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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20241212BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20241212BHJP
【FI】
G06Q20/38
G06Q30/0601
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024046579
(22)【出願日】2024-03-22
【審査請求日】2024-03-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗田 咲子
(72)【発明者】
【氏名】相馬 汐美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勝敏
(72)【発明者】
【氏名】今井 明彦
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-121550(JP,A)
【文献】特開2022-156869(JP,A)
【文献】池邉 慶 Kei Ikebe,非代替性トークン(NFT)実現に向けての電子署名技術の応用と限界解明,2023年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2023) [online] SCIS2023 The 40th Symposium on Cryptography and Information Security,2023年01月23日,第1頁-第8頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
前記スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、さらに、前記所定の店舗において商品を購入したユーザを識別するためのユーザ識別情報を含む、前記所定の店舗における決済履歴を示す決済履歴情報を参照し、前記非代替性トークンを前記ユーザから購入した前記他のユーザが前記所定の店舗において決済を行っていない場合、又は前記他のユーザに対応する前記決済履歴が第2条件を満たす場合に、所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
前記スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記ブロックチェーン上で、ユーザに付与する対象の複数の非代替性トークンの中に、一度も移転していない非代替性トークンが存在していることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う、
情報処理装置。
【請求項3】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が、所定の店舗において前記ユーザが所定の商品を購入していることを示している場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
前記スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記店舗において前記所定の商品の在庫が存在していることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う、
情報処理装置。
【請求項4】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報であって、決済金額を含む前記決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトと、前記決済情報に含まれる前記決済金額とが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
前記スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記非代替性トークンに関連付けられている前記決済金額が所定の金額以上であることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う、
情報処理装置。
【請求項5】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報であって、決済金額を含む前記決済情報に含まれる、前記決済金額が第1の金額以上であることを条件として、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
前記スマートコントラクトは、前記非代替性トークンの保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として前記所定の店舗の口座に送金する金額である所定額を、前記第1の金額以下の金額に設定し、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、当該保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として前記所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う、
