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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】酵素およびその適用
(51)【国際特許分類】
   C12P 7/00 20060101AFI20241212BHJP
   C12N 9/90 20060101ALI20241212BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20241212BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20241212BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20241212BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20241212BHJP
   C07D 307/92 20060101ALI20241212BHJP
   C07D 313/00 20060101ALI20241212BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20241212BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20241212BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20241212BHJP
   C11D 7/42 20060101ALI20241212BHJP
   C12N 15/61 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
C12P7/00
C12N9/90
C12N1/19
C12N1/15
C12N1/21
C12N5/10
C07D307/92
C07D313/00
A61K8/49
A61Q13/00 101
A61Q19/10
C11D7/42
C12N15/61 ZNA
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022170342
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2019202017の分割
【原出願日】2016-04-22
(65)【公開番号】P2023015116
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】1507207.7
(32)【優先日】2015-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイクホーン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】シリング,ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ワーレル,デニス
(72)【発明者】
【氏名】フーラージュ、ローレント
(72)【発明者】
【氏名】ロウチャー,エスター
【審査官】田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-186452(JP,A)
【文献】特表2012-528578(JP,A)
【文献】国際公開第2013/156398(WO,A1)
【文献】特開2009-060799(JP,A)
【文献】特開2013-132226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12P 1/00-41/00
C12N 9/90
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(-)-アンブロックス(登録商標;(3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン)または(-)-アンブロックスの異性体混合物を調製するためのプロセスであって、
[(3E,7E)および(3Z,7E)][(3E,7E)および(3E,7Z)]、および[(3E,7E)、(3Z,7E)、および(3E,7Z)]ら選択されるホモファルネソールの異性体混合物が、野生型(WT)SHC/HAC酵素またはSHC/HAC酵素誘導体を産生する1種以上の組み換え全細胞(単数もしくは複数)で、酵素的に変換されて(-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスの異性体混合物を与え、
該酵素的な変換が、(-)-アンブロックスの産生にとって好適な反応条件下において行われ、および
(-)-アンブロックスが、結晶としてまたは非晶質形態で、該変換反応混合物の固相に存在する、前記プロセス。
【請求項2】
プロセスが、
AacSHC(配列番号1)、ZmoSHC1(配列番号2)、ZmoSHC2(配列番号3)、およびBjpSHC(配列番号4)からなる群から選択されるWT SHC/HAC酵素;
配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、135、137、139、141、143、145、147、171、173、175、177、および178からなる群から選択されるSHC/HAC誘導体酵素;あるいは
配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4に対して、少なくとも90%の同一性、もしくは少なくとも95%の同一性、もしくは少なくとも96%の同一性、もしくは少なくとも97%の同一性、もしくは少なくとも98%の同一性、もしくは少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むSHC/HAC誘導体酵素
を用いて行われ、
ここで前記SHC/HAC誘導体酵素が、(3E,7E)-ホモファルネソールを(-)-アンブロックスに変換する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
(3E,7E)-ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃までの範囲内の温度で、4~8の範囲内のpHにおいて、WT SHC/HAC酵素についてはTriton(登録商標) X-100(ポリエチレングリコールモノ-4-オクチルフェニルエーテル)以外の可溶化剤の存在下において起こる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
表24または表24a:
【表1】
【表2】
に記されているWT SHC/HAC酵素または各SHC/HAC誘導体酵素のための反応条件が用いられる、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
プロセスが、(3E,7E)-ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換に先立って、WT SHC/HAC酵素のポリペプチドまたはSHC/HAC誘導体酵素のポリペプチドの産生を許容する条件下において、WT SHC/HAC酵素またはSHC/HAC誘導体酵素を発現する1種以上の組み換えホスト細胞を培養することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
培養ステップおよび引き続く変換ステップが、同じ反応容器内で異なる反応条件下において起こる、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
培養ステップが6~7のpH範囲においてであり、
(3E,7E)-ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換ステップが4.8~5.5のpH範囲においてである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
ホモファルネソールの異性体混合物が、(3E,7E)-ホモファルネソール(EE):(3Z,7E)-ホモファルネソール(EZ)異性体を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
ホモファルネソールの異性体混合物が、EE:EZ 90:10、EE:EZ 80:20、EE:EZ 86:14、EE:EZ 70:30、EE:EZ 69:31、およびEE:EZ 66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ異性体混合物を含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
ホモファルネソールの異性体混合物が、80:20の重量比でEE:EZを含む、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
(-)-アンブロックスが、副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の1種以上との混合物として産生される、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス:
【化1】
【請求項12】
(-)-アンブロックスが、有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップを用いて前記反応混合物から単離されるか、または濾過によって回収される、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
(-)-アンブロックスが、有機溶媒を用いて前記反応混合物から単離される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
(-)-アンブロックスが、有機溶媒を用いて選択的に結晶化される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
(-)-アンブロックスが、副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない、請求項13または14に記載のプロセス。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか一項に記載のプロセス、および(-)-アンブロックスを製品に組み込むプロセスを含む、(-)-アンブロックスを含有する製品を作るための方法。
【請求項17】
製品がフレグランス製品、化粧品製品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品である、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照SHC/HAC蛋白質に関して改変されたスクアレン-ホペンシクラーゼ/ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(SHC/HAC)誘導体酵素、SHC/HAC誘導体酵素を含むアミノ酸配列、SHC/HAC誘導体をコードするヌクレオチド配列、SHC/HAC誘導体をコードするヌクレオチド配列を含むベクター、およびSHC/HAC誘導体をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えホスト細胞に関する。本発明はまた、SHC/HAC誘導体をコードするヌクレオチド配列を機能的に発現するための手段、ならびに、アンブロックス、好ましくは(-)-アンブロックスを作るためにSHC/HAC誘導体およびWT SHC/HACをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え微生物を用いる方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
スクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC、EC5.4.99.17)は、直鎖状トリテルペノイドのスクアレンからホペンおよびホパノールへの環化のための生体触媒として作用する膜結合原核生物酵素である。初期のSHC研究は、好熱性で好酸性の細菌アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)(かつてはバチルス・アシドカルダリウス(Bacillus acidocaldarius))のSHCの特性に焦点をあてていた(Neumann & Simon 1986, Biol Chem Hoppe-Seyler 367, 723-729、Seckler & Poralla 1986, Biochem Biophys Act 356-363、およびOchs et al 1990, J Bacteriol 174, 298-302参照)。しかしながら、より最近になって、ジモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)およびブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)からの他のSHCが精製され、それらの天然(例えばスクアレン)および非天然基質(例えばホモファルネソールおよびシトラール)の観点から特徴づけされてきた(例えば、WO2010/139710、WO2012/066059、およびSeitz et al 2012, J. Molecular Catalysis B: Enzymatic 84, 72-77参照)。
【0003】
Neumann and Simon (1986 - 同上)による初期の研究は、ホモファルネソールがアリシクロバチルス・アシドカルダリウスSHC(AacSHC)の追加の基質であるということを開示している。しかしながら、Neumann and Simon (1986)によって教示される精製されたAacSHCによる非天然ホモファルネソールの環化率は、天然基質スクアレンの環化率の3%にしか過ぎないと報告された。アンブロックス(生成物2b)の形成率は0.25mMから2.0mMのホモファルネソール(生成物1b)の濃度では増大し、生成物1bの4mMの存在下においてはやや低下した。環化率の違いは、天然SHC基質スクアレンが16炭素化合物である非天然のホモファルネソールのサイズの2倍である(C30炭素化合物)という事実に部分的には帰せられ得る。
【0004】
(JP2009060799 - Kao)もまた、A・アシドカルダリウスからのSHCを用いてホモファルネソールからアンブロックスを産生するための方法を開示している。JP2009060799はアンブロックスの合成のためにSHCを含む微生物を用いるという可能性を教示している一方で、JP2009060799は、SHC遺伝子を発現する組み換え微生物全細胞の手段によってではなく、SHC遺伝子を発現する組み換え微生物から調製されたSHC抽出液を用いるホモファルネソールからのアンブロックス産生を開示しているのみである。SHC抽出液を用いるホモファルネソールからアンブロックスへの変換パーセントは、60℃の温度でpH5.2~6.0において14時間行われたときには17.5%だが、6.6のpHにおいて行われたときには6.8%にしか過ぎないと報告された。SHC抽出液を60℃でpH5.6において64時間用いる3E,7E-ホモファルネソールからアンブロックスへの変換パーセントは、0.2%ホモファルネソール(2g/l)の基質濃度が用いられるときに63%と報告された。
【0005】
WO2010/139719A2およびそのUS同等物(US2012/0135477A1)は、ホモファルネソールからアンブロックスへのシクラーゼ活性を有する少なくとも3つのSHC酵素抽出物を記載している。ジモモナス・モビリス(Zmo)SHCおよびブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bjp)SHC酵素は、10mM(2.36g/l)のホモファルネソール濃度が用いられたときに、それぞれ16hの反応で41%および22%のホモファルネソール変換率を示すと報告されており、一方で、AacSHCの変換率は(おそらくは同じホモファルネソール濃度において)1.2%にしか過ぎないと報告されたが、実験の詳細は提供されていない。ZmoSHCおよびBjpSHC酵素抽出物は、SHC酵素を産生する大腸菌ホスト細胞を破砕すること、および可溶性SHC画分を分離することによって、SHC遺伝子を発現する組み換え微生物から調製された。
【0006】
Seitz et al (2012 - 同上)は3つのSHC酵素の機能的発現および生化学的特性について報告しており、2つはZ・モビリス(ZmoSHC1およびZmoSHC2)由来、1つはA・アシドカルダリウス由来のものである。10mM(2.36g/l)のホモファルネソール濃度が用いられたときには、ホモファルネソールからアンブロックスへの「効率的な」変換(22.95%)が野生型ZmoSHC1を用いて観察され、WT ZmoSHC2を用いてはホモファルネソールからアンブロックスへの変換はなく、AacSHCについてはホモファルネソールからアンブロックスへの比較的低い変換(3.4%)が見いだされたということが報告されている。AacSHCについてのホモファルネソールからアンブロックスへの比較的低い変換に関して観察された傾向、これは、Neumann and Simon (1986 - 同上)の結果と一致するものであり、そしてこれもまた上記で論じられている通りWO2010/139719A2に開示されている。3つのSHC酵素は、(凍結解凍サイクルを用いるホスト大腸菌細胞の部分的破砕による)細胞懸濁液フォーマットで、および部分的に精製された膜結合画分として用いられた。
【0007】
WO2012/066059は、シクラーゼ活性を有する変異体、ならびに、特にシトロネラールの環化によってイソプレゴールを産生するためなどの、テルペンの生体触媒的な環化のための方法、メントールを産生するための方法およびテルペン型構造モチーフを有する他の化合物の生体触媒的な変換のための方法へのその使用を開示している。種々のSHCの配列アラインメントによりフェニルアラニン486(F486)が強く保存されたアミノ酸残基として同定され、ジモモナス・モビリスSHC酵素の一連の置換バリアントが作製された。それらの置換のいくつかは活性の喪失に至り、一方で、他のものはシトロネラールなどのテルペン基質からの新規テルペノイド生成物(イソプレゴール)の形成をもたらした。
【0008】
2012年のSeitzによるPhD学位論文(http:/elib.uni-stuttgart.de/handle/11682/1400)中の報告は、ZmoSHC1のF486Y変異が、34.8%(WT ZmoSHC1)から23.9%(変異体ZmoSHC1 F486Y)に、約1.5倍というホモファルネソールの減縮した生体内変換(biotransformation)率を提供したということを示している。AacSHCにおける変異同等物(Y420C)が試験されたときには、より大きい基質に対する酵素活性が減少し、より小さい基質に対する活性が上昇するであろうということが推測された。変異体が野生型と同じ条件下において試験され、酵素活性が比較されたときには、変異体は、ホモファルネソール基質のいかなる変換も全く示さないということが観察された。それゆえに、Y420アミノ酸残基が全ての基質についてAacSHCの活性にとって重大であるということが結論付けられた。
【0009】
当分野における他のSHCの部位特異的変異導入研究(例えばHoshino and Sato 2002, Chem Commun 291-301)は、高度に保存された領域(例えばF601)における変異の効果と、ホモファルネソールなどの非天然基質よりもむしろ天然基質(すなわちスクアレンまたはスクアレンアナログ)に及ぼすそれらの効果とに焦点を当てた。
【0010】
概要としては、ホモファルネソールからアンブロックスへの上首尾な変換のための生物変換プロセスに関する当分野における限定的開示は、ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)の活性を有する野生型SHCポリペプチドを用いた、比較的低い濃度/体積のホモファルネソール基質(0.25mMから2mMから10mM、または大体0.06g/lから2.36g/lの濃度範囲内)のみに関するものである。HAC活性を有するSHC酵素は、(i)SHC酵素を含む大腸菌ホスト細胞を破砕することと不溶性および可溶性SHC液体画分を分離することとのどちらかによって調製された抽出液、(ii)部分的に精製された膜画分、または(iii)(i)反応混合物中にTriton X-100(Neumann and Simon 1986 同上、Seitz et al 2012 同上、JP2009060799参照)もしくは(ii)タウロデオキシコール酸(US2012/0135477A1に開示されている)どちらかを包含する可溶化剤を用いてホモファルネソールをアンブロックスに生物変換するための反応における使用のための、WT SHC遺伝子を発現しSHC酵素を産生する組み換え全細胞(recombinant whole cell)のいずれかであった。
【0011】
これらのWT SHC抽出物および/またはSHC遺伝子を発現する組み換え微生物の全細胞を用いて、得られたホモファルネソールからアンブロックスへの変換率は、用いられるSHC酵素のソース、ホモファルネソール出発材料の量、および反応条件に応じて変わることが見いだされた。今までのところ、野生型SHC酵素を用いるホモファルネソールからアンブロックスへの100%の変換パーセントは、報告された包含される濃度(0.06~2.36g/l)においては達成されていない。加えて、部位特異的変異導入研究を用いて調製されたSHC誘導体を用いる予備的な検討は、ポジティブな(すなわち改善された変換率)よりもむしろネガティブな(すなわち、減じたホモファルネソール変換率)結果のみを提供した。加えて、精製されたSHC酵素抽出物またはSHC膜結合画分が発表済みの研究に、またはWT SHC遺伝子を発現する組み換え微生物の全細胞がTriton X-100もしくはタウロデオキシコール酸などの可溶化剤を用いる特定の反応条件下において用いられたのみである。WTまたは変異体SHCどちらかを含む組み換え微生物が、最適化した反応条件を用いてホモファルネソールからアンブロックスへのより効率的で費用対効果の高い生物変換を提供し得るという証拠はない。従って、少なくとも、反応速度、特異性、収率、生産性を改善することと、コストを減ずることとによって(例えば、組み換え微生物の全細胞を用いて、または生体触媒産生および生物変換ステップ両方を組み合わせる「ワンポット」プロセスを用いることによってどちらかでプロセスを単純化することによって)、ホモファルネソールからアンブロックスを調製するための引用された公知のプロセスを改善することが望まれる。
【発明の概要】
【0012】
本発明は種々の側面において、SHC/HAC誘導体と、SHC/HAC誘導体酵素を含むアミノ酸配列と、SHC/HAC誘導体酵素をコードするヌクレオチド配列と、SHC/HAC誘導体酵素をコードするヌクレオチド配列を含むベクターと、SHC/HAC誘導体酵素をコードするヌクレオチド配列を有するベクターを含む組み換えホスト細胞と、特定の反応条件下において(-)-アンブロックスと呼称されるアンブロックス異性体および(副生成物としての)アンブロックス様分子を含むアンブロックス材料を調製するための方法に用いられるときの、SHC/HAC誘導体酵素またはWT SHC/HAC酵素どちらかを含む組み換えホスト細胞の適用とを提供する。当分野におけるAacSHCに関する開示とは違って、出願人は、SHC誘導体遺伝子を発現する全組み換え微生物(whole recombinant microorganizm)が、ホモファルネソールをアンブロックスに生物変換するために用いられ得るということを初めて示した。加えて、WT SHC遺伝子を発現するおよび/またはSHC酵素を産生する全組み換え微生物は、当分野において開示されていない特定の反応条件下において、ホモファルネソールをアンブロックスに生物変換するために用いられ得る。
【0013】
驚くべきことに、本明細書において開示される通りWT SHC/HAC参照配列のアミノ酸配列中に最大で5つのアミノ酸変異を導入することにより、本明細書において開示される通りの未改変のSHC参照酵素と比較して、顕著に改善されたホモファルネソールからアンブロックスへの変換率を有するSHC/HAC誘導体酵素がもたらされるということもまた見いだされた。これらの新規SHC/HAC誘導体酵素は、単独でおよび組み合わせて、ホモファルネソール基質からのアンブロックス材料、特に(-)-アンブロックスの産生にとって有用である。
【0014】
追加の驚くべき発見は、1つの変異体(F601Y)を別にして、本明細書において開示されるSHC誘導体酵素は、典型的には、参照SHCポリペプチド配列の保存されていない部分のアミノ酸残基位置に非保存的な置換を含むということである。酵素の保存された領域の変化は蛋白質の保存されていない領域の変化よりも(少なくともその天然基質との関係において)酵素の機能を害する可能性が高いので、このことは予期せぬ発見である。
【0015】
さらなる驚くべき発見は、本開示の特徴付けられたSHC誘導体酵素が、AacSHCなどの好熱性微生物の通常の反応温度である約60℃よりもむしろ約35℃で(ホモファルネソールなどの非天然基質について)至適に働くということである。より低い反応温度でホモファルネソールからアンブロックスを調製するための方法への本開示のSHC誘導体の適用は、産業スケールのアンブロックス産生サイクルにとって顕著なコスト利点を有する。
【0016】
本発明の別の利点は、本開示のSHC誘導体酵素が効率的な生物変換プロセスを触媒するということであり、これは、従来技術の以前に記載されている濃度(例えば、125g/lのEEH)と比較して比較的高い(例えば約50倍の)ホモファルネソール基質濃度について最適化されたときにホモファルネソール基質の100%の変換に至り得、一方で、参照WT SHC蛋白質は酵素/細胞の高濃度においてでさえも同じ基質の約10%を変換するのみである。引用された従来技術の開示は全て、SHCを含む精製された膜抽出物もしくは精製されたSHC抽出物(SHC遺伝子を発現する微生物から調製される)の使用、または(例えば、特定の可溶化剤を用いる)特定の生物変換反応条件下におけるWT SHC遺伝子を発現する組み換え微生物の使用に関する。それでさえも、ずっと低いEEH濃度において100%のホモファルネソール変換は報告されていない。また、第1のステップにおいて組み換え細胞が増殖し、SHC酵素を産生し、続いて同じ容器内でEEHを(-)-アンブロックスに変換する「ワンポット」反応も報告されていない。本発明のさらなる利点は、SHC誘導体酵素を産生する組み換えホスト細胞が高い初期反応速度を示すということであり、これは、比較的短い期間内で生成物の高い量の産生を可能にし、一方で、生体触媒の比較的低い量のみを用いる。要するに、WT SHC/HACまたは特定のSHC/HAC誘導体酵素どちらかを含む組み換え微生物の選択および効率的発現、ならびに特定の生物変換反応条件下における適用は、より効率的な生物変換プロセスに至る。最終生成物((-)-アンブロックス)は分離されかつ容易に精製され得る。引用された技術とは違って、SHC/HAC誘導体酵素は純粋な酵素としては用いられず、(生体触媒として)全細胞的な内容で用いられ、これは、追加の酵素精製および単離ステップが要求されないので、より費用対効果が高くならびによりユーザーおよび環境親和性のアプローチである。
【0017】
概要としては、本開示は、組み換え微生物株においてアンブロックスを作るための生物変換/生体内変換の方法を提供し、これは(i)経済的に魅力的、(ii)環境親和性であり、(iii)主要化合物としての(-)-アンブロックスの選択的な産生をもたらし、これは、選択的結晶化条件下において、最終生成物の嗅覚的な質に寄与しない他の副生成物から有効に分離される。
【0018】
発明の詳細な説明
本明細書において用いられる用語「SHC」は、表10~12に挙げられているソースのいずれかからのスクアレン-ホペンシクラーゼ酵素を意味する。好ましい態様において、用語SHCは、BASFのWO2010/139719、US2012/01345477A1、Seitz et al (2012 同上)、およびSeitz (2012 PhD学位論文、同上)に開示されているジモモナス・モビリスSHC酵素およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスSHC酵素を包含する。参照の便宜のために、呼称「AacSHC」がアリシクロバチルス・アシドカルダリウスSHCに用いられ、呼称「ZmoSHC」がジモモナス・モビリスSHCに用いられ、呼称「BjpSHC」がブラディリゾビウム・ジャポニクムSHCに用いられる。WT AacSHCおよび互いに関するそれらの配列の配列同一性パーセント(これは、用いられるアルゴリズムに応じて変わり得る)が表18および19に記されている。
【0019】
Hoshino and Sato (2002 同上)によって作製されたWT SHC配列のアラインメントは、複数のモチーフが全ての4つの配列中に検出されたということを示しており、コア配列Gln-X-X-X-Gly-X-Trpからなり、これはZ・モビリスおよびA・アシドカルダリウス両方のSHC配列中に6回見いだされる(Reipen et al 1995, Microbiology 141, 155-161の図3参照)。Hoshino and Sato (2002 同上)は、芳香族アミノ酸がSHC中に通常よりも豊富であるということと、SHC中において2つの特徴的なモチーフに着目したということとを報告している。1つは特定のアミノ酸モチーフ[(K/R)(G/A)X2-3(F/Y/W)(L/IV)3X3QX2-5GXW]によって表されるQWモチーフであり、もう一つはDXDDTAモチーフである。Wendt et al (1997, Science 277, 1811-1815および1999, J Mol Biol 286, 175-187)はA・アシドカルダリウスSHCのX線構造解析について報告している。DXDDTAモチーフはSHC活性部位と相関するようである。従来技術からの例示的な配列アラインメントは、本明細書の図2(Hoshino and Sato (2002 同上)から)および図3(Seitz PhD学位論文(2012)から)に提供されている循環的な複数のモチーフを示している。
【0020】
本明細書において用いられる参照(または野生型)AacSHC蛋白質は、配列番号1に開示されているAacSHC蛋白質を言う。本開示の参照AacSHC酵素は、ホモファルネソール基質とのSHCの生体触媒反応によるアンブロックス誘導体の産生に有用なホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)の活性を有する。参照AacSHCの主反応は、アンブロックスを産生するためのホモファルネソールなどの直鎖状または非直鎖状基質の環化である。
【0021】
アンブロックス
本明細書において用いられる用語「アンブロックス」は、式(I)の(-)-アンブロックス、ならびに立体異性体的に純粋な形態のあるいは式(II)、(IV)、および/または(III)の下記分子の少なくとも1種以上との混合物としての(-)-アンブロックスを包含する。
【化1】
【0022】
(-)-アンブロックス
(-)-アンブロックスはアンブロックス(Firmenich)、アンブロキサン(Ambroxan)(Henkel)、Ambrofix(Givaudan)、Amberlyn(Quest)、Cetalox Laevo(Firmenich)、Ambermor(Aromor)、および/またはNorambrenolide Ether(Pacific)として商業的に知られている。
【0023】
(-)-アンブロックスは産業的に重要な芳香化合物であり、フレグランス業界において長いこと用いられてきた。(-)-アンブロックスの特別な望ましい知覚的利益は、(+)のものよりもむしろ(-)立体異性体から来る。(-)立体異性体の匂いはムスク様、ウッディー、ウォーム、またはアンバー様と表現され、その一方で、(+)-アンブロックスエナンチオマーは比較的弱い匂いノートを有する。アンブロックス様生成物の匂いおよび匂い閾値もまた異なる。種々の(-)-アンブロックスが濃縮された材料が市販されてはいるが、高度に濃縮された(-)-アンブロックス材料、理想的には純粋な(-)-アンブロックスを産生することが望ましい。
【0024】
(-)-アンブロックスの産生
(-)-アンブロックスは下記の通りの産生プロセスに従ってスクラレオリドから産生され得る。スクラレオールは天然の植物クラリセージから抽出される生成物である。しかしながら、天然の出発材料がこのプロセスにおいて用いられるので、これは多段階反応を包含し、その工程は遠回りであり、出発材料の供給の量および安定性が常に充分ではないこともあるかもしれず、クロム酸または過マンガン酸などの酸化剤が(+)-スクラレオールの酸化的分解のステップにおいて用いられるので反応は環境親和性ではないかもしれないという潜在的問題がある。
【化2】
【0025】
(-)-アンブロックスはまた、異なるルートを用いてホモファルネソールから合成される。例として、ホモファルネソールは、ネロリドールをブロモ化、シアノ化、および加水分解してホモファルネシル酸を得て、次に還元をすることによって得ることができる。代替的に、ホモファルネソールはファルネソール、ファルネシルクロリド、ベータ-ファルネセン、または他の基質から得てもよい。ベータ-ファルネセンは直接的にE,E-ホモファルネソール(EEH)に、または、その後EEHに変換されるE,E-ホモファルネシル酸エステルを経由して間接的にEEHに変換され得る。異なる基質からの(-)-アンブロックスの産生の概略は、US2012/0135477A1、WO2010/139719、US2013.0273619A1、WO2013/156398A1、ならびにSeitzのPhD学位論文(2012 同上)およびSchaefer 2011 (Chemie Unserer Zeit 45, 374-388)に見出すことができる。
【0026】
ホモファルネソールは4つの異性体(3Z,7Z)、(3E,7Z)、(3Z,7E)、および(3E,7E)異性体の混合物として存在し得る一方で、文献からは、(-)-アンブロックスは(3E,7E)ホモファルネソールからしか得られないようである(Neumann and Simon (1986) 同上参照)。本明細書において用いられる(3E,7E)ホモファルネソールへの言及は、E,E-ホモファルネソールへの言及であり、これはEEHともまた呼称される。
【0027】
US2012/0135477A1は、ZmoSHC(配列番号2)を用いる(3Z,7E)から(-)-アンブロックスへの変換について報告しているが(例2~4参照)、Schaefer (2011)(同上)の開示に従うと、(7E,3Z)は、上で概説されているように(-)-アンブロックスではなく9b-エピ-アンブロックス(すなわち化合物III)にしか変換されない。本明細書において用いられる(3Z,7E)ホモファルネソールへの言及はE,Z-ホモファルネソールへの言及であり、これはEZHともまた呼称される。
【0028】
いくつかの態様において、好ましくは、ホモファルネソール出発材料は(3E,7E)および(3Z,7E)の混合物を含み、本明細書においてはEE:EZ立体異性体混合物と呼ばれる(特に、例および表20の参照による。
【0029】
ホモファルネソールのEE:EZ立体異性体混合物は35826-67-6のCAS番号を有する。
【化3】
【0030】
例が示しているように(例えば例5、7、9、10、11、18、19、および20参照)、ある種の態様において、ホモファルネソール原料/出発材料は異性体の混合物である。
【0031】
従って、いくつかの態様において、ホモファルネソール出発材料は、(3E,7E)および(3Z,7E)、(3Z,7Z、および3E,7Z)に対応する4つの異性体の混合物EE:EZ:ZZ:ZEをもまた含み得る。
【0032】
いくつかの態様において、好ましくは、ホモファルネソール出発材料は次の群:[(3Z,7Z)、(3E,7Z)、(3Z,7E)、および(3E,7E)]、[(3Z,7E)および(3E,7E)]、[(3Z,7E)、(3E,7Z)]、および/または[(3E,7E)および(3E,7Z)]の1種以上から選択される。
【0033】
好ましくは、ホモファルネソール出発材料は次の群:[(3E,7E)、(3Z,7E)]ならびに/または[(3Z,7E)、(3E/7E)、および(3E,7Z)]の1種以上から選択される。
【0034】
従って、ある種の態様において、EEH:EZHの比は約100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、70:30、69:31、68:32、67:33、66:34、65:35、64:36、63:37、62:38、61:39、60:40、59:41、58:42、57:43、56:44、55:45、54:46、53:47、52:48、51:49、または約50:50である。
【0035】
いくつかの態様において、好ましくはホモファルネソール出発材料は、>90%のE,E-ホモファルネソール(EEH)を含む。
【0036】
他の態様において、ホモファルネソール出発材料は86:14のEE:EZ重量比を含む。
【0037】
ある種の態様において、ホモファルネソール出発材料は80:20のEE:EZ重量重量比を含む。
【0038】
ある種の態様において、ホモファルネソール出発材料は70:30のEE:EZ重量比を含む。
【0039】
さらなる態様において、ホモファルネソール出発材料は69:31のEE:EZ重量比を含む。
【0040】
いくつかの態様において、ホモファルネソール出発材料は、(3E,7E)および(3Z,7E)、(3Z,7Z)および(3E,7Z)に対応する4つの異性体の混合物EE:EZ:ZZ:ZEからなるかまたは本質的にそれからなる。
【0041】
いくつかの態様において、好ましくは、ホモファルネソール出発材料は、次の群:[(3Z,7Z)、(3E,7Z)、(3Z,7E)、および(3E,7E)]、[(3Z,7E)および(3E,7E)]、[(3Z,7E)、(3E,7Z)]、および/または[(3E,7E)および(3E,7Z)]の1種以上から選択される異性体の混合物からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0042】
好ましくは、ホモファルネソール出発材料は、次の群:q[(3E,7E)、(3Z,7E)]、および/または[(3Z,7E)、(3E,7E)、および(3E,7Z)]の1種以上から選択される異性体の混合物からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0043】
従って、ある種の態様において、EEH:EZH異性体の比は、約100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、70:30、69:31、68:32、67:33、66:34、65:35、64:36、63:37、62:38、61:39、60:40、59:41、58:42、57:43、56:44、55:45、54:46、53:47、52:48、51:49、または約50:50というEEH:EZHの比からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0044】
いくつかの態様において、好ましくはホモファルネソール出発材料は、>90%のE,E-ホモファルネソール(EEH)からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0045】
他の態様において、ホモファルネソール出発材料は86:14のEE:EZ重量比からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0046】
ある種の態様において、ホモファルネソール出発材料は80:20のEE:EZ重量比からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0047】
ある種の態様において、ホモファルネソール出発材料は70:30のEE:EZ重量比からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0048】
さらなる態様において、ホモファルネソール出発材料は69:31のEE:EZ重量比からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0049】
本開示の態様において、アンブロックスはSHC/HAC誘導体酵素を用いて産生される。
【0050】
SHC/HAC誘導体
本明細書において用いられる用語「SHC/HAC誘導体」は、SHC/HAC誘導体のアミノ酸配列が、少なくとも配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4に従う参照(または野生型)SHC配列のアミノ酸配列と比較して変更されている、改変されたまたはバリアントのアミノ酸配列であるということを意味する。一般的に、SHC/HAC誘導体は、その基質(例えばEEH)に対する酵素の活性を改変する(例えば増大させる)少なくとも1つの変更を有するSHCの変更された形態を含む。
【0051】
本開示のSHC/HAC誘導体はそれらのホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ活性について試験される。結果として、ホモファルネソールをアンブロックスに変換するこれらSHC/HAC誘導体は、本明細書においてはHAC誘導体およびSHC誘導体と言われる。例示的なSHC/HAC誘導体がアリシクロバチルス・アシドカルダリウス、ジモモナス・モビリス、ブラディリゾビウム・ジャポニクムの微生物株ソースに由来する酵素について提供されている一方で、本開示はまた他の微生物株ソース由来の同等なSHC/HAC誘導体をも対象とし、それらはメチロコッカス・カプスラタス、フランキア・アルニ、アセトバクター・パストゥリアナム(Acetobacter pasteurianum)、およびテトラヒメナ・ピリフォルミス(Tetrahymena pyriformis)由来のSHC/HAC酵素を包含するが、これに限定されない(例えば、WO2010/139719、US2012/01345477、WO2012/066059、および表10~12参照)。
【0052】
本明細書において用いられる用語「アミノ酸変更」は、(例えば、配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4の野生型(WT)アミノ酸配列などの)参照アミノ酸配列のアミノ酸配列に対して、2つのアミノ酸の間への1つ以上のアミノ酸の挿入、1つ以上のアミノ酸の欠失、または1つ以上の異なるアミノ酸による1つ以上のアミノ酸の置換(これは保存的または非保存的であり得る)を意味する。アミノ酸変更は、(例えば、配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4の野生型(WT)アミノ酸配列などの)参照アミノ酸配列のアミノ酸配列とのSHC/HAC誘導体アミノ酸配列のアミノ酸配列の比較によって容易に同定され得る。例示的なWT SHCアミノ酸配列アラインメントが図1~4および表18および19に提供されている。
【0053】
保存的なアミノ酸置換は、例えば、包含されるアミノ酸残基の極性、電荷、サイズ、可溶性、疎水性、親水性、および/または両親媒性の性質の類似性に基づいてなされ得る。上で概説されている20個の天然に存在するアミノ酸は、次の6つの標準的なアミノ酸群にグループ分けされ得る:
(1)疎水性:Met、Ala、Val、Leu、Ile、
(2)中性、親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
(3)酸性:Asp、Glu、
(4)塩基性:His、Lys、Arg、
(5)鎖の向きに影響する残基:Gly、Pro、および
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0054】
従って、本明細書において用いられる用語「保存的な置換」は、上に示されている6つの標準的なアミノ酸群の同じ群に挙げられている別のアミノ酸によるあるアミノ酸の交換を意味する。例えば、GluによるAspの交換は、そのように改変されたポリペプチドにおいて1つの負電荷を保持する。加えて、グリシンおよびプロリンは、アルファ-ヘリックスを破壊するそれらの能力に基づいて互いに置換され得る。上の6つの群の中のいくつかの好ましい保存的な置換は、次の下位群:(i)Ala、Val、Leu、およびIle、(ii)SerおよびThr、(ii)AsnおよびGln、(iv)LysおよびArg、ならびに(v)TyrおよびPheの中の交換である。公知の遺伝コードならびに組み換えおよび合成DNA技術に鑑みて、熟練した科学者は保存的なアミノ酸バリアントをコードするDNAを容易に構築し得る。
【0055】
本明細書において用いられる「非保存的な置換」または「非保存的なアミノ酸交換」は、上に示されている6つの標準的なアミノ酸群(1)から(6)の異なる群に挙げられている別のアミノ酸によるあるアミノ酸の交換として定義される。
【0056】
典型的には、本開示のSHC/HAC誘導体は、開示されるSHC/HAC誘導体の生物学的機能(例えばHAC活性)を変化させる非保存的な置換を用いて調製される。
【0057】
参照の便宜のために、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨される1文字アミノ酸記号は次のように示される。3文字コードもまた参照目的のために提供される。
【表1】
【0058】
アミノ酸置換などのアミノ酸変更は、PCR、遺伝子クローニング、cDNAの部位特異的変異導入、ホスト細胞のトランスフェクション、およびインビトロ転写を包含する、組み換え遺伝子技術の既知のプロトコールを用いて導入することができ、これらはかかる変化をWT SHC配列に導入し、SHC/HAC誘導体酵素をもたらすために用いることができる。次いで、誘導体はSHC/HACの機能的活性についてスクリーニングされ得る。
【0059】
SHC/HAC誘導体酵素
