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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】傘棒装置、電動傘及び伸縮装置
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/16 20060101AFI20241212BHJP
   A45B 11/00 20060101ALI20241212BHJP
   B25J 1/02 20060101ALI20241212BHJP
【FI】
A45B25/16 A
A45B11/00 B
A45B25/16 C
B25J1/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023501340
(86)(22)【出願日】2021-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2021075860
(87)【国際公開番号】W WO2022007403
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-09
(31)【優先権主張番号】202010666410.5
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518120108
【氏名又は名称】呂孫宝
【氏名又は名称原語表記】LV,Sunbao
【住所又は居所原語表記】Tanmei No.8,Shaner Village,Shishan Town,Nanan City,QuanZhou City,Fujian 362311,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】呂孫宝
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/140439(WO,A1)
【文献】特開2015-073905(JP,A)
【文献】実開昭64-031019(JP,U)
【文献】特開平08-200466(JP,A)
【文献】特開2015-217307(JP,A)
【文献】特開2016-034397(JP,A)
【文献】特開2016-054875(JP,A)
【文献】特開2018-075647(JP,A)
【文献】特表2022-517553(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366306(US,A1)
【文献】国際公開第2017/203644(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109998241(CN,A)
【文献】実開平01-031019(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 25/16
A45B 11/00
B25J 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘棒装置であって、
手元と、
複数の嵌接管を備える中棒であって、前記複数の嵌接管は、引き伸ばされて端部と端部とが接続された長いロッドを形成することができ、前記中棒の最も内側にある嵌接管は内側嵌接管であり、前記中棒の最も外側にある嵌接管は外側嵌接管であり、前記内側嵌接管の一端は前記手元のハウジングに接続されている中棒と、
前記内側嵌接管内にある傘棒伝動組立体であって、前記傘棒伝動組立体は、第1伝動管と第2伝動管とを備え、前記第1伝動管と前記第2伝動管とは伸縮可能に嵌接されており、前記第1伝動管の一端が前記手元に回転可能に接続されており、前記第2伝動管は断面が矩形である線材から形成されている角ばねであり、前記第1伝動管には前記角ばねと嵌合可能なばね案内通路が形成されており、前記第1伝動管が回転することで前記第2伝動管を回転軸方向に移動させる傘棒伝動組立体と、を備え
前記第1伝動管が第1方向に回転すると、前記第2伝動管は、前記手元から離れる方向に移動することができるとともに、前記外側嵌接管に力を加えることができるため、前記中棒の複数の前記嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成し、
前記第1伝動管が前記第1方向と逆である第2方向に回転すると、前記第2伝動管は、前記手元に近づく方向に移動することで、前記外側嵌接管に加えられた力を解除することができる
傘棒装置。
【請求項2】
前記第2伝動管は角ばねであり、前記角ばねは前記第1伝動管の外側に嵌設されており、
前記傘棒伝動組立体はばね案内部と第1スライダとをさらに備え、前記ばね案内部は前記第1伝動管の前記手元から離れた端部に設けられており、前記ばね案内部には第1ばね案内通路が設けられており、前記角ばねの少なくとも一部のコイルは前記第1ばね案内通路内に設けられており、前記第1スライダは前記第1伝動管の外側に摺動的に嵌設されており、前記第1スライダは前記手元と前記角ばねとの間に位置するとともに前記角ばねの前記手元に近い端部に接続されており、前記第1スライダの外壁は前記内側嵌接管の内壁と嵌め合って前記第1スライダの回転を制限する
請求項1に記載の傘棒装置。
【請求項3】
前記傘棒伝動組立体は第1補強管をさらに備え、前記第1補強管は前記角ばねの外側に嵌設されているとともに前記角ばねに相対的に固定されており、前記第1補強管の前記手元に近い端部は前記第1スライダに接続されている
請求項2に記載の傘棒装置。
【請求項4】
前記傘棒装置は前記手元内に設置された駆動組立体をさらに備え、前記駆動組立体は、モータと、駆動ギアと、従動ギアと、ギアボックスとを備え、前記駆動ギアは前記モータの出力軸に設けられており、前記従動ギアは前記第1伝動管の前記手元に近い端部に設けられており、前記ギアボックスの変速ギアは前記駆動ギアと前記従動ギアにそれぞれ噛合している
請求項1に記載の傘棒装置。
【請求項5】
前記傘棒装置は、上ろくろと、下ろくろと、傘骨伝動組立体とをさらに備え、
前記上ろくろは、前記外側嵌接管の前記手元から離れた端部に設けられているとともに前記第2伝動管に押動されることが可能で、
前記下ろくろは前記外側嵌接管に摺動的に設けられているとともに前記手元と前記上ろくろとの間に位置し、
前記傘骨伝動組立体は、少なくとも1つの上滑車と、少なくとも1つの下滑車と、引き紐とを備え、前記上滑車は前記上ろくろに設けられており、前記下滑車は前記下ろくろに設けられており、前記引き紐は、一端が前記手元に固定され、他端が前記傘棒伝動組立体の最も内側の管を通ってから前記上滑車及び前記下滑車を交互に通過して前記上ろくろ又は前記下ろくろに固定されている
請求項1に記載の傘棒装置。
【請求項6】
電動傘であって、
請求項に記載の傘棒装置と、
傘骨フレームと傘地とを備え、前記傘地は前記傘骨フレーム上に設置されている傘骨装置と、を備え、
