量センサ、又は温度センサ(508)のうちの少なくとも1つを更に備える、請求項14に記載の高温飲料分配装置(1)。
【請求項16】
前記流体輸送経路(500)の入口は、選択バルブ(512)を介して前記原材料のための原材料リザーバ(222)とすすぎ流体/処理流体リザーバ(302)とに結合されており、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードにおいて、前記選択バルブ(512)は、前記流体輸送経路(500)の入力として前記原材料リザーバ(222)及び前記すすぎ流体/処理流体リザーバ(302)をそれぞれ選択する、請求項14又は15に記載の高温飲料分配装置(1)。
【請求項17】
前記飲料出口(26)に対して上流に配置された流れ方向付け要素(515)を更に含み、前記流れ方向付け要素(515)は、前記飲料出口(26)の方向に流れる流体の流れをすすぎ流体/処理流体リザーバ(302)の方に選択的に方向転換するように構成されている、請求項12に記載の高温飲料分配装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
水と1つ以上の原材料とから様々な高温飲料を調製することができる高温飲料分配装置は一般に知られている。高温飲料分配装置は、典型的には、少なくとも1つの水入口と、水入口の下流に位置する高温飲料調製モジュールと、飲料調製モジュールの下流の飲料出口とを含む。このような装置は、例えば、様々なコーヒー、スープ、ホットミルク、ホットチョコレートミルク等を調製することができる。各飲料分配動作後、原材料の残渣が装置内に残る。したがって、重大な汚染及び潜在的な食品安全性の危険を回避するために、装置を定期的に洗浄することが重要である。
【0002】
欧州特許第2531085号は、洗浄構成を備えた高温飲料分配装置を開示している。洗浄サイクル中、加圧ガス、例えば、蒸気と空気との混合物を装置の様々な構成要素に通過させて、そのような残渣を除去する。様々な飲料を分配するための装置において、この対策は必ずしも十分でない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、高温飲料分配装置、及び改良された洗浄モジュールを有する高温飲料分配装置を洗浄するための改良された方法を提供することである。
【0004】
本発明によれば、請求項1に記載の高温飲料分配装置を洗浄するための改良された方法が提供される。
【0005】
本発明によれば、請求項15に記載の改良された洗浄モジュールを有する高温飲料分配装置が更に提供される。
【0006】
高温飲料分配装置を洗浄するための改良された方法は、一連の、少なくとも第1のすすぎ工程、処理工程、及び第2のすすぎ工程を含む。
【0007】
第1のすすぎ工程は、第1のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体で飲料調製モジュールの少なくとも一部及び飲料出口をすすぐことを含む。処理工程は、飲料調製モジュールの少なくとも一部及び飲料出口を処理流体で処理することを含む。処理流体は、第1のすすぎ流体温度よりも高い温度を有する。第2のすすぎ工程は、第2のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体で飲料調製モジュールの少なくとも一部及び飲料出口をすすぐことを含む。
【0008】
装置の第1の動作モードにおいて調製済み飲料を容器に供給する役割を果たす上述の水入口、高温飲料調製モジュール及び飲料出口に加えて、改良された高温飲料装置は、洗浄モジュールを更に備える。装置の第2の動作モードにおいて、洗浄モジュールは、続いて、上記のような第1のすすぎ工程と、処理工程と、第2のすすぎ工程とを実施する。
【0009】
改良された方法により実施される、及び第2の動作モードにおいて洗浄モジュールにより実施される一連の、少なくとも第1のすすぎ工程、処理工程、及び第2のすすぎ工程は、装置の洗浄の改良をもたらす。これは、高温飲料調製装置が様々な異なる飲料の調製のために使用される用途において最も有益である。
