(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】パイプを備えた流体配管
(51)【国際特許分類】
F16L 11/06 20060101AFI20241212BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20241212BHJP
B32B 27/34 20060101ALI20241212BHJP
B60K 11/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
F16L11/06
B32B1/08 Z
B32B27/34
B60K11/02
(21)【出願番号】P 2021576089
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020069702
(87)【国際公開番号】W WO2021009095
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】102019119108.4
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】バウワー, アンドレアス
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-524217(JP,A)
【文献】特表2008-518091(JP,A)
【文献】特開2005-320546(JP,A)
【文献】特開2019-059059(JP,A)
【文献】特開2004-291594(JP,A)
【文献】特開2005-071903(JP,A)
【文献】特開平07-214690(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03482987(EP,A1)
【文献】特開2017-155764(JP,A)
【文献】特表2011-511908(JP,A)
【文献】国際公開第2015/132306(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206802531(CN,U)
【文献】実開昭62-107153(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 11/06
B32B 1/08
B32B 27/34
B60K 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのプラスチック層を有するパイプを備え、第1のプラスチック層(12)が、耐加水分解性のポリアミド6(PA6)からなり、
前記第1のプラスチック層(12)が、第2のプラスチック層の周囲に延び、
該第2のプラスチック層が、流体配管を流れる媒体に対するバリア層であり、前記第2のプラスチック層がポリエチレン(PE)およびポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる流体配管。
【請求項2】
前記第2のプラスチック層が、耐加水分解性のポリアミド6(PA6)を含まない請求項
1に記載の流体配管。
【請求項3】
少なくとも3つのプラスチック層を有し、前記第1のプラスチック層(12)が、前記第2のプラスチック層と第3のプラスチック層との間に配置されている請求項1
または請求項
2に記載の流体配管。
【請求項4】
前記第3のプラスチック層が、耐加水分解性のポリアミド6(PA6)を含まない請求項
3に記載の流体配管。
【請求項5】
前記第1のプラスチック層(12)が、半径方向(15)において、前記パイプの少なくとも2つのプラスチック層の全範囲の30%~70%を構成している請求項1から請求項
4のいずれかに記載の流体配管。
【請求項6】
前記第1のプラスチック層(12)が、半径方向(15)において、前記パイプの少なくとも2つのプラスチック層の全範囲の40%~60%を構成している請求項1から請求項
4のいずれかに記載の流体配管。
【請求項7】
車両(52)のための冷却水システム(50)であって、
冷却装置(30)と、
冷却されるべき要素(40)と、
請求項1から請求項
6のいずれかに記載の少なくとも1つの流体配管とを備え、
少なくとも1つの該流体配管(10)が、前記冷却装置(30)と、前記冷却されるべき要素(40)とを流体的に接続する冷却水システム(50)。
【請求項8】
車両(52)において水を搬送するための、請求項1から請求項
