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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】画素回路、その駆動方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/32 20160101AFI20241212BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 611H
G09G3/20 624B
G09G3/20 641A
G09G3/20 642A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020572484
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2019115093
(87)【国際公開番号】W WO2020253029
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】201910522133.8
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ミン
(72)【発明者】
【氏名】コン ニン
(72)【発明者】
【氏名】ユエ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン カン
(72)【発明者】
【氏名】ワン カン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン アングラン
(72)【発明者】
【氏名】スアン ミンフア
(72)【発明者】
【氏名】チェン シャオチュアン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-297097(JP,A)
【文献】特開2011-028214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素回路であって、
第1端子及び第2端子を有する発光素子と、
前記発光素子の第1端子に電気的に接続され、前記発光素子に電力を供給する駆動回路であって、前記駆動回路の制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路の第1端子との間の導通を制御するように構成される駆動回路と、
圧比較器であって、前記電圧比較器の第2入力端子は、基準電圧を供給する基準電圧端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の出力端子は、前記スイッチ制御回路の制御端子に電気的に接続され、前記電圧比較器は、前記電圧比較器の第1入力端子に供給されるデータ電圧と前記基準電圧とに基づいてパルス幅変調信号を生成する電圧比較器と、
前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するオフセット電圧検出回路と、
記スイッチ制御回路の制御端子の電位の制御により、前記スイッチ制御回路の第1端子と前記スイッチ制御回路の第2端子との間の導通を制御するように構成されるスイッチ制御回路と、
前記発光素子に電気的に接続された発光制御回路であって、発光制御線から入力される発光制御信号の制御により、前記スイッチ制御回路の第2端子と前記発光素子との間の導通を制御し、前記駆動回路の制御端子と前記電圧比較器の第1入力端子との間の導通を制御するように構成される発光制御回路と、を備え、
前記画素回路の前記オフセット電圧検出回路は、データ電圧補償回路に電気的に接続され、前記データ電圧補償回路は、検出された入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償する、
画素回路。
【請求項2】
前記オフセット電圧検出回路は、
前記電圧比較器の第1入力端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の第1入力端子にテスト電圧を供給するテスト電圧供給回路と、
前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の第1入力端子に前記テスト電圧を供給し、前記電圧比較器の第2入力端子に前記基準電圧を供給するときに、前記電圧比較器の出力電圧を検出して、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を取得する検出回路と、を備える、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記テスト電圧供給回路は、テスト制御端子から入力されるテスト制御信号の制御により、テスト電圧端子と前記電圧比較器の第1入力端子との間の導通を制御する電圧供給スイッチングサブ回路を有する、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項4】
前記電圧供給スイッチングサブ回路は、電圧供給スイッチングトランジスタを有し、前記電圧供給スイッチングトランジスタの制御電極は前記テスト制御端子に電気的に接続され、前記電圧供給スイッチングトランジスタの第1電極は前記テスト電圧端子に電気的に接続され、前記電圧供給スイッチングトランジスタの第2電極は前記電圧比較器の第1入力端子に電気的に接続される、
請求項3に記載の画素回路。
【請求項5】
前記テスト電圧供給回路は、前記テスト電圧端子にテスト電圧を供給する電圧供給サブ回路をさらに有する、
請求項3に記載の画素回路。
【請求項6】
前記検出回路は、検出スイッチング制御端子から入力される検出スイッチング制御信号の制御により、前記電圧比較器の出力端子と読出し線との間の導通を制御する検出スイッチングサブ回路を有する、
請求項2に記載の画素回路。
【請求項7】
前記検出スイッチングサブ回路は、検出スイッチングトランジスタを有し、前記検出スイッチングトランジスタの制御電極は、前記検出スイッチング制御端子に電気的に接続され、前記検出スイッチングトランジスタの第1電極は、前記読出し線に電気的に接続され、前記検出スイッチングトランジスタの第2電極は、前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続される、
請求項6に記載の画素回路。
【請求項8】
前記検出回路は、前記読出し線に接続され、前記電圧比較器の出力電圧に基づいて前記電圧比較器の入力オフセット電圧を取得する検出サブ回路をさらに有する、
請求項6に記載の画素回路。
【請求項9】
前記データ電圧補償回路は、前記入力オフセット電圧と前記データ電圧とを加算することにより、補償されたデータ電圧を取得するように構成される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の画素回路。
【請求項10】
データ線および前記駆動回路に電気的に接続されたデータ書込回路をさらに有し、
前記データ書込回路は、ゲート線から入力されるゲート駆動信号の制御により、前記データ線から供給される前記データ電圧の前記駆動回路の制御端子への書込みを制御し、前記駆動回路の制御端子の電位を制御するように構成される、
請求項1に記載の画素回路。
【請求項11】
前記スイッチ制御回路は、スイッチ制御トランジスタを有し、前記発光制御回路は、第1発光制御トランジスタと、第2発光制御トランジスタとを有し、
前記スイッチ制御トランジスタの制御電極は、前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、前記スイッチ制御トランジスタの第1電極は、前記駆動回路に電気的に接続され、前記スイッチ制御トランジスタの第2電極は、前記第2発光制御トランジスタの第1電極に電気的に接続され、
前記第1発光制御トランジスタの制御電極は、前記発光制御線に電気的に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第1電極は、前記駆動回路の制御端子に電気的に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第2電極は、前記電圧比較器の第1入力端子に電気的に接続され、
前記第2発光制御トランジスタの制御電極は、前記発光制御線に電気的に接続され、前記第2発光制御トランジスタの第2電極は、前記発光素子に電気的に接続される、