情報処理装置。
【請求項6】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
前記非代替性トークンの保有者であるユーザが前記非代替性トークンを他のユーザに販売したことに応じて、前記非代替性トークンの保有者は他のユーザに移転し、
前記スマートコントラクトは、前記非代替性トークンの販売価格を特定し、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記販売価格が第1の金額以下であることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う、
情報処理装置。
【請求項7】
所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、
ブロックチェーンには、前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報と、前記非代替性トークンを保有するユーザのユーザ識別情報とが関連付けて記憶されており、
前記スマートコントラクトは、前記ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うとともに、前記ブロックチェーンを参照し、前記非代替性トークンの移転先の前記他のユーザのユーザ識別情報を特定し、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けたユーザ情報を参照し、特定した前記他のユーザのユーザ識別情報に関連付けられている前記属性情報を特定し、特定した前記属性情報を前記所定の店舗に通知する、
情報処理装置。
【請求項8】
前記非代替性トークンの保有者は、前記非代替性トークンの保有者であるユーザが他のユーザに販売することにより移転し、
前記スマートコントラクトは、前記非代替性トークンの販売価格を特定し、前記販売価格に基づいて前記所定額を特定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記付与部は、前記所定の店舗において決済を行ったユーザの決済情報が所定条件を満たしている場合に、前記ユーザに、前記所定の店舗が発行した非代替性トークンを付与する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記付与部は、前記所定の店舗において前記ユーザが、所定の決済事業者が提供する決済手段を行って前記決済を行った場合に、前記ユーザに、前記所定の決済事業者が発行した非代替性トークンを付与する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記所定の店舗において、前記非代替性トークンの認証が行われ、当該認証に成功したことを条件として、前記非代替性トークンの保有者に特典を付与する特典付与部をさらに有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップと、
前記スマートコントラクトが実行する、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、さらに、前記所定の店舗において商品を購入したユーザを識別するためのユーザ識別情報を含む、前記所定の店舗における決済履歴を示す決済履歴情報を参照し、前記非代替性トークンを前記ユーザから購入した前記他のユーザが前記所定の店舗において決済を行っていない場合、又は前記他のユーザに対応する前記決済履歴が第2条件を満たす場合に、所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップと、
前記スマートコントラクトが実行する、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記ブロックチェーン上で、ユーザに付与する対象の複数の非代替性トークンの中に、一度も移転していない非代替性トークンが存在していることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が、所定の店舗において前記ユーザが所定の商品を購入していることを示している場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップと、
前記スマートコントラクトが実行する、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記店舗において前記所定の商品の在庫が存在していることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報であって、決済金額を含む前記決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトと、前記決済情報に含まれる前記決済金額とが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップと、
前記スマートコントラクトが実行する、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記非代替性トークンに関連付けられている前記決済金額が所定の金額以上であることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報であって、決済金額を含む前記決済情報に含まれる、前記決済金額が第1の金額以上であることを条件として、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップと、
