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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】自動迅速細胞診装置及び染色剤
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/31 20060101AFI20241212BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20241212BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20241212BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
G01N1/31
G01N33/48 P
G01N35/00 Z
G01N35/04 E
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022501059
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020041421
(87)【国際公開番号】W WO2021007443
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】62/871,907
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ エス メンドーサ
(72)【発明者】
【氏名】アラー エム アフィフィ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エイ ルセロ
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-047289(JP,A)
【文献】ROBERTS, A. N. et al.,A Modified Domicini Technic for Autoradiography: Acidified Eosin-Orange and Alcoholic Toluidine blue,Stain Technology,英国,Taylor & Francis,1967年03月04日,Vol 42(1),7-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/31
G01N 33/48
G01N 35/04
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動迅速細胞診装置であって、
ハウジングと、
標本スライド上に生物学的標本を塗抹するように構成された塗抹システムと、
前記標本を染色するように構成された染色システムと、
前記標本の拡大画像を取り込むように構成された画像取込システムと、
前記標本を有する前記標本スライドを前記塗抹システム、前記染色システム又は前記画像取込システムの少なくとも1つに輸送するための輸送システムと
前記標本スライドを、その上に前記標本が配置された状態で受け入れるように構成されたポートと
を含む自動迅速細胞診装置。
【請求項2】
前記標本スライドを、その上に前記標本が配置された状態で受け入れるための前記ポートから延びる棚を更に含む、請求項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項3】
前記標本を染色することと、画像を取り込むこととの間の待ち時間は、60秒未満である、請求項1又は2に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項4】
前記染色システムは、2つの染色剤を用いる、請求項1~のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項5】
前記染色システムは、ギムザ染色剤若しくはトルイジンブルー染色剤を含む、単一の染色剤又は任意の既存の迅速染色剤を用いる、請求項1~のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項6】
第1の染色剤は、
トルイジンブルーと、
アルコールと
を含み、前記トルイジンブルーは、0.1%~5%の範囲である、請求項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項7】
前記第1の染色剤は、脱イオン水を更に含む、請求項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項8】
第2の染色剤は、
エオシンYと、
アルコールと
を含み、前記エオシンYは、0.5%~5%の範囲である、請求項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項9】