6のいずれかに記載の流体配管(10)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプを備えた流体配管に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車の冷却水などの流体を輸送するための配管は、使用中に特定の要件を満たさなければならない。そのため、配管の材料が流体によって溶解してはならない。これは、比較的高い温度でも回避しなければならない。さらに、配管は輸送される流体およびその化学成分に対して不透過性でなければならず、流体が配管の壁を通過できないようにする必要がある。その意図は、第一に輸送される流体の質の低下を防ぐこと、第二に配管の管壁への流体の浸透を防ぎ、管壁の材料の変化を防ぐことにある。また、浸出を防ぐことも必要である。このことは、特に流体が配管に滞留しているとき、つまり少なくとも断続的に流体の輸送がないときに関係する。さらに、配管は、配管を他の配管部品に簡単かつ確実に接続できる機械的特性を有することが求められる。
【0003】
多層構造のプラスチック配管を使用することは公知の方法である。これらのプラスチック配管は、水および水を含む流体に対して上記のような特性を示すプラスチックによって構成されている。しかし、これらのプラスチックおよび、その加工は比較的高価である。例えば、ポリアミド6のようなより好ましいプラスチックは、水に溶解したり、水を吸収した結果、その物理的特性が変化したりするため、先行技術では使用されていない。例えば、水を吸収した場合には、材料は体積が増加したり、破損したりすることがある。例えば、ポリプロピレン、ポリアミド12、またはポリフタルアミドなどの水不透過性材料からなる保護層であっても、流体配管のパイプ材料の内部への水分子の拡散に対する十分な保護にはならない。
【0004】
本発明の目的は、安価な流体配管を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な特徴は、請求項1、請求項13および請求項14に特定されている。実施形態は、請求項2から請求項12の対象である。
【0006】
本発明によれば、少なくとも2つのプラスチック層を含むパイプを有する流体配管において、第1のプラスチック層は、耐加水分解性のポリアミド6(PA6)を含み、第1のプラスチック層が、第2のプラスチック層の周囲に延び、該第2のプラスチック層が、流体配管を流れる媒体に対するバリア層であり、第2のプラスチック層がポリエチレン(PE)およびポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる。
【0007】
本発明の核心は、流体配管の2つのプラスチック層のうちの少なくとも1つにおける耐加水分解性のポリアミド6の使用である。耐加水分解性のポリアミド6は、慣用のポリアミド6よりも吸水による損傷が少ない。したがって、第1のプラスチック層の耐加水分解性のポリアミド6は、慣用のポリアミド6よりも水分子によって変化または溶解しないか、もしくは変化または溶解の程度が小さい。これにより、水を運ぶための流体配管を製造するためにポリアミド6材料を使用することが初めて可能となった。耐加水分解性のポリアミド6は安価であり、流体配管の基本構造を作るために使用すれば、他の高価な材料を使用する必要性が少なくなる。特に、ポリアミド6に比べて高価なポリアミド12の使用量を少なくすることができる。耐加水分解性のポリアミド6からなる流体配管は、水用の配管として利用した場合に許容できる特性を持ち、それにもかかわらず安価である。
【0008】
第2のプラスチック層は、耐加水分解性のポリアミド6(PA6)を含まないものであってもよい。
【0009】
したがって、第2のプラスチック層は、耐加水分解性のポリアミド6とは異なる材料で構成されていてもよい。このようにして、例えば、流体配管の補強層やバリア層を製造することができる。
【0010】
さらに、一例においては、第2のプラスチック層が第1のプラスチック層の周囲に延びていてもよい。
【0011】
そのため、第2のプラスチック層は、第1のプラスチック層から見て、流体配管の外部に配置されている。
【0012】
ここでの第2のプラスチック層は、ポリアミド612(PA612)により構成されていてもよい。
【0013】
ポリアミド612からなる第2のプラスチック層は、グリース、オイル、モータ燃料、油圧作動油、水、アルカリに関して効果的な媒体耐性を備えている。これらの物質がパイプの外側の層に到達する可能性のある環境において流体配管が使用される場合、内側の層、特に第1のプラスチック層は、第2のプラスチック層によって保護される。したがって、第2のプラスチック層は、内側の層、特に第1のプラスチック層に対して、外部からの影響に対する保護層を形成する。また、第2のプラスチック層は、したがって弾性である。
