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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20241213BHJP
   G08B 31/00 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B17/00 E
G08B31/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020042352
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021144446
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉谷 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】矢島 一成
(72)【発明者】
【氏名】茂住 厳
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212892(JP,A)
【文献】特開2006-163635(JP,A)
【文献】特開2004-086566(JP,A)
【文献】特開2008-041015(JP,A)
【文献】特開2011-022663(JP,A)
【文献】特開2001-023061(JP,A)
【文献】特開平11-086165(JP,A)
【文献】特開平06-274782(JP,A)
【文献】特開2014-127080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00
G08B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に配置され、異常事象に関連する検知対象を検知する1以上の検知部から検知結果を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記検知部の検知結果に基づいて、前記異常事象の前兆を判断する前兆判断部と、
前記施設に配置された火災感知器と連携して前記前兆判断部の判断結果に基づく処理を行う処理部と、を備え、
前記異常事象は、前記施設に配置された前記火災感知器が検知可能な火災を少なくとも含み、
前記1以上の前記検知部は、前記施設の匂いを検知する匂い検知部は含まず、温度を検知する温度検知部を含み、
前記前兆判断部は、前記温度検知部が検知した温度が基準値以上である状態が所定の継続時間以上継続すると、前記異常事象の前兆が発生したと判断し、
前記処理部は、前記前兆判断部が前記異常事象の前兆を検知した場合、前記異常事象の前兆を検知していない場合に比べて前記火災感知器の感度を高感度に設定する前記処理を行う、
制御システム。
【請求項2】
前記温度検知部は、前記施設の外側に位置し、前記施設の外壁付近での温度を検知する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記前兆判断部は、前記1以上の前記検知部の検知結果の推移に基づいて前記異常事象の前兆を判断する、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記取得部は、複数の前記検知部から検知結果を取得しており、
前記前兆判断部は、前記複数の前記検知部のそれぞれで検知結果に基づいた前記異常事象の前兆の判断の仕方を変更する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記前兆判断部の判断結果を外部システムに出力する通知部を更に備え、
前記取得部は、前記1以上の前記検知部の設置場所に関する設置場所情報を取得し、
前記前兆判断部は、前記設置場所情報に基づいて前記異常事象の前兆が発生した発生場所を判断し、
前記通知部は、前記異常事象の前兆の発生場所に関する発生場所情報を前記外部システムに出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記前兆判断部が火災の前兆を検知すると、前記制御システムは、前記施設に設けられた防災システムを動作させる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システムに関する。より詳細には、本開示は、火災の検知に関わる制御を行う制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の住宅にそれぞれ設けられた複数の警報システムを連携させる警報連携システムを開示する。各警報システムは、火災を検知した場合に相互に警報する複数の住警器を備える。警報連携システムでは、ある住宅の警報システムで火災を検知した場合、他の住宅の警報システムに火災連携連動信号を伝送し、連携元警報システムでの異常を示す異常警報を出力させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-252689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の警報連携システムでは、ある住宅の警報システムで火災を検知した場合、予め登録されている他の住宅の警報システムに火災連携連動信号を伝送しているが、火災等の異常事象が発生する前にその前兆を検知したいという要望があった。
