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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】喫煙物品収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20241212BHJP
   B65D 85/20 20060101ALI20241212BHJP
   B65D 85/10 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B65D77/04 C
B65D85/20 Z
B65D85/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021556979
(86)(22)【出願日】2019-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2019058196
(87)【国際公開番号】W WO2020200417
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ラツシェク,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】グレコ・ダ・フォンセカ・デ・カルバリョ,ガブリエラ
(72)【発明者】
【氏名】バックリー,ジェイミー
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06298989(US,B1)
【文献】特開2003-128148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0008147(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107082172(CN,A)
【文献】米国特許第06105765(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
B65D 85/20
B65D 85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品収納箱(1)であって、
a.基部部分(12)と蓋部分(14)とを有する外容器(10)と、
b.前記基部部分(12)内においてより低位置に配置され、喫煙物品または付属品を保持する第1の収納層要素(20)と、
c.前記基部部分(12)内においてより高位置に取り外し可能に配置され、前記第1の収納層要素に保持される喫煙物品または付属品とは異なる喫煙物品または付属品を保持する少なくとも1つの高位要素(30、40)と
を含み、
d.前記第1の収納層要素(20)は、一方側における第1の接触縁(24)と、前記第1の収納層要素(20)の反対側における第2の接触縁(26)とを含み、且つ前記第1の接触縁(24)及び前記第2の接触縁(26)は、前記収納箱(1)内の前記少なくとも1つの高位要素(30、40)に対する支持要素を形成する、
喫煙物品収納箱(1)。
【請求項2】
前記第1の収納層要素(20)は、凹形状を有する上面(21)を含む、請求項1に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項3】
前記第1の収納層要素(20)は、前記上面(21)の上方に且つ前記第1の接触縁(24)と前記第2の接触縁(26)との間に空間(25)を提供する、請求項1又は2に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項4】
前記高位要素(30)は、第2の収納層要素(30)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項5】
前記第2の収納層要素(30)は、一方側における第1の接触縁(34)と、前記第2の収納層要素(30)の反対側における第2の接触縁(36)とを含み、前記第1の接触縁(34)及び前記第2の接触縁(36)は、前記第2の収納層要素(30)に対する支持要素を形成する、請求項4に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項6】
第1の接触縁(24、34)及び第2の接触縁(26、36)は、直線形状であり、水平支持要素を提供する、請求項1~5のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項7】
第1の接触縁(24)及び第2の接触縁(26)は、前記基部部分(12)の相対向する側壁(16、17)の内面に近接して位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項8】
前記第2の収納層要素(30)は、凸形状を有する上面(31)を含み、且つ/又は凹形状を有する下面(33)を含む、請求項4に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項9】
