(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 25/10 20230101AFI20241212BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20241212BHJP
H04N 25/11 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
H04N25/10
G02B5/20 101
H04N25/11
(21)【出願番号】P 2022503135
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 JP2021000380
(87)【国際公開番号】W WO2021171797
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2020030458
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 隆行
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-017152(JP,A)
【文献】特開2009-157198(JP,A)
【文献】国際公開第2010/100896(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/024705(WO,A1)
【文献】特開2013-013142(JP,A)
【文献】特開2007-219346(JP,A)
【文献】特開昭62-131203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/10
G02B 5/20-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部と、前記光電変換部に対応して形成されたカラーフィルタとを有する画素がm×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素ユニットを、2×2の行列状に配置してなる複数の画素ユニット群が配列されている画素アレイ部を備え、
前記画素ユニット群のそれぞれは、前記画素ユニット群を構成する4つの前記画素ユニットのうちの、第1の画素ユニットに、赤色光を透過させるRフィルタと、当該赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第2及び第3の画素ユニットそれぞれに、緑色光を透過させるGフィルタと、当該緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第4の画素ユニットに、青色光を透過させるBフィルタと、当該青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタとを前記カラーフィルタとして含む
固体撮像装置。
【請求項2】
mは3以上の自然数であり、
前記第1の画素ユニットは、前記m×mの行列状に配置された複数の前記画素のうち互いに市松状に位置する一部の前記画素が前記Rフィルタを含み、残りの前記画素が前記Cフィルタを含んでおり、
前記第2の画素ユニットは、前記m×mの行列状に配置された複数の前記画素のうち互いに市松状に位置する一部の前記画素が前記Gフィルタを含み、残りの前記画素が前記Mフィルタを含んでおり、
前記第3の画素ユニットは、前記m×mの行列状に配置された複数の前記画素のうち互いに市松状に位置する一部の前記画素が前記Bフィルタを含み、残りの前記画素が前記Yフィルタを含んでいる
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
m=2であり、
前記第1の画素ユニットは、対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対が前記Rフィルタを含み、他方の画素対が前記Cフィルタを含んでおり、
前記第2の画素ユニットは、対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対が前記Gフィルタを含み、他方の画素対が前記Mフィルタを含んでおり、
前記第3の画素ユニットは、対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対が前記Bフィルタを含み、他方の画素対が前記Mフィルタを含んでいる
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
光電変換部と、前記光電変換部に対応して形成されたカラーフィルタとを有する画素がm×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素ユニットを、2×2の行列状に配置してなる複数の画素ユニット群が、複数配列されている画素アレイ部を備え、前記画素ユニット群のそれぞれは、前記画素ユニット群を構成する4つの前記画素ユニットのうちの、第1の画素ユニットに、赤色光を透過させるRフィルタと、赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第2及び第3の画素ユニットそれぞれに、緑色光を透過させるGフィルタと、緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第4の画素ユニットに、青色光を透過させるBフィルタと、青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタを前記カラーフィルタとして含む固体撮像装置と、
被写体からの像光を前記固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路とを備える
電子機器。
【請求項5】
前記信号処理回路は、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで青色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの青色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、RGBモザイク画像を生成するビニング処理部を備える
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記信号処理回路は、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、CMYモザイク画像を生成するビニング処理部を備える
請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記信号処理回路は、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで赤色及びシアン色の色情報を有する画像画素の画素値を加算して1つの画像画素の輝度値を算出し、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで緑色及びマゼンタ色の色情報を有する画像画素の画素値を加算して1つの画像画素の輝度値を算出し、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで青色及び黄色の色情報を有する画像画素の画素値を加算して1つの画像画素の輝度値を算出する輝度値算出部を備える
請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
前記輝度値算出部は、前記輝度値の算出に用いる画素値として、光源の色温度毎に設定された補正係数を前記モザイク画像の画素値に乗算した数値を用いる
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記信号処理回路は、
前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで青色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの青色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、RGBモザイク画像を生成するビニング処理部と、
前記RGBモザイク画像に前記輝度値を合成する輝度合成部とを備える
請求項7に記載の電子機器。
【請求項10】
前記信号処理回路は、
前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、CMYモザイク画像を生成するビニング処理部と、
