(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】部品装着装置および部品装着方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20241213BHJP
【FI】
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2022526951
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2021019139
(87)【国際公開番号】W WO2021241389
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2020093810
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020093811
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】綴木 邦巳
(72)【発明者】
【氏名】山村 達雄
(72)【発明者】
【氏名】李 強麗
(72)【発明者】
【氏名】高田 力
(72)【発明者】
【氏名】堀江 敦行
(72)【発明者】
【氏名】三島 一成
(72)【発明者】
【氏名】木谷 実
(72)【発明者】
【氏名】金井 一憲
(72)【発明者】
【氏名】奥 康夫
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛昭
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6496908(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアテープに収納された部品を供給する部品供給ユニットが着脱自在に装着される部品供給部と、
前記部品供給部に装着された前記部品供給ユニットの種類を含むフィーダ情報を取得するフィーダ情報取得部と、
前記部品供給ユニットから供給された前記部品を基板に装着する装着ヘッドと、
前記フィーダ情報に基づいて前記部品供給ユニットを制御するユニット制御部と、を備え
、
前記部品供給ユニットは、前記部品供給ユニットの機能を拡張するための拡張ユニットを装着することで異なる種類のフィーダに変更されるものであり、前記フィーダ情報取得部は前記拡張ユニットの有無によって特定される前記フィーダの種類を取得する、部品装着装置。
【請求項2】
前記フィーダ情報取得部は、前記フィーダ情報を前記部品供給部に装着された前記部品供給ユニットから取得する、請求項1
に記載の部品装着装置。
【請求項3】
さらに、前記キャリアテープの前記部品の品切れを判定する品切れ判定部を備え、
前記ユニット制御部は、品切れになった前記キャリアテープを保持している前記部品供給ユニットを前記フィーダ情報に基づいて制御する、請求項1または2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
前記拡張ユニットは、前記部品供給ユニットへ新たな前記キャリアテープを自動装填する自動装填ユニットである、請求項
3に記載の部品装着装置。
【請求項5】
前記ユニット制御部は、前記フィーダ情報により前記品切れになったキャリアテープを保持している前記部品供給ユニットが前記自動装填ユニットを有するものと識別したならば、前記品切れになったキャリアテープを排出して新たな前記キャリアテープを自動装填する旨の指令を前記部品供給ユニットへ出力し、前記自動装填ユニットを有しないものと識別したならば、品切れを報知する指令を出力する、請求項
4に記載の部品装着装置。
【請求項6】
キャリアテープに収納された部品を供給する部品供給ユニットが着脱自在に装着される部品供給部と、前記部品供給ユニットから前記部品を取り出して基板に装着する装着ヘッドにより、前記部品を前記基板に装着する部品装着方法であって、
前記部品供給部に装着された前記部品供給ユニットの種類を含むフィーダ情報を取得する工程と、
前記装着ヘッドが前記部品供給ユニットから前記部品を取り出して前記基板に装着する工程と、
前記フィーダ情報に基づいて前記部品供給ユニットを制御する工程と、を含
み、
前記部品供給ユニットは、前記部品供給ユニットの機能を拡張するための拡張ユニットを装着することで異なる種類のフィーダに変更されるものであり、
前記フィーダ情報として少なくとも前記拡張ユニットの有無によって特定される前記フィーダの種類が取得される、部品装着方法。
【請求項7】
前記フィーダ情報は、前記部品供給部に装着された前記部品供給ユニットから取得される、請求項
6に記載の部品装着方法。
【請求項8】
前記拡張ユニットは、前記部品供給ユニットへ新たなキャリアテープを自動装填する自動装填ユニットであり、
前記キャリアテープの前記部品の品切れを判定する工程と、
前記フィーダ情報より品切れになった前記キャリアテープを保持している前記部品供給ユニットが前記自動装填ユニットを有するものか否かを識別する工程と、
前記自動装填ユニットを有するものと識別したならば、前記品切れになったキャリアテープを排出して新たな前記キャリアテープを自動装填する旨の指令を前記部品供給ユニットへ出力する工程と、
前記自動装填ユニットを有しないものと識別したならば、品切れを報知する指令を出力する工程と、をさらに含む、請求項
6に記載の部品装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品供給ユニットから供給された部品を基板に装着する部品装着装置および部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を装着して実装基板を生産する部品装着装置は、キャリアテープに収納された部品を供給する部品供給ユニットと、部品供給ユニットから部品を取り出して基板に装着する装着ヘッドを備えている。部品供給ユニットには、拡張ユニットを接続するコネクタを備え、このコネクタに拡張ユニットを接続することで、部品供給ユニットの機能を拡張することができるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の部品供給ユニット(パーツフィーダ)は、赤外線通信用アダプタや無線通信用アダプタなどの拡張ユニットを接続するコネクタ(拡張通信ポート)を備えている。コネクタに赤外線通信用アダプタを接続することにより、部品供給ユニットが赤外線通信を内蔵するハンディスキャナと直接通信することができるようになり、部品供給ユニットが内蔵する制御部へのデータ書き込みを簡便に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、拡張ユニットを接続することで部品供給ユニットの機能は拡張されるものの、部品装着装置本体の制御は変更されないため拡張可能な機能に制限があり、多くの機能に対応させるためにはさらなる改善の余地があった。
【0006】
そこで本開示は、部品供給ユニットの構成に対応して自動的に適合する方法で基板に部品を装着することができる部品装着装置および部品装着方法を提供することを目的とする。
【0007】
本開示の部品装着装置は、キャリアテープに収納された部品を供給する部品供給ユニットが着脱自在に装着される部品供給部と、部品供給部に装着された部品供給ユニットの種類を含むフィーダ情報を取得するフィーダ情報取得部と、部品供給ユニットから供給された部品を基板に装着する装着ヘッドと、フィーダ情報に基づいて部品供給ユニットを制御するユニット制御部と、を備えた。
【0008】