【0010】
処理工程の効果の更なる改良として、処理流体は、活性成分、例えば、洗浄剤、抗菌剤及び/又はスケール除去物質を備えてもよい。
【0011】
処理工程の性質に応じて、処理流体の温度は、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃である。スケール除去工程においては、更に高い温度、例えば、少なくとも80℃、好ましくは少なくとも90℃が設定されてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態では、工程の少なくとも1つは第1のすすぎ工程を含み、第2のすすぎ工程は、低温水又は微温水を用いて実施される(後述の段落0026および0027を参照)。第1のすすぎ工程において低温水、又は好ましくは微温水を使用することにより、タンパク質の凝固を回避しながら、装置のすすぎ済み部分の少なくとも相当量の残渣を効果的に除去される。第2のすすぎ工程において低温水又は微温水を使用することにより、システムのすすぎ済み部分が冷却される。低温のすすぎ水を使用すると比較的素早い冷却が達成されるが、その代わりとして、例えば高温でのスケール除去処理後に、例えば熱衝撃のあらゆるリスクを軽減するために、微温水が使用されてもよい。第2のすすぎ工程は、処理工程中に洗浄剤又は他の処理剤が使用された場合には、洗浄剤又は他の処理剤のあらゆる残渣を更に除去してもよい。
【0013】
このような実施形態では、処理流体は飲料出口を出て、回収され、再利用される。これは、活性成分をより有効に使用することができるという点、及び処理流体を必要な温度に維持するのにより少ないエネルギーを必要とするという点で有利である。第1及び/又は第2のすすぎ工程中のすすぎ流体を回収し、再利用することも企図されてよい。その場合、回収されたすすぎ流体及び/又は処理流体は、例えば、再利用される前に、その中に存在する汚染物質を濾過するためにフィルタを通過してもよい。
【0014】
本発明の更なる改良された実施形態では、すすぎ流体の流れ又は処理流体の流れにガスがパルス状で導入される。このようにして、ガスがすすぎ流体の流れ又は処理流体の流れ中に乱流を引き起こすため、処理の効果が向上する。更に、これは、高温を必要とする処理工程において特に有益である。流れ中に存在する気泡は、例えば、ヒータ要素の温度を局所的に上昇させるため、例えば、スケール除去がより効果的に実施され得る。
【0015】
本発明の更に別の実施形態では、第2の動作モードにおいて、処理流体又はすすぎ流体の伝導率が測定される。特に、流体中への活性成分の分配は、伝導率測定による値を用いて監視されてもよい。このような方法で、活性成分が、処理工程を適切に行なうように処理流体中に存在することを、処理工程の開始時に効果的に確認することができる。また、第2のすすぎ工程において、処理された部分に活性成分がもはや存在しないことを確認することができる。
【0016】
すすぎ流体又は処理流体の流量は、各すすぎ流体又は処理流体のマシン内の2つの位置における温度差を測定することによって決定されてもよい。1つの位置はヒータの下流に位置し、第2の位置はヒータの上流に位置する。このようにして、別個の流量計を回避し、温度を利用可能な時間に従い制御することができる。このようにして、別個の流量計が取り付けられている場合には、それが正常に機能していることを確認することも可能である。
【0017】
本発明の更に別の実施形態によれば、高温飲料調製装置の高温飲料調製モジュールは、温水を供給するための温水供給部と、1つ以上の原材料を供給するための原材料供給部と、供給された温水と供給された1つ以上の原材料とから飲料を調製し、調製済み飲料を容器に供給するために飲料出口に送る混合部とを備える。
【0018】
