(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】走行地図作成装置、ユーザ端末装置、自律走行型ロボット、自律走行型ロボットの走行制御システム、自律走行型ロボットの走行制御方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241213BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G05D1/43
A47L9/28 E
(21)【出願番号】P 2020198692
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本田 廉治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 祐太
(72)【発明者】
【氏名】津坂 優子
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-184148(JP,A)
【文献】特開2014-232496(JP,A)
【文献】特開2020-119561(JP,A)
【文献】特開2000-292538(JP,A)
【文献】特開2020-038588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に走行する自律走行型ロボットの走行用の地図を作成する走行地図作成装置であって、
自己の周囲の物体を検知し、自己に対する前記物体の位置関係を取得する第1センサと、
前記第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する前記障害物候補となる物体の位置関係を取得する第2センサと、
前記第1センサおよび前記第2センサによりそれぞれ取得された前記位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部と、
前記指示に基づいて、前記物体および前記障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された前記障害物の少なくとも一部を含む範囲を前記自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアに含む前記走行用の地図を作成する走行地図作成部と、
自己の周囲を撮像する撮像部と、を備え、
前記提示情報生成部は、さらに、前記撮像部による撮像で得られた画像を、前記提示情報に追加
し、
前記走行地図作成部は、前記画像内に含まれる前記物体が、前記受付部を介して前記ユーザにより選択された場合には、当該物体を前記障害物として確定する、
走行地図作成装置。
【請求項2】
前記提示情報生成部は、前記第1センサにより前記物体が検知されると共に、前記第2センサにより前記障害物候補となる物体が検知された場合、少なくとも前記第1センサにより検知された前記物体に関する情報を含む前記提示情報を生成する、
請求項1に記載の走行地図作成装置。
【請求項3】
前記提示情報生成部は、前記提示情報として、前記第1センサにより検知された前記物体と、前記第2センサにより検知された前記障害物候補となる物体とがそれぞれ異なる種類の線で描画された図を生成する、
請求項2に記載の走行地図作成装置。
【請求項4】
前記提示情報生成部は、前記提示情報として、前記第1センサにより検知された前記物体と、前記第2センサにより検知された前記障害物候補となる物体とがそれぞれ異なる色調で描画された図を生成する、
請求項2に記載の走行地図作成装置。
【請求項5】
前記提示情報生成部は、前記第1センサにより前記物体が検知されないで、かつ、前記第2センサにより前記障害物候補となる物体が検知された場合、前記障害物候補となる物体に関する情報を含む前記提示情報を生成する、
請求項1に記載の走行地図作成装置。
【請求項6】
前記走行地図作成装置は、さらに、前記第1センサにより前記物体が検知されないで、かつ、前記第2センサにより前記障害物候補となる物体が検知された場合、前記ユーザに通知を行う通知部を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の走行地図作成装置。
【請求項7】
前記第1センサはLIDARであり、
前記第2センサは超音波センサである、
請求項1~6のいずれか1項に記載の走行地図作成装置。
【請求項8】
前記走行地図作成装置は、さらに、
前記ユーザのユーザ端末装置および前記自律走行型ロボットと通信を行う通信部を備え、
前記提示情報生成部は、前記通信部を介して、前記ユーザ端末装置に前記提示情報を出力し、
前記受付部は、前記通信部を介して、前記ユーザ端末装置に入力された前記ユーザの指示を受け付け、
前記走行地図作成部は、作成した前記走行用の地図を、前記通信部を介して前記ユーザ端末装置および前記自律走行型ロボットに出力する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の走行地図作成装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の前記走行地図作成装置により生成された前記提示情報を提示する提示部と、
前記ユーザにより入力された前記指示を受け付ける受付部と、
を備える、
ユーザ端末装置。
【請求項10】
自律的に走行する自律走行型ロボットであって、
筐体と、
前記筐体に配置され、前記筐体を移動可能とする駆動部と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の走行地図作成装置から走行用の地図を取得する走行地図取得部と、
前記筐体の周囲の物体を検知し、前記筐体に対する前記物体の位置関係を取得する位置センサと、
取得された前記走行用の地図上での前記筐体の位置である自己位置を算出する自己位置算出部と、
前記走行用の地図および前記自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部と、
前記走行計画に基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部と、
を備える、
自律走行型ロボット。
【請求項11】
前記自律走行型ロボットは、さらに、
掃く、拭く、および、塵埃を吸引する、の少なくともいずれかの動作を実行することにより床面を掃除する掃除部と、
前記掃除部を制御する掃除制御部と、
を備え、
前記走行計画作成部は、さらに、掃除計画を作成し、
前記掃除制御部は、前記掃除計画に基づいて、前記掃除部を制御する、
請求項10に記載の自律走行型ロボット。
【請求項12】
自律的に走行する自律走行型ロボットの走行を制御するための走行制御システムであって、
自己の周囲の物体を検知し、自己に対する前記物体の位置関係を取得する第1センサと、
前記第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する当該障害物候補となる物体の位置関係を取得する第2センサと、
前記第1センサおよび前記第2センサによりそれぞれ取得された前記位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する提示情報生成部と、
前記提示情報を提示する提示部と、
前記ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部と、
前記指示に基づいて、前記物体および前記障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された前記障害物の少なくとも一部を含む範囲を前記自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアに含む、前記自律走行型ロボットの走行用の地図を作成する走行地図作成部と、
自己の周囲を撮像する撮像部と、
前記走行用の地図上での前記自律走行型ロボットの位置である自己位置を算出する自己位置算出部と、
前記走行用の地図および前記自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部と、
を備え、
前記提示情報生成部は、さらに、前記撮像部による撮像で得られた画像を、前記提示情報に追加
し、
前記走行地図作成部は、前記画像内に含まれる前記物体が、前記受付部を介して前記ユーザにより選択された場合には、当該物体を前記障害物として確定する、
走行制御システム。
【請求項13】
自律的に走行する自律走行型ロボットの走行を制御するための走行制御方法であって、
第1センサにより自己の周囲の物体を検知し、自己に対する前記物体の位置関係を取得し、
第2センサにより前記第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する前記障害物候補となる物体の位置関係を取得し、
前記第1センサおよび前記第2センサによりそれぞれ取得された前記位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成し、
自己の周囲を撮像して画像を取得し、
前記画像を前記提示情報に追加して、前記提示情報を提示し、
前記ユーザにより入力された指示を受け付け、
前記指示に基づいて、前記物体および前記障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された前記障害物の少なくとも一部を含む範囲を前記自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアに含む、前記自律走行型ロボットの走行用の地図を作成し、
前記走行用の地図上での前記自律走行型ロボットの位置である自己位置を算出し、
前記走行用の地図および前記自己位置に基づいて、走行計画を作成
し、
前記障害物を確定する際に、前記画像内に含まれる前記物体が、前記ユーザにより選択された場合には、当該物体を前記障害物として確定する、
