IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロート製薬株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20241212BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20241212BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241212BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 31/455 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 31/7034 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 31/195 20060101ALI20241212BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20241212BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241212BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20241212BHJP
【FI】
A61K8/87
A61K8/49
A61K8/67
A61K8/60
A61K8/44
A61Q19/00
A61Q19/02
A61K31/375
A61K31/455
A61K31/7034
A61K31/195
A61P17/16
A61K47/34
A61K47/10
A61K47/32
A61K47/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020019481
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2020132631
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】P 2019025856
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】升田 景子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】桝本 愛
(72)【発明者】
【氏名】黒木 未知瑠
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】Bird's Nest Collagen Night Mask,(ID#): 6146425,Mintel GNPD,2018年11月
【文献】Black Tea Lifting Cream,(ID#): 5823049,Mintel GNPD,2018年07月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K31/33-33/44
A61K31/00-31/327
A61P 1/00-43/00
A61K47/00-47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)疎水変性ポリエーテルウレタン、及び
(B)ニコチン酸アミド、
を含有し、
皮膚外用組成物の全量に対して、前記(B)成分の含有量が3~10質量%であり、
皮膚外用組成物中の前記(B)成分の総含有量1質量%に対する前記(A)成分の総含有量が0.5~2質量%であり、
動的粘弾性におけるゾル-ゲル転移点の角周波数が25℃で、2.5rad/s以上の皮膚外用組成物。
【請求項2】
前記(A)成分が、下記化学式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである、請求項1に記載の皮膚外用組成物:
-{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R (I)
(式中
は炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい、直鎖、分岐鎖又は脂肪族環若しくは芳香環を含む炭化水素基を表し、Rは分岐鎖を有する炭化水素基を表し;mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k+n≧1である)。
【請求項3】
さらに(C)フェノキシエタノール、ジプロピレングリコール及び両親媒性成分からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分、を含有する、請求項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
前記(C)成分の両親媒性成分が、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、炭素数5~10のアルカンジオール、及び下記化学式(II)で表されるアルキレンオキシド誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の皮膚外用組成物:
Z-[O-(AO)(EO)-(BO)-H] (II)
(式中
nは1~9の整数であり;
Zは、水素原子、又は炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;
AOは3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
EOはオキシエチレン基であり;
BOは4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
a、b、及びcはそれぞれAO、EO、及びBOの平均付加モル数であって、それぞれ独立して0~200であり;a、b、及びcが全て0であることはなく;
AO及びEOはランダム状に付加しても、ブロック状に付加してもよく;
nが2以上の場合は、複数のa、b、及びcはそれぞれ同一でも異なってもよく、
Zが水素原子の場合は、nは1である)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用組成物に関する。より具体的には、疎水変性ポリエーテルウレタン、並びに、ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、アルブチン、及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、疎水変性ポリエーテルウレタン(HEUR)は、水溶性増粘剤の一種であり、一旦形成したゲルを崩しても、ゲルが復元する性質を有する。また、独特のチクソトロピー性を有する。そのため、例えば、特許文献1には、疎水変性ポリエーテルウレタンが、ぷるぷるとした独特の弾力を有し、高温で安定なジェル状の水中油型乳化化粧料を製造するのに用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-088868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような疎水変性ポリエーテルウレタンのゲルの高い復元性のために、液状やペースト状の皮膚外用組成物に用いた場合には、指などで力を加えても組成物がもとの形状を維持しようとする。そのため、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する組成物を指等ですくい取ろうとした場合には、組成物が塊状になったままとなって指からこぼれ落ちやすく、取りにくいという課題があり、また塗布時には、組成物の伸びが悪くなって塗布しにくい、肌なじみが悪いといった課題があった。
【0005】
疎水変性ポリエーテルウレタンがこのような問題を生じる一つの要因として、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率(G′)と損失弾性率(G″)の角周波数依存性測定において、G′=G″となるゾル‐ゲル転移点の角周波数の値が、疎水変性ポリエーテルウレタン含有皮膚外用組成物では一般的に小さく、その結果、指等でのすくい取りや塗布のような製剤に変形を与える動作の中で、組成物が十分な粘性を発揮できていないことが考えられた。
【0006】
そこで本発明では、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有しても動的粘弾性におけるゾル-ゲル転移点の角周波数の値が大きく、組成物のすくい取りやすさ、塗布時の伸び、及び肌なじみに優れた皮膚外用組成物を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、(A)疎水変性ポリエーテルウレタン、並びに(B)ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、アルブチン及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分、を含有することにより、皮膚含有組成物の動的粘弾性におけるゾル-ゲル転移点の角周波数の値を増加させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の皮膚外用組成物を提供する。
項1.
(A)疎水変性ポリエーテルウレタン、並びに
(B)ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、アルブチン及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分
を含有する、皮膚外用組成物。
項2.
前記(A)成分が、下記化学式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである、項1に記載の皮膚外用組成物:
-{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R (I)
(式中
は炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい、直鎖、分岐鎖又は脂肪族環若しくは芳香環を含む炭化水素基を表し、Rは分岐鎖を有する炭化水素基を表し;mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k+n≧1である)。
項3.
さらに(C)フェノキシエタノール、ジプロピレングリコール及び両親媒性成分からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分、を含有する、項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
項4.
前記(C)成分の両親媒性成分が、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、炭素数5~10のアルカンジオール、及び下記化学式(II)で表されるアルキレンオキシド誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、項1~3のいずれか一項に記載の皮膚外用組成物:
Z-[O-(AO)a(EO)b-(BO)c-H]n (II)
(式中
nは1~9の整数であり;
Zは、水素原子、又は炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;
AOは3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
EOはオキシエチレン基であり;
BOは4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
a、b、及びcはそれぞれAO、EO、及びBOの平均付加モル数であって、それぞれ独立して0~200であり;a、b、及びcが全て0であることはなく;
AO及びEOはランダム状に付加しても、ブロック状に付加してもよく;
nが2以上の場合は、複数のa、b、及びcはそれぞれ同一でも異なってもよく、
Zが水素原子の場合は、nは1である)。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、動的粘弾性におけるゾル-ゲル転移点の角周波数の値を増加させ、使用時のすくい取りやすさ、塗布時の伸び、及び肌なじみに優れた疎水変性ポリエーテルウレタン含有皮膚外用組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、含有量の単位「質量%」は、「g/100g」と同義である。
【0011】
本発明の皮膚外用組成物は、(A)疎水変性ポリエーテルウレタン、並びに(B)ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、アルブチン及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分、を含有する。
【0012】
[(A)成分]
本発明の(A)成分として皮膚外用組成物に含まれる疎水変性ポリエーテルウレタンとは、疎水基によって変性されたウレタン結合を有する高分子であり、水系の組成物の増粘・ゲル化に用いられる。
【0013】
本発明に用いられる疎水変性ポリエーテルウレタンは、好ましくは次の化学式(I)で表される。
-{(O-R-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R (I)
(式中
は炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい、直鎖、分岐鎖又は脂肪族環若しくは芳香環を含む炭化水素基を表し、Rは分岐鎖を有する炭化水素基を表し;mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは各々独立に0~1000の範囲の整数であり、k+n≧1である)。
【0014】
の炭化水素基は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは炭素数2~12のアルキル基又はアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2~4のアルキル基又はアルキレン基であり、さらに好ましくは、炭素数2のエチル基である。
【0015】
及びRはそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基を表し、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは炭素数2のアルキレン基(エチレン基)である。
【0016】
