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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】電動工具システム、及びカメラ装置
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20241213BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241213BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241213BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20241213BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20241213BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20241213BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20241213BHJP
【FI】
B25B21/00 530Z
G03B15/00 U
G03B17/56 Z
B25F5/00 Z
B25F5/00 C
B25B23/14 620J
H04N5/222 100
H04N23/57
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021012422
(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公開番号】P2022115699
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植草 康二
(72)【発明者】
【氏名】山中 睦裕
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良介
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-179500(JP,A)
【文献】特開2016-119615(JP,A)
【文献】特開2005-181365(JP,A)
【文献】特開2020-131412(JP,A)
【文献】特開2017-140681(JP,A)
【文献】特開2005-122139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00
G03B 15/00
G03B 17/56
B25F 5/00
B25B 23/14
H04N 5/222
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源からの動力によって作業対象に締付部品を締め付ける締付作業を行う駆動部、及び外部と通信を行う電動工具通信部、を有する電動工具装置と、
前記電動工具装置に着脱自在に取り付けられる固定部、少なくとも前記作業対象を撮像する撮像部、及び外部と通信を行うカメラ通信部、を有するカメラ装置と、
前記駆動部の作動状態に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御するカメラ制御部と、
を備え、
前記カメラ装置は、前記駆動部が前記締付作業を行っている状態である前記作動状態及び前記駆動部が前記締付作業を行っていない状態を検知する音センサ又は振動センサの少なくとも一方を有し、
前記カメラ制御部は、前記音センサ又は前記振動センサの少なくとも一方の検知結果に含まれる前記駆動部の前記作動状態に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御する
ことを特徴とする電動工具システム。
【請求項2】
前記撮像部は、前記作業対象と、前記締付部品と、を撮像する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動工具システム。
【請求項3】
前記カメラ装置は、前記カメラ制御部を有し、
前記電動工具通信部は、前記駆動部から出力され、前記駆動部の作動状態を示す作動状態信号を、前記カメラ通信部へ送信し、
前記カメラ制御部は、前記カメラ通信部が受信した前記作動状態信号に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具システム。
【請求項4】
前記電動工具装置は、前記カメラ制御部を有し、
前記カメラ制御部は、前記駆動部から出力され、前記駆動部の作動状態を示す作動状態信号に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御するカメラ制御信号を作成し、
前記電動工具通信部は、前記カメラ制御信号を、前記カメラ通信部へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具システム。
【請求項5】
外部通信部と、前記カメラ制御部と、を有する外部通信装置を備え、
前記電動工具通信部は、前記駆動部から出力され、前記駆動部の作動状態を示す作動状態信号を、前記外部通信部へ送信し、
前記カメラ制御部は、前記外部通信部が受信した前記作動状態信号に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御するカメラ制御信号を作成し、
前記外部通信部は、前記カメラ制御信号を、前記カメラ通信部へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具システム。
【請求項6】
前記締付作業の履歴情報を記憶する履歴記憶装置を更に備え、
前記カメラ装置は、前記駆動部の前記作動状態を検知する音センサ又は振動センサの少なくとも一方と、前記音センサ又は前記振動センサの少なくとも一方の検知結果に基づき前記撮像部が生成した撮像画像を記憶するカメラ記憶部と、を更に有し、
前記カメラ制御部は、前記作動状態信号に基づき前記カメラ通信部を制御し、前記カメラ通信部から前記撮像画像を前記履歴記憶装置へ送信させる
ことを特徴とする請求項3-5のいずれか1項に記載の電動工具システム。
【請求項7】
電動工具装置の駆動部が動力源からの動力によって締付部品を締め付ける締付作業の作業対象を撮像する撮像部を有するカメラ装置であって、