前記CMYモザイク画像をRGBモザイク画像に変換した後、変換した前記RGBモザイク画像に前記輝度値を合成する輝度合成部とを備える
請求項7に記載の電子機器。
【請求項11】
前記ビニング処理部は、前記RGBモザイク画像を生成するとともに、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、CMYモザイク画像を生成し、
前記信号処理回路は、前記CMYモザイク画像をRGBモザイク画像に変換し、変換したRGBモザイク画像と前記ビニング処理部で生成した前記RGBモザイク画像とを合成して高ダイナミックレンジ画像を生成するHDR画像生成部を備える
請求項5に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベイヤー配列の1画素を複数画素に分割した構成の固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の固体撮像装置では、フル解像度デモザイク処理(リモザイク処理後に、デモザイク処理を行う一連の処理)を行うことで、高解像度の撮像画像を得ることができ、また、ビニング処理を行うことで、SN比に優れた撮像画像を得ることができ、さらには、複数画素のそれぞれで露光条件を変えることで、高ダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)の撮像画像を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の固体撮像装置では、一回の撮像で、被写体のRGB画像、CMY画像及び輝度情報のすべてを取得することができなかった。
本開示は、一回の撮像で、RGB画像、CMY画像及び輝度情報を取得可能な固体撮像装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の固体撮像装置は、(a)光電変換部と、光電変換部に対応して形成されたカラーフィルタとを有する画素がm×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素ユニットを、2×2の行列状に配置してなる複数の画素ユニット群が、複数配列されている画素アレイ部を備え、(b)画素ユニット群のそれぞれは、画素ユニット群を構成する4つの画素ユニットのうちの、第1の画素ユニットに、赤色光を透過させるRフィルタと、赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタとをカラーフィルタとして含み、第2及び第3の画素ユニットそれぞれに、緑色光を透過させるGフィルタと、緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタとをカラーフィルタとして含み、第4の画素ユニットに、青色光を透過させるBフィルタと、青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタとをカラーフィルタとして含む。
【0006】
本開示の電子機器は、(a)光電変換部と、光電変換部に対応して形成されたカラーフィルタとを有する画素がm×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素ユニットを、2×2の行列状に配置してなる複数の画素ユニット群が、複数配列されている画素アレイ部を備え、画素ユニット群のそれぞれは、画素ユニット群を構成する4つの画素ユニットのうちの、第1の画素ユニットに、赤色光を透過させるRフィルタと、赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタとをカラーフィルタとして含み、第2及び第3の画素ユニットそれぞれに、緑色光を透過させるGフィルタと、緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタとをカラーフィルタとして含み、第4の画素ユニットに、青色光を透過させるBフィルタと、青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタをカラーフィルタとして含む固体撮像装置と、(b)被写体からの像光を固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、(c)固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る電子機器の全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の全体構成を示す図である。
【
図3A】
図2のA-A線で破断した場合の、画素アレイ部の断面構成を示す図である。
【
図3B】
図3AのB-B線で破断した場合の、カラーフィルタの最小単位配列を示す図である。
【
図4】変形例に係るカラーフィルタの最小単位配列を示す図である。
【
図5】赤色画素及びシアン色画素の透過率を示す図である。
【
図6】緑色画素及びマゼンタ色画素の透過率を示す図である。
【
図7】青色画素及び黄色画素の透過率を示す図である。
【
図8】カラーフィルタアレイの構成を示す図である。
【
図9】変形例に係るマイクロレンズの配置を示す図である。
【
図10】画像生成処理を示すフローチャートである。
【
図11】信号処理回路で生成される撮像画像を示す図である。
【
図12】リモザイク処理の処理内容を示す図である。
【
図13】リモザイク処理の処理内容を示す図である。
【
図19】本開示の第2の実施形態に係る電子機器の全体構成を示す図である。
【
図20】画像生成処理を示すフローチャートである。
【
図21】HDR画像生成処理の処理内容を示す図である。
【
図22】HDR画像生成処理の処理内容を示す図である。
【
図25】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図26】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図27】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図28】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の実施形態に係る固体撮像装置1及び電子機器の一例を、
図1~
図28を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順序で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。また、本明細書に記載された効果は例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
1.第1の実施形態:電子機器
1-1 電子機器の全体の構成
1-2 要部の構成
1-3 画像生成処理
2.第2の実施形態:電子機器
2-1 要部の構成
2-2 変形例
3.移動体への応用例
4.内視鏡手術システムへの応用例
【0009】
〈1.第1の実施形態:電子機器〉
[1-1 電子機器の全体の構成]
本開示の第1の実施形態に係る電子機器100について説明する。電子機器100としては、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置、撮像機能を備えた携帯電話機、又は撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器を採用できる。
図1は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器100の全体を示す概略図である。
図1に示すように、電子機器100は、固体撮像装置101(以下、「固体撮像装置1」とも呼ぶ)と、光学レンズ102と、シャッタ装置103と、駆動回路104と、信号処理回路105とを備えている。信号処理回路105は、モザイク画像生成部106と、ホワイトバランス調整部107と、モード判定部108と、リモザイク処理部109と、ビニング処理部110と、輝度値算出部111と、輝度合成部112とを備えている。電子機器100では、光学レンズ102が、被写体からの像光(入射光113)を固体撮像装置101の撮像面上に結像させ、固体撮像装置101が、入射光113の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号を出力し、信号処理回路105が、固体撮像装置101から出力される画素信号に信号処理を行う。その際、シャッタ装置103は、固体撮像装置101への光照射期間及び遮光期間を制御する。また、駆動回路104は、画素信号の転送動作、及びシャッタ装置103のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。