本発明は、SHC/HAC誘導体を提供し、少なくとも配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4に従う参照(または野生型)SHC配列のアミノ酸配列に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される約1から約50個の変異を有するアミノ酸配列を含む、ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)活性を有する酵素を記載する。
【0060】
種々の態様において、変異または変異の組み合わせは、この欠失/追加を示さない参照SHC酵素と比較して、ホモファルネソールをアンブロックスに変換するためのSHC/HAC誘導体の活性を増強する。本明細書に記載される蛋白質モデリングが、SHC参照配列におけるかかる置換、欠失、または挿入をガイドするために用いられ得る。例えば、SHCアミノ酸配列の構造モデルは、AacSHCの座標(例えば図19および20に示されている)を用いて作り出され得る。本明細書において示されているように、かかる相同性モデルは、ホモファルネソールを(-)-アンブロックスに変換するためのSHC酵素の改善へ向かわせる(directing)のに有用である。
【0061】
それゆえに、種々の態様において、SHC/HAC誘導体は、少なくとも配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4に従う参照(または野生型)SHC配列のアミノ酸配列に対して、約1から約45個の変異、約1から約40個の変異、約1から約35個の変異、約1から約30個の変異、約1から約25個の変異、約1から約20個の変異、約1から約15個の変異、約1から約10個の変異、または約1から約5個の変異を有し得る。
【0062】
種々の態様において、SHC/HAC誘導体は、少なくとも配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4に従う参照(または野生型)SHC配列のアミノ酸配列に対して、少なくとも5または少なくとも10個の変異を有するが約20または30個の変異よりも多くは有さない配列を含む。種々の態様において、SHC誘導体は、(例えば、配列番号1または2または3または4などの)参照SHCに対して、約1つの変異、約2つの変異、約3つの変異、約4つの変異、約5つの変異、約6つの変異、約7つの変異、約8つの変異、約9つの変異、約10個の変異、約11個の変異、約12個の変異、約13個の変異、約14個の変異、約15個の変異、約16個の変異、約17個の変異、約18個の変異、約19個の変異、約20個の変異、約21個の変異、約22個の変異、約23個の変異、約24個の変異、約25個の個の変異、約26個の変異、約27個の変異、約28個の変異、約29個の変異、約30個の変異、約31個の変異、約32個の変異、約33個の変異、約34個の変異、約35個の変異、約36個の変異、約37個の変異、約38個の変異、約39個の変異、約40個の変異、約41個の変異、約42個の変異、約43個の変異、約44個の変異、約45個の変異、約46個の変異、約47個の変異、約48個の変異、約49個の変異、または約50個の変異を有し得る。
【0063】
これらおよび他の態様において、SHC/HAC誘導体は、(例えば、配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4などの)WT SHCと、または参照配列(例えば、AacSHC(配列番号1)および他のSHC配列(例えば、WO2010/139719のZmoSHCの間に少なくとも34~52%の同一性が示されている表18および19参照)の間において、少なくとも約50%の配列同一性、少なくとも約55%の配列同一性、少なくとも約60%の配列同一性、少なくとも約65%の配列同一性、少なくとも約70%の配列同一性、少なくとも約75%の配列同一性、少なくとも約80%の配列同一性、少なくとも約85%の配列同一性、または少なくとも90%の配列同一性、または少なくとも91%の配列同一性、または少なくとも92%の配列同一性、または少なくとも93%の配列同一性、または少なくとも94%の配列同一性、または少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも96%の配列同一性、または少なくとも97%の配列同一性、または少なくとも98%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0064】
種々の態様において、SHCバリアントは、ホモファルネソールをアンブロックスに変換するための野生型酵素よりも高い活性、例えば、(例えば、配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4などの)参照野生型酵素よりも、ホモファルネソール基質との接触時に(-)-アンブロックスの高い産生を有する。
【0065】
例えば、SHC/HAC誘導体は、(例えば配列番号1または2または3または4などの)参照SHCと、または参照配列(例えば、AacSHC(配列番号1)および他のSHC配列(例えばWO2010/139719のZmoSHC)の間に少なくとも34~52%の同一性が示されている表18および19参照)の間において、少なくとも約50%の同一性、約51%の同一性、約52%の同一性、約53%の同一性、約54%の同一性、約55%の同一性、約56%の同一性、約57%の同一性、約58%の同一性、約59%の同一性、約60%の同一性、約61%の同一性、約62%の同一性、約63%の同一性、約64%の同一性、約65%の同一性、約66%の同一性、約67%の同一性、約68%の同一性、約69%の同一性、約70%の同一性、約71%の同一性、約72%の同一性、約73%の同一性、約74%の同一性、約75%の同一性、約76%の同一性、約77%の同一性、約78%の同一性、約79%の同一性、約80%の同一性、約81%の同一性、約82%の同一性、約83%の同一性、約84%の同一性、約85%の同一性、約86%の同一性、約87%の同一性、約88%の同一性、約89%の同一性、約90%の同一性、約91%の配列同一性、約92%の配列同一性、約93%の配列同一性、約94%の配列同一性、約95%の配列同一性、約96%の配列同一性、約97%の配列同一性、約98%の配列同一性、または約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0066】
SHC酵素活性について試験された種々のSHC/HAC誘導体が表1~9の1つ以上に挙げられている。このように、種々の態様において、SHC/HAC誘導体は、表1~9の1つ以上から選択される少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、または少なくとも約10個の変異を有し得る。いくつかの態様において、SHC/HAC誘導体は改変されたSHCポリペプチドであり、配列番号1に従う野生型/参照アミノ酸配列と比較して最大で4つの変異を有し、かつ配列番号1に対してF129Lおよび/またはI432Tの少なくともいずれか1つ以上との組み合わせで、少なくとも置換F601YまたはM132Rを含むアミノ酸配列を含み、大腸菌における発現および活性を補助するリーダー配列を任意に含む。
【0067】
他の態様において、SHC/HAC誘導体は、改変されたSHCポリペプチドであり、配列番号1に従う野生型/参照アミノ酸配列(または、大腸菌による発現のために改変されたその対応物)と比較して最大で8つの変異を有し、かつ配列番号1に対して位置77、92、129、132、224、432、579、601、および605からなる群から選択される位置に1種以上の1アミノ酸変更を含むアミノ酸配列を含み、SHC/HAC誘導体は配列番号1に対して改変された(例えば増大した)酵素活性を有する。
【0068】
1つの態様において、SHC誘導体は、配列番号1に対してT77X、I92X、F129X、M132X、A224X、I432X、Q579X、F601Y、およびF605Wからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含み、
T77Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
I92Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F129Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
M132Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
A224Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
I432Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
Q579Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F601Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F605Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有する。
【0069】
1つの態様において、SHC誘導体は、配列番号1に対してT77A、I92V、F129L、M132R、A224V、I432T、Q579H、F601Y、およびF605Wからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含む。
【0070】
別の態様において、SHC誘導体は、配列番号2に対してS129X、V145X、F182X、Y185X、G282X、I498X、H646X、およびF698Xからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含み、
S129Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
V145Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F182Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
Y185Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
G282Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
I498Xは、A、B、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
H646Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F668Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F698Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有する。
【0071】
1つの態様において、SHC誘導体は、表2に記されているように、配列番号2に対してS129A、V145V、F182L、Y185R、G282V、I498T、H646H、F668Y、およびF698Xからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含む。
【0072】
さらなる態様において、SHC誘導体は、配列番号3に対してG85X、V100X、F137X、I140X、V233X、I450X、N598X、F620X、およびF624Xからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含み、
G85Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
V100Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F137Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
I140Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
V233Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
I450Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
N598Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F620Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F624Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有する。
【0073】
1つの態様において、SHC誘導体は、表3および表3aに記されているように、配列番号3に対してG85A、V100V、F137L、I140R、V233V、I450T、N598H、F620Y、およびF624Wからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含む。
【0074】
さらなる態様において、SHC誘導体は、配列番号4に対してA88X、V104X、F141X、Y144X、V241X、I459X、M607X、F628X、およびF658Xからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含み、
A88Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
V104Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F141Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
Y144Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
V241Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
I459Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
M607Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F628Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有し、
F658Xは、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるXを有する。
【0075】
さらなる態様において、SHC誘導体は、表4に記されているように、配列番号4に対してA88A、V104V、F141L、Y144R、V241V、I459T、M607H、F628Y、およびF658Wからなる群から選択される1種以上の置換を含む。
【0076】
SHC誘導体の組み合わせ
1つの態様において、SHC誘導体は、表5に記されているように、配列番号1に対してT77A、F129L、M132R、I92V、A224V、I432T、Q579H、およびF601Yからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含む。
【0077】
1つの態様において、SHC誘導体は、表6に記されているように、配列番号2に対してS129A、V145V、F182L、Y185R、G282V、I498T、H646H、およびF668Yからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含む。
【0078】
1つの態様において、SHC誘導体は、表7に記されているように、配列番号3に対してG85A、V100V、F137L、I140R、V233V、I450T、N598H、およびF620Yからなる変異体の群から選択される1種以上の置換を含む。
【0079】
さらなる態様において、SHC誘導体は、表8に記されているように、配列番号4に対してA88A、V104V、F141L、Y144R、V241V、I459T、M607H、およびF628Yからなる群から選択される1種以上の置換を含む。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0080】
好ましい態様において、SHC誘導体は、配列番号1に対して、F129Lおよび/またはI432Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F601YまたはM132Rを含む。
【0081】
本開示において提供されるSHC3と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F601Yを含む。
【0082】
Hoshino and Sato (2002 同上)は、原核生物および真核生物種のなかで高度に保存されたアミノ酸残基としてF601を同定した。SHC誘導体F601Yが(スクアレンではなく)オキシドスクアレン基質について大いに増大したVmaxを示したということが報告されている。しかしながら、F601Yは、スクアレンが用いられるときに、WT AacSHCに対してアフィニティーの減少(すなわち、より高いK)および触媒効率/活性(Kcat/K)の減少を示す。ホモファルネソールが酵素基質としてF601Y変異体に用いられるときのAacSHC有効性についてのデータは、Hoshino and Sato (2002 同上)においては提供されていない。
【0083】
本開示において提供されるSHC10と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F129Lを含む。
【0084】
本開示において提供されるSHC30と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F601YおよびF129Lを含む。
【0085】
本開示において提供されるSHC26と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換M132RおよびI432Tを含む。
【0086】
本開示において提供される215G2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換M132R、I432T、およびA224Vを含む。
【0087】
本開示において提供されるSHC32と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F601Y、M132R、およびI432Tを含む。
【0088】
本開示において提供されるSHC31と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F129L、M132R、およびI432Tを含む。
【0089】
本開示において提供されるSHC33と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F601Y、F129L、M132RおよびI432Tを含む。
【0090】
本開示において提供される101A10と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換F601YおよびQ579Hを含む。
【0091】
本開示において提供される111C8と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号1)と比較して下記置換T77A+I92VおよびF129Lを含む。
【0092】
好ましい態様において、SHC誘導体は、配列番号2に対して、F182Lおよび/またはI498Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F668YまたはY185Rを含む。
【0093】
本開示において提供されるSHC3ZM1と呼ばれるSHC誘導体は参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F668Yを含む。
【0094】
Hoshino and Sato (2002 同上)は、原核生物および真核生物種のなかで高度に保存されたアミノ酸残基としてF601を同定した。SHC誘導体F601Yが(スクアレンではなく)オキシドスクアレン基質について大いに増大したVmaxを示したということが報告されている。しかしながら、F601Yは、スクアレンが用いられるときに、WT AacSHCに対してアフィニティーの減少(すなわち、より高いK)および触媒効率/活性(Kcat/K)の減少を示す。ホモファルネソールが酵素基質としてF601Y変異体に用いられるときのAacSHC有効性についてのデータは、Hoshino and Satoにおいては提供されていない。ZmoSHC1においてF601Yと同等なSHC誘導体はF668Yである。
【0095】
本開示において提供されるSHC10ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F182Lを含む。
【0096】
本開示において提供されるSHC30ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F668YおよびF182Lを含む。
【0097】
本開示において提供されるSHC26ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換Y185RおよびI498Tを含む。
【0098】
本開示において提供される215G2ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換Y185R、I498T、およびG282Vを含む。
【0099】
本開示において提供されるSHC32ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F668Y、Y185R、およびI498Tを含む。
【0100】
本開示において提供されるSHC31ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F182L、Y185R、およびI498Tを含む。
【0101】
本開示において提供されるSHC33ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F668Y、F182L、Y185R、およびI498Tを含む。
【0102】
本開示において提供される101A10ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換F668YおよびH646Hを含む。
【0103】
本開示において提供される111C8ZM1と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号2)と比較して下記置換S129A+V145VおよびF182Lを含む。
【0104】
好ましい態様において、SHC誘導体は、配列番号3に対して、F137Lおよび/またはI450Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F620YまたはI140Rを含む。
【0105】
本開示において提供されるSHC3ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F620Yを含む。
【0106】
Hoshino and Sato (2002 同上)は、原核生物および真核生物SHC種のなかで高度に保存されたアミノ酸残基としてF601を同定した。AacSHC誘導体F601Yが(スクアレンではなく)オキシドスクアレン基質について大いに増大したVmaxを示したということが報告されている。しかしながら、F601Yは、スクアレンが用いられるときに、WT AacSHCに対してアフィニティーの減少(すなわち、より高いK)および触媒効率/活性(Kcat/K)の減少を示す。ホモファルネソールが酵素基質としてF601Y変異体に用いられるときのAacSHC有効性についてのデータは、Hoshino and Sato(2002)においては提供されていない。ZmoSHC2においてF601Yと同等なSHC誘導体はF620Yである。
【0107】
本開示において提供されるSHC10ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F137Lを含む。
【0108】
本開示において提供されるSHC30ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F620YおよびF137Lを含む。
【0109】
本開示において提供されるSHC26ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換I140RおよびI450Tを含む。
【0110】
本開示において提供される215G2ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換I140R、I450T、およびV233Vを含む。
【0111】
本開示において提供されるSHC32ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F620Y、I140R、およびI450Tを含む。
【0112】
本開示において提供されるSHC31ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F137L、I140R、およびI450Tを含む。
【0113】
本開示において提供されるSHC33ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F620Y、F137L、I140R、およびI450Tを含む。
【0114】
本開示において提供される101A10ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換F620YおよびN598Hを含む。
【0115】
本開示において提供される111C8ZM2と呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号3)と比較して下記置換G85A+V100VおよびF137Lを含む。
【0116】
好ましい態様において、SHC誘導体は、配列番号4に対して、F141Lおよび/またはI459Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F628YまたはY144Rを含む。
【0117】
本開示において提供されるSHC3Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F628Yを含む。
【0118】
Hoshino and Sato (2002 同上)は、原核生物および真核生物種のなかで高度に保存されたアミノ酸残基としてF601を同定した。SHC誘導体F601Yが(スクアレンではなく)オキシドスクアレン基質について大いに増大したVmaxを示したということが報告されている。しかしながら、F601Yは、スクアレンが用いられるときに、WT AacSHCに対してアフィニティーの減少(すなわち、より高いK)および触媒効率/活性(Kcat/K)の減少を示す。ホモファルネソールが酵素基質としてF601Y変異体に用いられるときのAacSHC有効性についてのデータは、Hoshino and Satoにおいては提供されていない。BjpSHCにおいてF601Yと同等なSHC誘導体はF628Yである。
【0119】
本開示において提供されるSHC10Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F141Lを含む。
【0120】
本開示において提供されるSHC30Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F628YおよびF141Lを含む。
【0121】
本開示において提供されるSHC26Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換Y144RおよびI459Tを含む。
【0122】
本開示において提供される215G2Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換Y144R、I459T、およびV241Vを含む。
【0123】
本開示において提供されるSHC32Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F628Y、Y144R、およびI459Tを含む。
【0124】
本開示において提供されるSHC31Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F141L、Y144R、およびI459Tを含む。
【0125】
本開示において提供されるSHC33Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F628Y、F141L、Y144R、およびI459Tを含む。
【0126】
本開示において提供される101A10Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換F628YおよびM607Hを含む。
【0127】
本開示において提供される111C8Bjpと呼ばれるSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(配列番号4)と比較して下記置換A88A+V104VおよびF141Lを含む。
【0128】
アミノ酸配列
いくつかの態様において、AacSHC/HAC誘導体は、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、および/または171の1つ以上に記されているポリペプチドの1種以上を含む。
【0129】
好ましくは、本開示のAacSHC/HAC誘導体は、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、および/または配列番号171からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0130】
他の態様において、ZmoSHC1/HAC誘導体は、配列番号41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、および/または173の1つ以上に記されているポリペプチドの1種以上を含む。
【0131】
好ましくは、本開示のZmoSHC1/HAC誘導体は、配列番号57、配列番号59,配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、および/または配列番号173からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0132】
さらなる態様において、ZmoSHC2/HAC誘導体は、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、および/または配列番号175の1つ以上に記されているポリペプチドの1種以上を含む。
【0133】
追加の態様において、BjpSHC/HAC誘導体は、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、および/または配列番号177の1つ以上に記されているポリペプチドの1種以上を含む。
【0134】
配列アラインメント
例えばAacSHC、ZmoSHC1、ZmoSHC2、およびBjpSHCポリペプチド配列などのSHC参照配列の異なる長さを原因として、参照AacSHC配列(配列番号1)の位置Xのアミノ酸残基は、ZmoSHC1参照配列(配列番号2)上の異なるアミノ酸位置B、ZmoSHC2参照配列(配列番号3)上の異なるアミノ酸位置J、およびBjpSHC参照配列(配列番号4)上の異なるアミノ酸位置Zに対応する。加えて、SHC参照配列の変更もまた参照SHC配列に対してSHC誘導体配列を改変し得る。
【0135】
用語「位置」は、アミノ酸の特定の付番によって同定される、参照SHC蛋白質中に存在する特定のアミノ酸残基を言う。アミノ酸の挿入または欠失どちらかによるSHC参照蛋白質の変更は、参照SHCアミノ酸配列およびSHC誘導体アミノ酸配列の間で異なる付番となる。例として、アミノ酸が参照SHC蛋白質のアミノ酸509および510の間に挿入される場合には、挿入の次のアミノ酸はSHC誘導体蛋白質において付番511を有するであろう一方で、それはSHC参照蛋白質においては付番510を保持する。
【0136】
WT SHC/HACおよびSHC/HAC誘導体の活性を決定するためのアッセイ
WT SHC/HACおよび/またはSHC/HAC誘導体酵素活性を決定および定量するためのアッセイは本明細書に記載されており、当分野において公知である。例として、WT SHC/HACおよび/またはSHC/HAC誘導体活性は、ホスト細胞からの精製されたSHC/HAC酵素もしくは抽出物、またはSHC/HAC酵素を産生した完全な組み換えホスト生物を適切な条件下において適切な基質とインキュベーションすることと、(例えばガスクロマトグラフィー(GC)またはHPLC分析による)反応生成物の分析を行うこととによって決定され得る。SHC/HACおよび/またはSHC/HAC酵素活性アッセイならびに反応生成物の分析のさらなる詳細は例において提供されている。これらのアッセイは、組み換えホスト細胞(例えば大腸菌)によってSHC誘導体を産生することを包含する。
【0137】
本明細書において用いられる用語「活性」は、基質と反応してターゲット生成物を提供するための酵素の能力を意味する。活性は、活性試験として公知であるものにおいて、時間の関数としてのターゲット生成物の増大、基質(もしくは出発材料)の減少、またはそれらのパラメータの組み合わせによって決定され得る。本開示のSHC/HAC誘導体は、ホモファルネソールを(-)-アンブロックスに生物変換するそれらの能力を特徴とし、HAC活性などの生物学的活性を示す。
【0138】
本明細書において用いられる「生物学的活性」は、ポリペプチドが示し得るあらゆる活性を言い、限定なしに、酵素活性、別の化合物への結合活性(例えば、別のポリペプチドへの結合、特に受容体への結合、または核酸への結合)、阻害活性(例えば、酵素阻害活性)、活性化活性(例えば酵素活性化活性)、または毒性作用を包含する。バリアントまたは誘導体がかかる活性を親のポリペプチドと同じ程度まで示すということは要求されない。バリアントは、本願の文脈においては、それが親のポリペプチドの活性の少なくとも10%の程度まで関連する活性を示す場合にバリアントと見なされる。同様に、誘導体は、本願の文脈においては、(用語誘導体およびバリアントが本開示において交換可能に用いられるように)それが親のポリペプチドの活性の少なくとも10%の程度まで関連する生物学的活性を示す場合に誘導体と見なされる。
【0139】
他の態様において、本開示のSHC/HAC誘導体は参照SHC蛋白質よりも良いターゲット収率を示す。用語「ターゲット収率」は、原料グラム当たりの回収可能な生成物のグラムを言う(これはパーセントのモル変換率として計算され得る)。
【0140】
追加の態様において、本開示のSHC/HAC誘導体は、参照SHC蛋白質に対して改変された(例えば増大した)ターゲット生産性を示す。用語「ターゲット生産性」は、生物変換時間(すなわち、基質が追加された後の時間)の時間当たり、発酵キャパシティのリットル当たりのグラムによる回収可能なターゲット生成物の量を言う。
【0141】
さらなる態様において、本開示のSHC/HAC誘導体は、参照SHC蛋白質よりも改変されたターゲット収率係数を示す。用語「ターゲット収率係数」は、反応媒体中の得られる生成物濃度およびSHC誘導体の濃度(例えば、精製されたSHC酵素、またはSHC酵素を発現する組み換えホスト細胞からの抽出物)の間の比を言う。
【0142】
種々の態様において、本開示のSHC誘導体は、参照SHC蛋白質(例えば配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4)に対して、酵素活性の改変された(例えば増大した)~倍の増大(例えば、改変された/増大したホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)活性)を示す。活性のこの増大は、少なくとも係数の2、3、4、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、および/または100ぶんだけである。
【0143】
ヌクレオチド配列
本開示は、さらに、本明細書に記載されるSHC誘導体をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子に関する。
【0144】
本明細書において用いられる用語「核酸分子」は、具体的には、本開示のポリヌクレオチドを言うものとし、これはDNA、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、またはRNAであり得、二本鎖もしくは一本鎖、センスおよび/またはアンチセンス鎖であり得る。用語「核酸分子」は、特に、例えば全長ヌクレオチド配列またはその断片もしくは部分として本明細書において用いられるポリヌクレオチド(単数または複数)に適用されるものとし、これらはそれぞれ酵素活性を有するポリペプチド、例えば代謝経路の酵素、またはその断片もしくは部分をコードする。
【0145】
用語は別の分子をもまた包含し、例えば、対応するゲノムDNAがイントロンを、それゆえに異なる配列を有するcDNA、隣接する遺伝子の少なくとも1つを欠くゲノム断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって産生され、隣接する遺伝子の少なくとも1つを欠くcDNAまたはゲノムDNAの断片、隣接する遺伝子の少なくとも1つを欠く制限断片、融合蛋白質(例えばHisタグ)、ムテイン、または所与の蛋白質の断片などの天然に存在しない蛋白質をコードするDNA、およびcDNAまたは天然に存在する核酸の縮重バリアントである核酸である。加えて、これは、ハイブリッド遺伝子、すなわち天然に存在しない融合蛋白質をコードする遺伝子の一部である組み換えヌクレオチド配列を包含する。融合蛋白質は(ヒスチジン(His)などだが、これに限定されない)1種以上のアミノ酸を蛋白質に付加することができ、これは通常、蛋白質のN末端に付加されるが、C末端においてもまた、もしくは蛋白質領域内に融合されて付加される。かかる融合蛋白質またはかかる蛋白質をコードする融合ベクターは、典型的には3つの目的、(i)組み換え蛋白質の産生を増大させること、(ii)組み換え蛋白質の可溶性を増大させること、および(iii)アフィニティー精製のためのリガンドを提供することによって組み換え蛋白質の精製を補助すること、を果たす。用語「核酸分子」はまた、特定の微生物ホスト細胞(例えば大腸菌ホスト細胞)による発現にとって好適なコドン最適化した配列をも包含する。本明細書において用いられる用語「コドン最適化した」は、細菌(例えば大腸菌)ホスト細胞遺伝子中において頻繁に用いられるコドンによるコドンの1種以上または好ましくはかなりの数の置換によって、原核または真核生物ホスト細胞、特に大腸菌ホスト細胞などの細菌ホスト細胞による発現に適応した核酸の蛋白質コード配列を意味する。この点で、参照配列の配列番号1、2、3、および/または4ならびにその全てのバリアント/誘導体をコードするヌクレオチド配列は、ソース(例えばそれぞれAacSHC、ZmoSHC1、ZmoSHC2、またはBjpSHC)中に見いだされる元のものであり得るか、または遺伝子は、例えば大腸菌などの選択されたホスト生物に対してコドン最適化され得る。
【0146】
リボ核酸(RNA)分子はインビトロ転写によって産生され得る。DNA分子のセグメントもまた本開示の範囲内で考えられ、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって産生されるかまたは1種以上の制限エンドヌクレアーゼによる処置によって生み出され得る。核酸分子のセグメント、特に部分的な遺伝子であるものは、遺伝子のDNA断片と言われ得る。断片は、同じORFまたは異なるORFのリピートどちらかの、いくつかのオープンリーディングフレーム(ORF)をもまた含有し得る。用語は、具体的にはコードヌクレオチド配列を言うものとするが、非コード、例えば非転写もしくは非翻訳配列であるか、またはポリペプチドを全体的にもしくは部分的にコードするヌクレオチド配列をもまた包含するものとする。例えばアセンブリ、多様化、または組み換えのために本明細書において用いられる遺伝子は、非コード配列、またはポリペプチドをコードする配列もしくは蛋白質コード配列、またはその部分もしくは断片であり得、所望の組み換えイベントのために十分な配列長を有する。より具体的には、前記の遺伝子は3bp、好ましくは少なくとも100bp、より好ましくは少なくとも300bpという最小長を有する。
【0147】
単離されたDNAへの言及が、例えば、cDNAもしくはゲノムDNAライブラリーまたは例えば制限消化反応混合物もしくは電気泳動ゲルスライス中のゲノムDNA制限消化物の中の、他のDNA分子の数百から数百万のなかに存在するDNAを意味しないということは前述から明らかであろう。本開示の単離された核酸分子は、そのものとしては天然の状態で見いだされないセグメントを包含する。
【0148】
本明細書において用いられる用語「単離されたDNA」は、(1)あらゆる天然に存在する配列のものと同一でない配列、天然に存在しないポリヌクレオチドもしくは核酸を含有するDNA(例えば、ヒトの介入による2つのさもなければ分離された配列セグメントの人為的組み合わせ(例えば、例えば遺伝子工学技術による核酸の単離されたセグメントの人為的操作)によって作られる)、または(2)天然に存在する配列を有するDNA(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)の内容において、目的DNAを含有する遺伝子が天然に存在する生物のゲノム中において目的DNAを含有する遺伝子に隣接する遺伝子の少なくとも1つを含まないDNAについて言及し得る。
【0149】
具体的に核酸配列に関して本明細書において用いられる用語「単離されたDNA」は、組み換えDNA技術によって産生される核酸またはポリヌクレオチド、例えば、ホスト細胞にとって異種のポリヌクレオチドを含み、任意にホスト細胞に組み込まれるDNAコンストラクトについてもまた言及し得る。キメラヌクレオチド配列は具体的には組み換え分子として産生され得る。用語「組み換え」は、具体的にはポリヌクレオチド同士のアセンブリに適用されるものとし、交叉または遺伝子モザイクを達成するための組み換えを有してまたは組み換えなしに、かかるポリヌクレオチドまたはその部分をつなぎ合わせる。例えば、これは、所望の機能の核酸セグメント同士をつなぎ合わせて機能の所望の組み合わせを生み出すために実施される。本明細書に記載されるポリペプチドをコードする組み換え遺伝子は、ポリペプチドを発現するのに好適な1種以上の制御領域にセンスの向きで作動可能に連結された、そのポリペプチドのコード配列を包含する。多くの微生物はポリシストロンmRNAから複数の遺伝子産物を発現することが可能であるので、望ましい場合には、複数のポリペプチドがそれらの微生物のための単一の制御領域のコントロール下において発現され得る。コード配列および制御領域は、制御領域およびコード配列が、制御領域が配列の転写または翻訳を制御するために有効であるように位置するときに、作動可能に連結されていると考えられる。
【0150】
本明細書において用いられる用語「組み換え」は、具体的には酵素に関して、組み換えDNA技術によって産生される、すなわち所望の酵素をコードする外来性DNAコンストラクトによって形質転換された細胞から産生される、酵素を言うものとする。「合成」酵素は化学合成によって調製されたものである。キメラ酵素は具体的には組み換え分子として産生され得る。それゆえに、用語「組み換えDNA」は、ベクターに、自己複製プラスミドもしくはウイルスに、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA(もしくは、天然の染色体上の位置以外の位置において、相同な細胞のゲノム)に組み込まれた組み換えDNAを包含する。
【0151】
さらなる側面において、本開示の核酸分子(単数または複数)は、原核生物および/または真核生物ホスト細胞による発現を可能にする発現コントロール配列に作動的に連結される。本明細書において用いられる「作動的に連結される」は、発現コントロール配列が対象のコード配列の発現を有効にコントロールするように遺伝子コンストラクトに組み込まれていることを意味する。上で言及した転写/翻訳制御エレメントは、誘導性および非誘導性、構成的、細胞周期により制御される、代謝により制御されるプロモーター、エンハンサー、オペレーター、サイレンサー、リプレッサー、ならびに当業者に公知であり、遺伝子発現を駆動または別様に制御する他のエレメントを包含するが、これに限定されない。かかる制御エレメントは、構成的発現に向かわせるかあるいは、例えばCUP-1プロモーター、例えばtetオンまたはtetオフシステムに採用されるtetリプレッサー、lacシステム、trpシステム制御エレメントのように誘導性発現を可能にする、制御エレメントを包含するが、これに限定されない。例として、イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)は100μMから1.0mMの濃度範囲内において遺伝子発現の有効な誘導因子である。この化合物はlacオペロンの転写を誘発するラクトース代謝物質アロラクトースの分子模倣体であり、それゆえに、遺伝子がlacオペレーターのコントロール下にあるときに遺伝子発現を誘導するために用いられる。遺伝子発現を誘導する制御エレメントの別の例はラクトースである。
【0152】
同様に、本開示の核酸分子(単数または複数)は、追加のポリペプチド配列、例えばマーカーまたはレポーターとして機能する配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部を形成し得る。マーカーおよびレポーター遺伝子の例は、ベータ-ラクタマーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、ハイグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼ(HPH)、チミジンキナーゼ(TK)、lacZ(ベータ-ガラクトシダーゼをコードする)、およびキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT)を包含する。本開示の実施に関係する標準的な手順の多くと同じく、当業者は追加の有用な試薬、例えばマーカーまたはレポーターの機能を果たし得る追加の配列を知っているであろう。