流体インターフェースが、洗浄モジュールと高温飲料調製モジュールとの間に設けられてもよい。流体インターフェースは、洗浄モジュールからのすすぎ/処理流体の流れを選択的に方向転換するための流れ方向転換機構を温水供給部内のヒータの上流又は下流に備えてもよい。方向転換機構を有する流体インターフェースは、装置をスケール除去するために洗浄装置を効率的に再利用することを可能にする。
【0019】
本発明の別の実施形態では、高温飲料分配装置は、ポンプ及びヒータのうちの少なくとも1つを有する流体輸送経路を備え、装置は、その第1の動作モードにおいて、高温飲料の成分としての原材料を、流体輸送経路を通して飲料出口に供給し、装置は、その第2の動作モードにおいて、流体輸送経路を通るすすぎの流れ又は処理流体の流れを誘導する。このようにして、高温飲料調製装置の一部は、装置を洗浄するために効率的に再利用される。
【0020】
流体輸送経路は、伝導率センサ、流量センサ、又は温度センサなどの1つ以上のセンサを更に備えてもよい。流体輸送経路内に配置されたセンサは、第1及び第2の動作モード中の性能確認のための様々な測定を実施するために使用されてもよい。
【0021】
改良された高温飲料分配装置の更に別の実施形態では、流体輸送経路の入口は、選択バルブを介して、上記原材料用の原材料リザーバとすすぎ/処理流体リザーバとに結合されている。第1の動作モード及び第2の動作モードにおいて、選択バルブは、流体輸送経路の入力として原材料リザーバ及びすすぎ/処理流体リザーバをそれぞれ選択する。これにより、第1の動作モードと第2の動作モードとの間の迅速かつ効率的な移行が可能になる。
【0022】
上記のような改良された飲料装置の2つ以上の実施形態を飲料分配システムへと組み合わせてもよいことに留意されたい。
【0023】
改良された高温飲料分配装置は、出口の上流に配置される流れ方向付け要素を更に備えてもよく、流れ方向付け要素は、出口の方向に流れる流体の流れをすすぎ/処理流体リザーバの方に選択的に方向転換するように構成されている。このようにして、すすぎ/処理流体の効果的な循環が達成される。あるいは、すすぎ/処理は、回収トレーで回収されてもよい。
【0024】
別の改良された高温飲料分配装置では、出口の下流に配置された流体捕捉要素が設けられる。この実施形態では、高温飲料分配装置は、出口を出る流体を捕捉するように、及び流体をすすぎ/処理流体リザーバの方に方向転換するように、流体捕捉要素と出口とを選択的に結合するように構成されている。これは、ある量のすすぎ流体/処理流体が小滴として残り得る比較的大きな表面積を有する回収トレーから流体が回収される場合に比べてより効果的な再循環を提供しながらも、すすぎ流体/処理流体が出口もすすぐ/処理するという点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで、あくまで例として、以下の図面を参照して、本発明を説明する。
【
図1】本発明による高温飲料調製装置の一実施形態を概略的に示す。
【
図2】本発明による方法の一実施形態を概略的に示す。
【
図3】本発明による高温飲料調製装置の更なる実施形態を概略的に示す。
【
図4A】
図4の装置で実施される、本発明による方法の一実施形態の第1の工程を概略的に示す。
【
図4B】
図4の装置で実施される、本発明による方法の一実施形態の第2の工程を概略的に示す。
【
図4C】
図4の装置で実施される、本発明による方法の一実施形態の第3の工程を概略的に示す。
【
図5A】
図4の装置で実施される、本発明による方法の一実施形態の第4の工程を概略的に示す。
【
図5B】
図4の装置で実施される、本発明による方法の一実施形態の第5の工程を概略的に示す。
【
図6】本発明による高温飲料調製装置の更なる実施形態を概略的に示す
図3を概略的に示す。
【
図6A】本発明による高温飲料調製装置の別の実施形態の一部を概略的に示す。
【
図8】第2のモード中の
図6の装置の動作中に得られる様々なセンサ読み取り値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、高温飲料分配装置1を概略的に示す。装置は、少なくとも1つの水入口11と、水入口の下流に位置する高温飲料調製モジュール2と、飲料調製モジュールの下流に位置する飲料出口26であって、装置の第1の動作モードM0において調製された飲料を容器に供給するための飲料出口26とを備える。高温飲料の調製及び吐出は、
