(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】電力量管理システム、電力量管理方法、及び電力量管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241213BHJP
【FI】
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2024157659
(22)【出願日】2024-09-11
【審査請求日】2024-10-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年6月3日に株式会社フジタとのWebミーティングにおいて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年6月26日に株式会社安藤・間本社において公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年8月29日に株式会社大本組とのWebミーティングにおいて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年7月3日に大成建設株式会社とのWebミーティングにおいて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年7月30日に東急不動産株式会社本社において公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年8月9日に三井住友建設株式会社とのWebミーティングにおいて公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年8月23日に戸田建設株式会社本社において公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年8月30日に株式会社不動テトラとのWebミーティングにおいて公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508032491
【氏名又は名称】株式会社リバスタ
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳益 健
(72)【発明者】
【氏名】中川 亮
(72)【発明者】
【氏名】小林 勇貴
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121094(JP,A)
【文献】特開2012-3472(JP,A)
【文献】特開2013-186771(JP,A)
【文献】特開2013-50754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力量を管理する電力量管理システムであって、
前記電力量管理システムは、記憶部、取得部、算出部、を備え、
前記記憶部は、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納し、
前記取得部は、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、前記階層構造に対応づけて前記記憶部へ格納し、
前記算出部は、前記階層構造に対応づけられた電力量と、前記換算情報と、に基づいて、前記階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する、
電力量管理システム。
【請求項2】
前記電力分類は、電力供給元ごとに定められた電力プランを含み、
前記算出部は、電力プランごとのCO2換算係数が含まれる換算情報に基づいて、前記特定従属範囲のCO2排出量を算出する、
請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項3】
前記算出部は、ユーザに指定された電力分類に基づいて、前記特定従属範囲における特定の電力分類のCO2排出量を算出する、
請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項4】
前記算出部は、ユーザに指定された電力プランに基づいて、前記特定従属範囲における特定の電力プランのCO2排出量を算出する、
請求項2に記載の電力量管理システム。
【請求項5】
前記電力分類は、電圧の供給条件により定められた電力種別を含み、
前記算出部は、ユーザに指定された電力種別に基づいて、前記特定従属範囲における特定の電力種別のCO2排出量を算出する、
請求項3に記載の電力量管理システム。
【請求項6】
前記電力量管理システムは、更に、表示処理部を備え、
前記表示処理部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記特定従属範囲のCO2排出量と、該特定従属範囲を構成する場所ごとのCO2排出量と、を表示処理し、その表示処理結果を送信する、
請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項7】
前記電力量管理システムは、更に、表示処理部を備え、
前記電力分類は、電圧の供給条件により定められた電力種別を含み、
前記表示処理部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記特定従属範囲のCO2排出量における前記電力種別の内訳を表示処理し、その表示処理結果を送信する、