【0153】
いくつかの態様において、本開示はWT SHCまたは上記SHC/HAC誘導体をコードする組み換えポリヌクレオチドを提供し、これは発現および任意の精製のためにベクター中に挿入され得る。ベクターの1つの型は、その中に追加のDNAセグメントがライゲーションされている環状二本鎖DNAループを表す、プラスミドである。ある種のベクターは、それらが機能的に連結された遺伝子の発現をコントロールし得る。それらのベクターは「発現ベクター」と呼ばれる。通常は、DNA組み換え技術に好適な発現ベクターはプラスミド型である。典型的には、発現ベクターは、本明細書に記載されるWT SHCまたはSHC/HACバリアントなどの遺伝子を含む。プラスミドは最も多くの場合に用いられるベクター型であるので、本明細書において、用語「プラスミド」および「ベクター」は交換可能に用いられる。
【0154】
かかるベクターは、ホスト細胞中に天然には存在しないDNA配列、通常はRNAに転写または蛋白質に翻訳(「発現」)されないDNA配列、および非組み換えホストに導入したい他の遺伝子またはDNA配列を包含するが、これに限定されないDNA配列を包含し得る。典型的には、本明細書に記載される組み換えホストのゲノムは1種以上の組み換え遺伝子の安定な導入によって拡張されるということが理解されるであろう。しかしながら、自己または複製プラスミドもしくはベクターもまた本開示の範囲内において用いられ得る。さらに、本開示は、低コピー数、例えばシングルコピー、または高コピー数(本明細書において例示されている)プラスミドまたはベクターを用いて実施され得る。
【0155】
好ましい態様において、本開示のベクターは、プラスミド、ファージミド、ファージ、コスミド、人工細菌および人工酵母染色体、ノックアウトまたはノックインコンストラクト、合成核酸配列、あるいはカセットを含み、一部は直鎖状ポリヌクレオチド、プラスミド、メガプラスミド、合成または人工染色体、例えば植物、細菌、哺乳類、または酵母人工染色体の形態で産生され得る。
【0156】
導入されたポリヌクレオチドによってコードされる蛋白質はベクターの導入時に細胞内で発現されることが好ましい。多様な遺伝子基質がプラスミド中に組み込まれ得る。プラスミドは多くの場合、標準的なクローニングベクター、例えば細菌マルチコピープラスミドである。基質同士は同じかまたは異なるプラスミド中に組み込まれ得る。多くの場合、選択可能なマーカーの異なる型を有するプラスミドの少なくとも2つの異なる型が用いられて、ベクターの少なくとも2つの型を含有する細胞の選択を可能にする。
【0157】
典型的には、細菌または酵母細胞が、当分野において周知であるように下記ヌクレオチド配列のいずれか1種以上によって形質転換され得る。インビボ組み換えのためには、ゲノムまたは他の遺伝子と組換えられるべき遺伝子が、標準的な形質転換技術を用いてホストを形質転換するために用いられる。好適な態様においては、複製起点を提供するDNAがコンストラクト中に包含される。複製起点は当業者によって好適に選択され得る。遺伝子の性質に応じて、それら自体で複製起点として作動可能である配列が遺伝子またはゲノムに既に存在する場合には、補足的な複製起点は要求されないこともある。
【0158】
細菌または酵母細胞は、かかるDNAが細胞内に導入されたときに、外来性または異種DNAによって形質転換され得る。形質転換DNAは統合され(integrated)、すなわち細胞のゲノム中に共有結合的に連結されてもよく、もしくは統合されなくてもよい。原核生物および酵母において、例えば、形質転換DNAはプラスミドなどのエピソームエレメントとして維持され得る。真核生物細胞に関して、安定にトランスフェクションされた細胞は、トランスフェクションされたDNAが、それが染色体複製を介して娘細胞に受け継がれるように染色体に統合されたものである。この安定性は、形質転換DNAを含有する娘細胞の集団で構成される細胞株またはクローンを樹立する真核生物細胞の能力によって示される。
【0159】
一般的に、導入されるDNAは、DNAの受容者であるホストに元々内在してはいないが、所与のホストからDNAセグメントを単離し、引き続いてそのDNAの1種以上の追加のコピーを同じホストに導入して、例えば遺伝子産物の産生を増強するかまたは遺伝子の発現パターンを変更することは本開示の範囲内である。いくつかの場合には、導入されたDNAは、内因性の遺伝子またはDNA配列を例えば相同組み換えまたは部位特異的変異導入によって改変するか、またはさらには置き換えるであろう。好適な組み換えホストは微生物、植物細胞、および植物を包含する。
【0160】
本開示はまた、組み換えホストをも特徴とする。用語「組み換えホスト」は、「遺伝子改変ホスト細胞」または「トランスジェニック細胞」ともまた言われ、異種核酸を含むか、またはそのゲノムが少なくとも1つの組み込まれたDNA配列によって拡張されたホスト細胞を指す。本開示のホスト細胞は、上で概説されているようにポリヌクレオチドまたはベクターによって遺伝子改変され得る。
【0161】
本開示の目的のために用いられ得るホスト細胞は、例えば、本開示のポリヌクレオチド分子を含有する組み換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、細菌人工染色体、またはコスミドDNA発現ベクターによって形質転換され得る細菌(例えば大腸菌および枯草菌)などの原核生物細胞、例えば、本開示のポリヌクレオチド分子を含有する組み換え酵母発現ベクターによって形質転換され得る酵母(例えばサッカロミセス(Saccharomyces)およびピキア(Pichia))のような単純な真核生物細胞を包含するが、これに限定されない。本開示のポリヌクレオチドを導入するために用いられるホスト細胞およびそれぞれのベクターに応じて、ポリヌクレオチドは例えば染色体もしくはミトコンドリアDNAに統合し得るか、または例えばエピソームに、のように染色体外に、維持され得るか、または一過性にのみ細胞内に含まれ得る。
【0162】
特に遺伝子工学、および1種以上の遺伝子または遺伝子の集合クラスターを細胞に導入することを参照して本明細書において用いられる用語「細胞」または産生細胞は、いずれかの原核生物または真核生物細胞を言うと理解される。原核生物および真核生物ホスト細胞は両方とも本開示に従った使用を企図され、大腸菌もしくはバシラス種のような細菌ホスト細胞、S・セレビシエなどの酵母ホスト細胞、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptora frugiperda)などの昆虫ホスト細胞、またはHeLaおよびJurkatなどのヒトホスト細胞を包含する。
【0163】
具体的には、細胞は真核生物細胞、好ましくは真菌、哺乳類もしくは植物細胞、または原核生物細胞である。好適な真核細胞は、例えば限定なしに哺乳類細胞、酵母細胞、または(Sf9を包含する)昆虫細胞、(黒色素胞細胞を包含する)両生類細胞、または(カエノラブディティス・エレガンスを包含する)カエノラブディティスの細胞を包含する蠕虫細胞を包含する。好適な哺乳類細胞は、例えば限定なしに(Cos-1およびCos-7を包含する)COS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、HEK293T細胞、HEK293 T-RexTM細胞、または他のトランスフェクション可能な真核細胞株を包含する。好適な細菌細胞は限定なしに大腸菌を包含する。
【0164】
好ましくは、大腸菌、バシラス、ストレプトミセス(Streptomyces)などの原核生物、またはHeLa細胞もしくはJurkat細胞のような哺乳類細胞、またはシロイヌナズナ(Arabidopsis)のような植物細胞が用いられ得る。
【0165】
好ましくは、細胞はAspergillus sp.または真菌細胞であり、好ましくは、これは属サッカロミセス、カンジタ、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ハンゼヌラ(Hansenula)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、ヤロウィア(Yarrowia)、ピキア、およびアスペルギルス(Aspergillus)からなる群から選択され得る。
【0166】
好ましくは、大腸菌ホスト細胞は、産業界および規制当局によって認識されている大腸菌ホスト細胞である(大腸菌 K12ホスト細胞または例に示されている大腸菌 BL21ホスト細胞を包含するが、これに限定されない)。
【0167】
本開示で用いるための1つの好ましいホスト細胞は大腸菌であり、これは本明細書に記載されているように組み換え的に調製され得る。それゆえに、組み換えホストは組み換え大腸菌ホスト細胞であり得る。大腸菌について利用可能な変異体、プラスミド、代謝の詳細なコンピュータモデル、および他の情報のライブラリーがあり、生成物収率を増強するための種々のモジュールの合理的設計を可能にする。サッカロミセスについて上で記載されているものと類似の方法が組み換え大腸菌微生物を作るために用いられ得る。
【0168】
1つの態様において、組み換え大腸菌微生物は、(例えば、本明細書の表10、11、および12のいずれか1つ以上に開示されているSHC遺伝子をコードするヌクレオチド配列、またはそのバリアント、ホモログ、変異体、誘導体、または断片を包含するが、これに限定されないその機能的同等物/相同物を含む。
【0169】
好ましくは、組み換え大腸菌微生物は図5および21に提供されているベクターコンストラクトを含む。
【0170】
別の好ましい態様において、組み換え大腸菌微生物は、WT SHC/HACおよびWT SHC/HAC誘導体遺伝子をコードするヌクレオチド配列、または表13、表14、表15、表16、表17、および/または表4aのいずれか1つ以上に記されているそのバリアント、ホモログ、変異体、誘導体、もしくは断片を包含するがこれに限定されないその機能的同等物/相同物を含む。
【0171】
本開示に使用するための別の好ましいホスト細胞はS・セレビシエであり、これは合成生物学においてシャシー生物として広く用いられている。それゆえに、組み換えホストはS・セレビシエであり得る。S・セレビシエについて利用可能な変異体、プラスミド、代謝の詳細なコンピュータモデル、および他の情報のライブラリーがあり、生成物収率を増強するための種々のモジュールの合理的設計を可能にする。組み換えS・セレビシエ微生物を作るための方法は公知である。
【0172】
細胞の培養は従来の様式で実施される。培養培地は炭素源、少なくとも1つの窒素源、および無機塩を含有し、ビタミンがそれに追加される。この培地の構成成分は、当の微生物種を培養するために従来用いられているものであり得る。
【0173】
本方法への使用の炭素源は、組み換えホスト細胞によって代謝されて増殖および/または(-)-アンブロックスの産生を促進し得るあらゆる分子を包含する。好適な炭素源の例は、(例えばモラセス中に見いだされる)スクロース、フルクトース、キシロース、グリセロール、グルコース、セルロース、デンプン、セロビオース、または他のグルコース含有ポリマーを包含するが、これに限定されない。
【0174】
ホストとして酵母を採用する態様においては、例えばスクロース、フルクトース、キシロース、エタノール、グリセロール、およびグルコースなどの炭素源が好適である。炭素源は培養期間に渡ってホスト生物に提供され得るか、または代替的には、生物は別のエネルギー源、例えば蛋白質の存在下においてある期間増殖させられ、それから流加相(fed-batch phase)の間のみ炭素源を提供され得る。
【0175】
本開示の方法において使用するための組み換えホスト細胞微生物の好適性は、周知の方法を用いる単純な試験手順によって決定され得る。例えば、試験されるべき微生物は、微生物の増殖のために一般的に用いられるpH、温度、および通気条件において富栄養培地(例えば、LB培地、バクトトリプトン酵母エキス培地、栄養培地等)で増殖させられ得る。ひとたび生物変換の所望の生成物を産生する組み換え微生物(すなわち組み換えホスト細胞)が選択されれば、生成物は、典型的には産生ホスト細胞株によって大スケールで、好適な発現システムおよび発酵によって、例えば細胞培養物中の微生物産生によって産生される。
【0176】
本開示の1つの態様においては、M9Aなどの限定最少培地が細胞培養に用いられる。
【0177】
M9A培地の構成成分は、14g/lのKHPO、16g/lのKHPO、1g/lのクエン酸Na.2HO、7.5g/lの(NHSO、0.25g/lのMgSO.7HO、0.015g/lのCaCl.2HO、5g/lのグルコース、および1.25g/lの酵母エキストラクトを含む)。
【0178】
本開示の別の態様においては、LBなどの富栄養培地が用いられた。LB培地の構成成分は10g/lのトリプトン、5g/lの酵母エキストラクト、5g/lのNaClを含む。
【0179】
ミネラル培地およびM9ミネラル培地の他の例は例えばUS6524831B2およびUS2003/0092143A1に開示されている。
【0180】
組み換え微生物は、バッチ(batch)、流加(fed batch)、もしくは連続プロセス、またはその組み合わせによって増殖させることができる。典型的には、組み換え微生物は発酵槽(fermentor)内で定められた温度(単数または複数)で好適な栄養源、例えば炭素源の存在下において所望の期間増殖させ、ホモファルネソールをアンブロックスに生物変換するためおよび(-)-アンブロックスを包含するアンブロックスの所望の量を産生するために十分な酵素を産生する。
【0181】
組み換えホスト細胞はいずれかの好適な様式で、例えばバッチ培養または流加培養によって培養され得る。
【0182】
本明細書において用いられる用語「バッチ培養」は、培養培地が培養の間に追加も取り出しもされない培養方法である。
【0183】
本明細書において用いられる用語「流加」は、培養培地が培養の間に追加されるが、培養培地は取り出されない培養方法を意味する。
【0184】
本開示の1つの態様は、細胞系システムにおいてアンブロックスを産生する方法を提供し、WT SHCまたはSHC/HAC誘導体を好適な条件下において細胞系システムにおいて発現することと、ホモファルネソールを細胞系システムに供給する(feed)ことと、細胞系システムを用いて産生されたSHCまたはSHC/HAC誘導体を用いてホモファルネソールをアンブロックスに変換することと、細胞系システムからアンブロックスを集めることと、任意にシステムから(-)-アンブロックス材料を単離することとを含む。他のヌクレオチド配列の発現は、方法を増強するために役立つ。生物変換方法は、細胞系システムによる他のヌクレオチド配列の追加の発現を包含し得る。他のヌクレオチド配列の発現は(-)-アンブロックスを作るための生物変換経路を増強し得る。
【0185】
本開示のさらなる態様は、(-)-アンブロックスを作る生物変換方法であり、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体遺伝子を含むホスト細胞を増殖させることと、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体をホスト細胞において産生することと、ホモファルネソール(例えばEEH)をホスト細胞に供給することと、ホモファルネソールからアンブロックスへの変換を促進するために好適なpH、温度、および可溶化剤の条件下においてホスト細胞をインキュベーションすることと、(-)-アンブロックスを集めることとを含む。ホスト細胞によるWT SHC/HACおよび/またはSHC/HAC誘導体の産生は、ホモファルネソールが好適な反応条件下においてホスト細胞に追加されたときに(-)-アンブロックスを作る方法を提供する。達成される変換は、より多くの生体触媒およびSDSを反応混合物に追加することによって増強され得る。
【0186】
組み換えホスト細胞微生物は、引き続く生物変換ステップのためのWT SHCまたはSHC/HAC誘導体を発現する好適な量の細胞を提供するためにいくつものやり方で培養され得る。生物変換ステップのための適用可能な微生物は大幅に変わるので(例えば酵母、細菌、および真菌)、当然のことながら、培養条件はそれぞれの種の特定の要件に合わせて調整され、それらの条件は周知であり文書化されている。組み換えホスト細胞微生物の細胞を増殖させるための当分野において公知の方法のいずれかが、本開示の引き続く生物変換ステップに利用可能な細胞を産生するために用いられ得る。典型的には、細胞は、生物変換反応のための十分なバイオマスを産生するために特定の密度(光学密度(OD)として測定可能)まで増殖させる。
【0187】
選ばれる培養条件は得られる細胞(バイオマス)の量に影響するのみならず、培養条件の質もまたどのようにバイオマスが生体触媒になるかに影響する。WT SHCまたはSHC/HAC誘導体遺伝子を発現しWT SHCまたはSHC/HAC誘導体酵素を産生する組み換えホスト細胞微生物は、生物変換反応への使用に好適である生体触媒と呼ばれる。いくつかの態様において、生体触媒は、WT SHCもしくはSHC/HAC誘導体を産生する組み換え全細胞であるか、またはそれは懸濁液もしくは固定されたフォーマットであり得る。他の態様において、生体触媒は、(例えばSeitz et al 2012 - 同上に開示されている)WT SHCまたはSHC/HAC誘導体を産生する組み換え全細胞から調製された膜画分または液体画分である。
【0188】
WT SHCまたはSHC/HAC誘導体を産生する組み換え全細胞は、発酵槽から(生物変換反応のために)集められた全細胞または発酵槽内の細胞(これは次いでワンポット反応に用いられる)を包含する。WT SHCまたはSHC/HAC誘導体を産生する組み換え全細胞は無傷の組み換え全細胞および/または細胞片(debris)を包含し得る。いずれにせよ、WT SHCまたはSHC/HAC誘導体は基質(例えばホモファルネソール)を受け取るおよび/またはそれと相互作用するために何らかのやり方で(細胞膜などの)膜と結びついており、(細胞膜などの)この膜は全細胞(例えば、組み換え全細胞)の一部であるかまたは全細胞を含み得る。WT SHCまたはSHC/HAC誘導体は、WT SHCまたはSHC/HAC誘導体が基質(例えばホモファルネソール)と相互作用することを可能にする固定された形態であってもよく(例えば、酵素キャリアと結びつけられる)。WT SHCまたはSHC/HAC誘導体は、可溶性形態で用いられてもよい。
【0189】
1つの態様においては、生体触媒は、(十分なバイオマスを作り出すために)十分量で産生され、収穫され、生物変換ステップの前に洗浄される(かつ、任意に保存される(例えば凍結または凍結乾燥される))。
【0190】
さらなる態様においては、細胞は(十分な生体触媒を作り出すために)十分量で産生され、次いで反応条件が調整され、生物変換反応のために生体触媒を収穫および洗浄する必要はない。このワンステップ(または「ワンポット」)方法は、それがコストを減じながらプロセスを単純化するので有利である。細胞を増殖させるために用いられる培養培地は、反応条件が生物変換反応を促進するように調整されている場合には、生物変換反応への使用にもまた好適である。
【0191】
細胞を増殖させるための至適pHは6.0~7.0の範囲内である。生物変換反応の至適pHは生物変換反応に用いられるSHC/HAC酵素の型に依存する。pHは当業者に周知である技術を用いて制御される。
【0192】
例9が示しているように、100%の変換率でホモファルネソールを(-)-アンブロックスに生物変換するよう「ワンポット」方法が用いられている。例18が示しているように、99%の変換率でホモファルネソールを(-)-アンブロックスに生物変換するよう「ワンポット」方法が用いられている。
【0193】
本明細書において用いられる、本明細書におけるホモファルネソール基質から(-)-アンブロックスへの99%/100%変換率へのあらゆる言及は、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素を用いて(-)-アンブロックスへの変換が可能なホモファルネソール異性体(すなわちEEH)の99%/100%の変換への言及である。
【0194】
用語「混合物」または「反応混合物」は、(特にそれが「ワンポット」反応に関する際に)本開示において用語「培地」と交換可能に用いられ得る一方で、十分なバイオマスを作り出すために細胞を増殖させることは細胞培養/発酵培地を要求するが、培地は生物変換ステップには要求されないということに注意すべきである。なぜなら、好適なpHの反応緩衝液で十分であろうからである。
【0195】
本開示の生物変換方法は、ホモファルネソール原料ストックから(-)-アンブロックスへの変換をもたらすための時間、温度、pH、および可溶化剤の条件下において行われる。反応混合物のpHは、SHC/HAC誘導体酵素では4~8、好ましくは5から6.5、より好ましくは4.8~6.0の範囲内、WT SHC酵素では約pH5.0から約pH7.0の範囲内であってもよく、反応混合物への緩衝液の追加によって維持され得る。この目的のための例示的な緩衝液はクエン酸緩衝液である。好ましい温度は約15℃および約45℃の間、好ましくは約20℃および約40℃の間であるが、これは好熱性生物では、特に好熱性微生物からのWT酵素(例えばWT SHC/HAC)が用いられる場合にはより高く、最大で55℃であり得る。温度は生物変換プロセスの間は一定に保たれてもよく、または変更されてもよい。
【0196】
出願人は、可溶化剤(例えば界面活性剤、洗剤、可溶性増強剤、水混和性有機溶媒等)を生物変換反応中に包含することが有用であり得るということを示している。本明細書において用いられる用語「界面活性剤」は、2つの液体間のまたは液体および固体の間の表面張力(または界面張力)を低下させる構成成分を意味する。界面活性剤は、洗剤、湿潤剤、乳化剤、起泡剤、および分散剤として作用し得る。界面活性剤の例は、Triton X-100、Tween 80、タウロデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および/またはラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を包含するが、これに限定されない。
【0197】
Triton X-100はWT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素を(可溶性または膜画分/懸濁液形態で)部分的に精製するために用いられ得る一方で、これは生物変換反応にもまた用いられ得る(例えば、Seitz (2012 PhD学位論文、同上)の開示およびNeumann and Simon (1986 - 同上)の開示およびJP2009060799参照。
【0198】
しかしながら、驚くべきことに、例14が示しているように、出願人は、他のより有用でない可溶化剤の長いリストから、特に有用な可溶化剤としてSDSを選択および同定した。特に、出願人は、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換反応(EEHが4g/lおよび125g/lで用いられるとき両方)の反応速度および収率の観点から、例えばTriton X-100よりも顕著に優れた可溶化剤としてSDSを同定した。例12の比較データによって示されているように、出願人は、少なくとも1つのSHC/HAC誘導体酵素について、反応中に(約0.005%から0.48%の濃度範囲の)Triton X-100を用いたホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの最高の生物変換活性は、(約0.07%の濃度の)SDSで得られる活性のおよそ20%に過ぎないということを示した。
【0199】
理論によって拘束されることを望むものではないが、組み換え微生物ホスト細胞へのSDSの使用は、SDSがSHC酵素(これは膜結合酵素である)をホモファルネソール基質に対してよりアクセス可能にするためにホスト細胞膜と有利に相互作用し得るので有利であり得る。加えて、反応混合物中への好適なレベルのSDSの包含は、エマルジョン(水中のホモファルネソール)の特性を改善し、および/またはホスト細胞内のSHC酵素へのホモファルネソール基質のアクセスを改善し得る一方で、同時に破壊(例えば、SHC(WTまたはSHC/HAC誘導体)酵素の変性)を防ぐ。
【0200】
生物変換反応に用いられる可溶化剤(例えばSDS)の濃度は、バイオマス量および基質(EEH)濃度によって影響される。すなわち、可溶化剤(例えばSDS)濃度、バイオマス量、および基質(EEH)濃度の間にはある程度の相互依存性がある。例として、ホモファルネソール基質の濃度が増大すると、効率的な生物変換反応が起こるために十分量の生体触媒および可溶化剤(例えばSDS)が要求される。例えば可溶化剤(例えばSDS)濃度が低すぎる場合には、準至適な(suboptimal)ホモファルネソール変換が観察され得る。他方で、例えば可溶化剤(例えばSDS)濃度が高すぎる場合には、生体触媒が無傷の微生物細胞の破壊および/またはSHC/HAC酵素の変性/不活性化どちらかによって影響されるというリスクが存在し得る。
【0201】
バイオマス量および基質(EEH)濃度の内容におけるSDSの好適な濃度の選択は当業者の知識の範囲内である。例として、好適なSDS、基質(EEH)、およびバイオマス濃度を決定するための予測モデルが当業者に利用可能である。さらなる例として、例3は、4g/lのEEHおよび10.0のOD(650nm)の生体触媒が用いられるときに、0.010~0.075%の範囲内のSDSが適切であるということを示している。例7は、125g/lのEEHが2×バイオマスの湿重量で用いられるときに、調整されたSDS濃度(1.55%)が適切であるということを示している。しかしながら、異なるSDS/細胞比の値を用いる(-)-アンブロックスへのEEH変換パーセントの検討は、生体触媒、ホモファルネソール基質、および可溶化剤(例えばSDS)の比の正しい選択が、着実な生物変換反応システムの開発を促進するということを示しており、これはSDS濃度(例えば図17参照)およびpH範囲(例15、図18参照)のある範囲に対してある程度の許容性を示す。
【0202】
WT SHC酵素(例えばAacSHC)の生物変換反応の温度は約45~60℃、好ましくは55℃である。
【0203】
WT SHC酵素(例えばAacSHC)の生物変換反応のpH範囲は約5.0から7.0、より好ましくは約5.6から約6.2、さらにはより好ましくは約6.0である。
【0204】
SHC/HAC誘導体酵素の生物変換反応の温度は約34℃から約50℃、好ましくは約35℃である。
【0205】
SHC/HAC誘導体酵素の生物変換反応のpHは約4.8~6.4、好ましくは約5.2~6.0である。
【0206】
好ましくは、生物変換反応に用いられる可溶化剤はSDSである。
【0207】
WT SHC酵素(例えばAacSHC)の生物変換反応に用いられるSDS濃度は、約4g/lのEEHが用いられるときに約0.010~0.075%の範囲内、好ましくは約0.030%である。
【0208】
SHC/HAC誘導体酵素の生物変換反応に用いられるSDS濃度は、約4g/lのEEHが用いられるときに約0.0025~0.090%の範囲内、好ましくは約0.050%である。
【0209】
生体触媒は、ホモファルネソールが約4g/lのEEHのEEH濃度で反応に投入されるときに、10.0のOD(650nm)で反応に投入される。
【0210】
[SDS]/[細胞]比は、生体触媒対EEHホモファルネソールの比が約2:1であるときに、約10:1~20:1の範囲内、好ましくは約15:1~18:1、好ましくは約16:1である
【0211】
SHCバリアント酵素の生物変換反応におけるSDS濃度は、ホモファルネソール濃度が約125g/lのEEHであり、生体触媒濃度が250g/lである(約175のOD(650nm)に対応する)ときに、約1~2%の範囲内、好ましくは約1.4~1.7%の範囲内、さらにはより好ましくは約1.5%である。
【0212】
生体触媒対EEHホモファルネソール基質の比は約0.5:1~2:1の範囲内、いくつかの態様においては2:1、好ましくは約1:1または0.5:1である。
【0213】
いくつかの態様において、アンブロックスは生体触媒を用いて産生され、それにホモファルネソール基質が追加される。公知の手段(例えばペリスタポンプ、注入シリンジ等)を用いて供給することによって基質を追加することが可能である。ホモファルネソールは油可溶性化合物であり、油フォーマットで提供される。生体触媒(無傷の組み換え全細胞などの微生物細胞および/または細胞片および/または固定された酵素)が水相に存在するということに鑑みて、生物変換反応は、ホモファルネソールが生物変換反応混合物に追加されるときに(水相、固相、および油相を含む)3相システムと見なすことができる。これはSDSが存在するときでさえも当てはまる。明瞭化のために、可溶性のWT SHCまたはSHC/HAC誘導体が生体触媒として用いられるときには、これは2相システムと考えられる。
【0214】
存在するホモファルネソール異性体の数は反応のスピードに影響し得る。例11が示しているように、SHC/HAC誘導体酵素はホモファルネソール異性体の複雑な混合物(例えばEE:EZ:ZE:ZZ)からE,E-ホモファルネソールを(-)-アンブロックスに生物変換することが可能である。しかしながら、より低い変換率が典型的には観察され、これは、EEH以外のホモファルネソール異性体がSHC/HAC誘導体酵素へのアクセスについてEEHと競合することがあり、それゆえにEEHから(-)-アンブロックスへの変換の競合阻害剤として作用し得るおよび/または代替的な基質としてもまた作用し得るという見解と一致している。
【0215】
従って、好ましくは、ホモファルネソール基質は2~4種の異性体、好ましくは2種の異性体の立体異性体混合物を含む。
【0216】
従って、好ましくは、ホモファルネソール基質は2~4種の異性体、好ましくは2種の異性体の立体異性体混合物からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0217】
好ましくは、ホモファルネソール基質はEE:EZ立体異性体混合物を含む。
【0218】
好ましくは、ホモファルネソール基質はEE:EZ立体異性体混合物からなるかまたは本質的にそれからなる。
【0219】
例9が示しているように、87:13の重量比のEE:EZの100%の変換が、「ワンポット」発酵および22.5日の期間行われた生物変換反応において観察された。約10gのEEHがこの期間に変換された。
【0220】
例7に詳細に記載されているように、好ましい態様においては、発酵槽を用いて、SHC/HAC誘導体遺伝子を発現しかつ活性なSHC/HAC誘導体酵素を産生する組み換えホスト細胞を、生体触媒としての使用にとって好適な十分なバイオマス濃度まで、ホモファルネソール源を副生成物(II)、(IV)、および/または(III、例えば図12に開示されている)の1種以上との混合物として(-)-アンブロックスに変換するために用いられる同じ発酵槽容器内で増殖させる。得られた(-)-アンブロックスは、蒸気抽出/蒸留または非水混和性溶媒を用いる有機溶媒抽出(水相に留まる生体触媒から反応生成物および未反応の基質を分離するため)、次に続く溶媒の蒸発によって単離されてもよく、ガスクロマトグラフィー(GC)分析によって決定される粗反応生成物を得る。蒸気抽出/蒸留および有機溶媒抽出方法は当業者に公知である。
【0221】
例として、得られた(-)-アンブロックスは、非水混和性溶媒(例えばトルエン)などの有機溶媒を用いて全反応混合物から抽出され得る。代替的には、得られた(-)-アンブロックスは、水混和性溶媒(例えばエタノール)または非水混和性溶媒(例えばトルエン)を用いて反応混合物の固相(例えば遠心または濾過によって得られる)から抽出され得る。さらなる例として、(-)-アンブロックスは結晶としてまたは非晶質形態で固相に存在し、残りの固相(細胞材料またはその破片)からおよび濾過の手段によって液相からもまた分離され得る。さらなる例として、(-)-アンブロックスの融点(大体75℃)よりも上の温度において、(-)-アンブロックスは水相の上に油層を形成することがあり、この油層は取り除かれ、集めることができる。油層が取り除かれた後の(-)-アンブロックスの完全な回収を保証するために、バイオマス中またはその上またはその周りに含有されるいずれかの残留(-)-アンブロックスを抽出するために、有機溶媒がバイオマスを含有する水相に追加され得る。有機層は、(-)-アンブロックスを単離および精製するために全部がさらに処理される前に油層と組み合わせることができる。
【0222】
(-)-アンブロックスはさらに選択的に結晶化されて、副生成物(II)、(III)、および(IV)、ならびに何らかの未反応のホモファルネソール基質は最終的な(-)-アンブロックス生成物から取り除かれてもよい。用語「選択的結晶化」は、それによって(-)-アンブロックスが溶媒からの結晶化が生じる一方で、化合物(II)、(III)、および(IV)は、単離された結晶材料が(-)-アンブロックス生成物のみを含有するか、またはそれが他の化合物(II)、(III)、または(IV)のいずれかを含有する場合には、それらは嗅覚的に許容可能な量でしか存在しない程度まで、結晶化溶媒中に溶解したままであるプロセスステップを言う。
【0223】
選択的結晶化ステップは水混和性溶媒、例えばエタノール等を用い得る。最終的な(-)-アンブロックス生成物の嗅覚的純度は、水中の10%エタノール抽出物を用いてまたは結晶材料を試験することによって決定される。最終的な(-)-アンブロックス生成物はその嗅覚的純度、質、およびその知覚的プロファイルについて(-)-アンブロックス生成物の市販の参照と対比して試験される。(-)-アンブロックス材料は、材料がその知覚刺激プロファイルに関して規格を満たすかどうかを決定するために専門家による適用研究においてもまた試験される。(-)-アンブロックスの種々の適用は、ファインフレグランスまたは消費者製品、例えばファブリックケア、トイレタリー、美容、および清掃製品を包含するが、これに限定されず、現在利用可能なアンブロックス成分が商業的に用いられている全ての製品を本質的に包含し、アンブロックス(Firmenich)、アンブロキサン(Henkel)、Ambrofix(Givaudan)、Amberlyn(Quest)、Cetalox Laevo(Firmenich)、Ambermor(Aromor)、およびNorambrenolide Ether(Pacific)製品を包含するが、これに限定されない。
【0224】
(-)-アンブロックスの選択的結晶化は、未反応のホモファルネソール基質の存在、ならびに(-)-アンブロックス対他の検出可能な副生成物(II)、(III)、および/または(IV)の比によってもまた影響され得る。(例7においてWT SHC/HAC酵素を用いて示されているように)ホモファルネソール基質から(-)-アンブロックスへの10%の変換しか得られない場合でさえも、(-)-アンブロックスの選択的結晶化はなお可能である。
【0225】
(-)-アンブロックスの抽出および/または選択的結晶化への使用に適する好適な水混和性および非水混和性有機溶媒の例は、脂肪族炭素水素、好ましくは5から8つの炭素原子を有するもの、例えばペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、またはシクロオクタン、ハロゲン化脂肪族炭素水素、好ましくは1つまたは2つの炭素原子を有するもの、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、またはテトラクロロエタン、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、またはジクロロベンゼン、脂肪族の非環式および環式エーテルもしくはアルコール、好ましくは4から8つの炭素原子を有するもの、例えばエタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはエステル、例えば酢酸エチルもしくは酢酸n-ブチル、またはケトン、例えばメチルイソブチルケトン、またはジオキサン、あるいはそれらの混合物を包含するが、これに限定されない。特に好ましく用いられる溶媒は、上述のヘプタン、(MTBE、tert-ブチルメチルエーテル、三級ブチルメチルエーテル、およびtBMEとしてもまた知られている)メチルtert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、および/またはその混合物である。
【0226】
好ましくは、エタノールなどの水混和性溶媒が反応混合物の固相からの(-)-アンブロックスの抽出に用いられる。エタノールの使用は、それが取り扱いが容易であり、それが非毒性であり、それが環境親和性であるので有利である。
【0227】
本明細書において用いられる用語「単離された」は、それに付随する構成成分から分離または精製された(-)-アンブロックスなどの生物変換生成物を言う。それが天然に起源とするソースとは異なる細胞系システムによって産生される存在物は「単離」されている。なぜならそれは、それに天然に付随する構成成分を必然的に含まないであろうからである。単離または純度の程度は、いずれかの適切な方法、例えばガスクロマトグラフィー(GC)、HPLC、またはNMR分析によって測定され得る。
【0228】
いくつかの態様において、最終生成物((-)-アンブロックス)は均質(例えば、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、もしくは89.5%純粋、または90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは99.5%純粋)になるまで単離および精製される。
【0229】
望ましくは、産生される(-)-アンブロックスの量は、約1mg/lから約20,000mg/l(20g/l)以上、例えば約20g/lから約200g/lまたは100~200g/l、好ましくは約125g/lまたは150g/lまたは約188g/lであり得る。
【0230】
例7が示しているように、少なくとも125g/lの(-)-アンブロックスが、約2日に渡ってSHC/HAC誘導体酵素を産生する組み換え大腸菌ホスト細胞を用いる生物変換反応によって産生される。
【0231】
例19が示しているように、効率的な混合が達成される場合には、188g/lのEEH以上で生物変換を実施することが可能である。なぜなら、撹拌効率はシステムの唯一の限定であるように見えるからである。加えて、(例えば、さらに改善された活性を有するSHCバリアントの観点から、または増大したSHC酵素産生の観点から)改善された活性を有する生体触媒は、より少ないバイオマスを用いて生産性を改善または維持することができ、これは混合効率に関して有利である。
【0232】
例えば、(-)-アンブロックスの約1から約100mg/l、約30から約100mg/l、約50から約200mg/l、約100から約500mg/l、約100から約1,000mg/l、約250から約5,000mg/l、約1,000(1g/l)から約15,000mg/l(15g/l)、または約2,000(2g/l)から約10,000mg/l(10g/l)または約2,000(2g/l)から約25,000mg/l(25g/l)または約2,000(2g/l)から約25,000mg/l(25g/l)、26,000mg/l(26g/l)、27,000mg/l(27g/l)、28,000mg/l(28g/l)、29,000mg/l(29g/l)、30,000mg/l(30g/l)、40g/l、50g/l、60g/l、70g/l、80g/l、90g/l、100g/l、110g/l、120g/l、125g/l、130g/l、140g/l、150g/l、160g/l、170g/l、180g/l、190g/l、または200g/lまたは300g/lまたは400g/lまたは500g/lが産生される。
【0233】
好ましくは、少なくとも100g/lの濃度の(-)-アンブロックスが48から72時間の期間内に産生される。
【0234】
好ましくは、約150g/lの濃度の(-)-アンブロックスが約48から72時間の期間内に産生される。
【0235】
好ましくは、約200g/lの濃度の(-)-アンブロックスが約48から72時間の期間内に産生される。
【0236】
好ましくは、約250g/lの濃度の(-)-アンブロックスが約48から72時間の期間内に産生される。
【0237】
当業者は、より高い累積産生力価が、連続的なプロセス、例えば生成物を取り除き、基質原料、およびバイオマス追加または(部分的な)置き換えを実行することによって達成され得るということを理解するであろう。
【0238】
好ましくは、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体を含む組み換えホスト細胞の存在下におけるEEHから(-)-アンブロックスへの生物変換は、molパーセントで与えられかつ採用されるEEHのmolに基づく5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100のアンブロックス収率を生み出す。特に好ましくは、収率は5および100、10および100、および100、25および100、30および100、35および100の間、特に40および100、45および100、50および100、60および100、70および100molパーセントの間である。
【0239】
SHC/HAC酵素の活性は、molパーセントの反応速度(生成物の量/(生成物の量+残りの出発材料の量))×100)によって定義される。好ましくは、WT SHCまたはSHC/HAC誘導体酵素の存在下におけるEEHから(-)-アンブロックスへの生物変換は、molパーセントで与えられかつ採用されるEEHのmolに基づく5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100の(-)-アンブロックス収率を産生する。特に好ましくは、収率は5および100、10および100、20および100、25および100、30および100、35および100の間、特に40および100、45および100、50および100、60および100、70および100の間である。
【0240】
本発明の好ましい態様において、収率および/または反応速度は、例えば4、6、8、10、12、16、20、24、36、または48時間という定められた期間に渡って決定され、その間にEEHは本開示に従ってWT SHCまたはSHC/HAC誘導体酵素をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えホスト細胞によって(-)-アンブロックスに変換される。さらなるバリアントにおいて、反応は例えば25℃、30℃、40℃、50℃、または60℃という細かく定められた条件下において行われる。特に、収率および/または反応速度は、24~72時間の期間に渡って35℃で本発明に従ってSHC/HAC誘導体酵素によりEEHを(-)-アンブロックスに変換する反応を行うことによって決定される。
【0241】
本発明のさらなる態様において、SHC/HAC誘導体をコードするヌクレオチド配列を含む組み換えホスト細胞は、それが、同じ条件下におけるWT SHCまたはSHC/HAC誘導体酵素と比較して、(-)-アンブロックスを与えるためのホモファルネソールの反応において2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、200、500、1000倍以上の収率および/または反応速度を示すということを特徴とする。ここで、用語条件は、基質濃度、酵素濃度、反応期間、および/または温度などの反応条件に関する。
【0242】
WT/参照SHCまたはSHC/HAC誘導体をコードするヌクレオチド配列を含む大腸菌の組み換え株によってホモファルネソールから(-)-アンブロックスを作るための生物変換プロセスの所望の開発は、(-)-アンブロックス産生のための低いコストおよび産業的に経済的なプロセスを提供し得る。
【0243】
例7が示しているように、本開示は、最適化したSHC/HAC誘導体とのインキュベーションの48時間後に、E,E-ホモファルネソール(125g/l)から(-)-アンブロックスへの100%の変換をもたらし、WT AacSHC酵素と比較してAacSHC誘導体が用いられるときには収率において8倍の改善がある(図11参照)。
【0244】
本明細書に記載されるWT参照SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体ポリペプチドの機能的ホモログもまた、組み換えホストによってアンブロックスを産生することへの使用に好適である。それゆえに、組み換えホストは、上記に記載されるポリペプチドの機能的ホモログをコードする1種以上の異種核酸(単数または複数)および/または本明細書に記載されるSHC/HAC誘導体酵素をコードする異種核酸を包含し得る。
【0245】
機能的ホモログは、参照ポリペプチドに対する配列類似性を有しかつ参照ポリペプチドの生化学的または生理学的機能(単数または複数)の1種以上を有するポリペプチドである。機能的ホモログおよび参照ポリペプチドは天然の存在するポリペプチドであってもよく、配列類似性は収束または分岐進化イベントを原因とし得る。そこで、機能的ホモログは場合によっては文献中でホモログまたはオーソログまたはパラログと呼称される。天然に存在する機能的ホモログのバリアント、例えば野生型コード配列の変異体によってコードされるポリペプチドは、それら自体が機能的ホモログであり得る。機能的ホモログはまた、ポリペプチドのコード配列の部位特異的変異導入によってまたは異なる天然に存在するポリペプチド同士のコード配列からのドメインを組み合わせること(「ドメインスワッピング」)によっても作り出され得る。本明細書に記載される機能的ホモログをコードする遺伝子を改変するための技術は公知であり、とりわけ、進化工学技術、部位特異的変異導入技術、およびランダム変異導入技術を包含し、ポリペプチドの特異的活性を増大させるか、基質特異性を変更するか、発現レベルを変更するか、細胞内の位置を変更するか、または所望の様式でポリペプチド:ポリペプチド相互作用を改変するために有用であり得る。かかる改変されたポリペプチドは機能的ホモログと考えられる。用語「機能的ホモログ」は、場合によっては、機能的に相同なポリペプチドをコードする核酸に適用される。
