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特許7603255インターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラム
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  • 特許-インターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】インターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241213BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20241213BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20241213BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G08B25/04 J
G08B25/00 510M
H04M9/00 D
H04M9/00 H
H04N7/18 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020172201
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063783
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 あかね
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
(72)【発明者】
【氏名】山中 睦裕
(72)【発明者】
【氏名】植草 康二
(72)【発明者】
【氏名】石田 さつき
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-187130(JP,A)
【文献】特開2006-330936(JP,A)
【文献】特開2002-236666(JP,A)
【文献】国際公開第2018/079031(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B1/00-85/28
G06T7/00-7/90
G06V10/00-20/90
30/418
40/00-40/70
G07C1/00-15/00
G08B23/00-31/00
H04M9/00-9/10
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮影部にて撮影された第1撮影画像に含まれる顔画像を用いて顔認証を行い、来訪者が所定領域への入所許可者であるか否かを判定する顔認証部と、
顔認証の判定結果に関する第1情報を前記顔認証部から取得する第1取得部と、
前記顔認証に用いられる前記顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを、第2撮影部にて撮影された第2撮影画像に基づいて判定するなりすまし判定を行うなりすまし判定部と、
前記なりすまし判定の判定結果に関する第2情報を前記なりすまし判定部から取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した前記第1情報、及び、前記第2取得部が取得した前記第2情報に基づいて、前記所定領域への入所に関する入所制御を行う入所制御部と、
を備え、
前記入所制御部は、
前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記来訪者による前記所定領域への入所を制限する制限処理を行
前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記第1撮影部が撮影する撮影画像を記憶部に記憶させ、
前記撮影画像を前記記憶部に記憶させたことを、前記来訪者に通知する、
顔認証システム。
【請求項2】
第1撮影部にて撮影された第1撮影画像に含まれる顔画像を用いて顔認証を行い、来訪者が所定領域への入所許可者であるか否かを判定する顔認証部と、
顔認証の判定結果に関する第1情報を前記顔認証部から取得する第1取得部と、
前記顔認証に用いられる前記顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを、第2撮影部にて撮影された第2撮影画像に基づいて判定するなりすまし判定を行うなりすまし判定部と、
前記なりすまし判定の判定結果に関する第2情報を前記なりすまし判定部から取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した前記第1情報、及び、前記第2取得部が取得した前記第2情報に基づいて、前記所定領域への入所に関する入所制御を行う入所制御部と、
を備え、
前記入所制御部は、
前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記来訪者による前記所定領域への入所を制限する制限処理を行い、
前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記来訪者を撮影する撮影部が、前記なりすまし判定後に撮影する撮影画像を記憶部に記憶させ、
前記撮影画像を前記記憶部に記憶させたことを、前記来訪者に通知する、
顔認証システム。
【請求項3】
前記入所制御部は、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記第2情報を前記第2取得部が取得してからの所定時間内に、前記所定領域に入所するための入所操作を操作部が受け付けたとき、前記制限処理を行わない、
請求項1又は2に記載の顔認証システム。
【請求項4】
前記操作部は、前記所定領域の外部に設けられた端末に設けられており、
前記入所操作は、前記来訪者の来訪先の端末への呼出を行う操作、及び、入所に関する認証を要求する操作の少なくとも一方の操作を含む、
請求項3に記載の顔認証システム。
【請求項5】
前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第1情報が認証成功を示す情報であるとき、前記なりすまし判定の前記判定結果に応じた処理を行う、
請求項1から4のいずれか1項に記載の顔認証システム。
【請求項6】
前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、なりすましと判定された前記来訪者がいることを、1以上の端末に通知する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の顔認証システム。
【請求項7】
前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第1情報が認証成功を示す情報であるとき、なりすましと判定された前記来訪者がいることを、なりすまされた人物の端末に通知する、
請求項6に記載の顔認証システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の顔認証システムと、
前記顔認証システムと通信可能な情報端末と、
を備える、
インターホンシステム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の顔認証システムと、
前記顔認証システムによる前記入所制御に応じて、前記所定領域へと通じる扉の開閉に関する管理を行う入退管理装置と、
を備える、
入退管理システム。
【請求項10】
第1撮影部にて撮影された第1撮影画像に含まれる顔画像に基づいて来訪者が所定領域への入所許可者であるか否かを判定する顔認証を行う顔認証ステップと、
前記顔認証の判定結果に関する第1情報を取得する第1情報取得ステップと、
前記顔認証に使用する顔が人体の顔であるか否かを、第2撮影部にて撮影された第2撮影画像に基づいて判定するなりすまし判定を行うなりすまし判定ステップと、
前記なりすまし判定の判定結果に関する第2情報を取得する第2情報取得ステップと、
前記第1情報取得ステップにおいて取得した前記第1情報、及び、前記第2情報取得ステップにおいて取得した前記第2情報に基づいて、前記所定領域への入所に関する入所制御を行う入所制御ステップと、
を有し、
前記入所制御ステップは、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるときに前記来訪者による前記所定領域への入所を制限する制限ステップを有し、
前記入所制御ステップでは、
前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記第1撮影部が撮影する撮影画像を記憶部に記憶させ、
前記撮影画像を前記記憶部に記憶させたことを、前記来訪者に通知する、