本開示の部品装着方法は、キャリアテープに収納された部品を供給する部品供給ユニットが着脱自在に装着される部品供給部と、部品供給ユニットから部品を取り出して基板に装着する装着ヘッドにより、部品を基板に装着する部品装着方法であって、部品供給部に装着された部品供給ユニットの種類を含むフィーダ情報を取得する工程と、装着ヘッドが部品供給ユニットから部品を取り出して基板に装着する工程と、フィーダ情報に基づいて部品供給ユニットを制御する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、部品供給ユニットの構成に対応して自動的に適合する方法で基板に部品を装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施の形態の部品装着装置の平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施の形態の部品装着装置の部分断面図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)が装着される部品供給部の構成説明図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニットの構成説明図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)を部品供給部に装着する工程の説明図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)を部品供給部に装着する工程の説明図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)が部品供給部に装着された状態の説明図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)にオートロードユニットを装着する工程の説明図である。
【
図7B】
図7Bは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)にオートロードユニットを装着する工程の説明図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)にオートロードユニットを装着して2本目のキャリアテープをセットした状態の説明図である。
【
図9】
図9は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着されたオートロードユニットの構成説明図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着されたオートロードユニットにおいてキャリアテープが交換される工程の説明図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着されたオートロードユニットにおいてキャリアテープが交換される工程の説明図である。
【
図10C】
図10Cは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着されたオートロードユニットにおいてキャリアテープが交換される工程の説明図である。
【
図10D】
図10Dは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着されたオートロードユニットにおいてキャリアテープが交換される工程の説明図である。
【
図11】
図11は、本開示の一実施の形態の部品装着装置の構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)の構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着されるオートロードユニットの構成を示すブロック図である。
【
図14A】
図14Aは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着される無線通信ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図14B】
図14Bは、本開示の一実施の形態の部品供給ユニット(部品供給装置)に装着される他の無線通信ユニットの構成を示すブロック図である。
【
図15】
図15は、本開示の一実施の形態の部品装着装置における拡張ユニット識別処理のフロー図である。
【
図16】
図16は、本開示の一実施の形態の部品装着装置における品切れ監視処理のフロー図である。
【
図17】
図17は、本開示の一実施の形態のノーマルフィーダにおけるキャリアテープ搬送処理のフロー図である。
【
図18】
図18は、本開示の一実施の形態のオートロードフィーダにおけるキャリアテープ搬送処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて、本開示の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品装着装置、部品供給ユニット(部品供給装置)などの仕様に応じ、適宜変更が可能である。
【0012】
以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1および後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(
図1における上下方向)が示される。
図2では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向(
図2における上下方向)が示される。Z方向は、部品装着装置が水平面上に設置された場合の上下方向または水平面に対する直交方向である。
【0013】
まず
図1、
図2を参照して、部品装着装置1の構成を説明する。部品装着装置1は、部品を基板Bに装着する機能を有している。
図1において、部品装着装置1は、基台2aを含む部品装着装置本体部2と、部品装着装置本体部2に取り付けられた台車6を含んで構成されている。部品装着装置本体部2の基台2aの中央には、基板搬送部3がX方向に設置されている。基板搬送部3は、上流側から搬入された基板BをX方向へ搬送し、以下に説明する装着ヘッド9による装着作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送部3は、部品実装作業が完了した基板Bを下流側に搬出する。
【0014】
図1、
図2において、部品装着装置本体部2の基板搬送部3の両側方には、台車装着部4が設けられている。台車装着部4には、台車6がそれぞれ取り付けられている。台車6には、複数の部品供給ユニット5がX方向に並列に装着されている。部品供給ユニット5は、部品を収納するポケットが形成されたキャリアテープTを台車装着部4の外側から基板搬送部3に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、装着ヘッド9が部品をピックアップする部品取出し位置に部品を供給する。すなわち、部品供給ユニット5は、キャリアテープTに収納された部品を供給する部品供給装置である。
【0015】
図1において、部品装着装置本体部2の基台2aの上面におけるX方向の両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル7が配置されている。Y軸テーブル7には、同様にリニア機構を備えたビーム8がY方向に移動自在に結合されている。ビーム8には、装着ヘッド9がX方向に移動自在に装着されている。装着ヘッド9の下端部には、部品を真空吸着して保持する吸着ノズル9a(
図2参照)が装着されている。
【0016】
Y軸テーブル7およびビーム8は、装着ヘッド9を水平方向(X方向、Y方向)に移動させる。装着ヘッド9は、台車装着部4に取り付けられた台車6に装着されている部品供給ユニット5から供給された部品を吸着ノズル9aによって吸着してピックアップし、基板搬送部3に位置決めされた基板Bの装着位置に装着する。Y軸テーブル7、ビーム8、および装着ヘッド9は、部品を保持した装着ヘッド9を移動させることにより、部品を基板Bに移送搭載する部品装着部10を構成する。
【0017】
図2において、台車6の上部には、部品供給ユニット装着部6aが設置されている。部品供給ユニット5は、部品供給ユニット装着部6aの上面に形成された装着ベース6bに装着される。台車6の後側(部品装着装置本体部2とは反対側)には、部品を収納するキャリアテープTが巻回された部品リール11が保持されている。部品供給ユニット5は、部品リール11に収納されているキャリアテープTをテープ送り方向に搬送して装着ヘッド9による部品取出し位置に部品を供給する。