図2は、固体撮像装置1を示す概略構成図である。
図2の固体撮像装置1は、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
図2に示すように、固体撮像装置1は、基板2と、画素アレイ部3と、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8とを備えている。
画素アレイ部3は、基板2上に、行列状に配列された複数の画素9を有している。画素9のそれぞれは、
図3A及び
図3Bに示すように、光電変換部24、光電変換部24に対応して形成されたカラーフィルタ19及びマイクロレンズ20を有している。画素9は、2×2の行列状に配置された4つの画素9で1つの画素ユニット10を構成している。また、画素ユニット10は、2×2の行列状に配置された4つの画素ユニット10で1つの画素ユニット群11を構成している。即ち、画素アレイ部3は、画素ユニット群11が行列状に複数配列されて構成されている。
なお、第1の実施形態では、1つの画素ユニット10を、2×2の行列状に配置された画素9で構成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図4に示すように、m×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素9で構成してもよい。
図4では、mが5以上である場合を例示している。
【0010】
垂直駆動回路4は、例えば、シフトレジスタによって構成され、所望の画素駆動配線12を選択し、選択した画素駆動配線12に画素9を駆動するためのパルスを供給し、各画素9を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路4は、画素アレイ部3の各画素9を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素9の光電変換部24において受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号を垂直信号線13経由でカラム信号処理回路5に供給する。
【0011】
カラム信号処理回路5は、例えば、画素9の列毎に配置されており、1行分の画素9から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路5は画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
水平駆動回路6は、例えば、シフトレジスタによって構成され、水平走査パルスをカラム信号処理回路5に順次出力して、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から信号処理が行われた画素信号(以下、「画素値」とも呼ぶ)を水平信号線14に出力させる。
【0012】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線14を通して、順次に供給される画素信号(画素値)に対し信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理を採用できる。
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等に出力する。
【0013】
[1-2 要部の構成]
次に、
図1の固体撮像装置1の詳細構造について説明する。
図3Aは、固体撮像装置1の画素アレイ部3の断面構成を示す図である。
図3Bは、
図3AのB-B線で破断した場合の、カラーフィルタ19の最小単位配列を示す図である。
図3A及び
図3Bでは、固体撮像装置1として、裏面照射型のCMOSイメージセンサを用いている。
【0014】
図3A及び
図3Bに示すように、第1の実施形態の固体撮像装置1は、基板2、絶縁膜15、遮光膜16及び平坦化膜17がこの順に積層されてなる受光層18を備えている。また、受光層18の絶縁膜15側の面(以下、「裏面S1」とも呼ぶ)には、カラーフィルタ19及びマイクロレンズ20(オンチップレンズ)がこの順に積層されてなる集光層21が形成されている。さらに、受光層18の基板2側の面(以下、「表面S2」とも呼ぶ)には、配線層22及び支持基板23がこの順に積層されている。なお、受光層18の裏面S1と平坦化膜17の裏面とは同一の面であるため、以下の記載では、平坦化膜17の裏面についても「裏面S1」と表す。また、受光層18の表面S2と基板2の表面とは同一の面であるため、以下の記載では、基板2の表面についても「表面S2」と表す。
【0015】
基板2は、例えば、シリコン(Si)からなる半導体基板によって構成され、
図1に示した画素アレイ部3を形成している。画素アレイ部3には、基板2に形成された複数の光電変換部24が行列状に配置されている。光電変換部24では、入射光113の光量に応じた信号電荷が生成されて蓄積される。また、互いに隣接する光電変換部24間には、他の光電変換部24を透過した光が侵入しないように、画素分離部25が配置されている。
絶縁膜15は、基板2の裏面S1側の全体(受光面側の全体)を連続的に被覆している。また、遮光膜16は、絶縁膜15の裏面S3側の一部(受光面側の一部)に、複数の光電変換部24のそれぞれの受光面が開口されるように、格子状に形成されている。
【0016】
カラーフィルタ19は、絶縁膜15の裏面S1側(受光面側)に、各光電変換部24に対応して形成されている。即ち、1つの光電変換部24(画素9)に対して1つのカラーフィルタ19が形成されている。これにより、カラーフィルタ19は、行列状に規則的に配列されてなるカラーフィルタアレイ26を形成している。カラーフィルタ19のそれぞれは、入射光113の特定の波長の光(赤色光、緑色光、青色光、シアン色光、マゼンタ色光、黄色光)を透過し、透過した光を光電変換部24に入射させる構成となっている。
カラーフィルタ19としては、赤色光を透過させるRフィルタ19
R、緑色光を透過させるGフィルタ19
G、青色光を透過させるBフィルタ19
B、Rフィルタ19
Rが透過させる赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタ19
C、Gフィルタ19
Gが透過させる緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタ19
M、Bフィルタ19
Bが透過させる青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタ19
Yが用いられる。言い換えると、Cフィルタ19
Cは、
図5に示すように、分光分布図において、Rフィルタ19
Rの透過率が大きくなる波長で透過率が小さくなり、Rフィルタ19
Rの透過率が小さくなる波長で透過率が大きくなるカラーフィルタである。Mフィルタ19
Mは、
図6に示すように、分光分布図において、Gフィルタ19
Gの透過率が大きくなる波長で透過率が小さくなり、Gフィルタ19
Gの透過率が小さくなる波長で透過率が大きくなるカラーフィルタである。また、Yフィルタ19
Yは、
図7に示すように分光分布図において、Bフィルタ19
Bの透過率が大きくなる波長で透過率が小さくなり、Bフィルタ19
Bの透過率が小さくなる波長で透過率が大きくなるカラーフィルタである。
【0017】
図3A及び
図3B中、符号RはRフィルタ19
Rを示し、以下同様に、符号GはGフィルタ19
Gを示し、符号BはBフィルタ19
Bを示し、符号CはCフィルタ19
Cを示し、符号MはMフィルタ19
Mを示し、符号YはYフィルタ19
Yを示す。また、以下の記載では、Rフィルタ19
Rを含む画素9を赤色画素9
Rと表し、Gフィルタ19
Gを含む画素9を緑色画素9
Gと表し、Bフィルタ19
Bを含む画素9を青色画素9
Bと表し、Cフィルタ19
Cを含む画素9をシアン色画素9
Cと表し、Mフィルタ19
Mを含む画素9をマゼンタ色画素9
Mと表し、Yフィルタ19
Yを含む画素9を黄色画素9
Yと表す。
【0018】
また、カラーフィルタ19(Rフィルタ19
R、Gフィルタ19
G、Bフィルタ19
B、Cフィルタ19
C、Mフィルタ19
M、Yフィルタ19
Y)の配列パターンは、
図3Bに示すような4×4の行列状に配置されたカラーフィルタ19の配列をカラーフィルタ19の配列の最小単位(以下「最小単位配列」とも呼ぶ)とし、
図8に示すように、その最小単位配列が画素アレイ部3のすべての画素ユニット群11に配置された構成となっている。
カラーフィルタ19の最小単位配列は、
