(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】揚力可変水中翼
(51)【国際特許分類】
B63H 25/38 20060101AFI20241213BHJP
B63B 22/18 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
B63H25/38 D
B63B22/18
B63H25/38 A
(21)【出願番号】P 2024074141
(22)【出願日】2024-04-30
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514074599
【氏名又は名称】有限会社金鹿哲学承継塾
(74)【代理人】
【識別番号】100188776
【氏名又は名称】岩崎 吉男
(72)【発明者】
【氏名】金鹿 功
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-226672(JP,A)
【文献】実公昭48-033438(JP,Y1)
【文献】特開昭60-015293(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第116714710(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 25/38
B63B 22/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航行体の運動を制御する水中翼であって、
水中翼本体が複数の板状体から構成され、前記全ての板状体には前記全ての板状体を貫通するスリットが形成され、前記複数の板状体の相対位置の変化により、前記スリットの貫通面積が変化する
ことで水中翼本体の翼面の面積を変化させることができる水中翼。
【請求項2】
前記水中翼本体に設けられた回転軸と長さ方向が平行な前記スリットが前記回転軸と平行に複数形成され、前記複数の板状体が前記スリットの長さ方向と垂直な方向に相対的な位置変化をする請求項
1に記載の水中翼。
【請求項3】
前記水中翼本体が、2層の板状体から構成される請求項
2に記載の水中翼。
【請求項4】
前記水中翼本体が、第1板状体と第2板状体と第3板状体との3層構造からなり、
前記第1板状体と前記第2板状体とが前記回転軸と直交する両辺にて接合された箱体を形成し、前記箱体に
前記回転軸が設けられ、前記箱体内に前記第3板状体が、前記スリットの長さ方向と垂直な方向に摺動可能に設けられている請求項
2に記載の水中翼。
【請求項5】
前記第3板状体に前記箱体から突出する態様で前記回転軸と平行に立設された抵抗板を有する請求項
4に記載の水中翼。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚力を変化させることが可能な水中翼に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水上、水中を航行する移動体(以下「航行体」という。)の進行や深度の制御は、水中翼(舵を含む)の角度を変化させることで行われている。例えば、特許文献1に記載の潜水艦の自動深度保持装置では、潜舵と横舵とを制御して船体にモーメントを与えて深度を制御する深度保持装置であって、潜舵に加わる舵制御信号と潜舵の舵角限界値との差を検出しつつ舵制御信号が舵角限界値を超える場合には潜舵を舵角限界値に保持したまま舵角限界値を超える潜舵角範囲は横舵で補正しつつ設定深度を保持させる潜水艦の自動深度保持装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の自動深度保持装置は、特に低速度の場合の深度制御機能が改善される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の自動深度保持装置も舵角を変化させて船体の方向を制御するという点では、従来の航行体の方向制御と同じであり、舵の方向が変わるまでに時間を要し、短時間で船体の方向を制御できないという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、翼面の面積を増減させることにより航行体の進行方向を制御できる水中翼を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1形態に係る水中翼は、航行体の運動を制御する水中翼であって、水中翼本体の翼面の面積を変化させることができる水中翼である。
【0008】
一般に水中翼が作る揚力は以下の式で表される。
F=CL・1/2ρU・U・S
但し
F:揚力
CL:揚力係数 水中翼の形状によって決まり、水中翼の迎角の関数となる。
ρ:水の密度
U:水の流入速度
S:翼面の面積
本発明の第1形態に係る水中翼は、上式のS、翼面の面積を変化させて揚力Fを制御しようとするものである。
