(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】予約システム、管理装置及び予約発券方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20241212BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20241212BHJP
G07B 1/00 20060101ALI20241212BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20241212BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20241212BHJP
【FI】
G06F3/16 640
G07B15/00 W
G07B1/00 A
G07B1/00 E
G06Q10/02
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2021103185
(22)【出願日】2021-06-22
【審査請求日】2024-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 良保
(72)【発明者】
【氏名】浅井 務
(72)【発明者】
【氏名】清水 邦通
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-023971(JP,A)
【文献】特開2020-201665(JP,A)
【文献】特開2020-181497(JP,A)
【文献】特開2002-216169(JP,A)
【文献】特開2008-134937(JP,A)
【文献】国際公開第2018/105600(WO,A1)
【文献】米国特許第08571902(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G10L 13/00-99/00
G06Q 10/00-10/30
G06Q 50/00-50/60
G07B 1/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約端末と、発券端末と、管理装置とを有する予約システムであって、
前記予約端末は、
ユーザから、予約するチケットを指定する指定情報と、前記ユーザの音声を示す第1の音声データとを取得し、前記指定情報及び前記第1の音声データを前記管理装置に送信し、
前記発券端末は、
前記ユーザから、前記ユーザの音声を示す第2の音声データを取得して前記管理装置に送信し、前記管理装置から前記チケットの発券を要求する発券要求を受信した場合、当該発券要求に応じて前記チケットを発券し、
前記管理装置は、
前記予約端末からの前記指定情報に応じた前記チケットの予約内容を示す予約情報と前記予約端末からの前記第1の音声データを対応付けて登録し、前記発券端末からの前記第2の音声データと前記登録された第1の音声データとに基づいて、前記ユーザを認証し、当該認証に成功した場合、前記第1の音声データに対応した前記指定情報に基づいて、前記発券要求を前記発券端末に送信
し、
前記第1の音声データは、複数あり、
前記複数の第1の音声データは、互いに異なる単語の音声データであり、
前記管理装置は、前記第2の音声データを前記複数の第1の音声データのそれぞれと突合して、前記第2の音声データと合致する前記第1の音声データが存在する場合、前記認証に成功したと判定する、予約システム。
【請求項2】
前記予約端末は、
前記音声として単語の入力を促す入力要求情報を表示する、請求項1に記載の予約システム。
【請求項3】
前記入力要求情報は、前記単語の想起を誘導する誘導情報を含む、請求項
2に記載の予約システム。
【請求項4】
前記チケットは、交通機関の乗車券である、請求項1に記載の予約システム。
【請求項5】
予約端末及び発券端末と通信可能に接続された管理装置であって、
前記予約端末から、ユーザが予約したチケットを指定する指定情報と、前記ユーザの音声を示す第1の音声データとを受信して、互いに対応付けて登録し、
前記発券端末から、前記ユーザの音声を示す第2の音声データを受信した場合、前記第2の音声データと前記登録された第1の音声データとに基づいて、前記ユーザを認証し、
前記認証に成功した場合、前記第1の音声データに対応した前記指定情報に基づいて、前記チケットの発券を要求する発券要求を前記発券端末に送信
し、
前記第1の音声データは、複数あり、
前記複数の第1の音声データは、互いに異なる単語の音声データであり、
前記ユーザの認証では、前記第2の音声データを前記複数の第1の音声データのそれぞれと突合して、前記第2の音声データと合致する前記第1の音声データが存在する場合、前記認証に成功したと判定する、管理装置。
【請求項6】
予約端末と、発券端末と、管理装置とを有する予約システムによる予約発券方法であって、
前記予約端末が、ユーザから、予約するチケットを指定する指定情報と、前記ユーザの音声を示す第1の音声データとを取得し、前記指定情報及び前記第1の音声データを前記管理装置に送信し、
