(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】情報端末装置、処理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20241213BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241213BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241213BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J7/00 Y
H02J7/00 X
H02J7/00 302A
H02J13/00 311U
H01M10/48 P
H01M10/42 P
(21)【出願番号】P 2020155775
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】吉松 昂洋
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 正一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聖師
(72)【発明者】
【氏名】經澤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】豊永 智彦
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/006152(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202018005638(DE,U1)
【文献】国際公開第2020/026320(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/003070(WO,A1)
【文献】特開2017-004944(JP,A)
【文献】特開平11-098702(JP,A)
【文献】特開2016-181246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得部において取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行
せず、
前記制御部における前記プッシュ通知条件は、情報端末装置におけるアプリケーションが未起動であり、かつアプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが同一である状況下において、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つである情報端末装置。
【請求項2】
蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得部において取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行せず、
前記制御部における前記プッシュ通知条件は、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであり、
前記蓄電池パックは充放電装置に取り付けられており、
前記取得部において取得される情報には、前記充放電装置から前記蓄電池パックを介して送信される前記充放電装置の異常状態が含まれており、
前記制御部における前記プッシュ通知条件は、前記情報に含まれた前記充放電装置の異常状態が異常ありを示すことも
含む情報端末装置。
【請求項3】
本情報端末装置は、前記蓄電池パックからのブロードキャスト信号を受信してから、前記蓄電池パックとの接続を確立した状態において、前記蓄電池パックに前記情報の送信要求を送信しており、
前記取得部は、前記送信要求に対する応答として、本情報端末装置が前記蓄電池パックから受信した前記情報を取得する請求項1
または2に記載の情報端末装置。
【請求項4】
蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得部において取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行せず、
本情報端末装置は、前記蓄電池パックからのブロードキャスト信号を受信してから、前記蓄電池パックとの接続を確立した状態において、前記蓄電池パックに前記情報の送信要求を送信しており、
前記取得部は、前記送信要求に対する応答として、本情報端末装置が前記蓄電池パックから受信した前記情報を取得し、
前記制御部がプッシュ通知を実行した場合に、前記蓄電池パックを識別するための識別情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、新たに受信したブロードキャスト信号に含まれた識別情報と、前記記憶部に記憶した識別情報とが一致する場合に、前記蓄電池パックとの接続を確立
しない情報端末装置。
【請求項5】
蓄電池パックと、
前記蓄電池パックと直接の無線通信を実行可能な情報端末装置とを備え、
前記情報端末装置は、
前記蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得部において取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行
せず、
前記制御部における前記プッシュ通知条件は、情報端末装置におけるアプリケーションが未起動であり、かつアプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが同一である状況下において、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つである処理システム。
【請求項6】
蓄電池パックと、
前記蓄電池パックと直接の無線通信を実行可能な情報端末装置とを備え、
前記情報端末装置は、
前記蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得部において取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行
せず、
前記制御部における前記プッシュ通知条件は、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであり、
前記蓄電池パックは充放電装置に取り付けられており、
前記取得部において取得される情報には、前記充放電装置から前記蓄電池パックを介して送信される前記充放電装置の異常状態が含まれており、
前記制御部における前記プッシュ通知条件は、前記情報に含まれた前記充放電装置の異常状態が異常ありを示すことも含む処理システム。
【請求項7】
蓄電池パックと、
前記蓄電池パックと直接の無線通信を実行可能な情報端末装置とを備え、
前記情報端末装置は、
前記蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得部において取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行
せず、
本情報端末装置は、前記蓄電池パックからのブロードキャスト信号を受信してから、前記蓄電池パックとの接続を確立した状態において、前記蓄電池パックに前記情報の送信要求を送信しており、
前記取得部は、前記送信要求に対する応答として、本情報端末装置が前記蓄電池パックから受信した前記情報を取得し、
前記制御部がプッシュ通知を実行した場合に、前記蓄電池パックを識別するための識別情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、新たに受信したブロードキャスト信号に含まれた識別情報と、前記記憶部に記憶した識別情報とが一致する場合に、前記蓄電池パックとの接続を確立しない処理システム。
【請求項8】
蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得するステップと、
取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行するステップと、
取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しないステップとをコンピュータに実行させ
、
前記プッシュ通知条件は、情報端末装置におけるアプリケーションが未起動であり、かつアプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが同一である状況下において、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであるプログラム。
【請求項9】
蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの情報を取得するステップと、
取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行するステップと、
取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しないステップとをコンピュータに実行させ
、
前記プッシュ通知条件は、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、前記情報に含まれた前記蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであり、
前記蓄電池パックは充放電装置に取り付けられており、
前記取得するステップにおいて取得される情報には、前記充放電装置から前記蓄電池パックを介して送信される前記充放電装置の異常状態が含まれており、
前記プッシュ通知条件は、前記情報に含まれた前記充放電装置の異常状態が異常ありを示すことも含むプログラム。
【請求項10】
蓄電池パックからのブロードキャスト信号を受信してから、前記蓄電池パックとの接続を確立した状態において、前記蓄電池パックに情報の送信要求を送信するステップと、
前記送信要求に対する応答として、前記蓄電池パックとの直接の無線通信により前記蓄電池パックからの
前記情報を取得するステップと、
取得した前記情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行するステップと、
取得した前記情報が前記プッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しないステップとをコンピュータに実行させ