前記スマートコントラクトが実行する、前記非代替性トークンの保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として前記所定の店舗の口座に送金する金額である所定額を、前記第1の金額以下の金額に設定し、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、当該保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として前記所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップを有し、
前記非代替性トークンの保有者であるユーザが前記非代替性トークンを他のユーザに販売したことに応じて、前記非代替性トークンの保有者は他のユーザに移転し、
前記スマートコントラクトが実行する、前記非代替性トークンの販売価格を特定し、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転し、かつ、前記販売価格が第1の金額以下であることを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップを有する
情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップを有し、
ブロックチェーンには、前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報と、前記非代替性トークンを保有するユーザのユーザ識別情報とが関連付けて記憶されており、
前記スマートコントラクトが実行する、
ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、
前記ブロックチェーンを参照し、前記非代替性トークンの移転先の前記他のユーザのユーザ識別情報を特定し、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けたユーザ情報を参照し、特定した前記他のユーザのユーザ識別情報に関連付けられている前記属性情報を特定し、特定した前記属性情報を前記所定の店舗に通知するステップと、
を有する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが店舗において決済したことに応じて、店舗に関連する特典として、非代替性トークンをユーザに付与することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-118282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザが自身に付与された非代替性トークンを、店舗に来店していない他のユーザに販売することがある。これにより、他のユーザが特典としての非代替性トークンの付与を受けるために店舗に来店して決済を行う機会がなくなってしまい、当該他のユーザの来店により期待される売上が生じなくなってしまうという問題が発生する。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、店舗に対応する非代替性トークンの移転に伴う店舗における売上機会の損失を補償することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部を有し、前記スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う。
【0007】
前記非代替性トークンの保有者は、前記非代替性トークンの保有者であるユーザが他のユーザに販売することにより移転し、前記スマートコントラクトは、前記非代替性トークンの販売価格を特定し、前記販売価格に基づいて前記所定額を特定してもよい。
【0008】
前記スマートコントラクトは、前記所定の店舗において商品を購入したユーザを識別するユーザ識別情報を含む、前記所定の店舗における決済履歴を示す決済履歴情報を参照し、前記非代替性トークンを前記ユーザから購入した前記他のユーザが前記所定の店舗において決済を行っていない場合、又は前記他のユーザに対応する前記決済履歴が第2条件を満たす場合に、前記送金処理を行ってもよい。
【0009】
前記スマートコントラクトは、前記ブロックチェーン上で、ユーザに付与する対象の複数の非代替性トークンの中に、一度も移転していない非代替性トークンが存在していることを条件として、前記送金処理を行ってもよい。
【0010】
前記非代替性トークンのユーザへの付与条件は、所定の店舗において前記ユーザが所定の商品を購入することであり、前記スマートコントラクトは、前記店舗において前記所定の商品の在庫が存在していることを条件として、前記送金処理を行ってもよい。
【0011】
前記決済情報には、決済金額が含まれており、前記非代替性トークンには、前記非代替性トークンがユーザに付与されたときの決済金額が関連付けられており、前記スマートコントラクトは、前記非代替性トークンがユーザに付与されたときの当該ユーザの決済情報に含まれる前記決済金額が所定の金額以上であることを条件として、前記送金処理を行ってもよい。