【0005】
本開示の目的は、異常事象の前兆を検知可能な制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の制御システムは、取得部と、前兆判断部と、処理部と、を備える。前記取得部は、施設に配置された1以上の検知部から検知結果を取得する。前記1以上の検知部は、異常事象に関連する検知対象を検知する。前記前兆判断部は、前記取得部が取得した前記検知部の検知結果に基づいて、前記異常事象の前兆を判断する。前記処理部は、前記施設に配置された前記火災感知器と連携して前記前兆判断部の判断結果に基づく処理を行う。前記異常事象は、前記施設に配置された前記火災感知器が検知可能な火災を少なくとも含む。前記1以上の前記検知部は、前記施設の匂いを検知する匂い検知部は含まず、温度を検知する温度検知部を含む。前記前兆判断部は、前記温度検知部が検知した温度が基準値以上である状態が所定の継続時間以上継続すると、前記異常事象の前兆が発生したと判断する。前記処理部は、前記前兆判断部が前記異常事象の前兆を検知した場合、前記異常事象の前兆を検知していない場合に比べて前記火災感知器の感度を高感度に設定する前記処理を行う。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第11の態様の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、異常事象の前兆を検知可能な制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る制御システムを含む全体システムの概略的なシステム構成図である。
図2図2は、同上の制御システムの一適用例を説明する図である。
図3図3は、同上の制御システムの動作を示すフローチャートである。
図4図4は、同上の制御システムが通知情報を通知する通知エリアの一例を示す図である。
図5図5は、同上の制御システムが適用された施設の一部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
本実施形態に係る制御システム10は、図1に示すように、取得部21と、前兆判断部22と、を備える。取得部21は、施設100に配置された1以上の検知部D1から検知結果を取得する。1以上の検知部D1は、異常事象に関連する検知対象を検知する。前兆判断部22は、取得部21が取得した検知部D1の検知結果に基づいて、異常事象の前兆を判断する。異常事象は、施設100に配置された火災感知器1が検知可能な火災を少なくとも含む。
【0013】
ここにおいて、検知部D1は、異常事象に関連する検知対象を検知する。検知部D1の検知対象は、火災に関連する火災関連事象を少なくとも含む。「火災関連事象」とは、火災に関連する事象であって、火災の前駆現象として発生する第1事象と、火災が発生する要因となる第2事象と、の少なくとも一方を含む。第1事象は、例えば、火災の起こり始めに発生する温度の上昇、煙の発生、及び、匂い(物が燻るときの匂い、灯油及び可燃性ガス等の燃料が発する匂い等)の発生、のうちの少なくとも1つを含む。第2事象は、例えば、電気器具(配線器具を含む)及びその配線で発生する短絡状態、電気器具(配線器具を含む)及びその配線の異常な発熱、並びに、配線の断線等によるアークの発生、等を含む。ここで、配線の断線によって発生するアークは、配線を構成する一対の電線のうちの一方が半断線することによって発生するシリーズアークと、配線を構成する一対の電線の各導体が接触する等して短絡することにより発生するパラレルアークとを含む。また、「異常事象」は、火災関連事象を少なくとも含み、施設100内の環境を制御する環境制御機器(例えば、空調システム及び照明システム)の異常との少なくとも一方を含んでもよい。
【0014】
本実施形態の制御システム10では、前兆判断部23が、取得部21によって取得された検知部D1の検知結果に基づいて、異常事象の前兆を判断しているので、異常事象が発生するよりも前の段階で、異常事象の発生を予め把握することができる。これにより、施設100を利用するユーザは、前兆判断部23の判断結果に基づいて、異常事象が発生するよりも前の段階で、異常事象の発生を予見することができ、これから発生する異常事象に対して迅速な対応をとることが可能になる。例えば、ユーザは異常事象の発生を未然に防いだり、異常事象による被害の規模を小さくしたりするための行動を迅速にとることが可能になる。したがって、本開示によれば、異常事象の前兆を検知可能な制御システムを提供することができる。そして、本実施形態の制御システム10によれば、当該制御システム10を利用するユーザに対して、異常事象への対応をより早い段階で促すことが可能になる。
【0015】