、
プッシュ通知を実行した場合に、前記蓄電池パックを識別するための識別情報を記憶するステップと、
新たに受信したブロードキャスト信号に含まれた識別情報と、記憶した識別情報とが一致する場合に、前記蓄電池パックとの接続を確立しないステップとをさらにコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御技術に関し、特に蓄電池からの情報を取得する情報端末装置、処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
リコール対象の蓄電池パックは一般的に製造メーカ等により回収される。その際、リコール対象の蓄電池パックの所在を推定することが求められる。そのため、蓄電池パックを着脱可能な充電器には、基地局を介してサーバ装置と通信するための通信機能が備えられており、充電器は、蓄電池パックの識別情報をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、蓄電池パックの識別情報をもとに、当該蓄電池パックがリコール対象であるか否かを特定し、電池パックの識別情報を中継した基地局の識別情報をもとに、蓄電池パックの所在を推定する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電池パックを使用することによってさまざまな機器への電源供給が可能になる。このような蓄電池パックの使いやすさを向上することが求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、蓄電池パックの使いやすさを向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報端末装置は、蓄電池パックとの直接の無線通信により蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備える。制御部は、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しない。制御部におけるプッシュ通知条件は、情報端末装置におけるアプリケーションが未起動であり、かつアプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが同一である状況下において、情報に含まれた蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、情報に含まれた蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、情報に含まれた蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つである。
【0007】
本開示の別の態様もまた、情報端末装置である。この装置は、蓄電池パックとの直接の無線通信により蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備える。制御部は、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行せず、制御部におけるプッシュ通知条件は、情報に含まれた蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、情報に含まれた蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、情報に含まれた蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであり、蓄電池パックは充放電装置に取り付けられており、取得部において取得される情報には、充放電装置から蓄電池パックを介して送信される充放電装置の異常状態が含まれており、制御部におけるプッシュ通知条件は、情報に含まれた充放電装置の異常状態が異常ありを示すことも含む。
本開示のさらに別の態様もまた、情報端末装置である。この装置は、蓄電池パックとの直接の無線通信により蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備える。制御部は、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行せず、本情報端末装置は、蓄電池パックからのブロードキャスト信号を受信してから、蓄電池パックとの接続を確立した状態において、蓄電池パックに情報の送信要求を送信しており、取得部は、送信要求に対する応答として、本情報端末装置が蓄電池パックから受信した情報を取得し、制御部がプッシュ通知を実行した場合に、蓄電池パックを識別するための識別情報を記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、新たに受信したブロードキャスト信号に含まれた識別情報と、記憶部に記憶した識別情報とが一致する場合に、蓄電池パックとの接続を確立しない。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、処理システムである。この処理システムは、蓄電池パックと、蓄電池パックと直接の無線通信を実行可能な情報端末装置とを備える。情報端末装置は、蓄電池パックとの直接の無線通信により蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備える。制御部は、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しない。制御部におけるプッシュ通知条件は、情報端末装置におけるアプリケーションが未起動であり、かつアプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが同一である状況下において、情報に含まれた蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、情報に含まれた蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、情報に含まれた蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つである。
【0009】
本開示のさらに別の態様もまた、処理システムである。この処理システムは、蓄電池パックと、蓄電池パックと直接の無線通信を実行可能な情報端末装置とを備える。情報端末装置は、蓄電池パックとの直接の無線通信により蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備える。制御部は、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行せず、制御部におけるプッシュ通知条件は、情報に含まれた蓄電池パックの残容量がしきい値以下であること、情報に含まれた蓄電池パックの動作状態が停止を示すこと、情報に含まれた蓄電池パックの異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであり、蓄電池パックは充放電装置に取り付けられており、取得部において取得される情報には、充放電装置から蓄電池パックを介して送信される充放電装置の異常状態が含まれており、制御部におけるプッシュ通知条件は、情報に含まれた充放電装置の異常状態が異常ありを示すことも含む。
本開示のさらに別の態様もまた、処理システムである。この処理システムは、蓄電池パックと、蓄電池パックと直接の無線通信を実行可能な情報端末装置とを備える。情報端末装置は、蓄電池パックとの直接の無線通信により蓄電池パックからの情報を取得する取得部と、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部とを備え、制御部は、取得部において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行せず、本情報端末装置は、蓄電池パックからのブロードキャスト信号を受信してから、蓄電池パックとの接続を確立した状態において、蓄電池パックに情報の送信要求を送信しており、取得部は、送信要求に対する応答として、本情報端末装置が蓄電池パックから受信した情報を取得し、制御部がプッシュ通知を実行した場合に、蓄電池パックを識別するための識別情報を記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、新たに受信したブロードキャスト信号に含まれた識別情報と、記憶部に記憶した識別情報とが一致する場合に、蓄電池パックとの接続を確立しない。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、蓄電池パックの使いやすさを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1に係る充放電システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の充放電システムの構成を示す図である。
【
図3】
図2の記憶部に記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
【
図4】
図1の充放電システムによる通信手順を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5(a)-(b)は、
図2の表示部に表示される画面を示す図である。
【
図6】
図6(a)-(c)は、
図2の表示部に表示される別の画面を示す図である。
【
図7】
図7(a)-(b)は、
図2の表示部に表示されるさらに別の画面を示す図である。
【
図8】
図1の充放電システムによる表示手順を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9(a)-(b)は、実施例2に係る充放電システムの構成を示す図である。
【
図10】
図9(a)-(b)の充放電システムによる点灯手順を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11(a)-(c)は、実施例3の充放電システムによる通信手順を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12(a)-(b)は、実施例3の表示部に表示される画面を示す図である。
【
図13】
図13(a)-(c)は、実施例3の充放電システムによる別の通信手順を示すシーケンス図である。
【
図14】
図14(a)-(b)は、実施例3の充放電システムによる別の通信手順を示すシーケンス図である。