前記傘骨フレームは、第1傘骨と、第2傘骨と、引張ばねと、第3傘骨とを備え、前記第1傘骨の一端は前記上ろくろに接続されており、前記第2傘骨は、一端が前記下ろくろに接続され、他端が前記第1傘骨に摺動可能に接続されており、前記引張ばねの両端は、前記第1傘骨と前記第2傘骨にそれぞれ接続されており、前記第3傘骨は前記第1傘骨の他端に接続されている
電動傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2020年7月10日に出願された、出願番号が202010666410.5である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用により本願に組み入れる。
【0002】
本願は電動傘の分野に関し、特に傘棒装置、電動傘及び伸縮装置に関する。
【背景技術】
【0003】
折り畳み傘は、折り畳むと短くなり、持ち運びや収納が便利なので、多くの使用者に愛用されている。しかしながら、従来の折り畳み傘は通常、両手を同時に使わないと開けないまたは閉じられないため、使用者が片手でものを持ち、もう片手で傘を持つ場合、簡単に開いたり閉じたりすることが容易ではなかった。折り畳み傘をより簡単に開いたり閉じたりするために、電動傘が考案された。電動傘は通常、傘棒装置と、傘棒装置に設けられた傘骨装置とを備える。電動傘を開くとき、傘棒装置を伸長させる必要があるだけではなく、傘骨装置を広げる必要もある。電動傘を閉じるとき、傘棒装置を短縮させる必要があるだけではなく、傘骨装置を畳む必要もある。
【0004】
従来の電動傘では、電動傘が閉じた状態にあるとき、ばねが圧縮状態にあり、電動傘を開く必要がある場合、モータの駆動により、圧縮されたばねが解放され、ばねが伸びることにより、電動傘を開き、電動傘を閉じる必要がある場合、モータの駆動により、ばねが再び圧縮される。上記のばねを圧縮・解放する方式では、電動傘を開くことや閉じることを実現できるものの、モータに対するねじり力の要求が高く、ねじり力の高いモータを使う必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の主な目的は、モータに対するねじり力の要求を低減することを目的とする傘棒装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本願は傘棒装置を提案し、前記傘棒装置は、
手元と、
複数の嵌接管を備える中棒であって、前記複数の嵌接管は、引き伸ばされて端部と端部とが接続された長いロッドを形成することができ、前記中棒の最も内側にある嵌接管は内側嵌接管であり、前記中棒の最も外側にある嵌接管は外側嵌接管であり、前記内側嵌接管の一端は前記手元のハウジングに接続されている中棒と、
前記内側嵌接管内にある傘棒伝動組立体であって、前記傘棒伝動組立体は、第1伝動管と第2伝動管とを備え、前記第1伝動管と前記第2伝動管とは伸縮可能に嵌接されており、前記第1伝動管の一端が前記手元に回転可能に接続されており、前記第1伝動管と前記第2伝動管のうちの一方は角ばねである傘棒伝動組立体と、を備え
前記第1伝動管が第1方向に回転すると、前記第2伝動管は、前記手元から離れる方向に移動することができるとともに、前記外側嵌接管に力を加えることができるため、前記中棒の複数の前記嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成し、
前記第1伝動管が前記第1方向と逆である第2方向に回転すると、前記第2伝動管は、前記手元に近づく方向に移動することで、前記外側嵌接管に加えられた力を解除することができる。
【0007】
一実施例において、前記第2伝動管は角ばねであり、前記角ばねは前記第1伝動管の外側に嵌設されており、
前記傘棒伝動組立体はばね案内部と第1スライダとをさらに備え、前記ばね案内部は前記第1伝動管の前記手元から離れた端部に設けられており、前記ばね案内部には第1ばね案内通路が設けられており、前記角ばねの少なくとも一部のコイルは前記第1ばね案内通路内に設けられており、前記第1スライダは前記第1伝動管の外側に摺動的に嵌設されており、前記第1スライダは前記手元と前記角ばねとの間に位置するとともに前記角ばねの前記手元に近い端部に接続されており、前記第1スライダの外壁は前記内側嵌接管の内壁と嵌め合って前記第1スライダの回転を制限する。
【0008】
一実施例において、前記傘棒伝動組立体はねじ管と、外側伝動管と、ナットとをさらに備え、
前記ねじ管は一端が前記手元に回転可能に接続されており、
前記第1伝動管は前記ねじ管の手元から離れた端部内に摺動的に挿接されているとともに、前記第1伝動管の外壁は前記ねじ管の内壁と嵌め合って前記第1伝動管と前記ねじ管との相対回転を制限し、
前記外側伝動管は前記ねじ管の外側に摺動的に嵌設されており、また、前記外側伝動管が前記ねじ管上を摺動する際に、前記第1伝動管及び前記ばね案内部を摺動させることができ、
前記ナットは前記ねじ管の外側に嵌設されているとともに前記ねじ管に螺接されており、前記ナットの外壁が前記内側嵌接管の内壁と嵌め合うことにより、前記ナットが前記ねじ管上を移動することができ、前記ナットは前記手元と前記外側伝動管との間に位置するとともに前記外側伝動管の前記手元に近い端部に固定的に接続されており、
前記角ばねと前記第1スライダはいずれも前記外側伝動管の外側に摺動的に嵌設されており、前記第1スライダの内壁が前記外側伝動管の外壁と嵌め合うことにより前記第1スライダの回転を制限する。
【0009】
一実施例において、前記傘棒伝動組立体はT形円柱ピンと軸スリーブとをさらに備え、前記T形円柱ピンは前記第1伝動管の外側に嵌設されているとともに、前記T形円柱ピンの内壁は前記第1伝動管の外壁と嵌め合うことにより、前記T形円柱ピンの回転を制限し、
前記ばね案内部は前記T形円柱ピンの外側に嵌設されているとともに、前記T形円柱ピンの頭端は前記ばね案内部と前記手元との間に位置し、
前記軸スリーブは前記第1伝動管の外側に嵌設されているとともに、前記軸スリーブの前記手元から離れた端部は前記T形円柱ピンの頭端に回転可能に接続されており、
前記外側伝動管の前記手元から離れた端部は前記軸スリーブの外側に嵌設されている。
【0010】
一実施例において、前記傘棒伝動組立体は第1補強管をさらに備え、前記第1補強管は前記角ばねの外側に嵌設されているとともに前記角ばねに相対的に固定されており、前記第1補強管の前記手元に近い端部は前記第1スライダに接続されている。
【0011】
一実施例において、前記第1伝動管は角ばねであり、前記第2伝動管は前記角ばねの外側に嵌設されており、
前記傘棒伝動組立体は第2スライダをさらに備え、前記第2スライダは前記角ばねの外側に嵌設されており、前記第2スライダは前記手元と前記第2伝動管との間に位置するとともに前記第2伝動管の前記手元に近い端部に固定的に接続されており、
前記第2スライダの内壁には第2ばね案内通路が設けられており、前記角ばねの少なくとも一部のコイルは前記第2ばね案内通路内に設けられており、前記第2スライダの外壁が前記内側嵌接管の内壁と嵌め合うことにより、前記第2スライダが前記角ばね上を移動できる。
