(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】飛行体、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20241212BHJP
B64U 20/80 20230101ALI20241212BHJP
G05D 1/226 20240101ALI20241212BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20241212BHJP
H04W 4/14 20090101ALI20241212BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20241212BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20241212BHJP
B64U 101/30 20230101ALN20241212BHJP
【FI】
H04W48/18
B64U20/80
G05D1/226
G05D1/46
H04W4/14
H04W48/16 132
H04W84/06
B64U101:30
(21)【出願番号】P 2024040878
(22)【出願日】2024-03-15
【審査請求日】2024-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-024732(JP,A)
【文献】特開2022-117845(JP,A)
【文献】特開2023-135562(JP,A)
【文献】特開2022-149779(JP,A)
【文献】特表2020-537217(JP,A)
【文献】特表2020-500763(JP,A)
【文献】特開2020-102679(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0321681(US,A1)
【文献】米国特許第09100361(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/20
B64U 10/00-101/75
G05D 1/226
G05D 1/46
H04W 4/14
H04W 48/16-48/18
H04W 84/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と通信する飛行体であって、
飛行中に行っている通信の通信状況を検出する検出部と、
前記通信状況に基づいて、SMS(Short Message Service: ショートメッセージサービス)
により送受信される文字列を含むメッセージに従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービス
により送受信されるデータに従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する選択部と、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルである場合に、前記飛行体を前記
第1飛行制御プロトコルに従って飛行させるための
前記メッセージを前記情報処理装置から受信
し、前記選択飛行制御プロトコルが前記第2飛行制御プロトコルである場合に、前記飛行体を前記第2飛行制御プロトコルに従って飛行させるための前記データを前記情報処理装置から受信する受信部と、
を有する、飛行体。
【請求項2】
前記第1飛行制御プロトコルは、通信衛星を利用した衛星通信を介してSMSを用いて情報を送受信する方法であり、
前記第2飛行制御プロトコルは、地上の通信設備を利用した地上通信を介してSMSとは異なる通信サービスを用いて情報を送受信する方法である、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項3】
前記第1飛行制御プロトコルは、地上の通信設備を利用した地上通信を介してSMSを用いて情報を送受信する方法であり、
前記第2飛行制御プロトコルは、前記地上通信を介してSMSとは異なる通信サービスを用いて情報を送受信する方法である、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項4】
前記選択飛行制御プロトコルを示す情報を前記情報処理装置に送信する送信部をさらに有し、
前記受信部は、前記送信部が前記選択飛行制御プロトコルを送信した後に、前記情報処理装置から前記
メッセージ又は前記データを受信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行体。
【請求項5】
前記選択部は、前記飛行体が前記第2飛行制御プロトコルに従って飛行している状態において、前記通信状況が不良であることに対応する所定の条件が満たされたことを条件として、前記第1飛行制御プロトコルを前記選択飛行制御プロトコルとして選択する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行体。
【請求項6】
前記選択部は、前記飛行体が前記第1飛行制御プロトコルに従って飛行している状態において、前記通信状況が良好であることに対応する所定の条件が満たされたことを条件として、前記第2飛行制御プロトコルを前記選択飛行制御プロトコルとして選択する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行体。
【請求項7】
前記飛行体が飛行中に撮像することにより撮像画像を生成する撮像部と、
前記撮像画像の内容を言語化することにより説明文を生成する言語化部と、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルであることを条件として、前記説明文を前記情報処理装置に送信する送信部と、
をさらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行体。
【請求項8】
前記送信部は、前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルであることを条件として、前記撮像画像を前記情報処理装置に送信することなく、前記説明文を前記情報処理装置に送信する、