【0246】
機能的ホモログはヌクレオチドおよびポリペプチド配列アラインメントの分析によって同定され得る。例えば、ヌクレオチドまたはポリペプチド配列のデータベース上でクエリー(query)を実施することは、SHC誘導体ポリペプチド等をコードする核酸配列のホモログを同定し得る。
【0247】
ハイブリダイゼーションもまた、機能的ホモログを同定するためにおよび/または2つの核酸配列の間の相同性の測定として用いられ得る。本明細書において開示される蛋白質のいずれかをコードする核酸配列またはその部分が、ハイブリダイゼーションプローブとして標準的なハイブリダイゼーション技術に従って用いられ得る。試験ソース(例えば哺乳類細胞)からのDNAまたはRNAに対するプローブのハイブリダイゼーションは、試験ソース中の関連するDNAまたはRNAの存在の指標である。ハイブリダイゼーション条件は当業者に公知であり、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y., 6.3.1-6.3.6, 1991に見いだされ得る。穏やかなハイブリダイゼーション条件は、30℃の2×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーション、次に50℃の1×SSC、0.1%SDS中での洗浄と同等のものとして定義される。高度に厳しい条件は、45℃の6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーション、次に65℃の0.2×SSC、0.1%SDS中での洗浄と同等のものとして定義される。
【0248】
機能的ホモログを同定するための配列分析は、関連するアミノ酸配列を参照配列として用いる必須の(non-redundant)データベースのBLAST、Reciprocal BLAST、またはPSI-BLAST分析をもまた包含し得る。アミノ酸配列はいくつかの場合にはヌクレオチド配列から推定される。40%超の配列同一性を有するデータベース中のポリペプチドは、SHC/HAC生物変換反応への使用にとっての適性についてのさらなる評価の候補である。アミノ酸配列類似性は、保存的なアミノ酸置換、例えば1つの疎水性残基による別のものの置換または1つの極性残基による別のものの置換を可能にする。望ましい場合には、かかる候補のマニュアル検査が、さらに評価されるべき候補の数を絞り込むために行われ得る。マニュアル検査は、例えば保存された機能ドメインを有するように見える候補を選択することによって実施され得る。
【0249】
典型的には、少なくとも約30%のアミノ酸配列同一性を示すポリペプチドが、保存された領域を同定するために有用である。近縁のポリペプチドの保存された領域同士は、少なくとも30%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%のアミノ酸配列同一性を示す。いくつかの態様において、保存された領域は、少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を示す。配列同一性は、上および下で示されているように決定され得る。
【0250】
産生されるWT SHCおよび/またはSHC/HAC誘導体は、アミノ酸配列番号1もしくは配列番号2もしくは配列番号3もしくは配列番号4、またはそのバリアント、ホモログ、変異体、誘導体、もしくは断片に基づく。
【0251】
産生されるSHCは、配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4との少なくとも30%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列に基づく。
【0252】
加えて、産生される参照SHCは大腸菌から産生されるアミノ酸配列に基づく。
【0253】
「同一性パーセント(%)」は、遺伝子のヌクレオチド配列に関して、配列をアラインメントし必要な場合にはギャップを導入して最大の配列同一性パーセントを達成した後に、DNA配列中のヌクレオチドと同一である候補DNA配列中のヌクレオチドのパーセンテージとして定義され、配列同一性の一部としてのいずれかの保存的な置換は考慮しない。ヌクレオチド配列の同一性パーセントを決定する目的のためのアラインメントは、例えば公に利用可能なコンピュータソフトウェアを用いて、当分野の技能の範囲内である種々の方法で達成することができる。当業者は、比較されるべき配列同士の全長に渡って最高のアラインメントを達成するために必要とされるいずれかのアルゴリズムを包含する、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。
【0254】
用語「ポリペプチド」および「蛋白質」は本明細書において交換可能に用いられ、長さまたは翻訳後修飾にかかわらず、いずれかのペプチドによって連結されたアミノ酸鎖を意味する。
【0255】
本明細書において用いられる用語「誘導体」はバリアントを包含するが、これに限定されない。用語「誘導体」および「バリアント」は本明細書において交換可能に用いられる。
【0256】
本明細書において用いられる用語「バリアント」は、それからそれが由来するポリペプチドと比較して、アミノ酸配列の1つ以上の変化だけ異なるポリペプチドとして理解されるべきである。それからバリアントが由来するポリペプチドは親のまたは参照のポリペプチドとしてもまた公知である。典型的には、バリアントは人為的に、好ましくは遺伝子テクノロジー手段によって構築される。典型的には、それからバリアントが由来するポリペプチドは野生型蛋白質または野生型蛋白質ドメインである。しかしながら、本開示に使用可能なバリアントは、親のポリペプチドのホモログ、オーソログ、もしくはパラログから、またはバリアントが親のポリペプチドの少なくとも1種の生物学的活性を示す場合には、人為的に構築されたバリアントからもまた由来し得る。アミノ酸配列の変化はアミノ酸交換、挿入、欠失、N末端短縮、もしくはC末端短縮、またはそれらの変化のいずれかの組み合わせであってもよく、これは1つまたはいくつかの部位において起こり得る。
【0257】
好ましい態様において、本開示に使用可能なバリアントは、アミノ酸配列中の変化(すなわち交換、挿入、欠失、N末端短縮、および/またはC末端短縮)の最大で200(最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200)という合計数を示す。アミノ酸交換は保存的および/または非保存的であり得る。好ましい態様において、本開示に使用可能なバリアントは、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個のアミノ酸交換、好ましくは保存的なアミノ酸変化だけ、それからそれが由来する蛋白質またはドメインと異なる。バリアントは、加えてまたは代替的にアミノ酸の欠失を含んでもよく、これはN末端短縮、C末端短縮、もしくは内部欠失、またはそれらのいずれかの組み合わせであり得る。N末端短縮、C末端短縮、および/または内部欠失を含むかかるバリアントは本願の文脈において「欠失バリアント」または「断片」と言われる。用語「欠失バリアント」および「断片」は本明細書において交換可能に用いられる。欠失バリアントは天然に存在し得るか(例えばスプライスバリアント)、またはそれは人為的に、好ましくは遺伝子テクノロジー手段によって構築され得る。典型的には、それから欠失バリアントが由来する蛋白質または蛋白質ドメインは野生型蛋白質である。しかしながら、本開示の欠失バリアントは、親のポリペプチドのホモログ、オーソログ、もしくはパラログから由来してもよく、または欠失バリアントが親ポリペプチドの少なくとも1種の生物学的活性を示す場合には人為的に構築されたバリアントからもまた由来し得る。好ましくは、欠失バリアント(または断片)は、親ポリペプチドと比較して、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100アミノ酸の欠失をそのN末端におよび/またはそのC末端におよび/または内部に有する。
【0258】
本明細書において用いられる「バリアント」は、代替的にまたは加えて、それからそれが由来する親ポリペプチドに対する配列同一性の一定の程度によって特徴づけされ得る。本開示のWT/参照SHC/HACのバリアントまたはSHC/HAC誘導体は、それぞれの参照ポリペプチドまたはそれぞれの参照ポリヌクレオチドと少なくとも40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性という配列同一性を有し得る。
【0259】
表現「少なくとも30%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%,70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性」は、本明細書においてはポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列比較に関して用いられる。
【0260】
本明細書において開示される酵素または蛋白質のいずれかのファミリーに属するポリヌクレオチドは、それぞれ関連する遺伝子または蛋白質に対するその類似性に基づいて同定され得る。例えば、同定は配列同一性に基づき得る。ある種の好ましい態様において、本開示は、(a)配列番号5~163のポリペプチドをコードする核酸分子(本明細書において提供されている表14~17および表4a参照)、(b)配列番号6~168、169、170、172、174、および176のヌクレオチド配列(本明細書において提供されている表14~17および表4a参照)、ならびに(c)配列番号6~168、169、170、172、174、および176の少なくとも30(例えば、少なくとも30、40、50、60、80、100、125、150、175、200、250、300、400、500、600、700、800、850、900、950、1000、または1010)ヌクレオチドのセグメントを包含する核酸分子(本明細書において提供されている表14~17および表4a参照)と少なくとも30%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である、単離された核酸分子を特徴とする。
【0261】
好ましくは、当のポリペプチドおよび参照ポリペプチドは、示されている配列同一性を、20、30、40、45、50、60、70、80、90、100以上のアミノ酸の連続的伸長(stretch)に渡って示す。好ましくは、当のポリヌクレオチドおよび参照ポリヌクレオチドは、示されている配列同一性を、60、90、120、135、150、180、210、240、270、300以上のヌクレオチドの連続的伸長に渡って示す。2つの配列が比較され、かつそれと比較して配列同一性パーセンテージが計算されるべき参照配列が規定されていない場合、具体的に別様に示されていない場合には、配列同一性は、比較されるべき2つの配列のより長いものを参照して計算されるべきである。参照配列が示されている場合、具体的に別様に示されていない場合には、配列同一性は、配列番号1、2、3、および/または4によって示されている参照配列の全長に基づいて決定される。
【0262】
例えば、631アミノ酸残基を有する参照SHCの全長のアミノ酸と比較された130アミノ酸からなるペプチド配列は20.6%という配列同一性最大パーセンテージを示してもよく(130/631×100)、一方で、300アミノ酸長を有する配列は47.5%という配列同一性最大パーセンテージを示し得る(300/631×100)。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の類似性、すなわち配列同一性のパーセンテージは、配列アラインメントによって決定され得る。かかるアラインメントはいくつかの当分野において公知のアルゴリズムによって行われることができ、好ましくはKarlin and Altschul (Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877)の計算アルゴリズムによって、hmmalign(HMMERパッケージ、http:/hmmer.wustl.edu/)によって、または例えば
http:/www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw/もしくは
http:/www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2/index.htmlもしくは
http:/npsa-pbil.ibcp.fr/cgi-bin/npsa_automat.pl?page=/NPSA/npsa_clustalw.htmlにおいて利用可能なCLUSTALアルゴリズム(Thompson, J. D., Higgins, D. G. & Gibson, T. J. (1994) Nucleic Acids Res. 22, 4673-80)、または本明細書の表18に提供されているWT SHCに対する配列アラインメントに利用されたGAPプログラム(アイオワ大学の計算アルゴリズム)、または本明細書において提供されている表19のWT SHC配列アラインメントにおいて開示および利用されているMyers and Miller (1989 - Cabios 4: 11-17)の計算アルゴリズムによる。
【0263】
用いられる好ましいパラメータは、
http:/www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw/または
http:/www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2/index.html
においてそれらが設定されているデフォルトパラメータである。
【0264】
配列同一性のグレード(配列マッチ)は例えばBLAST、BLAT、またはBlastZ(もしくはBlastX)を用いて計算され得る。類似のアルゴリズムがAltschul et al (1990) J. Mol. Biol. 215, 403-410のBLASTNおよびBLASTPプログラムに組み込まれている。BLASTポリヌクレオチド検索がBLASTNプログラム、スコア=100、ワード長=12によって実施され、関連する蛋白質をコードする核酸に相同であるポリヌクレオチド配列を得る。
【0265】
BLAST蛋白質検索がBLASTPプログラム、スコア=50、ワード長=3によって実施され、SrKOポリペプチドに相同なアミノ酸配列を得る。比較目的のためにギャップありのアラインメントを得るためには、Gapped BLASTがAltschul et al (1997) Nucleic Acids Res. 25, 3389-3402に記載されているように利用される。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用するときには、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータが用いられる。配列マッチ分析は、Shuffle-LAGAN(Brudno M., Bioinformatics 2003b, 19 Suppl 1: 154-162)またはマルコフランダムフィールドのような確立された相同性マッピング技術によって補われ得る。本願において配列同一性のパーセンテージが参照されるときには、それらのパーセンテージは、具体的に別様に示されていない場合には、より長い配列の全長との関係によって計算される。
【0266】
知覚
本開示に従うホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換は主要化合物として(-)-アンブロックスを産生するが、(-)-アンブロックス以外の化合物をもまた産生することがあり、これは生物変換混合物に心地よい嗅覚的ノートを付与するかもしれずまたは付与しないかもしれず、そのため、(-)-アンブロックス最終生成物の知覚特性にポジティブなまたはネガティブな様式で寄与し得る。従って、試験が、化学的に関連するターゲット生成物が、参照生成物に対して嗅覚的に関連する最終生成物でもあるかどうかを決定する助けとなり得るように、知覚分析は、熟練の専門家(例えば香水業者)によって利用される良く確立された知覚試験を用いて行われる。例22の知覚分析が示しているように、(-)-アンブロックスからの1種以上の副生成物化合物の除去は、除去された化合物それ自体が実際には無臭の化合物である場合でさえも、残りの化合物((-)-アンブロックス)の匂いを改善し得る。すなわち、(-)-アンブロックスの匂いの増強が化合物II、III、およびIVの非存在下において観察された。
【発明を実施するための形態】
【0267】
本発明の側面
1. (-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスを含む混合物を調製するためのプロセスであって、(3E,7E)-ホモファルネソール(EEH)またはEEHを含む立体異性体の混合物が、(-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスを含む混合物に酵素的に変換され、酵素的な変換が、(-)-アンブロックスの産生にとって好適な反応条件下においてSHC/HAC酵素を用いて行われ、EEHを含む立体異性体の混合物が、それぞれ[EE:EZ]、[EE:ZE]、ならびに[EE:EZ:ZE]ともまた呼称される[(3E,7E)および[(3Z,7E)]ならびに/または[(3E,7E)および(3E,7Z)]ならびに/または[(3Z,7E)、(3E,7E)、および(3E,7Z)]からなる群から選択されるホモファルネソール異性体から本質的になる。
2. (-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスを含む混合物を調製するためのプロセスであって、(3E,7E)-ホモファルネソール(EEH)またはEEHを含む立体異性体の混合物が酵素的に変換されて、(-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスを含む混合物を与え、SHC/HAC酵素を用いる酵素的な変換が、(-)-アンブロックスの産生にとって好適な反応条件下において行われ、反応が可溶化剤の存在下において行われる場合には、Triton X-100またはタウロデオキシコール酸が野生型SHC/HAC酵素との組み合わせで用いられない。
3. (-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスを含む混合物を調製するためのプロセスであって、(3E,7E)-ホモファルネソール(EEH)またはEEHを含む立体異性体の混合物が、(-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスを含む混合物に酵素的に変換され、酵素的変換が、(-)-アンブロックスの産生にとって好適な反応条件下においてSHC/HAC酵素を用いて行われ、EEHを含む立体異性体の混合物が、それぞれ[EE:EZ]、[EE:ZE]、ならびに[EE:EZ:ZE]ともまた呼称される[(3E,7E)および[(3Z,7E)]ならびに/または[(3E,7E)および(3E,7Z)]ならびに/または[(3Z,7E)、(3E,7E)、および(3E,7Z)]からなる群から選択されるホモファルネソール異性体から本質的になり、反応が、水相、固相、および油相を含む3相システムにおいて起こる。
4. パラグラフ1またはパラグラフ2またはパラグラフ3に従うプロセスであって、プロセスが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4からなる群から選択されるSHC/HAC酵素ポリペプチド配列、あるいは表1、表5、表2、表6、表3、表7、表4、表8、もしくは表13、表14から選択されるかまたは配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、171、173、175、177、および/もしくは178から選択されるSHC/HAC誘導体、あるいは配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4と少なくとも30%の同一性、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、または少なくとも60%の同一性、または少なくとも70%の同一性、または少なくとも80%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも96%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性を有する配列を用いて行われる。
5. パラグラフ1~4のいずれか1つのプロセスであって、プロセスが、SHC/HAC酵素を産生する組み換えホスト細胞を用いる。
6. パラグラフ4またはパラグラフ5に従うプロセスであって、SHC/HAC酵素をコードするヌクレオチド配列が、配列番号165、166、167、168、169、または配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40および/もしくは170、172、174および/もしくは176からなる群から選択される。
7. パラグラフ1~6のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が30℃から60℃の範囲内の温度で約4~8の範囲内のpHにおいて起こる。
8. パラグラフ1~7のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、表24または表24aに記されている野生型SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件の1種以上を用いて、好ましくは5.0から6.2のpH範囲において、好ましくは35℃の温度で起こる。
9. パラグラフ3~8のいずれか1つに従うプロセスであって、生体触媒対EEHの比が約2:1であるときにSDS/細胞比が10:1から20:1の範囲内に、好ましくは16:1にある。
10. パラグラフ3~9のいずれか1つに従うプロセスであって、生体触媒対ホモファルネソールの重量比が約0.5~2:1の範囲内、好ましくは約1:1または0.5:1である。
11. パラグラフ3~10のいずれか1つに従うプロセスであって、細胞増殖および生物変換反応ステップが同じ反応容器内で行われる。
12. パラグラフ2に従うプロセスであって、ホモファルネソール基質が1種以上のホモファルネソール立体異性体を含む。
13. パラグラフ12に従うプロセスであって、ホモファルネソール基質が2種のホモファルネソール立体異性体を含むかまたは本質的にそれらからなる。
14. パラグラフ13に従うプロセスであって、ホモファルネソール基質がEE:EZ立体異性体を含むかまたは本質的にそれらからなる。
15. パラグラフ14のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソールが、100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、70:30、69:31、68:32、67:33、66:34、65:35、64:36、63:37、62:38、61:39、および60:40からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含むかまたは本質的にそれからなる。
16. パラグラフ15に従うプロセスであって、ホモファルネソールが、EE:EZ92:8、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含むかまたは本質的にそれからなる。
17. パラグラフ15またはパラグラフ16に従うプロセスであって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含むかまたは本質的にそれからなる。
18. パラグラフ1~17のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の少なくとも1種以上との混合物として産生される。
19. パラグラフ1~18のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップまたは濾過を用いて生物変換反応混合物から単離される。
20. パラグラフ1~19のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが、有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップを用いて生物変換反応混合物の固相から単離される。
21. パラグラフ19またはパラグラフ20に従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
22. パラグラフ21に従うプロセスであって、(-)-アンブロックスがエタノールまたはトルエンを用いて反応混合物から単離される。
23. パラグラフ19~22のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて選択的に結晶化される。
24. パラグラフ23に従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
25. パラグラフ1~24のいずれか1つに従うプロセスであって、約125~200g/lの濃度範囲内の(-)-アンブロックスが産生される。
26. パラグラフ1~25のいずれか1つの方法によって得られ得る(-)-アンブロックスであって、(-)-アンブロックスが約0.1から約0.5ng/lの匂い閾値を有する。
27. 固体形態の、好ましくは非晶質または結晶形態の、パラグラフ26の(-)-アンブロックス。
28. (-)-アンブロックスを含有する製品を作るためのプロセスであって、パラグラフ26またはパラグラフ27のいずれか1つの(-)-アンブロックスを製品に組み込むことを含む。
29. パラグラフ28のプロセスであって、製品がフレグランス製品、化粧品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品である。
30. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア製品であって、パラグラフ26またはパラグラフ27のいずれか1つの(-)-アンブロックスを含む。
31. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア組成物であって、パラグラフ26またはパラグラフ27の(-)-アンブロックスと1種以上の追加の構成成分とを含む。
32. フレグランスまたは化粧品または消費者製品、例えばファブリックケア、トイレタリー、美容、および/または清掃製品の一部としての、パラグラフ26またはパラグラフ27の(-)-アンブロックスの使用。
33. フレグランス組成物の芳香を拡張、増強、または付与するためのプロセスであって、
(a)副生成物化合物(II)、(III)、または(IV)の1種以上との混合物としての(-)-アンブロックスを含む反応混合物を調製するステップと、
【化4】
(b)副生成物化合物(II)、(III)、または(IV)の1種以上との混合物としての(-)-アンブロックスを抽出するステップと、
(c)抽出混合物から(-)-アンブロックスを選択的に結晶化するステップと、
を含むプロセスに従って産生される芳香拡張または増強生成物を前記のフレグランス組成物と混合するステップを含み、
(-)-アンブロックスが、SHC/HAC酵素を用いて(-)-アンブロックスの産生にとって好適な反応条件下において、(3E,7E)-ホモファルネソール(EEH)またはEEHを含む立体異性体の混合物の酵素的な変換によって調製され、
EEHを含む立体異性体の混合物が、それぞれ[EE:EZ]、[EE:ZE]、ならびに[EE:EZ:ZE]ともまた呼称される[(3E,7E)および[(3Z,7E)]ならびに/または[(3E,7E)および(3E,7Z)]ならびに/または[(3Z,7E)、(3E,7E)、および(3E,7Z)]からなる群から選択されるホモファルネソール異性体から本質的になる。
34. パラグラフ33のプロセスであって、反応が、水相、固相、および油相を含む3相システムにおいて起こる。
35. パラグラフ33またはパラグラフ34に従うプロセスであって、プロセスが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4からなる群から選択されるSHC/HAC酵素ポリペプチド配列、あるいは表1、表5、表2、表6、表3、表7、表4、表8、もしくは表14から選択されるかまたは配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、171、173、175、および/もしくは177から選択されるSHC/HAC誘導体、あるいは配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4と少なくとも30%の同一性、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、または少なくとも60%の同一性、または少なくとも70%の同一性、または少なくとも80%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも96%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性を有する配列を用いて行われる。
36. パラグラフ33~35のいずれか1つのプロセスであって、プロセスが、SHC/HAC酵素を産生する組み換えホスト細胞を用いる。
37. パラグラフ35またはパラグラフ36に従うプロセスであって、SHC/HAC酵素をコードするヌクレオチド配列が、配列番号165、166、167、168、169、または配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、および/もしくは170、172、174、および/もしくは176からなる群から選択される。
38. パラグラフ33~37のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃の範囲内の温度で約4~8の範囲内のpHにおいて起こる。
39. パラグラフ33~38のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、表24または表24aに記されている野生型SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件の1つ以上を用いて、好ましくは5.0から6.2のpH範囲において、好ましくは35℃の温度で起こる。
40. パラグラフ34~39のいずれか1つに従うプロセスであって、生体触媒対EEHの比が約2:1であるときにSDS/細胞比が10:1から20:1の範囲内、好ましくは16:1にある。
41. パラグラフ34~40のいずれか1つに従うプロセスであって、生体触媒対ホモファルネソールの重量比が約0.5~2:1の範囲内、好ましくは約1:1または0.5:1である。
42. パラグラフ34~41のいずれか1つに従うプロセスであって、細胞増殖および生物変換反応ステップが同じ反応容器内で行われる。
43. パラグラフ33~42のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソールが、100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、70:30、69:31、68:32、67:33、66:34、65:35、64:36、63:37、62:38、61:39、および60:40からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含むかまたは本質的にそれからなる。
44. パラグラフ43に従うプロセスであって、ホモファルネソールが、EE:EZ92:08、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含むかまたは本質的にそれからなる。
45. パラグラフ43またはパラグラフ44に従うプロセスであって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含むかまたは本質的にそれからなる。
46. パラグラフ33~45のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の少なくとも1種以上との混合物として産生される。
47. パラグラフ33~46のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップまたは濾過を用いて生物変換反応混合物から単離される。
48. パラグラフ33~47のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップを用いて生物変換反応混合物の固相から単離される。
49. パラグラフ47またはパラグラフ48に従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
50. パラグラフ49に従うプロセスであって、(-)-アンブロックスがエタノールまたはトルエンを用いて反応混合物から単離される。
51. パラグラフ47~49のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて選択的に結晶化される。
52. パラグラフ51に従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
53. パラグラフ33~52のいずれか1つに従うプロセスであって、約125~200g/lの濃度範囲内の(-)-アンブロックスが産生される。
54. パラグラフ33~53のいずれか1つに従うプロセスであって、(-)-アンブロックスが約0.1から約0.5ng/lの匂い閾値を有する。
【0268】
本発明の追加の側面
1. スクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC)/ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)誘導体であって、配列番号1に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~50個の変異を有するアミノ酸配列を含む。
2. パラグラフ1に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC誘導体が、配列番号1に対して1から40個の変異、1~30個の変異、1~20個の変異、1~10個の変異、または1~6つの変異を有するアミノ酸配列を含む。
3. パラグラフ1またはパラグラフ2に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC/HAC誘導体が、配列番号1に対して、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、または少なくとも60%の同一性、または少なくとも70%の同一性、または少なくとも80%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも96%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
4. パラグラフ3に従うSHC/HAC誘導体であって、SHCバリアントが、配列番号1と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
5. SHC/HAC誘導体であって、配列番号1に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~10個の変異を含み、SHC活性部位変異以外の1つ以上の変異がSHC酵素のドメイン2(図19および/または20)内に位置する。
6. パラグラフ1~5のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号1に対して1つ以上の変異が表1から選択され、1つの変異のみが選択される場合には、それはF601Yではない。
7. パラグラフ6に従うSHC/HAC誘導体であって、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の変異が表1または表5から選択される。
8. パラグラフ2のSHC/HAC誘導体であって、配列番号1に対して最大で6つの変異を有し、かつF129Lおよび/またはI432Tの少なくともいずれか1つ以上との組み合わせで、少なくとも置換F601YまたはM132Rを含むアミノ酸配列を含む。
9. パラグラフ7のSHC/HAC誘導体であって、配列番号1に対して最大で8つのアミノ酸変更を有し、かつ配列番号1に対して位置77、129、132、192、224、432、579、601、および605からなる群から選択される位置に1つまたは1つよりも多くのアミノ酸変更を含むアミノ酸配列を含み、SHC/HAC誘導体が配列番号1に対して増大したHAC酵素活性を有する。
10. パラグラフ9に従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号1に対して、T77A、F129L、M132R、I92V、A224V、I432T、Q579H、F601Y、および/またはF605Wからなる群から選択される1種以上の置換を含む。
11. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F601Yを含む。
12. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F129Lを含む。
13. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F601YおよびF129Lを含む。
14. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、M132RおよびI432Tを含む。
15. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにアミノ酸置換A224Vを含む。
16. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF601Yを含む。
17. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF129Lを含む。
18. パラグラフ17に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF601Yを含む。
19. パラグラフ11に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにQ579Hを含む。
20. パラグラフ10に従うSHC誘導体であって、T77AおよびI92VおよびF129Lを含む。
21. 先行するパラグラフのいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、および/または171からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
22. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC誘導体をコードする単離されたヌクレオチド配列。
23. パラグラフ22に従う単離されたヌクレオチド配列であって、ヌクレオチド配列が、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、および/または170からなる群から選択される。
24. パラグラフ22またはパラグラフ23のヌクレオチド配列を含むコンストラクト。
25. パラグラフ24に従うコンストラクトであって、パラグラフ22または23のヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含む。
26. パラグラフ25のコンストラクトであって、プロモーターが誘導性または構成的プロモーターである。
27. パラグラフ24~26のいずれか1つに従うコンストラクトを含むベクター。
28. パラグラフ27のベクターであって、ベクターがプラスミドである。
29. パラグラフ28に従うベクターであって、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞による発現に向かわせること(directing)が可能である。
30. パラグラフ24~26のいずれか1つのコンストラクトまたはパラグラフ27~29のいずれか1つに従うベクターであって、コンストラクトまたはベクターが、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞のゲノムへの統合が可能である。
31. 組み換えホスト細胞であって、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、またはパラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、またはパラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクターを含む。
32. パラグラフ31に従う組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が、属エスケリキア(Escherichia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、バシラス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、およびラクトコッカス(Lactococcus)の細菌からなる原核生物ホスト細胞の群から選択される。
33. パラグラフ32の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が大腸菌(E.coli)ホスト細胞である。
34. パラグラフ33の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞がSHC/HAC誘導体をコードする遺伝子を過剰発現する。
35. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体を調製する方法であって、SHC/HAC誘導体酵素の産生を許容する条件下において、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う1種以上の組み換えホスト細胞を培養するステップを含む。
36. パラグラフ35の方法であって、細胞培養が、生体触媒産生にとって好適な条件下において起こる。
37. (-)-アンブロックスを調製する方法であって、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞を用いて、またはWT SHC/HACをコードする配列番号169または配列番号165を含む組み換えホスト細胞を用いることによってホモファルネソールを(-)-アンブロックスに変換することを含み、WT SHC/HACが用いられる場合には、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換がTriton X-100またはタウロデオキシコール酸以外の可溶化剤によって行われる。
38. パラグラフ37に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適な生物変換反応条件下においてである。
39. パラグラフ37または38に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適なpH、温度、可溶化剤濃度において起こる。
40. パラグラフ39に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃の範囲内の温度で約4~8の範囲内のpHにおいて、WT SHC/HAC酵素についてはTriton X-100またはタウロデオキシコール酸以外の可溶化剤の存在下において起こる。
41. パラグラフ37~40のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、表24または表24aに記されているWT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件の1つ以上を用いて起こる。
42. パラグラフ37~41のいずれか1つの方法であって、生体触媒対ホモファルネソールの重量比が約0.5:1から2:1の範囲内、好ましくは約1:1または0.5:1である。
43. パラグラフ37~42のいずれか1つに従う方法であって、細胞増殖および生物変換反応ステップが同じ反応容器内で行われる。
44. パラグラフ37~43のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソール基質が1種以上のホモファルネソール立体異性体を含む。
45. パラグラフ44の方法であって、ホモファルネソール基質が2種のホモファルネソール立体異性体を含む。
46. パラグラフ45の方法であって、ホモファルネソール基質がEE:EZ立体異性体を含む。
47. パラグラフ44~46のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールが、100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、および70:30からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
48. パラグラフ47の方法であって、ホモファルネソールが、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
49. パラグラフ35または36の方法であって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
50. パラグラフ37~49のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の1種以上との混合物として産生される。