前記電動工具装置に着脱自在に取り付けられる固定部と、外部と通信するカメラ通信部と、前記駆動部が前記締付作業を行っている状態である作動状態及び前記駆動部が作業対象に締付部品を締め付ける締付作業を行っていない状態を検知する音センサ又は振動センサの少なくとも一方と、前記音センサ又は前記振動センサの少なくとも一方の検知結果に基づき前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御するカメラ制御部と、を有する
ことを特徴とするカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電動工具システム、及びカメラ装置に関する。より詳細には、本開示は、作業対象に締付部品を締め付ける電動工具システム、及びカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工具システムが開示されている。この工具システムは、可搬型の工具と、特定部と、を備える。撮像画像を生成する撮像部を工具が有し、特定部が撮像画像により工具がセットされた作業対象を非接触で特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-108633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の工具(電動工具装置)は撮像部(カメラ装置)を有している。一般に工具の寿命は撮像部の寿命に比べて短いため、工具が寿命に達し使用できなくなった場合に、撮像部はまだ寿命に達していないのにもかかわらず有効活用されないという問題があった。
【0005】
本開示の目的とするところは、電動工具装置、及びカメラ装置を有効活用できる電動工具システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電動工具システムは、電動工具装置と、カメラ装置と、カメラ制御部と、を備える。電動工具装置は、駆動部、及び電動工具通信部、を有する。駆動部は、動力源からの動力によって作業対象に締付部品を締め付ける締付作業を行う。電動工具通信部は、外部と通信を行う。カメラ装置は、固定部、撮像部、及びカメラ通信部を有する。固定部は、電動工具装置に着脱自在に取り付けられる。撮像部は、少なくとも作業対象を撮像する。カメラ通信部は、外部と通信を行う。前記カメラ制御部は、前記駆動部の作動状態に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御する。前記カメラ装置は、前記駆動部が前記締付作業を行っている状態である前記作動状態及び前記駆動部が前記締付作業を行っていない状態を検知する音センサ又は振動センサの少なくとも一方を有する。前記カメラ制御部は、前記音センサ又は前記振動センサの少なくとも一方の検知結果に含まれる前記駆動部の前記作動状態に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御する。
【0008】
本開示の一態様に係るカメラ装置は、電動工具装置の駆動部が動力源からの動力によって締付部品を締め付ける締付作業の作業対象を撮像する撮像部と、固定部と、カメラ通信部と、音センサ又は振動センサの少なくとも一方と、カメラ制御部と、を有する。固定部は、電動工具装置に着脱自在に取り付けられる。カメラ通信部は、外部と通信する。前記音センサ又は前記振動センサの少なくとも一方は、前記駆動部が前記締付作業を行っている状態である作動状態及び前記駆動部が作業対象に締付部品を締め付ける締付作業を行っていない状態を検知する。前記カメラ制御部は、前記音センサ又は前記振動センサの少なくとも一方の検知結果に基づき、前記撮像部と前記カメラ通信部との少なくとも一方を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電動工具装置、及びカメラ装置を有効活用できる電動工具システムを提供する、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1に係る電動工具システムの概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の電動工具システムの別の概略構成を示すブロック図である。
図3図3Aは、電動工具装置の模式図である。図3Bは、電動工具装置の別の模式図である。
図4図4は、同上の電動工具システムの動作を示すシーケンス図である。
図5図5は、同上の変形例に係る電動工具システムの概略構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態2に係る電動工具システムの概略構成を示すブロック図である。
図7図7は、同上の電動工具システムの動作を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施形態3に係る電動工具システムの概略構成を示すブロック図である。
図9図9は、同上の電動工具システムの動作を示すシーケンス図である。
図10図10は、実施形態4に係る電動工具システムの概略構成を示すブロック図である。
図11図11は、実施形態4に係る電動工具システムの動作を示すシーケンス図である。
図12図12は、同上の電動工具システムの別の動作を示すシーケンス図である。
図13図13は、同上の電動工具システムの別の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
(1-1)概要
以下、一実施形態に係る電動工具システム1の概要について、図1、2を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る電動工具システム1は、図1に示すように、電動工具装置2と、カメラ装置3と、を備える。本実施形態の電動工具システム1は、例えば、工場における製品組み立て作業を行う組立ラインに用いられる。電動工具システム1の使用用途は、上記の組立ラインに限らず、他の使用用途であってもよい。
【0013】
電動工具装置2を用いて作業が行われる作業対象は、例えば、電化製品や、家具等である。本実施形態では、作業対象は締付対象箇所を複数有しており、作業者が電動工具装置2を用いて複数の締付対象箇所の各々に締付部品を締め付ける締付作業を行うことを想定している。具体的には、締付備品はネジ、ボルト、ナット等であり、締付対象箇所は締付備品が締め付けられるネジ孔等である。以下では、図3に示すように、筒形状の胴体部23と、胴体部23の周面から径方向に突出するグリップ24と、を有する電動工具装置2を想定して本実施形態の説明を行う。
