(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-11
(45)【発行日】2024-12-19
(54)【発明の名称】レゾルバステータ及びレゾルバ
(51)【国際特許分類】
G01D 5/20 20060101AFI20241212BHJP
【FI】
G01D5/20 110H
(21)【出願番号】P 2024552322
(86)(22)【出願日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2024006353
【審査請求日】2024-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113791
【氏名又は名称】マブチモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186875
【氏名又は名称】海老澤 知則
(72)【発明者】
【氏名】松縄 暁
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 康平
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-58232(JP,A)
【文献】特開2010-249800(JP,A)
【文献】実開昭61-14886(JP,U)
【文献】特開2021-32718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00-5/252,5/39-5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゾルバロータの回転角を検出するレゾルバに備えられるレゾルバステータであって、
シート状の基板を有し、
前記基板には、入力信号が入力される入力コイルと出力信号を出力する出力コイルとキャンセルコイルとが配置され、
前記キャンセルコイルには、前記入力信号を打ち消す位相の信号が入力される
ことを特徴とする、レゾルバステータ。
【請求項2】
前記入力信号を打ち消す位相の前記信号が、前記入力信号の搬送波の位相に対して90度以上270度以下の範囲で相違する搬送波の位相の信号である
ことを特徴とする、請求項1に記載のレゾルバステータ。
【請求項3】
前記出力コイルが、軸方向からみて、前記入力コイルと前記キャンセルコイルとの間に配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載のレゾルバステータ。
【請求項4】
前記レゾルバは、前記入力コイルとしての第一励磁コイル及び前記出力コイルとしてのトランスコイルを含む第一コイル群と、前記第一励磁コイルと軸倍角が異なる第二励磁コイルを含む第二コイル群とを具備する複合レゾルバであり、
前記第二励磁コイルが、前記キャンセルコイルとして前記基板に配置される
ことを特徴とする、請求項1に記載のレゾルバステータ。
【請求項5】
前記第一励磁コイルの軸倍角がaXであり、
前記第二励磁コイルの軸倍角がbX(a,bは自然数であって、1≦b≦a-1)である
ことを特徴とする、請求項4に記載のレゾルバステータ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のレゾルバステータと、
前記レゾルバステータに対して軸方向に対向配置されるレゾルバロータと、を備える
ことを特徴とする、レゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、レゾルバステータ、及び、当該レゾルバステータを備えるレゾルバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状のコイル(「シートコイル」ともよばれる)を備えるレゾルバステータ及びレゾルバロータを具備するシート型レゾルバでは、ノイズに対する信号の比(S/N比)を向上させる種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、モータに取り付けられるレゾルバにおいて、非磁性導電体で形成された基板と、当該基板上に形成された複数のコイルパターン(コイル)と、当該基板及び複数のコイルの間に配置された磁性コアとを備えるものが開示されている。特許文献1によれば、複数のコイルを非磁性導電体の基板でシールドすることで、モータの交番磁界の影響を排除できるとされている。また、非磁性導電体よりなる基板の作用でコイルの磁束が打ち消されることを、磁性コアにより防止でき、これによって、S/N比を向上させることができるとされている。なお、特許文献1のレゾルバでは、複数のコイルとして、検出コイル又は励磁コイルとトランスコイルとが同じ基板上に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示のようなレゾルバでは、同じ基板上に形成された複数のコイル同士の間が寄生容量となり得る。ここで、寄生容量とは、電子部品の内部或いは電子回路の中で、設計意図とは無関係に、物理的な構造に起因して寄生的に存在する容量(コンデンサ成分)を意味する。特許文献1に開示のようなレゾルバでは、このような寄生容量を通じて、検出コイル又は励磁コイルからトランスコイルに、或いはこの逆に、ノイズが伝搬し、S/N比の低下を招き得る。