本実施形態の制御システム10は、例えば、戸建の住宅のような施設100(図1及び図2参照)に適用される。制御システム10は、戸建の住宅のような施設100において火災が発生した場合に火災の拡大規模を推測し、その推測結果に応じた処理を行う。本実施形態では、施設100が戸建の住宅であることを想定するが、施設100は、戸建の住宅に限定されず、集合住宅(マンション)であってもよい。更に、施設100は、住宅に限らず、非住宅、例えば、オフィスビル、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、学校、ホテル、旅館、病院、老人ホーム、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅、空港等であってもよい。
【0016】
(2)詳細
(2.1)構成
以下、本実施形態の制御システム10について図面を参照して詳しく説明する。
【0017】
本実施形態の制御システム10は、図1及び図2に示すように、住宅のような施設100に配置されている。
【0018】
図1は、制御システム10が配置されている施設100の概略的なシステム構成図であり、当該施設100には、上記の制御システム10と共に、検知部D1と、中継装置40と、消火システム60と、が配置されている。中継装置40は、インターネット等のネットワークNT1に接続されており、施設100に配置された制御システム10と、ネットワークNT1に接続された外部サーバ200等との間の通信を中継する中継機能を有している。外部サーバ200は、例えば、複数の施設100の状況を監視するサービス等を提供する事業者、又は自治体等の公的機関が運営するサーバを含み得る。また、施設100に配置された消火システム60は、火災感知器1と連動し、火災感知器1が火災を検知した場合に消火動作を行う。消火システム60は、例えば施設100に配置されたスプリンクラーを含み、火災感知器1が火災を感知すると、スプリンクラーを作動させることによって消火動作を行う。なお、施設100には、施設100で発生する火災の拡大を抑制する防災システムとして、消火システム60以外に、防火扉又は防火シャッタを閉じる防火扉システム、施設100内に充満する煙を排出する排煙システムが設けられてもよく、制御システム10は、火災の前兆を検知した場合にこれらの防災システムを動作させてもよい。
【0019】
検知部D1は、施設100に配置され、施設100における異常事象に関連する検知対象を検知する。本実施形態では、検知部D1として、火災感知器1と、煙検知部2と、温度検知部6と、色覚検知部7と、匂い検知部8と、電流異常検知部9とが施設100に配置されている。なお、検知部D1が、火災感知器1、煙検知部2、温度検知部6、色覚検知部7、匂い検知部8、及び電流異常検知部9を全て含むことは必須ではない。検知部D1は、火災感知器1、煙検知部2、温度検知部6、色覚検知部7、匂い検知部8、及び電流異常検知部9のうちの1つ以上を含んでいればよい。また、検知部D1は、他の火災関連事象を検知するセンサ(例えば火災に伴って発生する一酸化炭素等のガスを検知するガス検知部)を含んでもよい。また、検知部D1は、火災以外の異常事象に関連する検知対象を検知するものでもよい。火災以外の異常事象は、施設100に配置された電気機器の異常を含み得る。例えば、検知部D1が、施設100に配置された空調システムによって温度等が制御される空間の温度を検知することで、前兆判断部22は、空調システムでの異常の前兆を判断できる。また、検知部D2が、施設100に配置された照明システムによって照明される空間の明るさを検知することで、前兆判断部22は、照明システムでの異常の前兆を判断できる。
【0020】
火災感知器1は、施設100内の設置対象の空間にある天井、又は壁等に設置される。火災感知器1は、例えば、サーモパイルなどの温度センサと、煙の有無を感知する光電式の煙センサとを有し、熱と煙との少なくとも一方に基づいて、火災が発生しているか否かを感知する。火災感知器1は、無線通信機能を有し、火災の発生を感知すると、火災の検知信号を無線送信する。
【0021】
本実施形態では、施設100内に複数の火災感知器1が配置されている。以下の説明において複数の火災感知器1を区別する場合、火災感知器1A~1Eと表記する場合もある。図2に示すように複数の火災感知器1A~1Eは、施設100内の複数の空間E1~E5にそれぞれ配置されている。ここにおいて、複数の火災感知器1A~1Eのうち、例えば火災感知器1Aが親器として用いられ、他の火災感知器1B~1Eが子機として用いられる。火災感知器1A~1Eは相互に無線通信を行っており、子機である火災感知器1B~1Eが火災を感知すると、火災の発生を音と光との両方で報知するとともに、親器である火災感知器1Aに火災の検知信号を無線送信する。親器である火災感知器1Aは、火災感知器1B~1Eのいずれかから火災の検知信号を受信すると、火災の発生を音と光との両方で報知するとともに、火災感知器1B~1Eのうち発報元以外の火災感知器1に連動信号を送信し、発報元以外の火災感知器1においても火災の発生を音と光との両方で報知させる。また、親器である火災感知器1Aは、当該火災感知器1Aで火災の発生を感知するか、子機である火災感知器1B~1Eから火災の検知信号を受信すると、火災の発生を報知する報知信号を制御システム10に無線送信する。ここで、火災感知器1B~1Eは連動信号を受信した後も、当該火災感知器で火災を感知すると、火災感知器1Aに火災の検知信号を無線送信する。そして、親器である火災感知器1Aは、火災を感知した火災感知器1の数が変化するごとに、火災を感知した火災感知器1の個数を示す情報を、制御システム10に無線送信する。