51. パラグラフ37~50のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは蒸気抽出/蒸留ステップを用いて生物変換反応混合物から単離されるか、または(-)-アンブロックス結晶が濾過の手段によって生物変換反応混合物から直接的に単離される。
52. パラグラフ51に従う方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
53. パラグラフ52の方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて選択的に結晶化される。
54. パラグラフ52または53の方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
55. パラグラフ51~54のいずれか1つの方法によって得られ得る(-)-アンブロックス。
56. 固体形態の、好ましくは非晶質または結晶形態の、パラグラフ55の(-)-アンブロックス。
57. (-)-アンブロックスを含有する製品を作るための方法であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを製品、好ましくはフレグランス製品、化粧品製品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品に組み込むことを含む。
58. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア製品であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを含む。
59. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア組成物であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスと1種以上の追加の構成成分とを含む。
60. フレグランスまたは化粧品または消費者製品、例えばファブリックケア、トイレタリー、美容、および/または清掃製品の一部としての、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスの使用。
61. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体酵素、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、パラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、パラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクター、またはパラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞、またはWT SHC/HACを発現する組み換えホスト細胞の、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換への使用であって、WT SHC/HAC 酵素が、Triton X-100以外の可溶化剤と生物変換反応に用いられる。
62. (-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスの立体異性体混合物を調製するための方法であって、(3E,7E)-ホモファルネソールまたは(3E,7E)-ホモファルネソールの立体異性体混合物が酵素的に変換されて(-)-アンブロックスまたは(-)-アンブロックスの立体異性体混合物を与え、SHC/HAC酵素を用いる酵素的な変換が、(-)-アンブロックスの産生にとって好適な反応条件下において行われ、反応が可溶化剤の存在下において行われる場合には、Triton X-100がWT SHC/HAC酵素との組み合わせで用いられない。
63. パラグラフ62に従うプロセスであって、プロセスが、AacSHC(配列番号1)、ZmoSHC1(配列番号2)、ZmoSHC2(配列番号3)、BjpSHC(配列番号4)からなる群から選択されるSHC/HAC酵素、表1、表5、表2、表6、表3、表7、表4、および/もしくは表8から選択されるSHC/HAC誘導体、または配列番号1、配列番号2、配列番号3、および/もしくは配列番号4に対して少なくとも30%の同一性、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、もしくは少なくとも60%の同一性、もしくは少なくとも70%の同一性、もしくは少なくとも80%の同一性、もしくは少なくとも90%の同一性、もしくは少なくとも95%の同一性、もしくは少なくとも96%の同一性、もしくは少なくとも97%の同一性、もしくは少なくとも98%の同一性、もしくは少なくとも99%の同一性を有する配列を用いて行われる。
64. パラグラフ63に従うプロセスであって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃の範囲内の温度で、4~8の範囲内のpHにおいて、WT SHCについてはTriton X-100以外の可溶化剤の存在下において起こる。
65. パラグラフ64に従うプロセスであって、表24または表24aに記されているWT SHC/HACまたはそれぞれのSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件が用いられる。
66. パラグラフ62~65のいずれか1つに従うプロセスであって、プロセスが、E,E-ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換に先立って、(a)WT SHCまたはSHC/HAC誘導体ポリペプチドの発現を許容する条件下において、WT SHCまたはSHC誘導体酵素を発現する1種以上の組み換えホスト細胞を培養することを含む。
67. パラグラフ66に従うプロセスであって、培養ステップおよび引き続く変換ステップが同じ反応容器内で異なる反応条件下において起こる。
68. パラグラフ67に従うプロセスであって、培養ステップが約6から約7のpH範囲においてであり、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへのステップが約4.8~5.5のpH範囲においてである。
69. パラグラフ62~68のいずれか1つに従うプロセスであって、ホモファルネソール基質がEE:EZ立体異性体を含む。
70. パラグラフ69に従うプロセスであって、ホモファルネソールが、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
71. パラグラフ70のプロセスであって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZを含む。
72. パラグラフ62~71のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の1種以上との混合物として産生される。
73. パラグラフ62~72のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが、有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップまたは濾過を用いて反応混合物から単離される。
74. パラグラフ73に従う方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
75. パラグラフ74の方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて選択的に結晶化される。
76. パラグラフ74または75の方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
77. パラグラフ72~76のいずれか1つの方法によって得られ得る(-)-アンブロックス。
78. 固体形態の、好ましくは非晶質または結晶形態の、パラグラフ26の(-)-アンブロックス。
79. 製品を作るための方法であって、パラグラフ77または78の(-)-アンブロックスを製品に組み込むことを含む。
80. パラグラフ79の方法であって、製品がフレグランス製品、化粧品製品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品である。
81. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア製品であって、パラグラフ77または78の(-)-アンブロックスを含む。
82. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア組成物であって、パラグラフ77または78の(-)-アンブロックスと追加の構成成分とを含む。
83. フレグランスまたは化粧品消費者ケア製品の一部としての、パラグラフ77または78の(-)-アンブロックスの使用。
【0269】
本発明の追加の側面(ZmoSHC1)
1. スクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC)/ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)誘導体であって、配列番号2に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~50個の変異を有するアミノ酸配列を含む。
2. パラグラフ1に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC誘導体が、配列番号2に対して1から40個の変異、1~30個の変異、1~20個の変異、1~10個の変異、または1~6つの変異を有するアミノ酸配列を含む。
3. パラグラフ1またはパラグラフ2に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC/HAC誘導体が、配列番号2に対して、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、または少なくとも60%の同一性、または少なくとも70%の同一性、または少なくとも80%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも96%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
4. パラグラフ3に従うSHC/HAC誘導体であって、SHCバリアントが、配列番号2と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
5. SHC/HAC誘導体であって、配列番号2に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~10個の変異を含み、SHC活性部位変異以外の1つ以上の変異がSHC酵素のドメイン2(図19および/または20)内に位置する。
6. パラグラフ1~5のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号2に対して1つ以上の変異が表2から選択され、1つの変異のみが選択される場合には、それはF668Yではない。
7. パラグラフ6のSHC/HAC誘導体であって、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の変異が表2および/または表6から選択される。
8. パラグラフ2のSHC/HAC誘導体であって、配列番号2に対して最大で6つの変異を有し、かつF182Lおよび/またはI498Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F668YまたはY185Rを含むアミノ酸配列を含む。
9. パラグラフ7のSHC/HAC誘導体であって、配列番号2に対して最大で8つのアミノ酸変更を有し、かつ配列番号2に対して位置129、145、182、185、282、498、647、および668からなる群から選択される位置に1つ以上のアミノ酸変更を含むアミノ酸配列を含み、SHC/HAC誘導体が配列番号2に対して増大したHAC酵素活性を有する。
10. パラグラフ9に従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号2に対して、S129A、V145V、F182L、Y185R、G282V、I498T、H646H、およびF668Yからなる群から選択される1種以上の置換を含む。
11. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F668Yを含む。
12. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F182Lを含む。
13. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F668YおよびF182Lを含む。
14. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、Y185RおよびI498Tを含む。
15. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにG282Vを含む。
16. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF668Yを含む。
17. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF182Lを含む。
18. パラグラフ17に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF668Yを含む。
19. パラグラフ11に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにH646Hを含む。
20. パラグラフ10に従うSHC誘導体であって、S129AおよびV145VおよびF182Lを含む。
21. 先行するパラグラフのいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、および/または75からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
22. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC誘導体をコードする単離されたヌクレオチド配列。
23. パラグラフ22に従う単離されたヌクレオチド配列であって、ヌクレオチド配列が、配列番号42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、および/または76からなる群から選択される。
24. パラグラフ22またはパラグラフ23のヌクレオチド配列を含むコンストラクト。
25. パラグラフ24に従うコンストラクトであって、パラグラフ22または23のヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含む。
26. パラグラフ25のコンストラクトであって、プロモーターが誘導性または構成的プロモーターである。
27. パラグラフ24~26のいずれか1つに従うコンストラクトを含むベクター。
28. パラグラフ27のベクターであって、ベクターがプラスミドである。
29. パラグラフ28に従うベクターであって、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞による発現に向かわせることが可能である。
30. パラグラフ24~26のいずれか1つのコンストラクトまたはパラグラフ27~29のいずれか1つに従うベクターであって、コンストラクトまたはベクターが、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞のゲノムへの統合が可能である。
31. 組み換えホスト細胞であって、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、またはパラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、またはパラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクターを含む。
32. パラグラフ31に従う組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が、属エスケリキア(Escherichia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、バシラス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、およびラクトコッカス(Lactococcus)の細菌からなる原核生物ホスト細胞の群から選択される。
33. パラグラフ32の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が大腸菌ホスト細胞である。
34. パラグラフ33の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞がSHC/HAC誘導体をコードする遺伝子を過剰発現する。
35. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体を調製する方法であって、SHC/HAC誘導体酵素の産生を許容する条件下において、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う1種以上の組み換えホスト細胞を培養するステップを含む。
36. パラグラフ35の方法であって、細胞培養が、生体触媒産生にとって好適な条件下において起こる。
37. (-)-アンブロックスを調製する方法であって、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞を用いて、またはWT SHC/HACをコードする配列番号166を含む組み換えホスト細胞を用いることによってホモファルネソールを(-)-アンブロックスに変換することを含み、WT SHC/HACが用いられる場合には、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換がTriton X-100以外の可溶化剤によって行われる。
38. パラグラフ37に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適な生物変換反応条件下においてである。
39. パラグラフ37または38に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適なpH、温度、可溶化剤濃度において起こる。
40. パラグラフ39に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃の範囲内の温度で約4~8の範囲内のpHにおいて、WT SHC/HAC酵素についてはTriton X-100以外の可溶化剤の存在下において起こる。
41. パラグラフ37~40のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、表24または表24aに記されているWT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件の1つ以上を用いて起こる。
42. パラグラフ37~41のいずれか1つの方法であって、生体触媒対ホモファルネソールの重量比が約0.5:1から2:1の範囲内、好ましくは約1:1または0.5:1である。
43. パラグラフ37~42のいずれか1つに従う方法であって、細胞増殖および生物変換反応ステップが同じ反応容器内で行われる。
44. パラグラフ37~43のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソール基質が1種以上のホモファルネソール立体異性体を含む。
45. パラグラフ44の方法であって、ホモファルネソール基質が2種のホモファルネソール立体異性体を含む。
46. パラグラフ45の方法であって、ホモファルネソール基質がEE:EZ立体異性体を含む。
47. パラグラフ44~46のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールが、100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、および70:30からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
48. パラグラフ47の方法であって、ホモファルネソールが、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
49. パラグラフ35または36の方法であって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
50. パラグラフ37~49のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の1種以上との混合物として産生される。
51. パラグラフ37~50のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップまたは濾過を用いて生物変換反応混合物から単離される。
52. パラグラフ51に従う方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
53. パラグラフ52の方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて(-)-アンブロックスから選択的に結晶化される。
54. パラグラフ52または53の方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
55. パラグラフ51~54のいずれか1つの方法によって得られ得る(-)-アンブロックス。
56. 固体形態の、好ましくは非晶質または結晶形態の、パラグラフ55の(-)-アンブロックス。
57. (-)-アンブロックスを含有する製品を作るための方法であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを製品、好ましくはフレグランス製品、化粧品製品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品に組み込むことを含む。
58. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア製品であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを含む。
59. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア組成物であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスと1種以上の追加の構成成分とを含む。
60. フレグランスまたは化粧品または消費者製品、例えばファブリックケア、トイレタリー、美容、および/または清掃製品の一部としての、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスの使用。
61. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体酵素、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、パラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、パラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクター、またはパラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞、またはWT SHC/HACを発現する組み換えホスト細胞の、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換への使用であって、WT SHC/HAC酵素が、Triton X-100以外の可溶化剤と生物変換反応に用いられる。
【0270】
本発明のさらなる側面(ZmoSHC2)
1. スクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC)/ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)誘導体であって、配列番号3に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~50個の変異を有するアミノ酸配列を含む。
2. パラグラフ1に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC誘導体が、配列番号3に対して1から40個の変異、1~30個の変異、1~20個の変異、1~10個の変異、または1~6つの変異を有するアミノ酸配列を含む。
3. パラグラフ1またはパラグラフ2に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC/HAC誘導体が、配列番号3に対して、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、または少なくとも60%の同一性、または少なくとも70%の同一性、または少なくとも80%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも96%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
4. パラグラフ3に従うSHC/HAC誘導体であって、SHCバリアントが配列番号3との少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
5. SHC/HAC誘導体であって、配列番号3に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~10個の変異を含み、SHC活性部位変異以外の1つ以上の変異がSHC酵素のドメイン2(図19および/または20)内に位置する。
6. パラグラフ1~5のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号3に対して1つ以上の変異が表3から選択され、1つの変異のみが選択される場合には、それはF620Yではない。
7. パラグラフ6のSHC/HAC誘導体であって、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の変異が表3および/または表7から選択される。
8. パラグラフ2のSHC/HAC誘導体であって、配列番号3に対して最大で6つの変異を有し、かつF137Lおよび/またはI450Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F620YまたはI140Rを含むアミノ酸配列を含む。
9. パラグラフ7のSHC/HAC誘導体であって、配列番号3に対して最大で8つのアミノ酸変更を有し、かつ配列番号3に対して位置85、100、137、140、233、450、598、および620からなる群から選択される位置に1つ以上のアミノ酸変更を含むアミノ酸配列を含み、SHC/HAC誘導体が配列番号3に対して増大したHAC酵素活性を有する。
10. パラグラフ9に従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号3に対して、G85A、V100V、F137L、I140R、V233V、I450T、N598H、およびF620Yからなる群から選択される1種以上の置換を含む。
11. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F620Yを含む。
12. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F137Lを含む。
13. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F620YおよびF137Lを含む。
14. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、I140RおよびI450Tを含む。
15. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにV233Vを含む。
16. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF620Yを含む。
17. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF137Lを含む。
18. パラグラフ17に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF620Yを含む。
19. パラグラフ11に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにN598Hを含む。
20. パラグラフ10に従うSHC誘導体であって、G85AおよびV100VおよびF137Lを含む。
21. 先行するパラグラフのいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、および/または111からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
22. 単離されたヌクレオチド配列であって、パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC誘導体をコードする。
23. パラグラフ22に従う単離されたヌクレオチド配列であって、ヌクレオチド配列が、配列番号78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、および/または112からなる群から選択される。
24. パラグラフ22またはパラグラフ23のヌクレオチド配列を含むコンストラクト。
25. パラグラフ24に従うコンストラクトであって、パラグラフ22または23のヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含む。
26. パラグラフ25のコンストラクトであって、プロモーターが誘導性または構成的プロモーターである。
27. パラグラフ24~26のいずれか1つに従うコンストラクトを含むベクター。
28. パラグラフ27のベクターであって、ベクターがプラスミドである。
29. パラグラフ28に従うベクターであって、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞における発現に向かわせることが可能である。
30. パラグラフ24~26のいずれか1つのコンストラクトまたはパラグラフ27~29のいずれか1つに従うベクターであって、コンストラクトまたはベクターが、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞のゲノムへの統合が可能である。
31. 組み換えホスト細胞であって、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、またはパラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、またはパラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクターを含む。
32. パラグラフ31に従う組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が、属エスケリキア(Escherichia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、バシラス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、およびラクトコッカス(Lactococcus)の細菌からなる原核生物ホスト細胞の群から選択される。
33. パラグラフ32の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が大腸菌ホスト細胞である。
34. パラグラフ33の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞がSHC/HAC誘導体をコードする遺伝子を過剰発現する。
35. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体を調製する方法であって、(a)SHC/HAC誘導体酵素の産生を許容する条件下において、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う1種以上の組み換えホスト細胞を培養するステップを含む。
36. パラグラフ35の方法であって、細胞培養が生体触媒産生にとって好適な条件下において起こる。
37. (-)-アンブロックスを調製するための方法であって、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞を用いて、またはWT SHC/HACをコードする配列番号167を含む組み換えホスト細胞を用いることによってホモファルネソールを(-)-アンブロックスに変換することを含み、WT SHC/HACが用いられる場合には、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換がTriton X-100以外の可溶化剤によって行われる。
38. パラグラフ37に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適な生物変換反応条件下においてである。
39. パラグラフ37または38に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適なpH、温度、可溶化剤濃度において起こる。
40. パラグラフ39に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃の範囲内の温度で、約4~8の範囲内のpHにおいて、WT SHC/HAC酵素についてはTriton X-100以外の可溶化剤の存在下において起こる。
41. パラグラフ37~40のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、表24または表24aに記されているWT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件の1つ以上を用いて起こる。
42. パラグラフ37~41のいずれか1つの方法であって、生体触媒対ホモファルネソールの重量比が約0.5:1から2:1の範囲内、好ましくは約1:1または0.5:1である。
43. パラグラフ37~42のいずれか1つに従う方法であって、細胞増殖および生物変換反応ステップが同じ反応容器内で行われる。
44. パラグラフ37~43のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソール基質が1種以上のホモファルネソール立体異性体を含む。
45. パラグラフ44の方法であって、ホモファルネソール基質が2種のホモファルネソール立体異性体を含む。
46. パラグラフ45の方法であって、ホモファルネソール基質がEE:EZ立体異性体を含む。
47. パラグラフ44~46のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールが、100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、および70:30からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
48. パラグラフ47の方法であって、ホモファルネソールが、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
49. パラグラフ35または36の方法であって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
50. パラグラフ37~49のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の1種以上との混合物として産生される。
51. パラグラフ37~50のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップまたは濾過を用いて生物変換反応混合物から単離される。
52. パラグラフ51に従う方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
53. パラグラフ52の方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて(-)-アンブロックスから選択的に結晶化される。
54. パラグラフ52または53の方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
55. パラグラフ51~54のいずれか1つの方法によって得られ得る(-)-アンブロックス。
56. 固体形態の、好ましくは非晶質または結晶形態の、パラグラフ55の(-)-アンブロックス。
57. (-)-アンブロックスを含有する製品を作るための方法であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを製品、好ましくはフレグランス製品、化粧品製品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品に組み込むことを含む。
58. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア製品であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを含む。
59. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア組成物であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスと1種以上の追加の構成成分とを含む。
60. フレグランスまたは化粧品または消費者製品、例えばファブリックケア、トイレタリー、美容、および/または清掃製品の一部としての、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスの使用。
61. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体酵素、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、パラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、パラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクター、またはパラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞、またはWT SHC/HACを発現する組み換えホスト細胞の、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換への使用であって、WT SHC/HAC酵素が、Triton X-100以外の可溶化剤と生物変換反応に用いられる。
【0271】
本発明の追加の側面(BJpSHC)
1. スクアレン-ホペンシクラーゼ(SHC)/ホモファルネソール-アンブロックスシクラーゼ(HAC)誘導体であって、配列番号4に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~50個の変異を有するアミノ酸配列を含む。
2. パラグラフ1に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC誘導体が、配列番号4に対して1から40個の変異、1~30個の変異、1~20個の変異、1~10個の変異、または1~6つの変異を有するアミノ酸配列を含む。
3. パラグラフ1またはパラグラフ2に従うSHC/HAC誘導体であって、SHC/HAC誘導体が、配列番号4に対して、少なくとも40%の同一性、少なくとも50%の同一性、または少なくとも60%の同一性、または少なくとも70%の同一性、または少なくとも80%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも96%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
4. パラグラフ3に従うSHC/HAC誘導体であって、SHCバリアントが配列番号4との少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
5. SHC/HAC誘導体であって、配列番号4に対して、置換、欠失、または挿入から独立して選択される1~10個の変異を含み、SHC活性部位変異以外の1つ以上の変異がSHC酵素のドメイン2(図19および/または20)内に位置する。
6. パラグラフ1~5のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号4に対して1つ以上の変異が表4から選択され、1つの変異のみが選択される場合には、それはF628Yではない。
7. パラグラフ6のSHC/HAC誘導体であって、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の変異が表4および/または表8から選択される。
8. パラグラフ2のSHC/HAC誘導体であって、配列番号4に対して最大で6つの変異を有し、かつF137Lおよび/またはI450Tの少なくともいずれか1種以上との組み合わせで、少なくとも置換F628YまたはI140Rを含むアミノ酸配列を含む。
9. パラグラフ7のSHC/HAC誘導体であって、配列番号4に対して最大で8つのアミノ酸変更を有し、かつ配列番号4に対して位置88、104、141、144、241、459、607、および628からなる群から選択される位置に1つまたは1つよりも多くのアミノ酸変更を含むアミノ酸配列を含み、SHC/HAC誘導体が配列番号4に対して増大したHAC酵素活性を有する。
10. パラグラフ9に従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号4に対して、A88A、V104V、F141L、Y144R、V241V、I459T、M607H、およびF628Yからなる群から選択される1種以上の置換を含む。
11. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F628Yを含む。
12. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F141Lを含む。
13. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、F628YおよびF141Lを含む。
14. パラグラフ10に従うSHC/HAC誘導体であって、Y144RおよびI459Tを含む。
15. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにV241Vを含む。
16. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF628Yを含む。
17. パラグラフ14に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF141Lを含む。
18. パラグラフ17に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにF628Yを含む。
19. パラグラフ11に従うSHC/HAC誘導体であって、さらにM607Hを含む。
20. パラグラフ10に従うSHC誘導体であって、S129AおよびV145VおよびF182Lを含む。
21. 先行するパラグラフのいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体であって、配列番号113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、および/または147からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
22. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC誘導体をコードする単離されたヌクレオチド配列。
23. パラグラフ22に従う単離されたヌクレオチド配列であって、ヌクレオチド配列が、配列番号114、116、118、120、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、および/または148からなる群から選択される。
24. パラグラフ22またはパラグラフ23のヌクレオチド配列を含むコンストラクト。
25. パラグラフ24に従うコンストラクトであって、パラグラフ22または23のヌクレオチド配列に機能的に連結されたプロモーターを含む。
26. パラグラフ25のコンストラクトであって、プロモーターが誘導性または構成的プロモーターである。
27. パラグラフ24~26のいずれか1つに従うコンストラクトを含むベクター。
28. パラグラフ27のベクターであって、ベクターがプラスミドである。
29. パラグラフ28に従うベクターであって、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞による発現に向かわせることが可能である。
30. パラグラフ24~26のいずれか1つのコンストラクトまたはパラグラフ27~29のいずれか1つに従うベクターであって、コンストラクトまたはベクターが、原核生物、酵母、植物、および昆虫ホスト細胞から選択されるホスト細胞のゲノムへの統合が可能である。