前記管理装置が、前記予約端末からの前記指定情報に応じた前記チケットの予約内容を示す予約情報と前記予約端末からの前記第1の音声データを対応付けて登録し、
前記発券端末が、前記ユーザから、前記ユーザの音声を示す第2の音声データを取得して前記管理装置に送信し、
前記管理装置が、記発券端末からの前記第2の音声データと前記登録された第1の音声データとに基づいて、前記ユーザを認証し、
前記管理装置が、前記認証に成功した場合、前記第1の音声データに対応した前記指定情報に基づいて、前記チケットの発券を要求する発券要求を前記発券端末に送信し、
前記発券端末が、前記管理装置から前記発券要求を受信した場合、当該発券要求に応じて前記チケットを発券
し、
前記第1の音声データは、複数あり、
前記複数の第1の音声データは、互いに異なる単語の音声データであり、
前記ユーザの認証では、前記管理装置が、前記第2の音声データを前記複数の第1の音声データのそれぞれと突合して、前記第2の音声データと合致する前記第1の音声データが存在する場合、前記認証に成功したと判定する、予約発券方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予約システム、管理装置及び予約発券方法に関する。
【背景技術】
【0002】
列車及び飛行機などの交通機関の乗車券及びコンサートなどのイベントの入場券のようなチケットの予約、発券及び使用などには、チケットを利用する利用者の本人確認が求められる場合がある。
【0003】
特許文献1には、ユーザの生体情報に関する特徴量データを特定する特徴IDを含む認証情報を記録したチケットを発券する予約システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、チケットを発券する際に、ユーザが過去に購入したチケットに関するチケット購入履歴に関する質問を作成して出力する予約システムが開示されている。この予約システムでは、質問に正解すると、チケットが発券される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2020/241852号公報
【文献】特開2005-50092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、チケットに個人を特定するための情報が埋め込まれているが、チケットの発券時に、ユーザの本人確認を行うことができない。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、チケットの発券時にユーザの本人確認を行うことができるが、予約システム側で作成した質問に回答しなければならず、手間がかかる。また、質問は、予約システム側でチケット購入履歴に応じて作成されるため、ユーザが自身の購入履歴を忘れると、質問に正解することができなくなる恐れもある。
【0008】
本発明の目的は、チケットの発券時の本人確認に係る手間を軽減することが可能な予約システム、管理装置及び予約発券方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に従う予約システムは、予約端末と、発券端末と、管理装置とを有する予約システムであって、前記予約端末は、ユーザから予約するチケットを指定する指定操作を受け付ける入力部と、前記ユーザから入力された音声を第1の音声データとして取得する第1の音声取得部と、前記指定操作にて指定されたチケットを示す指定情報と前記第1の音声データとを前記管理装置に送信する接続部と、を有し、前記発券端末は、前記ユーザから入力された音声を第2の音声データとして取得する第2の音声取得部と、前記第2の音声データを前記管理装置に送信し、前記管理装置から前記チケットの発券を要求する発券要求を受信する通信部と、前記発券要求に応じて前記チケットを発券する発券部と、を有し、前記管理装置は、前記予約端末からの前記指定情報及び前記第1の音声データを対応付けてデータベースに登録し、前記発券端末からの前記第2の音声データと前記データベースに登録された第1の音声データとに基づいて、前記ユーザを認証し、当該認証に成功した場合、前記第1の音声データに対応した前記指定情報に基づいて、前記発券要求を前記発券端末に送信する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、チケットの発券時の本人確認に係る手間を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態の予約システムの一例を示す全体構成図である。
【
図2】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】予約端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】発券決済端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】データベースに格納される登録情報の一例を示す図である。
【