【0018】
部品装着装置本体部2の基台2aには、電源部12と装着制御部13が配置されている。台車6に装着された部品供給ユニット5は、部品供給ユニット装着部6aを介して電源部12、装着制御部13と接続される。すなわち、部品装着装置1に装着された部品供給ユニット5には、電源部12から電力が供給され、装着制御部13から各種の指令が送信される。
【0019】
このように、部品装着装置1の部品装着装置本体部2に取り付けられた台車6に設置された部品供給ユニット装着部6aは、部品を供給する複数の部品供給ユニット5が着脱自在に装着される部品供給部C(
図11参照)である。また、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5は、部品を基板Bに装着する部品装着装置1に部品を供給する部品供給装置である。
【0020】
次に
図3、
図4を参照して、台車6に設置された部品供給ユニット装着部6a(部品供給部C)の詳細な構成について説明する。部品供給ユニット装着部6aの後面には、装着ベース6bに装着される部品供給ユニット5に対応して、複数の装着部コネクタ14、装着部エアジョイント15、装着部姿勢安定ピン16が配置されている。装着部コネクタ14は、部品供給ユニット5が備える第1のコネクタ22と接続される。装着部エアジョイント15は、部品供給ユニット5が備えるエアジョイント23と接続される。装着部姿勢安定ピン16は、部品供給ユニット5に形成されたピン挿入孔24に挿入される。
【0021】
部品供給ユニット装着部6aの上部に形成された装着ベース6bの上面には、装着ベース6bに装着される複数の部品供給ユニット5に対応して、部品供給ユニット5の装着方向に延びる複数のガイド17と第1位置規制部18が配置されている。部品供給ユニット5を装着ベース6bに装着する際には、部品供給ユニット5が備えるスライダ25がガイド17に沿ってスライドする。第1位置規制部18は、装着ベース6bに装着される部品供給ユニット5の高さ方向の位置を規制する。
【0022】
図3、
図4において、装着ベース6bの後面には、装着ベース6bに装着される複数の部品供給ユニット5に対応して、複数の固定アーム19が配置されている。固定アーム19は、部品供給ユニット5が備えるフック26に係合して装着ベース6bに装着された部品供給ユニット5を固定する。装着ベース6bの上面の前側には、板状の姿勢安定部材20が直立して配置されている。姿勢安定部材20の後側であって、姿勢安定部材20とガイド17の間には、第2位置規制部21が配置されている。
【0023】
姿勢安定部材20の後面の上部には、装着ベース6bに装着される複数の部品供給ユニット5に対応して、複数の姿勢安定部材挿入孔20aが形成されている。第2位置規制部21の後面には、装着ベース6bに装着される部品供給ユニット5に対応して、位置規制部挿入孔21aが形成されている。姿勢安定部材挿入孔20aと位置規制部挿入孔21aには、部品供給ユニット5に形成された姿勢安定ピン27と位置規制ピン28がそれぞれ挿入される。
【0024】
次に
図4を参照して、部品供給ユニット5(部品供給装置)の詳細な構成について説明する。部品供給ユニット5は、本体部5aと、本体部5aの下方の後側に位置する接続部5bと、本体部5aの前方の上側に位置する排出部5cを含んで構成されている。接続部5bの内部には、部品供給ユニット5の各部を制御するフィーダ制御部29が配置されている。
【0025】
接続部5bの前面には、固定アーム19が係合するフック26、装着部エアジョイント15と接続されるエアジョイント23、装着部コネクタ14と接続される第1のコネクタ22、装着部姿勢安定ピン16が挿入されるピン挿入孔24が、上方から下方に向けて順番に配置されている。接続部5bの後面には、後述する拡張ユニット(オートロードユニット40)が備える第3のコネクタ41(
図7A参照)と接続される第2のコネクタ30が配置されている。
【0026】
図4において、排出部5cの前面の上側には、姿勢安定部材挿入孔20aに挿入される姿勢安定ピン27が配置されている。本体部5aの下面の前側には、ガイド17に沿ってスライドするスライダ25が配置されている。本体部5aの前面の下側には、位置規制部挿入孔21aに挿入される位置規制ピン28が配置されている。本体部5aと接続部5bの後面の一部には、拡張ユニット(オートロードユニット40)に形成された連結部42(
図7A参照)が係合する凹状の被連結部5dが形成されている。被連結部5dと第2のコネクタ30は、拡張ユニットが装着される拡張ユニット装着部31を構成する。
【0027】
本体部5aの内部には、部品リール11から引き出されて部品供給ユニット5内に取り込まれたキャリアテープTを案内する搬送路32が設けられている。搬送路32は、部品供給ユニット5におけるテープ送り方向の上流側(
図4の左側)の本体部5aの後面に開口した挿入口32aから、テープ送り方向の下流側(
図4の右側)の排出部5cの下面に開口した排出口32bまで連通して設けられている。搬送路32の途中には、装着ヘッド9によって部品が取り出される部品取出し位置Pが設けられている。
【0028】
図4において、本体部5aの内部であって搬送路32の下流側の下方には、本体部5aの内部に配置されたキャリアテープ搬送モータ33によって回転駆動される複数のスプロケット34が配置されている。この例では、上流側から導入用、搬送用、搬出用の3つのスプロケット34が配置されている。部品取出し位置Pは、搬送用と搬出用のスプロケット34の間に設定されている。
【0029】
導入用と搬送用のスプロケット34の間であって搬送路32の上方には、一対のローラを含むカバーテープ剥離部35が配置されている。本体部5aの内部であってカバーテープ剥離部35の上流側には、カバーテープ収納部36が形成されている。搬送路32において、導入用のスプロケット34より上流側には搬送路32に挿入されたキャリアテープTを検出するテープ検出センサ37が配置されている。テープ検出センサ37による検出結果は、フィーダ制御部29に送信される。また、キャリアテープ搬送モータ33とカバーテープ剥離部35は、フィーダ制御部29によって制御される。
【0030】
次に
図5A、
図5B、および
図6を参照して、部品供給ユニット5を台車6の部品供給ユニット装着部6a(部品供給部C)に装着する工程について説明する。まず、部品供給ユニット5のスライダ25を装着ベース6bのガイド17の高さに合わせて、部品供給ユニット5を台車6の後方から部品供給ユニット装着部6aに接近させる(
図5Aの矢印a)。さらに、スライダ25をガイド17に沿ってスライドさせながら、部品供給ユニット5を部品供給ユニット装着部6aの前方に移動させる(
図5Bの矢印b)。
【0031】
図6において、部品供給ユニット5の本体部5aの前面が第2位置規制部21の後面に当接した状態で、姿勢安定部材挿入孔20aに姿勢安定ピン27が挿入され、位置規制部挿入孔21aに位置規制ピン28が挿入され、装着部姿勢安定ピン16がピン挿入孔24に挿入される。さらに、フック26に固定アーム19が係合して部品供給ユニット5の部品供給ユニット装着部6aへの装着が完了する。この時、装着部エアジョイント15とエアジョイント23が接続され、装着部コネクタ14と第1のコネクタ22が接続される。
【0032】
部品供給ユニット5は、部品供給ユニット装着部6aに装着された状態でスライダ25が第1位置規制部18に当接することで、高さ方向(Z方向)の位置が定まる。また、部品供給ユニット5は、本体部5aが第2位置規制部21に当接することで、部品供給ユニット装着部6aの装着方向(台車6が部品装着装置本体部2に装着された状態のY方向)の位置が定まる。また、部品供給ユニット5は、姿勢安定部材挿入孔20aに姿勢安定ピン27が挿入され、装着部姿勢安定ピン16がピン挿入孔24に挿入されることで、装着方向の軸回りの変位(振動)が抑制される。
【0033】
図2、