請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項8】
前記電力量管理システムは、更に、表示処理部を備え、
前記表示処理部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記階層構造のうち、選択された階層の場所おけるCO2排出量を表示処理し、その表示処理結果を送信する、
請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項9】
前記電力量管理システムは、更に、特定処理部を備え、
前記取得部は、各場所に電力を供給するための電気契約に関する契約情報を取得し、前記階層構造に対応付けて前記記憶部へ格納し、
前記特定処理部は、前記契約情報に基づいて、前記特定従属範囲における電気契約の契約数、及び該電気契約の利用状況を特定処理する、
請求項1に記載の電力量管理システム。
【請求項10】
電力量を管理する電力量管理システムが実行する電力量管理方法であって、
前記電力量管理システムは、記憶部、取得部、算出部、を備え、
前記記憶部が、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納するステップと、
前記取得部が、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、前記階層構造に対応づけて前記記憶部へ格納するステップと、
前記算出部が、前記階層構造に対応づけられた電力量と、前記換算情報と、に基づいて、前記階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出するステップ、と、を含む、
電力量管理方法。
【請求項11】
電力量を管理する電力量管理プログラムであって、
コンピュータを、記憶部、取得部、算出部、として機能させ、
前記記憶部は、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納し、
前記取得部は、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、前記階層構造に対応づけて前記記憶部へ格納し、
前記算出部は、前記階層構造に対応づけられた電力量と、前記換算情報と、に基づいて、前記階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する、
電力量管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量管理システム、電力量管理方法、及び電力量管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業においてCO2排出量を管理するための様々な工夫がされている。
【0003】
特許文献1には、組織階層と、側面階層(電力使用量等)と、を利用することで、階層構造をもった組織において、どの部分でエネルギー使用を抑制すべきか分かり、効率的なエネルギー利用管理をすることができる環境情報集計システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、企業における組織は、支店や工場等が様々な地域に点在している。特許文献1では、これら各地に点在する組織に関するCO2排出量を正確に把握することまでは考慮されていない。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、各地に点在する組織構造において簡単且つ精度良くCO2排出量を管理することができる電力量管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、電力量を管理する電力量管理システムであって、
前記電力量管理システムは、記憶部、取得部、算出部、を備え、
前記記憶部は、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納し、
前記取得部は、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、前記階層構造に対応づけて前記記憶部へ格納し、
前記算出部は、前記階層構造に対応づけられた電力量と、前記換算情報と、に基づいて、前記階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する。
【0008】
また、本発明は、電力量を管理する電力量管理システムが実行する電力量管理方法であって、
前記電力量管理システムは、記憶部、取得部、算出部、を備え、
前記記憶部が、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納するステップと、
前記取得部が、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、前記階層構造に対応づけて前記記憶部へ格納するステップと、
前記算出部が、前記階層構造に対応づけられた電力量と、前記換算情報と、に基づいて、前記階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出するステップ、と、を含む。
【0009】
また、本発明は、電力量を管理する電力量管理プログラムであって、
コンピュータを、記憶部、取得部、算出部、として機能させ、
前記記憶部は、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納し、