請求項10に記載の画素回路。
【請求項12】
前記データ書込回路は、データ書込トランジスタおよび蓄積容量を有し、前記駆動回路は、駆動トランジスタを有し、
前記データ書込トランジスタの制御電極は、前記ゲート線に電気的に接続され、前記データ書込トランジスタの第1電極は、前記データ線に電気的に接続され、前記データ書込トランジスタの第2電極は、前記駆動トランジスタの制御電極に電気的に接続され、
前記蓄積容量の第1端子は、前記駆動トランジスタの制御電極に電気的に接続され、前記蓄積容量の第2端子は、第1電圧端子に電気的に接続され、
前記駆動トランジスタの制御電極は、前記駆動回路の制御端子であり、前記駆動トランジスタの第1電極は、電源電圧端子に電気的に接続され、前記駆動トランジスタの第2電極は、前記スイッチ制御回路の第1端子に電気的に接続される、
請求項10又は11に記載の画素回路。
【請求項13】
第1端子及び第2端子を有する発光素子と、前記発光素子の第1端子に電気的に接続され、前記発光素子に電力を供給する駆動回路であって、前記駆動回路の制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路の第1端子との間の導通を制御するように構成される駆動回路と、圧比較器であって、前記電圧比較器の第2入力端子は、基準電圧を供給する基準電圧端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の出力端子は、前記スイッチ制御回路の制御端子に電気的に接続され、前記電圧比較器は、前記電圧比較器の第1入力端子に供給されるデータ電圧と前記基準電圧とに基づいてパルス幅変調信号を生成する電圧比較器と、前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するオフセット電圧検出回路と、記スイッチ制御回路の制御端子の電位の制御により、前記スイッチ制御回路の第1端子と前記スイッチ制御回路の第2端子との間の導通を制御するように構成されるスイッチ制御回路と、前記発光素子に電気的に接続された発光制御回路であって、発光制御線から入力される発光制御信号の制御により、前記スイッチ制御回路の第2端子と前記発光素子との間の導通を制御し、前記駆動回路の制御端子と前記電圧比較器の第1入力端子との間の導通を制御するように構成される発光制御回路と、を備える画素回路において、前記画素回路の前記オフセット電圧検出回路は、データ電圧補償回路に電気的に接続され、前記データ電圧補償回路は、検出された入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償する画素回路の駆動方法であって、
検出期間において、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出することと、
表示期間において、前記入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得することと、を含む、
画素回路の駆動方法。
【請求項14】
前記検出期間において、前記電圧比較器の前記入力オフセット電圧を検出することは、 前記電圧比較器の第1入力端子にテスト電圧を供給することと、
前記電圧比較器の第2入力端子に前記基準電圧を供給することと、
前記電圧比較器の出力電圧を検出することと、
前記出力電圧に基づいて、前記電圧比較器の前記入力オフセット電圧を取得することと、を含む、
請求項13に記載の駆動方法。
【請求項15】
前記検出期間において、前記電圧比較器の前記入力オフセット電圧を検出することは、
前記電圧比較器の前記出力電圧が所定電圧である場合、前記電圧比較器の第1入力端子と前記電圧比較器の第2入力端子との間の電圧差を前記電圧比較器の前記入力オフセット電圧として決定することをさらに含み、
ここで、前記所定電圧は、(VH+VL)/2であり、VHは前記電圧比較器から出力される高電圧であり、VLは前記電圧比較器から出力される低電圧である、
請求項14に記載の駆動方法。
【請求項16】
前記表示期間において、前記入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償することは、
前記入力オフセット電圧と前記データ電圧とを加算して前記補償されたデータ電圧を取得することを含む、
請求項13に記載の駆動方法。
【請求項17】
検出期間において、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出することと、
表示期間において、前記入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得することと、を含み、
検出期間において、前記データ線は、前記ゲート駆動信号の制御により、前記駆動回路の制御端子から遮断され、前記スイッチ制御回路の第2端子は、前記発光制御信号の制御により、前記発光素子から遮断され、前記駆動回路の制御端子は、前記発光制御信号の制御により、前記電圧比較器の第1入力端子から遮断される、
請求項10に記載の画素回路の駆動方法。
【請求項18】
請求項1~12のいずれか1項に記載の画素回路を有する表示パネル。
【請求項19】
請求項18に記載の表示パネルを有する表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画素回路、その駆動方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)より高い効率、低い消費電力、及び高い信頼性を有し、将来の新しい表示製品になる可能性がある。
【0003】
マイクロLEDは、電流駆動装置の一種であり、その輝度は、マイクロLEDに流れる電流と発光時間(illumination time)又は発光持続時間(light emitting duration)に関係している。電圧比較器は、非反転入力電圧と反転入力電圧との間の相対的な電圧関係を調整することによって、マイクロLEDに出力される方形波信号(例えば、パルス幅変調信号)のデューティ比を制御し、これにより、マイクロLEDの発光持続時間を制御する。入力オフセット電圧は、電圧比較器の重要なパラメータである。入力オフセット電圧が存在する(即ち、入力オフセット電圧がゼロでない)と、電圧比較器の非反転入力電圧が電圧比較器の反転入力電圧から一定値(0でない)ずれる場合、電圧比較器出力は、一方の論理レベルから他方の論理レベルに変化する。電圧比較器における入力オフセット電圧の存在やバラツキにより、同じグレースケールを表示するときに、表示パネルの異なる位置における各画素回路の発光持続時間が異なるため、表示パネルの輝度均一性が悪く、表示に影響を与えるという問題を招く恐れがある。ここで、非反転入力電圧とは、電圧比較器の非反転入力端子に入力される電圧を指し、反転入力電圧とは、電圧比較器の反転入力端子に入力される電圧を指す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は、画素回路、その駆動方法及び表示装置を提供する。
【0005】
本開示の第1の側面によれば、第1端子及び第2端子を有する発光素子と、前記発光素子の第1端子に電気的に接続され、前記発光素子に電力を供給する駆動回路と、データ電圧及び基準電圧に基づいてデューティ比を有するパルス幅変調信号を生成する電圧比較器と、前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するオフセット電圧検出回路と、前記オフセット電圧検出回路に電気的に接続され、検出された入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償するデータ電圧補償回路と、を備える画素回路が提供される。
【0006】