【0012】
前記決済情報には、決済金額が含まれており、前記付与部は、前記所定の店舗において決済を行ったユーザの決済情報に含まれる決済金額が第1の金額以上であることを条件として、前記ユーザに非代替性トークンを付与してもよい。
前記スマートコントラクトは、前記所定額を前記第1の金額以下の金額に設定してもよい。
【0013】
前記非代替性トークンの保有者であるユーザが前記非代替性トークンを他のユーザに販売したことに応じて、前記非代替性トークンの保有者は他のユーザに移転し、前記スマートコントラクトは、前記非代替性トークンの販売価格を特定し、前記販売価格が第1の金額以下であることを条件として、前記送金処理を行ってもよい。
【0014】
前記付与部は、前記所定の店舗において決済を行ったユーザの決済情報が所定条件を満たしている場合に、前記ユーザに、前記所定の店舗が発行した非代替性トークンを付与してもよい。
【0015】
前記付与部は、前記所定の店舗において前記ユーザが、所定の決済事業者が提供する決済手段を行って前記決済を行った場合に、前記ユーザに、前記所定の決済事業者が発行した非代替性トークンを付与してもよい。
【0016】
前記情報処理装置は、前記所定の店舗において、前記非代替性トークンの認証が行われ、当該認証に成功したことを条件として、前記非代替性トークンの保有者に特典を付与する特典付与部をさらに有してもよい。
【0017】
前記ブロックチェーンには、前記非代替性トークンを識別するためのトークン識別情報と、前記非代替性トークンを保有するユーザのユーザ識別情報とが関連付けて記憶されており、前記スマートコントラクトは、前記ブロックチェーンを参照し、前記非代替性トークンの移転先の前記他のユーザのユーザ識別情報を特定し、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けたユーザ情報を参照し、特定した前記他のユーザのユーザ識別情報に関連付けられている前記属性情報を特定し、特定した前記属性情報を前記所定の店舗に通知してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、前記ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与するステップと、前記スマートコントラクトが実行する、ブロックチェーン上で前記非代替性トークンの保有者が移転すると、前記保有者が前記ユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を前記所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、店舗に対応する非代替性トークンの移転に伴う店舗における売上機会の損失を補償することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】情報処理装置の概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】NFTのデータ構造の一例を示す図である。
図4】所定の店舗において商品が購入されてからNFTが移転されるまで処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、例えば、所定の店舗に対応する非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)のユーザへの付与、及びユーザから他のユーザへの非代替性トークンの移転を行うためのサーバである。なお、以下の説明において、非代替性トークンをNFTともいう。
【0022】
ユーザは、所定の店舗において商品を購入し、自身が使用するユーザ端末2を用いて当該商品に対する決済を行う(図1における(1))。所定の店舗は、ユーザが所定の店舗において販売されている商品を購入したことに応じて、例えば所定の店舗が発行したNFTをユーザに付与する店舗である。商品には、店舗が販売する商品だけではなく、店舗が提供するサービスも含まれるものとする。例えば、当該決済処理を行うサーバにおいて、当該決済に係る決済処理が実行され、ユーザを識別するためのユーザ識別情報としてのユーザIDと、所定の店舗を識別するための店舗識別情報としての店舗IDとを含む決済情報が蓄積される。
【0023】
情報処理装置1は、決済情報を参照し、ユーザの所定の店舗に対応する決済情報が所定条件を満たしている場合に、当該ユーザにスマートコントラクトが関連付けられたNFTを付与するトークン付与処理を実行する(図1における(2))。例えば、情報処理装置1は、トークン付与処理として、所定の店舗に対応して予め発行されているNFTを管理するブロックチェーンに対し、ユーザに付与する対象のNFTの所有者をユーザに移転する移転要求を行う。
【0024】
NFTは、例えば、所定の店舗がユーザに対して特典を付与するために用いられ、例えば、NFTを用いたユーザの認証に成功すると、NFTと引き換えにユーザに特典が付与される。また、NFTには、保有者が移転した場合に実行されるスマートコントラクトが関連付けられている。また、NFTを保有するユーザは、他のユーザにNFTを販売することにより、NFTの保有者をユーザから他のユーザに移転することができる。
【0025】