制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にインターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、所定領域への入所に関する入所制御を行うインターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、管理区域である集合住宅の住棟内に出入りする人物を顔形で認証する顔認証装置を備える集合住宅用セキュリティシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-206784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような集合住宅用セキュリティシステムにおいては、防犯性を向上させることが望まれている。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、防犯性を向上させることができるインターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る顔認証システムは、顔認証部と、第1取得部と、なりすまし判定部と、第2取得部と、入所制御部とを備える。前記顔認証部は、第1撮影部にて撮影された第1撮影画像に含まれる顔画像を用いて顔認証を行い、来訪者が所定領域への入所許可者であるか否かを判定する。前記第1取得部は、顔認証の判定結果に関する第1情報を前記顔認証部から取得する。前記なりすまし判定部は、前記顔認証に用いられる前記顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを、第2撮影部にて撮影された第2撮影画像に基づいて判定するなりすまし判定を行う。前記第2取得部は、前記なりすまし判定の判定結果に関する第2情報を前記なりすまし判定部から取得する。前記入所制御部は、前記第1取得部が取得した前記第1情報、及び、前記第2取得部が取得した前記第2情報に基づいて、前記所定領域への入所に関する入所制御を行う。前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記来訪者による前記所定領域への入所を制限する制限処理を行う。前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記第1撮影部が撮影する撮影画像を記憶部に記憶させる。前記入所制御部は、前記撮影画像を前記記憶部に記憶させたことを、前記来訪者に通知する。
本開示の一態様に係る顔認証システムは、顔認証部と、第1取得部と、なりすまし判定部と、第2取得部と、入所制御部とを備える。前記顔認証部は、第1撮影部にて撮影された第1撮影画像に含まれる顔画像を用いて顔認証を行い、来訪者が所定領域への入所許可者であるか否かを判定する。前記第1取得部は、顔認証の判定結果に関する第1情報を前記顔認証部から取得する。前記なりすまし判定部は、前記顔認証に用いられる前記顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを、第2撮影部にて撮影された第2撮影画像に基づいて判定するなりすまし判定を行う。前記第2取得部は、前記なりすまし判定の判定結果に関する第2情報を前記なりすまし判定部から取得する。前記入所制御部は、前記第1取得部が取得した前記第1情報、及び、前記第2取得部が取得した前記第2情報に基づいて、前記所定領域への入所に関する入所制御を行う。前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記来訪者による前記所定領域への入所を制限する制限処理を行う。前記入所制御部は、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記来訪者を撮影する撮影部が、前記なりすまし判定後に撮影する撮影画像を記憶部に記憶させる。前記入所制御部は、前記撮影画像を前記記憶部に記憶させたことを、前記来訪者に通知する。
【0007】
本開示の一態様に係るインターホンシステムは、前記顔認証システムと、情報端末と、を備える。前記情報端末は、前記顔認証システムと通信可能である。
【0008】
本開示の一態様に係る入退管理システムは、前記顔認証システムと、入退管理装置と、を備える。前記入退管理装置は、前記顔認証システムによる前記入所制御に応じて、前記所定領域へと通じる扉の開閉に関する管理を行う。
【0010】
本開示の一態様に係る制御方法は、顔認証ステップと、第1情報取得ステップと、なりすまし判定ステップと、第2情報取得ステップと、入所制御ステップとを有する。前記顔認証ステップでは、第1撮影部にて撮影された第1撮影画像に含まれる顔画像に基づいて来訪者が所定領域への入所許可者であるか否かを判定する顔認証を行う。前記第1情報取得ステップでは、前記顔認証の判定結果に関する第1情報を取得する。前記なりすまし判定ステップでは、前記顔認証に使用する顔が人体の顔であるか否かを、第2撮影部にて撮影された第2撮影画像に基づいて判定するなりすまし判定を行う。前記第2情報取得ステップでは、前記なりすまし判定の判定結果に関する第2情報を取得する。前記入所制御ステップでは、前記第1情報取得ステップにおいて取得した前記第1情報、及び、前記第2情報取得ステップにおいて取得した前記第2情報に基づいて、前記所定領域への入所に関する入所制御を行う。前記入所制御ステップは、制限ステップを有する。前記制限ステップでは、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるときに前記来訪者による前記所定領域への入所を制限する。前記入所制御ステップでは、前記入所制御において、前記第2情報がなりすましを示す情報であるとき、前記第1撮影部が撮影する撮影画像を記憶部に記憶させる。前記入所制御ステップでは、前記撮影画像を前記記憶部に記憶させたことを、前記来訪者に通知する。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、防犯性を向上させることができるインターホンシステム、入退管理システム、顔認証システム、制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態1に係るインターホンシステムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、実施形態1に係るロビーインターホンの設置例を示す概念図である。
図3図3は、実施形態1に係る顔認証システムの構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1に係る制御システムの動作を示すフローチャートである。
図5図5は、同上の制御システムの動作を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態2に係る入退管理システムの全体構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。以下の各実施形態は、本開示の様々な各実施形態の一つに過ぎない。各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0015】
(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係るインターホンシステム2の概要について、図1図3を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るインターホンシステム2は、施設1(マンション)に導入されている。インターホンシステム2は、施設1に来訪者9(図2参照)が訪れたときに、来訪者9を撮影して顔画像を含む撮影画像D3(図3参照)を生成する。インターホンシステム2は、撮影画像D3に含まれる顔画像を用いて、来訪者9が所定領域A1(図2参照)への入所許可者であるか否かを判定する顔認証と、顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを判定するなりすまし判定を行う。
【0017】
さらに、本実施形態のインターホンシステム2は、顔認証の判定結果に関する第1情報D1(図3参照)と、なりすまし判定の判定結果に関する第2情報D2(図3参照)とに基づいて、所定領域A1への入所に関する入所制御を行う。ここで、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、来訪者9による施設1内の所定領域A1への入所を制限する制限処理を行う。
【0018】
第2情報D2がなりすましを示す情報である場合に、インターホンシステム2が制限処理を行うことで、施設1内の所定領域A1の防犯性を向上させることができる。
【0019】
(2)詳細
以下、本実施形態に係るインターホンシステム2の構成の詳細について、図1図3を参照して説明する。
【0020】
(2.1)前提
本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、施設1は、マンション等の住宅施設であってもよいし、オフィスビル等の非住宅施設であってもよい。さらに、施設1は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。図1に示すように、本実施形態では、施設1が、複数の住戸を含む集合住宅(マンション等)である場合を想定する。集合住宅においては、複数の住戸のそれぞれが住戸22となる。
【0021】
また、本開示でいう「所定領域」は、施設1内の領域であって、例えば、入所する権利を有する人物のみが入所してよい領域である。ここで、「入所する権利を有する人物」とは、所定領域に他者を入所させる権限を持つ人物によって入所が許可された人物、及び、予め登録された人物等である。本実施形態の所定領域A1は、図2に示すように、施設1(マンション)内における、ロビー21に設置される扉20より内部の領域である。本実施形態の所定領域A1には、扉20の内部にある、廊下、エレベータ、階段、住戸22等が含まれる。
【0022】
