(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】オゾン供給装置
(51)【国際特許分類】
C01B 13/10 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
C01B13/10 Z
(21)【出願番号】P 2020200234
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】新居 和孝
(72)【発明者】
【氏名】新井 克弘
(72)【発明者】
【氏名】脇田 航平
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-174709(JP,A)
【文献】特開2009-261503(JP,A)
【文献】特開2011-167463(JP,A)
【文献】特開平08-276001(JP,A)
【文献】特開2006-211845(JP,A)
【文献】特開2004-022195(JP,A)
【文献】特開2003-336871(JP,A)
【文献】特開2013-162869(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0566717(KR,B1)
【文献】中国実用新案第211301344(CN,U)
【文献】特開平08-011527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/10 - 13/11
A61L 2/00 - 12/14
F21V 21/00 - 21/40
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンを生成するオゾン生成部と、
床と異なる取付面に取付けられたレール部材に連結可能な連結部と
、
ファンとファンモータとを有する送出部と、
前記オゾン生成部と前記送出部とを制御する制御部と、
第1電源部と第2電源部とを含む電源部と
を備え、
前記連結部は、前記レール部材からの電力を前記
電源部に供給
し、
前記第1電源部は、前記連結部からの外部電源電圧に基づいて内部電源電圧を生成し、前記内部電源電圧を前記オゾン生成部と前記送出部とに印加し、
前記第2電源部は、前記連結部からの外部電源電圧に基づいて内部電源電圧を生成し、前記内部電源電圧を前記制御部に印加する、オゾン供給装置。
【請求項2】
吸気口と放出口とを有する筐
体を更に備え、
前記オゾン生成部は、前記筐体内に配置され、
前記ファンは、前記吸気口から空気を前記筐体内に吸気し、前記放出口から前記オゾンを前記筐体外に放出する、請求項1に記載のオゾン供給装置。
【請求項3】
前記レール部材に係合可能な係合
部を更に備え、
前記電源部は、前記連結部又は前記係合部の下方に配置される、請求項1又は請求項2に記載のオゾン供給装置。
【請求項4】
人が存在するか否かを検知する人感センサ
を更に備え、
前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて、前記オゾン生成部を制御す
る、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオゾン供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明兼用オゾン発生器は、ベースと、オゾン発生部と、オゾン放出部とを備える。ベースは、筐体となる。オゾン発生部は、ベース内に設けられる。オゾン放出部は、ベースの一部に形成されて空気とともにオゾンを放出する。特許文献1に記載の照明兼用オゾン発生器は、床に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明兼用オゾン発生器では、オゾン(O3)の比重は、空気中の他の分子の比重より重いため、オゾンを部屋等の所定領域に効率よく放出できなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、オゾンを所定領域に向かって効率よく放出できるオゾン供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るオゾン供給装置は、オゾン生成部と、連結部とを備える。前記オゾン生成部は、オゾンを生成する。前記連結部は、床と異なる取付面に取付けられたレール部材に連結可能である。前記連結部は、前記レール部からの電力を前記オゾン生成部に供給する。
【0007】