本開示の第2の側面によれば、第1端子及び第2端子を有する発光素子と、前記発光素子の第1端子に電気的に接続され、前記発光素子に電力を供給する駆動回路と、データ電圧及び基準電圧に基づいてデューティ比を有するパルス幅変調信号を生成する電圧比較器と、前記電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するオフセット電圧検出回路と、前記オフセット電圧検出回路に電気的に接続され、検出された入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償するデータ電圧補償回路とを備えた画素回路の駆動方法であって、検出期間において、前記電圧比較器の入力オフセット電圧を検出することと、表示期間において、前記入力オフセット電圧に基づいて前記データ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得することとを含む駆動方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下に添付図面に示された具体的な実施例を参照しながら、実施例についてより具体的に説明する。なお、これらの添付図面は、いくつかの実施例を示すものに過ぎず、その範囲を限定するものではないと解されるべきである。添付図面を使用して付加的な特徴および詳細を用いて実施例について説明、解釈する。
【0008】
図1】本開示の一実施例に係る画素回路の構成図である。
【0009】
図2】本開示の一実施例に係る画素回路の構成図である。
【0010】
図3】本開示の一実施例に係る画素回路の構成図である。
【0011】
図4】本開示の一実施例に係る画素回路の構成図である。
【0012】
図5】本開示の一実施例に係る画素回路の動作タイミング図である。
【0013】
図6】電圧比較器VCの概略図である。
【0014】
図7図6の電圧比較器VCの入出力関係を示す図である。
【0015】
図8a】ガラス基板上の一つの位置における電圧比較器の電圧伝達曲線である。
【0016】
図8b】同じガラス基板上の別の位置における電圧比較器の電圧伝達曲線である。
【0017】
図9a】電圧比較器の入力オフセット電圧を示す概略図であり、該電圧比較器の電圧伝達曲線は図8aに示される。
【0018】
図9b】電圧比較器の入力オフセット電圧を示す概略図であり、該電圧比較器の電圧伝達曲線は図8bに示される。
【0019】
図10a】電圧比較器を利用してデータ電圧補償を行うときの動作タイミング図であり、該電圧比較器の電圧伝達曲線は図8aに示される。
【0020】
図10b】電圧比較器を利用してデータ電圧補償を行うときの動作タイミング図であり、該電圧比較器の電圧伝達曲線は図8bに示される。
【0021】
図11】本開示の一実施例に係る画素回路の構成図である。
【0022】
図12】本開示の一実施例に係る画素回路の構成図である。
【0023】
図13】本開示の一実施例に係る画素回路の駆動方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施例を示す図面を参照しながら、本開示について説明する。なお、これらの実施例は、すべての実施例ではなく、本開示を例示するものにすぎない。本開示における実施例に基づいて、当業者は、創造的な労力なしに他の変形を導き出すことができ、それらの変形はすべて本開示の範囲内である。
【0025】
本開示内容全体において使用される「一つの実施例」、「一実施例」、「一つの例」、「いくつかの実施例」、又は類似表現は、その実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本開示において、「一つの実施例において」、「一実施例において」、「いくつかの実施例において」及び類似表現が現れる場合、同じ実施例を指すことができるが、必ずしも全てが同じ実施例を指すとは限らず、「1つまたは複数の実施例」を指す。これらは、開示された全ての実施例を含んでもよいし、含まなくてもよい。したがって、特に断らない限り、いくつかの実施例の特徴又は要素は、いくつかの他の実施例に使用可能である。
【0026】
特に定義しない限り、本開示の実施例で使用される技術的又は科学的用語は、当業者によって理解される通常の意味で解釈されるべきである。
【0027】
本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似の用語は、任意の順序、量、又は重要性を表しない。これらは、ただ関連する装置、構成要素、プロセス、ステップ等の参照として使用される。特に明記しない限り、これらの用語は、いかなる空間的又は時間的順序も暗示するものではない。例えば、「第1装置」及び「第2装置」は、別個に形成された2つの装置、又は同じ装置の2つの部分もしくは構成要素を指してもよい。場合によって、例えば、「第1装置」及び「第2装置」は、同じであってもよく、且つ任意に命名してもよい。同様に、方法又はプロセスの「第1ステップ」は、「第2ステップ」の前、後、又はそれと同時に実行され得る。
【0028】
特に明記しない限り、「備える」、「含む」、「有する」、及びこれらの変形用語は、「含むが、これらに限定されない」ことを意味する。
【0029】
特に明記しない限り、列挙された項目のリストは、任意の項目又は全ての項目が相互に排他的であることを暗示するものではない。特に明記しない限り、「一」、「1つ」、及び「該」という用語は、「1つ又は複数」も意味する。
【0030】
「接続」又は「導通」などの用語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的又は間接的な電気的接続を含み得る。
【0031】
図面のフローチャートに示されるステップは、コンピュータ実行可能命令のセットなどのコンピュータシステムによって実行され得る。論理シーケンスがフローチャートに示されているが、場合によっては、示された又は説明されたステップは、本明細書に記載された順序とは異なる順序で実行され得る。
【0032】
本開示の図面は、本開示に係る構造のみに関し、他の構造は、従来の設計を参照し得る。
【0033】
本開示の実施例で用いられるトランジスタの各々は、三極管、薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ、又は同じ特性を有する他のデバイスであってもよい。実施例では、トランジスタの制御電極以外の2つの電極を区別するために、一方の電極を第1電極、他方の電極を第2電極と呼ぶ。
【0034】
実際の動作において、トランジスタが三極である場合、制御電極はベースであり得、第1電極はコレクタであり得、第2電極はエミッタであり得、又は、制御電極はベースであり得、第1電極はエミッタであり得、第2電極はコレクタであり得る。
【0035】
実際の動作において、トランジスタが薄膜トランジスタ又は電界効果トランジスタである場合、制御電極はゲートであり得、第1電極はドレインであり得、第2電極はソースであり得、又は、制御電極はゲート電極であり得、第1電極はソース電極であり得、第2電極はドレイン電極であり得る。
【0036】
本開示の一実施例に係る画素回路は、発光素子と、発光素子に電力を供給する駆動回路と、データ電圧及び基準電圧に基づいてデューティ比を有するパルス幅変調信号を生成する電圧比較器と、電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するオフセット電圧検出回路と、検出された入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償するデータ電圧補償回路と、を備える。
【0037】
本開示の一実施例に係る画素回路は、データ書込回路と、スイッチ制御回路と、発光制御回路とをさらに備えてもよい。
【0038】
データ書込回路は、ゲート線から入力されるゲート駆動信号の制御により、データ線から供給されるデータ電圧の駆動回路の制御端子への書き込みを制御し、駆動回路の制御端子の電位を制御するように構成される。
【0039】
発光制御回路は、発光制御線から入力される発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路の第2端子と発光素子との間の導通を制御し、駆動回路の制御端子と電圧比較器の第1入力端子(例えば、非反転入力端子)との間の導通を制御するように構成される。
【0040】
スイッチ制御回路は、その制御端子の電位の制御により、スイッチ制御回路の第1端子とスイッチ制御回路の第2端子との間の導通を制御するように構成される。
【0041】
駆動回路は、駆動回路の制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路の第1端子との間の導通を制御するように構成される。
【0042】
電圧比較器の第2入力端子(例えば、反転入力端子)は、基準電圧端子に電気的に接続され、電圧比較器の出力端子は、スイッチ制御回路の制御端子に電気的に接続され、電圧比較器は、第1入力端子に入力される電圧と第2入力端子に入力される基準電圧に基づいて制御電圧信号(例えば、パルス幅変調信号)を出力するように構成される。
