(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】絞り弁装置
(51)【国際特許分類】
F16K 51/00 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
F16K51/00 B
(21)【出願番号】P 2023510323
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2021102385
(87)【国際公開番号】W WO2022048260
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】202021936061.6
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】寿 傑
(72)【発明者】
【氏名】陳 狄永
(72)【発明者】
【氏名】馮 光華
(72)【発明者】
【氏名】周 峰
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206478907(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0000255(US,A1)
【文献】特開2003-65632(JP,A)
【文献】実開昭51-132659(JP,U)
【文献】国際公開第2018/036106(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108151380(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12,51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1収容室と、前記第1収容室にそれぞれ連通される第1接続口及び第2接続口とが設けられる弁座と、
前記第1収容室内に設けられ、第1端に第1オリフィスが設けられ、第2端に前記第1オリフィスに連通されるフローホールが設けられる絞り弁芯と、
第1フィルタ本体、及び前記第1フィルタ本体の外周に設けられる第1位置決めフランジを含み、前記第1位置決めフランジは前記絞り弁芯の第1端に当接し、前記第1フィルタ本体は前記第1オリフィスを覆う第1濾過アセンブリと、
第2フィルタ本体、及び前記第2フィルタ本体の外周に設けられる第2位置決めフランジを含み、前記第2位置決めフランジは前記絞り弁芯の第2端に当接し、前記第2フィルタ本体は前記フローホールを覆う第2濾過アセンブリと、を含み、
前記第1位置決めフランジと前記第2位置決めフランジとの間の距離は前記第1オリフィスの長さ以上であるか、あるいは、前記第1位置決めフランジと前記第2位置決めフランジとの間の距離は前記フローホールの長さ以上であ
り、
前記第1オリフィスの少なくとも一部は前記第1フィルタ本体内に設けられる、絞り弁装置。
【請求項2】
前記絞り弁は接続パイプを更に含み、前記接続パイプは前記第1接続口に係合して接続され、前記接続パイプの端部は前記第1位置決めフランジ又は前記第2位置決めフランジに当接する、請求項1に記載の絞り弁装置。
【請求項3】
前記弁座の内壁には前記第2位置決めフランジに対応する第1位置決め段差が設けられ、前記接続パイプの端部は前記第1位置決めフランジに当接する、請求項2に記載の絞り弁装置。
【請求項4】
前記第1位置決めフランジ及び前記第2位置決めフランジは、前記絞り弁の径方向に沿って延びる位置決めホルダである、請求項1に記載の絞り弁装置。
【請求項5】
前記第1フィルタ本体は凹溝が設けられたキャップ状の濾網であり、前記第1位置決めフランジは前記凹溝の溝口に固定された位置決めホルダであり、及び/又は、前記第2フィルタ本体は凹溝が設けられたキャップ状の濾網であり、前記第2位置決めフランジは前記凹溝の溝口に固定された位置決めホルダである、請求項1に記載の絞り弁装置。
【請求項6】
前記第1位置決めフランジは前記絞り弁芯の第1端に直接当接するか、あるいは、前記絞り弁芯の前記絞り弁芯に近い第1端の外壁に第2位置決め段差が設けられ、前記第1位置決めフランジは前記第2位置決め段差に当接する、請求項5に記載の絞り弁装置。
【請求項7】
前記絞り弁芯は、前記第1オリフィスと前記フローホールとの間に設けられた中間オリフィスを更に含み、前記中間オリフィスは前記第1オリフィスと前記フローホールとを連通する、請求項1に記載の絞り弁装置。
【請求項8】
前記絞り弁芯は、第2収容室が設けられた固定弁芯、及び前記第2収容室内に設けられる可動弁芯を含み、前記第1オリフィスは前記固定弁芯の第1端に設けられ、前記フローホールは前記固定弁芯の第2端に設けられ、前記第1オリフィス及び前記フローホールはいずれも前記第2収容室に連通され、前記可動弁芯には第3オリフィスが設けられ、前記第3オリフィスは、前記第1オリフィス及び前記第2収容室の両方に連通される、請求項1に記載の絞り弁装置。