前記取得部は、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、前記階層構造に対応づけて前記記憶部へ格納し、
前記算出部は、前記階層構造に対応づけられた電力量と、前記換算情報と、に基づいて、前記階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する。
【0010】
このような構成にすることで、各地に点在する組織構造において簡単且つ精度良くCO2排出量を管理することができる。例えば、組織においてユーザが必要に応じて指定した特定の範囲(特定従属範囲)に着目してCO2排出量を管理することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記電力分類は、電力供給元ごとに定められた電力プランを含み、
前記算出部は、電力プランごとのCO2換算係数が含まれる換算情報に基づいて、前記特定従属範囲のCO2排出量を算出する。
【0012】
このような構成にすることで、特定従属範囲において電力プランごとのCO2排出量を正確に算出することができる。その結果、組織における管理担当者などのユーザは、組織の階層構造に関するCO2排出量を精度良く把握することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記算出部は、ユーザに指定された電力分類に基づいて、前記特定従属範囲における特定の電力分類のCO2排出量を算出する。
【0014】
このような構成にすることで、特定の電力プランや所定条件による電力の分類に対するCO2排出量を算出することができる。例えば、本社管轄の複数の支店や支店管轄の事業場において、ある特定の電力プランで契約している場所を特定してCO2排出量を算出することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記算出部は、ユーザに指定された電力種別に基づいて、前記特定従属範囲における特定の電力種別のCO2排出量を算出する。
【0016】
このような構成にすることで、特定の電力種別に対するCO2排出量を算出することができる。例えば、ある支店と、当該支店の管轄である事業場において、三相200Vの電力量に対するCO2排出量を選択的に算出することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記電力量管理システムは、更に、表示処理部を備え、
前記表示処理部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記特定従属範囲のCO2排出量と、該特定従属範囲を構成する場所ごとのCO2排出量と、を表示処理し、その表示処理結果を送信する。
【0018】
このような構成にすることで、特定従属範囲のCO2排出量と、この範囲に属する場所ごとのCO2排出量と、を同一画面で迅速に確認することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記電力量管理システムは、更に、表示処理部を備え、
前記電力分類は、電圧の供給条件により定められた電力種別を含み、
前記表示処理部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記特定従属範囲のCO2排出量における前記電力種別の内訳を表示処理し、その表示処理結果を送信する。
【0020】
このような構成にすることで、ユーザは電力種別の内訳を簡単且つ正確に確認することができる。例えばユーザは、ある従属範囲における単相3線式200Vや単相2線式100V(電灯)、及び三相3線式200V(動力)、などのそれぞれのCO2排出量を簡単且つ正確に確認することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記電力量管理システムは、更に、表示処理部を備え、
前記表示処理部は、前記算出部による算出結果に基づいて、前記階層構造のうち、選択された階層の場所おけるCO2排出量を表示処理し、その表示処理結果を送信する。
【0022】
このような構成にすることで、ユーザは、特定の階層(例えば支店の階層)に属する複数の場所(例えば支店Aや支店B)におけるそれぞれのCO2排出量を比較しながら確認することができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記電力量管理システムは、更に、特定処理部を備え、
前記取得部は、各場所に電力を供給するための電気契約に関する契約情報を取得し、前記階層構造に対応付けて前記記憶部へ格納し、
特定処理部は、前記契約情報に基づいて、前記特定従属範囲における電気契約の契約数、及び該電気契約の利用状況を特定処理する。
【0024】
