(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】処理されるガス混合物からガスを吸着するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20241212BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20241212BHJP
B01J 20/34 20060101ALI20241212BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
B01D53/04 230
B01D53/26 200
B01J20/34 F
B01J20/28 A
(21)【出願番号】P 2022567107
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 IB2021052575
(87)【国際公開番号】W WO2021229314
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダイク ウーター デニス アン
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-069529(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0013956(US,A1)
【文献】特開昭52-130690(JP,A)
【文献】特開2000-042347(JP,A)
【文献】特開平04-087618(JP,A)
【文献】特表2007-525324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02 - 53/18
B01D 53/26
B01J 20/00 - 20/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理されるガスのための入口(2)及び処理されたガスのための出口(3)を有する、処理されるガス混合物からガスを吸着するための装置であって、前記装置(1)は、再生可能な吸着剤(5)で満たされた少なくとも2つの容器(4a、4b)と、前記入口(2)及び前記出口(3)を前記容器(4a、4b)に接続する調節可能なバルブシステム(6)とを備え、
前記調節可能なバルブシステム(6)は、少なくとも一方の容器(4a)が圧縮ガスを処理する間に、他方の容器(4b)が再生されるようになっており、
前記バルブシステム(6)の制御により、前記容器(4a、4b)の各々は、順番に圧縮ガスを連続して処理し、
前記調節可能なバルブシステム(6)は、単一のバルブ組立体(12)に組み込まれ、前記バルブ組立体(12)は、
-1又は2以上の制御弁(13)と、
-前記入口(2)から前記制御弁(13)に至る供給流路(14)と、
-前記制御弁(13)から排出開口(17)へ通じる排出流路(16)と、
を備え、
前記容器(4a、4b)の両方は、ガスのための2つの通路(10a、10b)を備え、前記2つの通路(10a、10b)は、互いに隣接して又は前記容器(4a、4b)の同じ端部に配置され、一方の通路(10a)を通って前記容器(4a、4b)に入る前記ガスが、前記吸着剤(5)を通過した後、他方の通路(10b)を通って前記容器(4a、4b)から出ることのみができるように配置されている、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記通路の1つ(10a)に、前記容器(4a、4b)の中に延びて前記吸着剤(5)を通る導管(24)又は管体
が接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吸着剤(5)は、前記導管(24)又は管体の中に存在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バルブ組立体(12)は、
-前記容器(1a、1b)から前記出口(3)に至る出口流路(15)と、
-前記出口流路(15)から前記容器(4a、4b)に至る再生流路(18)と、
を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記出口流路(15)は、逆止弁(19)を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記制御弁(13)は、2つの3ポート2位置バルブ(13a)又は1つの5ポート2位置バルブ(13b)である、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