【0043】
本開示の一実施例に係る画素回路は、表示期間の前に検出期間が設定され、表示期間はデータ書き込み段階を含む。検出期間において、オフセット電圧検出回路は、電圧比較器の入力オフセット電圧を検出する。データ書き込み段階において、データ電圧補償回路は、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得する。これにより、本開示の実施例に係る画素回路は、電圧比較器を介してスイッチ制御回路のオンオフを正確に制御することができ、発光素子の発光時間を正確に調節することができる。
【0044】
本開示の実施例において、画素回路の各々に含まれる電圧比較器の入力オフセット電圧を検出し、対応する入力オフセット電圧に基づいて画素回路の各々にデータ電圧補償を行った後、同じグレースケールを表示するとき、異なる位置における画素回路の各々の発光持続時間は同じである。これにより、表示パネルの輝度均一性が向上し、表示効果が向上する。
【0045】
発光素子は、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、micro LED)であってもよい。
【0046】
本開示の一実施例において、電圧比較器の第1入力端子は非反転入力端子であり得、電圧比較器の第2入力端子は反転入力端子であり得、又は、電圧比較器の第1入力端子は反転入力端子であり得、電圧比較器の第2入力端子は非反転入力端子であり得る。
【0047】
図1に示すように、本開示の一実施例に係る画素回路は、発光デバイス又は発光素子ELと、発光素子に電力を供給する駆動回路12と、データ電圧及び基準電圧に基づいてパルス幅変調信号を生成することにより、発光素子の発光時間を制御する電圧比較器VCと、電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するオフセット電圧検出回路15と、検出された入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償するデータ電圧補償回路16とを備える。画素回路は、データ書込回路11と、スイッチ制御回路13と、発光制御回路14とをさらに備える。
【0048】
データ書込回路11は、ゲート線Gateと、データ線Dataと、駆動回路12の制御端子とにそれぞれ電気的に接続される。データ書込回路11は、ゲート線Gateから入力されるゲート駆動信号の制御により、データ線Dataによって供給されるデータ電圧の駆動回路12の制御端子への書込みを制御し、駆動回路12の制御端子の電位を制御するように構成される。
【0049】
駆動回路12は、電源電圧端子と、スイッチ制御回路13の第1端子とにそれぞれ電気的に接続され、駆動回路12の制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路13の第1端子との間の導通を制御する。電源電圧端子は、電源電圧VDDを入力するためのものである。
【0050】
発光制御回路14は、発光制御線EMと、スイッチ制御回路13の第2端子と、発光素子ELと、駆動回路12の制御端子と、電圧比較器VCの第1入力端子(例えば非反転入力端子)とにそれぞれ電気的に接続される。発光制御回路14は、発光制御線EMから入力される発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路13の第2端子と発光素子ELとの間の導通を制御し、駆動回路12の制御端子と電圧比較器VCの第1入力端子との間の導通を制御するように構成される。
【0051】
スイッチ制御回路13は、その制御端子の電位の制御により、スイッチ制御回路13の第1端子とスイッチ制御回路13の第2端子との間の導通を制御するように構成される。
【0052】
電圧比較器VCの第2入力端子(例えば、反転入力端子)は、基準電圧端子に電気的に接続され、電圧比較器VCの出力端子はスイッチ制御回路13の制御端子に電気的に接続される。電圧比較器VCは、第1入力端子の電圧と第2入力端子の基準電圧Vrefとに基づいて制御電圧信号を出力する。基準電圧端子は、基準電圧Vrefを入力するためのものである。
【0053】
オフセット電圧検出回路15は、電圧比較器VCの第1入力端子(例えば、非反転入力端子)と電圧比較器VCの出力端子とにそれぞれ電気的に接続され、それにより、電圧比較器VCの入力オフセット電圧を検出する。
【0054】
データ電圧補償回路16は、オフセット電圧検出回路15と、データ線Dataとにそれぞれ電気的に接続され、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得して、補償されたデータ電圧をデータ線Dataに供給する。例えば、データ電圧補償回路16は、特定用途向け集積回路であってもよく、又はプログラム可能な論理アレイ、又は適切にプログラムされたマイクロコントローラ、又は入力オフセット電圧に基づいて補償されたデータ電圧を取得して、該補償されたデータ電圧をデータ線に供給する他のハードウェアデバイスを含み得る。
【0055】
図1に示す画素回路において、電圧比較器VCの第1入力端子は非反転入力端子であり、電圧比較器VCの第2入力端子は反転入力端子であるが、本開示はこれに限定されない。
【0056】
実施例において、図1に示す画素回路は、表示期間の前に検出期間が設定され、表示期間は、順次設定されるデータ書き込み段階と発光段階とを含む。
【0057】
検出期間において、オフセット電圧検出回路15は、電圧比較器VCの入力オフセット電圧を検出する。データ書込回路11は、ゲート駆動信号の制御により、データ線Dataを駆動回路12の制御端子から遮断するように制御する。発光制御回路14は、発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路13の第2端子を発光素子ELから遮断するように制御し、駆動回路12の制御端子を電圧比較器VCの第1入力端子から遮断するように制御する。
【0058】
データ書き込み段階において、データ電圧補償回路16は、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を得る。データ書込回路11は、ゲート駆動信号の制御により、補償されたデータ電圧を駆動回路12の制御端子に書き込み、駆動回路12の制御端子の電位を制御する。
【0059】
発光段階では、オフセット電圧検出回路15は、電圧比較器VCの入力オフセット電圧の検出を停止する。基準電圧端子は基準電圧Vrefを入力し、駆動回路12は、駆動回路12の制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路13の第1端子との間の導通を制御する。発光制御回路14は、発光制御線EMから入力される発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路13の第2端子と発光素子ELとの間の導通を制御し、駆動回路12の制御端子と電圧比較器VCの第1入力端子との間の導通を制御する。電圧比較器VCは、第1入力端子の電圧及び基準電圧Vrefに基づいて制御電圧信号を出力する。スイッチ制御回路13は、電圧比較器VCから出力される制御電圧信号の制御により、スイッチ制御回路13の第1端子とスイッチ制御回路13の第2端子との間の導通を制御することにより、発光素子ELの発光時間を制御する。
【0060】
実施例において、発光段階では、発光素子ELに流れる電流値は補償されたデータ電圧に関連し、発光素子ELの発光時間は基準電圧Vrefと補償されたデータ電圧に関連する。
【0061】
実施例に係る複数の画素回路を含む表示装置において、画素回路の各々に含まれる電圧比較器の入力オフセット電圧を検出し、対応する入力オフセット電圧に基づいて画素回路の各々にデータ電圧補償を行った後、同じグレースケールを表示するとき、表示装置の異なる位置における画素回路の各々の発光持続時間は同じである。これにより、表示パネルの輝度均一性が向上し、表示効果が向上する。
【0062】
一実施例において、オフセット電圧検出回路は、テスト電圧供給回路と検出回路とを含み得る。
【0063】
テスト電圧供給回路は、電圧比較器の第1入力端子に直流テスト電圧を供給するように構成され、検出回路は、テスト電圧供給回路が第1入力端子に直流テスト電圧を供給し、第2入力端子に基準電圧を供給するときに、電圧比較器の出力端子から出力される出力電圧を検出し、電圧比較器の入力オフセット電圧を得るように構成される。
