(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20241213BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20241213BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20241213BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20241213BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20241213BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20241213BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241213BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241213BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241213BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/13
H05B47/18
H05B47/19
F21S2/00 625
F21V23/00 140
F21V23/00 110
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023559910
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 JP2022041975
(87)【国際公開番号】W WO2023085376
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】P 2021185271
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 徹
(72)【発明者】
【氏名】明田 孝典
(72)【発明者】
【氏名】山本 遼
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-089852(JP,A)
【文献】特開2005-228566(JP,A)
【文献】特開2010-198859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/155
H05B 45/10
H05B 45/20
H05B 47/13
H05B 47/18
H05B 47/19
F21S 2/00
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる取付ベースと、を備え、
前記複数の機能ユニットは、
第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、
前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含
み、
前記第1照明ユニットは、タスク照明用の照明ユニットであり、
前記第2照明ユニットは、アンビエント照明用の照明ユニットである、
照明システム。
【請求項2】
複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる取付ベースと、を備え、
前記複数の機能ユニットは、
第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、
前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含み、
前記取付ベースでは、前記複数のエリアがアレイ状に並んでおり、
前記取付ベースは、前記複数のエリアを規定する複数の開口部を有する格子枠状である、
照明システム。
【請求項3】
複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる取付ベースと、を備え、
前記複数の機能ユニットは、
第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、
前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含み、
前記第1照明ユニットは、前記第1照明光の前記第1配光角と前記第1照明光の照射方向との少なくとも一方を可変である、
照明システム。
【請求項4】
複数の機能ユニットと、
前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる取付ベースと、を備え、
前記複数の機能ユニットは、
第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、
前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含み、
前記第1照明ユニット及び前記第2照明ユニットを制御するコントローラを更に備え、
前記第1照明ユニットは、前記コントローラと無線通信可能な第1通信部を有し、
前記第2照明ユニットは、前記コントローラと無線通信可能な第2通信部を有し、
前記コントローラは、前記第1通信部及び前記第2通信部と通信可能な通信部を有し、
前記コントローラは、対象物体を検知するセンサの出力に基づいて前記第1照明ユニットと前記第2照明ユニットとの少なくとも一方を制御する、
照明システム。
【請求項5】
前記複数の機能ユニットは、前記センサを有するセンサユニットを含む、
請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記コントローラは、所定のサイネージを提示するように前記第1照明ユニット及び前記第2照明ユニットを制御する、
請求項4又は5に記載の照明システム。
【請求項7】
前記第1照明ユニットは、タスク照明用の照明ユニットであり、
前記第2照明ユニットは、アンビエント照明用の照明ユニットである、
請求項2~5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記第1照明ユニットは、調光機能と調色機能とのうち少なくとも一方の機能を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記第2照明ユニットは、調光機能と調色機能とのうち少なくとも一方の機能を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記第1照明ユニット及び前記第2照明ユニットの各々は、
実装基板と、
前記実装基板に実装されており青色光を放射する青色LEDと、
前記実装基板に実装されており緑色光を放射する緑色LEDと、
前記実装基板に実装されており赤色光を放射する赤色LEDと、
前記実装基板に実装されており黄色光を放射する黄色LEDと、を有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記複数の機能ユニットは、
前記第1照明ユニットを複数含み、かつ、前記第2照明ユニットを複数含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項12】
前記第1照明ユニット及び前記第2照明ユニットを制御するコントローラを更に備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項13】
前記第1照明ユニットは、前記コントローラと無線通信可能な第1通信部を有し、
前記第2照明ユニットは、前記コントローラと無線通信可能な第2通信部を有し、
前記コントローラは、前記第1通信部及び前記第2通信部と通信可能な通信部を有する、
請求項12に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、照明システム及び照明システムの製造方法に関し、より詳細には、第1照明光と第1照明光よりも配光角の大きな第2照明光とを提供可能な照明システム及び照明システムの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定空間の広範囲を照らす、少なくとも1つのアンビエントライトと、上記所定空間内の作業領域を局所的に照らす、少なくとも1つのタスクライトと、を備える照明システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載された照明システムでは、施設内の照明対象空間のレイアウト変更があったときに照明環境を変更することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、照明環境を変更しやすい照明システムを提供することにある。
【0006】