図2に工程S0として概略的に示される。実際には、工程S0は、当業者に周知の複数のサブ工程を含む。高温飲料分配装置は、洗浄モジュール30を更に備える。
【0027】
装置の第2の動作モードM1では、
洗浄モジュール30は、続いて、
図2に示すように、第1のすすぎ工程S1と、処理工程S2と、第2のすすぎ工程S3とを実施する。第1のすすぎ工程S1では、飲料調製モジュールの少なくとも一部及び飲料出口は、第1のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすがれる。処理工程S2では、飲料調製モジュール2の少なくとも一部及び飲料出口26は、第1のすすぎ流体温度よりも高い温度を有する処理流体で処理される。第2のすすぎ工程S3では、飲料調製モジュール2の少なくとも一部及び飲料出口26は、第2のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすがれる。完了すると、装置は待機モードM00をとり、例えば、ユーザインターフェース18、例えば、グラフィカルユーザインターフェースから提供される調製命令を待つS00。
【0028】
第1のすすぎ工程で使用されるすすぎ流体は、相対的に低温の、例えば、10~40℃の範囲内の、水、又は空気等の別の流体、又はこれらの組み合わせであってもよい。第1のすすぎ工程は、装置のすすぎ済み部分及び出口26からあらゆるミルク及び/又はコーヒー残渣を実質的に洗い流す。特に、35~40℃の範囲内の温度を有する微温水ですすぐと、タンパク質の凝固を回避しながらも、これら部分に存在する脂肪を実質的に溶解する。出口26を出る使用済みのすすぎ流体は、典型的には、回収され、排出される。
【0029】
第2の工程S2では、関連部分が、第1のすすぎ流体温度よりも高い温度を有する処理流体で処理される。例えば、処理流体の温度は、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃であってもよい。この第2の工程における処理流体の処理は、第1の工程中におけるタンパク質の除去によりタンパク質の凝固が防止されながら、その相対的に高い温度のために非常に効果的である。処理流体は、活性成分、例えば、抗菌剤及び/又はスケール除去物質を備える水であってもよい。また、アルコールなどの他の処理流体がこの目的のために考慮されてもよい。工程S2では、飲料出口を出る処理流体が回収され、再利用されてもよい。これは、活性成分をより有効に使用することができるという点、及び処理流体を必要な温度に維持するのにより少ないエネルギーを必要とするという点で有利である。工程S1でのすすぎ流体を回収し、再利用することも企図されてよい。その場合、回収されたすすぎ流体は、例えば、再利用される前に、その中に存在する汚染物質を濾過するためにフィルタを通過してもよい。
【0030】
第3の工程S3では、関連部分は、第2のすすぎ流体温度を有するすすぎ流体ですすがれる。この工程では、処理工程S2中に使用された任意の成分が出口を通して洗い流される。この工程では、通常動作のために装置の関連部分を冷却する冷水が典型的には使用される。一般に、この目的には新鮮な水道水が適している。場合によっては、入口ファイラ(filer)が適用されてもよい、又はすすぎ流体は別個の供給源から供給されてもよい。また、この工程S3では、飲料出口を出るすすぎ流体を回収し、再利用することが企図されてもよい。例えば、ある量のすすぎ流体を関連部分内で循環させること、及び新鮮なある量のすすぎ流体と入れ替えるためにすすぎ流体を洗い流すことを交互に可能にする手段が提供されてもよい。
【0031】
改良された高温飲料
分配装置1の例が、