【0012】
一実施例において、前記傘棒伝動組立体は第2補強管をさらに備え、前記角ばねは前記第2補強管の外側に嵌設されているとともに前記第2補強管に相対的に固定されており、前記第2補強管の前記手元に近い端部は前記手元に回転可能に接続されている。
【0013】
一実施例において、前記第1伝動管は角ばねであり、前記角ばねは前記第2伝動管の外側に嵌設されており、
前記傘棒伝動組立体は第3スライダと回転阻止ブロックとをさらに備え、
前記角ばねは前記第3スライダの外側に嵌設されており、前記第3スライダは前記第2伝動管の前記手元に近い端部に固定的に接続されており、前記第3スライダの外壁には第3ばね案内通路が設けられており、前記角ばねの少なくとも一部のコイルは前記第3ばね案内通路内に設けられており、
前記回転阻止ブロックは前記内側嵌接管の前記手元から離れた端部に設けられ、前記第2伝動管は前記回転阻止ブロックに摺動的に挿設されており、前記回転阻止ブロックの内壁が前記第2伝動管の外壁と嵌め合うことにより、前記第3スライダが前記角ばね上を移動できる。
【0014】
一実施例において、前記傘棒伝動組立体は第3補強管をさらに備え、前記第3補強管は前記角ばねの外側に嵌設されているとともに前記角ばねに相対的に固定されている。
【0015】
一実施例において、前記傘棒装置は前記手元内に設置された駆動組立体をさらに備え、前記駆動組立体は、モータと、駆動ギアと、従動ギアと、ギアボックスとを備え、前記駆動ギアは前記モータの出力軸に設けられており、前記従動ギアは前記第1伝動管の前記手元に近い端部に設けられており、前記ギアボックスの変速ギアは前記駆動ギアと前記従動ギアにそれぞれ噛合している。
【0016】
一実施例において、前記傘棒装置は、上ろくろと、下ろくろと、傘骨伝動組立体とをさらに備え、
前記上ろくろは、前記外側嵌接管の前記手元から離れた端部に設けられているとともに前記第2伝動管に押動されることが可能で、
前記下ろくろは前記外側嵌接管に摺動的に設けられているとともに前記手元と前記上ろくろとの間に位置し、
前記傘骨伝動組立体は、少なくとも1つの上滑車と、少なくとも1つの下滑車と、引き紐とを備え、前記上滑車は前記上ろくろに設けられており、前記下滑車は前記下ろくろに設けられており、前記引き紐は、一端が前記手元に固定され、他端が前記傘棒伝動組立体の最も内側の管を通ってから前記上滑車及び前記下滑車を交互に通過して前記上ろくろ又は前記下ろくろに固定されている。
【0017】
本願は、電動傘をさらに提案し、前記電動傘は、
上記の傘棒装置と、
傘骨フレームと傘地とを備え、前記傘地は前記傘骨フレーム上に設置されている傘骨装置と、を備え、
前記傘骨フレームは、第1傘骨と、第2傘骨と、引張ばねと、第3傘骨とを備え、前記第1傘骨の一端は前記上ろくろに接続されており、前記第2傘骨は、一端が前記下ろくろに接続され、他端が前記第1傘骨に摺動可能に接続されており、前記引張ばねの両端は、前記第1傘骨と前記第2傘骨にそれぞれ接続されており、前記第3傘骨は前記第1傘骨の他端に接続されている。
【0018】
本願は伸縮装置をさらに提案し、前記伸縮装置は、
上記の手元である取付座と、
上記の中棒である嵌接管組立体と、
上記の傘棒伝動組立体である内部伝動組立体と、
を備える。
【0019】
一実施例において、前記伸縮装置は自撮り棒、物干し竿掛け棒、またはロボットに適用され、前記外側嵌接管の前記取付座から離れた端部にはホルダ位置決め具が設けられており、
前記伸縮装置が自撮り棒に適用される場合、前記ホルダ位置決め具は、携帯電話又はカメラを固定するために構成され、
前記伸縮装置が物干し竿掛け棒に適用される場合、前記ホルダ位置決め具は叉状ヘッドであり、
前記伸縮装置がロボットに適用される場合、前記ホルダ位置決め具はマニピュレータである。
【0020】
上記の傘棒伝動組立体と伸縮装置において、第1伝動管の一端が手元(取付座)に回転可能に接続され、第1伝動管と第2伝動管とは伸縮可能に嵌接されており、第1伝動管が回転すると、第2伝動管は手元(取付座)から離れた一端に移動することができるとともに、外側嵌接管に力を加えることができるため、中棒(嵌接管組立体)の複数の嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成する。こうして、第1伝動管と第2伝動管の圧縮を回避することができ、すなわち、角ばねの圧縮を回避することができる。これにより、第1伝動管が駆動組立体に接続され、駆動組立体により第1伝動管の回転を駆動する場合、駆動組立体に対するねじり力の要求が低くなる。ねじり力の小さい駆動組立体を用いて第1伝動管の回転を駆動することができるが、ねじり力の小さい駆動組立体の体積は一般的に小さいため、手元(取付座)のサイズを小さくして、電動傘(伸縮装置)を小型化することができる。また、実際の生産や製造においても、同じ効果を実現するには、角ばねの価格はねじ棒の価格よりもはるかに低いため、角ばねを伝動管として用いることで、電動傘(伸縮装置)の生産コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
図1】本願の一実施例にかかる電動傘の構造模式図である。
図2図1に示した電動傘の傘棒装置の構造模式図である。
図3】本願の一実施例にかかる電動傘の傘棒装置の立体分解図である。
図4図3に示した電動傘の傘棒装置の断面図である。
図5図4のAにおける部分拡大図である。
図6図4のBにおける部分拡大図である。
図7図3に示した電動傘の傘棒装置の引き伸ばされた状態における立体構造模式図である。
図8図7の断面図である。
図9】本願のもう一つの実施例にかかる電動傘の傘棒装置の立体分解図である。
図10図9に示した電動傘の傘棒装置の断面図である。
図11図10のCにおける部分拡大図である。
図12図10のDにおける部分拡大図である。
図13】本願のもう一つの実施例にかかる電動傘の傘棒装置の断面図である。
図14図13に示した電動傘の傘棒装置の立体分解図である。
図15図14における第2スライダの立体構造模式図である。
図16】本願のもう一つの実施例にかかる電動傘の傘棒装置の断面図である。
図17図16に示した電動傘の傘棒装置の立体分解図である。
図18】本願の一実施例にかかる伸縮装置の立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【0023】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0024】
本願の実施例において方向性の指示(例えば上、下、左、右、前、後...)に関わった場合、該方向性指示はある特定の姿勢における各部品間の相対的な位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられるものであって、もし該特定の姿勢が変わる場合、該方向性指示もそれに応じて変わることは説明すべきである。