【0014】
電動工具装置2は、駆動部21、及び電動工具通信部22、を有する。駆動部21は、作業者の操作に応じて、モータ等の動力源からの動力によって作業対象に締付部品を締め付ける締付作業を行う。電動工具通信部22は、外部と通信し、駆動部21の作動状態をカメラ装置3へ伝える。
【0015】
カメラ装置3は、固定部31、撮像部32、及びカメラ通信部33、を有する。固定部31は、カメラ装置3を電動工具装置2に着脱自在に固定する。撮像部32は、少なくとも作業対象を撮像する。本実施形態では、撮像部32は、締付作業が行われる締付対象箇所周辺の作業対象を撮像する。カメラ通信部33は、外部と通信し、電動工具通信部22から駆動部21の作動状態に関する情報を受信する。
【0016】
また、カメラ装置3は、撮像部32とカメラ通信部33との少なくとも一方を制御するカメラ制御部4を更に有する。本実施形態では、カメラ制御部4は、カメラ通信部33で受信した駆動部21の作動状態に基づき撮像部32を制御し、撮像部32に撮像画像を生成させる。
【0017】
以上から、本実施形態では、電動工具装置2又はカメラ装置3が寿命や故障の要因で使用できなくなった場合に、電動工具装置2又はカメラ装置3をそれぞれ個別に交換可能である。よって、本実施形態の電動工具システム1は、電動工具装置2、及びカメラ装置3を有効活用できるという利点がある。
【0018】
(1-2)詳細
以下に、本実施形態の電動工具システム1の詳細な構成について図1~4を参照して説明する。
【0019】
本実施形態の電動工具システム1は、図1に示すように、電動工具装置2と、カメラ装置3と、を備える。
【0020】
電動工具装置2は、例えば、電動のインパクトレンチであり、作業対象に締付部品を締め付ける締付作業が可能である。本実施形態では、電動工具装置2は、駆動部21、及び電動工具通信部22、を有する。また、電動工具装置2は、図2に示すように、作業対象を撮像するカメラ装置3を着脱自在に取り付けるための取付部25を更に有していてもよい。
【0021】
駆動部21は、動力源からの動力によって作業対象に締付部品を締め付ける締付作業が行える。本実施形態では、駆動部21は、動力源であるモータを有しており、モータの動力によって回転動作するように構成されている。駆動部21は、回転動作によって、締付部品を締め付ける又は緩めるといった作業が可能となる。駆動部21は、作動状態を示す作動状態信号A1を電動工具通信部22へ出力する。
【0022】
電動工具通信部22は、外部と通信できるように構成されている。電動工具通信部22は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信が可能な通信モジュールである。本実施形態では、電動工具通信部22が通信する外部は、電動工具通信部22以外の装置を想定する。電動工具通信部22は、カメラ通信部33と通信し、駆動部21の作動状態を示す作動状態信号A1をカメラ通信部33へ送信する。具体的には、駆動部21が締付作業を完了した場合に、締付完了を示す作動状態信号A1をカメラ通信部33へ送信する。
【0023】
固定部31は、カメラ装置3を電動工具装置2に固定する。本実施形態の固定部31は、電動工具装置2に係止する係止構造、電動工具装置2の取付部25に嵌め合わされる嵌め合わせ構造、取付部25を挟持する挟持構造などの少なくとも1つを有する。
【0024】
固定部31がカメラ装置3を電動工具装置2に固定する位置は、撮像部32が少なくとも作業対象を撮像できれば、電動工具装置2のどの位置にあってもよい。たとえば、固定部31は、図3Aに示すように電動工具装置2の胴体部23の上部にカメラ装置3を固定してもよいし、図3Bに示すように電動工具装置2の胴体部23の下部、かつ、胴体部23の前側に設けられてもよい。
【0025】
電動工具システム1は、駆動部21の作動状態に基づき、撮像部32とカメラ通信部33との少なくとも一方を制御するカメラ制御部4を更に備える。カメラ制御部4は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。コンピュータシステムでは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することによって、カメラ制御部4の一部又は全部の機能が実現される。コンピュータシステムは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0026】
本実施形態では、カメラ装置3がカメラ制御部4を有し、カメラ制御部4は、カメラ通信部33が受信した作動状態信号A1に基づき、撮像部32、及びカメラ通信部33の少なくとも一方を制御する。
【0027】
撮像部32は、例えば、撮像素子とレンズを有するカメラで構成されている。撮像部32は、少なくとも作業対象を撮像する。本実施形態では、撮像部32は、作業対象と、締付部品と、を撮像する。具体的には、撮像部32は、カメラ制御部4の制御に基づき、締付作業が完了した作業対象及び締付部品を撮像範囲に含む撮像画像を生成する。撮像部32が生成した撮像画像に基づいて、締付作業を管理する者は、駆動部21が作業対象に締付備品を正常に取り付けられたか否かを確認することができる。
【0028】
カメラ通信部33は、外部と通信し、電動工具通信部22から駆動部21の作動状態に関する情報を受信できるように構成されている。カメラ通信部33は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信が可能な通信モジュールである。本実施形態では、カメラ通信部33が通信する外部は、電動工具通信部22や作業者が保有する情報端末などのカメラ通信部33以外の装置である。カメラ通信部33は、電動工具通信部22と通信し、電動工具通信部22から作業状態信号A1を受信する。
【0029】
電動工具システム1は、締付作業の履歴情報を記憶する履歴記憶装置5を更に備える。履歴記憶装置5は、撮像部32が生成した撮像画像を締付作業の履歴情報として記憶する。本実施形態では、履歴記憶装置5は、記憶装置、及び通信装置を有するサーバを想定する。記憶装置は、例えば、磁気コアメモリや半導体メモリ等である。通信装置は、インターネットのような広域ネットワークを介して、カメラ通信部33と通信可能であればよい。通信装置とカメラ通信部33との通信方式は、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。また、通信装置とカメラ通信部33との通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信であってもよい。本実施形態では、カメラ通信部33は、カメラ制御部4の制御に基づき、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する。