翼面の面積を変化させる機構としては、水中翼に設けられたスリットを開閉させる機構が考えられる。また回転可能な複数のフィンを水中翼の回転軸と並行に並べて構成する機構も考えられる。
【0009】
本発明の第2形態に係る水中翼は、第1形態に係る水中翼であって、前記水中翼本体が複数の板状体から構成され、前記全ての板状体には前記全ての板状体を貫通するスリットが形成され、前記複数の板状体の相対位置の変化により、前記スリットの貫通面積が変化する水中翼である。
複数の板状体の相対位置を変化させることで、全ての板状体を貫通する総面積が変化する結果、水中翼の迎角を一定に保った状態でも揚力を変化させることができる。
【0010】
本発明の第3形態に係る水中翼は、第2形態に係る水中翼であって、前記水中翼本体に設けられた回転軸と長さ方向が平行な前記スリットが前記回転軸と平行に複数形成され、前記複数の板状体が前記スリットの長さ方向と垂直な方向に相対的な位置変化をする水中翼である。
水中翼の回転軸は通常航行体の進行方と直交する方向に設けられているので、本発明の第3形態に係る水中翼はスリットに、航行体が進むことで生じる水流による抵抗を力に変える機構を付加することで、水流を利用してスリットを開閉させることも可能である。
【0011】
本発明の第4形態に係る水中翼は、第3形態に係る水中翼であって、前記水中翼本体が、2層の板状体から構成される水中翼である。
板状体の一方が水中翼の回転軸に接続され、他方がスリットの長さ方向と垂直な方向に移動可能な水中翼である。
【0012】
本発明の第5形態に係る水中翼は、第3形態に係る水中翼であって、前記水中翼本体が、第1板状体と第2板状体と第3板状体との3層構造からなり、
前記第1板状体と前記第2板状体とが前記回転軸と直交する両辺にて接合された箱体を形成し、前記箱体に前記回転軸が設けられ、前記箱体内に前記第3板状体が、前記スリットの長さ方向と垂直な方向に摺動可能に設けられている水中翼である。
箱体の内部で第3板状体がスリットの長さ方向と垂直な方向に移動することで、水中翼を貫通するスリットの総面積が変化する。
【0013】
本発明の第6形態に水中翼は、第5形態に係る水中翼であって、前記第3板状体に前記箱体から突出する態様で前記回転軸と平行に立設された抵抗板を有する水中翼である。
第3板状体に回転軸と平行に立設された抵抗板は、箱体から突出しているので、航行体の進行により航行体の進行方向とは反対方向の水の抵抗を受ける。そうすると抵抗板と一体となっている第3板状体が航行体の進行方向とは反対方向に移動する。このとき水中翼を貫通するスリットの総面積が減少する構成になっていれば水中翼に加わる揚力が増加し、スリットの総面積が増加する構成になっていれば水中翼に加わる揚力が減少することになる。なお、第3板状体を移動させる手段としては、抵抗板の他に油圧や機械的な動力を採用することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水中翼によれば、水中翼の迎角を変えずに揚力を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、水中翼10の構造(閉状態)を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、水中翼10の構造(開状態)を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、自動浮上沈降型海洋ブイ90の運動を示す説明図である。
【
図8】
図8は、自動定位置保持型海洋ブイ92の運動を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
[水中翼10の構造]
以下に、本発明の実施形態に係る水中翼10のスリット30の閉状態の構造について、図面を参照しながら説明する。
図1は、水中翼10のスリット30が閉状態の構造を示す斜視図である。
図2は、水中翼10のスリット30が開状態の構造を示す斜視図である。
図3は、
図1のA-A線断面図である。
図4は、
図1のB-B線断面図である。
図5は、
図2のA-A線断面図である。
図6は、
図2のB-B線断面図である。
【0017】
本明細書においては、以下のように方向を定義する。水中翼10の箱体50は、前後方向に延びている。また、前後軸、左右軸及び上下軸は、互いに直交している。なお、上方向、下方向、左方向、右方向、前方向及び後方向は、説明の便宜上定義した方向である。従って、これらの方向は、水中翼10の使用時における各方向と一致していなくてもよい。また、上方向と下方向とが入れ替わってもよいし、左方向と右方向とが入れ替わってもよいし、前方向と後方向とが入れ替わってもよい。
【0018】
本明細書において、前後方向に延びるとは、前後方向に平行な方向に延びる場合、及び前後方向にわずかに傾いた方向に延びる場合を含む。左右方向に延びるとは、左右方向に平行な方向に延びる場合及び左右方向にわずかに傾いた方向に延びる場合を含む。上下方向に延びるとは、上下方向に平行な方向に延びる場合及び上下方向にわずかに傾いた方向に延びる場合を含む。