また、本開示でいう「来訪者」は、施設1の客や施工業者等だけでなく、所定領域A1に通じる扉20に近づいた人物を含む。すなわち、来訪者9には、施設1の住人、施設1の管理人及び労働者等が含まれる。
【0023】
本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。
【0024】
(2.2)インターホンシステムの構成
まず、インターホンシステム2の構成について、図1を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、インターホンシステム2は、制御装置11と、ロビーインターホン12(インターホン子機)と、住戸親機14と、住戸子機15(インターホン子機)と、管理室機16とを備えている。ここで、ロビーインターホン12は、顔認証システム3(図3参照)を含んでいる。さらに、顔認証システム3は、制御システム4(図3参照)を含んでいる。また、本実施形態では、インターホンシステム2は、カメラ13(撮影部)と、監視サーバ17と、扉20とを更に備えている。このうち、制御装置11、ロビーインターホン12、カメラ13及び扉20は、ロビー21に設置されている。なお、監視サーバ17は、管理室23等の施設1内の他の領域に設置されてもよいし、管理会社5等の施設1外の領域に設置されてもよい。住戸親機14及び住戸子機15は各住戸22に設置されている。管理室機16は、管理室23に設置されている。
【0026】
ロビー21の扉20(又は扉20に設けられた電気錠)は、所定領域A1(図2参照)に通じている。扉20は、ロビーインターホン12と通信可能に接続されており、ロビーインターホン12にて制御可能であるので、インターホンシステム2の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム2では、ロビーインターホン12にて、ロビー21の扉20の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉20が自動扉である場合には、ロビーインターホン12は、デフォルトで閉じた状態にある扉20を開放するように扉20を制御できる。
【0027】
制御装置11は、ロビーインターホン12、各住戸親機14及び管理室機16に通信可能に接続されている。制御装置11は、ロビーインターホン12、各住戸親機14及び管理室機16の間における通信を中継する。
【0028】
また、制御装置11は、施設1の外部のネットワークN1に接続されている。そのため、インターホンシステム2は、例えばネットワークN1に接続されている登録者端末18及び管理会社端末19と通信可能である。
【0029】
ロビーインターホン12は、ロビー21に設置されており、所定領域A1の外部に設けられた端末である。また、ロビーインターホン12は、制御装置11に通信可能に接続されている。
【0030】
ロビーインターホン12は、操作部121と撮影部122(カメラ)とを有している。操作部121には、来訪者9(図2参照)による操作を受け付けるための、テンキー(タッチパネルを含む)及びキーシリンダー等が含まれる。撮影部122は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ等のイメージセンサを備えている。撮影部122は、操作部121を操作しようとする人物、又は、操作部121を操作する人物を撮影して撮影画像D3を生成する。ここでいう「撮影画像」は、来訪者9を撮影して得られる画像(画像データ)を意味し、動画、静止画及びコマ送りの画像を含む。
【0031】
来訪者9が操作部121に対して所定の操作を行うと、ロビーインターホン12は、住戸親機14又は管理室機16を呼び出すための呼出信号を、住戸親機14又は管理室機16に送信する。さらに、ロビーインターホン12は、撮影画像D3を、住戸親機14又は管理室機16に送信する。これにより、ロビーインターホン12の撮影部122で撮影された来訪者9の画像は、住戸親機14又は管理室機16にて表示可能となる。
【0032】
また、ロビーインターホン12は、操作部121に対する入所操作を受け付けると、扉20を開放(解錠)する。言い換えると、来訪者9は、操作部121に対して入所操作を行うことで、扉20を開放させることが可能である。ここで、「入所操作」とは、来訪者9が施設1の所定領域A1に入るために操作部121に対して行う操作をいう。「入所操作」には、来訪者9の来訪先の端末(住戸親機14)への呼出を行う操作、及び、入所に関する認証を要求する操作の少なくとも一方の操作が含まれる。また、「入所操作」には、例えば、キーシリンダーに差し込まれたキー(鍵)による解錠操作や、扉20を開放させるための暗証番号を入力する操作等が含まれる。例えば、来訪者9が来訪先の住戸親機14を呼び出し、来訪先の住人が来訪者9を確認したうえで住戸親機14に対して開放を許可する操作を行った場合、扉20は開放される。本実施形態のロビーインターホン12の詳細については、「(2.3)ロビーインターホンの構成」欄において説明する。
【0033】
住戸親機14は、各住戸22(住戸)の室内空間に設置されている。住戸子機15は、住戸親機14と通信可能に接続されており、例えば、各住戸22の玄関の外に設置される玄関子機である。つまり、住戸親機14と住戸子機15とは、互いに通信(通話を含む)可能に構成されている。さらに、本実施形態では、住戸子機15は撮影部(カメラ)を有しており、住戸子機15の撮影部で撮影された来訪者9の画像を住戸親機14にて表示することができる。また、住戸親機14は、制御装置11に通信可能に接続されている。
【0034】
管理室機16は、管理室23の室内空間に設置されている。また、管理室機16は、制御装置11に通信可能に接続されている。
【0035】
上述したように、ロビーインターホン12、各住戸親機14及び管理室機16は、いずれも制御装置11に対して通信可能に接続されている。そのため、ロビーインターホン12と各住戸親機14と管理室機16とは、制御装置11を介して互いに通信(通話を含む)可能である。すなわち、ロビーインターホン12と各住戸親機14とは互いに通信可能である。さらに、ロビーインターホン12と管理室機16とは互いに通信可能であって、各住戸親機14と管理室機16とは互いに通信可能である。
【0036】
カメラ13(撮影部)は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ等のイメージセンサを備えている。本実施形態のカメラ13は、ロビー21に設置されており、ロビー21に訪れる来訪者9を撮影可能な位置に配置されている。カメラ13は、来訪者9を撮影した撮影画像D4(図3参照)を生成する。カメラ13は、監視サーバ17と通信可能に構成されている。
【0037】
監視サーバ17は、カメラ13の撮影画像D4(図3参照)を記憶(録画)したり、カメラ13の動作を制御したりする装置である。図3に示すように、監視サーバ17は、通信部171と、制御部172と、記憶部173とを備えている。
【0038】
通信部171は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、カメラ13及びロビーインターホン12と接続されている。通信部171は、カメラ13及びロビーインターホン12との通信機能を有している。これにより、通信部171は、カメラ13及びロビーインターホン12との間で、通信可能に構成されている。
【0039】
記憶部173は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光学ディスクドライブなどの非一時的な記憶装置を含む。記憶部173には、カメラ13による撮影画像D4が記憶(録画)される。
【0040】
制御部172は、1以上のプロセッサが適宜のプログラムを実行することにより具現化される。制御部172は、カメラ13の動作を制御したり、カメラ13による撮影画像D4を記憶部173に記憶させたりする。例えば、制御部172は、通信部171を介してカメラ13に撮影開始指示を送ることで、カメラ13に撮影を開始させることが可能である。また、制御部172は、ロビーインターホン12からの指示を受けて、カメラ13による撮影画像D4を記憶部173に記憶させる。
【0041】
(2.3)ロビーインターホンの構成
次に、ロビーインターホン12の構成について、図2及び図3を参照して説明する。
【0042】
図3に示すように、ロビーインターホン12は、上述した操作部121及び撮影部122の他に、顔認証システム3を有している。撮影部122は、来訪者9(図2参照)を撮影した撮影画像D3を顔認証システム3に出力する。
【0043】
(2.4)顔認証システムの構成
次に、顔認証システム3の構成について図1図3を参照して説明する。
【0044】
図3に示すように、顔認証システム3は、制御システム4と、顔認証部36と、なりすまし判定部37とを備えている。本実施形態の顔認証システム3は、記憶部34及び通信部35を更に備えている。
【0045】
顔認証システム3は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。顔認証システム3では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、顔認証システム3の顔認証部36、なりすまし判定部37及び制御システム4の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0046】