【0030】
(1-3)動作
本実施形態の電動工具システム1の動作について図4のシーケンス図を用いて説明する。
【0031】
まずは、駆動部21が締付作業を開始する(S11)。駆動部21が締付作業を完了した後に(S12)、電動工具通信部22は、締付完了を示す作動状態信号A1をカメラ通信部33へ送信する(S13)。
【0032】
そして、カメラ通信部33が作業状態信号A1を電動工具通信部22から受信する(S14)。カメラ制御部4は、カメラ通信部33が受信した作動状態信号A1に基づき、締付作業が完了したことを確認し、撮像部32を制御する(S15)。その後、撮像部32は、カメラ制御部4の制御に基づき、締付作業が完了した作業対象を撮像し、撮像画像を生成する(S16)。
【0033】
その後、カメラ通信部33は、カメラ制御部4の制御に基づき、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する(S17)。これにより、電動工具システム1は、撮像部32が生成した撮像画像を、締付作業の履歴情報として、履歴記憶装置5に記憶することができる。
【0034】
図4のシーケンス図は、本実施形態の電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、その処理の順序が適宜入れ替わっていてもよいし、いずれかの処理について適宜省略されてもよい。
【0035】
(1-4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0036】
上述の実施形態において、図5に示すように、カメラ装置3がカメラ制御部4を有するのではなく、電動工具装置2がカメラ制御部4を有していてもよい。この場合、駆動部21は作動状態を示す作動状態信号A1をカメラ制御部4へ出力し、カメラ制御部4は、駆動部21の作動状態を示す作動状態信号A1に基づき、撮像部32とカメラ通信部33との少なくとも一方を制御するカメラ制御信号A2を作成する。そして、電動工具通信部22は、カメラ制御信号A2をカメラ通信部33へ送信する。撮像部32は、カメラ制御信号A2に基づき、締付作業が完了した作業対象、及び締付部品を撮像し、カメラ通信部33は、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する。
【0037】
一態様に係る撮像部32は、駆動部21が締付作業を完了した後の作業対象を撮像範囲に含む撮像画像に加え、開始する前の作業対象を撮像範囲に含む撮像画像も生成してもよい。この場合、撮影タイミングが異なるそれぞれの撮像画像を履歴記憶装置5に記憶する。そのため、締付作業を管理する者は、駆動部21が作業対象に締付備品を正常に取り付けられたか否かをより正確に確認することができる。
【0038】
一態様に係る履歴記憶装置5は、カメラ装置3に設けられていてもよい。この場合、履歴記憶装置5は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを想定する。また、カメラ装置3に対して着脱自在なメモリーカードであってもよい。カメラ通信部33が、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する必要はなく、履歴記憶装置5は、カメラ通信部33を介さず、撮像部32が生成した撮像画像を記憶することができる。
【0039】
また、一態様に係る履歴記憶装置5は、電動工具装置2に設けられていてもよい。カメラ通信部33が、撮像部32が生成した撮像画像を電動工具通信部22へ送信する。そして、履歴記憶装置5は、電動工具通信部22を介して、撮像部32が生成した撮像画像を記憶することができる。
【0040】
(実施形態2)
(2-1)概要
実施形態2に係る電動工具システム1は、外部通信部61と、カメラ制御部4と、を有する外部通信装置6を備え、電動工具装置2及びカメラ装置3が外部通信装置6を介して通信する点で、実施形態1に係る電動工具システム1と異なる。
【0041】
(2-2)詳細
以下、実施形態2に係る電動工具システム1の詳細な構成について図6を参照して説明する。
【0042】
本実施形態の電動工具システム1は、駆動部21、及び電動工具通信部22、を有する電動工具装置2と、固定部31、撮像部32、及びカメラ通信部33、を有するカメラ装置3と、外部通信部61、及びカメラ制御部4、を有する外部通信装置6と、を備える。なお、実施形態2の電動工具システム1の駆動部21、及び固定部31は実施形態1の電動工具システム1の駆動部21、及び固定部31と同様であるので、その説明は省略する。
【0043】
電動工具通信部22は、外部通信部61と通信し、駆動部21の作動状態を示す作動状態信号A1を外部通信部61へ送信する。具体的には、駆動部21が締付作業を完了した場合に、電動工具通信部22は、締付完了を示す作動状態信号A1を外部通信部61へ送信する。
【0044】
外部通信部61は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信が可能な通信モジュールである。本実施形態の外部通信部61は、電動工具通信部22と、カメラ通信部33と、の両方に通信可能に構成される。
【0045】
カメラ制御部4は、外部通信部61が電動工具通信部22から受信した作動状態信号A1に基づき、撮像部32とカメラ通信部33との少なくとも一方を制御するカメラ制御信号A2を作成する。本実施形態では、カメラ制御部4は、作動状態信号A1に基づき撮像部32を制御するカメラ制御信号A2を作成する。そして、外部通信部61は、カメラ制御信号A2をカメラ通信部33へ送信する。
【0046】
撮像部32は、カメラ通信部33が受信したカメラ制御信号A2に基づき、締付作業が完了した作業対象、及び締付部品を撮像する。
【0047】
カメラ通信部33は、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する。
【0048】