本発明に係る前記オゾン供給装置は、筐体と、送出部とを更に備えることが好ましい。前記筐体は、吸気口と放出口とを有する。前記送出部は、ファンとファンモータとを有する。前記オゾン生成部は、前記筐体内に配置される。前記ファンは、前記吸気口から空気を前記筐体内に吸気し、前記放出口から前記オゾンを前記筐体外に放出する。
【0008】
本発明に係る前記オゾン供給装置は、係合部と、電源部とを更に備えることが好ましい。前記係合部は、前記レール部材に係合可能である。前記電源部は、前記連結部からの外部電源電圧に基づいて内部電源電圧を生成し、前記内部電源電圧を前記オゾン生成部に印加する。前記電源部は、前記連結部又は前記係合部の下方に配置される。
【0009】
本発明に係る前記オゾン供給装置は、人感センサと、制御部とを更に備えることが好ましい。前記人感センサは、人が存在するか否かを検知する。前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて、前記オゾン生成部を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のオゾン供給装置によれば、オゾンを所定領域に向かって効率よく放出できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るオゾン供給装置を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るオゾン供給装置を示す断面図である。
【
図3】本実施形態に係るオゾン供給装置の分解斜視図である。
【
図4】本実施形態に係るオゾン供給装置の別の分解斜視図である。
【
図5】本実施形態に係るオゾン供給装置を示す別の断面図である。
【
図6】本実施形態に係るオゾン供給装置の回路を示す構成図である。
【
図7】本実施形態に係る抗菌方法を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係るオゾン供給装置のプラグ部を拡大して示す斜視図である。
【
図9】本実施形態に係るオゾン供給装置のプラグ部を拡大して示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本発明の実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直線に平行である。
【0013】
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係るオゾン供給装置1を説明する。
図1は、本実施形態に係るオゾン供給装置1を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係るオゾン供給装置1を示す断面図である。
図1及び
図2に示すように、オゾン供給装置1は、オゾン(O
3)を放出する。具体的には、オゾン供給装置1は、部屋(例えば店舗)内にオゾンを放出する。部屋内は、「所定領域」の一例である。
【0014】
部屋は、天井111と、複数の壁面と、床と、ダクトレールRとを有する。天井111は、「取付面」の一例である。天井111は、水平面であってもよく、傾斜面であってもよい。取付面は、床と異なる。ダクトレールRは、「レール部材」の一例である。複数の壁面の内の少なくとも1つの壁面には、扉が設けられている。扉が開閉されることで、部屋への人(例えば客又は店員)の出入りが行われる。
【0015】
ダクトレールRは、天井111に取付られている。なお、ダクトレールRは、天井111に埋設されてもよいし、アーム又はワイヤ等によって天井111から吊下げられてもよい。また、ダクトレールRは、壁に固定されてもよい。
【0016】
ダクトレールRは、長尺状である。ダクトレールRは、第1方向PD1に沿って延びている。第1方向PD1は、天井111に沿って延びている。第1方向PD1は、X方向である。具体的には、ダクトレールRは、挿通口部R3と、一対の導体部R1と、一対の凹部R2とを含む。挿通口部R3と一対の導体部R1と一対の凹部R2との各々は、ダクトレールRの長手方向(第1方向PD1)に沿って延びている。
【0017】
挿通口部R3は、第2方向PD2の反対方向に向かって開放されている。第2方向PD2は、第1方向PD1と直交する。具体的には、第2方向PD2は、Z方向である。
【0018】
一対の導体部R1は、第3方向PD3において挿通口部R3を挟んで対向する。第3方向PD3は、第1方向PD1と直交し、第2方向PD2と直交する。第3方向PD3は、Y方向である。一対の導体部R1の各々は、金属製である。一対の導体部R1には、外部電源電圧(例えば、AC(alternating current) 100V)が印加される。
