(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20241213BHJP
【FI】
D06F39/02 A
(21)【出願番号】P 2021140185
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】手島 賢
(72)【発明者】
【氏名】村尾 剛
(72)【発明者】
【氏名】外薗 洸佑
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 晋作
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-020048(JP,A)
【文献】特開2020-058881(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112301674(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に弾性支持された外槽と、
前記外槽に水を供給する給水弁と、
前記外槽に供給される液剤を収容する第1タンクと、
前記第1タンクに接続され
、液剤を吐出す
る第1自動液剤投入装置と、
前記第1自動液剤投入装置と連通する第1接続口
を形成し、前記給水弁と前記外槽とに接続される液剤吐出流路と、
を備え、
前記第1自動液剤投入装置は、開閉する弁構造と、前記弁構造が開放されると液剤が通過する第1吐出口と、を有し、
液剤の吐出方向から見ると、
前記弁構造は、前記第1接続口の内側に
設けられており、
吐出方向と直交する方向から見ると、前記弁構造の端部の少なくとも一部は、前記第1接続口の開口よりも前記液剤吐出流路に向かって突出している、洗濯機。
【請求項2】
前記弁構造は、中心筒部と、前記中心筒部の内部に収容されて前記中心筒部の軸方向に移動可能な弁と、を有する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記弁構造の端部の少なくとも一部は、前記第1接続口
の開口よりも下方に位置する、請求項1
または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記液剤吐出流路は、前記外槽の底部を通過する中心軸から離れる第1方向に沿って下方に
傾斜して延びる、請求項1
から3のいずれか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記弁構造は、前記中心筒部が内側に配置される外周筒部をさらに有し、
前記第1吐出口は、前記外周筒部と前記中心筒部との間で画定される、請求項
2に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記中心筒部は、
前記液剤吐出流路に向かって前記外周筒部から突出する、請求項
5に記載の洗濯機。
【請求項7】
吐出方向と直交する方向から見ると、前記中心筒部は、前記第1接続口
の開口よりも前記液剤吐出流路に向かって突出し、前記外周筒部は、前記第1接続口の開口よりも前記液剤吐出流路に向かって突出していない、請求項
6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記外槽に供給される液剤を収容し、前記第1タンクに対して、前記外槽の底部を通過する中心軸から離れる第1方向に沿って配置される第2タンクと、
前記第2タンクと前記液剤吐出流路とに接続され、第2吐出口から下方に液剤を吐出する第2自動液剤投入装置と、をさらに有する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、液剤の自動投入装置を搭載する洗濯機が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された洗濯機は、2つのタンク、即ち、洗剤タンク及び柔軟仕上剤タンクが装着されるタンクケースを含む自動投入装置を備える。自動投入装置は、洗剤及び柔軟仕上剤を自動で所要量だけタンクから吐出部に供給し、外槽内に投入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の洗濯機において、液剤を貯蔵するタンクと外槽との間において、液剤の詰まりの抑制といった点で未だ改善の余地がある。
【0006】
したがって、本開示の目的は、上記課題を解決することにあり、液剤を貯蔵するタンクと外槽との間において、液剤の詰まりを抑制できる洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の洗濯機は、筐体内に弾性支持された外槽と、外槽に水を供給する給水弁と、外槽に供給される液剤を収容する第1タンクと、第1タンクに接続され、下方に液剤を吐出する第1吐出口を形成する第1自動液剤投入装置と、第1吐出口と連通する第1接続口を上部に形成し、給水弁と外槽とに接続される液剤吐出流路と、を備え、液剤の吐出方向から見ると、第1吐出口は、第1接続口の内側に形成される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、液剤を貯蔵するタンクと外槽との間において、液剤の詰まりを抑制できる洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図10】タンク、液剤投入装置、及び液剤吐出流路の斜視図
【
図14】液剤投入装置が液剤吐出流路に挿入された状態における吐出口の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
本開示の実施形態に係る洗濯機について説明する。