31. 組み換えホスト細胞であって、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、またはパラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、またはパラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクターを含む。
32. パラグラフ31に従う組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が、属エスケリキア(Escherichia)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、バシラス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、およびラクトコッカス(Lactococcus)の細菌からなる原核生物ホスト細胞の群から選択される。
33. パラグラフ32の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞が大腸菌ホスト細胞である。
34. パラグラフ33の組み換えホスト細胞であって、ホスト細胞がSHC/HAC誘導体をコードする遺伝子を過剰発現する。
35. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体を調製する方法であって、(a)SHC/HAC誘導体酵素の産生を許容する条件下において、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う1種以上の組み換えホスト細胞を培養するステップを含む。
36. パラグラフ35の方法であって、細胞培養が生体触媒産生にとって好適な条件下において起こる。
37. (-)-アンブロックスを調製する方法であって、パラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞を用いて、またはWT SHC/HACをコードする配列番号168を含む組み換えホスト細胞を用いることによってホモファルネソールを(-)-アンブロックスに変換することを含み、WT SHC/HACが用いられる場合には、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換がTriton X-100以外の可溶化剤によって行われる。
38. パラグラフ37に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適な生物変換反応条件下においてである。
39. パラグラフ37または38に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、WT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素にとって好適なpH、温度、可溶化剤濃度において起こる。
40. パラグラフ39に従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、30℃から60℃の範囲内の温度で、約4~8の範囲内のpHにおいて、WT SHC/HAC酵素についてはTriton X-100以外の可溶化剤の存在下において起こる。
41. パラグラフ37~40のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換が、表24または表24aに記されているWT SHC/HACまたはSHC/HAC誘導体酵素のための反応条件の1つ以上を用いて起こる。
42. パラグラフ37~41のいずれか1つの方法であって、生体触媒対ホモファルネソールの重量比が約0.5:1から2:1の範囲内、好ましくは約1:1または0.5:1である。
43. パラグラフ37~42のいずれか1つに従う方法であって、細胞増殖および生物変換反応ステップが同じ反応容器内で行われる。
44. パラグラフ27~31のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソール基質が1種以上のホモファルネソール立体異性体を含む。
45. パラグラフ44の方法であって、ホモファルネソール基質が2種のホモファルネソール立体異性体を含む。
46. パラグラフ45の方法であって、ホモファルネソール基質がEE:EZ立体異性体を含む。
47. パラグラフ44~46のいずれか1つに従う方法であって、ホモファルネソールが、100:00、99:01、98:02、97:03、96:04、95:05、94:06、93:07、92:08、91:09、90:10、89:11、88:12、87:13、86:14、85:15、84:16、83:17、82:18、81:19、80:20、79:21、78:22、77:23、76:24、75:25、74:26、73:27、72:28、71:29、および70:30からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
48. パラグラフ47の方法であって、ホモファルネソールが、EE:EZ90:10、EE:EZ80:20、EE:EZ86:14、EE:EZ70:30、EE:EZ69:31、およびEE:EZ66:34からなる群から選択される重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
49. パラグラフ35または36の方法であって、ホモファルネソールが80:20の重量比でEE:EZ立体異性体混合物を含む。
50. パラグラフ37~49のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)の1種以上との混合物として産生される。
51. パラグラフ37~50のいずれか1つの方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒もしくは水蒸気抽出/蒸留ステップまたは濾過を用いて生物変換反応混合物から単離される。
52. パラグラフ51に従う方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて反応混合物から単離される。
53. パラグラフ52の方法であって、(-)-アンブロックスが有機溶媒を用いて(-)-アンブロックスから選択的に結晶化される。
54. パラグラフ52または53の方法であって、(-)-アンブロックスが副生成物(II)、(IV)、および/または(III)を実質的に含まない。
55. パラグラフ51~54のいずれか1つの方法によって得られ得る(-)-アンブロックス。
56. 固体形態の、好ましくは非晶質または結晶形態の、パラグラフ55の(-)-アンブロックス。
57. (-)-アンブロックスを含有する製品を作るための方法であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを製品、好ましくはフレグランス製品、化粧品製品、清掃製品、洗剤製品、または石鹸製品に組み込むことを含む。
58. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア製品であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスを含む。
59. フレグランスもしくは化粧品または消費者ケア組成物であって、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスと1種以上の追加の構成成分とを含む。
60. フレグランスまたは化粧品または消費者製品、例えばファブリックケア、トイレタリー、美容、および/または清掃製品の一部としての、パラグラフ55または56の(-)-アンブロックスの使用。
61. パラグラフ1~21のいずれか1つに従うSHC/HAC誘導体酵素、パラグラフ22もしくは23に従うヌクレオチド配列、パラグラフ24~26もしくは30のいずれか1つに従うコンストラクト、パラグラフ27~30のいずれか1つに従うベクター、またはパラグラフ31~34のいずれか1つに従う組み換えホスト細胞、またはWT SHC/HACを発現する組み換えホスト細胞の、ホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換への使用であって、WT SHC/HAC酵素がTriton X-100以外の可溶化剤と生物変換反応に用いられる。
【0272】
別の側面においては、本明細書に記載されるSHCまたは誘導体のアミノ酸配列によるSHCの構造座標に基づくSHCの結晶モデル構造(CMS)が提供される。SHCのCMSは、スクアレン/ホモファルネソール結合ポケット(SHBP)を含むスクアレン/ホモファルネソール結合ポケットドメイン(SHBD)とSBDに結合したスクアレン/ホモファルネソール基質とを含む(例えば図19および20参照)。このSHC結晶モデル構造(CMS)は潜在的なSHC/HAC誘導体酵素候補のインシリコ試験を容易にする。
【0273】
それゆえに、なお他の態様において、本開示はSHBDに結合することが可能な酵素(例えばSHC/HAC誘導体)をスクリーニングする方法を提供し、方法はSHC/HACのCMSの使用を含む。別の側面において、本開示はSHBPに結合することが可能な酵素(例えば参照SHCまたはSHC/HAC誘導体)をスクリーニングするための方法を提供し、方法は、SHBPを試験化合物(例えばSHC誘導体)と接触させることと前記試験化合物が前記SHBPに結合するかどうかを決定することとを含む。いくつかの態様において、方法は、SHC誘導体酵素の活性を調節することに有用な試験化合物(例えば調節薬)をスクリーニングすることである。
【0274】
別の側面において、本開示は、スクアレン/ホモファルネソール結合ドメイン(SHBD)を有する参照SHCおよび/またはSHC/HAC誘導体の分子的特徴および/または分子間相互作用を予測、シミュレーション、またはモデリングするための方法を提供し、これはコンピュータモデルの使用を含み、前記コンピュータモデルは、上で定義されているスクアレン/ホモファルネソール結合ドメインの構造座標を含むか、用いるか、または描画して、前記リガンド結合ドメインのイメージを提供し、任意に前記イメージを表示する。
【0275】
本明細書および次の請求項において、文脈が別様に要求しない限り、単語「含む(comprise)」ならびに「comprises」および「comprising」などの変形は、いずれかの他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群の除外ではなく、記載される整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群の包含を含意すると理解される。用語「含む」は「包含する」および「からなる」をもまた意味する。例えば、Xを「含む」組成物はもっぱらXからなり得るか、または追加の何かを包含してもよく、例えばX+Yである。本明細書および添付の請求項において用いられる単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明白に別様に書かれていない限り複数の指示物を包含するということにもまた注意しなければならない。例として、「遺伝子」または「酵素」への言及は「1種以上の遺伝子」または「1種以上の酵素」への言及である。
【0276】
本開示が、それらが変わり得るような本明細書に記載されている特定の方法論、プロトコール、および試薬に限定されないということが理解されるべきである。本明細書において用いられる専門用語は特定の態様を記載する目的のみのためであり、添付の請求項によってのみ限定される本開示の範囲を限定することは意図されていないということもまた理解されるべきである。別様に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術および科学用語は当業者によって一般に理解される同じ意味を有する。本開示に従って、従来の分子生物学、微生物学、および組み換えDNA技術が採用されてもよく、これは当分野の技能のうちである。
【0277】
本開示は、その適用について、下記記載に記載されるかまたは図面に図示される構成成分の構築および配置の詳細に限定されない。本開示は、他の態様が可能であり、および種々のやり方で実施または行われることが可能である。本明細書において用いられる言い回しおよび専門用語もまた説明の目的のためであって、限定と見なされるべきではない。
【0278】
好ましくは、本明細書において用いられる用語は"A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)", Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Kolbl, H. eds. (1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland)に記載されているように定義される。
【0279】
いくつかの文献が本明細書の本文中で引用されている。本明細書において引用される文献(全ての特許、特許出願、科学的な発表、製造者の仕様書、説明書、GenBankアクセッション番号、配列のサブミッションなどを包含する)のそれぞれは、上記または下記にかかわらず、その全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【0280】
本明細書に記載される例は本開示について例示的であり、それの限定であることは意図されていない。本開示の異なる態様を本開示に従って記載した。多くの改変および変形は、本開示の趣旨および範囲から外れることなしに本明細書に記載および図示される技術になり得る。従って、例は例示的であるに過ぎず、本開示の範囲の限定ではないということが理解されるべきである。
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0281】
配列番号1(アリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius))、AacSHC
MAEQLVEAPAYARTLDRAVEYLLSCQKDEGYWWGPLLSNVTMEAEYVLLCHILDRVDRDRMEKIRRYLLHEQREDGTWALYPGGPPDLDTTIEAYVALKYIGMSRDEEPMQKALRFIQSQGGIESSRVFTRMWLALVGEYPWEKVPMVPPEIMFLGKRMPLNIYEFGSWARATVVALSIVMSRQPVFPLPERARVPELYETDVPPRRRGAKGGGGWIFDALDRALHGYQKLSVHPFRRAAEIRALDWLLERQAGDGSWGGIQPPWFYALIALKILDMTQHPAFIKGWEGLELYGVELDYGGWMFQASISPVWDTGLAVLALRAAGLPADHDRLVKAGEWLLDRQITVPGDWAVKRPNLKPGGFAFQFDNVYYPDVDDTAVVVWALNTLRLPDERRRRDAMTKGFRWIVGMQSSNGGWGAYDVDNTSDLPNHIPFCDFGEVTDPPSEDVTAHVLECFGSFGYDDAWKVIRRAVEYLKREQKPDGSWFGRWGVNYLYGTGAVVSALKAVGIDTREPYIQKALDWVEQHQNPDGGWGEDCRSYEDPAYAGKGASTPSQTAWALMALIAGGRAESEAARRGVQYLVETQRPDGGWDEPYYTGTGFPGDFYLGYTMYRHVFPTLALGRYKQAIERR
配列番号2(ジモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis))、ZmoSHC1
MGIDRMNSLSRLLMKKIFGAEKTSYKPASDTIIGTDTLKRPNRRPEPTAKVDKTIFKTMGNSLNNTLVSACDWLIGQQKPDGHWVGAVESNASMEAEWCLALWFLGLEDHPLRPRLGNALLEMQREDGSWGVYFGAGNGDINATVEAYAALRSLGYSADNPVLKKAAAWIAEKGGLKNIRVFTRYWLALIGEWPWEKTPNLPPEIIWFPDNFVFSIYNFAQWARATMVPIAILSARRPSRPLRPQDRLDELFPEGRARFDYELPKKEGIDLWSQFFRTTDRGLHWVQSNLLKRNSLREAAIRHVLEWIIRHQDADGGWGGIQPPWVYGLMALHGEGYQLYHPVMAKALSALDDPGWRHDRGESSWIQATNSPVWDTMLALMALKDAKAEDRFTPEMDKAADWLLARQVKVKGDWSIKLPDVEPGGWAFEYANDRYPDTDDTAVALIALSSYRDKEEWQKKGVEDAITRGVNWLIAMQSECGGWGAFDKDNNRSILSKIPFCDFGESIDPPSVDVTAHVLEAFGTLGLSRDMPVIQKAIDYVRSEQEAEGAWFGRWGVNYIYGTGAVLPALAAIGEDMTQPYITKACDWLVAHQQEDGGWGESCSSYMEIDSIGKGPTTPSQTAWALMGLIAANRPEDYEAIAKGCHYLIDRQEQDGSWKEEEFTGTGFPGYGVGQTIKLDDPALSKRLLQGAELSRAFMLRYDFYRQFFPIMALSRAERLIDLNN
配列番号3(ジモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis))、ZmoSHC2
MTVSTSSAFHHSPLSDDVEPIIQKATRALLEKQQQDGHWVFELEADATIPAEYILLKHYLGEPEDLEIEAKIGRYLRRIQGEHGGWSLFYGGDLDLSATVKAYFALKMIGDSPDAPHMLRARNEILARGGAMRANVFTRIQLALFGAMSWEHVPQMPVELMLMPEWFPVHINKMAYWARTVLVPLLVLQALKPVARNRRGILVDELFVPDVLPTLQESGDPIWRRFFSALDKVLHKVEPYWPKNMRAKAIHSCVHFVTERLNGEDGLGAIYPAIANSVMMYDALGYPENHPERAIARRAVEKLMVLDGTEDQGDKEVYCQPCLSPIWDTALVAHAMLEVGGDEAEKSAISALSWLKPQQILDVKGDWAWRRPDLRPGGWAFQYRNDYYPDVDDTAVVTMAMDRAAKLSDLHDDFEESKARAMEWTIGMQSDNGGWGAFDANNSYTYLNNIPFADHGALLDPPTVDVSARCVSMMAQAGISITDPKMKAAVDYLLKEQEEDGSWFGRWGVNYIYGTWSALCALNVAALPHDHLAVQKAVAWLKTIQNEDGGWGENCDSYALDYSGYEPMDSTASQTAWALLGLMAVGEANSEAVTKGINWLAQNQDEEGLWKEDYYSGGGFPRVFYLRYHGYSKYFPLWALARYRNLKKANQPIVHYGM
配列番号4(ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum))、BjpSHC
MTVTSSASARATRDPGNYQTALQSTVRAAADWLIANQKPDGHWVGRAESNACMEAQWCLALWFMGLEDHPLRKRLGQSLLDSQRPDGAWQVYFGAPNGDINATVEAYAALRSLGFRDDEPAVRRAREWIEAKGGLRNIRVFTRYWLALIGEWPWEKTPNIPPEVIWFPLWFPFSIYNFAQWARATLMPIAVLSARRPSRPLPPENRLDALFPHGRKAFDYELPVKAGAGGWDRFFRGADKVLHKLQNLGNRLNLGLFRPAATSRVLEWMIRHQDFDGAWGGIQPPWIYGLMALYAEGYPLNHPVLAKGLDALNDPGWRVDVGDATYIQATNSPVWDTILTLLAFDDAGVLGDYPEAVDKAVDWVLQRQVRVPGDWSMKLPHVKPGGWAFEYANNYYPDTDDTAVALIALAPLRHDPKWKAKGIDEAIQLGVDWLIGMQSQGGGWGAFDKDNNQKILTKIPFCDYGEALDPPSVDVTAHIIEAFGKLGISRNHPSMVQALDYIRREQEPSGPWFGRWGVNYVYGTGAVLPALAAIGEDMTQPYIGRACDWLVAHQQADGGWGESCASYMDVSAVGRGTTTASQTAWALMALLAANRPQDKDAIERGCMWLVERQSAGTWDEPEFTGTGFPGYGVGQTIKLNDPALSQRLMQGPELSRAFMLRYGMYRHYFPLMALGRALRPQSHS
配列番号149(バークホルデリア・アンビファリア(Burkholderia ambifaria))
MNDLTEMATLSAGTVPAGLDAAVASATDALLAAQNADGHWVYELEADSTIPAEYVLLVHYLGETPNLELEQKIGRYLRRVQQADGGWPLFTDGAPNISASVKAYFALKVIGDDENAEHMQRARRAIQAMGGAEMSNVFTRIQLALYGAIPWRAVPMMPVEIMLLPQWFPFHLSKVSYWARTVIVPLLVLNAKRPIAKNPRGVRIDELFVDPPVNAGLLPRQGHQSPGWFAFFRVVDHALRAADGLFPNYTRERAIRQAVSFVDERLNGEDGLGAIYPAMANAVMMYDVLGYAEDHPNRAIARKSIEKLLVVQEDEAYCQPCLSPVWDTSLAAHALLETGDARAEEAVIRGLEWLRPLQILDVRGDWISRRPHVRPGGWAFQYANPHYPDVDDTAVVAVAMDRVQKLKHNDAFRDSIARAREWVVGMQSSDGGWGAFEPENTQYYLNNIPFSDHGALLDPPTADVSGRCLSMLAQLGETPLNSEPARRALDYMLKEQEPDGSWYGRWGMNYVYGTWTALCALNAAGLTPDDPRVKRGAQWLLSIQNKDGGWGEDGDSYKLNYRGFEQAPSTASQTAWALLGLMAAGEVNNPAVARGVEYLIAEQKEHGLWDETRFTATGFPRVFYLRYHGYRKFFPLWALARYRNLKRNNATRVTFGL
配列番号151(バークホルデリア・アンビファリア(Burkholderia ambifaria))
MIRRMNKSGPSPWSALDAAIARGRDALMRLQQPDGSWCFELESDATITAEYILMMHFMDKIDDARQEKMARYLRAIQRLDTHGGWDLYVDGDPDVSCSVKAYFALKAAGDSEHAPHMVRARDAILELGGAARSNVFTRILLATFGQVPWRATPFMPIEFVLFPKWVPISMYKVAYWARTTMVPLLVLCSLKARARNPRNIAIPELFVTPPDQERQYFPPARGMRRAFLALDRVVRHVEPLLPKRLRQRAIRHAQAWCAERMNGEDGLGGIFPPIVYSYQMMDVLGYPDDHPLRRDCENALEKLLVTRPDGSMYCQPCLSPVWDTAWSTMALEQARGVAVPEAGAPASALDELDARIARAYDWLAERQVNDLRGDWIENAPADTQPGGWAFQYANPYYPDIDDSAVVTAMLDRRGRTHRNADGSHPYAARVARALDWMRGLQSRNGGFAAFDADCDRLYLNAIPFADHGALLDPPTEDVSGRVLLCFGVTKRADDRASLARAIDYVKRTQQPDGSWWGRWGTNYLYGTWSVLAGLALAGEDPSQPYIARALAWLRARQHADGGWGETNDSYIDPALAGTNAGESTSNCTAWALLAQMAFGDGESESVRRGIAYLQSVQQDDGFWWHRSHNAPGFPRIFYLKYHGYTAYFPLWALARYRRLAGGVSAAGAHAVPASTGADAALA
配列番号153(炭疽菌(Bacillus anthracis))
MLLYEKAHEEIVRRATALQTMQWQDGTWRFCFEGAPLTDCHMIFLLKLLGRDKEIEPFVERVASLQTNEGTWKLHEDEVGGNLSATIQSYAALLASKKYTKEDANMKRAENFIQERGGVARAHFMTKFLLAIHGEYEYPSLFHLPTPIMFLQNDSPFSIFELSSSARIHLIPMMLCLNKRFRVGKKLLPNLNHIAGGGGEWFREDRSPVFQTLLSDVKQIISYPLSLHHKGYEEIERFMKERIDENGTLYSYATASFYMIYALLALGHSLQSSMIQKAIAGITSYIWKMERGNHLQNSPSTVWDTALLSYALQEAQVSKDNKMIQNATAYLLKKQHTKKADWSVHAPALTPGGWGFSDVNTTIPDIDDTTAVLRALARSRGNKNIDNAWKKGGNWIKGLQNNDGGWGAFEKGVTSKLLAKLPIENASDMITDPSTPDITGRVLEFFGTYAQNELPEKQIQRAINWLMNVQEENGSWYGKWGICYLYGTWAVMTGLRSLGIPSSNPSLTRAASWLEHIQHEDGGWGESCHSSVEKRFVTLPFSTPSQTAWALDALISYYDTETPAIRKGVSYLLSNPYVNERYPTGTGLPGAFYIRYHSYAHIYPLLTLAHYIKKYRK
配列番号155(フランキア・アルニ(Frankia alni))
MPAGVGVLVWLDQRLRAMGRPDLVTTTGGAEIPFVLVAATASTVGVALALRRPRHPVGWLFLALGGVLLLSGGTQGYAAYGAVARPGRLPAADLVAIYADAGFIPWLVLVALILHLTPTGRPLSARWGRIALATAVAGGLWLLVGLVTTETMQPPFQSVTNPLLIGGPLGPLLVARRVLGLATGAGVVLAAVSLIVRFRRSVDVERRQLLWVAVAAVPLPVLMAASFAASYAGNNTAAGLAAATLIGLLAIGAGLAIGQYHLYDVEEILSRAVTYLLVSGLLAASYATVVIVVGQSLAGRTGRSQISAVLATLAAVAVTAPAYRKIQEGVDRRFSRRRFETLQVIRRYLRDPDPDVAVEEVLRRALGDPTLAVAYLVDDRRQWVSADGQPANPGNSFMAAVEVYRRGRPIARVTFDRGRAQPGLVRAAATAATAELDNAGLRAAVALQLVEVRQSRTRIAAAQFAERRTIERNLHDGAQQRLLALALQLRAVQLGGDEASLRQAISTGIDQLQAAVVELRELANGLHPAVLADGGLAAALDDVAARTPVPIKISAPDRRYPPDLEAAAWFIACEAMANAVKHAHPTTIAVDVSAPDGQLIVEVRDDGIGGAQPSGPGLRGIADRAEAFGGSLTVHTDPGTGTTIRALLHRRSPLSSGRRSVMIEGCVDVVAVRRFRCRSSRGSGSRRRRSSWRCGGICGSRCRTGMSRSCSRNAASKLIT
配列番号157(ロドシュードモナス・パレント(Rhodopseudomonas patent))
MDSILAPRADAPRNIDGALRESVQQAADWLVANQKPDGHWVGRAETNATMEAQWCLALWFLGLEDHPLRVRLGRALLDTQRPDGAWHVFYGAPNGDINATVEAYAALRSLGHRDDEEPLRKARDWILSKGGLANIRVFTRYWLALIGEWPWEKTPNILPEVIWLPTWFPFSIYNFAQWARATLMPIAVLSAHRPSRPLAPQDRLDALFPQGRDSFNYDLPARLGAGVWDVIFRKIDTILHRLQDWGARRGPHGIMRRGAIDHVLQWIIRHQDYDGSWGGIQPPWIYGLMALHTEGYAMTHPVMAKALDALNEPGWRIDIGDATFIQATNSPVWDTMLSLLAFDDAGLGERYPEQVERAVRWVLKRQVLVPGDWSVKLPDVKPGGWAFEYANNFYPDTDDTSVALMALAPFRHDPKWQAEGIEDAIQRGIDWLVAMQCKEGGWGAFDKDNDKKILAKIPFCDFGEALDPPSADVTAHIIEAFAKVGLDRNHPSIVRALDYLKREQEPEGPWFGRWGVNYVYGTGAVLPALAAIGEDMRQPYIARACDWLIARQQANGGWGESCVSYMDAKQAGEGTATASQTAWALMALIAADRPQDRDAIERGCLYLTETQRDGTWQEVHYTGTGFPGYGVGQTIKLNDPLLSKRLMQGPELSRSFMLRYDLYRHYFPMMAIGRVLRQRGDRSGH
配列番号159(ストレプトマイセス・セリカラー(Streptomyces coelicolor))
MTATTDGSTGASLRPLAASASDTDITIPAAAAGVPEAAARATRRATDFLLAKQDAEGWWKGDLETNVTMDAEDLLLRQFLGIQDEETTRAAALFIRGEQREDGTWATFYGGPGELSTTIEAYVALRLAGDSPEAPHMARAAEWIRSRGGIASARVFTRIWLALFGWWKWDDLPELPPELIYFPTWVPLNIYDFGCWARQTIVPLTIVSAKRPVRPAPFPLDELHTDPARPNPPRPLAPVASWDGAFQRIDKALHAYRKVAPRRLRRAAMNSAARWIIERQENDGCWGGIQPPAVYSVIALYLLGYDLEHPVMRAGLESLDRFAVWREDGARMIEACQSPVWDTCLATIALADAGVPEDHPQLVKASDWMLGEQIVRPGDWSVKRPGPPGGWAFEFHNDNYPDIDDTAEVVLALRRVRHHDPERVEKAIGRGVRWNLGMQSKNGAWGAFDVDNTSAFPNRLPFCDFGEVIDPPSADVTAHVVEMLAVEGLAHDPRTRRGIQWLLDAQETDGSWFGRWGVNYVYGTGSVIPALTAAGLPTSHPAIRRAVRWLESVQNEDGGWGEDLRSYRYVREWSGRGASTASQTGWALMALLAAGERDSKAVERGVAWLAATQREDGSWDEPYFTGTGFPWDFSINYNLYRQVFPLTALGRYVHGEPFAKKPRAADAPAEAAPAEVKGS
配列番号169
ATGGCTGAGCAGTTGGTGGAAGCGCCGGCCTACGCGCGGACGCTGGATCGCGCGGTGGAGTATCTCCTCTCCTGCCAAAAGGACGAAGGCTACTGGTGGGGGCCGCTTCTGAGCAACGTCACGATGGAAGCGGAGTACGTCCTCTTGTGCCACATTCTCGATCGCGTCGATCGGGATCGCATGGAGAAGATCCGGCGGTACCTGTTGCACGAGCAGCGCGAGGACGGCACGTGGGCCCTGTACCCGGGTGGGCCGCCGGACCTCGACACGACCATCGAGGCGTACGTCGCGCTCAAGTATATCGGCATGTCGCGCGACGAGGAGCCGATGCAGAAGGCGCTCCGGTTCATTCAGAGCCAGGGCGGGATCGAGTCGTCGCGCGTGTTCACGCGGATGTGGCTGGCGCTGGTGGGAGAATATCCGTGGGAGAAGGTGCCCATGGTCCCGCCGGAGATCATGTTCCTCGGCAAGCGCATGCCGCTCAACATCTACGAGTTTGGCTCGTGGGCTCGGGCGACCGTCGTGGCGCTCTCGATTGTGATGAGCCGCCAGCCGGTGTTCCCGCTGCCCGAGCGGGCGCGCGTGCCCGAGCTGTACGAGACCGACGTGCCTCCGCGCCGGCGCGGTGCCAAGGGAGGGGGTGGGTGGATCTTCGACGCGCTCGACCGGGCGCTGCACGGGTATCAGAAGCTGTCGGTGCACCCGTTCCGCCGCGCGGCCGAGATCCGCGCCTTGGACTGGTTGCTCGAGCGCCAGGCCGGAGACGGCAGCTGGGGCGGGATTCAGCCGCCTTGGTTTTACGCGCTCATCGCGCTCAAGATTCTCGACATGACGCAGCATCCGGCGTTCATCAAGGGCTGGGAAGGTCTAGAGCTGTACGGCGTGGAGCTGGATTACGGAGGATGGATGTTTCAGGCTTCCATCTCGCCGGTGTGGGACACGGGCCTCGCCGTGCTCGCGCTGCGCGCTGCGGGGCTTCCGGCCGATCACGACCGCTTGGTCAAGGCGGGCGAGTGGCTGTTGGACCGGCAGATCACGGTTCCGGGCGACTGGGCGGTGAAGCGCCCGAACCTCAAGCCGGGCGGGTTCGCGTTCCAGTTCGACAACGTGTACTACCCGGACGTGGACGACACGGCCGTCGTGGTGTGGGCGCTCAACACCCTGCGCTTGCCGGACGAGCGCCGCAGGCGGGACGCCATGACGAAGGGATTCCGCTGGATTGTCGGCATGCAGAGCTCGAACGGCGGTTGGGGCGCCTACGACGTCGACAACACGAGCGATCTCCCGAACCACATCCCGTTCTGCGACTTCGGCGAAGTGACCGATCCGCCGTCAGAGGACGTCACCGCCCACGTGCTCGAGTGTTTCGGCAGCTTCGGGTACGATGACGCCTGGAAGGTCATCCGGCGCGCGGTGGAATATCTCAAGCGGGAGCAGAAGCCGGACGGCAGCTGGTTCGGTCGTTGGGGCGTCAATTACCTCTACGGCACGGGCGCGGTGGTGTCGGCGCTGAAGGCGGTCGGGATCGACACGCGCGAGCCGTACATTCAAAAGGCGCTCGACTGGGTCGAGCAGCATCAGAACCCGGACGGCGGCTGGGGCGAGGACTGCCGCTCGTACGAGGATCCGGCGTACGCGGGTAAGGGCGCGAGCACCCCGTCGCAGACGGCCTGGGCGCTGATGGCGCTCATCGCGGGCGGCAGGGCGGAGTCCGAGGCCGCGCGCCGCGGCGTGCAATACCTCGTGGAGACGCAGCGCCCGGACGGCGGCTGGGATGAGCCGTACTACACCGGCACGGGCTTCCCAGGGGATTTCTACCTCGGCTACACCATGTACCGCCACGTGTTTCCGACGCTCGCGCTCGGCCGCTACAAGCAAGCCATCGAGCGCAGGTGA
バリアント101A10(配列番号30)
ATGGCTGAGCAGTTGGTGGAAGCACCGGCCTACGCGCGGACGCTGGATCGCGCGGTGGAGTATCTCCTCTCCTGCCAAAAGGACGAAGGCTACTGGTGGGGGCCGCTTCTGAGCAACGTCACGATGGAAGCGGAGTACGTCCTCTTGTGCCACATTCTCGATCGCGTCGATCGGGATCGCATGGAGAAGATCCGGCGGTACCTGTTGCACGAGCAGCGCGAGGACGGCACGTGGGCCCTGTACCCGGGTGGGCCGCCGGACCTCGACACGACCATCGAGGCGTACGTCGCGCTCAAGTATATCGGCATGTCGCGCGACGAGGAGCCGATGCAGAAGGCGCTCCGGTTCATTCAGAGCCAGGGCGGGATCGAGTCGTCGCGCGTGTTCACGCGGATGTGGCTGGCGCTGGTGGGAGAATATCCGTGGGAGAAGGTGCCCATGGTCCCGCCGGAGATCATGTTCCTCGGCAAGCGCATGCCGCTCAACATCTACGAGTTTGGCTCGTGGGCTCGGGCGACCGTCGTGGCGCTCTCGATTGTGATGAGCCGCCAGCCGGTGTTCCCGCTGCCCGAGCGGGCGCGCGTGCCCGAGCTGTACGAGACCGACGTGCCTCCGCGCCGGCGCGGTGCCAAGGGAGGGGGTGGGTGGATCTTCGACGCGCTCGACCGGGCGCTGCACGGGTATCAGAAGCTGTCGGTGCACCCGTTCCGCCGCGCGGCCGAGATCCGCGCCTTGGACTGGTTGCTCGAGCGCCAGGCCGGAGACGGCAGCTGGGGCGGGATTCAGCCGCCTTGGTTTTACGCGCTCATCGCGCTCAAGATTCTCGACATGACGCAGCATCCGGCGTTCATCAAGGGCTGGGAAGGTCTAGAGCTGTACGGCGTGGAGCTGGATTACGGAGGATGGATGTTTCAGGCTTCCATCTCGCCGGTGTGGGACACGGGCCTCGCCGTGCTCGCGCTGCGCGCTGCGGGGCTTCCGGCCGATCACGACCGCTTGGTCAAGGCGGGCGAGTGGCTGTTGGACCGGCAGATCACGGTTCCGGGCGACTGGGCGGTGAAGCGCCCGAACCTCAAGCCGGGCGGGTTCGCGTTCCAGTTCGACAACGTGTACTACCCGGACGTGGACGACACGGCCGTCGTGGTGTGGGCGCTCAACACCCTGCGCTTGCCGGACGAGCGCCGCAGGCGGGACGCCATGACGAAGGGATTCCGCTGGATTGTCGGCATGCAGAGCTCGAACGGCGGTTGGGGCGCCTACGACGTCGACAACACGAGCGATCTCCCGAACCACATCCCGTTCTGCGACTTCGGCGAAGTGACCGATCCGCCGTCAGAGGACGTCACCGCCCACGTGCTCGAGTGTTTCGGCAGCTTCGGGTACGATGACGCCTGGAAGGTCATCCGGCGCGCGGTGGAATATCTCAAGCGGGAGCAGAAGCCGGACGGCAGCTGGTTCGGTCGTTGGGGCGTCAATTACCTCTACGGCACGGGCGCGGTGGTGTCGGCGCTGAAGGCGGTCGGGATCGACACGCGCGAGCCGTACATTCAAAAGGCGCTCGACTGGGTCGAGCAGCATCAGAACCCGGACGGCGGCTGGGGCGAGGACTGCCGCTCGTACGAGGATCCGGCGTACGCGGGTAAGGGCGCGAGCACCCCGTCGCAGACGGCCTGGGCGCTGATGGCGCTCATCGCGGGCGGCAGGGCGGAGTCCGAGGCCGCGCGCCGCGGCGTGCATTACCTCGTGGAGACGCAGCGCCCGGACGGCGGCTGGGATGAGCCGTACTACACCGGCACGGGCTACCCAGGGGATTTCTACCTCGGCTACACCATGTACCGCCACGTGTTTCCGACGCTCGCGCTCGGCCGCTACAAGCAAGCCATCGAGCGCAGGTGA
バリアント101A10(配列番号29)
MAEQLVEAPAYARTLDRAVEYLLSCQKDEGYWWGPLLSNVTMEAEYVLLCHILDRVDRDRMEKIRRYLLHEQREDGTWALYPGGPPDLDTTIEAYVALKYIGMSRDEEPMQKALRFIQSQGGIESSRVFTRMWLALVGEYPWEKVPMVPPEIMFLGKRMPLNIYEFGSWARATVVALSIVMSRQPVFPLPERARVPELYETDVPPRRRGAKGGGGWIFDALDRALHGYQKLSVHPFRRAAEIRALDWLLERQAGDGSWGGIQPPWFYALIALKILDMTQHPAFIKGWEGLELYGVELDYGGWMFQASISPVWDTGLAVLALRAAGLPADHDRLVKAGEWLLDRQITVPGDWAVKRPNLKPGGFAFQFDNVYYPDVDDTAVVVWALNTLRLPDERRRRDAMTKGFRWIVGMQSSNGGWGAYDVDNTSDLPNHIPFCDFGEVTDPPSEDVTAHVLECFGSFGYDDAWKVIRRAVEYLKREQKPDGSWFGRWGVNYLYGTGAVVSALKAVGIDTREPYIQKALDWVEQHQNPDGGWGEDCRSYEDPAYAGKGASTPSQTAWALMALIAGGRAESEAARRGVHYLVETQRPDGGWDEPYYTGTGYPGDFYLGYTMYRHVFPTLALGRYKQAIERR
バリアント111C8((配列番号28)
ATGGCTGAGCAGTTGGTGGAAGCGCCGGCCTACGCGCGGACGCTGGATCGCGCGGTGGAGTATCTCCTCTCCTGCCAAAAGGACGAAGGCTACTGGTGGGGGCCGCTTCTGAGCAACGTCACGATGGAAGCGGAGTACGTCCTCTTGTGCCACATTCTCGATCGCGTCGATCGGGATCGCATGGAGAAGATCCGGCGGTACCTGTTGCACGAGCAGCGCGAGGACGGCGCGTGGGCCCTGTACCCGGGTGGGCCGCCGGACCTCGACACGACCGTCGAGGCGTACGTCGCGCTCAAGTATATCGGCATGTCGCGCGACGAGGAGCCGATGCAGAAGGCGCTCCGGTTCATTCAGAGCCAGGGCGGGATCGAGTCGTCGCGCGTGCTCACGCGGATGTGGCTGGCGCTGGTGGGAGAATATCCGTGGGAGAAGGTGCCCATGGTCCCGCCGGAGATCATGTTCCTCGGCAAGCGCATGCCGCTCAACATCTACGAGTTTGGCTCGTGGGCTCGGGCGACCGTCGTGGCGCTCTCGATTGTGATGAGCCGCCAGCCGGTGTTCCCGCTGCCCGAGCGGGCGCGCGTGCCCGAGCTGTACGAGACCGACGTGCCTCCGCGCCGGCGCGGTGCCAAGGGAGGGGGTGGGTGGATCTTCGACGCGCTCGACCGGGCGCTGCACGGGTATCAGAAGCTGTCGGTGCACCCGTTCCGCCGCGCGGCCGAGATCCGCGCCTTGGACTGGTTGCTCGAGCGCCAGGCCGGAGACGGCAGCTGGGGCGGGATTCAGCCGCCTTGGTTTTACGCGCTCATCGCGCTCAAGATTCTCGACATGACGCAGCATCCGGCGTTCATCAAGGGCTGGGAAGGTCTAGAGCTGTACGGCGTGGAGCTGGATTACGGAGGATGGATGTTTCAGGCTTCCATCTCGCCGGTGTGGGACACGGGCCTCGCCGTGCTCGCGCTGCGCGCTGCGGGGCTTCCGGCCGATCACGACCGCTTGGTCAAGGCGGGCGAGTGGCTGTTGGACCGGCAGATCACGGTTCCGGGCGACTGGGCGGTGAAGCGCCCGAACCTCAAGCCGGGCGGGTTCGCGTTCCAGTTCGACAACGTGTACTACCCGGACGTGGACGACACGGCCGTCGTGGTGTGGGCGCTCAACACCCTGCGCTTGCCGGACGAGCGCCGCAGGCGGGACGCCATGACGAAGGGATTCCGCTGGATTGTCGGCATGCAGAGCTCGAACGGCGGTTGGGGCGCCTACGACGTCGACAACACGAGCGATCTCCCGAACCACATCCCGTTCTGCGACTTCGGCGAAGTGACCGATCCGCCGTCAGAGGACGTCACCGCCCACGTGCTCGAGTGTTTCGGCAGCTTCGGGTACGATGACGCCTGGAAGGTCATCCGGCGCGCGGTGGAATATCTCAAGCGGGAGCAGAAGCCGGACGGCAGCTGGTTCGGTCGTTGGGGCGTCAATTACCTCTACGGCACGGGCGCGGTGGTGTCGGCGCTGAAGGCGGTCGGGATCGACACGCGCGAGCCGTACATTCAAAAGGCGCTCGACTGGGTCGAGCAGCATCAGAACCCGGACGGCGGCTGGGGCGAGGACTGCCGCTCGTACGAGGATCCGGCGTACGCGGGTAAGGGCGCGAGCACCCCGTCGCAGACGGCCTGGGCGCTGATGGCGCTCATCGCGGGCGGCAGGGCGGAGTCCGAGGCCGCGCGCCGCGGCGTGCAATACCTCGTGGAGACGCAGCGCCCGGACGGCGGCTGGGATGAGCCGTACTACACCGGCACGGGCTTCCCAGGGGATTTCTACCTCGGCTACACCATGTACCGCCACGTGTTTCCGACGCTCGCGCTCGGCCGCTACAAGCAAGCCATCGAGCGCAGGTGA
バリアント111C8(配列番号27)
MAEQLVEAPAYARTLDRAVEYLLSCQKDEGYWWGPLLSNVTMEAEYVLLCHILDRVDRDRMEKIRRYLLHEQREDGAWALYPGGPPDLDTTVEAYVALKYIGMSRDEEPMQKALRFIQSQGGIESSRVLTRMWLALVGEYPWEKVPMVPPEIMFLGKRMPLNIYEFGSWARATVVALSIVMSRQPVFPLPERARVPELYETDVPPRRRGAKGGGGWIFDALDRALHGYQKLSVHPFRRAAEIRALDWLLERQAGDGSWGGIQPPWFYALIALKILDMTQHPAFIKGWEGLELYGVELDYGGWMFQASISPVWDTGLAVLALRAAGLPADHDRLVKAGEWLLDRQITVPGDWAVKRPNLKPGGFAFQFDNVYYPDVDDTAVVVWALNTLRLPDERRRRDAMTKGFRWIVGMQSSNGGWGAYDVDNTSDLPNHIPFCDFGEVTDPPSEDVTAHVLECFGSFGYDDAWKVIRRAVEYLKREQKPDGSWFGRWGVNYLYGTGAVVSALKAVGIDTREPYIQKALDWVEQHQNPDGGWGEDCRSYEDPAYAGKGASTPSQTAWALMALIAGGRAESEAARRGVQYLVETQRPDGGWDEPYYTGTGFPGDFYLGYTMYRHVFPTLALGRYKQAIERR
バリアントSHC215G2(配列番号22)