図6】予約取引処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図11】発券取引処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図15】キーワード音声入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態の予約システムを示す全体構成図である。
図1に示す予約システムは、列車及び飛行機などの交通機関の乗車券及びコンサートなどのイベントの入場券のようなチケットの予約及び発券を行う。このような予約システムにおいて、混雑の緩和などを図るためには、チケットの予約場所と発券場所とを分けることが有効である。例えば、ユーザがチケットとして列車の乗車券を予約する場合、窓口でチケットの予約、支払及び発券を全て行うのではなく、予約のみを窓口にある予約端末で行い、支払及び発券を券売機(発券決済端末)などで行えば、窓口での業務効率が向上する。ただし、この場合、チケットが予約した本人に対して発券されるように、発券時にユーザの本人確認(ユーザの認証)を行う必要がある。
【0014】
図1に示す予約システムは、チケットの予約場所と発券場所とを分けたシステムである。また、チケットは列車の乗車券であるとしているが、本開示においてチケットは、列車の乗車券に限らず、他の交通機関の乗車券、又は、イベントの入場券などでもよい。
【0015】
図1に示すように予約システムは、サーバ1と、予約端末2と、発券決済端末3と、データベース4とを有し、各装置1~4がネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークは、サーバ1、予約端末2、発券決済端末3及びデータベース4の間の通信を可能にするための通信回線である。ネットワーク5の通信方式は、特に限定されず、例えば、有線方式でもよいし、無線方式でもよい。予約端末2及び発券決済端末3は、複数あってもよい。
【0016】
サーバ1は、予約端末2、発券決済端末3及びデータベース4と連携して、チケットの予約及び発券を管理する管理装置である。サーバ1は、例えば、予約端末2からチケットの予約に関する電文を受け付け、その電文に応じてチケットの予約処理を行い、予約内容を示す予約情報とチケットの発券時に本人確認を行うための認証情報とを対応づけてデータベース4に登録する。認証情報は、本実施形態では、ユーザの音声を示す音声データである。
【0017】
また、サーバ1は、発券決済端末3からチケットの発券に関する電文を受け付け、その電文と、データベース4に格納された登録情報とに基づいて、ユーザの本人確認(認証)を行う認証処理を実行し、認証に成功した場合、登録情報に基づいてチケットの発券要求を発券決済端末3に送信する。
【0018】
予約端末2は、ユーザからの入力に応じて、チケットの予約に関する種々の電文をサーバ1に対して送信して、チケットの予約を行う端末である。
【0019】
発券決済端末3は、ユーザからの入力に応じて、チケットの発券に関する電文をサーバ1に対して送信し、その電文に対する応答に応じて、チケットの発券を行う発券端末である。
【0020】
データベース4は、ユーザにて予約されたチケットの内容を示す予約情報及び認証情報を格納する格納装置である。
【0021】
図2は、サーバ1のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ1は、ネットワーク接続部101と、メモリ102と、CPU(Central Processing Unit)103とを有する。
【0022】
ネットワーク接続部101は、ネットワーク5を介して、予約端末2、発券決済端末3及びデータベース4のそれぞれと相互に通信可能に接続する。メモリ102は、CPU103にて読み取り可能な記録媒体であり、CPU103の動作を規定するプログラムを記録する。CPU103は、メモリ102に記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して、サーバ1全体を制御する制御部である。例えば、CPU103は、ネットワーク接続部101を介して種々の電文の送受信を行い、受信した電文に応じた処理を行う。
【0023】
図3は、予約端末2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示す予約端末2は、ネットワーク接続部201と、LCD(Liquid Crystal Display)タッチパネル202と、マイク203と、メモリ204と、CPU205とを有する。
【0024】
ネットワーク接続部201は、ネットワーク5を介してサーバ1と相互に通信可能に接続する接続部である。LCDタッチパネル202は、ユーザから種々の情報を受け付ける入力部としての機能と、ユーザに対して種々の情報を表示する表示部としての機能とを有する。マイク203は、ユーザから入力された音声を音声データ(第1の音声データ)として取得する第1の音声取得部である。本実施形態では、マイク203は、ユーザが発声した認証用の単語であるキーワードを音声データとして取得する。キーワードには、発券用単語と、発券用単語をユーザが忘れた際に使用するリカバリ単語とを含む。発券用単語は、1つあり、リカバリ用単語は、1つ以上ある。
【0025】