【0005】
本件のレゾルバステータ及びレゾルバは、このような課題に鑑み案出されたもので、S/N比を向上させ、レゾルバの検出精度を向上させることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のレゾルバステータ及びレゾルバは、以下に開示する態様(適用例)として実現でき、上記の課題の少なくとも一部を解決する。
【0007】
開示のレゾルバステータは、レゾルバロータの回転角を検出するレゾルバに備えられるレゾルバステータであって、シート状の基板を有する。前記基板には、入力信号が入力される入力コイルと出力信号を出力する出力コイルとキャンセルコイルとが配置され、前記キャンセルコイルには、前記入力信号を打ち消す位相の信号が入力される。
【0008】
開示のレゾルバは、上記の態様に記載のレゾルバステータと、前記レゾルバステータに対して軸方向に対向配置されるレゾルバロータと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
開示のレゾルバステータ及びレゾルバによれば、S/N比を向上させ、レゾルバの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態のレゾルバステータが適用されるレゾルバを軸方向に切断するとともに分解して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、実施形態としてのレゾルバステータ及びレゾルバについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0012】
実施形態のレゾルバは、レゾルバステータ(以下、単に「ステータ」ともいう)に対して、回転軸Cを中心として回転するレゾルバロータ(以下、単に「ロータ」ともいう)の回転角を検出する検出器(センサ)である。実施形態のレゾルバステータは、このようなレゾルバが備えるステータである。
【0013】
実施形態のステータは、シート状の基板を有する。基板には、入力信号が入力される入力コイルと、出力信号を出力する出力コイルとが配置される。基板には、さらに、入力信号を打ち消す位相の信号が入力されるキャンセルコイルが配置される。実施形態のステータは、同じ基板上に設けられた入力コイルと出力コイルとが意図せず電気的に結合されることで、出力信号に干渉する入力信号の一部(ノイズ)の影響低減(S/N比の低下抑制)を図るものであり、キャンセルコイルに入力される信号で上記のノイズを打ち消すことを特徴とする。これにより、S/N比が向上し、レゾルバの検出精度の向上が図られる。
【0014】
以下の説明では、回転軸Cが延びる方向(回転軸方向)を軸方向と定義し、軸方向に直交する方向であって回転軸Cから離れる方向及び回転軸Cに向かう方向を径方向と定義する。また、径方向において、回転軸C側を径方向内側とし、これと反対側(回転軸Cから離れる側)を径方向外側と定義する。軸方向に直交する方向であって回転軸C回りに周回する方向を周方向と定義する。
【0015】
[1.構成]
図1は本実施形態のステータ2(レゾルバステータ)が適用されるレゾルバ1を軸方向に切断するとともに分解して示した斜視図であり、
図2はレゾルバ1の構成を示す模式図である。レゾルバ1は、例えば図示しないサーボモータに適用される。
図1及び
図2に示すように、レゾルバ1は、ステータ2とロータ3(レゾルバロータ)とを備える。ロータ3は、ステータ2に対して軸方向の第一方向D1に僅かな隙間をあけて配置される。以下、軸方向において、第一方向D1とは反対の方向を第二方向D2という。
【0016】
ステータ2及びロータ3のそれぞれは、
図1に示すようにシート状の基板26,36を有する。基板26,36のそれぞれには、
図2に示すように、複数のコイル11~15,21~25(シートコイル)が形成(プリント)される。つまり、レゾルバ1は、複数のシートコイル11~15,21~25を有するシート型レゾルバである。このようにシートコイルを用いることで、各コイル11~15,21~25の薄型化を図ることができ、延いては、レゾルバ1の薄型化が図られる。
【0017】