また、本実施形態の電動工具システム1は、撮像部32が生成した撮像画像を駆動部21が行った締付作業の履歴情報として記憶する履歴記憶装置5を更に備える。カメラ通信部33は、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する。
【0049】
実施形態2に係る電動工具システム1の構成は、実施形態1(変形例を含む)の構成と適宜組み合わせ可能である。
【0050】
(2-3)動作
本実施形態の電動工具システム1の動作について図7のシーケンス図を用いて説明する。
【0051】
まず、駆動部21が締付作業を開始する(S21)。駆動部21が締付作業を終了した後に(S22)、電動工具通信部22は、締付完了を示す作動状態信号A1を外部通信部61へ送信する(S23)。
【0052】
そして、外部通信部61は、電動工具通信部22から作業状態信号A1を受信する(S24)。カメラ制御部4は、外部通信部61が受信した作業状態信号A1に基づき締付作業が完了したことを確認し、撮像部32を制御するカメラ制御信号A2を作成する(S25)。次に、外部通信部61は、カメラ制御信号A2をカメラ通信部33へ送信する(S26)。
【0053】
カメラ通信部33がカメラ制御信号A2を受信した後に(S27)、撮像部32は、カメラ制御信号A2に基づき、締付作業が完了した作業対象、及び締付部品を撮像する(S28)。そして、カメラ通信部33は、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する(S29)。これにより、電動工具装置2に着脱自在であるカメラ装置3の撮像部32が生成した撮像画像を、駆動部21が行った締付作業の履歴情報として、履歴記憶装置5に記憶することができる。
【0054】
図7のシーケンス図は、本実施形態の電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、その処理の順序が適宜入れ替わっていてもよいし、いずれかの処理について適宜省略されてもよい。
【0055】
(実施形態3)
(3-1)概要
実施形態3に係る電動工具システム1は、カメラ装置3が、駆動部21の作動状態を検知する音センサ34又は振動センサ35の少なくとも一方を有する点で、実施形態1に係る電動工具システム1と異なる。
【0056】
(3-2)詳細
以下、実施形態3に係る電動工具システム1の詳細な構成について図8を参照して説明する。
【0057】
本実施形態の電動工具システム1は、駆動部21を有する電動工具装置2と、固定部31、撮像部32、カメラ通信部33、音センサ34又は振動センサ35の少なくとも一方、及びカメラ制御部4を有するカメラ装置3と、備える。なお、本実施形態では、音センサ34及び振動センサ35の両方を備える。また、実施形態3の電動工具システム1の駆動部21、及び固定部31は実施形態1の電動工具システム1の駆動部21、及び固定部31と同様であるので、その説明は省略する。
【0058】
音センサ34及び振動センサ35は、駆動部21の作動状態を検知する。
【0059】
音センサ34は、駆動部21が締付作業を行うときに生じる音を検知できるように構成されている。音センサ34は、音を電気信号に変換する装置であればよく、例えば、マイクロフォン等であってもよい。音センサ34は、音を検知した場合に、カメラ制御部4へ音検出信号A3を送信する。具体的には、音センサ34は、音を検知し続けている間は音検出信号A3を送信し続け、音を検知しなくなったときに音検出信号A3を停止する。
【0060】
振動センサ35は、駆動部21が締付作業を行うときに生じる振動を検知できるように構成されている。振動センサ35は、振動を電気信号に変換する装置であればよく、例えば、速度センサ、加速度センサ、又はジャイロセンサ等であってもよい。振動センサ35は、振動を検知した場合に、カメラ制御部4へ振動検出信号A4を送信する。具体的には、振動センサ35は、振動を検知し続けている間は振動検出信号A4を送信し続け、振動を検知しなくなったときに振動検出信号A4を停止する。
【0061】
本実施形態では、カメラ制御部4は、音検出信号A3、及び振動検出信号A4の両方が出力されている状態から停止状態に移行した場合に撮像部32を制御する。そして、撮像部32は、締付作業が完了した作業対象、及び締付部品を撮像する。
【0062】
また、本実施形態の電動工具システム1は、撮像部32が生成した撮像画像を駆動部21が行った締付作業の履歴情報として記憶する履歴記憶装置5を更に備える。カメラ制御部4は、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信するようにカメラ通信部33を制御する。
【0063】
実施形態3に係る電動工具システム1の構成は、実施形態1(変形例を含む)の構成と適宜組み合わせ可能である。
【0064】
(3-3)動作
本実施形態の電動工具システム1の動作について図9のシーケンス図を用いて説明する。
【0065】
まず、駆動部21が締付作業を開始し、音、及び振動が発生する(S31)。音センサ34が、締付作業の音を検知し、カメラ制御部4へ音検出信号A3を送信する。同様に、振動センサ35が、締付作業の振動を検知し、カメラ制御部4へ振動検出信号A4を送信する(S32)。
【0066】
その後、駆動部21が締付作業を完了し、音、及び振動が停止する(S33)。音センサ34が、締付作業の音を検知しなくなり、音検出信号A3を停止する。同様に、振動センサ35が、締付作業の振動を検知しなくなり、振動検出信号A4を停止する(S34)。
【0067】
次に、カメラ制御部4は、音検出信号A3、及び振動検出信号A4の両方が出力されている状態から停止状態に移行した場合に撮像部32を制御する。そして、撮像部32は、カメラ制御部4の制御に基づき、締付作業が完了した作業対象、及び締付部品を撮像する(S35)。カメラ通信部33は、撮像部32が生成した撮像画像を履歴記憶装置5へ送信する(S36)。これにより、電動工具装置2に着脱自在であるカメラ装置3の撮像部32が生成した撮像画像を、駆動部21が行った締付作業の履歴情報として、履歴記憶装置5に記憶することができる。
【0068】
図9のシーケンス図は、本実施形態の電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、その処理の順序が適宜入れ替わっていてもよいし、いずれかの処理について適宜省略されてもよい。
【0069】
(実施形態4)
(4-1)概要