記憶部34は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光学ディスクドライブなどの非一時的な記憶装置を含む。記憶部34には、施設1(マンション)の住人、管理人等の登録者の顔画像のデータが記憶されている。ここで、登録者の顔画像データは、登録者の識別情報と関連付けられて記憶部34に記憶されている。また、登録者の識別情報は、登録者の住戸番号、及び、登録者が有する携帯電話、スマートフォン等の登録者端末18に関する情報と関連付けられて記憶されている。
【0047】
通信部35は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、扉20、監視サーバ17及び制御装置11(図1参照)と接続されている。通信部35は、扉20、監視サーバ17及び制御装置11との通信機能を有している。これにより、通信部35は、扉20、監視サーバ17及び制御装置11との間で、通信可能に構成されている。
【0048】
顔認証部36は、撮影部122から入力される撮影画像D3に含まれる顔画像を用いて、来訪者9(図2参照)が所定領域A1(図2参照)への入所許可者であるか否かを判定する顔認証を行う。顔認証において、顔認証部36は、まず撮影画像D3に対して人間の顔部分を検出する顔検出処理を実行し人間の顔部分の画像である顔画像を抽出する。そして、撮影画像D3から顔画像が抽出された場合、顔認証部36は、抽出された顔画像と、記憶部34に予め登録されている複数の登録者の顔画像(テンプレートデータ)と照合(マッチング処理)する。顔認証部36は、顔認証を行うと、顔認証の判定結果に関する第1情報D1を、制御システム4に出力(送信)する。具体的には、顔認証部36は、複数の登録者の顔画像のうちに、抽出された顔画像との類似度が閾値以上の画像があった場合、認証成功を示す第1情報D1を制御システム4に出力する。なお、本実施形態における認証成功を示す第1情報D1には、類似度が閾値以上であった顔画像の識別情報が含まれている。一方、顔認証部36は、複数の登録者の顔画像のうちに、抽出された顔画像との類似度が閾値以上の画像がなかった場合、認証失敗を示す第1情報D1を制御システム4に出力する。
【0049】
なりすまし判定部37は、顔認証に用いられる顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを判定するなりすまし判定を行う。なりすまし判定部37は、撮影部122から撮影画像D3が入力されると、顔検出処理を実行し顔画像を抽出する。なりすまし判定部37は、顔画像を抽出すると、顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを判定する。例えば、被写体が写真に写った顔、タブレット端末等に表示された顔画像、及び、お面やマスク等の被り物等である場合、なりすまし判定部は、顔画像の被写体が本物の顔でないと判定し、なりすましであると判定する。
【0050】
なりすまし判定部37は、例えば、顔画像における複数の特徴点の時間的変化の有無に基づいて、なりすまし判定を行う。なりすまし判定部37は、なりすまし判定を行うと、なりすまし判定の判定結果に関する第2情報D2を、制御システム4に出力(送信)する。具体的には、なりすまし判定部37は、各特徴点の位置及び特徴点同士の位置関係の少なくとも一方が一定期間の間に変化しない場合に、なりすましを示す第2情報D2を制御システム4に出力する。一方、なりすまし判定部37は、各特徴点の位置及び特徴点同士の位置関係の少なくとも一方が一定期間の間に変化している場合に、なりすましでないことを示す第2情報D2を制御システム4に出力する。
【0051】
(2.5)制御システムの構成
次に、制御システム4の構成について図1図3を参照して説明する。
【0052】
本実施形態の制御システム4は、通信部35及び制御装置11(図1参照)を介して、住戸親機14(図1参照)、管理室機16(図1参照)等の情報端末と通信可能である。本開示でいう「情報端末」は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット及びスマートフォン等の端末を更に含む。制御システム4は、通信部35及び制御装置11を介して、登録者端末18及び管理会社端末19とも通信可能である。
【0053】
図3に示すように、制御システム4は、第1取得部31と、第2取得部32と、制御部33とを備えている。制御システム4は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。制御システム4では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御システム4の第1取得部31、第2取得部32及び制御部33(入所制御部331、操作確認部332)の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0054】
第1取得部31は、顔認証部36から、顔認証の判定結果に関する第1情報D1を取得する。第1取得部31は第1情報D1を取得すると、制御部33の入所制御部331に出力する。
【0055】
第2取得部32は、なりすまし判定部37から、なりすまし判定の判定結果に関する第2情報D2を取得する。第2取得部32は、第2情報D2を取得すると、制御部33の入所制御部331に出力する。
【0056】
制御部33は、入所制御部331と、操作確認部332とを備えている。また、本実施形態の制御部33は、ロビー21の扉20(図2参照)の開閉又は施解錠を制御することが可能である。
【0057】
操作確認部332は、操作部121が入所操作を受け付けたかどうかを確認する。操作確認部332は、操作部121が入所操作を受け付けたことを確認すると、入所制御部331に対して確認信号を出力する。
【0058】
入所制御部331は、第1取得部31が取得した第1情報D1、及び、第2取得部32が取得した第2情報D2に基づいて、所定領域A1(図2参照)への入所に関する入所制御を行う。特に、入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、来訪者9(図2参照)による所定領域A1への入所を制限する制限処理を行う。入所制御部331は、制限処理を行っている間、扉20を開放(開錠)させない。入所制御部331は、第1情報D1が認証成功を示す情報であっても、第2情報D2がなりすましを示す情報である場合には、扉20の開放を行わない。このように、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、来訪者9による所定領域A1への入所を制限する制限処理を入所制御部331が行うことで、所定領域A1の防犯性を向上させることができる。
【0059】
ここで、入所制御部331は、第2情報D2がなりすましを示す情報であっても、第2情報D2を入所制御部331が取得してからの所定時間内に、入所操作をロビーインターホン12の操作部121が受け付けたとき、制限処理を行わない。具体的には、入所制御部331は、第2情報D2を取得してからの所定時間内に、操作確認部332から入力される確認信号を受け付けたとき、制限処理を行わない。なりすまし判定によってなりすましであると判定されても、所定時間内にロビーインターホン12の操作部121が入所操作を受け付けたときは、制限処理を行わない。そのため、なりすまし判定の判定結果が誤判定であった場合等に、制限処理を行うことを低減することができる。
【0060】
なお、「入所操作」は、来訪者9が施設1の所定領域A1に入るための操作であって、操作の結果として扉20が解放される操作であるようにしてもよい。例えば、来訪者9が操作部121に対して、来訪先の住戸親機14への呼出を行う操作を行っても、来訪先の住人が住戸親機14に対して扉20の開放を許可する操作を行わない場合は、来訪者9が「入所操作」をしたことにはならない。また、例えば、来訪者9が操作部121に対して、入所に関する認証を要求する操作を行っても、認証に失敗した場合は、来訪者9が「入所操作」をしたことにはならない。このように、入所操作を、操作の結果として扉20が解放される操作に限定することで、所定領域A1の防犯性をより向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第1情報D1が認証成功を示す情報であるとき、なりすまし判定部37の判定結果に応じた処理を行う。顔認証の結果が認証成功であっても、入所制御部331がなりすまし判定の結果に応じて異なる制御を行うことで、所定領域A1の防犯性をより向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、なりすましと判定された来訪者9がいることを、1以上の端末に通知する。1以上の端末は、例えば、住戸親機14、管理室機16、登録者端末18及び管理会社端末19を含む。通知の方法としては、なりすましと判定された来訪者9がいる旨の文章を端末の表示部に表示(ポップアップ表示)させたり、なりすましと判定された来訪者9がいる旨の音声を端末のスピーカから出力させたりしてもよい。また、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、入所制御部331は、警察へ通報するようにしてもよい。入所制御部331が1以上の端末に対して、なりすましと判定された来訪者9がいることを通知する処理を、第1通知処理という。なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、なりすましと判定された来訪者がいることを1以上の端末に通知することで、所定領域A1の防犯性をより向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であり、第1情報D1が認証成功を示す情報であるとき、なりすましと判定された来訪者9がいることを、なりすまされた人物の端末に通知する。第1情報D1が認証成功を示す情報である場合は、類似度が閾値以上であった顔画像の識別情報に基づいて、なりすまされた人物の特定が可能である。本実施形態の入所制御部331は、第1情報D1が認証成功を示す情報である場合は、第1情報D1に含まれる識別情報に基づいて、なりすまされた人物(登録者)の住戸番号や、登録者が有する登録者端末18に関する情報を記憶部34から取得する。そして、入所制御部331は、なりすましと判定された来訪者9がいることを、なりすまされた人物の住戸にある住戸親機14や、登録者端末18に通知する。入所制御部331がなりすまされた人物の住戸にある住戸親機14や、なりすまされた人物の登録者端末18に対して、なりすましと判定された来訪者9がいることを通知する処理を、第2通知処理という。なりすまされた人物は、自身になりすました来訪者がいることを通知によって知ることができ、所定領域A1の防犯性をより向上させることができる。