【0022】
煙検知部2は、環境中の煙の濃度を検知する光電式の煙センサと、制御システム10との間で無線通信するための無線通信機能とを備える。煙検知部2は、煙センサによって煙が検知されると、煙の濃度を示す濃度情報を制御システム10に無線送信する。
【0023】
温度検知部6は、図2に示すように、施設100の内部の空間(部屋E1~E5)に配置された第1温度検知部6Aと、施設100の外壁に配置された第2温度検知部6Bと、を含む。第1温度検知部6Aは、施設100の内部の空間での温度を検知しており、火災等によって発生する温度上昇を検知可能であり、また施設100に設けられた空調システムによって制御される温度を検知可能である。第2温度検知部6Bは、施設100の外壁付近での温度を検知する。例えば施設100の外部において施設100に放火された場合、放火によって発生する施設100の外壁での温度上昇を第2温度検知部6Bが検知することができ、施設100の外部から内部へ火が燃え広がる前に火災の発生を検知することができる。温度検知部6(第1温度検知部6A及び第2温度検知部6B)は、周囲の温度を検知するための、サーミスタ又はサーモパイルなどの感温センサと、制御システム10との間で無線通信するための無線通信機能とを備える。温度検知部6(第1温度検知部6A及び第2温度検知部6B)は、感温センサの検知結果を示す情報を制御システム10に無線送信する。なお、本実施形態では、施設100の外壁に第2温度検知部6Bが配置されているので、放火を企んでいる不審者に放火を思いとどまらせる抑止効果を期待できる。
【0024】
色覚検知部7は、RGBの画像センサを有するカメラ70(図5参照)と、制御システム10との間で無線通信するための無線通信機能とを備える。カメラ70は、施設100の内部に配置された複数の感温素子71を撮影可能なように配置されている。複数の感温素子71の各々は、温度に応じて色が変化する感温インクが表面に形成されたテープ状の部材である。複数の感温素子71は、例えば、施設100内の部屋E5の複数の設置箇所に配置されている。色覚検知部7は、カメラ70によって撮影された画像をもとに、複数の感温素子71の色を判別しており、複数の感温素子71の色の判別結果を示す情報を制御システム10に無線送信する。
【0025】
匂い検知部8は、ガス中の匂い成分を検知する電気化学式又は半導体式のガスセンサと、制御システム10との間で無線通信するための無線通信機能とを備える。ガスセンサの検出対象の匂い成分は、物が燻る際に発生する成分を少なくとも含む。匂い検知部8は、ガスセンサによる匂いの検出結果を示す情報を制御システム10に無線送信する。
【0026】
電流異常検知部9は、施設100に配置された電気機器90に流れる電流を検出する電流センサと、制御システム10との間で無線通信するための無線通信機能とを備える。電気機器90は、施設100で使用される空調機器、照明器具、電気調理器具、冷蔵庫、又は洗濯機等を含み得る。電流異常検知部9は、電気機器に流れる電流の電流波形から、短絡異常の発生及びその前駆状態において発生する特徴的な波形を検出することによって、電気機器90及び電気機器90に接続された配線での短絡等の異常を検出する。つまり、電流異常検知部9は、施設100で使用される電気機器90に流れる電流の電流波形に基づいて、電気機器90に流れる電流の異常を検知し、検知結果を示す情報を制御システム10に無線送信する。
【0027】
ここにおいて、検知部D1が備える無線通信機能は、例えばWi-SUN(登録商標)の規格(国際標準規格IEEE 802.15.4g)に準拠した無線通信インタフェースを含む。検知部D1は、例えば920MHzの無線周波数帯の電波を用いて無線通信を行う。なお、検知部D1が備える無線通信機能は、WiSUN(登録商標)の規格に準拠した無線通信インタフェースを含むものに限定されず、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の規格に準拠した無線通信インタフェースを含むものでもよいし、規格に準拠しない独自の通信方式の無線通信インタフェースを含むものでもよい。
【0028】
制御システム10は、信号処理部20と、第1通信部31と、第2通信部32と、記憶部33と、を備える。本実施形態では、制御システム10は、例えば、施設100内で使用されるエネルギーを管理するHEMS(Home Energy Management System)のコントローラと兼用されている。なお、制御システム10は、HEMSのコントロールを兼用するものに限定されず、専用のシステムであってもよい。
【0029】