は、ウレタン結合を有してもよい、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基である。中でも本発明の効果を顕著に奏する観点から、直鎖の炭化水素基であることが好ましい。
【0017】
の炭素数は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは1~10、より好ましくは2~8である。
の炭化水素基として、好ましくは、ヘキサメチレン基が挙げられる。
【0018】
は分岐鎖を有する炭化水素基であり、炭素数は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは8~36、より好ましくは10~30、更に好ましくは12~24である。
の炭化水素基として、好ましくは、2-ドデシルドデシル基が挙げられる。
【0019】
mの値は、2以上の整数であり、好ましくは2である。
【0020】
hの値は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、1以上であり、好ましくは1である。
【0021】
O-Rの繰り返し数であるk及びR-Oの繰り返し数であるnは各々独立に0~1000であり、k及びnの両方が0になることはない。即ち、k+nは1以上である。
【0022】
kの値は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは1~500、より好ましくは10~400、更に好ましくは50~300、更により好ましくは100~300である。
【0023】
nの値は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは1~200、より好ましくは5~200、更に好ましくは10~100である。
【0024】
本発明に用いられる疎水変性ポリエーテルウレタンは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(アデカノールGT-700、アデカノールGT-730:(株)ADEKA製)及びステアレス-100/PEG-136/HDIコポリマー(RHEOLUXE 811:エレメンティスジャパン(株)製)からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーである。
【0025】
(A)成分の総含有量は、特に限定されず、水溶性多糖類の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更により好ましくは1質量%以上である。
(A)成分の総含有量は、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4.5質量%以下、更により好ましくは4質量%以下である。
(A)成分の総含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは0.1~6質量%、より好ましくは0.2~5質量%、更に好ましくは0.5~4.5質量%である、更により好ましくは1~4質量%である。
【0026】
[(B)成分]
本発明の皮膚外用組成物の(B)成分として、ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、アルブチン及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分が用いられる。中でも本発明の皮膚外用組成物には、ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有することがより好ましく、ニコチン酸アミド及びビタミンC誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上が更に好ましく、ニコチン酸アミドが更により好ましい。
【0027】
本明細書において塩とは、薬学上許容される塩である。限定はされないが、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩、アルギニンなどの塩基性アンモニウム塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など)、無機酸との塩(塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機酸との塩(酢酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩等)等が挙げられる。中でも好ましい塩は、トリエタノールアミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、又は亜鉛塩であり、より好ましい塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、又はマグネシウム塩である。
【0028】
ニコチン酸アミドは、ニコチン酸(ビタミンB3/ナイアシン)のアミド化合物であり、水溶性ビタミンである。ニコチン酸アミドは、天然物からの抽出物であっても良いし、公知の方法によって合成した物でも良い。具体的には、第17改正日本薬局方に収載されているものを用いることができる。血行促進作用や、肌荒れ改善作用の他、メラニン生成抑制作用や美白効果が知られている。
【0029】
ビタミンC誘導体は、アスコルビン酸の一部が他の原子又は置換基で置換されて得られる化合物若しくはアスコルビン酸の立体異性体、又はその塩である。ビタミンC誘導体としては、例えば、デヒドロアスコルビン酸;3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-セチルアスコルビン酸等のアスコルビン酸アルキルエステル;テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、L-アスコルビン酸ジオレート、L-アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレート等のアシルアスコルビン酸;グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グリセリンエステル;アスコルビン酸グルコシド(VCグルコシド)(アスコルビン酸-2-グルコシド(AA2G))等のアスコルビン酸配糖体;アスコルビルリン酸、アスコルビルリン酸マグネシウム(リン酸-L-アスコルビルマグネシウム)、アスコルビルリン酸ナトリウム、イソステアリルアスコルビルリン酸、パルミチン酸アスコルビルリン酸等のアスコルビン酸モノリン酸エステル;アスコルビン酸ジリン酸エステル;アスコルビン酸トリリン酸エステル;アスコルビン酸硫酸エステル;(アスコルビル/トコフェリル)リン酸、マレイン酸アスコルビルトコフェリル等のアスコルビン酸トコフェロール誘導体;アスコルビン酸メチルシラノール等のアスコルビン酸シリコーン、又はこれらの塩等が挙げられるが、好ましくはアスコルビン酸アルキルエステル、アスコルビン酸モノリン酸エステル、L-アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸トコフェロール誘導体、アスコルビン酸グリセリンエステル及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。より好ましくは、アスコルビン酸アルキルエステル、アスコルビン酸モノリン酸エステル、L-アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸トコフェロール誘導体及びこれらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0030】
本発明の(B)成分として好ましいビタミンC誘導体としては、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸2ナトリウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸-2-グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム;グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸、3-グリセリルアスコルビン酸、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸 、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、マレイン酸アスコルビルトコフェリル等が挙げられる。好ましくは、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸;アスコルビン酸-2-グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、3-グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸、3-グリセリルアスコルビン酸、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、及びマレイン酸アスコルビルトコフェリルからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸-2-グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、及び(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくは、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、及びアスコルビン酸-2-グルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、更により好ましくは、アスコルビルリン酸マグネシウム、3-O-エチルアスコルビン酸、及びアスコルビン酸-2-グルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、特に好ましくは3-O-エチルアスコルビン酸である。
【0031】
アルブチンは、ハイドロキノンにグルコースを結合させて得られ、ハイドロキノンとグルコースの結合がα結合であるものをα-アルブチン、β結合であるものをβ-アルブチンと呼ぶ。本発明の(B)成分としては、α-アルブチン、β-アルブチンのいずれも好適に用いることができるが、βアルブチンがより好ましい。
【0032】
トラネキサム酸類は、トラネキサム酸、トラネキサム酸の誘導体、及びこれらの塩を包含する。トラネキサム酸は、trans-4-(アミノメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸とも称される化合物であり、公知の方法により合成してもよく、市販品として入手することもできる。トラネキサム酸の誘導体としては、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、トラネキサム酸の二量体;トラネキサム酸メチルアミド、トラネキサム酸エチルアミドなどのトラネキサム酸のアミド体;トラネキサム酸ハイドロキノンエステル;ビタミンAエステル、ビタミンEエステル、ビタミンCエステル等のトラネキサム酸ビタミンエステル;トラネキサム酸ゲンチシン酸エステル;トラネキサム酸セチル;又はこれらの塩等のトラネキサム酸エステル誘導体等を例示することができる。これらのトラネキサム酸の誘導体は、公知の方法により合成してもよく、市販品として入手することもできる。中でも、本発明の(B)成分としては、トラネキサム酸が好ましい。
【0033】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物全量に対する(B)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定されるが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更により好ましくは1質量%以上である。
(B)成分の総含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
(B)成分の含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.01~10質量%、更に好ましくは0.1~8質量%、更により好ましくは0.5~6質量%、特に好ましくは1~5質量%である。
【0034】
(B)成分としてニコチン酸アミドを含有する場合、ニコチン酸アミドの含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは、1.5~20質量%、より好ましくは2~15質量%、更に好ましくは3~10質量%、更により好ましくは3~8質量%である。
【0035】
(B)成分としてビタミンC誘導体及びこれらの塩を含有する場合、ビタミンC誘導体及びこれらの塩の含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは、0.01~10質量%、より好ましくは0.5~8質量%、更に好ましくは1~5質量%、更により好ましくは1~3質量%である。
【0036】
(B)成分としてアルブチンを含有する場合、アルブチンの含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは、0.01~5質量%、より好ましくは0.1~4.8質量%、更に好ましくは0.5~4.5質量%、更により好ましくは0.5~4質量%、特に好ましくは1~3質量%である。
【0037】
(B)成分としてトラネキサム酸類を含有する場合、トラネキサム酸類の含有量は、皮膚外用組成物全量に対して、好ましくは、0.01~10質量%、より好ましくは0.5~8質量%、更に好ましくは0.5~5質量%、更により好ましくは1~3質量%、特に好ましくは1.2~3質量%である。
【0038】
本発明の皮膚外用組成物中の(A)成分の総含有量1質量部に対する(B)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.0002~10000質量部、より好ましくは0.001~8000質量部、更に好ましくは0.01~5000質量部、更により好ましくは0.1~1000質量部、特に好ましくは0.5~500質量部である。
【0039】
[(C)成分]
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果をさらに高める観点から、(A)成分及び(B)成分に加えて、さらに(C)成分としてフェノキシエタノール、ジプロピレングリコール、及び両親媒性成分からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を含有する。
【0040】