実施形態4に係る電動工具システム1は、駆動部21の作動状態を検知する音センサ34又は振動センサ35の少なくとも一方と、カメラ記憶部37と、をカメラ装置3が有する点で、実施形態1に係る電動工具システム1と異なる。
【0070】
また更に、実施形態4に係る電動工具システム1は、外部通信部61と、カメラ制御部4と、を有する外部通信装置6を備え、電動工具装置2、及びカメラ装置3が外部通信装置6を介して通信する点でも、実施形態1に係る電動工具システム1と異なる。
【0071】
(4-2)詳細
以下、実施形態4に係る電動工具システム1の詳細な構成について図10を参照して説明する。
【0072】
本実施形態の電動工具システム1は、電動工具装置2と、カメラ装置3と、外部通信装置6と、を備える。電動工具装置2は、駆動部21、及び電動工具通信部22、を有する。また、カメラ装置3は、固定部31、撮像部32、カメラ通信部33、音センサ34又は振動センサ35の少なくとも一方、撮像制御部36、及びカメラ記憶部37を有する。なお、本実施形態では、音センサ34及び振動センサ35の両方を備える。実施形態4の電動工具システム1の駆動部21、及び固定部31は実施形態1の電動工具システム1の駆動部21、及び固定部31と同様であるので、その説明は省略する。
【0073】
音センサ34又は振動センサ35は、駆動部21の作動状態を検知する。本実施形態では、音センサ34及び振動センサ35の両方が、駆動部21の作動状態を検知する。
【0074】
音センサ34は、駆動部21が締付作業を行うときに生じる音を検知できるように構成されている。音センサ34は、音を電気信号に変換する装置であればよく、例えば、マイクロフォン等であってもよい。音センサ34は、音を検知した場合に、撮像制御部36へ音検出信号A3を送信する。具体的には、音センサ34は、音を検知し続けている間は音検出信号A3を送信し続け、音を検知しなくなったときに音検出信号A3を停止する。
【0075】
振動センサ35は、駆動部21が締付作業を行うときに生じる振動を検知できるように構成されている。振動センサ35は、振動を電気信号に変換する装置であればよく、例えば、速度センサ、加速度センサ、又はジャイロセンサ等であってもよい。振動センサ35は、振動を検知した場合に、撮像制御部36へ振動検出信号A4を送信する。具体的には、振動センサ35は、振動を検知し続けている間は振動検出信号A4を送信し続け、振動を検知しなくなったときに振動検出信号A4を停止する。
【0076】
撮像制御部36は、音センサ34又は振動センサ35の少なくとも一方の検知結果に基づいて、締付作業後の少なくとも作業対象を撮像するように撮像部32を制御する。なお、本実施形態の電動工具システム1は音センサ34及び振動センサ35の両方を備えるため、音検出信号A3、及び振動検出信号A4の両方が出力されている状態から停止状態に移行した場合に、撮像制御部36は撮像部32を制御する。そして、撮像部32は、撮像制御部36の制御に基づき、締付作業が完了した作業対象、及び締付部品の撮像画像を生成する。一方、撮像制御部36が音検出信号A3、又は振動検出信号A4を受信しない場合は、撮像制御部36は撮像部32を制御せず、撮像部32は撮像しない。
【0077】
撮像制御部36は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。コンピュータシステムでは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することによって、撮像制御部36の一部又は全部の機能が実現される。コンピュータシステムは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0078】
カメラ記憶部37は、音センサ34又は振動センサ35の少なくとも一方の検知結果に基づき撮像部32が生成した撮像画像を記憶する。本実施形態のカメラ記憶部37は、撮像部32が生成した撮像画像を記憶するように構成されている。カメラ記憶部37は、例えば、磁気コアメモリや半導体メモリ等の記憶装置である。また、カメラ記憶部37はSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置であってもよい。
【0079】
また、本実施形態の電動工具システム1は、撮像部32が生成した撮像画像を駆動部21が行った締付作業の履歴情報として記憶する履歴記憶装置5を更に備える。カメラ制御部4は、作動状態信号A1に基づきカメラ通信部33を制御し、カメラ通信部33から履歴記憶装置5へ送信させる。なお、本実施形態では、カメラ制御部4は、作動状態信号A1に基づき、カメラ記憶部37が記憶した撮像画像をカメラ通信部33から履歴記憶装置5へ送信するか否かを判定し、カメラ通信部33を制御するカメラ制御信号A2を作成する。
【0080】
実施形態4に係る電動工具システム1の構成は、実施形態1(変形例を含む)の構成と適宜組み合わせ可能である。
【0081】
(4-3)動作
本実施形態では、音センサ34は、駆動部21が締付作業を行うときに生じる音を検知できるように構成されており、振動センサ35は、駆動部21が締付作業を行うときに生じる振動を検知できるように構成されている。しかし、音センサ34、又は振動センサ35が、誤検知する場合も考えられる。そのため、音センサ34、及び振動センサ35の両方が正常に検知した場合と、音センサ34、又は振動センサ35が誤検知した場合と、音センサ、及び振動センサの両方が誤検知した場合と、における本実施形態の電動工具システム1の動作について説明する。
【0082】
(4-3-1)音センサ、及び振動センサの両方が正常に検知した場合
音センサ34、及び振動センサ35が締付作業を行うときに生じる音、及び振動を正常に検知した場合における、本実施形態の電動工具システム1の動作について図11のシーケンス図を用いて説明する。
【0083】
まず、駆動部21が締付作業を開始し、音、及び振動が発生する(S41)。音センサ34が、締付作業の音を検知し、カメラ制御部4へ音検出信号A3を送信する。同様に、振動センサ35が、締付作業の振動を検知し、カメラ制御部4へ振動検出信号A4を送信する(S42)。
【0084】
その後、駆動部21が締付作業を完了し、音、及び振動が停止する(S43)。音センサ34が、締付作業の音を検知しなくなり、カメラ制御部4へ音検出信号A3を停止する。同様に、振動センサ35が、締付作業の振動を検知しなくなり、カメラ制御部4へ振動検出信号A4を停止する(S44)。
【0085】