前記染色剤は、一緒に混合された2つの溶液の混合物を含み、第1の溶液は、トルイジンブルーを含み、及び第2の溶液は、エオシンYを含む、請求項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項10】
前記混合物、前記第1の溶液及び前記第2の溶液の比は、60:40~40:60の範囲である、請求項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、ユーザインターフェース画面を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項12】
前記塗抹システムは、前記ハウジング内に配置されるスライドチャンバを含み、複数のスライドは、前記チャンバ内に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項13】
前記スライドチャンバは、前記スライドチャンバから、前記標本を有する前記標本スライドの上に塗抹スライドを排出し、前記標本スライドは、前記標本スライド上に前記標本を塗抹するために前記塗抹スライドに対して移動する、請求項12に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項14】
前記標本が塗抹された後、前記塗抹スライドは、排出ポートを通して排出される、請求項13に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項15】
前記塗抹システムは、染色の後、カバースリップを前記標本スライドの上に載せることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項16】
前記染色システムは、複数の染色剤リザーバを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項17】
前記染色システムは、複数のディスペンサを含み、各ディスペンサは、対応する染色剤リザーバに結合される、請求項16に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項18】
前記染色システムは、前記標本スライド上の余分な染色剤を除去するために前記標本スライドを傾ける、請求項16に記載の自動迅速細胞診装置。
【請求項19】
前記標本は、肺、甲状腺、膵臓、乳房のセンチネルリンパ節、皮膚などの身体部位から採取される穿刺吸引標本又は生検捺印を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の自動迅速細胞診装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年7月9日に出願された「AUTOMATED RAPID ON-SITE EVALUATION MACHINE AND STAIN」という名称の米国仮特許出願第62/871,907号明細書に対する優先権を主張するものであり、この仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、迅速細胞診(ROSE)の分野に関する。より詳細には、いくつかの実施形態は、診断のために生物学的標本(穿刺吸引(FNA)標本など)を塗抹し、染色し、且つその画像を取り込むための自動ROSE装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書における書面による開示は、非限定的且つ非網羅的である例示的な実施形態を説明する。図に描写されるそのような例示的な実施形態のいくつかを参照する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施形態による、生物学的標本を塗抹し、染色し、且つその画像を取り込むための自動迅速細胞診(ROSE)装置の等角図である。
図2図1の自動ROSE装置の透視図である。
図3】トルイジン、エオシン及びアルコール(TEA)染色剤で染色した穿刺吸引(FNA)標本を示す。
図4】本開示の一実施形態による、生物学的標本を受け取るための自動ROSE装置の等角図を示す。
図5】塗抹システム、染色システム及び画像取込システムを備えた、図4の自動ROSE装置の透視図を示す。
図6図5の自動ROSE装置の塗抹システムの詳細な透視図を示す。
図7図5の自動ROSE装置の染色システムの詳細な透視図を示す。
図8図5の自動ROSE装置の画像取込システムの詳細図を示す。
図9】ROSE装置で生物学的標本を塗抹、染色及び撮像した後の自動ROSE装置の詳細図を示す。
図10図1の自動ROSEを用いる方法又はプロセスのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