【0011】
[全体構成]
図1は、本開示に係る実施形態の洗濯機1を示す模式断面図である。
図2は洗濯機1の模式正面図である。本実施形態の洗濯機1は、液剤の自動投入機能を有する洗濯乾燥機である。本明細書にて、液剤とは、衣類等の洗濯物15を洗浄するために用いられる液剤であり、洗剤、柔軟剤、中性洗剤等を含む。
【0012】
図1に示すよう、洗濯機1は、筐体2と、外槽3と、内槽4と、駆動部5と、自動投入ユニット6と、接続流路8と、給水弁10と、排水弁11と、制御部(図示せず)と、を備える。
【0013】
<筐体>
筐体2は、洗濯機1の外観を形成する部材である。筐体2の前面には、開口20と、開口20を覆う開閉自在な扉21とが設けられている。
【0014】
<外槽>
外槽3は、筐体2の内部に設けられ、洗濯水を溜める機能を有する大略円筒状の部材である。外槽3は水槽と称してもよい。外槽3は、筒部34と、筒部34の一端を閉じる底部36とを有する。外槽3の中心軸V0は、底部36の中心を通過する。中心軸V0は、水平に対して傾斜される。外槽3は、筐体2の開口20に面する位置に開口31を有し、ベローズ32によって、筐体2の開口20と密閉されて連結される。外槽3にはさらに通水のための開口33、35が設けられる。開口33は、接続流路8に接続される開口であり、開口35は外槽3の水を外部に排水するための排水口である。
【0015】
また、後述において、中心軸V0に沿った水平方向を前後方向M(
図1)として、中心軸V0を含む平面に直交する水平方向を幅方向K(
図2)とする。前後方向Mは、開口31に向かう前側M1と底部36に向かう後側M2を有し、幅方向Kは、中心軸V0から離れる外側K1と中心軸V0に向かう中心側K2を有する。
【0016】
<内槽>
内槽4は、外槽3の内側において中心軸V0周りで回転可能に設けられ、衣類等の洗濯物15を収容する大略円筒状の部材である。内槽4は、ドラムと称してもよい。内槽4には多数の貫通孔40が形成される。貫通孔40は内槽4と外槽3とを連通させ、洗濯水が内槽4から外槽3に移動することを可能にする。内槽4はさらに、筐体2の開口20及び外槽3の開口31に面する位置に、開口41を有する。
【0017】
<駆動部>
駆動部5は、内槽4を中心軸V0周りで回転駆動させる部材である。駆動部5は例えば、内槽4を回転させるモータを有する。
【0018】
<自動投入ユニット>
自動投入ユニット6は、制御部が決めた所定量の液剤を、液剤を貯蔵するタンクから、外槽3に自動で投入するユニットである。自動投入ユニット6は、液剤を手動で投入しない場合に、洗い工程やすすぎ工程等の際に、例えば、洗濯物15の量や種類に応じて、適切な種類の液剤を適切な量において、外槽3に投入する。自動投入ユニット6は、外槽3に液剤を供給するために、接続流路8を介して外槽3に接続される。
【0019】
自動投入ユニット6は、ケース61と、タンク62A、62B、62C(タンク62B、62C図示せず)と、液剤投入装置63A、63B、63C(液剤投入装置63B、63C図示せず)と、液剤吐出流路64と、手動投入部65と、給水電磁弁66を備える。
【0020】
図2に示すように自動投入ユニット6は、筐体2の内部において、外槽3の斜め上方に設けられる。自動投入ユニット6は、筐体2の上面に設けられた開閉可能なカバー60に面する。自動投入ユニット6は、外槽3の筒部34の外周に沿った形状を有する。
【0021】
<接続流路>
接続流路8は、自動投入ユニット6から外槽3に液剤を供給するための流路である。接続流路8は、自動投入ユニット6から外槽3の開口33まで下方に延びる。
【0022】
<給水弁>
給水弁10は、自動投入ユニット6を介して外槽3に水を供給するための弁である。給水弁10は、筐体2の上部に設けられる。
【0023】
<排水弁>
排水弁11は、開閉可能に構成され、開かれると、外槽3に溜められた水を外槽3の開口35を通じて排水するための弁である。排水弁11は、筐体2の下部に設けられる。
【0024】
<制御部>
制御部は、洗濯機1の運転を制御する部材である。制御部は、駆動部5、自動投入ユニット6の液剤投入装置63A、63B、63C、給水弁10、及び排水弁11等の洗濯機1の構成要素を制御する。制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリ(図示せず)と、CPUなどのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)とを備え、プロセッサがプログラムを実行することでこれらの要素として機能してもよい。
【0025】
続いて、自動投入ユニット6の構成要素について、
図3から
図6を参照しながら説明する。
図3及び
図4は、自動投入ユニット6の斜視図である。
図5は、自動投入ユニット6の上面図である。
図6は、自動投入ユニット6の一部の斜視図である。
【0026】
<ケース>
図3に示すように、ケース61は、自動投入ユニット6を構成するタンク62A、62B、62Cと、手動投入部65とを収容する部材である。ケース61の底面55は、点線によって模式的に示す筒部34の外周に沿って、傾斜した形状を有する。
【0027】
ここで、ケース61の前側M1の面を前面56(
図3)として、ケース61の後側M2の面を背面57(
図4)とする。
図4に示すように、ケース61の背面57には、液剤投入装置63A、63B(
図6)、63C(
図6)と、液剤吐出流路64と、給水電磁弁66と、接続流路8とが接続される。
【0028】
図5に示すように、ケース61の上部には、供給流路67が形成される。供給流路67は、ケース61の外周に沿って、複数の独立した経路を形成する。それぞれの経路は、水を給水電磁弁66からケース61の内部に供給する。