図3に、より詳細に示されている。高温飲料分配装置1は、温水を供給するための温水供給部20と、1つ以上の原材料を供給するための原材料供給部22と、供給された温水と供給された1つ以上の原材料とから高温飲料を調製するための混合部24とを有する、高温飲料調製モジュール2を備える。第1の動作モードで調製された高温飲料は、出口26を通して容器(図示せず)に供給される。
【0032】
図示される実施形態では、温水供給部20は、入口11の下流に、入口バルブ201と、水リザーバ202と、ポンプ203と、流量計204と、
ヒータ205とを含む。これら部分は、
図1に示すようにコントローラ12によって制御可能であってもよい、及び/又はコントローラ12に出力信号を提供してもよい。
【0033】
図3に示される例示的実施形態では、原材料供給部22は、コーヒーを供給するための第1の原材料供給要素221と、ミルクを供給するための第2の原材料供給要素222とを含む。実際には、例えば、ホットチョコレート又はスープを供給するための更なる原材料供給要素が存在してもよいことは理解されるであろう。
【0034】
混合部24は、ここでは、供給された原材料を水と混合するためのウォータージェットミキサの形態の混合要素241/2を備える。
【0035】
図3に図示される実施形態では、洗浄モジュール30は、水入口300の下流に、入口バルブ301と、リザーバ302と、入口フィルタ303と、ポンプ305と、ヒータ306と、伝導率センサ307と、温度センサ308とを備える。これら要素はまた、別の順序で設けられてもよいことに留意されたい。しかしながら、ポンプ305はリザーバ302の下流に配置されていることが好ましい。洗浄モジュール30は、水リザーバ内に処理剤、例えば、スケール除去剤、抗菌剤、又は洗浄剤を分配するための処理剤ディスペンサ304を更に備える。
洗浄モジュール30は、すすぎ流体又は処理流体を高温飲料調製モジュール2に供給するための出口310と、高温飲料調製モジュール2から回収されたすすぎ流体又は処理流体を受け入れるための入口311とを有する。洗浄モジュール30は、戻された流体をリザーバ302又は排出出口313のいずれかに方向付けるための多方バルブ309を更に含む。高温飲料調製モジュール2の温水供給部20からすすぎ流体又は処理流体を受け入れるための更なる入口312が設けられている。
【0036】
図示される実施形態では、洗浄モジュール30と高温飲料調製モジュール2は、インターフェース41を介して結合されている。導管42は、処理流体/すすぎ流体を出口310からインターフェース41に導く役割を果たす。入口311は、回収器44から導管46を介して回収された処理流体/すすぎ流体を受け入れる。更なる入口は、導管43を介してインターフェース41に結合されている。洗浄モジュール30と高温飲料調製モジュール2との間のすすぎ流体/処理流体の流れは、制御可能バルブ411、412、413、及び制御可能多方バルブ309によって制御される。
【0037】
図示される実施形態では、温水供給部20は、ヒータ205の各側に第1及び第2の一方向バルブ206、207を更に備える。
【0038】
ここで、
図4A~
図4Cを参照し、第2のモードにおける例示的実施形態の動作について説明する。図中、すすぎ流体/処理流体の流れは、破線矢印で概略的に示される。閉鎖バルブ又は他の閉鎖要素は、バツ印(X)を用いて示される。
【0039】
図4Aは、第1の工程S1をより詳細に示す。
図4Aに示すように、ポンプ305は、すすぎ流体を、リザーバ302から出口310に、及び導管42を通してインターフェース41に圧送するために作動される。この状態において、制御可能バルブ411及び制御可能バルブ413は閉鎖位置に維持され、バルブ412のみが開放されるため、すすぎ流体は混合部24に流れる。この場合、第1の工程S1は、制御可能バルブ243が開放され、制御可能バルブ244が閉鎖位置に維持される第1のサブ工程を含む。第2のサブ工程では、制御バルブ244は開放され、制御可能バルブ243は閉鎖位置に維持される。このようにして、ここではウォータージェットミキサとして示される混合要素241、242は、両者が同時にすすがれた場合に可能であるのに比べてより集中的にすすがれる。典型的には、この工程において、多方バルブ309は、すすぎ流体を出口313の方に方向転換するように設定される。すすぎ流体、通常、水の温度は、例えば、20~40℃の範囲内である。