図3Bに示すように、画素ユニット群11を構成する4つの画素ユニット10のうちの、右上側の画素ユニット10(以下、「第1の画素ユニット10
1」とも呼ぶ)にRフィルタ19
Rが配置され、左上側の画素ユニット10(以下、「第2の画素ユニット10
2」とも呼ぶ)及び右下側の画素ユニット10(以下「第3の画素ユニット10
3」とも呼ぶ)にGフィルタ19
Gが配置され、左下側の画素ユニット10(以下「第4の画素ユニット10
4」とも呼ぶ)にBフィルタ19
Bが配置されてなる4分割ベイヤー配列の一部が修正された配列となっている。具体的には、4分割ベイヤー配列の、第1の画素ユニット10
1を構成する2×2の画素9のうちの、右上側及び左下側の画素9のRフィルタ19
RがCフィルタ19
Cに置き換えられている。また、第2の画素ユニット10
2及び第3の画素ユニット10
3のそれぞれを構成する2×2の画素9のうちの、右上側及び左下側の画素9のGフィルタ19
GがMフィルタ19
Mに置き換えられている。また、第4の画素ユニット10
4を構成する2×2の画素9のうちの、右上側及び左下側の画素9のBフィルタ19
BがYフィルタ19
Yに置き換えられている。
【0019】
即ち、カラーフィルタ19の最小単位配列では、第1の画素ユニット10
1内の対角位置に配置されている画素対(1つの組をなす2つの画素9)のうちの、一方の画素対にRフィルタ19
Rが含まれ、他方の画素対にCフィルタ19
Cが含まれている。以下同様に、第2の画素ユニット10
2内の対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対にGフィルタ19
Gが含まれ、他方の画素対にMフィルタ19
Mが含まれている。また、第3の画素ユニット10
3内の対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対にGフィルタ19
Gが含まれ、他方の画素対にMフィルタ19
Mが含まれている。また、第4の画素ユニット10
4内の対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対にBフィルタ19
Bが含まれ、他方の画素対にYフィルタ19
Yが含まれている。
このような最小単位配列におけるカラーフィルタ19の配置により、第1の画素ユニット10
1に含まれるカラーフィルタ19全体では、
図5に示すように、Rフィルタ19
Rと、Rフィルタ19
Rの透過率が小さくなる波長で透過率が大きくなるCフィルタ19
Cとが組み合わされるため、短波長側~長波長側のすべての光に対して透過率がほぼフラットとなる。以下同様に、第2の画素ユニット10
2に含まれるカラーフィルタ19全体では、
図6に示すように、Gフィルタ19
Gと、Gフィルタ19
Gの透過率が小さくなる波長で透過率が大きくなるMフィルタ19
Mとが組み合わされるため、短波長側~長波長側のすべての光に対して透過率がほぼフラットとなる。また、第4の画素ユニット10
4に含まれるカラーフィルタ19全体では、
図7に示すように、Bフィルタ19
Bと、Bフィルタ19
Bの透過率が小さくなる波長で透過率が大きくなるYフィルタ19
Yとが組み合わされるため、短波長側~長波長側のすべての光に対して透過率がほぼフラットとなる。
【0020】
なお、
図4に示すように、画素ユニット10がm× mの行列状に配置された画素9から構成され、mが3以上の自然数である場合には(
図4では、mが5以上である場合を例示している)、互いに市松状に配置された画素9がRフィルタ19
R、Gフィルタ19
G及びBフィルタ19
Bを含む構成としてもよい。具体的には、第1の画素ユニット10
1は、m× mの行列状に配置された複数の画素9のうち互いに市松状に位置する一部の画素9がRフィルタ19
Rを含み、残りの画素9がCフィルタ19
Cを含む構成とする。以下同様に、第2の画素ユニット10
2は、m× mの行列状に配置された複数の画素9のうち互いに市松状に位置する一部の画素9がGフィルタ19
Gを含み、残りの画素9がMフィルタ19
Mを含む構成とする。また、第3の画素ユニット10
3は、m× mの行列状に配置された複数の画素9のうち互いに市松状に位置する一部の画素9がGフィルタ19
Gを含み、残りの画素9がMフィルタ19
Mを含む構成とする。また、第4の画素ユニット10
4は、m× mの行列状に配置された複数の画素9のうち互いに市松状に位置する一部の画素9がBフィルタ19
Bを含み、残りの画素9がYフィルタ19
Yを含む構成とする。
【0021】
このように、第1の実施形態に係る固体撮像装置1では、カラーフィルタ19として、Rフィルタ19
R、Gフィルタ19
G及びBフィルタ19
Bに加え、Cフィルタ19
C、Mフィルタ19
M、Yフィルタ19
Yも含む構成とした。それゆえ、Rフィルタ19
Rを含む赤色画素9
R、Gフィルタ19
Gを含む緑色画素9
G、及びBフィルタ19
Bを含む青色画素9
Bの画素信号を用いることで、RGB画像(
図14のRGBモザイク画像38)を生成できる。また、Cフィルタ19
Cを含むシアン色画素9
C、Mフィルタ19
Mを含むマゼンタ色画素9
M、及びYフィルタ19
Yを含む黄色画素9
Yの画素信号を用いることで、CMY画像(
図15のCMYモザイク画像39)を生成できる。さらに、同じ画素ユニット10内の各画素9の画素値を加算することで、輝度情報(
図16の輝度画像41)を生成できる。そのため、一回の撮像で、RGB画像、CMY画像及び輝度情報を取得できる。RGB画像は、カラーフィルタ19の感度が低いため、暗所での撮影に弱いが、カラーフィルタ19の分光感度の重なりが小さいため、色再現性が良好である。CMY画像は、カラーフィルタ19の分光感度の重なりが大きいため、色再現性が良くないが、カラーフィルタ19の感度が低いため、RGB画像に比べて暗所での撮影に強い。また、RGB画像及びCMY画像を組み合わせて6色を用いることで、色再現性をより向上することもできる。
【0022】
また、第1の実施形態に係る固体撮像装置1のように、第1の画素ユニット10
1内の対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対にRフィルタ19
Rが含まれ、他方の画素対にCフィルタ19
Cが含まれる構成とした場合、
図14に示すように、カラーフィルタ19の配列に対応するモザイク画像30のうちの、赤色の色情報のみを有する画像画素31
Rの重心と、その赤色の色情報のみを有する画像画素31
Rへのビニング処理で生成される画像画素37
Rの重心とが等しくなるため、ビニング処理において、赤色の画像画素31
Rの重心を補正する必要がない。また、
図14及び
図15に示すように、緑色の色情報のみを有する画像画素31
G、青色の色情報のみを有する画像画素31
B、シアン色の色情報のみを有する画像画素31
C、マゼンタ色の色情報のみを有する画像画素31
M、及び黄色の色情報のみを有する画像画素31
Yにおいても同様である。それゆえ、より適切なRGB画像及びCMY画像を取得できる。
図14及び
図15中、符号Rは赤色の色情報のみを有する画像画素(以下、「赤色の画像画素」とも呼ぶ)31
Rを示し、以下同様に、符号Gは緑色の色情報のみを有する画像画素(以下、「緑色の画像画素」とも呼ぶ)31
Gを示し、符号Bは青色の色情報のみを有する画像画素(以下、「青色の画像画素」とも呼ぶ)31
Bを示し、符号Cはシアン色の色情報のみを有する画像画素(以下、「シアン色の画像画素」とも呼ぶ)31
Cを示し、符号Mはマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素(以下、「マゼンタ色の画像画素」とも呼ぶ)31
Mを示し、符号Yは黄色の色情報のみを有する画像画素(以下、「黄色の画像画素」とも呼ぶ)31
Yを示す。
【0023】
なお、第1の実施形態では、左上側及び右下側の画素ユニット10を、第2の画素ユニット102及び第3の画素ユニット103とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、第2の画素ユニット102及び第3の画素ユニット103を、右上側及び左下側の画素ユニット10に配置する構成や、左上側及び左下側の画素ユニット10に配置する構成、右上側及び右下側の画素ユニット10に配置する構成を採用することもできる。また、例えば、第1の画素ユニット101を下側に配置し、第4の画素ユニット104を上側に配置する構成を採用することもできる。即ち、画素ユニット群11のそれぞれが、画素ユニット群11を構成する4つの画素ユニット10のうちの、第1の画素ユニット101にRフィルタ19RとCフィルタ19Cとをカラーフィルタ19として含み、第2の画素ユニット102及び第3の画素ユニット103それぞれにGフィルタ19G及びMフィルタ19Mをカラーフィルタ19として含み、第4の画素ユニット104にBフィルタ19B及びYフィルタ19Yをカラーフィルタ19として含む構成であればよい。