消音器(21)が、前記排出開口(17)に接続される、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記一方の容器(4a)は、円筒として実行され、前記他方の容器(4b)は前記一方の容器(4a)の周りに同軸に配置される中空円筒として実行される、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記吸着剤(5)は、固体形態を有し、前記吸着剤(5)は、セラミック材料、紙、ガラス繊維、又は金網で作られている固体支持体を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記吸着剤(5)は、ふるい又はグリルでまとめて保持される顆粒の形態である、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記バルブ組立体(12)は、
-露点センサ(23)、及び/又は、
-冷却フィン、及び/又は、
-制御部(22)又は制御ユニット、
をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置(1)は、3つの容器(4a、4b)を備える、請求項1から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記バルブシステム(6)の前記制御部(22)は、前記容器(4a、4b)が10から30秒ごとに吸着と再生との間で切り替えられるように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記装置(1)の運転時、前記バルブ組立体(23)は、前記容器(4a、4b)の下に位置する、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
再生される前記他方の容器(4b)は、その後、冷却される、請求項1から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
処理されるガスのための入口(2)及び処理されたガスのための出口(3)を有する装置(1)を使用して、処理されるガス混合物からガスを吸着する方法であって、前記装置(1)は、再生可能な吸着剤(5)で満たされた少なくとも2つの容器(4a、4b)を含み、前記方法は、前記入口(2)及び前記出口(3)を前記容器(4a、4b)に接続する調節可能なバルブシステム(6)を用いることを含み、前記方法は、
少なくとも1つの容器(4a)が圧縮ガスを処理する間に、他方の容器(4b)が再生され、前記容器(4a、4b)の各々が順番に圧縮ガスを連続して処理するように、前記調節可能なバルブシステム(6)を制御するステップを含み、前記方法は、
前記調節可能なバルブシステム(6)を単一のバルブ組立体(12)であって、
-1又は2以上の制御弁(13)と、
-前記入口(2)から前記制御弁(13)に至る供給流路(14)と、
-前記制御弁(13)から排出開口(17)へ通じる排出流路(16)と、を備えるバルブ組立体(12)に組み込むステップと、
-前記容器(4a、4b)の両方に、互いに隣接する又は前記容器(4a、4b)の同じ端部に位置する2つの通路(10a、10b)を提供するステップと、
-前記ガスが一方の通路(10a)を通って前記容器(4a、4b)に入り、前記吸着剤(5)を通過した後にだけ、他方の通路(10b)を通って前記容器(4a、4b)から出ることができるように、前記ガスを前記容器(4a、4b)に通過させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記通路(10a)の1つに、前記容器(4a、4b)内に延び、乾燥剤(5)を通過する導管(24)又は管体を接続するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
10から30秒ごとに前記容器(4a、4b)を吸着と再生との間で切り替えるステップを含む、請求項16または請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理されるガス混合物からガスを吸着するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このガスは、例えば、圧縮機設備からの圧縮ガスとすることができる。
【0003】
また、吸着されるガスは、例えば水蒸気とすることができ、従って、この装置は本質的に乾燥機である。
【0004】