請求項7に記載の飛行体。
【請求項9】
情報処理装置と通信する飛行体が実行する、
飛行中に行っている通信の通信状況を検出するステップと、
前記通信状況に基づいて、SMS
により送受信される文字列を含むメッセージに従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービス
により送受信されるデータに従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択するステップと、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルである場合に、前記飛行体を前記
第1飛行制御プロトコルに従って飛行させるための
前記メッセージを前記情報処理装置から受信するステップと、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第2飛行制御プロトコルである場合に、前記飛行体を前記第2飛行制御プロトコルに従って飛行させるための前記データを前記情報処理装置から受信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項10】
飛行体と通信する情報処理装置であって、
前記飛行体が飛行中に行っている通信の通信状況に基づいて、SMS
により送受信される文字列を含むメッセージに従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービス
により送受信されるデータに従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、から選択された、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルを示す情報を、前記飛行体から受信する受信部と、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルである場合に、前記飛行体を前記
第1飛行制御プロトコルに従って飛行させるための
前記メッセージを前記飛行体に送信
し、前記選択飛行制御プロトコルが前記第2飛行制御プロトコルである場合に、前記飛行体を前記第2飛行制御プロトコルに従って飛行させるための前記データを前記飛行体に送信する送信部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置と通信する飛行体であって、
飛行中に行っている通信の通信状況を検出する検出部と、
前記通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する選択部と、
前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記飛行体が飛行中に撮像することにより撮像画像を生成する撮像部と、
前記撮像画像の内容を言語化することにより説明文を生成する言語化部と、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルであることを条件として、前記説明文を前記情報処理装置に送信する送信部と、
を有する、飛行体。
【請求項12】
情報処理装置と通信する飛行体が実行する、
飛行中に行っている通信の通信状況を検出するステップと、
前記通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択するステップと、
前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、
前記飛行体が飛行中に撮像することにより撮像画像を生成するステップと、
前記撮像画像の内容を言語化することにより説明文を生成するステップと、
前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルであることを条件として、前記説明文を前記情報処理装置に送信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体の飛行制御に関する情報を処理するための飛行体、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、制御装置がLTE(Long Term Evolution)、5G(Generation)等の通信方式を用いた通信サービスを介して飛行体に制御信号を送信することによって、飛行体の飛行を制御するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛行体は無線通信を中継する基地局が設置された地上から離れて飛行するため、制御装置と飛行体との間で行われる無線通信の通信状況が悪化する場合がある。無線通信の通信速度が低下すると、飛行体は制御装置から制御信号を速やかに受信することができなくなる。無線通信が不可能になると、飛行体は制御装置から制御信号を受信すること自体ができなくなる。このように、飛行体が行う無線通信の通信状況が悪化すると、飛行体を安定して制御できなくなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行体が行う無線通信の通信状況が変化した場合であっても飛行体の飛行を安定して制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の飛行体は、情報処理装置と通信する飛行体であって、飛行中に行っている通信の通信状況を検出する検出部と、前記通信状況に基づいて、SMS(Short Message Service: ショートメッセージサービス)を用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する選択部と、前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記情報処理装置から受信する受信部と、を有する。
【0007】
