(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】無人車両の制御システム、無人車両、及び無人車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241212BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20241212BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20241212BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20241212BHJP
【FI】
G08G1/00 K
G08G1/00 X
B60W60/00
B60W40/06
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2020112596
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-05-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長川 研太
(72)【発明者】
【氏名】徳 勲
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/136588(WO,A1)
【文献】特開2016-170615(JP,A)
【文献】特開2001-082966(JP,A)
【文献】特開2018-169826(JP,A)
【文献】特開平04-123113(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0152946(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G05D 1/02
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人車両ごとに走行を許可する許可領域を設定する無人車両の制御システムあって、
前記無人車両の位置データを含む無人車両データを取得する無人車両データ取得部と、
前記無人車両が走行する走行路の停止精度を予測可能な路面状態データを取得する路面状態データ取得部と、
前記無人車両データ取得部が取得した前記無人車両データに基づいて、前記無人車両の走行路における許可領域と、前記許可領域における停止点と、前記停止点で前記無人車両が停止するための目標走行速度とを含むデータを生成する走行条件データ生成部と、
を備え、
前記路面状態データは、他の無人車両の走行データを含み、
前記走行条件データ生成部は、前記路面状態データ取得部が取得した前記停止点を含む所定領域の前記路面状態データから予測されるスリップ量に応じて、
前記無人車両の前記許可領域の前方に他の無人車両などの障害物が存在しない場合、前記許可領域を前記停止点より進行方向前方に拡大
した位置に設定し、前記無人車両の前記許可領域の前方に他の無人車両などの障害物が存在する場合、前記停止点を前記許可領域の後端側に動かした位置に設定する、
無人車両の制御システム。
【請求項2】
前記路面状態データは、路面の水分に関するデータを含む、
請求項
1に記載の無人車両の制御システム。
【請求項3】
前記路面状態データは、オペレータによって設定された地点の位置データを含む、
請求項
2に記載の無人車両の制御システム。
【請求項4】
前記路面状態データは、散水車によって路面に散水した散水量を含む散水データを含む、
請求項
2または請求項
3に記載の無人車両の制御システム。
【請求項5】
前記路面状態データは、走行路の路面を撮影するカメラによって撮影された路面の画像データを含む、
請求項
2から請求項
4のいずれか一項に記載の無人車両の制御システム。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の無人車両の制御システムによって制御される無人車両。
【請求項7】
無人車両ごとに走行を許可する許可領域を設定する無人車両の制御方法であって、
前記無人車両の位置データを含む無人車両データを取得することと、
前記無人車両が走行する走行路の路面状態データを取得することと、
取得した前記無人車両データに基づいて、前記無人車両の走行路における許可領域と、前記許可領域における停止点と、前記停止点で前記無人車両が停止するための目標走行速度とを含むデータを生成することと、
を含み、
前記路面状態データは、他の無人車両の走行データを含み、
前記停止点を含む所定領域の前記路面状態データから予測されるスリップ量に応じて、
前記無人車両の前記許可領域の前方に他の無人車両などの障害物が存在しない場合、前記許可領域を前記停止点より進行方向前方に拡大
した位置に設定し、前記無人車両の前記許可領域の前方に他の無人車両などの障害物が存在する場合、前記停止点を前記許可領域の後端側に動かした位置に設定する、
無人車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人車両の制御システム、無人車両、及び無人車両の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において、走行コースに沿って無人で走行する無人車両が使用される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場においては、複数の無人車両が使用される。無人車両は、進行方向前方に設定された許可領域を走行することが許可されている。無人車両は、許可領域の先端までに停止するように走行速度が制御される。ところが、無人車両がスリップしてしまうと、許可領域の先端までに停止できないおそれがある。