より詳細には、本発明は、乾燥されるガスのための入口と乾燥したガスのための出口とを有する、処理されるガス混合物からのガスの吸着のための装置に関し、乾燥機は、再生可能な吸着剤で満たされた少なくとも2つの容器と、入口と出口を容器に接続する調節可能なバルブシステムとを含み、それによって、調節可能なバルブシステムは、少なくとも1つの容器が圧縮ガスを処理する間に、他方の容器が連続的に再生及び冷却されるように調節され、バルブシステムを調節することによって、容器は、それぞれ順番に圧縮ガスを処理することになる。
【0005】
再生可能な吸着剤とは、吸着によってガス混合物からガスを吸着することができ、ガスで飽和したときに、いわゆる再生ガスを送って再生することができる吸着剤又は乾燥剤をいう。この場合の再生ガスは、例えば、ノズルや膨張弁等を通して膨張させた高圧ガスである。
【0006】
これは吸着の原理であるが、本発明は吸収の原理にも適用することができる。
【0007】
容器がガス混合物を処理する場合、これは、処理されるガス混合物からガスを吸着し、乾燥剤を飽和させることになる。
【0008】
次に、この容器は、典型的にはノズル、膨張弁等を介して膨張される、乾燥した圧縮空気を通過させることで再生される。このガスは、吸着剤から吸着ガスを抽出し、結果的にこれを再生することになる。
【0009】
次に、容器は、圧縮ガスの処理に再使用する前に冷却することができる。
【0010】
このようなタイプの装置は既に知られており、ここでは、調節可能なバルブシステムが、処理と再生/冷却との間で容器を切り替えるために使用される。
【0011】
一般的には装置の、詳細には容器の、幾何学的形状のため、調節可能なバルブシステムを2つのいわゆるバルブ組立体で実現することは明白であり、そのうちの一方は上記入口を上記容器に接続し、他方は上記出口を上記容器に接続するものである。
【0012】
それによって、一方のバルブ組立体は容器の底部に取り付けられ、他方のバルブ組立体は容器の上部に取り付けられる。
【0013】
このような、容器の切り替えを可能にするために2つの別々のバルブ組立体を備えた調節可能なバルブシステムを有する良く知られた装置は、あらゆる種類の流路、導管及びバルブが2つのバルブ組立体にまとめられているため、比較的小型であるという利点を有する。
【0014】
小型装置、すなわち乾燥剤の容量が10リットル程度の場合、このようなバルブシステムは、有効な乾燥剤と比較して依然として大きな空間を占める。
【0015】
さらに、小型装置については、ほとんどの場合、空間があまりない用途又は乾燥機に多くの空間を費やしたくない用途に使用されるため、非常に小型であることがさらに重要である。
【0016】
しかし、他のより大きな装置に関しても、材料費の低減及び重量の低減に関連するのでバルブシステムをできるだけ小さく設計することが有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、非常に小型のバルブシステムを有する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的のために、本発明は、処理されるガスのための入口及び処理されたガスのための出口を有する、ガス混合物からガスを吸着するための装置に関し、装置は、再生可能な吸着剤で満たされた少なくとも2つの容器と、入口及び出口を容器に接続する調節可能なバルブシステムとを備え、調節可能なバルブシステムは、少なくとも一方の容器が圧縮ガスを処理する間に、他方の容器が続けて再生及び冷却されるように調整され、バルブシステムの調整により、容器は、各々順番に圧縮ガスを処理し、調節可能なバルブシステムは、単一のバルブ組立体に組み込まれていることを特徴とする。
【0019】
用語「容器」は、本明細書では広義に解釈されるべきである。容器それ自体は、装置の別個の構成要素である必要はなく、筐体内の空洞として実現することもでき、それによってこの空洞は、乾燥剤コアと呼ぶことができる形態の乾燥剤を含む。
【0020】
利点は、調節可能なバルブシステムを単一のバルブ組立体にまとめることによって、非常に小型にすることができることである。
【0021】
さらに、各バルブ組立体が必須のバルブを備える公知の乾燥機と異なり、バルブを組み合わせることができるため、バルブ組立体の製造に必要な材料が少なく、電気配線及び/又は空気圧管路の量を大幅に減少させることができる。
【0022】
これは、装置をより安価でより軽量にするという付加的な利点を有する。
【0023】
最も好ましい実施形態では、容器の両方は、ガスのための2つの通路を備え、2つの通路は、互いに隣接して又は容器の同じ端部に配置され、一方の通路を通って容器に入るガスが、吸着剤を通過した後、他方の通路を通って容器から出ることのみができるように構成されている。
【0024】