本開示に係る一態様の照明システムは、複数の機能ユニットと、取付ベースと、を備える。前記取付ベースは、前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる。前記複数の機能ユニットは、第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含む。前記第1照明ユニットは、タスク照明用の照明ユニットである。前記第2照明ユニットは、アンビエント照明用の照明ユニットである。
本開示に係る一態様の照明システムは、複数の機能ユニットと、取付ベースと、を備える。前記取付ベースは、前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる。前記複数の機能ユニットは、第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含む。前記取付ベースでは、前記複数のエリアがアレイ状に並んでいる。前記取付ベースは、前記複数のエリアを規定する複数の開口部を有する格子枠状である。
本開示に係る一態様の照明システムは、複数の機能ユニットと、取付ベースと、を備える。前記取付ベースは、前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる。前記複数の機能ユニットは、第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含む。前記第1照明ユニットは、前記第1照明光の前記第1配光角と前記第1照明光の照射方向との少なくとも一方を可変である。
本開示に係る一態様の照明システムは、複数の機能ユニットと、取付ベースと、を備える。前記取付ベースは、前記複数の機能ユニットが配置される複数のエリアを有し、前記複数の機能ユニットが着脱可能に取り付けられる。前記複数の機能ユニットは、第1配光角の第1照明光を出射する機能を有する第1照明ユニットと、前記第1配光角よりも大きな第2配光角の第2照明光を出射する機能を有する第2照明ユニットと、を含む。前記照明システムは、前記第1照明ユニット及び前記第2照明ユニットを制御するコントローラを更に備える。前記第1照明ユニットは、前記コントローラと無線通信可能な第1通信部を有する。前記第2照明ユニットは、前記コントローラと無線通信可能な第2通信部を有する。前記コントローラは、前記第1通信部及び前記第2通信部と通信可能な通信部を有する。前記コントローラは、対象物体を検知するセンサの出力に基づいて前記第1照明ユニットと前記第2照明ユニットとの少なくとも一方を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る照明システムにおける照明装置を示し、下側から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明システムにおける照明装置の正面図である。
【
図3】
図3は、同上の照明システムにおける照明装置を示し、上側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の照明システムにおける照明装置の下面図である。
【
図5】
図5は、同上の照明システムにおける照明装置を示し、下側から見た分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の照明システムにおける照明装置を示し、上側から見た分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の照明システムにおける光源モジュールの平面図である。
【
図8】
図8は、同上の照明システムのブロック図である。
【
図9】
図9は、同上の照明システムの動作例の説明図である。
【
図10】
図10A及び10Bは、同上の照明システムにおいて複数の機能ユニットのレイアウトを変更した第1例の動作例の説明図である。
【
図11】
図11は、同上の照明システムにおいて複数の機能ユニットのレイアウトを変更した第1例の他の動作例の説明図である。
【
図12】
図12は、同上の照明システムにおいて複数の機能ユニットのレイアウトを変更した第1例の別の動作例の説明図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る照明システムにおける照明装置の下面図である。
【
図14】
図14は、同上の照明システムの動作例の説明図である。
【
図15】
図15は、同上の照明システムの他の動作例の説明図である。
【
図16】
図16は、同上の照明システムの更に他の動作例の説明図である。
【
図17】
図17は、同上の照明システムの別の動作例の説明図である。
【
図18】
図18は、実施形態3に係る照明システムにおける照明装置の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の実施形態1~3等において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
(実施形態1)
以下では、実施形態1に係る照明システム100について
図1~9に基づいて説明する。
【0011】
(1)概要
実施形態1に係る照明システム100は、
図1~6に示すように、複数の機能ユニット10と、取付ベース5と、を備える。取付ベース5は、複数(
図1の例では、16個)の機能ユニット10が配置される複数のエリア51(
図3、5及び6参照)を有し、複数の機能ユニット10が着脱可能に取り付けられる。複数のエリア51は、同一形状である。複数の機能ユニット10は、複数(
図1の例では、4つ)の第1照明ユニット1と、複数(
図1の例では、12個)の第2照明ユニット2と、を含む。複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1(
図2では、1つの第1照明ユニット1から照射される第1照明光L1のみ図示してある)を出射する機能を有する。複数の第2照明ユニット2の各々は、第2照明光L2(
図2では、1つの第2照明ユニット2から出射される第2照明光L2のみ図示してある)を出射する機能を有する。複数の第2照明ユニット2の各々から出射される第2照明光L2の第2配光角θ2(
図2参照)は、複数の第1照明ユニット1の各々から出射される第1照明光L1の第1配光角θ1(
図2参照)よりも大きい。
【0012】
また、照明システム100は、コントローラ7(
図8参照)を更に備える。コントローラ7は、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2を制御する。
【0013】
照明システム100では、複数の機能ユニット10と取付ベース5とを備える照明装置LA1は、例えば、施設200(
図9参照)内に配置される。施設200としては、ビル、特に、オフィスビルを想定している。以下では、説明の便宜上、施設200内において複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2それぞれの光出射面が面する空間を対象空間201という。対象空間201は、施設200内の人P10によって利用される空間である。対象空間201の例としては、例えば、会議室、ワーキングスペース、コワーキングスペースが挙げられる。施設200は、オフィスビルに限らず、事務所、工場、病院、戸建て住宅、集合住宅等であってもよい。
【0014】
(2)詳細
以下、実施形態1に係る照明システム100について、
図1~9に基づいて更に詳細に説明する。
【0015】
照明システム100は、上述のように、複数(
図1の例では、16個)の機能ユニット10と、取付ベース5と、コントローラ7(
図8参照)と、を備える。
【0016】
照明システム100では、複数の機能ユニット10と取付ベース5とを備える照明装置LA1は、例えば、施設200(
図9参照)において対象空間201に面する天井202に配置される。対象空間201は、天井202下の空間である。施設200内の対象空間201には、人P10が利用可能な什器として、複数の机220(
図9では、1つの机220のみ図示してある)、複数の椅子230(
図9では、1つの椅子230のみ図示してある)等が配置されている。照明装置LA1は、対象空間201から見て正方形状であるが、これに限らず、例えば、長方形状であってもよい。複数の機能ユニット10は、対象空間201から見て2次元アレイ状に配置される。照明装置LA1は、取付ベース5を保持している矩形枠状の保持部材6(
図4参照)を更に備える。保持部材6は、アレイ状に並んでいる複数の機能ユニット10及び取付ベース5を囲んでいる。保持部材6の材料は、例えば、金属を含む。
【0017】
照明装置LA1は、天井埋め込み型の照明器具でもよいし、天井直付け型の照明器具でもよいし、システム天井に含まれるグリッド状の支持部材に支持されるパネル状の照明器具でもよいし、天井吊り下げ型の照明器具でもよい。
【0018】
複数の機能ユニット10は、上述のように、複数(
図1の例では、4つ)の第1照明ユニット1と、複数(
図1の例では、12個)の第2照明ユニット2と、を含む。
【0019】