このような構成にすることで、毎月のように利用状況が変化し得る事業場や施工現場における電気契約の数や利用状況を簡単に特定することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、階層構造及び特定の換算情報を利用して所定の処理を実行することで、電力量管理システムに係る新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成のブロック図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び端末のハードウェア構成の一例の概略図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電力量管理システムの処理手順のフローチャートを示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電力量管理システムで利用される各情報の一例を示す。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電力量管理システムで利用される階層構造の概略イメージ図を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係る電力量管理システムで利用される換算情報及び電力量情報の一例を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係る電力量管理システムで管理される換算情報の概略イメージ図を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果の一例を示す。
【
図9】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0028】
例えば、本実施形態では電力量管理システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法(ステップ)、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0029】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。
【0030】
本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0031】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0032】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム構成を示すブロック図である。
図1に示すように電力量管理システム1は、情報処理装置10及びデータベースDBを備える。電力量管理システム1は、ネットワークNWを介して複数のユーザ端末2(
図1では符号2(a)~2(c))、及び各種の電力DB3(符号3(a)~3(c))と通信可能に構成されている。例えば、本システムにおいてユーザ端末2は、情報処理装置10を介して各種の電力DB3と通信接続することもできる。
【0033】
情報処理装置10は、サーバとして動作し、ユーザ端末2は企業や団体の管理者などがCO2排出量を閲覧等するために利用する端末であり、電力DB3(電力管理団体DB3(a)、需要会社電力DB(b)、電気事業者DB(c))は情報処理装置10が企業や団体の電力量などを取得するDB(データベース)である。本明細書では、電力を使用する企業や団体のことを需要会社と表現する。
【0034】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0035】
なお、情報処理装置10として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、電力量管理システム1を構成することも可能である。
【0036】
ユーザ端末2は、電力を使用している需要会社(及び需要会社の管理担当者)などが利用する端末である。ユーザ端末2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。ユーザ端末2は、ユーザ用の電力量管理アプリプログラムを記憶し、このアプリプログラムはユーザにおいて電力量やCO2排出量などを閲覧等するための機能を有して構成される。
【0037】
電力DB3は、需要会社の電力使用量を管理するためのDBである。電力DB3として、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等を利用することができる。電力DB3は、管理用の電力量管理アプリプログラムを記憶し、情報処理装置10へ需要会社の電力使用量を送るための機能を有して構成される。
【0038】
なお、ユーザ端末2及び電力DB3は、それぞれの電力量管理アプリプログラムを有していない構成にすることもできる。この場合、ユーザ端末2及び電力DB3はウェブブラウザ等(または情報処理装置10からの取得処理)などにより各情報を閲覧、送信等することができる。
【0039】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、ハードウェア構成として、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
【0040】
制御部11は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る電力量管理プログラム、OS、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
【0041】
記憶部12は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、本発明に係る電力量管理プログラム及び、制御部11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部11が、記憶部12に記憶されている電力量管理プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0042】