図6において、部品供給ユニット5が装着された台車6が部品装着装置本体部2に取り付けられると、部品装着装置1の電源部12が装着部コネクタ14と第1のコネクタ22を介して部品供給ユニット5に接続される。これにより、電源部12から部品供給ユニット5に電力が供給される。また、部品装着装置1の装着制御部13が装着部コネクタ14と第1のコネクタ22を介して部品供給ユニット5のフィーダ制御部29に接続される。これにより、装着制御部13とフィーダ制御部29の間で各種指令や情報の送受信が可能となる。また、部品供給ユニット5には、装着部エアジョイント15とエアジョイント23を介して部品装着装置本体部2からエアが供給可能となる。
【0034】
次に
図2、
図6を参照して、部品供給ユニット5におけるキャリアテープTの搬送について説明する。挿入口32aから搬送路32に挿入されたキャリアテープTの先端部がテープ検出センサ37で検出されると、フィーダ制御部29はキャリアテープ搬送モータ33を駆動させて複数のスプロケット34を回転させる。これにより、挿入されたキャリアテープTは導入用と搬送用のスプロケット34によって部品取出し位置Pまでテープ送りされる。
【0035】
キャリアテープTの先端部が導入用のスプロケット34から搬送用のスプロケット34に乗り移る間に、カバーテープ剥離部35によってキャリアテープTの上面に貼付されていたカバーテープが剥離される。剥離されたカバーテープは、カバーテープ収納部36に回収される。部品取出し位置Pにおいて部品が取り出されたキャリアテープTは搬出用のスプロケット34によって排出口32bから外部に押し出される。部品が取り出されて排出口32bから押し出された使用済みのキャリアテープTは、台車6に設置された図示省略する使用済みキャリアテープ回収部に回収される。
【0036】
図2において、拡張ユニット装着部31に拡張ユニット(オートロードユニット40)を装着していない状態の部品供給ユニット5(以下、単に「ノーマルフィーダ」と称する。)は、供給しているキャリアテープTの残りが短くなると(部品が少なくなると)、先行のキャリアテープT(以下、単に「先行テープT1」と称する。)の後端に、スプライシングテープを使用して後続のキャリアテープT(以下、単に「後続テープT2」と称する。)の先端を継合する部品補充作業(スプライシング)が行われる。
【0037】
次に
図7A、
図7Bを参照して、部品供給ユニット5に装着して使用される拡張ユニットついて説明する。ここでは、拡張ユニットのうちオートロードユニット40を例に説明する。
図7Aにおいて、オートロードユニット40の前面の下側には、部品供給ユニット5の第2のコネクタ30と接続される第3のコネクタ41が配置されている。オートロードユニット40の前面の上側には、部品供給ユニット5の被連結部5dに係合する凸状の連結部42が形成されている。
【0038】
すなわち、被連結部5dは、装着された拡張ユニットを部品供給ユニット5(部品供給装置)に固定する固定部である。なお、連結部42と被連結部5dは、拡張ユニットを部品供給ユニット5に固定できるものであれば凹状と凸状の形状に限定されることはない。オートロードユニット40の内部には、部品リール11から引き出されてオートロードユニット40内に取り込まれたキャリアテープTを案内する拡張搬送路43が設けられている。拡張搬送路43は、オートロードユニット40の後面に開口した拡張挿入口43aから前面に開口した拡張排出口43bまで連通して設けられている。
【0039】
図7Bにおいて、部品供給ユニット5の被連結部5dに連結部42が係合するように部品供給ユニット5の後方からオートロードユニット40を装着すると、第2のコネクタ30と第3のコネクタ41が接続される。すなわち、部品供給ユニット5の拡張ユニット装着部31(被連結部5d、第2のコネクタ30)に連結部42と第3のコネクタ41が連結される。この状態で、部品供給ユニット5の搬送路32にオートロードユニット40の拡張搬送路43が連結されて、拡張挿入口43aから排出口32bまでキャリアテープTの走路が連通する。
【0040】
次に
図8を参照して、拡張ユニット装着部31にオートロードユニット40を装着した部品供給ユニット5(以下、単に「オートロードフィーダAF」と称する。)の機能について説明する。オートロードフィーダAFでは、先行テープT1から部品取出し位置Pに部品を供給している状態で、拡張挿入口43aから部品補充用の後続テープT2を装着することができる。後続テープT2が装着されたオートロードフィーダAFは、先行テープT1が品切れとなると、先行テープT1に代わって後続テープT2を部品取出し位置Pに向けて自動装填する。
【0041】
次に
図9を参照して、オートロードユニット40の内部に設置されたテープ交換機構44の構成について説明する。テープ交換機構44は、拡張スプロケット45、拡張スプロケット45を回転駆動するモータ46、ブロック47、レバー48を備えて構成されている。拡張スプロケット45は拡張搬送路43の上方に設置されており、拡張搬送路43に挿入されたキャリアテープTをテープ送り方向に送り出す機能を有している。オートロードユニット40を部品供給ユニット5に装着すると、モータ46は第3のコネクタ41と第2のコネクタ30を介してフィーダ制御部29に接続されて、フィーダ制御部29によって制御される。
【0042】
モータ46によって回転する拡張スプロケット45の駆動軸には、一方向クラッチ49が配置されている。一方向クラッチ49は、拡張挿入口43aから挿入されたキャリアテープTがテープ送り方向に移動する際に拡張スプロケット45が回転する方向(矢印c)に拡張スプロケット45が回転することを許容するが、反対方向(矢印d)に回転することは阻止する。これによって、拡張挿入口43aから挿入されたキャリアテープTが拡張挿入口43aから抜け落ちることを防止できる。
【0043】
図9において、テープ交換機構44には、拡張スプロケット45の回転を検出するセンサ50が配置されている。センサ50は、拡張挿入口43aからキャリアテープTを挿入する際の拡張スプロケット45の回転(矢印e)を検出することで、キャリアテープTの装着を検出する。オートロードユニット40を部品供給ユニット5に装着すると、センサ50は第3のコネクタ41と第2のコネクタ30を介してフィーダ制御部29に接続され、センサ50による検出結果はフィーダ制御部29に送信される。
【0044】
ブロック47は、拡張搬送路43を挟んで拡張スプロケット45の下方に配置されている。ブロック47は、図示省略するバネなどの弾性体で拡張スプロケット45の方向に付勢されており、拡張搬送路43に挿入されたキャリアテープTを拡張スプロケット45に押し付ける機能を有している。
【0045】
図9において、レバー48は、拡張スプロケット45とブロック47よりもテープ送り方向の下流側の拡張搬送路43の中に配置されている。レバー48は、上流側の端部にストッパ48aを備え、下流側の端部にローラ48bを備えており、テープ送り方向に水平面内で直交する方向に延びる支軸48cを回転軸として揺動する。レバー48のストッパ48aと支軸48cの間の上面には、バネなどの弾性部材51が接続されている。レバー48は、弾性部材51によってストッパ48a側が上方に持ち上がる方向に付勢されている。
【0046】
図9では、オートロードユニット40には、部品を供給している先行テープT1の他に、部品補充用の後続テープT2が挿入されている。レバー48は、弾性部材51の付勢力に抗してローラ48bが先行テープT1により持ち上げられることで、反対側のストッパ48aが下方に下がっている。後続テープT2は、下方に下がった阻止位置にあるストッパ48aに先端部が当接して停止(待機)している。
【0047】
次に
図10A~
図10Dを参照して、テープ交換機構44によって部品を供給するキャリアテープTを先行テープT1から後続テープT2に交換するテープ交換処理について説明する。
図10Aは、
図9の状態から先行テープT1からの部品の供給が進行し、先行テープT1の後端部がブロック47よりも下流側に移動した状態を示している。
図10Aでは、レバー48のローラ48bを先行テープT1が持ち上げた状態であり、阻止位置にあるストッパ48aによって後続テープT2は停止している。
【0048】