複数の第1照明ユニット1の各々は、例えば、タスク照明用の照明ユニットである。また、複数の第2照明ユニット2の各々は、例えば、アンビエント照明用の照明ユニットである。
【0020】
複数の第1照明ユニット1の各々は、例えば、ユニバーサルダウンライトであり、第1照明光L1(
図2参照)の照射方向を可変である。複数の第1照明ユニット1の各々は、例えば、第1光源モジュール13(
図8参照)と、レンズ16(
図5参照)と、灯体部17(
図2、5及び6参照)と、枠体18(
図5及び6参照)と、ベース部19(
図2、5及び6参照)と、を有する。レンズ16は、第1光源モジュール13の前方に配置されており、第1光源モジュール13からの光を第1照明光L1として外部(対象空間201)へ出射させる。レンズ16は、レンズ16の光軸を第1光源モジュール13の光軸と一致させるように配置されている。レンズ16は、第1光源モジュール13から出射された光の配光を制御する。レンズ16は、例えば、フレネルレンズである。レンズ16は、フレネルレンズ以外のレンズであってもよい。灯体部17は、第1端及び第2端を有し第2端に底壁を有する有底円筒状である。灯体部17は、レンズ16及び第1光源モジュール13を収容している。枠体18は、灯体部17の第1端を全周に亘って囲んでおり、灯体部17を回動可能に支持している。ベース部19は、枠体18が取り付けられている。ベース部19は、ベース部本体191と、鍔部192と、を含む。ベース部本体191は、偏平な枠状である。ベース部本体191の内縁は、円形状である。ベース部本体191の外縁は、矩形状(図示例では、正方形状)である。ベース部本体191は、取付ベース5の複数の開口部のうち任意の1つの開口部に配置される。取付ベース5の複数の開口部は、取付ベース5の複数のエリア51に一対一に対応する。したがって、ベース部本体191は、取付ベース5の複数のエリア51のうち任意の1つのエリア51に配置される。ベース部19は、鍔部192が取付ベース5の主面(下面)に重なった状態で、鍔部192が取付ベース5に対して複数のねじによって着脱可能に取り付けられている。複数の第1照明ユニット1は、枠体18に対する灯体部17の姿勢を変更することによって第1照明光L1の照射方向を変えることができる。すなわち、複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1の照射方向を調整する照射方向調整部15(
図8参照)を有している。照射方向調整部15は、例えば、施工業者等の手動操作によって灯体部17を回動させることで枠体18に対する灯体部17の姿勢を変える回動機構であるが、これに限らず、モータ等で灯体部17を動かすことで枠体18に対する灯体部17の姿勢を変える回動機構であってもよい。
【0021】
また、複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1(
図2参照)の第1配光角θ1を可変である。複数の第1照明ユニット1の各々では、レンズ16を含む光学ブロックが灯体部17に回転可能に保持されており、レンズ16の光軸を中心として光学ブロックを灯体部17に対して回転させることにより、レンズ16の光軸に沿った方向における第1光源モジュール13とレンズ16との間の距離が変わるように構成されている。したがって、複数の第1照明ユニット1の各々では、レンズ16の光軸に沿った方向における第1光源モジュール13とレンズ16との間の距離を変えることにより、第1照明光L1の第1配光角θ1を変えることができる。複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1の第1配光角θ1を調整する配光角調整部14(
図8参照)を有している。配光角調整部14は、例えば、施工業者等の手動操作によって光学ブロックを回転させることによってレンズ16と第1光源モジュール13との間の距離を変える可動機構であるが、これに限らず、光学ブロックを電動によって動かすことでレンズ16と第1光源モジュール13との間の距離を変える可動機構であってもよい。複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1の第1配光角θ1を、例えば、14度以上36度以下の範囲で制御することが可能である。
【0022】
複数の第1照明ユニット1の各々は、例えば、
図8に示すように、第1光源モジュール13を制御する第1制御部12を更に有する。また、複数の第1照明ユニット1の各々は、第1通信部11を更に有する。第1通信部11は、外部の無線機器(例えば、コントローラ7)と無線通信可能な通信インタフェースである。複数の第1照明ユニット1の各々では、第1制御部12が、第1通信部11を介して取得した情報等に基づいて第1光源モジュール13を制御する。コントローラ7は、例えば、対象物体を検知するセンサ8の出力に基づいて複数の第1照明ユニット1のうち少なくとも1つの第1照明ユニット1を制御する。コントローラ7は、あらかじめ設定されたスケジュールに従って複数の第1照明ユニット1のうち少なくとも1つの第1照明ユニット1を制御してもよい。
【0023】
第1制御部12は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、第1制御部12としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0024】
複数の第2照明ユニット2の各々は、例えば、シーリングライトであり、第1照明ユニット1の第1照明光L1の対象空間201への照射範囲よりも広い照射範囲へ第2照明光L2を出射する(
図2参照)。複数の第2照明ユニット2の各々は、例えば、第2光源モジュール23(
図8参照)と、器具本体27(
図2、5及び6参照)と、カバー28(
図2、5及び6参照)と、複数の放熱フィン29(
図2、3及び6参照)と、を有する。第2光源モジュール23は、器具本体27に保持されている。カバー28は、第2光源モジュール23を覆うように器具本体27に取り付けられており、第2光源モジュール23からの光を第2照明光L2として外部(対象空間201)へ出射させる。カバー28は、第2光源モジュール23から離れている。カバー28は、第2光源モジュール23から出射された光を拡散させて外部へ出射させる。複数の放熱フィン29は、器具本体27における第2光源モジュール23側とは反対側の面から突出している。器具本体27の外縁は、矩形状(図示例では、正方形状)である。器具本体27の一部は、取付ベース5の複数の開口部のうち任意の1つの開口部に配置される。つまり、器具本体27の一部は、取付ベース5の複数のエリア51のうち任意の1つのエリア51に配置される。器具本体27は、器具本体27の外周部が取付ベース5の主面(下面)に重なった状態で、取付ベース5に対して複数のねじによって着脱可能に取り付けられている。
【0025】
複数の第2照明ユニット2の各々は、例えば、
図8に示すように、第2光源モジュール23を制御する第2制御部22を更に有する。また、複数の第2照明ユニット2の各々は、第2通信部21を更に有する。第2通信部21は、外部の無線機器(例えば、コントローラ7)と無線通信可能な通信インタフェースである。複数の第2照明ユニット2の各々では、第2制御部22が、第2通信部21を介して取得した情報等に基づいて第2光源モジュール23を制御する。コントローラ7は、例えば、対象物体を検知するセンサ8の出力に基づいて複数の第2照明ユニット2のうち少なくとも1つの第2照明ユニット2を制御する。コントローラ7は、あらかじめ設定されたスケジュールに従って複数の第2照明ユニット2のうち少なくとも1つの第2照明ユニット2を制御してもよい。
【0026】
第2制御部22は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、第2制御部22としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI、又はULSIと呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0027】
照明装置LA1では、複数の第1照明ユニット1の各々は、調光機能と調色機能とのうち少なくとも一方の機能を有する。複数の第1照明ユニット1の各々の有する調光機能は、例えば、第1照明光L1の輝度を変化させる機能である。複数の第1照明ユニット1の各々の有する調色機能は、例えば、第1照明光L1の色温度、色度座標等を変化させる機能である。
【0028】
また、照明装置LA1では、複数の第2照明ユニット2の各々は、調光機能と調色機能とのうち少なくとも一方の機能を有する。複数の第2照明ユニット2の各々の有する調光機能は、例えば、第2照明光L2の輝度を変化させる機能である。複数の第2照明ユニット2の各々の有する調色機能は、例えば、第2照明光L2の色温度、色度座標等を変化させる機能である。
【0029】
第1光源モジュール13及び第2光源モジュール23の各々は、例えば、
図7に示すようなLEDモジュール4である。
【0030】