メモリ204は、CPU205にて読み取り可能な記録媒体であり、CPU205の動作を規定するプログラムを記録する。CPU205は、メモリ204に記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して、予約端末2全体を制御する予約端末制御部である。
【0026】
図4は、発券決済端末3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示す発券決済端末3は、ネットワーク接続部301と、LCDタッチパネル302と、マイク303と、発券部304と、決済処理部305と、メモリ306と、CPU307とを有する。
【0027】
ネットワーク接続部301は、ネットワーク5を介してサーバ1と相互に通信可能に接続する通信部である。LCDタッチパネル302は、ユーザから種々の情報を受け付ける入力部としての機能と、ユーザに対して種々の情報を表示する表示部としての機能とを有する。マイク303は、ユーザから入力された音声を音声データ(第2の音声データ)として取得する第2の音声取得部である。本実施形態では、マイク203は、ユーザが発声したキーワードを音声データとして取得する。
【0028】
発券部304は、チケットの発券を行う。決済処理部305は、チケットの発券に伴う現金又は非現金(例えば、クレジットカード又は電子マネーなど)による決済処理を行う。例えば、決済処理部305は、現金の受け付けと収容、クレジットカード又は電子マネーカードのカード情報の読み取りなどを行う。
【0029】
メモリ306は、CPU307にて読み取り可能な記録媒体であり、CPU307の動作を規定するプログラムを記録する。CPU307は、メモリ306に記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して、発券決済端末3全体を制御する発券決済端末制御部である。
【0030】
図5は、データベース4に格納される登録情報の一例を示す図である。
図5に示す登録情報400は、フィールド401~405を有する。
【0031】
フィールド401は、予約されたチケットを識別する識別情報である登録IDを格納する。フィールド402は、チケットの予約に使用した予約端末2を識別する識別情報である予約端末情報を格納する。
【0032】
フィールド403は、予約されたチケットの内容を示す予約情報を格納する。本実施形態では、フィールド403は、フィールド411~415を含む。フィールド411は、予約されたチケットで乗車できる列車である予約列車の発車時刻を格納し、フィールド412は、予約列車に乗車する駅の名称である乗車駅を格納し、フィールド413は、予約列車から降車する駅の名称である降車駅を格納し、フィールド414は、予約列車の乗継を行う駅の名称である乗継駅を格納する。なお、フィールド414は、乗継駅ごとに設けられる。
図5では、フィールド414が2つある例が示されている。また、予約列車に乗継を行う駅がない場合、フィールド414は、空値(
図5では、「-」と表記)となる。
【0033】
フィールド404及び405は、予約端末2にて取得された音声データを格納する。具体的には、フィールド404は、発券用単語を示す音声データを格納し、フィールド405は、リカバリ用単語を示す音声データを格納する。リカバリ用単語は、図の例では、8個あり、フィールド405は、リカバリ用単語ごとに設けられている。ただし、リカバリ用単語の数は、8個に限定されない。
【0034】
図6は、チケットを予約する際の予約システムの処理である予約取引処理の一例を説明するためのフローチャートである。予約取引処理は、例えば、ユーザが予約端末2に予約取引処理の開始を指示したタイミングなどに行われる。
【0035】
予約取引処理では、先ず、予約端末2のCPU205は、ユーザが予約を希望するチケットの列車に乗車する駅が予約端末2を設置した駅である設置駅と同じである本駅出発か否かをユーザに選択させる選択画面をLCDタッチパネル202に表示する。そして、CPU205は、ユーザの入力に応じて、本駅出発か否かを判断する(ステップS601)。なお、本実施形態において、ユーザの入力は、例えば、LCDタッチパネル202に対する入力操作(例えば、画面上のボタンの操作など)、又は、マイク203に対する音声入力にて行われる。
【0036】
本駅出発ではない場合(ステップS601:いいえ)、CPU205は、ユーザが乗車駅を入力するための乗車駅入力画面をLCDタッチパネル202に表示する。その後、CPU205は、ユーザの入力にて指定された乗車駅を取得する(ステップS602)。一方、本駅出発の場合(ステップS601:はい)、CPU205は、ステップS602をスキップして、設置駅の名称を乗車駅として取得する。これにより、ユーザの操作を簡略化することが可能になる。
【0037】
次に、CPU205は、ユーザが降車駅を入力するための降車駅入力画面(
図14参照)をLCDタッチパネル202に表示する。その後、CPU205は、ユーザの入力にて指定された降車駅を取得する(ステップS603)。続いて、CPU205は、ユーザが乗車日時を入力するための乗車日時入力画面をLCDタッチパネル202に表示する。その後、CPU205は、ユーザの入力にて指定された乗車日時を取得する(ステップS604)。さらに、CPU205は、ユーザが乗車人数を入力するための乗車人数入力画面をLCDタッチパネル202に表示する。その後、CPU205は、ユーザの入力にて指定された乗車人数を取得する(ステップS605)。