【0064】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、撮影部122が撮影する撮影画像D3を、記憶部34に記憶させる。なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、顔認証又はなりすまし判定において使用された撮影画像D3を記憶部34に記憶させることで、来訪者9がなりすました顔の画像を保存することができる。なお、撮影画像D3の代わりに、顔認証及びなりすまし判定の少なくとも一方において抽出した顔画像を、記憶部34に記憶させるようにしてもよい。また、撮影部122が撮影する撮影画像D3を、監視サーバ17の記憶部173に記憶させるようにしてもよい。
【0065】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、カメラ13(撮影部)が撮影する撮影画像D4を、監視サーバ17の記憶部173に記憶させる。なりすまし判定においてなりすましであると判定されたとき、カメラ13が来訪者9を撮影した撮影画像D4を、監視サーバ17の記憶部173に記憶させることで、来訪者9が写った画像を保存することができる。なお、カメラ13が撮影する撮影画像D4を、顔認証システム3の記憶部34に記憶させるようにしてもよい。
【0066】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、なりすまし判定後に、撮影部122が撮影する撮影画像D3を、記憶部34に記憶させる。なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、なりすまし判定後に撮影部122が来訪者9を撮影して生成する撮影画像D3を、記憶部34に記憶させることで、なりすましであると判定された来訪者9の画像を保存することができる。なお、なりすまし判定後に撮影部122が撮影する撮影画像D3を、監視サーバ17の記憶部173に記憶させるようにしてもよい。
【0067】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、なりすまし判定後に、カメラ13(撮影部)が撮影する撮影画像D4を、監視サーバ17の記憶部173に記憶させる。なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、なりすまし判定後にカメラ13が来訪者9を撮影して生成する撮影画像D4を記憶部173に記憶させることで、来訪者9が写った撮影画像D4を保存することができる。なお、なりすまし判定後にカメラ13が撮影する撮影画像D4を、顔認証システム3の記憶部34に記憶させてもよい。
【0068】
また、本実施形態の入所制御部331は、入所制御において、撮影画像D3及び撮影画像D4の少なくとも一方を、記憶部34又は記憶部173に記憶させたことを、来訪者9に通知する。入所制御部331は、撮影画像D3(撮影画像D4)を、記憶部34(記憶部173)に記憶させたことを、例えば、ロビーインターホン12の表示部やスピーカを使用して、来訪者9に通知する。この通知は、来訪者9に対する警告処理ともいえる。来訪者9がなりすました顔の画像、又は、来訪者9が映った撮影画像D3(撮影画像D4)が記憶されたことを来訪者9に通知することで、不正入館等を行うつもりだった来訪者9を思いとどまらせることができる。また、入所制御部331は、実際には撮影画像D3(撮影画像D4)を記憶させていない場合であっても、来訪者9に対して撮影画像D3(撮影画像D4)を記憶部34(記憶部173)に記憶させたと通知してもよい。記憶部34(記憶部173)の容量が少ない等の理由で、実際には撮影画像D3(撮影画像D4)を記憶部34(記憶部173)に記憶させていない場合であっても、来訪者9に対して撮影画像D3(撮影画像D4)を記憶部34(記憶部173)に記憶させたと通知することで、不正入館等を行うつもりだった来訪者9を思いとどまらせることができる。
【0069】
(3)制御システムの動作
次に、図4及び図5を参照して制御システム4の動作の説明をする。図4は、本実施形態に係る制御システム4が行う入所制御処理(制御方法)の一例を示すフローチャートである。
【0070】
まず、制御システム4は、第1取得部31にて、顔認証の判定結果に関する第1情報D1を取得する(S1)。また、制御システム4は、第2取得部32にて、なりすまし判定の判定結果に関する第2情報D2を取得する(S2)。次に、制御システム4の入所制御部331は、第1情報D1が認証成功を示す情報であるか否かを確認する(S3)。第1情報D1が認証成功を示す情報である場合(S3でYES)、入所制御部331は、第2情報D2がなりすましを示す情報であるか否かを確認する(S4)。第2情報D2がなりすましを示す情報でない場合(S4でNO)、処理はステップS7に進む。第2情報D2がなりすましを示す情報である場合(S4でYES)、入所制御部331は、第2情報D2を取得してから所定時間が経過したか否かを確認する(S5)。なお、ステップS5の処理における所定時間を、第1所定時間とする。第2情報D2を取得してから所定時間が経過している場合(S5でYES)、処理は図5のステップS21へ進み、入所制御部331は、来訪者9による所定領域A1への入所を制限する制限処理を行う。
【0071】
第2情報D2を取得してから所定時間が経過していない場合(S5でNO)、入所制御部331は、ロビーインターホン12の操作部121に対して入所操作が行われたか否かを確認する(S6)。具体的には、入所制御部331は、操作確認部332から入力される確認信号を受け付けたか否かを確認する。操作部121に対して入所操作が行われていない場合(S6でNO)、処理はステップS5に戻る。操作部121に対して入所操作が行われている場合(S6でYES)、入所制御部331は、扉20を解錠(開放)し(S7)、入所制御処理を終了する。
【0072】
ステップS3において、第1情報D1が認証失敗を示す情報である場合(S3でNO)、入所制御部331は、第2情報D2がなりすましを示す情報であるか否かを確認する(S8)。第2情報D2がなりすましを示す情報である場合(S8でYES)、入所制御部331は、第2情報D2を取得してから所定時間が経過したか否かを確認する(S9)。なお、ステップS9の処理における所定時間を、第2所定時間とする。第2所定時間は、ステップS5における第1所定時間と、同じ時間であってもよいし異なる時間であってもよい。本実施形態では、第1所定時間と第2所定時間とは同じ時間である。第2情報D2を取得してから所定時間が経過している場合(S9でYES)、処理は図5のステップS22へ進み、入所制御部331は、来訪者9による所定領域A1への入所を制限する制限処理を行う。
【0073】
第2情報D2を取得してから所定時間が経過していない場合(S9でNO)、入所制御部331は、ロビーインターホン12の操作部121に対して入所操作が行われたか否かを確認する(S10)。操作部121に対して入所操作が行われていない場合(S10でNO)、処理はステップS9に戻る。操作部121に対して入所操作が行われている場合(S10でYES)、入所制御部331は、扉20を解錠(開放)し(S7)、入所制御処理を終了する。
【0074】
ステップS8において、第2情報がなりすましを示す情報でない場合(S8でNO)、入所制御部331は、第2情報D2を取得してから所定時間が経過したか否かを確認する(S11)。なお、ステップS11の処理における所定時間を、第3所定時間とする。第3所定時間は、第1所定時間及び第2所定時間と、同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。本実施形態では、第3所定時間と、第1所定時間及び第2所定時間とは同じ時間である。第2情報D2を取得してから所定時間が経過している場合(S11でYES)、入所制御部331は入所制御処理を終了する。一方、第2情報D2を取得してから所定時間が経過していない場合(S11でNO)、入所制御部331は、ロビーインターホン12の操作部121に対して入所操作が行われたか否かを確認する(S12)。操作部121に対して入所操作が行われていない場合(S12でNO)、処理はステップS11に戻る。一方、操作部121に対して入所操作が行われている場合(S12でYES)、入所制御部331は、扉20を解錠(開放)し(S7)、入所制御処理を終了する。