LEDモジュール4、例えば、実装基板40と、複数(例えば、32個)のLED(Light Emitting Diode)と、を有する。実装基板40は、例えば、プリント配線板である。実装基板40の厚さ方向からの平面視で、実装基板40の外縁は、矩形状であるが、これに限らず、例えば、円形状であってもよい。複数(例えば、32個)のLEDは、複数(
図7の例では、6つ)の青色LED41と、複数(
図7の例では、6個)の緑色LED42と、複数(
図7の例では、6つ)の赤色LED43と、複数(
図7の例では、14個)の黄色LED44と、を含む。
図7では、複数の青色LED41、複数の緑色LED42、複数の赤色LED43及び複数の黄色LED44にハッチングを付してあるが、これらのハッチングは、断面を表すものではなく、複数の青色LED41、複数の緑色LED42、複数の赤色LED43及び複数の黄色LED44の相対的な位置関係を分かりやすくするために付してあるにすぎない。
図7では、青色LED41と緑色LED42と赤色LED43と黄色LED44とで互いに異なるハッチングを付してある。
【0031】
複数の青色LED41は、実装基板40に実装されている。複数の青色LED41の各々は、青色光を放射する。複数の緑色LED42は、実装基板40に実装されており緑色光を放射する。赤色LED43は、実装基板40に実装されており赤色光を放射する。黄色LED44は、実装基板40に実装されており黄色光を放射する。LEDモジュール4では、実装基板40の中央部に、6つの青色LED41と6つの緑色LED42と6つの赤色LED43と6つの黄色LED44とが、同じ発光色のLED同士が隣接しないように配置されている。また、LEDモジュール4では、実装基板40の周部に、8つの黄色LED44が実装基板40の外縁に沿った方向において互いに離れて配置されている。LEDモジュール4では、例えば、複数の青色LED41の直列回路と、複数の緑色LED42の直列回路と、複数の赤色LED43の直列回路と、複数の黄色LED44の直列回路と、が構成されている。LEDモジュール4は、複数の青色LED41の直列回路に電流を流すための一対の第1端子と、複数の緑色LED42の直列回路に電流を流すための一対の第2端子と、複数の赤色LED43の直列回路に電流を流すための一対の第3端子と、複数の黄色LED44の直列回路に電流を流すための一対の第4端子と、を更に有している。LEDモジュール4は、同じ発光色の複数のLEDが直列接続されている構成に限らず、同じ発光色のLEDが並列接続又は直並列接続されている構成でもよい。
【0032】
第1照明ユニット1の第1制御部12及び第2照明ユニット2の第2制御部22の各々は、複数の青色LED41を駆動する第1駆動回路と、複数の緑色LED42を駆動する第2駆動回路と、複数の赤色LED43を駆動する第3駆動回路と、複数の黄色LED44を駆動する第4駆動回路と、第1~第4駆動回路を制御する制御回路と、を備える。複数の第1照明ユニット1の各々では、第1制御部12の制御回路が当該第1制御部12の第1~第4駆動回路を制御することにより、第1照明光L1として、白色の光、青色の光、緑色の光、赤色の光のいずれか、又は、これらの2つ以上を混色して得られる色の光を出力可能である。複数の第2照明ユニット2の各々では、第2制御部22の制御回路が当該第2制御部22の第1~第4駆動回路を制御することにより、第2照明光L2として、白色の光、青色の光、緑色の光、赤色の光のいずれか、又は、これらの2つ以上を混色して得られる色の光を出力可能である。要するに、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2の各々は、XYZ表色系のxy色度図において、青色LED41から放射される青色光の色度点と、緑色LED42から放射される緑色光の色度点と、赤色LED43から放射される赤色光の色度点と、黄色LED44から放射される黄色光の色度点と、を頂点とする四角形の範囲内の任意の色度点に相当する色の光を、カラー照明光又は白色光として出力することが可能である。白色光は、XYZ表色系のxy色度図における黒体軌跡上の色度点に相当する色度の光であるのが好ましい。
【0033】
取付ベース5では、
図3、5及び6に示すように、複数のエリア51が2次元のアレイ状に並んでいる。ここで、取付ベース5は、複数のエリア51を規定する複数の開口部を有する格子枠状である。取付ベース5の材料は、例えば、金属を含む。より詳細には、取付ベース5は、複数のエリア51に一対一に対応する複数の開口部を有する金属板により構成されている。取付ベースにおいて、複数の開口部の形状は、互いに同じである。なお、取付ベース5は、格子状に限らず、複数の開口部を有していればよい。
【0034】
照明システム100では、例えば、コントローラ7(
図8参照)によって複数の第1照明ユニット1の各々を制御することによって、複数の第1照明ユニット1の各々から出射させる第1照明光L1を白色に制御することが可能であり、かつ、白色とは異なる色のカラー照明光に制御することが可能となる。また、照明システム100では、例えば、コントローラ7によって複数の第2照明ユニット2の各々を制御することによって、複数の第2照明ユニット2の各々から出射させる第2照明光L2を白色に制御することが可能であり、かつ、白色とは異なる色のカラー照明光に制御することが可能となる。
【0035】
コントローラ7は、
図8に示すように、複数の機能ユニット10(複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2)を制御する制御部72を有する。コントローラ7は、複数の機能ユニット10(複数の第1照明ユニット1の第1通信部11及び複数の第2照明ユニット2の第2通信部21)と通信可能な通信部71を有しており、コントローラ7から複数の機能ユニット10(複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2)それぞれに制御信号を送信可能となっている。複数の機能ユニット10(複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2)には、それぞれ個別の識別情報(固有アドレス)が設定されている。複数の機能ユニット10(複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2)は、それぞれ固有アドレスを記憶している記憶部を有している。コントローラ7では、制御部72は、動作モードとして、例えば、複数の機能ユニット10(複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2)のうち2以上の機能ユニット10を一括して同じ制御内容で制御する第1モード(一括制御モード)と、1又は2以上の機能ユニット10をあらかじめ個々に設定した制御内容で制御する第2モード(パターン制御モード)と、複数の機能ユニット10を個別に制御する第3モード(個別制御モード)と、を有している。制御部72は、複数の機能ユニット10それぞれの固有アドレスを記憶しているメモリを含んでいる。また、制御部72は、第1モードのときに利用する一括制御用アドレスと、第2モードのときに利用するグループ制御用アドレスと、を上述のメモリに記憶している。この場合、複数の機能ユニット10の記憶部は、固有アドレスに加えて、グループ制御用アドレス、一括制御用アドレスを記憶している。
【0036】
コントローラ7は、例えば、施設200(
図9参照)内に配置されたセンサ8の検出結果の情報に基づいて、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2のうち少なくとも1つの照明ユニットを制御する。センサ8は、例えば、人P10(
図9参照)を検知する人検知センサであるが、これに限らず、例えば、温度センサ、空気質センサ等であってもよい。人検知センサは、例えば、椅子230(
図9参照)に配置された荷重センサであってもよいし、天井等に配置された赤外線式の人体検知センサ、画像センサ等であってもよい。空気質センサは、対象空間201の空気質を計測する。空気質は、人が健康かつ快適に過ごすための空気の質に関する因子を表しており、より具体的には、化学的因子、生物的因子、物理的因子の環境因子に分類される。化学的因子は、二酸化炭素、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)、臭気成分を含む。生物的因子は、ハウスダスト、花粉を含み、物理的因子は、温度、湿度を含む。ハウスダストは、カビ、ウイルス、ダニの糞、ペットの皮膚片等を意味する。空気質センサは、例えば、対象空間201の二酸化炭素を空気質の因子として二酸化炭素の濃度を計測する。
【0037】
コントローラ7は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、コントローラ7としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI、又はULSIと呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0038】