これは、上記の通路が容器の同じ側又は端部にあるので、バルブ組立体を容器のこの側又は端部に配置することができるという利点を有する。
【0025】
実際には、通路を隣接して配置することによって、調節可能なバルブシステムを単一のバルブ組立体として実行することができる。
【0026】
一方の通路から容器に入るガスが、吸着剤を通過した後、他方の通路を通って容器から出ることのみができることを保証するために、いくつかの方策を講じることができる。
【0027】
好ましくは、これは、上記の通路の1つに、容器の中に延びて吸着剤を通る導管又は管体などを接続することによって達成される。
【0028】
従って、管体と共にこの通路を通って容器から出るためには、ガスは吸着剤(又はその一部)を通過する必要があり、又は逆に、ガスが管体と共にこの通路を通って入った後、他の通路を通って容器から出るためには、まず吸着剤(又はその一部)を通過する必要がある。
【0029】
また、これは他の手段で実現することも可能である。例えば、容器が装置のハウジング内の空洞によって実現される場合、この空洞に隔壁などを配置し、隔壁の各側に通路を設けることができる。
【0030】
実際的な実施形態では、これは、
-1又は2以上の制御弁と、
-入口から制御弁に至る供給流路と、
-容器から出口に至る出口流路と、
-制御弁から排出開口へ通じる排出流路と、
-出口流路から容器に至る再生流路と、
を備えるバルブ組立体である。
【0031】
バルブ組立体の設計又はレイアウトにより、ほとんどの場合、これは、上記の流路(又はその一部)が合流するか、又は容器を切り替えた後に、例えば2つの流路がその機能を切り替える場合である。
【0032】
好ましくは、制御弁は、2つの3ポート2位置バルブ又は1つの5ポート2位置バルブのいずれかで構成される。勿論、本発明はこれに限定されない。
【0033】
本発明は、処理されるガスのための入口及び処理されたガスのための出口を有する装置を使用して、処理されるガス混合物からガスを吸着する方法に関し、装置は、再生可能な吸着剤で満たされた少なくとも2つの容器を含み、この方法は、入口及び出口を容器に接続する調節可能なバルブシステムを用いることを含み、この方法は、少なくとも1つの容器が圧縮ガスを処理している間に、他方の容器が再生され、容器の各々が順番に圧縮ガスを連続して処理するように、調節可能なバルブシステムを制御するステップを含み、この方法は、調節可能なバルブシステムを単一のバルブ組立体に組み込むステップをさらに含むことを特徴とする。
【0034】
最も好ましい変形例では、本方法は、
-容器の両方に、互いに隣接する又は容器の同じ端部に位置する2つの通路を提供するステップと、
-ガスが一方の通路を通って容器に入り、吸着剤を通過した後に、他方の通路を通って容器から出ることだけができるように、ガスを容器に通過させるステップと、
をさらに含む。
【0035】
実際的な実施形態では、本方法は、上記の通路の1つに、容器内に延び、乾燥剤を通過する導管又は管体などを接続するステップを含む。
【0036】
好ましくは、この方法は、吸着と再生との間で10から30秒ごとに容器を切り替えるステップを含む。
【0037】
発明による方法は、処理されるガス混合物からガスを吸着するための本発明による装置と同じ利点を有することを理解されたい。
【0038】
本発明の特徴をよりよく示すために、以下では、本発明による処理されるガス混合物からガスを吸着するための装置及び方法の好ましい複数の実施形態が、添付図面を参照して、非制限的かつ例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図9】
図1の装置の異なる実際的な実施形態を示す。
【
図10】
図1の装置の異なる実際的な実施形態を示す。
【
図11】
図1の装置の異なる実際的な実施形態を示す。
【
図12】
図1の装置の異なる実際的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1に概略的に示される、処理されるガス混合物からガスを吸着するための本発明による装置は、この場合、ガスから水蒸気を吸着することになる。
【0041】
換言すれば、この装置は乾燥機1である。
【0042】
本発明による乾燥機1は、主に、乾燥されるガスのための入口2、乾燥したガスのための出口3、再生可能な吸着剤5を有する2つの容器4a、4b、及び調節可能なバルブシステム6を備える。
【0043】
これは乾燥機1であるので、以下では、吸着剤5を乾燥剤5とも呼ぶことにする。
【0044】
この場合、容器4a、4bは、乾燥機1のハウジング7内で、より詳細には、この目的のために特別に設けられた鋳物8によって実現され、これは乾燥機1のハウジング7の残部に取り付けられる。