【0064】
図2に示す画素回路において、オフセット電圧検出回路は、テスト電圧供給回路151と、検出回路152とを含み得る。
【0065】
テスト電圧供給回路151は、電圧比較器VCの非反転入力端子に電気的に接続され、電圧比較器VCの非反転入力端子に直流テスト電圧を供給する。
【0066】
検出回路152は、電圧比較器VCの出力端子とデータ電圧補償回路16とにそれぞれ電気的に接続され、テスト電圧供給回路151が非反転入力端子に直流テスト電圧を供給し、反転入力端子に基準電圧を供給するときに、電圧比較器VCの出力端子から出力される出力電圧を検出して、電圧比較器の入力オフセット電圧を得て、データ電圧補償回路16に入力オフセット電圧を供給する。
【0067】
オフセット電圧検出回路15は、電圧比較器VCの出力電圧に基づいて、電圧比較器VCの入力オフセット電圧を以下のようにして求める。電圧比較器VCの出力電圧が所定電圧である場合に、検出回路152は、電圧比較器VCの第1入力端子と電圧比較器VCの第2入力端子との電圧差を電圧比較器VCの入力オフセット電圧として決定する。所定電圧は(VH+VL)/2であり得、ここで、VHは電圧比較器VCが出力する高電圧であり、VLは電圧比較器VCが出力する低電圧である。
【0068】
一実施例において、電圧比較器の第1入力端子は非反転入力端子であり得、電圧比較器の第2入力端子は反転入力端子であり得る。直流テスト電圧(例えば、非反転入力端子の電圧)と基準電圧(例えば、反転入力端子の電圧)との電圧差は、第1所定の電圧差範囲内である。
【0069】
一実施例において、電圧比較器の第1入力端子は反転入力端子であり得、電圧比較器の第2入力端子は非反転入力端子であり得る。基準電圧と直流テスト電圧との電圧差は、第2所定の電圧差範囲内である。
【0070】
一例では、第1所定の電圧差範囲及び第2所定の電圧差範囲は、-2V~2Vの範囲であり得るが、本開示はこれに限定されない。
【0071】
一実施例において、テスト電圧供給回路は、テスト制御端子から入力されるテスト制御信号の制御により、テスト電圧端子と電圧比較器の第1入力端子との間の導通を制御するように構成される電圧供給スイッチングサブ回路を含み得る。
【0072】
電圧供給スイッチングサブ回路は、電圧比較器の第1入力端子に直流テスト電圧を出力するか否かを制御する。
【0073】
電圧供給スイッチングサブ回路は、電圧供給スイッチングトランジスタを含み得る。電圧供給スイッチングトランジスタの制御電極は、テスト制御端子に電気的に接続され、電圧供給スイッチングトランジスタの第1電極は、テスト電圧端子に電気的に接続され、電圧供給スイッチングトランジスタの第2電極は、電圧比較器の第1入力端子に電気的に接続される。
【0074】
一実施例において、テスト電圧供給回路は、テスト電圧端子に直流テスト電圧を供給する電圧供給サブ回路をさらに含み得る。
【0075】
一実施例において、検出回路は、検出スイッチング制御端子から入力される検出スイッチング制御信号の制御により、電圧比較器の出力端子と読出し線との間の導通を制御する検出スイッチングサブ回路を含み得る。
【0076】
検出スイッチングサブ回路は、検出スイッチングトランジスタを含み得る。検出スイッチングトランジスタの制御電極は、検出スイッチング制御端子に電気的に接続され、検出スイッチングトランジスタの第1電極は、読出し線に電気的に接続され、検出スイッチングトランジスタの第2電極は、電圧比較器の出力端子に電気的に接続される。
【0077】
一実施例において、検出回路は、読出し線に電気的に接続され、電圧比較器の出力端子から出力される出力電圧に基づいて、電圧比較器の入力オフセット電圧を取得する検出サブ回路をさらに具備してもよい。
【0078】
検出スイッチングサブ回路は、電圧比較器が検出サブ回路に電圧を出力するか否かを制御する。
【0079】
一実施例において、データ電圧補償回路は、入力オフセット電圧とデータ電圧とを加算して補償されたデータ電圧を取得し、補償されたデータ電圧をデータ線に供給するように構成される。データ電圧補償回路は、オフセット電圧を元のデータ電圧に加算することにより、データ電圧を補償する。
【0080】
図3に示す画素回路において、テスト電圧供給回路は、電圧供給スイッチングサブ回路31と電圧供給サブ回路32とを備えてもよい。電圧供給スイッチングサブ回路31は、テスト制御端子Gtestとテスト電圧端子Tstと電圧比較器VCの非反転入力端子とにそれぞれ電気的に接続され、テスト制御端子Gtestから入力されるテスト制御信号の制御により、テスト電圧端子Tstと電圧比較器VCの非反転入力端子との間の導通を制御する。電圧供給サブ回路32は、テスト電圧端子Tstに電気的に接続され、テスト電圧端子Tstに直流テスト電圧を供給する。
【0081】
検出回路は、検出スイッチングサブ回路33と検出サブ回路34とを有してもよい。検出スイッチングサブ回路33は、検出スイッチング制御端子S_Readoutと、電圧比較器VCの出力端子と、読出し線Readoutとにそれぞれ電気的に接続され、検出スイッチング制御端子S_Readoutから入力される検出スイッチング制御信号の制御により、電圧比較器VCの出力端子と読出し線Readoutとの間の導通を制御する。
【0082】
検出サブ回路34は、読出し線Readoutとデータ電圧補償回路16とにそれぞれ電気的に接続され、電圧比較器VCの出力端子から出力される電圧に基づいて、電圧比較器VCの入力オフセット電圧を取得し、入力オフセット電圧をデータ電圧補償回路16に供給する。
【0083】
一実施例において、スイッチ制御回路は、スイッチ制御トランジスタを含み得、発光制御回路は、第1発光制御トランジスタ及び第2発光制御トランジスタを含み得る。
【0084】
スイッチ制御トランジスタの制御電極は、電圧比較器の出力端子に電気的に接続され、スイッチ制御トランジスタの第1電極は駆動回路に電気的に接続され、スイッチ制御トランジスタの第2電極は、第2発光制御トランジスタの第1電極に電気的に接続される。
【0085】
第1発光制御トランジスタの制御電極は、発光制御線に電気的に接続され、第1発光制御トランジスタの第1電極は、駆動回路の制御端子に電気的に接続され、第1発光制御トランジスタの第2電極は、電圧比較器の第1入力端子に電気的に接続される。
【0086】
第2発光制御トランジスタの制御電極は、発光制御線に電気的に接続され、第2発光制御トランジスタの第2電極は、発光素子に電気的に接続される。
【0087】
一実施例において、データ書込回路は、データ書込トランジスタ及び蓄積容量を含み得、駆動回路は、駆動トランジスタを含み得る。
【0088】
データ書込トランジスタの制御電極は、ゲート線に電気的に接続され、データ書込トランジスタの第1電極はデータ線に電気的に接続され、データ書込トランジスタの第2電極は駆動トランジスタの制御電極に電気的に接続される。
【0089】
蓄積容量の第1端子は、駆動トランジスタの制御電極に電気的に接続され、蓄積容量の第2端子は、第1電圧端子に電気的に接続される。
【0090】
駆動トランジスタの制御電極は駆動回路の制御端子であり、駆動トランジスタの第1電極は、電源電圧端子に電気的に接続され、駆動トランジスタの第2電極は、スイッチ制御回路の第1端子に電気的に接続される。
【0091】
一例として、第1電圧端子は、低電圧端子又は接地端子であり得るが、これに限定されない。
【0092】
図4に示す実施例において、画素回路は、マイクロ発光ダイオードMLEDと、データ書込回路11と、駆動回路12と、電圧比較器VCと、スイッチ制御回路13と、発光制御回路と、オフセット電圧検出回路と、データ電圧補償回路16とを含む。
【0093】
電圧比較器VCの反転入力端子は、基準電圧Vrefを入力するための基準電圧端子に電気的に接続される。
【0094】
オフセット電圧検出回路は、テスト電圧供給回路と検出回路とを備える。
【0095】
テスト電圧供給回路は、電圧供給スイッチングサブ回路31と電圧供給サブ回路32とを含み、電圧供給スイッチングサブ回路31は電圧供給スイッチングトランジスタT6を備える。電圧供給スイッチングトランジスタT6のゲートは、テスト制御端子Gtestに電気的に接続され、電圧供給スイッチングトランジスタT6のドレインは、テスト電圧端子Tstに電気的に接続され、電圧供給スイッチングトランジスタT6のソースは、電圧比較器VCの非反転入力端子に電気的に接続される。電圧供給サブ回路32は、テスト電圧端子Tstに電気的に接続され、テスト電圧端子Tstに直流テスト電圧を供給する。