【0038】
なお、ステップS601~S605のそれぞれの処理において、音声入力によって入力された音声が不明瞭な場合、及び、音声入力が開始されてから終了されるまでの時間が所定の入力時間範囲を超えた場合、CPU205は、入力を再度行う旨の情報をLCDタッチパネル202に表示して、ユーザに対して入力を再度行うように促してもよい。また、LCDタッチパネル202における取引を中断するための取消ボタン(
図14参照)が押下された場合、又は、ステップS601の処理による選択画面が表示されてから所定の上限時間が経過してもステップS605が終了していない場合、CPU205は、予約取引処理を中断して、予約取引処理の開始の指示を待つ待機状態に戻ってもよい。
【0039】
ステップ605が終了すると、CPU205は、ステップS601~S605で取得した情報(乗車駅、降車駅、乗車日時及び乗車人数)を、予約するチケットに関する予約条件を示す予約条件情報としてまとめる。CPU205は、予約条件に適合したチケットの照会を要求する照会要求として、当該CPU205を有する予約端末2を識別する予約端末情報と予約条件情報とを含む照会要求電文を生成してサーバ1に送信する(ステップS606)。
【0040】
図7は、照会要求電文の一例を示す図である。
図7に示す照会要求電文500は、フィールド501及び502を有する。フィールド501は、予約端末情報を格納する。フィールド502は、予約条件情報を格納する。フィールド502は、具体的には、フィールド503~506を有する。フィールド503は乗車駅を格納し、フィールド504は降車駅を格納し、フィールド505は乗車日時を格納し、フィールド506は乗車人数を格納する。
【0041】
図6の説明に戻る。サーバ1のネットワーク接続部101が照会要求電文を受信すると、サーバ1のCPU103は、照会要求電文に含まれる予約条件情報に合致した列車である候補列車を検索し、その検索結果を示す照会結果電文を生成して予約端末2に送信する(ステップS607)。このとき、CPU103は、例えば、列車の運行予定と各列車の空席(予約可能な席)とを示す運行予定データから、乗車日時の日付中に乗車駅から降車駅まで運行し、かつ、乗車人数分以上の空席を有する列車のうち、乗車日時の時刻以降に発車する列車を候補列車として検索する。なお、運行予定データは、例えば、サーバ1又はデータベース4などに予め格納される。
【0042】
照会結果電文は、候補列車が存在する場合、その候補列車を示す候補データを含む。このとき、CPU103は、候補列車が複数存在する場合、CPU103は、全ての候補列車のそれぞれを示す複数の候補データを含む照会結果電文を生成してもよい。また、候補列車が所定数(例えば、3)よりも多く存在する場合、CPU103は、例えば、発車時刻が乗車日時の時刻に近い方から順に所定数の候補列車のそれぞれを示す所定数の候補データを含む照会結果電文を生成してもよい。また、候補列車が存在しない場合、CPU103は、候補データを含まない照会結果電文510を生成する。
【0043】
図8は、照会結果電文の一例を示す図である。
図8に示す照会結果電文510は、候補列車が3つ存在する例であり、3つのフィールド511を有する。各フィールド511は、候補データを格納する。具体的には、各フィールド511は、フィールド512~517を含む。フィールド512は候補列車を識別する識別情報である候補IDを格納し、フィールド513は候補列車の発車時刻を格納し、フィールド514は候補列車の乗車駅を格納し、フィールド515は候補列車の降車駅を格納し、フィールド516は候補列車の乗継駅を格納する。なお、フィールド516は、乗継駅ごとに設けられる。
図8では、フィールド516が2つある例が示されている。
【0044】
図6の説明に戻る。予約端末2のネットワーク接続部201が照会結果電文を受信すると、CPU205は、照会結果電文に候補データが含まれるか否かを確認して、候補列車があるか否かを判断する(ステップS608)。
【0045】
候補列車がない場合(ステップS608:いいえ)、CPU205は、候補データが存在しない旨をLCDタッチパネル202に表示して(ステップS609)、ステップS601の処理に戻り、ユーザの乗車駅などの再入力を促す。
【0046】
一方、候補列車がある場合(ステップS608:はい)、CPU205は、照会結果電文に含まれる各候補データをLCDタッチパネル202に表示して、ユーザに候補データのいずれかの指定を促す(ステップS610)。
【0047】
その後、ユーザが候補データのいずれかを指定する指定操作をLCDタッチパネル202に対して行うと、CPU205は、ユーザにて指定された候補データの候補IDを、予約するチケットを指定する指定情報として取得し、音声によるキーワードの入力を促すキーワード音声入力画面(