【0024】
マイクロレンズ20は、カラーフィルタ19の裏面S4側(受光面側)に、各光電変換部24に対応して形成されている。即ち、1つの光電変換部24(画素9)に対して1つのマイクロレンズ20が形成されている。これにより、マイクロレンズ20は、行列状に規則的に配列されてなるマイクロレンズアレイ27を形成している。マイクロレンズ20のそれぞれは、被写体からの像光(入射光113)を集光し、集光した入射光113をカラーフィルタ19を介して光電変換部24裏面(受光面)付近に導く構成となっている。
なお、第1の実施形態では、1つの光電変換部24に対して1つのマイクロレンズ20を形成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、緑色画素9
Gを位相差画素として使用する場合、
図9に示すように、1×2の行列状に2つの緑色画素9
Gを配置し、配置した2つの緑色画素9
G(位相差画素)に対して1つのマイクロレンズ20を形成する構成としてもよい。このような構成によれば、1つのマイクロレンズ20を共有する2つの緑色画素9
G(位相差画素)間で撮像画像の位相差を検出することができる。
【0025】
配線層22は、基板2の表面S2側に形成されており、層間絶縁膜28と、層間絶縁膜28を介して複数層に積層された配線29とを含んで構成されている。そして、配線層22は、複数層の配線29を介して、各画素9を構成する画素トランジスタを駆動する。
支持基板23は、配線層22の基板2に面する側とは反対側の面に形成されている。支持基板23は、固体撮像装置1の製造段階において、基板2の強度を確保するための基板である。支持基板23の材料としては、例えば、シリコン(Si)を用いることができる。
【0026】
[1-3 画像生成処理]
次に、信号処理回路105(モザイク画像生成部106、ホワイトバランス調整部107、モード判定部108、リモザイク処理部109、ビニング処理部110、輝度値算出部111、輝度合成部112)で実行される画像生成処理について説明する。
画像生成処理が実行されると、
図10に示すように、まずステップS101で、モザイク画像生成部106が、赤色画素9
R、緑色画素9
G、青色画素9
B、シアン色画素9
C、マゼンタ色画素9
M及び黄色画素9
Yから出力される画素信号(画素値)に基づき、
図11に示すように、カラーフィルタ19の配列に対応するモザイク画像30を生成する。
【0027】
続いてステップS102に移行して、ホワイトバランス調整部107が、ステップS101で生成したモザイク画像30の各画像画素31の画素値に基づき、光源の色温度を推定し、推定した色温度に基づき、モザイク画像30のホワイトバランスを調整する。
続いてステップS103に移行して、モード判定部108が、電子機器100のユーザによって選択された撮影モードが高解像度モード及び高SN比モードの何れであるかを判定する。そして、高解像度モードであると判定した場合には、ステップS104に移行する。一方、高SN比モードであると判定した場合には、ステップS105に移行する。
【0028】
ステップS104では、リモザイク処理部109が、ステップS102でホワイトバランスを修正したモザイク画像30に対してリモザイク処理を行う。リモザイク処理では、
図12に示すように、モザイク画像30を構成する赤色、緑色及び青色の画像画素31
R、31
G、31
Bの画素配列をベイヤー配列に変換し、ベイヤー配列の赤色、緑色及び青色の画像画素32
R、32
G、32
BからなるRGBモザイク画像33を生成する。また、
図13に示すように、シアン色、マゼンタ色及び黄色の画像画素31
C、31
M、31
Yの画素配列を予め定められた所定配列に変換し、所定配列のシアン色、マゼンタ色及び黄色の画像画素34
C、34
M、34
YからなるCMYモザイク画像35を生成する。
図13では、所定配列として、ベイヤー配列の赤色、緑色及び青色の画像画素32
R、32
G、32
Bのそれぞれをシアン色、マゼンタ色及び黄色の画像画素34
C、34
M、34
Yに置き換えてなる画素配列を用いた場合を例示している。
図12は、モザイク画像30及びRGBモザイク画像33の一部を拡大して示している。また、
図13は、モザイク画像30及びCMYモザイク画像35の一部を拡大して示している。
【0029】
一方、ステップS105では、ビニング処理部110が、ステップS102でホワイトバランスを修正したモザイク画像30に対してビニング処理を行った後、ステップS106に移行する。ビニング処理では、
図14に示すように、モザイク画像30のうちの、第1の画素ユニット10
1に対応する画素群36
1のそれぞれで赤色の画像画素31
Rの画素値を加算して1つの赤色の画像画素37
Rの画素値とする。以下同様に、第2の画素ユニット10
2に対応する画素群36
2のそれぞれで緑色の画像画素31
Gの画素値を加算して1つの緑色の画像画素37
Gの画素値とする。また、第3の画素ユニット10
3に対応する画素群36
3のそれぞれで緑色の画像画素31
Gの画素値を加算して1つの緑色の画像画素37
Gの画素値とする。また、第4の画素ユニット10
4に対応する画素群36
4のそれぞれで青色の画像画素31
Bの画素値を加算して1つの青色の画像画素37
Bの画素値とする。これにより、赤色の画像画素37
R(赤色の色情報のみを有する画像画素37
R)、緑色の画像画素37
G(緑色の色情報のみを有する画像画素37
G)、青色の画像画素37
G(青色の色情報のみを有する画像画素37
B)からなるRGBモザイク画像38を生成する。RGBモザイク画像38の画素数はモザイク画像30の画素数の1/4となる。
図14は、モザイク画像30、RGBモザイク画像38の一部を拡大して示している。
【0030】
また、ビニング処理では、
図15に示すように、ステップS102でホワイトバランスを修正したモザイク画像30のうちの、第1の画素ユニット10
1に対応する画素群36
1のそれぞれでシアン色の画像画素31
Cの画素値を加算して1つのシアン色の画像画素38
Cの画素値とする。以下同様に第2の画素ユニット10
2に対応する画素群36
2のそれぞれでマゼンタ色の画像画素31
Mの画素値を加算して1つのマゼンタ色の画像画素38
Mの画素値とする。また第3の画素ユニット10
3に対応する画素群36
3のそれぞれでマゼンタ色の画像画素31
Mの画素値を加算して1つのマゼンタ色の画像画素38
Mの画素値とする。また第4の画素ユニット10
4に対応する画素群36
4のそれぞれで黄色の画像画素31
Yの画素値を加算して1つの黄色の画像画素38
Yの画素値とする。これにより、シアン色の画像画素38
C(シアン色の色情報のみを有する画像画素38
C)、マゼンタ色の画像画素38
M(マゼンタ色の色情報のみを有する画像画素38
M)、黄色の画像画素38
Y(黄色の色情報のみを有する画像画素38
Y)からなるCMYモザイク画像39を生成する。CMYモザイク画像39の画素数はモザイク画像30の画素数の1/4となる。
図15は、モザイク画像30、CMYモザイク画像39の一部を拡大して示している。
【0031】
また、ビニング処理では、輝度値算出部111が、
図16に示すように、ステップS102でホワイトバランスを修正したモザイク画像30のうちの、第1の画素ユニット10
1に対応する画素群36
1のそれぞれで赤色及びシアン色の色情報を有する画像画素31
R、31
Cの画素値を加算して1つの画像画素40の輝度値を算出する。以下同様に、第2の画素ユニット10
2に対応する画素群36
2のそれぞれで緑色及びマゼンタ色の色情報を有する画像画素31
G、31
Mの画素値を加算して1つの画像画素40の輝度値を算出する。また、第3の画素ユニット10
3に対応する画素群36
3のそれぞれで緑色及びマゼンタ色の色情報を有する画像画素31
G、31
Mの画素値を加算して1つの画像画素40の輝度値を算出する。また、第4の画素ユニット10
4に対応する画素群36
4のそれぞれで青色及び黄色の色情報を有する画像画素31
B、31
Mの画素値を加算して1つの画像画素40の輝度値を算出する。これにより、各画像画素40の輝度値のみ表された輝度画像41を生成する。輝度画像41の画素数は、モザイク画像30の画素数の1/4となる。
図16は、モザイク画像30及び輝度画像41の一部を拡大して示している。
【0032】
なお、輝度値の算出に用いる画素値として、ステップS102でホワイトバランスを修正したモザイク画像30の画素値に補正係数を乗算した数値を用いる構成としてもよい。具体的には、モザイク画像30の各画像画素31の画素値R、G、B、Cy、Mg、Yeと、予め定められた補正係数a