迅速細胞診(ROSE)は、病理医及び細胞検査士が穿刺吸引(FNA)生検塗抹及び生検捺印などの生物学的標本の細胞含有率及び妥当性を確認するために行う業務である。標本は、肺、甲状腺、膵臓、乳房のセンチネルリンパ節、皮膚など、多数の身体部位から採取され得る。ROSEは、標本の細胞含有率が十分であること並びに標本塗抹及び生検捺印の妥当性を操作者に知らせることができる。標本において十分な細胞含有率が得られない場合、すなわち標本から情報が得られない場合、患者の予約時に追加の標本を採取して、新たな標本を採取するための再診予約の必要を回避することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、ROSEにより、フローサイトメトリー、微生物学的培養又は分子学的検査などの補助的検査のために追加の標本を要求することができるように、予備的診断が可能になる。ROSEへの需要は高いものの、人材確保及びリソースなどの様々な問題に起因して、この業務は、容易に利用可能でない場合がある。細胞検査士、レジデント又はフェローが提供するROSE関連の業務も保険償還対象外である場合がある。そのため、ROSEにかけた時間は、収益の損失となり得る。
【0007】
本開示は、FNA標本などの生物学的標本を現場で診断するための自動ROSE装置に関する。但し、本自動ROSE装置は、他の体液及び凍結切片などを分析するためにも使用され得る。本自動ROSE装置は、細胞診専門医の補助なしで使用することができるため、病院は、ROSEによる診断の需要に応えることができるようになる。本自動ROSE装置では、塗抹及び染色を自動的に行うことができる。本自動ROSE装置を使用することにより、手動での顕微鏡検査が不要になり、標本塗抹のデジタル画像が取り込まれ、一時的又は永続的に保存され、ローカル又はオフサイトでの検討のために直ちに利用可能となり得るため、大幅なコスト削減につながり得る。更なる実施形態では、本開示は、本自動ROSE装置又は別の診断装置で使用され得る染色剤にも関する。
【0008】
本明細書に一般に記載及び図示される実施形態の構成要素は、多様な異なる構成で配置及び設計され得る。したがって、図に表されているように、以下の様々な実施形態のより詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、様々な実施形態を代表するものに過ぎない。実施形態の様々な態様が図面に提示されているが、特段の指示のない限り、図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。
【0009】
「結合された」という語句は、2つ以上のエンティティ間の任意の適切な結合又は他の形態の相互作用(機械的及び流体的なものを含む)を指すのに十分に広義の語句である。したがって、2つの構成要素は、それらが互いに直接接触していなくても、互いに結合され得る。「流体連通」という語句は、通常の意味で使用され、ある要素と別の要素とが互いに流体連通しているとき、ある要素から別の要素に流体(例えば、気体又は液体)が流れ得る配置を指すのに十分に広義の語句である。
【0010】
図1は、自動ROSE装置100の等角図を提示する。図2は、自動ROSE装置100の透視図を示す。自動ROSE装置100は、自動ROSE装置100の様々な構成要素を収容し得るハウジング102を含み得る。いくつかの実施形態では、ROSE装置100は、ユーザインターフェース画面又はモニタ110と、生物学的標本を受け取るためのスライド及び/又は標本受取部120と、自動ROSE装置100内に且つ自動ROSE装置100の様々なシステムに標本を輸送又は移動するための一次モータシステム又はトラックシステム130と、標本を塗抹するためのスライド塗抹部システム140と、標本を染色するための染色システム150と、染色された標本を撮像するための撮像システム160とを含み得る。
【0011】
自動ROSE装置100は、操作者が採取した生物学的標本を処理し、標本を塗抹し、標本を染色し、染色された標本の拡大画像を取り込むことができる。図3は、自動ROSE装置100によって得られた、染色されたFNA標本の例示的な画像を示す。
【0012】
ユーザインターフェース画面110は、操作者が患者情報を入力し、塗抹プロセス、染色プロセス及び/又は撮像プロセスを開始し、ROSE装置100の1つ又は複数のパラメータを変更することなどをできるようにし得る。例えば、ユーザは、染色剤の使用量、画像取り込みの倍率、プロセスの特定のステップをスキップするか否かなどを制御し得る。
【0013】
ユーザインターフェース画面110は、操作者が自動ROSE装置100を制御することを可能にし得るインタラクティブなタッチスクリーンであり得る。また、ユーザインターフェース画面110は、自動ROSE装置100に現在入っている染色された標本のライブ画像を表示し得る。また、ユーザインターフェース画面110は、ROSE装置100のメモリに格納されている、自動ROSE装置100が取り込んだ以前の画像を表示し得る。
【0014】