図10Bは、先行テープT1の後端部がローラ48bを通過した状態を示している。先行テープT1が通過すると弾性部材51の付勢力によりローラ48bは下方に下がり、ストッパ48aは待機中の後続テープT2の進入を許容する許容位置まで上昇する(矢印f)。その後、フィーダ制御部29からの指令によりモータ46が稼働すると、拡張スプロケット45が回転して(矢印g)、後続テープT2が部品供給ユニット5に補充される。すなわち、フィーダ制御部29からの指令により、自動的に後続テープT2が部品供給ユニット5に供給(自動装填)される。
【0049】
図10Cにおいて、拡張スプロケット45が回転して(矢印h)後続テープT2が下流側に移動し、後続テープT2がローラ48bを持ち上げるとストッパ48aが阻止位置に移動する(矢印i)。
図10Dにおいて、作業者が次のキャリアテープT3を拡張挿入口43aから挿入すると(矢印j)、次のキャリアテープT3は拡張スプロケット45と先のキャリアテープT(後続テープT2)の間を進入し、阻止位置にあるストッパ48aに当接して停止する。このように、拡張ユニットであるオートロードユニット40は、部品供給ユニット5へ新たなキャリアテープT(後続テープT2)を自動装填する自動装填ユニットである。
【0050】
次に
図11を参照して、部品装着装置1の制御系の構成について説明する。部品装着装置1が備える装着制御部13には、基板搬送部3、部品装着部10、報知部61、タッチパネル62、装着記憶部63が接続されている。また、部品供給部C(部品供給ユニット装着部6a)に装着された部品供給ユニット5は、第1のコネクタ22と装着部コネクタ14を介して装着制御部13に接続される。装着制御部13は、ユニット制御部64、構成情報取得部65、品切れ判定部66、フィーダ情報取得部67を備えている。
【0051】
装着制御部13は、部品装着装置1を含む生産ラインを管理するサーバなどの情報管理部68との間で、通信ネットワーク69を介して各種情報を送受信する。装着記憶部63は記憶装置であり、構成情報63a、フィーダ情報63bなどを記憶している。報知部61は、表示灯やブザーなどであり、部品供給ユニット5が品切れとなる警告や、部品供給ユニット5に装着された拡張ユニットが不適切であるエラーなどをランプの点灯や警告音などで報知する。タッチパネル62は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品装着装置1の操作を行う。
【0052】
図11において、構成情報取得部65は、部品供給部Cに装着された複数の部品供給ユニット5と通信して、部品供給ユニット5の構成情報をそれぞれ取得する。または、構成情報取得部65は、情報管理部68と通信して、部品供給部Cに装着された複数の部品供給ユニット5の構成情報を取得する。構成情報取得部65は、取得した構成情報63aを装着記憶部63に記憶させる。
【0053】
フィーダ情報取得部67は、部品供給部Cに装着された複数の部品供給ユニット5と通信して、部品供給ユニット5の種類を含むフィーダ情報をそれぞれ取得する。または、フィーダ情報取得部67は、情報管理部68と通信して、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5のフィーダ情報を取得する。フィーダ情報取得部67は、取得したフィーダ情報63bを装着記憶部63に記憶させる。
【0054】
図11において、品切れ判定部66は、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5から部品を供給しているキャリアテープT(先行テープT1)に収納されていた初期部品数、部品供給ユニット5が供給した供給部品数などから、部品を供給しているキャリアテープTに収納されている部品残数を計数する。そして、品切れ判定部66は部品残数に基づいて、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5に装着されているキャリアテープTの部品の部品残数がゼロとなる品切れが発生したか否かを判定する。
【0055】
ユニット制御部64は、装着記憶部63に記憶されている構成情報63aまたはフィーダ情報63bに基づいて、部品供給部Cに装着されている部品供給ユニット5を制御する。具体的には、ユニット制御部64は、品切れ判定部66によって品切れになったと判断されたキャリアテープを保持している部品供給ユニット5を構成情報63aまたはフィーダ情報63bに基づいて制御して、後述する部品補充処理を実行させる。
【0056】
次に
図12を参照して、部品供給ユニット5(部品供給装置)の制御系の構成について説明する。部品供給ユニット5が備えるフィーダ制御部29には、キャリアテープ搬送モータ33、テープ検出センサ37、ランプ71、操作部72、表示部73、情報記憶部74が接続されている。フィーダ制御部29は、動作プログラム記憶部75、拡張ユニット識別部76を備えており、部品供給ユニット5の動作を制御する。すなわち、フィーダ制御部29は、部品供給装置(部品供給ユニット5)の動作を制御する第1の制御部である。
【0057】
ランプ71は、部品供給ユニット5の稼働状態、品切れなどを点灯、点滅などで報知する。操作部72は、ボタンなどで構成されており、作業者による部品供給ユニット5に対する操作を受け付ける。表示部73は液晶表示板や7セグメントLED(Light Emitting Diode)などであり、部品供給ユニット5の稼働状態などを文字で表示する。情報記憶部74は記憶装置であり、部品供給ユニット5を特定する固有番号などを含むフィーダ情報、部品供給ユニット5が供給している部品名、部品の識別番号、部品残数などを含む部品情報、オートロードユニット40が装着されている場合は後続テープT2の有無などを記憶している。
【0058】
図12において、部品供給部Cの装着部コネクタ14に装着される第1のコネクタ22には、装着部コネクタ14の端子と電気的に接続される複数の端子が所定の配置で設けられている。第1のコネクタ22の電力端子22aには、部品供給ユニット5内に配置された第1の電力線77が接続されている。装着部コネクタ14に第1のコネクタ22が装着されると、第1の電力線77は電力端子22aを介して部品装着装置1が備える電源部12に接続され、電源部12から第1の電力線77に電力が供給される。第1の電力線77は、部品供給ユニット5が備える電源回路78に接続されている。電源回路78は、部品供給ユニット5が備える各部に電力を供給する。
【0059】
第1のコネクタ22の通信端子22bには、部品供給ユニット5内に配置された第1の通信部83に一端が接続された第1の通信線82の他端が接続されている。第1の通信部83は、第1の通信線82を介して装着制御部13から送信されたシリアル信号をパラレル信号に変換してフィーダ制御部29に送信する。また、第1の通信部83は、フィーダ制御部29から送信されたパラレル信号をシリアル信号に変換して装着制御部13に送信する。第1のコネクタ22の複数の制御端子22cには、フィーダ制御部29に一端が接続された複数の第1の制御線84の他端がそれぞれ接続されている。フィーダ制御部29と装着制御部13は、複数の第1の制御線84を介して制御信号を送受信する。
【0060】
次に
図12、
図13を参照して、拡張ユニットであるオートロードユニット40の制御系の構成と、部品供給ユニット5(部品供給装置)の制御系のうち拡張ユニットと接続される部分の構成について説明する。オートロードユニット40の第3のコネクタ41と部品供給ユニット5の第2のコネクタ30は、それぞれ電気的に相互に接続される複数の端子が所定の配置で設けられている。第2のコネクタ30の電力端子30aには、部品供給ユニット5内に配置された第2の電力線80が接続されている。
【0061】
第2の電力線80は、フィーダ制御部29で制御されるスイッチ部79を介して第1の電力線77と接続されている。フィーダ制御部29がスイッチ部79をオンさせると第1の電力線77から第2の電力線80に電力が供給され、スイッチ部79をオフさせると第1の電力線77から第2の電力線80への電力供給が遮断される。また、スイッチ部79は第1の電力線77から第2の電力線80に供給される電流を検知する機能を備えており、過電流を検出すると第2の電力線80への電力の供給を遮断する。第2のコネクタ30の検出端子30bは、拡張ユニット検出線81を介してフィーダ制御部29に接続されている。