【0014】
これに代えてまたは、これに加えて、第2のプラスチック層は、ポリアミド610(PA610)により構成されていてもよい。
【0015】
そのため、ポリアミド610からなる第2のプラスチック層は、押出成形に適したポリアミドにより構成されている。その上、ポリアミド610は、高い柔軟性と高い強度を兼ね備えている。また、ポリアミド610は同様に、下層のプラスチック層、特に第1のプラスチック層を、例えば、車両において使用される他の流体から保護する。
【0016】
別の例においては、第1のプラスチック層が第2のプラスチック層の周囲に延びていてもよい。
【0017】
この場合には、第2のプラスチック層は、第1のプラスチック層よりも流体配管の内側に配置されている。
【0018】
第2のプラスチック層は、ポリプロピレン(PP)により構成されていてもよい。これに代えてまたは、これに加えて、第2のプラスチック層は、ポリエチレン(PE)により構成されていてもよい。
【0019】
ポリプロピレンおよびポリエチレンはどちらも優れた熱特性を持ち、流体配管を流れる媒体(例えば水)に対するバリア層として使用することができる。そのため、耐加水分解性のポリアミド6と水分子との接触を減らすことができる。
【0020】
また、代替的または追加的に、第2のプラスチック層は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)により構成されていてもよい。
【0021】
ポリプロピレンサルファイドは、ポリプロピレンやポリエチレンに比べて、さらに優れた熱特性を備えている。
【0022】
流体配管は、第1のプラスチック層が第2のプラスチック層と第3のプラスチック層との間に配置されている、少なくとも3つのプラスチック層を有していてもよい。
【0023】
したがって、耐加水分解性のポリアミド6からなる第1のプラスチック層は、流体配管の基本構造を形成することができる。この場合において、第2のプラスチック層および第3のプラスチック層は、外部からの影響および/または、流体配管を流れる媒体に対して、第1のプラスチック層を遮蔽することができる。
【0024】
第3のプラスチック層は、耐加水分解性のポリアミド6を含まなくてもよい。
【0025】
また、第1のプラスチック層は、半径方向において、パイプの少なくとも2つのプラスチック層の全範囲の25%~75%、好ましくは30%~70%、より好ましくは40%~60%を占めていてもよい。
【0026】
つまり、流体配管のパイプの肉厚は、第1のプラスチック層によって25%から75%の範囲で形成されている。安価な耐加水分解性のポリアミド6により構成された第1のプラスチック層の割合が大きいほど、形成される流体配管を安価にすることができる。
【0027】
本発明はさらに、車両用の冷却水システムに関し、冷却水システムは、冷却装置、冷却されるべき要素、および前述に記載の少なくとも1つの流体配管を備え、少なくとも1つの流体配管は、冷却装置と冷却されるべき要素とを流体的に接続する。
【0028】
冷却水システムの利点および効果、ならびにさらなる開発は、上述の流体配管の利点および効果、ならびにさらなる開発から導き出すことができる。したがって、この点に関しては、前述の説明に注目されたい。
【0029】
さらなる態様においては、本発明は、車両内で水を搬送するための上述の説明に従った流体配管の使用に関する。
【0030】
流体配管の使用に関する利点と効果、ならびに開発は、上述の流体配管の利点と効果、ならびに開発から明らかである。したがって、この点に関しては、前述の説明を参照されたい。
【0031】
本発明の他の特徴、詳細、および利点は、特許請求の範囲の文言、および図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】少なくとも2つのプラスチック層を有する流体配管の概略図である。
【
図2a】
図1による流体配管の一例を示す概略横断面図である。
【
図2b】
図1による流体配管の一例を示す概略横断面図である。
【
図2c】
図1による流体配管の一例を示す概略横断面図である。
【
図3】流体配管を備えた冷却水システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、流体配管全体を参照符号10により示した概略図である。
【0034】