通信部13は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0043】
図2(b)は端末90(
図1におけるユーザ端末2)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末90は、ハードウェア構成として、制御部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0044】
端末90の制御部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末90の動作処理全体を制御する。端末90の記憶部92は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、上述の電力量管理アプリプログラム並びに、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0045】
端末90の通信部93は、ネットワークとの通信を制御する。端末90の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を制御部91に入力する。端末90の出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0046】
<機能構成>
図2(a)に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、取得部101、算出部102、特定処理部103、表示処理部104、を備える。これらは、ソフトウェア(記憶部12に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部11等)によって具体的に実現されたものである。
【0047】
取得部101は、ユーザ端末や電力DB3などから各種情報を取得する(受け付ける)。取得部101は、ユーザ情報や会社情報を取得する。本実施形態において取得部101は、各場所における電力分類及び電力分類ごとの電力量を取得し、階層構造に対応づけて記憶部12へ格納する。また、取得部101は、階層構造情報や換算情報を取得し、記憶部12へ格納する。
【0048】
算出部102は、CO2排出量を算出する。本実施形態において算出部102は、階層構造に対応づけられた電力量と、換算情報と、に基づいて、需要会社(組織)の階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する。算出部102は、電力供給元ごとに定められた電力プランごとのCO2換算係数が含まれる換算情報に基づいて、特定従属範囲のCO2排出量を算出する。
【0049】
また、算出部102は、ユーザに指定された電力分類に基づいて、特定従属範囲における特定の電力分類のCO2排出量を算出する。例えば算出部102は、ユーザに指定された電力プラン(AAAプランなど)に基づいて、特定従属範囲における特定の電力プランのCO2排出量を算出することができる。
【0050】
特定処理部103は、電力供給に関する情報を特定する。本実施形態において特定処理部103は、各場所に電力を供給するための電気契約に関する契約情報に基づいて、特定従属範囲における電気契約の契約数(及び/又はブレーカなどの電力回線の数)、及び該電気契約の利用状況を特定処理する。
【0051】
表示処理部104は、ユーザ端末2の表示画面等を表示処理する。本実施形態において表示処理部104は、算出部102による算出結果に基づいて、特定従属範囲のCO2排出量と、該特定従属範囲を構成する場所ごとのCO2排出量と、を表示処理し、その表示処理結果を送信する。
【0052】
また、表示処理部104は、算出部102による算出結果に基づいて、特定従属範囲のCO2排出量における電力種別の内訳を表示処理し、その表示処理結果を送信する。表示処理部104は、算出部102による算出結果に基づいて、階層構造のうち、選択された階層の場所おけるCO2排出量を表示処理し、その表示処理結果を送信することもできる。
【0053】
<データベースDB>
図1のデータベースDBは、需要会社の管理担当者などのユーザに関するユーザ情報、需要会社などの会社情報、複数の場所の従属関係を示す階層構造情報、電力量をCO2排出量に換算するための換算情報、各需要会社が使用した電力量に関する電力量情報、その他電力量管理に必要な各種情報を格納する。これらの一部又は全部は、記憶部12等に格納されてもよいし、これらの一部が別のデータベース等に格納されてもよい。
【0054】
以下、
図3~9を参照して、電力量管理システム1の説明及び各機能構成要素による処理内容について説明する。
【0055】
<電力量管理システムの概要>
本実施形態に係る電力量管理システム1は、各地に拠点が点在する組織構造を有する需要会社において、各地で使用された電力量に基づいたCO2排出量を簡単且つ精度良く管理するためのシステムである。
【0056】
すなわち、本実施形態に係る電力量管理システム1では、各地に各種拠点が点在する組織構造のうち、ユーザの希望に応じて特定の範囲(特定の場所や従属範囲)を自由に設定可能であり、さらに必要に応じて電気事業者(電力供給会社)ごとの電力プランや電圧の供給条件により定められた電力種別ごとにCO2排出量を管理することができる。以下、本実施形態に係る電力量管理システム1における処理の流れについて詳しく説明する。
【0057】
<各種情報の登録>