両親媒性成分は、一つの分子内に親水基と疎水基(親油基)の両方が存在し、その結果水相と油相(有機相)のいずれにも親和性がある化合物全般を指す。
【0041】
このような両親媒性成分としては、特に限定されないが、例えば、アルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、炭素数5~10のアルカンジオール等が挙げられる。本発明の(C)成分としては、これらの化合物のいずれか単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
(C)成分は、好ましくは、フェノキシエタノール、下記一般式(II)で表されるアルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、及び、炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
【0043】
本発明に用いられるアルキレンオキシド誘導体は、下記式(II)で表される。
【0044】
Z-[O-(AO)a(EO)b-(BO)c-H]n (II)
(式中
nは1~9の整数であり;
Zは、水素原子、又は炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;
AOは3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
EOはオキシエチレン基であり;
BOは4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
a、b、及びcはそれぞれAO、EO、及びBOの平均付加モル数であって、それぞれ独立して0~200であり;a、b、及びcが全て0であることはなく;
AO及びEOはランダム状に付加しても、ブロック状に付加してもよく;
nが2以上の場合は、複数のa、b、及びcはそれぞれ同一でも異なってもよく、
Zが水素原子の場合は、nは1である)。
【0045】
前記アルキレンオキシド誘導体としては、下記一般式(III)で表される化合物であってもよい。
【0046】
Z-[O-(AO)a(EO)b-H]n (III)
(式中
nは1~9の整数であり;
Zは、水素原子、又は炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり;
AOは3~4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基であり;
EOはオキシエチレン基であり;
a及びbはそれぞれAO、EO、及びBOの平均付加モル数であって、それぞれ独立して0~200であり;a及びbが全て0であることはなく;
AO及びEOはランダム状に付加しても、ブロック状に付加してもよく;
nが2以上の場合は、複数のa及びbはそれぞれ同一でも異なってもよく、
Zが水素原子の場合は、nは1である)。
【0047】
化学式(II)及び(III)において、Zは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは水素原子、又は、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アルキルグルコシド、ジグリセリン、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、スクロース、トレハロース、マルチトール若しくは炭素数1~30のヒドロキシ化合物からn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり、より好ましくは水素原子、又は、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、ペンタエリスリトール、アルキルグルコシド、グリセリン、ジグリセリン若しくはソルビトールからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり、更に好ましくは、水素原子、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、アルキルグルコシド、ジグリセリン又はグリセリンからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基であり、更により好ましくは、水素原子、炭素数4~24のアルキルモノアルコール、ジグリセリン又はグリセリンからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である。
【0048】
化学式(II)及び(III)において、Zが炭素数4~24のアルキルモノアルコールの場合は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、中でもブチルアルコール、テトラデシルテトラアルコール、セタノール、又はステアリルアルコールが好ましく、ブチルアルコールがより好ましい。
【0049】
化学式(II)及び(III)において、Zがアルキルグルコシドの場合は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、中でもアルキル基部分が炭素数1~24のアルキルグルコシドが好ましく、アルキル基部分が炭素数1~16のアルキルグルコシドがより好ましく、アルキル基部分が炭素数1~10のアルキルグルコシドが更により好ましく、アルキル基部分が炭素数1~5のアルキルグルコシドが特に好ましい。
【0050】
化学式(II)及び(III)のAOは炭素数3~4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基、オキシブチレン基(オキシn-ブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt-ブチレン基)、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。AOは、好ましくは、オキシプロピレン基又はオキシブチレン基であり、更に好ましくはオキシプロピレン基である。
BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、例としてはオキシブチレン基(オキシn-ブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt-ブチレン基)、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。好ましくはオキシブチレン基である。
【0051】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、a,b,cは、それぞれ独立して0~200である。a,b,cは、それぞれ独立して、好ましくは、1~200であり、より好ましくは、2~150であり、更に好ましくは、2~100であり、特に好ましくは2~70である。
【0052】
化学式(II)において、AO、EO、BOの各モノマー単位の合計数であるa+b+cは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であり、また、好ましくは450以下、より好ましくは350以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは250以下である。
【0053】
化学式(II)及び(III)において、AO、EOの各モノマー単位の合計数であるa+bは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上である。また、a+bは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは250以下、特に好ましくは200以下である。
【0054】
本発明に用いられるアルキレンオキシド誘導体の分子量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは120以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは300以上、特に好ましくは400以上である。
また、アルキレンオキシド誘導体の分子量は、好ましくは50000以下、より好ましくは10000以下、更に好ましくは5000以下である。
【0055】
前記式(II)及び(III)のアルキレンオキシド誘導体の性状は、本発明の効果を奏する限り限定はされないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、25℃で半固形状(ペースト状を含む)~液体状である成分である。
【0056】
また、このようなアルキレンオキシド誘導体は、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビット、ポリオキシアルキレンエリスリトールエーテル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンキシリトール、ポリオキシアルキレンジペンタエリスリトール、ポリオキシアルキレンイノシトール、ポリオキシアルキレンスクロースエーテル、ポリオキシアルキレントレハロースエーテル、ポリオキシアルキレンマルチトールエーテル等があげられる。中でも、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシプロピレンエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエリスリトールエーテル、ポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンキシリトール、ポリオキシプロピレンアルキレンキシリトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンキシリトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジペンタエリスリトール、ポリオキシエチレンジペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレジペンタエリスリトール、ポリオキシエチレンイノシトール、ポリオキシプロピレンイノシトール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイノシトール、ポリオキシエチレンスクロースエーテル、ポリオキシプロピレンスクロースエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスクロースエーテル、ポリオキシエチレントレハロースエーテル、ポリオキシプロピレントレハロースエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントレハロースエーテル、ポリオキシエチレンマルチトールエーテル、ポリオキシプロピレンマルチトールエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が更に好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が更により好ましい。
【0057】
このようなアルキレンオキシド誘導体は、市販品として、特に限定されないが、例えば、WILBRIDE S-753(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.))、WILBRIDE MG2070(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシド)、マクビオブライドMG-10E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10E.O.))、マクビオブライドMG-20E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.))、マクビオブライドMG-20P(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20P.O.))、マクビオブライドMG-10P、ユニルーブ5TP-300KB(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル(5E.O.)(65P.O.))、ユニルーブ50MB-26(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(17E.O.)(17P.O.))、ユニルーブ50MB-168(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(37E.O.)(38P.O.))、ユニルーブ50MB-11(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(9E.O.)(10P.O.))、ユニセーフ10P-8(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(10E.O.)(8P.O.))、ユニルーブMT-630B(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(30E.O.)(6P.O.))、ソルビュールGS-01(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(24E.O.)(13P.O.))、ユニルーブMS-70K(ポリオキシプロピレンステアリルエーテル(15P.O.))、ユニオールHS-1600D(ポリオキシプロピレンソルビット(25P.O.))、プロノン#208(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(150E.O.)(35P.O.))、ユニオールD-2000(ポリプロピレングリコール(34P.O.))ユニオックスG-1200(ポリオキシエチレングリセリン(26E.O.))、ユニオールTG-3000(ポリオキシプロピレングリセリン(50P.O.))、ユニルーブDGP-700(ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(9P.O.))、ユニルーブDGP-950(ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(14P.O.))(以上、日油(株)製);SY-DP14T(ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(14P.O.))、SY-DP9(ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(9P.O.))