【0019】
一対の凹部R2は、第3方向PD3において挿通口部R3を挟んで対向する。一対の凹部R2は、一対の導体部R1より第2方向PD2の反対方向に設けられる。
【0020】
本実施形態に係るオゾン供給装置1は、ダクトレールRに取付けられる。具体的には、オゾン供給装置1は、オゾン生成部10と、プラグ部20とを備える。プラグ部20は、「連結部」の一例である。なお、ダクトレールRには、オゾン供給装置1以外の装置が取付けられてもよい。オゾン供給装置1以外の装置は、例えば、照明装置である。また、ダクトレールRには、複数のオゾン供給装置1が取付けられてもよい。
【0021】
プラグ部20は、支柱部23と、一対の突出部21と、一対の端子部22とを有する。支柱部23は、第2方向PD2に沿って延びている。例えば、支柱部23は、略円筒状部材である。
【0022】
一対の突出部21は、第3方向PD3において支柱部23を挟んで対向する。一対の突出部21の各々は、第3方向PD3に沿って延びた板状部材である。
【0023】
一対の端子部22は、第3方向PD3において対向する。一対の端子部22の各々は、第3方向PD3に沿って延びた板状部材と、第2方向PD2の沿って延びた板状部材とを含む。一対の端子部22の各々は、金属製である。一対の端子部22の下端部の各々は、電線(図示せず)を介してオゾン生成部10の電源コネクタに接続される。換言すれば、プラグ部20は、ダクトレールRからの電力をオゾン生成部10に供給する。
【0024】
プラグ部20は、ダクトレールRに連結可能である。具体的には、プラグ部20は、ダクトレールRに連結される。詳細には、支柱部23は、挿通口部R3に挿入される。一対の突出部21は、一対の凹部R2に連結される。一対の端子部22は、一対の導体部R1に連結される。詳細には、プラグ部20は、連結状態を切替可能である。連結状態は、第1状態と第2状態とを含む。第1状態は、凹部R2と突出部21とが連結せず、導体部R1と端子部22とが連結しない状態を示す。第2状態は、凹部R2と突出部21とが連結し、導体部R1と端子部22とが連結した状態を示す。また、第1状態は、挿通口部R3内を突出部21と端子部22とが、第2方向PD2に沿って移動可能な状態を示す。換言すれば、プラグ部20は、ダクトレールRに着脱自在に取付けられる。なお、プラグ部20の着脱方法の一例については、
図8及び
図9で後述する。
【0025】
続けて
図3を参照して、本実施形態に係るオゾン供給装置1について詳細に説明する。
図3は、オゾン供給装置1の分解斜視図である。
図3に示すように、オゾン供給装置1は、係合部30を更に備えてもよい。係合部30とプラグ部20とは、第1方向PD1において対向する。
【0026】
係合部30は、支柱部33と、一対の突出部31とを有する。支柱部33は、第2方向PD2に沿って延びている。例えば、支柱部33は、略円筒状部材である。
【0027】
一対の突出部31は、第3方向PD3において支柱部33を挟んで対向する。一対の突出部31の各々は、第3方向PD3に沿って延びた板状部材である。
【0028】
係合部30は、ダクトレールRに係合可能である。具体的には、係合部30は、ダクトレールRに係合される。詳細には、支柱部33は、挿通口部R3に挿入される。一対の突出部31は、一対の凹部R2に連結される。詳細には、係合部30は、連結状態を切替可能である。連結状態は、第3状態と第4状態とを含む。第3状態は、ダクトレールRと突出部31とが連結しない状態を示す。第4状態は、ダクトレールRと突出部31とが連結した状態を示す。また、第3状態は、挿通口部R3内を突出部31が、第2方向PD2に沿って移動可能な状態を示す。換言すれば、係合部30は、ダクトレールRに着脱自在に取付けられる。また、係合部30は、プラグ部20と同様に、一対の端子部を有してもよい。
【0029】
オゾン生成部10は、オゾンを生成する。オゾンは、除菌作用及び消臭作用を有する。本明細書において、除菌とは、例えば、細菌、カビ類、又は、ウイルス等を減らすことである。なお、オゾンによる作用には、細菌、カビ類、又は、ウイルス等の生育及び増殖を抑制する抗菌作用を含めてもよい。また、消臭という概念には、例えば、硫化水素(H2S)、アンモニア(NH3)等の臭い物質を分解することが含まれる。
【0030】