前記第2の収納層要素(30)は、前記基部部分(12)からの前記第2の収納層要素(30)の取り外しを容易にするための把持孔(38)を含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項10】
前記第1の収納層要素(20)及び前記第2の収納層要素(30)の各々は、品物を保持するための少なくとも1つの凹部(22、32)を含む、請求項4~9のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項11】
前記第1の収納層要素(20)及び前記第2の収納層要素(30)は、前記基部部分(12)の内側に適合された、略矩形の設置面積を有する、請求項4~10のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項12】
さらなる高位要素(40)として平坦な又は直方体状の中間層要素(40)をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項13】
前記中間層要素(40)は、前記第1の収納層要素(20)と前記第2の収納層要素(40)との間に位置決めされる、請求項12に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項14】
前記中間層要素(40)は、開放できる中空内部空間を含む、請求項12又は13に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項15】
前記蓋(14)は、被せ蓋(14)である、請求項1~14のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項16】
前記被せ蓋(14)は、前記基部部分(12)の高さ(Hb)と同等又はより大きい高さ(Hl)を有する、請求項15に記載の喫煙物品収納箱。
【請求項17】
前記蓋は、前記基部部分(12)にヒンジ連結される、請求項1~16のいずれか一項に記載の喫煙物品収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品収納箱に関する。喫煙物品収納箱は、電子タバコと、使い捨てカートリッジ、充電ケーブル、液体タンク又はユーザマニュアルのような、電子タバコの付属品とを収納するのに特に適している。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品、特に電子タバコのような壊れやすい商品は、通常、移送中に商品を保護するために小さい箱又は容器内に包装され、市場に持ち込まれる。
【0003】
電子タバコのようなより高価な商品は、一方では、摩擦を防止するためにバラの部品を互いに分離することによって移送中の電子タバコを保護し、他方では、電子タバコ及びその付属品を取り出すための容易なアクセスをユーザに提供する陳列箱内に包装される。しかしながら、電子タバコ用の一部の陳列箱には、電子タバコを陳列箱から容易又は簡便に取り出すことができないという欠点がある。この欠点は、移送機能のために、電子タバコを保護する目的で電子タバコを箱内にしっかりと保持する必要があることに起因する。
【0004】
したがって、一方では喫煙物品の良好な保護を提供し、他方ではユーザが喫煙物品を箱から簡便に取り出すことを可能にする、喫煙物品収納箱を提供するには課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した課題は、請求項1に記載の喫煙物品収納箱によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は特に、喫煙物品収納箱であって、基部部分と蓋部分とを含む外容器と、基部部分内においてより低位置に配置された、第1の収納層要素と、基部部分内においてより高位置に取り外し可能に配置された、少なくとも1つの高位要素とを含み、第1の収納層要素は、一方側における第1の接触縁と、第1の収納層要素の反対側における第2の接触縁とを含み、且つ第1の接触縁及第2の接触縁は、収納箱内の少なくとも1つの高位要素に対する支持要素を形成する、喫煙物品収納箱によって解決される。
【0007】
第1の収納層要素の接触縁を第1の収納層要素の相対向する側部に設けることによって、箱内の2つの層が、2つの層の間の中心領域に摩擦又は接触を生じさせずに、互いに接触することが可能となる。これにより、第1の収納層要素内に保持された喫煙物品又は付属品の損傷が防止される。特に、箱内のこのより高位置に少なくとも1つの高位要素を保持する追加のスペーサは必要でない。したがって、第1の収納層要素は、製品を保持する機能と、高位要素を第1の収納層要素の上方に且つ製品の上方に保持する機能とを一体化する。このように、コスト効率及び製造効率の非常に高い2層以上の構造の喫煙物品収納箱が提供される。好ましくは、接触縁は、箱内の高位要素に対する専用の垂直支持を形成し、したがって、収納箱内の第1の収納層要素の最も高い領域である。
【0008】