【0062】
図12、
図13において、オートロードユニット40の第3のコネクタ41の電力端子41aには、オートロードユニット40内に配置された電源回路91に一端が接続された第3の電力線90の他端が接続されている。電源回路91は、オートロードユニット40が備える各部に電力を供給する。第3のコネクタ41の検出端子41bには、オートロードユニット40内に配置された抵抗値の高い抵抗92を介して第3の電力線90が接続されている。すなわち、第3のコネクタ41の検出端子41bの電圧を計測することで、第3の電力線90に供給されている電力の状態を検出することができる。
【0063】
ここで、
図12、
図13を参照して、フィーダ制御部29(第1の制御部)によるオートロードユニット40(拡張ユニット)の有無の検出方法について説明する。オートロードユニット40が部品供給部Cに装着されている部品供給ユニット5に装着された状態でフィーダ制御部29がスイッチ部79をオンさせると、部品供給ユニット5の第2のコネクタ30の電力端子30aからオートロードユニット40に電力が供給される。そして、第3のコネクタ41の検出端子41bから、第3の電力線90の電圧が出力される。この場合、第2のコネクタ30の検出端子30bは、第3の電力線90と同じ電圧、すなわち第1の電力線77と同じ(ほぼ同じ)電圧となる。
【0064】
オートロードユニット40が部品供給部Cに装着されている部品供給ユニット5に装着された状態でフィーダ制御部29がスイッチ部79をオフさせると、オートロードユニット40への電力供給が遮断される。この場合、第2のコネクタ30の検出端子30bはオープン状態となる。また、オートロードユニット40が部品供給部Cに装着されている部品供給ユニット5に装着されていない状態でフィーダ制御部29がスイッチ部79をオンさせても、第2のコネクタ30の検出端子30bはオープン状態のままである。なお、拡張ユニット検出線81がプルダウンされている場合は、検出端子30bがオープン状態となると拡張ユニット検出線81の電圧はゼロとなる。
【0065】
図12、
図13において、フィーダ制御部29は、拡張ユニット検出線81を介して第2のコネクタ30の検出端子30bの電圧を計測している。フィーダ制御部29がスイッチ部79をオンさせた時に検出端子30bの電圧が第1の電力線77と同じ(ほぼ同じ)電圧である場合、フィーダ制御部29はオートロードユニット40(拡張ユニット)が装着されていると判断する。一方で、フィーダ制御部29がスイッチ部79をオンさせた時に検出端子30bがオープン状態である場合、フィーダ制御部29はオートロードユニット40が装着されていないと判断する。
【0066】
このように、第2のコネクタ30は、拡張ユニット(オートロードユニット40)の有無を検出するための拡張ユニット検出線81と接続されている。フィーダ制御部29は、スイッチ部79をオン、オフさせた時の拡張ユニット検出線81の電圧に基づいて拡張ユニットの有無を検出する。また、スイッチ部79をオンした際に、スイッチ部79は、拡張ユニットへ供給する電力に過電流を検出したら、拡張ユニットへの電力を遮断させる。すなわち、スイッチ部79は、拡張ユニットへ供給する電力を監視する安全回路である。
【0067】
図12、
図13において、部品供給ユニット5の第2のコネクタ30の通信端子30cには、部品供給ユニット5内に配置された第2の通信部85に一端が接続された第2の通信線86の他端が接続されている。第2の通信部85は、フィーダ制御部29から送信されたパラレル信号をシリアル信号に変換してオートロードユニット40に送信する。また、第2の通信部85は、第2の通信線86を介してオートロードユニット40から送信されたシリアル信号をパラレル信号に変換してフィーダ制御部29に送信する。
【0068】
オートロードユニット40の第3のコネクタ41の通信端子41cには、オートロードユニット40内に配置された拡張入出力インターフェイス(拡張IO)94に一端が接続された第3の通信線93の他端が接続されている。拡張IO94には、識別情報記憶部95、および拡張スプロケット45の回転を検出するセンサ50が接続されている。識別情報記憶部95は記憶装置であり、オートロードユニット40を特定する固有番号などを含む情報、拡張ユニットの種類を特定する情報などを記憶している。
【0069】
図12、
図13において、拡張IO94は、識別情報記憶部95に記憶されている情報、センサ50の検出結果をシリアル信号に変換して通信端子41cを介してフィーダ制御部29に送信する。拡張IO94は、フィーダ制御部29から送信されたパラレル信号を変換して識別情報記憶部95、センサ50に送信する。フィーダ制御部29(第1の制御部)が備える拡張ユニット識別部76は、オートロードユニット40の識別情報記憶部95から拡張ユニットの種類を特定する情報を取得して、第2のコネクタ30に接続された拡張ユニットの種類を認識する。
【0070】
動作プログラム記憶部75は、第2のコネクタ30に接続された拡張ユニットの種類に対応する複数の動作プログラムを記憶している。拡張ユニット識別部76は、認識した拡張ユニットの種類に対応する動作プログラムを動作プログラム記憶部75から取得して、フィーダ制御部29による制御に適応させる(例えば、ファームウェハをアップデートする)。このように、フィーダ制御部29(第1の制御部)は、第2のコネクタ30に接続された拡張ユニットの種類を認識して動作プログラムを拡張ユニットに適合させる拡張ユニット識別部76を有している。
【0071】
図12、
図13において、また、フィーダ制御部29(第1の制御部)は、拡張ユニット識別部76による認識結果を、構成情報63aまたはフィーダ情報63bとして部品装着装置1へ通知する。すなわち、フィーダ制御部29は、認識結果として、拡張ユニットの有無、装着されている拡張ユニットの種類、動作プログラムの状態の少なくともいずれかの情報を部品装着装置1へ通知する。そして、構成情報取得部65は、構成情報として少なくとも拡張ユニットの有無を取得する。また、フィーダ情報取得部67は、拡張ユニットの有無によって特定されるフィーダ(部品供給ユニット5)の種類を取得する。
【0072】
拡張ユニット識別部76による拡張ユニットの種類の認識は、フィーダ制御部29がスイッチ部79をオンにして第2のコネクタ30に接続された拡張ユニットに電力の供給を開始した直後に実行される。拡張ユニット識別部76が拡張ユニットの種類を認識できない場合や正規の拡張ユニットではなかった場合、フィーダ制御部29はスイッチ部79をオフにして電力供給を遮断させる。すなわち、拡張ユニット識別部76が拡張ユニットの種類を認識できない場合に、スイッチ部79(安全回路)は拡張ユニットへの電力を遮断させる。これにより、第2のコネクタ30に接続された不明または不適切な拡張ユニットの破壊(故障)を防止することができる。
【0073】
図12、
図13において、第2のコネクタ30の複数の制御端子30dには、フィーダ制御部29に一端が接続された複数の第2の制御線87の他端がそれぞれ接続されている。第3のコネクタ41の複数の制御端子41dの1つには、オートロードユニット40内に配置されたモータ駆動部97に一端が接続された第3の制御線96の他端が接続されている。モータ駆動部97は、拡張スプロケット45を回転駆動するモータ46を駆動する。第2のコネクタ30にオートロードユニット40が装着されるとフィーダ制御部29とモータ駆動部97が接続され、フィーダ制御部29は、第2の制御線87、第3の制御線96を介してモータ駆動部97を制御する。
【0074】
このように、部品供給装置(部品供給ユニット5)は、部品供給装置の動作を制御する第1の制御部(フィーダ制御部29)と、第1の制御部を部品装着装置1の第2の制御部(装着制御部13)と電気的に接続する第1のコネクタ22と、第1の制御部を部品供給装置に装着された拡張ユニット(オートロードユニット40)と電気的に接続する第2のコネクタ30と、を備えている。そして、第2のコネクタ30は、電力を供給する電力線(第2の電力線80)と、パラレル通信用の制御線(第2の制御線87)と、シリアル通信用の通信線(第2の信号線86)と、接続されている。これによって、部品供給装置は装着された拡張ユニットに応じて自動的に機能を拡張することができる。