【0005】
本発明の態様は、無人車両が稼働する作業現場の安全性を確保し、生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、無人車両ごとに走行を許可する許可領域を設定する無人車両の制御システムあって、前記無人車両の位置データを含む無人車両データを取得する無人車両データ取得部と、前記無人車両が走行する走行路の停止精度を予測可能な路面状態データを取得する路面状態データ取得部と、前記無人車両データ取得部が取得した前記無人車両データに基づいて、前記無人車両の走行路における許可領域と、前記許可領域における停止点と、前記停止点で前記無人車両が停止するための目標走行速度とを含むデータを生成する走行条件データ生成部と、を備え、前記走行条件データ生成部は、前記路面状態データ取得部が取得した前記停止点を含む所定領域の前記路面状態データに基づいて、前記許可領域又は前記停止点を設定する、無人車両の制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、無人車両が稼働する作業現場の安全性を確保し、生産性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る制御システム及び無人車両の一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る無人車両及び走行路を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る無人車両の制御システムを示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、許可領域の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、許可領域の他の例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る無人車両の制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、許可領域の設定の一例を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、無人車両の制限速度の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、無人車両の制限速度の他の例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
図1は、本実施形態に係る制御システム1及び無人車両2の一例を模式的に示す図である。
図2は、実施形態に係る無人車両2及び走行路HLを模式的に示す図である。
図3は、実施形態に係る無人車両2の制御システム1を示す機能ブロック図である。本実施形態では、作業現場において、無人車両2が使用される。無人車両2とは、運転者による運転操作によらずに、制御指令に基づいて無人で走行する作業車両をいう。
【0011】
作業現場は、例えば鉱山である。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。無人車両2に運搬される積荷は、例えば鉱山において掘削された鉱石又は土砂である。無人車両2は、鉱山の複数の作業場PAに通じる走行路HLの少なくとも一部を走行する。作業場PAは、積込場及び排土場の少なくとも一方を含む。走行路HLは、交差点ISを含む。積込場とは、無人車両2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場において、油圧ショベルのような積込機7が稼働する。排土場とは、無人車両2から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアをいう。排土場には、例えば破砕機8が設けられる。
【0012】
無人車両2は、例えば作業現場を走行して積荷を運搬するダンプトラックなどである。
【0013】
制御システム1は、無人車両2ごとに走行を許可する許可領域AP又は停止点SPを設定する無人車両2の制御システムである。制御システム1は、管理装置3と、通信システム4とを備える。管理装置3は、コンピュータシステムを含み、作業現場の管制施設5に設置される。管制施設5にオペレータが存在する。通信システム4は、管理装置3と無人車両2との間で通信を実施する。管理装置3に無線通信機6が接続される。通信システム4は、無線通信機6を含む。管理装置3と無人車両2とは、通信システム4を介して無線通信する。無人車両2は、管理装置3にそれぞれの無人車両2の無人車両データを出力する。無人車両2は、管理装置3から送信された走行条件データに基づいて、作業現場の走行路HLを走行する。無人車両2は、管理装置3からの制御信号に基づいて、走行路HL及び作業場PAに設定された走行コースCSに従って走行する。
【0014】
[無人車両]
無人車両2は、車両本体21と、車両本体21に支持されるダンプボディ22と、車両本体21を支持する走行装置23と、無線通信機28と、位置センサ41と、操舵角センサ42と、方位角センサ43と、速度センサ44と、路面用カメラ45と、制御装置10とを備える。制御装置10については後述する。