【0019】
本明細書において、例えば第1部材が第2部材に接続されているとは、第1部材が第2部材に直接接続されている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に接続されている場合を含む。また、例えば第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に直接支持されている場合、及び、第1部材が第3部材を介して第2部材に支持されている場合を含む。
【0020】
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0021】
なお、各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0022】
図1と
図2に示すように、水中翼10は、水中翼本体20と回転軸60とから構成されている。そして水中翼本体20は、第1板状体21と、第2板状体22と、第3板状体23とが3層に積層された構造を有している。第1板状体21と第2板状体22の周縁部は接続されて箱体50を構成し、箱体50の内側に第3板状体23が、回転軸60と直交する方向に移動可能に収容されている。回転軸60は箱体50に接続されている。そして、第3板状体23の前方上側に抵抗板40が2つ上に向くように設けられている。箱体50の周縁部と第3板状体23との摺動箇所は摩擦抵抗の小さな素材で形成するか、ローラーベアリング、ボールベアリング等の摺動抵抗軽減機構を設けることが望ましい。
【0023】
第1板状体21と、第2板状体22と、第3板状体23とには、同じ形状の複数のスリット30が設けられ、
図1の状態では第1板状体21と第2板状体22のスリット30が、第3板状体23により塞がれている。
図2は、
図1の状態から第3板状体23が、前方向に移動して第1板状体21と第2板状体22のスリット30と第3板状体のスリット30とが同じ位置にきて、全てのスリット30が上下方向に貫通している状態を示している。
【0024】
図3~
図6を参照しながら、水中翼10の構造をより詳しく説明する。
図3は
図1のA-A線断面図、
図4は
図1のB-B線断面図である。第1板状体21の各スリット31a~31gと第2板状体の各スリット32a~32gとの間に、第3板状体23のスリット33a~33gがない部分が位置することで、第1板状体21の各スリット31a~31gと第2板状体の各スリット32a~32gとは塞がれている。
【0025】
図5は
図2のA-A線断面図、
図6は
図2のB-B線断面図である。
図6は
図4に比べて第3板状体23が前方向に移動している。そして、第1板状体21の各スリット31a~31gと第2板状体の各スリット32a~32gに、第3板状体23のスリット33a~33gが重なることで、水中翼10を上下方向に貫通するスリットが形成される。この結果水中翼10の翼面の面積が、
図1の状態に比べて減少することになる。
【0026】
[水中翼10の動作]
次に水中翼10の動作について
図1と
図2とを参照しながら説明する。
図1は第3板状体23が箱体50の中で後端に位置する状態を示している。この状態で抵抗板40に水流による力が前方向に加わると、抵抗板40と一体となっている第3板状体23が前方向に移動して、箱体50の前端で停止する。
図2の状態で抵抗板40に水流による力が後方向に加わると、抵抗板40と一体となっている第3板状体23が後方向に移動して、箱体50の後端で停止する。このように抵抗板40に加わる力の方向によって、水中翼10の翼面の面積が変化する。
【0027】
[水中翼10の作用効果]
水中翼10を備えた航行体が水上または水中で運動するに際し、水中翼の迎角を変化させて航行体の運動方向を制御することに加えて、水中翼の迎角を一定に保持したまま、翼面の面積を変化させることでも航行体の運動方向を制御することが可能となる。
【0028】
(第1実施例)
[自動浮上沈降型海洋ブイ90の構造]
図7は、本発明の水中翼10を備えた自動浮上沈降型海洋ブイ90の運動を示す説明図である。自動浮上沈降型海洋ブイ90は、ブイ内の水の量を調整する浮力調整装置を備え、浮力を調整して浮上と沈降を繰り返すことができるタイプである。自動浮上沈降型海洋ブイ90は、円筒状の胴体の上部に本発明の2対の水中翼10aと10c、10bと10d(図示省略)を備える。なお、水中翼10a~10dは、
図1と
図2とに示した水中翼と同様に抵抗板(図示省略)を有し、沈降時にはスリットが閉状態、浮上時にはスリットが開状態となる。
【0029】
[自動浮上沈降型海洋ブイ90の運動]
自動浮上沈降型海洋ブイ90の水中翼10a~10dは迎角を変化させることが可能であるが、本実施例では迎角は一定に保ち翼面の面積を変化させることでの運動を説明する。
図7において自動浮上沈降型海洋ブイ90は、海面100から自動的に浮上と沈降((a)~(e))を繰り返している。(a)から(c)への沈降時には水中翼10a~10dのスリットが閉状態であり、自動浮上沈降型海洋ブイ90は沈降動線DL1にそって