走行制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の前記自律走行型ロボットの走行制御方法をコンピュータに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、走行地図作成装置、ユーザ端末装置、自律走行型ロボット、自律走行型ロボットの走行制御システム、自律走行型ロボットの走行制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自律的に走行する自律走行型ロボットが知られている。これらの自律走行型ロボットは、走行開始時、または、走行中に自律走行型ロボットが走行する走行領域の形状および当該領域に存在する障害物などの情報を取得し、走行用の地図を作成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に記載の技術では、ユーザの制御によりロボットがナビゲート可能経路を走行する間に、ロボットが当該経路およびその周囲の環境の地図を作成することができるが、当該地図に走行領域の形状および障害物などの情報を適切に反映できない場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、自律走行型ロボットの走行用の地図に障害物などの情報を適切に反映することができる走行地図作成装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る走行地図作成装置は、自律的に走行する自律走行型ロボットの走行用の地図を作成する走行地図作成装置であって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する前記物体の位置関係を取得する第1センサと、前記第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する前記障害物候補となる物体の位置関係を取得する第2センサと、前記第1センサおよび前記第2センサによりそれぞれ取得された前記位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する提示情報生成部と、前記ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部と、前記指示に基づいて、前記物体および前記障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された前記障害物の少なくとも一部を含む範囲を前記自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアに含む前記走行用の地図を作成する走行地図作成部と、を備える。
【0007】
また、本開示の一態様に係るユーザ端末装置は、前記走行地図作成装置により生成された前記提示情報を提示する提示部と、前記ユーザにより入力された前記指示を受け付ける受付部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る自律走行型ロボットは、自律的に走行する自律走行型ロボットであって、筐体と、前記筐体に配置され、前記筐体を移動可能とする駆動部と、走行用の地図を取得する走行地図取得部と、前記筐体の周囲の物体を検知し、前記筐体に対する前記物体の位置関係を取得する位置センサと、取得された前記走行用の地図上での前記筐体の位置である自己位置を算出する自己位置算出部と、前記走行用の地図および前記自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部と、前記走行計画に基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備える。
【0009】
また、本開示の一態様に係る自律走行型ロボットの走行制御システムは、自律的に走行する自律走行型ロボットの走行を制御するための走行制御システムであって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する前記物体の位置関係を取得する第1センサと、前記第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する当該障害物候補となる物体の位置関係を取得する第2センサと、前記第1センサおよび前記第2センサによりそれぞれ取得された前記位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する提示情報生成部と、前記提示情報を提示する提示部と、前記ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部と、前記指示に基づいて、前記物体および前記障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された前記障害物の少なくとも一部を含む範囲を前記自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアに含む、前記自律走行型ロボットの走行用の地図を作成する走行地図作成部と、前記走行用の地図上での前記自律走行型ロボットの位置である自己位置を算出する自己位置算出部と、前記走行用の地図および前記自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部と、を備える。
【0010】
また、本開示の一態様に係る自律走行型ロボットの走行制御方法は、自律的に走行する自律走行型ロボットの走行を制御するための走行制御方法であって、第1センサにより自己の周囲の物体を検知し、自己に対する前記物体の位置関係を取得し、第2センサにより前記第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する前記障害物候補となる物体の位置関係を取得し、前記第1センサおよび前記第2センサによりそれぞれ取得された前記位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成し、前記提示情報を提示し、前記ユーザにより入力された指示を受け付け、前記指示に基づいて、前記物体および前記障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された前記障害物の少なくとも一部を含む範囲を前記自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止エリアに含む、前記自律走行型ロボットの走行用の地図を作成し、前記走行用の地図上での前記自律走行型ロボットの位置である自己位置を算出し、前記走行用の地図および前記自己位置に基づいて、走行計画を作成する。
【0011】
なお、本開示は、上記走行制御方法をコンピュータに実施させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、上記プログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示の走行地図作成装置等によれば、自律走行型ロボットの走行用の地図に障害物などの情報を適切に反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの制御システムの概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る走行地図作成装置を斜め上方側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る走行地図作成装置を前方側から見た正面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る自律走行型ロボットを側方向から見た外観を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る自律走行型ロボットを正面方向から見た外観を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る自律走行型ロボットを裏面方向から見た外観を示す底面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの動作の第1の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第1の例における提示情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の例における提示情報の他の例を示す図である。
【
図11】
図11は、第1の例における受付部に表示されるオブジェクトの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第1の例における受付部により受け付けられる走行禁止エリアの指定の入力の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第1の例における受付部に表示されるオブジェクトの他の例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの動作の第2の例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの動作の第3の例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第3の例における提示情報の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、第3の例における提示情報に画像が追加された提示情報の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、第3の例における受付部により受け付けられる走行禁止エリアの指定の入力の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第3の例における受付部に表示されるオブジェクトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本開示に係る走行地図作成装置等の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0016】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0017】
また、以下の実施の形態においては、略三角形等の「略」を用いた表現を用いている。例えば、略三角形とは、完全に三角形であることを意味するだけでなく、実質的に三角形である、すなわち、例えば角丸な三角形等も含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0018】
また、以下の実施の形態においては、所定の領域の床面を走行する自律走行型ロボットを鉛直上方側から見た場合を上面視とし、鉛直下方側から見た場合を底面視として記載する場合がある。
【0019】
(実施の形態)
[自律走行型ロボットの走行制御システム]
[1.概要]
まず、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの概要を説明するための図である。
【0020】