本実施形態において、レゾルバ1は、複数の軸倍角を利用して回転角を検出する複合レゾルバ(複速度レゾルバ)であり、軸倍角がaX(aは、自然数)である第一励磁コイル11,12を含む第一コイル群10と、軸倍角がbX(bは、自然数であって、1≦b≦a-1)である第二励磁コイル21,22を含む第二コイル群20とを備える。例えば、第一励磁コイル11,12の軸倍角は、nX(nは、2以上の自然数)とされ、第二励磁コイル21,22の軸倍角は、1Xとされてよい。レゾルバ1は、nの値が大きいほど角度分解能が向上する。なお、本発明において、第二コイル群20の軸倍角は1Xでなくてもよい。但し、第二コイル群20の軸倍角は、nよりも小さい自然数の軸倍角であることが好ましい。
【0018】
また、レゾルバ1は、2入力1出力のレゾルバである。第一コイル群10には、二つの第一励磁コイル11,12と、第一検出コイル13と、第一送信コイル14と、第一受信コイル15(トランスコイル)と、の五つのコイルが含まれる。二つの第一励磁コイル11,12としては、第一正弦励磁コイル11と第一余弦励磁コイル12とが設けられる。また、第二コイル群20には、二つの第二励磁コイル21,22と、第二検出コイル23と、第二送信コイル24と、第二受信コイル25と、の五つのコイルが含まれる。二つの第二励磁コイル21,22としては、第二正弦励磁コイル21と第二余弦励磁コイル22とが設けられる。
【0019】
第一励磁コイル11,12と、第一受信コイル15と、第二励磁コイル21,22と、第二受信コイル25とは、ステータ2の第一基板26に設けられ、信号処理回路4(外部装置)と電気的に接続される。以下、これらのコイル11,12,15,21,22,25をまとめて「ステータ側コイル」ともいう。第一励磁コイル11,12には、信号処理回路4で生成された第一入力信号S1(入力信号)入力され、第二励磁コイル21,22には、信号処理回路4で生成された第二入力信号S2が入力される。第一受信コイル15は、信号処理回路4に第一出力信号S3(出力信号)を出力し、第二受信コイル25は、信号処理回路4に第二出力信号S4を出力する。
【0020】
本実施形態のレゾルバ1は、同じ第一基板26上に設けられた第一励磁コイル11,12と第一受信コイル15とが意図せず電気的に結合されることで、第一出力信号S3に干渉する第一入力信号S1の一部(ノイズ)の影響低減を図るものである。レゾルバ1では、第二励磁コイル21,22に入力される第二入力信号S2で、上記のノイズが打ち消される(相殺される)。つまり、第一励磁コイル11,12が上述の「入力コイル」であり、第一受信コイル15が上述の「出力コイル」であり、第二励磁コイル21,22が上述の「キャンセルコイル」である。
【0021】
ステータ2は、レゾルバ1が適用される装置(例えばサーボモータやサーボモータが取り付けられる装置)の図示しないケーシングに対して固定される部品であり、シート状の第一基板26を有する。本実施形態において、ステータ2は、
図1及び
図2に示すように、第一基板26に対して軸方向に重ねて配置されたコア27と、コア27に対して軸方向に重ねて配置された金属板28とをさらに備える。
【0022】
第一基板26は、非導電性の樹脂(例えばポリイミド)により形成された薄いシートである。第一基板26は、例えば、
図1に示すように、回転軸Cを中心に展開された円環状の基板部26Aと、基板部26Aの外周縁の一部から径方向外側に凸設された矩形状のコネクタ部26Bとを有する。
【0023】
基板部26Aには、
図2に示すステータ側コイルが形成される。基板部26Aは、
図2に示すように、軸方向において、ステータ側コイルよりも大きな厚みを有する。ステータ側コイルは、基板部26Aにおいて、軸方向に露出することなく(すなわち、基板部26Aに内蔵されるように)形成される。したがって、ステータ側コイルは、その軸方向の両側が、基板部26Aの一部をなすポリイミドのシートに被覆されるとも換言される。なお、ステータ側コイルの各々には、例えば、銅箔が用いられる。
【0024】
コネクタ部26Bは、ステータ側コイルの信号線が配策される部位であり、
図1に示すように、その径方向外側の端部が信号処理回路4のコネクタ部4Aに接続される。これにより、ステータ側コイルのそれぞれが、信号処理回路4と電気的に接続される。なお、ステータ側コイルの信号線には、例えば、銅箔が用いられる。
【0025】
基板部26Aにおける、ステータ側コイルの形状や径方向及び周方向の配置は特に限定されない。本実施形態では、一例として、
図2に示すように、第一励磁コイル11,12と、第一受信コイル15と、第二励磁コイル21,22と、第二受信コイル25とのそれぞれが、この順で径方向外側から内側へ隙間をあけて配置される。
【0026】
基板部26Aには、例えば、
図1に示すように、互いに径方向に離隔して設けられるとともに回転軸Cを中心とした円環状をなす四つの領域R1,R2,R3,R4が設けられる。ステータ側コイルのそれぞれは、四つの領域R1,R2,R3,R4のそれぞれに配置される。以下、四つの領域R1,R2,R3,R4のうち最も径方向外側に位置するものから内側に向けて順に、第一領域R1,第二領域R2,第三領域R3,第四領域R4という。
【0027】