【
図15】実施例4の記憶部に記憶されるテーブルのデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、蓄電池パックを充放電装置に接続することによって、蓄電池パックに対する充放電を実行可能にする充放電システムに関する。蓄電池パックが例えばリチウムイオン二次電池を含む場合、蓄電池パックを安全に使用するために、蓄電池パックではリチウムイオン二次電池の各種状態が取得される。各種状態は、例えば、残量、異常状態である。このような各種情報が蓄電池パックからスマートフォン等の情報端末装置に無線通信により送信されれば、情報端末装置において各種情報の確認が可能になる。無線通信には、例えば、近距離無線通信システムが使用される。
【0014】
しかしながら、複数の蓄電池パックが情報端末装置の近傍に存在する場合、複数の蓄電池パックのそれぞれに対する各種状態をすぐに確認できなければ、使いやすさが低下する。そのため、本実施例に係る蓄電池パック用アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」という)は、複数の蓄電池パックのそれぞれの各種情報を無線通信により取得し、それらの各種情報を一覧可能なように可視化する機能を有する。
【0015】
また、蓄電池パックを接続する充放電装置の異常状態が確認できる方が好ましい。しかしながら、充放電装置の構成を簡易にするために、充放電装置には無線通信機能が搭載されない。そのため、本実施例に係る充放電装置は、異常状態の情報を蓄電池パックに出力し、蓄電池パックが、充放電装置の情報を情報端末装置に送信する。その結果、本実施例に係るアプリケーションは、蓄電池パックを接続する充放電装置の情報も可視化する機能を有する。ここでは、本実施例を(1)基本構成、(2)状態判定、(3)近距離無線通信システムによる通信、(4)情報の表示の順に説明する。
【0016】
(1)基本構成
図1は、充放電システム1000の構成を示す。充放電システム1000は、蓄電池パック100と総称される第1蓄電池パック100aから第3蓄電池パック100c、充放電装置200と総称される第1充放電装置200aから第3充放電装置200c、情報端末装置300、ネットワーク400、サーバ装置500を含む。蓄電池パック100および充放電装置200の数は「3」に限定されない。
【0017】
蓄電池パック100は、例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池を含み、リチウムイオン二次電池の各種状態をもとに状態を管理する。蓄電池パック100は充放電装置200に着脱可能であり、蓄電池パック100が充放電装置200に取り付けられると、充放電装置200は蓄電池パック100への充放電を実行するとともに、蓄電池パック100と充放電装置200との間の通信を実行する。蓄電池パック100は、近距離無線通信システムに対応した通信を実行する。近距離無線通信システムは、例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)である。
【0018】
情報端末装置300は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PCである。情報端末装置300は、蓄電池パック100と同一の近距離無線通信システムに対応し、蓄電池パック100と直接の無線通信を実行可能である。情報端末装置300は、ネットワーク400に接続され、ネットワーク400を介してサーバ装置500と通信可能である。ネットワーク400には、例えば、5G、4G等の無線通信システムが使用される。また、ネットワーク400にインターネットが組み合わされてもよい。一般的に、無線通信システムの通信可能な範囲は近距離無線通信システムの通信可能な範囲よりも広くされる。情報端末装置300は、蓄電池パック100を制御するためのアプリケーションプログラム(以下、これもまた「アプリケーション」という)を実行する。アプリケーションによる処理については後述する。
【0019】
サーバ装置500は、蓄電池パック100を製造した製造者あるいは事業者によって使用される。サーバ装置500は、ネットワーク400に接続され、例えば、アプリケーションに対して各種情報を提供するための処理を実行する。
【0020】
図2は、充放電システム1000の構成を示す。
図2では、
図1のうち、第1蓄電池パック100aから第3蓄電池パック100c、第1充放電装置200aから第3充放電装置200c、情報端末装置300の構成が示される。第1蓄電池パック100aは、蓄電池110、制御部120、記憶部130、第1通信部140、通知部150、操作部180を含み、制御部120は、判定部160、第2通信部170を含む。第1充放電装置200aは、充放電回路210、制御部220、通信部230、電力プラグ250、電力供給部260、冷却ファン270、放電器280を含み、制御部220は、受付部240を含む。情報端末装置300は、第1通信部310、制御部320、記憶部330、表示部340、操作部350、第2通信部360を含み、制御部320は、取得部322、出力部324を含む。第2蓄電池パック100bと第3蓄電池パック100cは第1蓄電池パック100aと同一の構成であり、第2充放電装置200bと第3充放電装置200cは第1充放電装置200aと同一の構成である。
【0021】
蓄電池パック100の蓄電池110は、例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電池110は、制御部120に接続され、制御部120により制御される。制御部120は、蓄電池パック100の全体の動作を制御する。動作の一例は、判定部160においてなされる蓄電池110の状態の判定である。状態を判定するために、蓄電池110の劣化度が判定されてもよい。記憶部130は、判定部160が蓄電池110の状態を判定する際に使用するテーブルを記憶する。蓄電池パック100には、電力供給部(図示せず)が備えられ、蓄電池110は、電力供給部から電力を出力してもよい。電力供給部の一例は、USB(Universal Serial Bus)端子である。
【0022】
第1通信部140は、近距離無線通信システムに対応した通信を実行することによって、情報端末装置300と通信する。通知部150は、ユーザに対して各種情報を通知するためのインターフェースである。通知部150は、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)を含み、情報の内容に応じて複数のLEDの点灯パターンを変える。第2通信部170は、例えば、RS-485、RS-422、RS-232C等のシリアル通信を実行可能であり、蓄電池パック100が充放電装置200に接続された場合に、充放電装置200と通信する。操作部180は、ユーザが操作可能なインターフェースであり、例えば、ボタンである。
【0023】
充放電装置200の電力プラグ250は、外部の交流電源に着脱可能に接続される。電力プラグ250が交流電源に接続された場合、交流電源は充放電装置200に交流電力、例えば最大330Wの交流電力を供給可能である。電力プラグ250が交流電源に接続されている場合に、蓄電池パック100が充放電装置200の接続部(図示せず)に接続されれば、充放電装置200の充放電回路210は、電力プラグ250からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池110を充電する。
【0024】
電力供給部260は、外部の電子機器を着脱可能に接続する。電力供給部260に電子機器が接続された場合、充放電装置200は電子機器に交流電力を供給可能である。電力供給部260に電子機器が接続されている場合に、蓄電池パック100が充放電装置200の接続部(図示せず)に接続されれば、充放電装置200の充放電回路210は、蓄電池110からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力を電力供給部260から出力する。交流電源が停電した場合も、充放電回路210は、充放電装置200の充放電回路210は、蓄電池110からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力を電力供給部260から出力する。その際、充放電回路210は、蓄電池110を第1レベルまで放電する。第1レベルは予め定められる。
【0025】
冷却ファン270は、回転により充放電回路210に対して送風を実行する。送風により、充放電回路210の温度上昇は抑制される。冷却ファン270は冷却に限定されないので、ファンであってもよい。制御部220は、充放電回路210に接続され、充放電装置200の全体の動作を制御する。通信部230は、第2通信部170と接続可能であり、前述のシリアル通信により蓄電池パック100と通信する。例えば、制御部220が充放電装置200の異常状態を検知した場合に、充放電装置200の異常状態を知らせるための情報(以下、「充放電装置異常通知」という)を通信部230から蓄電池パック100に送信させる。充放電装置200の異常状態の一例は、冷却ファン270の回転が不可能になったことである。制御部220における異常状態の検知には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0026】
情報端末装置300の第1通信部310は、近距離無線通信システムに対応した通信を実行することによって、蓄電池パック100と通信する。制御部320は、第1通信部310に接続され、情報端末装置300の全体の動作を制御する。制御部320は、例えば、記憶部330に記憶されたアプリケーションを実行することにより、アプリケーションにより提供される処理を実行する。表示部340は、情報を表示するためのディスプレイであり、操作部350は、ユーザからの指示を受けつけるためのインターフェースである。表示部340と操作部350は、タッチパネルとして一体化されてもよい。第2通信部360は、無線通信システムに対応した通信を実行することによって、
図1のネットワーク400を介してサーバ装置500と通信する。
【0027】
(2)状態判定