【請求項9】
前記第2収容室の外壁は前記第1収容室の内径と一致する、請求項8に記載の絞り弁装置。
【請求項10】
前記第1濾過アセンブリと前記第2濾過アセンブリとの間の距離は5mm以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の絞り弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年9月7日に出願された、出願番号が202021936061.6であり、発明の名称が「絞り弁装置」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は絞りの技術分野に関し、特に、絞り弁装置に関する。
【背景技術】
【0003】
絞り弁装置は、絞りの断面積又は絞りの長さを変えることによって流体の流れを制御するバルブである。流体が不純物によって汚染されるのを防ぐために、濾網を取り付けて、絞り弁芯におけるオリフィス又はフローホール内の流体を濾過する必要がある。従来の絞り弁装置は、接続パイプから離れた一端に濾網を設ける場合、接続パイプの当接効果がないため、通常、絞り弁芯の外壁に段差を設け、濾網と段差とを接触させ、且つ絞り弁芯の接続パイプから離れた端部を覆うことによって、その端部に対して濾過を行なっているが、これは、絞り弁芯の通常の使用にある程度影響を及ぼし、且つ絞り弁芯を濾網内に入り込ませるためにはサイズを小さくする必要があるため、加工精度に対する要求がより高くなると同時に、絞り弁芯の外壁に段差を設ける必要があるため、加工プロセスにもより手間がかかる。
【発明の概要】
【0004】
これに基づいて、本出願は、関連技術における絞り弁装置が絞り弁芯の通常の使用に影響を及ぼし、且つ絞り弁芯を小さくすることによって、加工精度に対する要求がより高くなると同時に、絞り弁芯の外壁に段差を設ける必要があるため、加工プロセスにもより手間がかかるという欠点を克服するために、以下の絞り弁装置を提供する。
【0005】
その技術態様は次の通りである。
絞り弁装置は、
第1収容室と、第1収容室にそれぞれ連通される第1接続口及び第2接続口とが設けられる弁座と、
第1収容室内に設けられ、第1端に第1オリフィスが設けられ、第2端に第1オリフィスに連通されるフローホールが設けられ、第1端は第1接続口が位置する端部に近く、第2端は第2接続口が位置する端部に近い絞り弁芯と、
第1フィルタ本体、及び第1フィルタ本体の外周に設けられる第1位置決めフランジを含み、第1位置決めフランジは絞り弁芯の第1端に当接し、第1フィルタ本体は第1オリフィスを覆う第1濾過アセンブリと、
第2フィルタ本体、及び第2フィルタ本体の外周に設けられる第2位置決めフランジを含み、第2位置決めフランジは絞り弁芯の第2端に当接し、第2フィルタ本体はフローホールを覆う第2濾過アセンブリと、を含み、
第1位置決めフランジと第2位置決めフランジとの間の距離は第1オリフィスの長さ以上であるか、あるいは、第1位置決めフランジと第2位置決めフランジとの間の距離はフローホールの長さ以上である。
【0006】
本技術態様の絞り弁装置は、絞り弁芯の外壁に段差を設けなくても濾網の組付けを実現することができるため、絞り弁芯の加工工程が簡素化されると同時に、絞り弁芯の接続パイプから離れた端部を濾網で覆うことも必要とせずにその端部に対して濾過を行なっているため、即ち、絞り弁芯の接続パイプから離れた一端を濾網の内部に入り込ませる必要がないため、絞り弁芯のその端部の外径が小さくなることを防ぎ、加工難易度を下げ、濾過アセンブリの有効な濾過面積を増やしている。
【0007】
具体的には、本技術態様の絞り弁装置は、組付ける際に、第2濾過アセンブリ、絞り弁芯及び第1濾過アセンブリを順に第1接続口から第1収容室内に入れるか、あるいは、第2濾過アセンブリ、絞り弁芯及び第1濾過アセンブリを組み立ててから、第1接続口から第1収容室内に入れて、絞り弁芯の第2端に近い位置に段差を設けることによって第2位置決めフランジに当接させるのではなく、第2位置決めフランジを絞り弁芯の第2端に直接当接させて、第2フィルタ本体がフローホールを覆うことで、流体に対する濾過効果を達成している。最後に、第1接続口の口径に合わせた接続パイプを第1接続口に挿入して、接続パイプの先端と第1位置決めフランジとを当接させることによって、接続パイプと第1絞り弁芯との押し付け作用により、第1位置決めフランジを接続パイプと絞り弁芯との間に押し付けて、第1濾過アセンブリを位置決めする役割を果たすと同時に、第1フィルタ本体が第1オリフィスを覆うことで、流体に対する濾過効果を達成している。これにより、本技術態様は、絞り弁芯に対して追加の加工を行なう必要がないだけでなく、二重の濾過効果も有するため、加工難易度を下げると同時に、濾過効果を確保している。