第1通信部31は、施設100に配置された検知部D1との間で無線通信を行う。第1通信部31は、例えば、Wi-SUN(登録商標)の規格に準拠した無線通信インタフェースを有し、920MHzの無線周波数帯の電波を用いて無線通信を行う。なお、第1通信部31は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の規格に準拠した無線通信インタフェースを有するものでもよい。
【0030】
第2通信部32は、中継装置40とネットワークNT1とを介して、外部サーバ200等と通信を行う。また、第2通信部32は、中継装置40を介して、又は、中継装置40とネットワークNT1とを介して、当該施設100を利用するユーザが使用する情報端末50との間で通信を行う。また、第2通信部32は、中継装置40とネットワークNT1とを介して、他の施設100に配置された制御システム10、又は、他の施設100を利用するユーザが使用する情報端末50との間で通信を行うことも可能である。ここにおいて、情報端末50は、施設100に設置されているディスプレイ一体型の端末装置でもよいし、ユーザによって携帯される携帯情報端末(例えばスマートフォン又はタブレット型コンピュータ等)でもよい。
【0031】
記憶部33は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部33は、施設100に配置された火災感知器1、煙検知部2、温度検知部6、色覚検知部7、匂い検知部8、及び電流異常検知部9の識別情報と、それらの設置場所に関する設置場所情報とを記憶する。
【0032】
信号処理部20は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが信号処理部20として機能する。
【0033】
信号処理部20は、上述した取得部21及び前兆判断部22の機能を有し、更に通知部23及び処理部24の機能を有している。
【0034】
取得部21は、第1通信部31を介して、検知部D1である火災感知器1、煙検知部2、温度検知部6、色覚検知部7、匂い検知部8、及び電流異常検知部9から検知結果を示す情報を取得する。つまり、取得部21は複数の検知部D1から検知結果を取得している。また、取得部21は、1以上の検知部D1の各々からその設置場所に関する設置場所情報を取得し、取得した設置場所情報を記憶部33に記憶させる。なお、取得部21は、ユーザが情報端末50等を用いて入力した検知部D1の設置場所を示す設置場所情報を情報端末50から第2通信部32を介して取得してもよい。
【0035】
前兆判断部22は、取得部21が取得した検知部D1の検知結果に基づいて、火災を少なくとも含む異常事象の前兆を判断する。また、前兆判断部22は、異常事象の前兆を判断した場合、記憶部33に記憶された検知部D1の設置場所情報に基づいて、異常事象の前兆が発生した発生場所を判断する。なお、前兆判断部22による異常事象の前兆の判断処理については「(2.3)前兆判断処理」において、より詳細に説明する。
【0036】
通知部23は、前兆判断部22の判断結果を外部システムに出力する。外部システムは、例えば、施設100を利用するユーザが使用する情報端末50と、施設100を遠隔から監視するサービスを提供する事業者等が運営する外部サーバ200と、の少なくとも一方を含み得る。具体的には、通知部23は、第2通信部32から外部システム(情報端末50及び外部サーバ200等)へ前兆判断部22の判断結果を送信させる。前兆判断部22が、異常事象の前兆が発生した発生場所を判断する場合、通知部23は、異常事象の前兆の発生場所に関する発生場所情報を外部システム(情報端末50及び外部サーバ200等)に送信してもよい。
【0037】
処理部24は、火災感知器1と連携して、前兆判断部22の判断結果に基づく処理を行う。例えば、処理部24は、前兆判断部22が異常事象の前兆を検知した場合、異常事象の前兆を検知していない場合に比べて、火災感知器1が火災を感知する感度を高くするように、火災感知器1の感度を調整する。これにより、異常事象の前兆が検知された場合には、異常事象の前兆が検知されていない場合に比べて、火災感知器1の感度が高感度に設定されるので、火災の検知漏れを低減できる。また、異常事象の前兆が検知されていない場合は、異常事象の前兆が検知された場合に比べて、火災感知器1の感度が低感度に設定されるので、火災の誤検知を低減できる。
【0038】
また、信号処理部20(制御システム10)は、施設100に配置された消火システム60と連携する機能を有している。信号処理部20(制御システム10)は、前兆判断部22が火災の前兆を検知すると、消火システム60に消火動作を行わせている。したがって、制御システム10は、火災感知器1が火災を感知した後に消火動作を行う消火システム60に、前兆判断部22が火災の前兆が有ると判断した段階で消火動作を開始させることができる。例えば、前兆判断部22が、煙検知部2による煙の検知結果、又はガス検知部による一酸化炭素の検出結果に基づいて火災の前兆があると判断した場合、消火システム60に消火動作を実行させてもよい。このように、火災感知器1が火災を感知するまでに消火システム60が消火動作を行うので、火災感知器1が火災を感知する前に火を消すことも可能になり、火災感知器1が発報する前に完全に消火できれば、消防署に行う報告処理や事後の処理を不要にできる。なお、信号処理部(制御システム10)は、前兆判断部22が火災の前兆を検知すると、消火システム60以外の防火扉システム又は排煙システムなどの防災システムを動作させてもよく、火災の拡大を抑制することができる。