【0025】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等の説明に関わる場合、当該「第一」、「第二」等の説明は、説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、全文において現れた「及び/又は」は三つの並行する案を含むことを意味する。「A及び/又はB」を例に取ると、A案、或いはB案、或いはAとBとが同時に満たされる案を含むことになる。また、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその前提である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本願が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【0026】
本願は、電動傘を提案する。
本願の実施例において、図1に示すように、該電動傘10は、傘棒装置12と、傘棒装置12に設けられた傘骨装置14とを備える。電動傘10を開くとき、傘棒装置12を伸長させる必要があるだけではなく、傘骨装置14を広げる必要もある。電動傘10を閉じるとき、傘棒装置12を短縮させる必要があるだけではなく、傘骨装置14を畳む必要もある。
【0027】
本実施例において、傘棒装置12は、手元100と、中棒200と、上ろくろ300と、下ろくろ400とを備える。傘骨装置14は、傘骨フレーム500と傘地(図示せず)とを備える。
【0028】
本実施例において、図1から図3に示すように、手元100は、ハウジング110と、ハウジング110内に設けられた駆動組立体120とを備える。ハウジング110には、開傘ボタン112と閉傘ボタン114とが設けられており、開傘ボタン112と閉傘ボタン114はいずれも駆動組立体120に電気的に接続されている。開傘ボタン112が押されたとき、駆動組立体120の出力軸は、正方向と逆方向とのうちの一つで回転し、閉傘ボタン114が押されたとき、駆動組立体120の出力軸は、正方向と逆方向のとのうちのもう一つで回転する。すなわち、開傘ボタン112が押されたときと、閉傘ボタン114が押されたときとでは、駆動組立体120の出力軸の回転方向が逆である。
【0029】
本実施例において、手元100は、ハウジング110内に設けられた電池(図示せず)と集積回路基板(図示せず)とをさらに備え、電池は駆動組立体120、集積回路基板などの素子に電気を供給するためのものであり、集積回路基板は駆動組立体120の動作モードを制御するように構成されている。手元100は、ハウジング110の底部に設けられた充電インターフェースをさらに備え、充電インターフェースを介して電池を充電することができる。
【0030】
図1から図8に示されるように、中棒200は、内から外へ嵌接された複数の嵌接管を含み、複数の嵌接管は、引き伸ばされて端部と端部とが接続された長いロッドを形成することができる。中棒200の最も内側にある嵌接管は内側嵌接管202であり、中棒200の最も外側にある嵌接管は外側嵌接管204である。
【0031】
本実施例において、内側嵌接管202の一端は、手元100のハウジング110に接続されている。このように、中棒200が引き伸ばされて長いロッドが形成されると、ハウジング110、内側嵌接管202、外側嵌接管204がこの順に配置される。
【0032】
上ろくろ300は、外側嵌接管204の手元100から離れた端部に設けられている。
【0033】
下ろくろ400は、外側嵌接管204に摺動可能に設けられている。
【0034】
傘骨フレーム500は、第1傘骨510と、第2傘骨520と、引張ばね530と、第3傘骨540とを備える。第1傘骨510の一端は上ろくろ300に接続されている。第2傘骨520は、一端が下ろくろ400に接続され、他端が第1傘骨510に摺動可能に接続されている。引張ばね530の両端は、第1傘骨510と第2傘骨520にそれぞれ接続されている。第3傘骨540は、第1傘骨510の他端に接続されている。
【0035】
傘地は傘骨フレーム500上に設置されている。
【0036】
本実施例において、傘棒装置12は、傘棒伝動組立体600と傘骨伝動組立体700とをさらに備え、傘棒伝動組立体600と傘骨伝動組立体700とを協働させて使用することにより、開傘ボタン112が押されたとき、駆動組立体120は傘棒伝動組立体600と傘骨伝動組立体700とにより電動傘10を開くことができ、閉傘ボタン114が押されたとき、駆動組立体120は、傘棒伝動組立体600と傘骨伝動組立体700とにより電動傘10を閉じることができる。
【0037】
本実施例において、傘棒伝動組立体600は、電動傘10の中棒200内に設置されるように構成されている。傘棒伝動組立体600が中棒200に力を加える場合、中棒200の複数の嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成することにより、電動傘10の傘棒を伸長させる、すなわち、電動傘10を開いて傘棒を伸長させるステップを完成させることが可能である。傘棒伝動組立体600から中棒200に加えられた力が解除されると、引張ばね530の付勢力で(後で詳細に説明される)、中棒200の複数の嵌接管を内から外へ嵌接することにより、電動傘10の傘棒を短縮させるステップを完成させることが可能である。
【0038】
より具体的には、本実施例において、傘棒伝動組立体600は上ろくろ300に力を加えるが、上ろくろ300が外側嵌接管204の手元100から離れた端部に設けられているため、傘棒伝動組立体600は上ろくろ300を介して外側嵌接管204に間接的に力を加える。
【0039】
本実施例において、図3から図17に示すように、傘棒伝動組立体600は内側嵌接管202内にある。傘棒伝動組立体600は、第1伝動管610と第2伝動管620とを備え、第1伝動管610と第2伝動管620とは伸縮可能に嵌接されており、第1伝動管610と第2伝動管620のうちの一方は角ばねである。第1伝動管610は、一端が手元100に回転可能に接続されている。
【0040】
第1伝動管610が第1方向に回転すると、第2伝動管620は、手元100から離れる方向に移動する(回されて外へ出される)ことができるとともに、外側嵌接管204に力を加えることができるため、中棒200の複数の嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成する。これにより、電動傘10の傘棒が伸長できるため、すなわち、電動傘10を開いて傘棒を伸長させるステップを完成させる。
【0041】
第1伝動管610が第2方向に回転すると、第2伝動管620は、手元100に近づく方向に移動することで、初期位置に復帰する(回されて中へ入れられる)ことができるため、外側嵌接管204に加えられた力を解除する。このように、他の要素の作用の下で、中棒200の複数の嵌接管を内から外へ嵌接することができるため、電動傘10の傘棒を短縮させるステップを完成させる。
【0042】