次に、撮像制御部36は、音検出信号A3、及び振動検出信号A4の両方が出力されている状態から停止状態に移行した場合に、撮像部32を制御する。そして、撮像部32は、撮像制御部36の制御に基づき、締付部品が締め付けられた作業対象、及び締付部品を撮像する(S45)。カメラ記憶部37は、撮像部32が生成した撮像画像を撮像画像Aとして記憶する(S46)。
【0086】
その後、電動工具通信部22は、締付作業の完了を示す作動状態信号A1を外部通信部61へ送信する(S47)。外部通信部61が作業状態信号A1を受信した後(S48)、カメラ制御部4は、作業状態信号A1に基づき、撮像画像Aを履歴記憶装置5へ送信するようにカメラ通信部33を制御するカメラ制御信号A2を作成する(S49)。そして、外部通信部61は、カメラ制御信号A2をカメラ通信部33へ送信する(S4A)。
【0087】
カメラ通信部33がカメラ制御信号A2を受信した後に(S4B)、カメラ通信部33は、カメラ制御信号A2に基づき、カメラ記憶部37が記憶した撮像画像Aを履歴記憶装置5へ送信する(S4C)。これにより、カメラ装置3の撮像部32が生成した撮像画像を、駆動部21が行った締付作業の履歴情報として、より高速かつ正確に履歴記憶装置5に記憶することができる。
【0088】
図11のシーケンス図は、本実施形態の電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、その処理の順序が適宜入れ替わっていてもよいし、いずれかの処理について適宜省略されてもよい。
【0089】
(4-3-2)音センサ、又は振動センサが誤検知した場合
音センサ34、又は振動センサ35が誤検知した場合における、本実施形態の電動工具システム1の動作について図12のシーケンス図を用いて説明する。まず、音センサ34が誤検知した場合を想定する。
【0090】
まず、音センサ34が、締付作業以外の音(例えば、電動工具装置2を移動させたとき、又は締付作業以外の作業を行うとき等に生じる音である)を検知し、カメラ制御部4へ音検出信号A3を送信する。しかし、振動センサ35は振動を検知しないため、振動検出信号A4を送信しない(S51)。その後、音センサ34が、締付作業以外の音を検知しなくなり、カメラ制御部4へ音検出信号A3を停止する。振動センサ35は、引き続き振動を検知しない。(S52)。
【0091】
そして、撮像制御部36は、音検出信号A3のみを受信し、振動検出信号A4を受信しない。よって、撮像制御部36は撮像部32を制御せず、撮像部32は撮像しない(S53)。
【0092】
また、振動センサ35が誤検知した場合についても同様に、撮像制御部36は、振動検出信号A4のみを受信し、音検出信号A3を受信しない。よって、撮像制御部36は撮像部32を制御せず、撮像部32は撮像しない。
【0093】
図12のシーケンス図は、本実施形態の電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、その処理の順序が適宜入れ替わっていてもよいし、いずれかの処理について適宜省略されてもよい。
【0094】
(4-3-3)音センサ、及び振動センサの両方が誤検知した場合
音センサ34、及び振動センサ35の両方が誤検知した場合における、本実施形態の電動工具システム1の動作について図13のシーケンス図を用いて説明する。
【0095】
まず、音センサ34が、締付作業以外の音(例えば、電動工具装置2を移動させたとき、又は締付作業以外の作業を行うとき等に生じる音である)を検知し、カメラ制御部4へ音検出信号A3を送信する。同様に、振動センサ35が、締付作業以外の振動(例えば、電動工具装置2を移動させたとき、又は締付作業以外の作業を行うとき等に生じる振動等である)を検知し、カメラ制御部4へ振動検出信号A4を送信する(S61)。
【0096】
その後、音センサ34が、締付作業以外の音を検知しなくなり、カメラ制御部4へ音検出信号A3を停止する。同様に、振動センサ35が、締付作業以外の振動を検知しなくなり、カメラ制御部4へ振動検出信号A4を停止する(S62)。
【0097】
次に、撮像制御部36は、音検出信号A3、及び振動検出信号A4の両方が出力されている状態から停止状態に移行した場合に、撮像部32を制御する。そして、撮像部32は、撮像制御部36の制御に基づき、締付部品が締め付けられた作業対象を撮像する(S63)。そして、カメラ記憶部37は、撮像部32が生成した撮像画像を撮像画像Bとして記憶する(S64)。
【0098】
しかし、締付作業は実施されていないため、カメラ通信部33は、カメラ制御信号A2を受信せず(S65)、カメラ記憶部37が記憶した撮像画像Bを履歴記憶装置5へ送信しない(S66)。
【0099】
その後、カメラ記憶部37が撮像画像Bを記憶したときから予め設定された一定時間が経過した場合、カメラ記憶部37は撮像画像Bを破棄する(S67)。例えば、予め設定された一定時間は、30秒であってもよいし、それ未満でも以上でもよい。
【0100】
これにより、履歴記憶装置5に送信する撮像画像から、誤作動によって生成した撮像画像を取り除くことができる。
【0101】
図13のシーケンス図は、本実施形態の電動工具システム1の動作の一例に過ぎず、その処理の順序が適宜入れ替わっていてもよいし、いずれかの処理について適宜省略されてもよい。
【0102】
(4-4)変形例
上述の実施形態において、外部通信装置6がカメラ制御部4を有するのではなく、カメラ装置3がカメラ制御部4を有していてもよい。この場合、カメラ制御部4が、撮像制御部36を兼用してもよい。
【0103】
上述の実施形態において、外部通信装置6がカメラ制御部4を有するのではなく、電動工具装置2がカメラ制御部4を有していてもよい。
【0104】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る電動工具システム(1)は、電動工具装置(2)と、カメラ装置(3)と、備える。電動工具装置(2)は、駆動部(21)、及び電動工具通信部(22)を有する。駆動部(21)は、作業対象に締付部品を締め付ける締付作業を行う。電動工具通信部(22)は、外部と通信を行う。カメラ装置(3)は、固定部(31)、撮像部(32)、及びカメラ通信部(33)を有する。固定部(31)は、電動工具装置(2)に着脱自在に取り付けられる。撮像部(32)は、少なくとも作業対象を撮像する。カメラ通信部(33)は、外部と通信を行う。
【0105】
この様態によれば、電動工具装置(2)、及びカメラ装置(3)をそれぞれ単独で交換可能である、という利点がある。