自律走行型ロボットの走行制御システムは、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボットの走行を制御するためのシステムである。当該システムは、例えば、建物内の壁などに囲まれたフロアに設置された障害物の一部を含む範囲を走行禁止エリアに含む走行用の地図を作成し、作成された走行用の地図に基づいて自律走行型ロボットの走行計画を作成するシステムである。これにより、自律走行型ロボット300は、当該システムにより作成された走行計画に従って、当該フロアを安全に、かつ、適切に自律走行することができる。
【0021】
建物は、例えば、ホテル、商業施設、オフィスビル、病院、介護施設、美術館、または、図書館などの施設であってもよく、マンションなどの集合住宅であってもよい。障害物は、建物に設置された設置物であり、例えば、ごみ箱、植木、消火器、立て札、傘立て、アコーディオンカーテン、または、台座などである。
【0022】
図1に示されるように、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムは、例えば、走行地図作成装置100と、ユーザ端末装置200と、自律走行型ロボット300と、を備えている。
【0023】
図1の例では、走行地図作成装置100は、台車190に載せられており、ユーザが台車190を押すことによりフロア内を走行するが、これに限られない。例えば、走行地図作成装置100は、本体101に車輪、および、車輪を回転させるためのモータなどを含む駆動部を備え、リモコンなどの操作によりフロア内を走行してもよい。また、例えば、走行地図作成装置100は、さらに、本体101にハンドルを備えてもよく、この場合、ユーザがハンドルを操作することにより走行地図作成装置100を走行させてもよい。
【0024】
走行地図作成装置100は、例えば、検出方法の異なる2つのセンサを搭載しており、フロアを走行しながら当該フロアの地図を作成する。例えば、走行地図作成装置100は、一のセンサによる物体の検知結果と他のセンサによる障害物候補となる物体の検知結果に基づいて提示情報を生成する。そして、走行地図作成装置100は、ユーザからの指示に基づいて、障害物候補となる物体を障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を走行禁止エリアに含む走行用の地図を作成する。
【0025】
ユーザ端末装置200は、例えば、走行地図作成装置100により生成された提示情報を提示し、ユーザにより入力された指示を受け付け、当該指示を走行地図作成装置100に出力する。例えば、当該指示は、ユーザ端末装置200に、障害物候補となる物体を障害物と確定する指示、および、障害物の一部を含む範囲を自律走行型ロボットの走行を禁止する走行禁止領域に設定する指示である。
【0026】
自律走行型ロボット300は、例えば、走行地図作成装置100により作成された走行用の地図に基づいて走行計画を作成し、作成された走行計画に従ってフロアを自律的に走行する。
【0027】
このように、自律走行型ロボットの走行制御システムでは、障害物などの情報が適切に反映された走行用の地図に基づいて走行計画を作成することができるため、自律走行型ロボットの走行を適切に制御することができる。
【0028】
[2.構成]
続いて、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
実施の形態に係る走行制御システム400は、走行地図作成装置100と、ユーザ端末装置200と、自律走行型ロボット300と、を備える。以下、各構成について説明する。
【0030】
[2-1.走行地図作成装置]
まず、走行地図作成装置100について説明する。
図3は、実施の形態に係る走行地図作成装置100を斜め上方側から見た斜視図である。
図4は、実施の形態に係る走行地図作成装置100を前方側から見た正面図である。
【0031】
走行地図作成装置100は、所定の領域を自律的に走行する自律走行型ロボットの走行用の地図を作成する装置である。より具体的には、走行地図作成装置100は、ユーザの操作により所定の領域を走行しながら、所定の領域に存在する障害物に関する情報を反映した走行用の地図を作成する装置である。障害物に関する情報には、例えば、所定の領域における障害物の平面視における輪郭形状(以下、形状ともいう)、および、位置、ならびに、当該障害物の一部を含む自律走行型ロボットの走行禁止エリアの形状、位置、および、大きさに関する情報が含まれる。
【0032】
図1および
図3に示されるように、走行地図作成装置100は、台車190に載せられ、ユーザの操作により所定の領域を走行する。例えば、台車190には、ハンドル191にユーザ端末装置200を載せるスタンド192が取り付けられてもよい。
【0033】
図2に示されるように、走行地図作成装置100は、例えば、通信部110と、センサ部120と、制御部130と、記憶部140と、受付部150と、通知部160とを備える。以下、各構成について説明する。
【0034】
[通信部]
通信部110は、走行地図作成装置100がインターネットなどの広域通信ネットワーク10を介してユーザ端末装置200及び自律走行型ロボット300と通信を行うための通信モジュール(通信回路ともいう)である。通信部110によって行われる通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0035】
[センサ部]
センサ部120は、例えば、第1センサ121と、第2センサ122と、撮像部123とを備える。
【0036】
第1センサ121は、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する。例えば、第1センサ121が本体101の上面の中央に配置されており、走行地図作成装置100と、走行地図作成装置100の周囲に存在する壁などを含む物体との距離および方向を含む位置関係を取得する。第1センサ121は、例えば、光を放射し障害物により反射して返ってきた光に基づいて位置関係(例えば、物体の位置および自己から物体までの距離)を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging)、または、レーザレンジファインダであってもよい。中でも、第1センサ121は、LIDARであってもよい。第1センサ121は、光の走査軸を1軸または2軸有することにより、走行地図作成装置100の周囲の所定の領域の二次元計測、または、三次元計測を行ってもよい。
【0037】
第2センサ122は、第1センサと異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する障害物候補となる物体の位置関係を取得する。第2センサ122は、例えば、超音波センサ、または、測距センサなどのセンサである。例えば、第2センサ122は、ToF(Time of Flight)カメラ、または、障害物が反射した照明光または自然光を像として取得し視差に基づいて位置関係(例えば、物体の位置および自己から物体までの距離)を取得する複眼カメラなどであってもよい。中でも、第2センサ122は、超音波センサであってもよい。この場合、第2センサ122は、本体101の前方の中央に配置される発信部122a、及び、発信部122aの両側にそれぞれ配置される受信部122bを有し、発信部122aから発信されて障害物によって反射して返ってきた超音波を受信部122bがそれぞれ受信することで、障害物の距離や位置を検出することができる。また、第2センサ122が測距センサである場合、走行地図作成装置100の周囲に存在する障害物などの物体と走行地図作成装置100との距離を検出する。測距センサは、レーザ光をスキャンして障害物に反射した光に基づき距離を測定するいわゆるレーザーレンジスキャナである。
【0038】
撮像部123は、走行地図作成装置100の周囲を撮像する撮像装置である。撮像部123で撮像された画像は、画像処理され、画像内の特徴点の位置から走行地図作成装置100の現在位置を把握することができるものとなっている。
【0039】
なお、
図3および
図4に示される例では、走行地図作成装置100は、走行地図作成装置100を走行可能とする駆動部を備えていないが、走行地図作成装置100は駆動部を備えてもよい。駆動部は、例えば、床面を走行するための車輪、車輪にトルクを与える走行用モータ、および、走行用モータを収容するハウジングなどを備える。この場合、第2センサ122は、例えば、エンコーダ、または、加速度センサなどのセンサであってもよい。
【0040】
なお、センサ部120は、上記の例に限られず、他の種類のセンサを備えてもよい。
【0041】
[制御部]
図2に示されるように、制御部130は、センサ部120により走行地図作成装置100の周囲の環境をセンシングして得られたセンサ情報と、受付部150により受け付けられたユーザの指示とに基づいて、各種演算を行う。制御部130は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路によって実現される。また、制御部130は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。例えば、制御部130は、自己位置算出部131と、障害物位置算出部132と、提示情報生成部133と、走行地図作成部134とを含む。
【0042】
自己位置算出部131は、例えば、記憶部140に格納されたフロアマップ、および、第1センサ121により取得された走行地図作成装置100に対する物体の位置関係(つまり、センサ情報)を取得し、取得されたフロアマップおよびセンサ情報に基づいて、フロアマップ上での走行地図作成装置100の自己位置を算出する。
【0043】
障害物位置算出部132は、第2センサ122により取得された自己に対する障害物候補となる物体の位置関係、および、自己位置算出部131により算出された自己位置に基づいて、障害物候補となる物体の位置を算出する。
【0044】
提示情報生成部133は、第1センサ121および第2センサ122によりそれぞれ取得された位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する。例えば、提示情報生成部133は、第1センサ121により物体が検知されると共に、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、少なくとも第1センサ121により検知された物体に関する情報を含む提示情報を生成する。物体に関する情報は、例えば、第1センサ121により検知された物体の平面視における輪郭形状(つまり、形状)、大きさ、および、位置に関する情報である。第1センサ121により検知される物体は、例えば、壁面、柱、扉、窓、および、家具などである。
【0045】
例えば、提示情報生成部133は、提示情報として、第1センサ121により検知された物体と、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体とがそれぞれ異なる種類の線で描画された図を生成してもよい。