【0075】
次に、図5を参照して、制御システム4が行う制限処理の一例について説明する。第1情報D1が認証成功を示す情報であった場合(図4のS3でYES)、来訪者9になりすまされた人物(登録者)が誰か分かる。そこで、入所制御部331は、なりすまされた人物の端末に、なりすましと判定された来訪者9がいることを通知する第2通知処理を行う(S21)。ここで、なりすまされた人物の端末とは、登録者の住戸22にある住戸親機14や、登録者端末18である。次に、入所制御部331は、管理端末に、なりすましと判定された来訪者9がいることを通知する第1通知処理を行う(S22)。ここで、管理端末とは、管理室23にある管理室機16や、管理会社5の管理会社端末19である。なお、入所制御部331が第2通知処理を行っている場合、入所制御部331が、第2通知処理において通知を行った端末に対して再度通知を行わないようにしてもよい。次に、入所制御部331は、なりすまし判定の前後でカメラ13が撮影する撮影画像D3(撮影画像D4)を記憶部34(記憶部173)に記憶させる(S23)。そして、入所制御部331は、撮影画像D3(撮影画像D4)を記憶部34(記憶部173)に記憶させたことを来訪者9に通知する警告処理(S24)を行い、入所制御処理を終了する。
【0076】
なお、図4及び図5に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。例えば、第1情報取得ステップ(S1)と第2情報取得ステップ(S2)とが逆の順番あってもよい。また、第2通知処理(S21)と第1通知処理(S22)とが逆の順番であってもよい。
【0077】
(変形例)
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0078】
また、上記実施形態に係る制御システム4と同等の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る制御方法は、第1情報取得ステップと、第2情報取得ステップと、入所制御ステップとを有する。第1情報取得ステップでは、顔画像に基づいて来訪者9が所定領域A1への入所許可者であるか否かを判定する顔認証の判定結果に関する第1情報D1を取得する。第2情報取得ステップでは、顔認証に使用する顔が人体の顔であるか否かを判定するなりすまし判定の判定結果に関する第2情報D2を取得する。入所制御ステップでは、第1情報取得ステップにおいて取得した第1情報D1、及び、第2情報取得ステップにおいて取得した第2情報D2に基づいて、所定領域A1への入所に関する入所制御を行う。入所制御ステップは、制限ステップを有する。制限ステップでは、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるときに来訪者9による所定領域A1への入所を制限する。一態様に係るプログラムは、上記の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0079】
本開示におけるインターホンシステム2は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるインターホンシステム2としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0080】
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0081】
制御システム4の少なくとも一部の機能が、1つの装置(ロビーインターホン12)内に集約されていることは制御システム4に必須の構成ではなく、制御システム4の構成要素は、複数の装置(筐体)に分散されて設けられていてもよい。
【0082】
例えば、制御システム4の一部の機能が制御装置11に設けられる等、制御システム4の一部の機能がロビーインターホン12とは別の装置(筐体)に設けられていてもよい。また、制御システム4が、施設1(マンション)内に設けられていなくてもよい。また、制御システム4の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0083】
制御システム4は、少なくとも、第1取得部31と、第2取得部32と、入所制御部331とを備えていればよい。また、制御部33と入所制御部331の機能は、分離していてもよい。
【0084】
顔認証システム3の顔認証部36及びなりすまし判定部37が、1つの装置(ロビーインターホン12)内に集約されていることは顔認証システム3に必須の構成ではない。顔認証システム3の顔認証部36及びなりすまし判定部37は、複数の装置(筐体)に分散されて設けられていてもよい。
【0085】
例えば、顔認証システム3の顔認証部36又はなりすまし判定部37が制御装置11に設けられる等、顔認証システム3の一部の機能がロビーインターホン12とは別の装置(筐体)に設けられていてもよい。また、顔認証システム3が、施設1(マンション)内に設けられていなくてもよい。また、顔認証システム3の顔認証部36又はなりすまし判定部37は、例えば、サーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0086】
顔認証部36は、カメラ13によって撮影される撮影画像D4に基づいて、顔認証を行ってもよい。また、なりすまし判定部37は、カメラ13によって撮影される撮影画像D4に基づいて、なりすまし判定を行ってもよい。
【0087】
顔認証部36となりすまし判定部37とは、互いに異なる撮影部(カメラ)によって撮影される撮影画像に基づいて、顔認証又はなりすまし判定を行ってもよい。
【0088】
例えば、ロビーインターホン12は、撮影部122として、複数の撮影部(第1撮影部及び第2撮影部)を備えていてもよい。例えば、複数の撮影部122のうちの第1撮影部が顔認証用の撮影画像を撮影し、複数の撮影部122のうちの第2撮影部がなりすまし判定用の撮影画像を撮影する。この場合、顔認証部36は、第1撮影部によって撮影される撮影画像に基づいて顔認証を行い、なりすまし判定部37は、第2撮影部によって撮影される撮影画像に基づいてなりすまし判定を行う。
【0089】
他の例として、顔認証部36は、ロビーインターホン12の撮影部122によって撮影される撮影画像D3に基づいて顔認証を行い、なりすまし判定部37は、カメラ13によって撮影される撮影画像D4に基づいてなりすまし判定を行ってもよい。
【0090】
なりすまし判定部37は、被写体の奥行を測定することが可能な深度カメラ(デプスカメラ)で撮影される撮影画像(距離画像)に基づいて、なりすまし判定を行ってもよい。写真に写った顔やタブレット端末等に表示された顔画像は、平坦であり、実際の顔のような奥行がない。そのため、深度カメラで被写体(顔)の奥行を測定することにより、なりすまし判定部37によるなりすまし判定の精度を向上させることができる。深度カメラは、例えば、被写体に赤外線を発して、被写体で反射された赤外線を受信するまでの時間を計測することで被写体との距離を測定するTOF(Time Of Flight)方式等の距離計測技術を用いたカメラである。深度カメラをなりすまし判定に用いる場合、ロビーインターホン12の撮影部122が深度カメラであってもよいし、カメラ13が深度カメラであってもよい。また、インターホンシステム2は、撮影部122及びカメラ13とは別に深度カメラを備えていてもよい。この場合、ロビーインターホン12が撮影部122とは別に深度カメラを備えていてもよい。なお、深度カメラは、2以上の撮影部(カメラ)を有し、それぞれの撮影部によって撮影される複数の撮影画像の視差情報に基づいて、被写体の奥行を測定することが可能なステレオカメラであってもよい。また、なりすまし認証に使用される撮影部(カメラ)は、物体から放射される赤外線を可視化できる赤外線カメラであってもよい。写真に写った顔やタブレット端末等に表示された顔画像の温度は、一様であり、実際の顔との温度とは異なることが通常である。そのため、赤外線カメラによって撮影された撮影画像では、写真に写った顔やタブレット端末等に表示された顔画像と、実際の顔とを区別しやすい。したがって、赤外線カメラを使用することにより、なりすまし判定部37によるなりすまし判定の精度を向上させることができる。赤外線カメラは、例えば近赤外線カメラであってもよい。
【0091】
顔認証システム3は、少なくとも、制御システム4と、顔認証部36と、なりすまし判定部37とを備えていればよい。
【0092】
実施形態1では、インターホンシステム2がマンションに導入される場合を例示したが、インターホンシステム2は、戸建住宅やオフィス等の様々な施設1にも導入可能である。
【0093】
インターホンシステム2は、登録者端末18及び管理会社端末19等の情報端末を備えていてもよい。
【0094】
インターホンシステム2は、ロビーインターホン12と、ロビーインターホン12とは別体の制御システムとを備えていてもよい。
【0095】
インターホンシステム2は、少なくとも、制御システム4と、ロビーインターホン12等のインターホン装置とを備えていればよい。
【0096】
制御システム4は、第1取得部31及び第2取得部32の代わりに、第1取得部31及び第2取得部32の機能を有した取得部を備えていてもよい。
【0097】
インターホンシステム2は、制御装置11を介してネットワークN1に接続されていてもよい。
【0098】