ATGGCTGAGCAGTTGGTGGAAGCTCCGGCCTACGCGCGGACGCTGGATCGCGCGGTGGAGTATCTCCTCTCCTGCCAAAAGGACGAAGGCTACTGGTGGGGGCCGCTTCTGAGCAACGTCACGATGGAAGCGGAGTACGTCCTCTTGTGCCACATTCTCGATCGCGTCGATCGGGATCGCATGGAGAAGATCCGGCGGTACCTGTTGCACGAGCAGCGCGAGGACGGCACGTGGGCCCTGTACCCGGGTGGGCCGCCGGACCTCGACACGACCATCGAGGCGTACGTCGCGCTCAAGTATATCGGCATGTCGCGCGACGAGGAGCCGATGCAGAAGGCGCTCCGGTTCATTCAGAGCCAGGGCGGGATCGAGTCGTCGCGCGTGTTCACGCGGAGGTGGCTGGCGCTGGTGGGAGAATATCCGTGGGAGAAGGTGCCCATGGTCCCGCCGGAGATCATGTTCCTCGGCAAGCGCATGCCGCTCAACATCTACGAGTTTGGCTCGTGGGCTCGGGCGACCGTCGTGGCGCTCTCGATTGTGATGAGCCGCCAGCCGGTGTTCCCGCTGCCCGAGCGGGCGCGCGTGCCCGAGCTGTACGAGACCGACGTGCCTCCGCGCCGGCGCGGTGCCAAGGGAGGGGGTGGGTGGATCTTCGACGCGCTCGACCGGGTGCTGCACGGGTATCAGAAGCTGTCGGTGCACCCGTTCCGCCGCGCGGCCGAGATCCGCGCCTTGGACTGGTTGCTCGAGCGCCAGGCCGGAGACGGCAGCTGGGGCGGGATTCAGCCGCCTTGGTTTTACGCGCTCATCGCGCTCAAGATTCTCGACATGACGCAGCATCCGGCGTTCATCAAGGGCTGGGAAGGTCTAGAGCTGTACGGCGTGGAGCTGGATTACGGAGGATGGATGTTTCAGGCTTCCATCTCGCCGGTGTGGGACACGGGCCTCGCCGTGCTCGCGCTGCGCGCTGCGGGGCTTCCGGCCGATCACGACCGCTTGGTCAAGGCGGGCGAGTGGCTGTTGGACCGGCAGATCACGGTTCCGGGCGACTGGGCGGTGAAGCGCCCGAACCTCAAGCCGGGCGGGTTCGCGTTCCAGTTCGACAACGTGTACTACCCGGACGTGGACGACACGGCCGTCGTGGTGTGGGCGCTCAACACCCTGCGCTTGCCGGACGAGCGCCGCAGGCGGGACGCCATGACGAAGGGATTCCGCTGGATTGTCGGCATGCAGAGCTCGAACGGCGGTTGGGGCGCCTACGACGTCGACAACACGAGCGATCTCCCGAACCACACCCCGTTCTGCGACTTCGGCGAAGTGACCGATCCGCCGTCAGAGGACGTCACCGCCCACGTGCTCGAGTGTTTCGGCAGCTTCGGGTACGATGACGCCTGGAAGGTCATCCGGCGCGCGGTGGAATATCTCAAGCGGGAGCAGAAGCCGGACGGCAGCTGGTTCGGTCGTTGGGGCGTCAATTACCTCTACGGCACGGGCGCGGTGGTGTCGGCGCTGAAGGCGGTCGGGATCGACACGCGCGAGCCGTACATTCAAAAGGCGCTCGACTGGGTCGAGCAGCATCAGAACCCGGACGGCGGCTGGGGCGAGGACTGCCGCTCGTACGAGGATCCGGCGTACGCGGGTAAGGGCGCGAGCACCCCGTCGCAGACGGCCTGGGCGCTGATGGCGCTCATCGCGGGCGGCAGGGCGGAGTCCGAGGCCGCGCGCCGCGGCGTGCAATACCTCGTGGAGACGCAGCGCCCGGACGGCGGCTGGGATGAGCCGTACTACACCGGCACGGGCTTCCCAGGGGATTTCTACCTCGGCTACACCATGTACCGCCACGTGTTTCCGACGCTCGCGCTCGGCCGCTACAAGCAAGCCATCGAGCGCAGGTGA
バリアントSHC215G2(配列番号21)
MAEQLVEAPAYARTLDRAVEYLLSCQKDEGYWWGPLLSNVTMEAEYVLLCHILDRVDRDRMEKIRRYLLHEQREDGTWALYPGGPPDLDTTIEAYVALKYIGMSRDEEPMQKALRFIQSQGGIESSRVFTRRWLALVGEYPWEKVPMVPPEIMFLGKRMPLNIYEFGSWARATVVALSIVMSRQPVFPLPERARVPELYETDVPPRRRGAKGGGGWIFDALDRVLHGYQKLSVHPFRRAAEIRALDWLLERQAGDGSWGGIQPPWFYALIALKILDMTQHPAFIKGWEGLELYGVELDYGGWMFQASISPVWDTGLAVLALRAAGLPADHDRLVKAGEWLLDRQITVPGDWAVKRPNLKPGGFAFQFDNVYYPDVDDTAVVVWALNTLRLPDERRRRDAMTKGFRWIVGMQSSNGGWGAYDVDNTSDLPNHTPFCDFGEVTDPPSEDVTAHVLECFGSFGYDDAWKVIRRAVEYLKREQKPDGSWFGRWGVNYLYGTGAVVSALKAVGIDTREPYIQKALDWVEQHQNPDGGWGEDCRSYEDPAYAGKGASTPSQTAWALMALIAGGRAESEAARRGVQYLVETQRPDGGWDEPYYTGTGFPGDFYLGYTMYRHVFPTLALGRYKQAIERR
バリアントSHC3(配列番号26)
ATGGCTGAGCAGTTGGTGGAAGCGCCGGCCTACGCGCGGACGCTGGATCGCGCGGTGGAGTATCTCCTCTCCTGCCAAAAGGACGAAGGCTACTGGTGGGGGCCGCTTCTGAGCAACGTCACGATGGAAGCGGAGTACGTCCTCTTGTGCCACATTCTCGATCGCGTCGATCGGGATCGCATGGAGAAGATCCGGCGGTACCTGTTGCACGAGCAGCGCGAGGACGGCACGTGGGCCCTGTACCCGGGTGGGCCGCCGGACCTCGACACGACCATCGAGGCGTACGTCGCGCTCAAGTATATCGGCATGTCGCGCGACGAGGAGCCGATGCAGAAGGCGCTCCGGTTCATTCAGAGCCAGGGCGGGATCGAGTCGTCGCGCGTGTTCACGCGGATGTGGCTGGCGCTGGTGGGAGAATATCCGTGGGAGAAGGTGCCCATGGTCCCGCCGGAGATCATGTTCCTCGGCAAGCGCATGCCGCTCAACATCTACGAGTTTGGCTCGTGGGCTCGGGCGACCGTCGTGGCGCTCTCGATTGTGATGAGCCGCCAGCCGGTGTTCCCGCTGCCCGAGCGGGCGCGCGTGCCCGAGCTGTACGAGACCGACGTGCCTCCGCGCCGGCGCGGTGCCAAGGGAGGGGGTGGGTGGATCTTCGACGCGCTCGACCGGGCGCTGCACGGGTATCAGAAGCTGTCGGTGCACCCGTTCCGCCGCGCGGCCGAGATCCGCGCCTTGGACTGGTTGCTCGAGCGCCAGGCCGGAGACGGCAGCTGGGGCGGGATTCAGCCGCCTTGGTTTTACGCGCTCATCGCGCTCAAGATTCTCGACATGACGCAGCATCCGGCGTTCATCAAGGGCTGGGAAGGTCTAGAGCTGTACGGCGTGGAGCTGGATTACGGAGGATGGATGTTTCAGGCTTCCATCTCGCCGGTGTGGGACACGGGCCTCGCCGTGCTCGCGCTGCGCGCTGCGGGGCTTCCGGCCGATCACGACCGCTTGGTCAAGGCGGGCGAGTGGCTGTTGGACCGGCAGATCACGGTTCCGGGCGACTGGGCGGTGAAGCGCCCGAACCTCAAGCCGGGCGGGTTCGCGTTCCAGTTCGACAACGTGTACTACCCGGACGTGGACGACACGGCCGTCGTGGTGTGGGCGCTCAACACCCTGCGCTTGCCGGACGAGCGCCGCAGGCGGGACGCCATGACGAAGGGATTCCGCTGGATTGTCGGCATGCAGAGCTCGAACGGCGGTTGGGGCGCCTACGACGTCGACAACACGAGCGATCTCCCGAACCACATCCCGTTCTGCGACTTCGGCGAAGTGACCGATCCGCCGTCAGAGGACGTCACCGCCCACGTGCTCGAGTGTTTCGGCAGCTTCGGGTACGATGACGCCTGGAAGGTCATCCGGCGCGCGGTGGAATATCTCAAGCGGGAGCAGAAGCCGGACGGCAGCTGGTTCGGTCGTTGGGGCGTCAATTACCTCTACGGCACGGGCGCGGTGGTGTCGGCGCTGAAGGCGGTCGGGATCGACACGCGCGAGCCGTACATTCAAAAGGCGCTCGACTGGGTCGAGCAGCATCAGAACCCGGACGGCGGCTGGGGCGAGGACTGCCGCTCGTACGAGGATCCGGCGTACGCGGGTAAGGGCGCGAGCACCCCGTCGCAGACGGCCTGGGCGCTGATGGCGCTCATCGCGGGCGGCAGGGCGGAGTCCGAGGCCGCGCGCCGCGGCGTGCAATACCTCGTGGAGACGCAGCGCCCGGACGGCGGCTGGGATGAGCCGTACTACACCGGCACGGGCTACCCAGGGGATTTCTACCTCGGCTACACCATGTACCGCCACGTGTTTCCGACGCTCGCGCTCGGCCGCTACAAGCAAGCCATCGAGCGCAGGTGA
バリアントSHC3(配列番号25)
MAEQLVEAPAYARTLDRAVEYLLSCQKDEGYWWGPLLSNVTMEAEYVLLCHILDRVDRDRMEKIRRYLLHEQREDGTWALYPGGPPDLDTTIEAYVALKYIGMSRDEEPMQKALRFIQSQGGIESSRVFTRMWLALVGEYPWEKVPMVPPEIMFLGKRMPLNIYEFGSWARATVVALSIVMSRQPVFPLPERARVPELYETDVPPRRRGAKGGGGWIFDALDRALHGYQKLSVHPFRRAAEIRALDWLLERQAGDGSWGGIQPPWFYALIALKILDMTQHPAFIKGWEGLELYGVELDYGGWMFQASISPVWDTGLAVLALRAAGLPADHDRLVKAGEWLLDRQITVPGDWAVKRPNLKPGGFAFQFDNVYYPDVDDTAVVVWALNTLRLPDERRRRDAMTKGFRWIVGMQSSNGGWGAYDVDNTSDLPNHIPFCDFGEVTDPPSEDVTAHVLECFGSFGYDDAWKVIRRAVEYLKREQKPDGSWFGRWGVNYLYGTGAVVSALKAVGIDTREPYIQKALDWVEQHQNPDGGWGEDCRSYEDPAYAGKGASTPSQTAWALMALIAGGRAESEAARRGVQYLVETQRPDGGWDEPYYTGTGYPGDFYLGYTMYRHVFPTLALGRYKQAIERR
バリアントSHC10(配列番号32)
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バリアントSHC10(配列番号31)
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バリアントSHC26(配列番号24)
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バリアントSHC26(配列番号23)
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バリアントSHC30(配列番号34)
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バリアントSHC30(配列番号33)
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バリアントSHC31(配列番号36)
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バリアントSHC31(配列番号35)
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バリアントSHC32(配列番号38)
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バリアントSHC32(配列番号37)
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バリアントSHC33(配列番号40)
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バリアントSHC33(配列番号39)
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バリアントF605W(配列番号170)
ATGGCTGAGCAGTTGGTGGAAGCGCCGGCCTACGCGCGGACGCTGGATCGCGCGGTGGAGTATCTCCTCTCCTGCCAAAAGGACGAAGGCTACTGGTGGGGGCCGCTTCTGAGCAACGTCACGATGGAAGCGGAGTACGTCCTCTTGTGCCACATTCTCGATCGCGTCGATCGGGATCGCATGGAGAAGATCCGGCGGTACCTGTTGCACGAGCAGCGCGAGGACGGCACGTGGGCCCTGTACCCGGGTGGGCCGCCGGACCTCGACACGACCATCGAGGCGTACGTCGCGCTCAAGTATATCGGCATGTCGCGCGACGAGGAGCCGATGCAGAAGGCGCTCCGGTTCATTCAGAGCCAGGGCGGGATCGAGTCGTCGCGCGTGTTCACGCGGATGTGGCTGGCGCTGGTGGGAGAATATCCGTGGGAGAAGGTGCCCATGGTCCCGCCGGAGATCATGTTCCTCGGCAAGCGCATGCCGCTCAACATCTACGAGTTTGGCTCGTGGGCTCGGGCGACCGTCGTGGCGCTCTCGATTGTGATGAGCCGCCAGCCGGTGTTCCCGCTGCCCGAGCGGGCGCGCGTGCCCGAGCTGTACGAGACCGACGTGCCTCCGCGCCGGCGCGGTGCCAAGGGAGGGGGTGGGTGGATCTTCGACGCGCTCGACCGGGCGCTGCACGGGTATCAGAAGCTGTCGGTGCACCCGTTCCGCCGCGCGGCCGAGATCCGCGCCTTGGACTGGTTGCTCGAGCGCCAGGCCGGAGACGGCAGCTGGGGCGGGATTCAGCCGCCTTGGTTTTACGCGCTCATCGCGCTCAAGATTCTCGACATGACGCAGCATCCGGCGTTCATCAAGGGCTGGGAAGGTCTAGAGCTGTACGGCGTGGAGCTGGATTACGGAGGATGGATGTTTCAGGCTTCCATCTCGCCGGTGTGGGACACGGGCCTCGCCGTGCTCGCGCTGCGCGCTGCGGGGCTTCCGGCCGATCACGACCGCTTGGTCAAGGCGGGCGAGTGGCTGTTGGACCGGCAGATCACGGTTCCGGGCGACTGGGCGGTGAAGCGCCCGAACCTCAAGCCGGGCGGGTTCGCGTTCCAGTTCGACAACGTGTACTACCCGGACGTGGACGACACGGCCGTCGTGGTGTGGGCGCTCAACACCCTGCGCTTGCCGGACGAGCGCCGCAGGCGGGACGCCATGACGAAGGGATTCCGCTGGATTGTCGGCATGCAGAGCTCGAACGGCGGTTGGGGCGCCTACGACGTCGACAACACGAGCGATCTCCCGAACCACATCCCGTTCTGCGACTTCGGCGAAGTGACCGATCCGCCGTCAGAGGACGTCACCGCCCACGTGCTCGAGTGTTTCGGCAGCTTCGGGTACGATGACGCCTGGAAGGTCATCCGGCGCGCGGTGGAATATCTCAAGCGGGAGCAGAAGCCGGACGGCAGCTGGTTCGGTCGTTGGGGCGTCAATTACCTCTACGGCACGGGCGCGGTGGTGTCGGCGCTGAAGGCGGTCGGGATCGACACGCGCGAGCCGTACATTCAAAAGGCGCTCGACTGGGTCGAGCAGCATCAGAACCCGGACGGCGGCTGGGGCGAGGACTGCCGCTCGTACGAGGATCCGGCGTACGCGGGTAAGGGCGCGAGCACCCCGTCGCAGACGGCCTGGGCGCTGATGGCGCTCATCGCGGGCGGCAGGGCGGAGTCCGAGGCCGCGCGCCGCGGCGTGCAATACCTCGTGGAGACGCAGCGCCCGGACGGCGGCTGGGATGAGCCGTACTACACCGGCACGGGCTTCCCAGGGGATTGGTACCTCGGCTACACCATGTACCGCCACGTGTTTCCGACGCTCGCGCTCGGCCGCTACAAGCAAGCCATCGAGCGCAGGTGA
バリアントF605W(配列番号171)
MAEQLVEAPAYARTLDRAVEYLLSCQKDEGYWWGPLLSNVTMEAEYVLLCHILDRVDRDRMEKIRRYLLHEQREDGTWALYPGGPPDLDTTIEAYVALKYIGMSRDEEPMQKALRFIQSQGGIESSRVFTRMWLALVGEYPWEKVPMVPPEIMFLGKRMPLNIYEFGSWARATVVALSIVMSRQPVFPLPERARVPELYETDVPPRRRGAKGGGGWIFDALDRALHGYQKLSVHPFRRAAEIRALDWLLERQAGDGSWGGIQPPWFYALIALKILDMTQHPAFIKGWEGLELYGVELDYGGWMFQASISPVWDTGLAVLALRAAGLPADHDRLVKAGEWLLDRQITVPGDWAVKRPNLKPGGFAFQFDNVYYPDVDDTAVVVWALNTLRLPDERRRRDAMTKGFRWIVGMQSSNGGWGAYDVDNTSDLPNHIPFCDFGEVTDPPSEDVTAHVLECFGSFGYDDAWKVIRRAVEYLKREQKPDGSWFGRWGVNYLYGTGAVVSALKAVGIDTREPYIQKALDWVEQHQNPDGGWGEDCRSYEDPAYAGKGASTPSQTAWALMALIAGGRAESEAARRGVQYLVETQRPDGGWDEPYYTGTGFPGDWYLGYTMYRHVFPTLALGRYKQAIERR
配列番号166(ZmoSHC1)
ATGGGTATTGACAGAATGAATAGCTTAAGTCGCTTGTTAATGAAGAAGATTTTCGGGGCTGAAAAAACCTCGTATAAACCGGCTTCCGATACCATAATCGGAACGGATACCCTGAAAAGACCGAACCGGCGGCCTGAACCGACGGCAAAAGTCGACAAAACGATATTCAAGACTATGGGGAATAGTCTGAATAATACCCTTGTTTCAGCCTGTGACTGGTTGATCGGACAACAAAAGCCCGATGGTCATTGGGTCGGTGCCGTGGAATCCAATGCTTCGATGGAAGCAGAATGGTGTCTGGCCTTGTGGTTTTTGGGTCTGGAAGATCATCCGCTTCGTCCAAGATTGGGCAATGCTCTTTTGGAAATGCAGCGGGAAGATGGCTCTTGGGGAGTCTATTTCGGCGCTGGAAATGGCGATATCAATGCCACGGTTGAAGCCTATGCGGCCTTGCGGTCTTTGGGGTATTCTGCCGATAATCCTGTTTTGAAAAAAGCGGCAGCATGGATTGCTGAAAAAGGCGGATTAAAAAATATCCGTGTCTTTACCCGTTATTGGCTGGCGTTGATCGGGGAATGGCCTTGGGAAAAGACCCCTAACCTTCCCCCTGAAATTATCTGGTTCCCTGATAATTTTGTCTTTTCGATTTATAATTTTGCCCAATGGGCGCGGGCAACCATGGTGCCGATTGCTATTCTGTCCGCGAGACGACCAAGCCGCCCGCTGCGCCCTCAAGACCGATTGGATGAACTGTTTCCAGAAGGCCGCGCTCGCTTTGATTATGAATTGCCGAAAAAAGAAGGCATCGATCTTTGGTCGCAATTTTTCCGAACCACTGACCGTGGATTACATTGGGTTCAGTCCAATCTGTTAAAGCGCAATAGCTTGCGTGAAGCCGCTATCCGTCATGTTTTGGAATGGATTATCCGGCATCAGGATGCCGATGGCGGTTGGGGTGGAATTCAGCCACCTTGGGTCTATGGTTTGATGGCGTTACATGGTGAAGGCTATCAGCTTTATCATCCGGTGATGGCCAAGGCTTTGTCGGCTTTGGATGATCCCGGTTGGCGACATGACAGAGGCGAGTCTTCTTGGATACAGGCCACCAATAGTCCGGTATGGGATACAATGTTGGCCTTGATGGCGTTAAAAGACGCCAAGGCCGAGGATCGTTTTACGCCGGAAATGGATAAGGCCGCCGATTGGCTTTTGGCTCGACAGGTCAAAGTCAAAGGCGATTGGTCAATCAAACTGCCCGATGTTGAACCCGGTGGATGGGCATTTGAATATGCCAATGATCGCTATCCCGATACCGATGATACCGCCGTCGCTTTGATCGCCCTTTCCTCTTATCGTGATAAGGAGGAGTGGCAAAAGAAAGGCGTTGAGGACGCCATTACCCGTGGGGTTAATTGGTTGATCGCCATGCAAAGCGAATGTGGCGGTTGGGGAGCCTTTGATAAGGATAATAACAGAAGTATCCTTTCCAAAATTCCTTTTTGTGATTTCGGAGAATCTATTGATCCGCCTTCAGTCGATGTAACGGCGCATGTTTTAGAGGCCTTTGGCACCTTGGGACTGTCCCGCGATATGCCGGTCATCCAAAAAGCGATCGACTATGTCCGTTCCGAACAGGAAGCCGAAGGCGCGTGGTTTGGTCGTTGGGGCGTTAATTATATCTATGGCACCGGTGCGGTTCTGCCTGCTTTGGCGGCGATCGGTGAAGATATGACCCAGCCTTACATCACCAAGGCTTGCGATTGGCTGGTCGCACATCAGCAGGAAGACGGCGGTTGGGGCGAAAGCTGCTCTTCCTATATGGAGATTGATTCCATTGGGAAGGGCCCAACCACGCCGTCCCAGACTGCTTGGGCTTTGATGGGGTTGATCGCGGCCAATCGTCCCGAAGATTATGAAGCCATTGCCAAGGGATGCCATTATCTGATTGATCGCCAAGAGCAGGATGGTAGCTGGAAAGAAGAAGAATTCACCGGCACCGGATTCCCCGGTTATGGCGTGGGTCAGACGATCAAGTTGGATGATCCGGCTTTATCGAAACGATTGCTTCAAGGCGCTGAACTGTCACGGGCGTTTATGCTGCGTTATGATTTTTATCGGCAATTCTTCCCGATTATGGCGTTAAGTCGGGCAGAGAGACTGATTGATTTGAATAATTGA
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【図面の簡単な説明】
【0282】
本開示のより良い理解のために、付属の図面が参照される。
図1-4】図1~4は、AacSHCの配列番号1に対する選択されたAacSHC誘導体の配列アラインメントを示す。掲載の降順に、図1の配列番号は、配列番号1、配列番号29、配列番号27、配列番号21、配列番号19、配列番号9、配列番号23、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39である。
図5図5はプラスミドマップを示す。
図6図6は、標準的な条件下(pH6.0、55℃、0.050%SDS、OD650nmが10の細胞)における表24に記されている野生型AacSHCおよびAacSHC誘導体の相対的なHAC活性を示す。
図7図7aは、WT AacSHCに対するAacSHC誘導体のHAC活性プロファイルを、ホモファルネソールの質EEH:EZH87:13を用い、ホモファルネソールの純度96%(NMRを用いて決定された)において示す。図7bは、AacSHC誘導体のWT SHCに対する相対的な改善(4h(初期速度)および22hの収率)を、ホモファルネソールの質EEH:EZH87:13を用い、ホモファルネソールの純度96%(NMRを用いて決定された)において示す。
図8図8aは、WT AacSHCに対するAacSHC誘導体のHAC活性プロファイルを、ホモファルネソールの質EEH:EZH92:08を用い、ホモファルネソールの純度100%(NMRを用いて決定された)において示す。図8bは、WT SHCに対するAacSHC誘導体の相対的な改善(4h(初期速度)および22hの収率)を、ホモファルネソールの質EEH:EZH92:08を用い、ホモファルネソールの純度100%(NMRを用いて決定された)において示す。
図9図9aは、WT AacSHCに対する表24に記されているAacSHC誘導体のHAC活性プロファイルを、ホモファルネソール品質EEH:EZH66:33を用い、ホモファルネソールの76%純度(NMRを用いて決定された)において示す。図9bは、WT SHCに対するAacSHC誘導体の相対的な改善(4h(初期速度)および22hの収率)を、ホモファルネソール品質EEH:EZH66:33を用い、ホモファルネソールの76%純度(NMRを用いて決定された)において示す。
図10図10は、野生型AacSHC/HAC酵素に対しておよそ10倍(215G2)、7倍(SHC26)、および6倍(SHC32)の改善を示す3つのSHC誘導体についてHAC活性結果を示す。
図11図11は、SHC/HAC誘導体(215G2 SHC)およびWT AacSHCによって観察されたアンブロックスへのE,E-ホモファルネソール変換を示す。7時間の反応において(初期反応速度の概算)、バリアント215G2 SHCによる変換は野生型SHCによって達成されたものよりも13倍高かった。48時間の反応においては、バリアントによる変換は野生型酵素のものの約8倍であった。
図12図12は、(WT SHCおよび/またはSHC/HAC誘導体による生物変換に)EEHが出発材料として用いられるときに産生される反応生成物(アンブロックスおよび生成物(IV))、ならびにEE:EZが出発材料として用いられるときに産生される反応生成物((-)-アンブロックス(I)ならびに生成物(II)、(IV)、および(III)(表21参照))を示している。参照の便宜のために、化合物I~IVは下記のように同定され得る。 I:(3aR,5aS,9aS,9bR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン(-)-アンブロックス II:(7aS,11aS,Z)-5,8,8,11a-テトラメチル-2,3,6,7,7a,8,9,10,11,11a-デカヒドロベンゾ[b]オキソニン IV:(3aS,5aS,9aS,9bS)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン III:(3aRS,5aSR,9aSR,9bSR)-3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン9-エピ-アンブロックス。
図13図13は、表25のアンブロックスならびに生成物(II)、(IV)、および(III)について反応生成物のGC分析を示している。
図14図14は、表25のアンブロックスならびに生成物(II)、(IV)、および(III)について反応生成物のGC分析を示している。
図15図15は、Triton X-100またはSDSどちらかの存在下における全細胞生物変換アッセイによる215G2 SHCバリアント活性について、比較データを提供している。
図16図16は、異なるSDS/細胞比について、変換されたEEHのパーセントを示す。
図17図17は、3つの異なるSDS濃度について、標準的な生物変換反応(例7に記載されている)におけるEEH変換の%を示す。
図18図18は、3つの異なるpH値について、標準的な生物変換反応(例7に記載されている)におけるEEH変換の%を示す。
図19図19は、SHC結晶構造上のSHC/HACバリアント101A10、111C8、および215G2の同定された変異の位置を示す(カラー)。バリアント215G2は赤色、バリアント101A10は紫色(ワインレッド)、バリアント111C8は緑色である。増大した活性の要因であると同定されたアミノ酸については、側鎖が共結晶化した基質アナログにおいて黄色で強調されている。改善されていない活性を有する同定されたバリアントの他の変異は青色でマークされている。青色の変異は酵素の2つのドメイン上に約半々(すなわち50:50)で散在しており、その一方で、同定された有益なAacSHC変異は大部分が(1つを別にして)ドメイン2内に位置するということが着目される。唯一の例外は変異F601Yであり、これは活性部位の近傍にある。
図20図20は下記変異を示す(白黒)。SHC/HAC活性に及ぼす有益な効果を有さない変異は黒色で示されており、これらはSHC酵素の2つのドメイン上に散在している。改善されたSHC/HAC活性を示すSHCバリアント(101A10、111C8、および215G2)中の同定された変異は灰色で示されており、たった1つの例外があるが、これらはSHC酵素のドメイン2内に位置する。バリアントの改善された活性に寄与する変異の側鎖は強調されている。
図21図21はプラスミドpET-28a(+)のクローニングおよび発現領域を示す。図21の配列における配列番号は下記の通りである。pET28a(ヌクレオチド配列):配列番号179、pET28a(アミノ酸配列):配列番号180、pET28b(ヌクレオチド配列):配列番号181、pET28b(アミノ酸配列):配列番号182、pET28c(ヌクレオチド配列):配列番号183、およびpET28c(アミノ酸配列):配列番号184。
図22図22は、細胞375g/l、EEH188g/l、SDS2.33%を含有する1.5×濃縮EEH生物変換反応の、体積当たりの生産性を、平行してEEH125g/l、細胞250g/l、SDS1.55%において実施された標準の生物変換(例7)の体積当たりの生産性と比較して示している。
図23図23は、例7に記載されているように実施された標準の生物変換(EEH125g/l、細胞250g/l、SDS1.55%)を示す。クエン酸緩衝液pH5.4は0.5%または0.9%NaClどちらかに取りかえたが、全ての他の反応パラメータは不変であった。クエン酸緩衝液中での生物変換を平行してコントロールとして実施した。
図24図24は、トルエン洗浄による(-)-アンブロックスの固相抽出の経過を、200mlの全反応ブロス中に最初に存在した(-)-アンブロックス量の%として示す(体積比ブロス/トルエンのため、第1の抽出物における%は100%を超える)。
図25図25は、エタノール洗浄による(-)-アンブロックスの固相抽出の経過を、最初に存在した(-)-アンブロックス量のパーセントとして示す。4回の洗浄(合計640mlのEtOH、すなわち3.2×最初の全反応ブロス体積または8×固相体積)後に、反応ブロス中に最初に存在した(-)-アンブロックスの約99%が回収された。
【0283】
疑義の回避のために、WT SHCおよびSHCバリアントへの全ての言及はWT AacSHC(配列番号1)およびそのバリアント(例えば、表23および/または表24に挙げられている)への言及である。
【0284】
例1
生体触媒産生
方法1
SHCプラスミド調製
アリシクロバチルス・アシドカルダリウス スクアレン-ホペンシクラーゼ(AacSHC)をコードする遺伝子をプラスミドpET-28a(+)に挿入した。そこでそれは大腸菌による蛋白質産生のためのIPTG誘導性T7プロモーターのコントロール下にある(図5および21参照)。プラスミドを標準的なヒートショック形質転換プロトコールを用いて大腸菌株BL21(DE3)に形質転換した。
【0285】
エルレンマイヤーフラスコ培養
蛋白質産生のためには、複雑な(LB)または最少培地どちらかを用いた。M9は最少培地の1つの例であり、これを用いて成功した。
【0286】
培地調製
デフォルトとして選んだ最少培地は、350ml培養のために下記のように調製した。35mlクエン酸/リン酸ストック(133g/lのKHPO、40g/lの(NHHPO、17g/lクエン酸.HO、pHは6.3に調整)に307mlのHOを加え、pHは必要に応じて32%NaOHで6.8に調整した。0.850mlの50%MgSOをオートクレーブした後に、0.035ml微量元素溶液(次項の組成物)溶液、0.035mlチアミン溶液、および7mlの20%グルコースを加えた。
【0287】
SHC生体触媒産生(生体触媒産生)
小スケールの生体触媒産生(野生型SHCまたはSHCバリアント)、350ml培養(培地に50μg/mlカナマイシンを補った)に、SHC産生プラスミドを含有する大腸菌株BL21(DE3)の前培養から植菌した。細胞は、一定の撹拌(250rpm)をしながら37℃でおよそ0.5の光学密度(OD650nm)まで増殖させた。
次いで、300μMの濃度のIPTGの添加によって蛋白質産生を誘導し、次に一定の振盪をしながらさらなる5~6時間のインキュベーションをした。得られたバイオマスは最終的に遠心によって集め、50mMのTris-HCl緩衝液pH7.5によって洗浄した。細胞はさらなる使用まで4℃または-20℃でペレットとして保存した。一般的に、用いた培地からは独立して、培養1リットルから、2.5から4グラムの細胞(湿重量)が得られた。
発酵を調製し、750mlのInforsHT反応容器内で実施した。発酵容器に脱イオン水168mlを加えた。反応容器には全ての必要なプローブ(pO、pH、サンプリング、消泡剤)、C+Nフィード(feed)および水酸化ナトリウムのボトルを用意し、オートクレーブした。オートクレーブの後に、反応容器に、
20ml 10×リン酸/クエン酸緩衝液
14ml 50%グルコース
0.53ml MgSO溶液
2ml (NHSO溶液
0.020ml 微量元素溶液
0.400ml チアミン溶液
0.200ml カナマイシンストック
を加えた。
実施パラメータは下記の通りであった。pH=6.95、pO=40%、T=30℃、300rpmでの撹拌。カスケード:300でのrpmセットポイント、min300、max1000、フロー(flow)l/minセットポイント0.1、min0、max0.6。消泡剤コントロール:1:9。
種培養から、発酵槽に0.4~0.5のOD650nmになるよう植菌した。この種培養をLB培地(+カナマイシン)中で37℃、220rpmで8h増殖させた。発酵は最初にバッチモードで11.5h実施し、その後にフィード溶液(滅菌グルコース溶液(143ml HO+35gグルコース)によるC+Nフィードを開始した。これには、滅菌の後に、17.5mlの(NHSO溶液、1.8mlのMgSO溶液、0.018ml微量元素溶液、0.360mlチアミン溶液、0.180mlカナマイシンストックが添加されていた。およそ4.2ml/hの一定の流速でフィードを実施した。グルコースおよびNH 測定が外部からなされて、培養物中のCおよびN源の利用可能性を評価した。通常は、グルコースレベルは非常に低いままである。
培養は合計およそ25時間増殖させ、そこでそれらは典型的には40~45のOD650nmに達した。それから、(IPTGパルスとして、または注入シリンジを用いて3~4時間の期間かけて)発酵槽にIPTGをおよそ1mMの濃度に追加し、温度を40℃に、pOを20%に設定することによってSHC産生を開始した。SHC産生の誘導は40℃で16h続いた。誘導の終了時に、細胞を遠心によって集め、0.1Mクエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝液pH5.4によって洗浄し、さらなる使用まで4℃または-20℃でペレットとして保存した。
【0288】
結果1a
一般的に、全ての他の条件は不変で、産生された生体触媒の特異的活性は、複雑な培地と比較して最少培地を用いたときにより高かった。誘導は30または37℃で成功した。誘導が40~43℃でなされたときには、より高い特異的活性の生体触媒が得られたということが着目された。
【0289】
結果1b
下記表22は、2つの例について、誘導開始および誘導終了両方における培養体積、光学密度、および細胞の量と、集められたバイオマスの量(湿重量)とを示している。
【表25】
【0290】
例2
SHCバリアントの調製および活性スクリーニング
方法2
疑義の回避のために、EEは(3E,7E)に対応し、EZ混合物は(3Z,7E)に対応し、ZEは(7Z,3E)に対応し、ZZは(7Z,3Z)に対応し、EEHは(3E,7E)に対応する。
酵素進化プログラムを、野生型(WT)アリシクロバチルス・アシドカルダリウスSHC(AacSHC)遺伝子をテンプレートとして用いて行った(GenBank M73834、Swissprot P33247)。約10500個のSHCバリアントのライブラリーを産生し、増大したEEH環化能力を示すバリアントについてスクリーニングした。スクリーニングは4g/lのEEHおよび0.050%SDSを含有するクエン酸緩衝液pH6.0(0.150ml)中での反応において55℃で一定の撹拌下において実施した。
検証のために選択されたヒットしたものによって、標準的な試験を4g/lのEEH、0.050%SDS、10.0のOD600nmのSHCバリアントを発現した細胞を含有するクエン酸緩衝液pH6.0中において実施した。最終的な体積は1mlであり、反応は55℃でインキュベーションし、マグネティックスターラー上で激しく撹拌した。経時的な反応のサンプリングは、ガスクロマトグラフィー分析(下の分析方法参照)によって決定される活性プロファイル((-)-アンブロックスへのEEH変換)を検討することを可能にした。
この検証ラウンドから、改善されたEEH環化活性を有する3つのバリアント(101A10、111C8、および215G2)を得て、次いでそれらの3つのバリアント中に合計8つの変異を同定した。それから変異研究を実施して、それらの変異のどれがアンブロックスへのEEH環化に関して有益であるのかを同定した。このAacSHC誘導体に加えて、別のAacSHCバリアントを構築し、これは同定された有益な変異の全てを含有した(下の表23に概説されているSHC33)。スクリーニング条件は4g/lのEEH、OD650nmが10.0の細胞、0.05%および0.1%のSDS(2つの濃度)であり、反応は55℃で一定の撹拌下において実施した。
【0291】
結果2a
【表26】
【0292】
結果2b
3つの選択された変異(101A10、111C8、および215G2)のうち、215G2が最良の活性を示した。
【0293】
例3
SHCバリアントの最適化した反応条件
検討した反応パラメータ:温度、SDS濃度、およびpH
方法3
表23において同定されているSHCバリアント誘導体の反応条件を、温度、pH、およびSDS濃度に関して個々に最適化した。この目的のために、大腸菌細胞を個々のバリアントの産生のためのプラスミドによって形質転換し、それらをエルレンマイヤーフラスコ中で培養し、上に記載されているようにSHC産生を誘導した。このやり方で、全ての培養物が同じかまたは非常に類似のSHC量を含有するということを確実にした。細胞を遠心によって集め、0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)によって洗浄し、さらに用いられるまで-20℃で保存した。
【0294】
結果3
この最適化研究の結果は下の表にまとめられている。最適化ラウンドはまた野生型SHCについても行った。
下記表24は、野生型と、それぞれのSHC/HAC誘導体酵素の特徴が考慮されたバリアントのそれぞれとについて至適反応条件を示す。
【表27】
【0295】
考察3
例3は、WT SHCと比較して、SHC誘導体の反応条件の着目された違いを示している。至適温度、pH、およびSDS濃度について、野生型SHCからのかなりの偏差がSHCバリアントで観察された。少数の変異のみが、至適な生物変換反応条件に対する顕著な効果を有する。選択されたSHCバリアントの個々の反応条件の決定のために、反応を、EEHの4g/lの基質の投入および10.0の光学密度OD650nmの野生型またはSHC誘導体を産生した細胞で実施した。
温度
表24のデータは、WT SHC酵素が55℃において(45~60℃の範囲内において)至適活性を有する一方で、いくつものSHC誘導体が35℃(34~50℃)において至適活性を有するという驚くべき発見を示している。より低い反応温度においてE,E-ホモファルネソールから(-)-アンブロックスを調製するための方法への本開示のSHC誘導体の適用は、産業スケールでの(-)-アンブロックスの産生にとってかなりのコスト利点を有する。
可溶化剤
生物変換反応において有用でなかった潜在的可溶化剤の長いリストから、SDSを選択および同定した(より多くの情報は例14参照)。SDSは、反応速度および収率の観点から、(EEH 4g/lでの試験において、および例7において提供されているようにEEH 125g/lが用いられるときに両方とも)例えばTriton X-100よりも良い。
【0296】
例4
標準的条件下におけるWT SHC酵素と比較したSHCバリアント活性試験
方法4
生体触媒の相対的活性を比較するために、バリアント(表24に記されている)の産生を下記のように記載する。SHCバリアントの1種の産生のためのプラスミドによって大腸菌細胞を形質転換し、それから大腸菌細胞をLB培地によって37℃および280rpmで培養し、0.50のOD650nmまで増殖させ、酵素産生をIPTGの添加によって誘導した。誘導は37℃、280rpmで5.5時間続けた。細胞を遠心によって集め、0.1Mクエン酸pH6.0によって洗浄し、さらなる使用まで-20℃で保存した。SHCバリアントの活性を比較するときには(図6参照)、反応混合物のサンプルを、反応のSHC含量を分析するためのSDS-PAGEゲルにロードする。この分析によって、全ての反応は同一量のSHC酵素を含有することが確認された。
【0297】
結果4a
図6は、標準的な条件下における野生型およびSHCバリアントの相対的活性を示す(pH6.0、55℃、0.050%SDS、OD650nm10の細胞)。野生型SHCおよび少なくとも本開示の例に従って試験されたSHCバリアントが溶媒に耐容性であることもまた着目された。これは、選択された水非混和性溶媒(最大でほぼ100%)を生物変換反応に加え得るということを意味する。
【0298】
結果4b
215G2 SHCバリアントを用いると、NaClが反応に添加されるときに(試験された濃度は5から100mM(のみ))、このバリアントの活性に及ぼす着目すべき効果は観察されなかった。加えて、最大で100mMまたは最大で154mM(0.9%NaCl)のNaCl添加は、バリアント215G2のSHC活性に対してネガティブな効果を示さなかった。これらの発見は、生物変換反応が生理的NaCl溶液(0.9%)等の中で行われ、かつpHが適切な値(例えば約5.4(5.2~5.6))に維持される場合には、生物変換反応が緩衝液の非存在下において、生理的NaCl溶液等の存在下において行われ得ることを示唆している。
【0299】
考察4
図6は、(-)-アンブロックスへのEEH変換の観点から、選択されたバリアントおよび野生型SHC酵素の活性のランキングを図示する。
【0300】
例5
WT SHCおよびSHC誘導体の活性プロファイル
方法5
活性試験を、0.1Mクエン酸緩衝液中において5ml体積で一定の振盪下において900rpmでHeidolph Synthesis 1装置にて実施した。用いた緩衝液のpH、反応が実施された温度、および反応中のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)濃度は、用いられたSHCバリアント(野生型またはバリアント)に応じた。試験されたバリアントのそれぞれの至適条件は上の表24にまとめられている。
純度96%のホモファルネソール出発材料および87:13のEEH:EZH比を有するホモファルネソール基質を用いた。
疑義の回避のために、EE:EZ混合物は((3E,7E)および(3Z,7E)異性体の混合物である。
【0301】
結果5
用いたホモファルネソール:EEH:EZH87:13、純度(NMR):96%。
最適化した条件下において実施した標準的な試験の結果を、図7B(WT SHCに対するSHC誘導体の活性プロファイル)、およびWT SHCに対するSHC誘導体の相対的な活性の改善を示す図7Aに示す(4h(初期速度)および22hでの収率)。
用いたホモファルネソール:EEH:EZH92:08、純度(NMR):100%
最適化した条件下において実施した標準的な試験の結果を、図8B(WT AacSHCに対するAacSHC誘導体の活性プロファイル)、およびWT SHCに対するAacSHC誘導体の相対的な改善を示す図8Aに示す(4h(初期速度)および22hでの収率)。
用いたホモファルネソール:EEH:EZH66:33、純度(NMR):76%
最適化した条件下において実施した標準的な試験の結果を、図9B(WT AacSHCに対しする、表24に記されているAacSHC誘導体の活性プロファイル)およびWT SHCに対するAacSHC誘導体の相対的な改善を示す図9Aに示す(4h(初期速度)および22hでの収率)。
【0302】
考察5
主な結論は、用いられたホモファルネソール基質の質からは独立して、4つの最良のSHC誘導体酵素が下記の順、215G SHC、SHC26、SHC32、およびSHC3でランク付けされたということであった。
【0303】
例6
溶媒によって完全に抽出された反応から物質収支を決定する
方法6