コントローラ7は、例えば、施設200の施設情報を記憶している管理装置と通信ネットワークを介して接続可能であってもよい。管理装置は、例えば、サーバである。通信ネットワークは、インターネットを含み得る。通信ネットワークは、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成されていてもよい。通信プロトコルは、周知の様々な有線通信規格及び無線通信規格から選択され得る。通信ネットワークは、例えば、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
【0039】
施設情報は、例えば、施設200の構造を表す3次元データの一部又は全体である。3次元データは、コンピュータを用いて構築される仮想空間において施設200を表現するデータである。この種の3次元データは、例えば、BIM(Building Information Modeling)データである。以下では、3次元データを、「BIMデータ」という。
【0040】
BIMデータには、施設200の形状及び寸法を表すデータだけではなく、施設200を構成する部材に関するデータ、施設200に配置された設備機器に関するデータのように、施設200に関連する多種類のデータが統合されている。また、BIMデータには、施設200の基準位置の緯度・経度の情報、及び施設200の向きに関する情報が含まれている。つまり、BIMデータは、施設200を建てるためのデータだけではなく、施設200に関連する様々なデータの総体を表している。BIMデータは、例えば3次元CAD(Computer Aided Design)システムを用いて表現された情報であって、施設200の形状及び寸法を表すデータを用いて作成される。BIMデータを用いることで、例えばディスプレイに施設200の全体又は部分を表す図形を表示することが可能である。BIMデータは、施設200に応じて階層化されている。BIMデータは、例えば施設200の全体を正面図若しくは斜視図で表す情報、施設200の複数のフロアそれぞれを平面図若しくは斜視図で表す情報、又は一つのフロアを平面図若しくは斜視図で表す情報を含んでいる。例えば、BIMデータは、施設200である1つの建物全体の斜視図を表すデータ、建物内の1つフロアの平面図を表すデータ、又は部屋を内側から見た斜視図を表すデータ等を含む。施設情報(BIMデータ)及び位置情報の表示は、いずれも例えばJava(登録商標)等のプログラム言語で記述されたプログラムを実行可能なソフトウェアを用いれば可能である。例えば、WebGL(Web Graphics Library)に対応したウェブブラウザであれば、施設200の3次元データを表示部に表示することが可能である。
【0041】
コントローラ7は、外部装置(例えば、上述の管理装置)から取得したBIM情報に基づいて、施設200内の複数の機能ユニット10の位置情報(施設200内の機能ユニット10の位置座標)を特定して、施設200内の複数の機能ユニット10の位置情報と複数の機能ユニット10の固有アドレスとを一対一に対応付けて上述のメモリに記憶していてもよい。制御部72から各機能ユニット10への制御信号は、制御対象の機能ユニット10の固有アドレス、一括制御用アドレス又はグループ制御用アドレスに対応するアドレスデータと、制御対象の機能ユニット10の制御内容(照明光の色、点灯、消灯、点滅、照度等)を示す制御データと、を含む。照明光の色は、白色又は白色とは異なる色(例えば、赤色、緑色、青色、赤錆色等)である。制御内容は、照明光の色を示す制御内容を含む制御データを含む代わりに、照明光の色度を示す制御内容を含む制御データを含んでいてもよい。また、コントローラ7は、外部装置から取得したBIM情報に基づいて、施設200内の複数の机220(
図9参照)又はセンサ8の位置情報(施設200内の机220の位置座標又はセンサ8の位置座標)を特定して、施設200内の複数の機能ユニット10の識別情報とセンサ8の識別情報とを対応付けて上述のメモリに記憶していてもよい。
【0042】
コントローラ7は、センサ8の検出結果を取得する取得部73を有している。制御部72は、取得部73にて取得した検出結果に基づいて、複数の機能ユニット10のうち少なくとも1つの機能ユニット10を制御してもよい。
【0043】
(3)照明システムの動作例
実施形態1に係る照明システム100では、例えば、
図9の左側に示すように、施設200の対象空間201の机220の近くに人P10が居ないときには、その机220を含む対象空間201を照明する複数の第2照明ユニット2から第2照明光L2を出射させる。
図9では、複数の第2照明ユニット2それぞれから出射される第2照明光L2を図示する代わりに、複数の第2照明ユニット2それぞれから出射される第2照明光L2を合わせた照明光L21を図示してある。照明システム100では、対象空間201の机220の近くの椅子230に座る人P10が検知されると、その机220の作業面に第1照明光L1を照射可能な第1照明ユニット1から第1照明光L1を出射させる。このとき、コントローラ7は、第1照明ユニット1の第1照明光L1を人P10の作業に適した色温度の白色光に制御する。
【0044】
(4)照明システムの製造方法
照明システム100の製造方法は、複数の機能ユニット10及び取付ベース5を準備する第1ステップと、取付ベース5に複数の機能ユニット10を取り付ける第2ステップと、を含む。したがって、照明システム100の製造方法では、取付ベース5の複数のエリア51に配置する第1照明ユニット1及び第2照明ユニット2それぞれの数及びレイアウトを自由に変更することが可能となる。
【0045】
(5)まとめ
実施形態1に係る照明システム100は、複数の機能ユニット10と、取付ベース5と、を備える。取付ベース5は、複数の機能ユニット10が配置される複数のエリア51を有し、複数の機能ユニット10が着脱可能に取り付けられる。複数の機能ユニット10は、複数の第1照明ユニット1と、複数の第2照明ユニット2と、を含む。複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1を出射する機能を有する。複数の第2照明ユニット2の各々は、第2照明光L2を出射する機能を有する。複数の第2照明ユニット2の各々から出射される第2照明光L2の第2配光角θ2は、複数の第1照明ユニット1の各々から出射される第1照明光L1の第1配光角θ1よりも大きい。
【0046】
以上の構成により、実施形態1に係る照明システム100は、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2のレイアウトを変更しやすいので、照明環境を変更しやすい。これにより、実施形態1に係る照明システム100では、施設200内の対象空間201に居る人P10に、より適切な環境を提供することが可能となる。実施形態1に係る照明システム100では、目的又はシーンに合わせて複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2のレイアウトを決めることにより、目的又はシーンに応じた適切な照明環境を実現することが可能となる。
【0047】
また、実施形態1に係る照明システム100では、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2の各々が、上述の青色LED41と緑色LED42と赤色LED43と黄色LED44とを有するLEDモジュール4を備えるので、照明環境の状態を第1照明光L1の色及び第2照明光L2の色等によって変えることで、多様なシーンに対応することが可能となる。また、実施形態1に係る照明システム100は、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2の各々を個別に制御することができるので、センサ8の検出結果に基づいて複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2を適宜制御することにより、光の演出又は所定のサイネージの提示等が可能となる。
【0048】
図10A及び10Bは、実施形態1に係る照明システム100において複数の機能ユニット10のレイアウトを変更した第1例の動作例の説明図である。第1例では、
図4の4つの第1照明ユニット1のうち1つの第1照明ユニット1(
図4の右上の第1照明ユニット1)を第2照明ユニット2に変更している点で、実施形態1に係る照明システム100と相違する。動作例では、アンビエント照明用の第2照明光L2の色を例えば晴れた日に人の目で見える空の色に応じて変化させる。
図10Aでは、朝方及び夕方の照明シーンを模式的に示している。
図10Aでは、一列に並んでいる1つの第1照明ユニット1と3つの第2照明ユニット2とのうち、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2の色を朝焼け又は夕焼けの色をイメージさせるオレンジ色とし、タスク照明用の1つの第1照明ユニット1の第1照明光L1の色を白色としている。第1照明ユニット1の第1照明光L1を白色とすることで、人P10の作業に用いる対象物(例えば、パーソナルコンピュータ)の視認性を向上させることができる。