スライド及び/又は標本受取部120は、操作者からFNA標本などの標本を受け取るように構成され得る。但し、本開示は、そのように限定されるものではなく、スライド及び/又は標本受取部120は、体液及び凍結切片などの様々な異なる標本を受け取るように構成され得る。スライド及び/又は標本受取部120は、標本を投入するための試料入口ポート121を含み得る。換言すれば、試料入口ポート121は、単に、自動ROSE装置100に標本を挿入するための、自動ROSE装置100のハウジング102における開口部である。いくつかの実施形態では、スライド及び/又は標本受取部120は、入口ポート121から延びる棚122を含み得る。棚122は、標本スライド123を保持するように構成され得る。ガラススライド、ポリマースライド及びプラスチックスライドを含むが、これらに限定されない様々なタイプのスライドを本開示に従って使用し得ることが理解されるであろう。標本は、操作者によって標本スライド123に載置され得る。操作者は、標本スライド123の様々な場所に標本を載置し得る。例えば、操作者は、標本スライド123の中央又は標本スライド123の横方向の縁部の近くに標本を載置し得る。自動ROSE装置100は、操作者が標本を載置して自動ROSE装置を起動した後、標本を塗抹、染色及び撮像するために自動ROSE装置100内に標本を引き込むように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、自動ROSE装置100は、棚122に輸送され得る複数のスライド123を自動ROSE装置100内に収容し得る。まず、患者から標本が採取され、その後、操作者は、(スライドを収容するか又は受け取ることができる)棚122上の標本スライド123に所定量の標本を直接載置し得る。棚122は、標本が標本スライド123に載置されたとき、標本が重力によって標本スライド123から流れ落ちないように平らであり得る。いくつかの実施形態では、スライド及び/又は標本受取部120は、棚122を含まず、単に標本を有する標本スライド123がスライド及び/又は標本受取部120の入口ポート121に挿入される。
【0016】
自動ROSE装置100のトラックシステム130は、標本を有する標本スライド123を自動ROSE装置100内の様々な場所に輸送するように構成される。例えば、トラックシステム130は、塗抹システム140、染色システム150及び撮像システム160に標本スライド123を輸送するように構成される。また、トラックシステム130に加えて又はその代わりに、他のタイプの輸送システムを使用することもできる。
【0017】
いくつかの実施形態では、スライド及び/又は標本受取部120のポート121は、標本を受け取るためのレセプタクルであり得る。例えば、スライド及び/又は標本受取部120のポート121は、単に操作者が標本を挿入し得る開口部であり得る。標本がポート121に挿入された後、自動ROSE装置100は、塗抹、染色及び画像取り込みのために標本を準備するための特定の場所に標本を差し向け得る。
【0018】
トラックシステム130は、自動ROSE装置100内の様々な場所に標本スライド123を輸送するように構成された駆動モータ132を含み得る。いくつかの実施形態では、トラックシステム130は、自動ROSE装置100内で自動ROSE装置100中の様々な場所に棚122自体を輸送する。いくつかの実施形態では、トラックシステム130は、自動ROSE装置100内で自動ROSE装置100中の様々な場所に標本スライド123を輸送する。他の実施形態では、棚122は、標本スライド123を保持するステージを含み、ステージ及び標本スライド123は、自動ROSE装置100内で一緒に自動ROSE装置100中の様々な場所に輸送される。
【0019】
いくつかの実施形態では、トラックシステム130は、ウォーム歯車134を更に含む。駆動モータ132は、ウォーム歯車134を回転させ、自動ROSE装置100の長手方向に標本スライド123を輸送するように構成される。また、ウォーム歯車134に加えて又はその代わりに、他の機械的器具を使用することもできる。
【0020】
塗抹システム140は、標本スライド123上に標本を自動的に塗抹するように構成され得る。これは、いくつかの異なる方法で行われ得る。塗抹は、標本スライド123上に標本を均一に広げるプロセスである。塗抹システム140は、塗抹機構を用いて標本を塗抹し得る。自動ROSE装置100の塗抹機構は、別のスライド(例えば、塗抹スライド)を用いて標本を塗抹し得、これにより、必要に応じて2つのスライド塗抹を作成し得る(各スライドに1つずつ、すなわち標本スライド及び塗抹スライド)。
【0021】
図示の実施形態では、塗抹システム140は、スライド塗抹部入口ポート141と、スライド塗抹部排出ポート142と、スライド格納チャンバ143とを含む。スライド(図示せず)は、スライド塗抹部入口ポート141に挿入され、次いでスライド格納チャンバ143内に格納され得る。スライド格納チャンバ143は、複数のスライド(例えば、ガラススライド、ポリマースライド又はプラスチックスライド)を収容するように構成され得る。
【0022】