【0008】
一実施例において、絞り弁は接続パイプを更に含み、接続パイプは第1接続口に係合して接続され、接続パイプの端部は第1位置決めフランジ又は第2位置決めフランジに当接する。
【0009】
一実施例において、弁座の内壁には第2位置決めフランジに対応する第1位置決め段差が設けられ、接続パイプの端部は第1位置決めフランジに当接する。
【0010】
一実施例において、第1位置決めフランジ及び第2位置決めフランジは、絞り弁の径方向に沿って延びる位置決めホルダである。
【0011】
一実施例において、第1フィルタ本体は凹溝が設けられたキャップ状の濾網であり、第1位置決めフランジは凹溝の溝口に固定された位置決めホルダであり、及び/又は、第2フィルタ本体は凹溝が設けられたキャップ状の濾網であり、第2位置決めフランジは凹溝の溝口に固定された位置決めホルダである。
【0012】
一実施例において、第1フィルタ本体の凹溝の凹方向は絞り弁芯から離れる方向であり、及び/又は、第2フィルタ本体の凹溝の凹方向は絞り弁芯から離れる方向である。
【0013】
一実施例において、第1位置決めフランジは絞り弁芯の第1端に直接当接するか、あるいは、絞り弁芯の絞り弁芯に近い第1端の外壁に第2位置決め段差が設けられ、第1位置決めフランジは第2位置決め段差に当接する。
【0014】
一実施例において、絞り弁芯は、第1オリフィスとフローホールとの間に設けられた中間オリフィスを更に含み、中間オリフィスは第1オリフィスとフローホールとを連通する。
【0015】
一実施例において、絞り弁芯は、第2収容室が設けられた固定弁芯、及び第2収容室内に設けられる可動弁芯を含み、第1オリフィスは固定弁芯の第1端に設けられ、フローホールは固定弁芯の第2端に設けられ、第1オリフィス及びフローホールはいずれも第2収容室に連通され、可動弁芯には第3オリフィスが設けられ、第3オリフィスは、第1オリフィス及び第2収容室の両方に連通される。
【0016】
本技術態様の絞り弁芯は、第2フィルタ本体の内部に入り込む必要がなく、第2濾網に近い一端が、第2収容室が設けられる一端であるため、本技術態様のこのような設定により、絞り弁芯のその端部の外径を小さくする必要がないことによって、第2収容室の空間がある程度確保され、可動弁芯のサイズも最大化され、大きいサイズの可動弁芯は、より加工しやすく、且つ加工精度をより確保しやすいため、加工難易度が下がる。一方、稼働している際に、大きいサイズの可動弁芯は、稼働中に横転が発生する危険性もある程度減少するため、本実施形態の第2濾過アセンブリと絞り弁芯とのこのような係合関係は、絞り弁装置全体の稼働信頼性も確保している。
【0017】
一実施例において、第2収容室の外壁は第1収容室の内径と一致する。
【0018】
一実施例において、第1位置決めフランジは固定弁芯の第1端に当接するか、あるいは、固定弁芯の固定弁芯に近い第1端の外壁に第3位置決め段差が設けられ、第1位置決めフランジは第3位置決め段差に当接する。
【0019】
一実施例において、第1濾過アセンブリと第2濾過アセンブリとの間の距離は5mm以上である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本出願の一部を構成する図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0021】
以下に、本出願の実施例における技術態様をより明確に説明するために、実施例の説明に使用される図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は本出願のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労力なしに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【0022】
【
図1】本出願の実施例1に記載の絞り弁装置の構成模式図である。
【
図2】本出願の実施例1に記載の絞り弁芯の構成模式図である。
【
図3】本出願の実施例1に記載の絞り弁芯の分解模式図である。
【
図4】本出願の実施例2に記載の絞り弁装置の構成模式図である。
【
図5】本出願の実施例2に記載の絞り弁芯の構成模式図である。
【
図6】本出願の実施例2に記載の絞り弁芯の分解模式図である。
【0023】