【0029】
<給水電磁弁>
図4及び
図5に示すように、3つの電磁弁によって構成され、それぞれの弁の開閉によって、給水先となる供給流路67(
図5)の経路を変更する。
【0030】
<タンク>
図5に示すように、ケース61には、3つのタンク62A、62B、62Cが幅方向Kに並んだ状態で収容される。タンク62A、62B、62Cは、洗い工程及びすすぎ工程で使用する液剤を貯蔵する容器である。例えば、タンク62Aには中性洗剤が貯蔵され、タンク62Bには柔軟剤が貯蔵され、タンク62Cには洗剤が貯蔵される。タンク62A、62B、62Cは、ケース61に対して取り外し可能である。ケース61から手動投入部65を取り出した状態においては、タンク62の前側M1に空いたスペースが形成される。この状態において、タンク62A、62B、62Cを前側M1に引いて液剤投入装置63A、63B、63C(
図6)から取り外し、上方に取り出すことができる。
【0031】
<手動投入部>
手動投入部65は、使用者が1回分の洗濯処理剤としての液剤を、手動で投入するための機構である。手動投入される液剤は、投入された量において、ケース61から接続流路8(
図1)を介して外槽3(
図1)に流入する。手動投入される液剤は、液体または粉末状であってもよい。手動投入部65は、取り外し可能にケース61に収容される。
【0032】
<液剤投入装置>
図6に示すように、液剤投入装置63A、63B、63Cは、タンク62A、62B、62Cから既定量の液剤を吸い出して、液剤吐出流路64に吐出する装置である。液剤投入装置63A、63B、63Cは、ケース61の背面57を介して、前後方向Mにそれぞれのタンク62A、62B、62Cに接続される。タンク62Aには液剤投入装置63Aが接続され、タンク62Bには液剤投入装置63Bが接続され、タンク62Cには液剤投入装置63Cが接続される。液剤投入装置63A、63B、63Cは、幅方向Kに並んで配置される。
【0033】
<液剤吐出流路>
図6に示すように、液剤吐出流路64は、液剤及び水を、ケース61を介して外槽3(
図1)に供給する流路部材である。液剤吐出流路64は、ケース61の背面57に設けられ、3つの液剤投入装置63A、63B、63Cに接続される。液剤吐出流路64は、外槽3の外周に沿って、外側K1に向かって下方に傾斜して延びる。言い換えれば、液剤吐出流路64は、上流から下流に向かって、水平面に対して下方に傾斜して延びる。液剤吐出流路64を流れる流体(例えば、水W0)は、液剤吐出流路64の傾斜に応じて一方向に流れる。
【0034】
続いて、自動投入ユニット6のケース61及び液剤吐出流路64の構造について、
図7、
図8Aから
図8Dを参照しながらより詳細に説明する。
図7はケース61の斜視図である。
図8Aは液剤吐出流路64の分解図である。
図8Bは蓋93の斜視図である。
図8Cは液剤吐出流路64の斜視図である。
図8Dは液剤吐出流路64の断面図である。
【0035】
図7に示すように、ケース61は、内底面B1、B2、B3を有する。内底面B1、B2、B3は外側K1に沿って順番に並ぶ。内底面B1は、タンク62A(
図6)の直下に位置する面であり、内底面B2は、タンク62B(
図6)の直下に位置する面であり、内底面B3は、タンク62C(
図6)の直下に位置する面である。
【0036】
ケース61の背面57には、タンク接続口77A、77B、77Cと、第1ケース接続口78と、第2ケース接続口79と、液剤出口81とが形成される。
【0037】
タンク接続口77A、77B、77Cは、ケース61に収容されたタンク62A、62B、62Cと、ケース61の外部に配置された液剤投入装置63A、63B、63Cとの接続のために設けられた開口である。
【0038】
また、第1ケース接続口78は、供給流路67から流れる水を液剤吐出流路64に流入させる開口である。第2ケース接続口79は、液剤吐出流路64からの水と、自動投入される液剤をケース61に流入させる開口である。液剤出口81は、第2ケース接続口79からケース61に流入した流体と、手動投入部65から流れる流体を、接続流路8を通じて外槽3に向かって排出する開口である。
【0039】
第1ケース接続口78は、第2ケース接続口79より高い位置に設けられ、第2ケース接続口79は、液剤出口81より高い位置に設けられる。
【0040】
図8Aに示すように、液剤吐出流路64は、本体92と、蓋93とによって形成される。本体92は、自動投入される液剤及び水が流れる空間を形成し、側面に開口100を有する。蓋93は、開口100を覆って本体92を封止する。言い換えれば、本体92は液剤吐出流路64の内底面を構成し、蓋93は液剤吐出流路64の一方の側面を構成する。本体92は、横方向に延びる本流路95と、本流路95から上方に分岐して延びる分岐流路96A、96B、96Cとを形成する。分岐流路96A、96B、96Cには、それぞれ液剤投入装置63A、63B、63C(液剤投入装置63B、63C図示せず)の下部が挿入される。液剤投入装置63A、63B、63Cの下部には、所定量の液剤を吐出するための吐出口70が形成される。吐出口70から吐出される液剤は、分岐流路96A、96B、96Cから本流路95に流入する。
【0041】
蓋93の下部には、複数のリード線フック97が形成される。リード線フック97は、自動投入ユニット6の電子部品から延びるリード線97Aを保持する構造である。リード線97Aは、例えば、液剤投入装置63の後述の動力部71を、外部電源に接続する部材である。
【0042】
図8Bに示すように、本流路95に面する蓋93の面P1は平滑である。
