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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20241212BHJP
   A01K 85/01 20060101ALI20241212BHJP
   A01K 85/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A01K85/00 B
A01K85/01 B
A01K85/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021127949
(22)【出願日】2021-08-04
(65)【公開番号】P2023022888
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西井 啓大
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0344986(US,A1)
【文献】特開2012-080826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0106081(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0172924(US,A1)
【文献】特開2018-023337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0210731(US,A1)
【文献】米国特許第10477845(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00 - 85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアー本体と、
前記ルアー本体に設けられるフックと、
前記ルアー本体から突出するブレード接続用アイと、
前記ブレード接続用アイに取り付けられるブレードと、を備え、
前記ブレードは、
長孔形状の貫通孔を有するブレード本体と、
釣糸が接続される釣糸接続部と、
前記ブレード接続用アイに着脱自在に構成されたクリップ部と、を備え、
前記クリップ部は、前記ブレード接続用アイを導入する導入部と、
前記導入部に係合する係合部と、
前記貫通孔を横断する位置に配置された固定部と、を備え、
前記導入部が前記係合部に係合又は解除可能であるとともに、前記導入部、前記係合部及び前記固定部は一体形成されており、
前記固定部と、前記貫通孔とで前記釣糸接続部を構成することを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記ブレードは、前記ルアー本体と対向する部位に、前記ルアー本体から離間する方向に凹む切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用のルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣り用のルアーとして、先端側にブレードを備えたものが知られている(特許文献1)。例えば、チャターベイトは、錘を兼ねたルアー本体(ジグヘッド)と、ルアー本体に設けられたフックと、ルアー本体に設けられたスカート部と、ルアー本体のブレード接続用アイに取り付けられたブレードと、を備えている。ブレードを備えることで、振動や音で魚にアピールすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-80826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のチャターベイトは、ブレードをブレード接続用アイに接続しているため、ブレードを容易に着脱することができない。そのため、ブレードを交換する作業が煩雑になるという問題がある。また、ブレードを取り外しやすくするために、ブレード接続用アイにスプリットリングを介してブレードを接続することもできる。しかし、この形態であると、ブレードとルアー本体との距離が大きくなってしまい、ブレードの振動がルアー本体に十分伝わらず、アクションが弱くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、アクションの低下を防ぎつつ、ブレードを容易に着脱できるルアーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るルアーは、ルアー本体と、前記ルアー本体に設けられるフックと、前記ルアー本体から突出するブレード接続用アイと、前記ブレード接続用アイに取り付けられるブレードと、を備え、前記ブレードは、長孔形状の貫通孔を有するブレード本体と、釣糸が接続される釣糸接続部と、前記ブレード接続用アイに着脱自在に構成されたクリップ部と、を備え、前記クリップ部は、前記ブレード接続用アイを導入する導入部と、前記導入部に係合する係合部と、前記貫通孔を横断する位置に配置された固定部と、を備え、前記導入部が前記係合部に係合又は解除可能であるとともに、前記導入部、前記係合部及び前記固定部は一体形成されており、前記固定部と、前記貫通孔とで前記釣糸接続部を構成することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、クリップ部によりブレードの脱着を容易に行うことができる。さらに、ブレードはルアー本体から突出するブレード接続用アイに直接取り付けるため、ルアー本体とブレードとの距離が大きくなるのを防ぐことができる。これにより、ブレードの振動がルアー本体に伝わりやすくなり、魚へのアピールを高めることができる。また、釣糸又は釣糸に連結されたスナップフックを貫通孔に通してクリップ部に接続することができるので、釣糸をブレードに容易に接続することができる。また、ブレード接続用アイをクリップ部に容易に導入することができる。また、係合部を備えるため、ブレードがルアー本体から脱落するのを防ぐことができる。