【0015】
車両本体21は、車体フレームを含み、ダンプボディ22を支持する。また、車両本体21は、油圧ポンプ(不図示)と、油圧ポンプから吐出される作動油により作動する複数の油圧シリンダ(不図示)と、を有する。
【0016】
ダンプボディ22は、積荷が積み込まれる部材である。ダンプボディ22は、油圧シリンダであるホイストシリンダの作動により昇降する。ダンプボディ22は、ホイストシリンダの作動により、積載姿勢及びダンプ姿勢の少なくとも一方の姿勢に調整される。積載姿勢は、積荷を積み込み可能な姿勢であり、ダンプボディ22が下降している姿勢である。ダンプ姿勢は、積荷を排土する姿勢であり、ダンプボディ22が上昇している姿勢である。
【0017】
走行装置23は、車輪27を含み、走行路HLを走行する。車輪27は、前輪27Fと後輪27Rとを含む。車輪27にタイヤが装着される。走行装置23は、駆動装置23Aと、ブレーキ装置23Bと、操舵装置23Cとを有する。
【0018】
駆動装置23Aは、無人車両2を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置23Aは、ディーゼルエンジンのような内燃機関を含む。なお、駆動装置23Aは、電動機を含んでもよい。駆動装置23Aで発生した駆動力が後輪27Rに伝達され、後輪27Rが回転する。後輪27Rが回転することにより、無人車両2は自走する。
【0019】
ブレーキ装置23Bは、無人車両2を減速又は停止させるための制動力を発生する。
【0020】
操舵装置23Cは、無人車両2の走行方向を調整可能である。無人車両2の走行方向は、車両本体21の前部の方位を含む。操舵装置23Cは、前輪27Fを操舵することによって、無人車両2の走行方向を調整する。操舵装置23Cは、油圧シリンダであるステアリングシリンダを有する。ステアリングシリンダが発生する動力により、前輪27Fが操舵される。
【0021】
無線通信機28は、管理装置3に接続された無線通信機6と無線通信する。通信システム4は、無線通信機28を含む。
【0022】
位置センサ41は、走行路HLを走行する無人車両2の位置を検出する。位置センサ41の検出データは、無人車両2の絶対位置を示す絶対位置データを含む。無人車両2の絶対位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。位置センサ41は、GNSS受信機を含む。全地球航法衛星システムは、経度、緯度、及び高度の座標データで規定される無人車両2の絶対位置を検出する。全地球航法衛星システムにより、グローバル座標系において規定される無人車両2の絶対位置が検出される。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。
【0023】
操舵角センサ42は、操舵装置23Cによる無人車両2の操舵角を検出する。操舵角センサ42は、例えば操舵装置23Cに設けられたロータリーエンコーダを含む。操舵角センサ42の検出データは、無人車両2の操舵角を示す操舵角データを含む。
【0024】
方位角センサ43は、無人車両2の方位角を検出する。無人車両2の方位角は、無人車両2のヨー角を含む。ヨー角とは、無人車両2の上下方向に延在する回転軸を中心とする無人車両2の傾斜角度をいう。方位角センサ43の検出データは、無人車両2の方位角を示す方位角データを含む。無人車両2の方位は、無人車両2の走行方向である。方位角センサ43は、例えばジャイロセンサを含む。
【0025】
速度センサ44は、無人車両2の走行速度を検出する。速度センサ44の検出データは、走行装置23の走行速度を示す走行速度データを含む。
【0026】
路面用カメラ45は、無人車両2の進行方向前方の走行路HLの路面を撮影する。路面用カメラ45は、無人車両2に設けられていてもよい。
【0027】
無人車両2の位置センサ41、操舵角センサ42、方位角センサ43、及び速度センサ44によって検出されたデータ、及び路面用カメラ45によって撮影された画像データが、無人車両2の無人車両データとして、管理装置3へ出力される。
【0028】
[制御システム]
図3に示すように、制御システム1は、管理装置3と制御装置10とを含む。制御システム1は、作業現場において、無人車両2を制御する。制御装置10は、通信システム4を介して管理装置3と通信可能である。
【0029】
[管理装置]
管理装置3は、走行路HLにおける無人車両2の走行条件を設定する。無人車両2は、管理装置3から送信された走行条件を規定する走行条件データに基づいて、走行路HLを走行する。
【0030】
管理装置3は、コンピュータシステムを含む。管理装置3は、入出力インターフェース31と、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置32と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置33とを有する。
【0031】
入出力インターフェース31は、入力装置35、出力装置36、及び無線通信機6のそれぞれに接続される。入力装置35、出力装置36、及び無線通信機6のそれぞれは、管制施設5に設置される。入出力インターフェース31は、通信システム4を介して、走行条件データを無人車両2に送信する。入出力インターフェース31は、通信システム4を介して、無人車両データを無人車両2から受信する。
【0032】