第一励磁コイル11,12は、最も径方向外側に設けられた第一領域R1に形成され、第一領域R1内にn個の磁極対を形成する。なお、第一領域R1において、二つの第一励磁コイル11,12は、
図2に示すように軸方向に重なるように配置されてもよく、径方向に並んで配置されてもよい。或いは、二つの第一励磁コイル11,12は、軸方向の同位置で周方向に互い違いとなるように配置されてもよい。
【0028】
第一受信コイル15は、第一領域R1の径方向内側に隣接配置された第二領域R2に形成される。つまり、第一受信コイル15は、軸方向からみて、第一励磁コイル11,12に隣接配置される。第一受信コイル15は、第一送信コイル14から信号を受信するトランスコイルであり、第二領域R2内に回転軸Cを中心として巻線が螺旋状に配策されることで形成される。
【0029】
第二励磁コイル21,22は、第二領域R2の径方向内側に隣接配置された第三領域R3に形成され、第三領域R3内に1個の磁極対を形成する。つまり、第二励磁コイル21,22は、軸方向からみて、第一受信コイル15に隣接配置される。言い換えれば、第一受信コイル15は、第一励磁コイル11,12と第二励磁コイル21,22との間に配置され、第一励磁コイル11,12及び第二励磁コイル21,22のそれぞれと第一受信コイル15との間には、第二受信コイル25が配置されない。なお、二つの第二励磁コイル21,22は、二つの第一励磁コイル11,12と同様に、第三領域R3において、
図2に示すように軸方向に重なるように配置されてもよく、そうでなくてもよい。
【0030】
第二受信コイル25は、最も径方向内側に設けられた第四領域R4に形成される。第二受信コイル25は、第二送信コイル24から信号を受信するトランスコイルであり、第四領域R4内に回転軸Cを中心として巻線が螺旋状に配策されることで形成される。
【0031】
コア27は、第一基板26に対して第二方向D2側(ロータ3から離れる側)に積層されるとともにステータ側コイルの各々に対して軸方向に対向配置される磁性体の部材である。コア27に用いる磁性材には、例えば、電磁鋼板やアモルファス、フェイライト粉末を含む磁性シートなどが挙げられる。コア27は、例えば、
図1に示すように、四つの領域R1,R2,R3,R4の各々と略同径の環状をなす複数の部材から構成されてもよい。
【0032】
金属板28は、コア27に対して第二方向D2側に積層される金属製の部材であり、例えば、軸方向からみて第一基板26の基板部26Aと略同等の外形をなし、基板部26Aを第二方向D2側から覆う板状(シート状)をなす。コア27に対して、金属板28は、図示しない金属のねじなどで直接固定されてもよく、図示しない接着シート(絶縁材)を介して配置されてもよい。
【0033】
金属板28には、例えば、非磁性のアルミ材のシートが用いられる。但し、金属板28は、非磁性材でなくてもよく、例えば、鉄板のような磁性材であってもよい。ステータ2は、金属板28が設けられることで、薄いシート状である第一基板26やコア27のみで構成される場合と比較して、その剛性が高められ、形状の歪みが抑えられる。さらに、ステータ2をケースなどの他の構造物に固定する場合に、ねじ止め、カシメ、溶接などの作業が容易になる。金属板28が、非磁性材である場合には、モータなどの磁気装置からの漏れ磁束の影響(外部磁束によるノイズ)を受けにくい。金属板28の遮蔽物としての外部のノイズ(電磁波)に対するシールド効果は、電気抵抗が低い金属素材の方が高められる。例えば、銅などでもよい。
【0034】
ロータ3は、ステータ2に対して回転軸Cと一体で(回転中心まわりに)回転可能に軸支される部品である。ロータ3は、例えば、
図1及び
図2に示すように、第二基板36と、コア37と、金属板38とを備える。
【0035】
第二基板36は、第一基板26と同様に、非導電性の樹脂(例えばポリイミド)により形成された薄いシートである。第二基板36には、
図2に示す第一検出コイル13と第一送信コイル14と第二検出コイル23と第二送信コイル24とが形成される。第二基板36において、これらのコイル13,14,23,24は、第一基板26に形成されるステータ側コイルと同様に、その軸方向の両側が、第二基板36の一部をなすポリイミドのシートに被覆されてよい。なお、これらのコイル13,14,23,24には、例えば、銅箔が用いられる。第二基板36は、例えば、
図1に示すように、軸方向からみて第一基板26の基板部26Aと同等の径を持つ円環状をなす。
【0036】
第二基板36において、第一検出コイル13と第一送信コイル14と第二検出コイル23と第二送信コイル24とのそれぞれは、第一励磁コイル11,12と第一受信コイル15と第二励磁コイル21,22と第二受信コイル25とのそれぞれに軸方向に対向配置される。例えば、第一検出コイル13は、第一領域R1と同径の環状の第五領域R5(
図1参照)に設けられ、第一送信コイル14は、第二領域R2と同径の環状の第六領域R6(