【0008】
また、前記ブレードは、前記ルアー本体と対向する部位に、前記ルアー本体から離間する方向に凹む切欠き部が形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、ブレードをブレード接続用アイに取り付けた際、ブレード接続用アイがブレードに干渉しないため、ブレードとルアー本体とが離間するのをより防ぐことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アクションの低下を防ぎつつ、ブレードを容易に着脱できるルアーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るルアーの斜視図である。
図2】本実施形態に係るルアーのブレードを示す平面図である。
図3】本実施形態に係るルアーのブレードを示す斜視図である。
図4】本実施形態に係るルアーのブレードに釣糸を取り付けた状態を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係るルアーの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は、適宜省略する。以下の説明において、「前後」、「左右」、「上下」は、図1及び図2の矢印に従う。なお、当該方向は、説明の便宜上用いるものであって、本発明の方向を限定するものではない。
【0017】
図1に示すように、第一実施形態に係るルアー1は、ルアー本体10と、スカート部11と、フック12と、ブレード接続用アイ13と、ブレード20とを備えている。本実施形態のルアー1は、ブレード20を備えることで、振動や音により魚へのアピールを高めることができる。
【0018】
ルアー本体(ジグヘッド)10は、魚の頭を模して形成されるとともに、錘となる部材である。ルアー本体10の大きさ、形状は特に限定されない。ルアー本体10は、例えば、鉛、鉛合金、タングステン、又はタングステン合金等の比重の大きな金属で形成されている。
【0019】
ルアー本体10の前側上部には、ブレード20を取り付けるためのブレード接続用アイ13が突出して形成されている。ブレード接続用アイ13は、環状を呈する。ルアー本体10の後部には後方に向けて延在するスカート部11と、フック12とが取り付けられている。スカート部11は、本実施形態では、例えばシリコンや、ラバー素材で形成されている。
【0020】
図2に示すようにブレード20は、ブレード本体20aと、切欠き部20bと、釣糸接続部20cと、クリップ部21とを備えている。本実施形態ではブレード本体20aは、板状部材であって、6つの辺を有する多角形構造となっている。ブレード本体20aの形状は特に限定されるものではなく、水中で振動可能であれば、例えば、三角形、四角形又は円形であってもよい。ブレード本体20aは、金属、ゴム等で形成してもよいが、本実施形態では、例えば、樹脂で形成している。また、本実施形態のブレード20は、ルアー本体10に取り付けているが、後記する変形例のように魚を模したルアー本体や、エビやカニなどを模したルアー本体に対して取り付けることもできる。
【0021】
切欠き部20bは、ブレード20をルアー本体10に取り付けた際に、ブレード20がルアー本体10と対向する部位に、ルアー本体10から離間する方向に凹むように形成されている。切欠き部20bは、ブレード本体20aの後部において、後方に開放するように切り欠かれている。切欠き部20bの形状は特に限定されるものではない。
【0022】
図3に示すように、釣糸接続部20cは、釣糸が連結されたスナップフックSF(図4参照)を取り付ける部位である。釣糸接続部20cは、後記するクリップ部21の固定部21eと、貫通孔20dとで構成されている。貫通孔20dは、ブレード本体20aの中央部に上下方向に貫通するように形成されている。貫通孔20dは本実施形態では一つの長孔形状であるが、形状や個数は限定されない。例えば、貫通孔20dを二つ形成してスナップフックSFを取り付けるようにしてもよい。
【0023】
図3に示すように、クリップ部21は、ブレード接続用アイ13が着脱される部位である。クリップ部21は、ブレード本体20aに接着剤などで固定されている。クリップ部21は、導入部21aと、第一中間部21bと、湾曲部21cと、第二中間部21dと、固定部21eと、係合部21fとを備えている。クリップ部21は、複数の部材で構成されてもよいが、本実施形態では、一の棒状金属部材を折り曲げて一体形成されている。
【0024】