11、a
21、a
12、a
22、a
13、a
23とに基づき、下記(1)式に従って、輝度画像41の各画像画素40の輝度値Br
1、Br
2、Br
3を算出する。
【数1】
上記(1)式において、Rは赤色の画像画素31
Rの画素値、Gは緑色の画像画素31
Gの画素値、Bは青色の画像画素31
Bの画素値、Cyはシアン色の画像画素31
Cの画素値、Mgはマゼンタ色の画像画素31
Mの画素値、Yeは黄色の画像画素31
Yの画素値である。また、Br
1は赤色及びシアン色の画像画素31
R、31
Cの画素値R、Cyから得られる輝度値、Br
2は緑色及びマゼンタ色の画像画素31
G、31
Mの画素値G、Mgから得られる輝度値、Br
3は青色及び黄色の画像画素31
B、31
Yの画素値B、Yeから得られる輝度値である。補正係数a
11、a
21、a
12、a
22、a
13、a
23としては、Br
1=Br
2=Br
3となるように、光源の色温度毎に異なる数値が設定された数値を用いる。これにより、
図5、
図6及び
図7に示すように、輝度値Br
1、Br
2、Br
3間の差を低減することができる。
【0033】
続いてステップS106に移行して、輝度合成部112が、ステップS105で生成したRGBモザイク画像38又はCMYモザイク画像39に対して輝度合成処理を行う。輝度合成処理では、まずステップS101で生成したモザイク画像30の各画像画素31の画素値に基づき、被写体が明るいかを判定する。そして、被写体が明るいと判定した場合には、
図17に示すように、RGBモザイク画像38に輝度画像41の輝度値を合成して合成画像42を生成する。RGBモザイク画像38に輝度画像41を合成することにより、高色再現性と高解像度との両立を図ることができる。また、例えば、RGBモザイク画像38を得るための固体撮像装置と、輝度画像41を得るための固体撮像装置とを別々に有する複眼カメラと異なり、視差補正が不要である。
【0034】
RGBモザイク画像38と輝度画像41との合成では、まずRGBモザイク画像38の各画素37の画素値R、G、Bと、予め定められた係数b
11、b
21、b
31、b
12、b
22、b
32、a
13、a
23、a
33とに基づき、下記(2)式に従って、各画素のY
1信号、Cb信号、Cr信号を算出する。続いて、算出したY
1信号、及び輝度画像41の各画像画素40の輝度値(Y
2信号)に基づき、下記(3)式に従って、合成画像42の各画素43の輝度信号Yを算出する。即ち、Y
1信号をY
2信号で補正して輝度信号Yとする。その際、各画素43の色情報としては、上記(2)式で算出したCb信号、Cr信号を用いる。
【数2】
Y=αY
1+(1-α)Y
2 …(3)
ここで、信号値Y
1CbCrは、隣接画素から補完処理によって求められるため、解像度(Y
1信号に相当)は劣化する傾向がある。これに対し、Y
2信号は、解像度の劣化はほとんどない。それゆえ、上記(3)式によれば、解像度が高い画像を得ることができる。
【0035】
一方、被写体が暗いと判定した場合には、色変換マトリックスを用いて、
図18に示すように、CMYモザイク画像39をRGBモザイク画像44に変換する。続いて、変換したRGBモザイク画像44に輝度画像41を合成して合成画像45を生成する。RGBモザイク画像44に輝度画像41を合成することにより、高SN比と高解像度との両立を図ることができる。また、例えば、上述の複眼カメラと異なり、視差補正が不要である。
【0036】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置1は、画素ユニット群11のそれぞれが、画素ユニット群11を構成する4つの画素ユニット10のうちの、第1の画素ユニット101にRフィルタ19RとCフィルタ19Cとをカラーフィルタ19として含み、第2及び第3の画素ユニット102、103それぞれにGフィルタ19GとMフィルタ19Mとをカラーフィルタ19として含み、第4の画素ユニット104にBフィルタ19BとYフィルタ19Yとをカラーフィルタ19として含むようにした。それゆえ、赤色画素9R、緑色画素9G及び青色画素9Bの画素信号を用いることで、RGB画像を生成できる。また、シアン色画素9C、マゼンタ色画素9M及び黄色画素9Yの画素信号を用いることで、CMY画像を生成できる。さらに、同じ画素ユニット10内の各画素9の画素値を加算することで、輝度情報を生成できる。そのため、一回の撮像で、RGB画像、CMY画像、及び輝度情報を取得可能な固体撮像装置1を提供することができる。
【0037】
〈2.第2の実施形態:電子機器〉
[2-1 要部の構成]
次に、本開示の第2の実施形態に係る電子機器100について説明する。
図19は、第2の実施形態に係る電子機器100の全体構成を示す図である。また、
図20は、第1の実施形態の画像生成処理を示すフローチャートである。
図19及び
図20において、
図1及び
図10に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0038】
第2の実施形態に係る電子機器100は、
図19に示すように、信号処理回路105がHDR画像生成部114を備え、
図20に示すように、画像生成処理が
図10のステップS106に代えてステップS201を有する点が、第1の実施形態と異なっている。
ステップS201では、HDR画像生成部114が、ステップS105で生成したRGBモザイク画像38及びCMYモザイク画像39(
図14、
図15参照)に基づきHDR画像生成処理を行う。HDR画像生成処理では、色変換マトリックスを用い、
図21及び
図22に示すように、CMYモザイク画像39をRGBモザイク画像46に変換する。続いて、変換したRGBモザイク画像46と、ステップS105で生成したRGBモザイク画像38とを合成してHDR画像47を生成する。CMYモザイク画像39から得たRGBモザイク画像46と、ステップS105で生成したRGBモザイク画像38との合成方法としては、例えば、各画像画素48毎に、RGBモザイク画像46の画素値とRGBモザイク画像38の画素値とを加算する方法を採用できる。
【0039】
以上説明したように、本開示の第2の実施形態に係る電子機器100は、CMYモザイク画像39をRGBモザイク画像46に変換し、変換したRGBモザイク画像46と、ビニング処理部110で生成したRGBモザイク画像38とを合成してHDR画像47(高ダイナミックレンジ画像)を生成するようにした。それゆえ、一回の撮影で、RGB画像、CMY画像及び輝度情報に加え、HDR画像47を生成することができる。
【0040】
[2-2 変形例]
なお、本開示の第1及び第2の実施形態に係る電子機器100では、ビニング処理を、固体撮像装置1の外部の信号処理回路105でデジタル的に行う例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、固体撮像装置1の画素9から画素信号を読み出す際にアナログ的に行う構成としてもよい。具体的には、
図23に示すように、画素ユニット10を構成する各画素9のフローティングディフュージョン49に接続されている信号線50のうち、同色の画素9のフローティングディフュージョン49に接続されている信号線50を電気的に接続し、同色の画素9の画素信号を加算してCDS回路51に出力する構成を採用できる。これにより、同色の画素9の画素値の加算結果を得ることができる。
【0041】
また、
図24に示すように、画素ユニット10を構成する各画素9のフローティングディフュージョン49に接続されている信号線50を電気的に接合し、複数の画素9の画素信号を加算してCDS回路51に出力する構成を採用することもできる。これにより、
図16に示した輝度画像41の各画像画素40の輝度値(輝度情報)を得ることができる。
【0042】
〈3.移動体への応用例〉
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0043】