前記第1飛行制御プロトコルは、通信衛星を利用した衛星通信を介してSMSを用いて情報を送受信する方法であり、前記第2飛行制御プロトコルは、地上の通信設備を利用した地上通信を介してSMSとは異なる通信サービスを用いて情報を送受信する方法であってもよい。
【0008】
前記第1飛行制御プロトコルは、地上の通信設備を利用した地上通信を介してSMSを用いて情報を送受信する方法であり、前記第2飛行制御プロトコルは、前記地上通信を介してSMSとは異なる通信サービスを用いて情報を送受信する方法であってもよい。
【0009】
前記飛行体は、前記選択飛行制御プロトコルを示す情報を前記情報処理装置に送信する送信部をさらに有し、前記受信部は、前記送信部が前記選択飛行制御プロトコルを送信した後に、前記情報処理装置から前記制御情報を受信してもよい。
【0010】
前記選択部は、前記飛行体が前記第2飛行制御プロトコルに従って飛行している状態において、前記通信状況が不良であることに対応する所定の条件が満たされたことを条件として、前記第1飛行制御プロトコルを前記選択飛行制御プロトコルとして選択してもよい。
【0011】
前記選択部は、前記飛行体が前記第1飛行制御プロトコルに従って飛行している状態において、前記通信状況が良好であることに対応する所定の条件が満たされたことを条件として、前記第2飛行制御プロトコルを前記選択飛行制御プロトコルとして選択してもよい。
【0012】
前記飛行体は、前記飛行体が飛行中に撮像することにより撮像画像を生成する撮像部と、前記撮像画像の内容を言語化することにより説明文を生成する言語化部と、前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルであることを条件として、前記説明文を前記情報処理装置に送信する送信部と、をさらに有してもよい。
【0013】
前記送信部は、前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルであることを条件として、前記撮像画像を前記情報処理装置に送信することなく、前記説明文を前記情報処理装置に送信してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、情報処理装置と通信する飛行体が実行する、飛行中に行っている通信の通信状況を検出するステップと、前記通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択するステップと、前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記情報処理装置から受信するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様の情報処理装置は、飛行体と通信する情報処理装置であって、前記飛行体が飛行中に行っている通信の通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、から選択された、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルを示す情報を、前記飛行体から受信する受信部と、前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記飛行体に送信する送信部と、を有する。
【0016】
本発明の第4の態様の情報処理装置は、飛行体と通信する情報処理装置であって、前記飛行体の飛行中に前記飛行体との間で行っている通信の通信状況を検出する検出部と、前記通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する選択部と、前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記飛行体に送信する送信部と、を有する。
【0017】
前記情報処理装置は、前記選択飛行制御プロトコルが前記第1飛行制御プロトコルである場合に、前記選択飛行制御プロトコルが前記第2飛行制御プロトコルである場合よりも前記制御情報のデータ量を減らすデータ処理部をさらに有してもよい。
【0018】
本発明の第5の態様の情報処理方法は、飛行体と通信する情報処理装置が実行する、前記飛行体の飛行中に前記飛行体との間で行っている通信の通信状況を検出するステップと、前記通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、前記飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択するステップと、前記飛行体を前記選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、前記飛行体に送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、飛行体が行う無線通信の通信状況が変化した場合であっても飛行体の飛行を安定して制御できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る飛行制御システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る飛行制御システムのブロック図である。
【
図3】検出部が通信状況を検出する方法を説明するための模式図である。
【
図4】選択部が飛行制御プロトコルを選択する方法を説明するための模式図である。
【
図5】飛行体が撮像画像の説明文を送信する方法を説明するための模式図である。
【
図6】実施形態に係る飛行体が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【
図7】変形例に係る飛行制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[飛行制御システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る飛行制御システムSの模式図である。飛行制御システムSは、飛行体1と、制御サーバ2と、を含む。飛行制御システムSは、その他の端末、装置等を含んでもよい。
【0022】