図1参照)に設けられる。第二検出コイル23は、第三領域R3と同径の環状の第七領域R7(
図1参照)に設けられ、第二送信コイル24は、第四領域R4と同径の環状の第八領域R8(
図1参照)に設けられる。
【0037】
第一検出コイル13と第一送信コイル14とは、
図2に示すように、互いに電気的に接続(直列接続)される。また、第二検出コイル23と第二送信コイル24とは、互いに電気的に接続(直列接続)される。第一検出コイル13は、第一励磁コイル11,12と同様、軸倍角がnXであり、第五領域R5内にn個の磁極対を形成する。第二検出コイル23は、第二励磁コイル21,22と同様、軸倍角が1Xであり、第七領域R7内に1個の磁極対を形成する。また、第一送信コイル14及び第二送信コイル24の各々は、第一受信コイル15及び第二受信コイル25の各々に信号を送信するトランスコイルであり、第六領域R6及び第八領域R8のそれぞれに、回転軸Cを中心として巻線が螺旋状に配策されることで形成される。
【0038】
コア37は、第二基板36に対して第一方向D1側(ステータ2から離れる側)に積層されるとともに、第一検出コイル13と第一送信コイル14と第二検出コイル23と第二送信コイル24との各々に対して軸方向に対向配置される磁性体の部材である。コア37には、ステータ2のコア27と同様の磁性材が用いられてよい。コア37は、例えば、
図1に示すように、四つの領域R5,R6,R7,R8の各々と略同径の環状をなす複数の部材から構成されてもよい。
【0039】
金属板38は、コア37に対して介して第一方向D1側に重ねて配置される部材であり、例えば、軸方向からみて第二基板36と略同等の外形をなし、第二基板36を第一方向D1側から覆う板状(シート状)をなす。金属板38には、例えば、ステータ2の金属板28と同様に、非磁性のアルミ材のシートが用いられてよい。また、金属板38は、ステータ2の金属板28と同様に、図示しない接着シート(絶縁材)を介して、コア37に対して配置されてよい。
【0040】
信号処理回路4は、第一入力信号S1及び第二入力信号S2を生成するとともに、受信した第一出力信号S3及び第二出力信号S4に基づいてステータ2に対するロータ3の回転角(角度情報7)を出力する電気回路である。信号処理回路4は、例えば、レゾルバ1の外部に設けられ、
図1に示すように、軸方向においてステータ2及びロータ3とは異なる位置で、回転軸Cを中心に展開された円環状の基板に形成されてよい。
【0041】
信号処理回路4には、
図2に示すように、信号生成回路5と信号処理回路6とが内蔵される。信号生成回路5は、第一入力信号S1及び第二入力信号S2を生成して、第一励磁コイル11,12及び第二励磁コイル21,22に入力する。信号処理回路6は、第一受信コイル15及び第二受信コイル25から出力された第一出力信号S3及び第二出力信号S4に基づいて回転角に対応する角度情報7を出力する。
【0042】
本実施形態においてレゾルバ1は、振幅変調された高周波(例えば100kHz以上)の交流信号(信号波形に搬送波と変調波とを含む信号)を入力し、それを用いて第一検出コイル13及び第二検出コイル23に生じる位相変調された信号から回転角を検出する変調波型レゾルバである。信号生成回路5は、第一入力信号S1として、振幅変調された交流信号(励磁信号)を第一励磁コイル11,12に入力する。信号生成回路5は、変調波の位相が互いに90度相違する交流信号を第一正弦励磁コイル11と第一余弦励磁コイル12とのそれぞれに入力する。
【0043】
また、信号生成回路5は、キャンセルコイルとしての第二励磁コイル21,22に、振幅変調された交流信号(励磁信号)であって第一入力信号S1を打ち消す位相の信号を第二入力信号S2として入力する。信号生成回路5は、変調波の位相が互いに90度相違する交流信号を第二正弦励磁コイル21と第二余弦励磁コイル22とのそれぞれに入力する。
【0044】
信号生成回路5は、上記の「第一入力信号S1を打ち消す位相の信号」として、第一入力信号S1の搬送波の位相に対して、電気角の位相が90度以上270度以下の範囲で相違する搬送波の位相の信号を第二励磁コイル21,22に入力する。本実施形態の信号生成回路5は、第一入力信号S1の搬送波の位相とは逆位相の信号(180度位相が相違する信号)を第二励磁コイル21,22に入力する。
【0045】
具体的には、信号生成回路5は、軸倍角がnXである第一励磁コイル11,12のうち、第一正弦励磁コイル11に、sin(ωct)・cos(ωmt)のコサイン波形の第一正弦励磁信号S11を第一入力信号S1として入力する。また、第一余弦励磁コイル12に、第一正弦励磁信号S11の変調波〔cos(ωmt)〕の位相に対して90度相違する、sin(ωct)・sin(ωmt)のサイン波形の第一余弦励磁信号S12を第一入力信号S1として入力する。
【0046】