この流体配管10は、長さの方向11に沿って延びる。流体配管10の半径方向15は、この長さの方向11に対して直交する方向に定義される。
【0035】
図2aから
図2cは、
図1による流体配管10の様々な例を示す横断面図である。
【0036】
図2aは、合計5つのプラスチック層を有する例を示している。第1のプラスチック層12は、中央に配置され、耐加水分解性のポリアミド6により形成されている。また、第1のプラスチック層12の内部および外部の境界には、それぞれ2つのさらなるプラスチック層が接している。さらに、第1のプラスチック層12は、流体配管10のパイプの管壁の全範囲の、例えば45%から55%、好ましくは50%を構成している。
【0037】
第2のプラスチック層14は、第1のプラスチック層12の周囲に延びている。このために、第2のプラスチック層14は、第1のプラスチック層12に直接接している。この例においては、それはポリアミド612から構成されていて、例えば、管壁の全範囲の5%から15%、好ましくは10%を構成していてもよい。
【0038】
第3のプラスチック層16は、第1のプラスチック層12によって囲まれており、第1のプラスチック層12に直接接している。この例においては、第3のプラスチック層16は、ポリプロピレンから構成されていてもよく、管壁の範囲に対して、例えば、5%から15%、好ましくは10%寄与していてもよい。
【0039】
第4のプラスチック層18は、第3のプラスチック層16内に延びていてもよく、すなわち、第4のプラスチック層18は第3のプラスチック層16によって囲まれている。この例においては、第4のプラスチック層18は、さらなるポリプロピレン材料から製造されてもよく、管壁の全範囲のうち、例えば15%から25%、好ましくは20%の範囲を有してもよい。この例においては、第4のプラスチック層18は、流体配管10の最も内側の層を形成する。
【0040】
第5のプラスチック層20は、第2のプラスチック層14の周囲に延び、他のプラスチック層の全てを囲む外部層として提供されてもよい。この第5のプラスチック層20は、ポリアミド12材料から製造されてもよく、半径方向15において、管壁の全体的な範囲に対して、例えば、5%から15%、好ましくは10%寄与してもよい。
【0041】
また、好ましくは、第5のプラスチック層20の材料は、さらに着色されたペレットを含んでいてもよい。このようにして、第5のプラスチック層20が着色されていてもよい。第5のプラスチック層20の残りの部分は、さらに、第5のプラスチック層20の物理的特性をわずかに変更する他の物質によって追加的に形成されていてもよい。第5のプラスチック層20の基本的な特性は、着色されたペレットおよび/または添加物によっては実質的に変更されない。
【0042】
図2bは、5つのプラスチック層を有する流体配管10のさらなる例を示す断面図である。第1のプラスチック層12は、外側の層の内側に配置され、耐加水分解性のポリアミド6により形成されている。さらに、第1のプラスチック層12の内部および外部の境界には、第2のプラスチック層14および第3のプラスチック層16が接している。さらに、この例の第1のプラスチック層12は、流体配管10のパイプの管壁の全範囲の35%から45%、好ましくは40%を構成している。
【0043】
第2のプラスチック層14は、ここでは、第1のプラスチック層12の周囲に延び、流体配管10の最も外側の層を形成している。第2のプラスチック層14は、第1のプラスチック層12に直接接している。この例においては、第2のプラスチック層14は、ポリアミド612により構成されていてもよく、管壁の全範囲の例えば5%から15%、好ましくは10%を構成していてもよい。
【0044】
さらに、好ましくは、第2のプラスチック層14の材料は、着色されたペレットをさらに含んでいてもよい。このようにして、第2のプラスチック層14を着色してもよい。第2のプラスチック層14の残りの部分は、さらに、第2のプラスチック層14の物理的特性をわずかに変更する他の物質によって形成されていてもよい。第2のプラスチック層14の基本的な特性は、着色されたペレットおよび/または添加物によっては実質的に変更されない。
【0045】
第3のプラスチック層16は、第1のプラスチック層12に囲まれており、第1のプラスチック層12に直接接している。この例においては、第3のプラスチック層16は、ポリプロピレンにより構成されていてもよく、管壁の範囲に対して、例えば、7%から13%、好ましくは10%寄与していてもよい。
【0046】