ユーザが、NFTを他のユーザに販売することにより、NFTの保有者がユーザから他のユーザに移転すると(図1における(3))、当該NFTに関連付けられているスマートコントラクトが実行される。具体的には、スマートコントラクトは、トークンの保有者がユーザから他のユーザに移転したことに応じて、所定額の金銭を所定の店舗の口座に送金する送金処理を実行する(図1における(4))。
【0026】
このようにすることで、NFTの移転先である他のユーザが、特典と引き換え可能なNFTの付与を受けるために店舗に来店して決済を行う機会がなくなった場合であっても、所定額の金銭が所定の店舗の口座に送金されるので、店舗に対応するNFTの移転に伴う店舗における売上機会の損失を補償することができる。
【0027】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0028】
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2や、ブロックチェーンを構成するサーバ等とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、付与部131、移転受付部132、移転処理部133及び特典付与部134として機能させるプログラムを記憶する。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、付与部131、移転受付部132、移転処理部133及び特典付与部134として機能する。
【0030】
付与部131は、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、ユーザにスマートコントラクトが関連付けられたNFTを付与する。
【0031】
例えば、ユーザ端末2には、店舗に設置されている店舗端末(不図示)と協働してユーザがコード決済等の決済を行うための決済用アプリケーションが記憶されている。ユーザが店舗において商品を購入する場合に決済用アプリケーションを用いて決済要求を行ったことに応じて、ユーザ端末2又は店舗に設けられた店舗端末から、決済情報が決済サーバとして機能する情報処理装置1に送信される。決済情報には、決済を行うユーザのユーザIDと、当該決済に対応する店舗の店舗IDと、決済金額とが含まれる。なお、決済情報には、ユーザが購入した商品を識別するための商品識別情報としての商品IDが含まれていてもよい。
【0032】
付与部131は、決済情報を受信すると、当該決済情報に基づいて決済を行うとともに、決済情報を含む決済履歴情報を記憶部12に記憶させる。決済履歴情報は、例えば、決済情報を識別するための決済識別情報としての決済IDと、決済情報に含まれるユーザのユーザID、ユーザが商品を購入した店舗の店舗ID、及びユーザが当該商品の購入に対して決済した決済金額と、を関連付けた情報となる。決済履歴情報には、ユーザが購入した商品の商品IDが含まれていてもよい。付与部131は、決済を行ったことに応じて、決済IDと、店舗IDとを含む決済完了情報をユーザ端末2に送信する。
【0033】
また、付与部131は、決済情報に含まれる店舗IDが、NFTを付与する所定の店舗の店舗IDであるかを判定する。付与部131は、決済情報に含まれる店舗IDが、NFTを付与する所定の店舗の店舗IDであると判定すると、当該決済情報が第1条件を満たすか否かを判定する。そして、付与部131は、当該決済情報が第1条件を満たしている場合に、ブロックチェーンを構成する分散サーバに、NFTをユーザに付与するトークン付与処理を実行させることにより、ユーザにNFTを付与する。
【0034】
第1条件は、例えば、ユーザの決済情報に含まれる決済金額が、所定の店舗において販売されている所定の商品の価格である第1の金額以上であることであり、付与部131は、所定の店舗において決済を行ったユーザの決済情報に含まれる決済金額が第1の金額以上であることを条件として、ブロックチェーンを構成する分散サーバに、トークン付与処理を実行させる。なお、第1条件は、所定の店舗においてユーザが所定の商品を購入することであってもよい。この場合、付与部131は、所定の店舗において決済を行ったユーザの決済情報に含まれる商品IDに、所定の商品の商品IDが含まれていることを条件として、ブロックチェーンを構成する分散サーバに、トークン付与処理を実行させる。
【0035】
付与部131は、分散サーバにトークン付与処理を実行させる場合、まず、所定の店舗により発行されたNFTであって、ブロックチェーンにおいて、保有者が所定の店舗であるNFTの中から、ユーザに付与するNFTを選択する。そして、付与部131は、選択したNFTの保有者を所定の店舗からユーザに移転させる処理であるトークン付与処理の実行指示であるトークン付与指示を、ブロックチェーンを構成する分散サーバに送信する。トークン付与指示には、トークンIDと、NFTの移転先のユーザIDとが含まれる。ブロックチェーンがトークン付与指示に従ってトークン付与処理を実行することにより、NFTの保有者が所定の店舗からユーザに移転される。付与部131は、ユーザ端末2に、NFTが付与されたことを通知する。
【0036】
なお、付与部131は、分散サーバにトークン付与処理を実行させることとしたが、これに限らない。情報処理装置1がブロックチェーンを構成する分散サーバの一つとして機能する場合には、付与部131がトークン付与処理を実行してもよい。
【0037】