制御部120の判定部160は、蓄電池110、つまり蓄電池パック100の各種状態を計測する。各種状態は、例えば、電池残量、SOH(State Of Health)、蓄電池の平均温度、蓄電池の内部抵抗値、蓄電池パック100が製造されてからの経過期間、総充電量、総放電量、等である。ここで、電池残量は、蓄電池110の残量である。SOHは、蓄電池110の初期の満充電容量に対する現在の満充電容量の割合を示し、例えば、学習容量に対応する。蓄電池パック100が製造されてからの経過期間は、判定部160に備えられた時計機能によって取得される現在の日付と、記憶部130に記憶された蓄電池パック100の製造日との差異により計測される。これらの計測には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0028】
判定部160は、記憶部130に記憶されたテーブルを参照しながら、計測した各種状態をもとに蓄電池パック100の状態を判定する。状態の一例は劣化度であり、劣化度は、蓄電池パック100が初期の状態から劣化した度合いを示す値であり、例えば、5段階で示される。
図3は、記憶部130に記憶されるテーブルのデータ構造を示す。ここでは、劣化度A、劣化度B、劣化度C、劣化度D、劣化度Eの順に劣化度が高くなる。劣化度AはSOHが90%以上の状態であり、劣化度BはSOHが89%より低くかつ90%以上の状態であり、劣化度CはSOHが79%より低くかつ70%以上の状態であり、劣化度DはSOHが69%より低くかつ60%以上の状態であり、劣化度EはSOHが59%より低い状態である。つまり、劣化度Aが、最も低い劣化度であり、最も初期の状態に近い状態を示す。一方、劣化度Eが、最も高い劣化度であり、劣化が最も進行している状態を示す。このような劣化度Aは新品に近い状態を示し、劣化度Bは少し劣化した状態を示し、劣化度Cはかなり劣化した状態を示し、劣化度Dは寿命前の状態を示し、劣化度Eは寿命の状態を示すともいえる。ここで、劣化度DあるいはEは、蓄電池パック100において異常が発生した状態に相当し、劣化度DあるいはEの通知は、蓄電池パック100の異常状態を知らせるための情報(以下、「蓄電池パック異常通知」という)に相当する。蓄電池パック異常通知は、廃棄の推奨の通知とも呼べる。
【0029】
ここで、放電回数とは10wh以上放電した場合を1回とする。充電回数とは50wh以上充電した場合を1回とする。また、平均充放電回数とは月平均の回数を平均した回数とする。Awh>Dwh、Bwh>Ewh、C時間>F時間とし、使用頻度が高い場合により移行しやすい(劣化度が高くなる)条件とする。
図2に戻る。
【0030】
(3)近距離無線通信システムによる通信
前述のごとく、蓄電池パック100の第1通信部140と、情報端末装置300の第1通信部310との間では、近距離無線通信システムによる通信が実行される。ここでは、近距離無線通信システムの一例としてBLEの概略を
図4も使用しながら説明する。
図4は、充放電システム1000による通信手順を示すシーケンス図である。蓄電池パック100はアドバタイズを定期的に送信する(S10、S12)。情報端末装置300は、アドバタイズを受信すると、スキャンを実行する(S14)。
【0031】
情報端末装置300は接続要求を蓄電池パック100に送信する(S16)。蓄電池パック100は接続応答を送信する(S18)。その結果、蓄電池パック100と情報端末装置300との接続が確立する(S20)。情報端末装置300はreadを蓄電池パック100に送信する(S22)。readとは、蓄電池パック100に対する情報の送信要求である。蓄電池パック100はread応答を情報端末装置300に送信する(S24)。read応答とは、送信要求に対応した情報である。情報端末装置300は切断要求を蓄電池パック100に送信する(S26)。蓄電池パック100は切断応答を情報端末装置300に送信する(S28)。その結果、蓄電池パック100と情報端末装置300との接続が切断される(S30)。
図2に戻る。
【0032】
(4)情報の表示
情報端末装置300における処理を説明するために、ここでは、
図5(a)-(b)、
図6(a)-(c)、
図7(a)-(b)も使用する。
図5(a)-(c)は、表示部340に表示される画面を示す。
図5(a)は、アプリケーションがインストールされた情報端末装置300において、アプリケーションが起動していない場合に表示部340に表示される画面を示す。画面には複数のアイコンが表示される。情報端末装置300のユーザは、
図5(a)のように表示部340に表示された画面を見ながら操作部350を操作することによってアイコン600を選択する。ユーザによるアイコン600の選択の指示は操作部350から制御部320に出力される。制御部320は、選択の指示を受けつけると、記憶部330に記憶されたアプリケーションを起動させる。アプリケーションには、近距離無線通信システムによる通信対象として、第1蓄電池パック100aから第3蓄電池パック100cが登録されている。
【0033】
アプリケーションが起動すると、制御部320は、第1通信部310を制御することによって、登録された第1蓄電池パック100aとの通信を前述のとおり実行させる。その際、readは、第1蓄電池パック100aからの情報(以下、「第1情報」という)の送信要求である。第1蓄電池パック100aの第1通信部140はreadを受信すると、制御部120は、判定部160において判定した各種状態が含まれた第1情報を第1通信部140から情報端末装置300に送信させる。その際、第1情報には、第1蓄電池パック100aの蓄電池パック異常通知(以下、「第1蓄電池パック異常通知」という)が含められることもある。また、第1充放電装置200aからの充放電装置異常通知(以下、「第1充放電装置異常通知」という)を第2通信部170が受信している場合、制御部120は、第1充放電装置異常通知も第1情報に含める。第1情報は、read応答に相当する。情報端末装置300の第1通信部310が第1蓄電池パック100aからの第1情報を受信することによって、取得部322は、第1充放電装置200aに取り付けられた第1蓄電池パック100aとの直接の無線通信により第1情報を取得する。前述のごとく、第1情報には、第1蓄電池パック異常通知、第1充放電装置異常通知が含められることもある。
【0034】
情報端末装置300の制御部320は、このような処理を第2蓄電池パック100bと第3蓄電池パック100cに対しても実行する。その結果、取得部322は、第2充放電装置200bに取り付けられた第2蓄電池パック100bとの直接の無線通信により第2蓄電池パック100bからの第2情報を取得する。第2情報には、第2蓄電池パック異常通知、第2充放電装置異常通知が含められることもある。また、取得部322は、第3充放電装置200cに取り付けられた第3蓄電池パック100cとの直接の無線通信により第3蓄電池パック100cからの第3情報を取得する。第3情報には、第3蓄電池パック異常通知、第3充放電装置異常通知が含められることもある。このように制御部320において実行されるアプリケーションは、複数の蓄電池パック100と複数の充放電装置200から情報を取得する。
【0035】
制御部320は、取得部322において取得した第1情報から第3情報を記憶部330に記憶する。記憶部330は、各蓄電池パック100の製造番号、各充放電装置200の製造番号に対応づけながら情報を記憶する。また、制御部320は、取得部322において取得した第1情報から第3情報を第2通信部360に出力する。第2通信部360は、
図1のネットワーク400経由でサーバ装置500に第1情報から第3情報を送信する。サーバ装置500は、第1情報から第3情報を記憶する。
【0036】
さらに、制御部320は、取得部322において取得した第1情報から第3情報を表示部340の画面に一覧表示させる。これは、第1蓄電池パック100aから第3蓄電池パック100cに関する情報と、それらに接続される第1充放電装置200aから第3充放電装置200cに関する情報とをまとめて表示可能であることに相当する。
図5(b)は、表示部340に表示される一覧表示の画面を示す。一覧表示の画面では、上から順に第1表示領域610a、第2表示領域610b、・・・、第7表示領域610gが配置される。第1表示領域610aから第7表示領域610gは、表示領域610と総称され、表示領域610は横方向に長い矩形状を有する。第1表示領域610aは、第1情報を表示するための領域であり、第2表示領域610bは、第2情報を表示するための領域であり、第3表示領域610cは、第3情報を表示するための領域である。また、第4表示領域610dは、
図1、
図2に示していない第4蓄電池パック100dからの第4情報を表示するための領域であり、第4情報には、第4蓄電池パック100dに接続された第4充放電装置200dからの情報も含まれる。第5表示領域610eから第7表示領域610gも同様であり、ここでは説明を省略する。
【0037】
第1表示領域610aには、第1蓄電池パック100aの製造番号が第1製造番号612aとして示され、第1蓄電池パック100aの電池残量が第1電池残量614aとして示される。特に、第1電池残量614aはインジケータにより示される。第1電池残量614aが数値(0~100%)により示されてもよい。第2表示領域610bから第7表示領域610gにおける表示内容も第1表示領域610aにおける表示内容と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0038】
一例として、第5表示領域610eの第5製造番号612eの横に異常通知アイコン620が表示される。異常通知アイコン620は、第5蓄電池パック異常通知と第5充放電装置異常通知の少なくとも1つが第5情報に含まれていることを示す。このような異常通知アイコン620の表示によって、蓄電池パック100を接続する充放電装置200の情報も一覧表示される。仮に、第1蓄電池パック異常通知と第1充放電装置異常通知の少なくとも1つが第1情報に含まれている場合、第1表示領域610aの第1製造番号612aの横に異常通知アイコン620が表示される。また、第2蓄電池パック異常通知と第2充放電装置異常通知の少なくとも1つが第2情報に含まれている場合、第2表示領域610bの第2製造番号612bの横に異常通知アイコン620が表示される。他の表示領域610に対しても同様である。
【0039】
図5(b)では、一覧画面の上から順に第1表示領域610aから第7表示領域610gが配置される。しかしながら、制御部320は、一覧表示における表示領域610を予め設定したパターンによって並び替え可能であってもよい。これは、第1情報から第7情報を予め設定したパターンによって並び替え可能であることに相当する。例えば、各情報を昇順/降順で並び替え可能であったり、状態異常を種類ごとにソート可能であったりする。
【0040】
図6(a)-(c)は、表示部340に表示される別の画面を示す。
図6(a)は、