顔認証システム3の主構成となるコンピュータシステムと、制御システム4の主構成となるコンピュータシステムとは、同一のコンピュータシステムでもよいし、別のコンピュータシステムでもよい。また、1以上のプロセッサを制御システム4として機能させるためのプログラムは、1以上のプロセッサを顔認証システム3(顔認証部36、なりすまし判定部37)として機能させるためのプログラムとは別のプログラムであってもよい。
【0099】
(実施形態2)
(1)概要
図6に示すように、本実施形態の制御システム4は、施設1(オフィス)に導入される入退管理システム6に備えられている点で、実施形態1の制御システム4と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0100】
(2)詳細
図6に示すように、施設1(オフィス)には、所定領域A1と、領域21aと、守衛室63とが設けられている。
【0101】
領域21aは、所定領域A1と扉20を介して隣り合う領域であり、例えばロビーや廊下等である。領域21aには、カメラ13と、扉20と、カードリーダ62とが設けられている。
【0102】
扉20は、例えば実験室や研究室等の所定領域A1と、領域21aとを繋ぐ扉である。
【0103】
カメラ13は、領域21aにおいて、扉20に近づく来訪者9を撮影可能な位置に配置されている。
【0104】
カードリーダ62は、登録者の所持するIC(Integrated Circuit)カードから識別情報を読み取り、読み取った識別情報を入退管理システム6に出力する。カードリーダ62は、言い換えると、所定領域A1の外部に設けられた端末である。また、カードリーダ62は、入所に関する認証を要求する操作を受け付ける操作部である。
【0105】
(2.1)入退管理システムの構成
次に、入退管理システム6の構成について図6を参照して説明する。
【0106】
図6に示すように、入退管理システム6は、監視サーバ17と、顔認証システム3と、入退管理装置61とを備えている。顔認証システム3は、制御システム4を含んでいる。
【0107】
入退管理装置61は、制御システム4と通信可能に構成されており、制御システム4による入所制御に応じて、所定領域A1へと通じる扉20の開閉(施解錠)に関する管理を行う。入退管理装置61は、通信部611と、開閉管理部612とを備えている。
【0108】
通信部611は、直接的、又は他のネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、扉20、カードリーダ62及び顔認証システム3と接続されている。通信部611は、扉20、カードリーダ62及び顔認証システム3との通信機能を有している。これにより、通信部611は、扉20、カードリーダ62及び顔認証システム3との間で、通信可能に構成されている。
【0109】
開閉管理部612は、扉20の開閉(施解錠)を管理する。具体的には、開閉管理部612は、顔認証システム3に含まれる制御システム4から入力される開放指示(開錠指示)を受け付けると、扉20を開放(開錠)する。また、開閉管理部612は、カードリーダ62から来訪者9が所持するICカードから読み取った識別情報が入力されると、識別情報を顔認証システム3に出力する。
【0110】
本実施形態の顔認証システム3は、カメラ13が来訪者9を撮影した撮影画像D4に基づいて、顔認証及びなりすまし判定を行う。顔認証システム3は、顔認証の判定結果に関する第1情報D1(図3参照)と、なりすまし判定の判定結果に関する第2情報D2(図3参照)とを制御システム4に出力する。
【0111】
制御システム4は、顔認証システム3から取得する第1情報D1及び第2情報D2に基づいて、所定領域A1への入所に関する入所制御を行う。また、制御システム4は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、来訪者9による所定領域A1への入所を制限する制限処理を行う。制御システム4は、制限処理を行っている間、扉20を開放(開錠)させない。このように、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、来訪者9による所定領域A1への入所を制限する制限処理を制御システム4が行うことで、所定領域A1の防犯性を向上させることができる。
【0112】
本実施形態の制御システム4は、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、第2情報D2を取得してからの所定時間内に、所定領域A1に入所するための入所操作をカードリーダ62(操作部)が受け付けたとき、制限処理を行わない。
【0113】
ここで、本実施形態でいう「入所操作」とは、入所に関する認証を要求する操作のことであり、来訪者9が、所持するICカードの識別情報をカードリーダ62に読み取らせる操作のことである。制御システム4は、入退管理装置61を介して取得する識別情報と、記憶部34(図3参照)に予め記憶されている識別情報とを照合し、一致する識別情報があった場合に、操作部に対する入所操作があったと判断する。このとき、制御システム4は、入退管理装置61に対して、扉20の開放指示(開錠指示)を出力する。なお、制御システム4は、入退管理装置61を介して取得する識別情報と、記憶部34に予め記憶されている識別情報とを照合し、一致する識別情報がなかった場合、操作部に対する入所操作があったと判断しない。
【0114】
また、制御システム4は、入所制御において、第2情報D2がなりすましを示す情報であるとき、なりすましと判定された来訪者9がいることを、1以上の端末に通知する第1通知処理を行う。ここで、1以上の端末とは、守衛室63にある守衛端末64や、管理会社5の管理会社端末19(図1参照)等である。
【0115】
また、制御システム4は、入所制御において、第1情報D1が認証成功を示す情報であるとき、なりすましと判定された来訪者9がいることを、なりすまされた人物の端末に通知する第2通知処理を行う。ここで、なりすまされた人物の端末とは、所定領域A1にある登録者端末18等である。
【0116】
(変形例)
実施形態2は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0117】
以下、実施形態2の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0118】
本開示における入退管理システム6は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における入退管理システム6としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-ProgrammableGate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0119】
顔認証システム3が顔認証及びなりすまし判定に使用する撮影画像は、例えばカードリーダ62に設けられた撮影部にて撮影される画像であってもよい。
【0120】
また、カードリーダ62は、暗証番号入力装置や生体情報取得装置であってもよい。また、カードリーダ62は、扉20を開放(開錠)可能なキー(鍵)が挿入されるキーシリンダー等であってもよい。また、カードリーダ62は、入退管理装置61に必須の構成ではない。
【0121】
実施形態2では、入退管理システム6がオフィスに導入される場合を例示したが、入退管理システム6は、マンションや学校等の様々な施設1にも導入可能である。
【0122】
入退管理システム6は、少なくとも、制御システム4と、入退管理装置61とを備えていればよい。
【0123】
実施形態2(変形例を含む)で説明した種々の構成は、実施形態1(変形例を含む)で説明した種々の構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0124】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る制御システム(4)は、第1取得部(31)と、第2取得部(32)と、入所制御部(331)とを備える。第1取得部(31)は、顔画像を用いて来訪者(9)が所定領域(A1)への入所許可者であるか否かを判定する顔認証の判定結果に関する第1情報(D1)を取得する。第2取得部(32)は、顔認証に用いられる顔画像の被写体が本物の顔であるか否かを判定するなりすまし判定の判定結果に関する第2情報(D2)を取得する。入所制御部(331)は、第1取得部(31)が取得した第1情報(D1)、及び、第2取得部(32)が取得した第2情報(D2)に基づいて、所定領域(A1)への入所に関する入所制御を行う。入所制御部(331)は、入所制御において、第2情報(D2)がなりすましを示す情報であるとき、来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限する制限処理を行う。
【0125】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限する制限処理を入所制御部(331)が行うことで、所定領域(A1)の防犯性を向上させることができる。
【0126】
第2の態様に係る制御システム(4)では、第1の態様において、入所制御部(331)は、第2情報(D2)がなりすましを示す情報であるとき、第2情報(D2)を第2取得部(32)が取得してからの所定時間内に、所定領域(A1)に入所するための入所操作を操作部(121;カードリーダ62)が受け付けたとき、制限処理を行わない。
【0127】