図15参照)をLCDタッチパネル202に表示する(ステップS611)。キーワードは、上述したように発券用単語及びリカバリ用単語を含む。発券用単語は、ユーザが自発的に決める単語であり、乗車駅又は降車駅の駅名などでもよい。リカバリ用単語は、ユーザがキーワード音声入力画面による誘導に従って決める単語である。リカバリ用単語の数は、1以上であれば、ユーザにて任意に指定されてもよいし、予め定められていてもよい。
【0048】
ユーザがマイク203に対してキーワードを音声データとして入力すると、CPU205は、当該CPU205を有する予約端末2を識別する予約端末情報と、ユーザにて選択された候補データの候補IDと、入力された音声データとを含む登録要求電文を、予約情報の登録を要求する登録要求として生成してサーバ1に送信する(ステップS612)。
【0049】
図9は、登録要求電文の一例を示す図である。
図9に示す登録要求電文520は、フィールド521~524を有する。フィールド521は、予約端末2の予約端末情報を格納する。フィールド522は、ユーザにて選択された候補データの候補IDを格納する。フィールド523は、キーワードとして入力された音声データのうち発券用単語を格納する。フィールド524は、キーワードとして入力された音声データのうちリカバリ用単語を格納する。なお、フィールド524は、リカバリ用単語ごとに設けられる。
図9では、リカバリ用単語が8個ある例が示されている。
【0050】
図6の説明に戻る。サーバ1のネットワーク接続部101が登録要求電文を受信すると、CPU103は、登録要求電文に含まれる候補IDの候補データに含まれる発車時刻、乗車駅、降車駅及び乗継駅を予約情報とし、その予約情報と、登録要求電文に含まれる予約端末情報及び音声データとに登録IDを付与してデータベース4に登録する。また、CPU103は、登録結果を含む登録結果電文を生成して予約端末2に送信する(ステップS612)。
【0051】
図10は、登録結果電文の一例を示す図である。
図10に示す登録結果電文530は、フィールド531を含む。フィールド531は、登録結果を格納する。登録結果は、登録の成功を表す「登録OK」、又は、登録の失敗を表す「登録NG」を示す。なお、「登録NG」は、ステップS612の処理などでエラーが生じた場合などに使用される。
【0052】
図6の説明に戻る。予約端末2のネットワーク接続部201が登録結果電文を受信すると、CPU205は、登録結果電文を確認する。登録結果電文が「登録OK」を示す場合、CPU205は、予約内容と確認ボタンとをLCDタッチパネル202に表示し、その後、確認ボタンが押下されると、予約取引を完了させて、処理を終了する。一方、登録結果電文が「登録NG」を示す場合、CPU205は、その旨をLCDタッチパネル202に表示し、そのまま予約取引を未了のまま、処理を終了する(ステップS613)。
【0053】
図11は、チケットを発券する際の予約システムの処理である発券取引処理の一例を説明するためのフローチャートである。発券取引処理は、例えば、ユーザが発券決済端末3に発券取引処理の開始を指示したタイミングなどに行われる。
【0054】
発券取引処理では、発券決済端末3のCPU307は、音声による発券用単語の入力を促す発券用単語入力画面をLCDタッチパネル302に表示する(ステップS701)。発券用単語入力画面は、発券用単語を忘れた場合には、リカバリ用単語でもよい旨を含んでもよい。
【0055】
ユーザがマイク303に対して音声データを入力すると、ユーザの認証を要求する認証要求として、その音声データと、当該発券決済端末3を識別する識別情報である発券決済端末情報とを含む認証要求電文を生成してサーバ1に送信する(ステップS702)。
【0056】
図12は、認証要求電文の一例を示す図である。
図12に示す認証要求電文540は、フィールド541及び542を有する。フィールド541は、発券決済端末情報を格納する。フィールド542は、音声データを格納する。
【0057】
図11の説明に戻る。サーバ1のネットワーク接続部101が照会要求電文を受信すると、CPU103は、照会要求電文に含まれる音声データである入力音声データをデータベース4に格納された登録情報に含まれる音声データである登録音声データのそれぞれと突合して、入力音声データと合致した登録音声データが存在するか否かを判断することで、ユーザの認証を行う。そして、CPU103は、ユーザ認証の認証結果を含む認証結果電文を生成して発券決済端末3に送信する(ステップS702)。
【0058】
ユーザの認証では、CPU103は、例えば、入力音声データと登録音声データのそれぞれとの声紋認証を行い、入力音声データの特徴量との類似度が閾値以上の特徴量を有する登録音声データが存在する場合、その登録音声データを入力音声データと合致すると判断してもよい。また、CPU103は、入力音声データと登録音声データのうち発券用単語を示す音声データ(
図4のフィールド404に格納されている音声データ)とを突合し、入力音声データと合致した登録音声データがない場合、入力音声データと登録音声データのうちリカバリ用単語を示す音声データ(
図4のフィールド405に格納されている音声データ)とを突合してもよい。
【0059】