全ての条件は不変で、それぞれのバリアントについて2つの反応を実施した。ホモファルネソールを基質として用いた。4時間および22時間のインキュベーション後に、反応生成物および未反応の基質を、tert-ブチル-メチルエーテル(MTBE/tBME)の等しい体積による合計6回の洗浄によって、バリアントのそれぞれについて完全に抽出した。洗浄のそれぞれのホモファルネソールおよびアンブロックスの含量をGC分析によって決定した。形成されたアンブロックスおよび残りのホモファルネソールの合計量は、基準のアンブロックスおよびホモファルネソールから作られた溶液を用いて作成された較正曲線(calibration curve)から計算した。
【0304】
結果6
図10の結果は、用いた基質では、3つの最良のバリアントが野生型SHC酵素よりおよそ10倍(215G2)、7倍(SHC26)、および6倍(SHC32)の改善を示すことが確認され、観察されたということを示した。
【0305】
例7
125g/lのE,E-ホモファルネソール(EEH)におけるバイオトランスフォーメーションの性能
方法7
215G2 SHCバリアントを用いて、体積当たりの生産性を増大させるという目標に取り組んだ。一連の実験(DOE)検討の設計を行い、パラメータのpH、細胞濃度、およびSDS濃度を包含する試験反応条件を最適化した。反応条件は、EEHの125g/l(EE:EZ86:14のホモファルネソールから)、細胞の250g/l、1.55%SDSであり、反応は35℃で0.1Mクエン酸緩衝液pH5.4中において実施された。
典型的な反応(150gの合計体積)を次のように0.75リットルInfors発酵槽内にセットアップする。反応容器に、18.75gのEEHに対応するホモファルネソールの適切な量を投入する。2.33gのSDSを、0.1Mクエン酸緩衝液pH5.4中に調製された15.5%(w/w)溶液から添加した。細胞を0.1Mクエン酸緩衝液pH5.4中に懸濁することによって、215G2 SHCバリアントを産生した大腸菌細胞から細胞懸濁液を調製する。10℃および17210gでの10分間の遠心によるこの懸濁液の細胞湿重量の決定の後に、37.5gの細胞を反応に導入するために、細胞の適切な体積を反応容器に加える。反応の体積は、反応緩衝液の必要量によって150gに合わせる。反応を37℃で一定の撹拌下において900rpmで実施する。pH制御は水中の40%クエン酸を用いて行う。反応を経時的にサンプリングし(1ml)、5倍体積のMTBE/tBME(5ml)によって抽出する。遠心による溶媒相の清澄化(卓上遠心機、13000rpm、2分)、MTBE/tBMEによる10倍希釈の後に、反応のホモファルネソールおよびアンブロックス含量をGC分析によって決定した。
同じ反応を、野生型SHC酵素を産生した大腸菌細胞により行った。このケースにおいては、反応は55℃で0.1Mクエン酸緩衝液pH6.0中において実施された。この例の反応条件の概要は下の表24aの2行目に提供されている。下の表24aの1行目に示されている反応条件は以前の例(例えば例3~5)から取っている。
【表28】
【0306】
結果7
図11は、2つの酵素によるアンブロックスへの観察されたEEH変換を示している。7時間の反応において(初期反応速度の概算)、バリアント215G2 SHCによる変換は野生型SHCによって達成されたものよりも13倍高かった。反応の48時間において、バリアントによる変換は野生型酵素のものの約8倍であった。
【0307】
一般的なコメント7
細胞濃度
この例に記載されている反応中の細胞の全ての濃度(g/l)は細胞の湿重量で示されている。細胞懸濁液の細胞の湿重量(g/l)としての濃度は、この細胞懸濁液のサンプルを17210gかつ4℃で10分間遠心した後に決定する。
細胞g/lおよびOD650nmの間の相関
215G2 SHCまたはWT SHCによるEEH125g/lの生物変換を用いると、この反応における250g/lの細胞は、その反応における約172のOD650nmに対応する。異なる生体触媒調製物を試験したときには、OD650nm対生体触媒量の比の変動が観察された。生体触媒は、EEH 4g/lで標準的な試験に用いるが10.0のOD650nmの細胞を適用したときには、OD650nm10.0が細胞1.45g/lと同等であると概算された。
【0308】
考察7
データは、当分野の開示と比較して比較的高いEEH基質濃度(125g/l)を用いた、最適化した効率的なHAC生物変換プロセスが開発されたということを示しており、ここで、大体0.2g/l(JP2009060799参照)から約2.36g/l(10mM)のホモファルネソール基質濃度が当分野においては開示されているのみである(WO2010/139719A2、US2012/0135477A1参照)およびSeitz et al (2012)同上)。
【0309】
例8
GC解析
方法8
それらのEEHおよびアンブロックスの含量の定量のために、サンプルを適切な体積のtert-ブチルメチルエーテル(MBTE/tBME)によって抽出した。溶媒画分を、ガスクロマトグラフィーによる分析に先立って遠心によって水相から分離した。1μlの溶媒相を30m×0.32mm×0.25μmのZebron ZB-5カラムに注入した(スプリット比3)。カラムは、一定のフロー(4ml/分 H)で、温度勾配100℃、200℃までは15℃/分、240℃までは120℃/分、240℃で4分によって展開し、これはアンブロックス、EEH、およびEZHの分離をもたらした。流入(inlet)温度は200℃であり、検出器温度:300℃。
EEH変換は、アンブロックスおよびEEHに対応するピーク面積から下記式:
変換(%)=100×(面積アンブロックス_ピーク/(面積アンブロックス_ピーク+面積E,E-ホモファルネソールピーク))
によって計算した。
反応生成物アンブロックスの同一性はGC-MSによって確認した(記録値および強度:m/z 221 (100%), m/z 97 (40%), m/z 137 (3.3%), m/z 43 (2.6%), m/z 41 (2.5%), m/z 55 (2.4%), m/z 95 (1.9%), m/z 67 (1.8%), m/z 81 (138%), m/z 222 (1.7%))。
【0310】
考察8
生成物回収は溶媒抽出または蒸気抽出/どちらかによって行った。用いた溶媒は例えばMTBEまたはヘキサン:イソプロパノール(3:2)であった。基質または生成物がもはや検出されなくなるまで、反応を溶媒の等しい体積によって繰り返し抽出し、溶媒画分をGC分析した。一般的に、5から6回の洗浄が十分であった。代替的には、反応生成物の抽出は蒸気抽出/によってなされた。
【0311】
例9
ワンポット反応
方法9
200mlの発酵を、上に記載されている標準的な増殖および誘導プロトコールを用いて、N-末HisTagを有する215G2 SHCの産生のためのpET28a(+) 215G2 SHCプラスミドによって形質転換された大腸菌BL21(DE3)によって実施した。誘導相の終了時に、通気をオフにし、温度を35℃に、pHをクエン酸によって5.5に、撹拌機の速度を500rpmに設定した。培養物の体積は、培養増殖の間になされた全ての添加(フィードおよび基礎消費)から概算した。この体積および培養物のODに従って、SDSの適切な量を発酵槽に加えた。EEHは4g/lまで追加した。反応を経時的にサンプリングし、サンプル(150~300μl)をGC分析のために700μlのMTBEによって抽出した。EEHは直接的に培養ブロス中でアンブロックスに変換された。反応は合計22.5日間実施し、その間にはEEHを繰り返し添加した。
【0312】
結果9
完了に達したときには、10.6gのEEHがアンブロックスに環化されていた。反応生成物(下で提供されている構造)を蒸気抽出/によって抽出し、反応混合物から定量的に回収した。
【化5】
反応生成物についての注意書き
ホモファルネソールEE:EZ87:13がSHCによって変換されるときには、図12に記されているように反応生成物アンブロックス、(II)、(IV)、および(III)が産生され、出発材料のEE:EZ比を反映する。
EEHが出発材料として用いられるときには、(-)-アンブロックス(I)および生成物(IV)のみが生じる。
EZH(3Z,7E)が出発材料として用いられるときには、生成物(II)および(III)のみが生じる。
しかしながら、EEHおよびEZHの混合物が用いられるときには、アンブロックス(I)ならびに生成物(II)、(IV)、および(III)が生じる。
EE:EZ66:34の100%の変換が起こる場合には、これは66%:34%の((アンブロックス+(IV)):((II)+(III))を提供するであろう。
水蒸気抽出が行われるときには、これは全ての4生成物、アンブロックスならびに生成物(II)、(IV)、および(III)を抽出し、結晶化ステップにより純度99%(GC)のアンブロックスを少なくとも70%の収率で生じる。
【0313】
考察9
データは、(-)-アンブロックスの産生が生物変換反応または「ワンポット」反応システムによって可能であるということと、アンブロックスの選択的な濃縮が蒸気抽出/および結晶化の後に達成されるということとを示している。
ホモファルネソール出発材料がEEおよびEZ(例えば86:14)異性体の混合物である場合には、2種の生成物がそれらの異性体(合計で4種)のそれぞれから生まれ、(-)-アンブロックスは粗生成物中の圧倒的に主要である構成成分、結晶化した材料(純度99.1%)中の主要構成成分である。(+)-アンブロックスは検出されなかった。
【0314】
例10
EE:EZホモファルネソール混合物の変換
疑義の回避のために、EEは(3E,7E)に対応し、EZ混合物は(3Z,7E)に対応し、ZEは(7Z,3E)に対応し、ZZは(7Z,3Z)に対応し、EEHは(3E,7E)に対応し、EZHは(3Z,7E)に対応する。
【0315】
方法10
EE:EZ混合物を、下記反応条件下:下記ホモファルネソール基質(EE:EZホモファルネソール混合物)を用い、合計ホモファルネソール146g/l、細胞250g/lおよびSDS1.55%において生物変換した。
EE:EZ 86:14(この例では最も高いEEH含量)、
EE:EZ 69:31(この例では最も低いEEH含量)、
EE:EZ 80:20
EEH:EZH 70:30
7E,3E/7E,3Zホモファルネソール混合物の生物変換
下記反応条件を用いて生物変換を始めた:
反応(150.1gの合計体積)はInforsHTの750ml発酵槽内において0.1Mクエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝液pH5.4中で実施し、合計ホモファルネソール146g/lを含有し、86:14の7E,3E:7E,3Zの混合物であるホモファルネソール基質、細胞250g/l(例1の方法に従って産生された)、およびSDS1.55%を用いた。反応は35℃で一定の撹拌(800rpm)をしながら実施し、pHコントロールは水中の10から40%クエン酸を用いて行った。反応混合物を経時的にサンプリングし、サンプルをGC分析のために溶媒抽出した。ホモファルネソール変換がホモファルネソールの2種(EE:EZ86:14およびEE:EZ69:31)で等しく速やかに起こったということが着目された。
【0316】
結果10
WT SHCおよび1つの特定のSHC誘導体(215G2 SHC)を用いるEEH:EZH86:14材料からの125g/lのE,E-ホモファルネソールの生物変換を行ったときに、E,E-およびE,Z-ホモファルネソール両方の変換が観察された。すなわち、アリシクロバチルス・アシドカルダリウス由来の野生型SHC酵素は、表23からのSHCバリアントがEEH:EZH混合物から産生するものと同じ反応生成物(すなわち、アンブロックス、生成物(II)、(IV)、および(III))をEEH:EZH86:14材料から産生した。図13および14は反応生成物のGC分析をアンブロックスならびに生成物(II)、(IV)、および(III)について提供している。
【0317】
考察10
本開示に従うホモファルネソールからアンブロックスの生物変換は主要化合物として(-)-アンブロックスを産生するが、上で同定されているように(-)-アンブロックス以外の化合物(例えば化合物(II)、(IV)、および(III))をもまた産生することがあり、これは(-)-アンブロックス生成物に快い嗅覚的なノートを付与することもありまたはしないこともある。上で示されているように、選択的結晶化条件下において、アンブロックスは他の副生成物((II)、(III)、および(IV))から分離可能である。従って、生成物がネガティブな事でアンブロックス最終生成物の知覚特性に寄与する場合には、(-)-アンブロックス最終生成物からの生成物(II)、(IV)、および(III)の選択的分離は、フレグランスまたはフレーバーまたは化粧品または消費者ケア製品としてのその価値を増大させる。知覚分析が、熟練の香水業者によって利用される良く確立された知覚試験を用いて行われる。(-)-アンブロックス最終生成物の純度は、生成物が単体で所望の知覚プロファイルの主な要因である場合には、生成物の嗅覚的質の指標であり得る。
【0318】
例11
EE:EZ:ZE:ZZ-ホモファルネソール混合物からのEEH変換
方法11
EE:EZ:ZE:ZZ-ホモファルネソール40:26:20:14を、215G2 SHCを用いたEEH変換に基質として用いた。比較目的のために、EE:EZ2:1または93:07の他のホモファルネソールをもまた用いた。
EE:EZ:ZE:ZZ-ホモファルネソール混合物の変換を215G2 SHCバリアントで検討したが、最適化した条件下においてではない。反応条件は、100mMクエン酸緩衝液中のpH5.8、0.10%SDS、40℃であった。下記EEH変換が観察され、全ての反応は一定の2g/lのEEH(従って、様々な合計ホモファルネソール濃度)で実施した。
【0319】
結果11
次のホモファルネソール異性体混合物変換率が観察された。
EE:EZ 2:1 50~55%
EE:EZ 93:7 78%
EE:EZ:ZE:ZZ 40:26:20:14 6%
【0320】
考察11
観察された収率に加えて、データは、215G2 SHCバリアントが複雑なEE:EZ:ZE:ZZホモファルネソール混合物からEEHをアンブロックスに変換することが可能であるということを示している。予期されたように、より低い変換率がより低いアンブロックス収率からもたらされることが観察された。この結果は、EEH以外のホモファルネソール異性体がSHC/HAC誘導体酵素へのアクセスについてEEHと競合することがあり、それゆえに、EEHから(-)-アンブロックスへの変換については競合阻害剤および/または代替的な基質として作用し得るという見解と一致している。
【0321】
例12
Triton X-100およびSDSを用いる全細胞生物変換の比較データ
方法12
大腸菌ホスト細胞を、例4の方法4のプロトコールに従って増殖させた。215G2 SHCバリアントを用いる生物変換反応を例4の標準的な試験に従って行った。クエン酸/リン酸ナトリウム緩衝液0.1M、pH5.4中のOD650nm10.0の細胞と4g/lのホモファルネソール基質、35℃、および0.07%のSDSが、215G2 SHCバリアントにとって最も好適な反応条件として選ばれた。
【0322】
結果12
図15は、0.005%から0.48%の濃度範囲のTriton X-100および0.07%の濃度のSDSを用いたときの全細胞生物変換アッセイにおける215G2 SHCバリアントの活性の比較を提供する。
【0323】
考察12
データは、Triton X-100での最高の活性がSDSによって得られた活性の大体20%にしか過ぎないことを示している。
【0324】
例13
SDS/細胞比
方法13
EEH基質4g/l、215G2 SHC誘導体酵素を産生したOD650nm5.0の細胞を用いて、例4の方法4に従って生物変換反応をセットアップした。
【0325】
結果13
結果は図16に記されており、これは、異なるSDS/細胞比について変換されたEEHパーセントを示している。
図16は、異なるSDS/細胞比の値を用いて、(-)-アンブロックスへのEEH変換パーセントがSDS/細胞比に依存するということを示している。この比は、最大の変換を達成するために慎重に設定されなければならない。
例えばSDS濃度が低すぎる場合には、準至適なホモファルネソール変換が観察され得る。他方で、例えばSDS濃度が高すぎる場合には、生体触媒が、無傷の微生物細胞の破破壊および/またはSHC/HAC酵素の変性/不活性化どちらかによって影響されるというリスクがあり得る。125g/lのEEHおよび250g/lの生体触媒を用いて例7の方法7に従って生物変換反応を行ったときには、最良の生物変換プロトコールは16:1の[SDS]/[細胞]比を示す。
【0326】
考察13
結果は、可溶化剤(SDS)濃度、バイオマス量、および基質(EEH)濃度の間にある程度の相互依存性があるということを示している。例として、ホモファルネソール基質の濃度が増大すると、効率的な生物変換反応が起こるために十分な量の生体触媒および可溶化剤(SDS)が要求される。
【0327】
例14
生物変換反応への使用のための可能な可溶化剤の試験
方法14
種々の可溶化剤(下の表26に概説されている)を、標準的な試験と同じ条件を用いる215G2 SHCのEEH環化反応によって(4g/lのEEH、10.0のOD650nmの細胞)、SDSの可能な代用物として試験した。SDSをその至適濃度において(0.060~0.070%)、用いた他の可溶化剤(それらの化合物によってなされたスクリーニングから個々に至適であると決定された濃度において(下の表26参照))と組み合わせることによって、活性(累積効果)を増強する可能性をもまた、標準的な試験を用いて試験した。加えて、水不溶性化合物を可溶化することを助けることが公知であるいくつかの「深共晶溶媒(deep eutectic solvent)」およびイオン性液体をもまた試験した。
【0328】
結果14
下記表26は、どの可溶化剤(例えば、界面活性剤、洗剤、可溶性増強剤等)がこれまでのところ215G2 SHCのEEH環化反応によって試験されたかをまとめている。いかなるケースにおいても、0.060~0.070%の範囲内の濃度のSDSを用いて行われたコントロール反応と比較して改善された活性はなかった。至適として定義された濃度において単独で用いられたそれらの化合物によって観察された活性は、SDSによるコントロール反応において得られたものの約20%にしか過ぎなかった。可溶化剤が全く添加されなかったときには、20%のEEH変換が達成されたということが着目された。SDSを用いかつさらなる可溶化剤を(試験において至適と定義された濃度で)加えたときには、相乗効果は観察されなかった。むしろ、EEH変換パーセントの減少が観察された。試験した条件下においては、化合物がEEH変換を全く改善せず、むしろ環化に対して悪影響がみられるということと、SDSが研究された可溶化剤のなかで最も有用であるということとが研究から結論付けられ得る。加えて、水不溶性化合物を可溶化することを助けることが公知である「深共晶溶媒」およびイオン性液体を用いる試験からはポジティブな結果は得られなかった。
【表29】
【0329】
考察14
出願人は、本開示のホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの生物変換反応に有用ではないと示されていた他の可溶化剤の長いリストから、有用な可溶化剤としてSDSを選択および同定した。
【0330】
例15
生物変換反応におけるSDS濃度に対する感受性
方法15
適用される条件は、125g/lでの250g/lの生体触媒および1.55%SDSによる標準的な生物変換の条件(例7に記載されている)である。2つの他のSDS濃度(1.40%および1.70%SDSもまた試験した)。全てのSDS濃度は重量/重量%である。
125g/lでの250g/lの生体触媒および1.55%SDSによる標準的な生物変換反応条件(例7に記載されている)は、異なるpH値を試験するためにもまた用いた。コントロールは0.1Mクエン酸緩衝液中でpH5.4において実施した。より低いpHで実施した反応は0.1M酢酸緩衝液によって実施した。
【0331】
結果15
図17のデータは、生物変換反応が、EEH 4g/lおよびOD650nm10.0で適用された細胞での標準的な試験によってHAC活性が試験されたときよりもSDS濃度の変化に対して感受性でないようであるということを示している。
図18のデータは、生物変換反応が適用されるときに、システムが、HAC活性がEEH4g/lのおよびOD650nm10.0で適用された細胞での標準的な試験によって試験されるときよりもpH変動に対して感受性でないように見えるということを示している。
【0332】
考察15
データは、試験したSDS濃度範囲およびpH範囲に関して、EEH 125g/lおよび細胞250g/lでの生物変換反応の確実性を示している。
【0333】
例16
結晶構造上の同定されたSHC/HAC変異の位置
AacSHC/HACバリアント中の同定された変異の位置を図19において下記のようにマークしている。バリアント215G2は赤色、バリアント101A10は紫色(ワインレッド)、バリアント111C8は緑色である。増大した活性の要因であると同定されたアミノ酸については、側鎖を共結晶化した基質アナログにおいて黄色で強調している。改善された活性を有さない同定されたバリアントの他の変異は青色でマークされている。青色の変異は酵素の2つのドメイン上に約半々(すなわち50:50)で散在しており、その一方で、同定された有益なAacSHC変異は大部分が(1つを別にして)ドメイン2内に位置するということが着目される。唯一の例外は変異F601Yであり、これは活性部位の近傍にある。SHC/HAC誘導体酵素215G2および111C8の両方のみを考える場合には、変異体の全てはドメイン2内に位置する。図20は同じ情報を白黒で提供している。
【0334】
結果16
215G2、111C8、および101A10に対応する有益な変異体(赤色/緑色/紫色)の全ては大部分は(1つの変異体F601Yを別にして)、SHC結晶構造(図19に提供されている)のドメイン2内に位置する(Wendt et al (1997) Science 277: 1811)。SHCの有益な変異の組み合わせは野生型AacSHC(配列番号1)に従って付番される。
【0335】
考察16
結晶構造は、特にホモファルネソールから(-)-アンブロックスへの変換に関係して、望ましい構造/活性関係性を有するSHC/HAC誘導体を同定するために有用である。有用な予備選択ステップにより、SHC/HAC結晶構造(図19および20参照)のドメイン2内に位置するアミノ酸残基に対する選択を限定することであるかもしれない。
【0336】
例17
ホモファルネソールの調製
方法17
一般的な分析条件
非極性GC/MS:50℃/2分、20℃/分200℃、35℃/分270℃。HP 7890AシリーズGCシステムを有するGC/MSアジレント5975C MSD。非極性カラム:SGEからのBPX5、5%フェニル95%ジメチルポリシロキサン0.22mm×0.25mm×12m。キャリアガス:ヘリウム。インジェクター温度:230℃。スプリット1:50。フロー:1.0ml/分。トランスファーライン:250℃。MS-四重極型:106℃。MSソース:230℃。
【0337】
A)THF中のMNUの調製
水中の尿素(175g、2.9mol)およびメチルアミン塩酸塩(198g、2.9mol)の溶液(400ml)を撹拌下において3.5時間、加熱還流(105℃)した。40℃で、水(200ml)中に溶解したNaNO(101g、1.45mol)を加える。15分後に、THF(1000ml)を加え、これは透明な2相混合物をもたらす。濃H2SO4(110g、1.1mol)を0~5℃で加え、1.5h以内で撹拌する。0~5℃でのさらなる0.5時間後に、2つの透明な相が25℃において分離する。有機相(A)(1065ml、理論上は1.35M)は0~5℃で数日間保存するか、または直ちにシクロプロパン化反応装置に進む。
相分離の後に、水相をTHFによって2回抽出する(2×1:1)。これにより相B1100mlおよび相C1075が得られる。相Aは、引き続くシクロプロパン化反応において末端アルケンからシクロプロパンへの51%の変換を生じる一方で、相Bは<0.5%のシクロプロパンを生じ、相Cは検出可能な変換を生じない。我々は、>99%のMNUが最初の相分離の後に抽出されると結論づける。それゆえに、通常は、水相は、(有機相Aから)最初の相分離の後に、濃KOH水溶液および酢酸による処置後に捨てる。
【0338】
B)THF中のMNUを用いるE-Δファルネセンの調製
【化6】
THF(136ml、184mmol)中のN-メチル-N-ニトロソウレア1.35Mを、0℃において、0~5℃のE-ベータ-ファルネセン(CAS18794-84-8)(25g、122mmol)およびKOH水溶液(50ml、40%)の激しく撹拌した混合物に滴下添加する。MNU溶液の4mlの添加後に、0.5mlジクロロメタン中に予め溶解したPd(acac)2(7.4mg、0.024mmol、0.02%)を加える。
残りのMNU溶液を0~5℃で4hかけて加える。この段階におけるGCは28%の未変換E-β-ファルネセン、65%の所望のモノシクロプロパン(上に示されている)、および3%のビスシクロプロパン化された化合物5を示した。25℃での16時間後に、酢酸(100ml)を0~5℃で、次いでtert-ブチルメチルエーテル(250ml)を加える。相分離の後に、有機相を2MのHCl(250ml)によって洗浄し、水相をtert-ブチルメチルエーテル(250ml)によって抽出する。組み合わせた有機層を水(2×100ml)、10%NaOH水溶液(2×100ml)、および水(2×100ml)によって洗浄し、MgSO4によって乾燥し、濾過し、濃縮してやや黄色の液体26.9gを得る。これは9%のE-β-ファルネセン、82%の所望のモノシクロプロパン化合物、および6%のビスシクロプロパン化された副生成物を含有する。
所望の化合物は蒸留精製によってさらに単離され得る。1gのKCO(1g)の添加および40~60mbarでの30cmスチールコイルカラムによる蒸留により、147gのモノシクロプロパン化合物(68%corr)を135~145℃で得る。画分をプールして、純度100%の92gモノシクロプロパン化合物を得る。
【0339】
E-Δファルネセンの分析データ:
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): 5.1 (2 m, 2 H), 4.6 (2 H), 2.2 (2 H), 2.1 (4 H), 2.0 (2 H), 1.7 (s, 3 H), 1.6 (2 s, 6 H), 1.3 (1 H), 0.6 (2 H), 0.45 (2 H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 400 MHz): 150.9 (s), 135.1 (s), 131.2 (s), 124.4 (d), 124.1 (d), 106.0 (t), 39.7 (t), 35.9 (t), 26.7 (t), 25.7 (q), 17.7 (q), 16.0 (d), 6.0 (t) ppm. GC/MS: 218 (2%, M+), 203 (5%, [M - 15]+), 175 (11%), 147 (31%), 134 (15%), 133 (20%), 121 (12%), 107 (55%), 95 (16%), 93 (30%), 91 (20%), 82 (11%), 81 (33%), 79 (42%), 69 (100%), 67 (22%), 55 (20%), 53 (21%), 41 (75%). IR (film): 3081 (w), 2967 (m), 2915 (m), 2854 (m), 1642 (m), 1439 (m), 1377 (m), 1107 (w), 1047 (w), 1018 (m), 875 (s), 819 (m), 629 (w). Anal, calcd. for C16H26: C, 88.00; H, 12.00. Found: C, 87.80; H, 12.01.
【0340】
C)(7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オール((7E)-ホモファルネソール)の調製
圧力管内の(E)-(6,10-ジメチルウンデカ-1,5,9-トリエン-2-イル)シクロプロパン(E-Δファルネセン)(1g、4.6mmol)、ドデカン(0.2g、1.15mmol、内部標準)、およびL-(+)-酒石酸(1g、6.9mmol)の混合物を撹拌下において150℃で加熱する。18時間および完全な変換(GCに従う)の後に、混合物を水(50ml)およびトルエン(50ml)に注ぐ。
相同士を分離し、水相をトルエン(50ml)によって抽出する。組み合わせた有機層を濃Na2CO3水溶液(50ml)および濃NaCl(2×50ml)によって洗浄し、MgSO4によって乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させることにより、茶色がかった樹脂(1.35g)を得る。これを30%KOH水溶液(4.3ml)と混合し、25℃で2時間撹拌する。GC分析から、内部標準に従って96%の(7E)-4,8,12-トリメチルトリデカ-3,7,11-トリエン-1-オールの形成が判明する。E/Z比68:22。E異性体の分析データは文献からのものと一致している。例えばP. Kocienski, S. Wadman J. Org. Chem. 54, 1215 (1989)参照。
【0341】
結果17
データは、(-)-アンブロックスへの生物変換にとって好適であるホモファルネソールの調製を示している。
【0342】
考察17
ホモファルネソールを調製するためのこのプロセスは2つの同時係属特許出願PCT/EP2014/072882(WO2015/059290)およびPCT/EP2014/072891(WO2015/059293)にもまた記載されており、その全体的な内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0343】
例18
ワンポット反応
この実験においては、(i)215G2 SHCバリアントを産生する大腸菌株による発酵(例えば例1に記載されている)、次に(ii)直接的に発酵ブロス中でのEEH変換を行った。3つのパラメータ[細胞]、[EEH]、および[SDS](g/l)は関連しているので、発酵の終了時に得られる細胞の濃度(g/l)に応じて、発酵ブロスの利用可能な体積中のパラメータ[EEH]および[SDS]を調整することが必要であった。目標は、1.55%のSDS濃度において125g/lのEEHを、細胞250g/lによって変換することであった。妥当な生物変換を可能にするためには、細胞は休止状態、グルコース枯渇の状態になければならない。通気をオフにした。
【0344】
方法18
発酵:
発酵の終了時の反応容器内の発酵ブロスの体積の極めて正確な決定を可能にするために、取り出されたサンプルの体積および発酵槽になされた全ての添加体積(フィード、塩基、酸...)を記録した。
【0345】
発酵ブロス中の細胞濃度の決定:
細胞の湿重量(g/l)決定のために発酵ブロスのサンプル(5~10ml)を一定の撹拌下において抜き取り、遠心管に入れた。サンプルの質量を記録した。サンプルを17210gおよび4℃で10分間遠心する(例えば12000rpm、SS-34ローター、Sorvall RC3B遠心機)。上清を慎重なピペッティングによって取り出し、ペレットの質量を記録した。細胞の湿重量濃度をg細胞/lブロスまたはg細胞/gブロスとして決定する。
発酵槽内の発酵ブロスの体積は全ての添加および取り出しに従って決定した。発酵槽が秤上にある場合には、発酵ブロスの質量は秤量によって決定し、そうでない場合には1ml=1gと仮定した。
【0346】
必要とされるホモファルネソールおよびSDSの量の決定:
発酵ブロスの決定された細胞濃度および体積に従って、例9に記載されている生物変換に記されているように、3つの間の同じ比、EEH125g/l、細胞250g/l、1.55%SDSを保つために反応容器に添加されるべきE,E-ホモファルネソールおよびSDSの量を決定した。
【0347】
生物変換をセットアップする:
1. 温度は35℃に設定した。通気をオフにする。
2. 発酵ブロスに、計算された量のホモファルネソールを加えた。
3. SDSの必要とされる量を15.5%SDS水溶液のストック溶液から慎重に加えた。
4. 反応を800rpmでおよそ15分間、よく混合した。
5. 反応のpHを記録した(内部pH電極)。
6. サンプル(およそ1ml)を15mlファルコンチューブに抜き取った。およそ5mlの脱イオン水を加え、徹底した混合の後に、外部校正した電極でpHを記録した。
7. 反応容器内のpHは85%HPOを用いて段階的に5.4に設定した(外部校正した電極で測定される値)。一方で、外部電極でpHを定期的にコントロールすることは上に記載した(6.)。
8. pHは、生物変換の間に例えば10~25%HPOおよび32%NaOHを用いて制御した。
9. 反応のサンプリング:およそ1mlの反応混合物を15mlファルコンチューブに入れた。およそ5mlのMTBEを加える。サンプルを激しい振盪によって抽出した。
10. 分注したものを卓上遠心機によって最大スピードで1分間遠心した(エッペンドルフチューブ)。溶媒相の100μlを900μlのMTBEを含有するGCバイアルに追加した。生物変換の第1日の間は、サンプルを1~1.5時間毎に取った。次の日からは、1日に3つのサンプルのみが取られた。
11. 溶媒相の1μlを、例8に記載されているようにそのアンブロックスおよびEEH含量について分析した。
12. EEH変換(%)を100×(アンブロックス面積/(アンブロックス面積+EEH面積))として計算する。
【0348】
結果18
結果は、ワンポットの発酵+EEH変換がKLF2000反応容器(Bioengineering)内において1.9リットルのスケールで行われたということを示している。細胞251g/lは、47時間で≧93%までの238gのEEH(251g/l細胞)の変換を可能にした。開始の93h後に測定したときに、変換は99%であった。
類似のワンポット実験をInfors HT 0.751反応容器内で実施した。標準的なプロトコールを踏襲した発酵(例1)の後に、平行して同じプロトコールで実施した他の発酵から集められたリアクターの細胞を加えた。得られたブロス体積は479gであった。細胞濃度は313.7g/lと決定され、これは1.25×標準の生物変換の細胞濃度(250g/l細胞)であった。従って、EEHおよびSDSを反応容器に追加した。75.1gのEEH(この例においては157g/lのEEHと同等)が90時間未満で98%まで変換された。この結果は、実施される発酵が、215G2 SHCバリアントを十分に高い細胞密度で産生した細胞を提供する限り、ワンポット発酵+EEH変換を≧125g/lのEEHにおいて実施することが可能であるということを示している。
【0349】
考察18
有利には、基質の99%変換が得られた。これは、高価な出発材料(例えばEEH)が用いられるときに商業的に非常に有用である。
【0350】
例19
体積当たりの生産性を増大させる.
方法19
体積当たりの生産性をさらに増大させるために、細胞375g/l、EEH 188g/l、SDS2.33%を含有する1.5×濃縮した生物変換を実施した。標準の生物変換を平行してEEH 125g/l、細胞250g/l、SDS1.55%(例7)で実施した。
2つの反応を、全ての他のパラメータは不変でInfors HT 0.7501反応容器内で実施した。
【0351】
結果19
図22の結果は、開始75時間後の変換パーセントが、1.5×生物変換において88%vs.標準の生物変換において95%であったということを示している。開始96時間後のパーセントの変換は1.5×生物変換において93%のEEH変換(convert)vs.標準の生物変換において97%であった。1.5×生物変換によるパーセントの変換は、標準の生物変換によって得られたものの96%であった。1.5×生物変換における撹拌は、油状のホモファルネソールが消え、固体反応生成物によって取りかわられるに連れて経時的により困難になるということが着目された。これは1.5×生物変換のやや低い変換レベルを説明し得る。より良い混合装置を備え付けた反応容器を用いることは、1.5×生物変換によるEEH変換を改善し得る。結果は、効率的な混合が達成される場合には、EEH 188g/l以上において生物変換を実施することが可能であるということを示している。撹拌効率はシステムの唯一の限定であるように見える。
(-)-アンブロックス生産性
「(-)-アンブロックス生産性」は、生物変換時間(すなわち、基質を加えた後の時間)の時間当たり、生体内変換のリットル当たりのグラムによる、回収可能な(-)-アンブロックスの量を言う。この点で、図22を参照して、(-)-アンブロックス生産性は次のように計算される。
125g/lのEEHの生物変換(細胞 250g/l)
1.25hの生産性:時間当たりリットル当たり10.3グラム
8.25hの生産性:時間当たりリットル当たり6.3グラム
21.25hの生産性:時間当たりリットル当たり4.1グラム
187.5g/lのEEHの生物変換(375g/l細胞)
1.25hの生産性:時間当たりリットル当たり12.2グラム
8.25hの生産性:時間当たりリットル当たり8.2グラム
21.25hの生産性:時間当たりリットル当たり5.5グラム
開始後大体6~8時間に計算された生産性が反応の初期速度に相当すると考えることができ、これはシステムの最高の変換率を最もよく表現する。
細胞250g/lに125g/lのEEHを用いる典型的な生物変換は、大体6~8時間後に、時間当たり、リットル当たり6.3および8.5グラムの間のアンブロックス生産性を示す(反応の初期速度に相当する)。
【0352】
例20
NaCl溶液による反応緩衝液の置き換え
方法20
標準の生物変換(EEH 125g/l、細胞250g/l、SDS1.55%)を例7に記載されているように実施したが、クエン酸緩衝液pH5.4は0.5%または0.9%NaClどちらかに置き換え、全ての他の反応パラメータは不変であった。クエン酸緩衝液中での生物変換を平行してコントロールとして実施した。
【0353】
結果20
図23の結果は、EEH変換率が緩衝液および0.9%NaClで実施された反応と同じであったということを示している。変換率は0.5%NaClのみで実施された反応のときにより低かった。結果は、正確なpH制御および十分なイオン強度が保証される場合に、緩衝液の非存在下において生物変換を実施する可能性を示している。
【0354】
例21
反応ブロスの固相の抽出
(-)-アンブロックスが水に可溶性ではなくかつおよそ75℃よりも低い温度で液体ではないということに鑑みて、それらの特性は、水混和性(例えばエタノール)および水非混和性(例えばトルエン)溶媒どちらかを用いて生体内変換の固相から生成物を抽出するための潜在的利点とされた。
【0355】
方法21
200mlの反応ブロスを遠心して液体(水)相から固体を分離した(Sorvall GS3、5000rpm、10分、10℃)。これはおよそ80mlの固体ペレットをおよそ120mlの液相から分離した。MTBE抽出の後の水相の分析(ガスクロマトグラフィー、例8)は、それが初期に200ml反応ブロス中に存在する(-)-アンブロックスのおよそ0.3%以下を含有するということを示した。トルエンおよびエタノール99%を固相からAmbrofixを抽出するために用いた。
【0356】
結果21
トルエン抽出:
固相80mlを、45mlトルエン(固相体積のおよそ1/2、30秒の激しい振盪、遠心(Sorvall GS3、5000rpm、10分、10℃)によって6×抽出した。溶媒相をその(-)-アンブロックス含量についてGCによって分析した。反応ブロス中に初期に存在する(-)-アンブロックスの99.5%超が、1.35×初期全反応ブロス体積(200ml)または3.4×固相体積という合計トルエン体積に相当する6回の抽出によって抽出された。図24のグラフは、トルエン洗浄による抽出の経過を、200mlの全反応ブロス中に初期に存在した(-)-アンブロックス量の%として示している(体積比ブロス/トルエンのため、最初の抽出物における%は100%を超える)。
エタノール抽出:
固相80mlをおよそ160ml(2倍体積)の99%エタノールによって抽出し(Infors Multifors HT、35℃、1000rpm、30分)、次に遠心をした。アンブロックスは抽出手順の間に結晶化しなかった。図25のグラフは、4回の洗浄(合計640mlのEtOH、すなわち3.2×全初期反応ブロス体積または8×固相の体積)の後に、反応ブロス中に初期に存在したアンブロックスの約99%が回収されたということを示している。最初の抽出ステップにおいてアンブロックス結晶化を防ぐために十分なエタノールが必要とされる(エタノールに可溶性)。固相の1または1/2倍体積のみを最初の抽出ステップに用いたときには、べたついたペーストが得られ、これは取り扱うことが困難であり、(-)-アンブロックスは遠心の間にペレット上の針状体として結晶化した。温度は、この結晶化の要因の因子ではないようであった(抽出および遠心は室温およびおよそ35℃~40℃で試験した)。
EtOH相中の(-)-アンブロックス濃度および液相のEtOH/水比(固相の残留水分)は、結晶形成の要因であるように見えた。しかしながら、エタノールの体積を固相の1倍体積まで減ずることが可能であるということが着目された。
【0357】
コメント21
(-)-アンブロックスは室温では液相に存在しないので、これはバイオマスと共に分離し、有機溶媒(例えば、水混和性溶媒(例えばエタノール)または非水混和性溶媒(例えばトルエン)によって抽出され得る。(-)-アンブロックスを反応混合物の固相に分離する遠心ステップは、それが(-)-アンブロックスを抽出するために必要とされる溶媒の量を減ずるので有利である。
【0358】
例22
知覚分析
目的:「粗」抽出物中および「結晶化された」抽出物中の形成された(-)-アンブロックスおよび副生成物(化合物II、III、およびIV)の知覚分析を行うこと。
【0359】
結果22(a)
EEHの変換は(-)-アンブロックス(化合物I)および(-)-アンブロックス異性体(化合物IV)をもたらす。
結果22(b)
EZHの生体内変換はマクロ環エーテル(化合物II)および9b-エピ-アンブロックス(化合物III)をもたらす。
結果22(c)
(-)-アンブロックスの粗組成物は化合物I、II、III、およびIVを含み、それぞれの%の化合物はそれぞれ87.1、2.8、2.5、および7.6%の量で存在する。
結果22(d)
選択的に結晶化された材料の組成物(実験室規模)は、それぞれ99.1、0.1、0.1、および0.7%の量で存在する同じ構成成分を有する。
知覚分析結果は下記の通りであった。
(-)-アンブロックス:OTH 0.2ng/l(OTHは匂い閾値である)。
EEHからの化合物IV:弱い、IsoE、ウッディー、GC-TH 5~10ng。
EZHからの化合物II:「無臭」(GC-TH >500ng)(GC-THは検出閾値である)。
EZHからの化合物III:アンブロックスよりも約10×高いGC-TH(およそ2ng)。
【0360】
結論
「粗」抽出物中の3つの副生成物(化合物II、III、およびIV)のそれぞれの合計のパーセントは約3%である。
「結晶化した」抽出物中の3つの副生成物(化合物II、III、およびIV)のそれぞれの合計のパーセントは約1%である(実験室規模)。
3つの副生成物(化合物II、III、およびIV)の知覚分析は、(-)-アンブロックスからのものよりも弱い匂いを示す。
事実、9b-エピ-アンブロックス(化合物III)の匂いは(-)-アンブロックスよりも約10倍弱く、それが本質的に無臭であるということを示唆している。
知覚分析は、(-)-アンブロックスからの1種以上の副生成物化合物の取り除きが、取り除かれた化合物それ自体が実際には無臭の化合物である場合でさえも、残りの化合物(すなわち(-)-アンブロックス)の匂いを改善し得るということを示した。すなわち、アンブロックスの匂い増強が化合物II、III、およびIVの非存在下において観察された。
【0361】
例23
蒸気抽出/によるアンブロックス回収
方法23
(蒸気抽出した)粗(-)-アンブロックスおよび結晶化した(-)-アンブロックスについて得られた純度
EE:EZ86:14の生体内変換反応混合物を水蒸気抽出し、反応生成物を下記のように結晶化した:水蒸気蒸留物を二相混合物として集めた。有機相を保持し、水相を捨てた。有機相の組成をGCによって分析し、結果を下の表25に示した(「粗」参照)。次いで、有機相を乾燥状態まで濃縮した。
次に、乾燥した粗生成物にエタノールを加え、混合物を、生成物が溶解するまで温めた。室温において、水をゆっくり加え、(-)-アンブロックスが時々の撹拌および氷浴による冷却下において結晶化する。
【0362】
結果23
下の表25は、蒸気抽出/蒸留ステップの後に得られた(「粗」)生成物および結晶化した生成物((-)-アンブロックス)のGC解析結果をもまた示している。表25における「EZH」および「EEH」への言及は、それぞれ(3Z,7E)ホモファルネソールおよび7E,3Eホモファルネソールを言う。
表25は、特定の出発材料(EEH:EZH86:14)が、WT SHCまたはSHC誘導体を用いて所望の最終生成物(-)-アンブロックスおよび副生成物の極めて特異的な混合物(II、IV、およびIII)を産生するということを示している。選択的結晶化のデータは(-)アンブロックス(I)の強い濃縮を示しており、事実上、副生成物(II)、(IV)、または(III)が結晶化したサンプル中には見いだされない。従って、このEE:EZ混合物は、比較的単純明解で費用対効果の高いやり方で選択的に結晶化される嗅覚的に純粋な(-)-アンブロックス生成物を提供する。
【表30】
【0363】
考察23
蒸気抽出/濾過はアンブロックスを単離するための環境親和性の方法である。なぜなら、これは、アンブロックスの便利な溶媒を含まない単離を提供し、生体触媒の副次的な不活性化を伴うからである。
【0364】
概要23
生物変換反応を用いて産生された(-)-アンブロックスは、溶媒を用いて全反応混合物から(例えば、非水混和性溶媒を用いて、または蒸気抽出/蒸留によって、または濾過によって)または固相から(例えば水混和性溶媒を用いて)、当業者に公知である方法を用いて抽出され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【配列表】
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