演算処理装置32は、無人車両データ取得部321と、路面状態データ取得部322と、走行条件データ生成部323と、許可領域設定部324とを有する。
【0033】
無人車両データ取得部321は、作業現場における無人車両2の位置データを含む無人車両データを取得する。無人車両データ取得部321は、入出力インターフェース31を介して、制御装置10から送信された無人車両2の無人車両データを取得する。無人車両データとは、無人車両2の稼働状況を示すデータをいう。無人車両2のデータは、無人車両2に搭載されているセンサの検出データを含む。
【0034】
路面状態データ取得部322は、作業現場における無人車両2が走行する走行路HLの停止精度を予測可能な路面状態を示す路面状態データを取得する。路面状態データ取得部322は、入出力インターフェース31を介して、入力された走行路HLの路面状態を示す路面状態データを取得する。路面状態データは、路面の水分に関するデータを含む。水分に関するデータは、例えば路面に生じた水たまり又はぬかるみなど、スリップしやすい地点のデータを含む。より詳しくは、路面状態データは、オペレータによって設定された地点のデータ、例えばオペレータによってスリップが発生する可能性があると判断した地点の位置データを含んでもよい。また、路面状態データは、散水車によって路面に散水した散水量を含む散水データ、無人車両2に搭載された路面用カメラ45によって撮影された、走行路HLの路面の画像データ、及び他の無人車両2の走行データの少なくともいずれかを含んでもよい。画像データを画像処理して、路面に水たまり又はぬかるみを認識可能である。他の無人車両2の走行データが、他の無人車両2がスリップしたことを示す場合、スリップしやすい地点として認識可能である。
【0035】
走行条件データ生成部323は、無人車両2の走行条件を規定する走行条件データを生成する。より詳しくは、走行条件データ生成部323は、無人車両データ取得部321が取得した無人車両データに基づいて、無人車両2の走行路HLにおける許可領域APと、許可領域APにおける停止点SPと、停止点SPで無人車両2が停止するための目標走行速度とを含む走行条件データを生成する。走行条件データ生成部323は、路面状態データ取得部322が取得した、停止点SPを含む所定領域の路面状態データに基づいて、許可領域AP又は停止点SPを設定する機能を有する。停止点SPを含む領域とは、許可領域APにおける停止点SPの周辺の領域である。走行条件データ生成部323は、入出力インターフェース31を介して、入力装置35、出力装置36、及び無線通信機6のそれぞれと通信する。
【0036】
走行条件は、例えば管制施設5に存在するオペレータにより決定される。オペレータは、管理装置3に接続されている入力装置35を操作する。入力装置35が操作されることにより生成された入力データに基づいて、走行条件データを生成する。
【0037】
走行条件データは、無人車両2の目標位置、目標走行速度、目標方位、及び走行コースCSを含む。さらに、走行条件データは、後述する許可領域設定部324によって設定される許可領域APの許可領域データを含む。
【0038】
図2に示すように、走行条件データは、走行路HLに間隔をあけて設定された複数の目標点PIを含む。目標点PIの間隔は、例えば1[m]以上5[m]以下に設定される。目標点PIは、無人車両2の目標位置を規定する。目標走行速度及び目標方位は、複数の目標点PIのそれぞれに設定される。走行コースCSは、複数の目標点PIを結ぶ線によって規定される。すなわち、無人車両2の走行条件を規定する走行条件データは、無人車両2の目標位置を示す複数の目標点PIと、複数の目標点PIのそれぞれに設定された無人車両2の目標走行速度及び目標方位とを含む。
【0039】
無人車両2の目標位置とは、グローバル座標系において規定される無人車両2の目標位置をいう。すなわち、目標位置は、経度、緯度、及び高度で規定される座標データにおける目標位置をいう。目標位置は、経度(x座標)における目標位置と、緯度(y座標)における目標位置とを含む。なお、無人車両2の目標位置は、無人車両2のローカル座標系において規定されてもよい。
【0040】
無人車両2の目標走行速度とは、目標点PIを走行(通過)するときの無人車両2の目標走行速度をいう。例えば目標点PIにおける目標走行速度が設定されている場合、目標点PIを走行するときの無人車両2の実際の走行速度が目標走行速度になるように、無人車両2の駆動装置23A又はブレーキ装置23Bが制御される。
【0041】
無人車両2の目標方位とは、目標点PIを走行(通過)するときの無人車両2の目標方位をいう。また、目標方位とは、基準方位(例えば北)に対する無人車両2の方位角をいう。換言すれば、目標方位は、車両本体21の前部の目標方位であり、無人車両2の目標走行方向を示す。例えば目標点PIにおける目標方位が設定されている場合、目標点PIを走行するときの無人車両2の実際の方位が目標方位になるように、無人車両2の操舵装置23Cが制御される。
【0042】
図4、
図5を用いて、許可領域設定部324について説明する。
図4は、許可領域APの一例を模式的に示す図である。
図5は、許可領域APの他の例を模式的に示す図である。許可領域設定部324は、走行条件データ生成部323が有する機能の1つである。許可領域設定部324は、走行条件データ生成部323の機能の1つとして、路面状態データ取得部322が取得した、停止点SPを含む所定領域の路面状態データに応じて、許可領域AP又は停止点SPを設定する。許可領域設定部324は、走行条件データ生成部323の機能の1つとして、停止点SPを含む所定領域において予測されるスリップ量に応じて、許可領域APを停止点SPより進行方向前方に拡大してもよい。許可領域設定部324は、走行条件データ生成部323の機能の1つとして、停止点SPを含む所定領域において予測されるスリップ量に応じて、許可領域APはそのままで、停止点SPを許可領域APの後端側に動かした位置に設定してもよい。