この態様によれば、なりすまし判定によってなりすましであると判定されても、所定時間内に操作部(121;カードリーダ62)が入所操作を受け付けたときは、制限処理を行わない。そのため、なりすまし判定の判定結果が誤判定であった場合等に、制限処理を行うことを低減することができる。
【0128】
第3の態様に係る制御システム(4)では、第2の態様において、操作部(121;カードリーダ62)は、所定領域(A1)の外部に設けられた端末(ロビーインターホン12)に設けられている。入所操作は、来訪者(9)の来訪先の端末(住戸親機14)への呼出を行う操作、及び、入所に関する認証を要求する操作の少なくとも一方の操作を含む。
【0129】
この態様によれば、来訪者(9)の来訪先の端末(住戸親機14)への呼出を行う操作、及び、入所に関する認証を要求する操作の少なくとも一方の操作を行う来訪者(9)は不正入所を試みる者でない可能性が高く、なりすまし判定の判定結果が誤判定である可能性が高い。そのため、来訪者(9)が入所操作を行う場合には制限処理を行わないことで、なりすまし判定の判定結果が誤判定であった場合に、制限処理を行うことを低減することができる。
【0130】
第4の態様に係る制御システム(4)では、第1から第3のいずれかの態様において、入所制御部(331)は、入所制御において、第1情報(D1)が認証成功を示す情報であるとき、なりすまし判定の判定結果に応じた処理を行う。
【0131】
この態様によれば、顔認証の結果が認証成功であっても、入所制御部(331)がなりすまし判定の結果に応じて異なる制御を行うことで、所定領域(A1)の防犯性をより向上させることができる。
【0132】
第5の態様に係る制御システム(4)では、第1から第4のいずれかの態様において、入所制御部(331)は、入所制御において、第2情報(D2)がなりすましを示す情報であるとき、なりすましと判定された来訪者(9)がいることを、1以上の端末(住戸親機14;管理室機16;登録者端末18;管理会社端末19;守衛端末64)に通知する。
【0133】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、なりすましと判定された来訪者(9)がいることを1以上の端末(住戸親機14;管理室機16;登録者端末18;管理会社端末19:守衛端末64)に通知することで、所定領域(A1)の防犯性をより向上させることができる。
【0134】
第6の態様に係る制御システム(4)では、第5の態様において、入所制御部(331)は、入所制御において、第1情報(D1)が認証成功を示す情報であるとき、なりすましと判定された来訪者(9)がいることを、なりすまされた人物の端末(住戸親機14;登録者端末18)に通知する。
【0135】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、なりすましと判定された来訪者(9)がいることをなりすまされた人物の端末(住戸親機14;登録者端末18)に通知する。なりすまされた人物は、自身になりすました来訪者(9)がいることを通知によって知ることができ、所定領域(A1)の防犯性をより向上させることができる。
【0136】
第7の態様に係る制御システム(4)では、第1から第6のいずれかの態様において、入所制御部(331)は、入所制御において、第2情報(D2)がなりすましを示す情報であるとき、来訪者(9)を撮影する撮影部(122;カメラ13)が撮影する撮影画像(D3;D4)を記憶部(34;173)に記憶させる。
【0137】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、顔認証及びなりすまし判定の少なくとも一方において、来訪者(9)を撮影する撮影部(122;カメラ13)によって撮影された撮影画像(D3;D4)を記憶部(34;173)に記憶させることで、来訪者(9)がなりすました顔の画像を保存することができる。
【0138】
第8の態様に係る制御システム(4)では、第1から第7のいずれかの態様において、
入所制御部(331)は、入所制御において、第2情報(D2)がなりすましを示す情報であるとき、撮影部(122;カメラ13)が、なりすまし判定後に撮影する撮影画像(D3;D4)を記憶部(34;173)に記憶させる。
【0139】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、撮影部(122;カメラ13)が、なりすまし判定後に来訪者(9)を撮影して生成する撮影画像(D3;D4)を記憶部(34;173)に記憶させることで、来訪者(9)が写った撮影画像(D3;D4)を保存することができる。
【0140】
第9の態様に係る制御システム(4)では、第7又は第8の態様において、入所制御部(331)は、撮影画像(D3;D4)を記憶部(34;173)に記憶させたことを、来訪者(9)に通知する。
【0141】
この態様によれば、来訪者(9)がなりすました顔、又は、来訪者(9)が映った撮影画像(D3;D4)が記憶されたことを来訪者(9)に通知することで、不正入館等を行うつもりだった来訪者(9)を思いとどまらせることができる。
【0142】
第1の態様以外の構成については、制御システム(4)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0143】
第10の態様に係るインターホンシステム(2)は、第1から第9のいずれかの態様に係る制御システム(4)と、情報端末(住戸親機14;管理室機16)と、を備える。情報端末(住戸親機14;管理室機16)は、制御システム(4)と通信可能である。
【0144】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限する制限処理を制御システム(4)が行うことで、インターホンシステム(2)が導入されるマンション等の所定領域(A1)の防犯性を向上させることができる。
【0145】
第11の態様に係る入退管理システム(6)は、第1から第9のいずれかの態様に係る制御システム(4)と、入退管理装置(61)と、を備える。入退管理装置(61)は、制御システム(4)による入所制御に応じて、所定領域(A1)へと通じる扉(20)の開閉に関する管理を行う。
【0146】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限する制限処理を制御システム(4)が行うことで、入退管理システム(6)が導入されるオフィス等の所定領域(A1)の防犯性を向上させることができる。
【0147】
第12の態様に係る顔認証システム(3)は、第1から第9のいずれかの態様に係る制御システム(4)と、顔認証部(36)と、なりすまし判定部(37)と、を備える。顔認証部(36)は、顔認証を行う。なりすまし判定部(37)は、なりすまし判定を行う。
【0148】
この態様によれば、なりすまし判定部(37)によるなりすまし判定において、なりすましであると判定されたとき、来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限する制限処理を入所制御部(331)が行うことで、所定領域(A1)の防犯性を向上させることができる。
【0149】
第13の態様に係る制御方法は、第1情報取得ステップと、第2情報取得ステップと、入所制御ステップとを有する。第1情報取得ステップでは、顔画像(撮影画像D3)に基づいて来訪者(9)が所定領域(A1)への入所許可者であるか否かを判定する顔認証の判定結果に関する第1情報(D1)を取得する。第2情報取得ステップでは、顔認証に使用する顔が人体の顔であるか否かを判定するなりすまし判定の判定結果に関する第2情報(D2)を取得する。入所制御ステップでは、第1情報取得ステップにおいて取得した第1情報(D1)、及び、第2情報取得ステップにおいて取得した第2情報(D2)に基づいて、所定領域(A1)への入所に関する入所制御を行う。入所制御ステップは、制限ステップを有する。制限ステップでは、入所制御において、第2情報(D2)がなりすましを示す情報であるときに来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限する。
【0150】
この態様によれば、なりすまし判定にてなりすましであると判定されたとき、来訪者(9)による所定領域(A1)への入所を制限することで、所定領域(A1)の防犯性を向上させることができる。
【0151】
第14の態様に係るプログラムは、第13の態様に係る制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0152】
12 ロビーインターホン(外部に設けられた端末)
121 操作部
122 撮影部
13 カメラ(撮影部)
14 住戸親機(なりすまされた人物の端末)(情報端末)
16 管理室機(1以上の端末)(情報端末)
17 監視サーバ
173 記憶部
18 登録者端末(なりすまされた人物の端末)(情報端末)
19 管理会社端末(1以上の端末)(情報端末)
2 インターホンシステム
3 顔認証システム
31 第1取得部
32 第2取得部
331 入所制御部
34 記憶部
36 顔認証部
37 なりすまし判定部
4 制御システム
6 入退管理システム
61 入退管理装置
62 カードリーダ
64 守衛端末(1以上の端末)
9 来訪者
A1 所定領域
D1 第1情報
D2 第2情報
D3 撮影画像
D4 撮影画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6