図10Aでは、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2を合わせたオレンジ色の照明光L22をドットハッチングで示してある。また、
図10Bは、昼中の照明シーンを模式的に示している。
図10Bの例では、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2の色を青空の色をイメージさせる青色とし、タスク照明用の1つの第1照明ユニット1の第1照明光L1の色を白色としている。
図10Bでは、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2を合わせた青色の照明光L23をドットハッチングで示してある。
【0049】
また、
図11は、第1例の他の動作例の説明図である。
図11では、人P10の集中度を高めることを目的とした照明シーンを模式的に示している。
図11では、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2の色を赤色とし、タスク照明用の1つの第1照明ユニット1の第1照明光L1の色を白色としている。
図11では、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2を合わせた赤色の照明光L24をドットハッチングで示してある。第1例では、あらかじめ決められた空間演出を目的とした照明シーンに応じてアンビエント照明の光の色を変えることができればよく、赤色の照明光L24の代わりに、例えば、緑色の照明光を提供してもよい。
【0050】
図12は、第1例の別の動作例の説明図である。
図12は、施設200内の対象物300を強調することを目的とした照明シーンを模式的に示している。
図12では、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2の色を暖色とし、1つの第1照明ユニット1の第1照明光L1の色を赤色としている。
図12では、アンビエント照明用の3つの第2照明ユニット2の第2照明光L2を合わせた暖色の照明光L25をドットハッチングで示してある。第1照明光L1は、赤色以外のカラー照明光であってもよい。
【0051】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る照明システム100aについて、
図13~17に基づいて説明する。実施形態2に係る照明システム100aに関し、実施形態1に係る照明システム100と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
照明システム100aは、複数(
図13の例では、4つ)の第1照明ユニット1が一列に並んで配置され、複数(
図13の例では、12個)の第2照明ユニット2が3列に並んで配置されている。
【0053】
実施形態2に係る照明システム100aでは、例えば、人P10の動きに応じて第1照明光L1による照明エリア、第1照明光L1の明るさ、第1照明光L1の色温度、色度座標等を変化させる。
【0054】
図14は、実施形態2に係る照明システム100aの動作例の説明図である。
図14は、施設200内の対象空間201を2つの作業空間にゾーニングすることを目的として、
図14における左側の2つの第1照明ユニット1の第1照明光L1の色を暖色とし、
図14における右側の2つの第1照明ユニット1の第1照明光L1の色を白色としている。
図14では、左側の2つの第1照明ユニット1の第1照明光L1を合わせた暖色の照明光L11をドットハッチングで示し、右側の2つの第1照明ユニット1の第1照明光L1を合わせた白色の照明光L12を照明光L11とは異なるドットハッチングで示してある。
図14の例では、各第2照明ユニット2を消灯させているが、点灯させていてもよい。
【0055】
図15は、実施形態2に係る照明システム100aの他の動作例の説明図である。
図15は、
図15における左端の第1照明ユニット1の第1照明光L1による照明範囲と右端の第1照明ユニット1の第1照明光L1による照明範囲とを人P10の作業している机220の上で重複させる例を示してある。また、
図15では、左から2番目及び3番目の第1照明ユニット1を消灯させている。
図15の例では、各第2照明ユニット2を消灯させているが、点灯させていてもよい。
【0056】
図16は、実施形態2に係る照明システム100aの更に他の動作例の説明図である。
図16では、2つの照明装置LA1の合計8つの第1照明ユニット1が1列に並んでおり、施設200内を移動している人P10の位置に応じて人P10及びその近傍を照明するように複数の第1照明ユニット1のうち2つの第1照明ユニット1から第1照明光L1を出射させる例を示してある。
図16の例では、各第2照明ユニット2を消灯させているが、点灯させていてもよい。
【0057】
図17は、実施形態2に係る照明システム100aの別の動作例の説明図である。
図17では、センサ8によって施設200内を移動している人P10を検知したときに人P10の移動方向の前方にある対象物300を4つの第1照明ユニット1のうち1つの第1照明ユニット1の第1照明光L1を対象物300に照射している例を示してある。
図17の例では、各第2照明ユニット2を消灯させているが、点灯させていてもよい。
【0058】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る照明システム100bについて、
図18に基づいて説明する。実施形態3に係る照明システム100bに関し、実施形態1に係る照明システム100と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
実施形態3に係る照明システム100bでは、複数(
図18の例では、25個)の機能ユニット10は、複数(4つ)の第1照明ユニット1と、複数(
図18の例では、20個)の第2照明ユニット2と、1つのセンサユニット3と、を含んでいる。センサユニット3は、センサ8(
図8参照)を含んでいる。センサ8は、例えば、人体から放射される赤外線を検出する複数(例えば、5つ)の赤外線検出素子(焦電素子)を有する人体検知センサである。
【0060】
実施形態3に係る照明システム100bは、2次元のアレイ状に並んでいる複数の機能ユニット10のうち中央の機能ユニット10としてセンサユニット3を採用している。
【0061】
実施形態3に係る照明システム100bでは、センサユニット3の検知エリアと照明システム100bの照明エリアとの対応付けが容易になる。
【0062】
(変形例)
上記の実施形態1~3は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~3は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能であり、構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0063】
例えば、複数の機能ユニット10は、複数の第1照明ユニット1と複数の第2照明ユニット2とを含んでいるが、これに限らず、少なくとも1つの第1照明ユニット1と少なくとも1つの第2照明ユニット2とを含んでいればよい。この場合、照明システム100、100a、100bは、取付ベース5の複数のエリア51に関し、機能ユニット10が配置されていないエリア51が存在してもよい。
【0064】
複数の機能ユニット10は、取付ベース5に対してねじによって取り付ける構造に限らず、例えば、コネクタ、マグネット、取付ばね等によって取り付ける構造であってもよい。
【0065】
また、複数の機能ユニット10は、少なくとも第1照明ユニット1と、第2照明ユニット2と、を含んでいればよく、アンテナユニット、通信ユニット、スピーカユニット、AI(Artificial Intelligence)スピーカユニット等のうち少なくとも1つを更に含んでいてもよい。また、複数の機能ユニット10のうち1つがコントローラ7を構成していてもよい。
【0066】
また、取付ベース5は、複数のエリア51が2次元のアレイ状に並んでいる場合に限らず、例えば、複数のエリア51が1次元のアレイ状に並んでいてもよい。取付ベース5は、各々が六角形状の複数の開口部を有するハニカム格子状であってもよい。
【0067】
また、取付ベース5は、内部空間が複数のエリア51に区分けされた箱状であってもよい。
【0068】
また、複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1の第1配光角θ1と第1照明光L1の照射方向とのいずれか一方だけを可変な照明ユニットであってもよい。また、複数の第1照明ユニット1の各々は、第1照明光L1の第1配光角θ1と第1照明光L1の照射方向とのいずれも可変でない照明ユニットであってもよい。複数の第1照明ユニット1は、ダウンライトに限らず、例えば、スポットライトであってもよい。また、複数の第2照明ユニット2は、配光特性の異なる複数種類の照明ユニットを含んでいてもよい。