例えば、オゾンは、空気中に放出されると、部屋に存在する菌又はウイルスの表面を取り囲む。オゾンは、菌又はウイルスを不活化して、菌又はウイルスの生命活動を減退させることができる。なお、オゾンは、酸化力の非常に高い活性種であるので、菌又はウイルスだけでなく、空間のオゾン濃度が所定濃度(例えば0.1ppm)を超えると、人に対して影響を及ぼす可能性がある。
【0031】
具体的には、オゾン生成部10は、紫外線灯とインバータとを含む。例えば、紫外線灯は、低圧水銀灯(低圧水銀ランプ)、キセノン灯(キセノンランプ)、エキシマランプ、又は、重水素ランプ等である。紫外線灯は、電圧が印加されて、紫外光を出射する。具体的には、プラグ部20からの外部電源電圧をコンバータ(電源部)及びインバータ等で変換して、紫外線灯は、紫外光を出射する。紫外光は、例えば1nm以上400nm以下の光を含み、中心波長150nm以上200nm以下の光であることが好ましい。
【0032】
例えば、オゾン生成部10は、中心波長150nm以上200nm以下の光の照射によって酸素分子(O2)から、設定生成量のオゾン(O3)を生成する。その結果、副生成物(一酸化窒素(NO)又は二酸化窒素(NO2))の生成を抑制できる。また、紫外光照射方式の生成装置であるため、放電方式の生成装置と比較して、長期間経過しても、設定生成量のオゾンを生成することを維持できる。
【0033】
以上、
図1から
図3を参照して説明したように、オゾン供給装置1は、オゾン生成部10とプラグ部20とを備える。プラグ部20は、ダクトレールRからの電力をオゾン生成部10に供給する。その結果、オゾン生成部10を駆動できる。よって、床と異なる場所にオゾン生成部10を配置できる。その結果、オゾン生成部10は、床と異なる場所からオゾンを放出できる。よって、オゾンを部屋内に向かって効率よく放出できる。
【0034】
具体的には、オゾン(O3)の比重は、酸素分子(O2)の比重と、窒素分子(N2)の比重と、二酸化炭素(CO2)の比重との各々より重いため、オゾンは天井111から空気中を落下する。その結果、オゾン供給装置1は、オゾンを部屋内で効率よく拡散できる。換言すれば、オゾン供給装置1は、オゾンを部屋内の広範囲に拡散できる。
【0035】
また、床と異なる場所にオゾン供給装置1を配置できるため、オゾン供給装置1は、人(例えば客)の目に触れず、部屋(例えば店舗)の美観に影響を与えることを抑制できる。
【0036】
更に、オゾン供給装置1はプラグ部20を備えるため、オゾン供給装置1を床と異なる場所に容易に配置できる。また、オゾン供給装置1をダクトレールR中の任意の位置に容易に配置できる。
【0037】
続けて
図2から
図4を参照して、オゾン生成部10が収容される筐体40について詳細に説明する。
図4は、オゾン供給装置1の別の分解斜視図である。
図2から
図4に示すように、オゾン供給装置1は、筐体40と、送出部50とを更に備える。
【0038】
筐体40の形状は、例えば、直方体である。具体的には、筐体40は、天板42と、下板43と、複数の側壁41とを有する。複数の側壁41は、右側壁41aと左側壁41bと前側壁41cと後側壁41dとを含む。前側壁41cと後側壁41dとは、第1方向PD1において対向する。右側壁41aと左側壁41bとは、第3方向PD3において対向する。筐体40は、例えば、合成樹脂製である。
【0039】
筐体40は、一対の吸気口44と、放出口45とを更に有する。一対の吸気口44は、右側壁41aと左側壁41bとに配置されることが好ましい。一対の吸気口44の各々は、例えば、複数の開口の集合体である。複数の開口の各々は、例えば、円形である。
【0040】
放出口45は、下板43の略中央部に配置されることが好ましい。放出口45は、例えば、1個の開口である。開口は、例えば、円形である。
【0041】
オゾン生成部10は、筐体40内に配置される。また、送出部50は、筐体40内に配置される。
【0042】
具体的には、送出部50は、ファン51と、ファンモータ52とを有する。ファンモータ52は、ファン51を駆動する。ファンモータ52の電源コネクタは、電線(図示せず)を介して一対の端子部22に接続されている。詳細には、ファンモータ52は、外部電源電圧が印加されて、ファン51を所定回転速度で駆動する。
【0043】
ファン51は、例えば、軸流型のファンである。軸流型のファンは、複数の羽根と回転軸部とを有する。そして、複数の羽根は、回転軸部の外周に沿って位置する。具体的には、複数の羽根は、回転軸部を中心に放射状に配置される。詳細には、ファン51では、第2方向PD2に沿って回転軸線BXが延びている。ファン51は、駆動されると、ファン51の第2方向PD2側から吸い込んだ空気を、ファン51の第2方向PD2の反対方向側に吹き出す。