【0043】
図8Cに示すように、本流路95の上流には、流入口98が形成され、本流路95の下流には、流出口99が形成される。液剤投入装置63A、63B、63Cによって吐出される液剤は、本流路95に沿って流出口99に向かって流れる。また、流入口98から流れる水は、本流路95に導入され、流出口99から排出される。
【0044】
流出口99は下方に向かって傾斜されている。そのため、流出口99付近における液剤の残留を抑制できる。
【0045】
図8Dに示すように、本流路95の分岐点には、接続口69A、69B、69Cが形成される。接続口69A、69B、69Cは、分岐流路96A、96B、96Cの一端側の開口であり、それぞれ液剤投入装置63A、63B、63Cの吐出口70に面する。
【0046】
液剤吐出流路64がケース61(
図7)に接続されると、液剤吐出流路64は、下方に向かって傾斜される。液剤吐出流路64の傾斜によって、本流路95を流れる水及び液剤は、重力に従って流れる。また、液剤吐出流路64の傾斜によって、接続口69A、69B、69Cは外側K1に向かって低くなり、階段状に並ぶ。流入口98はケース61を介して給水弁10に接続され、流出口99はケース61及び接続流路8を介して外槽3に接続される。
【0047】
上記の説明より、液剤吐出流路64を、液剤投入装置63A、63B、63C及びケース61に取り付けるための構造は本体92に形成される。そのため、後述の本体92と蓋93との溶着においてズレが生じた場合においても、他の部品に対する液剤吐出流路64の位置がずれることを抑制できる。
【0048】
本流路95は、直線状に下方に向かって傾斜される。本流路95が直線状に傾斜されると、流体が流れやすくなり、流体の滞留を防止することができる。一方で、液剤吐出流路64の途中で、液剤吐出流路64の傾斜角度は変化してもよい。液剤吐出流路64の途中で、水平方向(幅方向K)の成分を有する流路部分が設けられてもよい。
【0049】
図8Aに戻ると、本流路95の前後方向Mの寸法D1は、接続口69A(
図8D)の下流側における本流路95の上下方向Zの寸法D2より大きい。さらに、本流路95は、流出口99の上流に拡径部95Aを有する。拡径部95Aの断面積は下流に向かって増加する。本実施形態では、本流路95の上面と下面との間隔が増加することによって拡径部95Aが実現される。また、本流路95の前面と背面との間隔が増加することによって、拡径部95Aを実現してもよい。
【0050】
本体92と、蓋93とは、前後方向Mに接着されている。
【0051】
本実施形態では、本体92と蓋93とは、振動溶着により接着される。そのため、本体92は、複数のリブ92A、92Bを有する。リブ92Aは、本体92の上面から立ち上がり、前後方向Mに延びる板状の部材である。同様に、リブ92Bは、本体92の下面から立ち上がり、前後方向Mに延びる板状の部材である。リブ92A、92Bを設けることによって、振動溶着の際に、接続方向に沿った本体92のたわみや変形を抑制し、液剤吐出流路64の強度を向上させることができる。
【0052】
ケース61に、タンク62A、62B、62Cを取り付けた状態について、
図9を参照しながら、より詳細に説明する。
図9は、自動投入ユニット6の斜視断面図である。
【0053】
図9に示すように、タンク62A、62B、62Cは、順に深さL1、L2、L3を有する。深さL1、L2、L3は、それぞれのタンク62A、62B、62Cの上面から最深部までの距離である。タンク62A、62B、62Cの深さL1、L2、L3は順に増加する。タンク62Bの深さL2はタンク62Aの深さL1より深く、タンク62Cの深さL3はタンク62Bの深さL2より深い。また、タンク62A、62B、62Cの上面が共通した形状を有するため、タンク62A、62B、62Cの容積は、深さL1、L2、L3に応じて、順に増加する。
【0054】
上述のように、タンク62A、62B、62Cには、それぞれ、中性洗剤、柔軟剤、洗剤が貯蔵される。液剤の種類及びタンク62A、62B、62Cの容積を考慮して、液剤の使用頻度が低いものから順に、タンク62A、62B、62Cに収容されてもよい。また、タンク62A、62B、62Cには、同一の液剤が収容されてもよい。
【0055】
図9に示すように、最深部を含むタンク62A、62B、62Cの底面は、幅方向Kに延びており、順に低くなっている。よって、タンク62A、62B、62Cの底面は、階段状に並ぶ。
【0056】
タンク62Cの直下は、筐体2の外側に近く、タンク62A、62Bと比較して、上下方向のスペースを確保しやすいため、大きな間隙が形成できる。そのため、内底面B3に沿って液剤及び水を外槽3に流す投入流路82を形成することが容易にできる。このような構成によって、外槽3の上方のスペースを有効活用できる。投入流路82には、手動投入される液剤が手動投入部65から直接流入し、自動投入される液剤が液剤吐出流路64を介して流入する。投入流路82は、水及び液剤を、内底面B3に沿って、液剤出口81(
図7)に向かって流す。
【0057】
タンク62A、62B、62Cは、最深部において、接続部76A、76B、76Cを形成する。接続部76A、76B、76Cは、
図6に示す液剤投入装置63A、63B、63Cによって液剤が吸い出される開口を含む構造である。
【0058】
続いて、タンク62A、62B、62Cに接続される液剤投入装置63A、63B、63Cについて、
図10を参照しながらより詳細に説明する。
【0059】
ここで、タンク62を、タンク62A、62B、62Cの総称とする。同様に、液剤投入装置63を、液剤投入装置63A、63B、63Cの総称とし、接続口69を、接続口69A、69B、69Cの総称とし、分岐流路96を、分岐流路96A、96B、96Cの総称とし、接続部76を、接続部76A、76B、76Cの総称とする。