【0069】
コントローラ7は、対象物体を検知するセンサ8の出力に基づいて第1照明ユニット1と第2照明ユニット2との少なくとも一方を制御すればよく、第1照明ユニット1と第2照明ユニット2との両方を制御してもよい。
【0070】
LEDモジュール4は、青色LED41と、緑色LED42と、赤色LED43と、黄色LED44と、を有する構成に限らず、例えば、青色LEDと、緑色LEDと、赤色LEDと、白色LEDと、を有する構成であってもよい。白色LEDは、白色光を放射する。白色LEDから放射される白色光の相関色温度は、例えば、2700K以上6000K以下である。白色LEDは、例えば、青色LEDチップと、青色LEDチップから放射された青色光の一部を波長変換して青色光とは異なる波長の光を放射する波長変換要素を含む波長変換部と、を有する。波長変換要素は、蛍光体粒子である。波長変換部は、例えば、透光性材料部と、蛍光体粒子と、を含む。この場合、波長変換部は、透光性材料部と蛍光体粒子との混合体により形成されている。波長変換部では、透光性材料部内に多数の蛍光体粒子が存在している。透光性材料部の材料(透光性材料)は、可視光に対する透過率が高い材料が好ましい。透光性材料は、例えば、シリコーン系樹脂である。蛍光体粒子としては、例えば、黄色の光を放射する黄色蛍光体粒子を採用することができる。黄色蛍光体粒子から放射される光(蛍光)は、例えば、530nm~580nmの波長域に主発光ピーク波長がある発光スペクトルを有するのが好ましい。黄色蛍光体粒子は、例えば、Ceで付活されたY3Al5O12であるが、これに限らない。また、波長変換部は、波長変換要素として、黄色蛍光体粒子のみを含む場合に限らず、例えば、黄色蛍光体粒子と、黄緑色蛍光体粒子と、緑色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子と、を含んでいてもよい。つまり、波長変換部は、複数種の蛍光体粒子を含んでいてもよい。
【0071】
また、LEDモジュール4は、例えば、第1青色LEDと、第2青色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第1可視光LEDと、第2可視光LEDと、を有する構成であってもよい。第1青色LEDは、第1青色光を放射する。第2青色LEDは、第2青色光を放射する。第1波長変換部は、第1青色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む。第2波長変換部は、第2青色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む。第1可視光LEDは、第1青色光及び第2青色光及び白色光とは異なる色の可視光(以下、第1可視光ともいう)を放射する。第2可視光LEDは、第1青色光及び第2青色光及び白色光とは異なる色の可視光(以下、第2可視光ともいう)を放射する。第2青色光のピーク波長は、第1青色光のピーク波長と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1可視光は、例えば、赤色光である。第2可視光は、例えば、緑色光である。第1可視光と第2可視光とは互いに異なる色に限らず、同じ色であってもよい。また、LEDモジュール4は、第1可視光LEDと第2可視光LEDとの両方を含んでいる場合に限らず、少なくとも一方を含んでいればよい。
【0072】
また、LEDモジュール4は、例えば、第1紫色LEDと、第2紫色LEDと、第3紫色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部と、可視光LEDと、を有する構成であってもよい。第1紫色LEDは、第1紫色光を放射する。第2紫色LEDは、第2紫色光を放射する。第3紫色LEDは、第3紫色光を放射する。第1波長変換部は、第1紫色光によって励起されて青色光を放射する青色蛍光体粒子を含む。第2波長変換部は、第2紫色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む。第3波長変換部は、第3紫色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む。可視光LEDは、可視光(例えば、赤色光)を放射する。第1紫色光と、第2紫色光と、第3紫色光とは、互いにピーク波長が同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。可視光LEDから放射される可視光は、赤色光に限らず、例えば、緑色光であってもよい。また、LEDモジュール4は、可視光LEDを有していない構成であってもよい。
【0073】
また、LEDモジュール4は、例えば、第1青色LEDと、第2青色LEDと、第3青色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部と、を有する構成であってもよい。第1青色LEDは、第1青色光を放射する。第2青色LEDは、第2青色光を放射する。第3青色LEDは、第3青色光を放射する。第1波長変換部は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。第1中間色と第2中間色と第3中間色とは互いに異なる色である。第1青色LEDと、第2青色LEDと、第3青色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部とは、実装基板40に設けられている。
【0074】
また、LEDモジュール4は、例えば、第1青色LEDと、第2青色LEDと、第3青色LEDと、第4青色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部と、第4波長変換部と、を有する構成であってもよい。第1青色LEDは、第1青色光を放射する。第2青色LEDは、第2青色光を放射する。第3青色LEDは、第3青色光を放射する。第4青色LEDは、第4青色光を放射する。第1波長変換部は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。第4波長変換部は、第4青色光によって励起されて第4青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色、緑色、赤色とは異なる色から白色までの第4中間色の光を発する。第1中間色と第2中間色と第3中間色と第4中間色とは互いに異なる色である。第1青色LEDと、第2青色LEDと、第3青色LEDと、第4青色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部と、第4波長変換部とは、実装基板40に設けられている。
【0075】
また、LEDモジュール4は、例えば、第1青色LEDと、第2青色LEDと、第3青色LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部と、可視光LEDと、を有する構成であってもよい。第1青色LEDは、第1青色光を放射する。第2青色LEDは、第2青色光を放射する。第3青色LEDは、第3青色光を放射する。第1波長変換部は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。可視光LEDは、第1青色光、第2青色光、第3青色光、第1中間色、第2中間色、第3中間色及び白色とは異なる色の可視光を放射する。第1中間色と第2中間色と第3中間色とは互いに異なる色である。第1青色LEDと、第2青色LEDと、第3青色LEDと、可視光LEDと、第1波長変換部と、第2波長変換部と、第3波長変換部とは、実装基板に設けられている。
【0076】
また、第1光源モジュール13及び第2光源モジュール23の各々は、LEDモジュール4に限らず、例えば、有機EL(Electro Luminescence)素子でもよい。
【0077】
また、コントローラ7は、複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2と信号線を介して接続されており、コントローラ7から複数の第1照明ユニット1及び複数の第2照明ユニット2に制御信号を伝送可能となっていてもよい。
【0078】
(態様)
以上説明した実施形態1~3等から、本明細書には以下の態様が開示されている。
【0079】
第1の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、複数の機能ユニット(10)と、取付ベース(5)と、を備える。取付ベース(5)は、複数の機能ユニット(10)が配置される複数のエリア(51)を有し、複数の機能ユニット(10)が着脱可能に取り付けられる。複数の機能ユニット(10)は、第1配光角(θ1)の第1照明光(L1)を出射する機能を有する第1照明ユニット(1)と、第1配光角(θ1)よりも大きな第2配光角(θ2)の第2照明光(L2)を出射する機能を有する第2照明ユニット(2)と、を含む。
【0080】