【0046】
また、例えば、提示情報生成部133は、提示情報として、第1センサ121により検知された物体と、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体とがそれぞれ異なる色調で描画された図を生成してもよい。
【0047】
提示情報生成部133は、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、障害物候補となる物体に関する情報を含む提示情報を生成する。障害物候補となる物体に関する情報は、例えば、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体の平面視における輪郭形状(つまり、形状)、大きさ、および、位置に関する情報である。第2センサ122により検知される障害物候補となる物体は、例えば、壁面、柱、扉、窓、および、家具に加えて、敷居などの段差、消火器、立て札、鉢植え、アコーディオンカーテン、および、ごみ箱などである。
【0048】
提示情報生成部133は、上記の提示情報に加え、撮像部123による撮像で得られた画像を含む提示情報を生成してもよい。
【0049】
走行地図作成部134は、ユーザの指示に基づいて、第1センサ121により検知された物体、および、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を走行禁止エリアに含む走行用の地図を作成する。走行地図作成部134は、作成した走行用の地図を、通信部110を介してユーザ端末装置200および自律走行型ロボット300に出力する。
【0050】
[記憶部]
記憶部140は、フロアマップ、および、センサ部120により取得されたセンシング情報などが記憶される記憶装置である。さらに、記憶部140には、走行地図作成部134により作成された走行用の地図が記憶されてもよい。記憶部140には、制御部130が上記の演算処理を行うために実行するコンピュータプログラムなども記憶される。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、または、フラッシュメモリ等により実現される。
【0051】
[受付部]
受付部150は、ユーザにより入力された指示を受け付ける。ユーザの指示は、例えば、障害物の確定および走行禁止エリアの指定に関する指示である。受付部150は、例えば、タッチパネル、表示パネル、ハードウェアボタン、または、マイクロフォンなどによって実現されてもよい。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであってもよく、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。表示パネルは、画像の表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有し、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルに表示されるテンキー画像などへの入力操作を受け付ける。マイクロフォンは、ユーザの音声入力を受け付ける。
【0052】
なお、ここでは、受付部150は、走行地図作成装置100の構成要素である例を示しているが、受付部150は、走行制御システム400の他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。例えば、受付部150は、ユーザ端末装置200に組み込まれてもよいし、リモートコントローラ(不図示)に組み込まれてもよい。
【0053】
[通知部]
通知部160は、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、ユーザに通知を行う。通知部160は、例えば、スピーカー、または、光源である。スピーカーは、例えば、音または音声を発することにより、ユーザに通知を行う。光源は、例えば、LEDランプであり、白色光、赤色光、または、青色光など光を発することにより、ユーザに通知を行う。
【0054】
図3および
図4の例では、通知部160は、走行地図作成装置100に1つ備えられているが、2つ以上備えられてもよい。通知部160が走行地図作成装置100に2つ備えられる場合、2つの通知部160は、走行地図作成装置100の左右に1つずつ備えられてもよい。この場合、右側の通知部160は、走行地図作成装置100の進行方向右側に障害物候補となる物体が検知されたことをユーザに通知し、左側の通知部160は、走行地図作成装置100の進行方向左側に障害物候補となる物体が検知されたことをユーザに通知してもよい。なお、通知部160の数は、設計に応じて決定されてもよい。
【0055】
提示部170は、提示情報生成部133により生成された提示情報を提示する。提示部170は、例えば、表示パネルで実現されてもよく、表示パネルおよびスピーカーで実現されてもよい。表示パネルは、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどである。スピーカーは、音または音声を出力する。
【0056】
[2-2.ユーザ端末装置]
続いて、ユーザ端末装置200について説明する。ユーザ端末装置200は、例えば、ユーザが所有するスマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であるが、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であってもよい。ユーザ端末装置200は、通信部210と、受付部220と、制御部230と、記憶部240と、提示部250とを備える。以下、各構成について説明する。
【0057】
[通信部]
通信部210は、ユーザ端末装置200が、インターネットなどの広域通信ネットワーク10を介して走行地図作成装置100および自律走行型ロボット300と通信を行うための通信回路である。通信部210は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。通信部210が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0058】
[受付部]
受付部220は、ユーザにより入力された指示を受け付ける。より具体的には、受付部220は、ユーザの指示を走行地図作成装置100に送信するために行う入力操作を受け付ける。受付部220は、例えば、タッチパネル、表示パネル、ハードウェアボタン、または、マイクロフォンなどによって実現されてもよい。なお、タッチパネル、表示パネル、マイクロフォンの具体例については、上述した内容と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0059】
なお、ここでは、受付部220は、ユーザ端末装置200の構成要素である例を示しているが、受付部220は、走行制御システム400の他の構成要素の少なくとも1つと一体化されていてもよい。例えば、受付部220は、走行地図作成装置100に組み込まれてもよいし、リモートコントローラ(不図示)に組み込まれてもよい。
【0060】
[制御部]
制御部230は、受付部220への画像の表示制御、及び、ユーザにより入力された音声の音声認識処理などを行う。制御部230は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されてもよく、プロセッサによって実現されてもよい。
【0061】
[記憶部]
記憶部240は、制御部230が実行するための専用のアプリケーションプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部240は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0062】
[提示部]
提示部250は、走行地図作成装置100の提示情報生成部133により生成された提示情報を提示する。提示部250は、例えば、例えば、表示パネルで実現されてもよく、表示パネルおよびスピーカーで実現されてもよい。表示パネルは、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどである。スピーカーは、音または音声を出力する。
【0063】
[2-3.自律走行型ロボット]
続いて、自律走行型ロボット300について説明する。自律走行型ロボット300は、自律的に走行するロボットである。より具体的には、自律走行型ロボット300は、走行地図作成装置100により作成された走行用の地図を取得し、走行用の地図に対応する所定の領域を自律的に走行する。自律走行型ロボット300は、自律的に走行するロボットであれば、特に限定されないが、例えば、荷物などを運搬する運搬ロボットまたは掃除機であってもよい。以下、自律走行型ロボット300が掃除機である例を説明する。
【0064】
図5は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300を側方向から見た外観を示す斜視図である。
図6は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300を正面方向から見た外観を示す斜視図である。
図7は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300を裏面方向から見た外観を示す底面図である。
【0065】
図5に示されるように、自律走行型ロボット300は、例えば、筐体301と、2つのサイドブラシ361と、メインブラシ362と、2つの車輪351と、位置センサ320と、を備える。
【0066】
筐体301は、自律走行型ロボット300が備える各構成要素を収容する。本実施の形態では、筐体301は、上面視において略円形状である。なお、筐体301の上面視における形状は、特に限定されない。筐体301の上面視形状は、例えば、略矩形状でもよいし、略三角形状でもよいし、略多角形状でもよい。筐体301は、底面に吸引口363を有する。
【0067】
サイドブラシ361は、床面を掃除するためのブラシであり、筐体301の下面に設けられている。本実施の形態では、自律走行型ロボット300は、2つのサイドブラシ361を備える。自律走行型ロボット300が備えるサイドブラシ361の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよく、特に限定されない。
【0068】
メインブラシ362は、筐体301の下面に設けられている開口である吸引口363内に配置され、床面のごみを吸引口363内に掻き集めるためのブラシである。
【0069】