一実施形態では、スライド格納チャンバ143から、スライド格納チャンバ143チャンバの底部付近において、標本を有する標本スライド123上に塗抹スライドを排出するか又は押し出すことにより、標本は、標本スライド123上に塗抹され得る。塗抹スライドは、サーボモータ又は他の機械的器具を介してスライド格納チャンバ143から排出され得る。標本を有する標本スライド123上に塗抹スライドが載ると、駆動モータ132は、標本スライド123を移動させて、塗抹するために使用された塗抹スライドを離すことができ、塗抹スライドは、ランプ144を下ってスライド塗抹部排出ポート142に移動することができる。塗抹スライドは、別途染色を行うのに十分な標本をその上に有し得る。
【0023】
上記の例は、標本が染色され得る1つの方法に過ぎない。標本は、他の複数の方法で染色され得る。例えば、一実施形態では、標本は、標本スライド123上で標本スライド123の第1の縁部付近の場所に載置され得る。標本スライドに標本を載置した後、塗抹スライドが標本スライド123の上に配置され得る。塗抹スライドは、スライド格納チャンバ143から放出/落下され得る。次いで、自動ROSE装置100は、任意選択で標本スライドに対して角度をつけて、(第1の横方向の縁部とは反対側にある)第2の横方向の縁部に向かう方向に塗抹スライドを引き、それにより標本を塗抹することができる。必要に応じて、この方法は、標本塗抹をそれぞれ有する2枚のスライド(標本スライド及び塗抹スライド)を作成するために使用され得る。塗抹スライドは、後に永続的な染色のためにラボに提出するために、スライド塗抹排出ポート142を介して排出され得る。
【0024】
別の実施形態では、標本は、標本スライド123の中央付近に載置され得る。標本スライド123上に標本を載置した後、塗抹スライドは、標本スライド123に対して角度をつけて標本スライド123の上に配置され得る。塗抹スライドは、スライド格納チャンバ143から放出/落下され得る。塗抹スライドは、標本スライド123に対して時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に回転され得る。回転は、15度~175度であり得る。スライドを互いに回転させることにより、標本スライド123に標本を塗抹し得る。いくつかの実施形態では、標本スライド123と塗抹スライドとは、互いに対して同時に回転し得る。例えば、標本スライド123が時計回りに回転することができ、塗抹スライドが反時計回りに回転することができるか、又はその逆であり得る。スライドが互いに対して回転されると、塗抹スライドは、標本スライド123から取り外され、標本塗抹部排出ポート142を介して排出される。塗抹ガラススライドが標本スライド123から取り外されると、標本は、塗抹されており、染色の準備が整った状態となる。
【0025】
別の実施形態では、標本は、標本スライド123の横方向の縁部付近に載置され得る。標本スライド123に標本を載置した後、塗抹スライドの縁部は、標本スライド123に対して角度をつけて標本に接触して配置され得る。その後、塗抹スライドの縁部によって標本に一定の力が加えられて、標本スライド123全体に標本を塗抹することができる。標本に加えられる力は、標本スライド123全体に実質的に一定の塗抹を形成し得る。標本が塗抹された後、塗抹スライドは、標本スライド123から取り外され、標本は、染色の準備が整った状態となる。
【0026】
いくつかの実施形態では、塗抹システム140は、スプレッダ機構(図示せず)を含み得る。スプレッダは、標本スライド123に標本を塗抹するように構成される。スプレッダは、標本スライド123の高さに延び得、スプレッダは、標本スライド123に対して横方向に移動し得る。したがって、トラックシステム130が標本スライド123を塗抹システム140に輸送すると、スプレッダは、標本スライド123の上面と係合し、横方向に移動して、標本スライド123上に配置された標本を塗抹する。また、スプレッダは、2019年7月9日に出願された「AUTOMATED RAPID ON-SITE EVALUATION MACHINE AND STAIN」という名称の米国仮特許出願第62/871,907号明細書のガラススライドアダプタ上のスプレッダと同様であり得る。
【0027】
染色システム150は、標本スライド123上の標本を自動的に染色するように構成され得る。染色は、顕微鏡下で細胞の形態及び構造を可視化することを促進するために、標本スライド123上の標本に染色剤を適用するプロセスである。自動ROSE装置100は、診断プロセスに役立つように、1つ又は複数の組織学的な染色剤を用いて標本を染色し得る。想定される染色剤としては、TEA染色剤(後述)、メチルグリーン、メチレンブルー、ピロニンG、トルイジンブルー、酸フクシン、アニリンブルー、エオシン、オレンジgなどが挙げられる。
【0028】
標本は、いくつかの異なる方法で染色され得る。いくつかの実施形態では、染色システム150は、プログラム可能な流体分注システムを含む。プログラム可能な流体分注システムは、空圧式又は非空圧式であり得る。流体分注システムは、標本塗抹上に染色剤を分注するように構成され得る。染色溶液は、単一の染色剤を含み得るか、又は複数の染色剤を含み得る。各染色剤は、標本塗抹上に一度に1つずつ分注され得、染色剤は、標本塗抹全体に拡散するように構成され得る。第1の染色剤が標本塗抹上に分注された後、必要に応じて標本塗抹上に第2の染色剤が任意選択で分注され得る。