【0075】
次に
図14Aを参照して、部品供給ユニット5に装着される拡張ユニットである無線通信ユニット100の構成について説明する。以下、無線通信ユニット100の構成のうちオートロードユニット40と同じ個所には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。無線通信ユニット100が備える拡張IO94には、識別情報記憶部95の他、通信モジュール101が接続されている。通信モジュール101は、無線通信用の通信モジュール、または無線タグと通信する無線モジュールである。
【0076】
無線通信ユニット100が装着された部品供給ユニット5は、通信モジュール101によって部品供給ユニット5の情報を無線で外部に送信することができる。複数の第3の制御線96には、制御部102が接続されている。制御部102には、状態表示ランプ103が接続されている。無線通信ユニット100が部品供給ユニット5に装着されると、制御部102はフィーダ制御部29と接続される。制御部102は、フィーダ制御部29から送信される指令に基づいて、状態表示ランプ103を点滅させる。
【0077】
次に
図14Bを参照して、部品供給ユニット5に装着される他の拡張ユニットであるバッテリ内蔵無線通信ユニット110の構成について説明する。以下、バッテリ内蔵無線通信ユニット110の構成のうち無線通信ユニット100と同じ個所には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。バッテリ内蔵無線通信ユニット110は、二次電池111と、制御部102と接続されて二次電池の充電を制御する充電制御部112を備えている。充電制御部112は、二次電池111への充放電を制御する。
【0078】
部品供給ユニット5から電力が供給されている間は、バッテリ内蔵無線通信ユニット110の各部には電源回路91から電力が供給される他、二次電池111が充電される。部品供給ユニット5からの電力供給が遮断されると、バッテリ内蔵無線通信ユニット110の各部には二次電池111から電力が供給される。これにより、部品供給ユニット5が外部電源に接続されていない状態でも、二次電池111から電力が供給される通信モジュール101から電波を発信することで、部品供給ユニット5の情報を送信することができる。
【0079】
次に
図15のフローに沿って、部品供給ユニット5を部品供給部C(部品供給ユニット装着部6a)に装着し、電源部12から部品供給ユニット5に電力が供給されると最初に実行される拡張ユニット識別処理について説明する。部品供給ユニット5に電力が供給されると、フィーダ制御部29はスイッチ部79をオンさせる(ST1)。これにより、第2のコネクタ30の電力端子30aから電力が供給可能となる。
【0080】
次いでフィーダ制御部29は、第2のコネクタ30の検出端子30bの電圧を計測して、第2のコネクタ30に拡張ユニットが装着されているか否かを検出する(ST2:拡張ユニット検出処理工程)。すなわち、フィーダ制御部29は、検出端子30bの電圧が第1の電力線77と同じ場合は拡張ユニットが装着されていると判断し、検出端子30bがオープン状態の場合は拡張ユニットが装着されていないと判断する。拡張ユニットが装着されている場合(ST3において「有り」)、フィーダ制御部29の拡張ユニット識別部76は、拡張ユニットの識別情報記憶部95から拡張ユニットの種類を特定する識別情報を読み取る(ST4:識別情報取得工程)。
【0081】
図15において、読み取った識別情報が正規の拡張ユニットを示す情報である場合(ST5において「適合」)、拡張ユニット識別部76は、動作プログラム記憶部75に記憶されている適合する動作プログラムを有効化する(ST6:動作プログラム有効化工程)。例えば、拡張ユニット識別部76は、読み取った識別情報が示す拡張ユニットに対応する動作プログラムが動作プログラム記憶部75に記憶されている場合、装着されたのは正規の拡張ユニットであると判断する。
【0082】
これにより、フィーダ制御部29は、装着された拡張ユニットに対応した制御を実行することができるようになる。すなわち、部品供給ユニット5は、部品供給ユニット5の機能を拡張するための拡張ユニットを装着することで異なる種類のフィーダに変更される。例えば、オートロードユニット40が装着されると、部品供給ユニット5はオートロードフィーダAFとなる。また、拡張ユニットが装着されないと、部品供給ユニット5はノーマルフィーダとなる。
【0083】
次いでフィーダ制御部29は、拡張ユニット識別処理の結果(構成情報63a、フィーダ情報63b)を部品装着装置1の装着制御部13に通知する(ST7:結果通知工程)。通知結果は、部品装着装置1の装着記憶部63に記憶される。例えば、拡張ユニット識別処理の結果は、拡張ユニットの有無や装着された拡張ユニットの識別情報など、部品装着装置1で部品供給ユニット5の構成を認識できる情報(構成情報63a)として送信される。または、拡張ユニット識別処理の結果は、オートロードフィーダAFやノーマルフィーダなど部品供給ユニット5の種類を特定する情報(フィーダ情報63b)として送信される。
【0084】
図15において、読み取った識別情報が正規の拡張ユニットを示す情報でない場合、または識別情報を読み取れなかった場合(ST5において「不適合/読み取り失敗」)、フィーダ制御部29はスイッチ部79をオフにして拡張ユニットへの電力供給を遮断させる(ST8)。次いでフィーダ制御部29は、少なくともランプ71もしくは表示部73のいずれかに、警告・エラーを報知させる(ST9)。次いで結果通知工程(ST7)が実行され、フィーダ制御部29から装着制御部13に部品供給ユニット5に装着された拡張ユニットが正規でない旨、または拡張ユニットの認識に失敗した旨が通知される。
【0085】
拡張ユニットが装着されていない場合(ST3において「無し」)、フィーダ制御部29はスイッチ部79をオフにして第2の電力端子30aへの電力供給を遮断させる(ST10)。次いで結果通知工程(ST7)が実行され、フィーダ制御部29から装着制御部13に部品供給ユニット5に拡張ユニットが装着されていない旨が通知される。
【0086】
このように、結果通知工程(ST7)において通知された情報(構成情報63a、フィーダ情報63b)は、装着制御部13(構成情報取得部65、フィーダ情報取得部67)によって取得されて装着記憶部63に記憶される。すなわち、部品装着装置1において部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5から部品を取り出して基板Bに装着する部品装着方法には、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5の構成情報63aを取得する工程(構成情報取得工程)が含まれている。
【0087】
または、部品装着方法には、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5の種類を含むフィーダ情報63bを取得する工程が(フィーダ情報取得工程)含まれている。そして、部品装着装置1は、取得した構成情報63aまたはフィーダ情報63bに基づいて部品供給ユニット5を制御し(部品供給ユニット制御工程)、装着ヘッド9が部品供給ユニット5から部品を取り出して基板Bに装着する(部品装着工程)。
【0088】
次に
図16のフローに沿って、部品実装作業中に部品装着装置1において実行される品切れ監視処理について説明する。部品実装作業中、装着制御部13の品切れ判定部66は、部品を供給している部品供給部Cに装着されている部品供給ユニット5の部品の部品残数に基づいて、部品の品切れの発生を監視している(ST11:品切れ監視工程)。すなわち、品切れ監視工程(ST11)では、キャリアテープTの部品の品切れが判定される。
【0089】