2つの車輪351は、自律走行型ロボット300を走行させるための車輪である。
【0070】
図2に示されるように、自律走行型ロボット300は、
図5および
図6に示されるように、自律走行型ロボット300は、例えば、筐体301と、位置センサ320と、筐体301に配置され、筐体301を移動可能とする駆動部350と、床面を掃除する掃除部360と、を備えている。
【0071】
[位置センサ]
位置センサ320は、自律走行型ロボット300の筐体301の周囲の物体を検知し、筐体301に対する当該物体の位置関係を取得するセンサである。位置センサ320は、例えば、光を放射し障害物により反射して返ってきた光に基づいて位置関係(例えば、物体の位置および自己から物体までの距離)を検出するLIDAR、または、レーザレンジファインダであってもよい。中でも、位置センサ320は、LIDARであってもよい。
【0072】
続いて、自律走行型ロボット300の機能構成について
図2を参照しながら説明する。
【0073】
自律走行型ロボット300は、通信部310と、位置センサ320と、制御部330と、記憶部340と、駆動部350と、掃除部360とを備える。位置センサ320については上述したため、ここでの説明を省略する。
【0074】
[通信部]
通信部310は、自律走行型ロボット300が、インターネットなどの広域通信ネットワーク10を介して走行地図作成装置100およびユーザ端末装置200と通信を行うための通信回路である。通信部310は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。通信部310が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0075】
[制御部]
制御部330は、位置センサ320により自律走行型ロボット300の周囲の環境をセンシングして得られたセンサ情報と、走行用の地図とに基づいて、各種演算を行う。制御部330は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路によって実現される。また、制御部330は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。例えば、制御部330は、走行地図取得部331と、自己位置算出部332と、走行計画作成部333と、駆動制御部334と、掃除制御部335とを含む。
【0076】
走行地図取得部331は、走行地図作成装置100により作成された走行用の地図を取得する。走行地図取得部331は、記憶部340に格納されている走行用の地図を読み出すことにより取得してもよく、走行地図作成装置100により出力された走行用の地図を、通信を介して取得してもよい。
【0077】
自己位置算出部332は、例えば、走行地図取得部331により取得された走行用の地図、および、位置センサ320により取得された自律走行型ロボット300の筐体301に対する周囲の物体の位置関係(つまり、センサ情報)に基づいて、走行用の地図上での自律走行型ロボット300の筐体301の位置である自己位置を算出する。
【0078】
走行計画作成部333は、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する。例えば、
図5および
図6に示されるように、自律走行型ロボット300が掃除機である場合、走行計画作成部333は、さらに、掃除計画を作成してもよい。掃除計画には、例えば、自律走行型ロボット300が掃除をすべき掃除領域(例えば、部屋または区画)が複数存在する場合、それらの掃除領域を掃除する掃除順序、各領域における走行経路及び掃除態様などが含まれる。掃除態様は、例えば、自律走行型ロボット300の走行速度、床面上のごみを吸引する吸引強度、及び、ブラシの回転速度などの組み合わせである。
【0079】
駆動制御部334は、走行計画に基づいて、駆動部350を制御する。より具体的には、駆動制御部334は、駆動部350の動作を制御するための情報処理を行う。例えば、駆動制御部334は、走行計画に加え、走行用の地図および自己位置などの情報に基づいて、駆動部350の制御条件を導出し、制御条件に基づいて、駆動部350の動作を制御するための制御信号を生成する。駆動制御部334は、生成した制御信号を駆動部350に出力する。なお、駆動部350の制御条件の導出などの詳細については、従来の自律走行型ロボットと同様であるため、説明を省略する。
【0080】
掃除制御部335は、掃除計画に基づいて、掃除部360を制御する。より具体的には、掃除制御部335は、掃除部360の動作を制御するための情報処理を行う。例えば、掃除制御部335は、掃除計画に加え、走行用の地図および自己位置などの情報に基づいて、掃除部360の制御条件を導出し、制御条件に基づいて、掃除部360の動作を制御するための制御信号を生成する。掃除制御部335は、生成した制御信号を掃除部360に出力する。なお、掃除部360の制御条件の導出などの詳細については、従来の自律走行型掃除機と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
[記憶部]
記憶部340は、走行用の地図、位置センサ320によりセンシングされたセンサ情報(例えば、筐体301に対する周囲の物体の位置関係)、及び、制御部330が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部340は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0082】
[駆動部]
駆動部350は、自律走行型ロボット300の筐体301に配置され、筐体301を走行可能(移動可能ともいう)とする。駆動部350は、例えば、一対の駆動ユニット(不図示)を備える。駆動ユニットは、自律走行型ロボット300の平面視における幅方向の中心に対して左側及び右側にそれぞれ1つずつ配置されている。なお、駆動ユニットの数は、2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0083】
例えば、駆動ユニットは、床面上を走行する車輪351(
図5~
図7参照)、車輪351にトルクを与える走行用モータ(不図示)及び走行用モータを収容するハウジング(不図示)などを有する。一対の駆動ユニットの各車輪351は、筐体301の下面に形成された凹部(不図示)に収容され、筐体301に対して回転できるように取り付けられている。また、自律走行型ロボット300は、キャスター(不図示)を補助輪として備えた対向二輪型であってもよい。この場合、駆動部350は、一対の駆動ユニットのそれぞれの車輪351の回転を独立して制御することで、前進、後退、左回転及び右回転など自律走行型ロボット300を自在に走行させることができる。自律走行型ロボット300は、前進若しくは後退しながら左回転または右回転する場合には、前進時若しくは後退時に左折または右折をする。一方、自律走行型ロボット300は、前進若しくは後退しない状態で左回転または右回転する場合には、現地点で旋回する。このように、駆動部350は、一対の駆動ユニットの動作を独立して制御することにより、筐体301を移動または旋回させる。駆動部350は、駆動制御部334からの指示に基づいて走行用モータなどを動作させ、自律走行型ロボット300を走行させる。
【0084】
[掃除部]
掃除部360は、自律走行型ロボット300の筐体301に配置され、筐体301周辺の床面を拭く、掃く及び塵埃を吸引する動作の少なくとも1つの掃除動作を実行する。例えば、掃除部360は、床面に存在する塵埃などのごみを吸引口363(
図7参照)から吸引する。吸引口363は、床面に存在する塵埃などのごみを筐体301内に吸引できるように筐体301の底部に設けられている。図示しないが、掃除部360は、サイドブラシ361及びメインブラシ362を回転させるブラシ駆動モータ、吸引口363からゴミを吸引する吸引モータ、これらのモータに電力を伝達する動力伝達部、及び、吸引したゴミを収容するゴミ収容部などを備えている。掃除部360は、掃除制御部335から出力された制御信号に基づいてブラシ駆動モータ及び吸引モータなどを動作させる。サイドブラシ361は、筐体301周辺の床面上のゴミを掃いて、吸引口363及びメインブラシ362にゴミを誘導する。
図5~
図7に示されるように、自律走行型ロボット300は、2つのサイドブラシ361を備える。各サイドブラシ361は、筐体301の底面の前方(つまり、前進する方向)の側部に配置される。サイドブラシ361の回転方向は、筐体301の前方から吸引口363に向けてゴミをかき集めることが可能な方向である。なお、サイドブラシ361の数は、2つに限られず、1つでもよく、3つ以上でもよい。サイドブラシ361の数は、ユーザによって任意に選択されてもよい。また、サイドブラシ361は、各々、脱着構造を備えてもよい。
【0085】
[3.動作]
続いて、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作について図面を参照しながら説明する。
【0086】
[第1の例]
まず、実施の形態に係る自律走行型ロボットの走行制御システム400の動作の第1の例について説明する。第1の例では、第1センサ121および第2センサ122により取得された位置関係に基づいて作成された提示情報をユーザに提示し、ユーザの指示に基づいて走行用の地図を作成し、走行用の地図に基づいて自律走行型ロボット300が走行計画を作成する。
図8は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【0087】
図示していないが、走行地図作成装置100は、ユーザの操作により走行を開始する。走行が開始すると、走行制御システム400は、例えば、以下の動作を行う。なお、走行地図作成装置100は、ユーザによりハンドルを操作されることにより走行してもよく、ジョイスティックまたはリモコンなどの操作により走行してもよい。
【0088】
第1センサ121は、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する当該物体の位置関係を取得する(ステップS11)。第1センサ121は、例えば、LIDARである。LIDARは、所定の角度間隔で壁などの物体までの距離を計測し、計測された計測点の位置を示すデータを取得する。LIDARは、所定の角度間隔で計測を行うため、例えば、消火器、立て札、および、植木鉢などの障害物候補となる物体を正確に検知できない場合がある。
【0089】
第2センサ122は、第1センサ121と異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する当該障害物候補となる物体の位置関係を取得する(ステップS12)。第2センサ122は、例えば、超音波センサである。超音波センサは、LIDARで検知されにくい物体(つまり、障害物候補となる物体)を検知することが可能である。