飛行体1は、空中を飛行するドローン等の無人飛行装置である。飛行体1は、制御サーバ2から無線通信によって受信した制御情報に従って飛行する。飛行体1は、予め設定された飛行予定経路に沿って飛行し、又は操縦者による操作に応じて飛行する。飛行体1は、飛行中に撮像することによって撮像画像を生成するための撮像部と、無線通信により制御サーバ2との間で情報を送受信するための通信部と、を有する。
【0023】
制御サーバ2は、飛行体1の飛行制御に関する情報を処理する情報処理装置である。制御サーバ2は、飛行体1に制御情報を送信することにより、飛行体1を飛行させる。制御サーバ2は、単一のコンピュータ、又は複数のコンピュータである。また、制御サーバ2は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で動作する一又は複数の仮想的なサーバであってもよい。
【0024】
飛行体1及び制御サーバ2は、地上の通信設備3を利用した地上通信と、通信衛星4を利用した衛星通信と、の間で通信方式を切り替えることができる。通信設備3は、例えば、飛行体1及び制御サーバ2それぞれが送信した通信信号を中継する、地上に設置された基地局である。通信設備3は、3G、4G/LTE、5G等の通信規格に対応する。通信衛星4は、例えば、飛行体1及び制御サーバ2それぞれが送信した通信信号を中継する、宇宙空間に配置された人工衛星である。通信衛星4は、所定の衛星通信の規格に対応する。
【0025】
飛行体1及び制御サーバ2は、飛行制御のために用いる飛行制御プロトコルを切り替えることができる。飛行体1及び制御サーバ2が用いることができる飛行制御プロトコルは、例えば、SMSを用いて制御情報を送受信する第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービス(パケット通信等)を用いて制御情報を送受信する第2飛行制御プロトコルと、を含む。
【0026】
本実施形態に係る飛行制御システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。飛行体1は、飛行中に行っている通信の通信状況を検出する(
図1の(1))。飛行体1は、例えば、制御サーバ2との間で行っている通信の通信可否又は通信速度に基づいて、通信状況が良好であること又は不良であることを検出する。
【0027】
飛行体1は、検出した通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を選択する(
図1の(2))。
【0028】
飛行体1は、選択された飛行制御プロトコルを示す選択情報を制御サーバ2に送信し(
図1の(3))、選択された飛行制御プロトコルに従って飛行体1を飛行させるための制御情報を制御サーバ2から受信する(
図1の(4))。
【0029】
このように、飛行制御システムSでは、飛行体1は飛行中に行っている通信の通信状況に基づいて飛行制御プロトコルを選択し、制御サーバ2は選択された飛行制御プロトコルに従って飛行体1を飛行させるための制御情報を飛行体1に送信する。これにより、飛行制御システムSは、飛行体1が行う無線通信の通信状況が変化した場合であっても飛行体1の飛行を安定して制御できる。
【0030】
[飛行制御システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る飛行制御システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0031】
飛行体1は、記憶部11と、制御部12と、を有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。
【0032】
制御部12は、検出部121と、選択部122と、送信部123と、受信部124と、言語化部125と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、検出部121、選択部122、送信部123、受信部124及び言語化部125として機能する。
【0033】
制御サーバ2は、記憶部21と、制御部22と、を有する。記憶部21は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部21は、制御部22が実行するプログラムを予め記憶している。
【0034】
制御部22は、受信部221と、データ処理部222と、送信部223と、を有する。制御部22は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部21に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部221、データ処理部222及び送信部223として機能する。
【0035】
以下、飛行体1及び制御サーバ2が実行する処理について詳細に説明する。飛行体1は、飛行中に、通信設備3又は通信衛星4を介して制御サーバ2と通信する。飛行体1において、検出部121は、飛行体1が飛行中に行っている通信の通信状況を検出する。
【0036】
図3は、検出部121が通信状況を検出する方法を説明するための模式図である。飛行体1は、通信接続を維持するための所定のデータを、無線通信により制御サーバ2との間で定期的に送受信する。また、飛行体1は、飛行体1を飛行させるための制御情報を、無線通信により制御サーバ2から受信する。制御情報は、後述の第1飛行制御プロトコル又は第2飛行制御プロトコルに従って飛行体1が飛行する向き又は速さ等を制御する制御信号を示す情報である。
【0037】
検出部121が検出する通信状況は、通信可否と通信速度とのうち少なくとも一方を含む。飛行体1は、通信設備3又は通信衛星4を利用して通信をしている間に、通信設備3又は通信衛星4の通信可能エリア外に出た場合に、制御サーバ2との通信できなくなる。検出部121は、例えば、制御サーバ2が定期的に送信したデータを飛行体1が受信できない時間が所定時間以上継続したことを条件として通信可能でないことを検出し、制御サーバ2が定期的に送信したデータを飛行体1が受信できない時間が所定時間以上継続していないことを条件として通信可能であることを検出する。