【0044】
送出部50は、放出口45より第2方向PD2に配置される。具体的には、ファン51は、放出口45に対向する。
【0045】
以上、
図1から
図4を参照して説明したように、オゾン生成部10と送出部50とは、筐体40内に配置される。送出部50は、放出口45からオゾンを筐体40外に放出する。その結果、放出口45から所定領域に向かってオゾンを、より効率よく放出できる。また、筐体40にオゾン生成部10を収容できるため、オゾン供給装置1が人(例えば客)の目に触れた場合にも、部屋(例えば店舗)の美観に影響を与えることを抑制できる。さらに、筐体40を、本実施形態のような直線および平面を基調とするデザインとすることで、天井およびダクトレールとの外観上の一体感が生じて、目立ちにくく、部屋(例えば店舗)の美観に影響を与えることを抑制できる。なお、本実施形態における筐体40の形状は、一例であり、オゾン生成部10を収容してオゾンを放出できれば、他の形状とすることができる。
【0046】
続けて、オゾン生成部10の駆動を制御する制御部70について詳細に説明する。
図3に示すように、オゾン供給装置1は、電源部60と、制御部70とを更に備える。
【0047】
電源部60は、プラグ部20からの外部電源電圧(AC100V)に基づいて内部電源電圧(DC(Direct Current))を生成し、内部電源電圧をオゾン生成部10に印加する。具体的には、電源部60は、AC-DC電源部(コンバータ)を含む。
【0048】
詳細には、オゾン供給装置1は、複数の電源部60を備える。複数の電源部60は、第1電源部61と、第2電源部62とを含む。第1電源部61は、プラグ部20からの外部電源電圧(AC100V)に基づいて内部電源電圧(DC)を生成し、内部電源電圧をオゾン生成部10と送出部50とに印加する。第2電源部62は、プラグ部20からの外部電源電圧(AC100V)に基づいて内部電源電圧(DC)を生成し、内部電源電圧を制御部70に印加する。
【0049】
制御部70は、オゾン生成部10と送出部50とを制御する。制御部70は、電線(図示せず)を介して第2電源部62に接続されている。詳細には、制御部70は、内部電源電圧(DC)が常時、印加されて、オゾン生成部10と送出部50とを制御する。
【0050】
具体的には、制御部70は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含むハードウェア回路を含む。詳細には、制御部70は、オゾン生成部10と送出部50との各々のオンとオフとを切り替える。オンとは、例えば、電源を入れることを示す。オフとは、例えば、電源を切ることを示す。更に詳細には、制御部70は、第1電源部61のオンとオフとを切り替える。
【0051】
筐体40は、第1流通路G1と、第2流通路G2と、仕切板G3とを更に有することが好ましい。具体的には、仕切板G3は、第1流通路G1と第2流通路G2との間に配置される。第1流通路G1は、左側壁の吸気口44の内の一部の吸気口から、放出口45に至る。第2流通路G2は、筐体40内の第1流通路G1以外の部分である。
【0052】
オゾン生成部10と送出部50とは、第1流通路G1に配置される。詳細には、オゾン生成部10は、送出部50より第3方向PD3に配置される。
【0053】
電源部60は、プラグ部20又は係合部30の下方に配置されることが好ましい。具体的には、第1電源部61及び第2電源部62は、係合部30の下方に配置される。また、制御部70は、プラグ部20の下方に配置される。その結果、ダクトレールRにオゾン供給装置1を安定して配置できる。
【0054】
詳細には、第1電源部61と第2電源部62と制御部70とは、第2流通路G2に配置される。具体的には、第1電源部61及び第2電源部62は、第1流通路G1より第1方向PD1に配置される。また、制御部70は、第1流通路G1より第1方向PD1の反対方向に配置される。その結果、ダクトレールRにオゾン供給装置1を、より安定して配置できる。
【0055】
続けて
図2及び
図5を参照して、オゾン供給装置1から吹き出される空気の流れについて説明する。
図5は、オゾン供給装置1の一例を示す断面図である。第1気流F1と第2気流F2と第3気流F3の各々は、空気の流れを示す。第1気流F1は、第1流通路G1に吸い込まれる空気の流れを示す。第2気流F2は、第2流通路G2に吸い込まれる空気の流れを示す。第3気流F3は、筐体40から吹き出される空気の流れを示す。
【0056】
図2及び