【0039】
(2.2)動作説明
本実施形態の制御システム10の動作を図3及び図4等に基づいて説明する。なお、図3に示すフローチャートは、本実施形態に係る制御方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0040】
施設100に配置された検知部D1(火災感知器1、煙検知部2、温度検知部6、色覚検知部7、匂い検知部8、及び電流異常検知部9)は適宜のタイミングで検知動作を行っている。制御システム10の取得部21は、第1通信部31を介して、検知部D1から検知結果を取得する処理(第1処理)を行う(ST1)。取得部21は、例えば、一定時間が経過するごとに検知部D1から検知結果を示す情報を取得する処理を行ってもよいし、何らかの事象をトリガとして検知部D1から検知結果を示す情報を取得する処理を行ってもよい。また、取得部21は、検知部D1から任意のタイミングで送信された検知結果を示す情報を取得してもよい。
【0041】
次に、前兆判断部22は、取得部21が取得した検知部D1の検知結果に基づいて、火災を少なくとも含む異常事象の前兆を判断する処理(第2処理)を行う(ST2)。なお、前兆判断部22による判断処理については「(2.3)前兆判断処理」でより詳細に説明する。
【0042】
第2処理において前兆判断部22が異常事象の前兆が無いと判断した場合(ST3:No)、制御システム10は処理を終了する。
【0043】
第2処理において前兆判断部22が異常事象の前兆が有ると判断した場合(ST3:Yes)、制御システム10の通知部23は、第2通信部32を介して外部システム(情報端末50及び外部サーバ200)に前兆判断部22の判断結果を出力する通知処理を行う(ST4)。なお、前兆判断部22が、前兆が発生した発生場所を判断している場合、通知部23は、第2通信部32を介して外部システムに、異常事象の前兆が有るとの判断結果と、前兆が発生した発生場所に関する発生場所情報とを出力すればよい。
【0044】
また、制御システム10の信号処理部20は、前兆判断部22が火災の前兆が有ると判断した場合、消火システム60を動作させることによって、消火システム60に消火処理を実行させる(ST5)。
【0045】
制御システム10は、処理ST1~ST5を繰り返し実行しており、施設100での異常事象の前兆の有無を判断し、前兆有りと判断した場合は異常事象の前兆の判断結果を外部システム(情報端末50及び外部サーバ200等)に出力することができる。
【0046】
ここにおいて、制御システム10から異常事象の前兆の判断結果を受信した情報端末50は、異常事象の前兆の判断結果を、当該情報端末50を使用するユーザに報知する処理を行う。これにより、情報端末50のユーザは、異常事象の前兆の判断結果に基づいて、異常事象が発生するよりも前の段階で、異常事象の発生を予見することができ、これから発生する異常事象に対して迅速な対応をとることが可能になる。
【0047】
(2.3)前兆判断処理
前兆判断部22は、検知部D1の検知結果に基づいて、火災を少なくとも含む異常事象の前兆が発生しているか否かを判断する。
【0048】
ここで、前兆判断部22が、検知部D1による火災関連事象の検知結果に基づいて、火災の前兆を判断する処理について説明する。
【0049】
前兆判断部22は、例えば、温度検知部6が検知した温度が基準値を超えるという条件と、煙検知部2が検知した煙の濃度が第1基準濃度を超えるという条件と、匂い検知部8が検知した匂い成分の濃度が第2基準濃度を超えるという条件のうち少なくとも1つが成立すると、火災の前兆があると判断する。また、前兆判断部22は、電流異常検知部9が電気機器90に流れる電流の異常を検知すると、火災の前兆があると判断してもよい。
【0050】
前兆判断部22は、検知部D1による検知結果に基づいて異常事象の前兆があると判断すると、記憶部33に記憶された設置場所情報に基づいて、異常事象の前兆が発生した発生場所を判断する。ここで、通知部23は、異常事象の前兆が有るという判断結果と、異常事象の前兆の発生場所を示す発生場所情報とを外部システムに出力するので、外部システムのユーザは異常事象の前兆が発生した場所を把握することができる。したがって、外部システムのユーザは、異常事象の前兆に対して迅速に対応することができる。
【0051】
また、前兆判断部22は、検知部D1の検知結果の推移に基づいて異常事象の前兆を判断してもよい。例えば、前兆判断部22は、温度検知部6が検知した温度が基準値T1(図4参照)以上である状態が所定の継続時間DT1以上継続すると、異常事象(火災)の前兆が発生したと判断する。このように、前兆判断部22は、検知部D1の検知結果の推移に基づいて異常事象の前兆を判断しており、検知部D1の検知結果が一時的に基準値を超えた場合には異常事象の前兆である判断しないので、異常事象の前兆を誤検知する可能性を低減できる。なお、前兆判断部22は、温度検知部6以外の検知部D1の検知結果についても、温度検知部6以外の検知部D1の検知結果の推移に基づいて、異常事象の前兆が発生したと判断してもよく、異常事象の前兆の誤検知を低減できる。