【0090】
続いて、提示情報生成部133は、ステップS11で第1センサ121により取得された位置関係とステップS12で第2センサ122により取得された位置関係とに基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する(ステップS13)。提示情報は、例えば、建物内の壁とフロア上に存在するごみ箱などの障害物となる物体との位置関係を示す配置図であってもよく、配置図に加えて、文字、音、または、音声による情報とを含んでもよい。さらに、提示情報は、撮像部123による撮像で得られた画像を含んでもよい。
【0091】
例えば、提示情報生成部133は、第1センサ121により物体が検知されるとともに、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、少なくとも第1センサ121により検知された物体に関する情報を含む提示情報を生成する。
図9は、第1の例における提示情報の一例である提示情報P1を示す図である。
図9に示されるように、提示情報P1は、第1センサ121および第2センサ122により検知された物体(ここでは、壁1およびごみ箱2)およびフロアに存在する障害物候補となる物体(ここでは、壁1およびごみ箱2)の位置関係を示す配置図である。
図9に示される壁1およびごみ箱2は、ともに、第1センサ121および第2センサ122に検知されているものとする。言い換えると、第1センサ121による検知結果と第2センサ122による検知結果とに差異がないものとする。このとき、提示情報生成部133は、第1センサ121により取得された物体(壁1およびごみ箱2)に関する情報を提示情報として生成してもよい。
【0092】
また、例えば、提示情報生成部133は、提示情報P1として、第1センサ121により検知された物体(壁1およびごみ箱2)と、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体(壁1およびごみ箱2)とがそれぞれ異なる種類の線で描画された図を生成してもよい。異なる種類の線は、例えば、実線、破線、一点破線、二点破線、または、点線などである。
【0093】
また、例えば、提示情報生成部133は、提示情報P1として、第1センサ121により検知された物体(壁1およびごみ箱2)と、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体(壁1およびごみ箱2)とがそれぞれ異なる色調で描画された図を生成してもよい。
【0094】
なお、提示情報生成部133は、異なる種類の線および異なる色調を組み合わせて第1センサ121により検知された物体および第2センサ122により検知された障害物候補となる物体を描画してもよい。
【0095】
例えば、提示情報生成部133は、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、障害物候補となる物体に関する情報を含む提示情報を生成する。
図10は、第1の例における提示情報の他の例である提示情報P2を示す図である。
図10に示されるように、提示情報P2は、第1センサ121により検知された物体(ここでは、壁21)、および、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体(ここでは、壁21および立て札22)の位置関係を示す配置図である。
図10に示される壁21は、第1センサ121および第2センサ122により検知されているが、立て札22は、第1センサ121により検知されず、第2センサ122により検知されているものとする。このとき、提示情報生成部133は、第2センサ122により取得された障害物候補となる物体(立て札22)に関する情報を含む提示情報を生成してもよい。提示情報P2は、例えば、配置図における立て札22の輪郭を壁21とは異なる色調で描画された図を含んでもよく、配置図に加えて、ユーザに目視での確認を促す文字メッセージを含んでもよい。なお、当該メッセージは、音声メッセージであってもよいし、メッセージに代えて、ピピピッなどの音を発してもよい。なお、提示情報は、異なる色調(つまり、色の濃淡)に限られず、異なる色相(黒、赤、青などの色)で描画された図を含んでもよい。
【0096】
続いて、提示部170は、提示情報を提示する(ステップS14)。提示部170は、走行地図作成装置100に備えられてもよいが、備えられなくてもよい。ユーザ端末装置200の提示部250は、例えば、通信により提示情報を取得して、提示する。
【0097】
続いて、受付部150は、ユーザにより入力された指示を受け付ける(ステップS15)。受付部150は、走行地図作成装置100に備えられてもよいが、備えられなくてもよい。ユーザ端末装置200の受付部220は、例えば、ユーザにより入力された指示を受け付けて、通信により当該指示を走行地図作成装置100に出力する。ここでは、ユーザ端末装置200の提示部250に提示される例について説明する。受付部220は、上述したように、画像の表示機能およびユーザの手動入力を受け付ける機能を有する。
【0098】
例えば、
図10に示される提示情報P2が提示されると、ユーザは提示情報P2に示される物体21と障害物候補となる物体22とが実空間に存在するか否かを目視で確認してもよいし、例えば、カメラ123で撮像された映像を確認してもよい。図示していないが、例えば、ユーザが提示部250に提示された障害物候補となる物体22をタッチすることにより、障害物候補となる物体22を障害物と確定する指示を入力する。受付部220はユーザにより入力された指示を受け付けて、当該指示を走行地図作成装置100に出力する。
【0099】
図11は、第1の例における受付部220に表示されるオブジェクトの一例であるオブジェクトA1を示す図である。
図12は、第1の例における受付部220により受け付けられる走行禁止エリアの指定の入力の一例を示す図である。
図13は、第1の例における受付部220に表示されるオブジェクトの他の例であるオブジェクトA2を示す図である。
図11では、第1センサ121により物体が検知されるとともに、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、つまり、第1センサ121による検知結果と、第2センサ122による検知結果とに差異がない場合に表示されるオブジェクトA1を示している。このとき、障害物候補となる物体は、上述のように、ユーザの指示により障害物32と確定されているものとする。
【0100】
例えば、ユーザが提示部250に表示された障害物32を指でタッチすると、受付部220は、走行禁止エリアの設定に関する入力を受け付けるためのオブジェクトA1を表示する。ユーザがオブジェクトA1内の「しない」をタッチすると、受付部220は、受付動作を終了する。一方、ユーザがオブジェクトA1内の「する」をタッチすると、受付部220は、ユーザによる走行禁止エリアの指定を受け付ける画面に切り替わる。例えば、
図12に示されるように、ユーザは、ユーザ端末装置200に表示された障害物32を指でタッチしながら斜め下方向にドラッグすることにより、所望の範囲を走行禁止エリアR1に指定してもよい。また、ユーザは、ユーザ端末装置200に表示された障害物32をトントンと連続して2回タップすることにより、平面視において障害物32の中心から2倍の範囲の領域を走行禁止エリアR1に指定してもよい。そして、
図13に示されるように、受付部220は、走行禁止エリアの確定に関する入力を受け付けるためのオブジェクトA2を表示する。
【0101】
続いて、走行地図作成部134は、ステップS15にて受け付けられたユーザの指示に基づいて、物体および障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアに含む、自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成する(ステップS16)。例えば、走行地図作成部134は、ステップS11にて第1センサ121により取得された位置関係に基づいて、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術により自己位置を認識しながら走行用の地図を作成してもよい。このとき、ステップS15にて受付部150より受け付けられた指示に基づいて、障害物および走行禁止エリアを含む走行用の地図を作成してもよい。
【0102】
続いて、自律走行型ロボット300の自己位置算出部332は、自己に対する周囲の物体の位置関係および走行用の地図に基づいて、走行用の地図上での自律走行型ロボット300の筐体301(
図5参照)の位置である自己位置を算出する(ステップS17)。
【0103】
続いて、自律走行型ロボット300の走行計画作成部333は、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する(ステップS18)。
【0104】
続いて、自律走行型ロボット300の駆動制御部334は、走行計画に基づいて、筐体301に配置され筐体301を移動可能とする駆動部350を制御する(ステップS19)。
【0105】
このように、センサ情報に基づいて生成した提示情報をユーザに提示することにより、障害物などの情報が適切に反映された走行用の地図を作成することができるため、自律走行型ロボット300の走行を適切に制御することが可能となる。
【0106】
[第2の例]
第1の例では、第1センサ121より物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体に関する情報を含む提示情報をユーザに提示する。第2の例では、上記の場合に、さらに、ユーザに通知を行う点で、第1の例と異なる。
【0107】
図14は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第2の例を示すフローチャートである。
図14では、
図8に示される第1の例と異なる処理のみを記載している。
【0108】
図8および
図14に示されるように、第2の例では、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合に(ステップS21でYes)、通知部160は、ユーザにその旨の通知を行う(ステップS22)。言い換えると、第1センサ121により物体が検知された場合、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知されてもされなくても(ステップS21でNo)、通知部160は、ユーザに通知を行わない。例えば、通知部160は、音または音声により通知してもよく、光を発することにより通知してもよく、これらの組み合わせにより通知してもよい。