図5(b)と同一の一覧表示の画面を示す。ユーザが第1表示領域610aをタップすると、操作部350は、第1情報の選択の指示を受けつける。制御部320は、操作部350が第1情報の選択の指示を受けつけた場合に、第1情報の詳細を示す画面(以下、「詳細表示の画面」という)を表示部340に表示させる。
図6(b)は、第1情報の詳細表示の画面を示す。
【0041】
詳細表示の画面には、電池残量630が数値(0~100%)により示される。電池残量630の下側には、SOH632が示される。SOH632は、第1蓄電池パック100aの蓄電池110の最大容量の状態を示す。SOH632の下側には、電池残量630で各種負荷を使用した場合における使用時間目安634が示される。さらに、詳細表示の画面の最下段にはLED点灯ボタン636が配置される。LED点灯ボタン636については後述する。
【0042】
図6(c)は、第1情報の詳細表示の画面を示す。これは、
図6(b)とは別のタイプの詳細表示の画面である。電池残量630、SOH632、使用時間目安634、LED点灯ボタン636は、
図6(b)と同様に示される。詳細表示の画面の最下段には、廃棄ボタン638が追加される。廃棄ボタン638については後述する。
【0043】
図5(b)の一覧表示の画面では、前述のごとく、第5表示領域610eに異常通知アイコン620が表示される。ユーザが第5表示領域610eをタップすると、操作部350は、第5情報の選択の指示を受けつける。制御部320は、操作部350が第5情報の選択の指示を受けつけた場合に、異常通知がなされた第5情報の詳細表示の画面を表示部340に表示させる。
【0044】
図7(a)-(b)は、表示部340に表示されるさらに別の画面を示す。
図7(a)は、第5情報の詳細表示の画面、つまり異常通知がなされた情報の詳細表示の画面を示す。電池残量630、SOH632、使用時間目安634、LED点灯ボタン636、廃棄ボタン638は、
図6(c)と同様に示される。ここで、電池残量630、SOH632、使用時間目安634、LED点灯ボタン636が、
図6(b)と同様に示されてもよい。詳細情報の画面の上段には、蓄電池パック異常通知メッセージ640、充放電装置異常通知メッセージ642が配置される。蓄電池パック異常通知メッセージ640は、第5情報に第5蓄電池パック異常通知が含まれる場合に表示されるメッセージであり、充放電装置異常通知メッセージ642は、第5情報に第5充放電装置異常通知が含まれる場合に表示されるメッセージである。つまり、蓄電池パック100からの情報に蓄電池パック異常通知が含まれる場合に蓄電池パック異常通知メッセージ640が表示され、蓄電池パック100からの情報に充放電装置異常通知が含まれる場合に充放電装置異常通知メッセージ642が表示される。
【0045】
ユーザが蓄電池パック異常通知メッセージ640の詳細を確認したい場合、ユーザが蓄電池パック異常通知メッセージ640をタップすると、操作部350は、第5蓄電池パック異常通知の選択の指示を受けつける。制御部320は、操作部350が第5蓄電池パック異常通知の選択の指示を受けつけた場合に、第5蓄電池パック異常通知の内容が示された画面(以下、「通知表示の画面」という)を表示部340に表示させる。
図7(b)は、通知表示の画面を示す。第5蓄電池パック異常通知の内容が、例えば、「XXXXXX」のように示される。ここで、異常コードが表示されてもよく、蓄電池パック100の製造会社のURL(Uniform Resource Locator)が表示されてもよい。
図7(a)において、ユーザが充放電装置異常通知メッセージ642をタップした場合も
図7(b)と同様の画面が表示部340に表示される。
図2に戻る。
【0046】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0047】
以上の構成による充放電システム1000の動作を説明する。
図8は、充放電システム1000による表示手順を示すシーケンス図である。第1充放電装置200aは異常を検知する(S50)と、第1充放電装置異常通知を第1蓄電池パック100aに送信する(S52)。第1蓄電池パック100aは、第1充放電装置異常通知が含まれた第1情報を情報端末装置300に送信する(S54)。第2蓄電池パック100bは第2情報を情報端末装置300に送信し(S56)、第3蓄電池パック100cは第3情報を情報端末装置300に送信する(S58)。情報端末装置300は、第1情報から第3情報を一覧表示する(S60)。情報端末装置300は情報をサーバ装置500に送信する(S62)。サーバ装置500は情報を記憶する(S64)。
【0048】
本実施例によれば、複数の蓄電池パック100のそれぞれと直接の無線通信を実行することによって複数の蓄電池パック100のそれぞれの情報を一覧表示するので、複数の蓄電池パック100のそれぞれの情報を一度に確認できる。また、複数の蓄電池パック100のそれぞれの情報が一度に確認されるので、蓄電池パック100の使いやすさを向上できる。また、複数の蓄電池パック100の情報が一覧表示されるので、さまざまな情報を一画面で確認できる。
【0049】
また、充放電装置200において異常が発生した場合に蓄電池パック100を介して充放電装置異常通知を受けつけるので、充放電装置200に直接接続していなくても充放電装置200に関する情報を取得できる。また、充放電装置200に直接接続していなくても充放電装置200に関する情報が取得されるので、充放電装置200の構成の複雑化を抑制できる。複数の蓄電池パック100のそれぞれにおいて蓄電池パック異常通知あるいは充放電装置異常通知が存在すれば、それを一覧表示するので、蓄電池パック100および充放電装置200の使いやすさを向上できる。
【0050】
また、一覧表示における第1情報、第2情報を予め設定したパターンによって並び替え可能であるので、蓄電池パック100の使いやすさを向上できる。また、第1情報と第2情報とをネットワーク400経由でサーバ装置500に記憶させるので、第1情報と第2情報とをサーバ装置500に管理させることができる。
【0051】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の情報端末装置(300)は、第1充放電装置(200a)に取り付けられた第1蓄電池パック(100a)との直接の無線通信により第1蓄電池パック(100a)からの第1情報を取得するとともに、第2充放電装置(200b)に取り付けられた第2蓄電池パック(100b)との直接の無線通信により第2蓄電池パック(100b)からの第2情報を取得する取得部(322)と、取得部(322)において取得した第1情報と第2情報とを画面に一覧表示させる制御部(320)とを備える。取得部(322)において取得される第1情報には、第1蓄電池パック(100a)に異常が発生した場合に第1蓄電池パック(100a)の異常状態を知らせるための第1蓄電池パック異常通知、第1充放電装置(200a)に異常が発生した場合に、第1充放電装置(200a)から第1蓄電池パック(100a)を介して送信される第1充放電装置異常通知であって、かつ第1充放電装置(200a)の異常状態を知らせるための第1充放電装置異常通知が含められ、取得部(322)において取得される第2情報には、第2蓄電池パック(100b)に異常が発生した場合に第2蓄電池パック(100b)の異常状態を知らせるための第2蓄電池パック異常通知、第2充放電装置(200b)に異常が発生した場合に、第2充放電装置(200b)から第2蓄電池パック(100b)を介して送信される第2充放電装置異常通知であって、かつ第2充放電装置(200b)の異常状態を知らせるための第2充放電装置異常通知が含められる。
【0052】
制御部(320)は、一覧表示における第1情報、第2情報を予め設定したパターンによって並び替え可能であってもよい。
【0053】
制御部(320)は、取得部(322)において取得した第1情報と第2情報とをネットワーク(400)経由でサーバ装置(500)に記憶させてもよい。
【0054】
本開示の別の態様は、充放電システム(1000)である。この充放電システム(1000)は、第1充放電装置(200a)と、第1充放電装置(200a)に取り付けられた第1蓄電池パック(100a)と、第2充放電装置(200b)と、第2充放電装置(200b)に取り付けられた第2蓄電池パック(100b)と、第1蓄電池パック(100a)と第2蓄電池パック(100b)と直接の無線通信を実行可能な情報端末装置(300)とを備える。情報端末装置(300)は、第1蓄電池パック(100a)との直接の無線通信により第1蓄電池パック(100a)からの第1情報を取得するとともに、第2蓄電池パック(100b)との直接の無線通信により第2蓄電池パック(100b)からの第2情報を取得する取得部(322)と、取得部(322)において取得した第1情報と第2情報とを画面に一覧表示させる制御部(320)とを備える。取得部(322)において取得される第1情報には、第1蓄電池パック(100a)に異常が発生した場合に第1蓄電池パック(100a)の異常状態を知らせるための第1蓄電池パック異常通知、第1充放電装置(200a)に異常が発生した場合に、第1充放電装置(200a)から第1蓄電池パック(100a)を介して送信される第1充放電装置異常通知であって、かつ第1充放電装置(200a)の異常状態を知らせるための第1充放電装置異常通知が含められ、取得部(322)において取得される第2情報には、第2蓄電池パック(100b)に異常が発生した場合に第2蓄電池パック(100b)の異常状態を知らせるための第2蓄電池パック異常通知、第2充放電装置(200b)に異常が発生した場合に、第2充放電装置(200b)から第2蓄電池パック(100b)を介して送信される第2充放電装置異常通知であって、かつ第2充放電装置(200b)の異常状態を知らせるための第2充放電装置異常通知が含められる。
【0055】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、蓄電池パック100を充放電装置200に接続することによって、蓄電池パック100に対する充放電を実行可能にする充放電システム1000に関する。実施例1において、複数の蓄電池パック100のそれぞれの情報が情報端末装置300に一覧表示される。その際、情報端末装置300に表示された情報と、実際の蓄電池パック100との対応関係がすぐに把握できる方が望ましい。これに対応するために、実施例2に係る情報端末装置300において一覧表示がなされている場合に、特定の蓄電池パック100のアイコンをユーザがタップすると、情報端末装置300は、当該蓄電池パック100に呼出情報を送信する。当該蓄電池パック100は呼出情報を受信すると、LEDを点灯させる。実施例2に係る充放電システム1000は、