【0096】
検出回路は、検出スイッチングサブ回路33と検出サブ回路34とを含む。検出スイッチングサブ回路33は、検出スイッチングトランジスタT7を備える。検出スイッチングトランジスタT7のゲートは、検出スイッチング制御端子S_Readoutに電気的に接続され、検出スイッチングトランジスタT7のドレインは、読出し線Readoutに電気的に接続され、検出スイッチングトランジスタT7のソースは、電圧比較器VCの出力端子に電気的に接続される。検出サブ回路34は、読出し線Readoutとデータ電圧補償回路16とにそれぞれ電気的に接続され、電圧比較器の出力端子から出力される出力電圧に基づいて、電圧比較器VCの入力オフセット電圧を取得し、入力オフセット電圧をデータ電圧補償回路16に供給する。
【0097】
スイッチ制御回路13は、スイッチ制御トランジスタT4を含む。発光制御回路は、第1発光制御トランジスタT2と第2発光制御トランジスタT5とを含む。データ書込回路11は、データ書込トランジスタT1と、蓄積容量C1とを含む。駆動回路12は、駆動トランジスタT3を含む。
【0098】
スイッチ制御トランジスタT4のゲートは電圧比較器VCの出力端子に電気的に接続され、スイッチ制御トランジスタT4のソースは駆動トランジスタT3のドレインに電気的に接続され、スイッチ制御トランジスタT4のドレインは第2発光制御トランジスタT5のソースに電気的に接続される。
【0099】
第1発光制御トランジスタT2のゲートは発光制御線EMに電気的に接続され、第1発光制御トランジスタT2のソースは駆動トランジスタT3のゲートに電気的に接続され、第1発光制御トランジスタT2のドレインは電圧比較器VCの非反転入力端子に電気的に接続される。
【0100】
第2発光制御トランジスタT5のゲートは発光制御線EMに電気的に接続され、第2発光制御トランジスタT5のドレインはマイクロ発光ダイオードMLEDのアノードに電気的に接続され、マイクロ発光ダイオードMLEDのカソードは低電圧VSSに接続される。
【0101】
データ書込トランジスタT1のゲートはゲート線Gateに電気的に接続され、データ書込トランジスタT1のソースはデータ線Dataに電気的に接続され、データ書込トランジスタT1のドレインは駆動トランジスタT3のゲートに電気的に接続される。
【0102】
蓄積容量C1の第1端は駆動トランジスタT3のゲートに電気的に接続され、蓄積容量C1の第2端は低電圧VSSに電気的に接続される。
【0103】
駆動トランジスタT3のソースは電源電圧端子に電気的に接続され、駆動トランジスタT3のドレインはスイッチ制御トランジスタT4のソースに電気的に接続され、電源電圧端子は電源電圧VDDを入力するためのものである。
【0104】
データ電圧補償回路16は、オフセット電圧検出回路15とデータ線Dataとにそれぞれ電気的に接続され、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、データ線Dataに供給するための、補償されたデータ電圧を取得する。
【0105】
図4に示す上記実施例において、全てのトランジスタはp型トランジスタであるが、本開示はこれに限定されない。
【0106】
図5は、図4に示した画素回路の動作時における動作タイミング図である。検出期間tdにおいて、テスト制御端子Gtestと検出スイッチング制御端子S_Readoutはともにローレベルを入力し、電圧供給スイッチングトランジスタT6と検出スイッチングトランジスタT7はともにオンする。テスト電圧端子Tstには、対応する直流テスト電圧Vtestが入力され、電圧供給スイッチングトランジスタT6を介して電圧比較器VCの非反転入力端子に供給される。電圧比較器VCは、直流テスト電圧Vtestと基準電圧Vrefを比較して、その出力端子とオンされた検出スイッチングトランジスタT7を介して読出し線Readoutに供給する出力電圧を生成する。電圧比較器VCの入力オフセット電圧は、電圧比較器VCの出力電圧から得られる。検出期間tdにおいて、テスト電圧Vtestを複数回変化させることにより、電圧比較器VCから出力される複数組の出力電圧Voutを取得し、電圧伝達曲線をプロットすることにより入力オフセット電圧を取得する。
【0107】
電圧比較器VCの非反転入力端子の電位と電圧比較器VCの反転入力端子の電位の差が、電圧比較器VCの入力オフセット電圧より大きい場合、電圧比較器VCは高電圧VHを出力し、非反転入力端子の電位と反転入力端子の電位の差が入力オフセット電圧より小さい場合、電圧比較器VCは、低電圧VLを出力する。従って、理論的には、電圧比較器VCが(VH+VL)/2の電圧を出力すると判定された場合、非反転入力端子の電位と反転入力端子の電位との差が、電圧比較器VCの入力オフセット電圧となる。
【0108】
検出期間tdにおいて、図4におけるトランジスタT1、T3、T2及びT5は全てオフされている。
【0109】
また、検出スイッチング制御端子S_readoutにローレベルが入力される持続時間が、テスト制御端子Gtestにローレベルが入力される持続時間よりも長い場合、より正確に入力オフセット電圧を取得することができる。
【0110】
図4に示す画素回路が動作しているときに、検出期間の後、画素回路が通常の表示を行い、表示期間は、順次設定されるデータ書き込み段階と発光段階とを含み得る。
【0111】
データ書き込み段階で、データ電圧補償回路16は、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償する(例えば、検出された入力オフセット電圧をソースドライバから供給されたデータ電圧に加算して補償されたデータ電圧を得る)ことにより、補償されたデータ電圧をデータ線Dataに供給する。ゲート線Gateから入力されるゲート駆動信号の制御により、データ書込トランジスタT1がオンになり、補償されたデータ電圧が駆動トランジスタT3のゲートに書き込まれ、蓄積容量C1が充電され、駆動トランジスタT3のゲートの電位が制御される。
【0112】
発光段階で、ゲート線Gateから入力されるゲート駆動信号の制御により、データ書込トランジスタT1がオフになり、発光制御線EMから入力される発光制御信号の制御により、第1発光制御トランジスタT2及び第2発光制御トランジスタT5がオンし、駆動トランジスタT3のゲートが電圧比較器VCの非反転入力端子に接続される。基準電圧Vrefを変化させて電圧比較器VCから異なる電圧信号を出力するように制御することで、スイッチ制御トランジスタT4をオン/オフ制御し、マイクロ発光ダイオードMLEDの発光時間を制御することができる。
【0113】
電圧比較器における入力オフセット電圧に鑑み、本開示の実施例に係る画素回路は、表示パネルの輝度均一性を向上させ、表示効果を向上させるために提供される。
【0114】
図6は、非反転入力端子Paと、反転入力端子Pbと、出力端子Outとを備える電圧比較器VCの概略図である。
【0115】
図7は、図6における電圧比較器VCの入出力関係を示す図であり、縦軸は電圧を示し、横軸は時間tを示す。
【0116】
図7に示すように、電圧比較器VCの入力オフセット電圧は0であるとする。Vaは電圧比較器VCの非反転入力端子の電位であり、Vbは電圧比較器VCの反転入力端子の電位であり、Voutは電圧比較器VCがその出力端子から出力する電圧である。
【0117】
第1期間S1において、非反転入力端子Paには第1直流電圧Va1が入力され、反転入力端子Pbには第1三角波信号Vb1が入力される。第1期間S1において、第1三角波信号Vb1が最小電圧値から最大電圧値まで上昇すると、第1時点t1から第2時点t2までは、第1直流電圧Va1が第1三角波信号Vb1よりも大きくなり、電圧比較器VCは、その出力端子Outから高電圧VHを出力し、即ち、VoutがVHである。第2時点t2から第3時点t3までは、第1直流電圧Va1が第1三角波信号Vb1よりも小さくなり、電圧比較器VCは、その出力端子Outから低電圧VLを出力し、即ち、VoutがVLである。
【0118】