図7の左下方へ沈降する。
【0030】
次に(c)から(e)への浮上時には水中翼10a~10dのスリットが開状態であり、水中翼10a~10dの翼面の面積は減少している。結果的に沈降時よりも浮上時には水中翼10a~10dの揚力が減少しているため、自動浮上沈降型海洋ブイ90の方向変化が緩やかになり、浮上動線UL1にそって沈降開始時とは異なった位置に浮上する。
【0031】
(第2実施例)
[自動定位置保持型海洋ブイ92の構造]
図8は、本発明の水中翼10を備えた自動定位置保持型海洋ブイ92の運動を示す説明図である。自動定位置保持型海洋ブイ92は、本体は海上に浮かんでいるが、海面下の波の影響を受けない領域に本発明の水中翼10s、10t、10u、10v(図示省略)を備える。水中翼10s、10t、10u、10vは迎角と翼面の面積を変化させることができる。そして自動定位置保持型海洋ブイ92は、波により生じる上下運動で、水中翼10s、10t、10u、10vに生じる揚力を利用して海上を移動するものである。なお、水中翼10s~10vは、
図1と
図2とに示した水中翼と同様に抵抗板(図示省略)を有し、沈降時にはスリットが閉状態、浮上時にはスリットが開状態となり、翼面の面積は浮上時に減少する構造となっている。
【0032】
[自動定位置保持型海洋ブイ92の運動]
図8は、波の峰102と波の谷104と波の峰と谷の中間103における自動定位置保持型海洋ブイ92の運動を示している。水中翼10t、10vは一定の迎角に設定されていて、浮上時には上述のとおり翼面の面積が減少する構造になっている。波の高さによって自動定位置保持型海洋ブイ92は上下に運動し、それに伴い水中の水中翼10s、10t、10u、10vも上下に運動する。自動定位置保持型海洋ブイ92は波の峰102から波の谷104へ浮上と沈降((a)~(e))を繰り返している。そしてその運動に伴い、水中翼10s、10t、10u、10vも浮上と沈降を繰り返している。
【0033】
水中翼10t、10vは、一定の迎角が設定されているため、(a)から(c)への沈降時には自動定位置保持型海洋ブイ92は
図8の左下方へ沈降する。次に(c)から(e)への浮上時には水中翼10a~10dのスリットが開状態であり、水中翼10a~10dの翼面の面積は減少している。結果的に沈降時よりも浮上時には水中翼10a~10dの揚力が減少しているため、自動定位置保持型海洋ブイ92の方向変化が緩やかになり、沈降開始時とは異なった位置に浮上する。
【0034】
自動定位置保持型海洋ブイ92は、海流により滞留位置が変化した場合に水中翼10a~10dの迎角を制御して、波の上下動を利用して定位置に戻す機能を有する。そしてこの機能を用いて移動するためには、沈降時と浮上時において迎角を変えて揚力を変える必要があるが、波の上下動に合わせて即座に迎角を変えることは通常困難である。本発明によれば翼面の面積を変化させることで迎角を変えずに揚力を変えることができる。
【0035】
(その他の実施形態)
本発明に係る水中翼は、水中翼10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。例えば、回転軸と直交する方向の断面が流線形の水中翼を、相対位置変化可能に上下に2分割して2層構造にし、それぞれにスリットを設けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 水中翼
10a 水中翼
10b 水中翼
10c 水中翼
10d 水中翼
10s 水中翼
10t 水中翼
10u 水中翼
10v 水中翼
20 水中翼本体
21 第1板状体
22 第2板状体
23 第3板状体
30 スリット
31a スリット
31b スリット
31c スリット
31d スリット
31e スリット
31f スリット
31g スリット
32a スリット
32b スリット
32c スリット
32d スリット
32e スリット
32f スリット
32g スリット
33a スリット
33b スリット
33c スリット
33d スリット
33e スリット
33f スリット
33g スリット
40 抵抗板
50 箱体
60 回転軸
90 自動浮上沈降型海洋ブイ
92 自動定位置保持型海洋ブイ
100 海面
102 波の峰
103 波の峰と谷の中間
104 波の谷
UL1 浮上動線
DL1 沈降動線
【要約】
【課題】翼面の面積を増減させることにより航行体の進行方向を制御できる水中翼を提供する。
【解決手段】本発明に係る水中翼は、航行体の運動を制御する水中翼であって、水中翼本体の翼面の面積を変化させることができる水中翼である。水中翼は、第1板状体と、第2板状体と、第3板状体とが3層に積層された構造を有している。第1板状体と第2板状体の周縁部は接続されて箱体を構成し、箱体の内側に第3板状体が、スリットの長さ方向と垂直な方向に移動可能に収容されている。回転軸は箱体に接続されている。そして、第3板状体の前方上側に抵抗板が2つ上に向くように設けられている。
【選択図】
図1