【0106】
第2の態様に係る電動工具システム(1)では、第1の態様において、撮像部(32)は、作業対象と、締付部品と、を撮像する。
【0107】
この様態によれば、締付部品が正常に作業対象に取り付けられているか否かを、撮像部(32)が生成した撮像画像から確認することができる、という利点がある。
【0108】
第3の態様に係る電動工具システム(1)では、第1又は第2の態様において、駆動部(21)の作動状態に基づき、撮像部(32)とカメラ通信部(33)との少なくとも一方を制御するカメラ制御部(4)を更に備える。
【0109】
この様態によれば、駆動部(21)の作動状態に基づき、撮像部(32)とカメラ通信部(33)との少なくとも一方を制御することができる、という利点がある。
【0110】
第4の態様に係る電動工具システム(1)では、第3の態様において、カメラ装置(3)は、駆動部(21)の作動状態を検知する音センサ(34)又は振動センサ(35)の少なくとも一方を有する。
【0111】
この様態によれば、駆動部(21)の作動状態を通信することなく検知できるため、電動工具装置(2)を交換した際に、電動工具装置(2)が通信手段を持つか否かにかかわらず、容易に対応可能であるという利点がある。
【0112】
第5の態様に係る電動工具システム(1)では、第3の態様において、カメラ装置(3)は、カメラ制御部(4)を有する。電動工具通信部(22)は、駆動部(21)の作動状態を示す作動状態信号(A1)を、カメラ通信部(33)へ送信する。カメラ制御部(4)は、カメラ通信部(33)が受信した作動状態信号(A1)に基づき、撮像部(32)とカメラ通信部(33)との少なくとも一方を制御する。
【0113】
この様態によれば、電動工具システム(1)が外部通信装置(6)を新たに備える必要がなく、電動工具システム(1)の構成を簡略化できるという利点がある。
【0114】
第6の態様に係る電動工具システム(1)では、第3の態様において、電動工具装置(2)は、カメラ制御部(4)を有する。カメラ制御部(4)は、駆動部(21)の作動状態を示す作動状態信号(A1)に基づき、撮像部(32)とカメラ通信部(33)との少なくとも一方を制御するカメラ制御信号(A2)を作成する。電動工具通信部(22)は、カメラ制御信号(A2)を、カメラ通信部(33)へ送信する。
【0115】
この様態によれば、電動工具システム(1)が外部通信装置(6)を新たに備える必要がなく、電動工具システム(1)の構成を簡略化できる、という利点がある。
【0116】
第7の態様に係る電動工具システム(1)では、第3の態様において、カメラ制御部(4)と、外部通信部(61)と、を有する外部通信装置(6)を備える。電動工具通信部(22)は、駆動部(21)の作動状態を示す作動状態信号(A1)を、外部通信部(61)へ送信する。カメラ制御部(4)は、外部通信部(61)が受信した作動状態信号(A1)に基づき、撮像部(32)とカメラ通信部(33)との少なくとも一方を制御するカメラ制御信号(A2)を作成する。外部通信部(61)は、カメラ制御信号(A2)を、カメラ通信部(33)へ送信する。
【0117】
この様態によれば、電動工具装置(2)、又はカメラ装置(3)のいずれか一方を交換した際に、外部通信装置(6)が有する外部通信部(61)の設定を変更するだけで容易に対応可能であるという利点がある。
【0118】
第8の態様に係る電動工具システム(1)は、第5~第7のいずれかの態様において、締付作業の履歴情報を記憶する履歴記憶装置(5)を更に備える。カメラ装置(3)は、音センサ(34)又は振動センサ(35)の少なくとも一方と、カメラ記憶部(37)と、を更に有する。音センサ(34)又は振動センサ(35)は、駆動部(21)の作動状態を検知する。カメラ記憶部(37)は、音センサ(34)又は振動センサ(35)の少なくとも一方の検知結果に基づき撮像部(32)が生成した撮像画像を記憶する。カメラ制御部(4)は、作動状態信号(A1)に基づきカメラ通信部(33)を制御し、カメラ通信部(33)から撮像画像を履歴記憶装置(5)へ送信させる。
【0119】
この様態によれば、音センサ(34)又は振動センサ(35)の誤作動によって撮像部(32)が生成した撮像画像を削除し、履歴記憶装置(5)に送信できる、という利点がある。
【0120】
第9の態様に係る電動工具装置(2)は、駆動部(21)と、外部と通信する電動工具通信部(22)と、少なくとも作業対象を撮像するカメラ装置(3)を着脱自在に取り付ける取付部(25)と、を有する。駆動部(21)は、動力源からの動力によって作業対象に締付部品を締め付ける。電動工具通信部(22)は、外部と通信する。取付部(25)は少なくとも作業対象を撮像するカメラ装置(3)を着脱自在に取り付ける。
【0121】
この様態によれば、カメラ装置(3)を着脱自在に取り付けることが可能な電動工具装置(2)を提供することができる、という利点がある。
【0122】
第10の態様に係るカメラ装置(3)は、電動工具装置(2)の駆動部(21)が動力源からの動力によって締付部品を締め付ける作業対象を撮影し、固定部(31)と、カメラ通信部(33)と、を有する。固定部(31)は、電動工具装置(2)に着脱自在に取り付けられる。カメラ通信部(33)は、外部と通信する。
【0123】
この様態によれば、電動工具装置(2)に着脱自在に取り付けられることが可能なカメラ装置(3)を提供することができる、という利点がある。
【0124】
第11の態様に係るカメラ装置(3)は、第10の態様において、音センサ(34)又は振動センサ(35)の少なくとも一方を備える。音センサ(34)又は振動センサ(35)は、駆動部(21)の作動状態を検知する。
【0125】
この様態によれば、駆動部(21)の作動状態を通信することなく検知できるため、電動工具装置(2)を交換した際に、電動工具装置(2)が通信手段を持つか否かにかかわらず、容易に対応可能なカメラ装置(3)を提供することができる、という利点がある。
【符号の説明】
【0126】
1 電動工具システム
2 電動工具装置
21 駆動部
22 電動工具通信部
25 取付部
3 カメラ装置
31 固定部
32 撮像部
33 カメラ通信部
34 音センサ
35 振動センサ
37 カメラ記憶部
4 カメラ制御部
5 履歴記憶装置
6 外部通信装置
61 外部通信部
A1 作動状態信号
A2 カメラ制御信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13