第4のプラスチック層18は、第3のプラスチック層16内に延びていてもよく、すなわち、第4のプラスチック層18は、第3のプラスチック層16に囲まれている。この例においては、第4のプラスチック層18は、高密度ポリエチレンから製造されてもよく、管壁の全範囲の、例えば15%から25%、好ましくは20%を構成してもよい。
【0047】
流体配管10を流れる流体の接触層として、第6のプラスチック層22を設けてもよく、この層は第4のプラスチック層18内に延びている。言い換えれば、第4のプラスチック層18は、第6のプラスチック層22を取り囲んでいる。この第6のプラスチック層22は、ポリプロピレン材料から製造されてもよく、半径方向15において、管壁の全範囲に対して、例えば、10%から20%、好ましくは15%寄与してもよい。
【0048】
図2cは、流体配管10のさらなる例の断面図である。ただし、この例においては、流体配管10は4つのプラスチック層のみによって構成されている。第1のプラスチック層12は、外側の層の内側に配置され、耐加水分解性のポリアミド6により形成されている。さらに、第1のプラスチック層12の内部および外部の境界には、第2のプラスチック層14および第3のプラスチック層16が接している。また、この例においては、第1のプラスチック層12は、流体配管10のパイプの管壁の全範囲の55%から65%、好ましくは60%を構成している。
【0049】
第2のプラスチック層14は、第1のプラスチック層12の周囲に延び、流体配管10の最も外側の層を形成する。第2のプラスチック層14は、第1のプラスチック層12に直接接している。第2のプラスチック層14は、この例においては、ポリアミド610により構成されていてもよく、管壁の全範囲の例えば10%から20%、好ましくは15%を構成していてもよい。
【0050】
また、好ましくは、第2のプラスチック層14の材料は、着色されたペレットをさらに含んでいてもよい。このようにして、第2のプラスチック層14を着色してもよい。第2のプラスチック層14の残りの部分は、さらに、第2のプラスチック層14の物理的特性をわずかに変更する他の物質によって形成されていてもよい。第2のプラスチック層14の基本的な品質は、着色されたペレットおよび/または添加物によっては実質的に変更されない。
【0051】
第3のプラスチック層16は、第1のプラスチック層12に囲まれており、第1のプラスチック層12に内側から直接接している。この例においては、第3のプラスチック層16は、ポリフェニレンサルファイドにより構成されていてもよく、管壁の範囲に対して、例えば、5%から15%、好ましくは10%寄与していてもよい。
【0052】
第4のプラスチック層18は、第3のプラスチック層16内に延びていてもよく、言い換えれば、第4のプラスチック層18は、第3のプラスチック層16に囲まれている。この例においては、第4のプラスチック層18は、さらなるポリフェニレンサルファイド材料から製造されてもよく、流体配管10の最も内側の層を形成してもよい。さらに、第4のプラスチック層18は、例えば、管壁の全範囲の10%から20%、好ましくは15%を構成してもよい。
【0053】
図3は、全体を参照番号50で示したシステムの概略図である。
【0054】
冷却システムは、冷却装置30と、冷却されるべき要素40とを備えている。冷却装置30と冷却されるべき要素40とは、上述した説明に従って、少なくとも1つの流体配管10を介在させて互いに流体的に接続されている。流体配管10は、この場合において、冷却装置30と冷却されるべき要素40との間において冷却水を輸送してもよい。
【0055】
図4は、冷却システム50を構成する車両52を示している。冷却されるべき要素40は、この場合は、例えば、電気自動車のバッテリであってもよい。冷却システムの冷却装置30は、この場合は、流体配管10によって電気自動車のバッテリに流体的に接続されている。
【0056】
本発明は、上記で説明した実施形態の1つに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0057】
設計の詳細、物理的な配置および方法のステップを含む、特許請求の範囲、明細書および図面から生じる全ての特徴および利点は、個別におよび多種多様な組み合わせでも、本発明に不可欠なものである。
【符号の説明】
【0058】
10 流体配管
11 長さの方向
12 第1のプラスチック層
14 第2のプラスチック層
15 半径方向
16 第3のプラスチック層
18 第4のプラスチック層
20 第5のプラスチック層
22 第6のプラスチック層
30 冷却装置
40 冷却されるべき要素
50 冷却システム
52 車両