【0045】
この鋳物8の中には、再生可能な除湿剤5又は乾燥剤が導入される2つの空洞9又は空間が設けられている。
【0046】
鋳物8をハウジング7の残部に取り付けることによって、互いに分離された容器4a、4bが形成される。これは、ガスが一方の容器4aから他方の容器4bに流れることができないことを意味する。
【0047】
各容器4a、4bには、ガス用の2つの通路10a、10bを備えており、これらは、図示の例では、互いに隣接して、又は容器4a、4bの同じ端部に配置されている。
【0048】
一方の通路10aを通して容器4a、4bに入るガスは、乾燥剤5を通過した後、他方の通路10bを通って容器4a、4bから出ることのみができるように設計されている。
【0049】
この目的のために、隔壁11又は仕切りが、両方の通路10a、10bの間で容器4a、4bに設けられる。
【0050】
図から分かるように、一方の通路10aから容器4a、4bに入るガスは、他方の通路10bから容器4a、4bを出る前に、常に乾燥剤5を通って流れる必要がある。
【0051】
図示の例では乾燥剤5は隔壁11の片側にのみ存在するが、乾燥剤5が隔壁11の両側に存在すること、すなわち上記の空洞9又は空間が乾燥剤5で完全に満たされることは除外されない。
【0052】
容器4a、4bに収容される乾燥剤5は、この場合、セラミック乾燥剤5である。勿論、本発明はこれに限定されない。
【0053】
吸着剤5又は乾燥剤5は、好ましくは固体形態を有し、それによって、セラミック材料、紙、ガラス繊維又は金網で作られている固体支持体を備える。
【0054】
乾燥剤5はさらに、図示されていないふるい又はグリルでまとめて保持された顆粒の形態をとる。これは、乾燥剤5がいわば容器4a、4b内に固定され、乾燥機1の向きが原理的に影響を及ぼさないという利点を有する。
【0055】
本発明によれば、調節可能なバルブシステム6は、唯一のバルブ組立体12を備える。
【0056】
このバルブ組立体12によって、上記の入口2及び出口3が容器4a、4bに接続されることになる。
【0057】
知られているように、調節可能なバルブシステム6は、一方の容器4aが圧縮ガスを乾燥させる間に、他方の容器4bが連続的に再生冷却されるようになっており、これによりバルブシステム6の調節によって、容器4a、4bはそれぞれ順番に連続的に圧縮ガスを乾燥させることになる。
【0058】
図示の実施例のバルブ組立体12は、
-1又は2以上の制御弁13と、
-入口2から制御弁13に至る供給流路14と、
-容器4a、4bから出口3に至る出口流路15と、
-制御弁13から排出開口17まで延びる排出流路16と、
-出口流路15から容器4a、4bに至る再生流路18と、
を備える。
【0059】
これらの流路14、15、16、18のうちの一部は、主に乾燥段階と再生段階との間での容器4a、4bの切り替えの結果、合流する又は機能を切り替える。
【0060】
図示の実施例では、バルブ組立体12は、出口流路15に2つの逆止弁19を備える。
【0061】
逆止弁19は、各容器4a、4bに設けられる。勿論、必ずしも逆止弁19である必要はなく、容器4a、4bは他の種類の出口弁を備えることができる。
【0062】
さらに、バルブ組立体12は、制御弁13として、容器4a、4bの切り替えを制御することになる2つの3ポート2位置バルブ13aを含む。
【0063】
また、2つの
3ポート2位置バルブ13aの代わりに、1つの
5ポート2位置バルブ13bを使用することも可能である。これは
図2に示される。
図2の実施形態は、それ以外は
図1の実施形態と同じである。
【0064】
さらに、この場合、再生流路18は、そこを通過するガス量を制御するための絞り弁20を含む。
【0065】
図1においては、2つの絞り弁20が設けられており、これは場合によっては実際的又は省スペースであり、
図2では絞り弁20は1つである。
【0066】
さらに、消音器21は、排出流路16の出口、従って排出開口17に接続されている。これはバルブ組立体12に一体化することもできる。
【0067】
さらに、バルブ組立体12は、3ポート2位置バルブ13aを制御するための制御部22又は制御ユニットと、露点センサ23とをさらに備えており、これらもバルブ組立体12に一体化することができる。
【0068】
また、露点センサ23は、湿度センサ、圧力センサ、及び/又は温度センサとすることができる。装置1が乾燥機1ではなくガス分離装置である場合、酸素、二酸化炭素、又は揮発性有機化合物に関するガス品質センサとすることができる。
【0069】
さらに、バルブ組立体12が冷却フィン等をさらに備えることも除外されない。
【0070】