品切れが発生していない場合(ST12においてNo)、品切れ監視工程(ST11)が継続して実行される。品切れが発生した場合(ST12においてYes)、ユニット制御部64は品切れが発生した部品供給ユニット5の種類を判定する(ST13:フィーダ判定工程(部品供給ユニット5の種類判定))。具体的には、ユニット制御部64は、構成情報63aまたはフィーダ情報63bより品切れになったキャリアテープTを保持している部品供給ユニット5がオートロードユニット40(自動装填ユニット)を有するものか否かを識別する。
【0090】
図16において、品切れが発生した部品供給ユニット5がオートロードフィーダAFである場合(ST14においてYes)、ユニット制御部64は、後続テープT2の装着状態を確認する(ST15)。後続テープT2がセット済みの場合(ST16においてYes)、ユニット制御部64は、部品供給ユニット5にキャリアテープ交換指令を送信する(ST17)。
【0091】
すなわち、ユニット制御部64は、品切れとなった部品供給ユニット5がオートロードユニット40(自動装填ユニット)を有するものと識別したならば、品切れになったキャリアテープT(先行テープT1)を排出して新たなキャリアテープT(後続テープT2)を自動装填する旨の指令を部品供給ユニット5へ出力する。その後、ユニット制御部64は、品切れ監視工程(ST11)に戻る。なお、装着制御部13は、オートロードフィーダAFにおいてキャリアテープの交換が実行されている間は、そのオートロードフィーダAFからの部品の取出しを休止する(または、他の部品供給ユニット5からの部品の取り出しを先に実行する)。
【0092】
図16において、後続テープT2がセットされていない場合(ST16においてNo)、ユニット制御部64は、部品供給ユニット5に先行テープT1の排出を指示するキャリアテープ排出命令を送信し、報知部61またはタッチパネル62に部品補充を報知させる旨の部品補充報知指令を送信する(ST18)。その後、ユニット制御部64は、品切れ監視工程(ST11)に戻る。
【0093】
品切れが発生した部品供給ユニット5がノーマルフィーダである場合(ST14においてNo)、報知部61またはタッチパネル62に部品補充を報知させる旨の部品補充報知指令を送信する(ST19)。すなわち、ユニット制御部64は、品切れとなった部品供給ユニット5がオートロードユニット40(自動装填ユニット)を有しないものと識別したならば、品切れを報知する指令(部品補充報知指令)を出力する。その後、ユニット制御部64は、品切れ監視工程(ST11)に戻る。
【0094】
このように、ユニット制御部64は、構成情報63aまたはフィーダ情報63bにより品切れになったキャリアテープTを保持している部品供給ユニット5が自動装填ユニット(オートロードユニット40)を有するものと識別したならば(ST14においてYes)、品切れになったキャリアテープT(先行テープT1)を排出して新たなキャリアテープT(後続テープT2)を自動装填する旨の指令を部品供給ユニット5へ出力し(ST17)、自動装填ユニットを有しないものと識別したならば(ST14においてNo)、品切れを報知する指令を出力する(ST19)。これによって、装着された拡張ユニットに応じて、適切にキャリアテープTを補充する部品補充処理を実行することができる。
【0095】
次に
図17のフローに沿って、拡張ユニットが装着されていない部品供給ユニット5であるノーマルフィーダが、ユニット制御部64からの指令に従って実行するキャリアテープ搬送処理について説明する。部品実装作業中、フィーダ制御部29は、ユニット制御部64からの指令を待機している(ST21:指令待ち工程)。指令を受信していない場合(ST22においてNo)、指令待ち工程(ST21)が継続して実行される。指令を受信すると(ST22においてYes)、フィーダ制御部29は、受信した指令に従って部品供給ユニット5の各部を制御する(ST23~ST26)。
【0096】
具体的には、「1ピッチ送り指令」を受信すると、フィーダ制御部29はキャリアテープ搬送モータ33を制御して、キャリアテープTを1ピッチ分搬送させる(ST24:1ピッチ搬送工程)。「報知指令」を受信すると、フィーダ制御部29はランプ71、表示部73を制御して、指令された内容を報知させる(ST25:報知処理工程)。また、フィーダ制御部29は、その他の指令に応じて各種の処理を実行させる(ST26)。受信した指令を実行させると、フィーダ制御部29は指令待ち工程(ST21)に戻る。
【0097】
次に
図18のフローに沿って、オートロードユニット40が装着された部品供給ユニット5であるオートロードフィーダAFが、ユニット制御部64からの指令に従って実行するキャリアテープ搬送処理について説明する。なお、ノーマルフィーダのキャリアテープ搬送処理と同じ工程には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。部品実装作業中、指令を受信していない場合(ST22においてNo)、指令待ち工程(ST21)が継続して実行される。指令を受信すると(ST22においてYes)、フィーダ制御部29は、受信した指令に従って部品供給ユニット5の各部を制御する(ST23~ST26、ST31)。
【0098】
具体的には、「1ピッチ送り指令」を受信すると1ピッチ搬送工程(ST24)が実行される。「報知指令」を受信すると報知処理工程(ST25)が実行される。「テープ交換指令」を受信すると、フィーダ制御部29はキャリアテープ搬送モータ33、およびオートロードユニット40のモータ駆動部97を制御して、先行テープT1を排出させて後続テープT2と交換するテープ交換処理(部品補充処理)を実行させる(ST31:テープ交換処理工程)。また、フィーダ制御部29は、その他の指令に応じて各種の処理を実行させる(ST26)。受信した指令を実行させると、フィーダ制御部29は指令待ち工程(ST21)に戻る。
【0099】
上記説明したように、部品装着装置1は、キャリアテープTに収納された部品を供給する部品供給ユニット5が着脱自在に装着される部品供給部Cと、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5の構成情報63aを取得する構成情報取得部65(または、部品供給部Cに装着された部品供給ユニット5の種類を含むフィーダ情報63bを取得するフィーダ情報取得部67)と、部品供給ユニット5から供給された部品を基板Bに装着する装着ヘッド9と、構成情報63a(または、フィーダ情報63b)に基づいて部品供給ユニット5を制御するユニット制御部64と、を備えている。これによって、部品供給ユニット5の構成に対応して自動的に適合する方法で基板Bに部品を装着することができる。
【0100】
また、部品供給ユニット5は、部品を基板Bに装着する部品装着装置1に部品を供給する部品供給装置であって、部品供給装置の動作を制御する第1の制御部(フィーダ制御部29)と、第1の制御部を部品装着装置1の第2の制御部(装着制御部13)と電気的に接続する第1のコネクタ22と、第1の制御部を部品供給装置に装着された拡張ユニット(オートロードユニット40)と電気的に接続する第2のコネクタ30と、を備えている。そして、第2のコネクタ30は、電力を供給する第2の電力線80と、パラレル通信用の第2の制御線87と、シリアル通信用の第2の通信線86と接続されている。これによって、部品供給装置は、装着された拡張ユニットに応じて機能を拡張することができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本開示の部品装着装置および部品装着方法は、部品供給ユニットの構成に対応して自動的に適合する方法で基板に部品を装着することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0102】
1 部品装着装置
5 部品供給ユニット
9 装着ヘッド
40 オートロードユニット(拡張ユニット、自動装填ユニット)
64 ユニット制御部
65 構成情報取得部
66 品切れ判定部
67 フィーダ情報取得部
B 基板
C 部品供給部
T キャリアテープ