、SY-DP14T(ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(14P.O.))(以上、阪本薬品工業(株)製);ブラウノンGL-26、(ポリオキシエチレングリセリン(26E.O.))(以上、青木油脂(株)製)、ニューポールGP-1000(ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(16P.O.))、ニューポールSP-750(ポリオキシプロピレンソルビトール(10P.O.))、ニューポールPE-68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(160E.O.)(30P.O.))、ニューポールPE-78(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(150E.O.)(35P.O.))、ニューポールGEP-2800(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24E.O.)(24P.O.)(以上、三洋化成(株)製);NIKKOL SG-G2424(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(24E.O.)(24P.O.)、NIKKOL SG-DTD630(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(30E.O.)(6P.O.)、NIKKOL SG-DTD620(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(20E.O.)(6P.O.))、NIKKOL PEN-4612(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(12E.O.)(6P.O.))(以上日光ケミカルズ製);GLUCAM P-10(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.))、GLUCAM P-20(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.))GLUCAM E-10(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10P.O.))、及びGLUCAM E-20(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20P.O.))(以上、ルーブリゾール社製)等を用いることができる。
【0058】
アルキレンオキシド誘導体の市販品としては、本発明の効果を顕著に奏する観点から、ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、ユニオールHS-1600D、プロノン#208、プロノン#124P、ユニオールD-2000、マクビオブライドMG-10E、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-10P、マクビオブライドMG-20P、WILBRIDE MG2070、ユニルーブ5TP-300KB、ユニルーブ50TG-32、WILBRIDE S-753、ユニオックスG-1200、ユニルーブDGP-700、ユニルーブDGP-950、SY-DP14、SY-DP9、ニューポールGP-1000、ニューポールSP-750、ニューポールPE-68、ニューポールPE-78、ニューポールGEP-2800、NIKKOL SG-G2424、GLUCAM P-10、GLUCAM P-20、GLUCAM E-10、NIKKOL PEN-4612、NIKKOL SG-DTD620、NIKKOL SG-DTD630、ユニルーブMT-630B、ソルビュールGS-01、GLUCAM E-20及びエマルゲンPP-290からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、
ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、ユニオールHS-1600D、プロノン#208、プロノン#124P、ユニオールD-2000、マクビオブライドMG-10E、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-10P、マクビオブライドMG-20P、WILBRIDE MG2070、WILBRIDE S-753、ユニオックスG-1200、ユニルーブ50TG-32、ユニルーブDGP-700、ユニルーブDGP-950、SY-DP14、SY-DP9、ニューポールGP-1000、ニューポールSP-750、ニューポールPE-68、ニューポールPE-78、ニューポールGEP-2800、NIKKOL SG-G2424、GLUCAM P-10、GLUCAM P-20、GLUCAM E-10、NIKKOL PEN-4612、NIKKOL SG-DTD620、NIKKOL SG-DTD630、ユニルーブMT-630B、ソルビュールGS-01、GLUCAM E-20及びエマルゲンPP-290からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、
ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、WILBRIDE S-753、WILBRIDE MG2070、マクビオブライドMG-20P、マクビオブライドMG-10P、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-10E、ユニルーブDGP-700、ユニルーブDGP-950、SY-DP14、SY-DP9、GLUCAM P-10、GLUCAM P-20、GLUCAM E-10、NIKKOL PEN-4612、NIKKOL SG-DTD620、NIKKOL SG-DTD630、ユニルーブMT-630B、ソルビュールGS-01及びGLUCAM E-20からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが更に好ましく、
ユニルーブ50MB-26、ユニルーブ50MB-168、 WILBRIDE S-753、WILBRIDE MG2070、マクビオブライドMG-20P、マクビオブライドMG-10P、マクビオブライドMG-20E、マクビオブライドMG-10E、ユニルーブDGP-700、ユニルーブDGP-950、GLUCAM P-10、GLUCAM P-20、GLUCAM E-10、SY-DP14、及びSY-DP9からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが更により好ましい。
【0059】
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体は、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを含むモノマーを重合させて得られるポリマーである。本発明に用いられる2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、Lipidure-PMB(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液、ポリクオタニウムー51)、及びLipidure-HM(ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)(いずれも日油(株)製)からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、Lipidure-PMBがより好ましい
【0060】
二価カルボン酸エステルは、二価のカルボン酸とグリコール、グリコールエーテル等のヒドロキシ基で縮合した化合物であり、特に限定されないが、例えば、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(トリエチレングリコールモノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(トリエチレングリコールモノエチルエーテル)、及びコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエチルヘキシルが挙げられ、中でも(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、コハク酸ジエトキシエチル、及びコハク酸ジエチルヘキシルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル及びシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種がより好ましく、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールが更に好ましい。また、市販品としては、特に限定されないが、コハク酸ジエトキシエチル(CRODAMOL DES)、コハク酸ジエチルヘキシル(CRODAMOL OSU)(いずれもクローダジャパン(株)製)、Neosolue-Aqua・Neosolue-AquaS((エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル)、Neosolue-Aqulio(シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール)(いずれも日本精化(株)製)等が利用できる。
【0061】
アルカンジオールは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、炭素数が、好ましくは5~10、より好ましくは5~8、更に好ましくは5~6である。例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、及び1,2-オクタンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種がより好ましく、1,2-ペンタンジオールが更に好ましい。また、市販品としては、特に限定されないが、HYDROLITE-5、HYDROLITE-5 Green(シムライズ(株)製)、KMO-6(大阪有機化学工業製)、マイクロケア Emollient PTGJ、マイクロケアEmollient HXD(THOR製)、ジオールPD、ジオールPD-V(高級アルコール工業(株)社製)、CleanBio-HD(Kolon Life Science,Inc.製)、Lexgard(登録商標)H(Inolex Chemical Company製)等が利用できる。
【0062】
(B)成分がビタミンC誘導体である場合、(C)成分としては、フェノキシエタノール、アルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、及び炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、アルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、二価カルボン酸エステル、及び炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましく、Zが炭素数4~24のアルキルモノアルコール又はグリセリンからn個のヒドロキシ基を除去することによって得られる基である式(II)のアルキレンオキシド誘導体、二価カルボン酸エステル、及び炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが更に好ましい。
(B)成分がアルブチンである場合、(C)成分としては、ジプロピレングリコール、アルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、及び炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、アルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、二価カルボン酸エステル、及び炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましい。
(B)成分がトラネキサム酸類である場合、(C)成分としては、ジプロピレングリコール、アルキレンオキシド誘導体、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体、二価カルボン酸エステル、及び炭素数5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、二価カルボン酸エステル及び炭素数が5~10のアルカンジオールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましい。
【0063】
(C)成分の総含有量は、特に限定されず、水溶性多糖類の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.01質量%以上、更に好ましくは、0.1質量%以上、更により好ましくは、0.3質量%以上、特に好ましくは、0.5質量%以上である。
(C)成分の総含有量は、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、20質量%以下、更に好ましくは、15質量%以下、更により好ましくは、10質量%以下である。
(C)成分の総含有量は、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、0.001~30質量%であり、より好ましくは、0.01~20質量%であり、更に好ましくは、0.1~15質量%であり、更により好ましくは、0.3~10質量%であり、特に好ましくは、0.5~10質量%である。
【0064】
(C)成分のうち、フェノキシエタノールの含有量は、特に限定されず、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは0.001~5質量%、より好ましくは0.01~3質量%、更に好ましくは0.05~2質量%、更により好ましくは0.1~1質量%である。
(C)成分のうち、ジプロピレングリコールの含有量は、特に限定されず、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.1~15質量%、更に好ましくは0.5~12質量%、更により好ましくは1~10質量%である。