【0043】
図4に示すように、許可領域設定部324は、無人車両2の走行を許可する許可領域APを設定する。許可領域APは、他の無人車両2の進入を禁止する領域である。複数の無人車両2の許可領域APは、重ならないように設定される。許可領域APは、無人車両2の進行方向前方に、例えば走行コースCSに対応して帯状に形成される。許可領域APは、無人車両2の進行方向に、例えば数100[m]程度の長さを有する。許可領域APの先端部に設けられた停止点SPにおいて、無人車両2が停車できるように無人車両2の走行速度が制御される。許可領域設定部324は、無人車両2の走行に伴って、通過した許可領域APを開放するとともに、進行方向前方に許可領域APを延ばす。無人車両2の走行に伴って、許可領域APが延びることによって、無人車両2は停止することなく継続して走行可能である。他の無人車両2が停止しているなどして進行方向前方に許可領域APを延ばすことができない場合、無人車両2は、停止点SPまで走行して停止する。許可領域設定部324が設定した許可領域APの許可領域データは、走行条件データに含まれる。
【0044】
図5に示すように、許可領域設定部324は、停止点SPを含む所定領域における無人車両2の停止精度に応じて、許可領域APの前方に追加許可領域BPを設定する。より詳しくは、許可領域設定部324は、停止点SPを含む所定領域において無人車両2がスリップしやすい路面状態である場合、言い換えると、停止点SPを含む所定領域の停止精度が悪いことが予測される場合、許可領域APの前方に追加許可領域BPを設定して、許可領域APを前方に拡大する。
【0045】
スリップしやすい路面状態であるか否かは、路面状態データ取得部322が取得した路面状態データから判定可能である。例えば、路面状態データとして、オペレータによってスリップが発生する可能性があると判断された、停止点SPを含む所定領域の位置データが取得されている場合、スリップしやすい路面状態であると判定する。例えば、路面状態データとして、散水車によって停止点SPを含む所定領域の路面に散水した散水量を含む散水データが取得されている場合、スリップしやすい路面状態であると判定する。例えば、路面状態データとして、停止点SPを含む所定領域の路面の画像データに画像処理を行って、路面に生じた水たまり又はぬかるみなどが認識された場合、スリップしやすい路面状態であると判定する。例えば、路面状態データとして、他の無人車両2の走行データが、停止点SPを含む所定領域において他の無人車両2がスリップしたことを示す場合、スリップしやすい路面状態であると判定する。
【0046】
追加許可領域BPは、無人車両2がスリップした場合に停止可能な程度の長さを有する。追加許可領域BPは、停止点SPを含む所定領域の無人車両2のスリップ量を予測して、予測したスリップ量に応じた長さに設定する。スリップ量は、例えば、オペレータによって予測されてもよい。スリップ量は、無人車両データや路面状況データなどの所定のパラメータに対するスリップ量の関係式またはマップがメモリに記憶されており、この関係式またはマップを使用して算出してもよい。スリップ量は、例えば、散水量から予測してもよい。スリップ量は、例えば、画像データから認識される、水たまり又はぬかるみの大きさから予測してもよい。スリップ量は、例えば、他の無人車両2の走行データから予測してもよい。許可領域設定部324は、スリップ量に応じた長さの追加許可領域BPを確保できない場合、スリップ量に応じた長さ分、停止点SPを手前側、言い換えると許可領域APの後端側に動かす。
【0047】
記憶装置33は、入力装置35を介して入力された、路面状態データを記憶する。記憶装置33は、無人車両2から取得した無人車両データを記憶する。
【0048】
入力装置35は、管制施設5のオペレータに操作されることにより、入力データを生成する。入力装置35で生成された入力データは、管理装置3に出力される。管理装置3は、入力装置35から入力データを取得する。入力装置35として、コンピュータ用キーボード、マウス、タッチパネル、操作スイッチ、及び操作ボタンのような、オペレータの手によって操作される接触式入力装置が例示される。なお、入力装置35は、オペレータの音声によって操作される音声入力装置でもよい。
【0049】
出力装置36は、管制施設5のオペレータに出力データを提供する。出力装置36は、表示データを出力する表示装置でもよいし、印刷データを出力する印刷装置でもよいし、音声データを出力する音声出力装置でもよい。表示装置として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。
【0050】
[制御装置]
制御装置10は、コンピュータシステムを含み、車両本体21に配置される。制御装置10は、無人車両2の走行装置23の走行を制御する制御指令を出力する。制御装置10から出力される制御指令は、駆動装置23Aを作動するためのアクセル指令、ブレーキ装置23Bを作動するためのブレーキ指令、及び操舵装置23Cを作動するためのステアリング指令を含む。駆動装置23Aは、制御装置10から出力されたアクセル指令に基づいて、無人車両2を加速させるための駆動力を発生する。ブレーキ装置23Bは、制御装置10から出力されたブレーキ指令に基づいて、無人車両2を減速又は停止させるための制動力を発生する。操舵装置23Cは、制御装置10から出力されたステアリング指令に基づいて、無人車両2を直進又は旋回させるために前輪27Fの向きを変えるための旋回力を発生する。