図3には、本発明の一実施形態に係る電力量管理システム1における処理手順のフローチャートを示す。S201において、電力を使用している需要会社に属する担当者などのユーザは、事前にユーザ情報を登録する。加えて、ユーザ(または当該電力量管理システム1の担当者)は、ユーザが属する需要会社に関する会社情報も事前に登録する。情報処理装置10の取得部101は、電力量管理に利用される各種情報を取得し、記憶部12へ登録する。
【0058】
なお、本実施形態におけるユーザには、需要会社の管理担当者に加えて、例えば施工現場における元請会社や協力会社の現場担当者や協力会社の作業者など(施工作業に関連する人)も含まれる。需要会社の担当者(管理担当者)は、本社に属する人もいれば支店や事業場に属する人も存在する。
【0059】
図4(a)に示すように、ユーザ情報は、ユーザの氏名、連絡先、後述する会社ID、部長や課長などの役職、管理者や現場監督などの担当業務、本社や支店などの所属、登録日、などの情報を含んでユーザIDで管理される。また、
図4(b)に示すように、会社情報は、会社名、会社の連絡先、会社の住所、元請会社や協力会社などの種別、などの情報を含んで会社IDで管理される。本実施形態では、ユーザ情報や会社情報等に基づいて、CO2排出量を閲覧等することができる。例えば、ユーザの役職や担当業務などの属性に基づいて、CO2排出量の閲覧範囲を制限することもできる。
【0060】
本実施形態における電力量管理システム1では、ユーザ情報及び会社情報に加えて、会社において複数の拠点の従属関係を示す階層構造に関する情報(階層構造情報)、及び所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報も事前に登録している。
【0061】
図5には、本発明の一実施形態に係る電力量管理システムで利用される階層構造の概略イメージ図を示す。同図に示すように、本社に紐づく支店A及び支店B、支店Aに紐づく事業場1及び事業場2、支店Bに紐づく事業場3及び事業場4、のように階層構造情報はそれぞれの場所(拠点)における従属関係を示す情報である。
【0062】
なお、本明細書では、本社や支店(支社)、事業場などの複数の拠点を広義の意味で場所と表現することもある。事業場には、工場、事務所、店舗などの他、元請業者が担当する施工現場なども含まれる。また、需要会社の階層構造における場所には、直接的に本社や支店に紐づかない非事業場(及び未紐づけの場所)なども含まれる。例えば、本社や支店などに未紐づけ状態である特定の施工現場なども含まれる。
【0063】
図4(c)に示すように、階層構造情報は、会社ID、場所名(階層関係)、その他需要会社における階層構造を表現するために必要な情報を含んで階層構造IDで管理される。例えば階層構造情報は、施工現場における施工体制を利用して構成することもできる。より具体的には、施工体制に含まれる需要会社の階層構造を利用して階層構造情報を構成することができる。本実施形態では、この階層構造情報を利用して、ユーザに選択された特定範囲の従属関係を有する複数の場所(特定従属範囲)のCO2排出量を算出することができる。
【0064】
図6(a)に示すように、換算情報は、〇〇電力(〇〇電力株式会社)や××パワー株式会社などの需要会社へ電力を共有する電気事業者(及び小売電気事業者)、電気事業者ごとに定められる複数の電力プラン(契約プラン)、電力プランごとのCO2換算係数、及び各電気事業者から環境省などの公共団体に届け出がされている公共団体のメニュー表記、などの情報を含んで換算IDで管理される。本実施形態では、この換算情報と上述した階層構造情報を利用することで、簡単且つ精度の良いCO2排出量の算出を実現している。
【0065】
図7には、本発明の一実施形態に係る電力量管理システムで管理される換算情報の概略イメージ図を示す。各小売電気事業者は、自社の電力プラン(契約プラン)を公共団体が定めたプランのいずれに該当するかの届け出をする義務がある。
図7の概略イメージのように、例えば各小売電気事業者から各需要会社へ提供される電力プランと公共団体へ届け出がされているプランとを対応づけ、これらの対応関係に応じてCO2換算係数を決定することもできる。当然ながら
図7の概略イメージとは無関係に一般的な電気事業者における電力プランを取得することもできる。
【0066】
<電力データの取得>
図3のS202において、情報処理装置10の取得部101は、需要会社が使用した電力量を電力DB3から取得し、需要会社の階層構造に対応付けて記憶部12へ格納する。電力DB3には、需要会社の各場所における電力分類(電力プランや電力種別)及び電力分類ごとの電力量が電力量情報として記憶部12へ格納されている。
【0067】
図6(b)に示すように電力量情報は、会社ID、階層構造ID、電力会社ごとの電力プラン、低圧電灯(単相100~200Vなど)、低圧動力(3相200Vなど)、高圧、特別高圧などの電力種別、電力量(kWh)及び電力量の実測期間(図示を省略)、各場所に電力を供給するための電気契約における契約数(及び/又は電力回線の数)、契約数の利用状況、などの情報を含んで電力量IDで管理される。本実施形態における電気契約は、各小売電気事業者における各プランの契約(電力メータやスマートメータごとの契約)である。なお、本明細書では電気契約の契約数及び利用状況をあわせて契約情報と表現することもある。
【0068】