図10は、タンク62、液剤投入装置63、及び液剤吐出流路64の斜視図である。
【0060】
図10に示すように、液剤投入装置63は、タンク62及び液剤吐出流路64に接続される。液剤投入装置63A、63B、63Cは、タンク62の接続部76の深さの変化に応じて、順に低くなるように、階段状に配置される。さらに、液剤投入装置63の階段状配置は、液剤吐出流路64の傾斜に対応している。
【0061】
図11~
図13を参照しながら、1つの液剤投入装置63の構造についてより詳細に説明する。
図11は、横方向から見た液剤投入装置63の模式断面図である。
図12は、液剤投入装置63の下端の拡大断面図である。
図13は、支持部87の斜視図である。
【0062】
図11に示すように、液剤投入装置63は、動力部71と、減速機構72と、ポンプ機構73とを備える。
【0063】
動力部71は、減速機構72に回転運動を伝達する。減速機構72は、複数のギア(図示せず)によって動力部71の回転運動を減速させ、減速した出力軸V2を有する。ポンプ機構73は、減速機構72の出力軸V2に駆動される容積型ポンプである。
【0064】
ポンプ機構73は、ピストン83と、シリンダ84と、出口流路86とを有する。ピストン83は、減速機構72の出力軸V2に接続され、出力軸V2の回転に伴って上下方向Zに往復運動する部材である。シリンダ84は、ピストン83を収容し、液剤が吸い上げられる空間を形成する部材である。出口流路86は、シリンダ84内の液剤を液剤吐出流路64(
図10)に排出するため、シリンダ84の下端と液剤吐出流路64とを接続し、上下方向Zに延びる流路である。
【0065】
図12に示すように、出口流路86には、支持部87と、シール89と、弁91とが設けられる。支持部87は、弁91を支持する部材であり、液剤投入装置63の吐出口70を形成する。支持部87は、出口流路86の下端に対して下側Z1に突出している。シール89は、弁91に設けられ、弁91が閉鎖したときに、シリンダ84への水の逆流を防止する部材である。シール89はОリングであってもよい。弁91は、出口流路86における液剤の流れを制御する逆止弁である。弁91が下方に移動し、開放されると、吐出口70から液剤が吐出される。
【0066】
図13に示すように、支持部87は、外周筒部87Aと、中心筒部87Bと、リブ87Cとを有する。外周筒部87Aと、中心筒部87Bとの間で吐出口70が形成される。リブ87Cは、中心筒部87Bの外周面から放射状に、外周筒部87Aの内周面に向かって延びる。上下方向Zから見ると、吐出口70は、リブ87Cによって、3つの扇形に画定される。
【0067】
中心筒部87Bは、弁91(
図12)を収容する通路94を形成し、外周筒部87Aに対して、下側Z1に突出している。支持部87の製造において、中心筒部87Bの先端にバリが発生する可能性がある。中心筒部87Bの先端にバリが発生すると、バリが弁91の移動を阻害し、液剤の吐出を阻害する可能性がある。一方で、中心筒部87Bを突出させることで、中心筒部87Bの先端にバリが発生した場合においても、弁91の移動を過度に阻害することを抑制できる。
【0068】
図14は、液剤投入装置63が液剤吐出流路64に挿入された状態における吐出口70付近の拡大図である。
図14では、B-B線によって接続口69の開口を示す。
図14に示すように、支持部87は分岐流路96に挿入され、吐出口70は接続口69に面している。この状態において、上下方向Zから見ると、吐出口70の全体が、接続口69の内側に形成される(
図13)。吐出口70の全体は、本流路95を流れる水W0に対して露出している。そのため、本流路95を流れる水W0の水量が多く、水W0が本流路95の上面付近を流れると、一部の水W1が分岐流路96に流入し、吐出口70及び中心筒部87Bに当たる。当たった水W1は、吐出口70及び弁91に付着した液剤とともに、落下し、本流路95に合流する。
【0069】
また、上下方向の位置関係を考慮すると、外周筒部87Aは接続口69の上方に位置し、中心筒部87Bは接続口69の下方に位置する。横方向から見ると、吐出口70は、B-B線の上方に形成される。一方で、中心筒部87Bの下端は、B-B線と重なり、本流路95に突出している。このようは配置によって、外周筒部87Aが水W0の流れを阻害することを抑制しつつ、中心筒部87Bに水W1を当てることができる。
【0070】
[動作]
以上のような構成において、次に自動投入ユニット6の動作の一例について、
図11、
図14及び
図15を参照しながら説明する。
図15は、水W0及び液剤S1、S2の流れを示すケース61の斜視図である。
【0071】
自動投入ユニット6は、洗濯機1の洗い工程と、すすぎ工程との際に動作する。自動投入ユニット6の動作は、制御部によって制御される。制御部は、例えば、給水電磁弁66の開閉、及び投入する液剤の種類、投入量や投入のタイミング等を制御する。
【0072】
図15に示すように、洗い工程及びすすぎ工程において、自動投入ユニット6には、給水弁10より水W0が供給される。水W0は、給水電磁弁66及び供給流路67を通じて、中心側K2に形成される開口68からケース61に流入する。ケース61に流入した水W0は、第1ケース接続口78から傾斜された液剤吐出流路64(図示せず)を重力に沿って流れて、第2ケース接続口79からケース61の投入流路82に流入する。ケース61に流入した水W0は、投入流路82によって液剤出口81に導かれ、接続流路8(図示せず)を介して外槽3(図示せず)に流入する。