加えて、高位要素を支持するための接触縁が第1の収納層要素の両側に配置されるので、特に、ユーザが喫煙物品又は付属品を容易に把持して取り出すことができるように、それらの接触縁の中間の空間を自由に設計できる可能性がある。
【0009】
好ましくは、第1の収納層要素は、凹形状を有する上面を含む。第1の収納層要素から喫煙物品又は付属品を容易に把持して取り出すことができるように、上面の凹形状によって、喫煙物品又は付属品が第1の収納層要素から突出することが可能となる。その一方で、この凹形状によって、高位要素を支持するための接触縁を第1の収納層要素の相対向する側部に設けることが可能となる。
【0010】
好ましくは、第1の収納層要素は、上面の上方に且つ第1の接触縁と第2の接触縁との間に空間を提供する。この空間は、喫煙物品又は付属品によって部分的に占有し、さらに、喫煙物品又は付属品をその側部から把持するための空隙を提供するために使用することができる。
【0011】
好ましくは、高位要素は、第2の収納層要素である。したがって、高位要素は、第1の収納層要素のように、喫煙物品又は付属品を保持し且つ喫煙物品又は付属品をユーザに提示するために使用することができる。喫煙物品収納箱の多段配置は、喫煙物品又は付属品の審美的に心地よく且つ人間工学的に最適化された収納及び提示を可能にする。例えば、第2の収納層要素は、電子タバコのみを保持及び提示でき、これにより、電子タバコの容易な取り出しのために電子タバコの周囲の空隙を最大限に活用できることが可能となる。
【0012】
好ましくは、第2の収納層要素は、一方側における第1の接触縁と、第2の収納層要素の反対側における第2の接触縁とを含み、第1の接触縁及び第2の接触縁は、第2の収納層要素に対する支持要素を形成する。第2の収納層要素のそのような相対向する接触縁は、第2の収納層要素の定められた接触位置を提供する。これにより、さらに、下方に位置する喫煙物品又は付属品に対する第2の収納層要素の摩擦又は損傷が防止される。
【0013】
好ましくは、第1の接触縁及び第2の接触縁は、直線形状であり、水平支持要素を提供する。第1の収納層要素及び第2の収納層要素のそのような直線状の支持要素は、一方では、箱内の第1の収納層要素の頂部において第2の収納層要素に対する確実な支持を提供し、他方では、収納層を隔てるための追加のスペーサを必要とせずに、収納層間に最大の自由空間を残す。
【0014】
好ましくは、第1の接触縁及び第2の接触縁は、基部部分の相対向する側壁の内面に近接して位置する。したがって、第1の収納層要素及び第2の収納層要素は、ごく僅かな遊びを残して又は全く遊びを残さずに基部部分内に位置決めされ、これにより、収納箱内の第1の収納層要素及び第2の収納層要素の望ましくない移動が防止される。
【0015】
好ましくは、第2の収納層要素は、凸形状を有する上面を含み且つ/又は凹形状を有する下面を含む。そのような凹形状はまた、有利には、喫煙物品又は付属品をその側部から把持するための空隙も提供している。
【0016】
好ましくは、第2の収納層要素は、基部部分からの第2の収納層要素の取り外しを容易にするための把持孔を含む。把持孔は、第2の収納層要素を収納箱の基部部分から取り外すために第2の収納層要素を容易に把持するための少なくとも1本の指をユーザが差し込むことを可能にする。好ましくは、把持孔は、喫煙物品又は付属品が第2の収納層要素から取り出されたときにのみ把持孔が視認可能となるように、第2の収納層要素によって保持された喫煙物品又は付属品の下に配置される。これにより、喫煙物品又は付属品を収容する収納箱の見栄えが向上する。
【0017】
好ましくは、第1の収納層要素及び第2の収納層要素の各々は、品物を保持するための少なくとも1つの凹部を含む。凹部は、喫煙物品又は付属品を少なくとも部分的に第1及び第2の収納層要素内又は上に位置決めして保持する。好ましくは、凹部は、凹部が保持する喫煙物品又は付属品の輪郭又は外側形状に適合されるような形状とされる。したがって、喫煙物品又は付属品は、収納箱内の定められた位置に配置されて保持される。
【0018】
好ましくは、第1の収納層要素及び第2の収納層要素は、基部部分の内側に適合された、略矩形の設置面積を有する。したがって、第1の収納層要素及び第2の収納層要素は、それぞれの層要素の下方の要素が隠されて見えないように、基部部分の内側全体、好ましくは床を実質的に覆う。さらに、第1の収納層要素及び第2の収納層要素が収納箱内で移動することが実質的に防止され、これにより、第1の収納層要素及び第2の収納層要素によって保持された品物の損傷が防止される。
【0019】
好ましくは、さらなる高位要素として平坦な又は直方体状の中間層要素をさらに含む、喫煙物品収納箱。好ましくは、中間層要素は、第1の収納層要素と第2の収納層要素との間に位置決めされる。好ましくは、中間層要素は、開放できる中空内部空間を含む。そのような空間は、付属品、ユーザマニュアル、データ記憶媒体などのような、さらなる平坦な品物を収納するために使用することができる。
【0020】