10 弁座、11 第1接続口、12 第2接続口、13 第1位置決め段差、20 絞り弁芯、21 第1オリフィス、22a 第2オリフィス、22b フローホール、23 固定弁芯、231 位置決め部、232 第3位置決め段差、24 可動弁芯、30 接続パイプ、40 第1濾過アセンブリ、41 第1フィルタ本体、42 第1位置決めフランジ、50 第2濾過アセンブリ、51 第2フィルタ本体、52 第2位置決めフランジ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本出願の上記の目的、特徴及び利点をより明確且つ理解しやすくするために、以下に、図面を参照して本出願の具体的な実施形態を詳細に説明する。以下の説明においては、本出願を十分に理解しやすくするために様々な具体的な詳細を説明している。しかし、本出願はここで説明するものとは異なる多くの他の態様で実施することができ、当業者は、本出願の内容に反しない限り類似した改良を行なうことができるため、本出願は以下に開示される具体的な実施例によって制限されない。
【0025】
実施例1
図1から
図3に示すような絞り弁装置は、
第1収容室と、第1収容室にそれぞれ連通される第1接続口11及び第2接続口12とが設けられる弁座10と、
第1収容室内に設けられ、第1端に第1オリフィス21が設けられ、第2端に第1オリフィス21に連通されるフローホール22bが設けられ、第1端は第1接続口11が位置する端部に近く、第2端は第2接続口12が位置する端部に近い絞り弁芯20と、
第1接続口11と係合して接続され、且つ端部が第1濾過アセンブリ40に当接し、本実施形態においては第1接続口11と挿嵌係合される接続パイプ30と、
第1フィルタ本体41、及び第1フィルタ本体41の外周に設けられる第1位置決めフランジ42を含み、第1位置決めフランジ42は接続パイプ30と絞り弁芯20との間に位置し、第1フィルタ本体41は第1オリフィス21を覆う第1濾過アセンブリ40と、
第2フィルタ本体51、及び第2フィルタ本体51の外周に設けられる第2位置決めフランジ52を含み、第2位置決めフランジ52は絞り弁芯20の第2端に当接し、第2フィルタ本体51はフローホール22bを覆う第2濾過アセンブリ50と、を含む。本実施形態における第1フィルタ本体41及び第2フィルタ本体51はいずれも濾網である。
【0026】
第1位置決めフランジ42と第2位置決めフランジ52との間の距離は第1オリフィス21の長さ以上であるか、あるいは、第1位置決めフランジ42と第2位置決めフランジ52との間の距離はフローホール22bの長さ以上である。
【0027】
本実施形態の絞り弁装置は、絞り弁芯20の外壁に段差を設けなくても濾網の組付けを実現することができるため、絞り弁芯20の加工工程が簡素化されると同時に、絞り弁芯20の接続パイプ30から離れた端部を濾網で覆うことも必要とせずにその端部に対して濾過を行なっているため、即ち、絞り弁芯20の接続パイプ30から離れた一端を濾網の内部に入り込ませる必要がないため、絞り弁芯20のその端部の外径が小さくなることを防ぎ、加工難易度を下げ、濾過アセンブリの有効な濾過面積を増やしている。
【0028】
具体的には、本実施形態の絞り弁装置は、組付ける際に、第2濾過アセンブリ50、絞り弁芯20及び第1濾過アセンブリ40を順に第1接続口11から第1収容室内に入れるか、あるいは、第2濾過アセンブリ50、絞り弁芯20及び第1濾過アセンブリ40を組み立ててから、第1接続口11から第1収容室内に入れて、絞り弁芯20の第2端に近い位置に段差を設けることによって第2位置決めフランジ52に当接させるのではなく、第2位置決めフランジ52を絞り弁芯20の第2端に直接当接させて、第2フィルタ本体51がフローホール22bを覆うことで、流体に対する濾過効果を達成している。最後に、第1接続口11の口径に合わせた接続パイプ30を第1接続口11に挿入して、接続パイプ30の先端と第1位置決めフランジ42とを当接させることによって、接続パイプ30と第1絞り弁芯20との押し付け作用により、第1位置決めフランジ42を接続パイプ30と絞り弁芯20との間に押し付けて、第1濾過アセンブリ40を位置決めする役割を果たすと同時に、第1フィルタ本体41が第1オリフィス21を覆うことで、流体に対する濾過効果を達成している。これにより、本実施形態は、絞り弁芯20に対して追加の加工を行なう必要がないだけでなく、二重の濾過効果も有するため、加工難易度を下げると同時に、濾過効果を確保している。
【0029】
第2濾過アセンブリ50が弁座10に取り付けられた後に動かないようにすることによって、後に組付けられる絞り弁芯20及び第1濾過アセンブリ40の位置決めを容易にするために、本実施形態の弁座10の内壁には第2位置決めフランジ52に対応する第1位置決め段差13が設けられる。第1位置決め段差13と第1位置決めフランジ42とが当接して係合されることによって、第1位置決めフランジ42を制限して、第1濾過アセンブリ40が動くのを防止する。
【0030】
他の実施形態では、追加の第1位置決め段差13を設けずに、弁座10の第1収容室内の上記第1位置決め段差13の位置の内径を小さくして、第1位置決めフランジ42に対応するようにすることによって、第1位置決めフランジ42を制限する役割を果たしてもよい。