信号生成回路5は、軸倍角が1Xである第二励磁コイル21,22のうち、第二正弦励磁コイル21に、第一正弦励磁信号S11の搬送波〔sin(ωct)〕の位相に対し逆位相となる、-sin(ωct)・cos(ωmt)のコサイン波形の第二正弦励磁信号S21を第二入力信号S2として入力する。また、第二余弦励磁コイル22に、第一余弦励磁信号S12の搬送波〔sin(ωct)〕の位相に対し逆位相となるとともに第二正弦励磁信号S21の変調波〔cos(ωmt)〕の位相に対して90度相違する、-sin(ωct)・sin(ωmt)のサイン波形の第二余弦励磁信号S22を第二入力信号S2として入力する。
【0047】
第一コイル群10では、第一励磁コイル11,12に第一入力信号S1が入力されると、第一励磁コイル11,12が励磁して磁束を発生する(
図2の白抜き矢印参照)。この磁束は、ロータ3側の第一検出コイル13に鎖交して誘起電圧が発生する。これにより、第一検出コイル13では、位相変調された信号(位相情報を含む合成波形)が生じ、第一送信コイル14が励磁して磁束を発生する(
図2の黒塗りの矢印参照)。この磁束は、ステータ2側の第一受信コイル15に鎖交して誘起電圧が発生する。この誘起電圧の波形(位相情報を含む合成波形)が第一出力信号S3として信号処理回路6に出力され、信号処理回路6にて回転角に対応する角度情報7に変換されて出力される。
【0048】
第二コイル群20においても同様であり、第二励磁コイル21,22に第二入力信号S2が入力されると、第二励磁コイル21,22が励磁して磁束を発生する(
図2の白抜き矢印参照)。この磁束は、ロータ3側の第二検出コイル23に鎖交して誘起電圧が発生する。これにより、第二検出コイル23では、位相変調された信号(位相情報を含む合成波形)が生じ、第二送信コイル24が励磁して磁束を発生する(
図2の黒塗りの矢印参照)。この磁束は、ステータ2側の第二受信コイル25に鎖交して誘起電圧が発生する。この誘起電圧の波形(位相情報を含む合成波形)が第二出力信号S4として信号処理回路6に出力され、信号処理回路6にて回転角に対応する角度情報7に変換されて出力される。
【0049】
ここで、上述のようなレゾルバ1のステータ2では、同じ第一基板26に形成された第一励磁コイル11,12と第一受信コイル15との間の隙間(径方向の隙間)が寄生容量となり得る。なお、ここでいう寄生容量とは、電子部品の内部或いは電子回路の中で、設計意図とは無関係に、物理的な構造に起因して寄生的に存在する容量(コンデンサ成分)を意味する。
【0050】
ステータ2では、当該寄生容量を通じて、第一励磁コイル11,12に入力された第一入力信号S1の一部が漏れて、第一受信コイル15にノイズとして伝搬され得る。詳述すると、
図3に破線で示すように、ステータ2では、第一正弦励磁コイル11と第一受信コイル15との間の隙間が寄生容量となる。当該寄生容量により第一正弦励磁コイル11と第一受信コイル15とが意図せず電気的に結合して、第一正弦励磁信号S11の一部が正弦ノイズS11′として第一受信コイル15に伝搬される。同様に、第一余弦励磁コイル12と第一受信コイル15との間の隙間が寄生容量となり、当該寄生容量により第一余弦励磁信号S12の一部が余弦ノイズS12′として第一受信コイル15に伝搬される。
【0051】
これにより、第一受信コイル15では、第一送信コイル14から受信した信号S15(以下、「受信信号S15」という)に、寄生容量を通じて伝搬された第一入力信号S1の一部がノイズ(正弦ノイズS11′及び余弦ノイズS12′)として干渉し、ノイズを含む波形が第一出力信号S3として信号処理回路6に出力され得る。これにより、S/N比が低下し、レゾルバ1の検出精度が低下し得る。
【0052】
そこで、本実施形態のステータ2では、第一出力信号S3へのこのようなノイズの影響低減を図る構成として、第二励磁コイル21,22がキャンセルコイルとして設けられ、第二励磁コイル21,22に第一入力信号S1を打ち消す位相の信号が入力される。ステータ2では、第二励磁コイル21,22と第一受信コイル15との間の隙間が寄生容量となり、当該寄生容量を通じて、第二入力信号S2の一部が、第一受信コイル15に伝搬される。これにより、第一受信コイル15に伝搬された第一入力信号S1の一部が、第二入力信号S2の一部で打ち消されるので、S/N比の向上が図られる。
【0053】
詳述すると、ステータ2では、
図3に破線で示すように、第二正弦励磁コイル21と第一受信コイル15との間の隙間が寄生容量となる。当該寄生容量により、第二正弦励磁コイル21と第一受信コイル15とが結合して、第二正弦励磁信号S21の一部が、正弦打消信号S21′として第一受信コイル15に伝搬される。同様に、第二余弦励磁コイル22と第一受信コイル15との間の隙間が寄生容量となり、当該寄生容量により第二余弦励磁信号S22の一部が余弦打消信号S22′として第一受信コイル15に伝搬される。
【0054】
これにより、第一受信コイル15では、正弦ノイズS11′と正弦打消信号S21′とが互いに打ち消し合い(