図5に示すように、オゾン供給装置1は、下面プレート49を更に備える。下面プレート49は、板状部材である。下面プレート49は、放出口45より第2方向PD2の反対方向に配置される。その結果、オゾンが部屋の広範囲まで行きわたる。
【0057】
ファンモータ52の駆動により、ファン51は回転する。ファン51は、吸気口44から空気を第1流通路G1内に吸気する。第1流通路G1内に吸い込まれた空気は、第1気流F1に沿って流れる。換言すれば、第1気流F1は、オゾン生成部10に沿って流れる。その結果、空気はオゾンを含む。また、空気中に存在する菌又はウイルスを不活化できる。
【0058】
オゾンを含んだ空気は、ファン51に吸い込まれる。ファン51に吸い込まれた空気は、放出口45から筐体40外に放出される。放出口45から放出された空気は、下面プレート49によって、第3気流F3に沿って吹き出される。換言すれば、放出口45からオゾンが筐体40外に放出される。
【0059】
また、ファン51は、吸気口44から空気を第2流通路G2内に吸気する。第2流通路G2内に吸い込まれた空気は、第2気流F2に沿って流れる。換言すれば、第2気流F2は、第1電源部61と第2電源部62と制御部70とに沿って流れる。その結果、第1電源部61と第2電源部62と制御部70とは冷却される。第1電源部61と第2電源部62と制御部70とを冷却した空気は、仕切板G3と左側壁41bの間に設けられた隙間G3aを通過して、第1流通路G1内に吸気される。第1流通路G1内に吸気された空気は、ファン51に吸い込まれる。ファン51に吸い込まれた空気は、放出口45から筐体40外に放出される。放出口45から放出された空気は、下面プレート49によって、第3気流F3に沿って吹き出される。
【0060】
続けて
図4及び
図6を参照して、オゾン供給装置1における電力の流れについて説明する。
図6は、オゾン供給装置1の回路を示す構成図である。
図4及び
図6に示すように、オゾン供給装置1は、人感センサ81と、第1ランプ83と、第2ランプ82とを更に備える。
【0061】
人感センサ81と、第1ランプ83と、第2ランプ82とは、下板43に配置される。詳細には、人感センサ81と、第1ランプ83と、第2ランプ82とは、下面プレート49の貫通孔に配置される。
【0062】
人感センサ81は、人が存在するか否かを検知する。具体的には、人感センサ81は、部屋に人が存在するか否かを検知する。人感センサ81は、例えば、赤外線センサ又は二酸化炭素感度センサである。また、人感センサ81は、例えば、部屋の明るさを示す照度センサであってもよい。人感センサ81は、電線を介して制御部70に接続されている。詳細には、人感センサ81は、制御部70から内部電源電圧(DC)が印加されて、部屋に人が存在するか否かを検知し、検知結果を制御部70に出力する。
【0063】
制御部70は、検知結果に基づいて、第1電源部61のオンとオフとを切り替える。具体的には、人が存在することを検知結果が示す場合には、制御部70は第1電源部61をオフにする。換言すれば、人が存在する場合には、部屋にオゾンが放出されない。一方、人が存在しないことを検知結果が示す場合には、制御部70は第1電源部61をオンにする。換言すれば、人が存在しない場合には、部屋にオゾンが放出される。その結果、人に対して影響を及ぼすことを抑制できる。
【0064】
第1ランプ83は、オゾン発生中表示ランプであり、可視光を出射する。具体的には、第1ランプ83は、青色の光を出射する。第1ランプ83は、電線を介して第1電源部61に接続されている。その結果、制御部70が第1電源部61をオンにした場合に、第1ランプ83は可視光を出射する。一方、制御部70が第1電源部61をオフにした場合に、第1ランプ83は可視光を出射しない。よって、オゾン生成部10が駆動していることを人は認識できる。
【0065】
第2ランプ82は、人感センサ動作中表示ランプであり、可視光を出射する。具体的には、第1ランプ83は、緑色の光を出射する。第2ランプ82は、電線を介して制御部70に接続されている。
【0066】
制御部70は、第2ランプ82を制御する。具体的には、人が存在することを検知結果が示す場合には、制御部70は第2ランプ82を点滅する。一方、人が存在しないことを検知結果が示す場合には、制御部70は第2ランプ82を点灯する。その結果、人感センサ81が駆動していることを人は認識できる。
【0067】
続けて
図7を参照して、本実施形態に係る抗菌方法の一例を説明する。
図7は、本実施形態に係る抗菌方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、抗菌方法は、ステップS101からステップS111を含む。抗菌方法は、オゾン供給装置1によって実行される。