好ましくは、中間層要素は、第2の収納層要素の把持孔の下に位置するように配置される、少なくとも1つの把持タブを含む。したがって、把持タブは、把持孔から突出することができ、中間層要素を第2の収納層要素と一緒に両方とも取り外すために、ユーザが把持することができる。
【0021】
好ましくは、蓋は被せ蓋である。好ましくは、被せ蓋は、基部部分の高さと同等又はより大きい高さを有する。したがって、閉状態にある喫煙物品収納箱は、矩形立方体のように見える。
【0022】
好ましくは、蓋は、基部部分にヒンジ連結される。別の実施形態では、蓋はまた、好ましくは基部部分と蓋部分とが一緒になって一体の外容器を形成するような、ヒンジ付き蓋とすることができる。
【0023】
以下において、本発明の好適な実施形態が添付図を参照して開示される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】喫煙物品収納箱の好適な実施形態の側断面図である。
図2図1の喫煙物品収納箱の概略斜視図である。
図3a】第1の収納層要素の好適な実施形態の概略斜視図である。
図3b】第2の収納層要素の好適な実施形態の概略斜視図である。
図4A図3の第1の収納層要素の上面図、側面図、及び正面図である。
図4B図3の第1の収納層要素の上面図、側面図、及び正面図である。
図4C図3の第1の収納層要素の上面図、側面図、及び正面図である。
図5A】第2の収納層要素の好適な実施形態の上面図、側面図、正面図、及び概略斜視図である。
図5B】第2の収納層要素の好適な実施形態の上面図、側面図、正面図、及び概略斜視図である。
図5C】第2の収納層要素の好適な実施形態の上面図、側面図、正面図、及び概略斜視図である。
図5D】第2の収納層要素の好適な実施形態の上面図、側面図、正面図、及び概略斜視図である。
図6】喫煙物品の概略正面図である。
図7】中間層要素の実施形態のためのブランクの上面図である。
図8】基部部分と第1の収納層とを示す、喫煙物品収納箱のさらなる実施形態の概略斜視図である。
図9】基部部分と第2の収納層とを示す、喫煙物品収納箱のさらなる実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下において、本発明の好適な実施形態が図に関して説明される。
【0026】
図1及び図2は、喫煙物品収納箱1の実施形態を示す。この実施形態の収納箱1は、外容器10と、外容器10内において最低位置に配置された、第1の収納層要素20と、外容器10内においてより高位置に、好ましくは第1の収納層要素20の直上に配置された、中間層要素40と、外容器10内において最高位置に、好ましくは中間層要素40の直上に配置された、第2の収納層要素30とを含む。したがって、収納箱1は、好ましくは、喫煙物品5(図6参照)又は付属品を収納するための3つ異なる高さ位置を収納箱1内に異なる高さで提供する。
【0027】
別の実施形態(図示せず)では、第2の収納層要素30は、第1の収納層要素40の真上に配置することができる。そのような実施形態では、中間層要素40は、除外することができ、又は外容器10内の最高位置に、好ましくは第2の収納層要素30の真上に配置することができる。この実施形態では、収納箱1は、喫煙物品5又は付属品を収納するための2つの異なる高さ位置を提供する。
【0028】
外容器10は、基部部分12と蓋部分14とを含む。蓋部分は、被せ蓋14又はヒンジ付き蓋(図示せず)とすることができる。基部部分12及び蓋部分14は、好ましくは、矩形立方体形状を有し、好ましくは、硬質の厚紙材料で作られる。外容器は、10~15cmの長さ、3~6cmの高さHl、5~8cmの幅を有し得る。そのようなサイズでは、喫煙物品収納箱1は、すべての付属品及びユーザマニュアルと一緒に電子タバコを保持することができる。
【0029】
蓋部分14の高さHlは、好ましくは、基部部分12の高さHbと同等であるか又は高さHbよりも僅かに大きい。したがって、基部部分12は、蓋部分14に完全に嵌り込む。
【0030】
図3及び図4は、第1の収納層要素20の実施形態を異なる図で示す。第1の収納層要素20は、品物、好ましくは喫煙物品5又は付属品を保持するための凹部又は空洞22を含む。第1の収納層要素20は、好ましくは、湾曲形状を有する材料層からなる。第1の収納層要素20の材料層は、好ましくは、使用される材料に応じて、約0.1~3.0mmの厚さを有する。第1の収納層要素20は、プラスチック材料層の深絞り成形によって作ることができ、射出成形することができ、又は3D印刷することができる。また、代替的に、第1の収納層要素20は、湾曲した紙繊維材料(例えば、成形された又は曲がった紙材料)から作ることができる。
【0031】
第1の収納層要素20は、一方側における第1の接触縁24と、第1の収納層要素20の反対側における第2の接触縁26とを含む。これらの、好ましくは、直線形状の水平配置された接触縁24、26は、少なくとも1つの高位要素30及び40に対する支持要素を形成する。接触縁24、26はさらに、第1の収納層要素20の望ましくない移動を防止するために、基部部分12の相対向する側壁16、17の内面に近接又は当接して位置する。第1の収納層要素20は、好ましくは、基部部分12に嵌り込む、図4Aに示すような、矩形の設置面積を有する。したがって、基部部分12の内底部は、ユーザには視認できない。