【0073】
洗い工程における制御部の動作によって、洗剤が収容されるタンク62C(
図10)に接続される液剤投入装置63C(
図10)が駆動される。タンク62Cの洗剤S1は、液剤投入装置63Cによって、吐出口70から液剤吐出流路64に排出される。
【0074】
図15に示すように、洗剤S1は、傾斜された液剤吐出流路64を重力に沿って流れて、第2ケース接続口79からケース61の投入流路82に流入する。ケース61に流入した洗剤S1は、投入流路82の傾斜によって液剤出口81に導かれ、接続流路8を介して外槽3に流入する。洗剤S1は、液剤吐出流路64において、水W0と合流してもよい。
【0075】
一方で、外槽3に収容される洗濯物15がおしゃれ着洗いを対象とするものである場合、洗剤S1が収容されるタンク62Cの液剤投入装置63Cの代わりに、中性洗剤が収容されるタンク62Aの液剤投入装置63Aが駆動される。
【0076】
すすぎ工程における制御部の動作によって、柔軟剤S2が収容されるタンク62Bの液剤投入装置63Bが駆動される。
【0077】
図14に戻ると、洗い工程及びすすぎ工程において、吐出口70から液剤が吐出されると、液剤は、水W0とともに、液剤吐出流路64を下流に流れる。液剤吐出流路64が傾斜しているため、液剤が、液剤吐出流路64において滞留及び固着して、液剤吐出流路64を塞ぐことを防止できる。
【0078】
また、一部の液剤は、液剤吐出流路64に落下せず、吐出口70の周囲に付着したまま残留する。そこで、液剤吐出流路64に多く水W0が流れると、一部の水W1は、接続口69を通じて、吐出口70及び中心筒部87Bの周囲に当たる。そのため、液剤が長時間滞留し、固着及び蓄積して、吐出口70を塞ぐことを防止できる。また、液剤が、中心筒部87Bの周囲に固着し、通路94に収容される弁91の移動を阻害することを防止できる。
【0079】
上記の説明をまとめて、本開示の特徴を述べる。
【0080】
本実施形態に係る洗濯機1においては、上流から下流に向かって、液剤吐出流路64を下方に傾斜させる。液剤吐出流路64の傾斜によって、自動投入される液剤の流れを促進し、液剤吐出流路64において液剤が長時間にわたり滞留して固着することを防止できる。そのため、液剤吐出流路64が連通した状態を維持することができる。さらに、液剤吐出流路64の傾斜により、水の流れも促進される。水の流れによって、高粘度の液剤を下流に運ぶことができ、液剤の流れをさらに促進することができる。
【0081】
また、従来の構成においては、液剤吐出流路の内底面と液剤投入装置の吐出口との間の間隔によって、液剤吐出流路における水の流れに対する吐出口の露出が抑制されていた。このような構造に対して、洗濯機1の構成では、吐出口70は接続口69の内側に形成され、吐出口70の全体が、本流路95を流れる水に対して露出している。そのため、液剤吐出流路64を流れる水W0の流量が多いと、吐出口70及びその周囲に水を当てることが容易にできる。水を当てると、吐出口70及びその周囲に付着した液剤を洗い落とし、液剤の固着を防止できる。
【0082】
上述より、液剤を貯蔵するタンク62と外槽3との間において、液剤の詰まりを抑制できる洗濯機1を提供することができる。
【0083】
[効果1]
実施の形態1に係る洗濯機1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0084】
上述したように、本実施形態の洗濯機1は、外槽3と、タンク62A(第1タンク)と、タンク62B(第2タンク)と、液剤投入装置63A(第1自動液剤投入装置)と、液剤投入装置63B(第2自動液剤投入装置)と、液剤吐出流路64と、を備える。外槽3は、筐体2内に弾性支持される。タンク62Aは、外槽3に供給される液剤を収容する。タンク62Bは、外槽3に供給される液剤を収容する。液剤投入装置63Aは、タンク62Aに接続され、吐出口70(第1吐出口)から液剤を吐出する。液剤投入装置63Bは、タンク62Bに接続され、吐出口70(第2吐出口)から液剤を吐出する。液剤吐出流路64は、液剤投入装置63A、63Bの吐出口70に接続され、外槽3に向けて液剤を流す。液剤吐出流路64は、外槽3の外周に沿って下方に傾斜して延びる。
【0085】
このような構成によって、外槽3に沿って傾斜した液剤吐出流路64は、省スペース化を実現しつつ、液剤の流れを促進することができる。そのため、液剤吐出流路64において、液剤の残留及び固着を抑制し、液剤吐出流路64の詰まりを抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態の洗濯機1において、タンク62Bは、タンク62Aに対して、外側K1に(外槽3の底部36を通過する中心軸V0から離れる第1方向に沿って)配置される。液剤吐出流路64は、外側K1に沿って下方に延びる。
【0087】
このような構成によって、外槽3及びタンク62の配置に沿って傾斜した液剤吐出流路64は、省スペース化をさらに高めることができる。
【0088】
また、本実施形態の洗濯機1において、タンク62Bの深さL2は、タンク62Aの深さL1より大きい。
【0089】
このような構成によって、液剤吐出流路64の傾斜にあわせてタンク62の深さを増加させて、タンク62の容積を確保しつつ、液剤吐出流路64において、水及び液剤の流れをさらに促進することができる。また、タンク62と液剤吐出流路64との間において、液剤が流れる距離のばらつきを抑えた配置が可能になる。そのため、液剤が流れる距離のばらつきによる液剤に対する抵抗のばらつきを抑制し、液剤の投入量の均一化を実現することができる。