【0029】
染色システム150は、複数の染色剤リザーバ151、152、153と、染色剤ディスペンサ154、155、156と、染色剤リザーバ151、152、153をディスペンサ154、155、156に結合する管157とを含む。染色剤リザーバ151、152、153は、異なる染色剤をそれぞれ収容し得るか、又は同じ染色剤を保持し得る。いくつかの実施形態では、染色剤リザーバ151、152、153の1つは、余分な染色剤を洗浄するための水又は洗浄剤を保持する。
【0030】
染色剤ディスペンサ154、155、156は、標本スライド123上の標本の上に正確な量の染色剤を送達する。複数の染色剤が使用される場合、染色剤は、順次適用され得る。いくつかの実施形態では、染色剤は、同時に適用され得る。
【0031】
また、本明細書に開示される自動ROSE装置100により、様々なタイプの染色剤が採用され得る。例えば、特定の実施形態では、Diff-Quik染色剤などの市販の染色剤が使用され得る。また、本明細書に開示される追加的な染色剤も使用され得る。ROSE装置100は、他の染色剤及び染色プロトコルに適合され得る。
【0032】
一実施形態では、本開示は、トルイジン及び/又はエオシンを含む染色剤に関する。例えば、自動ROSE装置100は、トルイジン、エオシン及びアルコール(TEA)を含む染色剤を採用し得る。図3の画像は、TEA染色剤で染色されたFNA標本を示す。TEA染色剤は、費用対効果が高く、迅速に適用できるため、自動ROSE診断に適している。本明細書に開示されるTEA処方は、様々な成分若しくは原料を含むことができるか、又は様々な成分若しくは原料から処方することができ、それらのそれぞれが染色剤処方に1つ又は複数の特性及び/又は特徴を付与し得る。いくつかの実施形態では、例えば、TEA染色剤の処方は、1つ又は複数の固定試薬、好酸性溶液及び好塩基性溶液を含む。また、必要に応じて追加的な成分(例えば、脱イオン水、添加剤など)を処方に含めることもできる。TEA染色剤は、空気乾燥を必要とすることなく6~10秒で優れた画質の染色をもたらし得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、トルイジンとエオシンとが組み合わされて、単一の染色剤として適用され得る。他の実施形態では、個々のトルイジン染色剤及びエオシン染色剤が連続して適用され得る(例えば、トルイジン染色剤の後にエオシン染色剤又はエオシン染色剤の後にトルイジン染色剤)。
【0034】
2つの別個の染色剤(例えば、トルイジン染色剤及びエオシン染色剤)を採用する実施形態では、第1の染色剤リザーバに格納された第1の染色剤は、好塩基性溶液(例えば、チアジド染料)と、固定試薬とを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、好塩基性溶液は、トルイジンブルーであり、固定試薬は、エタノールなどのアルコールである。トルイジンブルーは、塩基性のチアジン系異染性染料であり、酸性の組織成分に高い親和性を有する。トルイジンブルーは、核酸を青色に、多糖類を紫色に染色する。トルイジンブルーの粉末をエタノール(例えば、95%のエタノール)及び水と混合して、この染色剤を形成することができる。いくつかの実施形態では、トルイジンブルーの量は、第1の染色剤において0.1%~5%(v/v)の範囲である。他の実施形態では、トルイジンブルーの量は、第1の染色剤において1%~4%(v/v)又は2%~3%(v/v)の範囲である。
【0035】
第2のリザーバに格納された第2の染色剤は、好酸性溶液(例えば、キサンテン染料)と、固定試薬とを含む。例えば、いくつかの実施形態では、第2の染色剤は、好酸性溶液としてのエオシンYと、固定試薬としてのアルコール(例えば、エタノール)とを含む。エオシンYは、蛍光酸性化合物であり、アルギニン及びリジンなどのアミノ酸残基を含むタンパク質のような好塩基性又は好酸性の化合物と結合して塩を形成し、フルオレセインに対する臭素の作用の結果、それらを暗赤色又はピンク色に染色する。いくつかの実施形態では、エオシンYの量は、第2の染色剤において0.5%~5%(v/v)の範囲である。他の実施形態では、エオシンYの量は、第2の染色剤において1%~4%(v/v)又は2%~3%(v/v)の範囲である。
【0036】
上述のように、第1の染色剤成分及び第2の染色剤成分(例えば、トルイジンブルー及びエオシンY)を組み合わせるか又は混合して、標本を染色することができる単一の染色剤又は混合物を形成し得る。いくつかの実施形態では、第1の染色剤と第2の染色剤との間の比は、50:50であり得る。他の実施形態では、第1の染色剤と第2の染色剤との間の比は、60:40~40:60、70:30~30:70又は80:20~20:80の範囲であり得る。更に他の実施形態では、第1の染色剤と第2の染色剤との間の比は、90:10~10:90の範囲であり得る。