(C)成分のうち、両親媒性成分の含有量は、特に限定されず、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは0.001~20質量%であり、より好ましくは、0.01~15質量%であり、更に好ましくは、0.1~10質量%であり、更により好ましくは、0.5~8質量%である。
(C)成分の両親媒性成分のうち、二価カルボン酸エステル及び又はアルキレンオキシド誘導体の含有量は、特に限定されず、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.1~15質量%、更に好ましくは0.5~10質量%、更により好ましくは0.5~8質量%である。
(C)成分の両親媒性成分のうち、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン含有重合体の含有量は、特に限定されず、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、0.001~1質量%、より好ましくは、0.005~0.5質量%、さらに好ましくは、0.01~0.4質量%、さらにより好ましくは、0.01~0.2質量%である。
(C)成分の両親媒性成分のうち、炭素数5~10のアルカンジオールの含有量は、特に限定されず、本発明の効果を顕著に奏する観点から、皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.05~15質量%、更に好ましくは0.1~12質量%、更により好ましくは0.5~10質量%、特に好ましくは1~10質量%、特により好ましくは1~5質量%である。
【0065】
本発明の皮膚外用組成物中の(B)成分の総含有量1質量部に対する(C)成分の総含有量は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは0.0005~3000質量部、より好ましくは0.002~200質量部、更に好ましくは0.01~100質量部、更により好ましくは0.02~30質量部、特に好ましくは0.1~10質量%である。
【0066】
[その他の成分]
本発明の皮膚外用組成物には、前述した(A)~(C)成分以外に、他の有用な作用を付加するため、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、殺菌成分、清涼化剤、有機酸、抗糖化成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、多価アルコール、角質柔軟成分、ビタミン類、血行促進成分、皮脂吸着成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体等の各種成分を、1種又は2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。また、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の効能の成分として添加できるものとする。
【0067】
前記紫外線散乱剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、更にシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩、アルキルチタネート等で処理したもの等が挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカやタルク等の無機粉体やシリコ-ン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して例えば約0.001~35質量%、好ましくは約0.1~25質量%である。
【0068】
前記紫外線吸収剤としては、限定はされないが、好ましくは、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、安息香酸エステル誘導体紫外線吸収剤、トリアジン誘導体紫外線吸収剤、ベンザルマロナート誘導体紫外線吸収剤、オクトクリレン系紫外線吸収剤、イミダゾールスルホン酸誘導体紫外線吸収剤、ベンゾフェノン誘導体紫外線吸収剤等であり得る。
【0069】
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸-2-エチルヘキシル、サリチル酸ホモメンチル、又はサリチル酸エチレングリコール等のサリチル酸系紫外線吸収剤;ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル;パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル等の安息香酸エステル誘導体紫外線吸収剤;ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル;2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾ-ルー2イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール];2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン等のトリアジン誘導体;ジメチコジエチルベンザルマロネート等のベンザルマロナート誘導体紫外線吸収剤;2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル等のオクトクリレン紫外線吸収剤;2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム等のイミダゾールスルホン酸誘導体紫外線吸収剤;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、又はテトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0070】
本発明において、限定はされないが、このような紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾ-ル-2イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2,4-ビス-[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル、及び2-フェニルベンゾイミダゾ-ル-5-スルホン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0071】
紫外線吸収剤は、市販されている製品を用いるか、又は合成して用いることができる。
【0072】
市販されている製品としては、限定はされないが、Parsol EHS (DSMニュートリションジャパン社製)、ESCALOL 587(アシュランドジャパン社製)、EusolexOS(Merk社製)、Parsol HMS (DSMニュートリションジャパン社製)、Uvinul MC80(BASF社製)、Parsol MCX(DSMニュートリションジャパン社製)、Parsol 1789(DSMニュートリションジャパン社製)、ユビナールA Plus Granular、ソフトシェードDH、Tinosorb M(BASF社製)、Milestab 360、Mixxim BB/100、Tinosorb S(BASF社製)、Uvasorb HEB、ユビナール T150(BASF社製)、Heliosun OTZ(O’Laughlin Industries 社製)、Parsol SLX(DSMニュートリションジャパン社製)、Parsol 340(DSMニュートリションジャパン社製)、エスカロール597(アシュランドジャパン社製)、Parsol HS(DSMニュートリションジャパン社製)、Eusolex232(Merk社製)、NeoHeliopanAP(ハーマン&レイマー社製)、ユビナールM40、エスカロール567アシュランドジャパン社製)、ユビナールMS40(BASF社製)、SEESORB107(シプロ化成社製)、SEESORB100(シプロ化成社製)、SEESORB106(シプロ化成社製)を挙げることができる
【0073】
本発明の皮膚外用組成物において、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の全量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは6質量%以上、更により好ましくは7質量%以上である。また、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の全量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下更に好ましくは、10質量%以下である。また、紫外線吸収剤の総含有量は、組成物の全量に対して、好ましくは1~20質量%、より好ましくは3~15質量%、更に好ましくは5~10質量%、更により好ましくは7~10質量%である。
【0074】
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分に対する紫外線吸収剤の総含有量の比率は、特に限定されないが、(B)成分1質量部に対して、紫外線吸収剤が、好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.1~15質量部、更に好ましくは0.1~10質量部、更により好ましくは0.1~6質量部、特に好ましくは0.5~4質量部、特により好ましくは1~2質量部である。
本発明の皮膚外用組成物において、(B)成分がビタミンC誘導体及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上である場合、(B)成分に対する紫外線吸収剤の総含有量の比率は、特に限定されないが、(B)成分1質量部に対して、紫外線吸収剤が、好ましくは0.5~20質量部、より好ましくは1~18質量部、更に好ましくは2~15質量部、更により好ましくは5~10質量部である。
【0075】
また、これらの紫外線散乱剤や紫外線吸収剤は、別の成分に複合化、担持、カプセル化されていてもよく、それらの組み合わせは特に限定されない。
【0076】
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;DNA、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分の含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~3質量%、好ましくは、約0.01~1質量%である。動物成分や植物成分を用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、好ましくは、約0.00001~0.1質量%、より好ましくは約0.0001~0.01質量%である。
【0077】
美白成分としては、例えば、プラセンタ;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ハイドロキノン、4-メトキシサリチル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体;アスコルビン酸とその塩等のビタミンC類、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類、バチルアルコール等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、アセロラ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アセンヤク、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ムラサキシキブ、ソウズク、グレープフルーツ、トゲナシ、レモン、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、デビルズクロー、サンシュユ等に由来する成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明の皮膚外用組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、前記植物成分中に記載の括弧内は、その植物の学名、別名又は生薬名である。
【0078】
本発明において、特に限定はされないが、このような美白成分としては、プラセンタ;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ハイドロキノン;4-メトキシサリチル酸カリウム塩;リノール酸及びその誘導体;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム;イリス、アーモンド、アロエ、アセロラ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、シソ、シャクヤク、ソウハクヒ、ダイズ、茶、トウキンセンカ、ハマメリス、ボタンピ、ヨクイニン、キウイ、セージ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プルーン、シモツケソウ、ムラサキシキブ、ソウズク、グレープフルーツ、トゲナシ、レモン、マツ、ニーム、アーティチョーク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリー、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ローズマリー、ラベンダー、デビルズクロー、及びサンシュユより抽出される抽出物からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
プラセンタ;コウジ酸;フィチン酸;ハイドロキノン;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム;イリス根エキス、アーモンド油、アロエベラエキス、アセロラエキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、海藻エキス、カッコンエキス、カミツレエキス、シャクヤクエキス、ソウハクヒエキス、ダイズエキス、チャエキス、シロチャエキス、トウキンセンカ、ハマメリス、ヨクイニンエキス、ハトムギエキス、ホップエキス、プルーン抽出液、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、シモツケソウエキス、ムラサキシキブエキス、アルピニアカツマダイ種子エキス、グレープフルーツエキス、イザヨイバラエキス、レモンエキス、キウイエキス、マツエキス、ニーム葉エキス、アーティチョークエキス、スギナエキス、オオバクエキス、メマツヨイグサエキス、月見草油、ビルベリー葉エキス、ヒメフウロエキス、アッケシソウエキス、セイヨウシロヤナギエキス、ツボクサエキス、ハルパゴフィタム根エキス、及びサンシュユ果実エキスからなる群より選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