【0032】
第1の収納層要素20は、凹形状を有する上面21をさらに含む。上面21は、好ましくは、凹部22を取り囲み、視認可能な表面を形成する。上面21の凹形状は、一方では、凹部22によって保持された品物の取り出しを容易にし、他方では、第1の収納層要素20の最高位要素として接触縁24、26を位置決めする。したがって、図4Bの側面図に示すように、第1の収納層要素20は、接触縁24、26間の補助線2によって表すように、凹状上面21の上方に且つ第1の接触縁24と第2の接触縁26との間に空間25を提供する。空間25の高さHsは、凹状上面21の曲率によって決まり、約4~10mmである。好ましくは、空間25の高さHsは、第1の収納層要素20の全高Hfの約30%~50%である。この高さHsは、喫煙物品5又は付属品を把持するに十分な空間25がユーザに提供され、同時に、第1の収納層要素20の側部が十分な高さを有するので、第1の収納層要素のねじり安定性が達成されるという利点を有する。
【0033】
第1の収納層要素20は、基部部分12の内底部に接触する底部接触面23を有する。よって、第1の収納層要素20は、収納箱1内に取り外し可能に位置決めすることができる。第1の収納層要素20は、第1の収納層要素20を基部部分12から取り外すことができないように、(例えば、接着剤又は機械的接続要素によって)基部部分12の内底部に固定的に取り付けられ得る。他の実施形態では、第1の収納層要素20は、基部部分12に接着されない。
【0034】
図5A図5Dは、第2の収納層要素30の実施形態を異なる図で示す。第2の収納層要素30は、収納箱1内の第1の収納層要素20よりも高位置に配置されるので、高位要素を形成する。第2の収納層要素30は、好ましくは、品物、好ましくは喫煙物品5又は付属品を保持するための凹部32を含む。第1の収納層要素20のように、第2の収納層要素30は、好ましくは、3次元形状である材料層からなる。第2の収納層要素30の材料層は、好ましくは、使用される材料に応じて、約0.1~3.0mmの厚さを有する。第2の収納層要素30は、プラスチック材料層の深絞り成形によって作ることができ、射出成形することができ、又は3D印刷することができる。代替的に、第2の収納層要素30は、紙繊維材料(例えば、成形された又は曲がった紙材料)から作ることができる。
【0035】
第1の収納層要素30は、一方側における第1の接触縁34と、第2の収納層要素30の反対側における第2の接触縁36とを含む。これらの、好ましくは、直線形状の水平配置された接触縁34、36は、第2の収納層要素30を支持する。それにより、第2の収納層要素30の接触縁34、36は、第1の収納層要素20(図示せず)の接触縁24、26上に直接静置することができ、又は図1の実施形態と同じように、中間層要素40上に静置することができる。接触縁34、36はさらに、第2の収納層要素30の望ましくない移動を防止するために、基部部分12の相対向する側壁16、17の内面に近接又は当接して位置する。
【0036】
第2の収納層要素30は、好ましくは、基部部分12に嵌り込む、図6Aに示すような、矩形の設置面積を有する。したがって、第2の収納層要素30の下方の要素は、実質的に覆われており、ユーザには視認できない。
【0037】
第2の収納層要素30は、湾曲形状又は凸形状を有する上面31をさらに含む。上面31は、好ましくは、凹部32を取り囲み、視認可能な表面を形成する。上面31の凹形状は、一方では、凹部32によって保持された品物の取り出しを容易にし、他方では、第2の収納層要素30の最低位要素として接触縁34、36を位置決めする。したがって、図1の断面図に示すように、第2の収納層要素30は、下にある要素40又は20上に接触縁34、36によって確実に静置される。
【0038】
図1に示すように、凹部32の底面は、接触縁34、36と同じ高さ位置に配置され得る。したがって、第2の収納層要素30は追加的に、好ましくは平坦な上面41(図7参照)を有する、中間層要素40上に、少なくとも接触縁34、36によって静置されるが、凹部32の底面37によっても静置され得る。別の実施形態(図示せず)では、凹部32の底面は、第2の収納層要素30が接触縁34、36上のみに静置されるように、接触縁34、36よりも高位置に配置され得る。
【0039】
さらに、第2の収納層要素30は、凹形状を有する下面33をさらに含む。下面の凹形状は、第1の収納層要素20上に位置する品物のために一般的に使用できる空間よりも下に空間35(図1参照)を提供する。この下面の凹形状は、より広い空間が第1の収納層要素20と第2の収納層要素30との中間に形成されるという利点を有し、中間層40がない場合に特に有利である。
【0040】