【0109】
このように、ユーザに通知することにより、ユーザが提示情報を確認しやすくなるため、走行用の地図に障害物などの情報を適切に反映しやすくなる。そのため、自律走行型ロボット300の走行を適切に制御することが可能となる。
【0110】
[第3の例]
第1の例および第2の例では、提示情報は、走行地図作成装置100の周囲の画像を含まないが、第3の例では、提示情報は、撮像部123による撮像で得られた画像を含む。第3の例では、第1の例および第2の例と異なる点を中心に説明し、第1の例および第2の例と同様の処理については記載を省略または簡略化する。
【0111】
図15は、実施の形態に係る自律走行型ロボット300の走行制御システム400の動作の第3の例を示すフローチャートである。
図14のステップS31、ステップS32、ステップS33およびステップS34は、それぞれ、
図8のステップS11、ステップS12、ステップS13およびステップS14と同様である。
【0112】
撮像部123は、自己の周囲を撮像する(ステップS30)。撮像部123は、例えば、カメラであってもよく、ビデオカメラであってもよい。
【0113】
第1センサ121は、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する(ステップS31)。
【0114】
第2センサ122は、自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する障害物候補となる物体の位置関係を取得する(ステップS32)。
【0115】
続いて、提示情報生成部133は、ステップS31およびステップS32で取得された位置関係に基づいて、提示情報を生成する(ステップS33)。また、例えば、提示情報生成部133は、撮像部123による撮像で得られた画像のピクセル毎のRGB値を取得して画像解析することで、障害物候補となる物体の有無(有りの場合は、位置)、色、形状および種類などの情報を取得してもよい。この場合、提示情報生成部133は、第1センサ121、第2センサ122、および、撮像部123により取得された情報に基づいて提示情報を生成してもよい。このとき生成される提示情報は、画像を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0116】
続いて、提示部250は、ステップS33で生成された提示情報を提示する(ステップS34)。
図16は、第3の例における提示情報の一例である提示情報P4を示す図である。提示情報P4は、地図上における走行地図作成装置100の自己位置を含む。
図16に示される破線は、撮像部123の視野を示す視野補助線であり、矢印は、走行地図作成装置100の進行方向を示している。
【0117】
続いて、ユーザ端末装置200の受付部220は、ユーザにより入力された指示を受け付ける(ステップS35)。例えば、
図16に示されるように、ユーザが提示情報P4内の走行地図作成装置100の自己位置を示す画像をタッチすることにより、受付部220はユーザの指示を受け付ける。より具体的には、受付部220は、ユーザにタッチされた位置に対応する自己位置において撮像部123による撮像で得られた画像を含む提示情報を提示部250に提示させる指示を受け付ける。
【0118】
続いて、走行地図作成装置100の提示情報生成部133は、ステップS35で受け付けられたユーザの指示に従って、S31で得られた画像を含む提示情報を生成する(ステップS36)。例えば、提示情報生成部133は、ステップS33で生成された提示情報P4に上記の画像を追加することにより、提示情報を生成する。
【0119】
続いて、ユーザ端末装置200の提示部250は、ステップS36で生成された提示情報を提示する(ステップS37)。
図17は、第3の例における提示情報P4に画像P5が追加された提示情報P6の一例を示す図である。例えば、提示情報P6は、走行地図作成装置100の自己位置から撮像部123による撮像で得られた画像P5と、第1センサ121および第2センサ122による検知結果に基づいて生成された提示情報P4とを含む。画像P5には、壁41の出っ張りの向こうにあるごみ箱42が撮像されているが、提示情報P4には、ごみ箱42が提示されていない。つまり、提示情報P4には、第1センサ121および第2センサ122によりごみ箱42は検知されていないことが示されている。
【0120】
続いて、ユーザ端末装置200の受付部220は、ユーザにより入力された指示を受け付ける(ステップS38)。例えば、
図17に示されるように、ユーザが画像P5内のごみ箱42をタッチすることにより、受付部220はユーザの指示を受け付ける。より具体的には、受付部220は、ユーザに指でタッチされた位置に対応するごみ箱42を障害物と確定し、走行禁止エリアの設定に関する入力を受け付けるためのオブジェクトA1(
図11参照)を表示する。ユーザがオブジェクトA1内の「しない」をタッチすると、受付部220は、受付動作を終了する。一方、ユーザがオブジェクトA1内の「する」をタッチすると、受付部220は、ユーザによる走行禁止エリアの指定を受け付ける画面に切り替わる。
図18は、第3の例における受付部220により受け付けられる走行禁止エリアR2の指定の入力の一例を示す図である。
図19は、第3の例における受付部220に表示されるオブジェクトの一例を示す図である。
【0121】
例えば、
図18に示されるように、ユーザは、ユーザ端末装置200に表示された障害物(ここでは、ごみ箱42)の平面視における周縁から所定の距離Lを含む範囲を走行禁止エリアR2に指定してもよい。距離Lは、走行禁止エリアの範囲の指定に関する入力を受け付けるためのオブジェクトA3のバーA4をタッチしながら上下方向にスライドさせることにより設定されてもよい。そして、
図19に示されるように、受付部220は、走行禁止エリアの確定に関する入力を受け付けるためのオブジェクトA2を表示する。
【0122】
続いて、走行地図作成部134は、ステップS38にて受け付けられたユーザの指示に基づいて、物体および障害物候補となる物体の少なくともいずれか(ここでは、ごみ箱42)を障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアR2に含む、自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成する(ステップS39)。
【0123】
なお、第3の例は、走行地図作成装置100が走行中に走行用の地図を作成するときの動作であってもよく、走行地図作成装置100が走行を終了した後にユーザが走行用の地図の確認および校正作業を行うときの動作であってもよい。
【0124】
[第3の例の変形例]
第3の例では、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合に、その旨の通知を行わないが、第3の例の変形例では、当該通知を行ってもよい。この場合、通知部はユーザ端末装置200に備えられてもよい。通知部は、例えば、スピーカーであり、音または音声を発することによりユーザに通知する。これにより、ユーザは第1センサ121により検知されなかった障害物候補となる物体が第2センサ122により検知したことを知ることができるため、走行用の地図に障害物に関する情報をより確実に反映させることができる。
【0125】
[4.効果等]
走行地図作成装置100は、自律的に走行する自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成する走行地図作成装置であって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する第1センサ121と、第1センサ121と異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する障害物候補となる物体の位置関係を取得する第2センサ122と、第1センサ121および第2センサ122によりそれぞれ取得された位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する提示情報生成部133と、ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部150と、指示に基づいて、物体および障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアに含む走行用の地図を作成する走行地図作成部134と、を備える。
【0126】
これにより、走行地図作成装置100は、自律走行型ロボット300の走行用の地図に障害物などの情報を適切に反映することができる。
【0127】
走行地図作成装置100では、提示情報生成部133は、第1センサ121により物体が検知されると共に、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、少なくとも第1センサ121により検知された物体に関する情報を含む提示情報を生成する。
【0128】
これにより、走行地図作成装置100は、異なる方法で検知する2つのセンサの検知結果に基づいて、障害物を検知することができるため、精度よく障害物を検知することができる。そのため、走行地図作成装置100は、自律走行型ロボット300の走行用の地図に障害物などの情報をより適切に反映することができる。
【0129】
走行地図作成装置100では、提示情報生成部133は、提示情報として、第1センサ121により検知された物体と、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体とがそれぞれ異なる種類の線で描画された図を生成する。
【0130】
これにより、走行地図作成装置100は、2つのセンサの検知結果をユーザが視認しやすい提示情報を生成することができる。
【0131】
走行地図作成装置100では、提示情報生成部133は、提示情報として、第1センサ121により検知された物体と、第2センサ122により検知された障害物候補となる物体とがそれぞれ異なる色調で描画された図を生成する。
【0132】
これにより、走行地図作成装置100は、2つのセンサの検知結果をユーザが視認しやすい提示情報を生成することができる。
走行地図作成装置100では、提示情報生成部133は、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、第2センサ122により障害物候補となる物体が検知された場合、障害物候補となる物体に関する情報を含む提示情報を生成する。
【0133】