第1方向と第2方向とは逆であり、例えば、第1方向が時計回り方向である場合、第2方向は反時計回り方向である、第1方向が反時計回り方向である場合、第2方向は時計回り方向である。
【0043】
上記の傘棒伝動組立体600において、第1伝動管610の一端が手元100に回転可能に接続され、第1伝動管610と第2伝動管620とは伸縮可能に嵌接されており、第1伝動管610が回転すると、第2伝動管620は手元100から離れた一端に移動することができるとともに、外側嵌接管204に力を加えることができるため、中棒200の複数の嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成する。こうして、第1伝動管610と第2伝動管620の圧縮を回避することができ、すなわち、角ばねの圧縮を回避することができる。これにより、第1伝動管610が駆動組立体120に接続され、駆動組立体120により第1伝動管610の回転を駆動する場合、駆動組立体120に対するねじり力の要求が低くなる。ねじり力の小さい駆動組立体120を用いて第1伝動管610の回転を駆動することができるが、ねじり力の小さい駆動組立体120の体積は一般的に小さいため、手元100のサイズを小さくして、電動傘10を小型化することができる。また、実際の生産や製造においても、同じ効果を実現するには、角ばねの価格はねじ棒の価格よりもはるかに低いため、角ばねを伝動管として用いることで、電動傘10の生産コストを低減することができる。
【0044】
なお、角ばねは金型ばねとも呼ばれ、その製造材料が四角い線材であり(通常のばねは丸線材である)、四角い線材の断面が矩形であることから、角ばねと呼ばれる。
【0045】
本実施例において、図3から図12に示すように、第2伝動管620は角ばね620aであり、角ばね620aは第1伝動管610の外側に嵌設されている。
【0046】
一実施例において、図3から図8に示すように、傘棒伝動組立体600はばね案内部630と第1スライダ640とをさらに備える。ばね案内部630は、第1伝動管610の手元100から離れた端部に設けられている。ばね案内部630には、第1ばね案内通路632が設けられている。角ばね620aの少なくとも一部のコイル622aは、第1ばね案内通路632内に設けられている。第1スライダ640は、第1伝動管610の外側に摺動的に嵌設されている。第1スライダ640は、手元100と角ばね620aとの間に位置するとともに、角ばね620aの手元100に近い端部に接続されており、第1スライダ640により角ばね620aとばね案内部630との相対回転を制限することが可能である。
【0047】
第1伝動管610が回転すると、第1伝動管610はばね案内部630を回転させるが、第1スライダ640により角ばね620aとばね案内部630との相対回転を制限することができるため、角ばね620aは、ばね案内部630と同期して回転しながら、第1伝動管610上を移動して直線運動を行うことができる。また、第1スライダ640は、第1伝動管610の外側に摺動的に嵌設されているとともに、角ばね620aの手元100に近い端部に接続されているため、角ばね620aが直線運動を行うと同時に、第1スライダ640も第1伝動管610上を移動して直線運動を行うことができる。
【0048】
第1伝動管610が第1方向に回転すると、角ばね620aは、第1スライダ640とともに第1伝動管610上を手元100から離れる方向に移動するため、角ばね620aはばね案内部630の第1伝動管610から離れた端部から延出する(回されて外へ出される)とともに、中棒200に力を加えるため、中棒200の複数の嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成する。これにより、電動傘10の傘棒が伸長できるため、すなわち、電動傘10を開いて傘棒を伸長させるステップを完成させる。
【0049】
第1伝動管610が第2方向に回転すると、角ばね620aは、第1スライダ640とともに第1伝動管610上を手元100に近づく方向に移動し、ばね案内部630の第1伝動管610から離れた端部まで延出した角ばね620aは初期位置に復帰する(回されて中へ入れられる)ことができるため、角ばね620aから中棒200に加えられた力を解除する。このように、他の要素の作用の下で、中棒200の複数の嵌接管を内から外へ嵌接することができるため、電動傘10の傘棒を短縮させるステップを完成させる。
【0050】
本実施例において、第1スライダ640を回転しないようにすることで、第1スライダ640による角ばね620aとばね案内部630との相対回転の制限を実現している。
【0051】
本実施例において、第1スライダ640の外壁は内側嵌接管202の内壁と嵌め合って第1スライダ640の回転を制限するが、第1スライダ640の内壁は第1伝動管610の外壁と嵌め合わないため、第1スライダ640の回転を制限することはできない。つまり、第1スライダ640は内側嵌接管202内で回転することができないが、第1伝動管610は第1スライダ640内で回転することができる。
【0052】
本実施例において、第1スライダ640の外壁と内側嵌接管202の内壁とはいずれも多面構造であり、第1スライダ640の外壁の面数は内側嵌接管202の内壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、第1スライダ640の外壁は正六面構造であり、内側嵌接管202の内壁も正六面構造である。
【0053】
具体的には、本実施例において、第1伝動管610の外壁は円柱構造であってもよく、多面構造であってもよい。第1スライダ640の内壁は、第1伝動管610の外壁から第1距離だけ離間しており、角ばね620aの内壁は、第1伝動管610の外壁から第2距離だけ離間している。第1距離と第2距離とにより、第1スライダの内壁と角ばね620aの内壁とのいずれも、第1伝動管610の回転を干渉しないことが満たされる。
【0054】
図3から図8に示す実施例において、中棒200は2つの嵌接管を備え、この場合、中棒200は2つ折り電動傘の中棒である。
【0055】
一実施例において、図9から図12に示すように、傘棒伝動組立体600は、ねじ管650と、外側伝動管660と、ナット670とを備える。
【0056】
ねじ管650は、一端が手元100に回転可能に接続されている。
【0057】
第1伝動管610は、ねじ管650の手元100から離れた端部内に摺動的に挿接されている。第1伝動管610の外壁はねじ管650の内壁と嵌め合って、第1伝動管610とねじ管650との相対回転を制限する。つまり、ねじ管650が回転すると、第1伝動管610はねじ管650と連動して、ねじ管650に同期して回転するため、ねじ管650に対して第1伝動管610は回転しない。
【0058】
外側伝動管660は、ねじ管650の外側に摺動的に嵌設されており、また、外側伝動管660がねじ管650上を摺動する際に、第1伝動管610及びばね案内部630を摺動させることができる。
【0059】