第2の収納層要素30は、外容器10に取り外し可能に接続される。したがって、第2の収納層要素30は、第2の収納層要素30の下方の要素へのアクセスを提供するために、収納箱1から完全に取り外すことができる。第2の収納層要素30の取り外しを容易にするために、第2の収納層要素30は、把持孔38を含み得る。把持孔38は、好ましくは、喫煙物品又は付属品が凹部32内に配置されたときに視認できないように凹部32の底壁に配置される。よって、把持孔38は、好ましくは、凹部32内に配置された喫煙物品5(例えば電子タバコ5)又は付属品よりも小さい小寸法を有する。好ましくは、把持孔は、ユーザの指を受け入れるのに適した、約15mmの直径を有する。把持孔38はまた、下にある中間収納層要素40の把持タブ46(図7参照)へのアクセスを可能にするように寸法決めすることができ且つ位置することができる。
【0041】
図6は、喫煙物品5の実施形態としての電子タバコ5を示す。電子タバコ5は、第2の収納層要素30によって収納され得る。図5A図5Dの実施形態では、凹部又は空洞32は、喫煙物品5の外側形状に適合される。したがって、喫煙物品5は、第2の収納層要素30によってごく僅かな遊びを残して保持される。
【0042】
図7は、中間層要素40のブランクを示す。中間層要素40は、さらなる高位要素とすることができ、好ましくは、第1の収納層要素20と第2の収納層要素30との間に配置される。しかしながら、中間層要素40はまた、第2の収納層要素30の上方に配置することもできる。
【0043】
中間層要素40は、収納箱1の基部部分12の内側形状に対応する形状を有する。一般的に、この形状は、開放可能な空間を内部に提供する、平坦で且つ中空の矩形立方体に相当する。このような空間は、付属品、ユーザマニュアル、データ記憶媒体などのような、さらなる平坦な品物を収納するために使用することができる。図7に示すように、中間層要素40は、破線で示す、折り線に沿った平坦な厚紙ブランクの折り曲げによって形成され得る。中間層要素40は、頂壁41と、側壁45と、底壁42、43及び44とを含む。中間層要素40の底壁42、43及び44は、好ましくは、単にブランクから折り曲げられるだけであり、互いに接着されない。それゆえ、中間層要素40は、内部の品物へのアクセスを提供するための底壁42、43及び44によって完全に開放することができる。底壁48は切り欠き48を含み、底壁43はタブ47を含み、このタブ47は、中間層要素40を全体として折り曲げられて閉鎖された立体状に保持するために切り欠き48に挿入することができる。
【0044】
好ましくは、中間層要素40は、少なくとも1つの把持タブ46をさらに含む。図7の実施形態では、中間層要素40は、2つの把持タブ46を含む。把持タブ46は、好ましくは、把持タブ46が頂壁41の上面から突出して把持タブ46をユーザが把持できるように頂部側に折り曲げられる。好ましくは、把持タブ46は、第2の収納層要素30の把持孔38の下に配置されるように頂壁41から切り出される。したがって、把持タブ46は、把持孔38から突出することができ、中間層要素40を中間層要素40上に静置された第2の収納層要素30と一緒に両方とも容易に取り外すために、ユーザが把持することができる。
【0045】
したがって、喫煙物品収納1箱は、輸送中における内部に保持された喫煙物品及び付属品に対する良好な支持及び保護を提供し、さらに、ユーザにとっての質の高い開梱経験と、喫煙物品及び付属品への人間工学的に最適化された簡便なアクセスとを提供する。さらに、2層又は多層設計のため、喫煙物品収納箱1の全体的な空間消費が最小限に抑えられる。任意選択で、中間層要素40は、ユーザマニュアルなどの、小冊子とすることができる。ユーザマニュアルは、把持タブ46か又は把持孔38と同様の把持孔を備えることができる。
【0046】
図8は、先の実施形態の基部部分12と同様の、基部部分12と、第1の収納層要素20とを有する喫煙物品収納箱1のさらなる実施形態を示す。第1の収納層要素20は、先の実施形態の第1の収納層要素20と同様であるが、喫煙物品5又は付属品を保持するための2つの凹部又は空洞22を含む。
【0047】
図9は、先の実施形態の基部部分12と同様の、基部部分12と、第2の収納層30とを有する喫煙物品収納箱1のさらなる実施形態を示す。第2の収納層要素30は、先の実施形態の第2の収納層要素30と同様であるが、異なる形状の喫煙物品5を保持するための凹部又は空洞32を含む。
【符号の説明】
【0048】
1 喫煙物品収納箱
5 喫煙物品/電子タバコ
2 補助線
10 外容器
12 基部部分
14 蓋部分
16 側壁
17 側壁
20 第1の収納層要素
21 上面
22 凹部/空洞
23 底部接触縁
24 第1の接触縁
25 空間
26 第2の接触縁
30 第2の収納層要素
31 上面
32 凹部/空洞
33 下面
34 第1の接触縁
35 空間
36 第2の接触縁
37 凹部の底面
38 把持孔
40 中間層要素
41 頂壁
45 側壁
42、43、44 底壁
46 把持タブ
47 タブ
48 切り欠き
図1
図2
図3a
図3b
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9