【0038】
飛行体1は、通信設備3又は通信衛星4を利用して通信をしている間に、通信設備3又は通信衛星4から離れるほど、制御サーバ2との通信速度が低下する。検出部121は、例えば、制御サーバ2が定期的に送信したデータの受信完了までに掛かった時間、又は制御サーバ2に定期的に送信するデータの送信完了までに掛かった時間を測定することにより、通信速度を検出する。検出部121は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法により飛行体1が飛行中に行っている通信の通信状況を検出してもよい。
【0039】
検出部121は、飛行体1が飛行制御に用いている第1飛行制御プロトコル又は第2飛行制御プロトコルに対応する地上通信又は衛星通信のどちらか一方のみの通信状況を検出してもよい。また、検出部121は、飛行体1が第1飛行制御プロトコル又は第2飛行制御プロトコルのどちらを飛行制御に用いているかに関わらず、地上通信又は衛星通信の両方の通信状況を検出してもよい。
【0040】
選択部122は、検出部121が検出した通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、飛行体1が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する。
【0041】
図4は、選択部122が飛行制御プロトコルを選択する方法を説明するための模式図である。飛行制御プロトコルは、例えば、飛行体1が制御サーバ2から制御情報を受信するために利用する通信方式(地上通信又は衛星通信)と、飛行体1を制御するために利用する制御方式(制御信号の内容)と、を示す情報である。
【0042】
第1制御プロトコルは、通信設備3を利用した地上通信又は通信衛星4を利用した衛星通信を介してSMSを用いて情報を送受信する方法である。SMSは、電話網を利用した通信方式であり、地上通信と衛星通信とのどちらでも安定してデータを送受信できる。第1制御プロトコルにおける制御方式では、SMSにより送受信されるメッセージが表す文字列が、制御信号の内容を示す。
【0043】
第2制御プロトコルは、通信設備3を利用した地上通信を介してSMSとは異なる通信サービスを用いて情報を送受信する方法である。SMSとは異なる通信サービスは、例えば、パケット通信等のネットワーク通信である。ネットワーク通信は、コンピュータネットワークを利用した通信方式であり、大きいデータを比較的素早く送受信可能である。第2制御プロトコルにおける制御方式では、ネットワーク通信により送受信されるデータが、制御信号の内容を示す。
【0044】
衛星通信は通信速度が限られているため、飛行体1は衛星通信を介してネットワーク通信を安定して行えない場合がある。そこで本実施形態では、地上通信及び衛星通信の両方においてSMSを用いる第1制御プロトコルを利用可能とし、地上通信のみにおいてネットワーク通信を用いる第2制御プロトコルを利用可能とする。すなわち、第1飛行制御プロトコルは、通信設備3を利用した地上通信又は通信衛星4を利用した衛星通信を介してSMSを用いて情報を送受信する方法であり、第2飛行制御プロトコルは、通信設備3を利用した地上通信を介してSMSとは異なる通信サービスを用いて情報を送受信する方法である。
【0045】
選択部122は、例えば、飛行体1が第2飛行制御プロトコルに従って飛行している状態において、検出部121が検出した通信状況が不良であることに対応する所定の条件が満たされたことを条件として、第1飛行制御プロトコルを選択飛行制御プロトコルとして選択する。通信状況が不良であることに対応する条件は、例えば、第2飛行制御プロトコルの通信方式(ネットワーク通信)について、通信可能でないことを通信状況が示すこと、又は通信速度が基準値未満であることを通信状況が示すことである。これにより、飛行制御システムSは、ネットワーク通信の通信状況が悪化したことに応じて、ネットワーク通信を用いて情報を送受信する第2飛行制御プロトコルに代えて、SMSを用いてより安定して情報を送受信可能な第1飛行制御プロトコルを選択することができる。
【0046】
選択部122は、例えば、飛行体1が第1飛行制御プロトコルに従って飛行している状態において、通信状況が良好であることに対応する所定の条件が満たされたことを条件として、第2飛行制御プロトコルを選択飛行制御プロトコルとして選択する。通信状況が良好であることに対応する条件は、例えば、第2飛行制御プロトコルの通信方式(ネットワーク通信)について、通信可能であることを通信状況が示すこと、又は通信速度が基準値以上であることを通信状況が示すことである。これにより、飛行制御システムSは、ネットワーク通信の通信状況が正常化したことに応じて、SMSを用いて情報を送受信する第1飛行制御プロトコルに代えて、ネットワーク通信を用いてより多くの情報を送受信可能な第2飛行制御プロトコルを選択することができる。
【0047】
送信部123は、選択部122が選択した選択飛行制御プロトコル(第1飛行制御プロトコル又は第2飛行制御プロトコル)を示す選択情報を、制御サーバ2に送信する。送信部123は、選択飛行制御プロトコルの通信方式(SMS又はネットワーク通信)を用いて、選択情報を制御サーバ2に送信する。
【0048】
制御サーバ2において、受信部221は、飛行体1から選択情報を受信する。データ処理部222は、記憶部21に予め記憶された飛行予定経路を示す経路情報、又はユーザが情報端末において入力した操作を示す操作情報等に基づいて、受信部221が受信した選択情報が示す選択飛行制御プロトコルに従って飛行体1を飛行させるための制御情報を生成する。
【0049】
データ処理部222は、例えば、選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合に、経路情報又は操作情報等に応じて飛行体1の向き又は速さ等を制御するための制御信号の内容を示す文字列を含むメッセージであって、SMSによって送受信可能なメッセージを、制御情報として生成する。
【0050】