ナット670は、ねじ管650の外側に嵌設されているとともに、ねじ管650に螺接されている。ナット670の外壁が内側嵌接管202の内壁と嵌め合うことにより、ナット670がねじ管650上を移動できる。ナット670は、手元100と外側伝動管660との間に位置するとともに、外側伝動管660の手元100に近い端部に固定的に接続されている。
【0060】
角ばね620aと第1スライダ640はいずれも外側伝動管660の外側に摺動的に嵌設されており、第1スライダ640の内壁が外側伝動管660の外壁と嵌め合うことにより第1スライダ640の回転を制限する。
【0061】
上記の構造において、ねじ管650が回転すると、ねじ管650は第1伝動管610を回転させ、さらにばね案内部630を回転させるが、第1スライダ640は外側伝動管660の外壁に制限されて回転できないため、角ばね620aは、ばね案内部630と同期して回転すると同時に、外側伝動管660上を摺動して直線運動を行うことができる。また、第1スライダ640は、外側伝動管660上に摺動的に嵌設されているとともに、角ばね620aの手元100に近い端部に接続されているため、角ばね620aが直線運動を行うと同時に、第1スライダ640も外側伝動管660上を摺動して直線運動を行うことができる。また、ねじ管650が回転すると、ナット670の外壁が内側嵌接管202の内壁と嵌め合うことにより、ナット670がねじ管650上を移動することができるため、ナット670により外側伝動管660をねじ管650上で摺動させて直線運動させることが可能で、さらに外側伝動管660により第1伝動管610とばね案内部630とを摺動させて直線運動させることが可能である。
【0062】
上記の構造において、外側伝動管660と、第1伝動管610と、ばね案内部630とのいずれも直線運動を行うことができるため、角ばね620aの直線運動の変位がより大きくなり、三つ折り以上の中棒200に使用するのに適している。
【0063】
本実施例において、中棒200が三つ折り以上の電動傘の中棒である場合、中棒200が三つ以上の嵌接管を備えるとき、内側嵌接管202と外側嵌接管204との間に位置するのが中間管206である。ここで、中間管206の本数は1以上である。図8から図11に示す実施例において、中間管206の本数は1に等しく、中棒200は三つ折り電動傘の中棒である。
【0064】
本実施例において、傘棒伝動組立体600は、T形円柱ピン680と軸スリーブ690とをさらに備える。T形円柱ピン680は第1伝動管610の外側に嵌設されているとともに、T形円柱ピン680の内壁は第1伝動管610の外壁と嵌め合うことにより、T形円柱ピン680の回転を制限する。
【0065】
ばね案内部630はT形円柱ピン680の外側に嵌設されているとともに、T形円柱ピン680の頭端682はばね案内部630と手元100との間に位置する。
【0066】
軸スリーブ690は第1伝動管610の外側に嵌設されているとともに、軸スリーブ690の手元100から離れた端部はT形円柱ピン680の頭端682に回転可能に接続されている。外側伝動管660の手元100から離れた端部は軸スリーブ690の外側に嵌設されている。これにより、外側伝動管660がねじ管650上を摺動する際に、第1伝動管610及びばね案内部630を摺動させることができる。
【0067】
本実施例において、第1伝動管610の外壁とねじ管650の内壁とはいずれも多面構造であり、第1伝動管610の外壁の面数はねじ管650の内壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、第1伝動管610の外壁は正五面構造であり、ねじ管650の内壁も正五面構造である。
【0068】
本実施例において、ナット670の外壁と内側嵌接管202の内壁とはいずれも多面構造であり、ナット670の外壁の面数は内側嵌接管202の内壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、ナット670の外壁は正六面構造であり、内側嵌接管202の内壁も正六面構造である。
【0069】
本実施例において、第1スライダ640の内壁と外側伝動管660の外壁とはいずれも多面構造であり、第1スライダ640の内壁の面数は外側伝動管660の外壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、第1スライダ640の内壁は正五面構造であり、外側伝動管660の外壁も正五面構造である。
【0070】
本実施例において、T形円柱ピン680の内壁と第1伝動管610の外壁とはいずれも多面構造であり、T形円柱ピン680の内壁の面数は第1伝動管610の外壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、T形円柱ピン680の内壁は正五面構造であり、第1伝動管610の外壁も正五面構造である。
【0071】
上記の構造において、ねじ管650が回転すると、ねじ管650は第1伝動管610を回転させ、第1伝動管610はT形円柱ピン680を同期して回転させることにより、T形円柱ピン680はばね案内部630を回転させるが、第1スライダ640は外側伝動管660の外壁に制限されて回転できないため、角ばね620aは、ばね案内部630と同期して回転すると同時に、外側伝動管660上を摺動して直線運動を行うことができる。また、第1スライダ640は、外側伝動管660上に摺動的に嵌設されているとともに、角ばね620aの手元100に近い端部に接続されているため、角ばね620aが直線運動を行うと同時に、第1スライダ640も外側伝動管660上を摺動して直線運動を行うことができる。また、ねじ管650が回転すると、ナット670の外壁が内側嵌接管202の内壁と嵌め合うことにより、ナット670がねじ管650上を移動することができるため、ナット670により外側伝動管660をねじ管650上で摺動させて直線運動させることが可能で、さらに外側伝動管660は軸スリーブ690を介して第1伝動管610とばね案内部630とを摺動させて直線運動させることが可能である。
【0072】
上記の図3から図12に示す実施例において、傘棒伝動組立体600は、第1補強管602をさらに備える。第1補強管602は、角ばね620aの外側に嵌設されているとともに、角ばね620aに相対的に固定されている。第1補強管602と角ばね620aとにより構成される一体構造により、角ばね620aの支持力を効果的に増大させることができるため、電動傘10の傘棒が伸長した後に角ばね620aが揺動するのを効果的に回避することができる。
【0073】
本実施例において、第1補強管602の手元100に近い端部は第1スライダ640に接続されている。こうして、第1補強管602と角ばね620aとはいずれも第1スライダ640に接続されているため、第1補強管602と角ばね620aとは相対的に固定される。
【0074】