ユーザは、自身に付与されたNFTを他のユーザに販売することが可能である。NFTの保有者は、NFTの保有者であるユーザが他のユーザに販売することにより移転する。ここで、NFTの構成について説明する。図3は、NFTのデータ構造の一例を示す図である。図3に示すNFTにおいては、NFTを識別するためのトークンIDと、NFTがユーザに付与された際の当該ユーザに対応する決済の決済金額と、NFTの保有者の識別情報と、スマートコントラクトとが少なくとも関連付けられている。なお、図3に示すNFTにおいては、NFTのトークンIDに対し、決済金額と、スマートコントラクトとが直接関連付けられることとしたが、これに限らない。トークンIDに対し、決済金額及び、スマートコントラクトの格納場所を示す一以上のURI(Uniform Resource Identifier)が関連付けられており、当該URIを介して、NFTに対し、決済金額とスマートコントラクトとが間接的に関連付けられてもよい。
【0038】
決済金額は、ユーザが所定の店舗において商品を購入し、NFTがユーザに付与されたときの当該商品の購入に係る決済情報に含まれる決済金額である。保有者の識別情報には、所定の店舗の店舗ID、所定の店舗において決済を行ったユーザのユーザID、又はユーザからNFTを購入した他のユーザのユーザIDが格納される。例えば、ユーザがNFTを他のユーザに販売したことに応じて、NFTに関連付けられている保有者の識別情報は、当該ユーザのユーザIDから当該他のユーザのユーザIDに変更される。
【0039】
スマートコントラクトは、NFTの保有者が移転し、NFTの保有者の識別情報が変更されたことを契機として実行される。具体的には、スマートコントラクトは、ブロックチェーン上でNFTの保有者が移転すると、当該保有者が、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う。
【0040】
ここで、スマートコントラクトは、NFTの販売価格を特定し、特定した販売価格に基づいて、所定の口座に送金する金銭の額である所定額を特定する。例えば、スマートコントラクトは、特定した販売価格の所定割合を所定額と特定する。
【0041】
スマートコントラクトは、販売されたNFTがユーザに付与されたときのユーザの決済情報に含まれる決済金額を特定し、決済金額に基づいて送金処理を行うかを判定してもよい。例えば、スマートコントラクトは、販売されたNFTのトークンIDに関連付けられている決済金額を特定する。そして、スマートコントラクトは、当該決済金額が所定の金額以上であることを条件として、送金処理を行い、当該決済金額が所定の金額未満である場合に、送金処理を行わないようにする。このようにすることで、店舗におけるユーザの商品の購入額が少額であってもユーザにNFTが付与され、NFTの販売に伴う店舗における販売機会の減少に伴う利益の損失が小さい場合には、送金処理を不要とすることができる。
【0042】
また、スマートコントラクトは、販売されたNFTのトークンIDに関連付けられている決済金額が所定の金額以上であることを条件として送金処理を行う場合、所定の口座に送金する金銭の額である所定額を、NFTをユーザに付与する第1の条件に含まれる、第1の金額以下の金額に設定してもよい。例えば、スマートコントラクトは、所定額を第1の金額以下の金額であって、所定の店舗が予め定めたNFTの価値である想定金額よりも高い金額とする。
【0043】
この場合、NFTを販売するユーザは、NFTを想定金額以下の金額で販売すると、損失が発生するため、NFTの販売価格を想定金額以上の金額で販売することとなる。これにより、NFTを付与されたユーザがNFTを安価で販売することを抑制し、他のユーザがNFTを安価で購入する機会を抑制することができるので、他のユーザがNFTの入手を目的として店舗に来店して商品を購入する確率を高めることができる。
【0044】
なお、スマートコントラクトは、所定の店舗において商品を購入したユーザのユーザIDを含む、所定の店舗における決済履歴を示す決済履歴情報を参照し、NFTをユーザから購入した他のユーザが所定の店舗において決済を行っていない場合、又は他のユーザに対応する決済履歴が第2条件を満たす場合に、送金処理を行うようにしてもよい。
【0045】
例えば、スマートコントラクトは、記憶部12に記憶されている決済履歴情報を参照し、NFTをユーザから購入した他のユーザのユーザIDが決済履歴情報に含まれているか否かを判定する。スマートコントラクトは、他のユーザのユーザIDが決済履歴情報に含まれていない場合には、NFTをユーザから購入した他のユーザが所定の店舗において決済を行っていないと判定する。スマートコントラクトは、他のユーザのユーザIDが決済履歴情報に含まれている場合、当該ユーザIDに関連付けられている決済履歴が第2条件を満たすか否かを判定する。
【0046】
第2条件は、例えば他のユーザに対応する決済履歴が示す他のユーザの決済金額が、第1の金額よりも少ない第2の金額未満であることである。このようにすることで、所定の店舗において購入実績が全くないか、購入実績が乏しく、店舗への来店が期待できない他のユーザがNFTを購入した際に、店舗に補償を行うことができる。
【0047】