本実施形態では、取得部101は電力データ管理協会などの電力管理団体が管理している電力管理団体DB3(a)から管理対象となる需要会社の電力量(及び電力プランや電力種別などの電力分類)を取得し、あるいは需要会社が管理している需要会社DBから直接的に電力量を取得することができる。また、
図1に示すように取得部101は、電力会社などの電気事業者が管理している電気事業者DB3(c)から管理対象となる需要会社の電力量を取得することもできる。
【0069】
<CO2排出量の算出>
S203において、情報処理装置10の算出部102は、ユーザ端末2から特定従属範囲を受け付ける。ここでいう特定従属範囲とは、例えば
図5においてユーザ(ユーザ端末2)が支店Aの従属範囲を指定(選択)した場合、支店A、支店Aに従属する事業場1、同じく支店Aに従属する事業場2の3拠点(3ヵ所の場所)が特定従属範囲となる。算出部102は、この指定された特定従属範囲におけるCO2排出量の算出することができる。
【0070】
また、
図5においてユーザが本社の従属範囲を指定した場合は、本社、本社に従属する支店A、支店B、支店A及び支店Bに従属する事業場1~4の全ての場所が特定従属範囲となる。この場合、当該需要会社における全ての拠点のCO2排出量が算出される。
【0071】
S204において、算出部102は、ユーザ端末2から指定を受け付けた特定従属範囲のCO2排出量を算出する。具体的には、階層構造に対応づけられた電力量と、換算情報と、に基づいて、階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する。
【0072】
例えば
図5の概略イメージ図においてユーザが支店Aの従属範囲を指定した場合、
図4(c)の階層構造情報における階層構造ID20011(本社)、20012(支店A)、20014(事業場1)、20015(事業場2)の電力量(kWh)を
図6(b)の電力量情報から抽出し、これらを合算した電力量に基づいてCO2排出量を算出する。
【0073】
この一例によれば、
図4(c)の電力量情報から分かるように、本社は〇〇電力の管轄であり、支店Aは△△電力の管轄であり、事業場1及び事業場2は××パワー株式会社の管轄であり、すなわち、それぞれの場所ごとに管轄する電気事業者が異なり、更に電気事業者ごとに複数用意された契約プランもそれぞれ異なる。この場合、実際には契約プランごとにCO2排出量が異なることから、ロケーション基準によるCO2換算係数を利用してCO2排出量を算出しても実際には正確な結果を得ることができない。
【0074】
そこで本実施形態では、マーケット基準による各電力会社の各契約に基づくより詳細な換算情報(CO2換算係数)を利用してCO2排出量を算出している。本実施形態では、全国各地に点在する場所の中からユーザに選択された特定の従属範囲に対し、更に各電力会社の各契約に基づく詳細なCO2換算係数を利用することで、簡単且つ精度の良いCO2排出量を算出することができる。
【0075】
また、本実施形態では、特定従属範囲における詳細なCO2排出量を算出することに加え、階層構造情報、換算情報、電力量情報、を適宜組み合わせて利用することで、ユーザの要望に応じた範囲のCO2排出量を算出することができる。
【0076】
例えば算出部102(または取得部101)は、ユーザから特定の電力プランの指定を受け付け、ユーザに指定された電力プランに基づいて、特定従属範囲における特定の電力プランのCO2排出量を選択的に算出することができる。別の表現で言えば、ユーザは需要会社の階層構造における従属範囲と、その従属範囲内で利用される電力プランを自由に設定し、この設定された条件に基づいてユーザが希望するCO2排出量を選択的に算出することができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、算出部102(または取得部101)は、ユーザに指定された電力種別(低圧電灯、低圧動力、高圧、特別高圧など)に基づいて、特定従属範囲における特定の電力種別のCO2排出量を選択的に算出することができる。言い換えれば、ユーザは需要会社の階層構造における従属範囲と、その従属範囲内で利用される三相200Vなどの電力種別を自由に設定し、この設定された条件に基づいてユーザが希望するCO2排出量を選択的に算出することができる。
【0078】
<電気契約の特定処理>
S205において、特定処理部103は、電気契約の契約数やその利用状況を特定処理する。具体的には、取得部101は、各場所に電力を供給するための電気契約に関する契約情報を取得して階層構造(電力量情報)に対応付けて記憶部12へ格納する。そして特定処理部103は、契約情報に基づいて、特定従属範囲における電気契約の数、及び該電気契約の利用状況を特定処理する。
【0079】
例えば大規模工事を伴う施工現場などでは、1つの場所(施工現場)を複数の領域ごとに分けて管理し(工期に合わせて、あるいは電力種別により管理し)、その複数の領域ごとに電力メータが設置されて電気契約が行われる。
【0080】
この場合、ある所定期間においては所定の領域で電力メータの契約がされて稼働状態であっても、現時点において特定の領域についてはすでに施工が完了しているため電力供給の稼働を停止していることもあり得る。また、ある領域では1つの契約がされているが別の領域(または別の期間)においては複数の契約されていることもある。すわなち、本実施形態では、事業場や施工現場単位で電力量(CO2排出量)を把握できることに加え、電気契約の契約数や利用状況のようなより詳細な情報までユーザは把握することができる。
【0081】
<表示処理>