これにより、走行地図作成装置100は、2つのセンサの検知結果をユーザが視認しやすい提示情報を生成することができる。
走行地図作成装置100は、さらに、自己の周囲を撮像する撮像部123を備え、提示情報生成133部は、さらに、撮像部による撮像で得られた画像を含む提示情報を生成する。
【0134】
これにより、走行地図作成装置100は、2つのセンサの検知結果をユーザがより視認しやすい提示情報を生成することができる。
【0135】
走行地図作成装置100は、さらに、第1センサ121により物体が検知されないで、かつ、サ122により障害物候補となる物体が検知された場合、ユーザに通知を行う通知部160を備える。
【0136】
これにより、走行地図作成装置100は、第1センサ121で検知されなかった物体が第2センサ122で検知されたことをユーザに通知するため、ユーザは検知された障害物候補となる物体を見落としにくくなる。そのため、走行地図作成装置100は、走行用の地図に障害物などの情報を適切に反映することができる。
【0137】
走行地図作成装置100では、第1センサ121はLIDARであり、第2センサ122は超音波センサである。
【0138】
これにより、走行地図作成装置100は、LIDAR情報と超音波センサのセンシング情報とに基づいて、地図を作成しながら障害物の位置を推定することができる。
【0139】
走行地図作成装置100は、さらに、ユーザのユーザ端末装置200および自律走行型ロボットと300通信を行う通信部110を備え、提示情報生成部133は、通信部110を介して、ユーザ端末装置200に提示情報を出力し、受付部150は、通信部110を介して、ユーザ端末装置200に入力されたユーザの指示を受け付け、走行地図作成部134は、作成した走行用の地図を、通信部110を介してユーザ端末装置200および自律走行型ロボット300に出力する。
【0140】
これにより、走行地図作成装置100は、走行しながらユーザの指示を受け付けて走行用の地図を作成することもできるし、走行しながら作成された走行用の地図をユーザが後で見直して入力した指示を受け付けて走行用の地図を作成することもできる。そのため、走行地図作成装置100は、自律走行型ロボット300の走行用の地図に障害物などの情報をより適切に反映することができる。
【0141】
ユーザ端末装置200は、上記のいずれかの走行地図作成装置100により生成された提示情報を提示する提示部250と、ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部220と、を備える。
【0142】
これにより、ユーザ端末装置200は、走行地図作成装置100の走行しながら走行用の地図を作成しているとき、および、走行地図作成装置100が走行しながら走行用の地図を作成した後に、ユーザに提示情報を提示し、ユーザの指示を受け付けることができる。
【0143】
自律走行型ロボット300は、自律的に走行する自律走行型ロボットであって、筐体301と、筐体301に配置され、筐体301を移動可能とする駆動部350と、上記のいずれかの走行地図作成装置100から走行用の地図を取得する走行地図取得部331と、筐体301の周囲の物体を検知し、筐体301に対する物体の位置関係を取得する位置センサ320と、取得された走行用の地図上での筐体301の位置である自己位置を算出する自己位置算出部332と、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部333と、走行計画に基づいて、駆動部350を制御する駆動制御部334と、を備える。
【0144】
これにより、自律走行型ロボット300は、障害物などの情報が適切に反映された走行用の地図に基づいて走行計画を作成するため、安全に、かつ、適切に走行することができる。
【0145】
自律走行型ロボット300は、さらに、掃く、拭く、および、塵埃を吸引する、の少なくともいずれかの動作を実行することにより床面を掃除する掃除部360と、掃除部360を制御する掃除制御部335と、を備え、走行計画作成部333は、さらに、掃除計画を作成し、掃除制御部335は、掃除計画に基づいて、掃除部360を制御する。
【0146】
これにより、自律走行型ロボット300は、安全に、かつ、適切に掃除を行うことができる。
【0147】
走行制御システム400は、自律的に走行する自律走行型ロボット300の走行を制御するための走行制御システムであって、自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得する第1センサ121と、第1センサ121と異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する当該障害物候補となる物体の位置関係を取得する第2センサ122と、第1センサ121および第2センサ122によりそれぞれ取得された位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成する提示情報生成部133と、提示情報を提示する提示部170、250と、ユーザにより入力された指示を受け付ける受付部150、220と、当該指示に基づいて、物体および障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアに含む、自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成する走行地図作成部333と、走行用の地図上での自律走行型ロボット300の位置である自己位置を算出する自己位置算出部332と、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する走行計画作成部333と、を備える。
【0148】
これにより、自律走行型ロボット300の走行制御システム400は、障害物などの情報が適切に反映された走行用の地図に基づいて走行計画を作成するため、自律走行型ロボット300を安全に、かつ、適切に走行させることができる。
【0149】
走行制御方法は、自律的に走行する自律走行型ロボット300の走行を制御するための走行制御方法であって、第1センサ121により自己の周囲の物体を検知し、自己に対する物体の位置関係を取得し、第2センサ122により第1センサ121と異なる方法で自己の周囲の障害物候補となる物体を検知し、自己に対する障害物候補となる物体の位置関係を取得し、第1センサ121および第2センサ122によりそれぞれ取得された位置関係に基づいて、ユーザに提示する提示情報を生成し、提示情報を提示し、ユーザにより入力された指示を受け付け、当該指示に基づいて、物体および障害物候補となる物体の少なくともいずれかを障害物と確定し、確定された障害物の少なくとも一部を含む範囲を自律走行型ロボット300の走行を禁止する走行禁止エリアに含む、自律走行型ロボット300の走行用の地図を作成し、走行用の地図上での自律走行型ロボット300の位置である自己位置を算出し、走行用の地図および自己位置に基づいて、走行計画を作成する。
【0150】
これにより、自律走行型ロボット300の走行制御方法は、障害物などの情報が適切に反映された走行用の地図に基づいて走行計画を作成するため、自律走行型ロボット300を安全に、かつ、適切に走行させることができる。
【0151】
なお、本開示が、システムで実現される場合、複数の装置によって実現されてもよく、単一の装置として実現されてもよい。また、システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された走行地図作成装置100、ユーザ端末装置200、および、自律走行型ロボット300がそれぞれ備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0152】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0153】
例えば、実施の形態では、走行制御システム400は、複数の装置によって実現されているが、走行制御システム400が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。また、例えば、走行制御システム400と通信可能なサーバ装置が、制御部130、330が含む複数の構成要素を備えていてもよい。
【0154】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0155】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0156】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0157】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0158】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0159】
例えば、本開示は、走行制御システム400などのコンピュータが実行する走行制御方法として実現されてもよいし、このような走行制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、汎用のコンピュータを上記実施の形態のユーザ端末装置200として動作させるためのプログラムとして実現されてもよい。本開示は、これらのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0160】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本開示は、自律的に走行するロボットに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0162】
1、21、41 壁
2、42 ごみ箱
10 広域通信ネットワーク
22 立て札
32 障害物
100 走行地図作成装置
101 本体
110、210、310 通信部
120 センサ部
121 第1センサ
122 第2センサ
122a 発信部
122b 受信部
123 撮像部
130、230、330 制御部
131、332 自己位置算出部
132 障害物位置算出部
133 提示情報生成部
134 走行地図作成部
140、240、340 記憶部
150、220 受付部
160 通知部
170、250 提示部
190 台車
191 ハンドル
192 スタンド
200 ユーザ端末装置
300 自律走行型ロボット
301 筐体
320 位置センサ
331 走行地図取得部
333 走行計画作成部
334 駆動制御部
335 掃除制御部
350 駆動部
351 車輪
360 掃除部
361 サイドブラシ
362 メインブラシ
363 吸引口
400 走行制御システム