【0040】
図4Bは、第2の工程S2をより詳細に示す。この工程では、処理流体は、導管42を通り、バルブ412を通り、混合ユニット24から出口26に案内される。出口を出る処理流体は、トレー44内に回収され、バルブ309を通ってリザーバ302に戻る。また、この工程では、バルブ243、244は、各ウォータージェットミキサ241、242及び関連出口26をより集中的にクレンジングを行なうために、一度に1つずつ開放されてもよい。この工程S2では、処理剤、例えば、抗菌剤及び/又は洗浄剤が処理剤投入装置304により放出されてもよい。この工程では、処理流体の温度を、第1の工程S1のすすぎ流体温度よりも高い値まで上昇させる、例えば、処理流体は、少なくとも50℃、例えば、60℃の値まで上昇させてもよい。
【0041】
図4Cは、第3の工程S3をより詳細に示す。第1の工程と同様に、すすぎ流体は、例えば、20~40℃の水、例えば、低温水又は微温水であってもよい。典型的には、多方バルブ309は、使用済みすすぎ流体を出口313の方に方向転換するように設定される。
【0042】
図5Aは、任意のスケール除去工程S4を示す。この工程では、スケール除去剤を典型的には含む処理流体が出口310において供給され、導管42を通って流体インターフェース41に達する。供給された処理流体は、バルブ411によってヒータ205の入口の方に方向転換する、一方向バルブ207、開放されたバルブ413及び導管43を通って
洗浄モジュールの入口312に戻される。結果を最良にするために、処理流体は、80℃を超える、好ましくは80℃を超える、例えば95℃までの温度に加熱される。処理流体がリザーバ302に戻されると、比較的適度な量の電気エネルギー量で効率的に使用することができる。スケール除去工程S4中、処理流体中のスケール除去剤の存在は伝導率センサ307の読み取り値から確認することができ、すなわち、処理流体の伝導率は、処理流体中のスケール除去剤の存在によって増加する。
【0043】
図5Bは、スケール除去工程S4に続くすすぎ工程S5を示す。工程S3と同様に、高温飲料調製モジュール2の関連部分は低温水又は微温水ですすがれ、この場合、これら部分からスケール除去剤が除去される。
【0044】
図6は、本発明による高温飲料
分配装置1の更なる実施形態を概略的に示す。高温飲料
分配装置は、特に、泡立てミルクの調製に好適である。
図6の高温飲料
分配装置は、例えば、
図1及び/又は
図3の高温飲料
分配装置とともに、飲料調製システムに組み込まれてもよい。
【0045】
図1の装置は、水入口11と、水入口の下流に位置する高温飲料調製モジュール2と、飲料出口21とを備える。
図6において、水入口11は、入口バルブ201を介して、選択バルブ509、温度センサ508、ポンプ507、流れ制限部506、ヒータ504、及び方向転換バルブ515に結合され、ひいては出口26に結合されている。装置はまた、例えばミルク用のリザーバ222と、すすぎ
流体/処理流体
(以下において、単に「すすぎ/処理流体」と言うことがある)用のリザーバ302とを含む。選択バルブ509の第2の入力は、伝導率センサ307を介して更なる選択バルブ512の出口に結合されており、更なる選択バルブ512は、各リザーバ222、302に結合された各入力を有している。
【0046】
図6の高温飲料分配装置1は、ポンプ507及びヒータ504のうちの少なくとも一方を有する流体輸送経路500を備える。
図6では、ポンプ及びヒータの両方が存在する。第1の動作モードでは、装置は、高温飲料の成分としての原材料を、流体輸送経路を通して飲料出口26に供給する。より具体的には、第1の動作モードでは、リザーバ222内の原材料、例えばミルクは、このミルクが、入口11から得られた水と入口511から制御可能制限部