【0079】
本発明の皮膚外用組成物に以上説明した美白成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。植物エキスを用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%、より好ましくは、0.001~10質量%である。
【0080】
抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、グアイアズレン、アズレンなど)、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、サリチル酸グリコール、植物(例えば、コンフリー、オウレン、ドクダミ)に由来する成分、等が挙げられる。好ましくは、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体又はドクダミエキスからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくは、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、及びアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上である。抗炎症成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。
【0081】
抗菌成分又は殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノグリシン、塩化セチルピリジニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ピロクトオラミン、ジンクピリチオン、ミコナゾール若しくはその塩、クロロブタノール、カプリル酸グリセリル、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、メチルイソチアゾリノン、ソルビン酸、β-グリチルレチン酸、アゼライン酸、植物(例えば、クララ、ローズマリー、クワ、ユーカリなど)に由来する成分等が挙げられる。
中でも、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、エタノール、塩化セチルピリジニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、グルコン酸、イソプロピルメチルフェノール、パラベン、フェノキシエタノール、塩化セチルピリジニウム、ジンクピリチオン、クロロブタノール、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、ソルビン酸、β-グリチルレチン酸、ローズマリーエキス、及びユーカリエキスからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。抗菌成分又は殺菌成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.001~5質量%である。
【0082】
清涼化剤としては、例えば、メントール及びその誘導体、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。中でもl-メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、メンチル3-ヒドロキシブチレート、メントキシプロパンジオール、カンフル、ユーカリ油、ペパーミント油、ハッカ油との組み合わせが好ましい。清涼化剤を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、0.001~5質量%以上、好ましくは0.005~3質量%以上、より好ましくは0.01~1質量%以上である。
【0083】
上記有機酸としては、例えば、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、パントテン酸、グリチルレチン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、アジピン酸、グルタミン酸、アゼライン酸及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、例えば、硫酸、塩酸又はリン酸等の鉱酸の塩、マレイン酸又はメタンスルホン酸等の有機酸の塩、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミンのようなアミン塩等が挙げられる。中でもグルコン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコール酸、フィチン酸、酒石酸、乳酸、及びグリチルレチン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
【0084】
抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エーデルワイスエキス、イチョウエキス、サクラ葉エキス、ザクロエキス、セイヨウオオバコエキス、セイヨウサンザシエキス、シャクヤクエキス、ドクダミエキス、ビルベリー葉エキス、緑茶エキス、紅茶エキス、マロニエエキス、ローマカミツレエキス、ヨモギエキス等の植物エキス、月見草油、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物、L-アルギニン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。抗糖化成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.001~5質量%である。
【0085】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸、ピロロキノリンキノン類などのビタミン類;グルコン酸、フィチン酸、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、プラセンタ、プロテオグリカン、感光素301号、植物(たとえば、ダイズ、ビルベリー、レモングラス、アロエベラ、クロレラ、ヒオウギ、ヨクイニン、カミツレ、ドクダミ、ホップ、ニンジンなど)に由来する成分;ローヤルゼリー、ローヤルゼリーエキス;ホエイ、ヨーグルトエキス、加水分解乳タンパク等の乳清由来エキス、酵母エキス等が挙げられる。細胞賦活化成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.001~5質量%である。
【0086】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、植物(例えば海藻、タイム、紅茶、ウーロン茶、緑茶、オトギリソウ、ハマメリス、ビワ、ボタンピ、ユキノシタ、ルイボス、レンゲソウ、アーティチョーク、カミツレ、ユーカリ、レモン、ローズマリー、ワレモコウなど)に由来する成分等が挙げられる。収斂成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~20質量%、好ましくは、約0.01~10質量%である。
【0087】
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、植物(例えばオトギリソウ、カッコン、ビルベリー、オウゴン、クダモノトケイソウ、グレープフルーツ、シャクヤク、シモツケソウ、シソ、スイカズラ、セージ、セイヨウノコギリソウ、ゼニアオイ、シモツケソウ、ソウハクヒ、チョウジ、チンピ、ヒメフウロ、ビワ、ベニバナ、ボタンピ、ホップ、ユーカリ、ユキノシタ、ルイボス、レモングラス、ダイズ、ヨモギ、メマツヨイグサ、ローズマリー、ラベンダーなど)に由来する成分等が挙げられる。抗酸化成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して例えば約0.00001~10質量%、好ましくは約0.0001~5質量%、より好ましくは0.001~5質量%である。
【0088】
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン、ペプチド類(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)、植物(アーティチョーク、イザヨイバラ、海藻、ビルベリー、シラカバ、セイヨウオオバコ、トウキ、オウゴン、オトギリソウ、コンフリー、ニーム、ノバラ、ヒオウギ、ヒメフウロ、ボダイジュ、ボタンピ)等が挙げられる。中でも、加水分解大豆タンパク、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24、アーティチョーク葉エキス、海藻エキス、ビルベリー葉エキス、コンフリー葉エキス、ニーム葉エキス、ヒメフウロエキスが好ましい。老化防止成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。
【0089】
保湿成分としては、例えば、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリセリン、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオールなどの多価アルコール;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース・ショ糖縮合物(グルコオリゴ糖)、加水分解キシラン(キシロオリゴ糖)、グリセリルグルコシドなどの糖アルコール;グリコシルトレハロース、トレハロース;セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール、フィトステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分;ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸等を含む);ヒアルロン酸の塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、低分子ヒアルロン酸亜鉛等);ヒアルロン酸誘導体(アセチル化ヒアルロン酸又はその塩(例えば、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸亜鉛等)、架橋型ヒアルロン酸誘導体(ヒアルロン酸クロスポリマーNa等)、カルボキシメチルヒアルロン酸Na、不飽和ヒアルロン酸又はその塩、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、カチオン化ヒアルロン酸誘導体(ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム等)、ヒアルロン酸ジメチルシラノール等);コンドロイチン硫酸又はその塩(コンドロイチン硫酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸カリウム、デルマタン硫酸ナトリウム、デルマタン硫酸カリウム等);ヘパリン類似物質、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;ヒドロキシエチルウレア;植物(たとえば、アロエ、海藻、カッコン、クロレラ、レモングラス、カミツレ、ハマメリス、チャ、シソ、グレープフルーツ、アマチャヅルなど)に由来する成分、等が挙げられる。中でも、グリシン、アルギニン、グリセリン、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、グリコシルトレハロース、セラミド、グルコシルセラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、フィトステロール誘導体、水素添加レシチン、乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素、加水分解ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸亜鉛、低分子ヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ヒドロキシエチルウレア、海藻エキス、カミツレエキス、ハマメリスエキス、アマチャヅルエキスから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。保湿成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~20質量%、好ましくは、約0.01~10質量%である。
【0090】
多価アルコールとしては、例えば、炭素数2~4又は11以上のジオール、ヒドロキシ基3個以上を有する多価アルコール等が挙げられ、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコールが挙げられる。中でもグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1、3-ブチレングリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上との組み合わせが好ましい。多価アルコールを配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や保湿効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.1~20質量%、好ましくは、約0.5~15質量%である。
【0091】
角質柔軟成分としては、例えば、アジピン酸、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸、フルーツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が挙げられる。中でも、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、サリチル酸、フィチン酸、クエンとの組み合わせが好ましい。角質柔軟成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、0.0001~50質量%、好ましくは約0.001~50質量%、より好ましくは約0.01~25質量%である。
【0092】