図3の符号CXL)、余弦ノイズS12′と余弦打消信号S22′とが互いに打ち消し合う(
図3の符号CXL)。このように、第一受信コイル15に伝搬されたノイズS11′,S12′が打消信号S21′,S22′に相殺されることで、第一受信コイル15では、受信信号S15が第一出力信号S3として信号処理回路4に出力される。
【0055】
[2.作用,効果]
(1)上述したステータ2及びレゾルバ1では、第一基板26に、第一入力信号S1が入力される第一励磁コイル11,12(入力コイル)と、第一出力信号S3を出力する第一受信コイル15(出力コイル)とが配置される。第一基板26には、さらに、キャンセルコイルとしての第二励磁コイル21,22が配置される。第二励磁コイル21,22には、第一入力信号S1を打ち消す位相の第二入力信号S2が入力される。
【0056】
第一受信コイル15では、同じ第一基板26に配置された第一励磁コイル11,12との間が寄生容量となり、第一入力信号S1の一部がノイズ(ノイズS11′,S12′)として、第一受信コイル15に伝搬されて第一出力信号S3に干渉する。しかし、第一受信コイル15では、同じ第一基板26に配置された第二励磁コイル21,22との間に発生する寄生容量を通じて伝搬された第二入力信号S2の一部(打消信号S21′,S22′)で、上記のノイズを打ち消すことができる。
【0057】
このように、上述したステータ2及びレゾルバ1では、第一励磁コイル11,12とは別の第二励磁コイル21,22と第一受信コイル15との間に寄生的に発生する寄生容量を利用することで、ノイズ成分となる信号同士を第一受信コイル15内で相殺させて除去することができる。よって、S/N比を向上させ、レゾルバ1の検出精度を向上させることができる。
【0058】
特に、シート状の基板26,36に形成されたコイル11~15,21~25を有するシート型レゾルバ1では、各コイル11~15,21~25の巻数を十分に確保することが難しい。このため、第一励磁コイル11,12や第一送信コイル14の磁束が弱くなりやすく、受信信号S15の強度が弱くなりやすい。このようなレゾルバ1において、第一入力信号S1を打ち消す位相の第二入力信号S2が入力される第二励磁コイル21,22を設け、第一受信コイル15内でノイズ成分となる信号同士を相殺させれば、受信信号S15の強度が弱くてもS/N比を向上させることができるため、レゾルバ1の検出精度を向上させることができる。
【0059】
(2)上述したステータ2及びレゾルバ1では、第一入力信号S1を打ち消す位相の第二入力信号S2として、第一入力信号S1の搬送波の位相に対して90度以上270度以下の範囲で相違する搬送波の位相の信号が入力される。このような第一入力信号S1と第二入力信号S2との搬送波の位相差により、ノイズS11′,S12′を打消信号S21′,S22′で適切に相殺させることができるので、レゾルバ1の検出精度を向上させることができる。
【0060】
(3)上述したステータ2及びレゾルバ1では、第一励磁コイル11,12と第二励磁コイル21,22との間に、第一受信コイル15が配置される。このような配置構成により、第一受信コイル15に伝搬されるノイズS11′,S12′及び打消信号S21′,S22′の信号強度を同等とすることができる。よって、第一受信コイル15内でノイズ成分となる信号同士をより適切に相殺させることができるので、レゾルバ1の検出精度を向上させることができる。
【0061】
(4)上述したレゾルバ1は、入力コイルとしての第一励磁コイル11,12及び出力コイルとしての第一受信コイル15を含む第一コイル群10と、第一励磁コイル11,12と軸倍角が異なる第二励磁コイル21,22を含む第二コイル群20とを具備する複合レゾルバである。このように、第二コイル群20の第二励磁コイル21,22をキャンセルコイルとして活用することで、ノイズキャンセル専用のコイルを敢えて設けることなく、第一励磁コイル11,12から漏れた信号(ノイズS11′,S12′)を打ち消すことができる。
【0062】
(5)特に、上述したステータ2のように、第一励磁コイル11,12の軸倍角が第二励磁コイル21,22の軸倍角よりも大きい場合には、第二領域R2内に形成される第二励磁コイル21,22の一つの磁極の大きさと比較して、第一領域R1内に形成される第一励磁コイル11,12の一つの磁極の大きさが小さくなり得る。このため、第一励磁コイル11,12の各磁極の磁束が弱くなりやすく、受信信号S15の強度が弱くなりやすい。このようなレゾルバ1において、第二コイル群20の第二励磁コイル21,22を活用して、第一受信コイル15内でノイズ成分となる信号同士を相殺させれば、受信信号S15の強度が弱くてもS/N比を向上させることができる。したがって、レゾルバ1の検出精度を向上させることができる。言い換えれば、軸倍角が小さい方の励磁コイル(第二励磁コイル21,22)をキャンセルコイルとして活用することで、軸倍角が大きい方の励磁コイル(第一励磁コイル11,12)を含むコイル群の受信信号のS/N比を、部品の追加を伴わず且つ適切に向上させることができる。