【0051】
制御装置10は、入出力インターフェース11と、CPUのようなプロセッサを含む演算処理装置12と、ROM又はRAMのようなメモリ及びストレージを含む記憶装置13とを有する。制御装置10は、通信システム4を介して、管理装置3から送信された走行条件データを取得する。
【0052】
入出力インターフェース11は、位置センサ41、操舵角センサ42、方位角センサ43、速度センサ44、路面用カメラ45、走行装置23、及び無線通信機28のそれぞれに接続される。入出力インターフェース11は、位置センサ41、操舵角センサ42、方位角センサ43、速度センサ44、路面用カメラ45、走行装置23、及び無線通信機28のそれぞれと通信する。
【0053】
演算処理装置12は、走行条件データ取得部121と、位置データ取得部122と、検出データ取得部123と、走行制御部124とを有する。
【0054】
走行条件データ取得部121は、管理装置3の走行条件データ生成部323で生成された走行条件データを取得する。走行条件データ取得部121は、管理装置3によって走行条件データが更新される度に、更新された走行条件データを取得する。より詳しくは、走行条件データ取得部121は、管理装置3によって許可領域APが更新される度に、更新された許可領域データを含む走行条件データを取得する。例えば、走行条件データ取得部121は、無人車両2の走行に伴って、通過した許可領域APが開放されるとともに、進行方向前方に許可領域APを延ばした許可領域データを含む走行条件データを取得する。
【0055】
位置データ取得部122は、無人車両2の位置を示す位置データを位置センサ41から取得する。
【0056】
検出データ取得部123は、無人車両2の走行方向を検出した方位角センサ43の検出データを方位角センサ43から取得する。検出データは、操舵角センサ42で検出された操舵角データ、方位角センサ43で検出された方位角データ、及び速度センサ44で検出された速度データを含む。検出データ取得部123は、操舵角データを操舵角センサ42から取得し、方位角データを方位角センサ43から取得し、速度データを速度センサ44から取得する。検出データ取得部123は、路面用カメラ45が撮影した画像データを路面用カメラ45から取得する。
【0057】
走行制御部124は、走行条件データ取得部121で取得された走行コースCSに基づいて、無人車両2の駆動装置23A、ブレーキ装置23B、及び操舵装置23Cの少なくとも一つを制御する制御信号を出力する。管理装置3は、走行条件データ生成部323で生成された走行コースCSを入出力インターフェース11から無人車両2の走行制御部124に出力する。走行条件データ生成部323で生成された走行コースCSは、入出力インターフェース11から無人車両2の走行制御部124に送信される。
【0058】
走行制御部124は、走行コースCSに基づいて、無人車両2の走行を制御する制御信号を生成する。走行制御部124において生成された制御信号は、走行制御部124から走行装置23に出力される。走行制御部124から出力される制御信号は、駆動装置23Aに出力されるアクセル信号、ブレーキ装置23Bに出力されるブレーキ制御信号、及び操舵装置23Cに出力されるステアリング制御信号を含む。走行制御部124は、位置センサ41で検出された位置データに基づいて、無人車両2の特定部位と走行コースCSとが一致した状態で走行するように、駆動装置23A、ブレーキ装置23B、及び操舵装置23Cを制御する。
【0059】
走行制御部124は、走行条件データに基づいて、無人車両2の走行を制御する。走行制御部124は、走行装置23の駆動装置23Aに走行速度に応じたアクセル指令値を出力する。駆動装置23Aは、アクセル指令値に基づいて動力を発生する。走行制御部124は、速度条件データに制限速度が含まれる場合、走行速度を減速するようにアクセル指令値又はブレーキ指令値を出力する。
【0060】
走行制御部124は、許可領域設定部324が設定した許可領域データに基づいて、許可領域APにおける無人車両2の走行を制御する。走行制御部124は、許可領域APの停止点SPにおいて、無人車両2が停車できるように無人車両2の走行速度を制御する。走行制御部124は、無人車両2の走行時、進行方向前方に許可領域APに延伸されず、走行条件データに含まれる許可領域データが更新されない場合、無人車両2を停止点SPまで走行して停止させる。走行制御部124は、無人車両2の走行時、進行方向前方に許可領域APが延伸され、走行条件データに含まれる許可領域データが更新される場合、無人車両2の走行を継続させる。
【0061】
[制御方法]
図6は、本実施形態に係る無人車両2の制御方法を示すフローチャートである。
図7は、許可領域APの設定の一例を模式的に示す図である。制御システム1の動作中、管理装置3の演算処理装置32は、無人車両データ取得部321によって、入出力インターフェース31を介して、作業現場の無人車両2の制御装置10から送信された無人車両データを取得する。管理装置3の演算処理装置32は、路面状態データ取得部322によって、路面状態データを取得する。また、管理装置3の演算処理装置32は、走行条件データ生成部323によって、無人車両2の走行条件を規定する走行条件データを生成する。