なお、「認証OK」の場合、本実施形態では、CPU103は、入力音声データと合致した登録音声データに対応する予約情報を認証結果電文550に加えることで、認証結果電文550を、予約情報に応じたチケットの発券を要求する発券要求として用いる。
【0060】
図13は、証認結果電文の一例を示す図である。
図13に示す認証結果電文550は、フィールド551及び552を有する。フィールド551は、認証結果を格納する。認証結果は、認証の成功を表す「認証OK」、又は、認証の失敗を表す「認証NG」を示す。フィールド552は、予約情報を格納する。予約情報は、認証結果が「認証OK」を示す場合に格納され、認証結果が「認証NG」の場合、フィールド552は空値となる。フィールド552は、具体的には、フィールド553~556を含む。フィールド553は予約列車の発車時刻を格納し、フィールド554は予約列車の乗車駅を格納し、フィールド555は予約列車の降車駅を格納し、フィールド556は予約列車の乗継駅を格納する。なお、フィールド556は、乗継駅ごとに設けられる。
図13では、フィールド556が2つある例が示されている。
【0061】
図11の説明に戻る。発券決済端末3のネットワーク接続部301が証認結果電文を受信すると、CPU307は、証認結果電文の認証結果が「認証OK」を示すか否かを確認する(ステップS703)。
【0062】
「認証NG」の場合(ステップS703:いいえ)、CPU307は、その旨をLCDタッチパネル302に表示して(ステップS704)、ステップS701の処理に戻り、ユーザに音声データの再入力を促す。
【0063】
「認証OK」の場合、CPU307は、証認結果電文に含まれる予約情報と確認ボタンとをLCDタッチパネル302に表示する(ステップS705)。その後、確認ボタンが操作されると、CPU307は、発券部304及び決済処理部305を用いて、証認結果電文に含まれる予約情報に応じたチケットの発券と、チケットの代金の決済を行う発券決済処理を実行し(ステップS706)、処理を終了する。
【0064】
図14は、降車駅入力画面の一例を示す図である。
図14に示す降車駅入力画面800は、降車駅の入力を促すメッセージ801と、予約取引を中断するための取消ボタン802と、降車駅を入力するためのキー803とを含む。
【0065】
図15は、キーワード音声入力画面の一例を示す図である。
図15に示すキーワード音声入力画面は、音声によるキーワードの入力を促すメッセージ811と、発券決済取引を中断するための取消ボタン812と、リカバリ用単語の想起を誘導するための誘導情報である例示単語813とを含む。
【0066】
以上説明したように本実施形態によれば、サーバ1のCPU103は、予約端末2からのチケットを指定する指定情報に応じた予約情報と予約端末2からの音声データを対応付けてデータベース4に登録する。また、CPU103は、発券端末2からの音声データである入力音声データとデータベース4に登録された音声データである登録音声データとに基づいて、ユーザを認証し、当該認証に成功した場合、登録音声データに対応した予約情報に基づいて、チケットの発券要求を発券端末2に送信する。したがって、ユーザは発券時に質問などに答えなくても、予約時と発券時とに音声データを入力するだけで、発券時の本人確認(ユーザの認証)を行うことが可能になるため、チケットの発券時の本人確認に係る手間を軽減することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態では、サーバ1のCPU103は、入力音声データを複数の登録音声データのそれぞれと突合して、入力音声データと合致する登録音声データが存在する場合、ユーザの認証に成功したと判定する。このため、ユーザが登録した音声データの内容を忘れても、他の音声データでリカバリすることが可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、予約端末2は、音声としてキーワードの入力を促す入力要求情報を表示するため、音声データとして適切なデータを入力することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態では、入力要求情報は、キーワードの想起を誘導する誘導情報を含むため、ユーザがキーワードを思いつかない場合でも、適切に音声データを入力させることが可能となる。
【0070】
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。例えば、上述した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、各構成を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVDなどの記録媒体に記録することができる。
【符号の説明】
【0071】
1:サーバ 2:予約端末 3:発券決済端末 4:データベース 101:ネットワーク接続部 102:メモリ 103:CPU 201:ネットワーク接続部 202:タッチパネル 202:LCDタッチパネル 203:マイク 204:メモリ 205:CPU 301:ネットワーク接続部 302:LCDタッチパネル 303:マイク 304:発券部 305:決済処理部 306:メモリ 307:CPU