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、リノール酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d-δ-トコフェリルレチノエート、α-トコフェリルレチノエート、β-トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;δ-トコフェロール、dl-α-トコフェロールコハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、ニコチン酸トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、リノール酸トコフェロール、(リノール酸/オレイン酸)トコフェロール等のビタミンE類;γ-オリザノール、チアミン、及びそれらの塩(例えば、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンニリン酸塩)等のビタミンB1類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル、及びそれらの塩等のビタミンB2類;ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸などの上記(A)成分以外のニコチン酸類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等のビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D-パンテテイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル、パンテテインスルホン酸カルシウム等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸、γ-オリザノール、ピロロキノリンキノン、ヘスペリジン及びグルコシルヘスペリジン、ユビキノン、及びこれらの塩等のビタミン様作用因子等が挙げられる。中でもビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンE類、ビタミンA類、ビタミン様作用因子との組み合わせが好ましく、特に塩酸ピリドキシン、パントテニルアルコール(パンテノール)、リボフラビン、シアノコバラミン、アスコルビン酸、酢酸dl-α-トコフェロール、レチノール、パルミチン酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酢酸レチノール、ピロロキノリンキノン又はその塩、ユビキノン、γ-オリザノールからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。ビタミン類を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~30質量%、好ましくは、約0.01~25質量%、より好ましくは、約0.01~20質量%である。
【0093】
血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、ショウキョウ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジン、カフェイン、トウガラシチンキ、ガンマーオリザノール、カプサイシン、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。血行促進成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~10質量%、好ましくは、0.0001~5質量%、より好ましくは、約0.001~5質量%である。植物由来成分を用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%、より好ましくは、0.001~10質量%である。
【0094】
皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタイト、及び、酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.001~35質量%、好ましくは、約0.1~25質量%である。
【0095】
上記ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。中でもケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、魚由来コラーゲンエラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、サクシニル化アテロコラーゲン、エラスチン分解ペプチド、加水分解シルク、大豆蛋白分解ペプチド、及び加水分解大豆蛋白からなる群より選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがより好ましい。ペプチド又はその誘導体を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0001~35質量%、好ましくは、約0.001~10質量%である。
【0096】
上記アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、トレオニン、チロシン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン、イプシロンアミノカプロン酸、トリプトファン、オルニチン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等が挙げられる。またこれらアミノ酸又はその誘導体は、水和物等の溶媒和物であってもよく、更にd体、l体、dl体の何れであってもよい。中でもl体のアミノ酸及びその誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0097】
また本発明の皮膚外用組成物には、(A)~(C)成分以外に、前記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合してもよい。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激低減剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの含有量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができる。さらに、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の機能の成分として添加できるものとする。
【0098】
基剤又は担体としては、水などの水系基剤;流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリブテン、ポリエチレン末、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α-オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン、軽質イソ流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロールのような高級アルコール;イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びベヘン酸のような高級脂肪酸;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、アジピン酸ジイソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソトリデシル、乳酸セチル、イソステアリン酸イソステアリル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、水素添加ホホバ油、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリメリト酸トリ2-エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、オレイン酸オレイル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、クエン酸トリエチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルのようなエステル類;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;アボガド油、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ種子油、ヒマワリ油、アーモンド油、シア脂、サザンカ油、ナタネ油、ゴマ油、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油等の油脂;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトールなどの糖アルコール;水等が挙げられる。これらの成分から選ばれる基剤又は担体としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。本発明の皮膚外用組成物が水を含有する場合、その含有量は、水の量は、化粧料の形態によって異なり、特に限定されない。本発明の皮膚外用組成物の全量に対して、例えば、水の量は、好ましくは5~99%、より好ましくは、8~95%、更により好ましくは10~90%である。
【0099】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノステアレート、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート及びオリーブ油脂肪酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン(20)フィトステロール、ポリオキシエチレン(30)フィトステロール、ポリオキシエチレン(25)フィトスタノール、ポリオキシエチレン(30)コレスタノール等のポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩、アシル化タウレート;ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのシリコーン系界面活性剤;レシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。
【0100】
増粘剤としては、例えば、ガム類(ジェランガム、キサンタンガム、スクレロチウムガム、ローカストビーンガム、ビオサッカリドガム、タマリンドガム、クインスシード、アラビアガム、タラガム、グアーガム、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム等);カラギーナン、カードラン、サクシノグルカン;ヘパリン類似物質;アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等);寒天(アガロースを含む);ゼラチン、ペクチン;プルラン;マンナン;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤、デキストラン、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ポリエチレングリコール、マクロゴール、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。中でも、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーが好ましい。
【0101】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、L-システイン塩酸塩、コエンザイムQ10等のユビキノン類、セサミン等のリグナン、クルクミン、カプサイシン、ジンゲロール、レスベラトロール、アントシアニン、シアニジン、ビルベリーエキス及びこれらの類縁体もしくは誘導体等が挙げられる。
【0102】
保存剤又は防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸及びその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、メチルイソチアゾリノン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコール、等が挙げられる。
【0103】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二酸化炭素、有機塩基(アルギニントリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)等が挙げられる。
【0104】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0105】
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0106】
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0107】
着色剤としては、顔料級酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、有機顔料、タルク、セリサイト、マイカ、合成マイカ、酸化クロム、グンジョウ等が挙げられる。
【0108】
また、感触改良やメイキャップ効果の付与等の為に粉体を配合してもよく、具体的には窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属石鹸、シリコーン粉体、ポリメチルメタクリル酸メチル等が挙げられる。
【0109】
[粘度]
本発明の皮膚外用組成物の粘度(25℃)は、1~500000mPa・sの範囲内であれば、特に制限されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、2~500000mPa・s、より好ましくは、3~300000mPa・s、更に好ましくは、5~200000mPa・sである。主に、添加成分である増粘剤の種類や含有量を適宜選択することにより、このような粘度の皮膚外用組成物を得ることができる。
【0110】
なお本発明において、粘度の測定は、第17改正日本薬局方の一般試験法に記載の粘度測定法に準拠し、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)にて行う。本願ではRB-80H(東機産業)を使用し、ロータや回転速度等の条件の選定は、本機の取扱説明書に準拠し、25℃における粘度を測定する。単一円筒形回転粘度計に関する説明を以下に記載する。単一円筒形回転粘度計は、液体中の円筒を一定角速度で回転させたときのトルクを測定する粘度計である。あらかじめ粘度計校正用標準液を用いて実験的に装置定数KBを定めることにより、液体の粘度ηを次式によって算出する。