図1、
図2と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0056】
実施例2を説明するために、
図9(a)-(b)も使用する。
図9(a)-(b)は、充放電システム1000の構成を示す。
図9(a)は、
図5(b)と同一の一覧表示の画面を示す。一覧表示の画面における各表示領域610には、蓄電池パックアイコン650が示される。ユーザが、実際に配置されている複数の蓄電池パック100のうち、第1蓄電池パック100aを探したい場合、ユーザが第1表示領域610aの蓄電池パックアイコン650をタップすると、操作部350は、第1蓄電池パック100aの選択の指示を受けつける。ここで、
図6(b)-(c)におけるLED点灯ボタン636がタップされた場合も、操作部350は、第1蓄電池パック100aの選択の指示を受けつける。
【0057】
制御部320は、操作部350が第1蓄電池パック100aの選択の指示を受けつけた場合に、第1蓄電池パック100aを呼び出すための情報(以下、「第1呼出情報」という)を生成する。第1呼出情報には、第1蓄電池パック100aを識別するための情報と、呼出の指示が含まれる。制御部320は、第1呼出情報を第1通信部310に出力する。第1通信部310は、第1呼出情報を制御部320から受けつけると、第1呼出情報を第1蓄電池パック100aに送信する。
【0058】
図9(b)は、複数の蓄電池パック100の配置を示す。ここでは、第1蓄電池パック100aから第7蓄電池パック100gが配置される。第1蓄電池パック100aにおける第1通信部140は、情報端末装置300からの第1呼出情報を受信する。制御部120は、第1通信部140が第1呼出情報を受信した場合に、呼出に応じた処理、例えば、通知部150(発光部)を点灯させる。つまり、情報端末装置300の出力部324は、受付部240が第1蓄電池パック100aの選択の指示を受け付けた場合に第1呼出情報を第1通信部310に出力することによって、第1蓄電池パック100aとの直接の無線通信により第1呼出情報を第1蓄電池パック100aに送信させる。
【0059】
一方、ユーザは、第2蓄電池パック100bを探したい場合、
図9(a)の第2表示領域610bの蓄電池パックアイコン650をタップすると、操作部350は、第2蓄電池パック100bの選択の指示を受けつける。制御部320は、操作部350が第2蓄電池パック100bの選択の指示を受けつけた場合に、第2蓄電池パック100bを呼び出すための情報(以下、「第2呼出情報」という)を生成し、第1通信部310は、第2呼出情報を第2蓄電池パック100bに送信する。第2蓄電池パック100bにおける第1通信部140は、情報端末装置300からの第2呼出情報を受信する。制御部120は、第1通信部140が第2呼出情報を受信した場合に、呼出に応じた処理、例えば、通知部150(発光部)を点灯させる。他の蓄電池パック100を探す場合も同様な処理がなされる。
【0060】
以上の構成による充放電システム1000の動作を説明する。
図10は、充放電システム1000による点灯手順を示すシーケンス図である。情報端末装置300は第1蓄電池パック100aの選択を受けつける(S100)。情報端末装置300は第1呼出情報を第1蓄電池パック100aに送信する(S102)。第1蓄電池パック100aは第1呼出情報を受信すると点灯する(S104)。情報端末装置300は第2蓄電池パック100bの選択を受けつける(S106)。情報端末装置300は第2呼出情報を第2蓄電池パック100bに送信する(S108)。第2蓄電池パック100bは第2呼出情報を受信すると点灯する(S110)。
【0061】
本実施例によれば、蓄電池パック100の選択の指示を受け付けた場合に呼出情報を当該蓄電池パック100に送信し、蓄電池パック100は呼出情報に応じた処理を実行するので、情報端末装置300に表示された情報と、実際の蓄電池パック100との対応関係をすぐに把握できる。また、蓄電池パック100は呼出情報を受信した場合に点灯するので、蓄電池パック100をすぐに発見できる。
【0062】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。制御部(320)が一覧表示させた画面から、第1蓄電池パック(100a)の選択の指示を受け付ける操作部(350)と、操作部(350)が第1蓄電池パック(100a)の選択の指示を受け付けた場合に第1蓄電池パック(100a)を呼び出すための第1呼出情報を出力することによって、第1蓄電池パック(100a)との直接の無線通信により第1呼出情報を第1蓄電池パック(100a)に送信させる出力部(324)とをさらに備えてもよい。操作部(350)は、制御部(320)が一覧表示させた画面から、第2蓄電池パック(100b)の選択の指示を受け付け、出力部(324)は、操作部(350)が第2蓄電池パック(100b)の選択の指示を受け付けた場合に第2蓄電池パック(100b)を呼び出すための第2呼出情報を出力することによって、第2蓄電池パック(100b)との直接の無線通信により第2呼出情報を第2蓄電池パック(100b)に送信させ、第1蓄電池パック(100a)は、第1呼出情報を受信した場合に呼出に応じた処理を実行し、第2蓄電池パック(100b)は、第2呼出情報を受信した場合に呼出に応じた処理を実行してもよい。
【0063】
第1蓄電池パック(100a)は、第1呼出情報を受信した場合に発光部(150)を点灯させ、第2蓄電池パック(100b)は、第2呼出情報を受信した場合に発光部(150)を点灯させてもよい。
【0064】
(実施例3)
次に実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、蓄電池パック100を充放電装置200に接続することによって、蓄電池パック100に対する充放電を実行可能にする充放電システム1000に関する。蓄電池パック100を使用しているときに何らかのエラーが発生していても、当該エラーがユーザに認識されないまま、蓄電池パック100が放置されてしまう可能性がある。このような状況は充放電装置200についても発生しうる。さらに、蓄電池パック100の電池残量が低いまま放置されてしまうと、蓄電池パック100が過放電となり使用不可となる可能性がある。本実施例における蓄電池パック100は、異常発生あるいは電池残量低下の場合に、充放電装置200に情報を送信する。情報端末装置300は、蓄電池パック100からの情報を受信すると、アプリケーションを未起動であっても、情報がプッシュ通知条件を満たしていればプッシュ通知を実行する。実施例3に係る充放電システム1000は、
図1、
図2と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。実施例3に係る充放電システム1000は処理システムと呼ばれてもよい。
【0065】
情報端末装置300のアプリケーションにおいて管理すべき蓄電池パック100に対して、アプリケーションは管理コードを予め付与する。管理コードは、情報端末装置300の記憶部330に記憶されるとともに、蓄電池パック100の記憶部130にも記憶される。記憶部330に記憶される管理コードを「アプリケーション管理コード」と呼ぶ場合、記憶部130に記憶される管理コードは「蓄電池パック管理コード」と呼ばれる。その際、記憶部330は、アプリケーション管理コードに対応づけながら、蓄電池パック管理コードを付与した蓄電池パック100の製造番号も記憶する。以下では、(i)管理コードが一致してプッシュ通知条件を満たす場合、(ii)管理コードが一致しているがプッシュ通知条件を満たさない場合、(iii)製造番号が登録されていない場合の順に説明する。プッシュ通知条件の詳細は後述する。
【0066】
(i)管理コードが一致してプッシュ通知条件を満たす場合
図11(a)-(c)は、充放電システム1000による通信手順を示すシーケンス図である。
図11(a)において、情報端末装置300の制御部320はアプリケーションを未起動である(S200)。蓄電池パック100の第1通信部140はアドバタイズを定期的に送信する(S202、S204)。アドバタイズはブロードキャスト信号であり、蓄電池パック100の製造番号を含む。製造番号は例えば12バイトで示される。
【0067】
情報端末装置300の第1通信部310はアドバタイズを受信する。制御部320は、アドバタイズに含まれた製造番号を抽出し、抽出した製造番号をもとに管理者判定を実行する(S206)。具体的に説明すると、製造番号に対応づけられたアプリケーション管理コードが記憶部330に記憶され、かつ製造番号がプッシュ通知済み製造番号でなければ、制御部320はスキャン開始を決定する。プッシュ通知済み製造番号については後述するが、プッシュ通知済み製造番号は記憶部330に記憶される。
【0068】
制御部320がスキャン開始を決定した場合、情報端末装置300はスキャンを実行する(S208)。情報端末装置300の制御部320は接続要求を第1通信部310から蓄電池パック100に送信する(S210)。蓄電池パック100の第1通信部140が接続要求を受信すると、制御部120は、接続応答を第1通信部140から情報端末装置300に送信する(S212)。情報端末装置300の第1通信部310が接続応答を受信すると、蓄電池パック100と情報端末装置300との接続が確立する(S214)。
【0069】
蓄電池パック100との接続を確立した状態において、情報端末装置300の制御部320はreadを第1通信部310から蓄電池パック100に送信する(S216)。前述のごとく、readとは、蓄電池パック100に対する情報の送信要求である。蓄電池パック100の第1通信部140がreadを受信すると、制御部120はread応答を第1通信部140から情報端末装置300に送信する(S218)。前述のごとく、read応答とは、送信要求に対応した情報である。これにより、取得部322は、アプリケーションが未起動であっても、蓄電池パック100との直接の無線通信により、送信要求に対する応答として蓄電池パック100からの情報を取得する。当該情報には、蓄電池パック管理コードが含まれる。また、蓄電池パック100が充放電装置200に取り付けられている場合、情報には、充放電装置200から蓄電池パック100を介して送信される充放電装置異常通知が含まれることもある。
【0070】
制御部320は、取得部322において取得した情報に対してプッシュ通知判定を実行する(S220)。プッシュ通知条件に含まれる項目は(A)から(F)のように定められる。