データ処理部222は、例えば、選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルである場合に、経路情報又は操作情報等に応じて飛行体1の向き又は速さ等を制御するための制御信号の内容を示すデータであって、ネットワーク通信によって送受信可能なデータを、制御情報として生成する。
【0051】
データ処理部222は、選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合に、選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルである場合よりも、制御情報のデータ量を減らすことが望ましい。データ処理部222は、例えば、飛行体1の向き又は速さ等を制御するための制御信号の内容を分割、圧縮又は単純化することにより、制御情報のデータ量を減らす。
【0052】
その結果、選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合にデータ処理部222が生成する制御情報は、選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルである場合にデータ処理部222が生成する制御情報よりもデータ量が小さくなる。これにより、飛行制御システムSは、第1飛行制御プロトコルにおいてSMSを用いて制御情報を送信する場合に、送信可能なデータ量の小さいSMSに合わせて制御情報を調整することができる。
【0053】
送信部223は、データ処理部222が生成した制御情報を、飛行体1に送信する。送信部123は、選択飛行制御プロトコルの通信方式(SMS又はネットワーク通信)を用いて、制御情報を飛行体1に送信する。
【0054】
飛行体1において、受信部124は、飛行体1を選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を制御サーバ2から受信する。飛行体1は、受信部124が受信した制御情報に基づいて飛行する。選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合に、飛行体1は、SMSによって送信されたメッセージが示す向き又は速さ等に応じて飛行する。選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルである場合に、飛行体1は、ネットワーク通信によって送信されたデータが示す向き又は速さ等に応じて飛行する。
【0055】
飛行体1は、飛行中に撮像部を用いて撮像した撮像画像を制御サーバ2に送信する際に、選択飛行制御プロトコルに応じて異なる処理を行ってもよい。飛行体1は、例えば、選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合に、撮像画像に代えて撮像画像の説明文を制御サーバ2に送信する。
【0056】
図5は、飛行体1が撮像画像の説明文を送信する方法を説明するための模式図である。言語化部125は、飛行中に撮像部が撮像することによって生成された撮像画像の内容を言語化することにより、説明文を生成する。言語化部125は、例えば、既知の画像解析処理によって、撮像画像に写っている被写体の名称及び位置を検出することにより、被写体の名称及び位置を表す説明文を生成する。
【0057】
選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルである場合に、送信部123は、撮像画像を制御サーバ2に送信する。制御サーバ2において、受信部221は、飛行体1から撮像画像を受信し、受信した撮像画像を記憶部21に記憶させ、又は所定の情報端末に表示させる。
【0058】
選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合に、送信部123は、撮像画像を制御サーバ2に送信することなく、言語化部125が生成した説明文を含むメッセージを制御サーバ2に送信する。制御サーバ2において、受信部221は、飛行体1からメッセージを受信し、受信したメッセージが含む説明文を記憶部21に記憶させ、又は所定の情報端末に表示させる。これにより、飛行制御システムSは、撮像画像を送受信できないSMSを用いて飛行体1と制御サーバ2との間で制御情報を送受信する場合であっても、SMSを用いて撮像画像の説明文を飛行体1から制御サーバ2に送信させることにより、飛行体1が撮像した撮像画像の内容を所定のユーザに通知することができる。
【0059】
選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルから第2飛行制御プロトコルに切り替わった場合に、送信部123は、選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである間に制御サーバ2に送信されなかった撮像画像を、選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルになった後に制御サーバ2に送信してもよい。これにより、飛行制御システムSは、第1飛行制御プロトコルにおいて説明文のみが制御サーバ2に送信されていた撮像画像を、第2飛行制御プロトコルに戻った後に改めて制御サーバ2に送信させることができる。
【0060】
[情報処理方法のフロー]
図6は、本実施形態に係る飛行体1が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。飛行体1は、飛行中に、通信設備3又は通信衛星4を介して制御サーバ2と通信する。飛行体1において、検出部121は、飛行体1が飛行中に行っている通信の通信状況を検出する(S11)。
【0061】
選択部122は、検出部121が検出した通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、飛行体1が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する(S12)。
【0062】
送信部123は、選択部122が選択した選択飛行制御プロトコル(第1飛行制御プロトコル又は第2飛行制御プロトコル)を示す選択情報を、制御サーバ2に送信する(S13)。
【0063】