第2期間S2において、非反転入力端子Paに第2直流電圧Va2が入力され、反転入力端子Pbに第2三角波信号Vb2が入力される。第2期間S2において、第2三角波信号Vb2が最小電圧値から最大電圧値まで上昇すると、第3時点t3から第4時点t4までは、第2直流電圧Va2が第2三角波信号Vb2よりも大きくなり、電圧比較器VCは、その出力端子Outから高電圧VHを出力し、即ち、VoutがVHである。第4時点t4から第5時点t5までは、第2直流電圧Va2が第2三角波信号Vb2よりも小さくなり、電圧比較器VCは、その出力端子Outから低電圧VLを出力し、即ち、VoutがVLである。
【0119】
実際の動作では、Va及び/又はVbを調整することにより、電圧比較器から出力されるパルス幅変調信号(即ち、方形波信号)のデューティ比を調整することができる。これにより、マイクロLEDの発光時間を調整することができる。
【0120】
半導体製造プロセスの不均一性により、表示パネルの異なる位置における各画素回路中の電圧比較器の素子性能(特に入力オフセット電圧)に差がある。電圧比較器の出力電圧がVHとVLの平均値である場合(即ち、平均値=(VH+VL)/2)、入力オフセット電圧は非反転入力端子Paの電圧と反転入力端子Pbの電圧との差として定義できる。電圧比較器の入力オフセット電圧は、電圧比較器の電圧伝達曲線をプロットすることにより得られる。
【0121】
図8a及び図8bは、同じガラス基板上の2つの位置における電圧比較器の電圧伝達曲線である。横軸はVa-Vbを表し、単位はV(ボルト)であり、縦軸はVoutを表し、単位はV(ボルト)である。2つの電圧比較器の入力オフセット電圧が異なり、図8aに対応する電圧比較器(即ち、サンプル1)に対応する入力オフセット電圧VOS1は正の値を有し、図8bに対応する電圧比較器(即ち、サンプル2)の入力オフセット電圧VOS2は負の値を有することが分かる。
【0122】
図8aにおける電圧伝達曲線は、Va-VbがVOS1より大きい場合、サンプル1としての電圧比較器の出力電圧Voutが高いことを示し、図8bにおける電圧伝達曲線は、Va-VbがVos2より大きい場合、サンプル2としての電圧比較器の出力電圧Voutが高いことを示す。ここで、Vaは前記電圧比較器の非反転入力端子の電位であり、Vbは前記電圧比較器の反転入力端子の電位である。
【0123】
図9aに示すように、図8aに対応する電圧比較器(即ち、サンプル1)において、VOS1は0より大きい。よって、Va-VbがVOS1より大きい場合、Voutは高電圧VHであり、Va-VbがVOS1より小さい場合、Voutは低電圧VLである。入力オフセット電圧が0である電圧比較器に比べて、該電圧比較器が高電圧VHを出力する時間はΔt1だけ短くなり、図8aに対応する電圧比較器では、該電圧比較器が低電圧VLを出力する時間はΔt1だけ長くなる。
【0124】
図9bに示すように、図8bに対応する電圧比較器(即ち、サンプル2)において、VOS2は0より小さい。よって、Va-VbがVOS2より大きい場合、Voutは高電圧VHであり、Va-VbがVOS2より小さい場合、Voutは低電圧VLである。入力オフセット電圧が0である電圧比較器に比べて、該電圧比較器が高電圧VHを出力する時間はΔt2だけ長くなり、図8bに対応する電圧比較器では、該電圧比較器が低電圧VLを出力する時間はΔt2だけ短くなる。
【0125】
図9a及び図9bにおいて、横軸は時間tを示す。
【0126】
図8aに対応する電圧比較器(即ち、サンプル1)が低電圧を出力する時間と、図8bに対応する電圧比較器(即ち、サンプル2)が低電圧を出力する時間とが異なることが分かる。したがって、2つの電圧比較器の出力端子によって制御されるスイッチ制御トランジスタのオン時間の差はΔt1+Δt2となり、即ち、2つの対応する発光素子の発光時間の差はΔt1+Δt2となり、表示品質が低下する。このため、ガラス基板上の異なる位置における各電圧比較器の入力オフセット電圧を検出し、これらをデータ線Dataで補償する必要がある。
【0127】
入力オフセット電圧を取得した後、ガラス基板上の異なる位置における各画素回路のデータ電圧を調整して電圧比較器の非反転入力端子に入力される電圧を調整することで、入力オフセット電圧を補償することができる。
【0128】
図10a及び図10bは、2つの電圧比較器(即ち、サンプル1とサンプル2)で行なわれるデータ電圧補償を示し、図10a及び図10bにおいて、横軸は時間tを示す。
【0129】
図10aに示すように、サンプル1の場合、VOS1は0より大きく、データ電圧はVdataから第1補償後データ電圧Vdata_c1に増加し、理想的には、Vdata_c1-Vdata=VOS1である。
【0130】
図10aにおいて、Vout1は、データ電圧補償前に、電圧比較器から出力される電圧であり、Vout2はデータ電圧補償後に、電圧比較器から出力される電圧である。
【0131】
図10bに示すように、サンプル2の場合、VOS2は0より小さく、データ電圧はVdataから第2補償後データ電圧Vdata_c2に減少し、理想的には、Vdata_c2-Vdata=VOS2である。
【0132】
図10bにおいて、Vout1は、データ電圧の補償前に、電圧比較器から出力される電圧であり、Vout2はデータ電圧補償後に、電圧比較器から出力される電圧である。
【0133】
データ電圧補償後、2つの電圧比較器が低電圧VLを出力する時間は同じであり、したがって、該2つの電圧比較器の出力端子によって制御されるスイッチ制御トランジスタのオン時間は同じである。これにより、対応する2つの発光素子の発光時間が同一となり、輝度の均一化が図られる。
【0134】
図2に示す画素回路に基づいて、図11に示す画素回路において、テスト電圧供給回路は、テスト制御端子Gtestと、テスト電圧端子Tstと、電圧比較器VCの非反転入力端子とにそれぞれ電気的に接続され、テスト制御端子Gtestから入力されるテスト制御信号の制御により、テスト電圧端子Tstと電圧比較器VCの非反転入力端子との間の導通を制御する電圧供給スイッチングサブ回路31を備え得る。
【0135】
図11に示す画素回路の動作時、検出期間において、電圧供給スイッチングサブ回路31は、テスト制御端子Gtestから入力されるテスト制御信号の制御により、テスト電圧端子Tstが電圧比較器VCの非反転入力端子に導通するように制御し、対応する直流テスト電圧Vtestをテスト電圧端子Tstに入力する。電圧供給スイッチングサブ回路31は、電圧比較器VCの非反転入力端子に直流テスト電圧Vtestを供給し、電圧比較器VCは、直流テスト電圧Vtestと基準電圧Vrefとを比較する。電圧比較器VCの入力オフセット電圧は、電圧比較器VCから出力される電圧から得られる。この検出期間中に、直流テスト電圧Vtestを複数回変化させることにより、電圧比較器VCから出力される複数組の電圧を取得することができ、電圧伝達曲線をプロットすることにより電圧比較器VCの入力オフセット電圧を取得することができる。
【0136】
図2に示す画素回路に基づいて、図12に示す画素回路において、検出回路は、検出スイッチングサブ回路33を有してもよい。該検出スイッチングサブ回路33は、検出スイッチング制御端子S_Readoutと、電圧比較器VCの出力端子と、読出し線Readoutとにそれぞれ電気的に接続され、検出スイッチング制御端子S_Readoutから入力される検出スイッチング制御信号の制御により、電圧比較器VCの出力端子と読出し線Readoutとの間の導通を制御する。例えば、検出スイッチング制御端子S_Readoutから入力される検出スイッチング制御信号の制御により、電圧比較器VCから出力される電圧を、電圧比較器VCの出力端子を介して、読出し線Readoutに供給し、そして、読出し線Readoutを介して、電圧比較器VCから出力される電圧を検出サブ回路34(図12には示されていない)に供給することで、電圧比較器VCの入力オフセット電圧が得られる。電圧比較器VCの入力オフセット電圧が得られると、それがデータ電圧補償回路16に供給されて補償されたデータ電圧が得られる。データ電圧補償回路16は、例えば、特定用途向け集積回路であってもよく、又はプログラム可能な論理アレイ、又は適切にプログラムされたマイクロコントローラ、又は入力オフセット電圧に基づいて補償されたデータ電圧を取得して該補償されたデータ電圧をデータ線に供給する他のハードウェアデバイスを含んでもよい。
【0137】