(A)アプリケーションが未起動であること
(B)アプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが同一であること
(C)電池残量がしきい値、例えば10%以下であること
(D)充電、放電、停止のいずれかを示す動作状態が停止を示すこと
(E)蓄電池パック異常通知が含まれること
(F)充放電装置異常通知が含まれること
【0071】
制御部320は、(A)と(B)とが満たされている状況下において、(C)と(D)との組合せあるいは(E)あるいは(F)が満たされる場合に、プッシュ通知判定を満たすと判定する。制御部320は、プッシュ通知条件を満たすと判定した場合にプッシュ通知を実行する。
【0072】
図12(a)-(b)は、表示部340に表示される画面を示す。
図12(a)は、情報に蓄電池パック異常通知が含まれていた場合のプッシュ通知の画面を示す。表示部340にはプッシュ通知ウインドウ660が表示され、プッシュ通知ウインドウ660には「ID001の蓄電池パックで異常が発生しました。蓄電池パックをご確認ください。」とのメッセージが示される。このような表示は、例えば、蓄電池パック100に異常が発生している状態において、情報端末装置300を所持したユーザが蓄電池パック100の近傍を通過した際になされる。情報に充放電装置異常通知が含まれていた場合も同様の表示がなされる。
【0073】
図12(b)は、情報に含まれた電池残量がしきい値以下である場合のプッシュ通知の画面を示す。表示部340にはプッシュ通知ウインドウ660が表示され、プッシュ通知ウインドウ660には「ID001の電池残量が10%を切りました。充電してください。」とのメッセージが示される。このような表示は、例えば、倉庫などに蓄電池パック100がずっと保管されている場合になされる。
図11(a)に戻る。
【0074】
記憶部130は、制御部120がプッシュ通知を実行した場合に、蓄電池パック100の製造番号をプッシュ通知済み製造番号として記憶する(S222)。プッシュ通知済み製造番号は、蓄電池パック100を識別するための識別情報であるといえる。例えば、記憶部130は、プッシュ通知済み製造番号を100件まで記憶可能である。情報端末装置300の制御部320は切断要求を第1通信部310から蓄電池パック100に送信する(S224)。蓄電池パック100の制御部120は切断応答を第1通信部140から情報端末装置300に送信する(S226)。その結果、蓄電池パック100と情報端末装置300との接続が切断される(S228)。
【0075】
図11(b)は、
図11(a)とは別のパターンを示す。ステップ250からステップ254は、
図11(a)のステップ200からステップ204と同じである。制御部320は、アドバタイズに含まれた製造番号を抽出し、抽出した製造番号をもとに管理者判定を実行する(S256)。具体的に説明すると、製造番号に対応づけられたアプリケーション管理コードが記憶部330に記憶されていても、製造番号がプッシュ通知済み製造番号である場合、制御部320はスキャン開始しないことを決定し、処理を終了する。つまり、制御部320は、新たに受信したアドバタイズに含まれた製造番号と、記憶部330に記憶したプッシュ通知済み製造番号とが一致する場合に、蓄電池パック100との接続を確立しない。ステップ258からステップ262は、ステップ252からステップ256と同じである。
【0076】
図11(c)は、
図11(a)-(b)とはさらに別のパターンを示す。
図11(c)において、情報端末装置300の制御部320はアプリケーションを起動する(S300)。制御部320は、アプリケーションを起動すると、記憶部330に記憶したプッシュ通知済み製造番号をリセットする(S302)。これに続くステップ304からステップ324は、
図4のステップ10からステップ30と同じである。
【0077】
(ii)管理コードが一致しているがプッシュ通知条件を満たさない場合
図13(a)-(c)は、充放電システム1000による別の通信手順を示すシーケンス図である。
図13(a)におけるステップ350からステップ368は、
図11(a)におけるステップ200からステップ218と同じである。制御部320は、取得部322において取得した情報に対してプッシュ通知判定を実行する(S270)。制御部320は、(A)と(B)とが満たされていない場合、あるいは(C)と(D)との組合せと(E)と(F)が満たされていない場合に、プッシュ通知判定を満たさないと判定する。制御部320は、プッシュ通知条件を満たさないと判定した場合にプッシュ通知を実行しない。そのため、記憶部330は、蓄電池パック100の製造番号をプッシュ通知済み製造番号として記憶しない。ステップ372からステップ376は、
図11(a)におけるステップ224からステップ228と同じである。
【0078】
図13(b)は、
図13(a)に続いて、同一の蓄電池パック100から同一の情報を受信する場合の処理を示す。つまり、プッシュ通知判定が再び満たされない場合である。そのため、ステップ400からステップ426は、
図13(a)のステップ350からステップ376と同じである。
図13(c)は、
図13(b)に続いて、アプリケーションが起動した場合の処理を示す。そのため、
図13(c)のステップ450からステップ474は、
図11(c)のステップ300からステップ324と同じである。
【0079】
(iii)製造番号が登録されていない場合
図14(a)-(b)は、充放電システム1000による別の通信手順を示すシーケンス図である。
図14(a)におけるステップ500からステップ504は、
図11(a)におけるステップ200からステップ204と同じである。情報端末装置300の第1通信部310はアドバタイズを受信する。制御部320は、アドバタイズに含まれた製造番号を抽出し、抽出した製造番号をもとに管理者判定を実行する(S506)。製造番号に対応づけられたアプリケーション管理コードが記憶部330に記憶されていなければ、制御部320はスキャン開始しないことを決定し、処理を終了する。ステップ508からステップ512は、ステップ502からステップ506と同じである。
【0080】
本実施例によれば、取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行し、情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しないので、必要性の高い情報をプッシュ通知できる。また、アプリケーションを起動していなくてもプッシュ通知を実行するので、緊急性の高い情報をユーザに知らせることができる。また、プッシュ通知条件は、蓄電池パック100の残容量がしきい値以下であること、蓄電池パック100の動作状態が停止を示すこと、蓄電池パック100の異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであるので、緊急性の高い情報をユーザに知らせることができる。また、プッシュ通知条件は、充放電装置200の異常状態が異常ありを示すことも含むので、充放電装置200に関する緊急性の高い情報をユーザに知らせることができる。
【0081】
また、蓄電池パック100からのブロードキャスト信号を受信してから、蓄電池パック100との接続を確立した状態において、情報の送信要求を送信してから情報を取得するので、情報を取得するためにBLEの通信手順を使用できる。また、プッシュ通知を実行した場合に、当該蓄電池パック100の製造番号をプッシュ通知済み製造番号として記憶し、新たに受信したアドバタイズに含まれた製造番号がプッシュ通知済み製造番号に一致する場合にプッシュ通知を実行しないので、不要なプッシュ通知を回避できる。また、不要なプッシュ通知が回避されるので、情報端末装置300のバッテリの消費を抑制できる。
【0082】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の情報端末装置(300)は、蓄電池パック(100)との直接の無線通信により蓄電池パック(100)からの情報を取得する取得部(322)と、取得部(322)において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部(320)とを備える。制御部(320)は、取得部(322)において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しない。
【0083】
制御部(320)におけるプッシュ通知条件は、情報に含まれた蓄電池パック(100)の残容量がしきい値以下であること、情報に含まれた蓄電池パック(100)の動作状態が停止を示すこと、情報に含まれた蓄電池パック(100)の異常状態が異常ありを示すことのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0084】
蓄電池パック(100)は充放電装置(200)に取り付けられており、取得部(322)において取得される情報には、充放電装置(200)から蓄電池パック(100)を介して送信される充放電装置(200)の異常状態が含まれており、制御部(320)におけるプッシュ通知条件は、情報に含まれた充放電装置(200)の異常状態が異常ありを示すことも含んでもよい。
【0085】
本情報端末装置(300)は、蓄電池パック(100)からのブロードキャスト信号を受信してから、蓄電池パック(100)との接続を確立した状態において、蓄電池パック(100)に情報の送信要求を送信しており、取得部(322)は、送信要求に対する応答として、本情報端末装置(300)が蓄電池パック(100)から受信した情報を取得してもよい。
【0086】
制御部(320)がプッシュ通知を実行した場合に、蓄電池パック(100)を識別するための識別情報を記憶する記憶部(330)をさらに備えてもよい。制御部(320)は、新たに受信したブロードキャスト信号に含まれた識別情報と、記憶部(330)に記憶した識別情報とが一致する場合に、蓄電池パック(100)との接続を確立しない。
【0087】
本開示のさらに別の態様は、処理システムである。この処理システムは、蓄電池パック(100)と、蓄電池パック(100)と直接の無線通信を実行可能な情報端末装置(300)とを備える。情報端末装置(300)は、蓄電池パック(100)との直接の無線通信により蓄電池パック(100)からの情報を取得する取得部(322)と、取得部(322)において取得した情報がプッシュ通知条件を満たす場合にプッシュ通知を実行する制御部(320)とを備える。制御部(320)は、取得部(322)において取得した情報がプッシュ通知条件を満たさない場合にプッシュ通知を実行しない。