【0090】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤投入装置63Bの吐出口70は、液剤投入装置63Aの吐出口70より低い位置に形成される。
【0091】
このような構成によって、液剤投入装置63の配置に沿って液剤吐出流路64を傾斜させ、液剤投入装置63と液剤吐出流路64との間において、液剤が流れる距離のばらつきを抑えた配置が可能になる。そのため、液剤に対する抵抗のばらつきを抑制し、液剤の投入量の均一化を実現することができる。
【0092】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤投入装置63A及び液剤投入装置63Bは、液剤吐出流路64の上方に配置され、吐出口70は上方から液剤吐出流路64に接続される。
【0093】
このような構成によって、液剤吐出流路64の上方に液剤投入装置63を配置することで、液剤吐出流路64に流れる水や液剤が液剤投入装置63の内部に逆流することを防止できる。
【0094】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤吐出流路64の流入口98は、液剤吐出流路64の流出口99より高い位置に形成される。
【0095】
このような構成によって、液剤吐出流路64は、流入口98から流出口99まで下方に延び、重力により流入口98から流出口99に向かって流れるため、流入口98と流出口99との間で液剤が滞留することを抑制できる。
【0096】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤投入装置63Aは、タンク62Aの背面に接続され、液剤投入装置63Bは、タンク62Bの背面に接続される。
【0097】
このような構成によって、液剤投入装置63がタンク62の底面に接続された場合と比較して、自動投入ユニット6の上下方向Zの寸法を小さくすることができる。そのため、限られた空間においても、タンク62の容積を大きくすることができる。
【0098】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤吐出流路64の断面積は、外側K1に沿って(下流側に向かって)増加する。
【0099】
このような構成によって、液剤吐出流路64の下流側において、液剤の流量が増加した場合においても、液剤の残留及び固着を抑制し、液剤吐出流路64の詰まりを抑制することができる。
【0100】
[効果2]
本実施形態の洗濯機1は、外槽3と、給水弁10と、タンク62(第1タンク)と、液剤投入装置63(第1自動液剤投入装置)と、液剤吐出流路64と、を備える。外槽3は、筐体2内に弾性支持される。給水弁10は、外槽3に水を供給する。タンク62は、外槽3に供給される液剤を収容する。液剤投入装置63は、タンク62に接続され、下方に液剤を吐出する吐出口70(第1吐出口)を形成する。液剤吐出流路64は、吐出口70と連通する接続口69(第1接続口)を上部に形成し、給水弁10と外槽3とに接続される。上下方向Z(液剤の吐出方向)から見ると、吐出口70は、接続口69の内側に形成される。
【0101】
このような構成によって、液剤吐出流路64において、吐出口70の周囲に水を流し、吐出口70の周囲に付着した液剤を洗い落とすことができる。そのため、吐出口70の周囲において、液剤の残留及び固着を抑制し、液剤投入装置63の下流側における詰まりを抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤吐出流路64は、外側K1に(外槽3の底部36を通過する中心軸V0から離れる第1方向に沿って)下方に延びる。
【0103】
このような構成によって、重力により液剤の流れが促進される液剤吐出流路64を用いて、吐出口70を洗浄できる。
【0104】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤投入装置63は、吐出口70を形成する支持部87(第1部材)をさらに有する。支持部87は、外周筒部87Aと、外周筒部87Aの内側に配置され、上下方向Zに移動可能な弁91を収容する中心筒部87Bと、を有する。吐出口70は、外周筒部87Aと中心筒部87Bとの間で画定される。
【0105】
このような構成によって、中心筒部87Bも洗浄できるため、液剤の固着による弁91の開閉移動の阻害を抑制することができる。
【0106】
また、本実施形態の洗濯機1において、中心筒部87Bは、外周筒部87Aから突出する。
【0107】
このような構成によって、中心筒部87Bが洗浄しやすくなり、液剤の固着による弁の開閉移動の阻害をさらに抑制することができる。
【0108】
また、本実施形態の洗濯機1において、前後方向M(吐出方向と直交する方向)から見ると、中心筒部87Bは、接続口69を横切り、吐出口70は、接続口69より上方に形成される。
【0109】
このような構成によって、中心筒部87Bがさらに洗浄しやすくなる。一方で、外周筒部87Aが接続口69を横切らないため、液剤吐出流路64における流体の流れを阻害することを抑制できる。また、液剤吐出流路64から吐出口70を通じて、流体が液剤投入装置63に逆流することを抑制できる。
【0110】
また、本実施形態の洗濯機1は、タンク62B(第2タンク)と液剤投入装置63B(第2自動液剤投入装置)とをさらに有する。タンク62Bは、外槽3に供給される液剤を収容し、タンク62Aに対して、外側K1に配置される。液剤投入装置63Bは、タンク62Bと液剤吐出流路64とに接続され、吐出口70から下方に液剤を吐出する。
【0111】
このような構成によって、複数の液剤投入装置63を設けた場合においても、液剤投入装置63の下流側における詰まりを抑制することができる。