図25は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0044】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図25に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0045】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0046】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0047】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0048】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0049】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0050】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0051】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0052】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0053】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図25の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0054】
図26は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0055】
図26では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0056】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0057】
なお、
図26には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0058】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0059】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0060】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0061】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0062】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、
図1及び
図2の固体撮像装置101、1、
図1の信号処理回路105は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、より見やすい撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
【0063】
〈4.内視鏡手術システムへの応用例〉
本開示に係る技術(本技術)は、例えば、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0064】
図27は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0065】
図27では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0066】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0067】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0068】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0069】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0070】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0071】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0072】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0073】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0074】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0075】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0076】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0077】
図28は、
図27に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0078】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0079】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0080】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0081】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0082】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0083】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0084】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0085】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0086】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0087】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0088】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0089】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0090】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0091】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0092】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0093】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0094】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラヘッド11102の撮像部11402や、CCU11201の画像処理部11412等に適用され得る。具体的には、
図1及び
図2の固体撮像装置101、1は、撮像部10402に適用することができ、
図1の信号処理回路105は、画像処理部11412に適用することができる。撮像部10402、画像処理部11412に本開示に係る技術を適用することにより、より鮮明な術部画像を得ることができるため、術者が術部を確実に確認することが可能になる。
【0095】
なお、ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0096】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
光電変換部と、前記光電変換部に対応して形成されたカラーフィルタとを有する画素がm×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素ユニットを、2×2の行列状に配置してなる複数の画素ユニット群が配列されている画素アレイ部を備え、
前記画素ユニット群のそれぞれは、前記画素ユニット群を構成する4つの前記画素ユニットのうちの、第1の画素ユニットに、赤色光を透過させるRフィルタと、当該赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第2及び第3の画素ユニットそれぞれに、緑色光を透過させるGフィルタと、当該緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第4の画素ユニットに、青色光を透過させるBフィルタと、当該青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタとを前記カラーフィルタとして含む