導入部21aは、ブレード接続用アイ13を導入する部位である。導入部21aは、L字状を呈し、一部が係合部21fに係合されるとともに、先端がブレード本体20aから立ち上がるように折れ曲がっている。第一中間部21bは、導入部21aに連続し、貫通孔20dを挟んで第二中間部21dと対向して配置されている。湾曲部21cは、第一中間部21bと第二中間部21dの端部同士を湾曲して連結する部位である。湾曲部21cは、切欠き部20bに対応する位置に形成されている。
【0025】
固定部21eは、第二中間部21dに連続し、貫通孔20dに対応する位置に配置されている。具体的には、固定部21eが貫通孔20dの中央を横断するように配置されている。これにより、貫通孔20dと固定部21eとで釣糸接続部20cを構成している。係合部21fは、導入部21aを係合させる部位である。係合部21fは、固定部21eの端部を貫通孔20d側に折り返して形成されている。
【0026】
次に、ブレード20をブレード接続用アイ13に取り付ける手順について図2及び図3を参照しながら説明する。まず、導入部21aを左方向へ押し込んで、係合部21fとの係合状態を解除する。これにより、導入部21aが解放され、クリップ部21は開いた状態となる。
【0027】
クリップ部21を開いた状態で、ブレード接続用アイ13を導入部21aから挿入する。その後、ブレード接続用アイ13を、第一中間部21bを介して湾曲部21cまで移動させる。最後に再び導入部21aを係合部21fに係合させることで、クリップ部21は、閉じた状態となる。これにより、ブレード20をブレード接続用アイ13に取り付けることができる。なお、ブレード20をブレード接続用アイ13から取り外す場合は、取り付ける場合と同じ作業を行えばよい。
【0028】
以上説明した本実施形態のルアー1によれば、ルアー本体10とブレード20との距離が近いため、ブレード20の着脱が困難であるが、クリップ部21を設けることで容易に着脱することができる。これにより、釣人の好みに応じて、ブレード20の大きさ、形状、重さなどを容易に変更することができ、アクションのバリエーションを容易に増やすことができる。
【0029】
また、ブレード20はルアー本体10から突出するブレード接続用アイ13に直接取り付けるため、ルアー本体10とブレード20との距離が大きくなるのを防ぐことができる。これにより、ブレード20の振動がルアー本体10に伝わりやすくなり、魚へのアピールを高めることができる。
【0030】
また、ブレード20には切欠き部20bが形成されているため、ブレード20をブレード接続用アイ13に取り付けた際、ブレード接続用アイ13は切欠き部20b内に収まりブレード20と干渉しない。つまり、ブレード20とルアー本体10とが離間するのをより防ぐことができる。
【0031】
また、ブレード20は、貫通孔20dを備え、クリップ部21の固定部21eが、貫通孔20dに対応する位置に配置されている。つまり、固定部21eが貫通孔20dと重なり、貫通孔20dを2分割した状態となるため、スナップフックSFを貫通孔20d通してクリップ部21の固定部21e(釣糸接続部20c)に接続することができる。これにより、図4に示すように、スナップフックSFを介して釣糸をブレード20に容易に接続することができる。なお、釣糸を直接固定部21e(釣糸接続部20c)に接続してもよい。
【0032】
また、クリップ部21は、ブレード接続用アイ13を導入する導入部21aと、導入部21aを係合する係合部21fを備えるため、導入部21aを係合部21fから取り外すことで、ブレード20の着脱をより容易に行うことができる。また、係合部21fは省略してもよいが、係合部21fを設けることで導入部21aからルアー本体10が脱落するのを防ぐことができる。
【0033】
<変形例>
次に、本発明の変形例について説明する。図5に示すように、変形例に係るルアー1Aは、ルアー本体30と、ブレード20とを備えている。ルアー本体30には、ブレード接続用アイ31と、前側釣針用アイ32と、後側釣針用アイ33と、釣針34,34とを備えている。本実施形態のブレード20は、このようなルアー本体30に対しても適用することができる。つまり、本発明は、あらゆる形態のルアー本体に対して適用することができる。その他の構成及び効果は、実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0034】
以上、本願発明に係る実施形態について説明した。本発明は、前述の実施形態に限らず各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、
ブレード本体を金属等の硬質材で形成してもよい。その場合は、ブレード本体とクリップ部は溶接により固定してもよい。また、ルアー本体10とブレード20との距離は、常に接触するようにしてもよいし、隙間をあけて配置してもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 ルアー
10 ルアー本体(ジグヘッド)
11 スカート部
12 フック
13,31 ブレード接続用アイ
20 ブレード
20a ブレード本体
20b 切欠き部
20c 釣糸接続部
20d 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5