また、スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で、所定の店舗がユーザに付与する対象の複数のNFTの中に、一度も移転していないNFTが存在していることを条件として、送金処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、他のユーザが、所定の店舗に来店して商品を購入したことに応じてNFTが付与されるにもかかわらず、当該所定の店舗に来店せずにNFTを購入した場合に対応して、所定の店舗の機会損失に対する補償を行うことができる。
【0048】
また、NFTの付与条件に、所定の商品を所定の店舗において購入することが含まれている場合、スマートコントラクトは、所定の店舗において、所定の商品の在庫が存在していることを条件として、送金処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、他のユーザが、所定の店舗において当該所定の商品を購入したことに応じてNFTが付与されるにもかかわらず、当該所定の店舗に来店せずにNFTを購入した場合に対応して、所定の店舗の機会損失に対する補償を行うことができる。
【0049】
また、スマートコントラクトは、NFTの販売価格を特定し、販売価格がNFTをユーザに付与する第1の条件に含まれる第1の金額以下であることを条件として、送金処理を行ってもよい。このようにすることで、他のユーザが、所定の店舗において商品を購入するよりも安い価格でユーザからNFTを取得し、当該他のユーザが商品を購入する機会が減少したことに対応して、所定の店舗に対して補償を行うことができる。
【0050】
また、スマートコントラクトは、ブロックチェーンを参照し、NFTの移転先の他のユーザの属性を示す属性情報を所定の店舗に通知するようにしてもよい。ユーザの属性は、例えば、ユーザの年代、性別、職種、趣味、趣向等である。この場合、例えば、情報処理装置1の記憶部12は、ユーザIDと、当該ユーザIDに対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けたユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、情報処理装置1とは異なる他の装置において記憶されていてもよい。
【0051】
スマートコントラクトは、ブロックチェーンを参照し、NFTの移転先の他のユーザのユーザIDを特定する。例えば、スマートコントラクトは、他のユーザに移転したNFTのトークンIDに関連付けられている保有者の識別情報を、他のユーザのユーザIDと特定する。そして、スマートコントラクトは、ユーザ情報を参照し、特定した他のユーザのユーザIDに関連付けられている属性情報を特定し、特定した属性情報を所定の店舗に通知する。例えば、スマートコントラクトは、特定した属性情報を含むメールを、予め定められている所定の店舗の管理者等のメールアドレスを宛先として送信する。このようにすることで、所定の店舗の管理者等は、どのような属性のユーザがNFTを購入しているのかを把握することができる。
【0052】
移転受付部132は、NFTを保有しているユーザから、当該ユーザが販売するNFTを受け付ける。例えば、移転受付部132は、NFTを保有しているユーザから、当該ユーザのユーザIDと、当該ユーザが販売するNFTのトークンIDと、当該NFTの販売価格とを受け付ける。移転受付部132は、一以上のユーザから販売するNFTを受け付けると、例えば、販売対象のNFTを保有するユーザのユーザIDと、当該NFTのトークンIDと、販売価格とを関連付けた販売リストを生成する。
【0053】
移転受付部132は、NFTの購入を希望するユーザの端末から、販売リストの取得要求を受け付け、当該販売リストを当該ユーザの端末に送信する。そして、移転受付部132は、NFTの購入を希望するユーザの端末からNFTの購入要求を取得することにより、当該NFTの移転を受け付ける。NFTの購入要求には、ユーザが購入を希望するNFTのトークンIDと、当該ユーザのユーザIDとが含まれている。
【0054】
移転処理部133は、移転受付部132が、NFTの購入要求を取得し当該NFTの移転を受け付けると、ブロックチェーンに、当該購入要求に含まれるトークンIDに関連付けられている保有者の識別情報を、当該NFTを保有するユーザのユーザIDから、購入要求に含まれるユーザIDに変更する移転処理の実行指示であるトークン移転指示を送信する。トークン移転指示には、移転対象のNFTのトークンIDと、移転先のユーザのユーザIDとが含まれる。ブロックチェーンがトークン移転指示を実行することにより、NFTの保有者の識別情報が、購入要求に含まれるユーザIDに変更され、NFTの保有者がユーザから他のユーザに移転される。
【0055】
当該NFTの保有者の識別情報が変更されたことに応じて、ブロックチェーンは、当該NFTに関連付けられているスマートコントラクトを実行する。これにより、上述したように所定額の金銭を所定の店舗の口座に送金する送金処理を行うか否かが判定され、当該送金処理を行うと判定されると、送金処理が実行される。
【0056】
特典付与部134は、所定の店舗においてNFTの認証が行われ、当該NFTの認証に成功したことを条件として、当該NFTの保有者に特典を付与する。情報処理装置1によりユーザに付与される特典は、例えば、所定の店舗が発行したNFTとは異なる他のNFTであって、所定の店舗において所定の商品と交換可能な他のNFTである。
【0057】