【0031】
他の実施例では、接続パイプ30の端部と第2濾過アセンブリ50とを当接させてもよく、即ち、絞り弁芯の第2端を第1接続口が位置する端部に近接させ、第1端を第2接続口が位置する端部に近接させて取り付けて、接続パイプ30と第2位置決めフランジ52とを当接させてもよい。
【0032】
本実施例形態で説明した第1位置決めフランジ42及び第2位置決めフランジ52は、絞り弁の径方向に沿って延びる位置決めホルダとして設けられる。
【0033】
本実施形態の第1フィルタ本体41は凹溝が設けられたキャップ状の濾網であり、第1位置決めフランジ42は凹溝の溝口に固定された位置決めホルダである。他の実施形態では、第1フィルタ本体41の形状は他の形状に設けられてもよい。
【0034】
具体的には、第1フィルタ本体41の凹溝の凹方向は絞り弁芯20から離れる方向であるため、第1フィルタ本体41と第2フィルタ本体51との間の距離を大きくして、良好な濾過効果を実現することができる。
【0035】
同様に、本実施形態の第2フィルタ本体51は凹溝が設けられたキャップ状の濾網であり、第2位置決めフランジ52は凹溝の溝口に固定された位置決めホルダである。他の実施形態では、第2フィルタ本体51の形状は他の形状に設けられてもよい。
【0036】
また、本実施形態の第2フィルタ本体51の凹溝の凹方向は絞り弁芯20から離れる方向であるため、第1フィルタ本体41と第2フィルタ本体51との間の距離を更に大きくしている。本実施形態の絞り弁芯20は、第2収容室が設けられた固定弁芯23、及び第2収容室内に設けられる可動弁芯24を含み、即ち、本実施形態の絞り弁芯20は、冷却及び加熱の2つの作業条件のいずれにおいても、絞りの弁芯構造を実現することができ、固定弁芯23は第1オリフィス21及びフローホール22bを含み、第1オリフィス21は固定弁芯23の第1端に設けられ、固定弁芯23の第2端はフローホール22bであり、第1オリフィス21及びフローホール22bはいずれも第2収容室に連通され、固定弁芯23の第1端は接続パイプ30に近い一端である。可動弁芯24には第3オリフィスが設けられ、第3オリフィスは、第1オリフィス21及び第2収容室の両方に連通されて、流体が貫通する効果を果たしている。
【0037】
本実施形態の絞り弁芯20は、第2フィルタ本体51の内部に入り込む必要がなく、第2濾網に近い一端が、第2収容室が設けられる一端であるため、本実施形態のこのような設定により、絞り弁芯20のその端部の外径を小さくする必要がないことによって、第2収容室の空間がある程度確保され、可動弁芯24のサイズも最大化され、大きいサイズの可動弁芯24は、より加工しやすく、且つ加工精度をより確保しやすいため、加工難易度が下がる。一方、稼働している際に、大きいサイズの可動弁芯24は、稼働中に横転が発生する危険性もある程度減少するため、本実施形態の第2濾過アセンブリ50と絞り弁芯20とのこのような係合関係は、絞り弁装置全体の稼働信頼性も確保している。
【0038】
本実施形態の第2収容室の外壁は、第2収容室の空間を最大化するように、第1収容室の内径と一致する。また、本実施形態の固定弁芯23の第2濾過アセンブリ50に近い第2収容室の開口には第2位置決めフランジ52と係合する位置決め部231が設けられる。位置決め部231は第2収容室の中心軸に向かって傾いた位置決めリングであり、位置決めリングの縁部と第2位置決めフランジ52とが当接して係合されて、絞り弁芯20と第2濾過アセンブリ50との当接安定性が更に確保される。
【0039】
本実施形態の固定弁芯23の第1濾過アセンブリ40に近い第1端の外壁に第3位置決め段差232が設けられ、第1位置決めフランジ42は第3位置決め段差232に当接する。即ち、第1オリフィス21が位置する端部を第1フィルタ本体41内に入り込ませることによって、弁座10の長さが制限されている場合に、第1位置決めフランジ42と第2位置決めフランジ52との間の距離を短くして、長さの空間を節約する。また、本実施形態の固定弁芯23の第1端は、第2収容室を設けるためではなく、第1オリフィス21を設けるために用いられるため、固定弁芯23の第1端の外径を小さくして、段差を形成しても、その自体の機能に影響を与えることがなく、むしろ必要に応じて空間節約の役割を果たすことができる。
【0040】
他の実施形態では、第3位置決め段差232を設けずに、第1位置決めフランジ42と固定弁芯23の第1端とが直接当接するようにしてもよい。具体的には、実際の要件に合わせて設定する。
【0041】
良好な濾過効果を実現するために、本実施形態の第1濾過アセンブリ40と第2濾過アセンブリ50との間の距離は、5mm以上である。
【0042】
実施例2
図4から