【0063】
[3.その他]
上述したステータ2及びレゾルバ1の構成は一例であり、上述した構成に限らない。ステータ2は、少なくとも、入力信号が入力される入力コイルと、出力信号を出力する出力コイルと、入力信号を打ち消す位相の信号が入力されるキャンセルコイルと、これらのコイルが配置される基板とを有するものであればよい。例えば、第一励磁コイル11,12及び第二励磁コイル21,22の軸倍角は上記のものに限らず、例えば、第一励磁コイル11,12の軸倍角が1Xであり、第二励磁コイル21,22の軸倍角がnXであってもよい。
【0064】
ステータ2は、複数の軸倍角を利用して回転角を検出する複合レゾルバ1のステータ2でなくてもよく、一つの軸倍角を利用して回転角を検出するレゾルバのステータであってもよい。この場合、第二コイル群20のコイル21~25は省略されてよく、第二励磁コイル21,22に代えて、第一入力信号S1(入力信号)を打ち消す位相の信号が入力されるキャンセルコイル専用のコイルがステータに設けられてもよい。
【0065】
ステータ2は、2入力1出力のレゾルバ1のステータ2でなくてもよく、1入力2出力のレゾルバのステータであってもよい。この場合、ステータには、一つの入力コイルと二つの出力コイルと一つのキャンセルコイルとが設けられてよい。つまり、レゾルバ1は、2入力1出力の検出器でなくてもよく、1入力2出力の検出器であってもよい。
【0066】
レゾルバ1は、励磁コイル11,12,21,22がステータ2に設けられ、検出コイル13,23がロータ3に設けられたものでなくてもよい。レゾルバは、例えば、励磁コイルがロータに設けられ、検出コイルがステータに設けられたものでもよい。或いは、レゾルバは、励磁コイル及び検出コイルがステータに設けられ、ロータが、回転角に応じた大きさで励磁コイルの磁界を打ち消す方向に反磁界を生成する導体を有するものであってもよい。つまり、レゾルバのロータにはコイルが設けられていなくてもよい。
【0067】
ステータは、少なくとも、同じ基板に入力コイルと出力コイルとキャンセルコイルとが設けられていればよく、これらの配置は上述したものに限らない。例えば、上述したステータ2では、第一受信コイル15が第一励磁コイル11,12と第二励磁コイル21,22との間に配置されていたが、第一励磁コイル11,12及び第二励磁コイル21,22の双方が第一受信コイル15の径方向内側、又は、径方向外側に配置されてもよい。第一励磁コイル11,12と第二励磁コイル21,22との間に、第一受信コイル15だけでなく第二受信コイル25が配置されてもよい。つまり、上述したステータ側コイルの配置は一例であって、上述した配置に限らない。
【0068】
キャンセルコイルに入力される信号は、少なくとも、入力信号を打ち消す位相の信号であればよく、入力信号の搬送波の位相に対して逆位相の信号でなくてもよい。寄生容量を介して出力コイルに伝搬される入力信号の一部(上述したノイズS11′,S12′)は、寄生容量やインダクタンスの関係で、入力信号と位相がすれることがある。同様に、出力コイルに伝搬されるキャンセルコイルの信号の一部(上述した打消信号S21′,S22′)は、当該キャンセルコイルに入力される信号と位相がすれることがある。したがって、キャンセルコイルに入力される信号の搬送波の位相は、このようなずれを考慮して、入力信号の搬送波の位相に対して90度以上270度以下で相違する範囲で、適宜設定されることが好ましい。
【符号の説明】
【0069】
1 レゾルバ
2 ステータ(レゾルバステータ)
3 ロータ(レゾルバロータ)
4 信号処理回路(外部装置)
10 第一コイル群
11 第一正弦励磁コイル(第一励磁コイル,入力コイル)
12 第一余弦励磁コイル(第一励磁コイル,入力コイル)
15 第一受信コイル(トランスコイル,出力コイル)
20 第二コイル群
21 第二正弦励磁コイル(第二励磁コイル,キャンセルコイル)
22 第二余弦励磁コイル(第二励磁コイル,キャンセルコイル)
26 第一基板(基板)
S1 第一入力信号(入力信号)
S2 第二入力信号(入力信号を打ち消す位相の信号)
S3 第一出力信号(出力信号)
S11 第一正弦励磁信号(入力信号)
S12 第一余弦励磁信号(入力信号)
S21 第二正弦励磁信号(入力信号を打ち消す位相の信号)
S22 第二余弦励磁信号(入力信号を打ち消す位相の信号)
【要約】
レゾルバロータ(3)の回転角を検出するレゾルバ(1)に備えられるレゾルバステータ(2)は、シート状の基板(26)を有する。基板(26)には、入力信号(S1)が入力される入力コイル(11,12)と出力信号(S3)を出力する出力コイル(15)とキャンセルコイル(21,22)とが配置される。キャンセルコイル(21,22)には、入力信号(S1)を打ち消す位相の信号(S2)が入力される。