制御サーバ2において、受信部221は、飛行体1から選択情報を受信する。データ処理部222は、記憶部21に予め記憶された飛行予定経路を示す経路情報、又はユーザが情報端末において入力した操作を示す操作情報等に基づいて、受信部221が受信した選択情報が示す選択飛行制御プロトコルに従って飛行体1を飛行させるための制御情報を生成する。送信部223は、データ処理部222が生成した制御情報を、飛行体1に送信する。
【0064】
飛行体1において、受信部124は、飛行体1を選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を制御サーバ2から受信する(S14)。飛行体1は、受信部124が受信した制御情報に基づいて飛行する(S15)。
【0065】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る飛行制御システムSによれば、飛行体1は飛行中に行っている通信の通信状況に基づいて飛行制御プロトコルを選択し、制御サーバ2は選択された飛行制御プロトコルに従って飛行体1を飛行させるための制御情報を飛行体1に送信する。これにより、飛行制御システムSは、飛行体1が行う無線通信の通信状況が変化した場合であっても飛行体1の飛行を安定して制御できる。
【0066】
<変形例>
上述の実施形態では飛行体1が飛行制御プロトコルを選択するのに対して、本変形例では制御サーバ2が飛行制御プロトコルを選択する。以下、上述の実施形態と異なる点を主に説明する。
【0067】
図7は、本変形例に係る飛行制御システムSのブロック図である。飛行体1の制御部12は、上述の送信部123、受信部124及び言語化部125を有する。制御サーバ2の制御部22は、上述の受信部221、データ処理部222及び送信部223に加えて、検出部224と、選択部225と、を有する。
【0068】
制御サーバ2は、通信設備3又は通信衛星4を介して、飛行中の飛行体1と通信する。制御サーバ2において、検出部224は、飛行体1が飛行中に行っている通信の通信状況を検出する。検出部224が検出する通信状況は、通信可否と通信速度とのうち少なくとも一方を含む。
【0069】
検出部224は、例えば、飛行体1が定期的に送信したデータを制御サーバ2が受信できない時間が所定時間以上継続したことを条件として通信可能でないことを検出し、飛行体1が定期的に送信したデータを制御サーバ2が受信できない時間が所定時間以上継続していないことを条件として通信可能であることを検出する。
【0070】
検出部224は、例えば、飛行体1が定期的に送信したデータの受信完了までに掛かった時間、又は飛行体1に定期的に送信するデータの送信完了までに掛かった時間を測定することにより、通信速度を検出する。検出部224は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法により飛行体1が飛行中に行っている通信の通信状況を検出してもよい。
【0071】
選択部225は、検出部224が検出した通信状況に基づいて、SMSを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、飛行体1が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する。選択部225が選択飛行制御プロトコルを選択する基準は、上述の実施形態における選択部122が用いる基準と同様である。
【0072】
データ処理部222は、記憶部21に予め記憶された飛行予定経路を示す経路情報、又はユーザが情報端末において入力した操作を示す操作情報等に基づいて、選択部225が選択した選択飛行制御プロトコルに従って飛行体1を飛行させるための制御情報を生成する。ここでデータ処理部222は、選択飛行制御プロトコルが第1飛行制御プロトコルである場合に、選択飛行制御プロトコルが第2飛行制御プロトコルである場合よりも、制御情報のデータ量を減らすことが望ましい。データ処理部222が制御情報を生成する方法は、上述の実施形態と同様である。
【0073】
送信部223は、データ処理部222が生成した制御情報を、飛行体1に送信する。飛行体1において、受信部124は、飛行体1を選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を制御サーバ2から受信する。飛行体1は、受信部124が受信した制御情報に基づいて飛行する。送信部123は、撮像部を用いて撮像した撮像画像、又は言語化部125が生成した撮像画像の説明文を、制御サーバ2に送信する。
【0074】
本変形例によれば、飛行制御システムSは、飛行体1が行う無線通信の通信状況が変化した場合であっても飛行体1の飛行を安定して制御できるとともに、制御サーバ2が飛行制御プロトコルを選択するため飛行体1の計算負荷を軽減できる。
【0075】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0077】
S 飛行制御システム
1 飛行体
11 記憶部
12 制御部
121 検出部
122 選択部
123 送信部
124 受信部
125 言語化部
2 制御サーバ
21 記憶部
22 制御部
221 受信部
222 データ処理部
223 送信部
224 検出部
225 選択部
【要約】
【課題】飛行体が行う無線通信の通信状況が変化した場合であっても飛行体の飛行を安定して制御できるようにする。
【解決手段】飛行体1は、飛行中に行っている通信の通信状況を検出する検出部121と、通信状況に基づいて、SMS(Short Message Service: ショートメッセージサービス)を用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第1飛行制御プロトコルと、SMSとは異なる通信サービスを用いて受信した情報に従って飛行制御を行う第2飛行制御プロトコルと、のうちどちらか一方を、飛行体が飛行制御に用いる選択飛行制御プロトコルとして選択する選択部122と、飛行体を選択飛行制御プロトコルに従って飛行させるための制御情報を、情報処理装置から受信する受信部124と、を有する。
【選択図】
図2