520を介して得られた空気と混合される間、バルブ512を通り、伝導率センサを通り、バルブ509の第1の入口に圧送される。その後、混合物は、温度センサ508を通り、ポンプ507及び制御部506を通り、ヒータ504に案内され、そこで所望の温度まで加熱され、出口26で分配される。このモードでは、リザーバ302の出口510に結合されたバルブ512の第2の入力は閉鎖され、リザーバ302の入口511に結合された選択バルブ515の第2の出力もまた閉鎖されている。
【0047】
装置の第2の動作モードでは、流体輸送経路500を通るすすぎ流体又は処理流体の流れが誘導される。より具体的には、選択バルブ512は、流体輸送経路500に設けられたリザーバ302の出口510からすすぎ流体/処理流体を選択的に受け入れるように設定される。第2の動作モードで実施される工程に応じて、すすぎ流体/処理流体は、出口26で廃棄される、又は流体リザーバの入口511に戻される、のいずれかであってもよい。
【0048】
図示される実施形態では、流体輸送経路500は、伝導率センサ307及び温度センサ508を更に含む。代替的な構成では、流量センサが含まれてもよい。
【0049】
上で述べたように、
図6の高温飲料分配装置は、出口26の上流に配置されている流れ方向付け要素515を含み、流れ方向付け要素515は、出口26の方向に流れる流体の流れをすすぎ流体/処理流体リザーバ302の方に選択的に方向転換するように構成されている。このようにして、例えば、処理流体をその中に溶解された処理剤とともに、より効率的な使用のために循環させることができる。また、それとともにエネルギー消費量も削減することができる。
【0050】
流れ方向付け要素515の代替として、流体捕捉要素518が設けられてもよい。
図6Aに概略的に示されるように、流体捕捉要素518は出口26の下流に配置されている。高温飲料分配装置は、出口を出る流体を捕捉するように、及び流体をすすぎ/処理流体リザーバ302の方に方向転換するように、流体捕捉要素518を出口26と選択的に結合するように構成されている。この結合部間のあらゆる流体漏れを回避するために、封止が設けられてもよい。
【0051】
図7は、流体捕捉要素518の特定の実施形態を示す。この実施形態では、出口26は、少なくとも1つの出口開口部261、262と、排出管に(例えば、リザーバ302
(図6)の入口511の方に、又は
図3の導管46に)結合された少なくとも1つの戻り開口部263とを備える。流体捕捉要素518が出口26と結合されると、流体は戻り開口部263を通って戻り、排出管に流れる。この場合、流体捕捉要素518は、結合された状態において出口26の各突出部を受け入れる
空洞を有する。すすぎ流体/処理液体がこれら突出部の周りを乱流状態で循環し、これによりまた、突出部の外側を集中的に洗浄することはこの実施形態の特に有利な点である。
【0052】
ここで、以下の表を参照し、
図6の装置に適用される本発明による方法の一実施形態について説明する。第1の列に示されるように、第1のすすぎ工程は、一連のサブ工程S101~S113を含む。第1の処理工程は、サブ工程S201~S212を含み、第2のすすぎ工程は、S301~S305を含む。各サブ工程の目的は第2の列にまとめられ、様々な要素の設定は次の列に示される。列「201」において、数値「0」、「1」はそれぞれ、バルブ201が閉鎖されている又は開放されていることを示す。列507の数値は、ポンプ507の動作を示す。数値0は、ポンプがオフにされていることを示し、数値1は、ポンプが最大能力で動作していることを示す。0~1の数値は、ポンプが対応するその能力の数値で動作することを示し、例えば、状態S103の0.2は、その最大能力の20%で動作することを示す。列504は、ヒータ504に対して設定される温度(℃)を示す。数値0は、ヒータがオフにされていることを意味する。
【0053】