S206において、表示処理部104は特定従属範囲の各種情報を表示処理する。
図8には、本発明の一実施形態に係るユーザ端末2における表示処理結果の一例を示す。表示処理部104は、算出部102による算出結果に基づいて、ユーザからの入力指示による特定従属範囲のCO2排出量を表示処理し、その表示処理結果をユーザ端末2へ送信する。
【0082】
図8に示すようにユーザ端末2の表示画面W10には、CO2排出状況検索の画面を示す検索領域W20、検索結果の画面を示す結果領域W30が表示されている。検索領域W20には、本社、支店、事業場などの組織区分、組織名、月次表示や日次表示などの検索結果の表示方法、電力会社や当該電力会社で契約可能なプランを選択するための電力プラン、低圧や高圧などを選択する電力種別、特定の期間を選択する集計期間、が表示される。表示処理部104は、ユーザ端末2からの各種選択入力に応じて、階層構造情報、換算情報、電力量情報などを利用して算出された算出結果に基づいて、ユーザの希望するCO2排出量に関する情報を表示処理する。
【0083】
検索領域W20の組織区分では、ユーザの希望に応じて本社や支店などの場所を選択することができる。組織名では、組織区分で選択した場所のうちの一部(組織区分が支店であれば、そのうちの支店A)を選択することができる。例えば、本社を選択することで、本社に関するCO2排出量が表示され、支店を選択することで支店に関するCO2排出量が表示される。その他、組織名を選択(スクロールまたは入力して選択)することで、複数の事業場のうちの一部を選択して表示することもできる。例えば拠点Fのように、直接的に本社に従属していない非事業場や未紐づけの場所についてもCO2排出量を表示することができる。
【0084】
さらに
図9に示すように、ユーザ端末2から組織区分における支店Aが選択されると共に従属関係が選択されることで、表示処理部104によって支店Aに従属する全ての場所(特定従属範囲)の合計CO2排出量、及びそれらの場所ごとのCO2排出量が結果領域W30に表示処理される。
【0085】
本実施形態では、
図8(及び
図9)に示すように、検索領域W20において電力プランを選択することができる。電力プランとは、例えば
図6(a)の換算情報に示される各電気事業者の電力プランである。表示処理部104は、算出部102による算出結果に基づいて、特定従属範囲のCO2排出量における電力プランの内訳を表示処理し、その表示処理結果をユーザ端末2へ送信することができる。また、表示処理部104は、特定従属範囲のCO2排出量においてユーザから選択された電力プランを選択的に表示処理することもできる。
【0086】
本実施形態では、検索領域W20において電力種別を選択することができる。電力種別とは、低圧、高圧、特別高圧などである。例えば電力種別の選択では、低圧において単相100Vないし200V(電灯)や三相200V(動力)などの詳細分類を選択することもできる(図示を省略)。
【0087】
表示処理部104は、算出部102による算出結果に基づいて、特定従属範囲のCO2排出量における電力種別の内訳を表示処理し、その表示処理結果を送信することができる。また、表示処理部104は、特定従属範囲のCO2排出量においてユーザから選択された電力種別を選択的に表示処理することもできる。ユーザは、ある特定従属範囲における単相200V(電灯)及び三相200V(動力)、高圧や特別高圧などの電力種別ごとのそれぞれのCO2排出量やそれらの内訳を簡単且つ正確に確認することができる。
【0088】
このように本実施形態では、組織の階層構造、電力プランや電力種別などの電力分類、を自由に設定できるので、ユーザは様々な態様による精度の良いCO2排出量を閲覧ないし管理することができる。
【0089】
以上のように本発明に係る電力量管理システム1によれば、複数の場所の従属関係を示す階層構造、及び特徴的な換算情報や電力分類などを利用して所定の処理を実行することで、各地に点在する需要会社の組織構造において簡単且つ精度良くCO2排出量を管理することができる。
【0090】
また、本実施形態では各地に拠点や施工現場が点在する組織構造を有する需要会社の電力量管理について説明したが、電力量管理システム1を施工現場以外の他の分野で利用する場合にも本発明と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 電力量管理システム
2 ユーザ端末
3 電力DB
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
90 端末(ユーザ端末2)
91 制御部
92 記憶部
93 通信部
94 入力部
95 出力部
101 取得部
102 算出部
103 特定処理部
104 表示処理部
NW ネットワーク
W10 表示画面
W20 検索領域
W30 結果領域
【要約】
【課題】 本発明は、電力量管理システム、電力量管理方法、電力量管理プログラムに関する。
【解決手段】 電力量管理システム1は、記憶部、取得部、算出部、を備える。
記憶部は、複数の場所の従属関係を示す階層構造と、所定条件による電力分類ごとの電力量をそれぞれCO2排出量に換算するための換算情報と、を格納する。
取得部は、各場所における電力分類及び該電力分類ごとの電力量を取得し、階層構造に対応づけて記憶部へ格納し、算出部は、階層構造に対応づけられた電力量と、換算情報と、に基づいて、階層構造においてユーザに指定された特定従属範囲のCO2排出量を算出する。
【選択図】
図1