本実施例において、第1補強管602の手元100に近い端部は第1スライダ640に接続されているとともに、第1補強管602の手元100から離れた端部は外側嵌接管204に接続されている。これにより、第1補強管602の接続をより安定させることができる。なお、他の実施例において、第1補強管602の手元100に近い端部を第1スライダ640に接続し、または第1補強管602の手元100から離れた端部を外側嵌接管204に接続するようにしてもよい。
【0075】
本実施例において、図13から図15に示すように、第1伝動管610は角ばね610aであり、第2伝動管620は角ばね610aの外側に嵌設されている。
【0076】
傘棒伝動組立体600は、第2スライダ604をさらに備える。第2スライダ604は、角ばね610aの外側に嵌設されている。第2スライダ604は、手元100と第2伝動管620との間に位置するとともに、第2伝動管620の手元100に近い端部に固定的に接続されている。
【0077】
第2スライダ604の内壁には第2ばね案内通路6042が設けられており、角ばね610aの少なくとも一部のコイルは第2ばね案内通路6042内に設けられている。第2スライダ604の外壁が内側嵌接管202の内壁と嵌め合うことにより、第2スライダ604が角ばね610a上を移動できる。ここで、第2スライダ604が角ばね610a上を移動する原理は、スタッドとナットとの螺接に似ている。
【0078】
上記の傘棒伝動組立体600において、角ばね610aが回転するとき、第2スライダ604の外壁が内側嵌接管202の内壁と嵌め合うことにより、第2スライダ604と角ばね610aとの相対回転を制限することができるため、第2スライダ604は角ばね610a上を移動して直線運動を行うことができる。一方、第2伝動管620が第2スライダ604に固定されているため、第2スライダ604が直線運動を行うと同時に、第2伝動管620も角ばね610a上を移動して直線運動を行うことができる。
【0079】
本実施例において、第2スライダ604の外壁と内側嵌接管202の内壁とはいずれも多面構造であり、第2スライダ604の外壁の面数は内側嵌接管202の内壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、第2スライダ604の外壁は正六面構造であり、内側嵌接管202の内壁も正六面構造である。
【0080】
本実施例において、傘棒伝動組立体600は、第2補強管606をさらに備える。角ばね610aは、第2補強管606の外側に嵌設されているとともに、第2補強管606に相対的に固定されている。第2補強管606の手元100に近い端部は手元100に回転可能に接続されている。角ばね610aと第2補強管606とにより構成される一体構造により、角ばね610aの支持力を効果的に増大させることができるため、電動傘10の傘棒が伸長した後に角ばね610aが揺動するのを効果的に回避することができる。また、角ばね610aを第2補強管606を介して手元100に回転可能に接続して、角ばね610aと手元100との回転可能な接続をより容易にすることもできる。
【0081】
本実施例において、傘棒伝動組立体600は、取付部608をさらに備える。取付部608は手元100に回転可能に接続されているが、第2補強管606と角ばね610aはいずれもは取付部608に固定されている。
【0082】
本実施例において、角ばね610aと第2補強管606とが締まり嵌めにされている。こうして、角ばね610a上での第2スライダ604の移動がより容易になる。具体的には、本実施例において、第2補強管606の外径は、角ばね610aの内径と同等であり、または角ばね610aの内径よりやや大きい。
【0083】
本実施例において、図16図17に示すように、第1伝動管610は角ばね610aであり、角ばね610aは第2伝動管620の外側に嵌設されている。
【0084】
傘棒伝動組立体600は、第3スライダ601と回転阻止ブロック603とをさらに備える。
【0085】
角ばね610aは、第3スライダ601の外側に嵌設されている。第3スライダ601は、第2伝動管620の手元100に近い端部に固定的に接続されている。第3スライダ601の外壁には第3ばね案内通路6012が設けられており、角ばね610aの少なくとも一部のコイルは第3ばね案内通路6012内に設けられている。
【0086】
回転阻止ブロック603は内側嵌接管202の手元100から離れた端部に設けられ、第2伝動管620は回転阻止ブロック603に摺動的に挿設されている。回転阻止ブロック603の内壁が第2伝動管620の外壁と嵌め合うことにより、第3スライダ601が角ばね610a上を移動できる。
【0087】
上記の傘棒伝動組立体600において、角ばね610aが回転するとき、回転阻止ブロック603の内壁が第2伝動管620の外壁と嵌め合うことにより、第2伝動管620と角ばね610aとの相対回転を制限することができるため、第3スライダ601と角ばね610aとの相対回転を制限することができ、さらに、第3スライダ601は角ばね610a上を移動して直線運動を行うことができる。一方、第2伝動管620は、第3スライダ601に固定されているとともに、回転阻止ブロック603に摺動的に挿設されているため、第3スライダ601が直線運動を行うと同時に、第2伝動管620も角ばね610a上を移動して直線運動を行うことができる。
【0088】
本実施例において、回転阻止ブロック603の内壁と第2伝動管620の外壁とはいずれも多面構造であり、回転阻止ブロック603の内壁の面数は第2伝動管620の外壁の面数と同じであり、1対1に対応して設けられている。具体的には、本実施例において、回転阻止ブロック603の内壁は正五面構造であり、第2伝動管620の外壁も正五面構造である。
【0089】
本実施例において、傘棒伝動組立体600は第3補強管605をさらに備え、第3補強管605は、角ばね610aの外側に嵌設されているとともに、角ばね610aに相対的に固定されている。角ばね610aと第3補強管605とにより構成される一体構造により、角ばね610aの支持力を効果的に増大させることができるため、電動傘10の傘棒が伸長した後に角ばね610aが揺動するのを効果的に回避することができる。また、角ばね610aを第3補強管605を介して手元100に回転可能に接続して、角ばね610aと手元100との回転可能な接続をより容易にすることもできる。
【0090】
本実施例において、傘棒伝動組立体600は、第1接続ブロック607と第2接続ブロック609とをさらに備える。角ばね610aの両端は、第1接続ブロック607と第2接続ブロック609にそれぞれ嵌設されており、第3スライダ601は、第1接続ブロック607と第2接続ブロック609との間に位置する。第3補強管605の両端は、第1接続ブロック607と第2接続ブロック609にそれぞれ嵌設されている。第1接続ブロック607は、手元100に回転可能に接続されている。
【0091】