図12に示す画素回路の動作時、検出期間において、検出スイッチング制御端子S_Readoutから入力される検出スイッチング制御信号の制御により、検出スイッチングサブ回路33は、電圧比較器VCの出力端子が読出し線Readoutに導通するように制御し、電圧比較器VCから出力される電圧を、その出力端子及び検出スイッチングサブ回路33を介して読出し線Readoutに供給する。電圧比較器VCから出力される電圧に基づいて、電圧比較器VCの入力オフセット電圧が得られる。入力オフセット電圧が取得された後、これをデータ電圧補償回路16に供給する。データ電圧補償回路16は、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得し、データ線Dataに供給する。
【0138】
本開示の一実施例によれば、画素回路に適用される駆動方法が提供される。該駆動方法は、検出期間において、電圧比較器の入力オフセット電圧を検出することと、表示期間において、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得することと、を含む。検出期間は、表示期間の前に設定され、表示期間はデータ書き込み段階を含み得る。
【0139】
図13に示すように、検出期間において、オフセット電圧検出回路は、電圧比較器の入力オフセット電圧を検出し(1302)、表示期間、特にデータ書き込み段階において、データ電圧補償回路は、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償することにより、補償されたデータ電圧を取得する(1304)。したがって、本開示の実施例に係る画素回路は、電圧比較器を介してスイッチ制御回路のオンオフを正確に制御することができ、これにより、発光素子の発光時間を正確に調節することができる。
【0140】
本開示の実施例において、各画素回路に含まれる電圧比較器の入力オフセット電圧を検出し、対応する入力オフセット電圧に基づいて各画素回路に対してデータ電圧補償を行うことで、同じグレースケールを表示する際に、表示パネル上の異なる位置における各画素回路の発光持続時間は同じになる。これにより、表示パネルの輝度均一性が向上し、表示効果が向上する。
【0141】
検出期間において、電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するステップは、電圧比較器の第1入力端子にテスト電圧を供給することと、電圧比較器の第2入力端子に基準電圧を供給することと、電圧比較器の出力電圧を検出することと、出力電圧に基づいて電圧比較器の入力オフセット電圧を取得することと、を含む。
【0142】
電圧比較器の入力オフセット電圧を検出するステップは、電圧比較器の出力電圧が所定電圧である場合、電圧比較器の第1入力端子と電圧比較器の第2入力端子との間の電圧差を電圧比較器の入力オフセット電圧として決定することをさらに含んでもよい。ここで、所定電圧は(VH+VL)/2であり、VHは電圧比較器から出力される高電圧であり、VLは電圧比較器から出力される低電圧である。
【0143】
一例において、画素回路のオフセット電圧検出回路は、テスト電圧供給回路と検出回路とを含み得る。テスト電圧供給回路は、対応する直流テスト電圧を電圧比較器の非反転入力端子に供給する。検出回路は、テスト電圧供給回路が非反転入力端子に直流テスト電圧を供給する場合、電圧比較器の出力端子から出力される電圧を検出し、電圧比較器の出力電圧が所定電圧である場合、電圧比較器の非反転入力端子と電圧比較器の反転入力端子との間の電圧差を電圧比較器の入力オフセット電圧として決定する。ここで、所定電圧は(VH+VL)/2であってもよく、VHは電圧比較器から出力される高電圧であり、VLは電圧比較器から出力される低電圧である。

【0144】
表示期間において、入力オフセット電圧に基づいてデータ電圧を補償するステップは、入力オフセット電圧をデータ電圧に加算して補償されたデータ電圧を取得することを含み得る。
【0145】
一実施例において、該駆動方法は、検出期間において、データ書込回路が、ゲート駆動信号の制御により、データ線を駆動回路の制御端子から遮断するように制御することと、発光制御回路が発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路の第2端子を発光素子から遮断するように制御し、駆動回路の制御端子を電圧比較器の第1入力端子から遮断するように制御することと、をさらに含み得る。
【0146】
一実施例において、表示期間は、データ書き込み段階の後の発光段階をさらに含み得、駆動方法は、データ書き込み段階において、データ書込回路が、ゲート駆動信号の制御により、補償されたデータ電圧を駆動回路の制御端子に書き込み、駆動回路の制御端子の電位を制御することと、発光段階(light emitting phase又はillumination phase)において、基準電圧端子が基準電圧を入力し、駆動回路が、駆動回路の制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路の第1端子との間の導通を制御することと、発光制御線から入力される発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路の第2端子と発光素子との間の導通を制御し、駆動回路の制御端子と電圧比較器の第1入力端子との間の導通を制御することと、電圧比較器が、第1入力端子の電圧及び基準電圧に基づいて制御電圧信号を出力することと、スイッチ制御回路が、制御電圧信号の制御により、スイッチ制御回路の第1端子とスイッチ制御回路の第2端子との通断を制御することと、をさらに含み得る。
【0147】
一例において、発光段階において、オフセット電圧検出回路は、電圧比較器のオフセット電圧の検出を停止する。基準電圧端子が基準電圧を入力し、駆動回路は、その制御端子の電位の制御により、電源電圧端子とスイッチ制御回路の第1端子との間の導通を制御する。発光制御回路は、発光制御線から入力される発光制御信号の制御により、スイッチ制御回路の第2端子と発光素子との間の導通を制御し、駆動回路の制御端子と電圧比較器の非反転入力端子との間の導通を制御する。電圧比較器は、非反転入力端子の電圧と基準電圧とに基づいて制御電圧信号を出力する。スイッチ制御回路は、制御電圧信号の制御により、スイッチ制御回路の第1端子とスイッチ制御回路の第2端子との通断を制御して、発光素子の発光時間を制御する。
【0148】
発光段階において、発光素子に流れる電流値は補償されたデータ電圧に関連し、発光素子の発光時間は基準電圧及び補償されたデータ電圧に関連する。
【0149】
実施例において、各画素回路に含まれる電圧比較器の入力オフセット電圧を検出し、入力オフセット電圧に基づいて各画素回路に対してデータ電圧補償を行うことで、同じグレースケールを表示する際に、表示パネル上の異なる位置における各画素回路の発光持続時間は同じになる。これにより、表示パネルの輝度均一性が向上し、表示効果が向上する。
【0150】
本開示の一実施例によれば、上記画素回路を備える表示パネル又は表示装置が提供される。
【0151】
表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニター、ノートコンピュータ、デジタルフォトフレーム、ナビゲーター等、表示機能を有する任意の製品又は構成要素であってよい。
【0152】
様々な実施例及び/又は例を開示して、例示的な情報及び説明的な情報を提供することにより、当業者が本開示を実施することを可能にする。一実施例又は例を参照して開示された特徴又は構成要素は、特に明記しない限り、すべての実施例又は例に適用可能である。
【0153】
具体的な実施例に関連して本開示について説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正をしてもよく、構成要素において同等の置換を行ってもよいことは、当業者によって理解されるであろう。実施例は、他の特定の形態で実施され得る。今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。
【0154】
本出願は、2019年6月17日に中国国家知的財産権局に提出された、出願番号が201910522133.8である中国特許出願に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容はあらゆる目的のために参照により本出願に組み込まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11
図12
図13