【0112】
本実施形態の洗濯機1は、筐体2内に弾性支持された外槽3と、外槽3に水を供給する給水弁10と、外槽3に供給される液剤を収容するタンク62A(第1タンク)と、タンク62Aに接続され、下方に液剤を吐出する吐出口70(第1吐出口)を形成する液剤投入装置63A(第1自動液剤投入装置)と、吐出口70と連通する接続口69A(第1接続口)を上部に形成し、給水弁10と外槽3とに接続される液剤吐出流路64と、を備え、液剤吐出流路64において、前後方向M(幅方向)の寸法D1が上下方向Zの寸法D2よりも大きい。
【0113】
このような構成によって、吐出口70を容易に水洗いできる。
【0114】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤吐出流路64は、自動投入される液剤及び水が流れる本流路95(空間)を形成し、側面に開口100を有する本体92と、開口100を覆うように本体92に取り付けられる蓋93と、を備える。
【0115】
このような構成によって、射出成形により液剤吐出流路64を製造できる。そのため、液剤吐出流路64のコストを抑えつつ、高い耐薬品性、耐吸湿性を有する材料を用いて液剤吐出流路64を製造できる。
【0116】
また、本実施形態の洗濯機1において、本体92には、給水弁10と接続される流入口98(接続口)、接続口69A、および外槽3と接続される流出口99(接続口)が設けられている。
【0117】
このような構成によって、接着ズレによる部品の位置ズレを抑制できる。
【0118】
また、本実施形態の洗濯機1において、液剤吐出流路64の内底面は、本体92により構成されている。
【0119】
このような構成によって、液剤及び水の残留を抑制できる。
【0120】
また、本実施形態の洗濯機1において、本体92は、蓋93と振動溶着されている。
【0121】
このような構成によって、本体92に蓋93を固定するための追加構造を設けた場合と比較して、本体92を小さく構成できる。
【0122】
また、本実施形態の洗濯機1において、蓋93の面P1(裏面)は、平滑に形成されている。
【0123】
このような構成によって、振動溶着の安定性を向上させる。さらに、液剤の残留を抑制できる。
【0124】
また、本実施形態の洗濯機1において、蓋93は、リード線97Aを保持するリード線フック97を有する。
【0125】
このような構成によって、リード線フック97は、リード線97Aが下方に延びた状態でリード線97Aを固定できる。リード線フック97より上方にコネクタを配置することによって、リード線97Aを沿って流れる水が、動力部71のコネクタに到達することを抑制できる。
【0126】
なお、本開示は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0127】
なお、実施形態において、液剤吐出流路64が傾斜されると説明したが、これに限定されない。液剤吐出流路64は水平方向に配置されてもよい。
【0128】
なお、実施形態において、タンク62が幅方向Kに沿って配置した例について説明したが、これに限定されない。例えば、外槽3が筐体2の設置面に対して、後側M2に向かって下方に傾くように弾性支持されている場合、タンク62を前後方向Mに沿って配置してもよい。言い換えれば、タンク62Bは、タンク62Aに対して、外槽3の底部36を通過する中心軸V0に沿って配置されてもよい。この場合、液剤吐出流路64は、後側M2に向かって下方に傾斜される。このような構成によっても、外槽3及びタンク62の配置に沿って傾斜した液剤吐出流路64は、省スペース化をさらに高めることができる。
【0129】
なお、吐出口70が接続口69の上側に形成される例について説明したが、これに限定されない。吐出口70が接続口69よりも低い高さに配置されてもよい。言い換えれば、吐出口70を形成する外周筒部87Aは、本流路95に突出してもよい。このような構成によって、液剤吐出流路64において、吐出口70に水を当てやすくなる。
【0130】
なお、実施形態では、本体92と蓋93とが振動溶着により接着される例について説明したが、これに限定されない。本体92と蓋93とが互いに結合される位置において、液剤吐出流路64の流線をまたがなければ、本体92と蓋93とは、他の方法で結合されてもよい。例えば、本体92と蓋93とは、接着されてもよく、またはパッキン等を挟んで密閉されてもよい。
【0131】
なお、実施形態において、タンク62と液剤投入装置63との接続方向が前後方向Mであると説明したが、これに限定されない。例えば、タンク62と液剤投入装置63との接続方向は上下方向Zに沿ってもよい。
【0132】
なお、ポンプ機構73に対して、動力部71及び減速機構72は、中心側K2から、または外側K1から取り付けられてもよい。また、外側K1から取り付けられた動力部71及び減速機構72と、中心側K2から取り付けられた動力部71及び減速機構72と、が混在してもよい。
【0133】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本開示の洗濯機は、液剤投入に関する構成の機能を向上させることができるため、家庭用の洗濯機、業務用の洗濯機、あるいは任意の種類の洗濯乾燥機(例えば家庭用のドラム式洗濯機)として有用である。
【符号の説明】
【0135】
1 洗濯機
2 筐体
3 外槽
4 内槽
5 駆動部
6 自動投入ユニット
8 接続流路
10 給水弁
11 排水弁
61 ケース
62 タンク
63 液剤投入装置
64 液剤吐出流路
65 手動投入部
66 給水電磁弁
K 幅方向
M 前後方向