【0037】
画像取込システム160は、2D又は3D画像を取り込むために、顕微鏡/拡大鏡の光路に取り付けられた高解像度カメラを採用し得る。染色後、画像を取り込むまでの待ち時間は、例えば、120秒以下、100秒以下、80秒以下又は60秒以下であり得る。自動ROSE装置100は、内蔵デジタルカメラを含むことができ、最大1000×の倍率のために、×10広視野接眼レンズの有無を問わず、1×、2×、4×、10×、20×、40×、60×又は100×の倍率オプションを含むことができる。より高い倍率も本開示の範囲内である。また、自動ROSE装置100は、LED照明システムと、照明のレベルを対象物に合わせるためのレオスタットによる輝度制御部とを含み得る。自動ROSE装置100の焦点は、自動ROSE装置100の操作者が焦点を調整しなくてもよいように固定であり得る。いくつかの実施形態では、操作者が焦点を調整し得る。また、デジタルカメラは、既知のオペレーティングシステムに適したソフトウェアによってサポートされ得る。
【0038】
デジタルカメラで取り込んだデジタル画像は、自動ROSE装置100に保存され得るか、又は遠隔地に保存され得る。デジタル画像は、ローカル又はオフサイトでの検討のために直ちに利用可能であり得る。
【0039】
図4図9は、自動ROSE装置100を用いて生物学的標本を塗抹、染色及び撮像するプロセスを示す。図4は、自動ROSE装置100を示す。操作者は、生物学的標本(FNA標本など)を採取して、標本スライド123に標本を載置する。操作者は、標本スライド123上に適切な患者識別情報を付けることができる。標本スライド123は、棚122の上に配置され得る。標本が標本スライド123に載置された後、トラックシステム130は、自動ROSE装置100のハウジング102内に標本スライド123を輸送する。操作者は、ユーザ対話画面110にある「スタート」ボタンを押すことにより、自動ROSE装置100の作動を開始し得る。標本スライド123は、スライド格納チャンバ143から取得され、トラックシステム130を介して棚122に輸送され得、自動ROSE装置100は、標本スライド123に適切な患者識別情報をラベル付けするように構成され得る。
【0040】
図5は、自動ROSE装置100の透視図を示す。標本スライド123は、トラックシステム130により、塗抹システム140に向かって後方に輸送される。駆動モータ132は、トラックシステム130の動きを駆動する。
【0041】
図6は、標本スライド123が塗抹システム140にある状態での自動ROSE装置100の透視図を示す。上述のように、塗抹スライドは、スライド格納チャンバ143から落下又は放出される。塗抹スライドは、標本スライド123上に配置された標本を塗抹するために使用される。これは、標本スライド123の上に塗抹スライドを落下させた後、標本スライド123を前方方向に輸送することによって実現され得る。肩部146は、塗抹スライドと係合するが、標本スライド123が肩部146の下を通過できるようにする。このようにして、肩部146は、塗抹スライドを標本スライド123から押し離し、これにより標本を塗抹する。塗抹スライドを用いて、標本スライド123上に配置された標本を塗抹した後、塗抹スライドは、ランプ144を下って移動して、スライド塗抹排出ポート142から排出される。
【0042】
図7は、染色システム150における自動ROSE装置100の透視図を示す。トラックシステム130は、標本スライド123上の標本を染色システム150に輸送し得る。染色システム150は、正確な量の染色剤を分注する。上述のように、1つの染色剤を使用し得るか、又は2つの染色剤を順次使用し得る。染色剤が標本上に分散された後、標本スライド123が傾けられ、第3の染色剤リザーバに接続又は結合された第3のディスペンサから水が分散されて、不要な余分な染色剤を除去し得る。いくつかの実施形態では、標本スライド123は、最大45度まで傾けられ得る。重力により、標本スライド123から余分な流体が流れ出ることができる。その後、余分な流体は、廃棄物容器に排出される。
【0043】
標本スライド123上に染色剤を分散させた後、カバースリップが標本スライド123に載せられ得る。空気圧による吸引は、カバースリップをピックアップして標本に載せるように構成され得る。
【0044】
図8は、撮像システム160における自動ROSE装置100の透視図を示す。トラックシステム130は、標本スライド123上の標本を撮像システム160に輸送し得る。最大1000×の拡大が可能な高解像度カメラがライブ画像を撮影するために使用され得る。これらの画像は、ユーザインターフェース画面110上に表示され得る。カメラで取り込まれた画像は、数秒でネットワーク上において利用可能になり得る。標本スライド123は、ロボット制御され得るステージ上に配置され得る。換言すれば、ステージは、標本の良い画像を取り込むために、標本を左、右、上、下などに移動させ得る。
【0045】