乾燥機1の動作は非常に単純であり、以下の通りである。
【0071】
乾燥機1の動作中、乾燥されるガス、例えば圧縮機からの圧縮ガスは、入口2から供給され、供給流路14を通って制御弁13に運ばれる。
【0072】
制御弁13を経て、これはガスを乾燥させる容器4aに運ばれる。
図1及び
図2の場合、これは左側の容器4aである。
【0073】
ガスは、乾燥剤5を通過して乾燥された後、隔壁11に沿って反転して通路10aを通って乾燥機1を出て、次に出口流路15を通ることになる。
【0074】
再生流路18は、乾燥したガスの一部を再生ガスとして分岐し、制御弁13に導き、その後、この再生ガスは再生される容器4bに入ることになる。
図1及び
図2の場合、これは右側の容器4bである。
【0075】
この容器4bを通過した後、ガスは、再び隔壁11を通って反転する必要があり、いわば強制的に乾燥剤を通過し、ガスは、排出流路16及び消音器21を通って乾燥機1を出ることになる。
【0076】
左側の容器4a内の乾燥剤が完全に飽和すると、知られているように2つの制御弁13が切り替わり、容器4a、4bの機能も切り替わることになる。
【0077】
このために、制御部22又はコントローラは、特に露点センサ23の測定値などに基づいて、制御弁13を適切に制御することになる。
【0078】
バルブシステム6のコントローラ又は制御部22は、小型乾燥機1の場合、容器4a、4bを10から30秒ごとに乾燥と再生との間で切り替えることになる。また、数分後に切り替えを行うことも可能である。
【0079】
正確な切り替え時間は、乾燥機1ごとに、及び周囲条件及び活性乾燥剤の量に依存する。
【0080】
左側の容器4aは切り替え後に再生されることになり、その間に右側の容器4bが乾燥を行うことになり、それによって、上述したような方法全体が繰り返される。
【0081】
2つの容器4a、4bが一緒に稼働することにより、乾燥ガスの連続的な流れが保証されることになる。
【0082】
図1及び
図2に示すように、乾燥機1の作動中、この場合、好ましくは、
バルブ組立体12は、容器4a、4bの真下に位置する。
【0083】
これは、発生する可能性がある凝縮物が排出流路16を通って容易に排出できるという利点を有する。
【0084】
上記の排出流路16は随意的であることを理解されたい。
【0085】
図3は
図1及び2の容器の変形例を示し、この場合、一方の容器4aは円筒として実行され、他方の容器4bはこの一方の容器4aの周りに同軸に配置される中空円筒として実行される。
【0086】
中身のつまった構成は省スペースである。
【0087】
また、隔壁11の代わりに、一方の通路10aには、容器4a、4bの中に延び、乾燥剤5を通る導管24又は管体などが接続される。
【0088】
このような導管24又は管体などによって、一方の通路10aから容器4a、4bの中に流入したガスは、乾燥剤5を通過した後、他方の通路10bを通って容器4a、4bから出ることのみができる。
【0089】
さらに、導管24又は管体などにも乾燥剤5が含まれることは除外されない。
【0090】
図4から8は、本発明による乾燥機1の実際的な実施形態のいくつかの図及び断面を、関連する構成要素及び流路の表示を用いて示す。
【0091】
この場合、乾燥剤5はブロック状又はビーム状である。しかしながら、乾燥剤5の形状は、このデザインに限定されない。
【0092】
また、乾燥剤5を収容する容器4a、4bの通路10aの1つは、容器4a、4bの下の中央に位置する。通路10aには、導管24又は管体が接続されており、従って、これは乾燥剤5の中心を貫通して延在している。
【0093】
図9から12は別の実際的な実施形態を示し、この場合、乾燥剤5は円筒形である。
【0094】
この実施形態では、
図4から8とは異なり、
バルブ組立体12は、乾燥剤5の上方に位置することに留意されたい。しかしながら、固形の乾燥剤5を使用する場合又は乾燥剤5の顆粒をふるい又はグリルに固定する場合、乾燥機1の向きはあまり重要ではない。
【0095】
上記に説明して示した実施例の各々は、2つの容器4a、4bのみを含むが、4以上の容器4a、4bが存在し、それによってこれらの容器4a、4bが2つずつお互いに重なり合うことは除外されない。
【0096】
次に、容器4a、4bは、2つずつ直列に接続することができる。あるいは、各容器4a、4bの周期を経時的にずらすことができ、さらに各容器4a、4bに制御弁13及び逆止弁19を設けることができる。
【0097】
本発明は、例として説明し図示した実施形態に限定されるものではなく、本発明によって処理されるガス混合物からガスを吸着する装置及び方法は、本発明の範囲を超えることなくあらゆる形態で実施可能である。