本実施例において、図1から図17に示すように、電動傘10は傘骨伝動組立体700をさらに備え、傘骨伝動組立体700は傘棒伝動組立体600と協働して動作する。傘棒伝動組立体600が電動傘10を開いて傘棒を伸長させるステップを完成させると同時に、傘骨伝動組立体700は電動傘10の傘骨フレーム500を広げて、傘棒伝動組立体600が中棒200に加えた力を解除すると、引張ばね530の作用の下で、傘骨伝動組立体700が電動傘10の傘骨フレーム500を畳むと同時に、中棒200の複数の嵌接管が内から外へ嵌接されて、電動傘10の傘棒を短縮させるステップを完成させる。
【0092】
本実施形態において、傘骨伝動組立体700は、少なくとも1つの上滑車710と、少なくとも1つの下滑車720と、引き紐730とを備える。上滑車710は上ろくろ300に設けられている。下滑車720は下ろくろ400に設けられている。引き紐730は、一端が手元100に固定され、他端が伝動管620を通ってから上滑車710及び下滑車720を交互に通過して上ろくろ300又は下ろくろ400に固定されている。
【0093】
上記の電動傘10を使用する場合、開傘ボタン112が押されると、駆動組立体120が回転し、第1伝動管610を回転させ、第2伝動管620が回されて外へ出され、上ろくろ300に力を加えると、外側嵌接管204に固定された上ろくろ300が手元100から離れる方向に移動するため、中棒200の複数の嵌接管を引き伸ばして端部と端部とが接続された長いロッドを形成して、電動傘10を開いて傘棒を伸長させるステップを完成させる。同時に、外側嵌接管204に固定された上ろくろ300が手元100に対して手元100から離れる方向に移動したため、このとき、引き紐730は、下ろくろ400を引っ張って外側嵌接管204上で上ろくろ300に向かって摺動させ、第2傘骨520を第1傘骨510上で摺動させることで、傘骨フレーム500を開き、電動傘10の傘骨フレーム500を広げるステップを完成させる。このとき、電動傘10は開かれた状態にあり、引張ばね530は圧縮状態にある。
【0094】
次に、閉傘ボタン114を押すと、駆動組立体120が逆方向に回転し、第1伝動管610を回転させ、第2伝動管620が回されて中へ入れられ、第2伝動管620が上ろくろ300に加えた力が解除される。同時に、下ろくろ400は、引張ばね530の引張力により手元100方向に移動し、第2傘骨520と第1傘骨510を内側へ引っ込めて、電動傘10の傘骨フレーム500を畳むステップを完成させる。これと同時に、下滑車720により、引き紐730を駆動して上ろくろ300を引っ張らせて、上ろくろ300が外側嵌接管204を手元100方向に移動させることにより、内側嵌接管202と、中間管206と、外側嵌接管204とが内から外へ順に嵌設されて、電動傘10の傘棒を閉じるステップを完成させる。
【0095】
引張ばね530の作用の下で、第2傘骨520が第1傘骨510上を逆方向に摺動し、引き紐730が下ろくろ400と上ろくろ300を引っ張って外側嵌接管204上で手元100に向かって摺動させて、電動傘10の傘骨フレーム500を畳むステップを完成させると同時に、中棒200の複数の嵌接管が内から外へ嵌接されて、電動傘10の傘棒を閉じるステップを完成させる。
【0096】
本実施例において、上滑車710と下滑車720はいずれも1つである。引き紐730は、一端が手元100に固定されており、他端が傘棒駆動組立体600の最も内側の管を通ってから(図3から図12に示す実施例において、最も内側の管は第1伝動管610であり、図13から図15に示す実施例において、最も内側の管は第2補強管606であり、図16図17に示す実施例において、最も内側の管は第2伝動管620である)上滑車710と下滑車720を順に通過して上ろくろ300に固定されている。こうして、引き紐730は3つのセグメントに分けられる。したがって、本実施例において、中間管206も1本であり、すなわち、中棒200は3つの嵌接管を備える。したがって、電動傘10は、三つ折りの電動傘である。
【0097】
他の実施例において、4つ折りの電動傘、ひいては5つ折りの電動傘を設計する必要がある場合、対応する数の上滑車710と下滑車720を設置して、引き紐730を4つのセグメント、ひいては5つのセグメントに分けて、中棒200が4つ、ひいては5つの嵌接管を備えるようにすればよい。
【0098】
本実施例において、図3に示すように、駆動組立体120は、モータ122と、駆動ギア124と、従動ギア126と、ギアボックスとを備える。駆動ギア124は、モータ122の出力軸に設けられている。従動ギア126は、第1伝動管610の手元100に近い端部に設けられている。ギアボックスの変速ギアは、駆動ギア124と従動ギア126にそれぞれ噛合している。
【0099】
上記の図1から図17によれば、本実施例は伸縮装置をさらに提供し、該伸縮装置は、取付座と、嵌接管組立体と、内部伝動組立体とを備え、取付座は上記の手元100であり、嵌接管組立体は上記の中棒200であり、内部伝動組立体は上記の傘棒伝動組立体600である。
【0100】
なお、取付座が上記の手元100であるとは、取付座が図3から図12に示す実施例、図13から図15に示す実施例、または図16図17に示す実施例における手元100の一部または全部の構成要素を備えるだけでなく、他の構成要素を備えてもよいことを指す。
【0101】
嵌接管組立体が上記の中棒200であるとは、中棒200が図3から図12に示す実施例、図13から図15に示す実施例、または図16図17に示す実施例における中棒200の一部または全部の構成要素を備えるだけでなく、他の構成要素を備えてもよいことを指す。
【0102】
内部伝動組立体が上記の傘棒伝動組立体600であるとは、内部伝動組立体が図3から図12に示す実施例、図13から図15に示す実施例、または図16図17に示す実施例における傘棒伝動組立体600の一部または全部の構成要素を備えるだけでなく、他の構成要素を備えてもよいことを指す。
【0103】
本実施例において、伸縮装置を自撮り棒、物干し竿掛け棒、またはロボットに用いることができる。つまり、上記の伸縮装置を備えた自撮り棒、物干し竿掛け棒又はロボットが開示された。このとき、図18に示すように、外側嵌接管204の取付座から離れた端部には、ホルダ位置決め具800が設けられている。
【0104】
ここで、伸縮装置を自撮り棒に適用する場合、ホルダ位置決め具800は、携帯電話又はカメラを固定するためのものであり、伸縮装置を物干し竿掛け棒に適用する場合、ホルダ位置決め具800は叉状ヘッドであり、伸縮装置をロボットに適用する場合、ホルダ位置決め具800はマニピュレータである。
【0105】
以上に述べたことは本願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本願の特許の範囲を制限するわけではない。本願の発明構想の下で、本願の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた均等構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本願の特許の保護範囲に含まれる。
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