固体撮像装置。
(2)
mは3以上の自然数であり、
前記第1の画素ユニットは、前記m×mの行列状に配置された複数の前記画素のうち互いに市松状に位置する一部の前記画素が前記Rフィルタを含み、残りの前記画素が前記Cフィルタを含んでおり、
前記第2の画素ユニットは、前記m×mの行列状に配置された複数の前記画素のうち互いに市松状に位置する一部の前記画素が前記Gフィルタを含み、残りの前記画素が前記Mフィルタを含んでおり、
前記第3の画素ユニットは、前記m×mの行列状に配置された複数の前記画素のうち互いに市松状に位置する一部の前記画素が前記Bフィルタを含み、残りの前記画素が前記Yフィルタを含んでいる
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
m=2であり、
前記第1の画素ユニットは、対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対が前記Rフィルタを含み、他方の画素対が前記Cフィルタを含んでおり、
前記第2の画素ユニットは、対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対が前記Gフィルタを含み、他方の画素対が前記Mフィルタを含んでおり、
前記第3の画素ユニットは、対角位置に配置されている画素対のうちの、一方の画素対が前記Bフィルタを含み、他方の画素対が前記Mフィルタを含んでいる
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(4)
光電変換部と、前記光電変換部に対応して形成されたカラーフィルタとを有する画素がm×m(mは2以上の自然数)の行列状に配置されてなる画素ユニットを、2×2の行列状に配置してなる複数の画素ユニット群が、複数配列されている画素アレイ部を備え、前記画素ユニット群のそれぞれは、前記画素ユニット群を構成する4つの前記画素ユニットのうちの、第1の画素ユニットに、赤色光を透過させるRフィルタと、赤色光と補色関係にあるシアン色光を透過させるCフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第2及び第3の画素ユニットそれぞれに、緑色光を透過させるGフィルタと、緑色光と補色関係にあるマゼンタ色光を透過させるMフィルタとを前記カラーフィルタとして含み、第4の画素ユニットに、青色光を透過させるBフィルタと、青色光と補色関係にある黄色光を透過させるYフィルタを前記カラーフィルタとして含む固体撮像装置と、
被写体からの像光を前記固体撮像装置の撮像面上に結像させる光学レンズと、
前記固体撮像装置から出力される信号に信号処理を行う信号処理回路とを備える
電子機器。
(5)
前記信号処理回路は、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで青色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの青色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、RGBモザイク画像を生成するビニング処理部を備える
前記(4)に記載の電子機器。
(6)
前記信号処理回路は、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、CMYモザイク画像を生成するビニング処理部を備える
前記(4)又は(5)に記載の電子機器。
(7)
前記信号処理回路は、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで赤色及びシアン色の色情報を有する画像画素の画素値を加算して1つの画像画素の輝度値を算出し、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで緑色及びマゼンタ色の色情報を有する画像画素の画素値を加算して1つの画像画素の輝度値を算出し、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで青色及び黄色の色情報を有する画像画素の画素値を加算して1つの画像画素の輝度値を算出するビニング処理部を備える
前記(4)から(6)の何れかに記載の電子機器。
(8)
前記ビニング処理部は、前記輝度値の算出に用いる画素値として、光源の色温度毎に設定された補正係数を前記モザイク画像の画素値に乗算した数値を用いる
前記(7)に記載の電子機器。
(9)
前記信号処理回路は、
前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの赤色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの緑色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで青色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの青色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、RGBモザイク画像を生成するビニング処理部と、
前記RGBモザイク画像に前記輝度値を合成する輝度合成部とを備える
前記(7)又は(8)に記載の電子機器。
(10)
前記信号処理回路は、
前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、CMYモザイク画像を生成するビニング処理部と、
前記CMYモザイク画像をRGBモザイク画像に変換した後、変換した前記RGBモザイク画像に前記輝度値を合成する輝度合成部とを備える
前記(7)又は(8)に記載の電子機器。
(11)
前記ビニング処理部は、前記RGBモザイク画像を生成するとともに、前記信号から得られる前記カラーフィルタの配列に対応するモザイク画像のうちの、前記第1の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのシアン色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第2及び第3の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれでマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つのマゼンタ色の色情報のみを有する画像画素の画素値とし、前記第4の画素ユニットに対応する画素群のそれぞれで黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値を加算して1つの黄色の色情報のみを有する画像画素の画素値とすることで、CMYモザイク画像を生成し、
前記信号処理回路は、前記CMYモザイク画像をRGBモザイク画像に変換し、変換したRGBモザイク画像と前記ビニング処理部で生成した前記RGBモザイク画像とを合成して高ダイナミックレンジ画像を生成するHDR画像生成部を備える
前記(5)に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0097】
1…固体撮像装置、2…基板、3…画素アレイ部、4…垂直駆動回路、5…カラム信号処理回路、6…水平駆動回路、7…出力回路、8…制御回路、9…画素、10…画素ユニット、11…画素ユニット群、12…画素駆動配線、13…垂直信号線、14…水平信号線、15…絶縁膜、16…遮光膜、17…平坦化膜、18…受光層、19…カラーフィルタ、20…マイクロレンズ、21…集光層、22…配線層、23…支持基板、24…光電変換部、25…画素分離部、26…カラーフィルタアレイ、27…マイクロレンズアレイ、28…層間絶縁膜、29…配線、30…モザイク画像、31…画像画素、32…画像画素33…RGBモザイク画像、34…画像画素、35…CMYモザイク画像、361、362、363、364…画素群、37…画像画素、38…画像画素、39…CMYモザイク画像、40…画像画素、41…輝度画像、42…合成画像、43…画像画素、44…RGBモザイク画像、45…合成画像、46…RGBモザイク画像、47…HDR画像、48…画像画素、100…電子機器、101…固体撮像装置、102…光学レンズ、103…シャッタ装置、104…駆動回路、105…信号処理回路、106…モザイク画像生成部、107…ホワイトバランス調整部、108…モード判定部、109…リモザイク処理部、110…ビニング処理部、111…輝度値算出部、112…輝度合成部、113…入射光、114…HDR画像生成部