【0088】
(実施例4)
次に実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、蓄電池パック100を充放電装置200に接続することによって、蓄電池パック100に対する充放電を実行可能にする充放電システム1000に関する。ある特定のユーザにのみ使用可能とした機能の提供を目的としたとき、特定の利用者に対して専用のアプリケーションを提供する必要がある。これにより、ユーザにとって複雑な仕様となる可能性がある。本実施例では、蓄電池パック100に対して情報端末装置300のアプリケーションから管理コードを設定することによって、蓄電池パック100への制御機能の拡張が可能にされる。管理コードは実施例3において予め設定されているが、実施例4では、それを制御機能の拡張に利用する。実施例4に係る充放電システム1000は、
図1、
図2と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。実施例4に係る充放電システム1000は処理システムと呼ばれてもよい。
【0089】
制御部320は、蓄電池パック100に管理コードが設定されていない場合、蓄電池パック100に管理コードを発行可能である。具体的に説明すると、蓄電池パック100に対する管理コードが設定されていない場合、情報端末装置300の制御部320において実行されるアプリケーションが蓄電池パック100に対する管理コードを登録するときに、アプリケーションは管理コードを自動的に発行する。その際、アプリケーションは、第1通信部310を介して蓄電池パック100から製造番号を取得する。アプリケーションは、発行した管理コードをアプリケーション管理コードとして製造番号に対応づけながら記憶部330に記憶する。また、アプリケーションは、第1通信部310を介して蓄電池パック100に管理コードを送信する。蓄電池パック100の制御部120は、受信した管理コードを蓄電池管理コードとして記憶する。
【0090】
図15は、記憶部330に記憶されるテーブルのデータ構造を示す。テーブルには、アプリケーション管理コードの有無と、蓄電池パック管理コードの有無と、それらに対応した制御可能な機能が示される。ここで、アプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが、両方「有」であり、かつ一致する場合は、第1状態と呼ばれる。一方、アプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとが、両方「有」であり、かつ不一致である場合と、アプリケーション管理コードと蓄電池パック管理コードとの少なくとも1つが「無」である場合は、第2状態と呼ばれる。
【0091】
また、「BLE接続」、「アプリケーションでの残量表示、最大容量表示、異常表示」は第1処理と呼ばれる。さらに、「廃棄時の放電指示/中止」、「残量低下通知、異常通知(アプリケーション未起動時のプッシュ通知)」、「アプリケーションによる蓄電池パック100の管理コード削除」は第2処理と呼ばれる。制御部320は、第1状態において、第1処理と第2処理とを実行可能に制御する。制御部320は、第2状態において、蓄電池パック100に対する第1処理を実行可能に制御しながら、蓄電池パック100に対する第2処理を実行不可能に制御する。
図2に戻る。
【0092】
ここでは、「廃棄時の放電指示」について説明する。「廃棄時の放電指示」が実行可能に制御されている場合、表示部340には、
図6(c)の詳細表示の画面が表示可能である。詳細表示の画面の廃棄ボタン638がタップされると、操作部350は、廃棄時の放電指示を受けつける。制御部320は、廃棄時の放電指示を第1通信部310から蓄電池パック100に送信させる。
【0093】
蓄電池パック100の第1通信部140は、廃棄時の放電指示を情報端末装置300から受信する。制御部120は、廃棄放電開始を知らせるための通知を通知部150に表示させる。例えば、通知部150は、複数のLEDを全点滅させる。第2通信部170は、廃棄時の放電指示を充放電装置200に送信する。充放電装置200の通信部230は、廃棄時の放電指示を受信する。これに応じて受付部240は廃棄時の放電指示を受けつける。充放電回路210は、受付部240において廃棄時の放電指示を受けつけた場合に、蓄電池パック100に対して、蓄電池110の容量を低下させる放電器280を使用して、第1レベルよりも低い第2レベルまでの放電を実行する。放電器280は例えば抵抗である。第2レベルは、例えば、蓄電池パック100の第1通信部140が放電の終了を情報端末装置300に送信できたり、制御部120が駆動したりする電池残量以上の値として規定される。その際、制御部220は、通常時において充放電回路210を冷却するために使用していた冷却ファン270を、放電器280を冷却するために使用する。
【0094】
充放電回路210は、蓄電池110の電池残量が第2レベルに達すると放電を終了する。蓄電池パック100の制御部120は放電の終了を検知すると、放電の終了を知らせるための通知を通知部150に表示させる。例えば、通知部150は、複数のLEDを全消灯させる。制御部120は、放電の終了の通知を第1通信部140経由で情報端末装置300に送信させる。放電の終了の通知は廃棄の準備完了の通知に相当する。
【0095】
情報端末装置300の第1通信部310は、放電の終了の通知を蓄電池パック100から受信する。制御部320は、例えば、蓄電池パック100の廃棄のガイダンスを表示部340に表示させる。また、制御部320は、放電の終了の通知を第2通信部360経由でサーバ装置500に送信する。サーバ装置500は、放電の終了の通知を受信すると、廃棄可能な蓄電池パック100を登録する。
【0096】
さらに、制御部320は、既に設定された蓄電池パック100に対する管理コードを削除可能である。情報端末装置300の制御部320において実行されるアプリケーションは、蓄電池パック100から第1通信部310を介して取得した蓄電池パック管理コードと、記憶部330に記憶したアプリケーション管理コードとが一致する場合、管理コードの削除を決定する。管理コードの削除を決定した場合、アプリケーションは、記憶部330に記憶したアプリケーション管理コードを削除する。また、アプリケーションは、第1通信部310を介して第1通信部140に蓄電池パック管理コードの削除指示を送信する。蓄電池パック100の制御部120は、第1通信部140を介して蓄電池パック管理コードの削除指示を受信すると、記憶部130に記憶した蓄電池パック管理コードを削除する。
【0097】
本実施例によれば、蓄電池パック管理コードとアプリケーション管理コードとに応じて、実行可能な処理を変えるので、機能拡張を簡易に実行できる。また、蓄電池パック管理コードとアプリケーション管理コードとが一致すると、第1処理に加えて第2処理を実行可能にするので、機能拡張を簡易に実行できる。また、蓄電池パック管理コードとアプリケーション管理コードとが一致しなくても第1処理を実行可能にするので、必要な処理を実行させることができる。また、第1処理は、蓄電池パック100の残容量を画面に表示する処理であり、第2処理は、蓄電池パック100を廃棄のために放電させる処理であるので、管理コードにかかわらず蓄電池パック100の残容量を画面に表示させることができる。また、管理コードを発行可能であるので、必要に応じて管理コードを設定できる。
【0098】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の別の態様もまた、情報端末装置(300)である。この装置は、蓄電池パック(100)との直接の無線通信により蓄電池パック(100)からの情報を取得する取得部(322)と、既に発行した管理コードを記憶する記憶部(330)と、取得部(322)において取得した情報に対する蓄電池パック(100)の管理コードと、記憶部(330)に記憶した管理コードが一致する第1状態において、蓄電池パック(100)に対する第1処理と第2処理とを実行可能に制御する制御部(320)とを備える。制御部(320)は、第1状態とは異なる第2状態において、蓄電池パック(100)に対する第1処理を実行可能に制御しながら、蓄電池パック(100)に対する第2処理を実行不可能に制御する。
【0099】
第1処理は、蓄電池パック(100)の残容量を画面に表示する処理であり、第2処理は、蓄電池パック(100)を廃棄のために放電させる処理であってもよい。
【0100】
制御部(320)は、蓄電池パック(100)に管理コードが設定されていない場合、蓄電池パック(100)に管理コードを発行可能であり、記憶部(330)は、制御部(320)が発行した管理コードを記憶してもよい。
【0101】
本開示のさらに別の態様もまた、処理システムである。この処理システムは、蓄電池パック(100)と、蓄電池パック(100)と直接の無線通信を実行可能な情報端末装置(300)とを備える。情報端末装置(300)は、蓄電池パック(100)との直接の無線通信により蓄電池パック(100)からの情報を取得する取得部(322)と、既に発行した管理コードを記憶する記憶部(330)と、取得部(322)において取得した情報に対する蓄電池パック(100)の管理コードと、記憶部(330)に記憶した管理コードが一致する第1状態において、蓄電池パック(100)に対する第1処理と第2処理とを実行可能に制御する制御部(320)とを備える。制御部(320)は、第1状態とは異なる第2状態において、蓄電池パック(100)に対する第1処理を実行可能に制御しながら、蓄電池パック(100)に対する第2処理を実行不可能に制御する。
【0102】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0103】
100 蓄電池パック、 110 蓄電池、 120 制御部、 130 記憶部、 140 第1通信部、 150 通知部、 160 判定部、 170 第2通信部、 180 操作部、 200 充放電装置、 210 充放電回路、 220 制御部、 230 通信部、 240 受付部、 250 電力プラグ、 260 電力供給部、 270 冷却ファン、 280 放電器、 300 情報端末装置、 310 第1通信部、 320 制御部、 322 取得部、 324 出力部、 330 記憶部、 340 表示部、 350 操作部、 360 第2通信部、 400 ネットワーク、 500 サーバ装置、1000 充放電システム。