列509及び列512は、選択した入口のサイドA又はサイドBを示す。例えば、状態S103において、バルブ509はバルブ201の出力に結合された入口Aを開き、バルブ512はクレンジング液体リザーバ302に結合された入口Bを開く。列515は、流体が方向付けられるバルブ515の出力を示す。「A」は、リザーバ302に向かう出力Aが選択されることを意味し、「B」は、出口26に向かう出力Bが選択されることを意味する。
【0054】
最後に、列520は、空気バルブ520の設定を示す。0は閉鎖、1は開放、及び0/1は、バルブが交互に開閉されることを意味する。
【0055】
【0056】
要約すると、この表に従い設定を制御することにより、第1のすすぎ工程のサブ工程S101及びサブ工程S102は最初に流体輸送経路500を空にする。
【0057】
サブ工程S101において、ポンプ507は、残った液体を経路500から実質的に除去するために、その最大能力で作動される。伝導率値はセンサ307により監視されてもよく、予期せぬ値が測定された場合、エラーメッセージが発せられてもよい。これは、不適切な動作を示し得、例えば、残りのミルクが検知されないことを示す。
【0058】
次のサブ工程S103、S104では、リザーバ302に、流体輸送経路500内でヒータ504により加熱された水道水が充填される。その後、サブ工程S106及びサブ工程S107において、水は、汚れたすすぎ液体をリザーバ302及び流体輸送経路500から除去するために、リザーバ302から流体輸送経路500を通って出口26に圧送される。サブ工程S113において、システムの動作は、次の一連のサブ工程S201~S212に先行する前に数秒間休止される。
【0059】
この次の一連のサブ工程、すなわち処理工程S2のサブ工程では、サブ工程S201~S203において、まず、リザーバに加熱された水が充填される。サブ工程S204、S205において、水は加熱され、所望の温度、例えば、少なくとも60℃に達するまでいくらかの時間にわたり循環される。この温度に達した後、サブ工程S206において、処理剤が処理剤投入装置304により投入される。その後、ヒータ504が再作動され(サブ工程S207)、追加の水が供給され(S208)、処理剤が水中に溶解されると、サブ工程S209において、処理流体が流体輸送経路500、バルブ515、及びリザーバ302を通して循環される。
【0060】
サブ工程S210では、バルブ520を通して処理流体中に空気を定期的に供給することによって処理が強化される。例えば、10秒毎に、空気が数秒間にわたって供給される。例えば、処理流体の循環中、空気は、20秒毎に、4秒間にわたって供給されてもよい。このサイクルは、数回、例えば5回繰り返されてもよい。この処理が完了すると、サブ工程S211において、リザーバ302は排出され、サブ工程S212において、流体輸送経路500は空にされる。サブ工程S212では、供給される空気により残りの流体の相当量を流体輸送経路500から排出させるために、バルブ520が開放される。
【0061】
その後、サブ工程S301~S305を伴う第2のすすぎ工程S3が続く。サブ工程S302において、リザーバに水道水が充填される。追加の予防措置として、サブ工程S302に、付加的なリザーバ排出サブ工程S301が先行してもよい。リザーバ302が充填されると、リザーバ302は流体輸送経路500を介して空にされ、すすぎ流体は出口26を通って廃棄される。その後、更なる残りの流体は、空気をバルブ520に入れることにより廃棄される。この場合、更に進む前に、最終サブ工程S304に進み、装置を冷却させる。
【0062】
図8は、上記表を参照して示す、クレンジングサイクル中に得られたセンサ読み取り値S
C、S
TH、及びS
TLを示す。左側は、0~120℃の範囲の、読み取り値S
TH及びS
TLの温度スケールを示す。右側は、0から700に及ぶ値Scの伝導率スケールである。数値0は、相対的に高い伝導率を示し、値700は、相対的に低い伝導率を示す。横軸は、洗浄サイクルの開始から経過した時間を秒で示す。
図8は、例えば、サブ工程S206において洗浄剤を投入後の伝導率の急速な上昇、及びサブ工程S201中、空気が定期的に添加されたときに測定されたすすぎ流体温度の変動を示す。