第1の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、照明環境を変更しやすい。これにより、第1の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、施設(200)内の対象空間(201)に居る人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【0081】
第2の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第1の態様において、第1照明ユニット(1)は、タスク照明用の照明ユニットであり、第2照明ユニット(2)は、アンビエント照明用の照明ユニットである。
【0082】
第2の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、タスクアンビエント照明を実現することが可能となる。
【0083】
第3の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、第1又は2の態様に基づく。取付ベース(5)では、複数のエリア(51)がアレイ状に並んでいる。
【0084】
第4の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第3の態様において、取付ベース(5)は、複数のエリア(51)を規定する複数の開口部を有する格子枠状である。
【0085】
第5の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、第1照明ユニット(1)は、調光機能と調色機能とのうち少なくとも一方の機能を有する。
【0086】
第5の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、第1照明光(L1)の調光と調色との少なくとも一方を実現することが可能となり、より多様な照明シーンを実現することが可能となる。
【0087】
第6の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第1~5の態様のいずれか一つにおいて、第2照明ユニット(2)は、調光機能と調色機能とのうち少なくとも一方の機能を有する。
【0088】
第6の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、第2照明光(L2)の調光と調色との少なくとも一方を実現することが可能となり、より多様な照明シーンを実現することが可能となる。
【0089】
第7の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、第1照明ユニット(1)及び第2照明ユニット(2)の各々は、実装基板(40)と、青色LED(41)と、緑色LED(42)と、赤色LED(43)と、黄色LED(44)と、を有する。青色LED(41)は、実装基板(40)に実装されており青色光を放射する。緑色LED(42)は、実装基板(40)に実装されており緑色光を放射する。赤色LED(43)は、実装基板(40)に実装されており赤色光を放射する。黄色LED(44)は、実装基板(40)に実装されており黄色光を放射する。
【0090】
第7の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第1照明光(L1)及び第2照明光(L2)の各々を白色とは異なる色のカラー照明光に制御することが可能となる。
【0091】
第8の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、第1~7の態様のいずれか一つにおいて、第1照明ユニット(1)は、第1照明光(L1)の第1配光角(θ1)と第1照明光(L1)の照射方向との少なくとも一方を可変である。
【0092】
第8の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、より多様な照明シーンを実現することが可能となる。
【0093】
第9の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第1~8の態様のいずれか一つにおいて、複数の機能ユニット(10)は、第1照明ユニット(1)を複数含み、かつ、第2照明ユニット(2)を複数含む。
【0094】
第9の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、より多様な照明シーンを実現可能となる。
【0095】
第10の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、第1~9の態様のいずれか一つにおいて、コントローラ(7)を更に備える。コントローラ(7)は、第1照明ユニット(1)及び第2照明ユニット(2)を制御する。
【0096】
第10の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、より多様な照明シーンを実現可能となる。
【0097】
第11の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第10の態様において、第1照明ユニット(1)は、コントローラ(7)と無線通信可能な第1通信部(11)を有し、第2照明ユニット(2)は、コントローラ(7)と無線通信可能な第2通信部(21)を有する。コントローラ(7)は、第1通信部(11)及び第2通信部(21)と通信可能な通信部(71)を有する。
【0098】
第11の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、コントローラ(7)の配置の自由度が高くなる。
【0099】
第12の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第11の態様において、コントローラ(7)は、対象物体を検知するセンサ(8)の出力に基づいて第1照明ユニット(1)と第2照明ユニット(2)との少なくとも一方を制御する。
【0100】
第12の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、対象空間(201)に居る人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【0101】
第13の態様に係る照明システム(100b)では、第12の態様において、複数の機能ユニット(10)は、センサ(8)を有するセンサユニット(3)を含む。
【0102】
第14の態様に係る照明システム(100;100a;100b)では、第12又は13の態様において、コントローラ(7)は、所定のサイネージを提示するように第1照明ユニット(1)及び第2照明ユニット(2)を制御する。
【0103】
第14の態様に係る照明システム(100;100a;100b)は、複数の機能ユニット(10)によって所定のサイネージを提示することが可能となる。
【0104】
第2~14の態様に係る構成については、照明システム(100;100a;100b)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0105】
第15の態様に係る照明システム(100;100a;100b)の製造方法は、複数の機能ユニット(10)と、取付ベース(5)と、を備える照明システム(100;100a;100b)の製造方法である。取付ベース(5)は、複数の機能ユニット(10)を任意の組み合わせで配置可能な複数のエリア(51)を有し、複数の機能ユニット(10)を着脱可能に取り付け可能である。複数の機能ユニット(10)は、第1配光角(θ1)の第1照明光(L1)を出射する機能を有する第1照明ユニット(1)と、第1配光角(θ1)よりも大きな第2配光角(θ2)の第2照明光(L2)を出射する機能を有する第2照明ユニット(2)と、を含む。照明システム(100;100a;100b)の製造方法は、複数の機能ユニット(10)及び取付ベース(5)を準備する第1ステップと、取付ベース(5)に複数の機能ユニット(10)を取り付ける第2ステップと、を含む。
【0106】
第15の態様に係る照明システム(100;100a;100b)の製造方法は、照明環境を変更しやすい。これにより、第15の態様に係る照明システム(100;100a;100b)の製造方法は、施設(200)内の対象空間(201)に居る人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0107】
1 第1照明ユニット
11 第1通信部
2 第2照明ユニット
21 第2通信部
3 センサユニット
5 取付ベース
51 エリア
6 保持部材
7 コントローラ
71 通信部
8 センサ
10 機能ユニット
100、100a、100b 照明システム
40 実装基板
41 青色LED
42 緑色LED
43 赤色LED
44 黄色LED
200 施設
201 対象空間
L1 第1照明光
L2 第2照明光
θ1 第1配光角
θ2 第2配光角
P10 人