例えば、所定の店舗の店舗端末は、ユーザから、ユーザのユーザIDと、ユーザが保有しているNFTのトークンIDとを含む、NFTの認証要求を受け付ける。店舗端末は、認証要求を受け付けると、ブロックチェーンにおいて、認証要求に含まれるトークンIDに、認証要求に含まれるユーザIDが関連付けられているか否かを判定する。店舗端末は、ブロックチェーンにおいて、認証要求に含まれるトークンIDに、認証要求に含まれるユーザIDが関連付けられていると判定すると、NFTの認証に成功したと判定し、当該ユーザIDを含む特典の付与指示を情報処理装置1に送信する。特典付与部134は、特典の付与指示を受信すると、他のNFTを、付与指示に含まれるユーザIDのユーザに付与するトークン付与指示を、ブロックチェーンを構成する分散サーバに送信する。
【0058】
[動作シーケンス]
続いて、NFTが移転されるまでの情報処理装置1、ブロックチェーン、及びスマートコントラクトの処理の流れについて説明する。図4は、所定の店舗において商品が購入されてからNFTが移転されるまで処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0059】
まず、情報処理装置1の付与部131は、所定の店舗においてユーザがユーザ端末2を用いて商品を購入したことに応じて、ユーザ端末2からNFTの付与要求を受信する(S1)。
【0060】
続いて、付与部131は、付与要求に含まれる決済IDに基づいて当該決済IDを含むユーザの決済情報を特定し、当該決済情報が第1条件を満たしている場合に、当該ユーザに付与する対象となるNFTを特定する(S2)。そして、付与部131は、特定したNFTを付与するトークン付与指示をブロックチェーンに送信する(S3)。トークン付与指示には、付与対象のNFTのトークンIDと、ユーザIDとが含まれている。
【0061】
ブロックチェーンは、トークン付与指示を受信すると、トークン付与指示に含まれているトークンIDのNFTを、トークン付与指示に含まれているユーザIDのユーザに付与するトークン付与処理を実行する(S4)。
【0062】
その後、移転受付部132は、NFTの保有者であるユーザから、NFTの販売を受け付けるとともに(S5)、NFTの購入を機能する他のユーザの端末から、NFTの購入要求を受信することによりNFTの購入を受け付ける(S6)。
【0063】
移転処理部133は、移転受付部132がNFTの購入要求を取得して当該NFTの移転を受け付けると、NFTを購入する他のユーザにNFTを移転するトークン移転指示をブロックチェーンに送信する(S7)。トークン移転指示には、移転対象のNFTのトークンIDと、NFTの移転先の他のユーザのユーザIDとが含まれている。
【0064】
ブロックチェーンは、トークン移転指示を受信すると、トークン移転指示に含まれているトークンIDのNFTを、トークン移転指示に含まれているユーザIDのユーザに移転するトークン移転処理を実行する(S8)。トークンIDに関連付けられているNFTの保有者の識別情報が、トークン移転指示に含まれているユーザIDに変更されたことに応じて、ブロックチェーンは、当該NFTに関連付けられているスマートコントラクトを実行する。これにより、スマートコントラクトは、所定額の金銭を所定の店舗の口座に送金する送金処理を実行する(S9)。
【0065】
[変形例]
上述の実施の形態において付与部131は、所定の店舗においてユーザが決済を行った場合に、所定の店舗が発行したNFTを当該ユーザに付与したが、これに限らない。付与部131は、所定の店舗においてユーザが、所定の決済事業者が提供する決済手段を行って決済を行った場合に、ユーザに、当該所定の決済事業者が発行したNFTを付与してもよい。このようにすることで、NFTが付与されることを所望するユーザは所定の決済事業者が提供する決済手段を利用することとなる。したがって、情報処理装置1は、当該決済手段の普及を進めることができる。
【0066】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する。そして、当該スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で非代替性トークンの保有者が移転すると、保有者がユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う。このようにすることで、情報処理装置1及びスマートコントラクトは、店舗に対応する非代替性トークンの移転に伴う店舗における売上機会の損失を補償することができる。
【0067】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 付与部
132 移転受付部
133 移転処理部
134 特典付与部
【要約】
【課題】店舗に対応する非代替性トークンの移転に伴う店舗における売上機会の損失を補償する。
【解決手段】情報処理装置1は、所定の店舗において商品に対する決済を行ったユーザの決済情報が第1条件を満たしている場合に、ユーザにスマートコントラクトが関連付けられた非代替性トークンを付与する付与部131を有し、スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で非代替性トークンの保有者が移転すると、当該保有者がユーザから他のユーザに移転したことを条件として所定額の金銭を所定の店舗の口座に送金する送金処理を行う。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4