図6に示すフローチャートの処理は、無人車両2ごとに実行される。
【0062】
管理装置3の演算処理装置32は、無人車両2ごとに許可領域APを確保する(ステップST11)。より詳しくは、許可領域設定部324によって、無人車両2の走行を許可する許可領域APを設定する。
図7に示すように、許可領域APは、無人車両2の進行方向前方に設定される。
【0063】
管理装置3の演算処理装置32は、スリップを考慮せずに、無人車両2の許可領域AP内の停止点SPを設定する(ステップST12)。より詳しくは、許可領域設定部324によって、無人車両2の許可領域APの前端部に停止点SPを設定する。
図7に示すように、停止点SPは、無人車両2の許可領域APの前端部に設定される。
【0064】
管理装置3の演算処理装置32は、停止点SPの周辺の領域である、停止点SP含む所定領域のスリップ量SLを予測する(ステップST13)。より詳しくは、許可領域設定部324によって、路面状態データに基づいて、無人車両2の停止点SPを含む所定領域のスリップ量SLを予測する。許可領域設定部324によって、路面状態データ取得部322が取得した路面状態データに基づいて、無人車両2の停止点SPを含む所定領域がスリップしやすいと判断される場合、スリップ量SLが算出され、無人車両2の停止点SPを含む所定領域がスリップしやすいと判断されない場合、スリップ量SLがゼロになる。
図7に示す例では、予測された停止点SPを含む所定領域のスリップ量SLは、無人車両2の許可領域APの前方にはみ出している。この状態では、無人車両2が停止点SPを含む所定領域でスリップした場合、許可領域AP内で停止できない可能性が高い。
【0065】
管理装置3の演算処理装置32は、スリップ量SL分の追加許可領域BPの確保を要求する(ステップST14)。より詳しくは、許可領域設定部324によって、許可領域APの前方に追加許可領域BPを確保することを要求する。
図7に示すように、追加許可領域BPは、無人車両2の進行方向前方にスリップ量SLに対応する追加許可領域BPを確保することを要求する。追加許可領域BPは、スリップ量SLを含むように設定される。
【0066】
管理装置3の演算処理装置32は、追加許可領域BPが確保できたか否かを判定する(ステップST15)。より詳しくは、例えば、無人車両2の許可領域APの前方に他の車両などが存在しない場合、追加許可領域BPは確保できる。例えば、無人車両2の許可領域APの前方に他の無人車両2などの障害物が存在する場合、追加許可領域BPは確保できない。許可領域設定部324によって、追加許可領域BPが確保できたと判定する場合(ステップST15でYes)、ステップST16へ進む。許可領域設定部324によって、追加許可領域BPが確保できたと判定しない場合(ステップST15でNo)、ステップST17へ進む。
【0067】
追加許可領域BPが確保できたと判定する場合(ステップST15でYes)、停止点SPはそのままとして追加許可領域BPを確保して、許可領域APを拡大する(ステップST16)。
図7に示すように、追加許可領域BPは、無人車両2の進行方向前方にスリップ量SLに対応する領域を確保する。許可領域APが無人車両2の進行方向前方に拡大される。
【0068】
追加許可領域BPが確保できたと判定しない場合(ステップST15でNo)、スリップ量SL分、停止点SPを手前に移動する(ステップST17)。
図7に示すように、許可領域APは、そのままで、停止点SPが手前に移動される。
【0069】
管理装置3は、入出力インターフェース31を介して、このようにして設定された許可領域APの許可領域データを含む走行条件データを、無人車両2の制御装置10に送信する。
【0070】
無人車両2では、入出力インターフェース11を介して、管理装置3から取得した走行条件データに基づいて、無人車両2が許可領域APを走行するように、走行装置23に制御信号を出力する。
【0071】
図8、
図9を用いて、許可領域APにおける走行速度の制御を説明する。
図8は、無人車両2の制限速度の一例を示す模式図である。
図9は、無人車両2の制限速度の他の例を示す模式図である。
図8に示すように、許可領域APの制限速度がVmaxであるとする。この場合、許可領域APでの現在の走行速度V1(V1<Vmax)の無人車両2は、Vmaxまで加速するよう制御信号が出力される。そして、停止点SPの位置で走行速度がゼロになるように、停止点SPの所定距離だけ手前の位置に到達すると、減速するように制御信号が出力される。停止点SPの所定距離だけ手前の位置に到達するまでに、許可領域APが更新されて延伸されている場合、減速されずに一定速度での走行が継続される。ステップST16のように、許可領域APが拡大されていれば、停止点SPを含む所定領域において、無人車両2がスリップして停止点SPで停止できなかったとしても、無人車両2が許可領域APからはみ出すことが抑制される。
【0072】
図9は、ステップST17のように、スリップ量SL分、停止点SPが手前に移動された場合の制限速度が示されている。この場合、手前に動かした停止点SPの位置で走行速度がゼロになるように、停止点SPの所定距離だけ手前の位置に到達すると、減速するように制御信号が出力される。停止点SPが手前に移動されていれば、停止点SPを含む所定領域において、無人車両2がスリップして停止点SPで停止できなかったとしても、無人車両2が許可領域APからはみ出すことが抑制される。