【0068】
まず、ステップS101において、制御部70は、第2ランプ82が点灯するように、第2ランプ82を制御する。
【0069】
次に、ステップS102において、制御部70は、人感センサ81の検知結果に基づいて、部屋内に人が存在するか否かを判定する。部屋内に人が存在しないと制御部70が判定した場合(ステップS102でNO)には、処理がステップS101に戻る。一方、部屋内に人が存在すると制御部70が判定した場合(ステップS102でYES)には、処理がステップS103に進む。
【0070】
次に、ステップS103において、制御部70は、第2ランプ82が点滅するように、第2ランプ82を制御する。
【0071】
次に、ステップS104において、制御部70は、人感センサ81の検知結果に基づいて、部屋内に人が存在するか否かを判定する。部屋内に人が存在すると制御部70が判定した場合(ステップS104でYES)には、処理がステップS103に戻る。一方、部屋内に人が存在すると制御部70が判定した場合(ステップS104でNO)には、処理がステップS105に進む。
【0072】
次に、ステップS105において、制御部70は、第2ランプ82が点灯するように、第2ランプ82を制御する。
【0073】
次に、ステップS106において、制御部70は、10秒が経過したか否かを判定する。10秒が経過していないと制御部70が判定した場合(ステップS106でNO)には、処理がステップS104に戻る。一方、10秒が経過したと制御部70が判定した場合(ステップS106でYES)には、処理がステップS107に進む。なお、ステップS106における判定基準時間は、10秒に限らず、他の時間(例えば1分)であってもよい。
【0074】
次に、ステップS107において、制御部70は、オゾン生成部10とファン51と第1ランプ83とが駆動するように、第1電源部61をオンにする。
【0075】
次に、ステップS108において、制御部70は、人感センサ81の検知結果に基づいて、部屋内に人が存在するか否かを判定する。部屋内に人が存在すると制御部70が判定した場合(ステップS108でYES)には、処理がステップS109に進む。
【0076】
次に、ステップS109において、制御部70は、オゾン生成部10とファン51と第1ランプ83とが駆動しないように、第1電源部61をオフにする。その後、処理がステップS103に戻る。
【0077】
一方、部屋内に人が存在すると制御部70が判定した場合(ステップS108でNO)には、処理がステップS110に進む。次に、ステップS110において、制御部70は、1分が経過したか否かを判定する。本実施形態では、1分であるが、部屋内のオゾン濃度によって自動又は手動で調整されてもよい。1分が経過していないと制御部70が判定した場合(ステップS110でNO)には、処理がステップS107に戻る。一方、1分が経過したと制御部70が判定した場合(ステップS110でYES)には、処理がステップS111に進む。なお、ステップS110における判定基準時間は、1分に限らず、他の時間(例えば1時間以上)であってもよい。
【0078】
次に、ステップS111において、制御部70は、オゾン生成部10とファン51と第1ランプ83とが駆動しないように、第1電源部61をOFFにする。その後、処理がステップS101に戻る。
【0079】
ここで、
図8及び
図9を参照して、プラグ部20を更に詳しく説明する。
図8は、プラグ部20を拡大して示す斜視図である。
図9は、プラグ部20を拡大して示す別の斜視図である。
図8及び
図9に示すように、プラグ部20は、切替部130を更に有する。
【0080】
切替部130は、ダクトレールRに対するプラグ部20の連結状態を切り替える。
【0081】
具体的には、切替部130は、レバーを含む。切替部130は、プラグ部20に取付けられている。切替部130は、回動軸線AXを中心に約90°、回動可能である。換言すれば、プラグ部20は、回動軸線AXを中心に約90°、回動可能である。より具体的には、切替部130及びプラグ部20は、回動軸線AXを中心に、第1回動方向RAに回動する。第1回動方向RAは、プラグ部20が第1状態から第2状態になるときの回動方向を示す。また、切替部130及びプラグ部20は、回動軸線AXを中心に、第2回動方向RBに回動する。第2回動方向RBは、プラグ部20が第2状態から第1状態になるときの回動方向を示す。
【0082】