図6に示すように、本実施例の構造及び原理は実施例1の構造及び原理と類似しているが、本実施例の絞り弁芯20は固定弁芯のみが設けられ、絞り弁芯20の第2端に設けられるのが第2オリフィス22aであり、第2オリフィス22aはフローホールであり、第1位置決めフランジ42は絞り弁芯20の第1端に当接する。
【0043】
あるいは、他の実施形態では、絞り弁芯20の第1濾過アセンブリ40に近い第1端には第2位置決め段差が設けられ、第1位置決めフランジ42は第2位置決め段差に当接する。
【0044】
なお、他の実施形態では、絞り弁芯は、第1オリフィス21と第2オリフィス22aとの間に設けられた中間オリフィスを更に含み、中間オリフィスは第1オリフィス21と第2オリフィス22aとを連通し、第1オリフィス21、中間オリフィス及び第2オリフィス22aは、絞りの要件を満たすように、段差孔の形状に設けられる。
【0045】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0046】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行なうこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【0047】
本出願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語が示す方位又は位置関係は、図面に示した方位又は位置関係に基づくものであり、本出願を説明しやすくするとともに説明を簡素化するためのものにすぎず、示された装置又は要素が必ずしも特定の方位を持ち特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示す又は暗示するものではないため、本出願を限定するものとして理解してはならないことを理解されたい。
【0048】
更に、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するもの、あるいは、示された技術特徴の数を暗黙的に指定するものとして理解されてはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、その特徴を少なくとも1つ明示するか又は暗黙的に含むことができる。本出願の説明において、「複数」とは、明確且つ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つ等を意味する。
【0049】
本出願において、特に明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」等の用語は、広い意味で解釈されるべきであり、例えば、固定接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体になっていてもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接的に互いに接続されてもよく、中間の媒体を介して間接的に互いに接続されてもよく、2つの要素の内部の連通又は2つの要素間の相互作用関係であってもよい、特に明確な限定がない限り。当業者は、具体的な状況に応じて、上記の用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0050】
本出願において、特に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるということは、第1及び第2特徴が直接接触していること、又は第1及び第2特徴が中間の媒体を介して間接的に接触していることであってよい。更に、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上側」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを表してよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下側」にあるということは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあるか、あるいは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを表してよい。
【0051】
なお、要素が別の要素に「固定される」又は「設けられる」という場合、別の要素上に直接あってもよく、あるいは、介在する要素が存在してもよい。1つの要素が別の要素に「接続される」とされる場合、別の要素に直接接続されてもよく、あるいは、介在する要素が同時に存在してもよい。本文で使用された「垂直な」、「水平な」、「上」、「下」、「左」、「右」という用語及び類似した表現は、説明の目的のためにのみ使用され、唯一の実施形態であるということを表すものではない。