【0052】
ここで、前兆判断部22は、複数の検知部D1のそれぞれで検知結果に基づいた異常事象の前兆の判断の仕方を変更してもよい。例えば、取得部21が、複数の温度検知部6から検知結果を取得する場合、前兆判断部22は、複数の温度検知部6のそれぞれで、基準値T1又は継続時間DT1を変更する。施設100の調理場に設置された温度検知部6では、火気がない空間に設置された温度検知部6に比べて、基準値T1を高めに設定するとともに、継続時間DT1を短めに設定する。これにより、前兆判断部22が、調理器具の熱による温度上昇を火災の前兆と誤判断する可能性を低減でき、また温度検知部5が検知した温度が基準値T1以上になった場合には短時間で火災の前兆が発生したと判断することで迅速な対応が可能になる。
【0053】
また、取得部21は色覚検知部7から複数の感温素子71の色の判別結果を取得しており、前兆判断部22は、色覚検知部7による複数の感温素子71の色の判別結果に基づいて、複数の感温素子71の設置場所での温度を求める。ここで、複数の感温素子71が設置された空間の空調制御を行う空調システムが正常に動作していれば、複数の感温素子71の色から判別した温度は空調システムに設定された設定温度とほぼ同じになる。前兆判断部22は、複数の感温素子71の色から判別した温度と、空調システムの設定温度とを比較し、両者の差が所定の誤差範囲を超えていれば、設定温度との差が大きい場所で空調システムに何らかの異常事象の前兆が発生していると判断する。このように、前兆判断部22は、色覚検知部7による複数の感温素子71の色の判別結果に基づいて異常事象の前兆が発生した設置場所を判断しているので、異常事象の前兆に対して迅速な対応をとることができる。
【0054】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、制御システム10と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る制御方法は、第1処理(ST1)と、第2処理(ST2)と、を含む。第1処理(ST1)では、施設100に配置された1以上の検知部D1から検知結果を取得する。第2処理(ST2)では、第1処理(ST1)で取得した検知部D1の検知結果に基づいて、異常事象の前兆を判断する。異常事象は、施設100に配置された火災感知器1が検知可能な火災を少なくとも含む。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、上記の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0055】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0056】
本開示における制御システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0057】
また、制御システム10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム10に必須の構成ではなく、制御システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御システム10の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0058】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の制御システム(10)は、取得部(21)と、前兆判断部(22)と、を備える。取得部(21)は、施設(100)に配置された1以上の検知部(D1)から検知結果を取得する。1以上の検知部(D1)は、異常事象に関連する検知対象を検知する。前兆判断部(22)は、取得部(21)が取得した検知部(D1)の検知結果に基づいて、異常事象の前兆を判断する。異常事象は、施設(100)に配置された火災感知器(1)が検知可能な火災を少なくとも含む。
【0059】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0060】
第2の態様の制御システム(10)では、第1の態様において、前兆判断部(22)は、検知部(D1)の検知結果の推移に基づいて異常事象の前兆を判断する。
【0061】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0062】
第3の態様の制御システム(10)では、第1又は2の態様において、取得部(21)は、複数の検知部(D1)から検知結果を取得する。前兆判断部(22)は、複数の検知部(D1)のそれぞれで検知結果に基づいた異常事象の前兆の判断の仕方を変更する。