η=KB × T/ω
η:液体の粘度(mPa・s)
KB:装置定数(rad/cm
ω:角速度(rad/s)
T:円筒面に作用するトルク(10-7N・m)
【0111】
[pH]
本発明の皮膚外用組成物は、通常pH2.0~9.0の液性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH3.0~8.5、より好ましくはpH4.0~8.0、更に好ましくはpH4.5~7.5、更により好ましくはpH5.0~7.5である。
【0112】
[動的粘弾性におけるゾル-ゲル転移点の角周波数値]
本発明の皮膚外用組成物の動的粘弾性におけるゾル-ゲル転移点の角周波数とは、貯蔵弾性率G′と損失弾性率G″が同値を示す角周波数ωの値であり、例えばレオメーターを用いた動的粘弾性測定によって得られる。より具体的には、レオメーターとしてMCR 102(Anton Paar社製)、測定冶具にはPP25-SN31369(d=1mm)を用いて、25℃、振り角(γ)=1%の条件で、角周波数(ω)=100~0.1(rad/s)の範囲を測定した。
【0113】
本発明の皮膚外用組成物のゾル-ゲル転移点の角周波数(rad/s)は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。ゾル-ゲル転移点の角周波数が大きいほど、復元速度が遅く、指などで組成物に力を与えた時に粘性体としての性質を発揮しやすくなり、使用時の組成物のすくい取りやすさ、伸び、肌なじみが良くなる。
【0114】
[使用感向上方法]
また本発明は、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンを含む皮膚外用組成物の使用感向上方法をも包含する。本発明によれば、(A)疎水変性ポリエーテルウレタン;(B)ニコチン酸アミド、ビタミンC誘導体、アルブチン及びトラネキサム酸類からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を含有する皮膚外用組成物とすることにより、(A)疎水変性ポリエーテルウレタンを含む皮膚外用組成物の使用感の向上を達成することができる。ここで、使用感の向上とは、例えば、皮膚外用組成物の肌への適用時に組成物ののびが良くなること、肌なじみが良くなること等を指す。
【0115】
[皮膚外用組成物の製造方法]
本発明の皮膚外用組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)~(C)成分の他、前記のその他の成分等を適宜選択、配合して、常法により、必要により乳化を行って、製造することができる。
【0116】
[性状・製剤]
本発明の皮膚外用組成物の性状は、特に限定されず、液体状、流動状、又は半固形状とすることができる。また製剤形態としては、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤、スティック剤などの製剤とすることができる。中でも、乳剤、クリーム剤、乳液、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤、シート剤が好適であり、クリーム剤、乳液、ゲル剤、ローション剤、シート剤、スティック剤が特に好適である。なお、乳剤やクリーム剤、軟膏剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもO/W型でもよいが、本発明の皮膚外用組成物の適度な増粘性を確保する観点、及び使用感(べたつき、のび、しっとり感、みずみずしさ、浸透感等)の観点からO/W型がより好ましい。
【0117】
本発明の皮膚外用組成物は、特に限定されないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、製剤はゲル状粒子等の不均一な粒子を含まない均質な製剤であることが好ましい。
【0118】
[使用用途]
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、オールインワンジェル、オールインワンクリーム、拭き取り用化粧料、スティック状化粧料、頭皮用化粧料、ミスト、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;並びに洗顔料、ハンドソープ、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス、及びトリートメントのような洗浄用化粧料、BBクリーム、ファンデーション、化粧下地等のフェイスメイクアップ用化粧料、リップクリーム、リップライナー、リップジェル等の口唇化粧料;毛髪用のヘアリンス、ヘアートリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアジェル、ヘアムース、ヘアミスト、ヘアローション、スタイリング剤のような毛髪用化粧料などが挙げられる。これらの中でも皮膚用の外用組成物が特に好ましい。すなわち、本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の皮膚外用組成物とすることができる。皮膚外用組成物の製剤形態は、本発明の外用組成物の場合と同じである。また、使用可能な基剤又は担体、添加剤、及び有効成分、並びにそれらの好ましい態様は、本発明の外用組成物の場合と同じである。
【0119】
[容器]
本発明の皮膚外用組成物は、使用目的及び用途に応じ、適宜選択した形状、材質の容器に収容し、使用することができる。具体的な容器としては、例えば、スプレータイプ、ボトルタイプ、チューブタイプ、ジャータイプ、スポイドタイプ、ディスペンサータイプ、スティックタイプ、パウチ袋、及びチアパックなどを例示できる。本発明の皮膚外用組成物は、疎水変性ポリエーテルウレタンの物性によって、一旦ゲル化しても塗布、噴霧等がスムーズにできる利点を生かして、例えば高濃度の(B)成分を含有した製剤や高濃度の疎水変性ポリエーテルウレタンを配合した製剤などの粘性の高い製剤の場合であっても製剤設計の自由度を高めることができる。すなわち、様々な粘性の製剤に対して、ジャーはもちろん、スプレー、ボトル、チューブやディスペンサーなど多種多様な容器にて容易に使用することが可能となる。
【0120】
また、容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミ等)などを例示できる。また、これらの材料は、強度、柔軟性、耐候性、又は成分の安定性等を考慮し、各種コーティング処理を行ったり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせたり、積層したりして、容器材料として用いることができる。コーティングの材質としては、エポキシ樹脂、ポリアミドイミドなどを例示できる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、エチレンビニルアルコール樹脂、又は金属(アルミ等)を用いることが好ましい。
【0121】
[使用方法等]
本発明の皮膚外用組成物は、(B)成分の生理活性によって、血行促進、抗炎症、セラミド合成促進、美白、抗シワ、アンチエイジング等の効果が期待され、美白剤、日焼け止め剤などを含めて、多機能な製剤として有用である。本発明の皮膚外用組成物は、用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
【実施例
【0122】
次に、実施例や試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例や試験例に限定されるものではない。
【0123】
[使用原料]
以下の試験例及び製造例で使用した原料は、下記の通りである。試験例の各表中の数値は、成分名に記載の成分自体の含有量(いずれも単位は質量%)である。また、製剤例の各表中の数値は、下記の原料製品自体の配合量である。
(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー:アデカノールGT700
ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10E.O.):マクビオブライドMG-10E(日油株式会社製)
ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.):マクビオブライドMG-10P(日油株式会社製)
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.):WILBRIDE S-753(日油株式会社製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(17E.O.)(17P.O.):ユニルーブ50MB-26(日油株式会社製)
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体:Lipidure PMB-RT(日油株式会社製)
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール:Neosolue aqulio(日本精化株式会社製)
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル:Neosolue-AquaS(日本精化株式会社製)
ポリオキシエチレングリセリルエーテル(26E.O.):ブラウノンGL-26(青木油脂株式会社製)
コハク酸ジエトキシエチル:CRODAMOL DES-LQ(クローダジャパン(株)製)
【0124】
[試験例1.皮膚外用組成物のゾル-ゲル転移点の角周波数値の比較1]
下記表1に示す組成のサンプルを調製した。これをレオメーターとしてMCR 102(Anton Paar社製)、測定冶具にはPP25-SN31369(d=1mm)を用いて、25℃、振り角(γ)=1%の条件で、角周波数(ω)=100~0.1(rad/s)の範囲を測定した。得られたゾル‐ゲル転移点の角周波数の値及び下記の評価基準に準じて判定した結果を、同じ表1に示す。ゾル-ゲル転移点の角周波数値が2.5rad/s未満の場合は、製剤の復元率が高く、製剤の伸び・なじみが良くないため、製剤に適さないと判断した。
<ゾル-ゲル転移点の角周波数の評価基準>
× ゾル-ゲル転移点の角周波数(rad/s)2.5未満
△ ゾル-ゲル転移点の角周波数(rad/s)2.5以上3未満
○ ゾル-ゲル転移点の角周波数(rad/s)3以上6未満
◎ ゾル-ゲル転移点の角周波数(rad/s)6以上
【0125】
また、得られた製剤の外観を観察し、下記の判断基準に準じて製剤の透明性の判定を行った。製剤の透明性が高いほど、様々な容器、仕様への応用の幅が広がるという利点がある。評価結果を表1に示した。
<製剤の透明性の評価>
× 製剤の濁りが見られ、透明性が低い
△ 僅かな濁りが見られるが、概ね透明である
○ 透明の外観である
【0126】
【表1】
【0127】
疎水変性ポリエーテルウレタンである(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー存在下において、ニコチン酸アミドを含有しない比較例1-1~5ではゾル-ゲル転移点の角周波数が3未満であったのに対し、疎水変性ポリエーテルウレタン及びニコチン酸アミドを含有する実施例1-1~6では、いずれも5rad/s以上と大きい値を示し、ニコチン酸アミドの添加によって3倍以上の角周波数の値の増加が見られた。以上から、(A)成分と(B)成分の共存下では、ゾル-ゲル転移点の角周波数の値が増加した。実施例の製剤はいずれも製剤がすくいやすく、使用感(のび・なじみ)のよい製剤であった。
【0128】
また、比較例1-1、3、4及び実施例1-1、3、4を比較すると、疎水変性ポリエーテルウレタン及び(C)成分としてポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(17P.O.)又はポリオキシエチレンポリプロピレンブチルエーテル(17E.O.)(17P.O.)を含有する場合、さらにニコチン酸アミドを含有させることで製剤の外観の白濁が解消される効果も見られた。
【0129】
[試験例2.皮膚外用組成物のゾル-ゲル転移点の角周波数値の比較2]
下記表2~6に示す組成の皮膚外用組成物を調製した。そして、試験例1と同じ方法評価を行った。即ち、ゾル-ゲル転移点の角周波数の値を測定し、上記の評価基準に準じて判定を行った。また、得られた製剤の外観を観察し、上記の判断基準に準じて製剤の透明性の判定を行った。その結果を表2~6に示した。
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】
【0134】
【表6】
【0135】
試験例1と同様に、(A)成分及び(B)成分を少なくとも含有する実施例の製剤は、いずれもゾル-ゲル転移点の角周波数の値が2.5rad/s以上であり、使用感(のび・なじみ)が良好であった。また(B)成分としてニコチン酸アミドを用いた場合には、ゾル-ゲル転移点の角周波数の値が特に高い皮膚外用組成物が得られることが明らかとなった。
【0136】
また、表2~6の実施例の皮膚外用組成物を60℃で1週間保存した後にゾル-ゲル転移点の角周波数の値を測定した結果、保存前と大きく変わらなかった。従って、本発明の効果は、保存時に安定に保持されることが明らかとなった。
【0137】
[製剤例]
以下の表7~45の処方に基づいて、本発明の皮膚外用組成物(製剤例1~39)を調製した。
【0138】
【表7】
【0139】
【表8】
【0140】
【表9】
【0141】
【表10】
【0142】
【表11】
【0143】
【表12】
【0144】
【表13】
【0145】
【表14】
【0146】
【表15】
【0147】
【表16】
【0148】
【表17】
【0149】
【表18】
【0150】
【表19】
【0151】
【表20】
【0152】
【表21】
【0153】
【表22】
【0154】
【表23】
【0155】
【表24】
【0156】
【表25】
【0157】
【表26】
【0158】
【表27】
【0159】
【表28】
【0160】
【表29】
【0161】
【表30】
【0162】
【表31】
【0163】
【表32】
【0164】
【表33】
【0165】
【表34】
【0166】
【表35】
【0167】
【表36】
【0168】
【表37】
【0169】
【表38】
【0170】
【表39】
【0171】
【表40】
【0172】
【表41】
【0173】
【表42】
【0174】
【表43】
【0175】
【表44】
【0176】
【表45】