図9は、スライド及び/又は標本受取部120の入口ポート121から排出された標本スライド123上の塗抹及び染色された標本を示す。標本スライドは、後に実験室において処理するために、アルコール固定剤に入れておくことができる。標本は、標準的なPAP染色剤で再染色されるか又は分子検査に利用され得る。
【0046】
自動ROSE装置100は、機械学習プラットフォームなどの人工知能を更に含み得る。機械学習プラットフォームは、上で開示したTEA染色剤などのいくつかの異なる染色剤に合わせて調整され得る。機械学習プラットフォームは、1つ又は複数の取り込まれた画像を調べ、それらについて腫瘍細胞の有無を分析するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ROSE装置100は、一般的な細胞学的カテゴリ(不十分、良性、異型、悪性疑い)を提示し得る。いくつかの実施形態では、ROSE装置100は、良性細胞又は悪性細胞が存在する結果を提示し得る。いくつかの実施形態では、ROSE装置100は、病理学的診断を提示し得る。
【0047】
図10は、自動ROSE装置100を用いる方法又はプロセス200のフローチャートを示す。ステップS202は、自動ROSE装置100に標本を導入することを含む。上述のように、標本は、FNA標本、体液、凍結切片などであり得る。標本は、自動ROSE装置100に直接導入され得るか、又は標本は、標本スライド123などの標本スライド上に配置されて、試料入口ポート121を介して導入され得る。
【0048】
ステップS204は、標本を塗抹することを含む。上述のように、自動ROSE装置100は、塗抹システム140を用いて標本を塗抹し得る。
【0049】
ステップS206は、塗抹された標本を組織学的な染色剤を用いて染色することを含む。上述のように、標本は、1つ又は複数の染色剤で染色され得る。想定される染色剤としては、開示されたTEA染色剤、メチルグリーン、メチレンブルー、ピロニンG、トルイジンブルー、酸フクシン、アニリンブルー、エオシン、オレンジgなどが挙げられる。標本は、上述の染色システム150を用いて染色され得る。
【0050】
ステップS208は、塗抹された標本の画像を取り込むことを含む。画像は、最大1000×の倍率を用いて画像を取り込むことができるデジタルカメラを用いて取り込まれ得る。
【0051】
ステップS210は、想定される将来の分析のために、自動ROSE装置100から塗抹標本を排出することを含む。例えば、塗抹標本は、後に実験室において処理するために、アルコール固定剤に入れておくことができる。塗抹標本は、標準的なPAP染色剤で再染色されるか又は分子検査に利用され得る。
【0052】
本明細書に開示されたいずれの方法も、記載された方法を実行するための1つ又は複数のステップ又はアクションを含む。方法ステップ及び/又はアクションは、互いに入れ換えられ得る。換言すれば、ステップ又はアクションの特定の順序が本実施形態の適切な動作に必要とされない限り、特定のステップ及び/又はアクションの順序及び/又は使用は、修正され得る。更に、本明細書に記載される方法のサブルーチン又は一部のみが、本開示の範囲内の別個の方法であり得る。別の言い方をすれば、いくつかの方法は、より詳細な方法で記載されたステップの一部のみを含むことができる。
【0053】
特許請求の範囲における、特徴又は要素に関する「第1」という用語の記載は、第2又は追加のそのような特徴又は要素の存在を必ずしも意味するものではない。本開示の基礎となる原理から逸脱することなく、上述の実施形態の詳細に対する変更形態がなされ得ることは、当業者に明らかであろう。
【0054】
本明細書全体を通して、「ある実施形態」又は「その実施形態」への言及は、その実施形態との関連で記述された特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して記載される、引用された語句又はその変形は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指しているわけではない。
【0055】
同様に、上記の実施形態の説明において、本開示を合理化する目的で、様々な特徴を一緒に単一の実施形態、図又はその説明にまとめている場合があることは、本開示の恩恵を受ける当業者によって理解されるべきである。しかしながら、本開示の方法は、いずれの請求項も、その請求項に明示的に記載されているものを超える特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、上述の開示された任意の単一の実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにある。したがって、この詳細な説明に続く特許請求の範囲は、各請求項が個別の実施形態として独立している状態でこの詳細な説明に明示的に組み込まれる。本開示は、独立請求項及びその従属請求項のすべての並べ換えを含む。
図1
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