【0063】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0064】
第4の態様の制御システム(10)は、第1~3のいずれかの態様において、前兆判断部(22)の判断結果を外部システム(50,200)に出力する通知部(23)を更に備える。取得部(21)は、1以上の検知部(D1)の設置場所に関する設置場所情報を取得する。前兆判断部(22)は、設置場所情報に基づいて異常事象の前兆が発生した発生場所を判断する。通知部(23)は、異常事象の前兆の発生場所に関する発生場所情報を外部システム(50,200)に出力する。
【0065】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0066】
第5の態様の制御システム(10)では、第1~4のいずれかの態様において、火災感知器(1)と連携して前兆判断部(22)の判断結果に基づく処理を行う処理部(24)を、更に備える。
【0067】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0068】
第6の態様の制御システム(10)では、第5の態様において、前兆判断部(22)が火災の前兆を検知すると、施設(100)に設けられた防災システム(10)を動作させる。
【0069】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0070】
第7の態様の制御システム(10)では、第1~6のいずれかの態様において、1以上の検知部(D1)が、温度を検知する温度検知部(6)を含む。前兆判断部(22)は、温度検知部(6)が検知した温度が基準値(T1)以上である状態が所定の継続時間(DT1)以上継続すると、異常事象の前兆が発生したと判断する。
【0071】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0072】
第8の態様の制御システム(10)では、第1~7のいずれかの態様において、複数の感温素子(71)が互いに異なる設置場所に設置される。複数の感温素子(71)の各々は温度に応じて色が変化する。1以上の検知部(D1)は、複数の感温素子(71)の色を判別する色覚検知部(7)を含む。前兆判断部(22)は、色覚検知部(7)による複数の感温素子(71)の色の判別結果に基づいて、異常事象の前兆が発生した設置場所を判断する。
【0073】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0074】
第9の態様の制御システム(10)では、第1~8のいずれかの態様において、1以上の検知部(D1)は、煙を検知する煙検知部(2)と、匂いを検知する匂い検知部(8)との少なくとも一方を含む。
【0075】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0076】
第10の態様の制御システム(10)では、第1~9のいずれかの態様において、1以上の検知部(D1)は、電流異常検知部(9)を含む。電流異常検知部(9)は、施設(100)で使用される電気機器(90)に流れる電流の電流波形に基づいて電気機器に流れる電流の異常を検知する。
【0077】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0078】
第11の態様の制御方法は、第1処理と、第2処理と、を含む。第1処理では、施設(100)に配置された1以上の検知部(D1)から検知結果を取得する。第2処理では、第1処理で取得した検知部(D1)の検知結果に基づいて、施設(100)に配置された火災感知器(1)が検知可能な火災を少なくとも含む異常事象の前兆を判断する。
【0079】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0080】
第12の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第11の態様の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0081】
この態様によれば、異常事象の前兆を検知することができる。
【0082】
上記態様に限らず、上記実施形態に係る制御システム(10)の種々の構成(変形例を含む)は、制御システム(10)の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0083】
第2~第9の態様に係る構成については、制御システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 火災感知器
2 煙検知部
6 温度検知部
7 色覚検知部
8 匂い検知部
9 電流異常検知部
10 制御システム
21 取得部
22 前兆判断部
23 通知部
24 処理部
50 外部システム
60 消火システム
71 感温素子
90 電気機器
100 施設
200 外部システム
D1 検知部
DT1 継続時間
T1 基準値
図1
図2
図3
図4
図5