【0073】
[コンピュータシステム]
図10は、コンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の管理装置3及び制御装置10のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPUのようなプロセッサ1001と、ROMのような不揮発性メモリ及びRAMのような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の管理装置3の機能及び制御装置10の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0074】
[効果]
以上説明したように、本実施形態は、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域の路面状態データに基づいて、許可領域APを適切に設定できる。本実施形態によれば、路面状態が変化した場合、それに合わせた許可領域AP又は停止点SPを設定できる。本実施形態は、無人車両2が稼働する作業現場の安全性を確保し、生産性の低下を抑制することができる。
【0075】
本実施形態は、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域において予測されるスリップ量に応じて、許可領域APを停止点SPより進行方向前方に拡大する。本実施形態によれば、停止点SPを含む所定領域において無人車両2がスリップした場合でも、無人車両2が許可領域AP内で停止するように許可領域APを設定できる。本実施形態によれば、スリップした無人車両2が許可領域APからはみ出すことが抑制されるので、無人車両2の周辺の車両の安全も確保できる。
【0076】
本実施形態は、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域において予測されるスリップ量に応じて、許可領域AP内の停止点SPを設定する。本実施形態によれば、停止点SPを含む所定領域において無人車両2がスリップした場合でも、無人車両2が許可領域AP内で停止するように停止点SPを動かした許可領域APを設定できる。本実施形態によれば、スリップした無人車両2が許可領域APからはみ出すことが抑制されるので、無人車両2の周辺の車両の安全も確保できる。
【0077】
本実施形態は、路面状態データは、路面に生じた水たまり又はぬかるみなど、スリップしやすい地点のデータを含む。本実施形態は、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域の停止精度を適切に予測できる。
【0078】
本実施形態は、オペレータによってスリップが発生する可能性があると判断した地点の位置データを含む。本実施形態は、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域の停止精度を適切に予測できる。
【0079】
本実施形態は、路面状態データは、散水車によって路面に散水した散水量を含む散水データを含む。本実施形態は、散水データから、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域の停止精度を適切に予測できる。
【0080】
本実施形態は、路面状態データは、走行路HLの路面を撮影するカメラによって撮影された路面の画像データを含む。本実施形態は、路面の画像データから、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域の停止精度を適切に予測できる。
【0081】
本実施形態は、路面状態データは、他の無人車両2の走行データを含む。本実施形態では、他の無人車両2の走行データから、無人車両2の許可領域APの停止点SPを含む所定領域の停止精度を適切に予測できる。
【0082】
[他の実施形態]
上述の実施形態において、制御装置10の機能の少なくとも一部が管理装置3に設けられてもよいし、管理装置3の機能の少なくとも一部が制御装置10に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態において、無人車両2の制御装置10が、管理装置3の走行条件データ生成部323の機能を有してもよい。制御装置10の走行制御部124は、生成した走行条件データに基づいて、無人車両2を制御する。
【符号の説明】
【0083】
1…制御システム、2…無人車両、3…管理装置、4…通信システム、6…無線通信機、7…積込機、8…破砕機、10…制御装置、11…入出力インターフェース、12…演算処理装置、121…走行条件データ取得部、122…位置データ取得部、123…検出データ取得部、124…走行制御部、13…記憶装置、21…車両本体、22…ダンプボディ、23…走行装置、23A…駆動装置、23B…ブレーキ装置、23C…操舵装置、27…車輪、27F…前輪、27R…後輪、28…無線通信機、31…入出力インターフェース、32…演算処理装置、321…無人車両データ取得部、322…路面状態データ取得部、323…走行条件データ生成部、324…許可領域設定部、33…記憶装置、35…入力装置、36…出力装置、41…位置センサ、42…操舵角センサ、43…方位角センサ、44…速度センサ、45…路面用カメラ、AP…許可領域、BP…追加許可領域、CS…走行コース、HL…走行路、IS…交差点、PA…作業場、PI…目標点、SL…スリップ量、SP…停止点。