また、プラグ部20は、筐体40の凹部48に配置される。プラグ部20の連結状態が第1状態である場合、
図8に示すように、切替部130は凹部48から突出する。また、プラグ部20の連結状態が第2状態である場合、
図9に示すように、切替部130は凹部48に収容される。
【0083】
その結果、ダクトレールRにオゾン供給装置1を取り付けた状態でも切替部130を操作できる。よって、切替部130の操作する際の利便性が向上する。また、オゾン供給装置1をダクトレールRに取付けた状態において、切替部130は凹部48に収容されるため、オゾン供給装置1の美観が向上する。
【0084】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0085】
(1)本実施形態の制御部70は、人感センサ81の検知結果に基づいて、第1電源部61のオンとオフとを切り替えていたが、これに限らない。制御部70は、所定時間(例えば夜又は店舗の閉店時間)に、第1電源部61をオンにし、所定時間(例えば昼又は店舗の開店時間)に、第1電源部61をオフにしてもよい。
【0086】
(2)本実施形態の制御部70は、部屋内に人が存在しない場合には、制御部70は、第1電源部61をオンにしていたが、これに限らない。オゾン供給装置1は、二酸化炭素感度センサを備え、部屋内に所定数以上の人が存在する場合には、制御部70は、第1電源部61をオンにし、部屋内に所定数未満の人が存在する場合には、制御部70は、第1電源部61をオフにしてもよい。その結果、部屋内に所定数以上の人が存在する場合に、感染予防を行うことができる。
【0087】
(3)本実施形態の制御部70は、人感センサ81の検知結果に基づいて、第1電源部61のオンとオフとを切り替えていたが、これに限らない。オゾン供給装置1は、人が操作する操作部を備え、制御部70は、操作部からの操作信号に基づいて、第1電源部61のオンとオフとを切り替えてもよい。
【0088】
(4)本実施形態のオゾン供給装置1は、第1電源部61と、第2電源部62とを含んだが、これに限らない。オゾン供給装置1は、第3電源部を更に含んでもよい。具体的には、第1電源部61は、プラグ部20からの外部電源電圧(AC100V)に基づいて内部電源電圧(DC)を生成し、内部電源電圧をオゾン生成部10に印加する。第3電源部は、プラグ部20からの外部電源電圧(AC100V)に基づいて内部電源電圧(DC)を生成し、内部電源電圧を送出部50に印加する。換言すれば、制御部70は、オゾン生成部10と、送出部50との各々のオンとオフとを個別に切り替えてもよい。例えば、制御部70は、オゾン生成部10をオンにしながら、ファン51の回転速度を変化させてもよい。
【0089】
(5)本実施形態のオゾン生成部10は、設定生成量のオゾン(O3)を生成したが、これに限らない。オゾン供給装置1は、調整部を含んでもよい。具体的には、調整部は、オゾン(O3)の生成量を変化させてもよい。
【0090】
(6)本実施形態のオゾン供給装置1は、部屋の広さを検知するカメラを更に備え、部屋が広い場合には、制御部70は、オゾン(O3)の生成量を増加し、部屋が狭い場合には、制御部70は、オゾン(O3)の生成量を減少してもよい。
【0091】
(7)本実施形態のオゾン供給装置1は、放出口45に対して固定された下面プレート49を備えていたが、これに限らない。オゾン供給装置1は、放出口45に対して可動するルーバを備えてもよい。
【0092】
(8)本実施形態のオゾン供給装置1は、向き及び回転速度が固定されたファン51を備えていたが、これに限らない。オゾン供給装置1は、ファン51の向きを変化させてもよく、ファン51の回転速度を変化させてもよい。
【0093】
(9)本実施形態の制御部70は第1電源部61をオンにした場合に、第1ランプ83は可視光を出射したが、これに限らない。オゾン供給装置1は、オゾン濃度センサを備え、制御部70は、オゾン濃度センサで検知された部屋内のオゾン濃度に基づいて、第1ランプ83が出射する可視光の色又は第1ランプ83の点滅速度を切り替えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、オゾン供給装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0095】
1 :オゾン供給装置
10 :オゾン生成部
20 :プラグ部(連結部)
30 :係合部
40 :筐体
50 :送出部
60 :電源部
70 :制御部
81 :人感センサ
111 :天井(取付面)
R :ダクトレール(レール部材)